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特許71847502-(2,4-ジクロロフェニル)メチル-4,4-ジメチル-3-イソオキサゾリジノンに基づく水性カプセル懸濁濃縮物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】2-(2,4-ジクロロフェニル)メチル-4,4-ジメチル-3-イソオキサゾリジノンに基づく水性カプセル懸濁濃縮物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/80 20060101AFI20221129BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20221129BHJP
   A01N 25/28 20060101ALI20221129BHJP
   A01N 25/32 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
A01N43/80 101
A01P13/00
A01N25/28
A01N25/32
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019505181
(86)(22)【出願日】2017-08-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-03
(86)【国際出願番号】 EP2017069701
(87)【国際公開番号】W WO2018024839
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-29
(31)【優先権主張番号】16182780.3
(32)【優先日】2016-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】クラウス,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ハンブロック,ラルフ
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/127259(WO,A1)
【文献】特表2014-502990(JP,A)
【文献】国際公開第2015/071087(WO,A1)
【文献】特開2004-224799(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103664754(CN,A)
【文献】特開昭57-024332(JP,A)
【文献】特表2014-512412(JP,A)
【文献】特表2014-501775(JP,A)
【文献】特表2004-513115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 43/
A01P 13/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル懸濁濃縮物であって、
(A) 微粒子分散相〔ここで、該微粒子分散相は、
(a) イソシアネート-反応性基を有する少なくとも1種類の化合物(a1)とイソシアネート混合物(a2)の反応生成物;
(b) 水不溶性有機溶媒(b1)に溶解させた2-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル-4,4’-ジメチル]-3-イソオキサゾリジノン;
(c) 1種類以上の添加剤;及び
(c1)少なくとも1種類の保護コロイド
を含んでいる〕;及び、
(B) 液状水相;
を含んでおり、ここで、分散相(A)の微粒子は1~50μmの中央粒径値を有しており、
(a)の比率は、0.2重量%~4.5重量%であり、
農薬活性成分(b)の比率は、10重量%~20重量%であり、
有機溶媒(b1)の比率は、20重量%~40重量%であり、
保護コロイド(c1)の比率は、0.3重量%~1.5重量%であり、及び、
添加剤(c)の比率は、0.4重量%~3重量%であることを特徴とする、前記カプセル懸濁濃縮物であり、但し、上記比率は、(A)と(B)の総量に基づくものである。
【請求項2】
前記有機溶媒(b1)が、1-メチルナフタレンと2-メチルナフタレンとナフタレンの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載のカプセル懸濁濃縮物。
【請求項3】
イソシアネート-反応性成分(a1)として水を使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載のカプセル懸濁濃縮物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のカプセル懸濁濃縮物を製造する方法であって、段階(1)において、水不溶性有機溶媒(b1)に溶解させた2-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-4,4’-ジメチル-3-イソオキサゾリジノン(b)を、イソシアネート混合物(a2)と混合させ、及び、場合により、有機溶媒及び/又は乳化剤とも混合させ、そのようにして調製された溶液を、次に、(2)第2段階において、保護コロイド(c1)を含んでいる水の中で、場合により、さらなる添加剤(c)との混合物の中で、乳化させ、並びに、そのようにして調製されたエマルションを、(3)第3段階において、(a1)と混合させ、次いで、添加剤(c)を場合により添加することを特徴とする、前記方法。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載のカプセル懸濁濃縮物及び少なくとも1種類の懸濁濃縮物(SC)を含んでいるZC製剤であって、該懸濁濃縮物(SC)が
・ 1種類以上の活性成分(a’)及び/又は1種類以上の薬害軽減剤(s);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の増粘剤(c);
・ 1種類以上のアニオン性乳化剤(e1);及び、
・ 1種類以上の非イオン性乳化剤(e2);
を含んでいる、前記ZC製剤。
【請求項6】
それらが
・ 1種類以上の薬害軽減剤(s);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の増粘剤(c);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上のアニオン性乳化剤(e1);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の非イオン性乳化剤(e2);及び、
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の担体物質(f);
を含んでいることを特徴とする、請求項5に記載のZC製剤。
【請求項7】
それらが
・ 1種類以上の活性成分(a’)及び1種類以上の薬害軽減剤(s);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の増粘剤(c);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上のアニオン性乳化剤(e1);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の非イオン性乳化剤(e2);及び、
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の担体物質(f);
を含んでいることを特徴とする、請求項5に記載のZC製剤。
【請求項8】
穀類及びナタネにおける除草剤としての、及び、発生前方法及び発生後方法における除草剤としての、請求項1~3のいずれかに記載のカプセル懸濁濃縮物の使用。
【請求項9】
作物植物の中の望ましくない植物を防除する方法であって、請求項1~3のいずれかに記載のカプセル懸濁濃縮物を該植物又は該植物がそこで生育する領域に対して使用することを特徴とする、前記方法。
【請求項10】
トランスジェニック作物植物の中の有害な植物を防除するための、請求項1~3のいずれかに記載のカプセル懸濁濃縮物の使用。
【請求項11】
その種子が薬害軽減剤で既に処理されている植物を処理するための、請求項1~3のいずれかに記載のカプセル懸濁濃縮物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-4,4’-ジメチル-3-イソオキサゾリジノンに基づく水性カプセル懸濁濃縮物(aqueous capsule suspension concentrates)、それを製造する方法及びそれと懸濁濃縮物の混合物に関し、並びに、農薬製剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
活性成分「2-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-4,4’-ジメチル-3-イソオキサゾリジノン」(CAS number 81777-95-9、又は、IPUAC 2-(2,4-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、以下では「DCPMI」と略して記載する)は、クロマゾン(以下では「CPMI」と略して記載する、CAS 81777-89-1、IUPAC 2-(2-クロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン)の化学的誘導体である。クロマゾンと比較して、DCPMIは水溶解度が極めて低く(1000ppmよりかなり低い39.5ppmである)、及び、蒸気圧は幾分低く(19.2mPaに対して0.88mPa)、従って、算出されたヘンリー定数(水性ガスを通した活性成分の分配)は類似したレベルにある。両方の活性成分は、近隣の作物に対して望ましくない損傷を引き起こし得る揮発性活性成分のクラスに属する。そのような低い蒸気圧は、さらに、望ましくない広範囲の分布にも関連し得るが、そのような広範囲に分布することは、ヒト及び環境に対する毒物学的な理由により、並びに、経済的な理由により、防止しなければならない。
【0003】
DCPMIは、例えば、WO-A 2015/127259又はWO-A 2012/148689に記載されているように、除草剤組成物及び除草剤混合物において使用されるか、又は、選択的イネ科除草剤として使用される。
【0004】
EP-A 0039441には、既に、農業において使用するためのマイクロカプセル懸濁液が開示されている。EP-A 0039441に開示されているマイクロカプセルは、ゼラチンとカルボニル化合物から製造される。ポリウレタン/尿素カプセル(以下、「ポリウレタンカプセル」と称する)の製造に関しては開示されていない。
【0005】
WO-A 96/14743においては、クロマゾンがポリウレタンを用いてカプセル化されている。ここで、その揮発性は50%まで低減されるが、クロマゾンとイソシアネートの比率は1:1~6:1であり、その結果、ポリウレタンカプセルの壁厚は非常に厚い。さらに、そのカプセル化は多官能性アミンを添加して実施し、アミンとイソシアネートの比率を0.1:1~1:1に選択している。
【0006】
WO-A 2015/143974にも、同様に、CPMIのカプセル化が開示されているが、そのカプセル化は、尿素-ホルムアルデヒドカプセルを使用している。
【0007】
WO-A 2015/143979及びWO-A 2015/143975には、CPMIに対する代替え的な特定の溶媒が記載されている。WO-A 2014/166347には、ポリアセチレンカルバミドを用いたCPMIのカプセル化が開示されている。
【0008】
従来技術において記載されている調製方法の不利点は、カプセル化の強度が活性成分の長期間持続する放出をもたらすことであり、これは、DCPMIの場合には好ましくない。クロマゾンはナタネ作物に対して発生前方法で使用されるので、長期間にわたる放出は不利である。それに対して、DCPMIは穀類作物に対して発生前方法と発生後方法の両方で使用される。ここで、種々のイネ科植物(例えば、ノスズメノテッポウ(black grass)、ALOMY)は、発生前及び発生後の両方で防除される。この目的のためには、カプセル化された活性成分とカプセル化されていない除草活性成分の組み合わせを使用するのが好ましい。このような施用方法では、迅速な効果が好ましい。作用の発現が遅い場合には、雑草及びイネ科植物の成育段階が既に進みすぎている可能性があり、その結果、首尾よく防除することはもはや不可能である。
【0009】
さらに、クロマゾンは、有機溶媒を添加する必要がない、室温において液体である活性成分である。それに対して、DCPMIは、適切な溶媒中に予め溶解させなければならない。従来技術に記載されている該方法の不利点は、その中に開示されているどのカプセル化も上記で特定されているDCPMIの使用に適していないということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】国際特許出願公開第2015/127259号
【文献】国際特許出願公開第2012/148689号
【文献】欧州特許出願公開第0039441号
【文献】国際特許出願公開第96/14743号
【文献】国際特許出願公開第2015/143974号
【文献】国際特許出願公開第2015/143979号
【文献】国際特許出願公開第2015/143975号
【文献】国際特許出願公開第2014/166347号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明が取り組んだ課題は、揮発性を少なくとも70%(相対的に)低減させ及び同時に活性成分の浸透を10%を超えて低減させることはない、DCPMIの適切なカプセル化を提供することであった。加えて、DCPMIに対する適切な溶媒が見いだされた。最後に、本発明が同様に取り組んだ課題は、本発明に従ってカプセル化されたDCPMIを含み及びさらなる除草活性成分を含んでいる、穀類及びナタネにおける雑草を発生前方法及び発生後方法で防除するために使用するための、好ましくは、イネ科植物、特に、ノスズメノテッポウ(black grass)(ALOMY)を防除するために冬オオムギに対して発生前方法で使用するための、農薬製剤、好ましくは、カプセル懸濁濃縮物を提供することであった。該カプセル懸濁濃縮物は、また、さらなる農薬活性成分を含んでいる懸濁濃縮物と混和性であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、本発明によるカプセル懸濁濃縮物(CS)によって解決された。
