(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】リサイクルおよび捕捉を有する抗菌適用システム
(51)【国際特許分類】
B01D 36/02 20060101AFI20221129BHJP
B01D 33/06 20060101ALI20221129BHJP
B01D 24/00 20060101ALI20221129BHJP
B01D 37/04 20060101ALI20221129BHJP
B01D 15/00 20060101ALI20221129BHJP
C02F 1/28 20060101ALI20221129BHJP
A61L 2/18 20060101ALI20221129BHJP
A23L 3/3526 20060101ALI20221129BHJP
A23B 5/18 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
B01D36/02
B01D33/06 Z
B01D29/08 520A
B01D33/18
B01D37/04
B01D15/00 101
C02F1/28 D
A61L2/18
A23L3/3526
A23B5/18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021032194
(22)【出願日】2021-03-02
(62)【分割の表示】P 2019213780の分割
【原出願日】2015-10-01
【審査請求日】2021-03-30
(32)【優先日】2014-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504303768
【氏名又は名称】セーフ・フーズ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】マシー、ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】イーマン、ティム
(72)【発明者】
【氏名】ノーレン、ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】ビアーズ、ケリー
(72)【発明者】
【氏名】レイガンズ、ジョー
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-509499(JP,A)
【文献】国際公開第2012/039466(WO,A1)
【文献】特開2007-216195(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0035071(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0297609(US,A1)
【文献】特開平10-165723(JP,A)
【文献】特開昭54-104500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 15/00-15/42、24/00-35/04、
35/08-37/08
C01F 1/28
A23L 3/00-3/3598
A23B 4/00-5/22
A61L 2/00-2/28、11/00-12/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌適用システム
(10)であって、
抗菌適用ユニット
(12)と、リサイクルユニット
(14)と、捕捉ユニット
(215)と
を有し、
前記抗菌適用ユニット
(12)は
、抗菌組成物を前記リサイクルユニット
(14)に移送するものであり、
前記リサイクルユニット
(14)は第1の構成と第2の構成とを有し、前記第1の構成において前
記抗菌組成物
(223)を前記抗菌適用ユニット
(12)に
返送し、前記第2の構成において前記抗菌組成物
(223)を前記捕捉ユニット
(215)に供給するものであり、
前記抗菌適用ユニット
(12)は、抗菌成分
(245)を含む抗菌組成物を処理対象製品
(20)に適用するようになっており、前記抗菌組成物の第1の部分は前記処理対象製品
(20)に付着し、前記処理対象製品
(20)に付着しない前記抗菌組成物の第2の部分は回収されて
、前記リサイクルユニット(14)を介して前記捕捉ユニット(215)の第1のフィルタ
(225)に移送されるものであり、
前記第1のフィルタ
(225)は回転自在な本体部
(253)を有するスクリーンフィルタ
(225a)を有し、当該本体部
(253)は内側面
(265)を有する環状壁
(259)を有し、当該内側面
(265)は前記回収された抗菌組成物
(223)を受け取る空洞部
(261)を画成するものであり、前記本体部の前記環状壁
(259)は、
前記環状壁
(259)の内側面
(265)に沿って前記環状壁
(259)を貫通して延びる複数の穴部
(263)が形成されたフィルタ部分
(255)であって、前記回収された抗菌組成物
(223)を受け取って前記回収された抗菌組成物
(223)中の固体成分を濾過
し、濾過され回収された抗菌組成物(235)を生成するものである、前記フィルタ部分
(255)と、
前記環状壁
(259)の内側面
(265)に沿って前記空洞部
(261)の周りに延びる連続面
(277)を有するバンド部分
(275)であって、当該バンド部分
(275)は、前記回収された抗菌組成物
(223)が前記フィルタ部分
(255)に沿って受け取られる前に前記回収された抗菌組成物
(223)を当該連続面
(277)上に受け取るものであり、前記回収された抗菌組成物
(223)は前記環状壁
(259)の内側面
(265)に対して平行な角度と垂直な角度との間の角度で前記バンド部分
(275)の前記連続面上
(277)に方向付けられるものである、前記バンド部分
(275)と
を有するものであり、
前記捕捉ユニット
(215)は、前記濾過され回収された抗菌組成物
(235)を第2のフィルタ
(227)に移送するものであり、当該第2のフィルタ
(227)は前記濾過され回収された抗菌組成物
(235)から前記抗菌成分
(245)を濾過するものであ
り、
前記第2のフィルタ(227)は、中間フィルタラインにより接続された少なくとも2つのフィルタユニット(227a、227b)を有し、各フィルタユニット(227a、227b)は、活性炭素を含むフィルタ材(243)を保持する容器(242)を有するものであり、前記各フィルタユニット(227a、227b)は連続して配置され、前記濾過され回収された抗菌組成物(235)から前記抗菌成分(245)を濾過するように構成されており、前記抗菌成分は四級アンモニア化合物を有するものであり、
前記フィルタユニット(227a、227b)の少なくとも1つは、上流側入口(256)と複数のアーム(260)とを有する本体部(252)と、前記複数のアーム(260)の各アームの少なくとも1つの側面に沿って設けられた複数の下流側流体口(258)とを有するヘッダー部(header)(250)を有するものであり、
前記ヘッダー部(250)の前記本体部(252)は、X字形状に配置された少なくとも4つのアーム(260)、または少なくとも2つのアーム(260)であって、複数の下流側流体口(258)が各アーム(260)の2つの側面に設けられているものである、前記少なくとも2つのアーム(260)を含むものである、
抗菌適用システム
。
【請求項2】
請求項1記載の抗菌適用システムにおいて、前記抗菌適用ユニット
(12)は、当該ユニットに供給された前記抗菌組成物中の前記抗菌成分
(245)の濃度を制御するコントロールユニット
(32)を有するものである、抗菌適用システム。
【請求項3】
請求項1記載の抗菌適用システムにおいて、前記抗菌適用ユニット
(12)は、噴霧、ミスチング、フォギング、浸漬、注入、滴下およびそれらの組み合わせにより前記抗菌組成物を前記処理対象製品
(20)に適用するものである、抗菌適用システム。
【請求項4】
請求項3記載の抗菌適用システムにおいて、前記処理対象製品
(20)は、肉、鶏肉、魚、淡水および海水海産物、果物、野菜、包装食品、および食品または食品加工に関連した物品および表面から選択されるものである、抗菌適用システム。
【請求項5】
請求項1記載の抗菌適用システムにおいて、前記スクリーンフィルタ
(225a)は、さらに、前記環状壁
(259)の内側面
(265)から前記空洞部
(261)内に延出するねじ山形状部(thread)
(287)を有し、前記ねじ山形状部
(287)は、前記内側面
(265)に沿って前記本体部
(253)の第一の端部
(257)と第二の端部
(257)との間に螺旋状に延びるものである、抗菌適用システム。
【請求項6】
請求項5記載の抗菌適用システムにおいて、前記ねじ山形状部
(287)は前記フィルタ部分
(255)および前記連続面
(277)に沿って延在するものである、抗菌適用システム。
【請求項7】
請求項5記載の抗菌適用システムにおいて、前記スクリーンフィルタ
(225a)は、さらに、濾過された固体成分
(231)を前記環状壁
(259)から除去するように構成された洗浄装置
(289)を有するものである、抗菌適用システム。
【請求項8】
請求項7記載の抗菌適用システムにおいて、前記洗浄装置
(289)は、流体を前記環状壁
(259)の外側面
(267)に対して方向付けるように配置された1若しくはそれ以上の流体口
(295)を含むスプレーバー
(293)を有するものである、抗菌適用システム。
【請求項9】
請求項8記載の抗菌適用システムにおいて、前記流体口
(295)は前記空洞部
(261)の外側に配置されるものである、抗菌適用システム。
【請求項10】
請求項
1記載の抗菌適用システムにおいて、前記
複数の下流側流体口
(258)は0.125インチ~0.250インチの間の断面を画成するものである、抗菌適用システム。
【請求項11】
請求項
1記載の抗菌適用システムにおいて、前記
複数の下流側流体口
(258)は、
当該流体口から流出される流体を制限する、方向付ける、噴霧する、あるいは集中させるような寸法に設定されているものである、抗菌適用システム。
