(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】大麻を低圧放射エネルギーで処理する方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/08 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
A61L2/08
(21)【出願番号】P 2019565161
(86)(22)【出願日】2018-02-08
(86)【国際出願番号】 US2018017451
(87)【国際公開番号】W WO2018148430
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2021-02-08
(32)【優先日】2017-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519291216
【氏名又は名称】ティルレイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100183379
【氏名又は名称】藤代 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】イーズ カレブ ジョシュア
【審査官】田名部 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-322705(JP,A)
【文献】特開昭50-066094(JP,A)
【文献】特開昭56-127081(JP,A)
【文献】特開平03-030288(JP,A)
【文献】国際公開第2010/013583(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0096189(US,A1)
【文献】特開平10-023881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/08 - 2/12
A23L 3/00 - 3/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大麻の処理方法であって、
大麻原料を受け取る工程と、
前記大麻原料の分析を行う工程であって、分析の種類が、写真/動画分析、レーザー分析、スペクトル/分光計分析、近赤外分光法(NIR)、成分分析、バイオバーデン分析、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ガスクロマトグラフィ(GC)、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、薄層クロマトグラフィ(TLC)、核磁気共鳴(NMR)、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)及び残留農薬分析からなる群から選択される、工程と、
前記分析に基づいて第1放射エネルギーパラメータを決定する工程と、
前記分析に基づいて第1圧力パラメータを決定する工程と、
前記第1放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記第1圧力パラメータに応じた圧力で前記大麻原料を処理する工程と、
を含み、
前記大麻原料のバイオバーデンを所定の閾値未満まで低減し、前記大麻原料の水分含有量を所定の閾値未満まで低下させ、前記大麻原料のテルペン含有量を所定の閾値より高く維持するように、前記第1放射エネルギーパラメータ及び前記第1圧力パラメータを決定する、大麻の処理方法。
【請求項2】
前記第1放射エネルギーパラメータが、7キロワットである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1圧力パラメータが、
40,000パスカルである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記第1圧力パラメータに応じた圧力で10分間にわたって前記大麻原料を処理する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1圧力パラメータが、
40,000パスカルである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記第1圧力パラメータに応じた圧力で10分間にわたって前記大麻原料を処理する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1放射エネルギーパラメータが、5キロワットである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1圧力パラメータが、
20,000パスカルである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記第1圧力パラメータに応じた圧力で15分間にわたって前記大麻原料を処理する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1圧力パラメータが、
20,000パスカルである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記第1圧力パラメータに応じた圧力で15分間にわたって前記大麻原料を処理する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
大麻の処理方法であって、
大麻原料を受け取る工程と、
前記大麻原料の分析を行う工程であって、分析の種類が、写真/動画分析、レーザー分析、スペクトル/分光計分析、近赤外分光法(NIR)、成分分析、バイオバーデン分析、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ガスクロマトグラフィ(GC)、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、薄層クロマトグラフィ(TLC)、核磁気共鳴(NMR)、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)及び残留農薬分析からなる群から選択される、工程と、
前記分析に基づいて放射エネルギーパラメータを決定する工程と、
前記分析に基づいて圧力パラメータを決定する工程と、
前記放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記圧力パラメータに応じた圧力で前記大麻原料を処理する工程と、
を含み、
前記大麻原料の水分活性を0.60未満まで低下させ、前記大麻原料のテルペン含有量を所定のレベルより高く維持するように、前記放射エネルギーパラメータ及び前記圧力パラメータを決定する、大麻の処理方法。
【請求項13】
前記放射エネルギーパラメータが、7キロワットである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記圧力パラメータが、
