(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】状態処理方法、端末及び基地局
(51)【国際特許分類】
H04W 36/28 20090101AFI20221129BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221129BHJP
【FI】
H04W36/28
H04W72/04 111
(21)【出願番号】P 2020537131
(86)(22)【出願日】2018-12-29
(86)【国際出願番号】 CN2018125477
(87)【国際公開番号】W WO2019134619
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-07-22
(31)【優先権主張番号】201810009128.2
(32)【優先日】2018-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鄭 倩
(72)【発明者】
【氏名】岳 然
(72)【発明者】
【氏名】楊 曉東
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/087340(WO,A1)
【文献】特開2015-033015(JP,A)
【文献】国際公開第2012/150499(WO,A1)
【文献】Intel Corporation,Activation of SCell containing BWPs[online],3GPP TSG RAN WG2 #99bis R2-1711643,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_99bis/Docs/R2-1711643.zip>,2017年09月29日
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Running CR for euCA Stage-2[online],3GPP TSG RAN WG2 #100 R2-1714289,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_100/Docs/R2-1714289.zip>,2018年01月03日
【文献】Qualcomm,Dormant BWP for fast SCell activation,3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2018_01_NR R2-1801432,2018年01月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セカンダリセルに対し状態制御を行うための状態処理方法において、
基地局から送信された状態設定情報を受信するステップと、
前記状態設定情報に基づいて、セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを決定するステップとを含み、
前記基地局からユーザ端末に対して設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つであり、
前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を指示するための第2設定情報
を含み、
前記セカンダリセルが前記新規状態にある期間に、前記新規状態タイマは動作する、状態処理方法。
【請求項2】
前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの全て又は一部の初期状態が前記新規状態であることを指示し、前記セカンダリセルに関連する全て又は一部のBWPの初期状態が前記新規状態であることを指示するための第1設定情報を含む、請求項1に記載の状態処理方法。
【請求項3】
基地局から送信された状態設定情報を受信するステップの後に、
前記第2設定情報に従って、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を設定することと、
前記セカンダリセルが新規状態に入ると、前記セカンダリセルの新規状態タイマを起動又は再起動することと、
基地局からメディアアクセス制御MAC制御エレメントCEを通じて前記セカンダリセルに対する、新規状態から非活性状態へのスイッチング、又は新規状態から活性状態へのスイッチング、又は新規状態から離れるとの指示がユーザ端末に受信されると、前記セカンダリセルの新規状態タイマを停止することと、
前記セカンダリセルの新規状態タイマがタイムアウトすると、前記セカンダリセルを非活性状態にハンドオーバすることとをさらに含む、請求項1に記載の状態処理方法。
【請求項4】
前記基地局は、RRC接続再設定メッセージを通じて前記状態設定情報を送信する、請求項3に記載の状態処理方法。
【請求項5】
基地局から送信された状態設定情報を受信することは、
ソース基地局から前記ユーザ端末に対し設定した前記状態設定情報を受信すること、
又は、
ハンドオーバ先のターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報を受信することを含み、
ここで、前記ターゲット基地局は、ターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報が含まれるハンドオーバコマンドをソース基地局に送信し、
ソース基地局は、ハンドオーバコマンドを前記ユーザ端末に転送する、請求項3に記載の状態処理方法。
【請求項6】
前記ユーザ端末がアクセスする基地局が前記ターゲット基地局にハンドオーバした後に、
前記セカンダリセルの新規状態タイマが起動しかつタイムアウトでない場合、
前記新規状態タイマの動作が継続するように制御することと、前記新規状態タイマの動作が停止するように制御することと、前記新規状態タイマが再起動するように制御することとのいずれか一つを含む第1方式で前記新規状態タイマを処理することをさらに含む、請求項5に記載の状態処理方法。
【請求項7】
前記ユーザ端末がアクセスする基地局が前記ターゲット基地局にハンドオーバした後に、
前記セカンダリセルの非活性タイマが起動しかつタイムアウトでない場合、
前記非活性タイマの動作が継続するように制御することと、前記非活性タイマの動作が停止するように制御することと、前記非活性タイマが再起動するように制御することとのいずれか一つを含む第2方式で前記非活性タイマを処理することをさらに含む、請求項5に記載の状態処理方法。
【請求項8】
前記状態設定情報に基づいて、前記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWPの初期状態を新規状態に設定するか否かを決定するステップの後に、
前記ユーザ端末によるBWPスイッチングの後に、BWPスイッチングの実行に対応するセカンダリセルであるターゲットセカンダリセルの状態を、所定規則に従って決定することをさらに含み、
前記所定規則は、
前記ターゲットセカンダリセルに関連するM(M≧1)個のBWPのうち少なくともJ(M≧J≧1)個のBWPが新規状態であれば、前記ターゲットセカンダリセルを新規状態と決定すること、
前記ターゲットセカンダリセルに関連するM個のBWPのうち最大でK(K=J-1)個までのBWPが新規状態であり、かつ少なくとも1つのBWPが活性状態であれば、前記ターゲットセカンダリセルを活性状態と決定すること、
前記ターゲットセカンダリセルに関連するすべてのBWPが非活性状態であれば、前記ターゲットセカンダリセルを非活性状態と決定することを含む、請求項1に記載の状態処理方法。
【請求項9】
セカンダリセルに対し状態制御を行うための状態処理方法において、
状態設定情報をユーザ端末に送信するステップを含み、
前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを、前記ユーザ端末が決定することに用いられ、
基地局から前記ユーザ端末に対して設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つであり、
前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を指示するための第2設定情報を含
み、
前記セカンダリセルが前記新規状態にある期間に、前記新規状態タイマは動作する、状態処理方法。
【請求項10】
前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの全て又は一部の初期状態が前記新規状態であることを指示し、前記セカンダリセルに関連する全て又は一部のBWPの初期状態が前記新規状態であることを指示するための第1設定情報を含む、請求項9に記載の状態処理方法。
【請求項11】
状態設定情報を前記ユーザ端末に送信することは、
前記基地局から前記ユーザ端末に対し設定した前記状態設定情報を前記ユーザ端末に送信すること、
又は、
ハンドオーバ先のターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報を前記ユーザ端末に送信することを含み、
ここで、前記ターゲット基地局は、ターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報が含まれるハンドオーバコマンドを前記基地局に送信し、
前記基地局は、ハンドオーバコマンドを前記ユーザ端末に転送する、請求項10に記載の状態処理方法。
【請求項12】
ユーザ端末であって、
基地局から送信された状態設定情報を受信するための受信モジュールと、
前記状態設定情報に基づいて、セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを決定するための第1決定モジュールとを含み、