【0013】
従って、本発明は、カプセル懸濁濃縮物を提供し、ここで、該カプセル懸濁濃縮物は、
(A) 微粒子分散相〔ここで、該微粒子分散相は、
(a) イソシアネート-反応性基を有する少なくとも1種類の化合物(a1)とイソシアネート混合物(a2)の反応生成物;
(b) 水不溶性有機溶媒(b1)に溶解させた2-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル-4,4’-ジメチル]-3-イソオキサゾリジノン;
(c) 1種類以上の添加剤;
を含んでいる〕;及び、
(B) 液状水相;
を含んでおり、ここで、分散相(A)の微粒子は1~50μmの中央粒径値を有している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好ましくは、本発明によるCSは、少なくとも1種類の保護コロイド(c1)を含んでいる。
【0015】
該粒径は、CIPAC (CIPAC=Collaborative International Pesticides Analytical Council;www.cipac.org) Method MT 187に従って、d50又はD90=活性成分の粒径(全体積粒子の50%又は90%のレーザー散乱)として測定する。該中央粒径値は、該d50値を示している。
【0016】
分散相(A)の粒子は、一般に1~50μm、好ましくは、1~20μm、最も好ましくは、3~15μmの中央粒径値d50を有している。
【0017】
本発明は、さらに、本発明によるカプセル懸濁濃縮物を製造する方法も提供し、ここで、該方法は、段階(1)において、水不溶性有機溶媒(b1)に溶解させた2-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-4,4’-ジメチル-3-イソオキサゾリジノン(b)を、イソシアネート混合物(a2)と混合させ、及び、場合により、有機溶媒及び/又は乳化剤とも混合させ、そのようにして調製された溶液を、次に、(2)第2段階において、保護コロイド(c1)を含んでいる水の中で、場合により、さらなる添加剤(c)との混合物の中で、乳化させ、並びに、そのようにして調製されたエマルションを、(3)第3段階において、(a1)と混合させ、次いで、添加剤(c)を場合により添加することを、特徴とする。
【0018】
以下において示されている量は、異なるように記載されていない限り、(A)と(B)の総量に関連している。
【0019】
本発明による調製方法のさらなる実施形態では、第2段階(2)で得られたエマルションを、本発明による第3段階(3)において、最初に撹拌しながら少なくとも1種類のジアミン、ポリアミン、ジアルコール、ポリアルコール及び/又はアミノアルコール(a1)と混合させることができる。該アミン成分又はアルコール成分(a1)は、ここで、適切には、水溶液状態で添加する。カプセルの形成をもたらす反応が終了した後、添加剤(c)を場合により添加する。しかしながら、好ましくは、本発明の調製方法においては、成分(a1)として水のみを使用する。
【0020】
本発明によるCSを製造するために、強い剪断力を生じるこの種の目的に関して慣習的な任意の装置を使用することができる。例としては、ローター・ステーターミキサー及びジェットディスパーサー(jet dispersers)などを挙げることができる。
【0021】
本発明による調製方法の実施においては、成分(a2)のNCO基と成分(a1)のNCO-反応性基の比率は、特定の範囲内で変えることができる。一般に、1molのイソシアネート当たり、0.8~1.5当量のアミン成分又はアルコール成分を使用する。好ましくは、イソシアネートの量及びアミン又はアルコールの量は、等モル量のイソシアネート基及びアミノ基又はヒドロキシル基が存在するように選択する。
【0022】
本発明による調製方法の実施においては、その反応温度は、特定の範囲内で変えることができる。
【0023】
本発明による調製方法の第1段階(1)は、一般に、-10~80℃の温度で、好ましくは、0℃~50℃の温度で、さらに好ましくは、2℃~40℃の温度で、最も好ましくは、2℃~30℃の温度で実施し、第2段階(2)は、一般に、-10℃~+80℃の温度で、好ましくは、0℃~80℃の温度で実施し、及び、第3段階(3)は、一般に、0℃~80℃の温度で、好ましくは、10℃~75℃の温度で、実施する。
【0024】
本発明による調製方法は、大気圧下で実施する。
【0025】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物のカプセルの壁厚は、0.001~4μmであり、好ましくは、0.01~2μm、最も好ましくは、0.01~1μmである。
【0026】
(a1)と(a2)の反応において、イソシアネート基とイソシアネート-反応性基の数平均官能性Xの総量は、2≦X≦6であり、好ましくは、2≦X≦4.5、さらに好ましくは、2.0≦X≦3.5、最も好ましくは、2.2≦X≦2.8である。
【0027】
本発明の調製方法における「数平均官能性X」の特徴は、以下のように説明される。本発明において重要なのは、より高い官能性を有する化合物であり、官能性が低い方の化合物から2を減じた結果を官能性が高い方の化合物に加える。例えば、(a1)の(平均)官能性が2.1であり、(a2)の(平均)官能性が2.6である場合: 2.1-2=0.1。この差を2.6に加える: 2.6+0.1=2.7。かくして、当該数平均官能性は、2.7である。あるいは、(a1)が2.7であり、(a2)が2.3である場合、当該数平均官能性は、2.7+2.3-2=3.0であることが分かる。
【0028】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物は、多くの有利点を特徴とする。例えば、それらは、いずれの場合にも必要とされる量の活性成分を長期間にわたって放出することができる。存在している活性成分の植物適合性が改善され、そして、揮発性が低減され、従って、近隣の作物に対する損傷が低減されるということも有利である。さらに、活性成分の急性毒性も低減され、その結果、当該マイクロカプセル製剤の使用は、多大な安全対策を講じなくても、操作者にとって問題ない。
【0029】
イソシアネート-反応性基を有する有用な化合物(a1)としては、脂肪族、芳香族、環式及び脂環式の第1級及び第2級のジアミン類、並びに、さらに、ポリアミン類などがある。例としては、エチレンジアミン(1,2)、ジエチレントリアミン、モノイソプロピルアミン、4-アミノピリジン(4-AP)、n-プロピルアミン、エチレンイミン系ポリアジリジン又はプロピレンイミン系ポリアジリジン、トリエチレンテトラアミン(TETA)、テトラエチレンペンタアミン、2,4,4’-トリアミノジフェニルエーテル、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、エチレンジアミン(EDA)、トリメチレンジピペリジン(TMDP)、炭酸グアニジン(GUCA)、フェニレンジアミン、トルエンジアミン、ペンタメチレンヘキサミン、2,4-ジアミノ-6-メチル-1,3,5-トリアジン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,5-ジアミノナフタレンイソホロンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ピペラジン、アミノエチレンピペラジン(AEP)、ポリ(プロピレングリコール)ビス(2-アミノプロピルエーテル)又はo,o’-ビス(2-アミノプロピル)ポリプロピレングリコール-ブロック-ポリエチレングリコール-ブロック-ポリプロピレングリコール、ヘキサメチレンジアミン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、ビス(2-メチルアミノエチル)メチルアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、3-アミノ-1-メチルアミノプロパン、N-メチルビス(3-アミノプロピル)アミン、1,4-ジアミノ-n-ブタン及び1,6-ジアミノ-n-ヘキサンなどを挙げることができる。ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミンが好ましい。
【0030】
イソシアネート-反応性基を有する有用な化合物(a1)としては、さらに、第1級及び第2級の脂肪族及び芳香族のジアルコール類及びポリアルコールなどもある。例としては、以下のものを挙げることができる:エタンジオール、プロパンジオール(1,2)、プロパンジオール(1,3)、ブタンジオール(1,4)、ペンタンジオール(1,5)、ヘキサンジオール(1,6)、グリセロール及びジエチレングリコールなどを挙げることができる。グリセロール及びプロパン-1,2-ジオールを使用するのが好ましい。
【0031】
イソシアネート-反応性基を有する化合物(a1)としては、さらに、アミノアルコール類などもある。例として、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロピルアミン、N-メチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン。
【0032】
極めて特に好ましい実施形態では、イソシアネート-反応性成分(a1)として水を使用する。水をその場でイソシアネート(ポリ/ジ)と反応させて、アミン(ポリ/ジ)を生成させる。(a1)のブレンドを使用することも可能である。好ましくは、水のみを使用する。
【0033】
イソシアネート混合物(a2)は、モノ-、ジ-及び/又はポリイソシアネート混合物であるか、又は、イソシアネート混合物の反応生成物である。適切な化合物(a2)は、例えば、ブチレン1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,2,4-及び/又は2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、異性体のビス(4,4’-イソシアナトシクロヘキシル)メタン類(H12-MDI)及びその任意の異性体内容物との混合物、シクロヘキシレン1,4-ジイソシアネート、4-イソシアナトメチルオクタン1,8-ジイソシアネート(ノナントリイソシアネート)、フェニレン1,4-ジイソシアネート、トリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)、ナフチレン1,5-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’-及び/又は2,4’-及び/又は4,4’-ジイソシアネート(MDI)、1,3-及び/又は1,4-ビス(2-イソシアナトプロパ-2-イル)ベンゼン(TMXDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)、1~8個の炭素原子を有するアルキル基を有しているアルキル2,6-ジイソシアナトヘキサノエート類(リシンジイソシアネート類)、及び、それらの混合物である。アロファネート構造、ウレトジオン(uretdione)構造、ウレタン構造、イソシアヌレート構造、ビウレット構造、イミノオキサジアジンジオン構造又はオキサジアジントリオン構造などの修飾を含み且つ該ジイソシアネート類に基づく化合物も、成分(a2)に関する適切な単位であり、また、同様に、多環式化合物、例えば、高分子MDI(pMDI、例えば、Dow製のPAPI-27、又は、Covestro AG製のDesmodur(登録商標)44V20製品)及び上記で記載したものの組み合わせも、成分(a2)に関する適切な単位である。
【0034】
好ましいのは、2~6(好ましくは、2.0~4.5、さらに好ましくは、2.3~4.2、及び、最も好ましくは、2.3~3.8)のイソシアネート(NCO)官能性を有する修飾である。特に好ましいのは、2.4~2.8のNCO官能性である。
【0035】
好ましいのは、HDI、IPDI、H12-MDI、TDI及びMDIの群から選択されるジイソシアネートを使用する修飾である。特に好ましいのは、TDI及びMDI、並びに、それらの誘導体である。特に好ましいMDIは、高分子MDI、例えば、TDIとのブレンドにおいて使用されるPAPI-27である。該イソシアネート又はポリイソシアネート又はブレンドの好ましいNCO含有量は、3重量%~50%重量、さらに好ましくは、10重量%~40重量%、さらに好ましくは、15重量%~35重量%、最も好ましくは、18重量%~30重量%である。該イソシアネート基は、該イソシアネート-反応性基と直ぐに反応できないようにするために、該イソシアネート-反応性基との反応の前は部分的に又は完全にブロックされた形態(blocked form)で存在させることも可能である。これによって、特定の温度(ブロッキング温度(blocking temperature))に達するまで当該反応が起きないことが保証される。典型的なブロッキング剤(blocking agent)は、従来技術の中に見いだすことが可能であり、そして、そのようなブロッキング剤は、当該物質に応じて60~220℃の温度で該イソシアネート基から再度除去されるように且つ該イソシアネート-反応性基のみと反応するように選択する。該ポリウレタンの中に組み込まれるブロッキング剤が存在しており、及び、該ポリウレタンの中で溶媒若しくは可塑剤として残存するか又は該ポリウレタンからガスとして放出されるブロッキング剤も存在する。表現「ブロックされたNCO値」が、時々使用される。表現「NCO値」が本発明において使用される場合、これは、常に、ブロックされていないNCO値を示している。通常のブロッキングの程度は、最大で<0.5%である。典型的なブロッキング剤の例は、カプロラクタム、メチルエチルケトオキシム、ピラゾール類、例えば、3,5-ジメチル-1,2-ピラゾール又は1,-ピラゾール、トリアゾール類、例えば、1,2,4-トリアゾール、ジイソプロピルアミン、マロン酸ジエチル、ジエチルアミン、フェノール及びその誘導体、並びに、イミダゾールである。
【0036】
成分(a2)は、上記化合物の混合物の形態で、又は、プレポリマーの形態で、使用することもできる。この場合、例えば、イソシアネート基を含んでおり且つ3重量%~50重量%のNCO含有量を有している化合物を、適切なイソシアネート-反応性基を含んでおり且つ10mg KOH/g~150mg KOH/gのOH数を有する化合物と反応させる。
