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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】自動車の自動変速機のパーキングロック
(51)【国際特許分類】
   F16H 63/34 20060101AFI20221129BHJP
   B60T 1/06 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
F16H63/34
B60T1/06 G
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020521965
(86)(22)【出願日】2018-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-24
(86)【国際出願番号】 EP2018073951
(87)【国際公開番号】W WO2019076531
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-08-11
(31)【優先権主張番号】102017218748.4
(32)【優先日】2017-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ジュリア クレイン
【審査官】長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-134243(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0159752(US,A1)
【文献】特表2004-505225(JP,A)
【文献】特開2011-246115(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0277237(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105333140(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 63/34
B60T 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の自動変速機のパーキングロックであって、
歯溝(1a)を有するロック歯を備えて変速機軸と相対回転不能に接続されているパーキングロック歯車(1)と、
爪ピン(3)上に旋回可能に支承されているロック爪(2)であって、前記パーキングロックが入れられた状態(P_ein)で前記パーキングロック歯車(1)の前記ロック歯の歯溝(1a)に係合して、これによって前記パーキングロック歯車(1)および変速機軸を回転に対してブロックする爪歯(2a)を備えるロック爪(2)と、
前記パーキングロックのシフト位置(P_ein、P_aus)を指定するためにシフトレバー回転軸(3a)を中心に回転可能なシフトレバー(4)と、
パーキングロック解除方向に抗してばね付勢されたロック要素(6)を備える連結ロッド(5)であって、前記ロック要素(6)が、前記パーキングロックが入れられると、前記ロック爪(2)の前記爪歯(2a)が、前記パーキングロック歯車(1)の前記ロック歯の前記歯溝(1a)に係合するよう作用し、前記パーキングロックが入れられた状態(P_ein)において前記ロック爪(2)の前記爪歯(2a)が前記パーキングロック歯車(1)の前記ロック歯の前記歯溝(1a)から押し出されるのを防止し、前記連結ロッド(5)の前記ロック要素(6)と反対側の端部は前記シフトレバー(4)と関節結合されている、連結ロッド(5)と、
係合ばね(9)であって、前記係合ばね(9)のばね力がパーキングロックを入れる方向で前記シフトレバー(4)に作用する係合ばね(9)と、
油圧作動可能なアクチュエータ(10)であって、前記アクチュエータ(10)の圧力がパーキングロック解除方向で前記シフトレバー(4)に作用するアクチュエータ(10)と、を備えるパーキングロックにおいて、
前記パーキングロックが手動で解除可能であるように、機械的に前記シフトレバー(4)と作動接続されることが可能な、非常解除装置(15)を備え、
前記アクチュエータ(10)は、アクチュエータハウジング(14)内で同じ長手方向軸上で軸方向に移動可能に配置された2つのピストン(11、12)と、前記アクチュエータハウジング(14)内に配置された、電磁石(13a)によって作動可能なディテント装置(13)と、を備え、
第1ピストン(11)は、前記パーキングロックを解除するために油圧で付勢可能であり、加圧されると、第2ピストン(12)を前記係合ばね(9)のばね力に抗して軸方向に移動させ、
前記第2ピストン(12)は、前記第2ピストン(12)の軸方向移動が作用して前記シフトレバー(4)がシフトレバー回転軸(3a)を中心にして回転し、逆も同様であるように、機械的に前記シフトレバー(4)と接続されており、
前記ディテント装置(13)に作用する前記電磁石(13a)が通電されていない場合、前記ディテント装置(13)が前記第1ピストン(11)を、前記パーキングロックが入れられた状態(P_ein)に割り当てられたピストン位置に、または前記パーキングロックが解除された状態に割り当てられたピストン位置(P_aus)に機械的に固定し、
前記電磁石(13a)は、それぞれのピストン位置でのロックを解除するために、通電される必要があり、
前記非常解除装置(15)が作動された場合に、前記第1ピストン(11)は前記パーキングロックが入れられた状態(P_ein)に対応する前記第1ピストン(11)のロックされたピストン位置を離れることなく、前記第2ピストン(12)を、前記シフトレバー(4)によって軸方向に移動させることができることを特徴とする、パーキングロック。
【請求項2】
請求項1に記載のパーキングロックであって、前記第1および前記第2ピストン(11、12)は、長手軸方向に見て、前後に配置されていることを特徴とする、パーキングロック。
【請求項3】
請求項1または2に記載のパーキングロックであって、前記係合ばね(9)は、軸方向で前記第2ピストン(12)と前記アクチュエータハウジング(14)との間にクランプされて軸方向に見て前記第2ピストン(12)のピストンロッド(12a)を完全にまたは部分的に同心状に囲む、圧縮ばねとして構成されていることを特徴とする、パーキングロック。
【請求項4】
請求項1、2または3に記載のパーキングロックであって、前記パーキングロックは、変速機ハウジングに固定されたガイド装置を備え、前記ガイド装置は、ガイドプレート(8)またはガイドスリーブとして形成され、前記パーキングロックを入れる際および解除する際に、前記ロック装置(6)が、前記ロック爪(2)の垂直力に抗して、前記ガイド装置に対して支持されることを特徴とする、パーキングロック。
【請求項5】
請求項4に記載のパーキングロックであって、前記ガイド装置は、前記アクチュエータハウジング(14)に取り付けられていることを特徴とする、パーキングロック。
【請求項6】
請求項4に記載のパーキングロックであって、前記ガイド装置は、前記アクチュエータハウジングの一体化された構成部分であることを特徴とする、パーキングロック。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載のパーキングロックであって、前記非常解除装置(15)が作動されると、前記自動変速機の変速機ハウジング(20)の内部に配置された前記非常解除装置(15)の内側レバー(17)は、機械的に直接、前記シフトレバー(4)に作用することを特徴とする、パーキングロック。
