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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】拡張可能なケージ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
A61F2/44
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019561227
(86)(22)【出願日】2018-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 US2018031005
(87)【国際公開番号】W WO2018208583
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-03-03
(31)【優先権主張番号】15/589,209
(32)【優先日】2017-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514046806
【氏名又は名称】メドス・インターナショナル・エスエイアールエル
【氏名又は名称原語表記】Medos International SARL
【住所又は居所原語表記】Chemin-Blanc 38, CH-2400 Le Locle, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】エングストローム・コナー
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-500707(JP,A)
【文献】特表2013-539396(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0039622(US,A1)
【文献】特表2015-500706(JP,A)
【文献】特表2014-515657(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0292796(US,A1)
【文献】国際公開第2017/066463(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
畳み込まれた構成と拡張された構成とを繰り返すように構成された椎間インプラントであって、
第1の方向に沿って互いに離間配置された第1の板及び第2の板であって、前記第1の板が、第1の骨接触面を画定し、前記第2の板が、前記第1の方向に沿って前記第1の骨接触面から離れる方を向く第2の骨接触面を画定する、第1の板及び第2の板と、
前記第1の方向に関して前記第1の板と前記第2の板との間に配設された拡張アセンブリであって、
前記第1の板を支持する第1の支持楔であって、第1の傾斜面を画定する、第1の支持楔と、
前記第2の板を支持する第2の支持楔であって、第2の傾斜面及び第3の傾斜面を画定する、第2の支持楔と、
第4の傾斜面を画定する拡張楔と、を備え、
前記第1、第2、第3、及び第4の傾斜面の各々が、前記第1の方向に対して略垂直な第2の方向に関して傾斜しており、前記第1及び第2の支持楔のうちの少なくとも一方が、前記それぞれの支持された第1又は第2の板に沿って摺動可能である、拡張アセンブリと、
アクチュエータであって、1)前記第1の骨接触面と前記第2の骨接触面との間の距離を前記第1の方向に沿って増加させるように、前記第4の傾斜面を前記第3の傾斜面に沿って乗せ、かつ2)前記第2の傾斜面を前記第1の傾斜面に沿って乗せ、それにより前記距離を更に増加させ、それにより前記椎間インプラントに前記畳み込まれた構成から前記拡張された構成まで繰り返させるように、前記拡張楔に駆動力を印加するように構成された、アクチュエータと、を備えており、
前記第1の支持楔、前記第2の支持楔、および前記拡張楔は、互いに対して移動可能である、椎間インプラント。
【請求項2】
前記距離が、前記畳み込まれた構成と前記拡張された構成との間で少なくとも2.0の倍率で増加する、請求項1に記載の椎間インプラント。
【請求項3】
前記第1、第2、第3、及び第4の傾斜面の各々が、約10度~約60度の範囲内の傾斜角で傾斜している、請求項1に記載の椎間インプラント。
【請求項4】
前記拡張楔が、前記駆動力に応答して前記第1の傾斜面に沿って乗るように構成された追加の傾斜面を画定し、前記追加の傾斜面が、約20度~約50度の範囲内の角度で傾斜している、請求項3に記載の椎間インプラント。
【請求項5】
畳み込まれた構成と拡張された構成とを繰り返すように構成された椎間インプラントであって、
第1の方向に沿って互いに離間配置された第1の板及び第2の板であって、前記第1の板が、第1の骨接触面を画定し、前記第2の板が、前記第1の方向に沿って前記第1の骨接触面から離れる方を向く第2の骨接触面を画定する、第1の板及び第2の板と、
前記第1の方向に関して前記第1の板と前記第2の板との間に配設された拡張アセンブリであって、
前記第1の板を支持する第1の支持楔であって、第1の傾斜面を画定する、第1の支持楔と、
前記第2の板を支持する第2の支持楔であって、第2の傾斜面及び第3の傾斜面を画定する、第2の支持楔と、
第4の傾斜面を画定する拡張楔と、を備え、
前記第1、第2、第3、及び第4の傾斜面の各々が、前記第1の方向に対して略垂直な第2の方向に関して傾斜しており、前記第1及び第2の支持楔のうちの少なくとも一方が、前記それぞれの支持された第1又は第2の板に沿って摺動可能である、拡張アセンブリと、
アクチュエータであって、1)前記第1の骨接触面と前記第2の骨接触面との間の距離を前記第1の方向に沿って増加させるように、前記第4の傾斜面を前記第3の傾斜面に沿って乗せ、かつ2)前記第2の傾斜面を前記第1の傾斜面に沿って乗せ、それにより前記距離を更に増加させ、それにより前記椎間インプラントに前記畳み込まれた構成から前記拡張された構成まで繰り返させるように、前記拡張楔に駆動力を印加するように構成された、アクチュエータと、を備えており、
前記椎間インプラントが前記畳み込まれた構成にあるとき、前記第1の支持楔の全体は、前記第2の方向に関して前記拡張楔の全体から離間配置され、前記第2の支持楔の少なくとも一部分は、前記第2の方向に関して前記第1の支持楔と前記拡張楔との間に配設され、
前記椎間インプラントが前記拡張された構成にあるとき、前記第1の支持楔は、前記第1の方向に関して前記拡張楔の全体の下に横たわり、前記第2の支持楔の全体は、前記第1の方向に関して前記第1の支持楔の全体から離間配置されている、椎間インプラント。
【請求項6】
前記第1の板が、前記第2の方向に沿って細長い第1のチャネルを画定し、前記第2の板が、前記第2の方向に沿って細長い第2のチャネルを画定し、前記第1及び第2のチャネルは、互いに向かって開放しており、コンパートメントを画定するように互いの上に横たわり、前記楔の各々は、前記椎間インプラントが前記畳み込まれた構成にあるとき、前記コンパートメント内に収容されている、請求項5に記載の椎間インプラント。
【請求項7】
前記第1のチャネルが、前記第2の方向と、前記第1及び第2の方向に対して垂直である第3の方向と、に沿って延在する第1の基部表面を画定し、
前記第2のチャネルが、前記第2及び第3の方向に沿って延在する第2の基部表面を画定し、前記第1及び第2の基部表面が、互いに向き合い、
前記第2の支持楔が、前記畳み込まれた構成と前記拡張された構成との間での前記椎間インプラントの拡張中に、前記第2の基部表面に沿って摺動するように構成されている楔基部表面を画定し、
前記拡張楔が、前記椎間インプラントの拡張中に、前記第1の基部表面に沿って乗るように構成されている別の楔基部表面を画定する、請求項6に記載の椎間インプラント。
【請求項8】
前記拡張楔が、前記第2の方向に関して傾斜している追加の傾斜面を更に画定し、前記椎間インプラントは、前記椎間インプラントの第1の拡張段階中に、
前記第2の傾斜面が前記第1の傾斜面に沿って乗る間、前記追加の傾斜面が、前記第2の方向に関して前記第1の傾斜面から離れ、
前記第4の傾斜面が、前記第3の傾斜面に沿って乗り、かつ
前記別の楔基部表面が、前記第1の基部表面に沿って乗る、ように構成されている、請求項7に記載の椎間インプラント。
【請求項9】
前記椎間インプラントは、前記椎間インプラントの第2の拡張段階中に、1)前記追加の傾斜面が、前記第1の傾斜面に沿って乗り、かつ2)前記第2の傾斜面が、前記第1の傾斜面から離れている、ように構成されている、請求項8に記載の椎間インプラント。
【請求項10】
前記アクチュエータは、前記第2の方向に沿って向けられた軸を中心に回転可能であり、前記アクチュエータは、前記第4の傾斜面が前記第3の傾斜面に沿って乗るにつれて、前記拡張楔を駆動して前記第2の方向に沿って並進させる、請求項1に記載の椎間インプラント。
【請求項11】
前記アクチュエータは、前記軸を中心とした前記アクチュエータの回転が、前記拡張楔を前記アクチュエータに沿ってねじ方式で並進させるように、前記拡張楔にねじ方式で連結されている、請求項1に記載の椎間インプラント。
【請求項12】
前記拡張アセンブリが、第1の拡張アセンブリであり、
前記椎間インプラントが、前記第1の方向に関して前記第1の板と前記第2の板との間に配設された第2の拡張アセンブリを更に備え、前記第2の拡張アセンブリが、前記第2の方向に沿って前記第1の拡張アセンブリから離間配置され、前記第2の拡張アセンブリが、
前記第1の板を支持する第3の支持楔であって、第5の傾斜面を画定する、第3の支持楔と、
前記第2の板を支持する第4の支持楔であって、前記第2の支持楔が、第6の傾斜面及び第7の傾斜面を画定する、第4の支持楔と、
第8の傾斜面を画定する第2の拡張楔と、を含み、
前記第5、第6、第7、及び第8の傾斜面の各々が、前記第2の方向に関して傾斜しており、前記第3及び第4の支持楔のうちの少なくとも一方が、前記それぞれの支持された第1又は第2の板に沿って摺動可能であり、
前記アクチュエータは、1)前記第1の板と前記第2の板との間の前記距離を前記第1の方向に沿って集合的に増加させるように、前記第4の傾斜面が前記第3の傾斜面に沿って乗るにつれて、前記第8の傾斜面を前記第7の傾斜面に沿って乗せ、かつ2)前記第1の板と前記第2の板との間の前記距離を前記第1の方向に沿って集合的に更に増加させるように、前記第2の傾斜面が前記第1の傾斜面に沿って乗るにつれて、前記第6の傾斜面を前記第5の傾斜面に沿って乗せ、それにより前記椎間インプラントに前記畳み込まれた構成から前記拡張された構成まで繰り返させるように、前記第2の拡張楔に第2の駆動力を印加するように構成されている、請求項1に記載の椎間インプラント。
【請求項13】
前記拡張された構成が、第1の拡張された構成であり、拡張アセンブリが、第1の拡張アセンブリであり、前記距離が、第1の距離であり、前記椎間インプラントが、
第1の側及び第2の側であって、前記第2の側が、前記第1及び第2の方向に対して略垂直である第3の方向に沿って前記第1の側から離間配置され、前記第1の距離が、前記椎間インプラントの前記第1の側で測定可能である、第1の側及び第2の側と、
前記第1の方向に関して前記第1の板と前記第2の板との間に配設された第2の拡張アセンブリであって、前記第3の方向に沿って前記第1の拡張アセンブリから離間配置され、
前記第1の板を支持する第3の支持楔であって、第5の傾斜面を画定する、第3の支持楔と、
前記第2の板を支持する第4の支持楔であって、前記第2の支持楔が、第6の傾斜面及び第7の傾斜面を画定する、第4の支持楔と、
第8の傾斜面を画定する第2の拡張楔と、を含み、
前記第5、第6、第7、及び第8の傾斜面の各々が、前記第2の方向に関して傾斜しており、前記第3及び第4の支持楔のうちの少なくとも一方が、前記第3及び第4の支持楔のうちの前記一方によって支持された前記それぞれの板に沿って摺動可能である、第2の拡張アセンブリと、
第2のアクチュエータであって、1)前記第2の側で測定可能である、前記第1の板と前記第2の板との間の第2の距離を前記第1の方向に沿って増加させるように、前記第8の傾斜面を前記第7の傾斜面に沿って乗せ、かつ2)前記第1の板と前記第2の板との間の前記第2の距離を前記第1の方向に沿って更に増加させるように、前記第6の傾斜面を前記第5の傾斜面に沿って乗せ、それにより前記椎間インプラントに前記畳み込まれた構成から前記第2の拡張された構成まで繰り返させるように、前記第2の拡張楔に第2の駆動力を印加するように構成され、前記第2の拡張された構成において、前記第2の距離は、前記第1及び第2の板のうちの一方が、前記第1及び第2の板のうちの他方に関して傾いているように、前記第1の距離とは異なっている、第2のアクチュエータと、を更に備える、請求項1に記載の椎間インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張可能な椎間インプラントに関し、具体的には、一対の終板(そのうちの少なくとも1つは、互いに対して独立して拡張可能かつ回転可能である)を有するインプラント及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
椎間板が変性した場合、椎間板の除去が望ましいことが多い。このような症状の治療に脊椎固定術が使用される場合もあり、変性椎間板を、椎間板腔の高さを復元し、装置を通って骨が成長して、隣接する椎骨を融合することができる、ケージ又は他のスペーサなどの装置に置き換えることを含む。脊椎固定術は、正常な脊椎アライメント(normal spinal alignment)を復元し、適正な融合のために脊髄分節を安定化させ、最適な融合環境を作り出そうとしており、また、脊髄脈管系、硬膜、及び神経要素への損傷を最小限にすることにより、早期運動療法(early active mobilization)を可能にする。脊椎固定術がこれらの目的を満たすとき、治癒が早まり、患者の機能、快適性、及び運動性が改善される。椎間板腔の中に押し込まれ、隣接する椎体からインプラントの上表面及び下表面を通って骨が成長することを可能にするスペーサ装置は、当該技術分野において既知である。それにもかかわらず、措置上の侵襲性を最小限にしつつも、脊髄分節を安定化させ、かつ脊椎固定術のために最適な空間を作り出す装置に対する必要性が引き続き存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施形態によれば、畳み込まれた構成と拡張された構成とを繰り返すように構成されている椎間インプラントは、第1の板と、第1の方向に沿って互いに離間配置された第2の板とを含む。第1の板は、第1の骨接触面を画定し、第2の板は、第1の方向に沿って第1の骨接触面から離れる方を向く第2の骨接触面を画定する。インプラントは、第1の方向に関して第1の板と第2の板との間に配設された拡張アセンブリを含む。拡張アセンブリは、第1の板を支持し、第1の傾斜面を画定する第1の支持楔と、第2の板を支持し、第2の傾斜面及び第3の傾斜面を画定する第2の支持楔とを含む。拡張アセンブリは、第4の傾斜面を画定する拡張楔を含み、第1、第2、第3、及び第4の傾斜面の各々は、第1の方向に対して略垂直な第2の方向に関して傾斜している。第1及び第2の支持楔のうちの少なくとも一方は、それぞれの支持された第1又は第2の板に沿って摺動可能である。インプラントは、アクチュエータであって、1)第1の骨接触面と第2の骨接触面との間の距離を第1の方向に沿って増加させるように、第4の傾斜面を第3の傾斜面に沿って乗せ、かつ2)第2の傾斜面を第1の傾斜面に沿って乗せ、それにより距離を更に増加させ、それによりインプラントに畳み込まれた構成から拡張された構成まで繰り替えさせるように、拡張楔に駆動力を印加するように構成された、アクチュエータを含む。
【0004】
本開示の別の実施形態によれば、椎間腔への横方向挿入のためのインプラントは、垂直方向に関して第1の終板と第2の終板との間に配設された拡張機構を含む。第1の終板は、第1の骨接触面を画定し、第2の終板は、垂直方向に沿って第1の骨接触面から離れる方を向く第2の骨接触面を画定する。拡張機構は、第1の軸に沿って配置された前方作動アセンブリと、第2の軸に沿って配置された後方作動アセンブリとを含む。第1及び第2の軸は各々、垂直方向に対して略垂直である長手方向に沿って向けられている。第1及び第2の軸は、垂直方向及び長手方向に対して略垂直である横断方向に沿って互いに離間配置される。垂直方向に沿った第1の骨接触面と第2の骨接触面との間の第1の距離は、第1の軸と交差し、垂直方向に沿った第1の骨接触面と第2の骨接触面との間の第2の距離は、第2の軸と交差する。前方及び後方作動アセンブリは各々、第1の終板を支持する第1の支持楔と、第2の終板を支持し、かつ第1の支持楔に対して摺動可能である第2の支持楔とを含む。また作動アセンブリは各々、第2の支持楔に対して摺動可能である拡張楔と、拡張楔に連結された駆動シャフトであって、1)拡張楔を第2の支持楔に沿って乗せ、かつ2)第2の支持楔を第1の支持楔に沿って乗せ、それによりそれぞれの第1又は第2の距離を変化させるように、それぞれの第1の軸又は第2の軸を中心に回転可能である、駆動シャフトとを含む。前方及び後方作動アセンブリの駆動シャフトは、第1の距離と第2の距離との間に差異を提供するように、互いに独立して回転可能である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