40,000パスカルである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記圧力パラメータに応じた圧力で10分間にわたって前記大麻原料を処理する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記圧力パラメータが、
40,000パスカルである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記圧力パラメータに応じた圧力で10分間にわたって前記大麻原料を処理する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記放射エネルギーパラメータが、5キロワットである、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記圧力パラメータが、
20,000パスカルである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記圧力パラメータに応じた圧力で15分間にわたって前記大麻原料を処理する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、著作権、マスクワーク権及び/又はその他の知的財産保護の対象となる内容を含む可能性がある。そのような知的財産の所有者は、その開示内容を公開済みの特許庁文書/記録にある通りに再現することに対して異議はないものの、それ以外については全ての権利を留保する。
【0002】
本発明は大麻の処理の分野、より具体的には大麻のバイオバーデンの低減に用い得る方法に関する。
【背景技術】
【0003】
大麻のバイオバーデンを低減するための従来法(例えば、製品上の微生物の殺菌)にはガンマ線照射及び電子線放射が含まれる。そのような方法では高温になったり及び/又は圧力差が生じたりして、例えばテルペン等の重要な化合物の喪失、最終製品の変色及び/又は匂いの変化が起き、大麻の製品が損なわれる可能性がある。
【0004】
従って、従来法の欠点の一部又は全てを克服した、大麻のバイオバーデンを低減するための改善された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は大麻のバイオバーデンを低減するための新規な方法及び装置に関し、大麻を低圧放射エネルギーで処理するための新規な方法及び装置を含む。本発明は、圧力及び放射エネルギー(例えば、マイクロ波強度)を適切に決定及び適用することで製品の品質に影響を及ぼすことなく(テルペン喪失、匂い、色、感触等)十分に殺菌する及び/又は十分に乾燥させることを達成する。
【0006】
本発明の目的は、処理中の大麻からの重要な揮発性化合物、例えばカンナビノイド及び/又はテルペンの喪失を最小限に抑え、また最終製品(すなわち、処理済みの大麻)の色、外観、匂い及び/又は感触を維持することである。
【0007】
本発明の目的は、空気乾燥又は他の既知の乾燥技法と比較して乾燥時間を大幅に短縮することでもある。
【0008】
本発明の目的は、収穫から下流製造工程の様々な地点までの大麻の新規で迅速な処理を提供することでもあり、総処理時間が一般的な処理時間より大幅に短縮される。収穫から包装までの大麻の全製造工程は一日で完了し得て、収穫、不要な部分の除去、乾燥、バイオバーデン低減、トリミング及び包装を含み得る。
【0009】
好ましい実施形態として多数の変化形を実践し得る。
【0010】
添付の図面の図に描かれた実施形態を参照することで本発明を更に理解することができる。図示した実施形態は本発明を実施するためのシステム、方法及び装置の例示にすぎないものの、本発明の構成及び操作方法は共に、概して、更なる目的及びその利点と共に、図面及び以下の説明を参照することでより理解し易くなると考えられる。同様の参照番号は概して同様の特色(例えば、機能的に同様及び/又は構造的に同様の要素)を指す。
【0011】
図面は必ずしも縮尺通りではなく、場合によっては、異なる特色を理解し易くするために、本明細書で開示の開示主題の様々な態様を図で強調又は拡大することもある。また、図面は、本願に付随する又は後に補正する請求項に詳細に記載されている本発明の範囲を限定することを意図してはおらず、本発明を明確にし、例示しているにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本発明による大麻処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(0015)
本発明は、本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を参照することでより理解し易くなると考えられる。しかしながら、本発明による技法、システム及び動作構造は幅広い形態及びモードで具体化し得て、一部は開示の実施形態のものとは大きく異なり得る。結果的に、本明細書で開示の特定の構造的及び機能的細部は代表的なものにすぎず、それでもなお、開示という目的のための最良の実施形態を提示し、また本発明の範囲を定義する本願の請求項のベースになると考えられる。
【0014】
(0016)
開示の方法及び装置は、既存のバイオバーデン低減技法よりはるかに有利である。一部の実施形態において、処理は乾燥及び/又はバイオバーデン低減を別々の又は組み合わせた工程として含み得る。
【0015】
(0017)
図1Aのフロー図例に示すように、本開示の一部の実施形態において、低圧放射エネルギーによる大麻処理法は、処理するために大麻原料を受け取ること(103)を含み得る。ステップ103で受け取った大麻原料は未処理又は一部処理されたものになり得る。
【0016】
(0018)
受け取った大麻原料(例えば、葉、花及び/又は茎)は容器内に及び/又は運搬装置(例えば、コンベヤベルト)上に置き得る。次に、大麻原料を分析する(105)。この分析は数々の分析(肉眼及び顕微鏡による分析、化学分析、安全性分析等)の1つ以上になり得て、非限定的な例を挙げるならば、視覚/写真/動画分析、レーザー分析、スペクトル/分光計分析、近赤外分光法(NIR)分析、水分分析、成分(例えば、THC、CBD、テルペノイド、フラボノイド等)分析、バイオバーデン分析(例えば、真菌類/マイコトキシン、カビ、うどん粉病菌、微生物、細菌等)、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)分析、ガスクロマトグラフィ(GC)分析、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)分析、薄層クロマトグラフィ(TLC)分析、核磁気共鳴(NMR)分析、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)分析、残留農薬分析等を含む。次に、分析結果に基づいて、バイオバーデン及び湿度/水分含有量が特定のレベル以下まで低下するように、大麻原料に用いる放射エネルギーパラメータ(107)及び/又は圧力パラメータ(109)を決定する/計算する。
【0017】