【請求項12】
請求項
1記載の抗菌適用システムにおいて、前記ヘッダー部
(250)は、前記
複数の下流側流体口
(258)から流出される流体の分散性を高めるために移動自在または回転自在である、抗菌適用システム。
【請求項13】
請求項
1記載の抗菌適用システムにおいて、前記容器
(242)の少なくとも1つはプラスチック製の内面を有するものである、抗菌適用システム。
【請求項14】
請求項1記載の抗菌適用システムにおいて、前記固体成分
(231)は、
前記固体成分(231)のサイズ、電荷、粘度、粘稠度、分子構造、分子相互作用、残渣、作用、結合、および拡散からなる群から選択された特性または特徴に基づいて、前記第1のフィルタ
(225)によって前記回収された抗菌組成物
(223)から濾過されるものである、抗菌適用システム。
【請求項15】
請求項1記載の抗菌適用システムにおいて、前記固体成分
(231)は、大型粒子、固体、液体に関連した固体、粘性の高い液体、脂肪、ゼラチン状物質、および破砕物からなる群から選択されるものである、抗菌適用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗菌適用システムに関するものであり、特に食品製品および表面並びに食品加工に関連する他の項目との関係で使用される、リサイクル特性を有する抗菌適用システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スプレーキャビネットを含む抗菌適用システムは当業界で周知である。「Spary Application System(スプレー適用システム)」と言う名称で2004年6月1日に発行された米国特許第6,742,720号は数多くの斯かるシステムを考察し、斯かるシステムの多くの長所並びに欠点を強調している。米国特許第6,742,720号の開示は参照として本明細書に組み込まれる。上記特許に開示されているスプレー適用システムは、該特許に詳細に論じられているように、それ以前のシステムと比べて多くの長所を提供している。本発明者達は斯かるシステムに基づきそれを更に改良することにより、追加のフレキシビリティを与える代替実施形態を提供する。例えば、製品に適用される抗菌剤をリサイクルするのが望ましい場合がある。リサイクルを可能にする装置および工程を追加するのはコストおよびシステムの複雑性を追加することになるので、必ずしも好ましいことではない。しかし、リサイクルの使用は抗菌剤および水の消費を少なくし、廃棄が必要な排出物の量を減少させる。これは、環境問題、原料コスト、原料の貯蔵限界、廃棄コスト、廃水およびある種の抗菌剤の廃棄に関する規制問題等、多くの理由で望ましいであろう。従って、多くの事情から、処理対象の製品に使用される多くの抗菌剤をリサイクルするのは望ましいことであろう。
【0003】
ある種の製品に工程ラインで適用される液体のリサイクルは当業界で周知である。しかし、食品加工および食品加工に関連する項目において液体をリサイクルすることは、多くの特別な課題および関心、特に品質低下、汚染および二次汚染に関する課題を提供する。斯かる課題はリサイクルに反対する論議を通常引き起こし、緩慢で面倒臭くしかも望ましくない追加の工程および装置を使用する結果となり、それがコストおよびシステムの複雑性を増やすことになる。斯かる複雑なシステムの一つがCaracciolo, Jr.に対して2002年に発行された米国特許第6,348,227号に開示されている(その開示は参照として本明細書に組み込まれる)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの観点では、抗菌適用ユニットと共に使用される捕捉ユニットは上流側フィルタと下流側フィルタとを有する。上流側フィルタは、流出物を抗菌適用ユニットから上流側フィルタに移送するための上流側捕捉ラインに連結されるように構成されている。下流側フィルタは、上流側流出物濾液を下流側フィルタに移送するための下流側捕捉ラインに連結されるように構成される。上流側フィルタは、さらに、前記流出物の固体成分を濾過するように構成され、下流側フィルタは、さらに、前記流出物の抗菌成分を濾過するように構成される。
【0005】
種々の実施形態において、上流側フィルタは、第一の端部と、第二の端部と、その間に延びる環状壁とを有する本体部を含むスクリーンフィルタを有する。前記環状壁は、上流側捕捉ラインから流出物を受け取るための、本体部を貫通して延びる空洞部を画成する。前記環状壁は、当該環状壁を貫通して延びる複数の穿孔を有するフィルタ部分を有し、当該フィルタ部分は、流出物が上流側捕捉ラインから空洞部内に受け入れられると流出物の固体成分を濾過する。前記本体部は空洞部を貫通して延びる回転軸の周りで回転自在である。前記環状壁は、さらに、内側面に沿った連続面を有し且つ空洞部の周りに延びるバンド部分を有する。前記バンド部分は、前記上流側捕捉ラインからの流出物を、当該流出物がフィルタ部分を通過する前に連続面上に受け取るように構成されている。スクリーンフィルタは、さらに、前記環状壁の内側面から空洞部内に延出するねじ山形状部(thread)を有し、このねじ山形状部は、前記内側面に沿って本体部の第一の端部と第二の端部との間に螺旋状に延びる。前記環状壁は、さらに、前記上流側捕捉ラインからの前記流出物を受け取るように構成された送り出し領域を有する。前記送り出し領域は、前記内側面に沿って帯状部を形成し且つ前記空洞部の周りに延びる連続面を含む。前記ねじ山形状部は前記フィルタ部分および前記連続面に沿って延びる。前記スクリーンフィルタは、さらに、濾過された固体成分を環状壁から除去するように構成された洗浄装置を有する。前記洗浄装置は、流体を環状壁に対して方向付けるように配置された1若しくはそれ以上の流体口を含むスプレーバーを有する。前記流体口は前記空洞部の外側に配置される。
【0006】
種々の実施形態において、下流側フィルタは、活性炭素を含むフィルタ材を保持するように構成された容器を各々有する少なくとも2つのフィルタユニットを有する。前記フィルタユニットは連続して配置され、上流側流出物濾液からの抗菌成分を濾過するように構成される。1つの用途では、抗菌成分は四級アンモニア化合物を有する。前記フィルタユニットの少なくとも1つは、上流側入口を有する本体部と、複数のアームに沿って配置された複数の下流側流体口とを有するヘッダー部を含む。1つの実施形態において、本体部はX字形状に配置された少なくとも4つのアームを有する。1つの実施形態において、本体部は、各々少なくとも20の流体口を画成する少なくとも2つのアームを有する。流体口は各アームの少なくとも2つの側に配置されてもよい。流体ポートは0.125インチ~0.250インチの間の断面を画成してもよい。前記容器の少なくとも1つはプラスチック製の内面を有してもよい。
【0007】
別の態様では、抗菌性炭素濾過システムはヘッダー部を有する。前記ヘッダー部は、上流側入口を有する本体部と、複数のアームに沿って配置された複数の下流側流体口とを有する。前記ヘッダー部は、フィルタ容器の上流側部分に配置され、抗菌成分を含む流体をフィルタ材上に供給するように構成される。
【0008】
1つの実施形態において、前記本体部は、各々少なくとも20の流体口を画成する少なくとも2つのアームを有する。前記流体口は、各アームの少なくとも2つの側に配置される。前記流体口は、さらに、0.125インチ~0.250インチの間の断面を画成する。1つの実施形態において、ヘッダー部はX字形状に配置された少なくとも4つのアームを有する。更なる実施形態において、本体部はX字形状に配置された4つのアームを有し、流体口は0.125インチ~0.250インチの間の断面を画成する。
【0009】
更に別の態様では、抗菌性炭素濾過システムはフィルタユニット容器を有する。前記フィルタユニット容器は、外壁とプラスチック製の内壁とを有する。前記プラスチック製内壁は、活性炭素を含むフィルタ材を保持するように構成された空洞部を画成する。
【0010】
種々の実施形態において、外壁は金属製ドラムを有する。フィルタユニット容器は、さらに、着脱自在なライナーを有し、前記着脱自在なライナーは内壁を有する。前記外壁はプラスチック製であってもよく、フィルタユニット容器はプラスチック製ドラムを有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書の実施形態によれば現在好ましいが例示的な実施形態に過ぎない以下の詳細な記載を添付の図面との関連で参照することにより、上述の簡単な記載並びに本明細書の実施形態の更なる目的、特徴および長所が更に十分理解されることであろう。
【
図1】
図1は、本明細書記載の種々の実施形態による抗菌適用システムの概略図である。
【
図2】
図2は、本明細書記載の種々の実施形態によるリサイクルユニットの側面図である。
【
図3】
図3は、本明細書記載の種々の実施形態による抗菌適用システムの概略図である。
【
図4】
図4は、本明細書記載の種々の実施形態による捕捉ユニットの概略図である。
【
図5】
図5は、本明細書記載の種々の実施形態による捕捉ユニットの半概略図である。
【
図6】
図6は、本明細書記載の種々の実施形態による捕捉ユニットの半概略図である。
【
図7】
図7は、本明細書記載の種々の実施形態によるヘッダー部の斜視図である。
【
図8】
図8は、本明細書記載の種々の実施形態によるフィルタユニットの斜視図である。
【
図9】
図9は、本明細書記載の種々の実施形態によるフィルタユニット容器の斜視図である。
【
図10】
図10は、本明細書記載の種々の実施形態によるフィルタユニット容器の斜視図である。
【
図11】
図11は、本明細書記載の種々の実施形態によるフィルタユニット容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
