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特許7184888引出にフロントパネルを取外し可能に取り付けるための取付装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】引出にフロントパネルを取外し可能に取り付けるための取付装置
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/95 20170101AFI20221129BHJP
【FI】
A47B88/95
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020524557
(86)(22)【出願日】2018-10-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 AT2018060238
(87)【国際公開番号】W WO2019090373
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-07-01
(31)【優先権主張番号】A50932/2017
(32)【優先日】2017-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーク モイスブアガー
(72)【発明者】
【氏名】ゲラルト シュペアガー
(72)【発明者】
【氏名】マークス イアガング
【審査官】小林 英司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/145465(WO,A1)
【文献】特表2010-532684(JP,A)
【文献】特表2014-515278(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0265645(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出(6)に、フロントパネル(5)を取外し可能に取り付けるための取付装置(1,2,3,4,81)であって、
前記フロントパネル(5)に予め取付け可能な少なくとも1つの家具用金具(8,9)と、
前記引出(6)に配設された、前記少なくとも1つの家具用金具(8)のための少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)であって、前記少なくとも1つの家具用金具(8)の導入の際に、前記家具用金具を受容し、自動的に前記引出(6)に向かって引っぱるキャッチ装置(10,11,12)と、
前記取付装置(1,2,3,4,81)から前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)が意図に反して外れるのを阻止する少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)と、
前記少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)の運動を、前記少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)の運動に連結するための連結装置(17,18,19,20)と、
を有している、取付装置(1,2,3,4,81)において、
前記連結装置(17,18,19,20)は、少なくとも1つの作動体(17)と少なくとも1つの作動輪郭(18,19,20)とを有しており、前記作動輪郭内にまたは前記作動輪郭に沿って、前記少なくとも1つの作動体(17)が配置されておりまたは配置可能であって、前記少なくとも1つの作動体(17)は前記少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)に、前記少なくとも1つの作動輪郭(18,19,20)は前記少なくとも1つのロック装置(13,15,16)に配設されていて、または逆に、前記少なくとも1つの作動体(17)は前記少なくとも1つのロック装置(13,15,16)に、前記少なくとも1つの作動輪郭(18,19,20)は前記少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)に配設されており、前記少なくとも1つの作動輪郭(18,19,20)は、前記少なくとも1つの家具用金具(8)の導入の際に、前記少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)の運動が、一時的にのみ、前記少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)の運動に連結されるように形成されていることを特徴とする、
取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項2】
前記取付装置(1,2,3,4,81)は少なくとも1つのばね(21)を含み、前記少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)は、前記少なくとも1つの家具用金具(8)の導入の際に、前記家具用金具を、前記少なくとも1つのばね(21)の力によって自動的に前記引出(6)に向かって引っぱる、請求項1記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)は、前記少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)が、前記少なくとも1つの家具用金具(8)を導入の際に受容するために待機している待機位置と、前記少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)が前記少なくとも1つの家具用金具(8)を受容後に自動的に前記引出(6)に向かって引っぱる少なくとも1つの駆動位置とに運動可能である、請求項1または2記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)は、1つの回転軸(22)を中心として旋回可能なキャッチレバー(23,24,25)を有している、請求項3記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)は、前記取付装置(1,2,3,4,81)からの前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)が意図に反して外れるのを阻止するために、前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)に係合可能なロック輪郭(26,27,28,29,83)を含む、請求項1からまでのいずれか1項記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項6】