(0019)
次に、大麻原料のテルペン(及び/又は他の大麻成分)含有量を特定の閾値以上に維持しながら、大麻原料を、大麻原料のバイオバーデンが取り除かれる若しくは特定の閾値以下まで低下するように及び/又は大麻原料の水分含有量が特定の閾値以下まで低下するように、決定した放射エネルギーパラメータの放射エネルギー及び/又は圧力パラメータの圧力で処理する(111)。
【0018】
(0020)
うどん粉病菌は大麻の一般的なバイオバーデンであり、ほとんど害のない菌の1つでもあるものの、通常は、大半の消費者にとって不快と感じられる味を大麻につけてしまうだけである。しかしながら、消費者の肺に問題があったり、免疫系が損なわれていたり、あるいはカビに対するアレルギーがあったりすると、うどん粉病菌は重大な問題になる可能性がある。そのため、特定の大麻原料束に軽度のうどん粉病菌問題がある及び/又はある可能性があると判明した場合は、うどん粉病菌を殺す及び/又は大麻原料を乾燥させるように放射エネルギーパラメータ及び/又は圧力パラメータを構成し得る。一部の実施形態においては、バイオバーデンが特定の閾値を超えて認められた場合、その大麻原料を除外し得て、あるいは別の処理をするために目印をつけ得る(例えば、元に戻す、廃棄する又はバイオバーデンを完全に排除する形で処理して抽出物を得る)。
【0019】
(0021)
細菌及び真菌類には特定の水分要件がある。多くの植物ベース食品は高い水分含有量を有し、この高い水分含有量が微生物の著しい増殖を促し、きちんと調理されていない場合にリスクを生じさせ得る。本発明の方法及び装置では、水分含有量に注目するのではなく、細菌増殖の可能性を求めるにあたって「水分活性」を利用することができ、水分活性とは、微生物学的増殖に利用できる利用可能な水の量である。水分活性は水分含有量に対して非線形的に、各材料に特有な特定の形で上昇する。糖含有量及び/又は塩分含有量が高い高水分含有量の食品は典型的には水分活性が低く、これは溶質濃度により水の大半が機能的に利用不可能となるからである。
【0020】
(0022)
本明細書で論じるように、水分活性は0~1であり、殆どの病原体は水分活性0.9未満では増殖できず、一部の真菌類は0.611という低い水分活性でも緩やかに増殖できる。
図1Bは、大麻の花の試料の平均から作成した大麻水分収着等温線を示す。この図からわかるように、水分活性0.65は概して水分含有量14%(±2%)に相当する。
【0021】
(0023)
一部の実施形態において、本発明の方法は、処理済みの大麻原料が0.60未満、0.59未満、0.58未満、0.57未満、0.56未満、0.55未満、0.54未満、0.53未満、0.52未満、0.51未満、0.50未満、0.49未満、0.48未満、0.47未満、0.46未満、0.45未満、0.44未満、0.43未満、0.42未満、0.41未満、0.40未満、0.39未満、0.38未満、0.37未満、0.36未満、0.35未満、0.34未満、0.33未満、0.32未満、0.31未満又は0.30未満の水分活性を有するように大麻原料を処理するように構成される。一部の実施形態において、本発明の方法は、処理済みの大麻原料が約0.1~0.8、約0.30~0.60、約0.35~0.55又は約0.40~0.50の水分活性を有するように大麻原料を処理するように構成される。一部の実施形態において、本発明の方法及び装置は、処理済みの大麻原料が1~15%、約2~約13%又は約5約~10%の水分含有量を有するように大麻原料を処理するように構成される。
【0022】
(0024)
本発明の一部の実施形態において、本方法は放射エネルギーへの複数回にわたる曝露並びに/又は放射エネルギーへの多様な時間及び/若しくは強度での及び/若しくは多様な圧力/大気圧より低い圧力での曝露を含み得る。放射エネルギーへは、大気圧とは異なる圧力を大麻に印加すると同時に曝露し得る。付加的又は代替的に、放射エネルギーへは、大気圧とは異なる圧力を大麻に印加する時とは異なるタイミングで曝露し得る、放射エネルギーへの曝露及び大気圧とは異なる圧力の印加は同一処理チャンバで行い得る。あるいは、放射エネルギーへの曝露及び大気圧とは異なる圧力の印加は別々の処理チャンバで行い得る。
【0023】
(0025)
本発明の一部の実施形態においては、テルペン及び/又は他の大麻成分が処理中に大麻原料から取り除かれる場合があり、そのような一部の実施形態においては、成分が取り除かれたそのような原料を元に戻すことができる。例えば、(例えば、処理チャンバからの空気流をモニタするセンサにより)所与のバッチの処理中に特定のテルペンが取り除かれていると判明したならば、そのテルペンを(例えば、大麻原料から取り除かれた空気/水分からテルペンを抽出/濃縮することで)回収し、大麻原料に戻すことができる及び/又は代わりのテルペンを大麻原料に添加することができる。
【0024】
(0026)
本発明の一部の実施形態において、装置及び/又は方法は、処理済みの大麻原料のバイオバーデンが以下の1つ以上になるように構成される。
好気性細菌の総生菌数<100,000CFU
酵母及びカビの総数<10,000CFU
胆汁耐性グラム陰性菌<1,000CFU
大腸菌群総数<1,000CFU
大腸菌(病原菌株)-1グラム中に検出されず
サルモネラ(Salmonella)種-1グラム中に検出されず
グラム陰性菌<10,000CFU
アスペルギルス(Aspergillus)属-検出されず
ペニシリウム(Penicillium)属-検出されず
ムコール(Mucor)属-検出されず
好熱性放線菌(Actinomycetes)-検出されず
【0025】
(0027)
本発明の一部の実施形態は、低圧放射エネルギー大麻処理装置を含む。装置の全体像例を
図2に示す。そのような装置200はハウジング230を含み得て、ハウジング230は、未処理又は一部処理済みの大麻原料201を受け取るように構成された取込口203を有する。ハウジング230は任意の形状又はサイズになり得て、また建造物又は建造物内の部屋を含めた任意の構造体を含み得る。取込口203は扉、シュート、スロット、開口部又は大麻原料201を受け取るための他の任意の構造体になり得る。
【0026】
(0028)
装置200及び/又はそのサブデバイスは、1つ以上のセンサ、サブコンポーネント、入力装置等からのデータを処理し、また1つ以上のセンサ、サブコンポーネント、出力装置等を制御するように構成されたコンピュータ、コンピュータプロセッサ、制御回路、マイクロコントローラ及び/又は他のコンピュータデバイス202を含み得る。
【0027】
(0029)
装置200は、装置200内で大麻原料を移動させるように構成された運搬装置205(例えば、コンベヤ、流路、スロープ、シュート、ローラ)を含み得る。大麻原料201は、例えばコンベヤ上を移動する容器に入れ得る。あるいは、装置200は、大麻原料201上を移動し得る又は移動させられ得る。
【0028】
(0030)
