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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】位置特定システムのための電子ビーコン
(51)【国際特許分類】
   G01S 1/68 20060101AFI20221129BHJP
   G01S 5/14 20060101ALI20221129BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20221129BHJP
   H05B 47/00 20200101ALI20221129BHJP
【FI】
G01S1/68
G01S5/14
H04W52/02
H05B47/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019527951
(86)(22)【出願日】2017-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 EP2017068666
(87)【国際公開番号】W WO2018024533
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-20
(31)【優先権主張番号】16182991.6
(32)【優先日】2016-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴェント マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ダイクスラー ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ラデルマシェール ハラルド ヨセフ ギュンター
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/104199(WO,A1)
【文献】特開2013-179382(JP,A)
【文献】特開2009-140644(JP,A)
【文献】特開2001-185369(JP,A)
【文献】特開2010-093742(JP,A)
【文献】特開2013-246118(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0056629(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2151696(EP,A1)
【文献】国際公開第2004/051303(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/00- 1/68
G01S 5/00- 5/14
G01S 19/00-19/55
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ビーコンであって、
- 無線位置特定ビーコン信号を送信するよう構成される無線回路と、
当該電子ビーコンを囲むエリアの占有状態を示す占有信号を受信するよう構成される入力インターフェースであって、前記占有状態は、人が検出されたか否かの検出を含み、前記占有信号は、占有センサから又は制御コンピュータから受信される、入力インターフェースと、
- プロセッサ回路であって、
- 前記無線回路のための無線回路モードを維持し、該モードは、アクティブモード及び低エネルギモードのうちの一方であり、
- 位置特定ビーコン信号を生成し、
- 前記占有信号及び前記占有状態に応じて、前記無線回路モードをアクティブモードに切り替え、前記無線回路を介して前記位置特定ビーコン信号を周期的に送信する、又は前記無線回路モードを低エネルギモードに切り替え、前記位置特定ビーコン信号の送信を減らす
よう構成されるプロセッサ回路と、
を含み、
前記プロセッサ回路は、
- 前記アクティブモードにおいて第1の繰り返し率で及び前記低エネルギモードにおいて第2の繰り返し率で前記位置特定ビーコン信号を送信し、前記第2の繰り返し率は、前記第1の繰り返し率よりも低い、及び/又は
- 前記低エネルギモードにおいて前記位置特定ビーコン信号の信号強度を低減する、電子ビーコン。
【請求項2】
- 占有センサであって、
- 当該占有センサを囲むエリアの占有を判断し、
- 当該占有センサが、該占有センサを囲むエリアの占有を検出したか又は占有を検出しないかを示す占有信号を生成する、
よう構成される占有センサを含む、請求項1に記載の電子ビーコン。
【請求項3】
前記入力インターフェースは、前記無線回路を介して前記占有信号を無線で受信するよう構成され、前記無線回路は、無線通信プロトコル用に構成されている、請求項1又は2に記載の電子ビーコン。
【請求項4】
前記無線回路は、前記無線回路を低エネルギスリープ状態に切り替える、スリープ信号を受信する、及び前記無線回路を高エネルギ動作状態に切り替える、ウェイク信号を受信するためにスリープ/ウェイク入力を備えるよう構成され、前記プロセッサ回路は、前記無線回路モードをアクティブモードに切り替える場合に前記ウェイク信号を前記無線回路のスリープ/ウェイク入力に送信する、及び前記無線回路モードを低エネルギモードに切り替える場合に前記スリープ信号を前記無線回路のスリープ/ウェイク入力に送信するよう構成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子ビーコン。
【請求項5】
ビーコンに電力を供給するためのバッテリを収容するよう構成されるバッテリコンパートメントを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子ビーコン。
【請求項6】
前記占有センサは、
- モーションセンサ、及び/又は
- 受動型赤外線占有センサ、超音波占有センサ、マイクロ波占有センサ及び音声検知占有センサのいずれか
である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子ビーコン。
【請求項7】
- 複数の占有センサからの占有信号を受信するよう構成される入力インターフェースと、
- 占有信号を請求項1又は請求項2に従属しない請求項3乃至6のいずれか一項に記載の電子ビーコンに送信するよう構成される出力インターフェースと、
- プロセッサ回路であって、
- 前記複数の占有センサから、前記電子ビーコンを囲むエリアの占有状態を決定し、該電子ビーコンを囲むエリアの占有状態を示す占有信号を生成し、前記占有信号を該電子ビーコンに送信する
よう構成されるプロセッサ回路であって、前記占有状態は、人が検出されたか否かの検出を含む、プロセッサ回路
を含む、制御デバイス。
【請求項8】
当該制御デバイスは、
- 前記複数の占有センサからの占有信号を記憶するよう構成されるストレージ
を含み、前記プロセッサ回路は、
- 前記複数の占有センサからの将来の占有信号を予測するための機械学習アルゴリズムを実行し、
- 前記複数の占有センサから、前記電子ビーコンを囲むエリアの将来の占有状態を決定し、該電子ビーコンを囲むエリアの前記将来の占有状態を示す占有信号を生成し、前記占有信号を該電子ビーコンに送信する
よう構成される、請求項7に記載の制御デバイス。
【請求項9】
(I)位置特定サービスを提供するための電子ビーコンであって、
- 無線位置特定ビーコン信号を送信するよう構成される無線回路と、
当該電子ビーコンを囲むエリアの占有状態を示す占有信号を受信するよう構成される入力インターフェースであって、前記占有状態は、人が検出されたか否かの検出を含み、前記占有信号は、占有センサから又は制御コンピュータから受信される、入力インターフェースと、
- プロセッサ回路であって、
- 前記無線回路のための無線回路モードを維持し、該モードは、アクティブモード及び低エネルギモードのうちの一方であり、
- 位置特定ビーコン信号を生成し、
- 前記占有信号及び前記占有状態に応じて、前記無線回路モードをアクティブモードに切り替え、前記無線回路を介して前記位置特定ビーコン信号を周期的に送信する、又は前記無線回路モードを低エネルギモードに切り替え、前記位置特定ビーコン信号の送信を減らす
よう構成されるプロセッサ回路と
を含み、
前記プロセッサ回路は、
- 前記アクティブモードにおいて第1の繰り返し率で及び前記低エネルギモードにおいて第2の繰り返し率で前記位置特定ビーコン信号を送信し、前記第2の繰り返し率は、前記第1の繰り返し率よりも低い、及び/又は
- 前記低エネルギモードにおいて前記位置特定ビーコン信号の信号強度を低減する、電子ビーコンと、
(II)1つ以上の占有センサであって、
- 当該占有センサを囲むエリアの占有を判断し、
- 当該占有センサが、該占有センサを囲むエリアの占有を検出したか又は占有を検出しないかを示す占有信号を生成する
よう構成される1つ以上の占有センサと
を含む、位置特定システム。
【請求項10】
(III)照明器具であって、
- プロセッサ回路であって、
- 当該照明器具を囲むエリアの占有状態を示す占有信号に応じて、該照明器具の照明ユニットをアクティブ及び非アクティブにする
よう構成されるプロセッサ回路
を含む、照明器具
を含む、請求項9に記載の位置特定システム。
【請求項11】
- 前記電子ビーコン及び前記占有センサは統合されている、及び/又は