前記基地局から前記ユーザ端末に対して設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つであり、
前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を指示するための第2設定情報を含
み、
前記セカンダリセルが前記新規状態にある期間に、前記新規状態タイマは動作する、ユーザ端末。
【請求項13】
前記第2設定情報に従って、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を設定するための設定モジュールと、
前記セカンダリセルが新規状態に入ると、前記セカンダリセルの新規状態タイマを起動又は再起動するための起動モジュールと、
基地局からメディアアクセス制御MAC制御エレメントCEを通じて前記セカンダリセルに対する、新規状態から非活性状態へのスイッチング、又は新規状態から活性状態へのスイッチング、又は新規状態から離れるとの指示がユーザ端末に受信されると、前記セカンダリセルの新規状態タイマを停止し、新規状態タイマがタイムアウトすると、前記セカンダリセルを非活性状態にハンドオーバするための第1制御モジュールとをさらに含む、請求項12に記載のユーザ端末。
【請求項14】
基地局であって、
状態設定情報をユーザ端末に送信するための送信モジュールを含み、
前記状態設定情報は、セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを、前記ユーザ端末が決定することに用いられ、
前記基地局から前記ユーザ端末に対して設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つである、
前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を指示するための第2設定情報を含
み、
前記セカンダリセルが前記新規状態にある期間に、前記新規状態タイマは動作する、基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年1月4日に中国特許庁に提出された中国特許出願201810009128.2の優先権を主張し、その全ての内容が援用によりここに取り込まれる。
本開示は、通信技術分野に係り、特に状態処理方法、端末及び基地局に係る。
【背景技術】
【0002】
ロングタームエボリューションLTEシステムでは、キャリアアグリゲーション技術が導入されている。キャリア技術は、1つのユーザ端末UEが複数のセル(Cell)を通じてネットワークに接続して通信を行うものであり、そのうち1つのセルは、PCell(プライマリセル)であり、他のセルは、SCell(セカンダリセル)である。ここでSCellは、活性/非活性状態を有するが、PCellは、非活性状態を有さず、活性状態のままである。
【0003】
基地局がRRCConnectionReconfiguration(RRC接続再設定メッセージ)を通じて1つ又は複数のSCellを追加するとき、これらのSCellの初期状態は、非活性である。ハンドオーバシナリオにおいて同様に、ターゲット基地局は、HandoverCommand(ハンドオーバコマンド)によってSCell設定情報をソース基地局に送信し、ソース基地局からRRCConnectionReconfigurationによってUEに転送するとき、すべてのSCell初期状態は、非活性状態である。
【0004】
UEは、SCellごとに1つの非活性タイマsCellDeactivationTimerを保守する。SCellが活性状態に入ると、UEは、対応するsCellDeactivationTimerを起動し、sCellDeactivationTimerによって指定された時間内に、対応するSCellでデータ又はPDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理ダウンリンク制御チャネル)メッセージを受信しない場合、このSCellを自動的に非活性化する。
【0005】
通信システムにおいて、SCellは、活性状態と非活性状態との間の状態である新規状態を導入する。関連メカニズムでは活性状態と非活性状態のみを定義しているが、新規状態が追加された後、どのようにユーザ端末にSCellの状態を設定するかについて明確に定義されていないので、解決が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の一部の実施例は、状態処理方法、端末及び基地局を提供することによって、新規状態の導入による設定問題を解決しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1方面において、本開示の一部実施例は、セカンダリセルに対し状態制御を行うための状態処理方法を提供する。当該方法において、基地局から送信された状態設定情報を受信するステップと、前記状態設定情報に基づいて、前記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWP(Bandwidth Part)の初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを決定するステップとを含み、前記基地局からユーザ端末に対して設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つである。
【0008】
第2方面において、本開示の一部の実施例は、セカンダリセルに対し状態制御を行うための状態処理方法をさらに提供する。当該方法において、状態設定情報をユーザ端末に送信するステップを含む。前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを、前記ユーザ端末が決定することに用いられる。前記基地局から前記ユーザ端末に対して設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つである。
【0009】
第3方面において、本開示の一部の実施例は、ユーザ端末をさらに提供する。当該ユーザ端末は、基地局から送信された状態設定情報を受信するための受信モジュールと、前記状態設定情報に基づいて、前記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを決定するための第1決定モジュールとを含む。前記基地局から前記ユーザ端末に対して設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つである。
【0010】
第4方面において、本開示の一部の実施例は、基地局をさらに提供する。当該基地局は、状態設定情報をユーザ端末に送信するための送信モジュールを含む。前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを、前記ユーザ端末が決定することに用いられる。前記基地局から前記ユーザ端末に対して設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つである。
【0011】
第5方面において、本開示の一部の実施例は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで動作するコンピュータプログラムとを含むユーザ端末をさらに提供する。前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサは、上記状態処理方法のステップを実現する。
【0012】
第6方面において、本開示の一部の実施例は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで動作するコンピュータプログラムとを含む基地局をさらに提供する。前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサは、上記状態処理方法のステップを実現する。
【0013】
第7方面において、本開示の一部の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、前記プロセッサは、上記状態処理方法のステップを実現する。
【発明の効果】
【0014】
このように、本開示の一部の実施例において、セカンダリセルの初期状態及びセカンダリセルに関連するBWPの初期状態を設定情報で設定することによって、新規状態の設定を実現する。よって、新規状態の導入による設定問題を解決し、セカンダリセル及びBWPの迅速な活性化/非活性化をサポートする。
【0015】
本開示の一部の実施例の技術手段をより明確に説明するために、本開示の一部の実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は、本開示の一部の実施例にすぎない。当業者にとって、創造性のある作業をすることなく、これらの図面から他の図面も得られることは、明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の一部の実施例の応用可能なネットワーク構造図である。
【
図2】本開示の一部の実施例における状態処理方法のフローチャートその1である。
【
図3】本開示の一部の実施例における状態処理方法のフローチャートその2である。
【
図4】本開示の一部の実施例におけるユーザ端末の構造図その1である。
【
図5】本開示の一部の実施例における基地局の構造図その1である。
【
図6】本開示の一部の実施例におけるユーザ端末の構造図その2である。
【
図7】本開示の一部の実施例における基地局の構造図その2である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の一部の実施例の図面を参照しながら、本開示の一部の実施例の技術手段を明確且つ完全的に記載する。明らかに、記載する実施例は、本開示の実施例の一部であり、全てではない。本開示の実施例に基づき、当業者が創造性のある作業をすることなく為しえる全てのほかの実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属するものである。
