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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】空気硬化バッティング断熱材
(51)【国際特許分類】
   D06M 15/263 20060101AFI20221129BHJP
   D04H 1/4374 20120101ALI20221129BHJP
   D04H 1/587 20120101ALI20221129BHJP
   D04H 1/593 20120101ALI20221129BHJP
   D06M 15/643 20060101ALI20221129BHJP
   A41D 31/00 20190101ALI20221129BHJP
   A41D 31/02 20190101ALI20221129BHJP
   A47G 9/08 20060101ALI20221129BHJP
   A47G 9/02 20060101ALI20221129BHJP
   D06M 101/02 20060101ALN20221129BHJP
   D06M 101/32 20060101ALN20221129BHJP
【FI】
D06M15/263
D04H1/4374
D04H1/587
D04H1/593
D06M15/643
A41D31/00 502E
A41D31/02 D
A41D31/02 C
A47G9/08 A
A47G9/02 B
D06M101:02
D06M101:32
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2019522460
(86)(22)【出願日】2017-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 US2017059188
(87)【国際公開番号】W WO2018081771
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-12
(31)【優先権主張番号】62/415,137
(32)【優先日】2016-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512305235
【氏名又は名称】プリマロフト,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】マインハルト,ジョン-アラン
【審査官】静野 朋季
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/118614(WO,A1)
【文献】特開2007-247111(JP,A)
【文献】特開2007-246798(JP,A)
【文献】特開平11-106437(JP,A)
【文献】特表2001-502366(JP,A)
【文献】特開平04-300365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M 15/00-15/715
D04H 1/00-1/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織ウェブを含む空気硬化バッティング(batting)であって、
-75~97.5重量%の繊維混合物;および
-ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む2.5~25重量%の樹脂
を含み、前記樹脂が、前記バッティングの第1の表面上、および前記バッティングの第2の表面上に存在し、前記第2の表面が、前記第1の表面と平行であり、前記樹脂が、前記繊維混合物の繊維に接着され、それによって結合構造を形成し、その結果、前記樹脂によって、前記空気硬化バッティングが、シート形態での前記バッティングの取扱い性を付与する構造的完全性を有し、
前記繊維混合物は、50重量%を超える合成繊維を含み、そして
前記空気硬化バッティングは、
・中間バッティングの第1の表面および中間バッティングの第2の表面に、
ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む15~60体積%の樹脂;水に可溶な20~80体積%の1.3以上の蒸発速度を有する溶媒;および0~65体積%の水
を含む樹脂溶液を塗布し、溶液塗布したバッティング構造を形成すること;そして
・前記溶液塗布したバッティング構造を空気に曝露し、それによって樹脂溶液中の溶媒を蒸発させ、そして樹脂を硬化させ、空気硬化バッティングを形成すること、
によって形成され、
ここで、前記樹脂溶液に含まれる前記樹脂は、周囲条件において、25℃で48時間以内に架橋するものであるか、及び/又は前記溶液塗布したバッティング構造との接触時の風速が2.5~15m/sである強制空気又は循環空気に暴露された場合に、前記溶液塗布したバッティング構造が3~60分内に乾燥するものである、
空気硬化バッティング。
【請求項2】
前記バッティングがシートの形態である、請求項1に記載の空気硬化バッティング。
【請求項3】
前記繊維混合物が天然繊維を含む、請求項1に記載の空気硬化バッティング。
【請求項4】
前記繊維混合物が55重量%を超える合成繊維を含む、請求項1に記載の空気硬化バッティング。
【請求項5】
前記合成繊維がポリエステル繊維を含む、請求項4に記載の空気硬化バッティング。
【請求項6】
前記合成繊維がシリコン処理繊維を含む、請求項4に記載の空気硬化バッティング。
【請求項7】
前記繊維混合物が、
-25~90重量%のシリコン処理合成繊維
を含む、請求項6に記載の空気硬化バッティング。
【請求項8】
前記繊維混合物が、
-35~80重量%のマイクロデニール繊維;および
-20~65重量%のマクロデニール繊維
を含む、請求項1に記載の空気硬化バッティング。
【請求項9】
前記繊維混合物が、
-50~75重量%のマイクロデニール繊維;および
-25~50重量%のマクロデニール繊維
を含む、請求項8に記載の空気硬化バッティング。
【請求項10】
前記マイクロデニール繊維がシリコン処理繊維を含む、請求項8に記載の空気硬化バッティング。
【請求項11】
前記マクロデニール繊維がシリコン処理繊維を含む、請求項8に記載の空気硬化バッティング。
【請求項12】
前記マクロデニール繊維が非シリコン処理繊維をさらに含む、請求項11に記載の空気硬化バッティング。
【請求項13】
前記繊維混合物が95重量%を超えるポリエステル繊維を含む、請求項1に記載の空気硬化バッティング。
【請求項14】
前記空気硬化バッティングが合成バインダー繊維を含まない、請求項1に記載の空気硬化バッティング。
【請求項15】
前記空気硬化バッティングが溶融したバインダー繊維を含まない、請求項1に記載の空気硬化バッティング。
【請求項16】
前記繊維混合物中の前記繊維の95%超がステープルファイバーである、請求項1に記載の空気硬化バッティング。
【請求項17】
前記ステープルファイバーが12mm~70mmのステープル長を有する、請求項16に記載の空気硬化バッティング。
【請求項18】
前記第1の表面および前記第2の表面のうちの少なくとも一方と接触しているスクリム層をさらに含む、請求項1に記載の空気硬化バッティング。
【請求項19】
複数の不織ウェブ層を含む、請求項1に記載の空気硬化バッティング。
【請求項20】
前記複数の不織ウェブ層が互いにクロスラップされている、請求項19に記載の空気硬化バッティング。
【請求項21】
1~8kg/mの密度を有する、請求項1に記載の空気硬化バッティング。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の空気硬化バッティングを含む、物品。
【請求項23】
前記物品が、上着製品、衣類、寝袋、および寝具からなる群から選択される、請求項22に記載の物品。
【請求項24】
請求項1~21のいずれか一項に記載の空気硬化バッティングを作製する方法であって、
-繊維混合物から不織ウェブを形成し、任意に2つ以上のウェブ層を積層し、それによって第1の表面および前記第1の表面に平行な第2の表面を有する中間バッティング断熱構造を作ること;
-前記中間バッティング断熱構造の前記第1の表面および前記第2の表面に、
ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む15~60体積%の樹脂;水に可溶な20~80体積%の1.3以上の蒸発速度を有する速乾性溶媒;および0~65体積%の水;
を含む樹脂溶液を塗布し、それによって溶液塗布したバッティング構造を形成すること;ならびに
-前記溶液塗布したバッティング構造を空気に曝露し、それによって前記樹脂溶液中の溶媒を蒸発させ、樹脂を硬化させ、このようにして75~97.5重量%の繊維混合物および2.5~25重量%の前記樹脂を含む前記空気硬化バッティングを形成することを含み、前記樹脂が、前記繊維混合物の繊維に接着され、それによって結合構造を形成し、その結果、前記樹脂によって、前記空気硬化バッティングが、シート形態での前記バッティングの取扱い性を付与する構造的完全性を有する、方法。
【請求項25】
前記速乾性溶媒がイソプロピルアルコールである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記繊維混合物から不織ウェブを前記形成することが、カーディング機またはエアレイプロセスを使用して行われる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記塗布することが、前記樹脂溶液を前記中間バッティング断熱構造の前記第1の表面および前記第2の表面に噴霧することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記方法が、前記不織ウェブを加熱することを含まない、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記方法が、前記不織ウェブを加熱することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記溶液塗布したバッティングを空気に前記曝露することが、前記溶液塗布したバッティングを強制空気または循環空気にさらすことを含む、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2016年10月31日に出願された米国仮特許出願第62/415,137号の優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の分野】