- 前記照明器具及び前記占有センサは統合されている、
請求項9又は10に記載の位置特定システム。
【請求項12】
当該位置特定システムは、制御デバイスを含み、前記制御デバイスは、
- 複数の占有センサからの占有信号を受信するよう構成される入力インターフェースと、
- 占有信号を前記電子ビーコンに送信する及び/又は占有信号を前記照明器具に送信するよう構成される出力インターフェースと、
- プロセッサ回路であって、
- 前記複数の占有センサから、前記電子ビーコンを囲むエリアの占有状態を決定し、該電子ビーコンを囲むエリアの占有状態を示す占有信号を生成し、前記占有信号を該電子ビーコンに送信する、及び/又は
- 前記複数の占有センサから、照明器具を囲むエリアの占有状態を決定し、該照明器具を囲むエリアの占有状態を示す占有信号を生成し、前記占有信号を該照明器具に送信する
よう構成されるプロセッサ回路と
を含む、請求項9又は10に記載の位置特定システム。
【請求項13】
- 無線位置特定ビーコン信号を送信するステップと、
電子ビーコンを囲むエリアの占有状態を示す占有信号を受信するステップであって、前記占有状態は、人が検出されたか否かの検出を含む、ステップと、
- 無線回路のための無線回路モードを維持するステップであって、該モードは、アクティブモード及び低エネルギモードのうちの一方である、ステップと、
- 位置特定ビーコン信号を生成するステップと、
- 前記占有信号及び前記占有状態に応じて、前記無線回路モードをアクティブモードに切り替え、前記無線回路を介して前記位置特定ビーコン信号を周期的に送信する、又は前記無線回路モードを低エネルギモードに切り替え、前記位置特定ビーコン信号の送信を減らすステップであって、前記アクティブモードにおいて第1の繰り返し率で及び前記低エネルギモードにおいて第2の繰り返し率で前記位置特定ビーコン信号を送信し、前記第2の繰り返し率は、前記第1の繰り返し率よりも低い、及び/又は、前記低エネルギモードにおいて前記位置特定ビーコン信号の信号強度を低減する、ステップと
を含む、電子ビーコン方法。
【請求項14】
- 複数の占有センサからの占有信号を受信するステップと、
- 占有信号を請求項1又は請求項2に従属しない請求項3乃至6のいずれか一項に記載の電子ビーコンに送信するステップと、
- 前記複数の占有センサから、前記電子ビーコンを囲むエリアの占有状態を決定し、該電子ビーコンを囲むエリアの占有状態を示す占有信号を生成し、前記占有信号を該電子ビーコンに送信するステップであって、前記占有状態は、人が検出されたか否かの検出を含む、ステップ
を含む、制御方法。
【請求項15】
プロセッサシステムに請求項13又は14に記載の方法を実行させるための命令を表す一時的又は非一時的データを含むコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビーコン、制御デバイス、位置特定システム(localization system)、電子ビーコン方法、制御方法、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ロケーションベースのサービス(Location based service)がますます使用されている。携帯電話のマップやナビゲーション等の屋外アプリケーションでは、携帯電話の現在位置がサービスの提供に使用される。例えば、屋外アプリケーションは、座標を得るためにGPS受信機を使用してもよい。
【0003】
また、屋内では、例えば携帯電話等のモバイルデバイス上で、位置特定情報(localization information)を利用可能にしたいという要望が高まっている。屋内の位置特定(indoor localization)は、例えばコンテキストサービス(contextual service)を提供するために屋内ナビゲーションからある範囲のアプリケーションに用いられることができる。例えば、美術館において、アプリケーションは、モバイルデバイスの現在位置に応じて特定のコンテキスト情報を提供してもよい。例えば、情報は、現在デバイスに近い絵に関連してもよい。例えば、店舗において、アプリケーションは、モバイルデバイスの現在位置に応じて情報を提供してもよい。例えば、情報は、モバイルデバイスの現在位置に近い商品に関連してもよい。
【0004】
屋内位置特定を提供する1つの方法は、複数のビーコンを含む位置特定システム(localization system)を使用することである。ビーコンは、既知の位置に配置された電子送信機であり、限られた情報コンテンツ、例えばその識別又は位置を有する周期的無線信号を送信する。ビーコンは、近くのデバイスが自身の位置を決定するのに役立つ低電力、低コストの送信機を提供する。例えばWi-Fi、ZigBee及びBluetooth等の多数の無線伝送技術に基づいて利用可能ないくつかのタイプのビーコンがある。とりわけ、ビーコンは、Bluetooth4.0又はBluetooth Smartとしても知られるBluetooth low energy(BLE)を使用してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際には、ビーコンは多くの場合、有限のバッテリ寿命を持つバッテリ給電式の単純なデバイスである。ある時点でビーコンのバッテリは交換されなければならない。例えば、実際の位置特定システムでは、定期的なメンテナンス点検が、ビーコンのバッテリを交換するためにスケジュールされる。ビーコンのバッテリ寿命が延ばされ得れば、メンテナンスコストは削減され得る。
【0006】
現在のビーコン技術の他の不利な点は、それらがRFノイズレベルを増大させることである。高品質の位置特定システムを実現するには、複数のビーコンが必要とされる。正確な位置特定は、現在位置を推定するために複数のビーコンを使用する場合がある。例えば、三角位置特定(trilateral localization)が使用されてもよい。あるアプリケーションは、ビーコン受信機の位置を推定するために4つ以上のビーコン信号を使用する。さらに、ビーコン信号が建物全体に均等に(又はまったく)行きわたらない可能性があり、複数のビーコンは、建物全体に分散させる必要があるかもしれない。例えば、ある位置特定システムでは、大きなオープンプランオフィス、廊下等に対する複数のビーコンと共に、各オフィスに対してビーコンが設置されてもよい。これらのビーコンはすべて、RFノイズレベルの増加を招く無線信号を断続的に送信する。潜在的に、これは、他の無線アプリケーションのパフォーマンスを低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの問題及び本明細書で特定される他の問題に対処することが望まれている。特許請求の範囲で定義されるビーコンは、占有信号に応じて、無線回路を介して位置特定ビーコン信号(localizing beacon signal)を周期的に送信するために無線回路モードをアクティブモードに切り替える、又は位置特定ビーコン信号の送信を減らすために無線回路モードを低エネルギモードに切り替える。このようにして、ビーコンの電力使用が低減されると共に、RFノイズに対するビーコンの寄与が低減される。他方、位置特定システムの品質は、影響を受けないか又はほとんど影響を受けない。なぜなら、位置特定ビーコン信号の送信の減少は、占有エリアが例えば位置特定サービス(localization service)を得るために位置特定信号(localization signal)にアクセスし続けるように占有信号に依存するからである。
【0008】
一実施形態では、プロセッサ回路は、第1の繰り返し率及び第2の繰り返し率を備えるよう構成され、プロセッサ回路は、アクティブモードにおいて第1の繰り返し率で及び低エネルギモードにおいて第2の繰り返し率で位置特定ビーコン信号を送信し、第2の繰り返し率は、第1の繰り返し率よりも低い。このようにして、位置特定は、静止したオブジェクトに対して機能し続け、一方、静止していないオブジェクトに対する位置特定は、より高い繰り返し率、例えば移動しているオブジェクトを追跡するのに十分な繰り返し率で位置特定信号を得続ける。
【0009】
繰り返し率は、位置特定ビーコン信号が繰り返される周波数である。この周波数は、ビーコン送信無線周波数と混同されるべきではない。より低い繰返し率では、送信間の休止は、より低いエネルギ消費に向け延ばされる。繰り返し率は、毎秒の送信数として、又は2つの後続の送信間の時間等として表わされてもよい。
【0010】
ビーコンは、複数の占有センサから、ビーコンを囲むエリアの占有状態を決定するよう構成される制御デバイスと共に使用されてもよい。斯くして、ビーコンが、単一の占有センサによってカバーされるエリアよりも大きいエリア内の位置特定(localization)のために使用される場合であっても、ビーコンは、該より大きなエリアに応じて低エネルギモードに切り替えられる及び低エネルギモードから切り替えられることができる。
【0011】
一実施形態では、位置特定システムは、コネクテッドライティングシステム(connected lighting system)と組み合わされ、占有センサは、両方のシステムにより共有される。
【0012】