装置200は、バイオバーデン、水分含有量、質量、テルペン含有量、色等を含む複数の特徴の1つ以上について大麻原料201を分析するように構成された1つ以上の分析装置207を含み得る。分析装置207は、視覚/写真/動画分析装置、レーザー分析装置、スペクトル/分光計分析装置、秤、近赤外分光法(NIR)装置、水分分析装置、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)装置、ガスクロマトグラフィ(GC)装置、温度センサ、圧力センサ、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置、薄層クロマトグラフィ(TLC)装置、核磁気共鳴(NMR)撮像装置、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)装置等を含み得る。
【0029】
(0031)
1つ以上の分析装置207からのデータに基づいて、装置200は、(例えば、コンピュータデバイス202を通して)大麻原料用の放射エネルギーパラメータ及び圧力パラメータを決定し得る。例えば、分析装置207が、コンピュータデバイス202により処理される、大麻原料201の水分活性を決定するためのデータを提供する場合(例えば、分析装置207がLOD(乾燥減量)測定装置、分光分析装置、電解質センサ、圧電吸収装置等であるならば)、コンピュータデバイス202は更に、大麻原料201の水分活性レベルを特定のレベル以下(例えば、0.60)まで低下させるのに適した放射エネルギーパラメータ及び圧力パラメータを決定し得る。
【0030】
(0032)
放射エネルギーパラメータは、放射エネルギー強度、放射エネルギーへの曝露時間及び/又は(変則的若しくは断続的な放射エネルギー曝露時間及び/又は強度がある)放射エネルギー曝露計画若しくはスケジュールを含み得る。圧力パラメータは、(例えば、外部圧力/大気圧に対して)どれだけの圧力を大麻原料に印加するかを含み得る。圧力パラメータは更に、異なる圧力、圧力勾配での循環及び/又は特定の放射エネルギー曝露量での特定の圧力の印加を含み得る。本発明の一部の実施形態において、印加する圧力は外部/大気圧未満になり得る。
【0031】
(0033)
装置200は、決定した放射エネルギーパラメータに基づいて放射エネルギー209aを大麻原料に放出する及び/又は供給するように構成された1つ以上の放射エネルギーエミッタ209を含み得る。一部の実施形態において、1つ以上の放射エネルギーエミッタ209は、非電離放射エネルギーを周波数約1~約8GHz、波長約30~約3.75cmで放出するように構成し得る。一部の実施形態において、少なくとも1つの放射エネルギーエミッタは、放射エネルギーを周波数約400~8,000MHzで放出するように構成され、この範囲の間の全ての整数値が含まれ、以下に限定するものではないが、約433MHz、433.92MHz、約434MHz、約915MHz、915MHz、約2450MHz、2450MHz、約5,800MHz又は5,800MHzを含む。一部の実施形態において、1つ以上の放射エネルギーエミッタは、放射エネルギーを発生させるための磁電管/空胴磁電管及び/又は同様のものを含み得る。一部の実施形態において、1つ以上の放射エネルギーエミッタ及び/又は装置は、放出された放射エネルギーを指向させ及び/又は再指向させ、一部の実施例においては放射エネルギーが大麻原料に向かって概して均一に(及び/又は時間を通じて均一に)分散するように放射エネルギーを指向させる固定した及び/又は移動可能な導波管を含み得る。一部の実施形態において、装置は、大麻原料が受け取る放射エネルギーが約0.1~約50kW/kgとなるように構成し得て、約0.2kW/kg、約0.3kW/kg、約0.4kW/kg、約0.5kW/kg、約0.6kW/kg、約0.7kW/kg、約0.8kW/kg、約0.9kW/kg、約1kW/kg、約5kW/kg、約10kW/kg、約15kW/kg、約20kW/kg、約25kW/kg、約30kW/kg、約35kW/kg、約40kW/kg、約45kW/kg、約49kW/kg又はこの間の任意の整数値を含む。
【0032】
(0034)
一部の実施形態において、装置は、大麻原料201が1回の放射エネルギーセッション又は複数回の放射エネルギーセッションにわたって放射エネルギー209aに曝露されるように構成し得る。一部の実施形態において、装置200は、放射エネルギーセッションが1秒未満、約1秒、5秒、10秒、20秒、30秒、45秒、60秒、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、30分、45分、60分、90分、120分、150分、180分、240分、300分、360分、420分、480分、540分又はその間の整数値となるように構成し得る。一部の実施形態において、装置は、装置からの放射エネルギーへの大麻原料の総曝露時間(すなわち、放射エネルギーセッションの総回数)が約5秒、10秒、20秒、30秒、45秒、60秒、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、30分、45分、60分、90分、120分、150分、180分、240分、300分、360分、420分、480分、540分又はこれらの間の整数値となるように構成し得る。
【0033】
(0035)
装置200は、決定した圧力パラメータに基づいて環境圧力(すなわち、処理中、大麻原料201が曝露される圧力)を制御するように構成された1つ以上の圧力ポンプ213等を含み得る。圧力はターゲット圧力及び/又は設定点圧力になり得る。圧力は、決定した圧力パラメータに基づいて初期圧力(例えば、大気圧又は外部圧力)から環境圧力へと又は環境圧力に向かって変化するにつれて曲線又は直線を描き得る。一部の実施形態において、装置200は、大麻原料201が約500,000パスカル(Pa)~1Paの1つ以上の異なる圧力に曝露されるように構成し得て、500,000Pa、400,000Pa、300,000Pa、200,000Pa、101,325Pa、100,000Pa、50,000pa、10,000Pa、5,000Pa、1,000Pa、500Pa、100Pa、50Pa、10Pa、1Pa又はこれらの間の任意の整数値を含む。例えば、一実施形態において、大麻原料201は約20,000Paの圧力に曝露し得る。別の実施形態例において、大麻原料201は約40,000Paの圧力に曝露し得る。
【0034】
(0036)
本発明の一部の実施形態において、装置200は、大麻原料201が1回の圧力セッション又は複数回の圧力セッションにわたって環境圧力に曝露されるように構成し得る。一部の実施形態において、装置は、1圧力セッションが約1秒(例えば、ターゲット圧力に達した後、次の圧力に向かって継続する又はベースラインに戻る。あるいは、セッションは圧力がベースライン圧力から離れる時間になり得るため、ターゲット圧力に達する及び/又はターゲット圧力からベースライン若しくは次の圧力に戻る時間を含む)、約5秒、10秒、20秒、30秒、45秒、60秒、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、30分、45分、60分、90分、120分、150分、180分、240分、300分、360分、420分、480分、540分又はその間の任意の整数値となるように構成し得る。一部の実施形態において、装置200は、装置からの変更した圧力への大麻原料201の総曝露時間(すなわち、圧力セッション総数又は特定の変更圧力でのセッション総数)が約5秒、10秒、20秒、30秒、45秒、60秒、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、30分、45分、60分、90分、120分、150分、180分、240分、300分、360分、420分、480分、540分又はその間の任意の整数値になるように構成し得る。
