(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】対象物の位置を決定するための位置決めシステム
(51)【国際特許分類】
G01S 5/30 20060101AFI20221129BHJP
G01S 5/22 20060101ALI20221129BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20221129BHJP
【FI】
G01S5/30
G01S5/22
G10L15/00 200Z
(21)【出願番号】P 2019555866
(86)(22)【出願日】2018-04-05
(86)【国際出願番号】 EP2018058757
(87)【国際公開番号】W WO2018189031
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2021-03-31
(32)【優先日】2017-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヤンッセン ニーク
(72)【発明者】
【氏名】ポルマン ロベルトゥス ヨハンネス
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-504520(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0333206(US,A1)
【文献】特開2016-050872(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0110225(US,A1)
【文献】国際公開第2011/029672(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/72- 1/82
G01S 3/80- 3/86
G01S 5/18- 5/30
G01S 7/52- 7/64
G01S 15/00-15/96
G10L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の位置を決定するための位置決めシステムであって、
ユーザによって生成された音入力を受けるように構成されている、複数のマイクロフォンと、
前記複数のマイクロフォンのうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた前記音入力間の差異に基づいて、前記複数のマイクロフォンに対する、前記ユーザのユーザ位置を決定するように構成されている、位置特定モジュールと、
前記対象物の識別子を受信し、前記識別子に基づいて前記対象物を識別し、前記対象物の位置を前記ユーザ位置に等しく設定することによって、前記対象物の位置を決定し、前記対象物の前記位置をメモリに記憶するように構成されている、プロセッサと、
を備える、位置決めシステム。
【請求項2】
前記音入力が、前記対象物の前記識別子を含み、前記プロセッサが、前記音入力から前記識別子を取得するように構成されている、請求項1に記載の位置決めシステム。
【請求項3】
前記位置決めシステムが、前記対象物から、又は更なるデバイスから、前記識別子を受信するように構成されている受信機を備える、請求項1又は2に記載の位置決めシステム。
【請求項4】
前記対象物が、空間内に位置しており、前記位置特定モジュールが、前記空間に対する前記複数のマイクロフォンの位置についての情報にアクセスするように構成されており、前記複数のマイクロフォンのうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた前記音入力間の差異に基づいて、前記空間に対する前記ユーザ位置を決定するように構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の位置決めシステム。
【請求項5】
前記位置決めシステムが、ポータブルデバイスに含まれており、前記位置決めシステムが、オリエンテーションセンサ及び/又は位置センサを備え、前記位置特定モジュールが、前記オリエンテーションセンサから受信されたオリエンテーション信号、及び/又は前記位置センサから受信された位置信号に更に基づいて、前記空間に対する前記ユーザ位置を決定するように構成されている、請求項4に記載の位置決めシステム。
【請求項6】
前記プロセッサが、前記空間のマップを生成し、前記対象物の前記位置に基づいて、前記マップ上の前記対象物の位置を決定するように構成されている、請求項4又は5に記載の位置決めシステム。
【請求項7】
前記位置特定モジュールが、前記複数のマイクロフォンのうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた前記音入力の信号強度の差に基づいて、及び/又は、前記複数のマイクロフォンのうちの異なるマイクロフォンにおいて前記音入力を受ける時間差に基づいて、前記ユーザの位置を決定するように構成されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の位置決めシステム。
【請求項8】
前記音入力が、制御コマンドを含み、前記プロセッサが、前記音入力から前記制御コマンドを取得するように、及び、前記制御コマンドに基づいて
、前記制御コマンドによって制御可能な前記対象物を制御するように構成されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の位置決めシステム。
【請求項9】
前記複数のマイクロフォンが、後続の音入力を受けるように構成されており、前記後続の音入力が、制御コマンドを含み、前記位置特定モジュールが、1つ以上の対象物の位置を記憶している前記メモリにアクセスすることによって、どの前記1つ以上の対象物が前記ユーザ位置に位置するかを決定するように、及び、前記制御コマンドに基づいて、
前記制御コマンドによって制御可能な前記1つ以上の対象物を制御するように構成されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の位置決めシステム。
【請求項10】
前記プロセッサが、前記音入力に基づいて前記ユーザを識別するように、及び、識別された前記ユーザに関連付けられているユーザプロファイルに更に基づいて、前記1つ以上の対象物を制御するように構成されている、請求項8又は9に記載の位置決めシステム。
【請求項11】
前記対象物が、照明デバイスである、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の位置決めシステム。
【請求項12】
前記音入力が、音声入力である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の位置決めシステム。
【請求項13】