開示された構成物および方法の構成、機能、作用および適用の全体的な理解のため、本明細書において種々の実施形態が記載され図示される。本明細書に記載され図示される種々の実施形態は非制限的であり非網羅的であることは理解されている。従って、本発明は、本明細書記載の種々の非制限的および非網羅的な実施形態の記載によって必ずしも制限されるものではない。種々の実施形態との関連で図示されるまたは記載される特徴および特性は、他の実施形態の特徴および特性と組み合わせてもよい。斯かる変形および改変も本明細書の範囲に含まれることが意図されている。従って、特許請求の範囲は、本明細書に明示的または本質的に記載されている、あるいは本明細書により明示的または本質的に支持されている特性を記載するように補正されてもよい。更に、本出願者は、従来技術に存在する特性または特徴を断言的に否認するように特許請求の範囲を補正する権利を留保する。従って、斯かる補正はいずれも35U.S.C.§§112(a)および132(a)の要求事項を遵守するものである。本明細書に開示され記載される種々の実施形態は、本明細書に様々な形で記載されている特性および特徴を有し得る、あるいはそれらを含み得る、あるいはそれらから成る、あるいは本質的にそれらから成るものである。
【0013】
更に、本明細書に記載される数値範囲には、記載範囲内に包含されると同一の数値精度の部分範囲の全てが含まれることが意図されている。例えば、1.0から10.0の範囲は、記載されている最低値である1,0と記載されている最高値である10.0の間、すなわち1.0以上の最低値と10.0以下の最高値の間の全ての部分範囲の(例えば2.3と6.6の間の範囲)が含まれることが意図されている。本明細書記載のあらゆる最高数値限定はその中に含まれる全てのより低い数値限定を含むことが意図されており、本明細書記載のあらゆる最低数値限定はその中に含まれる全てのより高い数値限定を含むことが意図されている。従って、本出願者は、本明細書に明示的に記載されている範囲に包含されるあらゆる部分範囲を明示的に記載するように本明細書(特許請求の範囲を含む)を補正する権利を留保する。斯かる範囲は全て本明細書に本質的に記載されていることが意図されているのであるから、斯かる部分範囲を明示的に記載するように補正することは、35U.S.C.§§112(a)および132(a)の要求事項を遵守するものである。
【0014】
本明細書で特定されている特許、出版物または他の開示資料は全て、他の記載がない限り、参照によりその全体が本明細書に援用されるものであるが、但し、援用される資料は、本明細書に明示的に記載されている既存の説明、定義、記述または他の開示資料と矛盾しない範囲に限定される。従って、必要な範囲において、本明細書に記載される明示的開示は、本明細書に参照により援用される矛盾した資料に置き換わるものである。本明細書に参照により援用されると言われているが本明細書記載の既存の定義、記述または他の開示資料と矛盾する資料またはその一部は全て、斯かる援用される資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲でのみ援用されるものである。本出願者は、本明細書に参照により援用される主題またはその一部を明示的に記載するように本明細書を補正する権利を留保するものである。
【0015】
本明細書に使用される文法上の冠詞である「1つ」、不定冠詞(「a」および「an」)並びに定冠詞(「the」)は、別の記載がない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」も含まれることが意図されている。従って、本明細書では、冠詞は、該冠詞の文法上の目的語の1つまたはそれ以上(すなわち「少なくとも1つ」)を意味するように使用される。例えば、「部品」と言う用語は1若しくはそれ以上の部品を意味し、従って、記載の実施形態を実施するにあたり2つ以上の部品が考慮され使用される可能性がある。更に、使用上の文脈に矛盾しない限り、単数の名詞の使用は複数も含み、複数の名詞の使用は単数も含んでいる。加えて、文法上の接続詞である「および」と「または」は、本明細書では容認された用法に従って使用される。例えば、「xおよびy」は「x」と「y」を意味する。一方、「xまたはy」は、「x」、「y」または「x」と「y」の両方を意味し、「xかyのいずれか」はいずれか一方のみを意味する。
【0016】
本明細書に記載される場合、抗菌適用システムは、食品加工に関連して使用される抗菌剤をリサイクルするように構成されてもよい。リサイクルには、食品加工に関連する品目に適用された抗菌剤をリサイクルし、その後リサイクルした抗菌剤を食品加工に関連する品目に適用する方法が含まれてもよい。抗菌適用システムは抗菌適用ユニット並びにリサイクルユニットを含んでもよい。最初に、希釈した抗菌組成物を調製し、抗菌剤の濃度はコントロールユニットにより自動的に制御してもよい。コントロールユニットは処理部を含んでいてもよいし、あるいは処理部により動作可能に制御可能であってもよい。抗菌適用システムの1若しくはそれ以上の操作を行うため、処理部は、該処理部によって実行可能な指示を記憶するデータ記憶媒体にアクセスするように構成してもよい。抗菌組成物は抗菌適用システムに提供され、生の家禽屠体等の製品に適用されてもよい。抗菌組成物は、製品への適用後、リサイクルユニットのリサイクルタンクに流れ込むようにしてもよい。リサイクルタンクに流れ込む抗菌組成物中の抗菌剤の濃度は、手動で監視してもよいし、システムにより監視してもよい。抗菌組成物中の抗菌剤の濃度が望ましいレベル以下に落ちた場合には、追加の抗菌剤を自動的に加えるようにしてもよい。抗菌組成物の全体または一部を定期的に捕捉タンクに迂回させ、組成物から抗菌組成物を選択的に除去してもよい。次に、除去された抗菌剤および残りの組成物は適切な方法で処分される。抗菌剤は、四級アンモニア化合物、塩化アルキルピリジニウムまたは塩化セチルピリジニウムであるのが好ましい。
【0017】
種々の実施形態において、抗菌適用システムは、以下の1つ以上を実行または達成するように構成されてもよい。安全性を犠牲にすることなく原料の消費を削減。使用済み抗菌剤を定期的にバッチスタイルで分離および廃棄。リサイクルされる抗菌組成物の望ましい組成を自動的に監視および維持。製品に適用される抗菌組成物の再捕捉および送り戻しの改善。湿った製品からリサイクル抗菌組成物に送られる液体を自動的に捕捉追加。抗菌組成物の組成を連続的にリアルタイムで監視および制御。システムを出る廃棄物の削減、並びにそれに関連する廃棄物処分コストの削減。廃水システムに安全に排水可能な安全な廃棄物流の提供。米国特許第6,742,720号およびPCT出願第PCT/US03/35933号に記載のスプレー適用システムおよびスプレーキャビネットのフレキシビリティおよび利点を増大。発泡し易い液体の効果的な適用、捕捉および再適用。スプレーノズルの位置決めおよび利用のフレキシビリティを増大。加工要求に関する大きい変動への対処。設置、洗浄および維持が比較的簡単。抗菌剤が不純物を含む場合でも、リサイクルされる抗菌剤の組成を監視および制御するための簡単で信頼の置ける方法を提供。
【0018】
図1を参照すると、符号10は、一般的に、種々の実施形態における抗菌適用システムを示す。抗菌適用システム10は、一般的に、抗菌適用ユニット12およびリサイクルユニット14を有し、捕捉ユニット15を含んでもよい。
【0019】
抗菌適用ユニット12は様々な構成を取り得る。好ましい実施形態では、抗菌適用ユニット12は、米国特許第6,742,720号に開示されているスプレー適用システムの実施形態の1つの一般形態を取る。1つの例外として、好ましい実施形態では、米国特許第6,742,720号記載の液体バリヤーは使用されない。生の鶏肉等の製品20をハウジング18を通して移動させるため、コンベヤー16が該ハウジング18を通過する。以下に更に詳細に記載されるように、受皿またはパン22が、ハウジング18の下流側に延び、コンベヤー16およびそれによって運ばれる製品20の下に配置されている。本実施形態に関連して使用されるスプレー適用システムの実施例は米国特許第6,742,720号で詳細に論じられているので、本明細書では詳細には考察しない。抗菌適用ユニット12は斯かる実施形態またはスプレー適用システム一般に限定されるものでないことは、勿論理解されている。抗菌適用ユニット12は、様々な異なる方法で、様々な異なる種類およびタイプの製品20に、抗菌組成物等の組成物を適用する。斯かる適用ユニット12に使用される適用方法には、限定されないが、噴霧、ミスチング、フォギング、浸漬、注入、滴下およびそれらの組み合わせが含まれる。システム10は、様々な異なる製品20、例えば、限定されないが、肉、鶏肉、魚、淡水魚介類および海水魚介類、果物、野菜、他の食料品、動物、食品包装、食品または食品加工関連の種目および表面等の処理に使用されることは理解されている。製品20は、生体、死体、生、皮付き製品、屠体、細切れ、調理済食品、出来合いの食品、加工食品、部分加工食品、インスタント食品、または調理の準備ができた食品であることも理解されている。更に、システム10は、食品または食品加工種目とは全く関係のない製品20の処理に使用し得ることも理解されている。
【0020】
ステンレス製チューブ等の剛体部材24がハウジング18、好ましくはハウジング18の下流側端部に固定されている。
図3に最も良く示されているように、剛体部材24は、コンベヤー16の反対側に整列する平行なアーム26を有している。各アーム26には、カウンターまたはセンサーを収納するための一連の対となる開口部28が提供されている。システム10は絶えず過酷な洗浄条件下にあるが、それにより生じる可能性のある損傷からカウンターを保護するため、保護レンズ30が水密シール、好ましくはNEMA4シールを提供する。3つのカウンターが直列で提供されるのが好ましい。
図1に最も良く示されているように、アーム26は、カウンターが製品20の有無を検出できる配列となるように配置されている。3つのカウンターを使用することにより冗長性が提供され、正確性が増す。これに関連して、カウンターは動作可能な状態で中央コントロールユニット32または164等のコントローラーに接続されており、3つのカウンターからのカウントは連続的に比較される。1つのカウンターが他の2つのカウンターからの示数またはカウントと異なる示数またはカウントを提供する場合、中央コントロールユニット32または164は通常その不一致のカウンターの示数を無視し、他の2つのカウンターの示数に依存するようにプログラムされる。異なる示数の論理および解釈は、勿論、様々な方法で調整してもよい。
