(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】マルチプレイヤーゲームのセッションの管理方法及び管理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/795 20140101AFI20221129BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221129BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20221129BHJP
A63F 13/48 20140101ALI20221129BHJP
【FI】
A63F13/795
G06Q50/10
A63F13/35
A63F13/48
(21)【出願番号】P 2020158326
(22)【出願日】2020-09-23
(62)【分割の表示】P 2018528723の分割
【原出願日】2015-12-28
【審査請求日】2020-09-23
(73)【特許権者】
【識別番号】513136528
【氏名又は名称】スーパーセル オーワイ
【氏名又は名称原語表記】Supercell Oy
【住所又は居所原語表記】Jatkasaarenlaituri 1 FI-00180 HELSINKI Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】レッピネン ラッシ
(72)【発明者】
【氏名】ハカラ トンミ
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-150135(JP,A)
【文献】特開2015-044035(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0274402(US,A1)
【文献】特開2009-213737(JP,A)
【文献】特開2014-238736(JP,A)
【文献】特開2005-270649(JP,A)
【文献】丸山弘詩、外5名,「iPhone アプロケーションガイド」,初版第1刷,日本,株式会社毎日コミュニケーションズ 中川 信行,2009年12月10日,pp.242,243
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチプレイヤーゲームのゲームセッションの管理方法であって、
前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを開始することのリクエストを第1のパーティーから受信することと、
前記第1のパーティーを前記マルチプレイヤーゲームのプレイヤーの第1のカテゴリと関連付けることと、
前記第1のカテゴリに含まれるオンラインプレイヤーの数を判断することと、
前記第1のカテゴリに含まれるオンラインプレイヤーの数が閾値未満の場合、前記第1のカテゴリと関連付けられる少なくとも1つの第2のパーティーに招待を送信することと、
前記第1のカテゴリに関連付けられる前記少なくとも1つの第2のパーティーから、前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションへの参加を求めるリクエストを受信することと、
前記第1のパーティーからの前記リクエストを承諾することによって、前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを開始することと、
前記少なくとも1つの第2のパーティーを、前記マルチプレイヤーゲームの前記ゲームセッションに追加することと、
を含
み、前記閾値は、少なくとも1人の他のプレイヤーが待機時間の間に前記ゲームセッションに参加することを前記プレイヤーが待つ確率に基づいて定められる、管理方法。
【請求項2】
前記第1のカテゴリはロケーションに関し、前記ロケーションは国
、大陸のいずれかを意味し、前記第2のパーティーは、前記第1のパーティーと、同一のロケーションにいる、請求項1に記載の管理方法。
【請求項3】
前記第1のカテゴリは性別又は年齢に関し、前記第2のパーティーは、前記第1のパーティーと、同一の性別又は年齢を有する、請求項1に記載の管理方法。
【請求項4】
前記第1のカテゴリはゲーム装置に関し、前記第2のパーティーは、前記第1のパーティーと、同一又は類似のゲーム装置を有する、請求項1に記載の管理方法。
【請求項5】
前記第1のカテゴリはリソースに関し、前記リソースは利用可能なツール、武器、資産を意味し、前記第2のパーティーは、前記第1のパーティーと、同一又は類似のリソースを有する、請求項1に記載の管理方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第2のパーティーからの前記リクエストが、第2の所定時間内に受信されない場合、第2のカテゴリに関連する少なくとも1つの第3のパーティーに招待を送信することをさらに含む、請求項2乃至5のいずれかに記載の管理方法。
【請求項7】
前記招待は、プッシュ通知技術を用いて送信される、請求項1乃至6のいずれかに記載の管理方法。
【請求項8】
前記閾値はp2×t1/t2で計算され、ここで、
t1は、少なくとも1人の他のプレイヤーが前記ゲームセッションに確実に参加すると見込まれる時間であり、
t2は、少なくとも1人の他のプレイヤーが前記ゲームセッションに参加することを期待する、前記待機時間であり、
p2は、少なくとも1人の他のプレイヤーが前記待機時間の間に前記ゲームセッションに参加することを、前記プレイヤーが待つ前記確率である、
請求項1から7のいずれかに記載の管理方法。
【請求項9】
処理手段及び記憶手段を備える、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションの管理システムであって、前記記憶手段はプログラム命令を格納し、前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記管理システムに、請求項1から
8のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成される、管理システム。
【請求項10】
マルチプレイヤーゲームのゲームセッションの管理システム用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、前記管理システムの処理手段に実行されると、前記管理システムに、請求項1から
8のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示事項は、一般的にはマルチプレイヤーゲームに関するものであり、特に、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを関する方法に関するものである。さらに、本願の開示事項は、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理するためのシステムに関するものである。さらに、本願の開示事項は、上記システムで使用するのに適した装置に関するものでもある。
【背景】
【0002】