対象物の位置を決定するための方法であって、
複数のマイクロフォンによって、ユーザによって生成された音入力を受けるステップと、
前記複数のマイクロフォンのうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた前記音入力間の差異に基づいて、前記複数のマイクロフォンに対する、前記ユーザのユーザ位置を決定するステップと、
前記対象物の識別子を受信するステップと、
前記識別子に基づいて前記対象物を識別するステップと、
前記対象物の位置を前記ユーザ位置に等しく設定することによって、前記対象物の位置を決定するステップと、
前記対象物の前記位置をメモリに記憶するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
コンピューティングデバイス用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムが前記コンピューティングデバイスの処理ユニット上で実行されると、請求項13に記載の方法を実行する、コンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の位置を決定するための位置決めシステムに関する。本発明は更に、対象物の位置を決定するための方法、及び、当該方法を実行するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
TV、ランプ、サーモスタット、(キッチン用)機器などのネットワーク接続デバイスは、住居環境において、より重要になって来ている。これらのデバイスは、スマートフォン、リモート制御デバイスなどの制御デバイスによって制御されることができるが、他のコネクテッドデバイスによってもまた制御されることができる。そのようなコネクテッドシステムは、「モノのインターネット」とも称され、多くの場合、空間内でのコネクテッドデバイスの相対位置についての情報を必要とする。コネクテッドデバイスの位置が知られている場合には、コネクテッドデバイスは、それらの位置に従って制御されることができる。このことは、例えば、複数の照明デバイスが、空間光効果を生成するように制御される場合、複数のラウドスピーカが、サラウンドサウンドに関して制御される場合などに関連し得る。
【0003】
現在の(屋内)位置決めシステムは、例えば、コネクテッドデバイスに無線周波数(radio frequency;RF)信号を送信し得る、空間全体にわたって分散された複数のRFビーコンを使用するものであり、このことにより、例えばビーコンから受信されたRF信号の飛行時間(time-of-flight;TOF)に基づいて、又は、ビーコンから受信されたRF信号の受信信号強度に基づいて、三角測量若しくは三辺測量を使用することによって、ビーコンに対するデバイスの位置の検出が可能となる。他の(屋内)位置決めシステムでは、コネクテッドデバイスは、照明器具の光源によって放出される符号化光信号を検出するための光センサを備えてもよい。これらの符号化光信号は、照明器具についての位置情報を含み得ることにより、デバイスの位置の検出を可能にする。
【0004】
これらの既存の(屋内)位置決めシステムは、コネクテッドデバイスの位置を決定するための何らかの専用の通信手段及びソフトウェアを、コネクテッドデバイスが備えることを必要とする。多くの既存のコネクテッドデバイスには、そのような専用の位置決め通信手段/ソフトウェアが装備されていない。それゆえ、位置決め手段を備えていないデバイス及び対象物の位置を決定することが、当該技術分野において必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、専用の位置決め手段を備えていないデバイス及び対象物の位置を決定する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、目的は、対象物の位置を決定するための位置決めシステムであって、
-ユーザからの音入力を受けるように構成されている、複数のマイクロフォンと、
-複数のマイクロフォンのうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた音入力間の差異に基づいて、複数のマイクロフォンに対する、ユーザのユーザ位置を決定するように構成されている、位置特定モジュールと、
-対象物の識別子を受信し、識別子に基づいて対象物を識別し、対象物の位置をユーザ位置に等しく設定することによって、対象物の位置を決定し、対象物の位置をメモリに記憶するように構成されている、プロセッサと、
を備える、位置決めシステムによって達成される。
【0007】
位置決めシステムは、ユーザが、対象物の位置を設定するための入力を提供することを可能にする。ユーザは、対象物に向かって移動し、音入力、例えば音声入力を提供してもよく、それに応じて、位置特定モジュールが、ユーザの位置を決定し、それに応じて、プロセッサが、(ユーザの位置に等しく設定された)対象物の位置を記憶する。次いで、対象物の位置がメモリに記憶され、このことにより、位置決めシステムは、更なるデバイス(例えば、コネクテッドホームシステム内のコネクテッドデバイス)に対象物の位置を提供することが可能となる。このことにより、位置決め手段を備えていない対象物(例えば、デバイス、家具など)の位置を、決定及び記憶することが可能となる。
【0008】
音入力は、対象物の識別子を含んでもよく、プロセッサは、音入力から識別子を取得するように構成されてもよい。音入力は、例えば、対象物についての情報を含む音声入力であってもよい(例えば、音声入力は、「ここは[対象物の名前]の位置です」を含んでもよく、[対象物の名前]は、識別子であってもよい)。更には、又はあるいは、位置決めシステムは、対象物から識別子を受信するように構成されている受信機を備えてもよい。対象物は、識別子を位置決めシステムに送信するように構成されているデバイスであってもよい。このことは、ユーザが識別子を提供することを必要としないため、有益であり得る。このことは、同じタイプの複数の対象物/デバイス(例えば、複数のランプ)の位置が、その後に続けて決定される必要がある場合には、更に有益であり得るが、これは、ユーザにとって、各ランプに関して正確な識別子を提供することが煩雑であり得るためである。更には、又はあるいは、受信機は、ユーザによって操作され得る更なるデバイス、例えばスマートフォンから、識別子を受信するように構成されてもよい。ユーザは、更なるデバイスに、特定の対象物の識別子の送信を開始するように指示してもよく、かつユーザは、音入力を提供してもよく、このことにより、プロセッサは、当該音入力(及び、それと共に、当該音入力の位置)が、当該特定の対象物に対応していると決定することが可能となる。
【0009】