前記ロック輪郭(26,27,28,29,83)は、湾曲したロック輪郭(26,27,28,29,83)である、請求項5記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)は、前記ロック輪郭(26,27,28,29,83)によってロック可能である、請求項5または6記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)は、前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)が、前記少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)に対して自由に運動可能である解除位置と、前記取付装置(1,2,3,4,81)から前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)が意図に反して外れるのを阻止するロック位置とに運動可能である、請求項1からまでのいずれか1項記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)は、1つの回転軸(30,84)を中心として旋回可能なロックレバー(31,32,33,85)を有している、請求項8記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの作動体(17)は、ピンとして形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項11】
前記ピンは、拡幅された頭部を有するピンである、請求項10記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの作動輪郭(18,19,20)は、前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)の導入の際に前記少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)の運動を、前記少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)の運動に連結可能な少なくとも1つの連結区分(34,35,36)を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの作動輪郭(18,20)は、前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)の導入の際に前記少なくとも1つのキャッチ装置(10,12)の運動から前記少なくとも1つのロック装置(13,14,16,82)の運動を分離するための、前記連結区分(34,36)とは別個の少なくとも1つの分離区分(37,38)を有しており、または
前記少なくとも1つの作動輪郭(19)は、前記少なくとも1つの連結区分(35)に隣接する開かれた端部(39)を有している、
請求項12記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの連結区分(34,36)と前記少なくとも1つの分離区分(37,38)とは互いに屈曲されている、
請求項13記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項15】
前記取付装置(1,2,3,4,81)は、少なくとも1つの組付けプレート(40,41,42,43,86)を有しており、前記少なくとも1つの組付けプレート(40,41,42,43,86)には少なくとも1つのガイド輪郭(44,45,46)が形成されていて、前記少なくとも1つの作動体(17)は、前記少なくとも1つのガイド輪郭(44,45,46)内で、または前記少なくとも1つのガイド輪郭(44,45,46)に沿って摺動可能に支持されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)は
記少なくとも1つの家具用金具(8,9)を前記フロントパネル(5)に組み付けるための少なくとも1つの取付エレメント(47)と、
記少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)および/または前記少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)と協働する横方向ピン(48)またはピン(78)と、
のうちの一方または両方を有している、請求項1から15までのいずれか1項記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項17】
前記少なくとも1つの家具用金具(8)は、仮想中心平面(49)に対して非対称に形成されている、請求項1から16までのいずれか1項記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項18】
前記取付装置(1,2,3,4,81)は、
前記取付装置(1,2,3,4,81)から前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)を意図的に外すことを可能にする、前記少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)のためのロック解除装置(50)を有しており、前記ロック解除装置(50)は、前記少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)を前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)から離して、前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)を解放するものでありかつ/または