マルチプレイヤーゲームは、複数のプレイヤーが一緒に、例えば互いに対戦するゲームである。マルチプレイヤーゲームで直面する問題は、あるミーニングフルマナー(meaning full manner)の中で複数のプレイヤーを一緒にマッチングさせることである。ミーニングフルマナーとは、ゲームセッション内のプレイヤーが少なくとも1つの特性(characteristic feature)を有する状況を意味する。ここで、この特性は一般的またはほぼ一般的なものである。これら特性の例には、プレイヤーのスキル、ゲームのレベル、スキルレベル、プレイヤーの最高得点が含まれる。一例として、特定のゲームのレベル内にいるプレイヤーのみをマッチングさせることが望ましい場合がある。
【0003】
現在、マルチプレイヤーゲームでのマッチングはサーバシステムで行われており、このサーバシステムは、ゲームのプレイヤーの特性についての情報を有している。プレイヤー達は、異なるスキルレベルのクラスタ(cluster)の中に群がる。所定のプレイヤーに対し、マッチングは彼/彼女のクラスタ内で実行される。このマッチングは、所定時間にオンライン状態にあり、ゲーム開始の意思表示を行っているプレイヤー同士を接続することによって行われる。
【0004】
このアプローチに伴う問題点は、クラスタのサイズが小さすぎた場合、プレイヤーによっては他のプレイヤーを見つけるのに余りにも長い時間待機しなければならない場合があることである。一方、クラスタのサイズが大きすぎる場合、プレイヤーによっては、自分たちのスキルレベルと近いスキルレベルを有するプレイヤーとマッチングされないおそれがある。
【摘要】
【0005】
本願の開示事項は、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理するために改良された方法を提供することを目的とする。
【0006】
本願の開示事項はまた、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理するために改良されたシステムを提供することを目的とする。
【0007】
本願の開示事項のさらなる目的は、前述のような従来技術の問題点の少なくともいくつかを、少なくとも部分的に解決することである。
【0008】
第1の態様において、本願の開示事項の実施形態は、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理するための方法を提供する。本方法は、
・ マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを開始することのリクエストを第1のパーティーから受信することと、
・ 前記第1のパーティーを前記マルチプレイヤーゲームのプレイヤーの第1のカテゴリと関連付けることと、
・ 前記第1のカテゴリに含まれるプレイヤーの数を判断することと、
・ 前記第1のカテゴリに含まれるプレイヤーの数が閾値未満の場合、前記第1のカテゴリと関連付けられる少なくとも1つの第2のパーティーに招待を送信することと、
・ 前記第1のカテゴリに関連付けられる前記少なくとも1つの第2のパーティーから、前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションへの参加を求めるリクエストを受信することと、
・ 前記第1のパーティーからの前記リクエストを承諾することによって、前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを開始することと、
・ 前記マルチプレイヤーゲームの前記ゲームセッションに前記少なくとも1つの第2のパーティーを追加することと、を含む。
【0009】
第2の態様において、本願の開示事項の実施形態は、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理するためのシステムを提供する。本システムは、
・ 前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを開始することのリクエストを第1のパーティーから受信することと、
・ 前記第1のパーティーを前記マルチプレイヤーゲームのプレイヤーの第1のカテゴリと関連付けることと、
・ 前記第1のカテゴリに含まれるプレイヤーの数を判断することと、
・ 前記第1のカテゴリに含まれるプレイヤーの数が閾値未満の場合、前記第1のカテゴリと関連付けられる少なくとも1つの第2のパーティーに招待を送信することと、
・ 前記第1のカテゴリに関連付けられる前記少なくとも1つの第2のパーティーから、前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションへの参加を求めるリクエストを受信することと、
・ 前記第1のパーティーからの前記リクエストを承諾することによって、前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを開始することと、
・ 前記マルチプレイヤーゲームの前記ゲームセッションに前記少なくとも1つの第2のパーティーを追加することと、を含む。
【0010】
第3の態様では、本願の開示事項の実施形態は、命令を格納するメモリと、前記メモリに接続されるプロセッサと、前記プロセッサに接続されるディスプレイと、前記プロセッサに接続される通信インタフェースとを備える装置を提供する。ここで、前記プロセッサは、前記命令を実行して、
・ 前記通信インタフェースを使用し、プッシュ通知メッセージを介して、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションに参加するための招待を示す第1のデータを受信することと、
・ 前記第1のデータを解析して、前記ディスプレイに前記招待を表示することと、
・ ユーザ入力から、前記ユーザが前記招待を承諾し、前記マルチプレイヤーゲームの前記ゲームセッションに参加する否かを判断することと、
・ 前記ユーザが前記招待を承諾し、前記マルチプレイヤーゲームの前記ゲームセッションに参加する場合、前記メモリに格納された前記マルチプレイヤーゲームを開始することと、を行うように構成される。
【0011】
本願の開示事項の追加的な態様、利点、特徴及び目的は、添付の図面及び例示的実施形態の詳細説明によって明らかにされる。これらは、後で添付される特許請求の範囲と共に解釈されよう。
【0012】
当然ながら、本願の開示事項の特徴は、添付の特許請求の範囲に定義される開示範囲から逸脱することなく様々に組み合わせることが許容される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
前述した概要と以下の例示的実施形態の詳細説明は、添付の図面と合わせて読むことでより理解されることになる。本願の開示事項を説明する目的で、本願の開示事項の例示的構成を図面に示す。ただし、本願の開示事項はここで記載される特定の方法及び手段に限定されるものではない。また、当業者であれば、図面は正確な縮尺率で描かれていないことも理解されよう。同じ構成要素は可能な限り同一番号で示すようにした。
【0014】
以下、本願の開示事項の実施形態を、一例として次の図面を参照しながら説明する。
【
図1】ネットワーク環境を示した図面である。ここで、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理するためのシステムは、本願の開示事項の実施形態に従って実装される。
【
図2A】マルチプレイヤーゲームのゲームセッションが、本願の開示事項の実施形態に従って管理されているときの、データフローの一例を示した図面である。