対象物は、空間内に位置してもよく、位置特定モジュールは更に、空間に対する複数のマイクロフォンの位置についての情報にアクセスするように構成されてもよく、複数のマイクロフォンのうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた音入力間の差異に基づいて、空間に対するユーザ位置を決定するように構成されてもよい。複数のマイクロフォンが、空間に対して或る位置を有している場合には、プロセッサは、当該マイクロフォンが位置する空間に対する、ユーザの位置(及び、それと共に、対象物の位置)を決定することが可能となる。
【0010】
位置決めシステムは、ポータブルデバイス(例えば、複数のマイクロフォンを備えるスマートスピーカ)に含まれてもよく、位置決めシステムは、オリエンテーションセンサ及び/又は位置センサを備えてもよい。位置特定モジュールは、オリエンテーションセンサから受信されたオリエンテーション信号、及び/又は位置センサから受信された位置信号に更に基づいて、空間に対するユーザ位置を決定するように構成されてもよい。それゆえ、ユーザが、位置決めシステムを移動及び/又は回転させると、プロセッサは、空間に対する対象物の位置を、位置特定モジュールが正確に決定することが可能となるように、これらの移動/回転を考慮に入れる。このことは、ユーザがポータブルデバイスを再配置することを可能にするため、有益である。
【0011】
プロセッサは、空間のマップを生成し、対象物の位置に基づいて、マップ上の対象物の位置を決定するように構成されてもよい。このことは、他のデバイスが、このマップを制御目的で使用してもよいため、有益である。更には、マップは、例えばユーザインタフェースを介して、ユーザに通信されてもよく、このことにより、ユーザは、空間内の対象物のマッピングを編集/修正すること、またそれゆえ、マッピングを微調整することが可能となり得る。
【0012】
実施形態では、位置特定モジュールは、複数のマイクロフォンのうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた音入力の信号強度の差に基づいて、ユーザ位置を決定するように構成されてもよい。位置特定モジュールは、(例えば、異なるマイクロフォンの、スペクトログラム及び/又はdBレベルを比較することによって)信号強度の差を比較して、例えば三角測量又は三辺測量によって、ユーザのユーザ位置を決定してもよい。
【0013】
更には、又はあるいは、位置特定モジュールは、複数のマイクロフォンのうちの異なるマイクロフォンにおいて音入力を受ける時間差に基づいて、ユーザの位置を決定するように構成されてもよい。異なるマイクロフォンにおける音入力の到着時間の差を検出することによって、位置特定モジュールは、三角測量又は三辺測量を適用することによりユーザのユーザ位置を決定することが可能となる。
【0014】
更には、複数のマイクロフォンのうちの少なくとも一部が異なる方向に向けられている実施形態では、位置特定モジュールは、複数のマイクロフォンの方向に更に基づいて、マイクロフォンに対するユーザのユーザ位置を決定するように構成されてもよい。マイクロフォンが異なる方向に向けられている場合、それらマイクロフォンの方向性は、受ける音入力がどの程度の強さであるかに影響を及ぼし得る(又は、音入力の到着時間に影響を及ぼし得る)。それゆえ、位置特定モジュールが、コントローラに対するユーザのユーザ位置を決定する際に、マイクロフォンの方向を考慮に入れるのであれば、有益である。
【0015】
音入力は、制御コマンドを更に含んでもよく、プロセッサは、音入力から制御コマンドを取得するように、及び、制御コマンドに基づいて対象物を制御するように、更に構成されてもよい。このことは、ユーザが、例えば、音声コマンドを提供することによって、対象物(例えば、デバイス)を特定の動作モードに設定すること、対象物の設定をコンフィギュレーションすることなどを可能にするため、有益である。
【0016】
複数のマイクロフォンは、後続の音入力を受けるように構成されてもよく、後続の音入力は、制御コマンドを含み、位置特定モジュールは、1つ以上の対象物の位置を記憶しているメモリにアクセスすることによって、どの1つ以上の対象物がユーザ位置に位置するかを決定するように、及び、制御コマンドに基づいて、1つ以上の対象物を制御するように構成されてもよい。このことは、ユーザが、例えば、対象物の位置が決定された後に、音声コマンドを提供することによって、対象物(例えば、デバイス)を特定の動作モードに設定すること、対象物の設定をコンフィギュレーションすることなどを可能にするため、有益である。
【0017】
プロセッサは、音入力に基づいてユーザを識別するように、及び、識別されたユーザに関連付けられているユーザプロファイルに更に基づいて、1つ以上の対象物を制御するように構成されてもよい。プロセッサは、音声認識を使用してユーザを識別してもよく、及び/又は、ユーザが、ユーザ識別子を提供する音声コマンド(例えば、「こちらは[ユーザの名前]です」)を提供してもよい。プロセッサは、ユーザプロファイルを記憶しているデータベースにアクセスするように構成されてもよい。ユーザプロファイルは、ユーザの選好(例えば、お気に入りの光設定、お気に入りの対象物設定)を含んでもよく、プロセッサは、これらの選好に基づいて、どのように対象物(例えば、照明デバイス)を制御するかを決定してもよい。このことは、対象物の光出力が、音入力を提供するユーザの選好に基づいて制御されるため、有益である。
【0018】
対象物は、照明デバイスであってもよい。典型的には、照明システムは、複数の照明デバイスを備える。そのような照明システムは、多くの場合、照明デバイスを、光シーン(複数の照明デバイスに関する照明制御コマンドを含む、既定の光設定、又は、経時的に変化する、複数の照明デバイスに関する光設定)に従って制御することが可能である。そのような光シーン(例えば、日の出の光シーン、ロマンチック光シーン、集中光シーンなど)の多くに関しては、光シーンを正確に適用するために、照明デバイスの位置が知られていることが好ましい。例えば、光シーンが、太陽の軌跡に近似するように想定されている場合には、照明デバイスの位置が知られていることにより、軌跡に正確に近似させることができるのであれば、有益である。別の実施例では、ユーザは、自分の机で作業していてもよく、(例えば、音声コマンド、ユーザ入力などを提供することによって)集中光設定を要求してもよく、それに応じて、机の付近の照明デバイス/机の照明デバイスは、要求された光設定を提供してもよいが、一方で、部屋の中の他の照明デバイスの光設定は、変更されなくてもよい。
【0019】
音入力は、音声入力であってもよい。あるいは、音入力は、ユーザによって提供される任意の他の音入力であってもよい(例えば、拍手の音、口笛の音、カチカチ音、(ポータブル)デバイスにおいてユーザ入力を受けた際に該デバイスによって提供される音など)であってもよい。