前記取付装置は、前記フロントパネル(5)のための高さ調節装置(51)および/または側方調節装置(52)を有している、
請求項1から17までのいずれか1項記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項19】
前記ロック解除装置(50)は、外側から接近可能な、工具のための工具受容部を有していて、前記工具受容部を介して前記ロック解除装置(50)を操作することができるようになっている、
請求項18記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項20】
前記取付装置(1,2,3,4,81)は、前記引出(6)の引出側壁(7)に、フロントパネル(5)を取外し可能に取り付けるための装置である、請求項1から19までのいずれか1項記載の取付装置(1,2,3,4,81)。
【請求項21】
引出(6)と、フロントパネル(5)と、前記フロントパネル(5)を前記引出(6)に取外し可能に取り付けるための、請求項1から20までのいずれか1項記載の少なくとも1つの取付装置(1,2,3,4,81)とから成るアッセンブリ。
【請求項22】
前記引出(6)は、少なくとも所定の領域で中空の少なくとも1つの引出側壁(7)を含み、前記少なくとも1つの取付装置(1,2,3,4,81)は、その大部分が、前記少なくとも1つの引出側壁(7)内に配置されている、請求項21記載のアッセンブリ。
【請求項23】
請求項21または22記載の少なくとも1つのアッセンブリを備えた家具。
【請求項24】
請求項1から20までのいずれか1項記載の少なくとも1つの取付装置(1,2,3,4,81)によって、引出(6)に、フロントパネル(5)を取り付ける方法であって、
第1の方法ステップで、少なくとも1つの家具用金具(8,9)を前記フロントパネル(5)に組み付け、
第2の方法ステップで、前記少なくとも1つの家具用金具(8)を少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)によって受容し、自動的に前記引出(6)に向かって引っぱり、この際に、前記少なくとも1つのキャッチ装置(10,11,12)の運動と少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)の運動とを最初は分離し、次いで連結装置(17,18,19,20)を介して互いに連結し、
第3の方法ステップで、前記取付装置(1,2,3,4,81)からの前記少なくとも1つの家具用金具(8,9)が意図に反して外れるのを、前記少なくとも1つのロック装置(13,14,15,16,82)によって阻止する、
方法。
【請求項25】
前記方法は、前記引出(6)の引出側壁(7)に、フロントパネル(5)を取外し可能に取り付けるための方法である、請求項24記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の特徴を有する取付装置に関する。本発明はさらに、引出とフロントパネルと少なくとも1つのこのような取付装置とから成るアッセンブリ、ならびに少なくとも1つのこのようなアッセンブリを備えた家具に関する。そして最後に、本発明は、引出にフロントパネルを取り付ける方法に関する。
【0002】
請求項1の上位概念に記載の形式の取付装置は、従来技術により公知である。既存の取付装置の欠点は、個々の構成部分を相対的に動かす際に、互いに摩擦力を克服しなければならないので、操作しにくい点にある。これにより特に、少なくとも1つの家具用金具の導入が妨げられ、取付装置の耐用期間は減じられる。
【0003】
本発明の課題は、従来技術の欠点を解消し、特に摩擦力が低い点で優れている、従来技術に対して改善された取付装置を提供することである。別の課題は、このような改善された取付装置を備えたアッセンブリ、ならびに少なくとも1つのこのようなアッセンブリを備えた家具を提供することである。そして最後に、さらなる課題は、本発明による改善された取付装置を用いて引出にフロントパネルを取り付ける方法を提供することである。
【0004】
この課題は、独立請求項1、13、14、および15に記載の特徴により解決される。
【0005】
すなわち、取付装置に関しては、連結装置が、少なくとも1つの作動体と少なくとも1つの作動輪郭とを有しており、この作動輪郭内にまたはこの作動輪郭に沿って、少なくとも1つの作動体が配置されておりまたは配置可能であって、少なくとも1つの作動体は少なくとも1つのキャッチ装置に、少なくとも1つの作動輪郭は少なくとも1つのロック装置に配置されていて、または逆に、少なくとも1つの作動体は少なくとも1つのロック装置に、少なくとも1つの作動輪郭は少なくとも1つのキャッチ装置に配置されており、少なくとも1つの作動輪郭は、少なくとも1つの家具用金具の導入の際に、少なくとも1つのロック装置の運動が、一時的にのみ、少なくとも1つのキャッチ装置の運動に連結されるように形成されている。
【0006】
少なくとも1つのロック装置の運動が、少なくとも1つの家具用金具の導入の際の少なくとも1つのキャッチ装置の運動に、一時的にのみ連結されることにより、少なくとも1つのロック装置を、実際に必要なときにのみ動かすことができる。従来技術では、少なくとも1つのキャッチ装置の運動と少なくとも1つのロック装置の運動とは、永続的に互いに連結されているので、これら両装置のうちの一方は特定の目的を満たすわけでもなしに動かされるという状況がプロセスにおいて生じ得る。これにより不要な摩擦損失が生じ得る。これに対して本発明では、両装置を必要に応じて動かすことができる。例えば、少なくとも1つの家具用金具を少なくとも1つのキャッチ装置によって受容し、自動的に引出に向かって引っぱり、この場合、少なくとも1つのキャッチ装置の運動と、少なくとも1つのロック装置の運動とは、まずは分離されており、次いで連結装置を介して互いに連結され、すなわち、まずは少なくとも1つのキャッチ装置のみが運動し、これに対し少なくとも1つのロック装置は実質的に静止したままであり、次いで、少なくとも1つのロック装置を少なくとも1つの家具用金具に配置し、これにより、少なくとも1つの家具用金具が取付装置から意図に反して外れることを阻止するために少なくとも1つのロック装置が動かされるという方法のプロセスを実現することができる。