本発明による方法は、コンピュータで実施される方法(computer implemented method)としてコンピュータで、又は専用ハードウェアにおいて、又はその両方の組み合わせで実施されてもよい。本発明による方法の実行可能コードは、コンピュータプログラムプロダクトに記憶されてもよい。コンピュータプログラムプロダクトの例には、メモリデバイス、光学記憶デバイス、集積回路、サーバ、オンラインソフトウェア等が含まれる。好ましくは、コンピュータプログラムプロダクトは、該プログラムプロダクトがコンピュータで実行される場合に本発明による方法を実施するためのコンピュータ可読媒体に記憶された非一時的プログラムコードを含む。
【0013】
好ましい実施形態では、コンピュータプログラムは、該コンピュータプログラムがコンピュータで実行される場合に本発明による方法のすべてのステップを実施するよう構成されるコンピュータプログラムコードを含む。好ましくは、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体に具現化される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明のさらなる詳細、態様及び実施形態が、図面を参照して、例としてのみ説明される。図中の要素は、単純さと明確さのために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていない。図において、既に述べられた要素に対応する要素は同じ参照番号を有することがある。
図1a】ビーコンの実施形態の一例を概略的に示す。
図1b】ビーコンの実施形態の一例を概略的に示す。
図1c】ビーコンの実施形態の一例を概略的に示す。
図1d】ビーコン及び制御コンピュータの実施形態の一例を概略的に示す。
図1e】位置特定システムの実施形態の一例を概略的に示す。
図1f】ビーコン及び制御コンピュータの実施形態の一例を概略的に示す。
図2a】ビーコン、占有センサ及び照明器具の実施形態の一例を概略的に示す。
図2b】ビーコン、占有センサ及び照明器具の実施形態の一例を概略的に示す。
図2c】コネクテッドライティングシステムの実施形態の一例を概略的に示す。
図2d】コネクテッドライティングシステムの実施形態の一例を概略的に示す。
図2e】コネクテッドライティングシステムの実施形態の一例を概略的に示す。
図3a】オフィス照明プランの実施形態の一例を概略的に示す。
図3b図3aの詳細を概略的に示す。
図4】図書室の実施形態の一例を斜視図で概略的に示す。
図5a】ビーコン方法の実施形態の一例を概略的に示す。
図5b】ビーコン方法の実施形態の一例を概略的に示す。
図5c】ビーコン方法の実施形態の一例を概略的に示す。
図6】制御方法の実施形態の一例を概略的に示す。
図7a】一実施形態によるコンピュータプログラムを含む書込み可能部分を有するコンピュータ可読媒体を概略的に示す。
図7b】一実施形態によるプロセッサシステムの表現を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は多くの異なる形態で実施可能であるところ、本開示は本発明の原理の例示とみなされるという理解の下に、1つ以上の特定の実施形態が図に示され、ここで詳細に述べられるが、本発明は、図示される及び述べられる特定の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
以下では、理解のために、ある実施形態のエレメントは、動作について述べられる。しかしながら、各エレメントは、それらにより実行されるように述べられる機能を実行するよう構成されることは明らかであろう。
【0017】
さらに、本発明は、これら実施形態に限定されるものではなく、本発明は、互いに異なる従属請求項に記載又は列挙された新規な特徴又は組み合わせのそれぞれにある。
【0018】
図1aは、ビーコン110の実施形態の一例を概略的に示す。ビーコン110は、同一又は類似の設計の多数の他のビーコンと共に位置特定システムを形成することができる。例えば、ビーコンは、建物の周りに分散されてもよい。
【0019】
ビーコン110は、ビーコンメモリ114を含む。ビーコンメモリ114は、ビーコン識別子を記憶するよう構成される。一実施形態では、ビーコン識別子は位置特定システムに固有のものである。ビーコン110は、無線回路112を備える。無線回路112は、無線位置特定ビーコン信号(localizing beacon signal)を送信するよう構成される。無線位置特定ビーコン信号は、ビーコンメモリ112に記憶されたビーコン識別子を含む。ビーコン110は、位置特定信号を周期的に繰り返すよう構成される。ビーコン110は、位置特定信号を生成し、無線回路112を介して位置特定信号の送信を周期的に繰り返すよう構成されるプロセッサ回路を含んでもよい。無線回路112は、アンテナを含んでもよい。
【0020】
ビーコンベースの位置特定システムは、ビーコン受信機、例えば、携帯電話を有するデバイスが、小規模でその位置を取得することを可能にする。ビーコンベースの位置特定システムは、GPS受信が貧弱な場所、例えば屋内で特に適している。屋内位置は、例えば、位置に基づいてコンテキストコンテンツ(contextual content)をユーザに配信するために使用されてもよい。例えば、特定の位置における情報は、モバイルアプリによりリクエストされるワイヤレスサービスとして別個に取得されてもよい。位置特定システムは、多くのロケーションベースのサービス(location-based service)のためのバックボーンであってもよい。
【0021】
ビーコンは、さまざまなタイプのワイヤレステクノロジに基づいてもよい。例えば、ビーコン110は、ブルートゥース、ジグビー、又はWi-Fiビーコンであってもよい。一実施形態では、ビーコン110は、ブルートゥースローエネルギ(Bluetooth Low Energy)を用いる。他の可能なビーコンタイプには、BLE、WiFi、WiMax、セルラ三角測量(cellular triangulation)又はLoRa(例えば街路照明用)が含まれる。。受信されるビーコンは、異なるタイプのビーコンの混合であってもよい。
【0022】
ビーコンは、典型的には単独で動作し、バッテリ給電式であってもよい。これは、ビーコンが数年ごとにサービスされる必要があることを意味する。典型的には、ビーコンはネットワークの一部ではないため、受信側デバイスにプッシュメッセージを送ることはできない。ユーザデータを収集するため、又はこれらを記憶するためのビーコンも設けられない。一実施形態では、ビーコンは、そのアイデンティティに関する情報のみを送信する。ビーコン識別子は、位置特定システム内のビーコンを互いに区別する。
【0023】
多くの場合、ビーコンはグリッドに設置され、空間全体にわたって良好なロケーションカバレッジ(good location coverage)を与える。有利には、ビーコンは天井に配置される。この配置により、ビーコンは、受信範囲にとって有益である良好な視線(line of sight)をもって配置される。
【0024】
さらなる開発された実施形態では、ビーコン受信機は、高められた解像度を得るために異なる高さに位置付けられる。異なる高さのビーコン受信機は、ビーコン受信機を三次元に位置特定するために用いられてもよい。別のさらなる開発された実施形態では、ビーコン受信機は、指向性アンテナを備える。指向性アンテナは、ビーコン信号が来た方向を決定することを可能にする。信号強度に加えて方向を持つことは、より正確な位置を取得することを可能にする。
【0025】
一実施形態では、位置特定信号(localization signal)は、一定のプリアンブルとそれに続くビーコン識別子を含む。ビーコン識別子は、UUID(Universally Unique Identifier)、並びにメジャー(Major)及びマイナー(Minor)値であってもよい。例えば、UUIDの長さは16バイトで、メジャーとマイナーの長さはそれぞれ2バイトであってもよい。これらが合わさってビーコンのIDを形成する。一実施形態では、UUIDは、同じ位置特定システム140内のすべてのビーコンについて同じであり、メジャー及びマイナー値が各ビーコンについて異なる。位置特定信号はさらに、信号パワー値を含んでもよい。例えば、信号パワー値は、ビーコンから1メートルのところで測定されたRSSI値(Received Signal Strength Indication)を表してもよい。この値の値は、受信信号強度から位置を計算する際に使用されてもよい。ビーコンの信号パワー電力値は、制御コンピュータにおいて知られていてもよい。例えば、制御コンピュータは、ビーコン識別子を信号パワー値に関連付けるテーブルを含んでもよい。信号パワー値は、位置特定ネットワーク内のすべてのビーコンに対して同じであってもよい。
【0026】
ビーコンの位置特定信号の範囲は、ビーコンの送信パワーに依存する。これはすべてのビーコンについて同じであってもよく、一部のビーコンについて異なるように設定されてもよい。ビーコン位置特定信号の受信は、環境要因(environmental factor)に依存することに留意されたい。位置特定信号は、ある期間ごとに繰り返される。期間は、位置特定における頻繁な更新が必要とされる場合、例えば、位置特定されるオブジェクトが素早く動く場合、より短く設定されてもよい。位置特定信号のより頻繁な繰り返しは、より多くの電力を使用する。例えば、繰り返し間隔は、例えば100ms及び1秒の間、例えば200msに設定されてもよい。