【0018】
図1を参照する。
図1は、本開示の一部の実施例の応用可能なネットワーク構造図である。
図1に示すように、ユーザ端末(User Equipment:UE)11と基地局12が含まれる。ここで、ユーザ端末11は、携帯電話、タブレットパソコン(Tablet Personal Computer)、ラップトップ型パソコン(Laptop Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、MID(Mobile Internet Device)又はウェアラブルデバイス(Wearable Device)などの端末側機器である。なお、本開示の一部の実施例において、ユーザ端末11の具体的な種類を限定しない。上記基地局12は、マクロ基地局、LTE eNB、5G NR NBなどである。基地局12は、LPN(low power node)、pico、femtoなどのスモール基地局、又はAP(access point)であってもよい。基地局は、CU(central unit)及びその管理/制御下の複数のTRP(Transmission Reception Point)からなるネットワークノードであってもよい。なお、本開示の一部の実施例において、基地局12の具体的な種類を限定しない。
【0019】
図2を参照する。
図2は、本開示の一部の実施例における状態処理方法のフローチャートである。
図2に示すように、以下のステップ201~202を含む。
【0020】
ステップ201において、基地局から送信された状態設定情報を受信する。
【0021】
本開示の一部の実施例における状態処理方法は、主にユーザ端末に応用し、セカンダリセルに対し状態制御を行うことに用いられ、具体的に、ユーザ端末のセカンダリセル及びセカンダリセルに関連するBWPの状態を制御することに用いられる。
【0022】
当該ステップでは、基地局は、RRC接続再設定メッセージを通じて前記状態設定情報を送信する。例えば、基地局は、RRC専用シグナリングを通じてRRC接続再設定メッセージを送信する。一部の実施例では、前記基地局から前記ユーザ端末に対し設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つである。上記状態設定情報は、ソース基地局がユーザ端末に対し設定する状態設定情報であってもよいし、ターゲット基地局がユーザ端末に対し設定する状態設定情報であってもよい。例えば、1つの実施形態では、ソース基地局は、ユーザ端末に対しプライマリセル及びセカンダリセルを設定し、状態設定情報によって各セカンダリセルに対し初期状態を設定するとともに、各セカンダリセルに関連するBWPに対し初期状態を設定する。この状態は、活性状態、非活性状態又は新規状態を含む。別の実施形態では、ユーザ端末は、基地局のハンドオーバを行う。ハンドオーバプロセスでは、ハンドオーバ先のターゲット基地局によってユーザ端末に対し状態設定情報を設定し、ターゲット基地局によって、状態設定情報が付帯されたハンドオーバコマンドをユーザ端末のソース基地局に送信する。ソース基地局は、このハンドオーバコマンドを受信すると、このハンドオーバコマンドをユーザ端末に転送し、状態設定情報の送信を完了する。ここで、状態設定情報として、ターゲット基地局がユーザ端末に対して設定した情報である場合、この状態設定情報は、ハンドオーバ後の各セカンダリセルに対して初期状態を設定するとともに、ハンドオーバ後の各セカンダリセルに関連するBWPに対して初期状態を設定することに用いられる。すなわち、一部の実施例では、上記ステップ201は、ソース基地局から前記ユーザ端末に対し設定した前記状態設定情報を受信すること、又は、ハンドオーバ先のターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報を受信することを含む。ここで、前記ターゲット基地局は、ターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報が含まれるハンドオーバコマンドをソース基地局に送信し、ソース基地局は、ハンドオーバコマンドを前記ユーザ端末に転送する。
【0023】
ステップ202において、前記状態設定情報に基づいて、前記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連するBWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを決定する。
【0024】
このステップでは、状態設定情報に基づいて、セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連するBWPの初期状態を設定することができる。なお、上記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連するBWPの初期状態として新規状態に設定される数は、実際の必要に応じて設定されてもよいが、ここでは、更に限定しない。ここで、各セカンダリセルの初期状態は、活性状態、非活性状態及び新規状態のうちのいずれか1つの状態に設定され、各セカンダリセルに関連するBWPの状態も同様に、活性状態、非活性状態及び新規状態のいずれか1つに設定される。なお、セカンダリセルとBWPとは関連付けられているため、対応する初期状態も互いに関連付けられる。例えば、1つのセカンダリセルの初期状態として非活性状態に設定されることに対応し、このセカンダリセルに関連付けられた全てのBWPは、非活性状態に設定されると理解されるべきである。一方、1つのセカンダリセルの初期状態として活性状態に設定されることに対応し、このセカンダリセルに関連する全てのBWPのうち少なくとも1つのBWPは、活性状態に設定されると理解されるべきである。具体的な設定規則は、実際の必要に応じて設定されればよいが、ここではこれ以上限定的に説明しない。
【0025】
このように、本開示の一部の実施例において、セカンダリセルの初期状態及びセカンダリセルに関連するBWPの初期状態を設定情報で設定することによって、新規状態の設定を実現する。よって、新規状態の導入による設定問題を解決し、セカンダリセル及びBWPの迅速な活性化/非活性化をサポートする。
【0026】
具体的には、セカンダリセルの数は、1つ又は複数である(N(N>1)とする)。状態設定情報に基づき、すべてのセカンダリセルのうちの0、1、複数(N未満)又は全て(Nに等しい)のセカンダリセルの初期状態は、新規状態又は活性状態又は非活性状態に設定される。このとき、上記状態設定情報によって前記セカンダリセルに対して設定する初期状態は、以下のいずれか1つを含む:
全てのセカンダリセルは、新規状態である;
一部のセカンダリセルは、新規状態であり、一部のセカンダリセルは、活性状態である;
一部のセカンダリセルは、新規状態であり、一部のセカンダリセルは、非活性状態である;
一部のセカンダリセルは、新規状態であり、一部のセカンダリセルは、活性状態であり、一部のセカンダリセルは、非活性状態である;
全てのセカンダリセルは、活性状態である;
全てのセカンダリセルは、非活性状態である;
一部のセカンダリセルは、活性状態であり、一部のセカンダリセルは、非活性状態である。
【0027】
一部の実施例では、セカンダリセルの数が10であると仮定すると、上記方式によって、全てのセカンダリセルの初期状態は、以下の7つのケースのうちのいずれか1つに設定される:
ケース1:10個のセカンダリセルは、全て新規状態である;
ケース2:A個のセカンダリセルは、新規状態であり、B個のセカンダリセルは、活性状態であり、ここでA及びBは、共に正の整数でありかつA+B=10である;
ケース3:A個のセカンダリセルは、新規状態であり、B個のセカンダリセルは、非活性状態であり、ここでA及びBは、共に正の整数でありかつA+B=10である;
ケース4:A個のセカンダリセルは、新規状態であり、B個のセカンダリセルは、活性状態であり、C個のセカンダリセルは、非活性状態であり、ここで、A、B及びCは、共に正の整数でありかつA+B+C=10である;
ケース5:10個のセカンダリセルは、全て活性状態である;
ケース6:10個のセカンダリセルは、全て非活性状態である;
ケース7:A個のセカンダリセルは、活性状態であり、B個のセカンダリセルは、非活性状態であり、ここでA及びBは、共に正の整数でありかつA+B=10である。
【0028】
具体的には、あるセカンダリセルに関連するBWPの数は、1つ又は複数である(N(N>1)とする)。状態設定情報に基づき、このセカンダリセル内の0、1、複数(N未満)又は全て(Nに等しい)のBWPの初期状態は、新規状態又は活性状態又は非活性状態に設定される。このとき、上記状態設定情報によって、前記セカンダリセルに関連するBWPに対して設定する初期状態は、以下のいずれか1つを含む:
BWPは、すべて新規状態である;
一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、活性状態である;
一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、非活性状態である;
一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、活性状態であり、一部のBWPは、非活性状態である;
BWPは、全て活性状態である;
BWPは、全て非活性状態である;
一部のBWPは、活性状態であり、一部のBWPは、非活性状態である。
【0029】
一部の実施例では、1つのセカンダリセルに関連するBWPの数が10であると仮定すると、上記方式により、全てのBWPの初期状態は、以下の7つのケースのいずれか1つに設定される:
ケース1:10個のBWPは、全て新規状態である;
ケース2:A個のBWPは、新規状態であり、B個のBWPは、活性状態であり、ここでA及びBは、ともに正の整数でありかつA+B=10である;
ケース3:A個のBWPは、新規状態であり、B個のBWPは、非活性状態であり、ここでA及びBは、ともに正の整数でありかつA+B=10である;
ケース4:A個のBWPは、新規状態であり、B個のBWPは、活性状態であり、C個のBWPは、非活性状態であり、ここでA、B及びCは、共に正の整数でありかつA+B+C=10である;
ケース5:10個のBWPは、全て活性状態である;
ケース6:10個のBWPは、全て非活性状態である;
ケース7:A個のBWPは、活性状態であり、B個のセカンダリセルは、非活性状態であり、ここでA及びBは、共に正の整数でありかつA+B=10である。
【0030】
なお、本開示の一部の実施例では、上記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連するBWPの初期状態のケースの分布に基づいて、上記状態設定情報は、前記セカンダリセルの全て又は一部の初期状態が前記新規状態であることを指示し、前記セカンダリセルに関連する全て又は一部のBWPの初期状態が前記新規状態であることを指示するための第1設定情報を含む。
【0031】
さらに、新規状態タイマによるセカンダリセル状態スイッチングメカニズムを導入してもよい。
【0032】
具体的には、一部の実施例では、上記状態設定情報は、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を指示するための第2設定情報をさらに含む。当該方法において、前記第2設定情報に従って、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を設定するステップ203と、前記セカンダリセルが新規状態に入ると、前記セカンダリセルの新規状態タイマを起動するステップ204と、新規状態タイマがタイムアウトすると、前記セカンダリセルを非活性状態にハンドオーバするステップ205とをさらに含む。
【0033】
一部の実施例では、ソース基地局は、RRC専用シグナリングを通じてRRC接続再設定メッセージの形態で上記状態設定情報を送信して、ユーザ端末に新規状態タイマsCellDectivationTimer_NEWの値(すなわち、上記タイミング時間)を設定する。ユーザ端末は、セカンダリセル毎に新規状態タイマを1つ保守する。ここで、各セカンダリセルに対応する新規状態タイマのタイミング時間は、同じであってもよく、異なってもよい(セカンダリセルに対応するタイミング時間が異なると設定した場合、上記状態設定情報は、異なるセカンダリセルに対応するタイミング時間を指示する)が、ここではさらに限定しない。セカンダリセルが新規状態に入ると、ユーザ端末は、対応する新規状態タイマを起動又は再起動する。新規状態タイマの動作中、基地局からMAC(Media Access Control:メディアアクセス制御) CE(Control Element:制御エレメント)MAC CEを通じて対応するセカンダリセルに対する、新規状態から非活性状態へのスイッチング、又は新規状態から活性状態へのスイッチング、又は新規状態から離れるとの指示がユーザ端末に受信されると、対応するセカンダリセルの新規状態タイマを停止する。新規状態タイマがタイムアウトすると、対応するセカンダリセルを非活性状態にハンドオーバする。具体的には、基地局は、MAC CEを通じて、セカンダリセル又はセカンダリセルに関連するBWPの状態をスイッチングする。
【0034】
なお、ユーザ端末がハンドオーバコマンドを受信すると、ターゲット基地局にハンドオーバした後、既に起動しておりかつタイムアウトしていない新規状態タイマを管理する必要がある。具体的には、一部の実施例では、前記ユーザ端末がアクセスする基地局が前記ターゲット基地局にハンドオーバした後に、前記方法において、前記セカンダリセルの新規状態タイマが起動しかつタイムアウトでない場合、第1方式で前記新規状態タイマを処理することをさらに含む。前記第1方式は、前記新規状態タイマの動作が継続するように制御することと、前記新規状態タイマの動作が停止するように制御することと、前記新規状態タイマが再起動するように制御することとのいずれか1つを含む。
【0035】
同時に、既に起動しておりかつタイムアウトしていない非活性タイマを管理する必要がある。具体的には、一部の実施例において、前記ユーザ端末がアクセスする基地局が前記ターゲット基地局にハンドオーバした後、前記方法は、前記セカンダリセルの非活性タイマが起動しかつタイムアウトでない場合、第2方式で前記非活性タイマを処理することをさらに含む。前記第2方式は、前記非活性タイマの動作が継続するように制御することと、前記非活性タイマの動作が停止するように制御することと、前記非活性タイマが再起動するように制御することとのいずれか1つを含む。
【0036】
さらに、本開示の一部の実施例において、BWPスイッチング(switching)によるセカンダリセル状態スイッチングメカニズムも導入できる。具体的には、上記ステップ102の後に、当該方法は、前記ユーザ端末によるBWPスイッチングの後に、BWPスイッチングの実行に対応するセカンダリセルであるターゲットセカンダリセルの状態を、所定規則に従って決定することをさらに含む。前記所定規則は、前記ターゲットセカンダリセルに関連するM(M≧1)個のBWPのうち少なくともJ(M≧J≧1)個のBWPが新規状態であれば、前記ターゲットセカンダリセルを新規状態と決定すること、前記ターゲットセカンダリセルに関連するM個のBWPのうち最大でK(K=J-1)個までのBWPが新規状態であり、かつ少なくとも1つのBWPが活性状態であれば、前記ターゲットセカンダリセルを活性状態と決定すること、前記ターゲットセカンダリセルに関連するすべてのBWPが非活性状態であれば、前記ターゲットセカンダリセルを非活性状態と決定することを含む。
【0037】
一部の実施例では、ターゲットセカンダリセルに関連するM個のBWPのうち、各BWPの状態は、非活性状態、活性状態又は新規状態である。Jの異なる値に対して、ターゲットセカンダリセルが新規状態又は活性状態に決定されるケースは異なる。例えば、BWPスイッチングを行った後、新規状態に決定されたターゲットセカンダリセルは、以下のいずれか1つのケースを含む:
ケース1:全てのBWPは、新しい状態である;
ケース2:一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、活性状態である;
ケース3:一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、非活性状態である;
ケース4:一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、活性状態であり、一部のBWPは、非活性状態である。
【0038】
上記のいずれのケースも、ターゲットセカンダリセルに関連するすべてのBWPの状態が含まれるべきである。例えば、ケース2において、「一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、活性状態である」こととは、ターゲットセカンダリセルに関連する全てのBWPが、それらの状態に応じて、2つの部分に分けられ、その一部のBWPが新規状態であり、ほかの一部のBWPが活性状態であることを示す。
【0039】
ケース3において、「一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、非活性状態である」こととは、ターゲットセカンダリセルに関連する全てのBWPが、それらの状態に応じて、2つの部分に分けられ、その一部のBWPが新規状態であり、他の一部のBWPが非活性状態であることを示す。
【0040】
ケース4において、「一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、活性状態であり、一部のBWPは、非活性状態である」こととは、ターゲットセカンダリセルに関連する全てのBWPが、それらの状態に応じて3つの部分に分けられ、その一部のBWPが新規状態であり、一部のBWPが活性状態であり、ほかの一部のBWPが非活性状態であることを示す。
【0041】
同時に、BWPスイッチングの実行後に活性状態に決定されるターゲットセカンダリセルは、以下のいずれか1つのケースを含む:
ケース5:一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、活性状態である;
ケース6:一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、活性状態であり、一部のBWPは、非活性状態である;
ケース7:BWPは、全て活性状態である;
ケース8:一部のBWPは、活性状態であり、一部のBWPは、非活性状態である。
【0042】
一部の実施例では、上記の各ケースにおいて、ターゲットセカンダリセルに関連するすべてのBWPの状態が含まれるべきである。例えば、ケース5において、「一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、活性状態である」こととは、ターゲットセカンダリセルに関連する全てのBWPが、それらの状態に応じて2つの部分に分けられ、その一部のBWPが新規状態であり、他の一部のBWPが活性状態であることを示す。
【0043】
ケース6において、「一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、活性状態であり、一部のBWPは、非活性状態である」こととは、ターゲットセカンダリセルに関連する全てのBWPが、それらの状態に応じて3つの部分に分けられ、その一部のBWPが新状態であり、一部のBWPが活性状態であり、ほかの一部のBWPが非活性状態であることを示す。