【0007】
少なくとも1つのキャッチ装置が少なくとも1つの家具用金具を、導入の際に自動的に引出に向かって引っぱることを簡単な形式で保証するために、好適な実施例では、取付装置が少なくとも1つのばねを含み、少なくとも1つのキャッチ装置は、少なくとも1つの家具用金具の導入の際に、家具用金具を、少なくとも1つのばねの力によって自動的に引出に向かって引っぱる。代替的には別の駆動機構が設けられていてもよい。
【0008】
さらには、少なくとも1つのキャッチ装置は、少なくとも1つのキャッチ装置が、少なくとも1つの家具用金具を導入の際に受容するために待機している待機位置と、少なくとも1つのキャッチ装置が少なくとも1つの家具用金具を受容後に自動的に引出に向かって引っぱる少なくとも1つの駆動位置とに運動可能であって、好適には、少なくとも1つのキャッチ装置は、1つの回転軸を中心として旋回可能なキャッチレバーを有していることが提案される。
【0009】
少なくとも1つのロック装置に関しては、少なくとも1つのロック装置が、取付装置から少なくとも1つの家具用金具が意図に反して外れるのを阻止するために、少なくとも1つの家具用金具に配置可能な、好適には湾曲したロック輪郭を含み、好適には少なくとも1つの家具用金具はロック輪郭によってロック可能であると、かつ/または少なくとも1つのロック装置は、少なくとも1つの家具用金具が、少なくとも1つのロック装置に対して自由に運動可能である解除位置と、取付装置から少なくとも1つの家具用金具が意図に反して外れるのを阻止するロック位置とに運動可能であって、好適には、少なくとも1つのロック装置は、1つの回転軸を中心として旋回可能なロックレバーを有していると、特に好適であることがわかった。
【0010】
少なくとも1つの作動体に関しては、少なくとも1つの作動体が、ピンとして、好適には拡幅された頭部を有するピンとして、形成されていることにより、特に安定的な構成を実現することができる。
【0011】
少なくとも1つの作動体は、この作動体が配置されている少なくとも1つのキャッチ装置もしくは少なくとも1つのロック装置に堅固に結合されている。
【0012】
少なくとも1つのロック装置の運動を、少なくとも1つの家具用金具の導入の際の少なくとも1つのキャッチ装置の運動に連結するために、少なくとも1つの作動体は少なくとも1つの連結区分を有していてよい。
【0013】
少なくとも1つの家具用金具の導入の際に少なくとも1つのキャッチ装置の運動から少なくとも1つのロック装置の運動を分離するために、少なくとも1つの作動輪郭が、連結区分とは別個の少なくとも1つの分離区分を有していてよく、好適には少なくとも1つの連結区分と少なくとも1つの分離区分とは互いに屈曲されていてよく、または少なくとも1つの作動輪郭は、少なくとも1つの連結区分に隣接する開かれた端部を有していてよい。少なくとも1つの分離区分と少なくとも1つの連結区分とが互いに屈曲されている場合には、少なくとも1つの分離区分と少なくとも1つの連結区分とは互いに70°~130°の角度を、好適には約90°の角度を成していると有利であることがわかった。
【0014】
少なくとも1つの作動体の運動を予め規定するために、取付装置は、少なくとも1つの組付けプレートを有していてよく、少なくとも1つの組付けプレートには少なくとも1つのガイド輪郭が形成されていて、少なくとも1つの作動体は、少なくとも1つのガイド輪郭内で、または少なくとも1つのガイド輪郭に沿って摺動可能に支持されている。
【0015】
少なくとも1つの家具用金具は、少なくとも1つの家具用金具をフロントパネルに組み付けるための少なくとも1つの取付エレメントを、かつ/または少なくとも1つのキャッチ装置および/または少なくとも1つのロック装置と協働する横方向ピンまたはピンを有していると有利であることが示された。
【0016】
少なくとも1つの家具用金具は、仮想中心平面に関して非対称に形成されていると好適であることも示された。これにより、フロントパネルを最適に支持することができると同時に、取付装置のコンパクトな構成形式を実現することもできる。さらにこのような構成により、少なくとも1つの家具用金具を様々なフロントパネル高さのために自在に装着することができる。
【0017】
さらに好適な構成では、取付装置は、取付装置から少なくとも1つの家具用金具を意図的に外すことを可能にする、少なくとも1つのロック装置のためのロック解除装置を有しており、ロック解除装置は、少なくとも1つのロック装置を少なくとも1つの家具用金具から離して、少なくとも1つの家具用金具を解放し、好適にはロック解除装置は、外側から接近可能な、工具のための工具受容部を有しており、工具受容部を介してロック解除装置を操作することができ、かつ/または取付装置は、フロントパネルのための高さ調節装置および/または側方調節装置を有している。
【0018】
冒頭で述べたように、一方では、引出と、フロントパネルと、フロントパネルを引出に取外し可能に取り付けるための少なくとも1つの本発明による取付装置とから成るアッセンブリであって、好適には引出は、少なくとも所定の領域で中空の少なくとも1つの引出側壁を含み、少なくとも1つの取付装置は、その大部分が、少なくとも1つの引出側壁内に配置されている、アッセンブリに関しても、他方では、少なくとも1つのこのようなアッセンブリを備えた家具に関しても特許権保護が求められる。
【0019】
少なくとも1つの本発明による取付装置によって、引出に、特に引出側壁に、フロントパネルを取り付ける本発明による方法によれば、第1の方法ステップで、少なくとも1つの家具用金具をフロントパネルに組み付け、第2の方法ステップで、少なくとも1つの家具用金具を少なくとも1つのキャッチ装置によって受容し、自動的に引出に向かって引っぱり、この際に、少なくとも1つのキャッチ装置の運動と少なくとも1つのロック装置の運動とを最初は分離し、次いで連結装置を介して互いに連結し、第3の方法ステップで、取付装置から少なくとも1つの家具用金具が意図に反して外れるのを、少なくとも1つのロック装置によって阻止する。
【0020】
本発明のさらなる詳細および利点を、図面を参照して図面を説明しながら以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】引出側壁を、略示された引出底面と略示されたフロントパネルと共に示す斜視図である。