上記の概要、及び本願の椎間インプラントの例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことでより良く理解されるであろう。本願の拡張可能な椎間インプラントを説明する目的で、図面に例示的な実施形態が示されている。しかしながら、本出願が示される正確な配置及び手段に限定されないことを理解されたい。図面は、以下のとおりである。
図1】本開示の第1の例示的実施形態による、隣接する椎体間に位置付けられたインプラントの端面図であり、インプラントは、畳み込まれた構成にある。
図2】畳み込まれた構成で示される、図1のインプラントの斜視図である。
図3】畳み込まれた構成で示される、図1のインプラントの端面図である。
図4】畳み込まれた構成で示される、図1に示されるインプラントの長手方向断面図である。
図5図1のインプラントの部分分解斜視図であり、インプラントの骨接合板は、畳み込まれた構成にあるインプラントの内部拡張機構を示す様式で分離されている。
図6図1のインプラントの分解図である。
図7図6に示される骨接合板のうちの一方の末端部分の拡大図である。
図8図6に示される他方の骨接合板の末端部分の逆斜視図である。
図9図5及び図6に示される拡張機構のアクチュエータ部材の長手方向側面図である。
図10図5及び図6に示される拡張アセンブリの第1の拡張楔の斜視図である。
図11図10の第1の拡張楔の別の斜視図である。
図12図10の第1の拡張楔の側面図である。
図13図10図12に示される第1の拡張楔の変化形の斜視図である。
図14図13の第1の拡張楔の変化形の別の斜視図である。
図15図13の第1の拡張楔の変化形の側面図である。
図16図5及び図6に示される拡張アセンブリの第2の拡張楔の斜視図である。
図17図16の第2の拡張楔の別の斜視図である。
図18図16の第2の拡張楔の側面図である。
図19図5及び図6に示される拡張アセンブリの第3の拡張楔の斜視図である。
図20図19の第3の拡張楔の別の斜視図である。
図21図19の第3の拡張楔の側面図である。
図22図5及び図6に示される拡張アセンブリの第4の拡張楔の斜視図である。
図23図22の第4の拡張楔の別の斜視図である。
図24図22の第4の拡張楔の側面図である。
図25図22の第4の拡張楔の前端面図である。
図26図5及び図6に示される拡張アセンブリの第1の拡張段階中の第1及び第4の楔の部分側断面図である。
図27】拡張アセンブリの第1の拡張段階と第2の拡張段階との間にある、図26の第1及び第4の楔の部分側断面図である。
図28】拡張アセンブリの第2の拡張段階中の第1及び第4の楔の部分側断面図である。
図29図5及び図6の拡張アセンブリの内部端の斜視図であり、拡張アセンブリは、拡張された構成及び前弯構成で示される。
図30図5及び図6に示される作動アセンブリの側面図であり、近位拡張アセンブリが畳み込まれた構成で示され、遠位拡張アセンブリが比較のために完全に拡張された構成で示される。
図31】畳み込まれた構成にあるインプラントを示す、図4の長手方向断面図の拡大図である。
図32】部分的に拡張された構成にある図1のインプラントの斜視図である。
図33図32に示されるインプラントの端面図である。
図34図33の切断線34-34に沿って取った、図32及び図33に示されるインプラントの長手方向断面図である。
図35】完全に拡張された構成で示される、図1のインプラントの長手方向断面図である。
図36図35に示されるインプラントの斜視図である。
図37図36に示されるインプラントの端面図である。
図38】部分的に拡張された前弯構成で示される、図1のインプラントの斜視図である。
図39】例示目的のために骨接合板が除去された状態で示される、図38のインプラントの斜視図である。
図40図38のインプラントの端面図である。
図41】楔部材のうちの一方が他方に対して回転することを示す、図5及び図6に示される作動アセンブリの一対の楔部材の端面図である。
図42】本開示の第2の例示的実施形態による、畳み込まれた構成にあるインプラントの斜視図である。
図43】インプラントの骨接合板が、畳み込まれた構成にあるインプラントの内部拡張機構を示す様式で分離された状態で、かつ骨接合板のうちの頂部の1つが、骨接合板の内面を示す本のような様式で開いた状態で示される、図42のインプラントの別の斜視図である。
図44】拡張機構の駆動シャフトに沿って位置付けられた、図43の拡張機構の一対の楔部材の斜視図である。
図45】楔部材のうちの一方が、駆動シャフトを中心として他方の楔部材に対して回転した状態で示される、図44の楔部材の別の斜視図である。
図46図44の楔部材の分解斜視図である。
図47】例示目的のために骨接合板のうちの一方が除去された状態で完全に拡張された構成で示される、図42のインプラントの斜視図である。
図48】前弯構成にある図42のインプラントの端面図である。
図49図48のインプラントの部分分解斜視図である。
図50図38に示されるインプラントを拡張するように構成された駆動ツールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、本開示の一部を形成する、添付図面及び実施例に関連して取られる以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解することができる。本開示は、本明細書に記載する及び/又は示す特定の装置、方法、用途、条件又はパラメータに限定されるものではなく、本明細書で使用される専門用語は実施例を用いて具体的な実施形態を記載する目的のためだけのものであり、本開示の範囲を制限することを意図するものではないことが理解すべきである。また、添付の請求項を含む明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は複数を含み、特定の数値への言及は、文脈により明確に別様に指示されない限り、少なくともこの特定の値を含む。「複数」という用語は、本明細書で使用される場合、1つよりも多いことを意味する。値の範囲が表されている場合、別の実施形態においては、ある特定の値から、及び/又は他の特定の値までが含まれる。同様に、先行する「約」によって値が近似の形式で表現された場合、その特定値により別の実施形態が形成されることが理解されるであろう。範囲はいずれも包括的であり、組み合わせが可能である。
【0007】
図1を参照すると、上方椎体2及び隣接する下方椎体4は、椎体2と椎体4との間に延在する椎間腔5を画定する。上方椎体2は、上方椎骨表面6を画定し、隣接する下方椎体4は、下方椎骨表面8を画定する。椎体2及び4は、解剖学的に隣接する椎体であっても、ある中間椎体がこの椎体2と椎体4との間の部位から除去された後の残りの椎体であってもよい。椎間板切除術後の図1の椎間腔5が示されており、この椎間板切除術により、椎間板物質が除去されるか、又は少なくとも部分的に除去され、拡張可能な椎間インプラント10を受容するための椎間腔5が用意される。インプラント10は、畳み込まれた構成で示されており、この構成では、インプラント10は、椎間腔5内での横方向(すなわち、内側-外側の軌道に沿った)挿入のために構成されていてもよい。
【0008】
椎間腔5に挿入された後、インプラント10は、適切な高さの修復を達成するために、畳み込まれた構成と完全に拡張された構成との間で、頭側-尾側(すなわち、垂直)方向に拡張されても、別の方法で繰り替えされてもよい。加えて、以下により詳細に開示されるように、インプラント10の側面のうちの1つは、脊柱前弯又は脊柱後弯を達成するために、反対側よりも大きい程度まで垂直に拡張されてもよい。椎間腔5は、所望により、脊椎の腰椎領域、胸椎領域、及び頸椎領域を含む、脊椎に沿った任意の箇所に配設され得る。インプラント10の特定の機構は、その開示全体がこの参照により本明細書に組み込まれる、Millerの名義で2014年8月28日に公開された米国特許公開第2014/0243982A1号に記載のものと同様であり得ることを理解されたい。
【0009】
以下の説明では、特定の専門用語は、単に便宜上使用されるに過ぎず、限定ではない。「右」、「左」、「下方」、及び「上方」という用語は、参照される図面内での方向を指定する。「内側」、「内部(internal)」、及び「内部(interior)」という用語は、インプラント10の幾何学中心に向かう方向を指し、「外側」、「外部(external)」、及び「外部(exterior)」という用語は、インプラントの幾何学中心から離れる方向を指す。「前方」、「後方」、「上方」、「下方」、「内側」、「外側」という用語、並びに関連の用語及び/又は表現は、参照される人体における様々な位置及び向きを指定するために使用される。インプラント10又はその構成要素に関連してこれらの単語が使用される場合、それらは、図1に示されるように体内に埋め込まれたインプラント10の相対位置を指すと理解されるべきである。専門用語には、上記の語、その派生語、及び同様の意味を有する語が含まれる。
【0010】
インプラント10は、長手方向「L」及び横断方向「T」に沿って水平に、かつ垂直方向「V」に沿って垂直方向に延在するものとして本明細書に記載されている。長手方向Lは、横断方向T及び垂直方向Vの各々に対して少なくとも略垂直であり得る。横断方向Tは、長手方向L及び垂直方向Vの各々に対して少なくとも略垂直であり得る。垂直方向Vは、長手方向L及び横断方向Tの各々に対して少なくとも略垂直であり得る。本明細書において別途記載のない限り、「長手方向」、「横断方向」、及び「垂直」という用語は、インプラント10が椎間腔5内に位置するように構成されている向きに関して、様々なインプラント構成要素及びインプラント構成要素の軸の直交する方向成分を説明するために使用されるが、そのような方向に関する用語は、その実際の向きにかかわらず、インプラントに関して一貫して使用されてもよい。加えて、長手方向L及び横断方向Vが、水平面(本明細書では、「長手方向-横断面」とも称される)に沿って延在し、それを画定するものとして示され、かつ垂直方向が、垂直面(それぞれ本明細書で言及される「垂直-長手方向面」又は「垂直-横断面」のいずれかなど)に沿って延在するものとして示されている一方で、様々な方向を包含する平面は、使用中に異なってもよいことを理解されたい。例えば、インプラント10が椎間腔5内に挿入されるとき、垂直方向Vは概ね、上方-下方(又は尾側-頭側)方向に沿って延在し、長手方向Lは概ね、内側-外側方向に沿って延在し、横断方向Lは概ね、前方-後方方向に沿って延在する。したがって、水平面は概ね、前方-後方方向及び内側-外側方向によって画定される解剖学的平面内にある。したがって、「垂直」、「長手」、「横断」、及び「水平」という方向に関する用語は、単に明確にすること及び説明すること、並びにそのような用語を目的として、示されるインプラント10及びその構成要素を説明するために使用されてもよい。上記を念頭に置いて、インプラント10を参照して使用される場合、「拡張する」及び「拡張」という用語は、垂直方向Vに沿った拡張を指す。
【0011】
ここで図2を参照すると、第1の実施形態によるインプラント10は、長手方向Lに沿って互いに離間配置された近位端12及び遠位端14を画定することができる。具体的に言えば、遠位端14は、近位端12から遠位方向に離間配置されてもよく、近位端12は、遠位端14から遠位方向とは反対側の近位方向に離間配置されてもよい。したがって、本明細書で使用される場合、「長手方向L」という用語は、双方向であり、かつ一方向の遠位方向及び対向する近位方向によって画定される。加えて、インプラント10は、横断方向Tに沿って互いに離間配置された前方側16及び後方側18を画定することができる。具体的に言えば、前方側16は、後方側18から前方方向に離間配置されてもよく、後方側18は、前方側16から前方方向とは反対側の後方方向に離間配置されてもよい。したがって、本明細書で使用される場合、「横断方向T」という用語は、双方向であり、かつ一方向の前方方向及び対向する後方方向によって画定される。
【0012】
インプラント10は、垂直方向Vに沿って互いに離間配置された第1の又は下方板20及び第2の又は上方板22を含んでもよい。下方板20及び上方板22は、「終板」と称され得る。下方板20は、第1の又は下方板本体24を画定することができ、上方板22は、第2の又は上方板本体26を画定することができる。下方板本体24は、その外部に第1の又は下方骨接触面28を画定することができる。上方板本体26は、図3に示されるように、その外部に第2の又は上方骨接触面30を画定することができる。下方骨接触面28及び上方骨接触面30は、互いに離れる方を向いていてもよい。具体的に言えば、上方骨接触面30は、上方椎骨2の上方椎骨表面6の方を向いていてもよく、下方骨接触面28は、下方椎体4の下方椎骨表面8の方を向いていてもよい。下方骨接触面28及び上方骨接触面30は各々、実質的に平面であってもよいが、他の実施形態では、各骨接触面28、30は、例えば、少なくとも部分的に凸状であってもよく、かつ、インプラント10が椎間腔5内に挿入されたときに、それぞれの椎体2、4と係合するように構成されている、スパイク、隆起部、錐体部、かかり、くぼみ部、又はこぶなどのテクスチャ(図示せず)を少なくとも部分的に画定することができる。
【0013】
インプラント10が畳み込まれた構成にあるとき、下方骨接触面28及び上方骨接触面30は、非限定的な例として、垂直方向Vに沿って約5mm~約20mmの範囲内の距離Dだけ互いに離間配置されてもよいが、他のサイズも本開示の範囲内である。加えて、インプラント10が畳み込まれた構成にあるとき、下方骨接触面28及び上方骨接触面30は、いずれも横断方向Tに対して互いに平行であってもよく、したがって、中立した(すなわち、前弯でも後弯でもない)畳み込まれたプロファイルを有してもよい。本明細書で使用される場合、「脊柱前弯」、「脊柱後弯」という用語、及びそれらのそれぞれの派生語は、互換的に使用することができ、各用語は、インプラント10の任意の構成を指し、下方骨接触面28及び上方骨接触面30は、垂直-横断面内で互いに対して角度付けられている。
【0014】
下方板本体24及び上方板本体26は、インプラント10の近位端12及び遠位端14が各板20、22又は板本体24、26の近位端12及び遠位端14として特徴付けられ得るように、互いの上に横たわっていてもよいことを理解されたい。同様に、インプラント10の前方側16及び後方側18もまた、各板20、22又は板本体24、26の前方側16及び後方側18として特徴付けられ得る。
【0015】
図2及び図3に示されるように、インプラント10の近位端12は、インプラント10を椎間腔内に挿入するように構成された挿入器具を受容するための連結開口部32などの連結機構を含んでもよい。連結開口部32は、下方板本体24及び上方板本体26によって集合的に画定され得る。インプラント10はまた、垂直方向Vに沿って下方板本体24及び上方板本体26を通って延在する1つ又は2つ以上の垂直開口部34(図2)を画定することができる。垂直開口部34は、互いに及び連結開口部32と連通していてもよく、上方椎体2及び下方椎体4との融合のためにインプラント10の拡張後に骨成長物質を受容するように構成されていてもよい。
【0016】
引き続き図2を参照すると、インプラント10は、各々が長手方向Lに沿って細長く、かつ横断方向Tに対して垂直開口部34の反対側に位置する、前方部分36及び後方部分38を概ね画定することができる。インプラント10はまた、垂直開口部34から遠位方向に離間配置された遠位部分40を概ね画定することができる。インプラント10の遠位端14はまた、インプラント10の「挿入端」とも称され得る。挿入を容易にするために、上方板本体12及び下方板本体18は各々、遠位端14に隣接するテーパ状表面42を画定することができ、各テーパ状表面42は、図2及び図4に示されるように、遠位方向に傾斜している。
【0017】
ここで図5及び図6を参照すると、下方板本体24及び上方板本体26の各々は、垂直方向Vに関して、それぞれの骨接触面28、30とは反対側の内面44を画定することができる。加えて、下方板本体24及び上方板本体26の内面44は各々、1つ又は2つ以上の内部接触面46を画定することができる。インプラント10が畳み込まれた構成にあるとき、上方板本体26の内部接触面46は、下方板本体24の内部接触面46に当接することができる。下方板本体24及び上方板本体26の内面44は、以下により詳細に説明されるように、垂直方向Vに沿ってインプラント10を拡張させる様式で楔51、52、53、54などの拡張部材を互いに対して移動させるように構成されている拡張機構48に連結され、かつそれと相互作用するように構成されていてもよい。
【0018】