【0002】
本発明は、一般に、空気硬化バッティング、バッティングを含む物品、およびバッティングを作製する方法に関する。
【発明の背景】
【0003】
バッティング(例えば、ポリエステルバッティングなどの合成バッティング)を作製するために、バインダー樹脂または低融点繊維が繊維のウェブを共に結合するために使用され、それによってバッティングを強化し構造および/または強度を与える。使用される樹脂およびバインダー繊維は、繊維を共に結合するために熱を必要とする。実際には、これは、オーブンにウェブを通過させることによって達成される。典型的に使用されるオーブンは、シングルパス、3パス、または5パスオーブンである(すなわち、ウェブは、1回、3回、または5回オーブンを通過する)。オーブンからの熱は、樹脂を硬化させるか、かつ/またはバインダー繊維を溶融させてばら繊維を共に接着させる。断熱材にオーブンを通過させるために、オーブンの両端は、開いている。したがって、熱は、容易に逃げ、オーブン内の所望の温度を維持するために過剰なエネルギーを使用する必要がある。複数のレベルを有するオーブンは、さらに多くの熱を逃がすことが可能になる。オーブンは、典型的には、石油、石炭、電気、またはガスを使用して加熱されるので、バッティングを作製するための記録プロセスは、エネルギー消費量が多く、組成のために一酸化炭素を放出することによって環境を汚染し、再生不可能な資源を排出する可能性がある。それらの高いエネルギー使用量に加えて、特にそれらの開放端を考慮すると、オーブンは、危険な環境を作る可能性があり、例えば潜在的な燃焼および熱疲労の危険性をもたらす。
【0004】
したがって、より少ないエネルギー消費量を必要とし、エネルギー源(再生不可能な資源を含む)への負担がより少なく、かつ上記の危険な環境リスクを回避する、新しいバッティングおよびそのバッティングを作製するプロセスに対する必要性が存在する。
【0005】
本発明の開示を容易にするために従来技術の特定の態様を論じたが、出願人は、決してこれらの技術態様を放棄するものではなく、特許請求された発明は、1つ以上の従来技術の態様を包含し得ることが想到される。
【0006】
本明細書では、文書、行為、または知識の項目が言及または議論される場合、この参照または議論は、文書、行為、もしくは知識の項目、またはそれらの任意の組み合わせが、優先日において公に利用可能であった、一般に既知である、一般常識の一部である、またはその他の方法で該当する法定規定に基づく先行技術を構成する;または本明細書が関係しているあらゆる問題を解決する試みに関連があることが既知であることの承認ではない。
【発明の概要】
【0007】
簡潔に言うと、本発明は、より少ないエネルギー消費量を必要とし、エネルギー源(例えば、再生不可能な資源)への負担がより少なく、かつ/またはバッティングを作製するために使用されるオーブンに関連する危険な環境リスクを回避する、改善されたバッティングおよびその作製プロセスに対する必要性を満たす。これらの問題を解決する際に、本発明のバッティングおよびプロセスの実施形態は、特に記録プロセスと比較して、有利には環境に優しいと考えられる。
【0008】
本発明は、上述した技術の問題および欠陥のうちの1つ以上に対処し得る。しかしながら、本発明は、多数の技術分野における他の問題および欠陥に対処するのに有用であることが証明され得ると想到される。したがって、特許請求された発明は、本明細書で論じられた特定の問題または欠陥のいずれかに対処することに必ずしも限定されると解釈されるべきではない。
【0009】
第1の態様では、本発明は、
-75~97.5重量%の繊維混合物;および
-ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む2.5~25重量%の樹脂を含む不織布ウェブを含む空気硬化バッティングであって、樹脂が、バッティングの第1の表面上、およびバッティングの第2の表面上に存在し、第2の表面が、第1の表面と平行であり、樹脂が、繊維混合物の繊維に接着され、それによって結合構造を形成し、その結果、樹脂によって、空気硬化バッティングが、シート形態でのバッティングの取扱い性を付与する構造的完全性を有する、空気硬化バッティングを提供する。
【0010】
第2の態様では、本発明は、本発明の第1の態様による空気硬化バッティングを含む物品を提供する。
【0011】
第3の態様では、本発明は、本発明の第1の態様による空気硬化バッティングを作製する方法であって、
-繊維混合物から不織ウェブを形成し、任意に2つ以上のウェブ層を積層し、それによって第1の表面および第1の表面に平行な第2の表面を有する中間バッティング断熱構造を作ること;
-中間バッティング断熱構造の第1の表面および第2の表面に、
ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む15~60体積%の樹脂;水に可溶な20~80体積%の速乾性溶媒;および0~70体積%の水
を含む樹脂溶液を塗布し、それによって溶液塗布したバッティング構造を形成すること;ならびに
-溶液塗布したバッティング構造を空気に曝露し、それによって樹脂溶液中の溶媒を蒸発させ、樹脂を硬化させ、このようにして75~97.5重量%の繊維混合物および2.5~25重量%の樹脂を含む空気硬化バッティングを形成することを含み、樹脂が、繊維混合物の繊維に接着され、それによって結合構造を形成し、その結果、樹脂によって、空気硬化バッティングが、シート形態でのバッティングの取扱い性を付与する構造的完全性を有する、方法を提供する。
【0012】
本開示のバッティング、バッティングを含む物品、およびバッティングを作製する方法の特定の実施形態は、いくつかの特徴を有し、そのうちの1つだけがそれらの望ましい属性を担うものではない。添付の特許請求の範囲によって定義されるようなバッティング、物品、および方法の範囲を限定することなく、それらのより顕著な特徴をここで簡単に説明する。この考察を検討した後、特に「発明の詳細な説明」と題された本明細書の節を読んだ後に、本明細書に開示された様々な実施形態の特徴がどのように現在の技術水準に対していくつかの利点をもたらすかが理解されよう。例えば、バッティングの実施形態は、市販のバッティングに代わる環境に優しい代替物を提供し、より少ないエネルギー消費量を必要とし、エネルギー源への負担がより少なく、かつ/または危険な環境リスクを回避する方法によって製造される。バッティングの実施形態は、衣類、上着、履物などを含む様々な物品を作製するために使用することができる。
【0013】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および添付の図面と併せて解釈される本発明の様々な態様の以下の詳細な説明から明らかになる。
【0014】
本発明は、以下の図面と併せて以後に説明されるが、これらの図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、同じ数字は、同じ要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本発明のバッティングの実施形態10の上面写真である。
【0016】
図1B図1Aに示された本発明のバッティングの実施形態10の上面写真の線図である。
【0017】
図2A】本発明のバッティングの実施形態10の側面写真である。
【0018】
図2B図2Aに示された本発明のバッティングの実施形態10の側面写真の線図である。
【0019】
図3A】構造体上に掛けられた本発明のバッティングの実施形態10の写真である。
【0020】
図3B】構造体上に掛けられた本発明のバッティングの実施形態10の図3Aの写真の線図である。
【0021】
図4A】本発明のバッティングの実施形態10の側面写真である。
【0022】
図4B】本発明のバッティングの実施形態10の側面図の図4Aの写真の線図である。
【0023】
図5】本発明のバッティングの実施形態10の簡略化された側面図である。
【0024】
図6】本発明のバッティングの実施形態20の簡略化された側面図である。
【発明の詳細な説明】
【0025】
本発明の態様ならびにその特定の特徴、利点、および詳細は、添付の図面に示された非限定的な実施形態を参照して以下により十分に説明される。本発明を不必要に詳細で分かりにくくならないように、周知の材料、製作ツール、加工技術などの説明は省略する。しかしながら、詳細な説明および具体例は、本発明の実施形態を示しているが、例示としてのみ与えられており、限定としてではないことを理解されたい。基礎となる発明概念の趣旨および/または範囲内の様々な置換、修正、追加、および/または配置は、この開示から当業者には明らかであろう。
【0026】
第1の態様では、本発明は、
-75~97.5重量%の繊維混合物;および
-ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む2.5~25重量%の樹脂を含む不織布ウェブを含む空気硬化バッティングであって、樹脂が、バッティングの第1の表面上、およびバッティングの第2の表面上に存在し、第2の表面が、第1の表面と平行であり、樹脂が、繊維混合物の繊維に接着され、それによって結合構造を形成し、その結果、樹脂によって、空気硬化バッティングが、シート形態でのバッティングの取扱い性を付与する構造的完全性を有する、空気硬化バッティングを提供する。