図2a】取付装置の第1の実施例を引出内室から見た斜視図である。
図2b】取付装置の第1の実施例を図2aの反対側から見た斜視図である。
図2c】取付装置の第1の実施例を分解して示した斜視図である。
図3a】第1の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入前の位置で示す第1の側から見た平面図である。
図3b】第1の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入前の位置で示す図3aとは反対側の第2の側から見た平面図である。
図4a】第1の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第1の位置で示す第1の側から見た平面図である。
図4b】第1の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第1の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図5a】第1の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第2の位置で示す第1の側から見た平面図である。
図5b】第1の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第2の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図6a】第1の実施例による取付装置の一部を、引出側壁にフロントパネルが当接する位置で示す第1の側から見た平面図である。
図6b】第1の実施例による取付装置の一部を、引出側壁にフロントパネルが当接する位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図7a】取付装置の第2の実施例を、家具用金具の導入前の位置で示す第1の側から見た斜視図である。
図7b】取付装置の第2の実施例を、家具用金具の導入前の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た斜視図である。
図8a】第2の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第1の位置で示す第1の側から見た平面図である。
図8b】第2の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第1の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図9a】第2の実施例による取付装置の一部を、引出側壁にフロントパネルが当接する位置で示す第1の側から見た平面図である。
図9b】第2の実施例による取付装置の一部を、引出側壁にフロントパネルが当接する位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図10a】第3の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入前の位置で示す第1の側から見た平面図である。
図10b】第3の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入前の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図11a】第3の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第1の位置で示す第1の側から見た平面図である。
図11b】第3の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第1の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図12a】第3の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第2の位置で示す第1の側から見た平面図である。
図12b】第3の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第2の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図13a】第3の実施例による取付装置の一部を、引出側壁にフロントパネルが当接する位置で示す第1の側から見た平面図である。
図13b】第3の実施例による取付装置の一部を、引出側壁にフロントパネルが当接する位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図14a】取付装置の第4の実施例を、家具用金具の導入前の位置で示す第1の側から見た斜視図である。
図14b】取付装置の第4の実施例を、家具用金具の導入前の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た斜視図である。
図15a】第4の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入前の位置で示す第1の側から見た平面図である。
図15b】第4の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入前の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図16a】第4の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第1の位置で示す第1の側から見た平面図である。
図16b】第4の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第1の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図17a】第4の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第2の位置で示す第1の側から見た平面図である。