各板本体24、26の内面44はまた、各々が長手方向Lに沿って細長い前方チャネル56及び後方チャネル58を画定することができる。各板20、22の前方チャネル56及び後方チャネル58は、垂直方向Vに沿って、内部接触面46からそれぞれの骨接触面28、30に向かって、それぞれの板本体24、26内に延在してもよい。板12、18の前方チャネル56は、インプラント10の前方部分36内に位置してもよく、板12、18の後方チャネル58は、インプラント10の後方部分38内に位置してもよい。板12、18の前方チャネル56は、インプラント10の第1の又は前方コンパートメント60を少なくとも部分的に画定するように互いの上に横たわってもよい一方で、板12、18の後方チャネル58は、インプラント10の第2の又は後方区画62を少なくとも部分的に画定するように互いの上に横たわってもよい(図3)。前方コンパートメント60及び後方コンパートメント62は、拡張機構48の構成要素を収容するように構成されていてもよい。したがって、コンパートメント60、62は、「拡張コンパートメント」と称され得る。
【0019】
図7の拡大図でより明確に示されるように、前方チャネル56及び後方チャネル58は各々、横断方向Tに沿って離間配置された対向する前方側壁64と後方側壁66との間に延在してもよい。各チャネル56、58はまた、内部接触面46からチャネル56、58の基部表面68まで垂直方向Vに沿って延在してもよい。したがって、各チャネル56、58の基部表面68は、それぞれの内部接触面46からそれぞれの骨接触面28、30に向かって、板本体24、26内に垂直に陥凹しているものとして特徴付けられ得る。各チャネルの基部表面68は、長手方向L及び横断方向Tに沿って延在してもよく、所望により実質的に平面であってもよい。
【0020】
各チャネル56、58はまた、基部表面68から骨接触面28、30に向かって陥凹している、ガイド溝70などのガイド機構を含んでもよい。チャネル56、58の各ガイド溝70はまた、「板ガイド溝」70とも称され得る。板ガイド溝70は、チャネル56、58内での拡張機構48の1つ又は2つ以上の構成要素の、長手方向Lに沿った移動をガイドするように構成された幾何学的形状を有してもよい。所望により、板ガイド溝70はまた、そのような構成要素との垂直方向Vの機械的干渉を、関連する板20、22の内部接触面46に向けて提供するように構成されていてもよい。別の言い方をすれば、板ガイド溝70は、所望により、構成要素が板ガイド溝70から(及び拡張によってチャネル56、58から)脱係合するのを防止する様式で、板本体24、26が拡張機構48の上記構成要素と連動するような幾何学的形状を有してもよい。したがって、板ガイド溝70はまた、保持機構としても特徴付けられ得る。例えば、板ガイド溝70は、示されるように、垂直-横断面内に蟻継ぎプロファイルを有してもよい。しかしながら、板ガイド溝70の他のプロファイル及び幾何学的形状が、本開示の範囲内であることを理解されたい。
【0021】
下方板本体24及び上方板本体26の内面44はまた、特に畳み込まれた構成で、下方板本体24及び上方板本体26を一緒に連結するための1つ又は2つ以上の連結機構を画定することができる。板本体14、20の連結機構は、様々な操作段階を通してインプラント10を安定化させる様式で互いの中に入れ子になるように構成されていてもよい。例えば、図5及び図6に示されるように、下方板本体24の遠位部分40において、内面44は、第1の横方向へ切った溝72、第1の横方向へ切った溝72から遠位方向に離間配置された第2の横方向へ切った溝74、及び第1の横方向へ切った溝72と第2の横方向へ切った溝74との間に位置付けられた横断壁76を画定することができる。横断壁76は、前方壁端78と後方壁端80との間で横断方向Tに沿って延在してもよい。
【0022】
図8に示されるように、上方板本体26の遠位部分40において、内面44は、第1の横断突出部82、及び第1の横断突出部82から遠位方向に離間配置された第2の横断突出部84を画定することができる。第1の横断突出部82及び第2の横断突出部84の各々は、上方板本体26から、その内部接触面46を越えて、下方板本体24に向かって突出し得る。第1の横断突出部82及び第2の横断突出部84は各々、前方端86と後方端88との間で横断方向Tに沿って延在してもよく、近位面90と遠位面92との間で長手方向Lに沿って延在してもよい。インプラント10が畳み込まれた構成にあるとき、上方板本体26の第1の横断突出部82及び第2の横断突出部84はそれぞれ、下方板本体24の第1の横方向へ切った溝72及び第2の横方向へ切った溝74内に入れ子になってもよい(図4)。インプラント10が畳み込まれた構成から拡張するにつれて、横断突出部82、84及び横方向へ切った溝72、74は、インプラントを効果的に安定化させ、下方板本体24と上方板本体26との間の、長手方向Lに沿った相対的な移動を阻止することができる。
【0023】
再び図5及び図6を参照すると、拡張機構48は、下方板20と上方板22との間に位置付けられてもよい。示される実施形態では、拡張機構48は、医師によって印加される1つ又は2つ以上の回転入力を、垂直方向Vに沿って1つ又は2つ以上の対応する線形拡張力に変換するように構成されていてもよい。拡張機構48は、各々が回転入力を垂直方向Vに沿って線形拡張力に変換するように構成された1つ又は2つ以上の作動アセンブリ94、96を含んでもよい。示されるように、拡張機構48は、第1の又は前方作動アセンブリ94と、横断方向Tに沿って互いに離間配置された第2の又は後方作動アセンブリ96とを含んでもよい。前方作動アセンブリ94は、インプラント10の前方部分36を垂直方向Vに沿って拡張するように、第1の回転入力Rを、垂直方向Vに沿って複数の線形拡張力Z、Z、Z、Zに変換するように構成されていてもよい。同様に、後方作動アセンブリ96は、インプラント10の後方部分38を垂直方向Vに沿って拡張するように、第2の回転入力Rを、垂直方向Vに沿って複数の線形拡張力Z、Z、Z、Zに変換するように構成されていてもよい。
【0024】
前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96は、医師によって所望される場合、垂直方向に沿ってインプラント10の均一又は不均一な拡張又は収縮を提供するように駆動されてもよい。例えば、作動アセンブリ94、96のいずれも、他方と独立して駆動されてもよい。独立して駆動されるとき、前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96は、以下により詳細に説明されるように、インプラント10の前方部分36及び後方部分38を、垂直方向Vに沿って異なる拡張された高さまで拡張し、椎間腔5内に前弯プロファイルを有するインプラント10を提供することができる。したがって、インプラント10は、椎間腔内での垂直の拡張、及び互いに独立したインプラント10の前弯角度の調節を可能にする。
【0025】
前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96は、実質的に同様に構成されていてもよく、したがって、作動アセンブリ94、96の対応する構成要素及び機構を参照して、同じ参照番号が本明細書で使用される。各作動アセンブリ94、96は、図9にも示されるように、駆動シャフト98などのアクチュエータを含んでもよい。各駆動シャフト98は、長手方向Lに沿って延在する中央シャフト軸Xを画定することができ、また近位端100、及び中央シャフト軸Xに沿って互いに離間配置された遠位端102も画定することができる。
【0026】
引き続き図9を参照すると、駆動シャフト98は、長手方向Lに沿って1つ又は2つ以上の線形駆動力F、Fを伝達するように構成された1つ又は2つ以上のねじ付き部分104、106を含んでもよい。例えば、駆動シャフト98は、第1の又は近位ねじ付き部分104と、近位ねじ付き部分104から中央シャフト軸Xに沿って遠位方向に離間配置された第2の又は遠位ねじ付き部分106とを含んでもよい。近位ねじ付き部分104及び遠位ねじ付き部分106のねじ山は、異なるねじ特質を有してもよい。例えば、示される実施形態では、近位ねじ付き部分104は、遠位ねじ付き部分106の方向とは反対側の方向を向いたねじパターンを画定する。このようにして、駆動シャフト98が回転すると、近位ねじ付き部分104は、第1の線形駆動力Fを提供することができ、遠位ねじ付き部分106は、第2の線形駆動力Fを提供することができ、第1及び第2の線形駆動力F、Fは、互いに相反するものであってもよい。
【0027】
駆動シャフト98は、近位ねじ付き部分104と遠位ねじ付き部分106との間に位置付けられた中間部分108を含んでもよい。近位ねじ付き部分104のねじ山は、中間部分108で遠位ねじ付き部分106のねじ山と実質的に近接していてもよい。したがって、中間部分108は、ねじ付き部分104とねじ付き部分106との間の境界を画定することができる。示される実施形態では、中間部分108は、近位ねじ付き部分104及び遠位ねじ付き部分106の各々の内部端として特徴付けられ得る一方で、駆動シャフト98の近位端100は、近位ねじ付き部分104の外部端を画定することができ、駆動シャフト98の遠位端102は、遠位ねじ付き部分106の外部端を画定することができる。更に、示される実施形態では、前方及び後方駆動シャフト98の中間部分108は、長手方向Lに関してインプラント10の中心又は中点を画定することができる。したがって、駆動シャフト98(及びその上に位置付けられた任意の構成要素)の各ねじ付き部分104、106に関して、外部長手方向Lは、内部端108から外部端100、102まで延在し、内部長手方向Lは、外部端100、102から内部端108まで延在する。
【0028】
ヘッド110は、駆動シャフト98の遠位端102に位置してもよく、遠位ねじ付き部分106と近接してもよい。ヘッド110は、駆動シャフト98と一体であっても、遠位ねじ付き部分106にねじ方式で連結されたナットなどの別個の構成要素であってもよい。ヘッド110は、近位端112、及び近位端112から長手方向Lに沿って離間配置された遠位端114を画定することができる。ナットソケット116などの駆動連結部は、駆動シャフト98の近位端100にねじ方式で連結されてもよく、かつ近位ねじ付き部分104と近接してもよい。ナットソケット116は、ナットソケット116の近位端120からその遠位端122に向かって延在するソケット開口部118を画定することができる。ソケット開口部118は、描写されるように、六角ソケットを画定することができるが、医師によって操作される駆動ツールへの接続のために、他のソケット構成が用いられてもよい。
【0029】
再び図5及び図6を参照すると、各作動アセンブリ94、96は、垂直方向Vに沿って拡張する1つ又は2つ以上の拡張アセンブリ124、126(「楔アセンブリ」とも称される)を含んでもよい。例えば、第1の又は近位楔アセンブリ124は、駆動シャフト98の近位ねじ付き部分104と係合することができ、第2の又は遠位楔アセンブリ126は、駆動シャフト98の遠位ねじ付き部分106と係合することができる。図6では、後方作動アセンブリ96の近位楔アセンブリ124が破線で特定される一方で、前方作動アセンブリ94の遠位楔アセンブリ126が破線で特定される。近位楔アセンブリ124及び遠位楔アセンブリ126は、それぞれの前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96のサブアセンブリとして特徴付けられ得る。加えて、各作動アセンブリ94、96内で、近位楔アセンブリ124及び遠位楔アセンブリ126は、所望により、駆動シャフト98の中間部分108に位置付けられた垂直-横断面を中心にした互いの実質的な鏡像であってもよい。別の言い方をすれば、遠位楔アセンブリ126は、近位楔アセンブリ126と実質的に同一(又は少なくとも実質的に同一)に構成されていてもよく、主な差異は、遠位楔アセンブリ126が長手方向Lに関して裏返しであることである。近位楔アセンブリ124及び遠位楔アセンブリ126のいくつかのわずかな差異は、以下により完全に記載される。
【0030】
各近位アセンブリ124及び遠位楔アセンブリ126は、垂直方向Vに沿ってそれらの集合的な高さを増加させるように、互いに対して可動である複数の拡張部材、又は楔51、52、53、54を含んでもよい。例えば、拡張部材は、第1の楔51、第2の楔52、第3の楔53、及び第4の楔54を含んでもよい。楔51、52、53、54のうちの1つ又は2つ以上は、駆動シャフト98のそれぞれのねじ付き部分104、106と係合することができる。
【0031】
図4を参照すると、インプラント10が畳み込まれた構成にあるとき、第1の楔51は、駆動シャフト98のそれぞれのねじ付き部分104、106の外部端に隣接して位置付けられてもよく、第2の楔52は、第1の楔51から内部長手方向Lに離間配置されてもよく、第3の楔53は、第2の楔52から内部長手方向Lに離間配置されてもよく、第4の楔54は、第3の楔53から内部長手方向Lに離間配置されてもよい。したがって、第1の楔51は、「最外部の」楔として特徴付けられ得る一方で、第4の楔54は、「最内部の」楔として特徴付けられ得るが、他の構成もまた可能である。加えて、楔51、52、53、54は、各楔アセンブリ124、126に、長手方向L及び垂直方向Vへの入れ子式の可動性を提供する幾何学的形状を画定することができる。別の言い方をすれば、楔51、52、53、54は、以下により詳細に記載されるように、楔51、52、53、54が互いに係合するにつれて、それらの集合的な高さが増加する一方で、それらの集合的な長さが減少する(逆もまた同様である)ように、成形されてもよい。
【0032】
ここで図10図12を参照すると、第1の楔51は、内部端130、及び長手方向Lに沿って内部端130から離間配置された外部端132を画定する第1の楔本体128を有してもよい。第1の楔本体128はまた、横断方向Tに沿って互いに離間配置された前方側面134及び後方側面136も画定することができる。第1の楔本体128の外部端132は、垂直方向Vに沿って本体128の上方頂端140と底面又は基部表面142との間に延在する外面138を画定することができる。外面138は、実質的に平面であってもよいが、他の幾何学的形状も本開示の範囲内である。外面138は、患者内でのインプラント10の操作中の、第1の楔本体128の外部長手方向Lへの運動を制限又は防止する様式で、インプラント10の別の構成要素に当接するように構成されていてもよい。例えば、近位楔アセンブリ124では、第1の楔51の外面138は、非限定的な例として、ナットソケット116の遠位端122に当接するように構成されていてもよい。
【0033】
上方頂端140は、第1の楔本体128の外部端132に位置してもよい。第1の楔本体128の基部表面142は、下方板本体24のそれぞれの前方チャネル56又は後方チャネル58の基部表面68と係合するように構成されていてもよい。第1の楔本体128の基部表面142の少なくとも一部分は、実質的に平面であってもよく、例えば、少なくともインプラント10の組み立て中に、それぞれのチャネル56、58の基部表面68を少なくとも部分的に横断して並進するように構成されていてもよい。他の実施形態では、それぞれのチャネル56、58内の定位置に入った後、第1の楔51は、溶着、ろう付け、粘着剤、又は機械的締着具などによって下方板本体24に固定されてもよい。更なる実施形態では、第1の楔51は、下方板本体24と一体であってもよい。第1の楔51は、下方板本体24を「支持する」ものとして特徴付けられ得るため、第1の楔51は、本明細書では「支持部材」又は「支持楔」と称され得る。
【0034】
示される実施形態では、第1の楔51はまた、例えば、インプラント10の組み立て中に、関連するチャネル56、58の板ガイド溝70内で並進するように構成されている、ガイド突出部144などの第1の又は下方ガイド要素を含んでもよい。ガイド突出部144は、第1のガイド本体128の基部表面142から延在してもよい。ガイド突出部144の底面146は、第1の楔51の最底部分及びそれぞれの楔アセンブリ124、126の最底部分を画定することができる。ガイド突出部144は、それぞれのチャネル56、58内での長手方向Lに沿った第1の楔本体128の移動をガイドするように構成されている幾何学的形状を有してもよい。加えて、第1の楔本体128のガイド突出部144及び下方板本体24のそれぞれのガイド溝70は、第1の楔本体128及び下方板本体24が垂直方向Vに沿って脱離するのを防止する様式で第1の楔本体128が下方板本体24と連動するように、協働的に成形されてもよい。例えば、ガイド突出部144及び板ガイド溝70は、示されるように、垂直-横断面内に対応する蟻継ぎプロファイルを有してもよいが、他の幾何学的形状も本開示の範囲内である。このようにして、第1の楔51は、長手方向に可動であるが、下方板本体24のそれぞれのチャネル56、58内では実質的に垂直方向に不動であり得る。したがって、ガイド突出部144はまた、第1の楔51の保持機構としても特徴付けられ得る。加えて、ガイド突出部144のプロファイル及び板ガイド溝70のプロファイルは、例えば、第1の楔51及び下方板本体24が、拡張中及び所望により脊柱前弯中に、中央シャフト軸Xを中心に同じ角度位置を維持することができるように、第1の楔51及び下方板本体24が互いに回転式で連動することを可能にすることができる。他の実施形態では、第1の楔51及び下方板本体24の回転式の連動は、中央シャフト軸Xを中心とした第1の楔51の回転を可能にして、中央シャフト軸Xを中心とした下方板本体24の実質的に同様の回転度を引き起こすことができ、逆もまた同様である。
【0035】