【0020】
本発明の第2の態様によれば、目的は、対象物の位置を決定するための方法であって、
-複数のマイクロフォンによって、ユーザからの音入力を受けるステップと、
-複数のマイクロフォンのうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた音入力間の差異に基づいて、複数のマイクロフォンに対する、ユーザのユーザ位置を決定するステップと、
-対象物の識別子を受信するステップと、
-識別子に基づいて対象物を識別するステップと、
-対象物の位置をユーザ位置に等しく設定することによって、対象物の位置を決定するステップと、
-対象物の位置をメモリに記憶するステップと、
を含む、方法によって達成される。
【0021】
当該方法は、特許請求される位置決めシステムと同様及び/又は同一の、実施形態及び利点を有し得る点を理解されたい。
【0022】
本発明の第3の態様によれば、目的は、コンピューティングデバイス用のコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラム製品がコンピューティングデバイスの処理ユニット上で実行されると、上述の方法のうちの任意の1つを実行する、コンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム製品によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
開示される位置決めシステム及び方法の、上記の目的、特徴、及び利点、並びに、追加的な目的、特徴、及び利点は、添付図面を参照して、システム及び方法の以下の例示的かつ非限定的な「発明を実施するための形態」を通じて、より良好に理解されるであろう。
【
図1】複数のマイクロフォンが1つのデバイスに含まれている対象物の位置を決定するためのシステムの上面図の一実施形態を概略的に示す。
【
図2】複数のマイクロフォンが空間全体にわたって分散されている対象物の位置を決定するためのシステムの上面図の一実施形態を概略的に示す。
【
図3a】対象物の位置を決定するためのシステムの上面図の実施形態を概略的に示す。
【
図3b】対象物の位置を決定するためのシステムの上面図の実施形態を概略的に示す。
【
図3c】対象物の位置を決定するためのシステムの上面図の実施形態を概略的に示す。
【
図4】対象物の位置を決定するための方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
これらの図は全て、概略的なものであって、必ずしも正しい縮尺ではなく、全般的に、本発明を解明するために必要な部分のみを示すものであり、他の部分は、省略されているか又は単に示唆されている場合がある。
【0025】
図1及び
図2は、対象物の位置を決定するための位置決めシステム100、200の実施形態を概略的に示している。システム100、200は、ユーザ120、220からの音入力122、222を受けるように構成されている複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9を備える。システム100、200は、複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9のうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた音入力122、222間の差異に基づいて、複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9に対する、ユーザ120、220のユーザ位置を決定するように構成されている位置特定モジュール102、202を更に備える。システム100、200は、対象物の識別子を受信し、識別子に基づいて対象物を識別し、対象物の位置をユーザ位置に等しく設定することによって、対象物の位置を決定し、対象物の位置をメモリに記憶するように構成されているプロセッサ104、204を更に備える。
【0026】
複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9は、ユーザが対象物に位置する/位置決めされているときに、ユーザ120、220から音入力122、222を受けるように構成されている。音入力122、222は、ユーザ(例えば、発話、拍手、口笛、指を鳴らすことなど)によって生成されてもよく、又は、ユーザデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレットpc)によって生成されてもよい。音入力は、例えばユーザデバイスにおいてユーザ入力を受けた際に、ユーザデバイスによって生成されてもよい。ユーザは、例えば、ユーザデバイスが対象物に位置するときに、ユーザデバイスのユーザインタフェースを介して対象物を選択してもよく、それに応じて、ユーザデバイスは、音入力を生成してもよい。
【0027】
複数のマイクロフォンM1~M6が単一のデバイス100に含まれているシステム100(例えば、
図1のシステム)では、プロセッサ104は、複数のマイクロフォンM1~M6に通信可能に結合されてもよい。あるいは、複数のマイクロフォンN1~N9が空間全体にわたって分散されているシステム200(例えば、
図2のシステム)では、位置特定モジュール202及びプロセッサ204は、更なるデバイス206に、例えば中央制御デバイス(例えば、ビルディングオートメーションシステム、スマートホームシステムなど)に含まれてもよい。更なるデバイスは、(無線)ネットワークを介して複数のマイクロフォンN1~N9と通信するように構成されている受信機208を更に含んでもよい。受信機208は、任意の有線通信プロトコル又は無線通信プロトコルを介して音入力222を受信するためのハードウェアを含んでもよい。例えば、Ethernet(登録商標)、DMX、DALI、USB、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、Li-Fi、3G、4G、又はZigBee(登録商標)である、様々な有線通信プロトコル及び無線通信プロトコルが使用されてもよい。
【0028】