【0021】
リサイクルユニット14は、希釈抗菌組成物または溶液を得るために濃縮抗菌組成物または溶液を希釈し、その希釈抗菌溶液を抗菌適用ユニット12に提供する。供給タンク34等の抗菌源は、抗菌供給ラインまたは導管36を通してハウジング18に接続されている。薬液注入ポンプ38が抗菌供給ライン36に配置されている。ポンプ38は、以下に述べる理由により、コントローラー40に動作可能に接続されている。抗菌剤は、好ましくは四級アンモニア化合物を有し、より好ましくは塩化アルキルピリジニウムを有し、最も好ましくは塩化セチルピリジニウムを有す。具体的には、濃縮抗菌溶液は、Compadre等が2000年1月31日に出願した米国特許出願第09/494,374号に記載の四級アンモニア化合物の濃縮液を含むのが好ましい。米国特許出願第09/494,374号(Compadre等)は参照により本明細書に援用される。当該濃縮液は抗菌剤と溶解促進剤を含むのが好ましく、溶解促進剤はプロピレングリコールを含むのが好ましい。四級アンモニア化合物は当該濃縮液に約40重量%で存在するのが好ましく、溶解促進剤は当該濃縮液に約60重量%で存在するのが好ましい。様々な異なる抗菌剤および溶解促進剤が使用できることは勿論理解されており、当該濃縮および希釈液は、限定されないが、米国特許出願第09/494,374号(Compadre等)に開示されている濃縮および希釈液の成分および組成を含め、様々な異なる成分および組成を有し得る。品質低下、汚染および二次汚染の心配は、好ましい抗菌溶液の広範な効果並びに濾過および自動濃縮手段の故に排除される、あるいは軽減される。
【0022】
1若しくはそれ以上のリサイクルタンク42が提供される。液体をハウジング18からタンク42に移行させるため、戻りラインまたは導管44がハウジング18とリサイクルタンク42の間に延びている。複数の戻りライン44を用いて、複数の抗菌適用ユニット12をリサイクルタンク42に接続してもよい。フィルタ46がハウジング18または戻りライン44に配置される。フィルタ46は、抗菌適用ユニット12から送られる流出物中の可視の粒子状物質を捕捉するサイズのワイヤメッシュフィルタ(例えば100メッシュフィルタ)であるのが好ましい。流出物中の可視の粒子状物質は、製品20に通常行われる上流側洗浄の故に、通常極めて僅かである。第一および第二のフィルタ48および50はそれぞれのタンク42に関連しており、タンク42とシステムポンプ50の間に配置され、タンク42とシステムポンプ52の間に平行流を提供する。第一のフィルタ48か第二のフィルタ50を通してタンク42からシステムポンプ52に移行する液体を選択的に方向付けるため、弁54または他の手段が提供されている。従って、フィルタ48または50のうちの1つを洗浄、取り換え、または修理する間に、システム10は操作を継続できる。以下に記載される理由により、3方向弁56が導管58に配置されている。パージラインまたは捕捉ライン60が弁56から捕捉タンク62に通じている。捕捉ポンプ64が捕捉ライン60に配置されている。リサイクルタンク42はインペラまたは他の撹拌または振動手段を含んでもよいが、好ましい実施形態では斯かる撹拌または振動手段は使用されない。供給ライン66がシステムポンプ52からハウジング18に通じており、1若しくはそれ以上の噴霧器68に接続されている。複数の供給ライン66を用いて、あるいは望ましい場合には供給ライン66を分岐または分割させることにより、リサイクルタンク42を複数の抗菌適用ユニット12に接続してもよい。供給ライン66には逃し弁72を有するバイパス導管70が配置されている。供給ライン66には分流ライン74も配置されている。分流ライン74は希釈ポンプ78に接続されており、その中に配置された圧力調節器80を有している。
【0023】
水道水等の飲料水の水源82が水供給ラインまたは導管84を通してリサイクルタンク42に接続されている。分流ライン86も水供給ライン84に配置されている。分流ライン86は希釈ポンプ88に接続されており、その中に配置された圧力調節器90を有している。圧力調節器80および90は、ライン74および86の圧力をライン66および84の圧力よりも低い圧力に調節するのが好ましく、ライン74および86の圧力を約15psigまで下げるように調節するのが好ましい。希釈ポンプ78および88は電気的に相互連結されており、ストローク毎にマッチしたポンプ作用を提供する。更に、希釈ポンプ78および88は、望ましい一定の希釈度を提供する大きさである。希釈度は、希釈組成物約1部以下対水1部であるのが好ましく、希釈組成物約1部以下対水30部であるのが更に好ましく、希釈組成物約1部以下対水60部であるのが最も好ましい。導管92および94は希釈ポンプ78および88を出るが、液体を希釈ポンプ78および88からスタティックミキサー96に導くように配置されている。スタティックミキサーは、インラインのオーガー式スタティックミキサーであるのが好ましい。
【0024】
センサー98がスタティックミキサー96の排出端に配置されている。好ましい実施形態では、センサー98は紫外線分光光度計または紫外域用分光センサーである。限定されないが、赤外線センサー、可視光センサー、紫外線センサーを含む様々な異なる種類のセンサー98が使用できることは、勿論理解されている。センサー98は、スタティックミキサー96を出る溶液中の抗菌剤の濃度を検出できる。コントローラー40がセンサー98を薬液注入ポンプ38に動作可能に接続する。コントローラー40は信号をセンサー98から受け取り、対応するオン/オフ信号を薬液注入ポンプ38に送信できる。排出ライン100がセンサー98から捕捉タンクまたはパージタンク62に通じている。
【0025】
サイホン102が捕捉タンク62に配置されており、ドレンライン104に接続されている。ドレンライン104は、捕捉タンク62から抗菌分離ユニット106まで通じている。抗菌分離ユニット106は1若しくはそれ以上のフィルタ108またはフィルタユニットを有しているのが好ましく、各フィルタまたはフィルタユニットは、組成物から抗菌剤を選択的に除去するフィルタ材(使い捨て炭素フィルタ等)を大量に保持できる寸法の容器を有しているのが好ましい。中間フィルタライン109は各フィルタ108を連結する。廃棄ライン110は、抗菌剤を選択的に除去した後に残る水および他の成分を廃棄するため、抗菌分離ユニット106を出る。抗菌分離ユニット106は使用されてもよいし、使用されなくてもよく、様々な異なる分離方法が使用されてもよいことは理解されている。フィルタ108は使い捨てであってもよいし、再使用可能であってもよいことも理解されている。
【0026】
システム10全体を制御するのに中央コントロールユニット32が使用される。中央コントロールユニット32は、システム10の操作に関連して様々な仕事または機能を実行してもよい。例えば、中央コントロールユニット32は、作動状態、システム状態、トリガーイベント、構成部品の機能、イベント等を示すデータ、または他の類似のデータを収集、処理および/または通信するため、システム処理と動作可能に関連付けられていてもよい。例えばシステム操作状態を示す信号、またはシステム10の操作に関連した状態を示す信号を検出し提供するため、1若しくはそれ以上のセンサー(例えばセンサー98)が中央コントロールユニット32と動作可能に関連付けられていてもよい。1つの実施形態では、中央コントロールユニット32はシステムのポンプまたは弁をアクティブ化し、または非アクティブ化し、または調節し、システム10の1若しくはそれ以上の構成部品と通信してデータ信号を受信、送信および/または処理するようにプログラムされている、あるいはシステムの種々のユニットと動作可能に関連付けられている1若しくはそれ以上のセンサーから送信されたデータを処理または分析するようにプログラムされている。例えば、センサー98または別のセンサーは、システム10によってリサイクルされた液体に関連する汚染物、または流体組成物の他の側面を検出するように構成されていてもよい。中央コントロールユニットは、制御モジュールの種々の機能を実行するため、ソフトウェア、ファームウェアまたは他のコンピュータ実行可能な指示でプログラムされた1若しくはそれ以上の処理装置またはコンピュータシステムを含んでいてもよい。中央コントロールユニット32は、該中央コントロールユニット32が受信または処理したデータを受信および/または記憶する1若しくはそれ以上のデータ送信装置に関連付けられていてもよい。いくつかの実施形態では、中央コントロールユニット32は、システム10の他の側面の活動または機能を反映する1若しくはそれ以上の表示器に信号を送信してもよい。例えば、斯かる表示器の1つは警戒灯を含んでいてもよい、または地元あるいは遠隔地の工場のモニターと関連付けられた警告図形表示を含んでいてもよい。
【0027】
動作中、希釈された抗菌溶液が調製され、それが通常1日継続する1回の噴霧サイクルに使用される。次に、希釈抗菌溶液は更なる処理のため、システム10から破棄、処分または除去される。噴霧サイクルは様々な異なる期間であってよいことは勿論理解されている。システム10はバッチモード、定常状態モード、または様々な異なる種類あるいは組み合わせの操作モードで操作してよいことも理解されている。新しい噴霧サイクルは、空で清浄なリサイクルタンク42および空で清浄な捕捉タンク62を用いて、通常、毎朝開始される。抗菌適用ユニット12がアクティブ化される前、そしてシステムポンプ52がオンにされる前に、希釈抗菌溶液が調製される。その点に関して言えば、望ましい量の水道水がリサイクルタンク42に供給される。リサイクルタンク42は、容量の約3分の1から約半分まで飲料水で満たされるのが好ましい。濃縮ポンプ38が濃縮抗菌組成物をハウジング18に供給するためにアクティブ化され、所定量の濃縮組成物が提供されるまで、戻り導管44を通してリサイクルタンク42に排出される。濃縮組成物はリサイクルタンク42内で水と組み合わされ、望ましい濃度の希釈溶液を形成する。希釈溶液中の抗菌剤の濃度の望ましい範囲は、限定されないが、米国特許出願第09/494,374号(Compadre等)に開示されている希釈溶液中の抗菌剤の濃度範囲を含む。