【0037】
極めて特に好ましいのは、高分子(p)MDIとTDIの混合物を使用することである。ここで、pMDIとトリレンジイソシアネートの比率は、特定の比率の範囲内で変えることができ、好ましくは、0.2重量%~2重量%のpMDI及び0.2重量%~2重量%のTDIを使用する。
【0038】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物の水相(B)は、水に加えて、さらなる添加剤(c)、例えば、乳化剤、保護コロイド、防腐剤、消泡剤、低温安定化剤、増粘剤、pH安定化剤及び中和剤なども含有することができる。好ましい成分(c)は、乳化剤、増粘剤及び保護コロイド(c1)である。
【0039】
有用な有機溶媒(b1)には、一方では水との混和性が低く、さらに、他方では使用する農薬活性成分を良好な溶解度で溶解させる、全ての慣習的な有機溶媒が包含される。好ましい例としては、脂肪族及び芳香族のハロゲン化されていてもよい炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、Solvesso(登録商標)100、100ND、150、150ND又は200、200ND(鉱油)、テトラクロロメタン、クロロホルム、塩化メチレン及びジクロロエタンなどを挙げることができ、並びに、さらに、エステル類、例えば、酢酸エチル、並びに、アルカンカルボキサミド類、例えば、N,N-ジメチルオクタンアミド及びN,N-ジメチルデカンアミドなども挙げることができる。加えて、植物油及び変性油(例えば、メチル化、エチル化によって変性された油、並びに、さらに、水素化及び水和によって変性された油)、例えば、ナタネ油、トウモロコシ種子油又はヤシ油などに基づく植物油及び変性油も考えられる。特に好ましくは、鉱油を使用し、極めて特に好ましくは、ジアルキルナフタレン(例えば、ジイソプロピルナフタレン)に基づく溶媒、及び、1-メチルナフタレンと2-メチルナフタレンとナフタレンの混合物(例えば、Solvesso(登録商標)200ND製品、CAS No.:64742-94-5)を使用する。
【0040】
有用な乳化剤(c)には、農薬活性成分の製剤中に存在している標準的な界面活性物質が包含される。例としては、エトキシ化ノニルフェノール類、直鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテル類、アルキルフェノール類とエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの反応生成物、及び、さらに、脂肪酸エステル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類及びアリールスルフェート類などを挙げることができる。
【0041】
有用な保護コロイド(c1)(分散剤)には、該目的のために典型的に使用される全ての物質が包含される。好ましい例としては、天然水溶性ポリマー及び合成水溶性ポリマー、例えば、ゼラチン、デンプン及びセルロース誘導体、特に、セルロースエステル類及びセルロースエーテル類、例えば、メチルセルロース、並びに、さらに、ポリビニルアルコール類、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、リグノスルホネート類(例えば、Borresperse(登録商標)NA、REAX(登録商標)88、Kraftsperse(登録商標)25S)、変性ナフタレンスルホネート類(例えば、Morwet D-425)、ポリビニルピロリドン類及びポリアクリルアミド類などを挙げることができる。特に好ましくは、ポリビニルアルコール類、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル類及びリグノスルホネート類を使用する。最も好ましくは、ポリビニルアルコール類を使用する。
【0042】
有用な増粘剤(c)には、有機増粘剤及び無機増粘剤が包含される。有用な有機増粘剤としては、有機天然増粘剤又は生物工学的に変性された増粘剤又は有機合成増粘剤などがある。典型的な合成増粘剤は、Rheostrux(登録商標)(Croda)、又は、Thixin(登録商標)シリーズ若しくはThixatrol(登録商標)シリーズ(Elementis)である。これらは、典型的には、アクリレート類に基づいている。典型的な有機増粘剤は、キサンタン若しくはセルロースに基づいている(例えば、ヒドロキシエチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース)か、又は、それらの組合せに基づいている。典型的なさらなる代表的なものは、セルロース又はリグニンに基づいている。好ましくは、キサンタンに基づく天然変性増粘剤を使用する。典型的な代表的なものは、例えば、Rhodopol(登録商標)(Solvay)及びKelzan(登録商標)(Kelco Corp.)、並びに、さらに、Satiaxane(登録商標)(Cargill)である。好ましいのは、さらに、シリカ類及びアタパルジャイト類である。
【0043】
有用な防腐剤(c)には、作物保護組成物の中に該目的のために典型的に存在している全ての物質が包含される。例としては、Acticide(登録商標)SPX(Thor)及びProxel(登録商標)GXL(Lonza)などを挙げることができる。
【0044】
有用な消泡剤(c)には、作物保護組成物の中で該目的のために典型的に使用することが可能な全ての物質が包含される。好ましいのは、シラン誘導体、例えば、ポリジメチルシロキサン類、及び、ステアリン酸マグネシウムである。典型的な製品は、Silcolapse(登録商標)484(Solvay, Silioxane Emulsion)及びSAG 1571(Momentive)である。
【0045】
低温安定化剤(c)として機能する物質は、作物保護組成物の中で該目的のために典型的に使用することが可能な全ての物質であり得る。例としては、尿素、グリセロール及びプロピレングリコールなどを挙げることができる。
【0046】
有用な中和剤(c)には、慣習的な酸及び塩基が包含される。例としては、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム溶液及びアンモニア水溶液などを挙げることができる。
【0047】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物の組成は、特定の範囲内で変えることができる。製剤全体に対する分散相(A)の比率は、一般に、10重量%~90重量%であり、好ましくは、30重量%~70重量%、さらに好ましくは、40重量%~60重量%である。
【0048】
(a)の比率は、一般に、0.1重量%~8重量%であり、好ましくは、0.2重量%~4.5重量%、さらに好ましくは、0.3重量%~2.5重量%であり、農薬活性成分(b)の比率は、一般に、1重量%~50重量%であり、好ましくは、5重量%~40重量%、さらに好ましくは、10重量%~20重量%であり、有機溶媒(b1)の比率は、一般に、1重量%~90重量%であり、好ましくは、10重量%~60重量%、さらに好ましくは、20重量%~40重量%、最も好ましくは、25重量%~40重量%であり、保護コロイド(c1)の比率は、一般に、0.1重量%~5重量%であり、好ましくは、0.2重量%~3重量%、さらに好ましくは、0.3重量%~1.5重量%であり、及び、添加剤(c)の比率は、一般に、0.1重量%~15重量%であり、好ましくは、0.3重量%~10重量%、さらに好ましくは、0.4重量%~3重量%である。
【0049】
それぞれの成分の上記比率に関して、個々の成分に関する好ましい範囲を自由に互いに組み合わせることが可能であること、及び、従って、個々の成分に関する異なる好ましい範囲からなるこれらの組成も開示されていると考えられ得るということは、当業者には明らかである。
【0050】
しかしながら、別途示されていない限り、特に好ましいのは、同様のレベルから選択される好ましい範囲であり(即ち、全てが好ましい範囲であるか、又は、さらに好ましい範囲である)、具体的な開示は、これらの一般的な組み合わせに取って変わることを意図しておらず、これらの一般的な組み合わせに加えられることを意図している。
【0051】
同様のことは、本明細書中の別の所における好ましい範囲に関する別の記載にも当てはまる。
【0052】
好ましい実施形態においては、(a)の比率は、0.1重量%~8重量%であり、
農薬活性成分(b)の比率は、1重量%~50重量%であり、
有機溶媒(b1)の比率は、10重量%~60重量%であり、
保護コロイド(c1)の比率は、0.1重量%~5重量%であり、及び、
添加剤(c)の比率は、0.1重量%~15重量%である。
【0053】
好ましいさらなる実施形態においては、(a)の比率は、0.1重量%~8重量%であり、
農薬活性成分(b)の比率は、1重量%~50重量%であり、
有機溶媒(b1)の比率は、20重量%~40重量%であり、
保護コロイド(c1)の比率は、0.1重量%~5重量%であり、及び、
添加剤(c)の比率は、0.1重量%~15重量%である。
【0054】
好ましいさらなる別の実施形態においては、(a)の比率は、0.1重量%~8重量%であり、
農薬活性成分(b)の比率は、1重量%~50重量%であり、
有機溶媒(b1)の比率は、25重量%~40重量%であり、
保護コロイド(c1)の比率は、0.1重量%~5重量%であり、及び、
添加剤(c)の比率は、0.1重量%~15重量%である。
【0055】
さらなる実施形態においては、(a)の比率は、0.1重量%~8重量%であり、
農薬活性成分(b)の比率は、1重量%~50重量%であり、
有機溶媒(b1)の比率は、1重量%~90重量%であり、
保護コロイド(c1)の比率は、0.1重量%~5重量%であり、及び、
添加剤(c)の比率は、0.1重量%~15重量%である。
【0056】
さらなる実施形態においては、(a)の比率は、0.2重量%~4.5重量%であり、
農薬活性成分(b)の比率は、5重量%~40重量%であり、
有機溶媒(b1)の比率は、10重量%~60重量%であり、
保護コロイド(c1)の比率は、0.2重量%~3重量%であり、及び、
添加剤(c)の比率は、0.3重量%~10重量%である。
【0057】
好ましいさらなる実施形態においては、(a)の比率は、0.2重量%~4.5重量%であり、
農薬活性成分(b)の比率は、10重量%~20重量%であり、
有機溶媒(b1)の比率は、20重量%~40重量%であり、
保護コロイド(c1)の比率は、0.3重量%~1.5重量%であり、及び、
添加剤(c)の比率は、0.4重量%~3重量%である。
【0058】
さらなる実施形態においては、(a)の比率は、0.3重量%~2.5重量%であり、
農薬活性成分(b)の比率は、10重量%~20重量%であり、
有機溶媒(b1)の比率は、20重量%~40重量%であり、
保護コロイド(c1)の比率は、0.3重量%~1.5重量%であり、及び、
添加剤(c)の比率は、0.4重量%~3重量%である。
【0059】
さらなる実施形態においては、(a)の比率は、0.3重量%~2.5重量%であり、
農薬活性成分(b)の比率は、10重量%~20重量%であり、
有機溶媒(b1)の比率は、25重量%~40重量%であり、
保護コロイド(c1)の比率は、0.3重量%~1.5重量%であり、及び、
添加剤(c)の比率は、0.4重量%~3重量%である。
【0060】
好ましくは、農薬活性成分(b)とイソシアネート混合物(a2)の比率は、7:1~40:1であり、好ましくは、8:1~20:1、さらに好ましくは、9:1~18:1である。
【0061】
成分(a1)としてアミノ官能性化合物を使用する場合、アミン性イソシアネート-反応性基(a1)とイソシアネート混合物(a2)の比率は、0~1であり、好ましくは、0~0.5、さらに好ましくは、0~0.3である。最も好ましくは、0であり、即ち、アミノ-官能性化合物(a1)を使用しない。
【0062】
さらに、上記実施形態における有機溶媒(B1)は、好ましくは、鉱油であり、さらに好ましくは、ジアルキルナフタレンに基づく溶媒(例えば、ジイソプロピルナフタレン)であるか、又は、1-メチルナフタレンと2-メチルナフタレンとナフタレンの混合物(例えば、Solvesso(登録商標)200ND製品、CAS No.:64742-94-5)であり、ここで、溶媒としては、1-メチルナフタレンと2-メチルナフタレンとナフタレンの混合物が極めて特に好ましい。
【0063】
さらに、これらの実施形態において、好ましくは、イソシアネート-反応性成分(a1)として水を使用し、さらに、好ましくは、溶媒として1-メチルナフタレンと2-メチルナフタレンとナフタレンの混合物を使用する。好ましい実施形態においては、本発明によるカプセル懸濁濃縮物(CS)を1種類以上の懸濁濃縮物(SC)とブレンドして、ZC製剤を生成させる。
【0064】
本発明は、さらに、本発明によるCS製剤及び少なくとも1種類の懸濁濃縮物(SC)を含んでいるZC製剤も提供し、ここで、該懸濁濃縮物(SC)は、
・ 1種類以上の除草活性成分(a’)及び/又は1種類以上の薬害軽減剤(s);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の増粘剤(c);
・ 1種類以上のアニオン性乳化剤(e1);及び、
・ 1種類以上の非イオン性乳化剤(e2);
を含んでいる。
【0065】
好ましくは、本発明によるZC製剤は、
1種類以上の薬害軽減剤(s);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の増粘剤(c);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上のアニオン性乳化剤(e1);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の非イオン性乳化剤(e2);及び、
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の担体物質(f);
を含んでいる。
【0066】
同様に好ましくは、本発明によるZC製剤は、
1種類以上の除草活性成分(a’)及び1種類以上の薬害軽減剤(s);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の増粘剤(c);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上のアニオン性乳化剤(e1);