【
図2B】マルチプレイヤーゲームのゲームセッションが、本願の開示事項の実施形態に従って管理されているときの、データフローの一例を示した図面である。
【
図3】本願の開示事項の実施形態に従った装置の様々な組み合わせを示した図面である。
【
図4A】
図4Bおよび
図4Cと併せ、本願の開示事項の実施形態に従ってマルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理する方法のステップを示すものである。
【
図4B】
図4Aおよび
図4Cと併せ、本願の開示事項の実施形態に従ってマルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理する方法のステップを示すものである。
【
図4C】
図4Aおよび
図4Bと併せ、本願の開示事項の実施形態に従ってマルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理する方法のステップを示すものである。
【0015】
添付の図面において、下線付きの番号は、その番号が書かれている場所のアイテム又はその番号に隣接するアイテムを表わすのに使用される。下線無しの番号は、その番号を繋ぐ線によって特定されるアイテムに関連付けられる。番号に下線が無く矢印を伴って書かれている場合、その番号は矢印が示す汎用アイテムを特定するのに使用される。
【実施形態の詳細説明】
【0016】
次に、本願の開示事項の例示的実施形態とそれを実装し得る方法を詳述していく。本願の開示事項を実行する幾つかの方法が説明されているが、本願の開示事項を実行又は遂行する他の実施形態も可能であることは、当業者には理解されよう。
[用語解説]
【0017】
本願を通じて使用される用語の概要説明を以下に示す。
【0018】
用語「マルチプレイヤーゲーム」は、一般的に、複数のプレイヤーがリアルタイムまたはリアルタイムに近い状態で一緒にプレイするゲームを意味する。例えば、マルチプレイヤーゲームは対戦ゲームであってもよい。この場合、複数のプレイヤーがリアルタイムまたはリアルタイムに近い状態で互いに対戦する。
【0019】
用語「ゲームセッション」は、一般的に、マルチプレイヤーゲームの所定のセッションを意味する。ここで、複数のプレイヤーが所定のセッションに参加しており、リアルタイムまたはリアルタイムに近い状態でマルチプレイヤーゲームをする。
【0020】
用語「リーダーボード」は、一般的に、マルチプレイヤーゲームのスコアボードを意味する。本願に開示される実施形態に従うと、所定のマルチプレイヤーゲームのリーダーボードには、所定のマルチプレイヤーゲームのプレイヤーの名前及びこれらプレイヤーの順位が含まれる。さらに任意で、リーダーボードにプレイヤーの個々の最高得点および/または現在のスコアを含めてもよい。
【0021】
用語「ゲームサーバ」は一般的に、複数のパーティー(すなわちクライアント)にマルチプレイヤーゲームサービスを提供するサーバを意味する。
【0022】
用語「パーティー(party)」は、一般的に、マルチプレイヤーゲームのプレイヤーに関連付けされたクライアントを意味する。
【0023】
用語「サーバ」は、一般的に、通信ネットワーク上で他のアプリケーション、プログラム、プロセス、デバイス(クライアント)による情報またはサービスに関するリクエストに応答する、クライアント/サーバの関係におけるアプリケーション、プログラム、プロセス、デバイスを意味する。用語「サーバ」はソフトウェアも含む。このソフトウェアは、情報提供またはサービス提供を行うことを可能にする。
【0024】
用語「クライアント」は、一般的に、通信ネットワーク上で他のアプリケーション、プログラム、プロセス、デバイス(クライアント)からの情報またはサービスをリクエストをする、クライアント/サーバの関係におけるアプリケーション、プログラム、プロセス、デバイスを意味する。重要なのは、1つのアプリケーションがあるアプリケーションにとってはクライアントとなり、別のアプリケーションにとってはサーバとなる場合があるため、用語「クライアント」及び「サーバ」が相対的なものであるということである。用語「クライアント」はソフトウェアも含む。このソフトウェアは、FTP(File Transfer Protocol)クライアント等のように、要求アプリケーション、プログラム、プロセス、デバイスのいずれかとサーバとの間の接続を可能にさせる。
【0025】
用語「接続された(connected)」または「結合された(coupled)」その他関連する用語は、状況に応じて使い分けられ、接続(connection)または結合(coupling)の直接的な意味に限定する必要はない。例えば、2つのデバイスを直接的に、または1つ以上の媒介メディア若しくはデバイスを介して接続させることができる。他の例としては、互いに物理的な接続部を共有することなく、相互間で情報をやり取りできるよう、装置を接続することもできる。本明細書に提示された本願の開示事項に基づくと、当業者であれば、接続及び結合が上記定義に関連して様々な方法で存在することを理解できる。
【0026】
用語「第1」「第2」その他同様の用語は、本明細書では順番、数量、重要性を意味するものではなく、各要素を区別するために使用される。さらに、用語「1つの~」は、数量を限定することを意味しておらず、少なくとも1つの参照アイテムが存在することを意味する。
【0027】
「実施形態では~」「実施形態によると~」その他同様のフレーズは、通常、そのフレーズに続く特定の特徴や構造、特性が、本願に開示される少なくとも1つの実施形態に含まれること、また、本願に開示される複数の実施形態に含まれうることを意味する。重要なのは、これらのフレーズが必ずしも同一の実施形態を意味しないことである。
【0028】
明細書に、ある構成要素または特徴について、「含んでもよい、含む場合がある、含むことができる」または「備えてもよい、備える場合がある、備えることができる」等の記載がある場合、その構成要素は必ずしも含まれている必要もないし、その特徴を備えている必要もない。
[本願に開示される実施形態]
【0029】
第1の態様において、本願に開示される実施形態は、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理するための方法を提供する。本方法は、
・ マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを開始することのリクエストを第1のパーティーから受信することと、
・ 前記第1のパーティーを前記マルチプレイヤーゲームのプレイヤーの第1のカテゴリと関連付けることと、
・ 前記第1のカテゴリに含まれるプレイヤーの数を判断することと、
・ 前記第1のカテゴリに含まれるプレイヤーの数が閾値未満の場合、前記第1のカテゴリと関連付けられる少なくとも1つの第2のパーティーに招待を送信することと、
・ 前記第1のカテゴリに関連付けられる前記少なくとも1つの第2パーティーから、前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションへの参加を求めるリクエストを受信することと、
・ 前記第1のパーティーからの前記リクエストを承諾することによって、前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを開始することと、