【請求項8】
請求項1~6の何れか一項に記載のパーキングロックであって、前記非常解除装置(15)が作動されると、前記自動変速機の変速機ハウジング(20)の内部に配置された前記非常解除装置(15)の内側レバー(17)は、機械的に直接、前記第2ピストン(12)の前記ピストンロッド(12a)に作用し、そのため、前記内側レバー(17)が前記ピストンロッド(12a)を介して前記シフトレバー(4)に作用することを特徴とする、パーキングロック。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載のパーキングロックであって、前記シフトレバー(4)は、前記爪ピン(3)上に回転可能に支承され、そのため、爪ピン長手方向軸(3a)、ロック爪旋回軸、およびシフトレバー回転軸が同一であることを特徴とする、パーキングロック。
【請求項10】
請求項1~9の何れか一項に記載のパーキングロックであって、前記シフトレバー(4)に関節的に取り付けられた前記連結ロッド(5)は、前記連結ロッド(5)の移動面が、ロック爪(2)、シフトレバー(4)、およびピストンロッド(12a)の移動面に実質的に平行に配置されるように、前記ロック爪(2)の下に配置されていることを特徴とする、パーキングロック。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載のパーキングロックであって、前記シフトレバー(4)は2つの脚部を備え、各脚部は円形の孔を有し、これらの孔は、相互に同軸に配置されて、前記シフトレバー(4)を前記爪ピン(3)上で支承する役割を果たし、前記ロック爪(2)は、両方の前記脚部の間に支承されていることを特徴とする、パーキングロック。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載のパーキングロックであって、前記シフトレバー(4)に押さえばね(22)が取り付けられている、または掛けられており、前記押さえばね(22)は、前記パーキングロックが解除された状態(P_aus)において、前記ロック爪(2)が前記パーキングロック歯車(1)に接触するのを防止することを特徴とする、パーキングロック。
【請求項13】
請求項12に記載のパーキングロックであって、前記押さえばね(22)の力伝達部分(22a、22c)は、前記シフトレバー(4)が、前記パーキングロックが入れられた状態(P_ein)における前記シフトレバー(4)の位置から、前記パーキングロックが解除された状態(P_aus)における前記シフトレバー(4)の位置の方向に所定の角度だけ回転される場合にのみ、前記ロック爪(2)と摩擦接続的に接触し、そのため、前記押さえばね(22)の前記力伝達部分(22a、22c)が前記ロック爪(2)に摩擦接続的に作用する場合にのみ、前記ロック爪(2)に作用する前記押さえばね(22)の力が、前記ロック爪(2)と前記パーキングロック歯車(1)との間の接触を防止することを特徴とする、パーキングロック。
【請求項14】
請求項12に記載のパーキングロックであって、前記シフトレバー(4)が前記パーキングロックが入れられた状態における前記シフトレバー(4)の位置(P_ein)にある場合に、前記押さえばね(22)の力伝達部分(22a、22c)がすでに前記ロック爪(2)と摩擦接続的に接触するように、前記シフトレバー(4)における前記押さえばね(22)が予め張力をかけられており、前記シフトレバー(4)が、前記パーキングロックが入れられた状態(P_ein)における前記シフトレバー(4)の位置から、パーキングロックが解除された状態(P_aus)における前記シフトレバー(4)の位置の方向に回転される場合に、前記ロック爪(2)に作用する前記押さえばね(22)の力が、前記ロック爪(2)と前記パーキングロック歯車(1)との間の接触が確実に防止されるように、増大されることを特徴とする、パーキングロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載された、自動車の自動変速機のパーキングロックに関する。
【背景技術】
【0002】
自動変速機のパーキングロックは、自動変速機が組付けられた自動車を、不意な動き出しに対して安全にすることができる装置であると知られている。この種のパーキングロック機構は、従来技術から多様に知られている。パーキングロック機構は、通常、爪ピン上に旋回可能に支承されたロック爪と、ピン上に支承されたセレクタディスクに対して連結ロッド上に配置されたロック要素と、を備える。ロック爪は、変速機の出力部と接続されたパーキングロック歯車と係合または係合解除する。ロック要素は、ロックされた状態においてロック爪とガイドプレートとの間にクランプされ、ロック爪がパーキングロック歯車の歯溝から押し出されるのを防止する。この場合、ロック要素は連結ロッド上でばね要素を介してばね付勢されている。通常、係合ばねのばね力によって、パーキングロックを機械的に入れることができる。
【0003】
現代の自動変速機では、パーキングロックを解除するために、油圧システムが装備される場合が多い。油圧システムでは、連結ロッドのロック要素と反対側の端部は、セレクタディスクに関節結合されている。セレクタディスクは、油圧的に作動可能なパーキングロックピストンのピストンロッドと、作動接続されている。パーキングロックピストンは、パーキングロックシリンダ内に配置されている。連結ロッドのこの端部は、脚ばねとして構成されることの多い係合ばねの力に抗してパーキングロックを解除するために、また係合ばねの力によってパーキングロックを入れるために、軸方向に移動可能である。
【0004】
そうしたパーキングロックを解除するために、パーキングロックシリンダのシリンダスペースは、圧力で付勢されてパーキングロックピストンを押し、したがって、脚ばねのばね力に抗してセレクタディスクを「P_aus(パーキングロックが解除された)」位置に押しつける。パーキングロックシリンダのパーキングロックピストンをこの位置で追加的にロックするために、少なくとも1つの電磁弁が備えられる。電磁弁は、パーキングロックシリンダのこの位置で電気的に通電され、それによってパーキングロックピストンに作用するロック機構を作動させる。
【0005】
そうしたパーキングロックを入れるために、電磁弁が再びスイッチオフされる。パーキングロックシリンダのシリンダスペースが排気され、パーキングロックピストンの機械的なロックが解除される。セレクタディスクにおける予め張力をかけられた脚ばねによって、セレクタディスクが、したがってパーキングロックピストンが、「P_ein(パーキングロックが入れられた)」位置に移動される。この場合、通常はロックコーンとして構成されるロック要素は、ガイドプレート上でロック爪の下に移動される。次いでロック要素は、このロック爪の歯が、パーキングロック歯車のロック歯の、対応する歯溝に係合することができるようにロック爪に作用する。歯対歯位置では、ロック要素を連結ロッド上でばね付勢するばね要素に、予め張力がかけられる。そのため、ロック爪の歯が歯溝に当たるとすぐに、ロック爪がパーキングロック歯車のロック歯に係合する。
【0006】
油圧的に解除可能なパーキングロックは、通常、自動変速機の油圧供給が機能不全になった場合にロック爪をそのロック位置から機械的に解除できるよう、非常解除装置を備えることが多い。