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の非イオン性乳化剤(e2);及び、
・ 少なくとも1種類又は2種類以上の担体物質(f);
を含んでいる。
【0067】
好ましい除草活性成分(a’)は、アクロニフェン、アミノピラリド、ベンゾフェナップ、ビフェノックス、ブロモキシニル、ブロモキシニル-ブチレート、-カリウム、-ヘプタノエート及び-オクタノエート、ブタクロール、クロマゾン、クロピラリド、2,4-D〔これは、以下のしばしば使用される形態も包含する:2,4-D-ブトチル、2,4-D-ブチル、2,4-D-ジメチルアンモニウム、2,4-D-ジオールアミン(diolamin)(2,4-D-ジエタノールアンモニウム)、2,4-D-エチル、2,4-D-2-エチルヘキシル、2,4-D-イソブチル、2,4-D-イソオクチル、2,4-D-イソプロピル、2,4-D-イソプロピルアンモニウム、2,4-D-ナトリウム、2,4-D-トリイソプロパノールアンモニウム、2,4-D-トロールアミン(trolamine)(2,4-D-トリエタノールアンモニウム)〕、ジフルフェニカン、ジメタクロール、ジメテナミド、ジメテナミド-P、エトキシスルフロン、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル(penoxaprop-ethyl)、フェノキサプロップ-P-エチル、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フロラスラム、フルフェナセット、フルロキシピル、フルロキシピル-メプチル、ホラムスルフロン、ハラウキシフェン-メチル、ヨードスルフロン、ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム、イソキサフルトール、MCPA((4-クロロ-2-メチルフェノキシ)酢酸))〔これは、以下のしばしば使用される形態も包含する:MCPA-ブトチル、MCPA-ジメチルアンモニウム、MCPA-イソオクチル、MCPA-ナトリウム、MCPA-カリウム、MCPA-2-エチルヘキシル〕、メフェナセット、メソスルフロン、メソスルフロン-メチル、メタザクロール、メトラクロール、S-メトラクロール、メトスラム、メトリブジン、ナプロパミド、ニコスルフロン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、ペンジメタリン、ペトキサミド、ピクロラム、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾン-ナトリウム、プロピザミド、プロスルホカルブ、ピラスルホトール、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンメラック、テフリルトリオン、テンボトリオン、チエンカルバゾン、チエンカルバゾン-メチル、トリアファモンである。
【0068】
使用する成分(s)は、下記群の化合物(薬害軽減剤)であることもできる:
(s1) ヘテロ環式カルボン酸誘導体の群から選択される化合物:
(s1) ジクロロフェニルピラゾリン-3-カルボン酸のタイプの化合物(S1)、好ましくは、以下のような化合物:1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-2-ピラゾリン-3-カルボン酸、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-2-ピラゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-1)(「メフェンピル-ジエチル」)及び関連化合物(これらは、WO-A-91/07874に記載されている);
(s1) ジクロロフェニルピラゾールカルボン酸の誘導体(S1)、好ましくは、以下のような化合物:1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-メチルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-2)、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-イソプロピルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-3)、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(1,1-ジメチルエチル)ピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-4)及び関連化合物(これらは、EP-A-333131及びEP-A-269806に記載されている);
(s1) 1,5-ジフェニルピラゾール-3-カルボン酸の誘導体(S1)、好ましくは、以下のような化合物:1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-フェニルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-5)、1-(2-クロロフェニル)-5-フェニルピラゾール-3-カルボン酸メチル(S1-6)及び関連化合物(これらは、例えば、EP-A-268554に記載されている);
(s1) トリアゾールカルボン酸のタイプの化合物(S1)、好ましくは、以下のような化合物:フェンクロラゾール(エチルエステル)、即ち、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-トリクロロメチル-(1H)-1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸エチル(S1-7)及び関連化合物(これらは、EP-A-174562及びEP-A-346620に記載されている);
(s1) 5-ベンジル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸若しくは5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸のタイプ又は5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸のタイプの化合物(S1)、好ましくは、以下のような化合物:5-(2,4-ジクロロベンジル)-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-8)若しくは5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-9)及び関連化合物(これらは、WO-A-91/08202に記載されている)、又は、5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリンカルボン酸(S1-10)若しくは5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-11)(「イソキサジフェン-エチル」)若しくは5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸n-プロピル(S1-12)若しくは5-(4-フルオロフェニル)-5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-13)(これらは、特許出願WO-A-95/07897に記載されている)。
【0069】
(s2) 8-キノリノキシ誘導体の群から選択される化合物(S2):
(s2) 8-キノリンオキシ酢酸のタイプの化合物(S2)、好ましくは、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸1-メチルヘキシル(「クロキントセット-メキシル」)(S2-1)、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸1,3-ジメチル-ブタ-1-イル(S2-2)、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸4-アリルオキシブチル(S2-3)、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸1-アリルオキシプロパ-2-イル(S2-4)、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸エチル(S2-5)、5-クロロ-8-キノリンオキシ酢酸メチル(S2-6)、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸アリル(S2-7)、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸2-(2-プロピリデンイミノオキシ)-1-エチル(S2-8)、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸2-オキソプロパ-1-イル(S2-9)及び関連化合物(これらは、EP-A-86750、EP-A-94349及びEP-A-191736又はEP-A-0492366に記載されている)、並びに、さらに、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸(S2-10)、その水和物及び塩、例えば、そのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩、スルホニウム塩又はホスホニウム塩(これらは、WO-A-2002/34048記載されている);
(s2) (5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸のタイプの化合物(S2)、好ましくは、以下のような化合物:(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸ジエチル、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸ジアリル、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸メチルエチル及び関連化合物(これらは、EP-A-0582198に記載されている)。
【0070】
(s3) ジクロロアセトアミドのタイプの活性成分(S3)(これは、多くの場合、発生前薬害軽減剤(土壌作用性薬害軽減剤)として使用される)、例えば、
「ジクロルミド」(N,N-ジアリル-2,2-ジクロロアセトアミド)(S3-1)、
「R-29148」(3-ジクロロアセチル-2,2,5-トリメチル-1,3-オキサゾリジン)〔供給元:Stauffer〕(S3-2)、
「R-28725」(3-ジクロロアセチル-2,2-ジメチル-1,3-オキサゾリジン)〔供給元:Stauffer〕(S3-3)、
「ベノキサコール」(4-ジクロロアセチル-3,4-ジヒドロ-3-メチル-2H-1,4-ベンゾオキサジン)(S3-4)、
「PPG-1292」(N-アリル-N-[(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチル]ジクロロアセトアミド)〔供給元:PPG Industries〕(S3-5)、
「DKA-24」(N-アリル-N-[(アリルアミノカルボニル)メチル]ジクロロアセトアミド)〔供給元:Sagro-Chem〕(S3-6)、
「AD-67」又は「MON 4660」(3-ジクロロアセチル-1-オキサ-3-アザスピロ[4,5]デカン)〔供給元:Nitrokemia〕又は〔供給元:Monsanto〕(S3-7)、
「TI-35」(1-ジクロロアセチルアゼパン)〔供給元:TRI-Chemical RT〕(S3-8)、
「ジクロノン(diclonon)」(ジシクロノン)又は「BAS145138」又は「LAB145138」(S3-9)、
((RS)-1-ジクロロアセチル-3,3,8a-トリメチルペルヒドロピロロ[1,2-a]ピリミジン-6-オン)〔供給元:BASF〕、
「フリラゾール」又は「MON 13900」((RS)-3-ジクロロアセチル-5-(2-フリル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン)(S3-10);及び、その(R)-異性体(S3-11)。
【0071】
(s4) アシルスルホンアミド類のクラスから選択される化合物(S4):
(s4) 式(S4);
【化1】
【0072】
〔式中、
は、(C-C)アルキル、(C-C)シクロアルキル、シクロアルキル(ここで、最後の2つのラジカルは、ハロゲン、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルコキシ及び(C-C)アルキルチオの群から選択されるvの置換基で置換されており、また、環状ラジカルの場合には、さらに、(C-C)アルキル及び(C-C)ハロアルキルでも置換されている)であり;
は、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、CFであり;
は、1又は2であり;
は、0、1、2又は3である〕
で表されるN-アシルスルホンアミド及びそれらの塩(これらは、WO-A-97/45016に記載されている);
(s4) 式(S4):
【化2】
【0073】
〔式中、
、R は、独立して、水素、(C-C)アルキル、(C-C)シクロアルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニルであり;
は、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル又は(C-C)アルコキシであり;及び、
は、1又は2である〕
で表される4-(ベンゾイルスルファモイル)ベンズアミドのタイプの化合物及びそれらの塩(これらは、WO-A-99/16744に記載されている);
例えば、上記式において、
=シクロプロピル、R =水素、且つ、(R )=2-OMe(「シプロスルファミド」、S4-1);
=シクロプロピル、R =水素、且つ、(R )=5-Cl-2-OMe(S4-2);
=エチル、R =水素、且つ、(R )=2-OMe(S4-3);
=イソプロピル、R =水素、且つ、(R )=5-Cl-2-OMe(S4-4);及び、
=イソプロピル、R =水素、且つ、(R )=2-OMe(S4-5);
であるもの;
(s4) 式(S4):
【化3】
【0074】
〔式中、