【0027】
受信した位置特定ビーコン信号から位置を計算することは、様々な方法で行われ得る。例えば、単純な実施形態では、ビーコン受信機は、該ビーコン受信機が受信可能であるという点でビーコンからあまり遠くに離れていない、例えば該ビーコン受信機は範囲内にあると単純に結論付けてもよい。より高度な実施形態では、受信したビーコンの範囲の共通部分(intersection)が決定されてもよく、ビーコン受信機は該共通部分点内又はその近くに位置していると結論付けることができる。例えば、ビーコン識別子は、ビーコン位置、例えば部屋番号を含んでもよい。
【0028】
位置特定信号の受信信号強度を記録することにより、より良い位置推定が行われることができる。一実施形態では、ビーコン受信機は、位置特定信号の信号強度を測定するよう構成され、任意選択的に、信号パワー値も、位置特定信号において受信される。信号パワー値は、ビーコン受信機とビーコンとの間の距離を推定する際に信号強度インディケーション(signal strength indication)と共に使用されてもよい。
【0029】
信号強度インディケーションから、推定距離が演算されてもよい。一実施形態では、推定距離は、例えば未知、50cmの直下、最大2mまで、最大30mまでの少数のカテゴリに丸められてもよい。
【0030】
受信されたビーコン識別子、及びあれば信号強度インディケーションに関する情報から、ビーコン受信機の位置は、当技術分野において既知の様々なアルゴリズムを使用して推定されることができる。例えば、受信信号強度を使用してビーコン受信機と少なくとも3つのビーコンとの間の距離を推定することを含む三角推定(trilateral estimation)が用いられてもよい。一例は、Papamanthouらによる論文"Algorithms for Location Estimation Based on RSSI Sampling"に与えられている。
【0031】
位置特定は、ビーコン受信機を含む同じデバイス、例えば、携帯電話においてなされてもよい。位置特定はまた、サービスとして提供されてもよい。例えば、ビーコン受信機を備える電子デバイスは、受信されたビーコン識別子及びそれらに関連する信号強度を記録し、この情報を位置特定サービスを提供するコンピュータに転送するよう構成されてもよい。
【0032】
図3aは、オフィス照明プラン及び位置特定システムの実施形態の一例を概略的に示している。図3bは、図3aの詳細を概略的に示す。図3a及び図3bには、グリッドに配置されたビーコン5が示されている。例えば、図3aに示される照明プランは、多くのオフィスルーム1を含むオフィス空間であってもよい。オフィスルーム1では、ランプ2のグループが、手動スイッチ3及び/又はセンサ4により制御される。一実施形態では、センサ4、手動コントローラ3及び光源2等のアセットのうちの1つ以上は、図1aに示されるようなビーコン受信機を備える。図3aのコネクテッドライティングシステムは、図3aには示されていない制御コンピュータを含む。ビーコン受信機を有するデバイスは、ビーコン5を使用して自身を位置特定してもよい。
【0033】
一実施形態では、センサ4は、占有センサを囲むエリアの占有を決定するよう構成される占有センサである。例えば、占有センサは、赤外線センサ又は動きセンサ等であってもよい。例えば、占有センサは、占有センサが占有センサを囲むエリアの占有を検出する場合又は占有センサを囲むエリアの占有を検出しない場合占有信号を生成するよう構成される。占有信号は、照明器具2を制御するために使用されてもよい。これは、直接、例えばローカルネットワークのローカルネットワークにより、又は制御コンピュータを介して行われてもよい。例えば、制御コンピュータ130のプロセッサ回路134は、1つ以上の占有センサから、照明器具2を囲むエリア、例えばオフィス1の占有状態を判断するよう構成されてもよい。制御コンピュータ130が、オフィス1が占有されていると判断した場合、制御コンピュータ130は、照明器具2をオンにするために制御メッセージを照明器具2に送ってもよい。可能であれば、照明器具をオンするという決定はより複雑であってもよく、また昼光センサ、及び(壁)スイッチ又は他のローカルコントローラ等が関与してもよい。
【0034】
図4は、図書室の実施形態の一例を斜視図で概略的に示す。ここで、ビーコン技術は、空間に分散される天井に設置された複数のビーコン5により特定の本を探す人々を支援するために使用される。図4は、天井における光源2のグリッド及び5つのビーコン5を有する部屋1を示す。人々9は動き回り、ある本が置かれている棚11に到達するよう支援される。例えば、人々9の携帯電話は、図書室内の位置を決定するためにビーコン受信機を備えてもよい。携帯電話の位置を使用して、人々を正しい方向に案内するために信号が計算されてもよい。例えば、信号は、携帯電話の所望の位置及び現在の位置が指示されるマップであり得る。同様のアプリケーションは、スペース又は雑誌を蓄える店舗の場合である。
【0035】
例えば、現時点では、図4に示されるように、行dと列G、Hとの交点において図4に示されるビーコンの近くに誰もいない。図4に示される人は、他のビーコンを使用して自分自身、例えば自身の携帯電話を位置特定することができる。したがって、一実施形態では、図4の右下隅にあるビーコンは、低エネルギモードに切り替わり、その位置特定信号の送信を低減又は一時停止してもよい。
【0036】
図3a及び図4の照明及び位置特定システムの利点は、占有センサが、人等の移動するオブジェクトを位置特定することが必要とされない場合にビーコンを低エネルギモードに切り替えるために用いられることである。移動するオブジェクトの追跡が位置特定システムの唯一の要件である場合、不要なビーコンは、例えばスリープモードに切り替えられる等、オフにされてもよい。ゆっくり移動している又は静止しているオブジェクトの追跡が位置特定システムの使用である場合、不要なビーコンは、より低い繰り返し率の送信に切り替えられてもよい。
【0037】
図1aに戻る。ビーコン110は、ビーコン電力消費を最適化するために占有センサを利用する。占有センサは、空きセンサ(vacancy sensor)、存在検出器(presence detector)等であってもよい。
【0038】
上述したように、ビーコン110は、無線位置特定ビーコン信号を送信するよう構成される無線回路112と、位置特定ビーコン信号を生成するよう構成されるプロセッサ回路118とを備える。プロセッサ回路118はまた、位置特定ビーコン信号を無線回路を介して送信するよう構成される。例えば、ビーコン110は、位置特定ビーコン信号に含まれ得るビーコン識別子を記憶するためのビーコンメモリ114を含んでもよい。ビーコンメモリ114は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであってもよい。
【0039】
ビーコン110はまた、ビーコンを囲むエリアの占有状態を示す占有信号を受信するよう構成される入力インターフェース116を含む。占有信号は、占有センサから又は制御コンピュータから受信されてもよい。後者の場合、占有信号は、複数の占有センサの入力から集約されてもよい。
【0040】
プロセッサ回路118は、無線回路のための無線回路モードを維持するよう構成され、該モードは、アクティブモード及びエネルギ低減モードのうちのいずれかである。例えば、無線回路モードは、ビーコン110のメモリ、例えばビーコンメモリ内に保持されてもよい。これは揮発性メモリであってもよい。
【0041】
プロセッサ回路118は、占有信号に基づいて無線回路モードを維持し、位置特定信号を送信する際にどれだけのエネルギを投資すべきかを決定するために無線回路モードを用いる。プロセッサ回路118は、占有信号に応じて、無線回路モードをアクティブモードに切り替え、位置特定ビーコン信号を無線回路を介して周期的に送信する、又は無線回路モードを低エネルギモードに切り替え、位置特定信号の送信を減らすよう構成される。
【0042】
例えば、占有信号が、ビーコンを囲むエリアが占有されていないことを示す場合、例えば人が検出されない場合、モードは、エネルギ低減モードに切り替えられてもよい。プロセッサ回路118は即座に切り替わる必要はなく、切り替わる前にある期間待機してもよい。その期間中に占有が検出された場合、プロセッサ回路118は、エネルギ低減モードに切り替わらない。これは、人の検出における短時間の経過が直ちに位置特定の質を低下させることを回避する。
【0043】
例えば、占有信号が、ビーコンを囲むエリアが占有されていることを示す場合、例えば人が検出された場合、モードは、アクティブモードに切り替えられてもよい。典型的には、この場合、プロセッサ回路118は直ちに切り替わる。
【0044】
図1aは占有センサ150を示す。占有センサ150は、占有センサを囲むエリアの占有を決定するよう構成される。いくつかの技術、例えば、受動型赤外線占有センサ、超音波占有センサ、マイクロ波占有センサ及び音声検知占有センサ等が占有センサに利用可能である。占有センサはモーションセンサであってもよい。占有センサはまた、人によって担持されるドングルに基づいてもよい。ドングルの存在は、例えば、ドングル内のRFIDを検出することによって無線で検出されてもよい。一実施形態では、占有センサは、人の存在を示す電磁放射を検出する。これらの技術の2つ以上を組み合わせたハイブリッド占有センサも可能である。例えば、一実施形態では、占有センサは、受動型赤外線(PIR)と超音波検出とを組み合わせる。