第1の楔本体128はまた、例えば、第2の楔52及び第4の楔54などの、それぞれの楔アセンブリ124、126の1つ又は2つ以上の他の楔の一部分と係合するように構成された係合要素を含んでもよい。係合要素は、第1の楔本体128の内部端130と上方頂端140との間に延在する、第1の傾斜した表面又は傾斜面148を含んでもよい。それぞれの作動アセンブリ94、96内に位置付けられるとき、第1の楔51は、第1の傾斜面148が外部長手方向Lに傾斜するように向けられてもよい。示される実施形態では、第1の傾斜面148は、長手方向Lに関して約10度~約60度の範囲内の第1の傾斜角αに向けられてもよい(図12)。他の実施形態では、第1の傾斜角αは、長手方向Lに関して約20度~約40度の範囲内であってもよい。更なる実施形態では、第1の傾斜角αは、長手方向Lに関して約25度~約35度の範囲内であってもよい。追加の実施形態では、第1の傾斜角αは、長手方向Lに関して10度未満又は60度超であってもよい。
【0036】
また、第1の楔本体128は、例えば、第1の楔51と、関連する楔アセンブリ124、126の別の楔(第4の楔54など)との間の相対運動をガイドするように構成された、ガイド溝150などの第2の又は上方ガイド機構を画定することができる。ガイド溝150は、第1の傾斜面148から第1の楔本体128内に陥凹していてもよい。ガイド溝150は、長手方向Lに関して、第1の楔本体128の内部端130におけるガイド溝開口部152から第1のガイド本体128の外面138まで延在してもよい。ガイド溝150は、第1の傾斜面148と平行に延在してもよく、第4の楔54の関連するガイド要素の移動を中でガイドするように構成された幾何学的形状を有してもよい。所望により、ガイド溝150はまた、第4の楔54が第1の楔51から少なくとも第1の傾斜面148に直交する方向に脱離するのを防止する様式で、関連するガイド要素と連動するように構成されていてもよい。示されるように、ガイド溝150は、垂直-横断面内に蟻継ぎプロファイルを有してもよいが、他の幾何学的形状も本開示の範囲内である。ガイド溝150は、示されるように、第1の傾斜面148の全長を横断しても、所望により全長未満を横断してもよい。加えて、ガイド溝150は、第1の傾斜面148を、「レール」として特徴付けられ得る前方部分154と後方部分156とに分離することができる。
【0037】
第1の楔本体128は、長手方向Lに沿って本体128を通って延在するチャネル158を画定することができる。チャネル158は、U字形であってもよく、チャネル158の反対の横断側に位置する第1の楔本体128の一部分は、第1の楔本体128の前方アーム160及び後方アーム162として特徴付けられ得る(図10)。チャネル158は、駆動シャフト98のそれぞれのねじ付き部分104、106が、本体128と機械的に干渉することなく、少なくとも部分的に本体128を通って(すなわち、アーム160とアーム162との間に)延在するための空間部を提供するように、寸法決め、成形、及び/又は別の方法で構成されていてもよい。したがって、第1の楔本体128は、垂直-横断面内にU字形プロファイルを有してもよい。チャネル158はまた、ガイド溝150の一部分を、それぞれ前方アーム160及び後方アーム162内に画定される前方スロット164及び後方スロット166に効果的に分割する様式で、ガイド溝150と交差してもよい。
【0038】
ここで図13図15を参照すると、第1の楔51’の変異形が示されている。具体的に言えば、変化形51’は、後方作動アセンブリ96内で用いられ得る。変化形51’は、図10図12に示される第1の楔51と実質的に同様であってもよく、したがって、同様の参照番号を使用することができ、変化形の第1の楔の51’の対応する機構が、「主要」表記法で示される。変化形の第1の楔51’の主な差異は、第1の楔本体128’の外面138’が、前方アーム160’及び後方アーム162’のうちの横断方向に外部にある1つによって画定される第1の外面138’であることであり得る。加えて、アーム160’、162’のうちの反対(すなわち、横断方向に内部)の一方は、第1の外面138’から内部長手方向Lに陥凹している第2の外面139’を画定することができる。
【0039】
第1の楔51’の第1の外面138’は、ヘッド110の近位側112に当接してもよく、第2の外面139’は、上方板本体26の第1の横断突出部82の近位面90に当接してもよい(図30)。したがって、第1の横断突出部82の近位面90は、上方板本体26の当接面と称され得る。そのような構成は、少なくとも、インプラント10の拡張中、収縮中、及び/又は前弯角度形成中に、インプラント10に安定性をもたらすことができる。しかしながら、他の実施形態では、遠位楔アセンブリ126の第1の楔51は、近位楔アセンブリ124の第1の楔51と実質的に同一であってもよい。第1の楔51と同様に、変化形51’は、「支持部材」又は「支持楔」として特徴付けられ得、所望により、溶着、ろう付け、粘着剤、又は機械的締着具などによって、下方板本体24に強固に固定されてもよい。前方作動アセンブリ94の変化形の第1の楔51’は、作動アセンブリ94と作動アセンブリ96との間に位置付けられた垂直-長手方向面を中心とした、後方作動アセンブリ96内のその対応物の実質的な鏡像であり得ることを理解されたい。
【0040】
ここで図16図18を参照すると、第2の楔52は、内部端170、及び長手方向Lに沿って外部端172から離間配置された外部端172を画定する第2の楔本体168を有してもよい。第2の楔本体168はまた、横断方向Tに沿って互いに離間配置された前方側面174及び後方側面176も画定することができる。第2の楔本体168はまた、外部端172において外面178も画定することができる。第2の楔本体168の外面178は、垂直方向V及び横断方向Tに沿って延在してもよく、かつ実質的に平面であってもよいが、他の幾何学的形状も本開示の範囲内である。第2の楔本体168はまた、上基部表面180、及び垂直方向Vに沿って上基部表面180から離間配置された対向する下方頂端182を画定することができる。上基部表面180は、本体168の内部端170と外部端172との間で長手方向Lに沿って延在してもよい。下方頂端182は、長手方向Lに関して第2の楔本体168の外部端170と内部端172との間に位置してもよい。
【0041】
上基部表面180は、上方板本体26のそれぞれの前方チャネル56又は後方チャネル58の基部表面68と係合するように構成されていてもよい。したがって、第2の楔52は、上方板本体26を「支持する」ものとして特徴付けられ得、本明細書では「支持部材」又は「支持楔」と称され得る。上基部表面180の少なくとも一部分は、実質的に平面であってもよく、インプラント10の拡張中に、それぞれのチャネル56、58の基部表面68を少なくとも部分的に横断して並進するように構成されていてもよい。したがって、第2の楔52はまた、「滑動部」とも称され得る。
【0042】
第2の楔本体168は、上基部表面180から垂直方向Vに沿って延在する、ガイド突出部184などの第3の又は上方ガイド要素を画定することができる。ガイド突出部184の頂面186は、第2の楔52の最頂部分を画定することができる。頂面186はまた、それぞれの楔アセンブリ124、126の最頂部分も画定することができる。ガイド突出部184は、上方板本体26の関連するチャネル56、58のガイド溝70内で並進するように構成されていてもよい。第2の楔本体168のガイド突出部184は、上記の第1の楔本体128のガイド突出部144の設計及び機能と概ね同様の設計及び機能を有してもよい。非限定的な例として、第2の楔本体168のガイド突出部184及び上方板本体26の関連するチャネル56、58のガイド溝70は、第2の楔52を上方板本体26に連動させる対応する蟻継ぎプロファイルを有してもよい。このようにして、(「保持」機構としても特徴付けられ得る)ガイド突出部184は、長手方向に可動であるが、上方板本体26のそれぞれのチャネル56、58内では実質的に垂直方向に不動であり得る。加えて、ガイド突出部184のプロファイル及び板ガイド溝70のプロファイルは、例えば、駆動シャフト98の中央シャフト軸Xを中心とした第2の楔52の回転が、中央シャフト軸Xを中心とした上方板本体26の実質的に同様の回転度を引き起こし、逆もまた同様であるように、第2の楔52及び上方板本体26が互いに回転式で連動することを可能にすることができる。
【0043】
第2の楔52は、関連する楔アセンブリ124、126の他の楔のうちの1つ又は2つ以上の部分と係合するように構成された1つ又は2つ以上の係合要素を含んでもよい。非限定的な例として、第2の楔本体168は、外面178から下方頂端182まで延在する、第2の傾斜した表面又は傾斜面188、及び下方頂端182から第2の楔本体168の内部端170まで延在する、第3の傾斜した表面又は傾斜面190を画定することができる。第2の楔本体168の内部端170は、上基部表面180と第3の傾斜面190との間に共有の周縁部を画定することができる。第2の楔52は、第2の傾斜面188が外部長手方向Lに傾斜し、かつ第3の傾斜面190が外部長手方向Lに傾斜する(したがって、内部長手方向Lに傾斜する)ように、各作動アセンブリ94、96内に向けられてもよい。第2の傾斜面188は、インプラント10の拡張中に第1の楔本体128の第1の傾斜面148と係合するように構成されていてもよい。第3の傾斜面190は、例えば、第3の楔53などの、それぞれの楔アセンブリ124、126の別の楔の一部分と係合するように構成されていてもよい。
【0044】
第2の傾斜面188は、所望により、第1の楔本体128の第1の傾斜面148と実質的に平行であってもよい。第2の傾斜面188は、長手方向Lに関して約10度~約60度の範囲内の第2の傾斜角αに向けられてもよい(図18)。他の実施形態では、第2の傾斜角αは、長手方向Lに関して約20度~約40度の範囲内であってもよい。更なる実施形態では、第2の傾斜角αは、長手方向Lに関して約25度~約35度の範囲内であってもよい。追加の実施形態では、第2の傾斜角αは、長手方向Lに関して10度未満又は60度超であってもよい。
【0045】
第3の傾斜面190は、長手方向Lに関して約10度~約60度の範囲内の第3傾斜角α向けられてもよい。他の実施形態では、第3の傾斜角αは、長手方向Lに関して約20度~約40度の範囲内であってもよい。更なる実施形態では、第3の傾斜角αは、長手方向Lに関して約25度~約35度の範囲内であってもよい。追加の実施形態では、第3の傾斜角αは、長手方向Lに関して10度未満又は60度超であってもよい。
【0046】
第2の楔52は、例えば、第2の楔52と、第3の楔53などの、関連する楔アセンブリ124、126の別の楔との間の相対運動をガイドするように構成された、ガイド溝192などの第4のガイド機構を含んでもよい。ガイド溝192は、第3の傾斜面190から第2の楔本体168内に陥凹していてもよく、第3の傾斜面190を、「レール」として特徴付けられ得る前方部分194と後方部分196とに分離することができる。ガイド溝192は、第3の傾斜面190と平行に延在してもよく、第3の楔53の関連するガイド要素の移動をガイドし、かつ所望によりそれと連動するように構成された幾何学的形状を有してもよい。示されるように、ガイド溝192は、蟻継ぎプロファイルを有してもよく、上記のように第1の楔本体128のガイド溝150と同様に構成されていてもよいが、他の幾何学的形状も本開示の範囲内である。ガイド溝192は、上基部表面180におけるガイド溝開口部198から、第3の楔53のガイド要素が外部長手方向Lに沿って停止機構200を越えて移動するのを防止するように構成された停止機構200まで延在してもよい。停止機構200は、内部長手方向Lにおいて下方頂端182から離間配置されてもよい。したがって、ガイド溝192は、第3の傾斜面190の全長未満で延在してもよい。
【0047】
第2の楔本体168は、長手方向Lに沿って内部を通って延在するチャネル202を画定することができる。第2の楔本体168のチャネル202は、上記の第1の楔本体128のチャネル158と同様に構成されていてもよい。したがって、第2の楔本体168は、垂直-横断面内にU字形プロファイルを有してもよく、チャネル202の反対の横断側に前方アーム204及び後方アーム206を含んでもよい。加えて、チャネル202は、第2の傾斜面188を、「レール」として特徴付けられ得る前方部分208と後方部分210とに分離することができる。チャネル202はまた、ガイド溝192の一部分を、それぞれ前方アーム204及び後方アーム206内に画定される前方スロット212及び後方スロット214に効果的に変換する様式で、ガイド溝192と交差してもよい。
【0048】
ここで図19図21を参照すると、第3の楔53は、内部端218、及び長手方向Lに沿って内部端218から離間配置された外部端220を画定する、第3の楔本体216を有してもよい。第3の楔本体216はまた、横断方向Tに沿って互いに離間配置された前方側面222及び後方側面224も画定することができる。第3の楔本体216はまた、その内部端218にある内面226、及び外部端220にある外面228も画定することができる。第3の楔本体216の内面226及び外面228は各々、垂直方向V及び横断方向Tに沿って延在してもよく、かつ各々が実質的に平面であってもよいが、他の幾何学的形状も本開示の範囲内である。第3の楔本体216は、中央ボア軸Xに沿って延在する中央ボア230を画定することができる。中央ボア230は貫通穴であってもよく、中央ボア軸Xは長手方向Lに沿って延在してもよい。中央ボア230は、駆動シャフト98の回転が、長手方向Lに沿って第3の楔53をねじ方式で並進させるように、駆動シャフト98の近位ねじ付き部分104及び遠位ねじ付き部分106のうちの少なくとも一方と係合するように構成されているねじ山232を画定することができる。したがって、中央ボア軸Xは、中央シャフト軸Xと同一の広がりを持つことができる。第3の楔本体216はまた、以下により詳細に記載されるように、中央ボア軸Xを中心に回転するように構成されていてもよい。
【0049】
第3の楔53は、第2の楔52及び第4の楔54などの、関連する楔アセンブリ124、126の他の楔のうちの1つ又は2つ以上の部分に係合するように構成された1つ又は2つ以上の係合要素を含んでもよい。例えば、第3の楔53の内面226は、第4の楔54の一部分と(例えば、当接によって)係合するよう構成されていてもよい。加えて、第3の楔本体216は、本体216の上側に位置する、第4の傾斜した表面又は傾斜面234を画定することができる。第4の傾斜面234は、長手方向Lに沿って内面226と外面228との間に延在することができる。第4の傾斜面234は、外部長手方向Lに傾斜している(したがって、内部長手方向Lに傾斜している)。
【0050】
第4の傾斜面234は、インプラント10の拡張中を含めて、第2の楔本体168の第3の傾斜面188と係合するように構成されていてもよい。第4の傾斜面234は、所望により、第2の楔本体168の第3の傾斜面190と実質的に平行であってもよい。第4の傾斜面234は、長手方向Lに関して約10度~約60度の範囲内の第4の傾斜角αに向けられてもよい(図21)。他の実施形態では、第4の傾斜角αは、長手方向Lに関して約20度~約40度の範囲内であってもよい。更なる実施形態では、第4の傾斜角αは、長手方向Lに関して約25度~約35度の範囲内であってもよい。追加の実施形態では、第4の傾斜角αは、長手方向Lに関して10度未満又は60度超であってもよい。
【0051】
第3の楔53は、第3の楔53と第2の楔52との間の移動をガイドするように構成された、ガイド突出部236などの第5のガイド要素を含んでもよい。例えば、第3の楔53のガイド突出部236は、第4の傾斜面234から垂直に延在してもよく、第2の楔52のガイド溝192内で並進するように構成されていてもよい。ガイド突出部236は、ガイド突出部236がガイド溝192から少なくとも第3の傾斜面190に直交する方向に出ることを防止する様式で、ガイド溝192と協働的に成形されてもよい。例えば、ガイド突出部236及びガイド溝192は、示されるように、垂直-横断面内に対応する蟻継ぎプロファイルを有してもよい。そのような実施形態では、ガイド突出部236は、ガイド溝開口部198を通ってのみ、ガイド溝192に出入りすることができる。加えて、ガイド溝192のプロファイル及びガイド突出部236のプロファイルは、第2の楔52及び第3の楔53が互いに回転式で連動することを可能にすることができ、それにより、例えば、中央ボア軸Xを中心とした第3の楔53の回転が、中央ボア軸Xを中心とした第2の楔52の実質的に同様の回転度を引き起こす。
【0052】