・ 前記マルチプレイヤーゲームの前記ゲームセッションに前記少なくとも1つの第2のパーティーを追加することと、
を含む。
【0030】
本願に開示される実施形態によると、上記の方法はゲームサーバによって実行される。ここで、前記ゲームサーバは、複数のパーティーにマルチプレイヤーゲームサービスを提供する。これら複数のパーティーには前記第1のパーティー及び前記少なくとも1つの第2のパーティーが含まれる。
【0031】
本願の開示事項全体において、用語「第1のパーティー」は、マルチプレイヤーゲームのプレイヤーに関連付けされたクライアントを意味する。このプレイヤーは新規のゲームセッションを開始することのリクエストを生成している。一方、用語「少なくとも1つの第2のパーティー」は、招待が送信される少なくとも1人のマルチプレイヤーゲームのプレイヤーに関連付けされた、少なくとも1つのクライアントを意味する。以下では、ゲームセッションの開始リクエストを生成したプレイヤーを「開始側プレイヤー(initiating player)」と称し、招待が送信される少なくとも一人のプレイヤーを「受信側プレイヤー(receiving player)」と称す。
【0032】
第1のパーティーと少なくとも1つの第2のパーティーは、マルチプレイヤーゲームのプレイヤーの同一カテゴリ、すなわち、プレイヤーの第1のカテゴリと関連付けられる。本願に開示される実施形態によると、第1のカテゴリとは、第1のパーティーと少なくとも1つの第2のパーティーとが、マルチプレイヤーゲームに関連する実質的に近いスキルレベルを有するカテゴリである。任意であるが、この場合、スキルレベルはマルチプレイヤーのリーダーボードを参照する。追加的または代替え的に、カテゴリは、マルチプレイヤーゲームの同一ステージ又は同一レベルにいるプレイヤーのグループを意味する場合もある。追加的または代替え的に、カテゴリは、プレイヤーと同一グループに属してプレイしているプレイヤーのグループを意味する場合もある。同一グループとは、例えば、同一のロケーション(国、地域、大陸)または同一のデモグラフィ(性別、年齢)からのプレイヤーのチームまたはプレイヤーである。追加的または代替え的に、カテゴリは、同一または類似のゲーム装置を有するプレイヤーを意味する場合もある。追加的または代替え的に、カテゴリは、ゲーム内の同一または類似のリソースを有するプレイヤーを意味する場合もある。リソースとは、ゲーム内での利用可能なクレジット情報(credits)、利用可能なツール、武器、資産、ゲームオブジェクトの進捗レベル等をいう。
【0033】
本願に開示される実施形態によると、第1のカテゴリは、開始側プレイヤーの順位に対して所定の範囲内の順位を有するプレイヤーを含む。その結果、第1のカテゴリには、開始側プレイヤーより高い順位のプレイヤー、低い順位のプレイヤーの両方が存在することになる。任意であるが、この場合、第1のカテゴリにはリーダーボードでの順位が"x-y"~"x+y"の範囲内にあるプレイヤーが含まれる。ここで、"x"は開始側プレイヤーの順位であり、"y"は5,10,15等の自然数である。例えば、開始側プレイヤーの順位(x)が30で、yが10の場合、第1のカテゴリには順位が20~40のプレイヤーが含まれる。第1のカテゴリにいるプレイヤーの数は20である。そのほか例えば、開始側プレイヤーの順位(x)が1で、yが9の場合、第1のカテゴリには順位が2~10のプレイヤーが含まれる。第1のカテゴリにいるプレイヤーの数は9である。
【0034】
本願の開示事項の他の実施形態によると、第1のカテゴリには、マルチプレイヤーゲームに対する特定のサブスクリプション(subscription)タイプに属するプレイヤーが含まれる。任意であるが、このような場合、第1のカテゴリに含まれるプレイヤーの数は特定のタイプのサブスクリプションに属するプレイヤーの数となる。
【0035】
第1のカテゴリに含まれるプレイヤーの数が閾値未満の場合、プレイヤーは、所望の待機時間内にマルチプレイヤーゲームをプレイする他のプレイヤーを見つけることができないおそれがある。そのため、開始側プレイヤーがマルチプレイヤーゲームをする少なくとも1人のプレイヤーを見つけられる確率を高くするために、第1のカテゴリに含まれる少なくとも1人のプレイヤーに招待を送信する。
【0036】
本願に開示される実施形態によると、本方法はさらに、少なくとも1つの第2のパーティーから、第2の所定時間内に参加リクエストが受信されない場合、第1のカテゴリに含まれるプレイヤーにさらに招待を送信することを含む。
【0037】
任意であるが、この場合、第1のカテゴリに関連する複数のパーティーに招待を送信してもよい。任意であるが、この場合、第1のカテゴリに関連する全てのパーティーに招待を送信してもよい。
【0038】
さらに、本願に開示される実施形態によれば、招待はプッシュ通知技術を用いて送信される。任意であるが、この場合、招待はプッシュ通知メッセージ等で送信される。ここで、このプッシュ通知メッセージには、受信側プレイヤーがプッシュ通知メッセージをクリックする等して、ゲームアプリケーションの開始を選択した場合、この受信側プレイヤーのゲーム装置がマルチプレイヤーゲームのアプリケーション(以下、「ゲームアプリケーション」と称す)を開始できる情報が含まれている。例えば、招待は、Apple社(Appleは登録商標)によって提供されるAPN(Apple Push Notification)サービスを用いて送信することができる。
【0039】
ここで、ゲームアプリケーションはプッシュ通知メッセージ自体によって起動することができるため、プッシュ通知メッセージを受信した時点で受信側プレイヤーのゲーム装置上でゲームアプリケーションを起動させておく必要がないことに留意すべきである。換言すると、ゲームアプリケーションがプッシュ通知メッセージの受信時点でアクティブになっている必要はない。
【0040】
さらに、本願に開示される実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つの第1のパーティーが第1の所定時間内にマルチプレイヤーゲームに参加する確率に基づいて閾値を決定することを含む。例えば、第1の所定時間は15秒、10秒、5秒、またはそれ以下、30秒、60秒、またはそれ以上の待機時間であってもよい。実施例によっては、少なくとも1つのパーティーが参加する確率は、第1のカテゴリに含まれるプレイヤー数、プレイヤーが新たなゲームセッションを開始する平均時間、少なくとも1つのパーティーが参加するために必要な待機時間の関数である。
【0041】
換言すると、少なくとも1つのパーティーが参加する確率が所定の閾値より大きかった場合、招待を送信する必要はない。例えば、所定の閾値は0.95であってもよい。
【0042】
説明のため、ここでは例示的な閾値の決定方法を考慮する。マルチプレイヤーゲームの新規のゲームセッションは、そのマルチプレイヤーゲームをしたい旨の意思表示をするプレイヤーが2人以上いる場合にのみ開始可能であることが理解できる。図面に示された例では、下記のことが理解されよう。
(i)プレイヤー"G0"がマルチプレイヤーゲームをしたい旨の意思表示をする。すなわち、マルチプレイヤーゲームの新規のゲームセッションの開始リクエストを作成する。
(ii)"n"は、プレイヤー"G0"に関連するカテゴリに含まれる他のプレイヤー"G1""G2"・・・"Gn"の数である。