【0045】
占有センサ150は、該占有センサが、該占有センサを囲むエリアの占有を検出したか又は占有を検出しないかを示す占有信号を生成するよう構成される。占有センサ150は、建物内、例えばオフィス内に設置され得る独立したデバイスであってもよい。この場合、占有センサ150は、デジタルネットワークを介して、例えば直接ビーコン110と通信するよう構成される通信インターフェース、及びプロセッサ回路を備えてもよい。占有センサ150は他のデバイスに統合されてもよく、この場合、ホストデバイスは占有センサに対してこれらのタスクを実行してもよい。
【0046】
プロセッサ回路118がビーコン110のエネルギ消費を減らすことができるいくつかの異なる方法がある。
【0047】
一実施形態では、プロセッサ回路は、第1の繰り返し率及び第2の繰り返し率を備えるよう構成される。例えば、第1及び第2の繰返し率は、ビーコン110のメモリ、例えばメモリ114に記憶されてもよい。例えば、第1及び第2の繰返し率は、ビーコン110のソフトウェアにコード化され、プロセッサ回路118によって実行されてもよい。
【0048】
プロセッサ回路は、アクティブモードにおいて第1の繰り返し率で及びエネルギ低減モードにおいて第2の繰り返し率で位置特定ビーコン信号を送信する。第2の繰り返し率は、第1の繰り返し率よりも低い。例えば、一実施形態では、第1の繰り返し率は200ms毎に1回の位置特定信号送信であり、第2の繰り返し率は500ms毎に1回の位置特定信号送信である。例えば、一実施形態では、第1の繰り返し率は350ms毎に1回であり、第2の繰り返し率は700ms毎に1回である。一実施形態では、第1の繰り返し率は、450ms以下の期間毎に1回であり、第2の繰り返し率は450msより長い期間毎に1回である。一実施形態では、第2の繰り返し率は、第1の繰り返し率の最大でも50%である。
【0049】
これらの実施形態の利点は、人がいる場合には高いビーコン送信繰り返し率が使用されるので、例えば店内での人の追跡が損なわれないことである。しかしながら、長期間静止していて、占有センサによって検出されないオブジェクトは依然、位置特定機能を使用し続けることができる。斯かるオブジェクトの追跡は損なわれるであろうが、動いていないのでこれは問題ではない。
【0050】
一実施形態では、エネルギ低減モードのビーコンは、任意選択的に位置特定信号が送信される繰り返し率を低減するのと共に、位置特定信号の信号強度を低減する。信号強度が低下するということは、信号が主に近くのオブジェクト、例えば静止オブジェクトの追跡に有用であることを意味する。位置特定信号は、距離推定が位置特定信号の低減された強度を考慮に入れることができるように信号強度インディケーション(signal strength indication)を含んでもよいことに留意されたい。
【0051】
一実施形態では、無線回路は、スリープ/ウェイク入力(別個には示されていない)を備えるよう構成される。スリープ/ウェイク入力は、無線回路112とプロセッサ回路118との間の信号回路として実装されてもよい。スリープ/ウェイク入力は、無線回路112及びプロセッサ回路118の両方によってアクセス可能なメモリ要素、例えば、メモリ内のアドレス、レジスタ等として実装されてもよい。
【0052】
無線回路112は、スリープ/ウェイク入力を介してスリープ信号を受信することができる。プロセッサ回路118は、無線回路112を低エネルギスリープ状態に切り替えるよう構成される。無線回路112がスリープ状態に入ると、無線回路112は、送信を停止し、とりわけ、位置特定信号の送信を停止し、これは電力消費を低減するであろう。他の方法で追加の電力削減が達成されてもよい。例えば、無線回路112の一部、例えば送信及び/又は増幅部は、スリープ状態においてパワーオフされてもよい。例えば、プロセッサ回路118は、無線回路をスリープモードに入れるためのモード変更信号を生成するよう構成されてもよい。
【0053】
無線回路112はまた、スリープ状態にある間でも、スリープ/ウェイク入力を介してウェイク信号を受信するよう構成される。ウェイク信号が受信されると、無線回路は、高エネルギ動作状態に戻る。無線回路112は再び位置特定信号の送信に用いられることができる。
【0054】
プロセッサ回路118は、無線回路モードをアクティブモードに切り替える場合にウェイク信号を無線回路のスリープ/ウェイク入力に送信するよう構成され、記無線回路モードを低エネルギモードに切り替える場合にスリープ信号を無線回路のスリープ/ウェイク入力に送信するよう構成される。この実施形態の利点は、当該ビーコンを用いるすべての位置特定は妨げられる一方、電力がより低減されることである。
【0055】
位置特定メッセージの数を減らすことのさらなる利点は、RFノイズレベルが減少することである。
【0056】
図1bは、ビーコンの実施形態の一例を概略的に示す。図1bのビーコンは図1aと同様であるが、一体型占有センサ150を有する。ビーコン110は、占有信号を直接受信するためにセンサ150を使用してもよい。この場合、入力インターフェースは内部インターフェースである。ビーコン110は、統合された占有信号の占有信号を他のデバイス、例えば近隣の照明器具、制御コンピュータ等にレポートするよう拡張されてもよい。
【0057】
図1cは、ビーコンの実施形態の一例を概略的に示す。図1cのビーコンは図1bと同様である。バッテリコンパートメント111が、図1cのビーコンに示されている。本発明によるビーコンの実施形態の利点は、特に長期間にわたって占有が存在しない状況において、それらが電力消費を低減することである。これは、バッテリ給電式ビーコンが長持ちすることを意味する。位置特定信号の送信を減らすという電力低減特性は、他の電力低減手段と組み合わされてもよい。例えば、ネットワークの他の送信が、一時的に中断又は減少されてもよい。例えば、平日に14時間、週末に24時間スリープモードに切り替えられるビーコンでは、送信回数が70%減少する。この数は、ビーコンが勤務時間中にもスリープする可能性があることを考慮すると、さらに増えることができる。例えば、それほど頻度の高くない保管場所に配置されるいくつかのビーコンについては、送信の減少は、100%近くになるかもしれない。
【0058】
図1dは、ビーコン及び制御コンピュータの実施形態の一例を概略的に示す。
【0059】
制御コンピュータ130は、少なくとも位置特定システム内のビーコンと、とりわけビーコン110と通信するよう構成される通信インターフェース132を備える。通信インターフェース132は、デジタルコンピュータネットワークを介して通信するよう構成されてもよい。例えば、コンピュータネットワークは、無線ネットワーク、例えば、Wi-Fi又はZigBee、及び/又は有線ネットワーク、例えば、イーサネット(登録商標)、パワーオーバーイーサネット(登録商標)等を含んでもよい。通信インターフェース132は、入力インターフェース及び出力インターフェースの両方として使用される。しかしながら、一実施形態では、入力インターフェース及び出力インターフェースは、別々のインターフェースであってもよい。入力インターフェースとして用いられる場合、通信インターフェース132は、複数の占有センサから占有信号を受信するよう構成される。占有センサ150.1及び150.2が示されている。出力インターフェースとして用いられる場合、通信インターフェース132は、占有信号をビーコン、とりわけビーコン110に送信するよう構成される。
【0060】
複数の占有センサ、例えば、図示のセンサ150.1及び150.2は、単一の占有センサのエリアよりも大きなエリアをカバーする。占有センサ150.1及び150.2によってカバーされるエリアのいずれかが占有されている場合、ビーコン110は、位置特定信号を送信し続けることが望ましい。
【0061】
制御コンピュータ130は、プロセッサ回路134を含む。プロセッサ回路134は、制御コンピュータ130のメモリに格納されているコンピュータプログラム命令を実行するよう構成される。プロセッサ回路134は、複数の占有センサから、ビーコンを囲むエリアの占有状態を決定するよう構成される。例えば、エリアは、複数の占有信号によってカバーされるエリアの和集合(union)であってもよい。例えば、占有信号が占有についてバイナリ「1」及び非占有についてバイナリ「0」であると仮定すると、複数の占有信号から結合占有信号(combined occupancy signal)を決定することは論理オア関数であり得る。例えば、複数の占有信号のうちのいずれか1つが、対応する占有センサを囲むエリアが占有されていることを示す場合、結合占有信号は占有を示し得るが、複数の占有信号のすべてが非占有を示す場合、制御コンピュータ130によって決定される結合占有信号は非占有を示してもよい。
【0062】
制御コンピュータ130が複数の占有センサによってカバーされるエリアの適切な占有状態を決定すると、制御コンピュータ130は、ビーコンを囲むエリアの占有状態を示す占有信号を生成し、前記占有信号をビーコンに送信してもよい。