【0027】
本発明のバッティングのいくつかの実施形態は、一般に、繊維混合物から不織ウェブを形成し、(任意に2つ以上のウェブ層を積層し)それによって第1の表面および第1の表面に平行な第2の表面を有する中間バッティング断熱構造を作ること、第1および第2の表面に特定の樹脂溶液を塗布して、それによって溶液塗布したバッティング構造を形成すること、ならびにこの溶液塗布したバッティング構造を空気に曝露し(それを空気硬化させ)、それによって樹脂溶液中の溶媒を蒸発させ、樹脂を硬化させ、このようにして空気硬化バッティングを形成することを含み、樹脂および繊維混合物が結合構造を形成して、その結果、空気硬化バッティングがシート形態でのバッティングの取扱い性を付与する構造的完全性を有する、本発明の第3の態様(以下でさらに詳細に記載)による空気硬化バッティングを作製する方法によって作製される。
【0028】
要するに、本発明は、「取扱い性」を有するバッティング実施形態を提供し、バッティングの繊維混合物内の繊維は、樹脂溶液から樹脂を介して互いに十分に接着され、構造的完全性を有し、かつ崩壊することなく、またはそれが最終用途に適さなくなるような(例えば、物品内の断熱材として)バッティングの構造的完全性を妥協することなく、そのまま取り扱われて使用することができる個別のバッティング構造を形成する。以下に論じるように、バインダー繊維は、本発明のバッティングの特定の実施形態に任意に含まれ、熱処理は、任意にバッティングを調製するプロセスにおいて使用される。しかしながら、本出願人の試験は、バインダー繊維を全く含まず、熱処理なしで製造された本発明のバッティングの実施形態でさえ、驚くべきことに良好な構造的完全性および取扱い性を有し、従来の(例えば、熱結合)バッティングの代わりに、非熱結合形態で単独で容易に使用することができることを明らかにした。
【0029】
後述するように、いくつかの実施形態では、本発明の空気硬化バッティングは、樹脂溶液を第1のバッティング表面および第2のバッティング表面に塗布し、次いで溶液塗布したバッティングを空気にさらし、それによって樹脂溶液を蒸発させ、このようにして本発明のバッティング実施形態を形成する。いくつかのプロセスでは、溶液は、架橋アクリルポリマーを含む15~60体積%の樹脂、水に可溶な20~80体積%の速乾性溶媒、および0~70体積%の水を含有する。これらの実施形態は、典型的には、バッティングに対する中間体(例えば、不織ウェブまたは2つ以上の層状不織ウェブからなる層状バッティング構造)に、空気硬化する液を噴霧すること(または中間体に塗布すること)を伴い-この溶液は、急速に乾燥し(例えば、いくつかの実施形態では、それは、5~20分以内に乾燥する)、樹脂は、繊維混合物中の繊維に接着し、繊維混合物と共に結合バッティングを形成する架橋ポリマーを表面に残す。言い換えれば、架橋ポリマーによって、そうでなければ共に保持されないバッティング中の繊維が共に保持され、それによって当技術分野において既知のバッティングのためのバインダー繊維を溶融させるかまたは他の方法で繊維を硬化させ共に結合させるために使用される熱処理に関連する課税エネルギー消費量を必要としない環境に優しいバッティングがもたらされる。
【0030】
本発明のバッティングの実施形態は、とりわけ衣服(例えば、寒冷地衣料品、手袋等などの衣類)、寝具(例えば、キルトおよび掛け布団)、枕、パッド、ならびに寝袋を含む物品に使用するのに適した望ましいドレープおよび圧縮率特性を有する低密度、高ロフト、断熱バッティングを提供する。
【0031】
いくつかの実施形態では、本発明の空気硬化バッティングは、繊維混合物を含有する単一の不織ウェブを含む。これは、例えば、本発明のバッティングの実施形態10の簡略化された側面図である図5の場合である。示されたバッティング10は、単一の不織ウェブ12を含む。バッティング10は、不織ウェブ12の第1および第2の表面に対応する第1の表面2および第2の表面4を有する。
【0032】
他の実施形態では、本発明のバッティングは、層状である2つ以上の不織ウェブを含む。これは、例えば、本発明のバッティングの実施形態20の簡略化された側面図である図6の場合である。示されたバッティング20は、層状である3つの不織ウェブ12、14、および16を含む。バッティング20は、第1の表面2および第2の表面4’を有する。分かるように、層状バッティング20では、第2の表面4’は、不織ウェブ16の表面に対応する。示された実施形態20では、不織ウェブ12および14は、不織ウェブ14および16と同様に互いに直接接触している。
【0033】
いくつかの実施形態では、本発明のバッティングは、1、2、3、4、5、または6つの不織ウェブを含む。単一の不織ウェブがバッティングに使用される場合、バッティングは、非層状バッティングと呼ばれてもよい。複数(すなわち2つ以上)の不織ウェブが使用される場合、バッティングは、層状バッティングと呼ばれてもよい。本発明のバッティング中に複数の不織ウェブが存在する場合、不織ウェブの繊維組成は、同じでも異なっていてもよい。
【0034】
様々な実施形態では、樹脂溶液がバッティングの第1および第2の表面に塗布されると、それは、バッティングの内部に浸透する。したがって、いくつかのバッティングの実施形態では、樹脂は、バッティングの厚さ全体にわたって存在する(例えば、図2Aを参照すると、厚さX全体にわたってバッティング10内に存在する)。いくつかの実施形態では、樹脂は、それが塗布される表面からバッティング内に、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、0.5~30mm(例えば、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30mm)の厚さ方向に浸透する。例えば、いくつかの実施形態では、樹脂は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、0.5~30mm(例えば、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30mm)の厚さ方向で、バッティングの第1の表面からバッティングの第2の表面に向かってバッティングに浸透し、かつ/または樹脂は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、0.5~30mm(例えば、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30mm)の厚さ方向で、バッティングの第2の表面からバッティングの第1の表面に向かってバッティングに浸透する。
【0035】
本発明のバッティングは、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、75~97.5重量%(例えば、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、または97.5重量%)の繊維混合物、ならびにその中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、2.5~25重量%(例えば、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25重量%)のブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む樹脂を含む。
【0036】
本明細書で使用されるとき、樹脂溶液は、アクリルポリマー(例えば、自己架橋性アクリルポリマー)を含む。様々な実施形態では、自己架橋性アクリルポリマーは、「ブチルアクリレーとメチルメタクリレーとの架橋コポリマー」であり、これは、モノマーブチルアクリレートおよびメチルメタクリレートからの構造単位を含むポリマーを指す。典型的には、ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーは、ブチルアクリレートおよびメチルメタクリレートを含むモノマーを含む反応混合物の重合から生じる。
【0037】
いくつかの実施形態では、アクリル酸ブチルとメタクリル酸メチルとの架橋コポリマーを含む樹脂は、カルボン酸基を含有する。いくつかの実施形態では、ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む樹脂は、ヒドロキシル基を含有しない。
【0038】
いくつかの実施形態では、ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む樹脂は、いかなる炭水化物部分も含有しない。いくつかの実施形態では、ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む樹脂は、いかなる非重合モノマーも含有しない。
【0039】
いくつかの実施形態では、樹脂は、本明細書に記載の任意の実施形態による、またはそれと性質を共有するアクリルポリマーであり、樹脂は、それらの任意の組み合わせを含む、以下の属性のうちの1つ以上を有する:
-自己架橋性である;
-モノマーブチルアクリレートおよびメチルメタクリレートを含む;
-ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとのコポリマーを含む;
-いかなる炭水化物部分も含有しない;
-ホルムアルデヒドを含有しない;
-アルキルフェノール(例えば、アルキルフェノールエトキシレート(APEO))を含有しない;
-その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、約7.5~8.5のpH)を含む、約6.0~約10.0のpH(例えば、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0のpH)を有する;