【0044】
ケース8において、「一部のBWPは、活性状態であり、一部のBWPは、非活性状態である」こととは、ターゲットセカンダリセルに関連する全てのBWPが、それらの状態に応じて2つの部分に分けられ、その一部のBWPが活性状態であり、ほかの一部のBWPが非活性状態であることを示す。
【0045】
なお、本開示の一部の実施例において紹介される様々な代替的な実施形態は、互いに組み合わせて実現することも、個別に実現することも可能であるが、これに対し、本開示の一部の実施例は、限定されない。
【0046】
さらに、
図3を参照する。本開示の一部の実施例は、状態処理方法をさらに提供する。
図3に示すように、当該状態処理方法は、状態設定情報をユーザ端末に送信するステップ301を含む。前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連するBWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを、前記ユーザ端末が決定することに用いられる。
【0047】
本開示の一部の実施例における状態処理方法は、主に、ユーザ端末がアクセスするソース基地局である基地局に応用し、セカンダリセルに対し状態制御を行うことに用いられ、具体的には、ユーザ端末のセカンダリセル及びセカンダリセルに関連するBWPの状態を制御することに用いられる。
【0048】
このステップでは、基地局は、RRC接続再設定メッセージを通じて前記状態設定情報を送信する。例えば、基地局は、RRC専用シグナリングを通じてRRC接続再設定メッセージを送信する。一部の実施例では、前記基地局が前記ユーザ端末に対し設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つである。上記状態設定情報は、ソース基地局がユーザ端末に対し設定する状態設定情報であってもよいし、ターゲット基地局がユーザ端末に対し設定する状態設定情報であってもよい。例えば、1つの実施形態では、ソース基地局は、ユーザ端末に対しプライマリセル及びセカンダリセルを設定し、状態設定情報によって各セカンダリセルに対し初期状態を設定するとともに、各セカンダリセルに関連するBWPに対し初期状態を設定する。この状態は、活性状態、非活性状態又は新規状態を含む。別の実施形態では、ユーザ端末は、基地局のハンドオーバを行う。ハンドオーバプロセスでは、ハンドオーバ先のターゲット基地局によってユーザ端末に対し状態設定情報を設定し、ターゲット基地局によって、状態設定情報が付帯されるハンドオーバコマンドをユーザ端末のソース基地局に送信する。ソース基地局は、このハンドオーバコマンドを受信すると、このハンドオーバコマンドをユーザ端末に転送し、状態設定情報の送信を完了する。ここで、状態設定情報として、ターゲット基地局がユーザ端末に対して設定した情報である場合、この状態設定情報は、ハンドオーバ後の各セカンダリセルに対して初期状態を設定するとともに、ハンドオーバ後の各セカンダリセルに関連するBWPに対して初期状態を設定することに用いられる。すなわち、一部の実施例では、上記ステップ301は、前記基地局から前記ユーザ端末に対し設定した前記状態設定情報を前記ユーザ端末に送信すること、又は、ハンドオーバ先のターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報を前記ユーザ端末に送信することを含む。ここで、前記ターゲット基地局は、ターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報が含まれるハンドオーバコマンドを前記基地局に送信し、前記基地局は、ハンドオーバコマンドを前記ユーザ端末に転送する。
【0049】
ユーザ端末は、状態設定情報に基づいて、セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連するBWPの初期状態を設定できる。なお、上記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連するBWPの初期状態が新規状態に設定される数は、実際の必要に応じて設定されてもよいが、ここでは、更に限定しない。ここで、各セカンダリセルの初期状態は、活性状態、非活性状態及び新規状態のうちのいずれか1つの状態に設定され、各セカンダリセルに関連するBWPの状態も同様に、活性状態、非活性状態及び新規状態のいずれか1つに設定されてもよい。なお、セカンダリセルとBWPとは関連付けられているため、対応する初期状態も互いに関連付けられている。例えば、1つのセカンダリセルの初期状態が非活性状態に設定されることに対応し、このセカンダリセルに関連付けられた全てのBWPは、非活性状態に設定されると理解されるべきである。一方、1つのセカンダリセルの初期状態が活性状態に設定されることに対応し、このセカンダリセルに関連する全てのBWPのうち少なくとも1つのBWPは、活性状態に設定されると理解されるべきである。具体的な設定規則は、実際の必要に応じて設定されればよいが、ここではこれ以上限定的に説明しない。
【0050】
このように、本開示の一部の実施例において、セカンダリセルの初期状態及びセカンダリセルに関連するBWPの初期状態を設定情報で設定することによって、新規状態の設定を実現する。よって、新規状態の導入による設定問題を解決し、セカンダリセル及びBWPの迅速な活性化/非活性化をサポートする。
【0051】
具体的には、セカンダリセルの数は、1つ又は複数である(N(N>1)とする)。状態設定情報に基づいて、すべてのセカンダリセルのうちの0、1、複数(N未満)又は全て(Nに等しい)のセカンダリセルの初期状態は、新規状態又は活性状態又は非活性状態に設定される。このとき、上記状態設定情報によって前記セカンダリセルに対して設定する初期状態は、以下のいずれか1つを含む:
全てのセカンダリセルは、新規状態である;
一部のセカンダリセルは、新規状態であり、一部のセカンダリセルは、活性状態である;
一部のセカンダリセルは、新規状態であり、一部のセカンダリセルは、非活性状態である;
一部のセカンダリセルは、新規状態であり、一部のセカンダリセルは、活性状態であり、一部のセカンダリセルは、非活性状態である;
全てのセカンダリセルは、活性状態である;
全てのセカンダリセルは、非活性状態である;
一部のセカンダリセルは、活性状態であり、一部のセカンダリセルは、非活性状態である。
【0052】
具体的には、あるセカンダリセルに関連するBWPの数は、1つ又は複数である(N(N>1)とする)。状態設定情報に基づいて、このセカンダリセル内の0、1、複数(N未満)又は全て(Nに等しい)のBWPの初期状態は、新規状態又は活性状態又は非活性状態に設定される。このとき、上記状態設定情報によって、前記セカンダリセルに関連するBWPに対し設定する初期状態は、以下のいずれか1つを含む:
BWPは、すべて新しい状態である;
一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、活性状態である;
一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、非活性状態である;
一部のBWPは、新規状態であり、一部のBWPは、活性状態であり、一部のBWPは、非活性状態である;
BWPは、全て非活性状態である;
BWPは、全て活性状態である;
一部のBWPは、活性状態であり、一部のBWPは、非活性状態である。
【0053】
なお、本開示の一部の実施例では、上記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連するBWPの初期状態のケースの分布に基づいて、上記状態設定情報は、前記セカンダリセルの全て又は一部の初期状態が前記新規状態であることを指示し、前記セカンダリセルに関連する全て又は一部のBWPの初期状態が前記新規状態であることを指示するための第1設定情報を含む。
【0054】
さらに、新規状態タイマによるセカンダリセル状態スイッチングメカニズムを導入してもよい。
【0055】
具体的には、一部の実施例では、前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を指示するための第2設定情報をさらに含む
【0056】
一部の実施例において、ソース基地局は、RRC専用シグナリングを通じてRRC接続再設定メッセージの形態で上記状態設定情報を送信して、ユーザ端末に新規状態タイマsCellDectivationTimer_NEWの値(すなわち、上記タイミング時間)を設定する。ユーザ端末は、セカンダリセル毎に新規状態タイマを1つ保守する。ここで、各セカンダリセルに対応する新規状態タイマのタイミング時間は、同じであってもよく、異なってもよい(セカンダリセルに対応するタイミング時間が異なると設定された場合、上記状態設定情報は、異なるセカンダリセルに対応するタイミング時間を指示する)が、ここでは、さらに限定しない。セカンダリセルが新規状態に入ると、ユーザ端末は、対応する新規状態タイマを起動又は再起動する。新規状態タイマの動作中、基地局からMAC CEを通じて対応するセカンダリセルに対する、新規状態から非活性状態へのスイッチング、又は新規状態から活性状態へのスイッチング、又は新規状態から離れるとの指示がユーザ端末に受信されると、対応するセカンダリセルの新規状態タイマを停止する。新規状態タイマがタイムアウトすると、対応するセカンダリセルを非活性状態にハンドオーバする。具体的には、基地局は、MAC CEを通じて、セカンダリセル又はセカンダリセルに関連するBWPの状態をスイッチングする。
【0057】
なお、本開示の一部の実施例において紹介される様々な代替的な実施形態は、互いに組み合わせて実現することも、個別に実現することも可能であるが、これに対し、本開示の一部の実施例は、限定されない。