【0007】
機械的な非常解除装置を備えたこの種のパーキングロックシステムは、例えば、本出願人の、ドイツ特許出願公開第198 37 832号(DE198 37 832A1)から既知である。この場合、パーキングロックのロック爪は、通常作動において、通常の方法で、係止ディスクを介して機械的に作動される。係止ディスクは、パーキングロックを機械的に入れるべく係合ばねのばね力によって、またパーキングロックを油圧的に解除させるべく油圧シリンダの圧力によって、回転される。非常解除装置として、係止ディスクに対して平行に配置されたカーブディスクがさらに備えられている。カーブディスクは連行部を介して係止ディスクと作動接続されており、通常作動においては係止ディスクがカーブディスクを回転させることがなく、非常作動においてパーキングロックを解除するために、係止ディスクがカーブディスクによって回転可能である。
【0008】
通常、この種のパーキングロックシステムの油圧シリンダへの圧力媒体供給、およびこの油圧シリンダの排気は、制御弁、または電気油圧変速機制御装置における複数の油圧的に相互作用する制御弁を介して行われる。電気油圧変速機制御装置は、変速機を駆動するために備えられた駆動機関に駆動されるオイルポンプによって、圧力媒体を供給される。本出願人によるドイツ特許出願公開第10 2012 210 571号(DE10 2012 210 571A1)は、これらのうちの1つまたは複数が駆動機関の始動の際に誤って位置することに起因して、パーキングロックが不所望に解除されることを防止するために、パーキングロックシステムの油圧シリンダに作用する制御弁を提案する。油圧シリンダのピストンロッドは、同じ電磁石によって作動される2つの電磁作動ロックを備える。この場合第1ロックは、ピストンロッドを、パーキングロックが解除された状態に割り当てられた、油圧シリンダが無圧である時に存在する位置に、機械的にブロックする。他方、第2ロックは、パーキングロックが入れられた状態に割り当てられた位置でピストンロッドを機械的にブロックし、それによってパーキングロックシステムを、従前に正しく入れられたパーキングロックが不所望にも、すなわち誤作動に起因して係合解除されることから保護する。当業者は、この種のパーキングロック作動システムを、「双安定ピストンロックを備える油圧作動式パーキングロックアクチュエータ」と称する。しかしながら、電気油圧変速機制御装置が機能不全である場合には、電気的な制御が機能しないため、通常は形状結合的な機械的ロックを、電磁石を介して再度解放することは、もはや不可能である。したがって、パーキングロックを手動で解除するためにピストンロッドに機械的に作用する非常解除装置を、このパーキングロックシステムでは使用することができない。
【0009】
本出願人による未公開のドイツ特許出願第102017210069.9号(DE102017210069.9)から、非常にコンパクトなパーキングロックユニットが示される。このパーキングロックユニットでは、パーキングロックのロック要素を備える連結ロッドが、ロック爪に対して平行に、かつ変速機ハウジングに挿入された爪ピンに対して垂直に配置されている。爪ピンには、パーキングロックのロック爪が、またパーキングロックのセレクタディスクもが、旋回可能に支承されている。この場合、連結ロッドのロック要素と反対側の端部は、セレクタディスクと関節結合されている。
【0010】
このパーキングロックを解除するために、圧力で付勢可能な油圧ピストンが備えられている。油圧ピストンのピストンロッドは、同様に、セレクタディスクと関節結合されている。そのため、油圧ピストンの各軸方向移動は、連結ロッドが軸方向移動するよう作用する。この場合、ピストンロッドは、「パーキングロックが入れられた」状態に割り当てられた第1端部位置と、「パーキングロックが解除された」状態に割り当てられた第2端部位置との両方で、電磁的にロックすることができる。
【0011】
このパーキングロックを入れるために、係合ばねが備えられている。この係合ばねは、そのばね力が油圧ピストンのピストン力に抗して作用するように、変速機ハウジングとセレクタディスクとの間にクランプされている。油圧ピストンが圧力で付勢されていない場合に、セレクタディスクは、「パーキングロックが入れられた」状態に割り当てられた位置へと回転する。この係合ばねは、脚ばねとして構成することができる。脚ばねの巻線は、爪ピンを同心状に囲む。代替的に、係合ばねを、油圧ピストンのピストンロッドを同心状に囲む圧縮ばねとして構成することができる。さらに、押さえばねがセレクタディスクに掛けられている。この場合押さえばねは、パーキングロックが解除されている場合、そのばね力がロック爪を解除された状態に保持するように、予め張力がかけられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】DE198 37 832A1
【文献】DE10 2012 210 571A1
【文献】DE102017210069.9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、未公開の特許出願DE102017210069.9に記載の自動変速機のパーキングロックを、DE102017210069.9のコンパクトな設計および他の利点を断念する必要無く、パーキングロックの非常解除が可能であるように、さらに発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、請求項1の特徴を有するパーキングロックによって解決される。さらなる本発明による実施形態および利点は、従属請求項から明らかである。
【0015】
したがって本発明は、自動車の自動変速機のパーキングロックに関する。パーキングロックは、歯溝を有するロック歯を備えて変速機軸と相対回転不能に接続されているパーキングロック歯車と、爪ピン上に旋回可能に支承されているロック爪であって、パーキングロックが入れられた状態でパーキングロック歯車のロック歯の歯溝に係合して、これによってパーキングロック歯車および変速機軸を回転に対してブロックする爪歯を備えるロック爪と、パーキングロックのシフト位置を指定するためにシフトレバー回転軸を中心に回転可能なシフトレバーと、シフトレバーと関節結合している連結ロッドと、を備える。連結ロッドは、パーキングロック解除方向に抗してばね付勢されたロック要素を備え、ロック要素が、パーキングロックが入れられると、ロック爪の爪歯がパーキングロック歯車のロック歯の歯溝に係合するよう作用し、パーキングロックが入れられた状態においてロック爪の爪歯がロック歯の歯溝から押し出されるのを防止する。さらに、パーキングロックは、係合ばねであって、そのばね力がパーキングロックを入れる方向でシフトレバーに作用する係合ばねと、油圧作動可能なアクチュエータであって、その圧力がパーキングロック解除方向でシフトレバーに作用するアクチュエータと、を備える。この場合、連結ロッドのロック要素と反対側の端部は、シフトレバーと関節結合されている。
【0016】
追加的に本発明によるパーキングロックは、パーキングロックが手動で解除可能であるように、機械的にシフトレバーと作動接続されることが可能な、非常解除装置を備える。
【0017】