位置特定モジュール102、202は、マイクロコントローラなどの、別個のプロセッサであってもよい。あるいは、位置特定モジュール102、202は、プロセッサ104、204上で実行されるソフトウェアプログラムであってもよい。位置特定モジュール102、202は、複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9のうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた音入力122、222間の差異に基づいて、複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9に対する、ユーザ120、220のユーザ位置(例えば、ユーザ座標)を決定するように構成されている。位置特定モジュール102、202は、複数のマイクロフォンの、互いに対する(及び/又は、環境に対する)位置(例えば、マイクロフォン座標)を記憶している、メモリへのアクセスを有してもよく、このことにより、位置特定モジュール102、202は、複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9に対する(及び、オプションとして、環境に対する)ユーザ120、220のユーザ位置を決定することが可能となる。位置特定モジュール102、202は、複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9のうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた音入力122、222の信号強度の差に基づいて、ユーザ位置を決定するように構成されてもよい。位置特定モジュール102、202は、(例えば、異なるマイクロフォンの、スペクトログラム及び/又はdBレベルを比較することによって)信号強度の差を比較して、例えば三角測量又は三辺測量によって、ユーザ120、220のユーザ位置を決定してもよい。更には、又はあるいは、位置特定モジュール102、202は、複数のマイクロフォンのうちの異なるマイクロフォンにおいて音入力122、222を受ける時間差に基づいて、ユーザ120、220の位置を決定するように構成されてもよい。異なるマイクロフォンにおける音入力122、222の到着時間の差を比較することによって、位置特定モジュール102、202は、例えば三角測量又は三辺測量によって、ユーザ120、220のユーザ位置を決定してもよい。位置特定モジュール102、202は更に、空間に対する複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9の位置についての情報にアクセスするように構成されてもよく、複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9のうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた音入力122、222間の差異に基づいて、空間に対するユーザ位置を決定するように構成されてもよい。
【0029】
図1は、複数のマイクロフォンM1~M6が単一のデバイス100に含まれている対象物110、112、114、116の位置を決定するためのシステム100の上面図の一実施形態を概略的に示している。位置特定モジュール102は、音入力122が最初にM6に到着し、例えば、その後に続けてM1、M5、M2、M4、及びM3に到着することになるため、ユーザ120が、マイクロフォンM6の方向の、いずれかの場所に位置していると決定してもよい。プロセッサ104は、対象物(当該実施例では、対象物112)の識別子を受信してもよく、対象物112の位置をユーザ位置に等しく設定することによって、対象物112の位置を決定してもよい。位置特定モジュール102は、環境に対するデバイス100の位置を記憶しているメモリにアクセスするように、更に構成されてもよい。この情報に基づいて、位置特定モジュール102は、環境に対するユーザ位置を決定してもよい。位置特定モジュール102は、音入力122の強度に基づいて、位置決めデバイス100と音入力122(及び、それと共に、ユーザ120)との間の距離を決定するように、更に構成されてもよい。このことにより、位置特定モジュール102は、距離及び方向に基づいて、ユーザ位置を決定することが可能となる。更には、又はあるいは、位置特定モジュール102は、複数のマイクロフォンM1~M6のうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた音入力122間の差異を比較してもよく、音入力122の位置(及び、それと共に、ユーザ120のユーザ位置)を正確に特定するために、三角測量/三辺測量位置決め技術を使用してもよい。ユーザは、その後に続けて、別の対象物、例えば対象物110、対象物114、又は対象物116に移動して、当該対象物において音入力(及び、識別子)を提供してもよく、それにより、当該対象物の位置が決定され、メモリに記憶されることができる。
【0030】
位置決めシステム100は、デバイス100の向きを示すオリエンテーション信号を提供するためのオリエンテーションセンサ(例えば、ジャイロスコープ及び/又は加速度計)を更に備えてもよい。ユーザが、デバイス100を回転させる場合には、位置特定モジュール102は、依然として、空間に対するデバイス100の向きを「知っている」ことが望ましい。それゆえ、位置特定モジュール102は、オリエンテーション信号に基づいて、位置決めシステム100に対するユーザの位置を決定するように、更に構成されてもよい。位置決めシステム100は、デバイス100の位置を検出するための位置検出手段を更に備えてもよい。位置検出手段は、更なるデバイスから(例えば、(屋内)位置決めシステムから、光源の位置を表す埋め込みコードを含む光を放出する光源などから)位置信号を受信するように構成されている受信機を含んでもよい。ユーザが、デバイス100を新たな位置に移動させる場合には、位置特定モジュール102は、依然として、空間に対するデバイス100の位置を「知っている」ことが望ましい。それゆえ、位置特定モジュール102は、位置信号に基づいて、位置決めシステム100に対するユーザの位置を決定するように、更に構成されてもよい。
【0031】
図2は、複数のマイクロフォンN1~N9が空間全体にわたって分散されている対象物210、212、214、216の位置を決定するためのシステム200の上面図の一実施形態を概略的に示している。位置特定モジュール202及びプロセッサ204は、更なるデバイス206に、例えば中央制御デバイス(例えば、ビルディングオートメーションシステム、スマートホームシステムなど)に含まれてもよい。更なるデバイス206は、(無線)ネットワークを介して複数のマイクロフォンN1~N9と通信するように、及び、異なるマイクロフォンN1~N9において受けられた音入力を受信するように構成されている通信ユニット208を更に含んでもよい。位置特定モジュール202は、マイクロフォンN1及びマイクロフォンN4における音入力222の到着時間が、マイクロフォンN2、N3、及びマイクロフォンN5~N9における音入力222の到着時間よりも早く生じているため、ユーザ220が、マイクロフォンN1及びマイクロフォンN4に近接して位置していると決定してもよい。位置特定モジュール202は、環境に対する複数のマイクロフォンN1~N9の位置を記憶しているメモリにアクセスするように、更に構成されてもよい。