第3の楔53は、第1の楔51と第3の楔53との間の相対移動中に第1の楔51との接触を回避するように構成された幾何学的形状を有してもよい。例えば、第3の楔本体216は、第1の楔本体128の上での第3の楔本体216の並進運動及び回転運動中に、第1の傾斜面148、又は第1の楔本体128の前方アーム160及び後方アーム162と接触又は他の方法でそれと直接係合若しくは干渉しないように構成された、円形下面238を有してもよい。加えて、下面238は、第1の傾斜面148の第1の傾斜角αと実質的に平行である第5の傾斜角αに向けられた、第5の傾斜した表面又は傾斜面240を画定することができる。第5の傾斜面240は、第1の傾斜面148に接触しないように構成されていてもよい。例えば、第5の傾斜面240は、円形部分244の反対の横断側に位置付けられた一対の平面部分242を含んでもよい。円形部分244は、第1の楔本体128の上での第3の楔本体216の並進運動及び回転運動中に、第1の傾斜面148又は第1の楔本体128のいかなる他の部分にも接触することなく、第1の楔本体128のガイド溝150内に延在するように構成されていてもよい。加えて、第5の傾斜面240の平面部分242は、第1の楔本体128の上での第3の楔本体216の移動中に、第1の傾斜面148又は第1の楔本体128のいかなる他の部分からも離れていてもよい。
【0053】
ここで図22図25を参照すると、第4の楔54は、内部端248、及び長手方向Lに沿って内部端248から離間配置された外部端250を画定する第4の楔本体246を有してもよい。第4の楔本体246はまた、横断方向Tに沿って互いに離間配置された前方側面252及び後方側面254も画定することができる。第4の楔本体246はまた、その内部端248にある内面256、及び外部端250にある外面258も画定することができる。第4の楔本体246の内面256及び外面258は各々、垂直方向V及び横断方向Tに沿って延在してもよく、かつ各々が実質的に平面であってもよいが、他の幾何学的形状も本開示の範囲内である。第4の楔本体246は、頂面260、及び垂直方向Vに関して頂面260と反対側の底面262を含んでもよい。底面262はまた、第4の楔54の「基部」表面とも称され得、長手方向L及び横断方向Tに沿って延在してもよい。底面262は、所望により平面であってもよい。第4の楔本体246は、例えば、第2の楔本体168の下での第4の楔本体246の並進運動及び回転運動中に、第3の傾斜面190又は第2の楔本体168のいかなる他の部分とも接触又は他の方法でそれと直接係合若しくは干渉するのを回避するように、頂面260と側面252、254との間が円形であっても、面取りされていてもよい。
【0054】
第4の楔本体246は、中央ボア軸Xに沿って延在する中央ボア264を画定することができる。中央ボア264は貫通穴であってもよく、長手方向Lに沿って延在してもよい。第4の楔本体246の中央ボア軸Xは、駆動シャフト98の中央シャフト軸Xと同一の広がりを持つことができ、かつ第3の楔本体216の中央ボア軸Xと同一の広がりを持つことができる。第4の楔本体246の中央ボア264は、近位ねじ付き部分104及び遠位ねじ付き部分106のうちの、第3の楔本体216のねじ山232と同じ一方と係合するように構成されているねじ山266を画定することができる。示される実施形態では、駆動シャフト98の回転は、第3の楔53及び第4の楔54を一緒に、長手方向Lに沿って同じ速度で、ねじ方式で並進させることができる。しかしながら、他の実施形態では、各楔アセンブリ124、126の第3の楔53及び第4の楔54は、駆動シャフト98に沿って異なる速度で及び/又は反対方向に移動してもよい。
【0055】
第4の楔54は、第3の楔53などの、関連する楔アセンブリ124、126の他の楔のうちの少なくとも一方の部分に係合するように構成された、1つ又は2つ以上の係合要素を含んでもよい。例えば、第4の楔本体246の外面258は、第3の楔本体216の内面226に当接するように構成され得るため、係合要素として特徴付けられ得る。第4の楔本体54の外面258は、所望により、第3の楔本体216及び第4の楔本体158が駆動シャフト98のそれぞれのねじ付き部分104、106に沿って同じ速度で並進することを確実にする様式で、第3の楔本体216の内面226に当接するように構成されていてもよい。このように、第4の楔54は、第3の楔53を外部長手方向Lに効果的に押す「プッシャー」又は「プッシャー部材」として特徴付けられ得る。更に、第3の楔53及び第4の楔54は、集合的に「拡張楔」と称され得、第3の楔53は、拡張楔の「第1の部材」又は「第1の部分」と称され、第4の楔54は、拡張楔の「第2の部材」又は「第2の部分」と称されることを理解されたい。加えて、第3の楔53及び第4の楔54の各々は、個々に「拡張楔」と称され得る。
【0056】
第4の楔本体246はまた、本体246の底面262に隣接する、第6の傾斜した表面又は傾斜面268を画定することができる。第6の傾斜面268は、長手方向Lに関して、第4の楔本体246の底面262と外面256との間に延在してもよい。第6の傾斜面268は、外部長手方向Lに傾斜してもよい(したがって、内部長手方向Lに傾斜してもよい)。第6の傾斜面268は、インプラント10の拡張中に第1の楔本体128の第1の傾斜面148と係合するように構成されていてもよい。第6の傾斜面268は、所望により、第1の傾斜面148と実質的に平行であってもよい。第6の傾斜面268は、長手方向Lに関して約10度~約60度の範囲内の第6の傾斜角αに向けられてもよい(図24)。他の実施形態では、第6の傾斜角αは、長手方向Lに関して約20度~約40度の範囲内であってもよい。更なる実施形態では、第6の傾斜角αは、長手方向Lに関して約25度~約35度の範囲内であってもよい。追加の実施形態では、第6の傾斜角αは、長手方向Lに関して10度未満又は60度超であってもよい。
【0057】
第4の楔54は、第4の楔54と、下方板12及び第1の楔51の各々との間の移動をガイドするように構成された、ガイド突出部270などの第6のガイド要素を含んでもよい。ガイド突出部270は、底面262及び第6の傾斜面268の各々から延在してもよい。ガイド突出部270は、インプラント10の1つの拡張段階において、突出部270が、下方板本体24のそれぞれのチャネル68のガイド溝70内で並進することができ、別の拡張段階中に、突出部270が、第1の楔51のガイド溝150内で並進することができるように構成されていてもよい。
【0058】
第4の楔本体246のガイド突出部270は、下方板本体24のガイド機構及び第1の楔51のガイド機構と選択的に係合するように構成された1つ又は2つ以上の部分を含んでもよい。例えば、図22図24に示される非限定的な例では、ガイド突出部270は、第1の部分271、第2の部分272、第3の部分273、及び第4の部分274を含んでもよい。第1の部分271は、第6の傾斜面268から延在してもよい。第4の部分274は、底面262から延在してもよい。第2の部分272は、第1の部分271の下に位置してもよい。第3の部分273は概ね、第4の部分274の下にあってもよい。第1の部分271及び第4の部分274は各々、垂直-横断面内に矩形プロファイルを有してもよい。第2の部分272及び第3の部分273は各々、垂直-横断面内に蟻継ぎプロファイルを有してもよい。第4の楔本体246の前方側252及び後側254の各々の上で、第1の部分271と第2の部分272との間の周縁部276は、底面262と平行であってもよい。また、各側252、254上で、第3の部分273と第4の部分274との間の周縁部278は、第6の傾斜面268と平行であってもよい。第2の部分272は、第2の部分272と第3の部分273との間の周縁部280から第1の部分271に向かって、横方向内側に先細りであってもよい。第3の部分273は、第2の部分272と第3の部分273との間の周縁部280から第4の部分274に向かって、横方向内側に先細りであってもよい。
【0059】
図26に示されるように、インプラント10の第1の拡張段階中に、第4の楔54のガイド突出部270の第2の部分272、第3の部分273、及び第4の部分274は、それぞれの板ガイド溝70内に位置付けられてもよい一方で、第1の部分271は、板ガイド溝70の外部に位置付けられる。図27に示されるように、第1の段階の終結(これは第2の拡張段階の開始とも見なされ得る)時に、突出部270は、板ガイド溝70及び第1の楔51のガイド溝150の両方に同時に位置付けられてもよい。図28に示されるように、突出部270の幾何学的形状は、それが板ガイド溝70から第1の楔ガイド溝150へと移行すること、及び第2の拡張段階中に第1の楔ガイド溝150内に留まることを可能にする。第2の段階中、ガイド突出部270の第1の部分271、第2の部分272、及び第3の部分273は、第1の楔51のガイド溝150内に位置付けられてもよい一方で、第4の部分274は、ガイド溝150の外部にあってもよい。
【0060】
特に第2の部分272と第3の部分273との間の周縁部280における、ガイド突出部270の蟻継ぎプロファイルは、各チャネル62、64のガイド溝70の蟻継ぎプロファイル、及び第1の楔51のガイド溝102の蟻継ぎプロファイルと実質的に一致し得ることを理解されたい。ガイド突出部270の第2の部分272は、ガイド突出部270が、第1の段階と第2の段階との間で、下方板本体24のガイド溝70から第1の楔51のガイド溝150へと移行することを可能にするように構成されていてもよい。ガイド突出部270の第3の部分273は、以下により詳細に記載されるように、インプラント10の任意の逆拡張プロセス中(すなわち、畳み込み又は「収縮」プロセス中)に、ガイド突出部270が、第1の楔51のガイド溝150から下方板本体24のガイド溝70へと移行することを可能にするように構成されていてもよい。
【0061】
ガイド突出部270の第3の部分273は、特に第2の部分272と第3の部分273との間の周縁部280において、ガイド突出部270がガイド溝150から、少なくとも第1の傾斜面148と直交する方向、及び所望により第1の傾斜面148と平行な方向を除く任意の方向に出ることを防止する様式で、第1の楔51のガイド溝150と協働的に成形されてもよい。示される実施形態では、ガイド突出部270は、内部端130(ガイド溝開口部198を通って)又は所望により第1の楔本体128の外部端132でのみ、ガイド溝150に出入りすることができる。
【0062】
加えて、ガイド突出部270の第2の部分272は、特に第2の部分272と第3の部分273との間の周縁部280において、ガイド突出部270がガイド溝70から、少なくともチャネル基部表面68に直交する方向、及び所望により長手方向L又は第1の傾斜面148と平行な方向を除く任意の方向に出ることを防止する様式で、下方板本体24のそれぞれのチャネル62、64のガイド溝70と協働的に成形されてもよい。加えて、ガイド突出部270のプロファイル及び板ガイド溝70のプロファイルは、ガイド突出部270が板ガイド溝70内にあるとき(図26)に、例えば、第4の楔54及び下方板本体24が中央シャフト軸Xを中心として同じ角度位置を維持することができるように、下方板本体24が第4の楔54と回転式で連動することを可能にすることができる。第1の楔51は、下方板本体24と回転式で連動することができ(図40)、かつ第4の楔54は、下方板本体24又は第1の楔51のいずれかと回転式で連動することができる(図26図28)ため、下方板本体24は、したがって、全ての拡張段階中に第1の楔51及び第4の楔54の両方と回転式で連動することができる。
【0063】
示される実施形態では、近位楔アセンブリ124の第2の楔52、第3の楔53、及び第4の楔54は、遠位楔アセンブリ126内のそれらのそれぞれの対応する対応物と実質的に同様、又は更には実質的に同一であり得ることを理解されたい。しかしながら、他の実施形態では、近位楔アセンブリ124の第2の楔52、第3の楔53、及び第4の楔54のうちの1つ又は2つ以上は、遠位楔アセンブリ126内のそれらのそれぞれの対応物とは異なるように構成されていてもよい。
【0064】
ここで図29を参照すると、第2の拡張段階中の遠位楔アセンブリ126が示されている。第2の楔52のガイド溝192のプロファイル及び第3の楔のガイド突出部236のプロファイルは、上記のように、第3の楔53が駆動シャフト98の軸Xを中心として第4の楔54に対して回転するにつれて、第2の楔52が第3の楔53と回転式で連動することを可能にすることができる。加えて、これもまた上記のように、第1の楔51のガイド溝150のプロファイル及び第4の楔54のガイド突出部270のプロファイルは、ガイド突出部270がガイド溝150内にあるときに、例えば、第1の楔51及び第4の楔54が中央シャフト軸Xを中心として同じ角度位置を維持するように、又は他の実施形態では、第1の楔51及び第4の54がインプラント10の動作中に中央シャフト軸Xを中心として同じ程度だけ回転するように、第1の楔51及び第4の54が互いに回転式で連動することを可能にすることができる。
【0065】
ここで図30を参照すると、各楔アセンブリ124、126の楔51、52、53、54は、長手方向L及び垂直方向Vへの入れ子式の可動性を有してもよい。インプラント10が畳み込まれた構成にあるとき、前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96の各々、並びに近位楔アセンブリ124及び遠位楔アセンブリ126の各々もまた、そのそれぞれの畳み込まれた構成にあると見なされ得ることを理解されたい。比較のために、図30は、畳み込まれた構成にある近位楔アセンブリ124を描写している一方で、遠位楔アセンブリ124は、完全に拡張された構成で描写されている。各楔アセンブリ124、126は、長手方向Lに沿って、第1の楔51の外面138から第4の楔54の内面256まで測定した場合の長さ、及び垂直方向Vに沿って、第1の楔51のガイド突出部144の底面146から第2の楔122のガイド突出部184の頂面186まで測定した場合の高さを画定することができる。畳み込まれた構成では、各楔アセンブリ124、126は、畳み込まれた長さL及び畳み込まれた高さHを画定することができる。完全に拡張された構成では、各楔アセンブリ124、126は、畳み込まれた長さLよりも小さい拡張された長さL、及び畳み込まれた高さHよりも大きい拡張された高さHを画定することができる。別の言い方をすれば、各楔アセンブリ124、126は、高さが増加するにつれて、長さが減少してもよい。拡張された高さHと畳み込まれた高さHとの比は、非限定的な例として、約1.5:1~3.5:1の範囲内であり得る。したがって、骨接触面28と骨接触面30との間の垂直距離D(図31)もまた、インプラント10の拡張中に同様の差で増加し得る。例えば、垂直距離Dは、非限定的な例として、畳み込まれた構成から完全に拡張された構成まで、約1.05~約3.0の範囲内の倍率で増加し得る。
【0066】
拡張及び脊柱前弯を含むインプラント10の動作について、ここで図31図41を参照して説明するが、図31に示されるように、畳み込まれた形態にあるインプラントから開始する。
【0067】
ここで図31を参照すると、後方作動アセンブリ96が描写されている一方で、以下の説明はまた、前方作動アセンブリ94の対応する構成要素にも適用され得ることを理解されたい。インプラント10が畳み込まれた構成にあるとき、下方板本体24及び上方板本体26の内部接触面46は、互いに当接してもよい。加えて、畳み込まれたとき、各作動アセンブリ94、96は、板12、18の上に横たわるチャネル56、58によって画定される、関連するコンパートメント60、62(図2)内に実質的に完全に配設され得る。ナットソケット116の近位端120は、横断方向Tに沿ってインプラント10の近位端12と概ね整列することができる。駆動シャフト98は、チャネル56、58を通って長手方向Lに沿って延在してもよい。ヘッド110の遠位端114及び駆動シャフト98の遠位端102の一方又は両方は、上方板本体26の第2の横断突出部84の近位面90に当接しても、隣接してもよい。ヘッド110の近位端112は、上方板本体26の第1の横断突出部82の遠位面92に当接しても、隣接してもよい。このようにして、ヘッド110は、横断方向Tに沿って下方板本体24の横断壁76と整列することができる。
【0068】
畳み込まれた構成にある近位楔アセンブリ124を参照すると、第1の楔51の外面138は、ナットソケット116の遠位端122に当接しても、隣接してもよい。第1の楔51の底基部表面142は、下方板本体24の後方チャネル58の基部表面68に当接してもよく、第1の楔51のガイド突出部144は、下方板本体24の後方チャネル58のガイド溝70内に受容されてもよい。駆動シャフト98の近位ねじ付き部分104は、第1の楔51のU字形チャネル158を通って延在してもよい。
【0069】
第2の楔52は、第2の傾斜面188が、第1の傾斜面148に、第1の楔51の内部端130に隣接する位置で当接するように、位置付けられてもよい。第2の楔52の上基部表面180は、上方板本体26の後方チャネル58の基部表面68に当接してもよく、第2の楔52のガイド突出部184は、上方板本体26の後方チャネル58のガイド溝70内に受容されてもよい。駆動シャフト98の近位ねじ付き部分104は、第2の楔52のU字形チャネル202を通って延在してもよい。
【0070】
第3の楔53は、その第4の傾斜面234が、第2の楔52の第3の傾斜面190に、その内部端170に隣接する位置で当接するように、位置付けられてもよい。第3の楔53のガイド突出部236は、第2の楔52のガイド溝192内に受容されてもよい。駆動シャフト98は、第3の楔53の中央ボア230を通って延在してもよく、そのねじ山232は、駆動シャフト98の近位ねじ付き部分104と係合する。
【0071】