、R は、独立して、水素、(C-C)アルキル、(C-C)シクロアルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニルであり;
は、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ、CFであり;及び、
は、1又は2である〕
で表されるベンゾイルスルファモイルフェニル尿素のクラスの化合物(これらは、EP-A-365484に記載されている);
例えば、
1-[4-(N-2-メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3-メチル尿素;
1-[4-(N-2-メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3,3-ジメチル尿素;
1-[4-(N-4,5-ジメチルベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3-メチル尿素;
(s4) 式(S4):
【化4】
【0075】
〔式中、
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、CFであり;
は、1又は2であり;
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル又は(C-C)-シクロアルケニルである〕
で表されるN-フェニルスルホニルテレフタルアミドのタイプの化合物及びそれらの塩(これらは、例えば、CN 101838227から知られている)。
【0076】
(s5) ヒドロキシ芳香族類及び芳香族-脂肪族カルボン酸誘導体のクラスから選択される活性成分(S5)、例えば、3,4,5-トリアセトキシ安息香酸エチル、3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシサリチル酸、4-フルオロサリチル酸、2-ヒドロキシケイ皮酸、2,4-ジクロロケイ皮酸(これらは、WO-A-2004/084631、WO-A-2005/015994、WO-A-2005/016001に記載されている)。
【0077】
(s6) 1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン類のクラスから選択される活性成分(S6)、例えば、1-メチル-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン、1-メチル-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-チオン、1-(2-アミノエチル)-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン塩酸塩、1-(2-メチルスルホニルアミノエチル)-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン(これらは、WO-A-2005/112630に記載されている)。
【0078】
(s7) ジフェニルメトキシ酢酸誘導体のクラスから選択される化合物(S7)、例えば、ジフェニルメトキシ酢酸メチル(CAS Reg. No.:41858-19-9)(S7-1)、ジフェニルメトキシ酢酸エチル、又は、ジフェニルメトキシ酢酸(これらは、WO-A-98/38856に記載されている)。
【0079】
(s8) 式(S8):
【化5】
【0080】
〔式中、記号及び添え字は、以下のように定義される:
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシであり;
は、水素又は(C-C)-アルキルであり;
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル又はアリール(ここで、上記炭素含有ラジカルは、それぞれ、置換されていないか、又は、ハロゲン及びアルコキシからなる群から選択される1以上の(好ましくは、最大で3までの)同一であるか又は異なっているラジカルで置換されている)であり;
は、0~2の整数である〕
で表される化合物(これらは、WO-A-98/27049に記載されている)。
【0081】
(s9) 3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン類のクラスから選択される活性成分(S9)、例えば、1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-1-エチル-3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン(CAS Reg. No.:219479-18-2)、1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン(CAS Reg. No.:95855-00-8)(これらは、WO-A-1999/000020に記載されている)。
【0082】
(s10) 式(S10)又は式(S10):
【化6】
【0083】
〔式中、
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、メトキシ、ニトロ、シアノ、CF、OCFであり;
、Zは、独立して、O又はSであり;
は、0~4の整数であり;
は、(C-C16)-アルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-シクロアルキル、アリール、ベンジル又はハロベンジルであり;
は、水素又は(C-C)-アルキルである〕
で表される化合物(これらは、WO-A-2007/023719及びWO-A-2007/023764に記載されている)。
【0084】
(s11) オキシイミノ化合物のタイプの活性成分(S11)(これらは、種子粉衣剤として知られている)、例えば、
「オキサベトリニル」((Z)-1,3-ジオキソラン-2-イルメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11-1)(これは、メトラクロールによる損傷に対するアワ/モロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている);
「フルキソフェニム」(1-(4-クロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロ-1-エタノン O-(1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)オキシム)(S11-2)(これは、メトラクロールによる損傷に対するアワ/モロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている);及び、
「シオメトリニル」又は「CGA-43089」((Z)-シアノメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11-3)(これは、メトラクロールによる損傷に対するアワ/モロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている)。
【0085】
(s12) イソチオクロマノン類のクラスから選択される活性成分(S12)、例えば、[(3-オキソ-1H-2-ベンゾチオピラン-4(3H)-イリデン)メトキシ]酢酸メチル(CAS Reg. No.:205121-04-6)(S12-1)及び関連化合物(WO-A-1998/13361)。
【0086】
(s13) 以下の群から選択される1種類以上の化合物(S13):
「ナフタル酸無水物」(1,8-ナフタレンジカルボン酸無水物)(S13-1)(これは、チオカーバメート系除草剤による損傷に対するトウモロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている);
「フェンクロリム」(4,6-ジクロロ-2-フェニルピリミジン)(S13-2)(これは、播種されたイネにおいてプレチラクロールに対する薬害軽減剤として知られている);
「フルラゾール」(2-クロロ-4-トリフルオロメチル-1,3-チアゾール-5-カルボン酸ベンジル)(S13-3)(これは、アラクロール及びメトラクロールによる損傷に対するアワ/モロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている);
「CL 304415」(CAS Reg. No.:31541-57-8)(4-カルボキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-酢酸)(S13-4)〔供給元:American Cyanamid〕(これは、イミダゾリノンによる損傷に対するトウモロコシ用の薬害軽減剤として知られている);
「MG 191」(CAS Reg. No.:96420-72-3)(2-ジクロロメチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン)(S13-5)〔供給元:Nitrokemia〕(これは、トウモロコシ用の薬害軽減剤として知られている);
「MG 838」(CAS Reg. No.:133993-74-5)(2-プロペニル 1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン-4-カルボジチオエート)(S13-6)〔供給元:Nitrokemia〕;
「ジスルホトン」(O,O-ジエチル S-2-エチルチオエチル ホスホロジチオエート)(S13-7);
「ジエトレート(dietholate)」(O,O-ジエチル O-フェニル ホスホロチオエート)(S13-8);
「メフェネート(mephenate)」(メチルカルバミン酸4-クロロフェニル)(S13-9)。
【0087】
(s14) 雑草に対する除草効果に加えてイネなどの作物植物に対する薬害軽減効果も有している活性成分、例えば、
「ジメピレート」又は「MY-93」(S-1-メチル 1-フェニルエチルピペリジン-1-カルボチオエート)(これは、除草剤モリネートによる損傷に対するイネ用の薬害軽減剤として知られている);
「ダイムロン」又は「SK 23」(1-(1-メチル-1-フェニルエチル)-3-p-トリル尿素)(これは、イマゾスルフロン除草剤による損傷に対するイネ用の薬害軽減剤として知られている);
「クミルロン」=「JC-940」(3-(2-クロロフェニルメチル)-1-(1-メチル-1-フェニルエチル)尿素;JP-A-60087254を参照されたい)(これは、数種類の除草剤による損傷に対するイネ用の薬害軽減剤として知られている);
「メトキシフェノン」又は「NK 049」(3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン)(これは、数種類の除草剤による損傷に対するイネ用の薬害軽減剤として知られている);
「CSB」(1-ブロモ-4-(クロロメチルスルホニル)ベンゼン)〔供給元:Kumiai〕(CAS Reg. No. 54091-06-4)(これは、イネにおける数種類の除草剤による損傷に対する薬害軽減剤として知られている)。
【0088】
(s15) 式(S15):
【化7】
【0089】
〔式中、
は、(C-C)-ハロアルキルラジカルであり;及び、
は、水素又はハロゲンであり;及び、
、R は、それぞれ独立して、水素、(C-C16)-アルキル、(C-C16)-アルケニル又は(C-C16)-アルキニル(ここで、最後の3のラジカルは、それぞれ、置換されていないか、又は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ、(C-C)-アルキルチオ、(C-C)-アルキルアミノ、ジ[(C-C)-アルキル]アミノ、[(C-C)-アルコキシ]カルボニル、[(C-C)-ハロアルコキシ]カルボニル、置換されていないか若しくは置換されている(C-C)-シクロアルキル、置換されていないか若しくは置換されているフェニル及び置換されていないか若しくは置換されているヘテロシクリルの群から選択される1以上のラジカルで置換されている)であり;
又は、
、R は、それぞれ独立して、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-シクロアルケニル、(C-C)-シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、当該環の1辺において4~6員の飽和又は不飽和の炭素環式環に縮合している)又は(C-C)-シクロアルケニル(ここで、該シクロアルケニルは、当該環の1辺において4~6員の飽和又は不飽和の炭素環式環に縮合している)(ここで、最後の4のラジカルは、それぞれ、置換されていないか、又は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルコキシ、(C-C)アルキルチオ、(C-C)アルキルアミノ、ジ[(C-C)アルキル]アミノ、[(C-C)アルコキシ]カルボニル、[(C-C)ハロアルコキシ]カルボニル、置換されていないか若しくは置換されている(C-C)シクロアルキル、置換されていないか若しくは置換されているフェニル及び置換されていないか若しくは置換されているヘテロシクリルの群から選択される1以上のラジカルで置換されている)であり;
又は、
は、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-アルケニルオキシ、(C-C)-アルキニルオキシ又は(C-C)-ハロアルコキシであり;及び、
は、水素又は(C-C)-アルキルであり;又は、
とR は、直接結合している窒素原子と一緒に、4~8員のヘテロ環式環(ここで、該ヘテロ環式環は、当該窒素原子に加えて、さらなる環ヘテロ原子(好ましくは、N、O及びSの群から選択される最大で2個までのさらなる環ヘテロ原子)も含むことができ、また、該ヘテロ環式環は、置換されていないか、又は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルコキシ及び(C-C)アルキルチオの群から選択される1以上のラジカルで置換されている)である〕
で表される化合物又はその互変異性体(これらは、WO-A-2008/131861及びWO-A-2008/131860に記載されている)。
【0090】
(s16) 主に除草剤として使用されるが作物植物に対する薬害軽減効果も有している活性成分、例えば、
(2,4-ジクロロフェノキシ)酢酸(2,4-D);