図17b】第4の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第2の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図18a】第4の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第3の位置で示す第1の側から見た平面図である。
図18b】第4の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第3の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図19a】第4の実施例による取付装置の一部を、引出側壁にフロントパネルが当接する位置で示す第1の側から見た平面図である。
図19b】第4の実施例による取付装置の一部を、引出側壁にフロントパネルが当接する位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図20a】取付装置の第5の実施例を、家具用金具の導入前の位置で示す第1の側から見た斜視図である。
図20b】取付装置の第5の実施例を、家具用金具の導入前の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た斜視図である。
図21a】第5の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第1の位置で示す第1の側から見た平面図である。
図21b】第5の実施例による取付装置の一部を、家具用金具の導入の際の第1の位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
図22a】第5の実施例による取付装置の一部を、引出側壁にフロントパネルが当接する位置で示す第1の側から見た平面図である。
図22b】第5の実施例による取付装置の一部を、引出側壁にフロントパネルが当接する位置で示す第1の側とは反対側の第2の側から見た平面図である。
【0022】
図1には、引出側壁7が示されており、この引出側壁は、少なくとも所定の領域でU字型に形成されたカバープロファイル54と引出レール55とを含み、カバープロファイル54は引出レール55上に被せられている。引出レール55は載置ウェブ74を有しており、この載置ウェブ上には、破線で略示された引出底面73を配置することができる。
【0023】
一点鎖線によりフロントパネル5が示されており、このフロントパネルには、家具用金具8が取り付けられている。この家具用金具8は、引出6にフロントパネル5を取外し可能に取り付けるための取付装置1(後続の図を参照)の部分である。家具用金具8は、拡張栓の形態の2つの取付エレメント47を有している。
【0024】
反対側に位置する引出側壁7の端部には、引出背壁を保持するための背壁ホルダ53が配置されている。
【0025】
図2aには、引出側壁7の、フロントパネル5に面した前側の領域が拡大図で示されており、この場合、カバープロファイル54は取り外されている。
【0026】
図示されているように、引出レール55には、取付装置1の大部分が配置されている。この図面および後続の両図2bおよび2cからわかるように、取付装置1は、フロントパネル5に予め取り付けることができる家具用金具8の他に、導入の際に家具用金具を受容し、自動的に引出6に向かって引っぱる、引出6に配設されたキャッチ装置10と、家具用金具8が取付装置1から意図に反して外れてしまうのを阻止する、キャッチ装置10とは別個のロック装置13と、ロック装置13の運動をキャッチ装置10の運動に連結するための連結装置17,18とを含む。
【0027】
連結装置17,18は、作動体17と、作動体17が配置されている作動輪郭18とを有しており、作動体17はキャッチ装置10に、作動輪郭18はロック装置13に配置されている。ロック装置13における作動体17、およびキャッチ装置10における作動輪郭18という逆の配置であっても同様に良好であり得る。
【0028】
作動体17はピンとして形成されており、ピンは図示した実施例では拡幅された頭部を有している。
【0029】
作動輪郭18は、家具用金具8を導入する際に、ロック装置13の運動が、一時的にのみ、キャッチ装置10の運動に連結されるように形成されている。このために作動輪郭18は、家具用金具8の導入時におけるロック装置13の運動を、キャッチ装置10の運動に連結することができる連結区分34を有している(図2cにおけるロック装置13の拡大図参照)。さらに作動輪郭18は、家具用金具8を導入する際に、ロック装置13の運動をキャッチ装置10の運動から分離するために、連結区分34とは別個の分離区分37を有している。図示した実施例では、連結区分34と分離区分37とは互いに屈曲されている。これらの区分は、約90°の角度58を成している。
【0030】
取付装置1は、ばね21を含んでいる。家具用金具8の導入の際には、キャッチ装置10が家具用金具8を、ばね21の力によって自動的に引出6に向かって引っぱる。図示した実施例ではばね21は圧縮ばねとして形成されている。ばね21はさらに、ばねガイド56上に配置されていて、取付装置1の組付けプレート40の支持輪郭79で支持されている。
【0031】
組付けプレート40にはガイド輪郭44が形成されていて、ガイド輪郭44内では作動体17が摺動可能に支持されている。
【0032】
組付けプレート40の側方にさらにカバープレート61がある。このカバープレートは、以後の図面では、組付けプレート40とカバープレート61との間に配置されるロック装置13を見えるように示すために、省略されている。
【0033】
キャッチ装置10は、回転軸22(図2a参照)を中心として旋回可能なキャッチレバー23を有している。キャッチレバーは、図示した実施例では、ばね21によって直接、負荷される。
【0034】
ロック装置13は、回転軸30を中心として旋回可能なロックレバー31を有している。
【0035】
その他に、ロック装置13は、取付装置1から家具用金具8が意図に反して外れるのを阻止するために、家具用金具8に係合可能なロック輪郭26を含む。この実施例では、ロック輪郭26は湾曲されて形成されている。例えば図6aおよび図6bに示されているように、家具用金具8はロック輪郭26によってロック可能である。
【0036】