【0028】
リサイクルタンク42で望ましい濃度が得られたら、システムポンプ52がアクティブ化され、希釈溶液が抗菌適用ユニット12に供給される。抗菌適用ユニット12に供給された希釈溶液は飲用に適していない。しかし、使用される希釈抗菌溶液は安全で広範な効果を有しているので、製品20の汚染または二次汚染は問題にはならない。リサイクルユニット14は、様々な異なる流量および圧力で希釈抗菌溶液を抗菌適用ユニット12(複数も可)に供給する。流量および圧力は、限定されないが、米国特許第6,742,720号で考察されている流量および圧力を含んでもよい。バイパス導管70および逃し弁72は、希釈組成物の一部を、それが噴霧器68を通過して製品20に適用されることがないように、ハウジング18の下部に導く。バイパス導管70を通過する希釈組成物と噴霧器を通過するそれの比は、通常約1対1以上であり、約2対1以上であるのが更に通常である。バイパス導管70を通過する希釈組成物は、捕捉される組成物と追加される濃縮組成物の混合を改善する。バイパス導管70および逃し弁72を使用することにより、望ましい圧力範囲またはそれ以内で希釈組成物を噴霧器68に提供する際のフレキシビリティが増大する。更に、バイパス導管70および逃し弁72を使用することにより、追加の噴霧適用ユニット12をオンラインまたはオフラインにする際、オンラインの噴霧適用ユニット12の数の如何に関係なく、希釈組成物を噴霧器68に一定の圧力で容易に供給し続けることができる。
【0029】
リサイクルユニット14が希釈抗菌溶液を抗菌適用ユニット12に供給し始めると、処理対象の製品20(例えば生の鶏肉)がコンベヤー16によってハウジング18内を運ばれ、希釈抗菌溶液が噴霧等により製品20に適用される。希釈抗菌溶液のうち製品20に付着しない部分はドレンに集められ、戻りライン44およびフィルタ46を通して、再使用のためにリサイクルタンク42に戻される。受皿22の長さは、製品20がハウジング18を出た後約1分間、ハウジング18を離れる製品20からしたたり落ちるしずくが受け止められるように、選択される。その結果、希釈抗菌溶液の回収が向上し、下流側の損失が減少する。好ましくはないが、水噴霧カーテン等の液体バリヤーをハウジング18内に使用してもよい。又、製品20は上流側の洗浄により湿っている場合があるので、追加の水がリサイクルタンク42に入り、希釈溶液中の抗菌剤の濃度を低下させる場合がある。
【0030】
希釈組成物の濃縮スパイクを避けるのが望ましい。噴霧器68を出てセンサー98用の分流ライン74を通過する希釈組成物の場合は特にそうである。従って、リサイクルユニット14と抗菌適用ユニット12の間でリサイクルされる希釈組成物の混合を十分確実に行うための手段が講じられる。濃縮供給ライン36が濃縮抗菌溶液をリサイクルタンク42に直接導くのではなくハウジング18に導く理由の1つが、これである。濃縮組成物が噴霧器68およびバイパスライン70からの希釈組成物と混合し、戻りライン44、フィルタ46、リサイクルタンク42、フィルタ48または50およびシステムポンプ52を通過する頃までには、その結果得られる液体は十分に混合され、比較的一様な組成を有する。
【0031】
分光光度計等の好ましいセンサー98が、組成物中の成分の極めて低い濃度を測定するのに通常使用される。従って、比較的一様な組成物を有する液体だけでなく、測定対象の抗菌剤または成分が極めて低い濃度を有する液体を提供することも重要である。リサイクルタンク42で通常見られる濃度範囲において、正確で信頼の置ける抗菌剤の示数を得るのは実際的ではない、または可能ではない場合が頻繁に生じる。濃度示数を得る前に組成物を希釈すれば、抗菌剤の濃度を監視するためのセンサー98を選択する際にフレキシビリティが増大するであろう。従って、リサイクルタンク42を出る組成物の試料を得て、それを更に希釈し、抗菌剤がセンサー98によって容易にしかも正確に測定される濃度範囲内で存在する、更に希釈された組成物を得る。希釈ポンプ78および88の希釈度は、望ましい希釈度(例えば上記の範囲内)を提供するように選択される。ポンプ78および88には、試料を所定の間隔で所定の継続時間得るようにタイマーを設定する。濃度は、様々な異なる間隔で様々な異なる継続時間監視してもよいし、あるいは連続的に監視してもよいことは理解されている。電気的に相互連結されたポンプ78および88は、希釈組成物を更に希釈するため、希釈組成物および水を望ましい一定の比率で提供する。電気的に相互連結されたポンプを望ましい一定の希釈度で使用することにより、システム10の操作に必要な制御が簡略化される。ポンプは相互連結する必要はないこと、希釈度は一定である必要はないこと、並びに望ましい希釈度を選択、制御および調節するのに様々な異なる方法が使用できることは、勿論理解されている。
【0032】
希釈組成物および水は合わされてスタティックミキサー96を通過するので、液体が分光光度計98を通過する際に濃縮スパイクが生じるリスクが更に減少する。分光光度計98は、通過する液体中の抗菌剤の濃度を感知する。センサー98はコントローラー40に動作可能に接続されている。従って、抗菌剤の濃度が望ましいレベル以下に落ちたことをセンサー98が検出した場合には、コントローラー40は薬液注入ポンプ38をアクティブ化し、濃縮抗菌溶液を更にハウジング18に追加し、希釈抗菌溶液中の抗菌剤の濃度を望ましいレベルにまで戻す。飲料水も同じやり方で制御できるようにシステム10を構成してもよいが、補給水を追加する必要性が生じる可能性はほとんどないであろう。
【0033】
センサー98を通過する非常に希釈された液体をリサイクルタンク42に導くのは望ましいことではないので、該液体は捕捉タンク62に導かれる。捕捉タンク62のサイホン102により、液体は望ましいレベルに達するまで捕捉タンク42内に集められる。捕捉タンク42内の液体が望ましいレベルに達すると、サイホン102は捕捉タンク62を空にし、液体を導管104を通して、抗菌分離ユニット106の使い捨て炭素フィルタ108まで通過させる。使い捨てフィルタ108は抗菌剤を捕捉し、該抗菌剤を溶液から選択的に除去する。サイホン102の使用は、液体が捕捉タンク62から炭素フィルタ108上に連続的にしたたり落ちる場合に生じる可能性のあるチャネリング問題を減少または排除する。
【0034】
噴霧サイクルの終わり、例えば、シフトの終わり、1日の終わり、または他の選択された継続時間の終わりに、弁56を作動して、リサイクルタンク42から受け取った希釈抗菌溶液を捕捉ポンプ64に分流する。捕捉ポンプ64はリサイクルタンク42を空にし、希釈抗菌溶液を捕捉タンク62まで通過させる。液体が捕捉タンク62で望ましいレベルに達すると、サイホン102が、液体を導管104を通して、抗菌分離ユニット106の使い捨て炭素フィルタ108まで通過させる。使い捨てフィルタ108は抗菌剤を捕捉し、該抗菌剤を溶液から選択的に除去する。抗菌剤を含侵した使い捨てフィルタ108は、使用し尽くされた後、焼却や承認された埋立地への廃棄等の適切な方法で処分される。抗菌剤を比較的余り含まない残りの液体は、工場の廃水システムへの廃棄等の適切な方法で処分される。システム10をパージする必要のある頻度は、数多くの要因、例えば、抗菌適用ユニット12によって処理される製品20の数、噴霧サイクルの始めにシステム10を充満させるのに必要な希釈抗菌溶液の量等に依存する。システム10は、通常、定期的にパージされる。
【0035】
抗菌適用システム10の代替実施形態が
図3に開示される。代替実施形態の抗菌適用システム10も、一般的に、抗菌適用ユニット112およびリサイクルユニット114を有し、捕捉ユニット115を通常含んでもよい。
【0036】
抗菌適用ユニット112は様々な構成を取り得る。例えば、抗菌適用ユニット112は、米国特許出願第10/001,896号に開示されているスプレー適用システムの実施形態の1つの一般形態を取る。好ましい実施形態では、噴霧封じ込めバリヤーは使用されない。生の鶏肉等の製品120をハウジング118を通して移動させるため、コンベヤー116が該ハウジング118を通過する。以下に更に詳細に記載されるように、受皿またはパン122が、ハウジング118の下流側に延び、コンベヤー116およびそれによって運ばれる製品120の下に配置されている。スプレー適用システムは米国特許第6,742,720号で詳細に論じられているので、本明細書では詳細には考察しない。抗菌適用ユニット112は斯かる実施形態またはスプレー適用システム一般に限定されるものでないことは、勿論理解されている。抗菌適用ユニット112は、様々な異なる従来の方法で、様々な異なるタイプの製品120に、抗菌剤を適用してもよい。斯かる適用ユニット112に使用される適用方法には、限定されないが、噴霧、ミスチング、フォギング、浸漬、注入、滴下およびそれらの組み合わせが含まれる。システム10は、様々な異なる製品120、例えば、限定されないが、肉、鶏肉、魚、果物、野菜、他の食料品、動物、食品包装、食品または食品加工関連の種目および表面等の処理に使用されることは理解されている。製品120は、生体、死体、生、調理済食品、出来合いの食品、加工食品、部分加工食品、またはインスタント食品であることも理解されている。更に、システム10は、食品または食品加工種目とは全く関係ない製品120の処理に使用し得ることも理解されている。
【0037】