-非イオン性および/または陰イオン性乳化剤を含む;
-陽イオン性化合物またはその残基を含まない;
-その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、45%~55%、例えば45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、または55%の固形分を有する;
-その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、-20~10℃、-18~0℃など)を含む、-30℃~+30℃(例えば、-30、-29、-28、-27、-26、-25、-24、-23、-22、-21、-20、-19、-18、-17、-16、-15、-14、-13、-12、-11、-10、-9、-8、-7、-6、-5、-4、-3、-2、-1、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30℃)のガラス転移温度(Tg)を有する;
-その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、0.90~1.20、例えば、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.0、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、または1.20の比重を有する;
-樹脂が注入可能であるような粘度を有する;
-完全には、架橋されていない;
-中間バッティング断熱構造の表面に塗布されると、いくつかの実施形態では、ホルムアルデヒドが存在しなくても、(例えば、室温で)架橋し続けるという性質のものである;
-柔らかい手触り、および良好なドレープを可能にする;
-表面に塗布されると、25℃および周囲条件で、数時間、例えば、最大48時間架橋し続けることができるような性質のものである;
-水で希釈可能である;
-その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、205°F~220°F(例えば、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、または220°F)の沸点を有する;
-エーテルよりも遅い蒸発速度を有する;
-その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、8.30~9.20lb./gal)を含む、8~10lb./gal(例えば、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0lb./gal)の重量を有する;
-含有される場合、25℃で少なくとも7日間(例えば、少なくとも6ヶ月間または少なくとも12ヶ月間)安定である。
【0040】
当業者には、明らかなように、単一の不織ウェブを含む本発明のバッティングのいくつかの実施形態では、繊維混合物および樹脂の全体を単一の不織ウェブ内(その第1および第2の表面上を含む)に含めてもよい。一方、複数の不織ウェブを含む実施形態では、繊維混合物および樹脂の全体を複数の不織ウェブ内(複数のウェブによって形成された層状バッティングの第1および第2の表面上を含む)に含めてもよいが、樹脂の分布は、層によって変わり得る。実際、本明細書で提供される多層バッティングのいくつかの実施形態では、バッティングの第1または第2の表面に寄与する不織ウェブは、バッティングの第1または第2の表面に隣接しない不織ウェブよりも高濃度の樹脂を含む(例えば、図6では、不織ウェブ12は、バッティング20の第1の表面2に寄与し、不織ウェブ16は、バッティング20の第2の表面4’に寄与し、いくつかの実施形態では、不織ウェブ12および16は、内側不織ウェブ14よりも高濃度の樹脂を含む)。
【0041】
いくつかの実施形態では、繊維混合物は、合成繊維を含む。当業者は、多くの合成繊維に容易に精通しており、それが用いられることが意図されるバッティングおよび/または物品の所望の特性に応じて本発明のバッティング実施形態に使用するための適切な合成繊維を選択することは、十分に彼らの範囲内である。本発明のバッティングの実施形態は、織物材料の調製に資するものとして当技術分野において既知の任意の合成繊維を含むことができる。いくつかの実施形態では、本発明において使用され得る非排他的な合成繊維は、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(ブチルアクリレート)(PBA)、ポリアミド、アクリル、アセテート、ポリオレフィン、ナイロン、レーヨン、リヨセル、アラミド、スパンデックス、ビスコース、およびモーダル繊維、ならびにそれらの組み合わせから選択される。特定の実施形態では、合成繊維は、ポリエステル繊維を含む。例えば、いくつかの実施形態では、ポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ヘキサヒドロ-p-キシリレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ-1,4-シクロヘキシレンジメチレン(PCDT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、およびエステル単位の少なくとも85モルパーセントがエチレンテレフタレートまたはヘキサヒドロ-p-キシリレンテレフタレート単位であるテレフタレートコポリエステルから選択される。特定の実施形態では、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートである。いくつかの実施形態では、合成繊維は、未使用繊維を含む。いくつかの実施形態では、合成繊維は、再生繊維(例えば、再生ポリエステル繊維)を含む。
【0042】
繊維混合物は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、10~100重量%、30~100重量%、51~100重量%、40~90重量%、20~80重量%など)を含む、0~100重量%の合成繊維、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100重量%の合成繊維を含む。いくつかの実施形態では、繊維混合物は、50、55、60、65、70、または75重量%を超える合成繊維を含む。
【0043】
一般的に言って、繊維は、捲縮されていても捲縮されていなくてもよい。スパイラルおよび標準(例えば、平面)捲縮を含む様々な捲縮が当技術分野において既知である。
【0044】
いくつかの実施形態では、合成繊維は、ステープルファイバー(すなわち、標準化された長さの繊維)である。例えば、いくつかの実施形態では、合成繊維は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、12mm~70mm、例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70mmのステープル長を有する。
【0045】
繊維は、線状であってもよく、任意に捲縮を伴ってもよいが、いくつかの実施形態では、本発明のバッティングは、線状または捲縮を伴う線状ではない望ましい形状を有する繊維を含む。当業者は、本発明の実施形態で使用されると考えられる繊維を選択するための様々な望ましい形状に精通しているが、いくつかの非限定的な例としては、Y字型繊維、蝶ネクタイ型繊維などが挙げられる。
【0046】
デニールは、9000メートルの繊維または糸のグラム単位の重量として定義される測定単位である。繊維または糸の重量(またはサイズ)を指定するのが一般的な方法である。例えば、1.0デニールであるポリエステル繊維は、典型的には、約10マイクロメートルの直径を有する。マイクロデニール繊維は、1.0以下のデニールを有するものであり、一方、マクロデニール繊維は、1.0を超えるデニールを有する。
【0047】
いくつかの実施形態では、合成繊維は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、0.7デニール~8.0デニールのデニールを有する。例えば、いくつかの実施形態では、合成繊維は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8.0デニールのデニールを有する。
【0048】
いくつかの実施形態では、合成繊維は、マイクロデニール繊維(例えば、0.7~1.0デニールのデニールを有する繊維)を含む。いくつかの実施形態では、合成繊維は、マクロデニール繊維(例えば、1.1~8.0デニールのデニールを有する繊維)を含む。いくつかの実施形態では、合成繊維は、マイクロデニール繊維およびマクロデニール繊維を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、合成繊維は、シリコン処理繊維を含む。用語「シリコン処理」は、繊維がケイ素含有組成物(例えば、シリコーン)でコーティングされていることを意味する。シリコン処理技術は、当技術分野において周知であり、例えば、米国特許第3,454,422号に記載されている。ケイ素含有組成物は、当技術分野で既知の任意の方法、例えば、噴霧、混合、浸漬、パディングなどを使用して塗布され得る。オルガノシロキサンまたはポリシロキサンを含み得るケイ素含有(例えば、シリコーン)組成物は、繊維の外部部分に結合する。いくつかの実施形態では、シリコーンコーティングは、メチルハイドロジェンポリシロキサン、変性メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、またはアミノ変性ジメチルポリシロキサンなどのポリシロキサンである。当技術分野で既知のように、ケイ素含有組成物は、繊維に直接塗布されてもよく、または塗布前に溶液もしくはエマルジョン、例えば、ポリシロキサンの水性エマルジョンとしての溶媒で希釈されてもよい。処理後、コーティングは、乾燥および/または硬化され得る。当技術分野において既知のように、触媒は、ケイ素含有組成物(例えば、Si-H結合を含有するポリシロキサン)の硬化を促進するために使用され得、便宜上、ケイ素含有組成物エマルジョンに添加され得、結果として生じる組み合わせは、合成繊維を処理するために使用されている。適した触媒としては、アセテート、オクタノエート、ナフテネート、およびオレエートなどのカルボン酸の鉄、コバルト、マンガン、鉛、亜鉛、およびスズの塩が挙げられる。いくつかの実施形態では、シリコン処理後、繊維を乾燥させて残留溶媒を除去し、次いで、任意に65℃~200℃に加熱して硬化させ得る。