本発明によれば、アクチュエータは、アクチュエータハウジング内で同じ長手方向軸上で軸方向に移動可能に配置された2つのピストンと、アクチュエータハウジング内に配置された電磁的に作動可能なディテント装置と、を備える。この場合、第1ピストンは、パーキングロックを解除するために油圧で付勢可能であり、加圧されると、第2ピストンを係合ばねのばね力に抗して軸方向に移動させる。この場合、第2ピストンは、第2ピストンの軸方向移動が作用してシフトレバーがシフトレバー回転軸を中心にして回転し、逆も同様であるように、機械的にシフトレバーと接続されている。ディテント装置は、電磁石が通電されていない場合、ディテント装置が第1ピストンを、パーキングロックが入れられた状態に割り当てられたピストン位置に、またはパーキングロックが解除された状態に割り当てられたピストン位置に機械的にロックするように、電磁石によって作動可能である。電磁石は、それぞれのピストン位置でのロックを解除するために、通電される必要がある。この種のディテント装置は、「双安定ディテント装置」と称することもできる。
【0018】
本発明によるこの装置によって、特に有利にも、非常解除装置が作動された場合に、第1ピストンはパーキングロックが入れられた状態に対応するそのロックされたピストン位置を離れることなく、第2ピストンを、シフトレバーによって軸方向に移動させることが可能である。
【0019】
好適には、第1および第2ピストンは、長手軸方向に見て、前後に配置されている。この場合係合ばねは、軸方向で第2ピストンとアクチュエータハウジングとの間にクランプされて軸方向に見て第2ピストンのピストンロッドを完全にまたは部分的に同心状に囲む、圧縮ばねとして構成されてよい。
【0020】
本発明の一実施形態において、パーキングロックは追加的に、変速機ハウジングに固定されたガイド装置をも備える。ガイド装置は、ガイドプレートまたはガイドスリーブとして形成されている。パーキングロックを入れる際および解除する際に、ロック装置が、ロック爪の垂直力に抗して、ガイド装置に対して支持される。この種のガイド装置は、アクチュエータハウジングに直接、取り付けられてよい。しかしながら代替的に、ガイド装置がアクチュエータハウジングの一体化された構成部分とされてもよい。
【0021】
本発明の別の実施形態において、非常解除装置が作動されると、自動変速機の変速機ハウジングの内部に配置された非常解除装置の内側レバーは、機械的に直接、シフトレバーに作用する。これに対して代替的に、非常解除装置が作動されると、自動変速機の変速機ハウジングの内部に配置された非常解除装置の内側レバーは、機械的に直接、第2ピストンのピストンロッドに作用することができる。そのため、内側レバーがピストンロッドを介してシフトレバーに作用する。
【0022】
本発明のさらなる実施形態において、シフトレバーは爪ピン上に回転可能に支承されることを提案する。そのため、シフトレバー回転軸、爪ピン長手方向軸、およびロック爪旋回軸が同一である。シフトレバーに関節的に取り付けられた連結ロッドは、連結ロッドの移動面が、ロック爪、シフトレバー、およびピストンロッドの移動面に実質的に平行に配置されるように、ロック爪の下に配置されている。シフトレバーおよび爪ピンのそうした配置により、爪ピンを支持するための爪ピン支承部の支承基部を、比較的小さくすることができる。シフトレバーは、2つの脚部を備えることができる。各脚部は円形の孔を有する。これらの孔は、相互に同軸に配置されて、シフトレバーを爪ピン上で支承する役割を果たす。ロック爪は、両方の脚部の間に支承されている。このように設計することによって、有利にも、摩擦の影響が最小限に抑えられる。その結果、パーキングロックを作動させるためのアセンブリは、可及的にコンパクトで堅牢な構成になっている。
【0023】
本発明の発展実施形態において、ロック爪に作用するシフトレバーに、押さえばねを取り付ける、または掛けることを提案する。押さえばねは、パーキングロックが解除された状態において、ロック爪がパーキングロック歯車に接触することを防止する。これによって、ロック爪を最適に支持するための従前に提案した配置および構成の、さらなる機能上の利点が拡大される。パーキングロックが解除された状態において、依然としてロック爪に作用している押さえばねのばね力によって、ロック爪がパーキングロック歯車に接触することが確実に防止される。これによって、ロック爪がラチェット止めすることが、確実に防止される。
【0024】
好適には、この場合、押さえばねの力伝達部分、例えば押さえばねの自由端は、シフトレバーが、パーキングロックが入れられた状態におけるその位置から、パーキングロックが解除された状態におけるその位置の方向に所定の角度だけ回転される場合にのみ、ロック爪と摩擦接続的に接触する。そのため、押さえばねのこの力伝達部分がロック爪に摩擦接続的に作用する場合にのみ、ロック爪に作用する押さえばねの力が、ロック爪とパーキングロック歯車との間の接触を防止する。
【0025】
これに対して代替的に、シフトレバーがパーキングロックが入れられた状態におけるその位置にある場合に、押さえばねの力伝達部分がすでにロック爪と摩擦接続的に接触するように、シフトレバーにおける押さえばねに、例えば予め張力をかけることができる。シフトレバーが、パーキングロックが入れられた状態におけるその位置から、パーキングロックが解除された状態におけるその位置の方向に回転される場合に、ロック爪に作用する押さえばねの力が、ロック爪とパーキングロック歯車との間の接触が確実に防止されるように、増大される。
【0026】
押さえばねは、ばねワイヤ製の撓みばねとして、費用対効果の高い方法で形成することができる。
【0027】
本発明は、以下で添付の図面を参照して、例示的に詳説される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明によるパーキングロックの第1実施形態の「パーキングロックが入れられた」シフト位置での概略的な斜視図である。
図2図1のパーキングロックの「パーキングロックが入れられた」シフト位置での概略的な断面図である。
図3図1のパーキングロックの「パーキングロックが解除された」シフト位置での概略的な断面図である。
図4図1のパーキングロックの「パーキングロックが非常解除された」シフト位置での概略的な断面図である。
図5図1のパーキングロックの非常解除装置の支承コンセプトの概略的な断面図である。
図6】本発明によるパーキングロックの第2実施形態の「パーキングロックが入れられた」シフト位置での概略的な断面図である。
図7】本発明によるパーキングロックの第2実施形態の「パーキングロックが入れられた」シフト位置での概略的な断面図である。
図8A】代替的な非常解除装置の斜視図である。
図8B図8Aの非常解除装置の断面図である。
図8C図8Aの非常解除装置の「パーキングロックが入れられた」シフト位置での側面図である。
図8D図8Aの非常解除装置の「パーキングロックが非常解除された」シフト位置での側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明による自動車の自動変速機のパーキングロックの好適な第1実施形態を、図1乃至図5を参照して、以下に詳説する。図1は、符号P_einによって示される「パーキングロックが入れられた」シフト位置での、このパーキングロックの三次元の図を示す。図2は、これに対応する断面図を示す。これに対して図3は、符号P_ausによって示される「パーキングロックが解除された」シフト位置での、このパーキングロックの断面図を示す。図4は、符号P_aus_notによって示される「パーキングロックが非常解除された」シフト位置での、このパーキングロックの断面図を示す。このシフト位置では、パーキングロックが、非常解除装置の作動に起因して解除された。最後に図5は、非常解除装置の支承コンセプトのための、このパーキングロックの一例を、断面図で示す。