第4の楔54は、その外面258が第3の楔53の内面226に当接又は隣接するように、位置付けられてもよい。第4の楔54の内面256は、駆動シャフト98の中間部分108(すなわち、近位ねじ付き部分104の内部端)に位置付けられても、それに隣接して位置付けられてもよい。第4の楔54の底面262は、下方板本体24の後方チャネル58の基部表面68に当接してもよく、第4の楔54のガイド突出部270は、下方板本体24の後方チャネル58のガイド溝70内に受容されてもよい。駆動シャフト98は、第4の楔53の中央ボア264を通って延在してもよく、そのねじ山266は、駆動シャフト98の近位ねじ付き部分104と係合する。
【0072】
上記のように、遠位楔アセンブリ126は効果的に、駆動シャフト98の中間部分108に位置付けられた垂直-横断面を中心とした、近位楔アセンブリ124の実質的な鏡像であり得ることを理解されたい。したがって、遠位楔アセンブリ126の楔51’、52、53、54、及び駆動シャフト98の遠位ねじ付き部分106の相対位置は、駆動シャフトの近位楔アセンブリ124及び近位ねじ付き部分104の相対位置と実質的に同様であり得る。第1の楔51’の変化形に関して、その第1の外面138’は、ヘッド110の近位端112に当接しても隣接してもよい(図5)一方で、第1の楔51’の第2の外面139’は、上方板本体26の第1の横断突出部82の近位面90に当接しても隣接してもよい(図4)。
【0073】
ここで、図32図34に示される、畳み込まれた構成と第1の部分的に拡張された構成との間でのインプラント10の拡張について、例示的な拡張動作様式に従って説明する。図32図34は、インプラント10を均一に拡張するように同時に作動した前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96を描写している一方で、前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96の各々を独立して操作して、インプラント10の不均一な拡張又は収縮(すなわち、脊柱前弯)を提供することができることを理解されたい。
【0074】
第1の拡張段階中、近位ねじ付き部分104が、その外部長手方向L(すなわち、近位方向)に第1の又は近位駆動力Fを提供し、かつ遠位ねじ付き部分106が、その外部長手方向L(すなわち、遠位方向)に第2の又は遠位駆動力Fを提供するように、駆動シャフト98を、その中央シャフト軸Xを中心として第1の回転方向(例えば、時計回りなど)に回転させることができる。第3の楔53及び第4の楔54の中央ボア146、176のねじ山232、178はそれぞれ、それぞれの駆動力F、Fを第3の楔53及び第4の楔54に伝達して、第3の楔53及び第4の楔54を外部長手方向Lに並進させる様式で、駆動シャフト98の関連するねじ付き部分104、106と係合することができる。
【0075】
図34を参照すると、第3の楔53及び第4の楔54が並進するにつれて、以下の各々、つまり、第4の楔54の底面262が、下方板20のそれぞれの前方チャネル56、58の基部表面68に沿って乗ること、第4の楔54のガイド突出部270が、それぞれのチャネル56、58のガイド溝70内に乗ること、第3の楔53の第4の傾斜面234が、第2の楔52の第3の傾斜面190に沿って乗ること、及び第3の楔53のガイド突出部236が、第2の楔52のガイド溝192内に乗ること、が生じ得る。下方骨接触面28と上方骨接触面30との間の垂直距離Dは、第4の傾斜面234が第3の傾斜面190に沿って乗った結果として、約0.2~約1.0の範囲内の倍率で増加し得る。第4の傾斜面234が第3の傾斜面190に沿って乗るにつれて、第1の駆動力Fが少なくとも第2の楔52に伝達されて、(図34では不可視)第2の傾斜面188を第1の楔51の第1の傾斜面148に沿って乗せ、骨接触面28と骨接触面30との間の距離Dを、垂直方向Vに沿って(畳み込まれた距離Dに関して)約0.2~1.0の範囲内の倍率で更に増加させ得る。
【0076】
第4の傾斜面234が第3の傾斜面190に沿って乗るにつれて、かつ第2の傾斜面188が第1の傾斜面148に沿って乗るにつれて、第4の楔54の第6の傾斜面268は、第1の楔51の第1の傾斜面148に接近し得る。本例では、第1の拡張段階は、第6の傾斜面268が第1の傾斜面148に当接したときに完了してもよく、この時点で、第4の楔54の突出部270は、第1の楔51のガイド溝150の開口部152に入ることができる(図28)。上記のように、第4の楔54のガイド突出部270の幾何学的形状は、第1の拡張段階の終結時(及び第2の拡張段階の開始時)に、突出部270が板ガイド溝70内及び第1の楔51のガイド溝150内に同時に位置付けられることを可能にすることができる。
【0077】
第1の拡張段階の終結時及び第2の拡張段階の開始時に、第2の楔52の外部端172、及び第2の傾斜面188全体は、長手方向Lに関して、第1の楔51の内部端130と外部端132との中間に位置付けられてもよい。更に、第4の傾斜面234全体は、下方頂端182と第2の楔52の内部端170との中間に位置付けられてもよい一方で、第3の楔53の突出部236は、各々が長手方向Lに関して、停止機構200と第2の楔52のガイド溝192の開口部198との中間に位置付けられてもよい。第1の楔51の内部端90、並びに第2の楔52の下方頂端182及び停止機構200の図は各々、図34では妨害されている一方で、そのような機構は、図31では可視であることを理解されたい。
【0078】
ここで、図32図34に示される第1の部分的に拡張された構成と、図35図37に示される完全に拡張された構成との間でのインプラント10の拡張について、例示的な拡張動作様式に従って説明する。
【0079】
ここで図35図37を参照すると、インプラント10は、第2の拡張段階の終結時の均一に拡張された状態で示されており、これは、完全に拡張された構成と相応であり得る。前述のように、前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96を各々独立して操作して、第1の部分的に拡張された構成と完全に拡張された構成との間でのインプラント10の不均一な拡張又は収縮(すなわち、脊柱前弯)を提供することができることを理解されたい。
【0080】
図35図37を参照すると、第2の拡張段階中に、駆動シャフト98は、その中央シャフト軸Xを中心として第1の回転方向に更に回転することができる。第3の楔53及び第4の楔54のねじ山232、178はそれぞれ、第3の楔53及び第4の楔54を外部長手方向Lに更に並進させる様式で、駆動シャフト98の関連するねじ付き部分104、106と係合し続けてもよい。第2の拡張段階は、第6の傾斜面268が第1の傾斜面148に沿って乗るときとして特徴付けられ得、これは下方骨接触面28と上方骨接触面30との間の距離Dを更に一層増加させる。
【0081】
第4の楔54が第2の拡張段階の開始時に並進するにつれて、突出部270は、下方板本体24のチャネル56、58のガイド溝70から第1の楔51のガイド溝150へと移行することができる。具体的に言えば、突出部270の第1の部分271、第2の部分272、第3の部分273、及び第4の部分274の幾何学的形状は、突出部270が板ガイド溝70から出され、かつ第1の楔51のガイド溝150内に完全に受容されるように、第1の楔51のガイド溝150と係合することができる。加えて、第3の楔53の第5の傾斜面240は、第1の楔本体128に接触することなく、第1の楔51のガイド溝150内に延在してもよい。
【0082】
第2の拡張段階の少なくとも一部分の間、第6の傾斜面268は、第1の傾斜面148に沿って乗ることができる一方で、第4の傾斜面234は、第3の傾斜面190に沿って乗り、第2の楔52と、第3の楔53及び第4の楔54の各々との間の、長手方向L及び垂直方向Vに沿った相対運動をもたらす。第2の段階中の、第2の楔52と、第3の楔53及び第4の楔54との間のそのような相対運動は、第2の傾斜面188を、垂直方向Vに関して第1の傾斜面148から分離させるか、又は他の方法で離れさせることができる。加えて、第2の楔52と、第3の楔53及び第4の楔54との間のそのような相対運動は、第2の楔52、第3の楔53、及び第4の楔54のうちの少なくとも1つに付与される反動力によって開始され得る。例えば、チャネル56、58内の停止機構などのインプラント10の構成要素、ガイド溝70、又は板本体24、26の他の部分が、外部長手方向Lへの第2の楔52の移動を妨げるときに、反動力が生じ得る。別の非限定的な例では、第2の傾斜面124及び第6の傾斜面180は、近位楔アセンブリ124内で、第2の楔52の外面178がナットソケット116の遠位端122に当接する一方で、遠位楔アセンブリ126内で、第2の楔52の外面178が第1の横断突出部82の近位面90に当接するまで、同じ速度又はほぼ同じ速度で、第1の傾斜面148に沿って乗ることができる。近位楔アセンブリ124及び遠位楔アセンブリ126の各々では、上記の当接は、第2の楔52が外部長手方向Lに沿って更に移動するのを妨げ得る一方で、第4の傾斜面234は、第3の傾斜面190に沿って乗り続け、第6の傾斜面268は第1の傾斜面148に沿って乗り続け、したがって、第2の楔52を第1の楔51に対して上向きに駆動する。
【0083】
別の非限定的な例では、第2の拡大段階の開始時に反動力が生じ、第6の傾斜面268が第1の傾斜面148に沿って乗るとすぐに、第4の傾斜面234を第3の傾斜面190に沿って乗せることができる。そのような例では、近位楔アセンブリ124及び遠位楔アセンブリ126の各々では、第4の傾斜面234は、第3の楔53のガイド突出部236が第2の楔52のガイド溝192の停止機構200に当接するまで、第3の傾斜面190に沿って乗ることができ、その後、第6の傾斜面268は、長手方向L及び垂直方向Vに沿って、第2の楔52と、第3の楔53及び第4の楔54との間にいかなる相対運動もない状態で、第1の傾斜面148に沿って乗り続けることができる。したがって、2つの先行する非限定的な例の各々では、第2の拡張段階は、長手方向L及び垂直方向Vに関して、第2の楔52と、第3の楔53及び第4の楔54の各々との間の相対運動を伴う少なくとも1つの部分又はサブ段階と、第2の楔52、第3の楔53、及び第4の楔54が、それらの間にいかなる相対運動もない状態で、長手方向L及び垂直方向Vに沿って一緒に駆動される少なくとも1つの他の部分又はサブ段階とを含んでもよい。
【0084】
更に別の非限定的な例では、実質的に第2の拡張段階全体において、長手方向L及び垂直方向Vに沿って、第2の楔52と、第3の楔53及び第4の楔54の各々との間で、相対運動が生じ得る。この例では、近位楔アセンブリ124及び遠位楔アセンブリ126の各々において、第2の拡張段階の開始時に反動力が生じて、第6の傾斜面268が第1の傾斜面148に沿って乗るとすぐに、第4の傾斜面234を第3の傾斜面190に沿って乗せ、かつ第3の楔53のガイド突出部236をガイド溝192内に同時に乗せることができる。更に、この例では、第3の楔53のガイド突出部236は、第2の楔52の外面178がナットソケット116の遠位端122に当接するのと実質的に同時に、第2の楔52の停止機構200に当接してもよい。
【0085】
第2の拡張段階の終結時に、近位楔アセンブリ124では、第2の楔52の外部端172は、垂直方向Vに沿って第1の楔51の外部端132と実質的に整列することができ、遠位楔アセンブリでは、第2の楔52の外部端172は、第1の楔51’の第2の外面139’と実質的に整列することができる。加えて、各楔アセンブリ124、126では、第3の楔53及び第4の楔54は各々、第1の楔51の内部端130と外部端132との完全な中間、かつ第2の楔52の外部端170と内部端172との完全な中間にあってもよい。同様に、第2の拡張段階の終結時に、第2の楔52の下方頂端182は、第1の楔51の上方頂端140の上方に離間配置されてもよい。
【0086】
インプラント10の拡張全体を通して、近位楔アセンブリ124及び遠位楔アセンブリ126のそれぞれの第1の楔51、51’は、駆動シャフト98の近位ねじ付き部分104及び遠位ねじ付き部分106の外部端に隣接したままであってもよい。加えて、各楔アセンブリ124、126の第2の楔52、第3の楔53、及び第4の楔54は、拡張中に外部長手方向Lに移動してもよい。したがって、楔アセンブリ124、126と上方板12、28との間の接触点は、(第1の楔51、51’が下方板20に連結されている場合のように)あらかじめインプラント10の近位端12及び遠位端14に隣接して位置しているか、又は(第2の楔52が上方板22に連結されている場合のように)拡張中にインプラント10の近位端12及び遠位端14に向かって移動するかのいずれかである。そのような構成は、特に椎間腔5内で垂直方向Vに沿ってインプラント10に付与される体内の力などの反応力に関して、拡張中にインプラント10に対して強化された支持及び安定性を提供する。しかしながら、他の実施形態(図示せず)では、近位楔アセンブリ124及び遠位楔アセンブリ126のそれぞれの第1の楔51、51’は、駆動シャフト98のねじ付き部分104、106の内部端に隣接して位置してもよく、各楔アセンブリ124、126の第2の楔52、第3の楔53、及び第4の楔54は、拡張中に内部長手方向Lに移動してもよいことを理解されたい。
【0087】
ここで、脊柱前弯を達成するためのインプラント10の操作について説明する。
【0088】
ここで図38図40を参照すると、上記のように、前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96は、インプラント10に前弯プロファイルを提供する様式で独立して駆動され得る。別の言い方をすれば、前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96は、下方板20及び上方板22のうちの少なくとも一方を、横断方向Tに関して他方の板20、22に対して傾斜させる様式で操作することができる。いくつかの実施形態では、板20、22のうちの少なくとも一方は、第1及び第2の中央シャフト軸線Xのうちの少なくとも一方を中心として、他方の板20、22に対して傾斜してもよい。これは、前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96のうちの一方の楔アセンブリ124、126を、他方の作動アセンブリ94、96の楔アセンブリ124、126の拡張度とは異なる拡張度で配置することによって達成することができる。図38図40の例示的な前弯構成では、後方作動アセンブリ96内では、その近位楔アセンブリ124及び遠位楔アセンブリ126は、およそ畳み込まれた構成(図39)にあり得る一方で、前方作動アセンブリ94内では、その楔アセンブリ124、126は、第1の部分的に拡張された構成に近づくように拡張されてもよく、これは、したがって、上方板22を、横方向Tに関して、前弯角度βで上方板20に対して傾斜させる(図40)。
【0089】
板20、22のうちの少なくとも一方が他方に対して前弯して傾斜されるとき、垂直方向Lに沿って測定した場合の、かつ前方作動アセンブリ94の中央シャフト軸Xと交差する、下方骨接触面28と上方骨接触面30との間の第1の距離Dは、垂直方向Lに沿って測定した場合の、かつ後方作動アセンブリ96の中央シャフト軸Xと交差する、下方骨接触面28と上方骨接触面30との間の第2の距離Dよりも短くても、長くてもよい。加えて、板20、22のうちの少なくとも一方が他方に対して前弯して傾斜されるとき、インプラント10の前方側16における下方板20と上方板22との間の垂直距離Dは、インプラント10の後方側18における板20と22との間の垂直距離Dよりも短くても、長くてもよい。図40に示されるように、D及びDのうちの一方は、ゼロほど小さい場合があり、その時点で、インプラント10のそれぞれの側16、18における内部接触面46は、支点を画定することができる。いくつかの実施形態では、下方板本体24及び上方板本体26の内面44は、板20、22のうちの少なくとも一方が前弯して傾斜される一方で、前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96のうちの一方が畳み込まれた構成にある(すなわち、畳み込まれた構成から脊柱前弯が誘導される)ように、曲がっていても、傾いていても、別の方法で前方側16及び後方側18の一方又は両方においてそれらの間に隙間を画定してもよい。
【0090】
図38図40に示される前弯プロファイルは、本開示のインプラント10を用いて達成可能な多数の前弯プロファイルのうちの単に1つを表すに過ぎないことを理解されたい。例えば、医師は、第1の距離Dと第2の距離Dとの間に差異を提供するために、前方作動アセンブリ94を第1の拡張された構成に作動させ、後方作動アセンブリ96を第2の拡張された構成に作動させることができる。具体的に言えば、医師は、前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96のうちの一方を完全に拡張された構成に作動させることができる一方で、他方の作動アセンブリ96、94は完全に畳み込まれた構成近くに留まって、インプラント10に約0度~約45度の範囲内の最大前弯角度βを提供する。医師は、作動アセンブリ94、96の各々を、畳み込まれた構成、完全に拡張された構成、又はそれらの間の任意の位置に独立して配置して、インプラント10に所望の前弯角度βを提供することができることを理解されたい。初期前弯角度βは、インプラント10内に構築され得ることもまた理解されたい。そのような実施形態では、下方骨接合板20及び上方骨接合板22は、その骨接触面28、30が、インプラント10が畳み込まれた構成にあるときに前弯角度βに向けられるように構成されていてもよい。