リサイクルユニット114は、希釈抗菌組成物を得るために濃縮抗菌組成物を希釈し、その希釈抗菌組成物を抗菌適用ユニット112に提供する。リサイクルタンク124が提供されている。リサイクルタンク124はインペラまたは他の撹拌または振動手段を含んでもよい。水道水等の飲料水の水源126が、水供給ライン128を通してリサイクルタンク124に接続されている。同様に、供給タンク130等の抗菌剤源が、抗菌剤供給ライン132を通してリサイクルタンク124に接続されている。抗菌剤は、好ましくは四級アンモニア化合物を有し、より好ましくは塩化アルキルピリジニウムを有し、最も好ましくは塩化セチルピリジニウムを有す。具体的には、濃縮抗菌組成物は、Compadre等が2000年1月31日に出願した米国特許出願第09/494,374号に記載の四級アンモニア化合物の濃縮組成物を含むのが好ましい。米国特許出願第09/494,374号(Compadre等)は参照により本明細書に援用される。当該濃縮組成物は抗菌剤と溶解促進剤を含むのが好ましく、溶解促進剤はプロピレングリコールを含むのが好ましい。四級アンモニア化合物は当該濃縮組成物に約40重量%で存在するのが好ましく、溶解促進剤は当該濃縮液に約60重量%で存在するのが好ましい。様々な異なる抗菌剤および溶解促進剤が使用できることは勿論理解されており、当該濃縮および希釈組成物は、限定されないが、米国特許出願第09/494,374号(Compadre等)に開示されている濃縮および希釈組成物の成分および組成を含め、様々な異なる成分および組成を有し得る。品質低下、汚染および二次汚染の心配は、好ましい抗菌組成物の広範な効果の故に排除される、あるいは軽減される。
【0038】
薬液注入ポンプ134が抗菌供給ライン132に配置されている。センサー136がライン138および140を通してリサイクルタンク124に接続されている。好ましい実施形態では、センサーは紫外線分光光度計または紫外域用分光センサーである。様々な異なるセンサーおよび様々な異なる光センサーが使用できることは勿論理解されている。例えば、光センサーは、限定されないが、紫外線、可視光、赤外線およびそれらの組み合わせを含む様々な異なる範囲の波長を有する光を使用し得る。限定されないが、赤外線センサー、可視光センサー、紫外線センサーを含む様々な異なる種類のセンサー136が使用できることは、勿論理解されている。センサー136は、リサイクルタンク124の組成物中の抗菌剤の濃度を検出できる。コントローラー142がセンサー136を薬液注入ポンプ134に動作可能に接続する。コントローラー142は信号をセンサー136から受け取り、対応するオン/オフ信号を薬液注入ポンプ134に送信できる。供給ライン144がリサイクルタンク124を出て、システムポンプ146、それから弁148を通過し、抗菌適用ユニット112に接続されている。複数の供給ラインを用いて、あるいは望ましい場合には供給ライン144を分岐または分割させることにより、リサイクルタンク124を複数の抗菌適用ユニットに接続してもよい。弁148は3方向弁であるのが好ましい。戻りライン150が抗菌適用ユニット112を出て、フィルタ152を通過し、リサイクルタンク124に接続されている。複数の戻りラインを用いて、複数の抗菌適用ユニットをリサイクルタンク124に接続してもよい。フィルタ152は、抗菌適用ユニット112から送られる流出物中の可視の微粒子を捕捉するサイズのワイヤメッシュフィルタであるのが好ましい。流出物中の可視の微粒子は、製品120に通常行われる上流側洗浄の故に、通常極めて僅かである。捕捉ライン154が弁148から捕捉タンク156に通じている。ドレンライン158が捕捉タンク156から抗菌分離ユニット160に通じている。抗菌分離ユニット160は、抗菌剤を水から分離する目的で選択される1若しくはそれ以上の使い捨てフィルタを有しているのが好ましい。廃棄ライン162は、抗菌剤を除去した後の水を処分するため、抗菌分離ユニット160を離れる。中央コントロールユニット164がシステム10全体を制御するのに使用されるが、該ユニットは中央コントロールユニット32と同様であってもよい。
【0039】
操作において、希釈された抗菌溶液が調製され、それが通常1日継続する1回の噴霧サイクルに使用される。次に、希釈抗菌溶液は更なる処理のため、システム10から破棄、処分または除去される。従って、通常毎朝始まる各噴霧サイクルは、リサイクルタンク124を空および清浄にし、捕捉タンク156を空および清浄にすることから始まる。抗菌適用ユニット112がアクティブ化される前、そしてシステムポンプ146がオンにされる前に、希釈抗菌溶液が調製される。その点に関して言えば、望ましい量の水道水がリサイクルタンク124に供給される。リサイクルタンク124は、容量の約3分の1から約半分まで飲料水で満たされるのが好ましい。リサイクルタンク124からの液体がセンサー136を通過するように、中央コントロールユニット164がセンサー136をアクティブ化する。センサー136は抗菌剤の不在(260nmで吸収がない)をまず検出するので、コントローラー142は薬液注入ポンプ134をアクティブ化し、計測しながら、濃縮抗菌組成物をリサイクルタンク124に供給し始める。リサイクルタンク124の希釈組成物中の抗菌剤の濃度が望ましいレベルに達すると、センサー136、従って次にコントローラー142が薬液注入ポンプ134をオフにする。希釈組成物中の抗菌剤の濃度の望ましい範囲は、限定されないが、米国特許出願第09/494,374号(Compadre等)に開示されている希釈組成物中の抗菌剤の濃度範囲を含む。リサイクルタンク124で望ましい濃度が得られたら、システムポンプ146がアクティブ化され、希釈組成物が抗菌適用ユニット112に供給される。抗菌適用ユニット112に供給された希釈組成物は飲用に適していない。しかし、使用される希釈抗菌組成物は安全で広範な効果を有しているので、製品120の汚染または二次汚染は問題にはならない。リサイクルユニット114は、様々な異なる流量および圧力で希釈抗菌組成物を抗菌適用ユニット112に供給する。流量および圧力は、限定されないが、米国特許第6,742,720号で考察されている流量および圧力を含んでもよい。
【0040】
リサイクルユニット114が希釈抗菌組成物を抗菌適用ユニット112に供給し始めると、処理対象の製品120(例えば生の鶏肉)がコンベヤー116によってハウジング118内を運ばれ、希釈抗菌組成物が噴霧等により製品120に適用される。希釈抗菌組成物のうち製品120に付着しない部分はドレンに集められ、戻りライン150およびフィルタ152を通して、再使用のためにリサイクルタンクに戻される。受皿122の長さは、製品120がハウジング118を出た後約1分間、ハウジング118を離れる製品120からしたたり落ちるしずくが受け止められるように、選択される。その結果、希釈抗菌組成物の回収が向上し、下流側の損失が減少する。水噴霧カーテンを適用チャンバ内に使用してもよい。又、製品120は上流側の洗浄により湿っている場合があるので、追加の水が通常リサイクルタンク124に入る。
【0041】
センサー136は、リサイクルタンクの組成物中の抗菌剤の濃度を連続して監視する。濃度が望ましいレベル以下に落ちると、センサー136は薬液注入ポンプ134をアクティブ化し、濃縮抗菌組成物を更に追加し、希釈抗菌組成物中の抗菌剤の濃度を望ましいレベルにまで戻す。水道水も同じやり方で制御できるようにシステム10を構成してもよいが、補給水を追加する必要性が生じる可能性はほとんどないであろう。従って、希釈抗菌組成物は、処理対象の、任意の数のユニットの製品120を処理するのに繰り返し使用される。
【0042】
噴霧サイクルの終わり、例えば、シフトの終わり、1日の終わり、または他の選択された継続時間の終わりに、弁148を作動して、システムポンプ146から受け取った希釈抗菌組成物を捕捉ライン154を通してパージタンク156に分流する。パージタンク156の液体は、抗菌分離ユニット160の使い捨てフィルタへ重力供給される。使い捨てフィルタは抗菌剤を捕捉し、該抗菌剤を組成物から分離する。次に、抗菌剤を含侵したフィルタは、焼却や承認された埋立地への廃棄等の適切な方法で処分される。抗菌剤を比較的余り含まない残りの液体は、工場の廃水システムへの廃棄等の適切な方法で処分される。システム10をパージする必要のある頻度は、数多くの要因、例えば、抗菌適用ユニット112によって処理される製品120の数、噴霧サイクルの始めにシステム10を充満させるのに必要な希釈抗菌組成物の量等に依存する。システム10は定期的にパージされるであろう。
【0043】
図4は、上流側フィルタ225および下流側フィルタ227を含む捕捉ユニット215の別の実施形態を概略的に図示するものである。捕捉ユニット215は、上述のような
図1~3の実施形態と一緒に使用するように構成してもよいし、希釈抗菌溶液の抗菌成分の全てまたは一部を捕捉するように構成してもよい。例えば、シフトの終わり、1日の終わり、または他の選択された継続時間の終わり等の噴霧サイクルの終わりに、システム10から希釈抗菌溶液をパージしてもよい。パージには、ポンプ操作と弁操作を調整することにより希釈抗菌溶液を捕捉ユニット215に向けさせる捕捉シーケンスの開始または捕捉モードへの移行を含めてもよい。中央コントロールユニット32、164は、1若しくはそれ以上のシステム弁を順番にまたは同時にアクティブ化または非アクティブ化するようにプログラムされていてもよいし、パージ信号に応答して弁または弁装置を操作するようにプログラムされていてもよい。パージ信号はユーザーが送信してもよいし、例えば、プログラムされたトリガー条件に関連して送信されてもよい。斯かるトリガー条件は、希釈抗菌溶液の状態、システム中の1若しくはそれ以上のユニットの操作状態、所定のイベント(例えば、処理された製品数または一定の継続時間)の発生、および/または他の様々な可能性のあるトリガー条件あるいはイベントに関連付けられていてもよい。中央コントロールユニット32、164は、システムのパージまたは入れ替えに加えて、希釈抗菌溶液を捕捉ユニット215に送り、他のシステム操作の一部としての処理および廃棄を調整してもよく、その中には、例えば濃度測定を行うのに使用された希釈試料を廃棄するトリガーイベント、リサイクルユニット14、114からシステム10全体を循環している希釈抗菌溶液の量を調整するトリガーイベント、低レベルの汚染に対処するためにシステム流体を部分的に入れ替えるトリガーイベント、または他の望ましいトリガーイベントに対するプログラムされた応答も含まれる。
【0044】