【0050】
繊維混合物において、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、20~95重量%、25~90重量%、30~90重量%、40~85重量%、51~90重量%など)を含む、0~100重量%、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100重量%の繊維は、シリコン処理繊維である。いくつかの実施形態では、シリコン処理繊維は、ポリエチレン繊維である。
【0051】
耐久性撥水(DWR)処理は、当技術分野において周知であり、処理された構成要素に撥水性を提供する。当業者であれば、種々のDWR処理に精通しており、そのいずれも本発明に関連して繊維集団に任意に使用され得る。いくつかの実施形態では、本発明のバッティングに使用される繊維(DWR処理繊維または撥水性繊維と呼ばれてもよい)は、繊維性能への悪影響を最小化および/または回避しながら、耐久性のある撥水性を付与することができるジルコニウムアセテートのポリマー溶液で処理されている。いくつかの実施形態では、耐久性撥水剤で処理された繊維は、繊維が洗浄後の改善された乾燥性および向上した手触りおよび固着に対する耐性を有するように、撥水性、細菌耐性、低摩擦硬化ジルコニウムアセテート仕上げ剤で処理される。本発明に関連してDWR処理として使用され得るジルコニウムアセテート溶液の例は、米国特許第4,537,594号に開示されている。いくつかの実施形態では、耐久性撥水剤で処理された繊維は、湿式浴または乾式噴霧プロセスで処理される。いくつかの実施形態では、処理は、当技術分野で既知のように、例えば、プラズマ処理を含み得る表面エネルギー改質技術を含む。そのような処理またはプロセスは、米国特許第4,869,922号、米国特許第5,262,208号、米国特許第5,895,558号、米国特許第6,416,633号、米国特許第7,510,632号、米国特許第8,309,033号、および米国特許第8,298,627号に説明されている。
【0052】
いくつかの実施形態では、合成繊維は、合成繊維が主に構成される合成材料とは異なる最大15重量%の粒子または材料を含む。例えば、いくつかの実施形態では、合成繊維は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、または15.0重量%の、合成繊維が主に構成される合成材料とは異なる粒子または材料を含む。いくつかの実施形態では、前記粒子または材料は、合成繊維が主に含まれる合成材料を表すポリマーマトリックス内に含まれる(例えば、その中に封入される)。いくつかの実施形態では、繊維混合物中の合成繊維は、国際公開第2017/087511号に記載されているように、エアロゲル繊維を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、バッティングの繊維混合物は、天然繊維を含む。例えば、いくつかの実施形態では、繊維混合物は、ウール、綿、テンセル、カポック(任意に使用前にさらに加工してもよい、カポックの木の種子から得られる綿のような綿毛)、亜麻、獣毛、絹、および羽毛(例えば、アヒルまたはガチョウ)から選択される1つ以上の部材を含む。
【0054】
繊維混合物は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、0~50重量%、1~40重量%、5~25重量%、30~60重量%など)を含む、0~100重量%の天然繊維、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100重量%の天然繊維を含む。いくつかの実施形態では、繊維混合物は、50、40、30、20、または10重量%未満の天然繊維を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、繊維混合物は、合成繊維および天然繊維を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、繊維混合物は、
-40~60mmのステープル長および0.6~1.0デニール(例えば、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む0.6、0.7、0.8、0.9、または1.0デニール)のデニールを有する、50~90重量%のシリコン処理合成繊維(例えば、ポリエステル繊維)(例えば、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、または90重量%);
-40~60mmのステープル長および2.5~5.0デニール(例えば、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5.0デニール)のデニールを有する、10~50重量%の非シリコン処理繊維(例えば、天然繊維および/またはポリエステルなどの合成繊維)(例えば、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47,48、49、または50重量%);ならびに
-40~70mmのステープル長および1.0を超えるデニールを有する、0~40重量%(例えば、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40重量%)のシリコン処理マクロデニール合成繊維(例えば、ポリエステル繊維)
を含む。いくつかの実施形態では、シリコン処理マクロデニール繊維は、3.0以上のデニールを有する。
【0057】
いくつかの実施形態では、繊維混合物は、
-その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、35~80重量%のマイクロデニール繊維(例えば、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53)、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、または80重量%);および
-その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、20~65重量%のマクロデニール繊維(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、または65重量%)
を含む。
マイクロデニール繊維およびマクロデニール繊維は、個別にシリコン処理または非シリコン処理することができる。例えば、マイクロデニール繊維の0~100重量%(例えば、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100重量%)の繊維が、シリコン処理されており、マクロデニール繊維の0~100重量%(例えば、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100重量%)の繊維が、シリコン処理されている。
【0058】
上述のように、本発明は、熱処理がなくても(例えば、バッティング中の他の繊維に対する溶融および結合がない状態でも)、バッティング内の繊維が互いに十分に接着され、構造的完全性を有し、かつ崩壊することなく、または最終用途に適さないようなバッティングの構造的完全性を妥協することなくそのまま取り扱われて使用することができる個別のバッティング構造を形成する、バッティング実施形態を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、繊維混合物は、バインダー繊維を含まない。いくつかの実施形態では、不織ウェブは、バインダー繊維を含まない。いくつかの実施形態では、バッティングは、バインダー繊維を含まない。
【0059】
いくつかの実施形態では、バッティングは、いかなる溶融繊維も含まない。
【0060】
いくつかの実施形態では、バッティング内(またはバッティングの不織ウェブ内)の繊維は、繊維混合物中の繊維の溶融を介して互いに結合していない。これは、繊維混合物が例えば、バインダー繊維を含み、バインダー繊維を溶融させて不織ウェブ内に含まれる繊維混合物中の他の繊維と結合させるようにウェブを熱処理する場合とは異なる。いくつかの実施形態では、ブチルアクリレーとメチルメタクリレーとの架橋コポリマーを含む樹脂を介さない限り、バッティング内の繊維は、互いに接着しない。いくつかの実施形態では、バッティング中に存在する繊維の90重量%以上(例えば、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99重量%以上)は、ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む樹脂を介して互いに接着されるのみである。
【0061】