この情報に基づいて、位置特定モジュール202は、環境に対するユーザ位置を決定してもよい。位置特定モジュール202は、複数のマイクロフォンN1~N9のそれぞれにおいて受けた音入力222の強度に基づいて、複数のマイクロフォンN1~N9のそれぞれと音入力222(及び、それと共に、ユーザ220)との間の距離を決定するように、更に構成されてもよい。このことにより、位置特定モジュール202は、距離に基づいてユーザ位置を決定することが可能となる。位置特定モジュール202は、例えば、マイクロフォンM1及びマイクロフォンN4において受けた音入力の強度が、他のマイクロフォンにおける強度よりも強いことを決定してもよく、それにより、ユーザ220が、これらのマイクロフォンの間に位置していると決定してもよい。更には、又はあるいは、位置特定モジュール202は、複数のマイクロフォンN1~N9のうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた音入力222間の差異を比較してもよく、音入力222の位置(及び、それと共に、ユーザ220のユーザ位置)を正確に特定するために、三角測量/三辺測量位置決め技術を使用してもよい。
【0032】
プロセッサ104、204(例えば、マイクロコントローラ、回路、マイクロチップ)は、対象物の識別子を受信し、識別子に基づいて対象物を識別するように構成されている。対象物は、例えば、デバイス(例えば、カウチ、椅子、若しくはテーブルなどの家具、TVなどの電子デバイス、照明デバイス、(キッチン用)機器、又は任意の他のタイプの対象物)であってもよい。(一意)識別子は、対象物についての情報(例えば、対象物のタイプ、対象物の現在の設定など)を含んでもよい。
【0033】
音入力122、222は、対象物の識別子を含んでもよく、プロセッサ104、204は、音入力122、222から識別子を取得するように構成されてもよい。音入力122、222は、例えば、対象物についての情報を含む音声入力であってもよい(例えば、音声入力は、「ここは[対象物の名前]の位置です」を含んでもよく、[対象物の名前]は、識別子であってもよい)。プロセッサ104、204は、音入力122、222から識別子を取得するために、音声認識を使用してもよい。このことにより、ユーザは、対象物の位置において対象物の説明を提供することによって、対象物を作動させることが可能となる。対象物の説明は、メモリに(例えば、スマートフォン、ブリッジ、住宅制御システム、リモートサーバなどに)予め記憶されていてもよく、プロセッサ104、204は、これらの対象物の説明へのアクセスを有してもよく、それにより、プロセッサ104、204は、対象物を識別するために、受信された対象物の説明と、記憶されている対象物の説明とを比較してもよい。ユーザは、例えば、対象物(当該対象物は、対象物の説明「キッチン用ランプ1」を有し得る)の近傍に立ち、音声コマンド「これはキッチン用ランプ1です」を提供してもよく、それに応じて、プロセッサ104、204は、対象物の説明「キッチン用ランプ1」を、記憶されている対象物の説明と比較することにより、「キッチン用ランプ1」を識別してもよい。位置特定モジュール102、202は、複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9のうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた音入力間の差異に基づいて、ユーザ位置を決定してもよい。ユーザ位置を決定し、識別子に基づいて対象物(「キッチン用ランプ1」)を識別した後、位置特定モジュール102、202は、ユーザ位置に基づいて、対象物の位置を決定してもよい。次いで、プロセッサ104、204は、対象物(「キッチン用ランプ1」)の(ユーザ位置に等しい)対象物位置をメモリに記憶してもよい。
【0034】
更には、又はあるいは、位置決めシステム100、200は、対象物から識別子を受信するように構成されている受信機を更に備えてもよい。対象物は、自身の識別子を位置決めシステム100、200に送信するように構成されているデバイス(例えば、照明デバイス、機器など)であってもよい。(一意)識別子は、対象物についての情報(例えば、対象物のタイプ、対象物の現在の設定など)を含んでもよい。受信機は、任意の有線通信プロトコル又は無線通信プロトコルを介して識別子を受信するためのハードウェアを含んでもよい。例えば、Ethernet(登録商標)、DMX、DALI、USB、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、Li-Fi、3G、4G、又はZigBee(登録商標)である、様々な有線通信プロトコル及び無線通信プロトコルが使用されてもよい。
【0035】
更には、又はあるいは、受信機は、ユーザ120、220によって操作され得る更なるデバイス、例えばスマートフォンから、識別子を受信するように構成されてもよい。ユーザ120、220は、更なるデバイスに、特定の対象物の識別子の送信を開始するように指示してもよく、かつユーザ120、220は、音入力を提供してもよく、このことにより、プロセッサ104、204は、音入力122、222(及び、それと共に、当該音入力の位置)が、特定の対象物に対応していると決定することが可能となる。実施形態では、識別子は、検出器によって検出され得る、(QR)バーコード又は(NFC)タグであってもよい。検出器は、位置決めシステム100、200に含まれてもよく、又は、検出器は、検出された識別子を位置決めシステム100、200に送信するように構成されている更なるデバイス(例えば、スマートフォン)に含まれてもよい。受信機は、任意の有線通信プロトコル又は無線通信プロトコルを介して識別子を受信するためのハードウェアを含んでもよい。例えば、Ethernet(登録商標)、DMX、DALI、USB、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、Li-Fi、3G、4G、又はZigBee(登録商標)である、様々な有線通信プロトコル及び無線通信プロトコルが使用されてもよい。
【0036】
プロセッサ104、204は、対象物の位置をユーザ位置に等しく設定することによって、対象物の位置を決定するように、及び、対象物の位置をメモリに記憶するように、更に構成されている。位置決めシステム100、200は、対象物と対象物の位置との関連付け(例えば、ルックアップテーブル)を記憶するように構成されているメモリに通信可能に結合されてもよく、又は、そのようなメモリを備えてもよい。当該メモリは、例えばインターネットを介してアクセス可能な(リモート)サーバに含まれてもよい。ユーザ位置を対象物の位置に等しく設定することによって、ユーザ120、220は、メモリに位置が記憶される必要がある(又は、例えば対象物の再配置後に、位置が更新される必要がある)対象物へと、単に歩行/移動して、音入力122、222を提供することができる。位置決めシステム100、200は、対象物の位置を別のデバイスに通信するように構成されている通信ユニットを更に備えてもよい。