【0058】
さらに、
図4を参照する。
図4は、本開示の一部の実施例におけるユーザ端末の構造図である。
図4に示すように、ユーザ端末は、基地局から送信された状態設定情報を受信するための受信モジュール401と、前記状態設定情報に基づいて、前記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを決定するための第1決定モジュール402とを含み、前記基地局から前記ユーザ端末に対して設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つである。
【0059】
選択可能に、前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの全て又は一部の初期状態が前記新規状態であることを指示し、前記セカンダリセルに関連する全て又は一部のBWPの初期状態が前記新規状態であることを指示するための第1設定情報を含む。
【0060】
選択可能に、前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を指示するための第2設定情報をさらに含む。前記ユーザ端末は、前記第2設定情報に従って、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を設定するための設定モジュールと、前記セカンダリセルが新規状態に入ると、前記セカンダリセルの新規状態タイマを起動又は再起動するための起動モジュールと、基地局からMAC CEを通じて前記セカンダリセルに対する、新規状態から非活性状態へのスイッチング、又は新規状態から活性状態へのスイッチング、又は新規状態から離れるとの指示がユーザ端末に受信されると、前記セカンダリセルの新規状態タイマを停止し、新規状態タイマがタイムアウトすると、前記セカンダリセルを非活性状態にハンドオーバするための第1制御モジュールとをさらに含む。
【0061】
選択可能に、前記基地局は、RRC接続再設定メッセージを通じて前記状態設定情報を送信する。
【0062】
選択可能に、前記受信モジュール401は、具体的に、ソース基地局から前記ユーザ端末に対し設定した前記状態設定情報を受信すること、又は、ハンドオーバ先のターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報を受信することに用いられる。ここで、前記ターゲット基地局は、ターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報が含まれるハンドオーバコマンドをソース基地局に送信する。ソース基地局は、ハンドオーバコマンドを前記ユーザ端末に転送する。
【0063】
選択可能に、前記ユーザ端末は、前記ユーザ端末がアクセスする基地局が前記ターゲット基地局にハンドオーバした後に、前記セカンダリセルの新規状態タイマが起動しかつタイムアウトでない場合、第1方式で前記新規状態タイマを処理するための第1処理モジュールをさらに含む。前記第1方式は、前記新規状態タイマの動作が継続するように制御することと、前記新規状態タイマの動作が停止するように制御することと、前記新規状態タイマが再起動するように制御することとのいずれか一つを含む。
【0064】
選択可能に、前記ユーザ端末は、前記ユーザ端末がアクセスする基地局が前記ターゲット基地局にハンドオーバした後に、前記セカンダリセルの非活性タイマが起動しかつタイムアウトでない場合、第2方式で前記非活性タイマを処理するための第2処理モジュールをさらに含む。前記第2方式は、前記非活性タイマの動作が継続するように制御することと、前記非活性タイマの動作が停止するように制御することと、前記非活性タイマが再起動するように制御することとのいずれか一つを含む。
【0065】
選択可能に、前記ユーザ端末は、前記ユーザ端末によるBWPスイッチングの後に、BWPスイッチングの実行に対応するセカンダリセルであるターゲットセカンダリセルの状態を、所定規則に従って決定するための第2決定モジュールをさらに含む。前記所定規則は、前記ターゲットセカンダリセルに関連するM(M≧1)個のBWPのうち少なくともJ(M≧J≧1)個のBWPが新規状態であれば、前記ターゲットセカンダリセルを新規状態と決定すること、前記ターゲットセカンダリセルに関連するM個のBWPのうち最大でK(K=J-1)個までのBWPが新規状態であり、かつ少なくとも1つのBWPが活性状態であれば、前記ターゲットセカンダリセルを活性状態と決定すること、前記ターゲットセカンダリセルに関連するすべてのBWPが非活性状態であれば、前記ターゲットセカンダリセルを非活性状態と決定することを含む。
【0066】
本開示の一部の実施例におけるユーザ端末は、
図2の実施例の方法でユーザ端末によって実現される各プロセスを実現可能であるので、重複を避けるために、ここでは繰り返して説明しない。
【0067】
さらに、
図5を参照する。
図5は、本開示の一部の実施例における基地局の構造図である。
図5に示すように、基地局は、状態設定情報をユーザ端末に送信するための送信モジュール501を含む。前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを、前記ユーザ端末が決定することに用いられる。前記基地局から前記ユーザ端末に対して設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つである。
【0068】
選択可能に、前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの全て又は一部の初期状態が前記新規状態であることを指示し、前記セカンダリセルに関連する全て又は一部のBWPの初期状態が前記新規状態であることを指示するための第1設定情報を含む。
【0069】
選択可能に、前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を指示するための第2設定情報をさらに含む。
【0070】
選択可能に、前記送信モジュール501は、具体的に、前記基地局から前記ユーザ端末に対し設定した前記状態設定情報を前記ユーザ端末に送信すること、又は、ハンドオーバ先のターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報を前記ユーザ端末に送信することに用いられる。ここで、前記ターゲット基地局は、ターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報が含まれるハンドオーバコマンドを前記基地局に送信する。前記基地局は、前記送信モジュールによってハンドオーバコマンドを前記ユーザ端末に転送する。
【0071】
本開示の一部の実施例における基地局は、
図3の実施例の方法で基地局によって実現される各プロセスを実現可能であるので、重複を避けるために、ここでは繰り返して説明しない。
【0072】
図6は、本開示の各実施例を実現するユーザ端末のハードウェア構造図である。
【0073】
当該ユーザ端末600は、ラジオ周波数ユニット601と、ネットワークモジュール602と、音声出力ユニット603と、入力ユニット604と、センサ605と、表示ユニット606と、ユーザ入力ユニット607と、インタフェースユニット608と、メモリ609と、プロセッサ610と、電源611などの設定要素を含むが、これらに限定されない。
図6に示されるユーザ端末の構造は、ユーザ端末を限定するものではなく、ユーザ端末は、図示されるよりも多い又は少ない設定要素を含むことができ、又は特定の設定要素を組み合わせることができ、又は異なる設定要素の設定を含むことができることを、当業者は理解可能である。本開示の一部の実施例において、ユーザ端末は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、パームトップパソコン、車載端末、ウェアラブルデバイス及び歩数計などを含むが、それらに限定されない。
【0074】
ここで、ラジオ周波数ユニット601は、基地局から送信された状態設定情報を受信する。プロセッサ610は、前記状態設定情報に基づいて、前記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを決定する。前記基地局からユーザ端末に対して設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つである。
【0075】
選択可能に、前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの全て又は一部の初期状態が前記新規状態であることを指示し、前記セカンダリセルに関連する全て又は一部のBWPの初期状態が前記新規状態であることを指示するための第1設定情報を含む。
【0076】
選択可能に、前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を指示するための第2設定情報をさらに含む。プロセッサ610は、さらに、前記第2設定情報に従って、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を設定する。プロセッサ610は、さらに、前記セカンダリセルが新規状態に入ると、前記セカンダリセルの新規状態タイマを起動又は再起動する。プロセッサ610は、さらに、基地局からMAC CEを通じて前記セカンダリセルに対する、新規状態から非活性状態へのスイッチング、又は新規状態から活性状態へのスイッチング、又は新規状態から離れるとの指示がユーザ端末に受信されると、前記セカンダリセルの新規状態タイマを停止し、前記セカンダリセルの新規状態タイマがタイムアウトすると、前記セカンダリセルを非活性状態にハンドオーバする。
【0077】