【0030】
図1乃至図4に示すパーキングロックは、爪ピン3上に旋回可能に支承されたロック爪2を備える。ロック爪2の爪歯2aは、パーキングロックのシフト位置P_ein、P_ausに応じて、パーキングロック歯車1の歯溝1aに係合または解除する。パーキングロック歯車1は、ここでは詳細に示されていない自動変速機の変速機軸と接続されている。このパーキングロックはまた、ロック要素6を備える。ロック要素6は、連結ロッド5上でシフトレバー4に対して配置され、ばね要素7を介してばね付勢される。ロック要素6は、ロックされた状態、すなわち「パーキングロックが入れられた」シフト状態において、ロック爪2と、変速機ハウジングに固定されたガイドプレート8との間にクランプされており、爪歯2aがパーキングロック歯車1の対応する歯溝1aから押し出されるのを防止する。パーキングロック解除方向に抗してばね付勢されたロック要素6は、例示的にロックコーンとして形成されている。代替的に、ロック要素6は例えばローラ要素として形成されてもよい。
【0031】
スペースを節約するように、シフトレバー4は爪ピン3上に回転可能に支承されている。そのため、爪ピン長手方向軸3a、ロック爪旋回軸、およびシフトレバー回転軸が、同一である。ここに示す実施形態において、シフトレバー4は、2つの脚部を備える。各脚部は、円形の孔を有する。これらの孔は、相互に同軸に配置され、シフトレバー4を爪ピン3上で支承する役割を果たす。ロック爪2は、これら両方の脚部の間に支承されている。
【0032】
連結ロッド5のロック要素6と反対側の端部は、シフトレバー4と関節結合されている。パーキングロックを入れること、また解除することができるように、シフトレバー4は、油圧作動可能なアクチュエータ10と接続された連行部4aを備える。連行部4aを用いて、パーキングロックのシフト位置を切換え位置を指定することができる。
【0033】
ここに示す本発明の第1実施形態では、以下のことが重要である。つまり、アクチュエータ10が、第1ピストン11および第2ピストン12を備える。第1ピストン11および第2ピストン12は、同一の長手方向軸線上で、アクチュエータ10の制御ハウジング14内に軸方向で変位可能に配置されている。パーキングロックを解除するために、第1ピストン11のみが油圧で付勢可能である。加圧されると、第1ピストン11は、係合ばね9のばね力に抗して第2ピストン12を軸方向に移動させる。係合ばね9は、第2ピストン12とアクチュエータハウジング14との間で軸方向にクランプされた圧縮バネとして構成されている。係合ばね9は、軸方向に見ると、第2ピストン12のピストンロッド12aを同心状に囲む。第2ピストン12は、ピストンロッド12aに挿入されたピン12bを介して、機械的にシフトレバー4と接続されている。ピン12bは、シフトレバー4の連行部4aに係合する。そのため、第2ピストン12の軸方向移動が、シフトレバー4がシフトレバー回転軸3aを中心に回転するよう作用する。他方で、シフトレバー4のその回転軸3aを中心とする回転も、常に第2ピストン12が軸方向移動するよう作用する。
【0034】
ここに示す本発明の第1実施形態では、以下のことも重要である。つまり、アクチュエータ10は、アクチュエータ10の第1ピストン11用の双安定ディテント装置13を備える。双安定ディテント装置13は、アクチュエータハウジング14内部に、この場合には例示的に第1ピストン11内部の中央に配置されている。電磁石13aが通電されていない場合、ディテント装置13は、第1ピストン11を、パーキングロックが入れられた状態P_einに割り当てられたピストン位置に、またはパーキングロックが解除された状態P_ausに割り当てられたピストン位置に機械的にロックするように、アクチュエータハウジング14に配置された電磁石13aによって電磁的に作動可能である。第1ピストン11の各ピストン位置でロックを解除するためには、電磁石13aが通電されなければならない。
【0035】
ここに示す実施形態において、シフトレバー4に関節的に取り付けられた連結ロッド5は、空間的に見て、ロック爪2の下で、ロック爪2に平行に、かつ爪ピン3に垂直に配置されている。そのため、連結ロッド5の移動面は、ロック爪2、シフトレバー4、およびピストンロッド12aの移動面に実質的に平行に配置されている。この特別な配置は、有利にも、極めて省スペースである。
【0036】
ここに示す実施形態において、ガイドプレート8は、アクチュエータ10の制御ハウジング14に取り付けられている。しかしながら代替的に、ガイドプレート8を制御ハウジング14の一体部分として形成することもできる。ガイドプレート8として形成する代わりに、変速機ハウジングに固定されたガイド装置を、例えば、制御ハウジング14に取り付けられた、またはアクチュエータ10の制御ハウジングに一体化されたガイドスリーブとして形成してもよい。パーキングロックを入れる際および解除する際に、ロック装置6は、ロック爪2の垂直力に抗して、ガイド装置に対して支持される。制御ハウジング14自体は、例えば、自動変速機の電気油圧変速機制御装置の一体部分であってもよい。
【0037】
ここに示す実施形態において、パーキングロックは追加的に押さえばね22を備える。押さえばね22は、シフトレバー4に掛けられ、パーキングロックが解除された状態P_ausにおいて、ロック爪2がパーキングロック歯車1に接触することを防止する。この押さえばね22の特徴は、シフトレバー4での、その支持態様である。シフトレバー4が、パーキングロックが入れられた状態P_einにおけるその位置から、パーキングロックが解除された状態P_ausにおけるその位置の方向に所定の角度だけ回転される場合にのみ、押さえばね22の力伝達部分がロック爪2と摩擦接続的に接触するように、押さえばね22がシフトレバー4において、予め張力をかけられている。したがって、押さえばね22のロック爪2に作用する力は、押さえばね22のこの力伝達部分がロック爪2に摩擦接続的に作用するときにのみ、ロック爪2とパーキングロック歯車1との間の接触を防止する。したがって、押さえばね22は、パーキングロックが解除された場合にのみ、その効果を発揮することができる。シフトレバー4が、パーキングロックを入れるために設けられたシフトレバー4の位置に回転すると、押さえばね22はロック爪2を解放する。押さえばね22は、シフトレバー4と共に、またはシフトレバー4によって、ロック爪2上のシフトレバー4のアンカーポイントから離れるように回転する。そのため、ロック爪2の爪歯2aは、今や押さえばね22の反力なしに、すなわち係合ばね9のばね力によってのみ、パーキングロック歯車1の歯溝1a内に落下することができる。
【0038】
押さえばね22をシフトレバー4において支持することによって、押さえばね22を確実に取り付けるための2つの懸架凹部を備えるシフトレバー4の幾何的設計が可能になる。このような設計のさらなる利点は、これら両方の懸架凹部の位置が、相互に、押さえばね22の力をロック爪2に効果的に作用させる設計余裕を広げることである。そのため、押さえばね22の作動範囲は、シフトレバー4の回転角度が小さいにもかかわらず、それぞれの用途に対して広範囲で適合可能である。また、押さえばね22がシフトレバー4においてこのように予張力を与えられていることによって、ロッキング爪ストロークがほとんどなく高い押さえ力の利点を有する、平坦な板ばね特性をも可能にする。