(4-クロロフェノキシ)酢酸;
(R,S)-2-(4-クロロ-o-トリルオキシ)プロピオン酸(メコプロップ);
4-(2,4-ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4-DB);
(4-クロロ-o-トリルオキシ)酢酸(MCPA);
4-(4-クロロ-o-トリルオキシ)酪酸;
4-(4-クロロフェノキシ)酪酸;
3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ);
3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸1-(エトキシカルボニル)エチル(ラクチジクロル-エチル(lactidichlor-ethyl))。
【0091】
好ましい薬害軽減剤(s)は、イソキサジフェン-エチル、シプロスルファミド、クロキントセット-メキシル及びメフェンピル-ジエチルの群から選択される。特に好ましいのは、メフェンピル-ジエチル及びクロキントセット-メキシルである。極めて特に好ましいのは、メフェンピル-ジエチルである。
【0092】
特に好ましいのは、以下のものからなる群から選択される除草活性成分(a’)である:
フルフェナセット、プロスルホカルブ、ペンジメタリン、ジフルフェニカン、アクロニフェン、メトリブジン、ピロキサスルホン、プロポキシカルバゾン、チエンカルバゾン-メチル、フェノキサプロップ、ブロモキシニル、ハラウキシフェン-メチル、2,4-D、MCPA。
【0093】
極めて特に好ましいのは、除草活性成分(a’)フルフェナセット、ピロキサスルホン、ジフルフェニカンである。
【0094】
特に好ましいのは、さらにまた、以下のものからなる群から選択される1種類以上の除草活性成分(a’)の混合物である:
フルフェナセット及びペトキサミド;フルフェナセット及びアクロニフェン;フルフェナセット及びメトリブジン;フルフェナセット及びハラウキシフェン-メチル;プロスルホカルブ及びジフルフェニカン;プロスルホカルブ及びアクロニフェン;プロスルホカルブ及びメトリブジン;プロスルホカルブ及びフルフェナセット;プロスルホカルブ及びハラウキシフェン-メチル;ペンジメタリン及びジフルフェニカン;ペンジメタリン及びアクロニフェン;ペンジメタリン及びメトリブジン;ペンジメタリン及びハラウキシフェン-メチル;メトリブジン及びジフルフェニカン;ハラウキシフェン-メチル及びジフルフェニカン;フルフェナセット及びジフルフェニカン;メトリブジン及びアクロニフェン、ハラウキシフェン-メチル及びアクロニフェン;ピロキサスルホン及びジフルフェニカン;アクロニフェン及びジフルフェニカン;ピロキサスルホン及びプロスルホカルブ;ピロキサスルホン及びアクロニフェン;ピロキサスルホン及びメトリブジン;ピロキサスルホン及びフルフェナセット;ピロキサスルホン及びハラウキシフェン-メチル又はフルフェナセット及びピロキサスルホン及びジフルフェニカン(dilflufenican);アクロニフェン及びジフルフェニカン及びフルフェナセット;メトリブジン及びジフルフェニカン及びフルフェナセット。
【0095】
該混合物は、最も好ましくは、以下のものから選択される:フルフェナセット及びジフルフェニカン;フルフェナセット及びピロキサスルホン;アクロニフェン及びジフルフェニカン;メトリブジン及びジフルフェニカン;フルフェナセット及びアクロニフェン;フルフェナセット及びメトリブジン;フルフェナセット及びピロキサスルホン及びジフルフェニカン(dilflufenican);アクロニフェン及びジフルフェニカン及びフルフェナセット;メトリブジン及びジフルフェニカン及びフルフェナセット。
【0096】
上記除草活性成分(a’)及びその混合物も、同様に、イソキサジフェン-エチル、シプロスルファミド、クロキントセット-メキシル及びメフェンピル-ジエチルの群から選択される薬害軽減剤(s)と一緒に使用することができる。
【0097】
最も好ましくは、(a’)と(s)を含んでいる混合物は、以下のものから選択される:フルフェナセット及びジフルフェニカン及びメフェンピル-ジエチル;フルフェナセット及びジフルフェニカン及びクロキントセット-メキシル、アクロニフェン及びジフルフェニカン及びメフェンピル-ジエチル;ピロキサスルホン及びメフェンピル-ジエチル。
【0098】
適切なアニオン性分散剤(e1)、例えば、乳化剤、界面活性剤、湿潤剤及び分散剤(dispersers)は、例えば、スルホネート類、スルフェート類、ホスフェート類、カルボキシレート類及びそれらの混合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩、例えば、アルキルスルホン酸又はアルキルリン酸、及び、アルキルアリールスルホン酸又はアルキルアリールリン酸、ジフェニルスルホネート、α-オレフィンスルホネート、リグノスルホネート、脂肪酸及び脂肪油のスルホネート、エトキシ化アルキルフェノールのスルホネート、アルコキシ化アリールフェノールのスルホネート、縮合ナフタレンのスルホネート、ドデシルベンゼン及びトリデシルベンゼンのスルホネート、ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホネート、スルホスクシネート又はスルホスクシナメートなどの塩である。スルフェートの例は、脂肪酸及び脂肪油のスルフェート、エトキシ化アルキルフェノールのスルフェート、アルコールのスルフェート、エトキシ化アルコールのスルフェート又は脂肪酸エステルのスルフェートである。ホスフェートの例は、リン酸エステルである。カルボキシレートの例は、アルキルカルボキシレート、及び、カルボキシル化アルコールエトキシレート又はカルボキシル化アルキルフェノールエトキシレートである。同様に適しているのは、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、ポリビニルスルホン酸の塩、アルキルナフタレンスルホン酸の塩、アルキルナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド縮合生成物の塩、ナフタレンスルホン酸とフェノールスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合生成物の塩からなるアニオン性乳化剤の群である。その例は、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、例えば、Rhodocal(登録商標)70/B(Solvay)、Phenylsulfonat CA100(Clariant)、又は、ドデシルベンゼンスルホン酸イソプロピルアンモニウム、例えば、Atlox(登録商標)3300B(Croda)である。
【0099】
さらなる典型的な代表的なものとしては、Phenylsulfonat CA(ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム)、Soprophor(登録商標)製品(トリスチリルフェノールエトキシレートのエステル化されていてもよい誘導体)、Emulsogen(登録商標)3510(アルキル化EO/POコポリマー)、Emulsogen(登録商標)EL400(エトキシ化ヒマシ油)、Tween(登録商標)製品(脂肪アシル化ソルビタンエトキシレート)、Calsogen(登録商標)AR100(ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム)などがある。好ましいのは、アルキル化芳香族スルホン酸の塩(例えば、フェニルスルホン酸カルシウム及び/又はCalsogen(登録商標)AR100)とエチレンオキシドとプロピレンオキシドのアルキル化コポリマー(例えば、Emulsogen(登録商標)3510)の組み合わせである。特に好ましいのは、ドデシルベンゼンスルホン酸の塩(例えば、Calsogen(登録商標)AR100)とエチレンオキシドとプロピレンオキシドのアルキル化コポリマー(例えば、Emulsogen(登録商標)3510)の組み合わせである。
【0100】
ナフタレンスルホネートの群のさらなるアニオン性乳化剤(e1)の例は、Galoryl(登録商標)MT800(ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム)、Morwet(登録商標)IP(ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム)及びNekal(登録商標)BX(アルキルナフタレンスルホネート)である。ナフタレンスルホネートとホルムアルデヒドの縮合生成物の群のアニオン性界面活性剤の例は、Galoryl(登録商標)DT201(ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒド及びメチルフェノールナトリウム塩のヒドロキシポリマー)、Galoryl(登録商標)DT250(フェノールスルホネートとナフタレンスルホネートの縮合物)、Reserve(登録商標)C(フェノールスルホネートとナフタレンスルホネートの縮合物)又はMorwet(登録商標)D-425、Tersperse(登録商標)2020である。好ましいのは、1,2-ジブチル置換ナフタレンスルホネート又は1,2-ジイソブチル置換ナフタレンスルホネート、例えば、Galoryl(登録商標)MT800(CFPI-Nufarm)及びNekal(登録商標)BX(BASF)などの製品である。さらなる典型的な界面活性剤は、Soprophor(登録商標)3D33、Soprophor(登録商標)4D384、Soprophor(登録商標)BSU、Soprophor(登録商標)CY/8(Solvay)及びHoe(登録商標)S3474、並びに、Sapogenat(登録商標)T製品(Clariant)の形態にあるもの、例えば、Sapogenat(登録商標)T100である。
【0101】
有用な非イオン性分散剤(e2)、例えば、乳化剤、湿潤剤、界面活性剤及び分散剤(dispersers)には、農薬活性成分の製剤の中に存在している標準的な界面活性物質が包含される。その例としては、エトキシ化ノニルフェノール、直鎖又は分枝鎖のアルコールとエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー、末端基がキャップされている及び末端基がキャップされていないアルコキシ化された直鎖及び分枝鎖の飽和及び不飽和のアルコールの反応生成物(例えば、ブトキシポリエチレン-ポリプロピレングリコール)、アルキルフェノールとエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールの反応生成物、並びに、さらに、脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリコールエーテルエステル、アルキルスルホネート、アルキルスルフェート、アリールスルフェート、エトキシ化アリールアルキルフェノール(例えば、1分子当たり平均して16のエチレンオキシド単位を有するトリスチリルフェノールエトキシレート)、並びに、さらに、エトキシ化及びプロポキシ化アリールアルキルフェノール、並びに、さらに、硫酸化及びリン酸化アリールアルキルフェノールエトキシレート又は硫酸化及びリン酸化アリールアルキルフェノールエトキシレート及びプロポキシレートなどがある。特に好ましいのは、トリスチリルフェノールアルコキシレート及び脂肪酸ポリグリコールエーテルエステルである。極めて特に好ましいのは、いずれの場合にも、単独の又は混合された、トリスチリルフェノールエトキシレート、トリスチリルフェノールエトキシプロポキシレート及びヒマシ油ポリグリコールエーテルエステルである。さらに、生物学的効力を改善するのに寄与する添加剤(例えば、界面活性剤、又は、脂肪酸のエステル)も、有用であり得る。適切な非イオン性乳化剤(b2)は、例えば、Soprophor(登録商標)796/P、Lucramul(登録商標)CO30、Lucramul(登録商標)HOT、Lucramul(登録商標)PSI100又はSynperonic(登録商標)T304などである。
【0102】
適切な非イオン性分散剤(dispersers)(e2)は、さらに、以下のものを含む群から選択することができる:ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール、PVPとジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー、ブチル化PVP、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、並びに、部分的に加水分解された酢酸ビニル、フェノール樹脂、変性セルロースのタイプ、例えば、Luviskol(登録商標)(ポリビニルピロリドン)、Mowiol(登録商標)(ポリビニルアルコール)又は変性セルロース。好ましいのは、ポリビニルピロリドンタイプであり、特に好ましいのは、低分子量のタイプ、例えば、Luviskol(登録商標)K30又はSokalan(登録商標)K30などである。
【0103】
アルキレンオキシドのジブロックコポリマー及びトリブロックコポリマーの群の有用なさらなる非イオン性乳化剤(e2)は、例えば、エチレンオキシド及びプロピレンに基づく、200~10000g/mol(好ましくは、1000~4000g/mol)の平均モル質量を有する化合物(ここで、該ポリエトキシ化ブロックの質量比は、10%~80%でさまざまである)であり、例えば、Synperonic(登録商標)PEシリーズ(Uniqema)、Pluronic(登録商標)PEシリーズ(BASF)、VOP(登録商標)32又はGenapol(登録商標)PFシリーズ(Clariant)などである。
【0104】
成分(a’)として薬害軽減剤を使用する場合、該SCの中で担体物質(f)を使用する。
【0105】
適切な担体物質(f)は、担体物質100g当たり少なくとも200gのフタル酸ジブチルを吸収する能力を有する高度に吸収性の担体の群から選択する。
【0106】
高度に吸収性の好ましい担体(f)は、シリカ類、例えば、Sipernat(登録商標)製品(高い吸収性を有する合成沈降シリカ)及びヒュームドシリカ(Aerosil(登録商標)製品)などである。沈降シリカが好ましい。
【0107】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物は、存在している農薬活性成分を植物及び/又はそれらの生息環境に施用するのに極めて適している。それらは、個々の所望される量の該活性成分を比較的長期にわたって放出することを保証する。