選択可能に、基地局は、RRC接続再設定メッセージを通じて前記状態設定情報を送信する。
【0078】
選択可能に、ラジオ周波数ユニット601は、具体的に、ソース基地局から前記ユーザ端末に対し設定した前記状態設定情報を受信し、又は、ハンドオーバ先のターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報を受信する。ここで、前記ターゲット基地局は、ターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報が含まれるハンドオーバコマンドをソース基地局に送信する。ソース基地局は、ハンドオーバコマンドを前記ユーザ端末に転送する。
【0079】
選択可能に、プロセッサ610は、さらに、前記ユーザ端末がアクセスする基地局が前記ターゲット基地局にハンドオーバした後に、前記セカンダリセルの新規状態タイマが起動しかつタイムアウトでない場合、第1方式で前記新規状態タイマを処理する。前記第1方式は、前記新規状態タイマの動作が継続するように制御することと、前記新規状態タイマの動作が停止するように制御することと、前記新規状態タイマが再起動するように制御することとのいずれか一つを含む。
【0080】
選択可能に、プロセッサ610は、さらに、前記ユーザ端末がアクセスする基地局が前記ターゲット基地局にハンドオーバした後に、前記セカンダリセルの非活性タイマが起動しかつタイムアウトでない場合、第2方式で前記非活性タイマを処理する。前記第2方式は、前記非活性タイマの動作が継続するように制御することと、前記非活性タイマの動作が停止するように制御することと、前記非活性タイマが再起動するように制御することとのいずれか一つを含む。
【0081】
選択可能に、プロセッサ610は、さらに、前記ユーザ端末によるBWPスイッチングの後に、BWPスイッチングの実行に対応するセカンダリセルであるターゲットセカンダリセルの状態を、所定規則に従って決定する。前記所定規則は、前記ターゲットセカンダリセルに関連するM(M≧1)個のBWPのうち少なくともJ(M≧J≧1)個のBWPが新規状態であれば、前記ターゲットセカンダリセルを新規状態と決定すること、前記ターゲットセカンダリセルに関連するM個のBWPのうち最大でK(K=J-1)個までのBWPが新規状態であり、かつ少なくとも1つのBWPが活性状態であれば、前記ターゲットセカンダリセルを活性状態と決定すること、前記ターゲットセカンダリセルに関連するすべてのBWPが非活性状態であれば、前記ターゲットセカンダリセルを非活性状態と決定することを含む。
【0082】
このように、本開示の一部の実施例において、セカンダリセルの初期状態及びセカンダリセルに関連するBWPの初期状態を設定情報で設定することによって、新規状態の設定を実現する。よって、新規状態の導入による設定問題を解決し、セカンダリセル及びBWPの迅速な活性化/非活性化をサポートする。
【0083】
なお、本開示の一部の実施例において、ラジオ周波数ユニット601は、情報の送受信又は通話中で信号の送受信に用いられ、具体的に、基地局からのダウンリンクデータを受信した後、プロセッサ610による処理に供し、また、アップリンクデータを基地局に送信する。一般に、ラジオ周波数ユニット601は、アンテナ、少なくとも1つの増幅器、トランシーバ、結合器、低雑音増幅器、デュプレクサなどを含むが、それらに限定されない。また、ラジオ周波数ユニット601は、無線通信システムを介してネットワークや他の機器と通信を行うこともできる。
【0084】
ユーザ端末は、ネットワークモジュール602を介して、電子メールの送受信、ウェブページの閲覧、ストリーミングメディアへのアクセスを支援するなど、無線ブロードバンドインターネットアクセスをユーザに提供する。
【0085】
音声出力ユニット603は、ラジオ周波数ユニット601やネットワークモジュール602が受信した音声データや、メモリ609に記憶された音声データを音声信号に変換して音声として出力することができる。また、音声出力ユニット603は、ユーザ端末600が実行する特定の機能に関する音声(例えば、呼出信号着信音、メッセージ着信音等)を出力してもよい。音声出力ユニット603は、スピーカ、ブザー及びレシーバなどを含む。
【0086】
入力ユニット604は、音声や映像の信号を受信することに用いられる。入力ユニット604は、ビデオキャプチャモード又は画像キャプチャモードでカメラなどの画像キャプチャ装置によって取得された静止画又は動画の画像データを処理するグラフィックスプロセッサGPU(Graphics Processing Unit)6041と、マイク6042とを含み得る。処理された画像フレームは、表示ユニット606に表示され得る。グラフィックスプロセッサ6041で処理された画像フレームは、メモリ609(又は他の記憶媒体)に記憶されるか、又はラジオ周波数ユニット601又はネットワークモジュール602を介して送信され得る。マイク6042は、音声を受信し、音声データに加工することができる。処理された音声データは、電話通話モードの場合、ラジオ周波数ユニット601を介して移動通信基地局に送信可能な形式に変換して出力することができる。
【0087】
ユーザ端末600は、光センサ、モーションセンサ及び他のセンサのような少なくとも1つのセンサ605を更に含む。具体的には、光センサは、周辺光センサ及び近接センサを含む。周辺光センサは、周辺光の明暗に応じて表示パネル6061の輝度を調節し、近接センサは、端末600が耳に移動したときに表示パネル6061及び/又はバックライトを消灯する。モーションセンサの1種として、加速度計センサは、様々な方向(一般的には3軸)の加速度の大きさを検出でき、静止時は重力の大きさ及び方向を検出でき、端末姿勢の認識(例えば、縦横画面切替、関連ゲーム、磁力計姿勢キャリブレーション)、振動認識関連機能(たとえば、歩数計、ストローク)などに用いることができる。センサ605は、指紋センサ、圧力センサ、虹彩センサ、分子センサ、ジャイロスコープ、気圧計、湿度計、温度計、赤外線センサなどをさらに含むことができるが、ここでは枚挙しない。
【0088】
表示ユニット606は、ユーザが入力した情報やユーザに提供した情報を表示するために用いられる。表示ユニット606は、液晶ディスプレイLCD(Liquid Crystal Display)、有機発光ダイオードOLED(Organic Light-Emitting Diode)などからなる表示パネル6061を含んでもよい。
【0089】
ユーザ入力ユニット607は、数字や文字情報の入力を受け付け、ユーザによる端末の設定や機能制御に関するキー信号の入力を行うことに用いられる。具体的に、ユーザ入力ユニット607は、タッチパネル6071と、その他の入力装置6072とを含む。タッチパネル6071は、タッチスクリーンとも呼ばれ、その上又は付近でのユーザのタッチ操作を取得可能である(たとえばユーザが指やスタイラスなどの任意の適切な物体や付属部材を用いたタッチパネル6071の上又はタッチパネル6071の付近での操作)。タッチパネル6071は、タッチ検出装置とタッチコントローラの2つの部分を含みうる。ここで、タッチ検出装置は、ユーザのタッチ方位を検出し、タッチ操作による信号を検出してタッチコントローラに伝達する。タッチコントローラは、タッチ検出装置からのタッチ情報を受信し、それを接点座標に変換してプロセッサ610に送り、プロセッサ610からの命令を受信して実行する。なお、タッチパネル6071は、抵抗膜式、静電容量式、赤外線、表面弾性波など、種々の方式を用いて実現することができる。ユーザ入力ユニット607は、タッチパネル6071の他に、他の入力装置6072を含んでもよい。具体的に、他の入力装置672は、物理的なキーボード、機能キー(例えば、音量調節キー、スイッチキーなど)、トラックボール、マウス、レバーを含み得るが、ここでは枚挙しない。
【0090】
さらに、タッチパネル6071は、表示パネル6061に重ねられる。タッチパネル6071は、その上又はその近くでタッチ操作を検出すると、プロセッサ610に送信して、タッチイベントのタイプを決定する。次いで、プロセッサ610は、タッチイベントのタイプに応じて、対応する視覚的出力を表示パネル6061に提供する。
図6では、タッチパネル6071と表示パネル6061は、独立した2つの部品として端末の入出力機能を実現するが、実施例によっては、タッチパネル6071と表示パネル6061を一体化して端末の入出力機能を実現することもでき、具体的にここでは限定しない。
【0091】
インタフェースユニット608は、外部装置とユーザ端末600とを接続するためのインタフェースである。例えば、外部装置は、有線又は無線ヘッドホンポート、外部電源(又はバッテリ充電器)ポート、有線又は無線データポート、メモリカードポート、識別モジュールを有する装置を接続するためのポート、オーディオ入出力(I/O)ポート、ビデオI/Oポート、ヘッドホンポート等を含み得る。インタフェースユニット608は、外部装置から入力(たとえば、データ情報、電力など)を受信し、受信した入力を端末600内の1つ以上の要素に伝送するために使用されてもよく、又はユーザ端末600と外部装置との間でデータを伝送するために使用されてもよい。
【0092】
メモリ609は、ソフトウェアプログラム及び様々なデータを格納するために使用され得る。メモリ609は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーション(たとえば、音声再生機能、画像再生機能など)などを格納することができるプログラム格納領域と、データ格納領域とを主に含んでもよい。データ格納領域は、音声データや電話帳など、携帯電話機の使用に応じて作成されたデータを記憶することができる。さらに、メモリ609は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイスなどの非揮発性メモリ、又は他の揮発性固体記憶デバイスを含んでもよい。