【0063】
一実施形態では、制御コンピュータ130はまた、他のビルオートメーション機能用の制御コンピュータである。とりわけ、制御コンピュータ130は、コネクテッドライティングシステム用の制御コンピュータであってもよい。後者の場合、占有センサは、照明ネットワークを制御するために使用されてもよい。例えば、あるエリアが占有されていない場合、該エリア内の照明は、オンされる必要は無い。照明決定は、照明がオンにされるべきかどうか、及び可能であればどのような調光レベルにされるべきかを決定するために他のセンサ入力を用いてもよい。例としては、昼光センサ及び手動スイッチ、例えば壁スイッチが挙げられる。
【0064】
図1eは、図1dのビーコン110及び制御コンピュータ130を使用し得る位置特定システムの実施形態の一例を概略的に示す。オフィスビルの一部のマップが図1eに示されている。ミーティングルーム162及びオープンプランオフィス161が示されている。ビーコン110が、オフィスルーム161に配置されている。ビーコン110は、いくつかの追加のビーコンを含む位置特定ネットワークの一部であってもよい。ビーコンデバイスを使用して、モバイルデバイスは、ビーコンまでの距離、又は少なくともいくつかのビーコンまでの距離を推定することによって自身の位置を決定することができる。ビーコンまでの距離は、ビーコンから送信される無線位置特定信号の信号強度を測定することによって推定されてもよい。センサ150.1、150.2、150.3、及び150.4が示されている。位置特定システムは、図示されていない追加のセンサを備えてもよい。この例では、追加のセンサは、部屋161及び162内の照明及びビーコンとは異なるビーコン及び照明を制御するために使用されてもよい。
【0065】
例えば、制御コンピュータ130は、占有センサ150.1及び150.2のうちのいずれか1つが占有を示す場合、ミーティングルーム162内のすべての照明をオンにするようにプログラムされてもよい。ミーティングルームでは、照明の一部しか点灯しないのは、一般的に望ましくない。占有センサ150.3が占有を示しているが占有センサ150.4が示していない場合、またその逆の場合、制御コンピュータ130は、オープンプランオフィス161内の照明の一部のみをオンにするようプログラムされてもよい。
【0066】
しかしながら、この例では、ビーコン110は、(可能であれば図1eには示されていない他のビーコンと共に)オフィス161及びミーティングルーム162全体にわたる位置特定機能を有する。この場合、制御コンピュータ130は、部屋162及びオフィス161内の照明器具の適切な照明状態を決定し、それに対応して照明器具を制御することに加えて、占有センサ150.1~150.4から占有信号を受信するよう構成され、制御コンピュータ130はまた、ビーコン110に対する占有信号を計算する。例えば、この場合、ビーコン110に対する占有信号は、占有センサ150.1~150.4の占有信号のOR関数であってもよい。これは、部屋162で働く人々が位置特定機能の低下に気付かないという利点を有する。オフィス161に誰もいなく、すべての照明が消えているが、人々がミーティングルーム162を使い続ける場合でさえ、位置特定は通常通りであろう。エリア161及び162の占有がすべてなくなると、コンピュータ130は、ビーコン110を低エネルギモードに切り替える。部屋161及び162の外側で建物を使用している人々は、ビーコン110が消えることが時々あることに気づくかもしれないが、領域のそれらの部分は位置特定に使用されるより近いビーコンを有するので位置特定は損なわれない。
【0067】
一実施形態では、例えば位置特定サービス又はモバイルデバイス等の位置特定機能は、受信されたビーコンのみを使用するよう構成されてもよい。このようにして、非送信ビーコン110がビーコン110までの非常に大きな距離として解釈されることが回避される。
【0068】
占有センサによってカバーされるエリアとビーコンが受信され得るエリアとの間の関係が非常に正確に一致することは必要とされない。あるビーコンから遠く離れた位置特定のために十分な数のビーコンが残っている限り、たとえなんらかの占有が該ビーコンから遠く離れてあるとしても、ビーコンが低エネルギモードに切り替わることは問題ではない。
【0069】
一実施形態では、制御コンピュータは、ビーコンと対応する占有センサとの間のマッピング、例えばテーブルの形態のマッピングを含む。例えば、テーブルは以下のようであってもよい。
【0070】
番号(#)は、それぞれビーコンとセンサの識別番号を表す。占有センサに重複がある場合があることに注意されたい。すなわち、単一の占有センサは、複数のビーコンに対応してもよい。好ましくは、ビーコンは、対応する占有センサによってカバーされるエリアの少なくとも一部において受信され得る。対応する占有センサがすべて非占有をレポートする場合にのみ、ビーコンは低エネルギモードに切り替えられる。一実施形態では、各占有センサは最小数のビーコンに対応する。例えば、一実施形態において、最小数は3、4、又はそれ以上である。これは、占有センサによってレポートされた占有が、最小数のビーコンをウェイクアップさせることを確実にし、斯くして、前記占有センサによってカバーされるエリア内の最低限の水準の位置特定品質を保証する。
【0071】
図1fは、ビーコン及び制御コンピュータ130の実施形態の一例を概略的に示す。図1fの実施形態はさらに、図1dの実施形態に基づく。しかしながら、図1fでは、より多くの状況でビーコンがアクティブモードに切り替えられる。図1fの制御コンピュータ130は、複数の占有センサからの占有信号を記憶するよう構成されるストレージ136を含む。このようにして、履歴占有信号のアーカイブが確立される。例えば、各占有センサについて、レポートされた占有状態が記憶されてもよい。一実施形態では、占有状態は低解像度で記憶される。例えば、占有センサが1秒ごとに占有をレポートする場合、ストレージ136は、5秒ごと、又はさらには1分ごとに等、占有状態を記憶してもよい。
【0072】
プロセッサ回路134は、複数の占有センサからの将来の占有信号を予測するための機械学習アルゴリズムを実行するよう構成される。機械学習アルゴリズムは訓練されたモデルを作成することができる。例えば、機械学習アルゴリズムはニューラルネットワークであってもよい。ニューラルネットワークは、入力ノードにおいて、現在及びいくつかの過去の占有信号、並びに可能であれば建物内の動きと相関し得る追加の入力、例えば時刻、及びこの日が就業日であるかどうかを示すインジケータを受ける。いくつかの占有センサはまた、エリア内の人々の数の推定値をレポートする。可能であれば、これは、ニューラルネットワークへの入力として追加されてもよい。ニューラルネットワークの出力ノードにおいて、現在の解像度で、例えば毎分、次の占有信号の予測が与えられる。ニューラルネットワークは、履歴データに対してニューラルネットワークトレーニングアルゴリズムを使用してトレーニングされることができる。
【0073】
訓練されたモデルが利用可能になると、該モデルは、複数の占有センサから、ビーコンを囲むエリアの将来の占有状態を決定するために使用されることができる。モデルは、センサによって生成される将来の占有信号を予測してもよい。この場合、ビーコンは、通常はすぐ近くにある占有センサに基づいてオフにされるとしても、アクティブモードに維持される。これは、ビーコンを囲むエリアの将来の占有状態を示す占有信号を生成し、該占有信号をビーコンに送信することにより行われてもよい。その結果、ビーコンは、自身の将来のリクワイアメントを予想する。一実施形態では、機械学習アルゴリズムは、人々が来ることを見越してビーコンをアクティブに切り替えるためにのみ使用され、人々が出ることを見越してビーコンを低エネルギに切り替えるためには使用されない。
【0074】
ニューラルネットワークの代わりに、他の機械学習アルゴリズムが使用されてもよい。例えば、一実施形態では、サポートベクターマシンアルゴリズムが使用される。これは、ビーコンネットワークをある程度改善するために必要なトレーニングマテリアが少なくて済むという利点を有する。
【0075】
例えば、次のようなシナリオを考える。過去の就業時間、多くのオフィスが空いており、斯くして、多くのビーコンが低エネルギモードに切り替わっている可能性がある。しかしながら、機械学習アルゴリズムは、いくつかのオフィスがまだ占有されている場合、これらの人々もおそらくすぐに同様に去り、出口への途中でビーコンを通り過ぎることを学ぶかもしれない。一実施形態では、これらのビーコンは、それらのすぐ近くにある占有センサが現在非占有状態を与えるとしても、アクティブモードに維持されてもよい。結果として、遅れて出る人々は、位置特定サービスの低下に気付かないであろう。全員が去ると、機械学習アルゴリズムは、就業開始時間までさらなる占有は予期され得ないことを認識するであろう。機械学習アルゴリズムがその入力の1つとして時刻を含む場合、該機械学習アルゴリズムは、就業開始時間直前であって、就業日にのみビーコンをアクティブにすることを学ぶであろう。
【0076】