【0108】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物は、実際において、そのまま使用することができるか、又は、水で稀釈した後で使用することができる。施用は、慣習的な方法によって、即ち、例えば、注入(pouring)又は散布によって、実施する。
【0109】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物の施用量は、比較的広い範囲内で変えることができる。それは、当該農薬活性成分に左右され、及び、当該マイクロカプセル製剤の中のそれらの含有量に左右される。
【0110】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物の好ましい使用は、穀類及びナタネにおける除草剤としての使用であり、最も好ましくは、冬オオムギにおける除草剤としての使用であり、及び、これに関連して、発生前方法及び発生後方法における除草剤としての使用である。従って、好ましいのは、当該穀類の播種の直ぐ後で且つ雑草(特に、イネ科雑草)の発芽の直前又は直後における秋施用における使用である。
【0111】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物は、既知方法で、場合によりさらなる活性成分、添加剤及び/又は慣習的な製剤助剤と一緒に、例えば、当該個々の成分の混合製剤として、製造することが可能であり、そして、それらを、次に、水で稀釈して慣習的な方法で施用するか、又は、当該別々に製剤された若しくは部分的に別々に製剤された個々の成分を一緒に水で稀釈することによるタンクミックスとして、慣習的な方法で施用する。当該別々に製剤された若しくは部分的に別々に製剤された個々の成分を異なる時点で施用することも同様に可能である(分割施用)。当該個々の成分又は本発明によるカプセル懸濁濃縮物を、幾つかの部分に分けて(体系処理)、例えば、発生前施用とその後の発生後施用、又は、早期発生後施用とその後の中間段階若しくは後期段階における発生後施用などで、施用することが可能である。好ましいのは、それぞれの組合せにおける活性成分を、共同で施用するか、又は、直ぐに続けて施用することである。
【0112】
従って、本発明は、さらに、作物植物の中の望ましくない植物を防除する方法を提供し、ここで、該方法は、本発明によるカプセル懸濁濃縮物を該植物(例えば、有害な植物、例えば、単子葉又は双子葉の雑草又は望ましくない作物植物)又は該植物がそこで生育する領域に対して使用することを特徴とする。
【0113】
望ましくない植物は、望まれていない場所で生育する全ての植物を意味するものと理解される。それらは、例えば、有害な植物(例えば、単子葉又は双子葉の雑草又は望ましくない作物植物)であり得る。
【0114】
単子葉雑草は、例えば、以下の属のものである: アエギロプス属(Aegilops)、カモジグサ属(Agropyron)、ヌカボ属(Agrostis)、スズメノテッポウ属(Alopecurus)、セイヨウヌカボ属(Apera)、カラスムギ属(Avena)、ビロードキビ属(Brachiaria)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、クリノイガ属(Cenchrus)、ツユクサ属(Commelina)、ギョウギシバ属(Cynodon)、カヤツリグサ属(Cyperus)、タツノツメガヤ属(Dactyloctenium)、メヒシバ属(Digitaria)、ヒエ属(Echinochloa)、ハリイ属(Eleocharis)、オヒシバ属(Eleusine)、スズメガヤ属(Eragrostis)、ナルコビエ属(Eriochloa)、ウシノケグサ属(Festuca)、テンツキ属(Fimbristylis)、アメリカコナギ属(Heteranthera)、チガヤ属(Imperata)、カモノハシ属(Ischaemum)、アゼガヤ属(Leptochloa)、ドクムギ属(Lolium)、ミズアオイ属(Monochoria)、キビ属(Panicum)、スズメノヒエ属(Paspalum)、クサヨシ属(Phalaris)、アワガエリ属(Phleum)、イチゴツナギ属(Poa)、ツノアイアシ属(Rottboellia)、オモダカ属(Sagittaria)、ホタルイ属(Scirpus)、エノコログサ属(Setaria)、及び、モロコシ属(Sorghum)。
【0115】
双子葉雑草は、例えば、以下の属のものである: イチビ属(Abutilon)、ヒユ属(Amaranthus)、ブタクサ属(Ambrosia)、アノダ属(Anoda)、カミツレ属(Anthemis)、アファネス属(Aphanes)、ヨモギ属(Artemisia)、ハマアカザ属(Atriplex)、ヒナギク属(Bellis)、センダングサ属(Bidens)、ナズナ属(Capsella)、ヒレアザミ属(Carduus)、カワラケツメイ属(Cassia)、ヤグルマギク属(Centaurea)、アカザ属(Chenopodium)、アザミ属(Cirsium)、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)、チョウセンアサガオ属(Datura)、ヌスビトハギ属(Desmodium)、エメキス属(Emex)、エゾスズシロ属(Erysimum)、トウダイグサ属(Euphorbia)、チシマオドリコソウ属(Galeopsis)、コゴメギク属(Galinsoga)、ヤエムグラ属(Galium)、フヨウ属(Hibiscus)、サツマイモ属(Ipomoea)、ホウキギ属(Kochia)、オドリコソウ属(Lamium)、マメグンバイナズナ属(Lepidium)、アゼトウガラシ属(Lindernia)、シカギク属(Matricaria)、ハッカ属(Mentha)、ヤマアイ属(Mercurialis)、ザクロソウ属(Mullugo)、ワスレナグサ属(Myosotis)、ケシ属(Papaver)、アサガオ属(Pharbitis)、オオバコ属(Plantago)、タデ属(Polygonum)、スベリヒユ属(Portulaca)、キンポウゲ属(Ranunculus)、ダイコン属(Raphanus)、イヌガラシ属(Rorippa)、キカシグサ属(Rotala)、ギシギシ属(Rumex)、オカヒジキ属(Salsola)、キオン属(Senecio)、セスバニア属(Sesbania)、キンゴジカ属(Sida)、シロガラシ属(Sinapis)、ナス属(Solanum)、ノゲシ属(Sonchus)、ナガボノウルシ属(Sphenoclea)、ハコベ属(Stellaria)、タンポポ属(Taraxacum)、グンバイナズナ属(Thlaspi)、シャジクソウ属(Trifolium)、イラクサ属(Urtica)、クワガタソウ属(Veronica)、スミレ属(Viola)、及び、オナモミ属(Xanthium)。
【0116】
好ましくは、本発明によるカプセル懸濁濃縮物は、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)種HUDS(又は、「black grass」)の雑草を防除するために使用される。
【0117】
本発明は、さらに、望ましくない植物の成長、好ましくは、有用な植物の作物中の望ましくない植物の成長を抑制するための、本発明によるカプセル懸濁濃縮物の使用も提供する。
【0118】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物を発芽前に土壌の表面に施用する場合、雑草の実生の発生が完全に防止されるか、又は、それら雑草は、子葉期に達するまで成長するが、その後成長を停止し、そして最終的には、3~4週間経過した後、完全に枯死する。
【0119】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物を植物の緑色の部分に発生後施用する場合は、その処理の後の極めて短時間のうちに成長は速やかに停止し、そして、当該雑草植物は、施用時点における成長段階にとどまるか、又は、一定期間の後、完全に枯死し、その結果、このようにして、作物植物にとって有害である雑草による競合が、極めて早期に持続的に排除される。
【0120】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物は、除草作用が速やかに発現すること及び長期間持続することに関して特筆すべきである。そのような特性及び有利点は、農作物を望ましくない競合植物が存在しない状態に維持するために、及び、従って、質及び量に関してその収量を保証する及び/又は増大させるために、実際の雑草防除において有益である。これらの新規組成物は、上記特性を視野に入れて、最先端技術を著しく凌駕している。
【0121】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物は、単子葉雑草及び双子葉雑草に対して優れた除草活性を示すにもかかわらず、経済的に重要な作物(例えば、双子葉作物、例えば、ダイズ、ワタ、ナタネ、テンサイ、又は、イネ科作物、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、アワ/ソルガム、イネ若しくはトウモロコシ)の作物植物に対しては、たとえ損傷を与えるとしても、微々たる損傷に過ぎない。これらの理由により、本発明によるカプセル懸濁濃縮物は、農業上有用な植物又は観賞植物の中の望ましくない植物の成長を選択的に抑制するのに極めて適している。
【0122】
さらに、本発明によるカプセル懸濁濃縮物は、作物植物において優れた成長調節特性を示す。それらは、調節効果を伴って植物自体の代謝に介入し、従って、植物の成分に対して制御された影響を及ぼすために、並びに、例えば乾燥及び成長阻害を誘発することによって、収穫を促進するために、使用することができる。さらに、それらは、植物を枯死させることなく植物の望ましくない成長を全体的に制御及び阻害するのにも適している。植物の成長を阻害することは、それによって倒伏が低減され得るか又は完全に防止され得るので、多くの種類の単子葉作物及び双子葉作物に対して重要な役割を果たす。
【0123】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物は、その除草特性及び植物成長調節特性によって、既知遺伝子組換え植物又は今後開発されるであろう遺伝子組換え植物の作物の中の有害な植物を防除するために用いることもできる。概して、トランスジェニック植物は、特定の有利な特性によって、例えば、特定の殺有害生物剤(特に、特定の除草剤)に対する抵抗性、植物病害又は植物病害の病原体(例えば、特定の昆虫類又は微生物、例えば、菌類、細菌類又はウイルス類)に対する抵抗性などによって、特徴付けられる。別の特別な特性は、例えば、収穫物の、量、質、貯蔵性、組成及び特定の成分などに関する。例えば、デンプン含有量が増大されているか若しくはデンプンの質が変性されているトランスジェニック植物又は収穫物が異なる脂肪酸組成を有するトランスジェニック植物が知られている。
【0124】
好ましくは、本発明によるカプセル懸濁濃縮物は、有用な植物及び観賞植物(例えば、イネ科作物、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、アワ/ソルガム、イネ、ナタネ及びトウモロコシ)の経済的に重要なトランスジェニック作物において使用する。好ましくは、本発明による組成物は、除草剤として、当該除草剤の植物毒性効果に対して抵抗性であるか又は遺伝子工学によって抵抗性にされた有用な植物の作物において、使用することができる。特に好ましくは、コムギ、オオムギ、ライムギ及びナタネに対して使用し、好ましくは、冬ナタネに対して使用する。
【0125】
本発明によるカプセル懸濁濃縮物をトランスジェニック作物の中で使用する場合、別の作物の中で観察される有害な植物に対する効果が生じるのみではなく、多くの場合、特定のトランスジェニック作物の中における施用に対して特異的な効果、例えば、防除可能な雑草の改変されたスペクトル又は特に拡大されたスペクトル、当該施用に使用し得る改変された施用量、好ましくは、そのトランスジェニック作物が抵抗性を示す除草剤との良好な組合せ可能性、並びに、そのトランスジェニック作物植物の成長及び収穫量に対する影響なども生じる。
【0126】
本発明は、さらに、望ましくない植物の成長を抑制する方法、好ましくは、穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、イネ、トウモロコシ、アワ/ソルガム)などの作物植物の中の望ましくない植物の成長を抑制する方法、さらに好ましくは、単子葉作物(例えば、穀類、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、それらの交雑種、例えば、ライコムギ、イネ、トウモロコシ及びアワ/ソルガム)の中の望ましくない植物の成長を抑制する方法も提供し、ここで、本発明による1種類以上のカプセル懸濁濃縮物を、該有害な植物、植物の部分、植物の種子又は該植物が生育している領域(例えば、耕作されている領域)に施用する。好ましくは、本発明によるカプセル懸濁濃縮物は、発生前及び発生後に施用する。さらに好ましくは、発生前に施用する。
【0127】
本発明は、従って、トランスジェニック作物植物の中の有害な植物を防除するための、本発明によるカプセル懸濁濃縮物の使用も提供する。
【0128】
本発明は、さらに、好ましくは、その種子が薬害軽減剤で既に処理されている植物を処理するための、本発明によるカプセル懸濁濃縮物の使用も提供する。
【0129】
本発明について、下記実施例によって例証する。
【実施例
【0130】
実施例
使用されている物質及び略語:
下記実施例において使用されている用語は、以下の意味を有する:
【表1】
【0131】
製造実施例
実施例1(本発明)
15gのDCPMIを50℃で32gのSolvesso(登録商標)200NDに溶解させた(これは、32%の溶解された活性成分に相当する)。
【0132】
該溶液を、50gの水の中の0.8gのDesmodur(登録商標)T80、0.64gのDesmodur(登録商標)44V20L、0.51gのKuraray Poval(登録商標)26-88及びさらに0.2gのSilcolapse(登録商標)426R及び0.18gのKathon(登録商標)CG/ICPの混合物に添加した。その混合物をディスパーサーを用いて15000rpmで10分間分散させた。得られた反応混合物を、1時間以内で70℃まで昇温させ、そして、穏やかに撹拌しながら70℃でさらに4時間維持する。次いで、室温まで冷却した後、0.58gの30%アンモニア水溶液を添加する。その混合物を0.2gのRhodopol(登録商標)Gを用いて増粘させる。このようにして、150g/LのDCPMI含有量及び8.3μm(d90)の粒径を有するマイクロカプセル製剤が得られる。