上述のいくつかの実施形態は、バインダー繊維または他の熱溶融繊維を含まないが、他の本発明の実施形態は、バインダー繊維を含む。例えば、ときには、当業者は、空気硬化バッティングが、シート形態でのバッティングの取扱い性を付与するが結合剤繊維も使用する構造的完全性を有するように、架橋ポリマーを使用して常温空気硬化バッティングを形成するという本発明の概念を使用することを望む場合がある。実際、構造的完全性を付与するために空気硬化樹脂を使用することは、バインダー繊維の除去およびバッティングを形成するための熱処理を可能にするが、いくつかの実施形態では、使用されるバインダー繊維および/または熱処理を単に減少または補足することが望ましい場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、繊維混合物は、バインダー繊維を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、繊維混合物は、1~25重量%の合成バインダー繊維を含み、前記バインダー繊維は、混合物中に存在する合成ポリマー繊維の軟化温度より低い結合温度を有する。
【0063】
いくつかの実施形態では、合成バインダー繊維は、例えば、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25重量%の繊維混合物を構成する。
【0064】
いくつかの実施形態では、合成バインダー繊維は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、2.0~2.2デニール)を含む、1.5~4.0デニール、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、または4.0デニールのデニールを有する。
【0065】
いくつかの実施形態では、バインダー繊維は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む38~105mmのステープルカット長を有する。例えば、いくつかの実施形態では、長さは、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、38~51mm)を含む、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105mmである。
【0066】
上記のように、バインダー繊維は、合成繊維の軟化温度より低い結合温度を有する。いくつかの実施形態では、バインダー繊維は、200℃以下の結合温度を有する。いくつかの実施形態では、バインダー繊維は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む50~200℃の結合温度を有する。いくつかの実施形態では、バインダー繊維は、80℃~150℃の結合温度を有する。いくつかの実施形態では、バインダー繊維は、100℃~125℃の結合温度を有する。
【0067】
いくつかの実施形態では、バインダー繊維は、低融点ポリエステル繊維を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、バインダー繊維は、鞘および芯を含む二成分繊維であり、鞘が芯よりも低い融点を有する材料を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、本発明のバッティングは、バインダー繊維の全部または一部を溶融するように熱処理されており、それによって熱結合ウェブ型バッティングが形成される。そのような実施形態では、「バインダー繊維」がバッティングの繊維混合物中に記載されているが、前記繊維は、それらの元々の予備加熱処理形態におけるバインダー繊維とは対照的に、完全にまたは部分的に溶融した繊維であり得ることを当業者は、理解するであろう。
【0070】
上述のように、本発明のバッティングは、少なくとも1つの不織ウェブを含む。いくつかの実施形態では、不織ウェブの繊維含有量は、繊維混合物からなる。
【0071】
一般的に言って、不織ウェブ層をバッティングに加えることによって、バッティングの厚さおよび断熱特性を高めることができる。いくつかの実施形態では、バッティングは、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、10~20mm)を含む、4~30mm(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30mm)の厚さを有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、バッティングは、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、1~4kg/m、1.5~7kg/m、2~6kg/m、2.5~5kg/mなど)を含む、0.9~8kg/m(例えば、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8.0kg/m)の密度を有する。
【0073】
いくつかの実施形態では、バッティングは、ISO11092に従って試験したときに少なくとも0.70clo/oz/ydの熱性能等級を有する。例えば、いくつかの実施形態では、バッティングは、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、0.70clo/oz/yd~0.95clo/oz/yd(例えば、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、または0.95clo/oz/yd)の熱性能等級を有する。
【0074】
本発明のバッティングのいくつかの実施形態では、繊維混合物の部材は、均質に混合されており、繊維混合物が、実質的に均一な(すなわち90~100%均一な)組成を有していることを意味する。
【0075】
図1Aは、本発明の第1の態様による本発明のバッティングの一実施形態10の上面写真である。示されたバッティング10は、第1の表面2および第2の表面4(図示せず、第1の表面2と平行であり、図示の実施形態では、バッティング10が配置される表面に面する)を含む単一の不織ウェブである。いくつかの実施形態では、バッティング10が物品内に(例えば、断熱材として)含有されるとき、第1の表面2は、物品、例えば、ジャケットの外側部分(例えば、布地または他の材料もしくはライナー)に面し、第2の表面4は、物品の内側部分(例えば、布地または他の材料もしくはライナー)に面する。他の実施形態では、第1の表面2は、物品の内側部分に面し、第2の表面4は、物品の外側部分に面する。
【0076】
図1Bは、図1Aに示された本発明のバッティングの実施形態10の上面写真の線図である。
【0077】
図2Aは、本発明のバッティングの実施形態10の側面写真であり、Xは、バッティングの厚さである。
【0078】
図2Bは、図2Aに示された本発明のバッティングの実施形態10の側面写真の線図である。
【0079】
図3Aは、構造体上に掛けられた本発明のバッティングの実施形態10の写真である。分かるように、示されたバッティング10は、良好なドレープを有する(すなわち、バッティングは、それ自体の重さで垂れ下がる)。バッティングのドレープは、バッティングが使用されている物品の快適さおよび審美性などの品質に影響する。
【0080】
図3Bは、構造体上に覆った本発明のバッティングの実施形態10の図3Aの写真の線図である。
【0081】
いくつかの実施形態では、バッティングは、方法ASTMD 1388に従って測定して、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、1.5cm~3.5cm(例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、または3.5cm)のドレープを有する。
【0082】
図4Aは、本発明のバッティングの実施形態10の投影写真であり、Xは、バッティングの厚さである。
【0083】
図4Bは、本発明のバッティングの実施形態10の側面図の図4Aの写真の線図である。
【0084】
いくつかの実施形態では、バッティングは、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、25~100gsm、40~100gsmなど)を含む、25~200gsm(例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、または200gsm)の重量を有する。
【0085】
いくつかの実施形態では、バッティングは、シート形態(圧延品としての使用に適している)であり、細断されていない。
【0086】
いくつかの実施形態では、バッティングは、顔料を含まない。いくつかの実施形態では、バッティングが顔料を含む場合、顔料は、樹脂中に存在しない(すなわち、顔料がバッティング中に存在する場合、それは樹脂によって寄与されない)。
【0087】
第2の態様では、本発明は、本発明のバッティングを含む物品を提供する。そのような物品の非限定的な例としては、例えば、上着(例えば、ジャケット等などの上着衣料品)、衣類、枕、パッド、寝袋、寝具(例えば、キルト、布団)などが挙げられる。
【0088】
第3の態様では、本発明は、空気硬化バッティングを作製する方法であって、
-繊維混合物から不織ウェブを形成し、任意に2つ以上のウェブ層を積層し、それによって第1の表面および第1の表面に平行な第2の表面を有する中間バッティング断熱構造を作ること;
-中間バッティング断熱構造の第1の表面および第2の表面に、
-ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む15~60体積%の樹脂;
-水に可溶な20~80体積%の速乾性溶媒;および
-0~70体積%の水
を含む樹脂溶液を塗布し、それによって溶液塗布したバッティング構造を形成すること;ならびに
-溶液塗布したバッティング構造を空気に曝露し、それによって樹脂溶液中の溶媒を蒸発させ、樹脂を硬化させ、このようにして75~97.5重量%の繊維混合物および2.5~25重量%の樹脂を含む空気硬化バッティングを形成することを含み、樹脂が、繊維混合物の繊維に接着され、それによって結合構造を形成し、その結果、樹脂によって、空気硬化バッティングが、シート形態でのバッティングの取扱い性を付与する構造的完全性を有する、方法を提供する。