図2aは、ビーコン、占有センサ及び照明器具の実施形態の一例を概略的に示す。ビーコンの近くの1つ以上の存在検出器の存在検出信号は、ビーコンを制御するために使用される。これは、電力消費を削減するだけでなく、位置読み取り品質を向上させるために信号対雑音比を改善し、他の無線アプリケーションに対するRFノイズフロアを減少させる。図2aに示されるように、ビーコン4は、制御ライン41を介して占有センサ4によって制御される。照明器具2もまた、接続21を介して占有センサによって制御される。代替的な実施形態では、有線接続41ではなく、PLC(電力線)又はRF無線接続が、センサとビーコンとの間に使用されてもよい。これは、ビーコンと同じRF技術、例えばブルートゥースによって有利に行われることができる。占有センサがブルートゥーストランシーバを既に組み込んでいる場合、これはまた、有線接続21を介してではなく照明器具を制御するために使用されてもよい。
【0077】
図2bは、ビーコン、占有センサ及び照明器具の実施形態の一例を概略的に示す。この実施形態では、ビーコン送信機は、図2bに示されるように存在又は動き検出器と統合されている。この場合、存在情報は、ビーコンの挙動を制御するために直接使用されることができる。さらに、センサ及びビーコン送信機への電力供給が組み合わされてもよい。例えば、ビーコン送信機は、照明器具に接続され、照明器具から給電されてもよい。占有センサ、照明器具及びビーコンを単一のデバイスに組み合わせることも可能である。パワーオーバーイーサネット(PoE)照明システムと組み合わせた別の実施形態では、ビーコンは、1つのハウジング内でPoE電力供給機器(PSE)と統合されてもよく、イーサネット接続がビーコン制御に使用されるPoEによって給電されてもよい。
【0078】
ビーコンを接続するためのインターフェースは、(PSE等の)照明デバイスと統合されてもよく、オン/オフ制御は、ビーコン製造業者に対する追加のサービスとして提供されてもよい。
【0079】
図2cは、コネクテッドライティングシステムの実施形態の一例を概略的に示す。
【0080】
制御コンピュータ130、複数の占有センサ(1つのセンサ150が示されている)及び複数の照明器具(1つの照明器具120が示されている)を含むコネクテッドライティングシステムが図2cに示されている。
【0081】
照明器具120は、デジタルネットワーク145を介して制御コンピュータ130と通信するよう構成される通信インターフェース122を備える。デジタルネットワーク145は、有線ネットワーク、例えば1つ以上のパワーオーバーイーサネット接続(PoE)を使用する、例えばイーサネットネットワークを含んでもよい。デジタルネットワーク145は、無線ネットワーク、例えば、Wi-Fi又はジグビーネットワークを含んでもよい。デジタルネットワーク145は、有線技術と無線技術とを組み合わせてもよい。
【0082】
照明器具120は、照明器具を囲むエリアの占有状態を示す占有信号に応じて、照明器具の照明ユニットをアクティブ及び非アクティブにするよう構成されるプロセッサ回路を含む。
【0083】
制御コンピュータ130のプロセッサ回路134は、複数の占有センサから占有信号を受信し、占有信号を使用して位置特定ネットワーク(例えばビーコン110)と照明器具(例えば照明器具120)の両方を制御する。プロセッサ回路134は、
- 複数の占有センサから、ビーコンを囲むエリアの占有状態を決定し、ビーコンを囲むエリアの占有状態を示す占有信号を生成し、占有信号をビーコンに送信する、及び/又は
- 複数の占有センサから、照明器具を囲むエリアの占有状態を決定し、照明器具を囲むエリアの占有状態を示す占有信号を生成し、占有信号を照明器具に送信する
よう構成される。斯くして、センサと照明器具及びセンサとビーコンの間の制御マッピングは全く異なり得るが、占有センサは、照明器具及びビーコンの両方を制御するために使用される。この可能性のさらなる説明については図1eも参照されたい。
【0084】
図2dは、コネクテッドライティングシステムの実施形態の一例を概略的に示す。この実施形態は、図2cの実施形態に基づくが、図2dでは少なくとも1つの占有センサがビーコンに組み込まれている。
【0085】
あるコネクテッドライティングシステムは、独立型(stand-alone)占有センサを利用する。この実施形態では、独立型占有センサがビーコンと組み合わされている。両方ともバッテリ給電式デバイスであり得るので、これは有利な組み合わせである。一実施形態では、図2dの占有センサ150はビーコン110を直接制御する、例えば、占有センサ150が占有を検出しない場合はいつでもビーコン110は低エネルギモードに入る。占有センサ150は、例えばZigBeeを介してその占有信号を制御コンピュータ130にも送信し、制御コンピュータ130は、占有信号を使用してシステム内の1つ以上の照明器具を制御する。
【0086】
一実施形態では、占有センサ150は、例えばZigBeeを介してその占有信号を制御コンピュータ130にも送信し、制御コンピュータ130は、占有信号を使用してシステム内の1つ以上の照明器具を制御し、さらにビーコン110も制御する。この実施形態は、複数の占有センサが、ビーコン110を制御するために使用され得るという利点を有するが、ビーコン110が、単独の占有センサ150よりも多く送信を聴取する必要があるという潜在的な不利な点を有する。
【0087】
図2eは、コネクテッドライティングシステムの実施形態の一例を概略的に示す。この実施形態は、図2cの実施形態に基づくが、図2eでは、少なくとも1つの占有センサが照明器具に組み込まれている。このシステムの利点は、占有が照明の必要性の強力な決定要因であり、ゆえに、多くの照明器具がとかく占有センサを備えていることである。このようにして、占有センサは、ビーコンを制御するためにも使用されることができる。
【0088】
一般に、入力又は出力インターフェースは、ローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワーク、例えばインターネット等へのネットワークインターフェース等、様々な形態をとってもよい。インターフェースは、有線又は無線であってもよい。入力及び出力インターフェースは、別個のインターフェースであってもよく、場合によっては異なる通信媒体に対する別個のインターフェースであってもよい。入力及び出力インターフェースはまた、単一の通信インターフェースに組み合わされてもよい。
【0089】
典型的には、ビーコン110、制御コンピュータ130及び照明器具120はそれぞれ、デバイスに格納された適切なソフトウェアを実行するマイクロプロセッサ(別個には図示せず)を備える。例えば、そのソフトウェアは、対応するメモリ、例えばRAM等の揮発性メモリ、又はフラッシュ等の不揮発性メモリ(別個には図示せず)にダウンロード及び/又は格納されていてもよい。代替的に、デバイスは、全体的に又は部分的に、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラマブルロジックに実装されてもよい。これらのデバイスは、いわゆる特定用途向け集積回路(ASIC)、すなわち、それらの特定の用途向けにカスタマイズされた集積回路(IC)として全体的又は部分的に実装されてもよい。例えば、回路は、例えば、Verilog、VHDL等のハードウェア記述言語を使用して、CMOSで実装されてもよい。
【0090】
図5aは、ビーコン方法500の実施形態の一例を概略的に示す。方法600は、
- 無線位置特定ビーコン信号を送信するステップ(510)と、
- ビーコンを囲むエリアの占有状態を示す占有信号を受信するステップ(520)と、
- 無線回路のための無線回路モードを維持するステップ(530)であって、該モードは、アクティブモード及び低エネルギモードのうちの一方である、ステップと、
- 位置特定ビーコン信号を生成するステップ(540)と、
- 占有信号に応じて、無線回線モードをアクティブモードに切り替え(560)、無線回路を介して位置特定ビーコン信号を周期的に送信する(565)、又は無線回路モードを低エネルギモードに切り替え(570)、位置特定ビーコン信号の送信を減らす(575)ステップ(550)と
を含む。
【0091】
図5bは、ビーコン方法600の実施形態の一例を概略的に示す。方法600は、
- 占有信号が受信されたかどうかを判断するステップ(610)と(そうである場合、方法はステップ615に進み、そうでない場合、方法はステップ630に進む)、
- 占有信号が占有又は空きを示すかどうかを判断するステップ(615)と(占有が検出された場合、方法はステップ620に進む。空きが検出された場合、方法はステップ625に進む)、
- 無線回路モードをアクティブモードに設定するステップ(620)と、
- 無線回路モードを低エネルギモードに設定するステップ(625)と、
- 位置特定信号を生成し送信するステップ(630)と、
- 無線回路モードを判断するステップ(635)と(モードが低エネルギである場合、方法はステップ640に進み、アクティブである場合、方法はステップ645に進む)、
- 第1の待ち時間、例えば600ms待機するステップ(640)と、
- 第2の待ち時間、例えば300ms待機するステップ(645)であって、第2の待ち時間は第1の待ち時間より短い、ステップと
を含む。
【0092】
待機ステップ640及び645後いずれも、方法はステップ610に進む。
【0093】