特に図2cに示されているように、家具用金具8はU字型プロファイル57を有していて、このU字型プロファイル内には横方向ピン48が配置されている。この実施例では、この横方向ピン48を介して家具用金具8は、キャッチ装置10およびロック装置13と協働する。以下の図面ではそれぞれ、家具用金具8のうち横方向ピン48のみが示されている。
【0037】
横方向ピン48はさらに、組付けプレート40に形成されたガイド輪郭60と協働する。ガイド輪郭60は、フロントパネル5側の端部に掛止輪郭59を有していて、この掛止輪郭により、フロントパネル5の、もしくはフロントパネルに配置された家具用金具8の、取付装置1のその他の構成部分に関する位置決めが容易にされる。このことは、フロントパネル5が極めて重たい場合には特に有利である。
【0038】
さらに、家具用金具8は、仮想中心平面49(図2c参照)に対して非対称的に形成されている。
【0039】
取付装置1はさらに、ロック装置13のためのロック解除装置50を含み、この場合、ロック解除装置50は、取付装置1から家具用金具8を意図的に外すことを可能にし、ロック解除装置50は、ロック装置13を家具用金具8から離して、家具用金具8を解放する。この実施例では、ロック解除装置50は、工具、例えばドライバのための、外側から接近可能な工具受容部を有しており、この工具受容部を介してロック解除装置50は操作可能である。
【0040】
その他に、取付装置1は、引出側壁7もしくは引出6に対して相対的にフロントパネル5の高さを調節することができる高さ調節装置51を含んでいる。図示した実施例では、高さ調節装置51は、丸み付けされた三角形輪郭75を有した偏心ねじを含み、この偏心ねじは、組付けプレート40に形成された支持輪郭76に支持されている。
【0041】
そして最後に、取付装置1は、引出側壁7もしくは引出6に対して相対的にフロントパネル5の側方の位置を調節することができる側方調節装置52も含んでいる。図示した実施例では、側方調節装置52は、ねじ山を有したねじを含み、このねじは、組付けプレート40における開口77に支持されている。
【0042】
第1の実施例による取付装置1の機能形式を、次に図3a~図6bにつき説明するが、この場合、これらの図では、平面図で、側方から見た構成部分が実線で示されており、それぞれ対向する側に配置された構成部分が破線で示されているので、全ての構成部分の相互作用をより良好に認識することができる。
【0043】
図3aおよび図3bには、第1の実施例による取付装置1が、家具用金具8もしくは横方向ピン48の導入直前の状態で示されている。キャッチ装置10は、キャッチ装置10が家具用金具8を受容するために待機している待機位置に位置している。同時に、ロック装置13は、家具用金具8がロック装置13に対して自由に移動可能である解除位置に位置している。
【0044】
キャッチレバー23は、回転軸22および組付けプレート40における支持点79に対して相対的に、超死点位置にある。作動体17は、作動輪郭18を介してロックレバー31を解除位置に保持している。
【0045】
家具用金具8の横方向ピン48は、ガイド輪郭60の掛止輪郭59の高さに配置されている。
【0046】
図3aおよび図3bから出発して、使用者は、フロントパネル5を、ひいては家具用金具8もしくは横方向ピン48を、引出6の方向へ動かす。この場合、キャッチ装置10が、家具用金具8もしくは横方向ピン48を受容する。キャッチレバー23は、超死点位置から死点を越えて動かされ、これにより圧縮ばね21に蓄えられていた力が解放されて、キャッチレバー23は自動的にさらに動かされる。これにより、家具用金具8もしくは横方向ピン48は、ガイド輪郭60に沿ってさらに内側に向かって動かされる。換言すると、キャッチ装置10が家具用金具8を自動的に引出6に向かって引っぱる。キャッチ装置10は、この場合、一連の駆動位置を通過する。
【0047】
図3aおよび図3bと図4aおよび図4bとを比較すると、ロックレバー31の位置が変わっていないことが確認される。これは、作動体17が、分離区分37において作動輪郭18に沿って動いたためである。このために、分離区分37は、回転軸22を中心とした仮想円に沿って実質的に円形に形成されている。作動輪郭18はすなわち、家具用金具8を導入する際に、ロック装置13の運動が、まずは、キャッチ装置10の運動から分離されているように形成されている。すなわちこの場合、ロックレバー31の運動のために力を加える必要はない。
【0048】
図4aおよび図4bの位置から出発して、作動体17は、次いで、作動輪郭18の連結区分34内へと入る(図5aおよび図5b参照)。すなわち、ロック装置13の運動は今や、キャッチ装置10の運動に連結される。
【0049】
この場合、横方向ピン48もしくは家具用金具8は、キャッチ装置10のキャッチレバー23によってさらに引出6に向かって引っぱられる。同時に、ロックレバー31は、横方向ピン48の後方で、旋回点30を中心として、下方に旋回し始め、ガイド輪郭60を閉鎖する。
【0050】
この工程は、図6aおよび図6bに示した取付装置1の位置の場合のように、フロントパネル5が引出側壁7に当接するまで行われる。この位置では、ロックレバー31が横方向ピン48を、湾曲したロック輪郭26を介してロックしている。これにより取付装置1から家具用金具8が意図に反して外れることが阻止される。ロック装置13はロック位置をとっている。
【0051】
家具用金具8を取付装置1から再び外そうとする場合には、このために、図示した実施例では、工具のための工具受容部としてキャッチレバー23に形成されているロック解除装置50を使用することができる。相応に形成されたドライバの先端を挿入することにより、キャッチレバー23は再び当初の待機位置へと戻される。この場合、同時に、連結装置17,18を介してロック装置13は、ロック位置から解除位置へと動かされ、この場合も、キャッチ装置10の運動は、ロック装置13の運動に一時的にのみ連結されている。
【0052】
図7a~図9bには、フロントパネル5を引出6に取外し可能に取り付けるための取付装置2の第2の実施例が示されている。この実施例は、特に高さのあるフロントパネル5の場合に用いられる。このために、フロントパネル5に予め取付け可能な、高さ方向で互いに重ねられて配置された2つの家具用金具8および9が設けられている。
【0053】