【0091】
傾斜は、少なくとも、下方板20が第1の楔51と回転式で連動し、上方板22が第2の楔52と回転式で連動し、第2の楔52が第3の楔53と回転式で連動し、(図41に示されるように)第3の楔53が第4の楔54に対してそれぞれの中央シャフト軸Xを中心として回転可能であり、かつ第4の楔54が下方板20と回転式で連動する(第1の拡張段階の場合のように直接、又は下方板20と回転式で連動する第1の楔51との回転式の連動を介してのいずれか)ために、可能になってもよい。第4の楔54が、板20、22のうちの少なくとも一方の前弯傾斜を容易にするインプラント10のヒンジとして作用することを理解されたい。ヒンジの「貫通ピン」として駆動シャフト98を利用することによって、ヒンジの強度が増加し、ヒンジの完成に必要な部品の数が減少する。加えて、チャネル56、58の基部表面68は、各楔アセンブリ124、126の基部表面142、180、262、及び各楔アセンブリ124、126の傾斜面148、188、190、234、268が協働して、インプラント10に、埋め込み中及び埋め込み後の体内の力に耐えるための安定性及び強度の追加を提供する。
【0092】
インプラント10は、医師に、インプラント10の所望の拡張及び/又は脊柱前弯を達成する順序付けに関する自由度の強化を提供することもまた理解されたい。具体的に言えば、インプラント10の椎間腔5内での拡張及び/又は脊柱前弯の所望の量をあらかじめ決定した後、医師は、図1に示されるように、畳み込まれた構成にあるインプラント10を、内側-外側方向に沿って椎間腔5内に挿入することができる。拡張及び脊柱前弯の両方が所望される場合、医師は、インプラント10を部分的に拡張された構成に均一に拡張させ、次いでインプラント10を不均一な様式で拡張又は退縮させて、インプラント10の所望の前弯角度βを達成することができる。インプラント10は、例えば、作動アセンブリ94、96のうちの一方を独立して操作すること、作動アセンブリ94、96の両方を同時に操作するが、異なる速度で操作すること、作動アセンブリ94、96の両方を同時に操作するが、異なる回転方向に操作すること、又は上記の任意の組み合わせを含む様々な方法で、不均一に拡張又は退縮させることができる。本明細書に開示されるインプラント10の設計は、医師が、拡張、収縮、及び/又は脊柱前弯の上記の動作様式のいずれかを利用して、最終的な所望の構成を達成すること、並びに必要に応じて、患者への後続の外科手術中を含めて、インプラント10の構成を調節することを可能にする。畳み込まれた形態にあるインプラント10のコンパクトな性質は、インプラント10が標準的な腰椎椎間板腔内に適合することを可能にする。加えて、インプラント10は、最大30mm以上の拡張及び最大45度以上の脊柱前弯を達成するように調節することができるため、医師は、脊椎内の多くの異なる位置で、及び多くの異なる目的で、インプラント10を使用することができる。
【0093】
ここで図42を参照すると、インプラント10’の第2の実施形態が示されている。第2の実施形態は、図1図41に示されるインプラントの第1の実施形態と同様であり得ることを理解されたい。したがって、第1の実施形態を参照して前述に使用した同じ参照番号は、第2の実施形態を参照して「主要」表記法でも使用することができる。別途以下に記載のない限り、第2の実施形態のインプラント10’の構成要素(及びそれらの機構)は、第1の実施形態のものと同様であり得ることもまた理解されたい。
【0094】
第2の実施形態の下方板20’及び上方板22’は、垂直方向Vに沿ってインプラント10’を通って延在する単一の垂直開口部34’を画定することができる。インプラント10の前方部分36’及び後方部分38’は、垂直開口部34’の両側に位置してもよい。インプラント10’の遠位部分40’は、垂直開口部34’から遠位方向に離間配置されてもよい。
【0095】
ここで図43を参照すると、下方板本体24’及び上方板本体26’のそれぞれの前方チャネル56’及び後方チャネル58’は、ナットソケット116’の外側輪郭と一致するように輪郭化された近位チャネル部分55’を含んでもよい。各近位チャネル部分55’の遠位端において、各板本体24’、26’は、肩部57’を画定することができる。下方板本体24’の肩部57’は、前方作動アセンブリ94’及び後方作動アセンブリ96’の第1の楔51’の外面138’に当接するように構成されていてもよい。上方板本体22’の肩部57’は、作動アセンブリ94’、96’が完全に拡張された構成にあるときに、作動アセンブリ94’、96’の第2の楔52’の外面178’に当接するか、又は少なくともそれに隣接するように構成されていてもよい。
【0096】
下方板本体24’のチャネル56’、58’の各々は、第1の対の切り抜き59’、及び長手方向Lに沿って互いに離間配置された第2の対の切り抜き61’を画定することができる。各チャネル56’、58’では、第1の対の切り抜き59’は、横断方向Tに沿って互いに対向してもよく、第2の対の切り抜き61’は、横断方向Tに沿って互いに対向してもよい。図43の図は、各対の前方切り抜き61’のみを示しているが、各対の後方切り取り61’は、関連する前方切り抜き61’の鏡像であり得ることを理解されたい。第1及び第2の対の切り抜き59’、61’は各々、下方板本体24’の板ガイド溝70’と連通していてもよく、インプラント10’の組み立て中に、第1の楔51’の基部突出部142’の板ガイド溝70’内への挿入を可能にするように寸法決めされてもよい。
【0097】
上方板本体26’のチャネル56’、58’の各々は、長手方向Lに関して概ね中心に置かれた一対の中央切り抜き63’を画定することができる。各チャネル56’、58’において、各対の中央切り抜き63’は、横断方向Tに沿って互いに対向することができる。図43の図は、各対の後方中央切り抜き63’のみを示しているが、各対の前方中央切り抜き63’は、関連する後方中央切り抜き63’の鏡像であり得ることを理解されたい。中央切り抜き63’は各々、上方板本体26’の板ガイド溝70’と連通していてもよく、インプラント10’の組み立て中に、各作動アセンブリ94’、96’の第4の楔54’の底部突出部270’(図44図46)の板ガイド溝70’内への挿入を可能にするように寸法決めされてもよい。
【0098】
引き続き図43を参照すると、板ガイド溝70’の各々は、近位端70a’及び遠位端70b’を画定することができる。下方板本体24’では、板ガイド溝70’の近位端70a’は、所望により、近位楔アセンブリ124’の第1の楔51’’の基部突出部に当接するように構成されていてもよく、板ガイド溝70’の遠位端70b’は、所望により、遠位楔アセンブリ126’の第1の楔51’’’の基部突出部に当接するように構成されていてもよい。本実施形態の第1の楔51’’、51’’’の基部突出部は、図43では不可視であるが、これらの基部突出部は、図10図15に示される基部突出部144、144’と同様に構成され得ることを理解されたい。上方板本体26’では、板ガイド溝70’の近位端70a’は、所望により、それぞれの各作動アセンブリ94’、96’が完全に拡張された構成にあるときなどの、インプラントの操作中に、近位楔アセンブリ124’の第2の楔52’の基部突出部184’に当接するように構成されていてもよい。同様に、板ガイド溝70’の遠位端70b’は、所望により、それぞれの各作動アセンブリ94’、96’が完全に拡張された構成にあるときなどの、インプラント10’の操作中に、遠位楔アセンブリ126’の第2の楔52’の基部突出部184’に当接するように構成されていてもよい。上方板22のガイド溝70’の近位端70a’及び遠位端70b’は、インプラント10の拡張中に、外部長手方向Lへの第2の楔52’の移動を妨げ得ることを理解されたい。
【0099】
下方板本体24’の遠位部分40’において、内面44’は、横断方向Tに沿って細長い単一の横方向へ切った溝73’を画定することができる。上方板本体26’の遠位部分40’は、上方板本体26’の内部接触面46’を越えて突出する単一の横断突出部83’を画定することができる。インプラント10’が畳み込まれた構成にあるとき、上方板本体26’の横断突出部83’は、下方板本体24’の横方向へ切った溝73’内に入れ子になってもよい。横断突出部83’は、横断方向Tに沿って突出部83’内に延在する一対の対向する陥凹部85’を画定することができる。陥凹部85’は、少なくともインプラント10’が畳み込まれた構成にあるときに、前方作動アセンブリ94’及び後方作動アセンブリ96’の駆動シャフト98’のヘッド110’の部分を中に受容するように構成されていてもよい。
【0100】
第2の実施形態の作動アセンブリ94’、96’の各々の第3の楔53’及び第4の楔54’は、第1の実施形態におけるそれらの対応物とは異なってもよいことを理解されたい。図44図46を参照すると、第3の楔本体216’は、長手方向Lに沿って内面226’と第4の傾斜面234’との間に延在する上面231’を画定することができる。第3の楔本体216’は、第4の傾斜面234’及びガイド突出部236’を通って延在する垂直開口部233’を画定することができ、かつ内面226’から外面228’まで延在する一対のアーム235’、237’もまた画定することができる。垂直開口部233’は、第3の楔53’の中央ボア230’と連通していてもよい。中央ボア230’のねじ山232’の一部分は、アーム235’、237’の内側に画定され得る。一対のアーム235’、237’の各々は、第3の楔53’の中央ボア230’の軸X2に向かって傾いている下面239’(図46)を画定することができる。第3の楔53’の円形部分244’は、アーム235’、237’の下表面239’から下向きに延在してもよく、垂直-横断面内で実質的に半円形のプロファイルを有してもよい。本実施形態の円形部分244’は、所望により、長手方向Lに対して傾斜していなくてもよい。円形部分244’は、第3の楔本体216’の中央ボア230’の少なくとも一部分を取り囲んでもよい。
【0101】
第4の楔本体246’は、外部長手方向Lに沿って外面258’から延在する前側バスケット253’を画定することができる。前側バスケット253’は、底基部表面262’がチャネル基部表面68に当接及び/又はそれに沿って並進するにつれて、第4の楔本体246’の底基部表面262’に、長さの増加、及びしたがって安定性の増加を提供することができる。第4の楔本体246’の外面258’は、その第1の外面であってもよく、前側バスケット253’は、外部長手方向Lに沿って第1の外面256’から離間配置された第2の外面255’を画定することができる。第2の外面255’は、第4の楔本体246’の外部端250’に位置付けられてもよい。第4の楔本体246’の底面262’は、長手方向Lに沿って内面256’から第6の傾斜面268’まで延在してもよく、バスケット253’の一部分に沿って延在してもよい。第6の傾斜面268’は、第4の楔本体246’の底面262’から第2の外面255’まで延在してもよい。第2の実施形態の第4の楔本体246’のガイド突出部270’は、第1の実施形態のガイド突出部270’と同様に構成されていてもよい。
【0102】
バスケット253’は、長手方向Lに沿って延在する中央陥凹部257’を画定することができる。中央陥凹部257’は、バスケット253’に沿った第4の楔本体246’の中央ボア264’の延長として特徴付けられ得る。中央陥凹部257’は、バスケット253’の上部分を、各々が長手方向Lに概ね沿って延在する一対のアーム259’、261’に分離することができ、各々は、第4の楔54’の中央ボア軸Xに向かって傾いている上面263’を有する。バスケット253’はまた、第3の楔本体216’の円形部分244’を受容するように構成されたトラフ265’も画定することができる。トラフ265’は、第3の楔本体216’の円形部分244’のプロファイルに対応する円形プロファイルを有してもよく、第3の楔本体216’の円形部分244’が、第3の楔本体216’の中央ボア軸Xを中心としてトラフ265内で回転することを可能にすることができる。中央陥凹部257’はまた、第4の楔本体246’の中央ボア264’のねじ山266’の一部分も画定することができる。第4の楔本体216’は、バスケット253’を通ってその外部端250’に延在する垂直開口部267’を画定することができる。第3の楔本体216’及び第4の楔本体246’の垂直開口部233’、267’は、垂直方向Vに沿って互いに整列することができる。
【0103】
図44及び図45に示されるように、第3の楔本体216’は、第3の楔本体216’の円形部分244’が第4の楔本体246’のトラフ265’内に受容され、第3の楔本体216’の内面226’が、第4の楔本体の第1の外面256’に当接又は隣接し、かつ第3の楔本体216’の外面228’が、垂直方向Vに沿って第4の楔本体246’の第2の外面255’と実質的に整列するように、第4の楔本体54’に連結されてもよい。板20’、22’が中立した(すなわち、非前弯)構成にあるとき、第3の楔本体216’のアーム235’、237’の下面239’と、第4の楔本体246’のアーム259’、261’の上面263’との間に、隙間275’が画定される。図45に示されるように、隙間275’及び傾いたアーム表面239’、263’は、第3の楔本体216’が第4の楔本体246’に対して回転することを可能にするように構成されていてもよい。加えて、第3の楔本体216’の円形部分244’及び第4の楔本体246’のトラフ265’は、駆動シャフト98’に沿った並進に関して、第3の楔53’及び第4の楔54’を一緒に並進式で固定するように、協働的に構成されていてもよい。
【0104】
ここで図47を参照すると、インプラント10’の第2の実施形態は、各楔アセンブリ124’、126’が完全に拡張された構成にある状態で示されている(可視化の目的のために上方板22’が除去されている)。第2の実施形態の作動アセンブリ94’、96’及び楔アセンブリ124’、126’は、第1の実施形態のものに関して上記のように動作することができることを理解されたい。
【0105】
ここで図48及び図49を参照すると、上記のように、インプラント10’の作動アセンブリ94’、96’を、上方板22’が横断方向Tに関して下方板20’に対して傾斜するように独立して操作して、インプラント10’に前弯プロファイルを提供することができる。図48に示されるように、下方骨接触面28’及び上方骨接触面30’は、約0度~約25度の範囲内の前弯角度βに向けられてもよい。上記のように、板20’、22’のうちの少なくとも一方が、他方に関して前弯して傾斜されるとき、関連する中央シャフト軸Xと交差する、下方骨接触面28’と上方骨接触面30’との間の第1の垂直距離Dは、関連する中央シャフト軸Xと交差する、骨接触面28’と骨接触面30’との間の第2の垂直距離Dよりも短くても、長くてもよい。加えて、上記のように、板20’、22’のうちの少なくとも一方が、他方に対して前弯して傾斜されるとき、インプラント10’の前方側16’における下方板20’と上方板22’との間の垂直距離Dは、インプラント10の後方側18’における下方板20’と上方板22’との間の垂直距離Dよりも短くても、長くてもよい。
【0106】
図49の例示的な前弯構成で示されるように、前方作動アセンブリ94’内では、その近位楔アセンブリ124’及び遠位楔アセンブリ126’は、畳み込まれた構成近くにあってもよい一方で、後方作動アセンブリ96’内では、その楔アセンブリ124’、126’は、完全に拡張された構成近く又は完全に拡張された構成で拡張されてもよく、したがって、上方板22’の前弯傾斜を引き起こす。図49は、作動アセンブリ94’、96’の妨害されていない図を提供するために、垂直に分離された下方板20’及び上方板22’を示しているが、板20’、22’は、図48中のものと同じ前弯角度βで示されていることを理解されたい。
【0107】
示される実施形態は、一対の作動アセンブリ94、96を有するインプラント10を描写している一方で、他の実施形態(図示せず)では、インプラント10は、垂直方向Vに沿ってインプラント10を拡張するための単一の作動アセンブリ94を有してもよいことを理解されたい。そのような一実施形態では、板20、22は、単一の作動アセンブリ94の動作が、インプラント10を垂直方向に拡張し、かつ同時に脊柱前弯を提供するように、前方側16及び後方側18のうちの一方においてヒンジ様の様式で互いに対する接触を維持するように構成されていてもよい。
【0108】