【0133】
実施例2(本発明)
15gのDCPMIを50℃で32gのSolvesso(登録商標)200NDに溶解させた(これは、32%の溶解された活性成分に相当する)。
【0134】
該溶液を、50gの水の中の0.8gのDesmodur(登録商標)T80、0.64gのDesmodur(登録商標)44V20L、0.51gのKuraray Poval(登録商標)26-88及びさらに0.2gのSilcolapse(登録商標)426R及び0.18gのKathon(登録商標)CG/ICPの混合物に添加した。その混合物をディスパーサー(ローター・ステーターシステム)を用いて10000rpmで10分間分散させた。得られた反応混合物を、1時間以内で70℃まで昇温させ、そして、穏やかに撹拌しながら70℃でさらに4時間維持する。次いで、室温まで冷却した後、0.58gの30%アンモニア水溶液を添加する。その混合物を0.2gのRhodopol(登録商標)Gを用いて増粘させる。このようにして、150g/LのDCPMI含有量及び15.3μm(d90)の粒径を有するマイクロカプセル製剤が得られる。
【0135】
実施例3(本発明)
15gのDCPMIを50℃で32gのSolvesso(登録商標)200NDに溶解させた(これは、32%の溶解された活性成分に相当する)。
【0136】
該溶液を、50gの水の中の1.4gのDesmodur(登録商標)T80、1.09gのDesmodur(登録商標)44V20L、0.51gのKuraray Poval(登録商標)26-88及びさらに0.2gのSilcolapse(登録商標)426R及び0.18gのKathon(登録商標)CG/ICPの混合物に添加した。その混合物をディスパーサーを用いて15000rpmで10分間分散させた。得られた反応混合物を、1時間以内で70℃まで昇温させ、そして、穏やかに撹拌しながら70℃でさらに4時間維持する。次いで、室温まで冷却した後、0.58gの30%アンモニア水溶液を添加する。その混合物を0.2gのRhodopol(登録商標)Gを用いて増粘させる。このようにして、150g/LのDCPMI含有量及び8.3μm(d90)の粒径を有するマイクロカプセル製剤が得られる。
【0137】
実施例4(本発明)
15gのDCPMIを50℃で32gのSolvesso(登録商標)200NDに溶解させた(これは、32%の溶解された活性成分に相当する)。
【0138】
該溶液を、50gの水の中の0.6gのDesmodur(登録商標)T80、0.48gのDesmodur(登録商標)44V20L、0.51gのKuraray Poval(登録商標)26-88及びさらに0.2gのSilcolapse(登録商標)426R及び0.18gのKathon(登録商標)CG/ICPの混合物に添加した。その混合物をディスパーサーを用いて15000rpmで10分間分散させた。その後、0.36gのジエチレントリアミンを添加する。得られた反応混合物を、1時間以内で70℃まで昇温させ、そして、穏やかに撹拌しながら70℃でさらに4時間維持する。次いで、室温まで冷却した後、0.58gの30%アンモニア水溶液を添加する。その混合物を0.2gのRhodopol(登録商標)Gを用いて増粘させる。このようにして、150g/LのDCPMI含有量及び6.6μm(d90)の粒径を有するマイクロカプセル製剤が得られる。
【0139】
実施例5(本発明)
15gのDCPMIを50℃で32gのSolvesso(登録商標)200NDに溶解させた(これは、32%の溶解された活性成分に相当する)。
【0140】
該溶液を、50gの水の中の0.9gのDesmodur(登録商標)44V20L、0.51gのKuraray Poval(登録商標)26-88及びさらに0.2gのSilcolapse(登録商標)426R及び0.18gのKathon(登録商標)CG/ICPの混合物に添加した。その混合物をディスパーサーを用いて15000rpmで10分間分散させた。その後、水に(40重量%溶液として)溶解させた0.54gのヘキサメチレン-1,6-ジアミンを添加した。得られた反応混合物を、1時間以内で70℃まで昇温させ、そして、穏やかに撹拌しながら70℃でさらに4時間維持する。次いで、室温まで冷却した後、0.58gの30%アンモニア水溶液を添加する。その混合物を0.2gのRhodopol(登録商標)Gを用いて増粘させる。このようにして、150g/LのDCPMI含有量及び7.9μm(d90)の粒径を有するマイクロカプセル製剤が得られる。
【0141】
実施例6(本発明)
15gのDCPMIを50℃で32gのSolvesso(登録商標)200NDに溶解させた(これは、32%の溶解された活性成分に相当する)。
【0142】
該溶液を、50gの水の中の1.22gのDesmodur(登録商標)N3300g、0.51gのKuraray Poval(登録商標)26-88及びさらに0.2gのSilcolapse(登録商標)426R及び0.18gのKathon(登録商標)CG/ICPの混合物に添加した。その混合物をディスパーサーを用いて15000rpmで10分間分散させた。その後、0.44gの50重量%ジエチレントリアミン水溶液を添加する。得られた反応混合物を、1時間以内で70℃まで昇温させ、そして、穏やかに撹拌しながら70℃でさらに4時間維持する。次いで、室温まで冷却した後、0.58gの30%アンモニア水溶液を添加する。その混合物を0.2gのRhodopol(登録商標)Gを用いて増粘させる。このようにして、150g/LのDCPMI含有量及び5.4μm(d90)の粒径を有するマイクロカプセル製剤が得られる。
【0143】
比較実施例1(WO96/14743、表1、実施例cと同様)
140gのクロマゾンを50℃で30gのSolvesso(登録商標)200NDに溶解させた(これは、82%の溶解された活性成分に相当する)。
【0144】
該溶液を、30gのDesmodur(登録商標)44V20L、4gのKuraray Poval(登録商標)26-88、430gの水及びさらに1.8gのSilcolapse(登録商標)426R及び0.18gのKathon(登録商標)CG/ICPの混合物に添加した。その混合物をディスパーサーを用いて10000rpmで10分間以内分散させた。次いで、19gのヘキサメチレン-1,6-ジアミンを添加する。得られた反応混合物を、1時間以内で70℃まで昇温させ、そして、穏やかに撹拌しながら70℃でさらに4時間維持する。次いで、室温まで冷却した後、0.58gの30%アンモニア水溶液を添加する。その混合物を0.2gのRhodopol(登録商標)Gを用いて増粘させる。このようにして、200g/Lのクロマゾン含有量及び15.3μm(d90)の粒径を有するマイクロカプセル製剤が得られる。
【0145】
活性成分とイソシアネートの比率は、4.6:1である。
【0146】
活性成分と溶媒の比率は、4.6:1である。
【0147】
イソシアネートとアミン性架橋剤の比率は、1.58:1である。
【0148】
比較実施例2a(DCPMI使用、WO96/14743、表1、実施例cと同様)
DCPMIは、クロマゾンと比較して極めて溶解しにくい。バッチ混合を実施することは不可能であった。
【0149】
比較実施例2b(DCPMI使用、Solvesso(登録商標)200NDに溶解させたDCPMIを使用する、比較実施例1の変形態様)
比較実施例1の手順に従ったが、但し、15gのDCPMIを50℃で32gのSolvesso(登録商標)200NDに溶解させた(これは、32%の溶解された活性成分に相当する)。
【0150】
活性成分とイソシアネートの比率は、4.6:1である。
【0151】
活性成分と溶媒の比率は、1:2である。
【0152】
イソシアネートとアミン性架橋剤の比率は、1.58:1である。
【0153】
本発明による製剤の場合と比較して極めて多くのポリウレタン/尿素を使用する。
【0154】
比較実施例3(WO2015/127259、実施例9aと同様)
カプセル懸濁液は、実施例9aと同様にして製造した。
【0155】
活性成分とイソシアネートの比率は、16.8:1である。
【0156】
活性成分と溶媒の比率は、5.6:1である。溶媒に対して85%の活性成分が存在している。
【0157】
イソシアネートとアミン性架橋剤の比率は、1:1である。
【0158】
当該カプセルの中の活性成分は、室温で部分的に結晶化した。一部のカプセルは破裂した。WO2015/127259の実施例9Aの場合と同様の高篩残留分が見られた。当該生成物は、シリンジを詰まらせ、そして、貯蔵安定性を示さなかったので、それ以上使用することができなかったが、揮発度を測定することは可能であった。
【0159】
比較実施例4(WO2015/127259、実施例9bと同様)
カプセル懸濁液は、実施例9bと同様にして製造した。
【0160】
活性成分とイソシアネートの比率は、18.2:1である。
【0161】
活性成分と溶媒の比率は、6:1である。溶媒に対して85%の活性成分が存在している。
【0162】
イソシアネートとアミン性架橋剤の比率は、1:1である。
【0163】
当該カプセルの中の活性成分は、室温で部分的に結晶化した。一部のカプセルは破裂した。WO2015/127259の実施例9Aの場合と同様の高篩残留分が見られた。当該生成物は、シリンジを詰まらせ、そして、貯蔵安定性を示さなかったので、それ以上使用することができなかったが、揮発度を測定することは可能であった。
【0164】
比較実施例5(WO2015/127259、実施例9cと同様)
カプセル懸濁液は、実施例9cと同様にして製造した。
【0165】
活性成分とイソシアネートの比率は、12:1である。
【0166】
活性成分と溶媒の比率は、1.44:1である。溶媒に対して60%の活性成分が存在している。
【0167】
イソシアネートとアミン性架橋剤の比率は、1:1である。
【0168】
当該カプセルの中の活性成分は、室温で部分的に結晶化した。一部のカプセルは破裂した。WO2015/127259の実施例9Aの場合と同様の高篩残留分が見られた。当該生成物は、シリンジを詰まらせ、そして、貯蔵安定性を示さなかったので、それ以上使用することができなかったが、揮発度を測定することは可能であった。
【0169】
Solvesso200NDの中の該活性成分の溶解性は、室温で35重量%であると測定された。それより高い濃度では、該活性成分はカプセルの中で結晶化する。
【0170】
懸濁濃縮物(SC)の製造:
第1に、水を室温で最初に装入する。次いで、撹拌しながら、(c)、(e1)、(e2)並びに活性成分(a)及び(a’)を添加する。(a’)メフェンピル-ジエチルの場合、65℃で暖めながら添加し、その混合物を結晶が形成されるまで2~24時間撹拌する。その後、湿式摩砕(例えば、ビーズミルを用いた湿式摩砕)に付す。最後に、有機増粘剤(成分(c))を添加する。
【0171】
有機エマルション濃縮物(EC)の製造:
該活性成分を、溶媒及び乳化剤と一緒に30℃で撹拌する。
【表2】
【0172】
本発明によるZC製剤の製造:
個々のSC製剤を本発明によるCS製剤と混合させる。
【0173】
実施例14:
0.12Lの実施例10(これは、48gのフルフェナセット及び24gのジフルフェニカンに相当する)を0.5Lの実施例1(これは、80gのカプセル化されたDCPMIに相当する)及び0.1L(これは、40gのメフェンピル-ジエチルに相当する)と一緒に撹拌する。
【0174】
実施例15:
0.12Lの実施例10(これは、48gのフルフェナセット及び24gのジフルフェニカンに相当する)を0.25Lの実施例1(これは、40gのカプセル化されたDCPMIに相当する)及びさらに0.1Lの実施例7(これは、40gのカプセル化されていないDCPMIに相当する)及び0.1L(これは、40gのメフェンピル-ジエチルに相当する)と一緒に撹拌する。
【0175】
活性成分の相対揮発度の測定
散布液(0.5gの活性成分/L)を、いずれの場合にも、22℃及び60%の相対空気湿度で1.6m/秒の一定の風量の下で、実験室の換気フード内の上端が開いているガラス箱の中の3つのテフロン製膜の上に配置する。0時間後、24時間後及び72時間後に乾燥させた後、該テフロン製膜の上の残留物をHPLCで測定する。揮発度は、0時間の値に基づいている。
【0176】
表1: 揮発度の測定
活性成分の量は、DCPMIの含有量(重量%)である。
【表3】
【0177】
上記結果は、カプセル化することによって揮発性を明瞭に低減させることができるということを示している。
【0178】
リンゴのクチクラへの浸透による生物学的利用能の測定
散布液(0.5gの活性成分/L)を、いずれの場合にも、3つのリンゴクチクラに施用する。そのクチクラの中の活性成分の量を測定する;0時間後、24時間後及び72時間後に乾燥させた後、HPLCで測定。
【表4】
【0179】
本発明の実施例の生物学的利用能は、極めて高いレベルにある。比較実施例2は、極めて低い生物学的利用能を示す。
【0180】
該水性分散液の除草効力に関する圃場試験の結果
方法: 1ヘクタール当たり60gのジフルフェニカン、120gのフルフェナセット、200gのDCPMI及び100gのメフェンピル-ジエチルからなる薬量の200L/haの散布液の標準的な秋圃場施用。ノスズメノテッポウ(black grass)(Alopecurus myosuroides;ALOMY)に対する除草効力、作物植物である冬オオムギ及び冬コムギに対する薬害、並びに、近隣の作物(3つのプランテーション、テンサイ、ブロッコリー)に対する損傷について、評価した。0-100%のスケールで、無処理対照群と比較することによって視覚的評価を実施した:0%=無処理対照群と比較して顕著な効果はない;100%=無処理対照群と比較して完全な効果。
【表5】
【0181】
除草活性成分を含んでいる本発明の製剤は、より高い除草効力を示しながら、作物植物に対する損傷(作物植物である冬オオムギ及び冬コムギに対する薬害)はより軽微であり、近隣作物に対する損傷は極めて軽微である。実施例15は、これに関連して、まだ許容される。より多い量の遊離活性成分(実施例7)は、近隣作物に対して許容されない損傷を引き起こす。カプセル化の場合において、厚すぎるカプセル壁(比較実施例2b)は、許容される効果を示さない。