(iii)"t1"は、少なくとも1人の他のプレイヤーもまた、"p1=1"の確率でマルチプレイヤーゲームをしたい旨の意思表示をする時間である。すなわち、少なくとも1人の他のプレイヤーが、時間"t1"内にゲームセッションに確実に参加する。
(iv)"p2"は、プレイヤー"G0"が、時間"t2"まで少なくとも1人の他のプレイヤーがゲームセッションに参加するのを待つ確率である。
(v)"p3"は、所定のプレイヤーが時間"t2"までにゲームセッションに参加する確率である。p3=t2/t1である。
【0043】
他のプレイヤーの数"n"に対して、少なくとも1人の他のプレイヤーが時間"t2"までにゲームセッションに参加する確率は、p3×nと計算することができる。
p3×n
【0044】
少なくとも1人の他のプレイヤーが、時間"t2"までにゲームセッションに参加する確率は、少なくとも1人の他のプレイヤーが時間"t2"までにゲームセッションに参加するのをプレイヤー"G0"が待つ確率と同一か、またはそれ以上となる必要がある。そのため、カテゴリに含まれる他のプレイヤーの数は、以下のように計算することができる。
p3×n≧p2
n≧p2/p3=p2/(t2/t1)=p2×t1/t2
【0045】
例のように、時間"t1"が100秒、時間"t2"が15秒、確率"p2"が0.9の場合、閾値は6(=0.9×100/15=6)となる。すなわち、期待される待機時間、15秒を達成するには少なくとも6人の他のプレイヤーが必要である。このような場合、カテゴリに含まれるプレイヤーの数が6未満の場合、招待が送信される。
【0046】
別の例としては、時間"t1"が100秒、時間"t2"が5秒、確率"p2"が0.9の場合、閾値は18(=0.9×100/5)となる。すなわち、期待される待機時間、5秒を達成するには少なくとも18人の他のプレイヤーが必要である。このような場合、カテゴリに含まれるプレイヤーの数が18未満の場合、招待が送信される。
【0047】
任意であるが、時間"t1"および確率"p2"は、マルチプレイヤーゲームの統計データに基づいて決定される。統計データ等は、ゲームサーバによって収集してもよい。例えば、統計データは、最近行ったマルチプレイヤーゲームのゲームセッションのうちの所定数に対して収集してもよい。その他例えば、統計データは、所定の時間内に開始または/かつ終了するゲームセッションに対して収集してもよい。
【0048】
ここで、上記の計算は2人用のゲームに対して実行されることに留意すべきである。3人用のゲームの場合、新規のゲームセッションはゲームをしたい旨の意思表示をするプレイヤーが3人以上いる場合にのみ開始可能である。N人用のゲームの場合、新規のゲームセッションはゲームをしたい旨の意思表示をするプレイヤーがN人以上いる場合にのみ開始可能である。
【0049】
さらに、本願に開示される実施形態によると、本方法はさらに、少なくとも1つの第2のパーティーからの参加リクエストが、第2の所定時間内に受信されない場合、第2のカテゴリに関連付けされた少なくとも1つの第3のパーティーに招待を送信することをさらに含む。
【0050】
第2のカテゴリは、第1のカテゴリとは異なるものである。任意であるが、第2のカテゴリに含まれるプレイヤーの数は、第1のカテゴリに含まれるプレイヤーの数より多い。これにより、マルチプレイヤーゲームをする少なくとも1人のプレイヤーをみつける開始側プレイヤーの可能性が高くなる。
【0051】
例えば、第2のカテゴリは、リーダーボードでの順位が"x-z"~"x+z"の範囲内にいるプレイヤーを含んでもよい。ここで、"z"は"y"より大きな自然数である。この場合、第2のカテゴリは第1のカテゴリの上位集合である。
【0052】
説明のため、本願に開示される実施形態にしたがった上記方法の例示的な実装をここでは考慮する。プレイヤーA及びBのゲーム装置には、ここでは、同一のマルチプレイヤーゲームのゲームアプリケーションがインストールされている。プレイヤーA及びBが、リアルタイム又はリアルタイムに近い状態でマルチプレイヤーゲームを一緒にできるためには、プレイヤーA及びBの双方が各自のゲーム装置上でゲームアプリケーションを開始し、彼らのゲーム装置が同一ゲームセッション内で接続する必要がある。
【0053】
例示的な動作ループには下記のステップが含まれる。
ステップ1:第1のプレイヤーが彼/彼女のゲーム装置でゲームアプリケーションを開始し、マルチプレイヤーゲームをしたい旨の意思表示をする。それに応じて、マルチプレイヤーゲームの新たなゲームセッションの開始リクエストが、ゲームサーバに送信される。
ステップ2:ゲームサーバは、第1のプレイヤーとプレイヤーの第1のカテゴリとを関連付け、第1のカテゴリに含まれるオンライン状態の他のプレイヤーを検索する。他のプレイヤーはすなわち、マルチプレイヤーゲームをしたい旨の意思表示をしている、第1のカテゴリに含まれるプレイヤーである。オンライン状態のプレイヤーが検索されない場合、ステップ3が実行される。一方、オンライン状態にあるプレイヤーが少なくとも1人検索された場合、ゲームサーバはマルチプレイヤーゲームの新たなゲームセッションを開始し、第1のプレイヤーと少なくとも1人のオンライン状態にあるプレイヤーとを新たなゲームセッションに追加する。
ステップ3:ゲームサーバは、第1のカテゴリに含まれるプレイヤー数が、閾値未満が否か判断する。第1のカテゴリに含まれるプレイヤー数が閾値以上と判断された場合、ステップ4が実行される。一方、第1のカテゴリに含まれるプレイヤー数が閾値未満と判断された場合、ステップ5が実行される。
ステップ4:ゲームサーバは、第1の所定時間、待機する。第1の所定時間内に、第1のカテゴリに含まれるプレイヤーの誰も、マルチプレイヤーゲームをしたい旨の意思表示をしなかった場合、ゲームサーバは第1のプレイヤーとプレイヤーの第2のカテゴリとを関連付けて、プレイヤーの第2のカテゴリに対してステップ2を再度行う。
ステップ5:ゲームサーバは、プッシュ通知サーバに対し、第1のカテゴリに含まれる少なくとも1人の第2のプレイヤーへ招待を送信することについてのリクエストを送信する。
ステップ6:そして、プッシュ通知サーバは、第1のカテゴリに含まれる少なくとも1人の第2のプレイヤーに招待を送信する。
ステップ7:少なくとも1人の第2のプレイヤーが、そのマルチプレイヤーゲームで第1のプレイヤーと対戦したい旨の意思表示をした場合、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションへの参加リクエストがゲームサーバに送信され、ステップ8が実行される。第2の所定時間内に、少なくとも1人の第2のプレイヤーから参加リクエストを受信しなかった場合、ゲームサーバは第1のプレイヤーとプレイヤーの第2のカテゴリとを関連付けて、プレイヤーの第2のカテゴリに対してステップ2を再度行う。
ステップ8:第1のプレイヤーのゲーム装置と、少なくとも1人の第2のプレイヤーのゲーム装置が同じゲームセッションで接続されることで、第1のプレイヤーと少なくとも1人の第2のプレイヤーとは、そのマルチプレイヤーゲーム上で互いに対戦することが可能になる。ゲームセッションは、ゲームサーバを介して同期する。
ステップ9:マルチプレイヤーゲームの終了後、マルチプレイヤーゲームのリーダーボードは更新される。任意であるが、このステップで、第1のプレイヤーと少なくとも1人の第2のプレイヤーの相対的な順位を更新してもよい。
【0054】