図5cは、ビーコン方法690の実施形態の一例を概略的に示す。この方法は、占有が検出された場合にのみ占有信号がアクティブに送信される場合に用いられてもよい。空きは、アクティブな信号を送信しないことによって伝達される。方法600は、
- 占有信号が受信されたかどうかを判断するステップ(650)と(そうである場合、方法はステップ655に進み、そうでない場合、方法はステップ660に進む)、
- 無線回路モードをアクティブモードに設定し(655)、タイマを占有タイムアウト値、例えば10分に設定するステップと(ステップ670に進む)、
- タイマが満了したかどうかを判断するステップ(660)と(そうである場合、ステップ665に進み、そうでない場合、ステップ670に進む)、
- 無線回路モードを低エネルギモードに設定するステップ(665)と、
- 無線回路モードを判断するステップ(670)と(モードが低エネルギである場合、方法はステップ675に進み、アクティブである場合、方法はステップ680に進む)、
- 第1の待ち時間、例えば600ms待機するステップ(675)と、
- 第2の待ち時間、例えば300ms待機するステップ(680)であって、第2の待ち時間は第1の待ち時間より短い、ステップと(待機ステップ675及び680後いずれも、方法はステップ685に進む)、
- 位置特定信号を生成し、送信するステップ(685)と(ステップ650に進む)
を含む。
【0094】
図6は、制御方法700の実施形態の一例を概略的に示す。方法700は、
- 複数の占有センサからの占有信号を受信するステップ(710)と、
- 複数の占有センサから、ビーコンを囲むエリアの占有状態を決定し(720)、ビーコンを囲むエリアの占有状態を示す占有信号を生成し(730)、前記占有信号をビーコンに送信する(740)ステップと
を含む。
【0095】
当業者には明らかであるように、本方法を実行する多くの異なる方法が可能である。例えば、ステップの順序は変更されることができ、又はいくつかのステップは並行して実行されてもよい。さらに、ステップ間に他の方法ステップが挿入されてもよい。挿入されたステップは、本明細書で述べられるような方法の改良を表してもよく、又は本方法とは無関係であってもよい。さらに、あるステップは、次のステップが開始される前に完全に終了していない可能性もあり得る。
【0096】
本発明による方法は、プロセッサシステムに方法500、600、690及び700を実行させるための命令を含むソフトウェアを使用して実行されてもよい。ソフトウェアは、システムの特定のサブエンティティにより取られるステップのみを含んでもよい。ソフトウェアは、ハードディスク、フロッピー(登録商標)、メモリ、光学ディスク等の適切な記憶媒体に記憶されてもよい。ソフトウェアは、有線ネットワーク、無線ネットワークを介して、又はデータネットワーク、例えばインターネットを利用して信号として送られてもよい。ソフトウェアは、サーバ上でリモートで及び/又はダウンロードに供されてもよい。本発明による方法は、方法を実行するためにプログラマブルロジック、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を構成するよう構成されたビットストリームを使用して実行されてもよい。
【0097】
本発明は、本発明を実践するために適合されたコンピュータプログラム、とりわけ、担体上又は内にあるコンピュータプログラムにも及ぶことは理解されよう。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、部分的にコンパイルされた形式等のコード中間ソース及びオブジェクトコードの形態、又は本発明による方法の実施に使用するのに適した任意の他の形態であってもよい。コンピュータプログラムプロダクトに関する一実施形態は、述べられた方法のうちの少なくとも1つの処理ステップの各々に対応するコンピュータ実行可能命令を含む。これらの命令は、サブルーチンに細分されてもよく、及び/又は静的又は動的にリンクされ得る1つ以上のファイルに記憶されてもよい。コンピュータプログラムプロダクトに関する他の実施形態は、述べられたシステム及び/又はプロダクトの少なくとも1つの手段の各々に対応するコンピュータ実行可能命令を含む。
【0098】
図7aは、一実施形態による、コンピュータプログラム1020を含む書き込み可能部分1010を有するコンピュータ可読媒体1000を示し、コンピュータプログラム1020は、プロセッサシステムにビーコン又は制御方法を実行させるための命令を含む。コンピュータプログラム1020は、物理的なマークとして、又はコンピュータ可読媒体1000の磁化により、コンピュータ可読媒体1000に具現化されてもよい。しかしながら、他の適切な実施形態も同様に考えられる。さらに、ここではコンピュータ可読媒体1000が光ディスクとして示されているが、コンピュータ可読媒体1000は、ハードディスク、ソリッドステートメモリ、フラッシュメモリ等の任意の適切なコンピュータ可読媒体であってもよく、再生専用又は記録可能であってもよいことは理解されよう。コンピュータプログラム1020は、プロセッサシステムに前記ビーコン又は制御方法を実行させるための命令を含む。
【0099】
図7bは、一実施形態によるプロセッサシステム1140の概略図を示す。プロセッサシステムは、1つ以上の集積回路1110を備える。1つ以上の集積回路1110のアーキテクチャは、図7bに概略的に示されている。回路1110は、一実施形態による方法を実行する、及び/又はそのモジュール又はユニットを実装するためにコンピュータプログラムコンポーネントを実行するための、例えばCPU等の処理ユニット1120を備える。回路1110は、プログラミングコード、データ等を記憶するためのメモリ1122を備える。メモリ1122の一部は、読み取り専用であってもよい。回路1110は、通信エレメント1126、例えば、アンテナ、コネクタ又はその両方等を備えてもよい。回路1110は、本方法で定義された処理の一部又は全部を実行するための専用集積回路1124を備えてもよい。プロセッサ1120、メモリ1122、専用IC1124及び通信エレメント1126は、相互接続1130、例えばバスを介して相互に接続されてもよい。プロセッサシステム1110は、それぞれ、アンテナ及び/又はコネクタを使用して、接触及び/又は非接触通信のために構成されてもよい。
【0100】
例えば、一実施形態では、ビーコン又は制御デバイスは、プロセッサ回路及びメモリ回路を備え、プロセッサは、メモリ回路に記憶されたソフトウェアを実行するよう構成されてもよい。例えば、制御回路のプロセッサ回路は、Intel Core i7プロセッサ、ARM Cortex-R8等であってもよい。ビーコンは、小さなプロセッサ回路、例えば、ARM M0 Cortexを含んでもよい。メモリ回路は、ROM回路、又は不揮発性メモリ、例えばフラッシュメモリであってもよい。メモリ回路は、揮発性メモリ、例えばSRAMメモリであってもよい。後者の場合、検証デバイスは、ソフトウェアを提供するよう構成される不揮発性ソフトウェアインターフェース、例えばハードドライブ、ネットワークインターフェース等を含んでもよい。
【0101】
上記の実施形態は本発明を限定するものではなく例示するものであり、当業者は多くの代替実施形態を設計することができることに留意されたい。
【0102】
特許請求の範囲において、括弧内に置かれた参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。「有する」という動詞及びその活用形の使用は、請求項に記載された要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素に先行する冠詞「a」又は「an」は、複数の斯かる要素の存在を排除するものではない。本発明は、いくつかの別個の要素を含むハードウェアにより、及び適切にプログラムされたコンピュータにより実施されることができる。いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項において、これらの手段のいくつかは、同一のハードウェアのアイテムにより具体化されることができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
【0103】
特許請求の範囲において、括弧内の参照は、実施形態の図面又は実施形態の式における参照符号を参照し、したがって、請求項の明瞭性を高める。これらの参照は、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0104】
図1a~1f、2c~2eにおける参照番号のリスト:
100 位置特定システム
110 ビーコン
111 バッテリコンパートメント
112 無線回路
114 ビーコンメモリ
116 入力インターフェース
118 プロセッサ回路
120 電子照明器具
122 通信インターフェース
128 プロセッサ回路
130 制御コンピュータ
132 通信インターフェース
134 プロセッサ回路
136 ストレージ
150 占有センサ
150.1~150.4 占有センサ
161 オープンプランオフィス
162 ミーティングルーム
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7a
図7b