【0093】
プロセッサ610は、端末の制御センタであり、各種インタフェースや回線を用いて端末全体の各部を接続し、メモリ609に格納されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを実行、メモリ609に格納されたデータを呼び出して端末の各種機能及び処理データを実行し、端末全体の監視を行う。プロセッサ610は、1つ以上の処理ユニットを含んでもよい。選択可能に、プロセッサ610は、オペレーティングシステム、ユーザインタフェース及びアプリケーションなどを主に処理するアプリケーションプロセッサと、ワイヤレス通信を主に処理するモデムプロセッサとを統合することができる。上述のモデムプロセッサは、プロセッサ610に統合されなくてもよいことが理解される。
【0094】
ユーザ端末600は、各設定要素に電力を供給するためのバッテリのような電源611をさらに含んでもよい。選択可能に、電源611は、電源管理システムを介してプロセッサ610に論理的に接続されてもよく、電源管理システムを介して充電、放電、及び消費電力管理などを管理する機能を実現してもよい。
【0095】
また、ユーザ端末600は、図示しない機能モジュールをさらに含んでもよく、ここでの説明は省略する。
【0096】
選択可能に、本開示の一部の実施例は、プロセッサ610と、メモリ609と、前記メモリ609に記憶され、前記プロセッサ610で動作するコンピュータプログラムとを含むユーザ端末をさらに提供し、当該コンピュータプログラムがプロセッサ610によって実行されると、上記状態処理方法の実施例の各プロセスを実現し、かつ同じ技術効果を達することができるので、重複を避けるために、ここでは繰り返して説明しない。
【0097】
図7を参照する。
図7は、本開示の一部の実施例における基地局の構造図である。当該基地局は、上記実施例における状態処理方法の詳細を実現可能であり、同じ効果を達成することもできる。
図7に示すように、基地局700は、プロセッサ701と、トランシーバ702と、メモリ703と、ユーザインタフェース704と、バスインタフェースとを含む。ここで、プロセッサ701は、メモリ703からプログラムを読み取って、状態設定情報をユーザ端末に送信するプロセスを実行する。前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの初期状態及び前記セカンダリセルに関連する帯域幅部分BWPの初期状態を、活性状態と非活性状態の間の状態である新規状態に設定するか否かを、前記ユーザ端末が決定することに用いられる。前記基地局から前記ユーザ端末に対して設定する前記セカンダリセルの数は、少なくとも1つである。
【0098】
図7では、バスアーキテクチャは、任意数の相互接続するバスとブリッジを含み、具体的に、プロセッサ701をはじめとする1つ又は複数のプロセッサとメモリ703をはじめとするメモリの各種類の回路が接続したものである。バスアーキテクチャは、周辺イクイップメント、レギュレーター、電力管理回路などの各種類のほかの回路を接続したものであってもよい。これらは、いずれも本分野の公知事項であり、本文においてさらなる記載をしない。バスインタフェースにより、インタフェースが提供される。トランシーバ702は、複数の部品であってもよく、即ち送信機と受信機を含み、伝送媒体でほかの各種類の装置と通信するユニットとして提供される。ユーザ端末によっては、ユーザインタフェース704は、内部接続や外部接続する機器のインタフェースであってもよい。接続する機器は、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、ジョイスティックなどを含むが、それらに限られない。
【0099】
プロセッサ701は、バスアーキテクチャと通常の処理を管理する。メモリ703は、プロセッサ701による作業時に使用されるデータを記憶できる。
【0100】
選択可能に、前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの全て又は一部の初期状態が前記新規状態であることを指示し、前記セカンダリセルに関連する全て又は一部のBWPの初期状態が前記新規状態であることを指示するための第1設定情報を含む。
【0101】
選択可能に、前記状態設定情報は、前記セカンダリセルの新規状態タイマのタイミング時間を指示するための第2設定情報をさらに含む。
【0102】
選択可能に、プログラムがプロセッサ701によって実行されると、前記基地局から前記ユーザ端末に対し設定した前記状態設定情報を前記ユーザ端末に送信するステップ、又は、ハンドオーバ先のターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報を前記ユーザ端末に送信するステップが実現される。ここで、前記ターゲット基地局は、ターゲット基地局から前記ユーザ端末に対し設定した状態設定情報が含まれるハンドオーバコマンドを前記基地局に送信する。前記基地局は、ハンドオーバコマンドを前記ユーザ端末に転送する。
【0103】
このように、本開示の一部の実施例において、セカンダリセルの初期状態及びセカンダリセルに関連するBWPの初期状態を設定情報で設定することによって、新規状態の設定を実現する。よって、新規状態の導入による設定問題を解決し、セカンダリセル及びBWPの迅速な活性化/非活性化をサポートする。
【0104】
本開示の一部の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記状態処理方法の実施例の各プロセスが実現され、かつ同じ技術効果を奏することもできるので、重複を避けるために、ここでは繰り返して記載しない。ここで、本開示のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、揮発性メモリ及び/又は非揮発性メモリであり、たとえば、リードオンリーメモリROM(Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリRAM(Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスクなど等である。
【0105】
本明細書に開示された実施例に記載の各例のユニット及びアルゴリズムのステップが、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせによって実現可能であることは、当業者が理解できる。これらの機能がいったいハードウェアによって実行されるか、それともソフトウェアによって実行されるかは、技術手段の特定な応用や設計の制限条件によって決められる。当業者は、各特定な応用に対し、異なる方法によって記載の機能を実現することができるが、これらの実現は、本開示の範囲を超えたものとされるべきではない。
【0106】
記載の便利や簡潔化のために、以上記載したシステム、装置及びユニットの具体的な動作プロセスは、これまで説明した実施例の方法における対応プロセスを参照されたく、ここでは繰り返して記載しない。これは、当業者にとって自明である。
【0107】
本願で提供されるいくつかの実施例において、開示された装置及び方法は、他の方式で実施され得ることを理解されたい。以上記載した実施例の装置は、単に例示的なものである。例えば、記載したユニットの区分は、単に論理機能の区分であり、実際に実現する際に別の区分方式がある。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは、組み合わせてもよく、別のシステムに一体化されてもよく、又は、一部の特徴は、無視されてもよく、又は実行されなくてもよい。また、示されており又は議論されている各設定部分の相互間の結合や直接結合や通信接続は、インタフェース、装置又はユニットを介した間接結合や通信接続であってもよく、電気的、機械的、又は他の形式であってもよい。
【0108】
以上個別部品として説明したユニットは、物理的に離間したものであってもよく、そうでなくてもよい。ユニットとして示した部品は、物理ユニットであってもよく、そうでなくてもよい。すなわち、一箇所に位置してもよく、複数のネットワークユニットに位置してもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部又はすべてのユニットを選択して本開示の実施例の目的を実現する。
【0109】
また、本開示の各実施例における各機能的ユニットは、1つの処理ユニットに一体化されていてもよいし、物理的に別々に設けられていてもよいし、2つ以上が一体化されてもよい。
【0110】
前記一体化ユニットは、ソフトウェア機能モジュールの形式で実現され独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されてもよい。このような理解に基づき、本開示の技術手段の実質的又は従来技術に貢献した部分、又は当該技術手段の部分は、ソフトウェアプロダクトの形式で現れる。当該コンピュータソフトウェアプロダクトは、記憶媒体に記憶され、本開示の各実施例に記載の方法のすべて又は一部のステップをコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク装置であってもよい)に実行させるいくつかの指令を含む。前記記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスクなど、プログラムコードを格納することができる様々な媒体を含む。
【0111】
以上の記載は、本開示の具体的な実施形態であるが、本開示の保護範囲は、これらに限定されない。当業者が本開示によって開示されている技術範囲内で容易に想到できる変化や置換は、すべて本開示の保護範囲内に含まれる。よって、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。