第2の態様において、本願に開示される実施形態は、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理するためのシステムを提供する。本システムは、
・ マルチプレイヤーゲームのゲームセッションの開始リクエストを第1のパーティーから受信することと、
・ 前記第1のパーティーを前記マルチプレイヤーゲームのプレイヤーの第1のカテゴリと関連付けることと、
・ 前記第1のカテゴリにいるプレイヤーの数を判断することと、
・ 前記第1のカテゴリにいるプレイヤーの数が閾値未満の場合、前記第1のカテゴリと関連付けられる少なくとも1つの第2のパーティーに招待を送信することと、
・ 前記第1のパーティーに関連付けられる前記少なくとも1つの第2のパーティーから、前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションへの参加を求めるリクエストを受信することと、
・ 前記第1のパーティーからの前記リクエストを承諾することによって、前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを開始することと、
・ 前記マルチプレイヤーゲームの前記ゲームセッションに前記少なくとも1つの第2のパーティーを追加することと、を行うよう構成されるゲームサーバを含む。
【0055】
ゲームサーバは、複数のパーティーにマルチプレイヤーゲームサービスを提供する。これらのパーティーには、第1のパーティーと少なくとも1つの第2のパーティーとが含まれる。
【0056】
第1のパーティーと少なくとも1つの第2のパーティーは、マルチプレイヤーゲームのプレイヤーの同一カテゴリ、すなわち、プレイヤーの第1のカテゴリと関連付けられる。本願に開示される実施形態によると、第1のカテゴリとは、第1のパーティーと少なくとも1つの第2のパーティーとが、マルチプレイヤーゲームに関連する実質的に近いスキルレベルを有するカテゴリである。任意であるが、このとき、スキルレベルはマルチプレイヤーゲームのリーダーボードから取得する。ここで、リーダーボードは、ゲームサーバと関連付けされたゲームサーバのデータベースに保存されている。
【0057】
任意であるが、ゲームサーバはさらに、第1のカテゴリに関連付けされた複数のパーティーに招待を送信するよう構成される。さらに任意であるが、ゲームサーバは、第1のカテゴリに関連付けされた全てのパーティーに招待を送信するよう構成される。
【0058】
さらに、本願に開示される実施形態によると、ゲームサーバはプッシュ通知サーバを介して招待を送信するよう構成される。任意であるが、この場合、招待はプッシュ通知メッセージとして送信される。ここで、このプッシュ通知メッセージには、少なくとも1つの第2のパーティーがプッシュ通知メッセージをクリックする等して、ゲームアプリケーションの開始を選択した場合、少なくとも1つの第2のパーティーと関連付けされたゲーム装置が、マルチプレイヤーゲームのアプリケーションを開始できる情報が含まれている。
【0059】
さらに、本願に開示される実施形態によると、ゲームサーバはさらに、少なくとも1つのパーティーが、第1の所定時間内にマルチプレイヤーゲームに参加する確率に基づいて閾値を決定するよう構成される。ここで、時間はゲームサーバでカウントされる。代替として、閾値は所定の数であってもよい。上記所定の数は、ゲームサーバに保存してもよい。任意であるが、閾値は時々調整されてもよい。
【0060】
本願に開示される実施形態によると、ゲームサーバはさらに、少なくとも1つの第2のパーティーからの参加リクエストが、第2の所定時間内に受信されない場合、第2のカテゴリに関連する少なくとも1つの第3のパーティーに招待を送信するよう構成される。
【0061】
説明のため、ここでは例示的な環境を考慮する。ここで、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理するためのシステムは、本願に開示される実施形態に従って実装される。
図1には、以下でさらに詳細な説明をするための、例示的な環境が記載されている。
【0062】
例示的な環境には、複数のプレイヤーに関連付けされた複数のゲーム装置、ゲームサーバ、ゲームサーバに関連付けされたゲームサーバのデータベース、プッシュ通知サーバ、通信ネットワークが含まれる。
【0063】
ゲームサーバは、通信ネットワークを介してゲーム装置及びプッシュ通知サーバと接続され、通信する。通信ネットワークは、個々のネットワークの集合体であってもよいし、相互接続されて単独の大きなネットワークとして機能してもよい。個々のネットワーク等は、有線でも、無線でも、有線と無線の組み合わせであってもよい。上記の個々のネットワークの例としては、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WLAN(Wireless LAN)、WWAN(Wireless WAN)、WMAN(Wireless MAN)、インターネット、2G通信ネットワーク、3G通信ネットワーク、4G通信ネットワーク、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)ネットワーク、Bluetooth(登録商標)等の短距離無線ネットワークがあるが、これに限定されない。
【0064】
ゲーム装置の例としては、携帯電話機、スマートフォン、MID(Mobile Internet Devices)、タブレットコンピュータ、UMPC(Ultra-Mobile Personal Computer)、ファブレットコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェブパッド、パーソナルコンピュータ、携帯用パソコン、ノート型パソコン、デスクトップパソコン、NAS(Network-Attached Storage)装置、PC搭載型の大型タッチスクリーン、インタラクティブ型エンターテイメントデバイス(ゲーム機、TVセット、STB(sets and Set-Top Box)等)があるが、これに限定されない。ゲーム装置のいくつかの例示的なものとしては、iPhone(登録商標)、iPad(登録商標)、Android(登録商標)端末、Android(登録商標)タブレット端末、Windows(登録商標)端末、Windowsタブレット端末(これらには登録商標が含まれている)があるが、これに限定されない。
【0065】
ゲームサーバは、マルチプレイヤーゲームサービスをゲーム装置に関連付けられたクライアントに提供する。ゲーム装置は、そのゲーム装置にインストールされているマルチプレイヤーゲームのゲームアプリケーション(すなわち、クライアント)を備えている。ここで、ゲームアプリケーションは、ゲームサーバと通信するように構成される。ゲームサーバは、プレイヤーのゲーム装置上で起動されているゲームアプリケーションを連動および同期させる。プレイヤー達は対戦等して一緒にゲームをする。
【0066】
さらに、ゲームサーバは、ゲームサーバのデータベースに、マルチプレイヤーゲームのルールに関連する情報およびゲームに関連する他の情報を保存する。任意であるが、ゲームに関連する他の情報には、マルチプレイヤーゲームのリーダーボードが含まれる。さらに任意であるが、ゲームに関連する他の情報には、プレイヤーのクレジット情報、プレイヤーのスコア、プレイ中のゲームの状況、プレイ中のゲームの進捗、プレイヤーがしているゲームのレベル、プレイヤーのスキル、及び/または関連するタイムスタンプのうちのいずれか1つ以上である。