【0037】
位置特定モジュール102、202が、環境に対する複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9の位置についての情報にアクセスするように、更に構成されており、環境に対するユーザ位置(及び、それと共に、対象物の位置)を決定するように構成されている実施形態では、プロセッサ104、204は、空間のマップを生成し、対象物の位置に基づいて、マップ上の対象物の位置を決定するように構成されてもよい。対象物の位置は、例えば、空間(例えば、部屋)内の2D座標又は3D座標のセットであってもよく、プロセッサ104、204は、これらの座標を、空間のマップ上にマッピングしてもよい。位置決めシステム100、200は、作成されたマップを別のデバイスに通信するように構成されている通信ユニットを更に備えてもよい。位置決めシステム100、200は、例えば、ユーザインタフェースデバイスにマップを送信してもよく、又は、位置決めシステム100、200が、ユーザインタフェースを備えてもよい。マップは、ユーザインタフェース(例えば、ディスプレイ)を介して提示されてもよい。ユーザインタフェースは、マップ上の対象物の選択を示すユーザ入力を受けるように構成されているユーザ入力手段(例えば、タッチスクリーン、ポインティングデバイス、ジェスチャ検出器など)を更に含んでもよい。対象物の選択は、例えば、対象物を制御する(例えば、照明デバイスの光出力を変更する)ために、又は、マップ上の対象物の再配置(ユーザは、例えば、マップ上の第1の位置から第2の位置に対象物をドラッグしてもよい)のために使用されてもよい。後者は、マップ上の対象物の位置決めが不正確である場合、又は、対象物が新たな位置に移動された場合に、有益であり得る。
【0038】
音入力122、222は、制御コマンドを更に含んでもよく、制御コマンドは、対象物を制御/コンフィギュレーションするための制御コマンドである。プロセッサ104、204は、音入力から制御コマンドを取得するように、及び、制御コマンドに基づいて対象物を制御するように、更に構成されてもよい。プロセッサ104、204は、発話認識アルゴリズムを使用して、音入力122、222から制御コマンドを取得してもよく、対象物に照明制御コマンドを通信することによって、制御コマンドに従って対象物を制御してもよい。それゆえ、プロセッサ104、204は、(第1に)音入力122、222に基づいて、識別された対象物の位置を決定してもよく、(第2に)音入力122、222に基づいて、識別された対象物を制御してもよい。例えば、対象物が光源であるシステムにおいて、ユーザが、音声入力「これはリビングルーム用ランプ1です、オンにしてください」を提供すると、位置特定モジュール102、202は、マイクロフォンによって受けた音入力の差異に基づいて、ユーザ位置を決定してもよく、プロセッサ104、204は、音声入力に基づいて、対象物を「リビングルーム用ランプ1」として識別し、「リビングルーム用ランプ1」の位置をユーザ位置に等しく設定し、「リビングルーム用ランプ1」の位置をメモリに記憶してもよい。プロセッサ104、204は更に、「リビングルーム用ランプ1」をオンにする命令を含む、照明制御コマンドを生成して、照明制御コマンドを「リビングルーム用ランプ1」に送信することによって、「リビングルーム用ランプ1」を制御してもよい。
【0039】
複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9は、後続の音入力を受けるように構成されてもよく、後続の音入力は、制御コマンドを含み、制御コマンドは、対象物を制御/コンフィギュレーションするための制御コマンドである。プロセッサ104、204は、発話認識アルゴリズムを使用して、音入力122、222から制御コマンドを取得してもよく、対象物に照明制御コマンドを通信することによって、制御コマンドに従って対象物を制御してもよい。位置特定モジュール102、202は、1つ以上の対象物の位置を記憶しているメモリにアクセスすることによって、どの1つ以上の対象物が、ユーザ位置に位置するかを決定するように、及び、制御コマンドに基づいて、その1つ以上の対象物を制御するように構成されてもよい。位置特定モジュール102、202は、例えば、複数の対象物の位置を示す対象物座標を受信するように、及び、複数の対象物のうちのどれがユーザ位置の所定の近接範囲内に位置するかを決定するために、ユーザ位置のユーザ座標を、受信された対象物座標と比較するように構成されてもよい。例えば、対象物が光源であるシステムにおいて、ユーザが、音声コマンド「ライトを暗くして」を提供すると、位置特定モジュール102、104は、ユーザの位置を決定してもよく、対象物の位置を記憶しているメモリにアクセスすることによって、どの対象物(光源)がユーザの所定の近接範囲内にあるかを決定してもよい。プロセッサ104、204は、所定の近接範囲内に位置する光源を暗くする制御コマンドを生成して送信してもよい。更には、位置モジュールは、ユーザ位置と対象物との間の距離を決定するように構成されてもよく、プロセッサは、ユーザ位置からの対象物の距離に基づいて、対象物を制御してもよい。例えば、ユーザの近傍に位置する光源は、50%減光されてもよく、より遠く離れた光源は25%、更に遠く離れた光源は5%減光されてもよい。
【0040】
位置決めシステム100、200は、任意の有線通信プロトコル又は無線通信プロトコルを介して、対象物に制御コマンドを送信するためのハードウェアを備えてもよい。例えば、Ethernet(登録商標)、DMX、DALI、USB、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、Li-Fi、3G、4G、又はZigBee(登録商標)である、様々な有線通信プロトコル及び無線通信プロトコルが使用されてもよい。
【0041】
プロセッサ104、204は、位置決めシステム100、200の学習モードを起動及び停止するように、更に構成されてもよい。位置決めシステム100、200が学習モードに設定されている場合、位置決めシステム100、200は、対象物の位置を決定するように構成されてもよい。位置決めシステム100、200が学習モードに設定されていない場合、位置決めシステム100、200は、ユーザから制御コマンドを受けるように構成されてもよい。学習モードは、例えば、コントローラが最初に電源投入されるとき、位置決めシステム100、200に接続されているユーザデバイス(例えば、スマートフォン)上でユーザ入力を受けたとき、位置決めシステム100、200に新たな対象物が追加されたときなどに、起動されてもよい。