1つの構成では、システム10のパージ中、中央コントロールユニット32、164は、流出物223を廃棄する目的で希釈抗菌溶液を1若しくはそれ以上の捕捉ライン221(捕捉ライン60、100、更に排出ライン100等)に流すため、1若しくはそれ以上のシステム弁(弁56、52、80または90)の開閉および1若しくはそれ以上のシステムポンプ(捕捉ポンプ64または供給ポンプ52)のオン/オフを調整してもよい。例えば、希釈抗菌溶液は、リサイクルタンク42、124、適用ユニット12、スタティックミキサー96等から放出または回収し、捕捉ライン60、100、221を通過させて捕捉ユニット(処理および廃棄対象の流出物223を受け取るための捕捉ライン221に連結されていてもよい)215へ送ってもよい。捕捉ユニット215は、流出物223を処理し、それにより流出物223の成分を捕捉または分離し、安全にしかも高い費用効果でそれを廃水として処理するのに適したものとするように構成されていてもよい。流出物223の成分には、限定されないが、種々の濃度の抗菌成分、水等の希釈成分が含まれてもよいし、有機または無機の粒子または副産物を含めて、汚染物、可視の微粒子、破砕物等が含まれてもよい(本明細書では、これら全てを総称して固体成分と呼ぶ)。
【0045】
捕捉ユニット215は、流出物223の1若しくはそれ以上の成分と選択的に相互作用するように、またはそれらと関連付けられるように構成された種々の上流側および下流側フィルタ225、227を含んでもよい。種々の実施形態において、フィルタ225、227は、流出物223またはその成分の1若しくはそれ以上の特性を利用して、望ましいレベルの分離を達成するように構成されていてもよい。例えば、フィルタ225、227は、サイズ、電荷、粘度、粘稠度、分子構造、分子相互作用、残渣、作用、結合、拡散、または斯かる成分の濾過に適した他の任意の特性または特徴に基づいて、流出物223の成分を濾過するように構成されてもよい。フィルタ225、227は、1若しくはそれ以上の成分を分離するのに適した種々のフィルタ層、メッシュ、スクリーン、選択的透過膜、充填カラム、流動床、1若しくはそれ以上の静止層または移動相、吸着媒体等を含んでもよい。例えば、少なくとも1つの実施形態では、上流側フィルタ225は、流出物から固体成分231を分離するように構成されたスクリーンフィルタ225aを用いる固体分離ユニット229を含む。
【0046】
種々の実施形態において、上流側フィルタ225によって放出された上流側濾液235は、下流側捕捉ライン237aを通って捕捉タンク216に送ってもよい。上流側濾液235は上述のように捕捉タンク216に留まってもよいし、それを通過し下流側捕捉ライン237bまで直接送られてもよい。下流側フィルタ227への上流側濾液の通過を制御または監視するのは、
図1に関連して上述したように、サイホン102を用いて達成してもよい。同様に、上流側濾液235を捕捉タンク216から
下流側捕捉ライン237bへ通過させるのに、ドレンまたは弁を用いてもよい。少なくとも1つの実施形態では、上流側流出物濾液235を下流側フィルタ227へ移送するため、ポンプを
下流側捕捉ライン237a、237bに流体的に連結してもよい。
【0047】
下流側フィルタ227は、フィルタ材243を充填したカラム、バレルまたはドラム等の少なくとも2つの一連のフィルタ227a、227bを用いる抗菌分離ユニット241を含んでもよい。1つの斯かる実施形態において、下流側フィルタ227は、活性炭素を含むフィルタ材243を保持するように構成された少なくとも2つの炭素フィルタユニット227a、227bを含む抗菌炭素濾過システムを有している。フィルタ材243は、抗菌成分245または望ましくない汚染物等の種々の成分を流出物223から吸着するように構成されてもよい。結果的に得られる下流側流出物濾液249を通過させ廃棄するため、廃棄ライン247が下流側フィルタ227に連結されていてもよい。少なくとも1つの実施形態において、捕捉ユニット215は、下流側流出物濾液249が廃水排出物として表面水または地方自治体の下水処理場に放出されるのに適したものとなるような形で、流出物223を濾過するように構成されてもよい。
【0048】
図5~11は捕捉ユニット215の種々の構成および特徴を図示したものである。
図5に示されるように、捕捉ユニット215は、捕捉のために捕捉ユニット215に送られる流出物223を受け取るように構成されている。捕捉ユニット215は、固体分離ユニット229および抗菌分離ユニット241を通して流出物223を処理するように構成されている。固体分離ユニット229は上流側フィルタ225を含んでもよく、抗菌分離ユニット241は下流側フィルタ227を含んでもよい。上流側フィルタ225と下流側フィルタ227のうちの1つまたは両方が、直列または並列に整列した複数のフィルタを含んでもよい。上流側フィルタ225は、例えば下流側フィルタ227による流出物223の更なる運搬または濾過を妨げる可能性のある固体成分231を流出物223から濾別または分離するように構成されている。固体成分231には、適用過程中に希釈抗菌溶液に侵入する有機または無機の物質が含まれる。
【0049】
種々の実施形態において、固体成分231には、大型粒子、固体、液体に関連した固体、粘性の高い液体、脂肪、ゼラチン状物質、破砕物、または
図5の断面図に示されるサイズ制限スクリーンフィルタ225aを通る通路を経て流出物から濾別される他の物質が含まれる。特に、上流側フィルタ225によって流出物223から分離された固体成分231は上流側フィルタ225上に同様に蓄積するので、上流側フィルタ225を詰まらせ、流出物223の更なる運搬を制限する。従って、上流側フィルタ225は、固体成分231を分離し、しかも濾別された固体成分231が流出物の流体通路(スクリーンフィルタ225aを詰まらせ、流出物223の更なる運搬を制限する場所)内に蓄積するのを妨げるように構成してもよい。例えば、種々の実施形態において、上流側フィルタ225は流出物の流れ方向に対してある角度をなして配置されてもよいし、流出物223から濾別された固体成分231を捕捉するように構成された一連のトラップを含んでもよい。上流側フィルタ225は、フィルタ225aによって分離された固体成分231が上流側フィルタ225を通過する流出物223の流れを遮断するのを妨げるように、流路に対して移動可能であってもよい。例えば、フィルタ225aは、保持された固体成分231が可動性の部分と共に移されまたは回転されて流路から外れ、スクリーンフィルタ225aの別の部分は回転されて流路内に入り流出物223を濾過するような、流体通路に対して滑動または回転する可動性の部分を含んでもよい。
【0050】
スクリーンフィルタ225aは本体部253を含んでもよく、その場合、本体部は該本体部の端部257間に配置されたフィルタ部分255を含む。本体部253は、回転軸R(フィルタ部分255は、矢印273が示すように、その周りに回転するように構成されている)に沿って延びる空洞部261を画成する環状壁259を含んでもよい。種々の実施形態において、フィルタ部分255は、複数の穴またはメッシュ263を形成するようにパターン化されたまたは交差して置かれた材料のストリップで構築してもよい。本体部253は、環状壁259の内側面265と外側面267の間のメッシュ263の穴を画成するように穿孔が形成されたチューブまたはドラムで構築してもよい。スクリーンフィルタ265は、腐食に抵抗力のある材料、例えば防食剤、ステンレス、合成繊維、ポリマー、プラスチック、セラミック等でコーティングするのが好ましい、または斯かる材料で形成されるのが好ましい。メッシュ263の穴は、最小のサイズまたは断面を有する固体成分の通過を妨げ、残りの流出物223の通過を可能にするような寸法であってよい。1つの好ましい実施形態では、メッシュ263の穴は約0.0625インチの断面を画成する大きさであるが、メッシュ263は、例えば固体成分の量、サイズまたは保持特性、流出物の流量または量、フィルタ部分の回転速度または面積等を斟酌して、それよりも小さい穴または大きい穴を含んでもよいし、穴の数もそれよりも少なくてもよいし、または追加の穴を有してもよい。少なくとも1つの実施形態において、フィルタ部分255のメッシュ263は異なる大きさの断面を有する穴を含む。
【0051】
上流側捕捉ライン221は、流出物223を空洞部261に送り出す位置にあるスクリーンフィルタ225aの端部257に隣接した出口269を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、捕捉ライン221は部分的に空洞部261内に延びており、出口は、環状壁259の内側面265に沿って延びた送り出し領域271の方に向いている、または該領域に流出物223を送り出す位置にある竪樋を有してもよい。送り出し領域271は、それに沿って配置され空洞部261の外周を画成するバンド275を含んでもよい。バンドはフィルタ部分255と同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。バンド275は、空洞部261に対して固いまたは連続した内側面277を有していてもよい。内側面277は、固体成分231の蓄積を妨げるため、あるいは送り出し領域271からフィルタ部分255への流出物223の流れを妨害しないように、滑らかであってもよい。例えば、内側面277は研磨された金属面を有していてもよい。少なくとも1つの実施形態において、バンド275の内側面277は溝または突起を含む構造であってもよい。溝は、流出物231の流体通路をフィルタ部分またはブレークアップした固体成分231の方に向けるように配向されていてもよい。1つの実施形態では、内側面277は、固体成分231が蓄積しないようにするため、ノンスティックの素材で処理またはコーティングしてもよい。いくつかの実施形態では、バンド275の内側面277に画成される穴がなければ、流出物223が空洞部261そして内側面277に送り出されるのを可能にし、しかも随伴する固体成分231がフィルタ部分255に送られそこに留まるのも回避できる。
図5および6に示されるように、スクリーンフィルタ225aは、本体部253の両端257に配置されるバンド275を含んでもよい。しかし、少なくとも1つの実施形態では、スクリーンフィルタ225aは1つのバンド275しか含まない。
【0052】