【0039】
ここに示す実施形態において、押さえばね22は、ばねワイヤから費用対効果を高くして製造される、2本の脚部22bを有する撓みばねとして形成されている。この場合、押さえばね22の両方の脚部は、ロック爪2に実質的にに平行に延在する。押さえばね22のクランク状の中央部分22cは、爪ピン3に平行に(または爪ピン3の長手方向軸3aに平行に)延在し、押さえばね22の2つの脚部22bを互いに接続する。両方の脚部22bにおける、中央部分22cと反対側の端部上には、係合ばね22が各自由端22aを備える。それらの一方はシフトレバー4の2つの脚部のうちの第1脚部に掛けられ、他方はシフトレバーの2つの脚部のうちの第2脚部に掛けられている。したがって、押さえばね22は、シフトレバー4の両方の脚部を包囲する。このような構成では、押さえばね22のロック爪2に作用する力は、押さえばね22の中央部分22cがロック爪2に摩擦接続的に作用するときにのみ、ロック爪2とパーキングロック歯車1との間の接触を防止する。したがって、押さえばね22の中央部分22cは、ロック爪2のためのストッパを構成する。
【0040】
その結果、パーキングロックは、実質的に係合ばねのばね力によって入れられる。一方、アクチュエータ10を制御するために必要な油圧供給および電気供給が利用可能である限り、パーキングロックは、実質的に、第1ピストン11に加えられるアクチュエータ10の油圧力によって、係合ばねのばね力に抗して解除される。
【0041】
すでに示したように、パーキングロックはまた、符号15によって識別される非常解除装置を備える。非常解除装置15によって、アクチュエータ10の油圧制御および/または電気制御が機能不全になった場合に、パーキングロックを機械的に、状態P_einから、状態P_outへと移行させることができる。この目的のために、非常解除装置15は、機械的にシフトレバー4と作動接続されることが可能である。ここに示す実施形態において、非常解除装置15は、自動変速機の変速機ハウジング20の外側に配置された外側レバー16と、変速機ハウジング20の内側に配置された内側レバー17と、を備える。内側レバー17は、この外側レバー16と相対回転不能に接続されている。内側レバー17は脚部17aを備える。非常解除装置15が作動した場合、脚部17aは、機械的に直接、シフトレバー4の脚部4bに作用する。そのため、シフトレバー4が、その回転軸(3a)上で、パーキングロックを解除するために設けられた回転方向に回転する。
【0042】
ここに示す本発明の第1実施形態では、以下のことが重要である。つまり、アクチュエータ10は、アクチュエータ10の第1ピストン11用の双安定ディテント装置13を備える。双安定ディテント装置13は、アクチュエータハウジング14内部に、この場合には例示的に第1ピストン11内部の中央に配置されている。電磁石13aが通電されていない場合、ディテント装置13は、第1ピストン11を、パーキングロックが入れられた状態P_einに割り当てられたピストン位置に、またはパーキングロックが解除された状態P_ausに割り当てられたピストン位置に、軸方向の移動に対して機械的にブロックするように、アクチュエータハウジング14に配置された電磁石13aによって電磁的に作動可能である。第1ピストン11の各ピストン位置でロックを解除するためには、電磁石13aが通電されなければならない。
【0043】
アクチュエータ10が、2つのピストン11、12を備えて特別に形成されることによってのみ、非常解除装置15が作動された場合に、アクチュエータ10の第2ピストン12を、シフトレバー4によって軸方向に移動させることが可能となる。その際、アクチュエータ10の第1ピストン11が、パーキングロックが入れられた状態P_einに対応するそのピストン位置を離れることがない。これは、パーキングロックを入れる、および解除する際の機能シーケンスに基づいて以下で詳説される。
【0044】
本発明によるアクチュエータの10の設計は、パーキングロックが入れられた状態P_einから、アクチュエータ10の油圧供給および電気供給を確保した状態で、自動変速機の通常作動においてパーキングロックを解除する際に、以下の機能シーケンスを必要とする。初期状態P_einにおいては、制御ハウジング14の外側面および第1ピストン11の正面によって構成される圧力スペース14aは、制御装置側で排気されている。図2に示すように、アクチュエータ10の両方のピストン11および12は、ピストン11および12の電磁石13aに面する第1端位置にある。第1ピストン11はディテント装置13によって機械的に固定されている。ディテント装置13の電磁石13aは通電されていない。ロックコーン6は、そのロック位置にある。ロック位置において、ロックコーン6が、ガイドプレート8とロック爪2との間にクランプされている。パーキングロックを、シフト位置P_einから完全に解除可能とするために、まず電磁石13aが通電される。その結果、ディテント装置13は、ディテント装置13が従前にブロックしていた第1ピストン11を解放する。ほぼ同時に、アクチュエータ10の従前に無圧であった圧力スペース14aが圧力で付勢される。その結果、第1ピストン11は、第1ピストン11に作用する圧力によって、係合ばね9のばね力に抗して、軸方向で圧力スペースと反対方向に移動する。その際、第1ピストンは11は、所定の第2端位置に達するまで、第2ピストン12を共に移動させる。第2ピストン12の軸方向移動は、今度は、ピストンロッド12aに挿入されたピン12bおよびシフトレバー4の連行部4aを介して、シフトレバー4のシフトレバー4の回転軸(3a)を中心とする、パーキングロックを解除するために設けられた回転方向への回転運動に変換される。シフトレバー4のこの回転運動は、連結ロッド5を介してロックコーン6に伝達される。その結果ロックコーン6は、そのロック位置から機械的に引き出される。その結果ロック爪2は、ロック爪2に作用する力ベクトルのために旋回する。その際、爪歯2aは、パーキングロック歯車1のロック歯の歯溝1aから外に旋回する。パーキングロックは、今度は状態P_ausにある。つまり、関与するすべての構成部分が、今度は図3に示す位置にある。この状態において、今度は、電磁石13aが再度通電されていない状態に切り替えられる。そのため、ディテント装置13は、第1ピストン11を、第1ピストン11の電磁石13aと反対側の第2端位置に機械的に固定する。このように第1ピストン11を機械的にロックすることによって、パーキングロックシステムを、例えば、圧力レベルが不十分な状況において、またはアクチュエータ10の圧力スペース14aへの圧力供給に油圧的な欠陥のある場合などに、パーキングロックが意図せず入ることに対して保護する。
【0045】