【0035】
(0037)
本発明の一部の実施形態において、装置200は、1回以上の圧力セッションが1回以上の放射エネルギーセッションに対応する又は関連するように構成される。一部の実施形態において、装置は、装置内の環境温度及び/又は大麻原料の温度を変更するように構成された温度コントローラ211、例えばヒータ又は冷却器を含む。例えば、一部の実施形態において、温度コントローラ211は、大麻原料201が、特定の時間中(例えば、所与の圧力セッション及び/又は放射エネルギーセッションの間、あるいは1回以上のセッションにわたって)に所与の温度に達する、それを超える、それを超えない、それ未満を維持する又はそれを下回らないように大麻原料201の温度を上昇、下降又は維持するように構成される。例えば、装置を、大麻原料の温度が所与の温度を特定の時間より長く超えないように構成し得る(例えば、1分より長く50℃を超えない又は大麻原料が装置内にある全時間にわたって60℃を超えない)。一部の実施形態において、所与の温度は約80~約-120℃であり、80℃、70℃、60℃、50℃、40℃、30℃、20℃、10℃、5℃、0℃、-5℃、-10℃、-20℃、-30℃、-40℃、-50℃、-60℃、-70℃、-80℃、-90℃、-100℃、-110℃、-120℃又はその間の任意の整数値を含む。一部の実施形態において、温度コントローラ211は、特定の及び/又は決定したパラメータに基づいて又はその中で温度が動的に制御されるように、装置200のコンポーネント、例えばセンサ、運搬装置205、圧力ポンプ213及び/又は放射エネルギーエミッタ209と共働し得る/に組み込み得る。
【0036】
(0038)
装置200は、処理済みの大麻原料201が出てくるように構成された出口又は取出口217を含み得る。一部の実施形態において、大麻は、未処理の大麻原料よりバイオバーデンが低い。一部の実施形態において、大麻のバイオバーデンは、空気乾燥させた大麻原料より低い。一部の実施形態において、装置200は、処理済みの大麻原料が0.80未満,0.75未満、0.70未満、0.65未満、0.60未満、0.59未満、0.58未満、0.57未満、0.56未満、0.55未満、0.54未満、0.53未満、0.52未満、0.51未満、0.50未満、0.49未満、0.48未満、0.47未満、0.46未満、0.45未満、0.44未満、0.43未満、0.42未満、0.41未満、0.40未満、0.39未満、0.38未満、0.37未満、0.36未満、0.35未満、0.34未満、0.33未満、0.32未満、0.31未満又は0.30未満の水分活性を有するように大麻原料を処理するように構成される。一部の実施形態において、装置200は、処理済みの大麻原料が約0.1~0.8、約0.30~0.60、約0.35~0.55又は約0.40~0.50の水分活性を有するように大麻原料を処理するように構成される。
【0037】
(0039)
本発明の一部の実施形態において、装置200は、テルペンレベル及び/又は大麻原料201の1種以上の他の成分を所与の閾値より高く、例えば大麻原料201を処理する前のレベルに対するある割合又は空気乾燥させた大麻原料に対するある割合で維持するように構成し得る。例えば、一部の実施形態において、大麻原料のテルペン含有量(1種以上のテルペンについて)はベースラインの50%より高く、ベースラインの60%より高く、ベースラインの70%より高く、ベースラインの75%より高く、ベースラインの76%より高く、ベースラインの77%より高く、ベースラインの78%より高く、ベースラインの79%より高く、ベースラインの80%より高く、ベースラインの81%より高く、ベースラインの82%より高く、ベースラインの83%より高く、ベースラインの84%より高く、ベースラインの85%より高く、ベースラインの86%より高く、ベースラインの87%より高く、ベースラインの88%より高く、ベースラインの89%より高く、ベースラインの90%より高く、ベースラインの91%より高く、ベースラインの92%より高く、ベースラインの93%より高く、ベースラインの94%より高く、ベースラインの95%より高く、ベースラインの96%より高く、ベースラインの97%より高く、ベースラインの98%より高く又はベースラインの99%より高く成り得て、ベースラインは空気乾燥させた大麻原料にベースとしており、あるいは処理前の大麻原料201をベースとしている。
【0038】
(0040)
本発明の一部の実施形態において、装置200は、依然としてバイオバーデンを低減し及び/又は特定の水分活性レベルに達しながらも、テルペン及び/又は大麻原料201の他の大麻成分が維持されるように様々なコンポーネントをパラメータ内で及び/又は動的に操作するように構成される。
【0039】
(0041)
本発明の一部の実施形態において、装置200は、大麻原料201中に存在する1種以上のテルペン(及び/又は他の大麻成分)の一部を、例えばポンピング及び放射エネルギーへの曝露により取り除き、取り除いたテルペン/大麻成分を大麻原料201へと添加デバイス215、例えば1種以上のテルペンを大麻原料201に添加するように構成されたテルペンディスペンサに戻すように構成される。
【0040】
(0042)
本発明の一部の実施形態において、大麻原料201に添加する1種以上のテルペンは、大麻原料201から取り除いた1種以上のテルペンを含む。一部の実施形態において、添加したテルペン等は、圧力ポンプ213からの流出物から抽出器(図示せず)により回収及び/又は濃縮し得て、あるいは貯蔵原料から添加し得る。
【0041】
(0043)
装置200は分離した領域、チャンバ、コンパートメント、部屋、部分又は他の分離した空間を有し得て、そこに上述の1つ以上のコンポーネントを設置し得る。例えば、分析装置207は、装置200における放射エネルギーエミッタ209と同じ部分又は異なる部分に設置し得る。別の例として、圧力ポンプ213は、装置200の放射エネルギーエミッタ209と同じ領域又は異なる領域に設置し得る。1つ以上のコンポーネントを装置200の異なる領域に分ける場合は、運搬装置205が大麻原料201を各領域に又は領域間で運搬し得る。
【0042】
(0044)