【0067】
さらに、招待の送信リクエストがあった場合、ゲームサーバは、プッシュ通知サーバによって提供されるプッシュ通知サービスを使用する。任意であるが、この場合、ゲームサーバは招待の通信コンテンツを定義する。
【0068】
第3の態様では、本願に開示される実施形態は、命令を格納するメモリと、メモリに接続されるプロセッサと、前記プロセッサに接続されるディスプレイと、前記プロセッサに接続される通信インタフェースとを備える装置を提供する。ここで、前記プロセッサは、前記命令を実行して、
・ 通信インタフェースを使用し、プッシュ通知メッセージを介して、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションへの参加の招待を示す第1のデータを受信することと、
・ 前記第1のデータを解析して、前記ディスプレイに前記招待を表示することと、
・ ユーザ入力から、前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションに参加するための招待をユーザが承諾したか否かを判断することと、
・ 前記マルチプレイヤーゲームのゲームセッションに参加するための招待をユーザが承諾した場合、前記メモリに格納された前記マルチプレイヤーゲームを開始することと、
を行うように構成される。
【0069】
装置の例としては、携帯電話機、スマートフォン、MID(Mobile Internet Devices)、タブレットコンピュータ、UMPC(Ultra-Mobile Personal Computer)、ファブレットコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェブパッド、パーソナルコンピュータ、携帯用パソコン、ノート型パソコン、デスクトップパソコン、NAS(Network-Attached Storage)装置、PC搭載型の大型タッチスクリーン、インタラクティブ型エンターテイメントデバイス(ゲーム機、TVセット、STB(sets and Set-Top Box)等)があるが、これに限定されない。装置のいくつかの例示的なものとしては、iPhone(登録商標)、iPad(登録商標)、Android(登録商標)端末、Android(登録商標)タブレット端末、Windows(登録商標)端末、Windows(登録商標)タブレット端末(これらには登録商標が含まれている)があるが、これに限定されない。
【0070】
さらに、以下で詳述するように、例示的な装置が
図3と共に記載されている。装置にはメモリ、プロセッサ等のコンピュータハードウェア、ディスプレイその他の入出力(I/O)装置、通信インタフェース、電源が含まれるが、これに限定されない。
【0071】
電源は、装置の様々な構成要素に電力を供給する。電源には、例えば、再充電可能なバッテリーが含まれていてもよい。
【0072】
任意であるが、メモリには固定型のメモリ、取り外し可能なメモリ、それらの組み合わせが含まれる。固定型メモリの例として、RAM(Random-Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードドライブ等がある。取り外し可能なメモリの例として、フラッシュメモリカード、メモリスティック、スマートカード等がある。
【0073】
メモリにはゲームアプリケーションが保存され、プロセッサはゲームアプリケーションを実行するために動作可能である。ゲームアプリケーションがプロセッサ上で実行されると、ディスプレイ上にGUI(graphical user interface)が生成および表示される。
【0074】
入出力装置は、ユーザの入力インタフェースを容易にする。任意であるが、この入出力装置は、ポインタオブジェクトを移動すること、ポインタオブジェクトをクイック又はタッピングすること、GUIをカバーするタッチセンサー式のオブジェクトをスワイプすることに伴うユーザ入力を検出するよう構成されていてもよい。
【0075】
ある実施形態では、ディスプレイは、ユーザの入力インタフェースを提供するために動作可能なタッチセンサー式の表示スクリーンである。タッチセンサー式の表示ディスプレイは、ユーザからの触覚入力を受信するために動作可能である。これらの触覚入力は、例えば、指またはペンのようなタッチセンサー式のオブジェクトを用いたクリック、タッピング、ポインティング、移動、押下、および/またはスワイプ等を含む。
【0076】
追加的、代替的、任意的であるが、入出力装置には、マウス、キーボード、ジョイスティック等がある。これらは、クリック、ポインティング及び/又はGUI上のポインタオブジェクトの移動に伴う入力を受信するために動作可能である。
【0077】
さらに任意であるが、入出力装置には、ユーザに音声出力を提供するためのスピーカ、ユーザからの音声入力を受信するためのマイクロフォンを含むこともできる。
【0078】
さらに、通信インタフェースは、プロセッサがゲームサーバと通信ネットワーク等を介して通信することを可能にする。通信インタフェースはさらに、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションへの参加招待に関連するプッシュ通知メッセージを、プロセッサが受信できるようにすることも可能である。
【図面の詳細説明】
【0079】
ここで、参照番号を用いて具体的に図面を参照すると、
図1はネットワーク環境100を示した図面である。ここで、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理するためのシステムは、本願に開示される実施形態に従って実装される。
【0080】
ネットワーク環境100は、複数のプレイヤーに関連付けされた複数のゲーム装置を含む。複数のゲーム装置は、ゲーム装置102a、ゲーム装置102b、ゲーム装置102c(以下、まとめてゲーム装置102と称す)として記載されている。ネットワーク環境100はさらに、ゲームサーバ104、ゲームサーバ104に関連付けされたゲームサーバのデータベース106、プッシュ通知サーバ108、通信ネットワーク110を含む。
【0081】
図1は一例に過ぎず、ここで、特許請求の範囲を不当に制限すべきではない。ネットワーク環境100の具体的な記号等は一例として提示したものであり、ネットワーク環境100を、特定の数、型、または、ゲーム装置、ゲームサーバ、ゲームサーバのデータベース、プッシュ通知サーバ、通信ネットワークの配列に限定するものとして理解しない。当業者であれば、本願に開示される実施形態の多くのバリエーション、代替、変更を理解可能であろう。
【0082】
図2A及び
図2Bは、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションが、本願に開示される実施形態に従って管理されているときの、データフローの一例を示した図面である。
【0083】
ゲーム装置202に関連付けされたプレイヤー(以下、「開始側プレイヤー」と称す)は、ゲーム装置202上でマルチプレイヤーゲームのゲームアプリケーションを開始する。そして、マルチプレイヤーゲームの新たなゲームセッションをスタートさせるためのリクエストを開始する。その結果、ステップS2.1では、ゲーム装置202は通信ネットワーク206を介して、ゲームサーバ204にリクエストを送信する。