ここで図50を参照すると、駆動ツール300は、インプラント10の前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96と係合するように構成されていてもよい。例えば、駆動ツール300は、横断方向Tに沿って互いに離間配置された第1のドライバ304及び第2のドライバ306に連結されたハンドル302を含んでもよい。第1のドライバ304は、前方作動アセンブリ94の駆動連結部と係合するように構成された第1の小片308を担持してもよい一方で、第2のドライバ306は、後方作動アセンブリ96の駆動連結部と係合するように構成された第2の小片310を担持してもよい。例えば、示される実施形態では、第1の小片308及び第2の小片310は各々、対応する作動アセンブリ94、96のソケット開口部118の対応する六角プロファイルに係合するように構成された六角プロファイルを画定することができる。
【0109】
駆動ツール300は、医師がツール300の様々な動作様式を選択することを可能にする1つ又は2つ以上の選択スイッチを含んでもよい。例えば、第1の選択スイッチ312は、第1の駆動動作様式Aと、第2の駆動動作様式Bと、第3の駆動動作様式Cとの間で切り替わることができる。第1の駆動動作様式Aでは、ツール300は、第1のドライバ304のみを操作するように設定することができる。第2の駆動動作様式Bでは、ツール300は、第1のドライバ304及び第2のドライバ306を同時に操作するように設定することができる。第3の動作様式Cでは、ツール300は、第2のドライバ306のみを操作するように設定することができる。
【0110】
第2の選択スイッチ314は、第1のドライバ304と連通していてもよい。例えば、第2の選択スイッチ314は、第1の位置Eと第2の位置Fとの間で切り替わることができ、第1の位置Eでは、ツール300は、第1のドライバ304を時計回り方向に回転させるように設定され、第2の位置Fでは、ツール300は、第1のドライバ304を反時計回り方向に回転させるように設定される。同様に、第3の選択スイッチ316は、第2のドライバ306と連通していてもよい。例えば、第3の選択スイッチ316は、第1の位置Gと第2の位置Hとの間で切り替わることができ、第1の位置Gでは、ツール300は、第2のドライバ306を時計回り方向に回転させるように設定され、第2の位置Hでは、ツール300は、第2のドライバ306を反時計回り方向に回転させるように設定される。
【0111】
第4の選択スイッチ318は、医師が第1のドライバ304のトルク及び/又は速度設定を選択することを可能にすることができる。第5の選択スイッチ320は、医師が第2のドライバ306のトルク及び/又は速度設定を選択することを可能にすることができる。したがって、第1の選択スイッチ312、第2の選択スイッチ314、第3の選択スイッチ316、第4の選択スイッチ318、及び第5の選択スイッチ320は、医師がツール300を使用して、所望に応じて前方作動アセンブリ94及び後方作動アセンブリ96を均一に又は独立して操作することを可能にする。加えて、選択スイッチはまた、医師が作動アセンブリ94、96の各々の回転方向、速度、及び/又はトルクを独立して調整することを可能にすることができる。
【0112】
以上、本開示を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本明細書において様々な変更、代用、及び改変を行い得る点を理解されたい。加えて、本明細書に開示される実施形態のいずれも、本明細書に開示される他の実施形態のいずれかに関して開示される特徴を組み込むことができる。更に、本開示の範囲は、明細書に述べられる特定の実施形態に限定されるものではない。当業者が、そのプロセスから容易に理解するように、本明細書において説明される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実施するか、又は実質的に同じ結果を達成する、現在存在するか、又は後に開発される、機械、製造、組成物、手段、方法、又は工程は、本開示に従って利用され得る。
【0113】
〔実施の態様〕
(1) 畳み込まれた構成と拡張された構成とを繰り返すように構成された椎間インプラントであって、
第1の方向に沿って互いに離間配置された第1の板及び第2の板であって、前記第1の板が、第1の骨接触面を画定し、前記第2の板が、前記第1の方向に沿って前記第1の骨接触面から離れる方を向く第2の骨接触面を画定する、第1の板及び第2の板と、
前記第1の方向に関して前記第1の板と前記第2の板との間に配設された拡張アセンブリであって、
前記第1の板を支持する第1の支持楔であって、第1の傾斜面を画定する、第1の支持楔と、
前記第2の板を支持する第2の支持楔であって、第2の傾斜面及び第3の傾斜面を画定する、第2の支持楔と、
第4の傾斜面を画定する拡張楔と、を備え、
前記第1、第2、第3、及び第4の傾斜面の各々が、前記第1の方向に対して略垂直な第2の方向に関して傾斜しており、前記第1及び第2の支持楔のうちの少なくとも一方が、前記それぞれの支持された第1又は第2の板に沿って摺動可能である、拡張アセンブリと、
アクチュエータであって、1)前記第1の骨接触面と前記第2の骨接触面との間の距離を前記第1の方向に沿って増加させるように、前記第4の傾斜面を前記第3の傾斜面に沿って乗せ、かつ2)前記第2の傾斜面を前記第1の傾斜面に沿って乗せ、それにより前記距離を更に増加させ、それにより前記インプラントに前記畳み込まれた構成から前記拡張された構成まで繰り返させるように、前記拡張楔に駆動力を印加するように構成された、アクチュエータと、を備える、椎間インプラント。
(2) 前記距離が、前記畳み込まれた構成と前記拡張された構成との間で少なくとも2.0の倍率で増加する、実施態様1に記載のインプラント。
(3) 前記第1、第2、第3、及び第4の傾斜面の各々が、約10度~約60度の範囲内の傾斜角で傾斜している、実施態様1に記載のインプラント。
(4) 前記拡張楔が、前記駆動力に応答して前記第1の傾斜面に沿って乗るように構成された追加の傾斜面を画定し、前記追加の傾斜面が、約20度~約50度の範囲内の角度で傾斜している、実施態様3に記載のインプラント。
(5) 前記インプラントが前記畳み込まれた構成にあるとき、前記第1の支持楔の全体は、前記第2の方向に関して前記拡張楔の全体から離間配置され、前記第2の支持楔の少なくとも一部分は、前記第2の方向に関して前記第1の支持楔と前記拡張楔との間に配設され、
前記インプラントが前記拡張された構成にあるとき、前記第1の支持楔は、前記第1の方向に関して前記拡張楔の全体の下に横たわり、前記第2の支持楔の全体は、前記第1の方向に関して前記第1の支持楔の全体から離間配置されている、実施態様1に記載のインプラント。
【0114】
(6) 前記第1の板が、前記第2の方向に沿って細長い第1のチャネルを画定し、前記第2の板が、前記第2の方向に沿って細長い第2のチャネルを画定し、前記第1及び第2のチャネルは、互いに向かって開放しており、コンパートメントを画定するように互いの上に横たわり、前記楔の各々は、前記インプラントが前記畳み込まれた構成にあるとき、前記コンパートメント内に収容されている、実施態様5に記載のインプラント。
(7) 前記第1のチャネルが、前記第2の方向と、前記第1及び第2の方向に対して垂直である第3の方向と、に沿って延在する第1の基部表面を画定し、
前記第2のチャネルが、前記第2及び第3の方向に沿って延在する第2の基部表面を画定し、前記第1及び第2の基部表面が、互いに向き合い、
前記第2の支持楔が、前記畳み込まれた構成と前記拡張された構成との間での前記インプラントの拡張中に、前記第2の基部表面に沿って摺動するように構成されている楔基部表面を画定し、
前記拡張楔が、前記インプラントの拡張中に、前記第1の基部表面に沿って乗るように構成されている別の楔基部表面を画定する、実施態様6に記載のインプラント。
(8) 前記拡張楔が、前記第2の方向に関して傾斜している追加の傾斜面を更に画定し、前記インプラントは、前記インプラントの第1の拡張段階中に、
前記第2の傾斜面が前記第1の傾斜面に沿って乗る間、前記追加の傾斜面が、前記第2の方向に関して前記第1の傾斜面から離れ、
前記第4の傾斜面が、前記第3の傾斜面に沿って乗り、かつ
前記別の楔基部表面が、前記第1の基部表面に沿って乗る、ように構成されている、実施態様7に記載のインプラント。
(9) 前記インプラントは、前記インプラントの第2の拡張段階中に、1)前記追加の傾斜面が、前記第1の傾斜面に沿って乗り、かつ2)前記第2の傾斜面が、前記第1の傾斜面から離れている、ように構成されている、実施態様8に記載のインプラント。
(10) 前記アクチュエータは、前記第2の方向に沿って向けられた軸を中心に回転可能であり、前記アクチュエータは、前記第4の傾斜面が前記第3の傾斜面に沿って乗るにつれて、前記拡張楔を駆動して前記第2の方向に沿って並進させる、実施態様1に記載のインプラント。
【0115】
(11) 前記アクチュエータは、前記軸を中心とした前記アクチュエータの回転が、前記拡張楔を前記アクチュエータに沿ってねじ方式で並進させるように、前記拡張楔にねじ方式で連結されている、実施態様1に記載のインプラント。
(12) 前記拡張アセンブリが、第1の拡張アセンブリであり、
前記インプラントが、前記第1の方向に関して前記第1の板と前記第2の板との間に配設された第2の拡張アセンブリを更に備え、前記第2の拡張アセンブリが、前記第2の方向に沿って前記第1の拡張アセンブリから離間配置され、前記第2の拡張アセンブリが、
前記第1の板を支持する第3の支持楔であって、第5の傾斜面を画定する、第3の支持楔と、
前記第2の板を支持する第4の支持楔であって、前記第2の支持楔が、第6の傾斜面及び第7の傾斜面を画定する、第4の支持楔と、
第8の傾斜面を画定する第2の拡張楔と、を含み、
前記第5、第6、第7、及び第8の傾斜面の各々が、前記第2の方向に関して傾斜しており、前記第3及び第4の支持楔のうちの少なくとも一方が、前記それぞれの支持された第1又は第2の板に沿って摺動可能であり、
前記アクチュエータは、1)前記第1の板と前記第2の板との間の前記距離を前記第1の方向に沿って集合的に増加させるように、前記第4の傾斜面が前記第3の傾斜面に沿って乗るにつれて、前記第8の傾斜面を前記第7の傾斜面に沿って乗せ、かつ2)前記第1の板と前記第2の板との間の前記距離を前記第1の方向に沿って集合的に更に増加させるように、前記第2の傾斜面が前記第1の傾斜面に沿って乗るにつれて、前記第6の傾斜面を前記第5の傾斜面に沿って乗せ、それにより前記インプラントに前記畳み込まれた構成から前記拡張された構成まで繰り返させるように、前記第2の拡張楔に第2の駆動力を印加するように構成されている、実施態様1に記載のインプラント。
(13) 前記拡張された構成が、第1の拡張された構成であり、拡張アセンブリが、第1の拡張アセンブリであり、前記距離が、第1の距離であり、前記インプラントが、
第1の側及び第2の側であって、前記第2の側が、前記第1及び第2の方向に対して略垂直である第3の方向に沿って前記第1の側から離間配置され、前記第1の距離が、前記インプラントの前記第1の側で測定可能である、第1の側及び第2の側と、
前記第1の方向に関して前記第1の板と前記第2の板との間に配設された第2の拡張アセンブリであって、前記第3の方向に沿って前記第1の拡張アセンブリから離間配置され、
前記第1の板を支持する第3の支持楔であって、第5の傾斜面を画定する、第3の支持楔と、
前記第2の板を支持する第4の支持楔であって、前記第2の支持楔が、第6の傾斜面及び第7の傾斜面を画定する、第4の支持楔と、
第8の傾斜面を画定する第2の拡張楔と、を含み、
前記第5、第6、第7、及び第8の傾斜面の各々が、前記第2の方向に関して傾斜しており、前記第3及び第4の支持楔のうちの少なくとも一方が、前記第3及び第4の支持楔のうちの前記一方によって支持された前記それぞれの板に沿って摺動可能である、第2の拡張アセンブリと、
第2のアクチュエータであって、1)前記第2の側で測定可能である、前記第1の板と前記第2の板との間の第2の距離を前記第1の方向に沿って増加させるように、前記第8の傾斜面を前記第7の傾斜面に沿って乗せ、かつ2)前記第1の板と前記第2の板との間の前記第2の距離を前記第1の方向に沿って更に増加させるように、前記第6の傾斜面を前記第5の傾斜面に沿って乗せ、それにより前記インプラントに前記畳み込まれた構成から前記第2の拡張された構成まで繰り返させるように、前記第2の拡張楔に第2の駆動力を印加するように構成され、前記第2の拡張された構成において、前記第2の距離は、前記第1及び第2の板のうちの一方が、前記第1及び第2の板のうちの他方に関して傾いているように、前記第1の距離とは異なっている、第2のアクチュエータと、を更に備える、実施態様1に記載のインプラント。
(14) 椎間腔への横方向挿入のためのインプラントであって、
垂直方向に関して第1の終板と第2の終板との間に配設された拡張機構を備え、前記第1の終板が、第1の骨接触面を画定し、前記第2の終板が、前記垂直方向に沿って前記第1の骨接触面から離れる方を向く第2の骨接触面を画定し、前記拡張機構が、
第1の軸に沿って配置された前方作動アセンブリと、
第2の軸に沿って配置された後方作動アセンブリと、を備え、前記第1及び第2の軸が各々、前記垂直方向に対して略垂直である長手方向に沿って向けられ、前記第1及び前記第2の軸が、前記垂直方向及び前記長手方向に対して略垂直である横断方向に沿って互いに離間配置され、前記垂直方向に沿った前記第1の骨接触面と前記第2の骨接触面との間の第1の距離が、前記第1の軸と交差し、前記垂直方向に沿った前記第1の骨接触面と前記第2の骨接触面との間の第2の距離が、前記第2の軸と交差し、前記前方及び後方作動アセンブリが各々、
前記第1の終板を支持する第1の支持楔と、
前記第2の終板を支持する第2の支持楔であって、前記第1の支持楔に対して摺動可能である、第2の支持楔と、
前記第2の支持楔に対して摺動可能である拡張楔と、
前記拡張楔に連結された駆動シャフトであって、1)前記拡張楔を前記第2の支持楔に沿って乗せ、かつ2)前記第2の支持楔を前記第1の支持楔に沿って乗せ、それにより前記それぞれの第1又は第2の距離を変化させるように、前記それぞれの第1又は第2の軸を中心に回転可能である、駆動シャフトと、を備え、
前記前方及び後方作動アセンブリの前記駆動シャフトは、前記第1の距離と前記第2の距離との間に差異を提供するように、互いに独立して回転可能である、インプラント。
(15) 各拡張楔が、第1の部材及び第2の部材を備え、前記第1の部材が、前記第2の部材に対して前記それぞれの第1又は第2の軸を中心に回転可能であり、前記第1の部材が、前記それぞれの駆動シャフトの回転に応答して前記それぞれの第2の支持楔に沿って乗るように構成され、前記第2の部材が、前記それぞれの駆動シャフトの回転に応答して前記それぞれの第1の支持楔に沿って乗るように構成されている、実施態様14に記載のインプラント。
【0116】
(16) 各終板が、前方ガイド機構及び後方ガイド機構を画定し、前記前方ガイド機構及び前記後方ガイド機構の各々が、前記長手方向に沿って延在し、
各第2の支持楔が、前記第2の終板の前記それぞれの前方又は後方ガイド機構に沿って乗るように構成されたガイド要素を含み、
各拡張楔の前記第2の部材が、前記第1の終板の前記それぞれの前方又は後方ガイド機構に沿って乗るように構成されたガイド要素を含む、実施態様15に記載のインプラント。
(17) 各第2の支持楔が、ガイド機構を更に含み、各拡張楔の前記第1の部材が、前記それぞれの第2の支持楔の前記ガイド機構内に乗るように構成されたガイド要素を画定する、実施態様16に記載のインプラント。
(18) 各第1の支持楔が、ガイド機構を画定し、前記それぞれの第2の部材の前記ガイド要素が、前記それぞれの第1の支持楔の前記ガイド機構に沿って乗るように更に構成されている、実施態様17に記載のインプラント。
(19) 前記ガイド機構の各々が、ガイド溝であり、前記ガイド要素の各々が、関連する前記ガイド溝内に延在し、かつ該関連するガイド溝に沿って乗るように構成されたガイド突出部である、実施態様18に記載のインプラント。
(20) 前記第2の終板の前記ガイド溝及び前記第2の支持楔の前記それぞれのガイド突出部が、前記第2の終板を、前記それぞれの第1又は第2の軸を中心とした回転に関して前記第2の支持楔の各々に回転式で連動させるように、協働的に成形され、
前記第2の支持楔の前記ガイド溝及び前記第1の部材の前記それぞれのガイド突出部が、前記第2の支持楔を、前記それぞれの第1又は第2の軸を中心とした回転に関して前記それぞれの第1の部材に回転式で連動させるように、協働的に成形されている、実施態様19に記載のインプラント。
【0117】
(21) 各第1の支持楔が、前記それぞれの第1又は第2の軸を中心とした回転に関して前記第1の終板に固定され、
各第2の部材の前記ガイド突出部及び前記第1の終板の前記それぞれのガイド溝は、関連する前記第2の部材の前記ガイド突出部が前記それぞれのガイド溝内に延在するとき、前記第1の終板を関連する前記第2の部材に回転式で連動させるように、協働的に成形され、
各第2の部材の前記ガイド突出部及び前記それぞれの第1の支持楔の前記ガイド溝は、関連する前記第1の部材の前記ガイド突出部が関連する前記第1の支持楔の前記ガイド溝内に延在するとき、各第1の支持楔を関連する前記第1の部材に回転式で連動させるように、協働的に成形されている、実施態様20に記載のインプラント。
図1
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