本発明によるアクチュエータ10の設計は、パーキングロックが解除された状態P_ausから、アクチュエータ10の油圧供給および電気供給を確保した状態で、自動変速機の通常作動においてパーキングロックを入れる際に、以下の機能シーケンスを必要とする。初期状態P_ausにおいては、第1ピストン11に作用する、アクチュエータ10の圧力スペース14aは、圧力で付勢されている。アクチュエータ10の両方のピストン11、12は、図3に示すように、電磁石13aと反対側のそれぞれの端位置にある。第1ピストン11は、ディテント装置13によって機械的に固定されている。ディテント装置13の電磁石13aは通電されていない。パーキングロックを、シフト位置P_ausから完全に入れることを可能とするために、まず電磁石13aが通電される。その結果、ディテント装置13は、ディテント装置13が従前にブロックしていた第1ピストン11を解放する。ほぼ同時に、アクチュエータ10の従前に圧力で付勢された圧力スペース14aが、制御装置側で排気される。その結果、第2ピストン12は、係合ばね9のばね力によって、軸方向で第1ピストン11の方向に移動する。第2ピストン12のこの軸方向移動は、一方では、第1ピストン11に機械的に伝達される。その結果、第1ピストン11が、軸方向で、第1ピストン11の電磁石13aに面する第1端位置へ押される。他方で、第2ピストン12の軸方向移動は、ピストンロッド12aに挿入されたピン12bおよびシフトレバー4の連行部4aを介して、シフトレバー4における、シフトレバー4の回転軸(3a)を中心とする、パーキングロックを入れるために設けられた回転方向への回転運動に変換される。シフトレバー4のこの回転運動は、今度は、連結ロッド5を介してロックコーン6に伝達され、またロックコーン6を介してロック爪2に伝達される。その結果、爪歯2aが、パーキングロック歯車1のロック歯の歯溝1aに当たり、パーキングロック歯車1の回転数が過度に大きいために、ロック歯の外径から再度離れない場合に、爪歯2aがこの歯溝に形状結合的に係合し、それによってパーキングロック歯車1を固定する。パーキングロックは、今度は状態P_einにある。つまり、関与するすべての構成部分が、今度は図2に示す位置にある。この状態P_einにおいて、今度は、電磁石13aは再び通電されていない状態に切り替えられる。そのため、ディテント装置13は、第1ピストン11を、第1ピストン11の電磁石13aに面する端位置に機械的に固定する。
【0046】
パーキングロックが解除された状態P_ausにおいて、アクチュエータ10の制御が機能不全になった場合に、問題はない。なぜなら、第1ピストン11が依然として機械的にロックされているために、パーキングロックはそのシフト位置を自動的に変えることができないためである。すなわち、自動変速機は、運転者に対して既知であるシフト位置P_ausに、変わらずに留まる。自動変速機を備える自動車も、変わらず、移動することができない。
【0047】
パーキングロックが入れられている状態P_einにおいて、アクチュエータ10の制御が機能不全になった場合に、本発明によるパーキングロックを備える自動変速機が取り付けられている自動車の運転者は、アクチュエータ10なしでパーキングロックを解除可能とするために、非常解除装置15を利用することができる。初期状態P_einにおいては、関与する構成部分は、図2に示す各位置にある。非常解除装置15が作動すると、非常解除装置15の相対回転不能に相互接続されたレバー16および17が旋回を開始する。この旋回の際に、内側レバー17の脚部17aは、シフトレバーの脚部4bを押圧する。その結果、シフトレバー4は、シフトレバー4の回転軸(3a)を中心に、パーキングロックを解除するために設けられたシフトレバー4の回転方向に回転する。その際、通常の動作におけるように、シフトレバー4が、連結ロッド5を介して、ロックコーン6をロックコーン6のロック位置から引き出し、それによってパーキングロックを解除する。シフトレバー4は、シフトレバー4の連行部4aおよびピン12bを介して、アクチュエータ10の第2ピストン12のピストンロッド12aとも接続されている。そのため、非常解除装置15の作動は、第2ピストン12がその第2端位置に達するまで軸方向に移動するようにも作用する。これに対して、アクチュエータ10の第1ピストン11は、その第1の端位置において、軸方向の動きに対して機械的にブロックされたままである。今やパーキングロックは、パーキングロックが非常解除装置15の作動を介して「非常解除された」状態P_aus_notにある。つまり、関与するすべての構成部分が、図4に示す位置にある。
【0048】
非常解除装置15の作動が終了すると、非常解除装置15の相対回転不能に相互接続された両方のレバー16および17は、ここでは例示的に備えられた脚ばね19の復元力のために、レバー16および17の開始位置へと旋回する。その結果、今度は係合ばね9のばね力によって、パーキングロックを入れることが始動される。
【0049】
変速機の通常作動においてシフトレバー4が「規則的に」旋回すること、つまりアクチュエータ10が完全に機能していても、非常解除装置15の内側レバー17および外側レバー16に対して機械的に作用することは全くない。
【0050】
本発明によるパーキングロックの第1実施形態において備えられる、非常解除装置15の例示的な支承コンセプトを、図5を参照して以下に詳説する。図5は、図1図4による非常解除装置15の外側レバー16および内側レバー17が配置された変速機ハウジング20の領域の、概略的な部分断面図を示す。容易に分かるように、外側レバー16と内側レバー17とは、変速機ハウジング20のハウジング壁を貫通するボルト18を介して、相対回転不能に相互接続されている。パーキングロック歯車1、ロック爪2、シフトレバー4、アクチュエータ10、および内側レバー17が配置されている変速機ハウジング内側スペースは、図5においてハウジング壁の右側に位置する。これに対応して、図5において、外側レバー16を備える外側スペースはハウジング壁の左側に位置する。対応するハウジング孔は、符号20aで示されている。変速機ハウジング20のこの通過点は、ボルト18を同心状に囲むシールリング21によってシールされている。
【0051】
ボルト18をハウジング孔20aに軸方向で固定するために、例えば固定リング18aが備えられている。固定リング18aは、ボルト18の対応する外側溝とハウジング孔20aの対応する内側溝との双方と係合する。そのために、固定リング18aは、例えばスナップリングのような態様で形成されている。外側レバー16をボルト18に取り付けるために、例えば、ここではプレス接続のような、摩擦結合的な接続が設けられている。内側レバー17をボルト18に取り付けるために、例えば、ボルト18の平坦部18bに、ねじ18cを介してワッシャ18dを使用して軸方向に固定する、摩擦結合的な接続が設けられている。内側レバー17および外側レバー16を、非常解除装置15がシフトレバー4の位置に影響を与えない規定された開始位置に調整するために、非常解除装置15の脚ばね19は、そのために適切な方法で、内側レバー17と変速機ハウジング20との間にクランプされている。そのため、既述したように、非常解除装置15の作動後、続いて脚ばね19は、内側レバー17および外側レバー16がこの開始位置へ戻るよう作用する。
【0052】
本発明によるパーキングロックの第2実施形態を、図6を参照して、以下に詳説する。図6の概略的な断面図は、パーキングロックを、再度シフト位置P_einで示す。この位置において、ロック爪2は、パーキングロック歯車1を回転に対してブロックしている。図6図2と比較すると、図6に示すパーキングロックは、アクチュエータ10の第2ピストン12の構設のみが、図2に示すパーキングロックと異なることが容易に分かる。したがって、繰り返しを避けるために、図6に関する以下の説明は、この違いに限定することができる。
【0053】