【0089】
繊維混合物は、本発明の第1の態様では、上述したような任意の実施形態であり得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、(例えば、バインダー繊維が繊維混合物中に存在する場合)、本発明の方法は、バッティングをバインダー繊維の結合温度以上に加熱することを含む。他の実施形態では、本発明の第3の態様の本発明の方法は、繊維混合物に用いられるバインダー繊維の結合温度以上にバッティングを加熱することを含まない。当業者には、明らかなように、特定の加熱工程を含まない本発明の空気硬化バッティングを作製する方法の実施形態は、最終の空気硬化バッティング、および不織ウェブを含むその任意の中間バッティング構造にも適用される。
【0091】
いくつかの実施形態では、本発明の空気硬化バッティングを作製する方法は、48℃を超えて行われる処理工程を含まない。いくつかの実施形態では、本発明の空気硬化バッティングを作製する方法は、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100℃を超えて行われる処理工程を含まない。
【0092】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100℃を超える温度で繊維混合物内の繊維の結合または接着をもたらす結合工程を含まない。
【0093】
いくつかの実施形態では、不織ウェブは、カーディング機またはエアレイプロセスを使用して形成される。両方の技術は、当業者には周知である。
【0094】
上述のように、樹脂溶液は、
-ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマー
を含む15~60体積%の樹脂を含む。例えば、いくつかの実施形態では、溶液は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、20~50体積%、25~35体積%など)を含む、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60体積%の樹脂;
-水に可溶な20~80体積%の速乾性溶媒
を含む。例えば、いくつかの実施形態では、溶液は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、30~75体積%、50~70体積%など)を含む、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、または80体積%の速乾性溶媒;および
-0~70体積%の水
を含む。例えば、いくつかの実施形態では、溶液は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、0~50体積%、1~30体積%、2~20体積%、5~15体積%など)を含む、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70体積%の水を含む。
【0095】
本明細書で使用されるとき、速乾性溶媒とは、1.3以上の蒸発速度を有する溶媒を指す。蒸発速度は、同じ条件で測定されたn-ブチルアセテートの気化速度と比較して、ASTMD 3539-11法によって測定された、材料が気化する(蒸発する、液体から蒸気に変化する)速度である。この量は、比率であり、したがって、単位がない。いくつかの実施形態では、速乾性溶媒は、1.3を超える(例えば、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5.0を超える)蒸発速度を有する。例えば、いくつかの実施形態では、速乾性溶媒は、3.0を超える蒸発速度を有する。
【0096】
速乾性溶媒は、水に可溶であり、これは、本出願の目的のためには、溶媒が20℃で100mLの水に対して少なくとも8グラムの溶解度を有することを意味する(すなわち、少なくとも8mLの溶媒が20℃の100mLの水に溶解する)。いくつかの実施形態では、溶媒は、20℃の水100mLあたり10グラム以上の溶解度(例えば、20℃の水100mLあたり、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99グラムの溶媒)を有する。
【0097】
いくつかの実施形態では、速乾性溶媒は、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、グライム、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸メチル、および酢酸エチル、ならびにそれらの組み合わせから選択される。特定の実施形態では、速乾性溶媒は、イソプロピルアルコールである。
【0098】
いくつかの実施形態では、樹脂溶液は、顔料を含まない。
【0099】
いくつかの実施形態では、樹脂溶液を中間バッティング断熱構造の第1および第2の表面に塗布することは、溶液を第1および/または第2の表面に噴霧することを含む。いくつかの実施形態では、噴霧中、樹脂溶液の噴霧滴は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲を含む、150~250μm(例えば、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、または250μm)の平均メジアン径を有する。
【0100】
いくつかの実施形態では、前記塗布中に、スプレーノズルは、バッティング構造の第1および第2の表面の上面を越え、かつそれらの幅を横断する。
【0101】
いくつかの実施形態では、中間バッティング断熱構造の第1および第2の表面に樹脂溶液を塗布することは、浴またはパディングを介して第1および/または第2の表面上へ溶液を塗布することを含み、両方の技術が当技術分野において既知である。
【0102】
いくつかの実施形態では、溶液塗布したバッティング構造を空気に曝露することは、溶液塗布したバッティングを強制空気または循環空気にさらすことを含む。いくつかの実施形態では、前記曝露することは、溶液塗布したバッティングとの接触時に、少なくとも2.5m/s、少なくとも3.0m/s、または少なくとも3.5m/sの風速を有する強制空気または循環空気に溶液塗布したバッティングをさらすことを含む。いくつかの実施形態では、前記曝露することは、溶液塗布したバッティングとの接触時に、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、2.5~12m/s、2.5~10m/sなど)を含む、2.5~15m/s(例えば、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、または15.0m/s)の風速を有する強制空気または循環空気に溶液塗布したバッティングをさらすことを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、溶液塗布したバッティングとの接触時に、その中のあらゆる範囲および部分範囲(例えば、2.5~12m/s、2.5~10m/sなど)を含む、2.5~15m/s(例えば、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、または15.0m/s)の風速を有する強制空気または循環空気に曝露するとき、溶液塗布したバッティング構造は、その中のありとあらゆる範囲および部分範囲(例えば、5~30分、6~25分、7~15分)を含む、3~60分(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60分)以内に乾燥する。
【0104】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、空気硬化バッティングを形成した後、バッティングをロールグッド形態に巻き取ることを含む。そのような実施形態は、例えばバッティングの容易な出荷に役立つ。いくつかの実施形態では、空気硬化バッティングは、不織スクリム層と共に巻き上げられ、ロールグッド形態で出荷される。
【0105】
条項
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の条項のうちの1つの実施形態によるバッティング、物品、または方法を提供する:
条項1.不織ウェブを含む空気硬化バッティングであって、
-75~97.5重量%の繊維混合物;および
-ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む2.5~25重量%の樹脂を含み、
樹脂が、バッティングの第1の表面上、およびバッティングの第2の表面上に存在し、第2の表面が、第1の表面と平行であり、樹脂が、繊維混合物の繊維に接着され、それによって結合構造を形成し、その結果、樹脂によって、空気硬化バッティングが、シート形態でのバッティングの取扱い性を付与する構造的完全性を有する、空気硬化バッティング。
条項2.バッティングがシートの形態である、条項1に記載の空気硬化バッティング。
条項3.繊維混合物が天然繊維を含む、条項1または2に記載の空気硬化バッティング。
条項4.繊維混合物が合成繊維を含む、条項1~3のいずれか一項に記載の空気硬化バッティング。
条項5.合成繊維がポリエステル繊維を含む、条項4に記載の空気硬化バッティング。
条項6.合成繊維がシリコン処理繊維を含む、条項4または条項5に記載の空気硬化バッティング。
条項7.繊維混合物が、
-25~90重量%のシリコン処理合成繊維
を含む、条項6に記載の空気硬化バッティング。
条項8.繊維混合物が、
-35~80重量%のマイクロデニール繊維;および
-20~65重量%のマクロデニール繊維