家具用金具8と協働する取付装置2の下方部分は、前述した第1の実施例と実質的に同様に形成されている。しかしながらその他に、家具用金具9のために別のロック装置14がさらに設けられており、ロック装置14の運動は、下方の家具用金具8のためのキャッチ装置10のもしくはロック装置13の運動に連結されている。
【0054】
運動の連結のために、ばねガイド56が引き込まれる。すなわち、ばねガイド56は、中間レバー64の枢着軸69が摺動可能に支持されているガイド軌道70を含んでいる。中間レバー64は、取付装置2の組付けプレート41における旋回軸65を中心として旋回可能に支持されている。ロック装置14は、組付けプレート41に対して相対的に直線摺動可能である。中間レバー64は、一方ではピンとして形成された旋回軸65を介して、他方では中間レバー64に配置された別のピン67を介してロック装置14と協働する。ピン65および67は、ロック装置14に形成されたガイド軌道68および66に係合する。
【0055】
ロック装置14は、この場合、直線状に形成された、家具用金具9のためのロック輪郭27を有している。
【0056】
中間レバー64は、ばね21の他にさらに、引っ張りばね63によって負荷される。
【0057】
さらに、組付けプレート41にはカバープレート62が配置されていることも補足しておく。
【0058】
家具用金具9は、家具用金具8とは対照的に1つだけの取付エレメント47を有している。さらに、家具用金具9は、横方向ピン48を介してではなく、ピン78を介して取付装置2と協働する。
【0059】
特に、図8aおよび8bと、図9aおよび図9bとの比較によりわかるように、キャッチ装置10のキャッチレバー23が運動する際には、ロック装置14は、伝達レバーとして機能するばねガイド56と、ばね21および63と、中間レバー64と、ガイド軌道66および68内に支持されたピン65および67とを介して、上方へと押される。この場合、家具用金具9もしくはピン78は、ロック輪郭27によってロックされるので、ロック装置14は、取付装置2から家具用金具9が意図に反して外れることを阻止する。
【0060】
ロック解除装置50と、キャッチ装置10とロック装置14との間に配置された連結機構56,64,66,68,65,67,63および21とを介して、ロック装置14を、ロック装置13と共に再び初期の解除位置へと戻すことができる。
【0061】
図10a~図13bには取付装置3の第3の実施例が示されている。この取付装置3の機能形式は、第1の実施例による取付装置1の機能形式にほぼ相当する。
【0062】
主な相違点は、ロック装置15もしくはロックレバー32の運動を、キャッチ装置11もしくはキャッチレバー24の運動に連結するための連結装置17,19の構成にある。すなわち、作動輪郭19はこの場合、連結区分35に隣接する開かれた端部39を有している。作動体17が作動輪郭19の外側に位置している場合には、これらの運動は互いに分離されている(図10a~図11b参照)。作動体17が、開かれた端部39から連結区分35内へと進入すると、作動体17は連結区分35に沿って動き、これにより運動が互いに連結される。
【0063】
横方向ピン48のロックは、この場合も、ロックレバー32に形成された湾曲したロック輪郭28を介して行われる。
【0064】
作動体17は、この実施例でも、組付けプレート42に形成されているガイド輪郭45に沿って運動する。
【0065】
図14a~図19bには取付装置4の第4の実施例が示されている。この取付装置4の機能形式は、第1および第3の実施例による取付装置1および3の機能形式にほぼ相当する。
【0066】
この実施例における特別な点は、支持体17をガイドするための組付けプレート43におけるガイド輪郭46の他に、さらに1つのキャッチレバー輪郭71が、キャッチ装置12のキャッチレバー25に対応して配置された連行体72をガイドするために設けられていることにある。
【0067】
ロック装置16のロックレバー33の運動と、キャッチ装置12のキャッチレバー25の運動とは、この実施例では、作動体17と、連結区分36および分離区分38とを含む作動輪郭20とを介して連結されるだけではなく、ロック解除装置50によって取付装置4から家具用金具が意図的に外される場合にも、ロック位置から待機位置へとキャッチレバー25が運動する際にキャッチレバー25の外輪郭80に当接する連行体72を介して連結され、これによりロックレバー33は一緒に運動する。
【0068】
図20a~図22bには本発明による取付装置81の第5の実施例が示されている。この実施例は、第2の実施例に極めて類似しているものである。家具用金具9を取り付けるための上方部分の構成が異なっている。家具用金具8の導入の際には、キャッチ装置10のキャッチレバー23は、ばね21の作用下で、超死点位置から回転軸22を中心として旋回させられる。この場合、ばねガイド56も支持点92を中心として旋回する。ばねガイド56の端部には、ガイド軌道70が配置されていて、このガイド軌道内には中間レバー87の枢着軸69が可動に支持されている。ばねガイド56の旋回により、中間レバー87は旋回軸88を中心として傾動する。これにより、次いで、ガイド軌道89内に支持されているピン90を介して、ロック装置82のロックレバー85は回転軸84を中心として旋回し、これにより、湾曲されて形成されたロック輪郭83を有するロックレバー85は、家具用金具9のピン78に当接する。ピン90はロックレバー85に、ガイド軌道89は中間レバー87に配置されている。ピン90は同時に、組付けプレート86に形成されたガイド軌道91によってガイドされる。
【0069】
解除位置からロック位置へとロックレバー85が運動する際に、引っ張りばね63は緊張させられる。この場合、引っ張りばね63に蓄えられる力は、ロック解除装置50により取付装置81から家具用金具8および9を意図的に外す際に、ロック位置から解除位置へのロックレバー85の逆方向の運動を支援する。
図1
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図11a
図11b
図12a
図12b
図13a
図13b
図14a
図14b
図15a
図15b
図16a
図16b
図17a
図17b
図18a
図18b
図19a
図19b
図20a
図20b
図21a
図21b
図22a
図22b