図6に示す本発明によるパーキングロックの第2実施形態において、アクチュエータ10の第2ピストン12は、シフトレバー4の連行部4aが係合する凹部12cを備える。この係合を可能にするために、制御ハウジング14は、径方向に見て連行部4aが内部に入り込む、十分に大きな凹部14bを備える。第2ピストン12に作用する、連行部4aの外側輪郭の幾何的形状は、第2ピストン12が軸方向移動する際の、シフトレバーの回転軸(3a)を中心とする回転運動の速度プロフィールを定義する。第2ピストンの軸方向移動の移動プロフィールは、圧力スペース14a内の圧力減少によって予め定義されている。第2ピストン12の第1ピストン11と反対側の端部に、第2ピストン12は、係合ばね9をセンタリングするためのセンタリング凸部12dを備える。したがって、このセンタリング凸部12dは、係合ばね9によって同心状に囲まれている。
【0054】
さらなる構成の詳細として、図6において、アクチュエータハウジング14の外側に、ストッパ面14cが配置されている。非常解除装置15が作動されていない場合に、非常解除装置15の内側レバー17の脚部17aを、ストッパ面14cで支持することができる。これにより、制御ハウジングの構成を単純化することが可能である。
【0055】
本発明によるパーキングロックの第3実施形態を、図7を参照して、以下に詳説する。図7の概略的な断面図は、パーキングロックを、再度シフト位置P_einで示す。この位置において、ロック爪2は、パーキングロック歯車1を回転に対してブロックしている。図7図2と比較すると、図7に示すパーキングロックは、パーキングロックを非常解除するために、シフトレバー4が非常解除装置15の内側レバー17によってどのように作動可能であるかという点でのみ、図2に示すパーキングロックと異なることが容易に分かる。したがって、繰り返しを避けるために、図7に関する以下の説明は、この違いに限定することができる。
【0056】
図7に示す本発明によるパーキングロックの第3実施形態において、非常解除装置15の内側レバー17の脚部17aは、シフトレバー4を作動させるために設けられたアクチュエータ10の第2ピストン12のピストンロッド12aを介して、シフトレバー4と作動接続されることが可能である。この目的のために、ピストンロッド12aは特別な係合部12eを備える。係合部12eには、係合部12eの第1ピストン11に面する側に、ピン12bが挿入されている。ピン12bを介して、第2ピストン12の軸方向移動が、シフトレバー4の連行部4aに伝達される。係合部12eの第1ピストン11と反対側は、内側レバー17の脚部17aが係合部12eに沈み、非常解除装置15が作動されると、係合ばねのばね力に抗する張力Fがピストンロッド12aに作用するように、形成されている。図7において、内側レバー17は、非常解除装置15が作動されていない、内側レバー17の初期位置にある。非常解除装置15が通常動作中に第2ピストン12の軸方向移動に影響を及ぼさないように、定義されたクリアランス12fが、シフトレバー4の連行部4aと、内側レバー17の脚部17aとの間で、軸方向に設けられている。
【0057】
本発明によるパーキングロックのための非常解除装置の、代替的な実施形態を、図8A乃至図8Dを参照して、以下に詳説する。この代替的な非常解除装置を、図8Aは斜視図で示し、図8Bは断面図で示す。図8Cは、手動で始動されたパーキングロックの非常解除の開始時の「パーキングロックが入れられた」シフト位置にある、この代替的な非常解除装置の側面図を示す。最後に図8Dは、「パーキングロックが非常解除された」シフト位置、つまり、非常解除が手動で作動されたことによってパーキングロックが解除されているシフト位置にある、この代替的な非常解除装置の側面図を示す。
【0058】
図8Aおよび図8Bから容易に分かるように、ピン4cは、非常解除装置15と協働するシフトレバー4の脚部4bに、横方向に配置されている。ピン4cは、脚部4bと堅固に接続されており、シフトレバー回転軸3aに対して軸平行に延在する。非常解除装置15の内側レバー17は、その脚部17aの上側に、弓形の輪郭部17bを備える。この輪郭部17bは、非常解除装置15が作動された際に、ピン4cに摩擦接続的に作用する。そのため、シフトレバー4が手動で始動されてシフトレバー回転軸3aを中心に回転する間に、ピン4cがこの輪郭部17bに沿って摺動する。これは、図8Cおよび図8Dに明確に示されている。パーキングロックの非常解除における力比は、この場合、レバーアーム比r1/r2から生じる。ここで、レバーアームr1は、シフトレバー回転軸3aとピン4cの長手方向軸との間の中心距離として定義されレバーアームr2は、シフトレバー回転軸3aと非常解除装置15のボルト18の長手方向軸との間の中心距離として定義されている。論理的には、レバーアームr1は一定である。それに対して、非常解除装置15が作動されると、レバーアームr2は、シフト位置P_einからシフト位置P_aus_notに達するまでの、シフトレバーの回転運動の時間経過において減少する。
【0059】
この構成の有利な効果は、以下の通りである。つまり、内側レバー17の作動力が一定である場合、連結ロッド5に実際に伝達される力は、パーキングロックの非常解除プロセスの過程で増大し、したがって、各パーキングロック解放プロセスの過程で生じる反力の増大を補償する。反力は、パーキングロックを解除するプロセスの間に、パーキングロッドを入れる方向で連結ロッド5に作用する係合ばね9が圧縮されることによって、必然的に生じる。図8Cおよび図8Dにおいて、これは、パーキングロックアクチュエータ(10)の第2ピストン(12)に伝達される作動力F1(パーキングロックの非常解除の開始時)およびF2(パーキングロック非常解除の終了時)によって示されている。
【符号の説明】
【0060】
1 パーキングロック歯車
1a パーキングロック歯車のロック歯の歯溝
2 ロック爪
2a ロック爪の爪歯
3 爪ピン
3a 爪ピン長手方向軸;ロック爪旋回軸;シフトレバー回転軸
4 シフトレバー
4a シフトレバーの連行部
4b シフトレバーの脚部
4c ピン
5 連結ロッド
6 ロック要素;ロックコーン
7 ばね要素
8 ガイドプレート
9 係合ばね、圧縮ばね
10 アクチュエータ
11 アクチュエータの第1ピストン
12 アクチュエータの第2ピストン
12a 第2ピストンのピストンロッド
12b ピン
12c 第2ピストンの凹部
12d 第2ピストンのセンタリング凸部
12e 第2ピストンのピストンロッドの係合部
12f 第2ピストンのピストンロッドのクリアランス
13 ディテント装置
13a ディテント装置の電磁石
14 アクチュエータの制御ハウジング
14a 制御ハウジングの圧力スペース
14b 制御ハウジングの凹部
14c 制御ハウジングのストッパ面
15 非常解除装置
16 非常解除装置の外側レバー
17 非常解除装置の内側レバー
17a 内側レバーの脚部
17b 内側レバーのアーチ型の輪郭部
18 非常解除装置のボルト
18a ボルトの固定リング
18b ボルトの平坦部
18c ボルトのねじ
18d ワッシャ
19 非常解除装置の脚ばね
20 変速機ハウジング
20a ハウジング孔
21 シールリング
22 押さえばね
22a 押さえばねの自由端
22b 押さえばねの脚部
22c 押さえばねの中央部分
P_aus パーキングロックが解除された状態
P_aus_not 非常解除装置の作動後のパーキングロックが解除された状態
P_ein パーキングロックが入れられた状態
F パーキングロックの非常解除の際の張力
F1 パーキングロックの非常解除の開始時の作動力
F2 パーキングロックの非常解除の終了時の作動力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D