バイオバーデンを低減する/殺菌するためには、十分な放射エネルギー及び圧力(例えば、減圧/真空)を適用することで大麻原料201の温度を、効果的に殺菌するのに十分なレベルまで上昇させ得る。温度レベル及び持続時間は大麻原料201の水分含有量に応じて変更し得る。より多くの水分を含む大麻原料201が必要とする曝露時間はより短いものになり得る。これは水の高い比熱容量により殺菌が加速され、短時間で十分な対数減少が得られるからである。従って、実施形態によっては、大麻原料201がまだ濡れている間にサイクルの早い段階で温度上昇を引き起こすように処理パラメータを調節するのが有利な場合があり、これによってより乾燥した製品より短い時間でより効果的に微生物を殺すことができる。そのような実施例では大麻原料201への損傷も最小限に抑えることができるが、これは水分含有量がより高い製品のほうが変色、匂いの変化、また高い温度と関係がある他の損傷が起きにくいからである。
【0043】
(0045)
実施形態によっては、乾燥工程での過剰な低圧がテルペンの望ましくない喪失を引き起こす可能性があり、サイクルの後期での大麻原料201の加熱はテルペンの喪失を引き起こす可能性があり、また大麻原料201の外観が損なわれたり、匂いに影響する場合もある。従って、一部の実施形態は、処理及び/又は乾燥サイクルの後期の加熱がサイクル早期より軽いものになるように構成される。
【0044】
(0046)
代替的又は付加的に、一部の実施形態において、装置200内の大麻原料201の構成、例えば大麻原料201の密度は、最適な乾燥を達成するように変更し得る。一部の実施形態においては、より強度が高いパラメータ/条件、例えば放射エネルギー(例えば、マイクロ波)強度及び/又は圧力/真空をサイクル早期に使用することで乾燥及び/又は殺菌工程を加速させ、次により穏やかな(すなわち、より低い/強度が低い)条件をサイクル後期に用いることで製品品質問題を緩和し得る。従って、そのような一部の実施形態においては、総サイクル時間は、パラメータが1セットのサイクルより若干長くなり得る。一部の実施形態において、処理サイクルは、製品品質問題を起こすことなく所望の効果を最適化するために、異なるパラメータを有する複数の段階を含み得る。
【0045】
(0047)
本明細書において本発明の様々な実施形態について説明し、図示してきたが、当業者ならば、本明細書に記載の機能を果たすための並びに/又は結果を及び/若しくは利点の1つ以上を得るための他の多種多様な手段及び/又は構造を容易に想定でき、そのような変化形及び/又は改変物のそれぞれは本明細書に記載の本発明の実施形態の範囲内に含まれると考えられる。より一般的には、当業者ならば、本明細書に記載の全てのパラメータ、寸法、材料及び構成が例示を意図したものであること、また実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成が本発明の教示を用いる特定の用途に左右されることが容易にわかる。当業者ならば、型通りの実験だけで、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態の多くの均等物に思い至る又は突き止めることができる。従って、前述の実施形態は例として挙げたにすぎないこと、また付随する請求項及びその均等物の範囲内にあることを理解されたい。本発明の実施形態は具体的に記載し請求したものとは異なる形で実践し得る。本開示の本発明の実施形態は、本明細書に記載の各個別の特色、システム、物品、材料、キット及び/又は方法を対象とする。加えて、そのような特色、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の2つ以上の任意の組み合わせは、そのような特色、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が互いに矛盾しないならば、本開示の本発明の範囲に含まれる。
【0046】
(0048)
上記の実施形態は、多数のやり方のいずれでも実現し得る。例えば、一部の実施形態は、ハードウエア、ソフトウェア及び/又はこれらの組み合わせを用いて実現し得る。ソフトウェアで実現する場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータに搭載した又は複数のコンピュータに分散させた任意の適切なプロセッサ又はプロセッサ群で実行し得る。
【0047】
(0049)
更に、当然のことながらコンピュータデバイス202は数々の形態の任意のもので具体化し得て、例えばラックマウントコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ又はタブレットコンピュータであることは理解すべきである。加えて、コンピュータデバイス202は、通常はコンピュータとは見なされないが適切な処理能力を有するデバイスに組み込み得て、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン又は任意の他の適切な携帯型若しくは固定型電子機器を含む。また、コンピュータデバイス202は1つ以上の入力及び出力デバイスを有し得て、1つ以上のディスプレイを含む。これらのデバイスは、とりわけ、ユーザーインターフェースを提示するために使用し得る。ユーザーインターフェースの提供に使用できる出力デバイス例には、出力の視覚的プレゼンテーションのためのプリンタ若しくはディスプレイスクリーン又は出力の音響的プレゼンテーションのためのスピーカ若しくは他の音波発生装置を含む。ユーザーインターフェースに使用できる入力デバイス例には、キーボード、ポインティングデバイス、例えばマウス、タッチパッド及びデジタル化タブレットが含まれる。別の例として、コンピュータデバイス202は、音声認識により又は他の可聴形式で入力情報を受け取り得る。
【0048】
(0050)
コンピュータデバイス202及び1つ以上の他のコンピュータは任意の形態の1つ以上のネットワークで相互接続し得て、ローカルエリアネットワーク又は広域ネットワーク、例えば企業ネットワーク、インテリジェントネットワーク(IN)又はインターネットを含む。そのようなネットワークは任意の適切なテクノロジーをベースにし得て、また任意の適切なプロトコルに従って動作し得て、またワイヤレスネットワーク、有線ネットワーク又は光ファイバーネットワークを含み得る。本明細書で略述した様々な方法又は工程は、各種オペレーティングシステム又はプラットフォームのいずれかを用いる1つ以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコードし得る。加えて、そのようなソフトウェアは多数の適切なプログラミング言語及び/又はプログラム若しくはスクリプトツールのいずれを用いて書いてもよく、またフレームワーク又は仮想マシン上で実行する、実行可能なマシン言語コード又は中間コードとしてコンパイルし得る。この点に関し、開示した様々なコンセプトは、1つ以上のプログラムでエンコードした、1つのコンピュータ可読記憶媒体(又は複数のコンピュータ可読記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つ以上のフロッピーディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイ若しくは他の半導体デバイスにおける回路構成又は他の非一時的媒体若しくはタンジブルなコンピュータ記憶媒体)として具体化し得て、1つ以上のコンピュータ又は他のプロセッサ上で実行すると、上述した本発明の様々な実施形態を実現する方法を遂行する。コンピュータ可読性媒体は取り外し可能にすることができるため、記憶させたプログラムを1つ以上の別のコンピュータ又は他のプロセッサにロードして上述した本発明の様々な態様を実現することができる。