【0084】
ステップS2.2では、ゲームサーバ204が、ゲームサーバのデータベース208に保存された情報を用いて、開始側プレイヤーとカテゴリとを関連付ける。
【0085】
ステップS2.3では、ゲームサーバ204が、カテゴリに含まれるオンライン状態にある他のプレイヤーを検索する。(実際には、オンライン状態にある他のプレイヤーもまた、新たなゲームセッションを開始するためのリクエストを開始しているプレイヤーである。すなわち、新たなゲームセッションの開始リクエストを双方ともしている2人のプレイヤーをマッチングする。)検索中にオンライン状態にあるプレイヤーが見つからなかった場合、ゲームサーバ204は、第1のカテゴリに含まれるプレイヤー数が、閾値未満が否か判断する。第1のカテゴリに含まれるプレイヤー数が閾値未満と判断された場合、ステップS2.4が実行される。
【0086】
ステップS2.4では、ゲームサーバ204は、プッシュ通知サーバ210に対し、カテゴリに含まれる少なくとも1人の他のプレイヤーへの招待の送信リクエストを送信する。その後、ステップS2.5において、プッシュ通知サーバ210は、少なくとも1人の他のプレイヤー(以下、「受信側プレイヤー」と称す)に関連付けされたゲーム装置212に、通信ネットワーク206を介して招待を送信する。
【0087】
ステップS2.6では、受信側プレイヤーが招待を承諾する。その後、ステップS2.7において、ゲーム装置212がゲームサーバ204に参加リクエストを送信する。
【0088】
ステップS2.8において、ゲームサーバ204はマルチプレイヤーゲームの新たなゲームセッションを開始し、開始側プレイヤーと受信側プレイヤーとを新たなゲームセッションに追加する。ゲームサーバ204は、ゲームセッションを同期させる。
【0089】
ゲームセッションが終了したら、ゲームサーバ204は、ゲームサーバのデータベース208に保存されている情報を更新する(ステップS2.9)。
【0090】
図2は一例に過ぎず、ここで、特許請求の範囲を不当に制限すべきではない。当業者であれば、本願に開示される実施形態の多くのバリエーション、代替、変更を理解可能であろう。
【0091】
図3は、本願に開示される実施形態に従った装置300の様々な組み合わせを示した図面である。装置300にはメモリ302、プロセッサ304等のコンピュータハードウェア、ディスプレイ306その他の入出力(I/O)装置308、通信インタフェース310、電源312が含まれるが、これに限定されない。
【0092】
図3は一例に過ぎず、ここで、特許請求の範囲を不当に制限すべきではない。装置300の具体的な記号等は一例として提示したものであり、装置300を、特定の数、型、モジュール及び/又は装置300の構成要素の配列に限定するものとして理解すべきではない。当業者であれば、本願に開示される実施形態の多くのバリエーション、代替、変更を理解可能であろう。例えば、装置300は、ゲーム装置102、202、212として実装可能であり、その逆も同様である。
【0093】
図4A~4Cは、本願に開示される実施形態に従ってマルチプレイヤーゲームのゲームセッションを管理する方法のステップをまとめて示した図面である。本方法は、論理的フロー図のステップのあつまりとして記載される。この論理的フロー図は、ハードウェア、ソフトウェア、及びこれらの組み合わせで実装可能なステップのシーケンスを表現する。
【0094】
ステップ402では、ゲームサーバが、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションの開始リクエストを第1のパーティーから受信する。
【0095】
ステップ404では、ゲームサーバが、第1のパーティーとマルチプレイヤーゲームのプレイヤーの第1のカテゴリとを関連付ける。
【0096】
ステップ406では、ゲームサーバが、第1のカテゴリに関連付けされた、オンライン状態にあるパーティーを検索する。上記検索で、オンライン状態にあるパーティーが少なくとも1つ見つかった場合、ステップ408が実行される。ステップ408において、ゲームサーバはマルチプレイヤーゲームの新たなゲームセッションを開始し、第1のパーティーとオンライン状態にある少なくとも1つのパーティーとを新たなゲームセッションに追加する。
【0097】
ステップ406において、オンライン状態にあるパーティーが見つからない場合、ステップ410が実行される。
【0098】
ステップ410では、ゲームサーバは、第1のカテゴリに含まれるプレイヤー数が、閾値未満が否か判断する。第1のカテゴリに含まれるプレイヤー数が閾値以上と判断された場合、ステップ412が実行される。
【0099】
ステップ412において、ゲームサーバは、第1の所定時間、待機する。いずれかのパーティーが参加の意思表示をした場合、ステップ408が実行される。第1の所定時間内に、第1のカテゴリに含まれるいずれのプレイヤーも、マルチプレイヤーゲームをしたい旨の意思表示をしなかった場合、ステップ414が実行される。
【0100】
ステップ414において、ゲームサーバは、第1のパーティーとプレイヤーの別のカテゴリとを関連付け、この別のカテゴリに対してステップ406を再度行う。
【0101】
ステップ410では、第1のカテゴリに含まれるプレイヤー数が閾値未満と判断された場合、ステップ416が実行される。ステップ416では、ゲームサーバは、プッシュ通知サーバに対し、第1のカテゴリに含まれる少なくとも1つの第2のパーティーへの招待の送信リクエストを送信する。
【0102】
ステップ418では、プッシュ通知サーバは、第1のカテゴリに関連付けされた少なくとも1つの第2のパーティーに招待を送信する。
【0103】
ステップ420では、ゲームサーバは、第2の所定時間内に少なくとも1つの第2のパーティーから、マルチプレイヤーゲームのゲームセッションへの参加リクエストを受信したか否かを確認する。ゲームサーバが参加リクエストを受信した場合、ステップ422が実行される。ステップ422では、ゲームサーバは新たなゲームセッションを開始し、第1のパーティーと少なくとも1つの第2のパーティーとを新たなゲームセッションに追加する。
【0104】
第2の所定時間内に、第2のパーティーからの参加リクエストを1つも受信しなかった場合、ステップ424が実行される。ステップ424では、ゲームサーバは、第1のパーティーとプレイヤーの第2のカテゴリとを関連付け、この第2のカテゴリに対してステップ406を再度行う。
【0105】
ステップ402から424は単なる例示であって、他の選択肢も提供することができる。すなわち、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、1つ又は複数のステップを加えたり、1つ又は複数のステップを除いたり、1つ又は複数のステップを別の順序で実行したりすることができる。
【0106】
前述した本願に開示される実施形態の変更は、添付の特許請求の範囲に定義される開示範囲から逸脱しない限り可能である。本願の開示事項を記述及び請求するのに使用される「含む」、「備える」、「組み込む」、「構成する」「有する」、「在る」等の表現は、非限定的に解釈されることを意図したものであり、明示されない項目や部品、要素等が存在してもよい。単数表現もまた、複数に関連するものと解釈されるべきものである。