を含む、条項1~7のいずれか一項に記載の空気硬化バッティング。
条項9.繊維混合物が、
-50~75重量%のマイクロデニール繊維;および
-25~50重量%のマクロデニール繊維
を含む、条項8に記載の空気硬化バッティング。
条項10.マイクロデニール繊維がシリコン処理繊維を含む、条項8または条項9に記載の空気硬化バッティング。
条項11.マクロデニール繊維がシリコン処理繊維を含む、条項8~10のいずれか一項に記載の空気硬化バッティング。
条項12.マクロデニール繊維が、非シリコン処理繊維をさらに含む、条項11に記載の空気硬化バッティング。
条項13.繊維混合物が、95重量%を超えるポリエステル繊維を含む、条項1~12のいずれか一項に記載の空気硬化バッティング。
条項14.空気硬化バッティングが合成バインダー繊維を含まない、条項1~13のいずれか一項に記載の空気硬化バッティング。
条項15.空気硬化バッティングが溶融繊維を含まない、条項1~14のいずれか一項に記載の空気硬化バッティング。
条項16.繊維混合物中の繊維の95%超がステープルファイバーである、条項1~15のいずれか一項に記載の空気硬化バッティング。
条項17.ステープルファイバーが12mm~70mmのステープル長を有する、条項16に記載の空気硬化バッティング。
条項18.第1の表面および第2の表面のうちの少なくとも一方と接触しているスクリム層をさらに含む、条項1~17のいずれか一項に記載の空気硬化バッティング。
条項19.複数の不織ウェブ層を含む、条項1~18のいずれか一項に記載の空気硬化バッティング。
条項20.複数の不織ウェブ層が互いにクロスラップされている、条項19に記載の空気硬化バッティング。
条項21.1~8kg/mの密度を有する、条項1~20のいずれか一項に記載の空気硬化バッティング。
条項22.条項1~21のいずれか一項に記載の空気硬化バッティングを含む物品。
条項23.前記物品が、上着製品、衣類、寝袋、および寝具からなる群から選択される、条項22に記載の物品。
条項24.条項1~21のいずれか一項に記載の空気硬化バッティングを作製する方法であって、
-繊維混合物から不織ウェブを形成し、任意に2つ以上のウェブ層を積層し、それによって第1の表面および第1の表面に平行な第2の表面を有する中間バッティング断熱構造を作ること;
-中間バッティング断熱構造の第1の表面および第2の表面に、
-ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む15~60体積%の樹脂;
-水に可溶な20~80体積%の速乾性溶媒;および
-0~70体積%の水
を含む樹脂溶液を塗布し、それによって溶液塗布したバッティング構造を形成すること;ならびに
-溶液塗布したバッティング構造を空気に曝露し、それによって樹脂溶液中の溶媒を蒸発させ、樹脂を硬化させ、このようにして75~97.5重量%の繊維混合物および2.5~25重量%の樹脂を含む空気硬化バッティングを形成することを含み、樹脂が、繊維混合物の繊維に接着され、それによって結合構造を形成し、その結果、樹脂によって、空気硬化バッティングが、シート形態でのバッティングの取扱い性を付与する構造的完全性を有する、方法。
条項25.速乾性溶媒がイソプロピルアルコールである、条項24に記載の方法。
条項26.繊維混合物から不織ウェブを前記形成することが、カーディング機またはエアレイプロセスを使用して行われる、条項24または25に記載の方法。
条項27.前記塗布することが、樹脂溶液を中間バッティング断熱構造の第1の表面および第2の表面に噴霧することを含む、条項24~26のいずれか一項に記載の方法。
条項28.方法が、不織ウェブを加熱することを含まない、条項24~27のいずれか一項に記載の方法。
条項29.方法が、不織ウェブを加熱することを含む、条項24~27のいずれか一項に記載の方法。
条項30.溶液塗布したバッティングを空気に前記曝露することが、溶液塗布したバッティングを強制空気または循環空気にさらすことを含む、条項24~29のいずれか一項に記載の方法。
【0106】
実施例
以下の実施例に記載される特定の実施形態を参照することによって、本発明を説明するが、これに限定されない。
【0107】
実施例1
【0108】
繊維混合物は、以下を混合することによって調製される:
-50%の0.9デニール、51mmシリコン処理PCR(ポストコンシューマーリサイクル)ポリエステルステープルファイバー
-25%の3.0デニール、51mm非シリコン処理PCRポリエステルステープルファイバー
-25%の6.6デニール、64mmシリコン処理PCRポリエステルステープルファイバー
混合/ブレンドした後、次いで、繊維混合物を伝統的なカーディング機でウェブ形態に加工して不織ウェブを形成する。次いで、ウェブは、所望の重量および厚さを得るためにクロスラッパーを通して送られる。次いで、クロスラップされたウェビングに樹脂溶液(ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの架橋コポリマーを含む30体積%の樹脂;60体積%のイソプロピルアルコール;10体積%の水)を噴霧し、乾燥プロセスを促進するために対流ファンを作動させながら室温3パスオーブンに送った。樹脂溶液中の樹脂は、ホルムアルデヒドおよびAPEOを含まない、ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとの自己架橋コポリマーを含む乳白色の注ぐことができる液体であり、約8.0のpH、1.04の比重、49%+/-1.00%の固形分、-15°のTgを有し、非イオン性および/または陰イオン性乳化剤を含み、水に希釈可能であり、8.34~9.17lb./galの製品重量を有し、かつ約212°Fの沸点を有する。バッティングがオーブン(またはバッティングに強制空気を吹き付けることを可能にする代替システム)を通過する際に、樹脂溶液が断熱材の両側に噴霧される。樹脂溶液は、10~15分以内に硬化し、樹脂が繊維混合物の繊維に接着して結合構造を形成する乾燥した空気硬化バッティングを残し、その結果、空気硬化バッティングは、シート形態でバッティングの取扱い性を付与する構造的完全性を有する。
【0109】
例示的なバッティングは、61gsm(グラム毎平方メートル)の重量、1.34g/mの密度、および5.99mmの厚さを有する。
【0110】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書において使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないと示さない限り、複数形も含むことを意図している。用語「含む(comprise)」(ならびに「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」などの任意のcompriseの形態)、「有する(have)」(ならびに「有する(has)」および「有している(having)」などの任意のhaveの形態)、「包含する(include)」(ならびに「包含する(includes)」および「包含している(including)」などの任意のincludeの形態)、「含有する(contain)」(ならびに「含有する(contains)」および「含有している(containing)」などの任意のcontainの形態)、ならびにそれらの任意の他の文法上の変形は、オープンエンドの連結動詞であることがさらに理解される。結果として、1つ以上の工程または要素を「含む」、「有する」、「包含する」、または「含有する」という方法または物品は、それらの1つ以上の工程または要素を有するが、それらの1つ以上の工程または要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「含む」、「有する」、「包含する」、または「含有する」という方法の工程または物品の要素は、それらの1つ以上の特徴を有するが、それらの1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0111】
本明細書で使用されるとき、用語「含んでいる」、「有する」、「包含している」、「含有している」、およびそれらの他の文法上の変形は、用語「からなる」および「から本質的になる」を包含する。
【0112】
本明細書で使用される語句「本質的になる」またはその文法上の変形は、記載された特徴、整数、工程、または構成要素を特定するものと解釈されるべきであるが、1つ以上の追加の特徴、整数、工程、構成要素、またはそれらの群の追加を除外しない、ただし、特許請求された組成物または方法の基本的および新規な特徴を実質的に変えない場合に限られる。
【0113】
本明細書で引用された全ての刊行物は、あたかもそれぞれ個々の刊行物が完全に記載されているかのように本明細書に参照として組み込まれるように具体的かつ個別に示されるように本明細書に参照として組み込まれる。
【0114】
別段の明示的な指示がない限り、参照により組み込まれる主題は、いかなる特許請求の範囲の制限に対する代替物とも見なされない。
【0115】
本明細書を通して1つ以上の範囲が言及される場合、各範囲は、情報を提示するための簡略形式であることを意図しており、範囲は、あたかもそれが完全に本明細書に記載されるかのように範囲内の各離散点を包含すると理解される。
【0116】
本明細書では、本発明のいくつかの態様および実施形態について説明および図示してきたが、同じ目的を達成するために、代替の態様および実施形態が当業者によって影響を受け得る。したがって、本開示および添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨および範囲内に含まれるような全てのそのようなさらなる代替の態様および実施形態を網羅することを意図している。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6