【0049】
(0051)
本明細書において、用語「プログラム」又は「ソフトウェア」とは、上述した実施形態の様々な態様を実現するためのコンピュータ又は他のプロセッサをプログラムするのに用いることができる任意のタイプのコンピュータコード又はコンピュータで実行可能な命令セットのことであることは理解すべきである。加えて、当然のことながら、一態様において、実行すると本開示の方法を遂行する1つ以上のコンピュータプログラムは単一のコンピュータ又はプロセッサ上にある必要はなく、本開示の様々な態様を実現するための多数の異なるコンピュータ又はプロセッサ間にモジュール形式で分散させてもよい。コンピュータで実行可能な命令は、1つ以上のコンピュータ又は他のデバイスにより実行する多数の形態、例えばプログラムモジュールになり得る。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを遂行する又は特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。典型的には、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態に応じて組み合わせ又は分散させ得る。
【0050】
(0052)
また、データ構造は、任意の適切な形態でコンピュータ可読性媒体に記憶させ得る。簡潔に図示するために、データ構造は、データ構造における位置を通して関係するフィールドを有するものとして示し得る。そのような関係は同様に、フィールドストレージに、フィールド間の関係を伝えるコンピュータ可読性媒体における位置を割り当てることで達成し得る。しかしながら、いずれの適切なメカニズムを用いてもデータ構造内のフィールドにある情報間に関係を確立し得て、ポインタ、タグ又はデータ要素間に関係を確立する他のメカニズムを用いることが含まれる。
【0051】
(0053)
また、本発明の様々なコンセプトは1つ以上の方法として具体化し得て、その例は既に挙げている。方法の一部として遂行されるアクションは任意の適切な形で順序づけ得る。従って、図示したものとは異なる順序でアクションが遂行される実施形態を構築し得て、図示の実施形態では連続的なアクションとして示しているものの、幾つかのアクションを同時に遂行することを含み得る。
【0052】
(0054)
本明細書で定めて用いる全ての定義は、辞書に記載の定義、参照により援用する文書に記載の定義及び/又は定義した用語の通常の意味に及ぶものと理解すべきである。
【0053】
(0055)
本明細書においてはフロー図を使用する。フロー図の使用は、実行する演算の順序を限定することを意図してはいない。本明細書に記載の主題は、他の異なるコンポーネントに収容又は接続された様々なコンポーネントを図示する場合もある。図示のそのようなアーキテクチャは単なる例示であること、また実際、同じ機能を果たす他の多くのアーキテクチャを実現し得ることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能を果たすコンポーネント配置は全て、所望の機能が果たされるように効果的に「関連づけ」られる。従って、特定の機能を果たすようにここで組み合わせる2つのコンポーネントは全て、アーキテクチャ又は中間コンポーネントとは無関係に、所望の機能を果たすように互いに「関連づけられる」と見なすことができる。同様に、そのように関連づけられた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を果たすために互いに「動作可能に接続されている」又は「動作可能に連結されている」と見なすこともでき、そのように関連づけることができる任意の2つのコンポーネントは全て所望の機能を果たすために互いに「動作可能に連結可能」であると見なすこともできる。動作可能に連結可能なコンポーネントの具体例には、以下に限定するものではないが、物理的に結合可能な及び/若しくは物理的に相互作用するコンポーネント並びに/又はワイヤレスで相互作用可能な及び/若しくはワイヤレスで相互作用するコンポーネント並びに/又は論理的に相互作用する及び/若しくは論理的に相互作用なコンポーネントを含む。
【0054】
(0056)
明細書本文及び請求項において用いる「1つの」という不定冠詞は、そうでないと明確に記載されていない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解すべきである。
【0055】
(0057)
明細書本文及び請求項で使用する句「及び/又は」は、そのように等位接続した要素の「いずれか又は両方」を意味すると理解すべきであり、すなわち要素は一部のケースでは接続的に存在し、他のケースでは分離して存在する。「及び/又は」で列挙された複数の要素は同じように解釈されるべきであり、すなわち等位接続した要素の「1つ以上」である。具体的に挙げた要素に関係するしないに関わらず、「及び/又は」節で具体的に挙げた要素ではない他の要素が任意で存在し得る。従って、非限定的な例を挙げると、「A及び/又はB」とは、「含む」等のオープンエンドな文言と共に用いた場合、一実施形態においてはAだけのことであり(任意でB以外の要素を含む)、別の実施形態においてはBだけのことであり(任意でA以外の要素を含む)、更に別の実施形態においてはA及びBの両方(任意で他の要素を含む)のこと等になり得る。
【0056】
(0058)
明細書本文及び請求項において、「又は」とは、上で定義した「及び/又は」と同じ意味を有すると理解すべきである。例えば、列挙において品目を分ける場合、「又は」又は「及び/又は」は包括的、すなわち少なくとも1つを含むと解釈するが、多数の又は列挙した要素の2つ以上及び任意で列挙にない追加の品目も含む。逆に、明確に記載された限定を示す語句、例えば「~の1つだけ」又は「正確に1つの」又は請求項における「~から成る」は、多数の又は列挙した要素の正確に1つの要素を含むことを意味する。概して、本明細書における「又は」という語は、排他性を意味する語、例えば「いずれか」、「~の1つ」、「~の1つだけ」又は「正確に1つの」が先行する場合、排他的な代替物(すなわち、「一方又は他方、ただし両方ではない」)を示すとしか解釈されないものとする。「本質的に~から成る」とは、請求項において使用する場合、特許法分野で用いられるその一般的な意味を有するものとする。
【0057】
(0059)