【0042】
プロセッサ104、204は、音入力122、222に基づいてユーザ120、220を識別するように、及び、識別されたユーザに関連付けられているユーザプロファイルに更に基づいて、1つ以上の対象物を制御するように、更に構成されてもよい。プロセッサ104、204は、音声認識アルゴリズムを使用してユーザを識別してもよく、及び/又は、ユーザが、ユーザ識別子を提供する音声コマンド(例えば、「こちらは[ユーザの名前]です」)を提供してもよい。プロセッサ104、204は、ユーザプロファイルを記憶しているデータベースにアクセスするように構成されてもよい。ユーザプロファイルは、ユーザの選好(例えば、お気に入りの光設定)を含んでもよく、プロセッサは、これらの選好に基づいて、どのように1つ以上の対象物を制御するかを決定してもよい。
【0043】
図3a~
図3cは、ユーザ320が、その後に続けて、複数の対象物310、312、314の位置を位置決めシステム300が決定することを可能にするために、どのように音入力を提供してもよいかを示している。最初に、
図3aに示されるように、ユーザ320は、ランプ310へと移動して、第1の音入力を提供してもよい。位置決めシステム300の複数のマイクロフォン(図示せず)が、第1の音入力を受けてもよく、位置決めシステム300の位置特定モジュール(図示せず)が、第1の音入力に基づいて第1のユーザ位置を決定してもよい。位置決めシステム300のプロセッサ(図示せず)は、(例えば、第1の音入力に基づいて、又は、ランプ310から若しくはユーザデバイスから受信された信号に基づいて)ランプ310を識別して、ランプ310の位置を第1のユーザ位置に等しく設定し、ランプ310の位置をメモリに記憶してもよい。第2に、
図3bに示されるように、ユーザ320は、カウチ312へと移動して、第2の音入力を提供してもよい。位置決めシステム300の複数のマイクロフォンが、第2の音入力を受けてもよく、位置特定モジュールが、第2の音入力に基づいて第2のユーザ位置を決定してもよい。位置決めシステム300のプロセッサは、(例えば、第2の音入力に基づいて、又は、カウチ312から若しくはユーザデバイスから受信された信号に基づいて)カウチ312を識別して、カウチ312の位置を第2のユーザ位置に等しく設定し、カウチ312の位置をメモリに記憶してもよい。第3に、
図3cに示されるように、ユーザ320は、TV314へと移動して、第3の音入力を提供してもよい。位置決めシステム300の複数のマイクロフォンが、第3の音入力を受けてもよく、位置特定モジュールが、第3の音入力に基づいて第3のユーザ位置を決定してもよい。位置決めシステム300のプロセッサは、(例えば、第3の音入力に基づいて、又は、TV314から若しくはユーザデバイスから受信された信号に基づいて)TV314を識別して、TV314の位置を第3のユーザ位置に等しく設定し、TV314の位置をメモリに記憶してもよい。
【0044】
図4は、対象物の位置を決定するための方法を概略的に示している。方法は、複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9によって、ユーザ120、220からの音入力122、222を受けるステップ402と、複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9のうちの異なるマイクロフォンにおいて受けた音入力122、222間の差異に基づいて、複数のマイクロフォンM1~M6、N1~N9に対する、ユーザ120、220のユーザ位置を決定するステップ404と、対象物の識別子を受信するステップ406と、識別子に基づいて対象物を識別するステップ408と、対象物の位置をユーザ位置に等しく設定することによって、対象物の位置を決定するステップ410と、対象物の位置をメモリに記憶するステップ412とを含む。
【0045】
方法400は、コンピュータプログラム製品が、位置決めシステム100、200のプロセッサ104、204などの、コンピューティングデバイスの処理ユニット上で実行されると、コンピュータプログラム製品のコンピュータプログラムコードによって実行されてもよい。
【0046】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、むしろ例示するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替的実施形態を設計することが可能となる点に留意されたい。
【0047】
請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞「含む(comprise)」及びその活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、好適にプログラムされたコンピュータ若しくは処理ユニットによって実装されてもよい。いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、1つの同一のハードウェア物品によって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0048】
本発明の諸態様はコンピュータプログラム製品として実装されてもよく、コンピュータプログラム製品は、コンピュータによって実行され得る、コンピュータ可読記憶デバイス上に記憶されたコンピュータプログラム命令の集合であってもよい。本発明の命令は、限定するものではないが、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(dynamic link library;DLL)、又はJava(登録商標)クラスを含めた、任意の解釈可能又は実行可能なコードメカニズムであってもよい。命令は、完全に実行可能なプログラム、部分的に実行可能なプログラムとして、既存のプログラムに対する修正(例えば、アップデート)として、又は、既存のプログラムに関する拡張(例えば、プラグイン)として提供されてもよい。更には、本発明の処理の部分は、複数のコンピュータ又はプロセッサにわたって分散されてもよい。
【0049】
コンピュータプログラム命令を記憶するために好適な記憶媒体としては、限定するものではないが、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス、内蔵ハードディスクドライブ及び外付けハードディスクドライブなどの磁気ディスク、リムーバブルディスク、並びにCD-ROMディスクを含めた、全ての形態の不揮発性メモリが挙げられる。コンピュータプログラム製品は、そのような記憶媒体上に分散されてもよく、あるいは、HTTP、FTP、電子メールを通じて、又は、インターネットなどのネットワークに接続されているサーバを通じて、ダウンロードするように提供されてもよい。