明細書本文及び請求項において、1つ以上の列挙要素に言及する際の「少なくとも1つ」という句は、列挙要素の中の任意の1つ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解すべきであり、必ずしも列挙要素で具体的に挙げたあらゆる要素の少なくとも1つを含むものではなく、また列挙要素の中の任意の要素の組み合わせを排除しない。この定義により、具体的に記載した要素に関係する、又は関係しないに関わらず、「少なくとも1つ」という句が言及する列挙要素で具体的に挙げた要素以外の要素が任意で存在し得ることにもなる。従って、非限定的な例を挙げると、「A及びBの少なくとも1つ」(又は均等に「A又はBの少なくとも1つ」又は均等に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)とは、一実施形態においては、少なくとも1つの、任意で2つ以上のAを含み、Bは不在であることを意味し得て(任意でB以外の要素を含む)、別の実施形態においては、少なくとも1つの、任意で2つ以上のBを含み、Aは不在であることを意味し得て(任意でA以外の要素を含む)、更に別の実施形態においては、少なくとも1つの、任意で2つ以上のA及び少なくとも1つの、任意で2つ以上のB(任意で他の要素を含む)を含むことを意味し得る等である。
【0058】
(0060)
請求項においては、上記の明細書本文と同様に、全ての移行句、例えば「~を含む(comprising、including)」、「~を担持する」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」、「~を保持する」、「~から構成される」等はオープンエンド、すなわち「~を含むがこれらに限定しない」を意味すると理解されたい。「~から成る」及び「本質的に~から成る」という移行句のみが、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures,Section 2111.03に記載されるように、それぞれクローズド又は半クローズドな移行句とされる。
【0059】
(0061)
本発明を好ましい実施形態及び代替の実施形態に言及しながら説明してきたが(これらの実施形態は本発明を完全に開示することを目的にしてこれまで極めて詳細に説明してきた)、そのような実施形態は単なる例示であって、限定を意図するものでも本発明の全ての態様をあますことなく列挙したものでもない。更に、本発明の趣旨及び原則から逸脱することなく多数の変更をそのような細部において加え得ることは当業者には明らかである。当然のことながら、本発明はその本質的な特徴から逸脱することなく他の形態で具体化可能であることは理解すべきである。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕大麻の処理方法であって、
大麻原料を受け取る工程と、
前記大麻原料の分析を行う工程と、
前記分析に基づいて第1放射エネルギーパラメータを決定する工程と、
前記分析に基づいて第1圧力パラメータを決定する工程と、
前記第1放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記第1圧力パラメータに応じた圧力で前記大麻原料を処理する工程と、
を含み、
前記大麻原料のバイオバーデンを所定の閾値未満まで低減し、前記大麻原料の水分含有量を所定の閾値未満まで低下させ、前記大麻原料のテルペン含有量を所定の閾値より高く維持するように、前記第1放射エネルギーパラメータ及び前記第1圧力パラメータを決定する、大麻の処理方法。
〔2〕前記第1放射エネルギーパラメータが、7キロワットである、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記第1圧力パラメータが、約40,000パスカルである、前記〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記第1放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記第1圧力パラメータに応じた圧力で10分間にわたって大麻原料を処理する、前記〔3〕に記載の方法。
〔5〕前記第1圧力パラメータが、約40,000パスカルである、前記〔1〕に記載の方法。
〔6〕前記第1放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記第1圧力パラメータに応じた圧力で10分間にわたって前記大麻原料を処理する、前記〔5〕に記載の方法。
〔7〕前記第1放射エネルギーパラメータが、5キロワットである、前記〔1〕に記載の方法。
〔8〕前記第1圧力パラメータが、20,000パスカルである、前記〔7〕に記載の方法。
〔9〕前記第1放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記第1圧力パラメータに応じた圧力で15分間にわたって前記大麻原料を処理する、前記〔8〕に記載の方法。
〔10〕前記第1圧力パラメータが、20,000パスカルである、前記〔1〕に記載の方法。
〔11〕前記第1放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記第1圧力パラメータに応じた圧力で15分間にわたって大麻原料を処理する、前記〔5〕に記載の方法。
〔12〕大麻の処理方法であって、
大麻原料を受け取る工程と、
前記大麻原料の分析を行う工程と、
前記分析に基づいて放射エネルギーパラメータを決定する工程と、
前記分析に基づいて圧力パラメータを決定する工程と、
前記放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記圧力パラメータに応じた圧力で前記大麻原料を処理する工程と、
を含み、
前記大麻原料の水分活性を0.60未満まで低下させ、前記大麻原料のテルペン含有量を所定のレベルより高く維持するように、前記放射エネルギーパラメータ及び前記圧力パラメータを決定する、大麻の処理方法。
〔13〕前記放射エネルギーパラメータが、7キロワットである、前記〔12〕に記載の方法。
〔14〕前記圧力パラメータが、約40,000パスカルである、前記〔13〕に記載の方法。
〔15〕前記放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記圧力パラメータに応じた圧力で10分間にわたって大麻原料を処理する、前記〔14〕に記載の方法。
〔16〕前記圧力パラメータが、約40,000パスカルである、前記〔12〕に記載の方法。
〔17〕前記放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記圧力パラメータに応じた圧力で10分間にわたって前記大麻原料を処理する、前記〔16〕に記載の方法。
〔18〕前記放射エネルギーパラメータが、5キロワットである、前記〔12〕に記載の方法。
〔19〕前記圧力パラメータが、20,000パスカルである、前記〔18〕に記載の方法。
〔20〕前記放射エネルギーパラメータに応じた放射エネルギー及び前記圧力パラメータに応じた圧力で15分間にわたって前記大麻原料を処理する、前記〔19〕に記載の方法。