図5および6に示されるスクリーンフィルタの実施形態は、内側面265並びに該内側面265のうちバンド部分255の内側面277を含む部分(水平面に沿って実質的に平行に配置されている)を含む。送り出しの際、流出物223はフィルタ部分255へ移行できる方向に空洞部内で向けられてもよい(例えばフィルタ部分255との近接性または十分な運動量による)。更なる実施形態では、流出物233がフィルタ部分255へ移行せずに空洞部を出ることがないように、リップ部またはリッジが送り出し領域に隣接した本体部257の端部に配置されていてもよい。しかし、少なくとも1つの実施形態では、流出物233がバンド275の内側面277そしてスクリーンフィルタ225aのフィルタ部分255に向けられるように、バンド275の内側面277を水平面に対して上げ角度で配置されていてもよい。上げ角度は、出口269からの放出における流出物233の流れの方向に対抗する位置に内側面277を配置し、流出物233をフィルタ部分255の方に向けなおすことになる、あるいは流出物233の流れの一般的な方向をフィルタ部分255の方に補い向けさせることになる。本実施形態および他の実施形態において、スクリーンフィルタ225aの本体部253は、端部257が反対側の端部257よりも高い位置になるように、水平面に対してある角度で配置されてもよい。本体部253の角度は、更に、フィルタ部分265に沿って延びる内側面265をある角度に配置することになる。従って、上流側捕捉ライン221の出口269は、バンド275の最端部で、流出物223を内側面277に放出するように配置されることになる。本実施形態および他の実施形態において、出口269は、流出物を垂直に、平行に、あるいはその間の他の角度で、空洞部内またはバンド275の内側面277に向けさせるような角度に配置されてもよい。
【0053】
上述した如く、スクリーンフィルタ225aのフィルタ部分255は、一般的に矢印273で特定される回転軸Rの周りに回転するように構成してもよい。少なくとも1つの実施形態では、バンド275を含むスクリーンフィルタ225aの本体部253も、フィルタ部分255と一緒に回転するように構成してもよい。回転は、スクリーンフィルタ225aのフィルタ部分255を回転するように構成可能な適切なメカニズム、例えばギア、滑車、モーター等で駆動してもよい。図示されているように、フィルタ部分255は回転部材279で駆動してもよく、該部材は、スクリーンフィルタ225aの係合面283と動作可能に係合し回転をフィルタ部分255または本体部253の追加部分に伝えるように配置されたギア等の係合面281を含んでもよい。
【0054】
少なくとも1つの実施形態において、
図5のスクリーンフィルタ225aの断面によって最も鮮明に示されているように、スクリーンフィルタ225aは、流出物223を空洞部261内を通過させるように構成された螺旋部285を含む。例えば、螺旋部285は、環状壁259の内側面265(バンド275の内側面277等)に沿ってフィルタ部分255の方向に流出物223の液体部分を押し出すように構成されてもよい。螺旋部285は、固体成分231を環状壁259に沿って空洞部261を通して通過させ、固体トラップ284の方向に押し出すように構成してもよい。固体トラップ284は、例えば、固体成分231が放出され廃棄される本体部253の端部257に配置されてもよい。螺旋部285は、環状壁259から回転軸Rの方向に延出したねじ山形状部287を含んでもよい。ねじ山形状部287は、空洞部261内の本体部253の両端部257間で環状壁259を包み込み、その中に螺旋を形成する。ねじ山形状部287は、空洞部261の端部257(固体成分231は廃棄のため該端部を通過する)に分離した固体成分231を向けさせるフィルタ部分255の回転を補うような方向に配向されていてもよい。例えば、ねじ山形状部287は、送り出し領域265の回転方向および位置によって誘導され、固体成分231を本体部253の端部257の方向へ押し出すため、あるいは該端部から離れる方向に押し出すため、内側面265を本体部253の端部257に対して時計回りまたは反時計回りに包み込んでいる。
【0055】
種々の実施形態において、
図6に最も鮮明にしめされているように、スクリーンフィルタ225aは洗浄ユニット289を含んでもよい、あるいは該ユニットを実施するように構成されていてもよい。1つの形態では、洗浄ユニット
289は、スクリーンフィルタ225aの1若しくはそれ以上の部分の洗浄、例えば、固体成分231を環状壁259またはフィルタ部分255から除去、固体成分231の空洞部216内通過を促進する追加潤滑の提供、環状壁259またはフィルタ部分255への固体成分231の蓄積の防止等に使用してもよい
。洗浄ユニット289は空洞部261内に配置されてもよいし、空洞部外に配置されてもよい。種々の実施形態において、
洗浄ユニット289は、スクリーンフィルタ225aをこすり取るのに種々のメカニズムを利用してもよい。例えば、
洗浄ユニット289は、環状壁259または本体部253の内側面または外側面265、267に接触するように構成された1若しくはそれ以上の拡張部分、例えば剛毛、硬質フラップ、エラストマーフラップ等を含んでもよい。図示された実施形態では、
洗浄ユニット289は、スクリーンフィルタ225aを洗浄するため、例えばフィルタ部分255からの固体成分の除去、螺旋部285の作用により空洞部261の下部に沿って移動する固体成分231の動きの促進等を行うため、流体を環状壁229に向けるように構成された1若しくはそれ以上の流体口295を有するスプレーバー293を含む。少なくとも1つの実施形態では、スプレーバー293は、例えばフィルタ部分255またはバンド275に沿って流体を環状壁259の内側面265に向けるように、空洞部261内に配置される。いくつかの実施形態では、複数のスプレーバー293または流体口295が本体部253の周りに配置されてもよいし、あるいは空洞部261内および外側面267に沿って配置されてもよい。流体口295は、洗浄流体の分散度を方向的に向上させるまたは調整するように構成されたノズル297を含んでもよい。いくつかの実施形態では、流体口295は静止位置に置かれていてもよい。
流体口295から向けられる洗浄流体の量または圧力の調整は、ポンプ、制限要素、妨害要素、弁等を用いて行われてもよい。例えば、1つの実施形態では、オリフィス板をスプレーバー293に配置してもよい。オリフィス板は、例えば、単一の流体口または複数の流体口295の流れを調整するように配置されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、流体口295は、例えば所定のパターンまたはプログラムされたパターンで、あるいは選択的に、中央コントロールユニット32、164を通して移動可能であってもよく、それには、流体の洗浄作用を必要としている場所を感知し、斯かるデータを自動方向付けのために中央コントロールユニット32、164に送るように構成されたセンサーも含まれる。本実施形態または他の実施形態では、流体口295は、中央コントロールユニット32、164に組み込まれたユーザー遠隔制御システムが提供する遠隔制御により、手動で方向付けられてもよい。
【0056】
1つの実施形態では、上流側フィルタ225は、新規または既存の適用システム10の捕捉ユニット(捕捉ユニット15、115等)の増強のため、モジュール式ユニットまたはパレットとして構成し、それにより流出物から望ましいサイズの固体成分231を濾別するようにしてもよい。従って、上流側フィルタ225は、新規または既存の適用システム10に連結するように構成された種々の管継手または取り付け点を含んでもよい。
【0057】
捕捉ユニット215は捕捉タンク216を更に含んでもよい。捕捉タンク216は上流側フィルタおよび下流側フィルタ225、227の間の下流側捕捉ライン237に沿って配置されてもよく、流出物223を保持するためのタンク218を含んでもよい。捕捉タンク216は、上流側流出物濾液235を上流側フィルタ225から受け取るための入口220を含んでもよい。一般的に
図5および6に示されるように、上流側フィルタ225は、該上流側フィルタ225から上流側流出物濾液235を直接受け取るように配置されている捕捉タンク216の入口220に向けられている。例えば、入口220またはタンク218はフィルタ部分255の下流側に近接して配置してある。いくつかの実施形態では、追加の捕捉タンク216を含んでもよい。例えば、スクリーンフィルタ225aは、フィルタ部分255を通過した(そしてその後下流側捕捉ライン237(これも追加の捕捉タンク216を含んでもよい)に至る)上流側流出物濾液235を捕捉するように配置された捕捉タンク216を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、
図4に示されているように、捕捉タンク216は、下流側捕捉ライン237aの第一の部分と下流側捕捉ライン237bの第二の部分の間に配置されている。
【0058】
捕捉タンク216は、流出物223が下流側フィルタ227に至るための出口222も含んでよい。出口222は下流側捕捉ライン237に連結されていてもよく、該出口を開き流出物223が捕捉タンク216から下流側捕捉ライン237を通って下流側フィルタ227に至るのを可能にするように構成されたドレンまたは弁を含む。例えば、弁は、時間、タンク218中の上流側流出物濾液235の容積、下流側フィルタ227の容量等に基づいて、手動で作動するように構成されていてもよいし、自動的に作動するように構成されていてもよい。自動的作動は中央コントロールユニット32、164が提供する信号に応答して行われてもよいし、あるいは弁が、システムの状態(例えば上流側または下流側の圧力)に基づいて作動するように機械的に構成されていてもよい。
【0059】
出口223から下流側フィルタ227への流出物223の移動は、例えば、重力または下流側捕捉ライン237に配置されたまたはそれと動作可能に連結されているポンプによって加速させてもよい。種々の実施形態において、捕捉タンク216は
図1との関連で記載したサイホンを含んでもよい。例えば、サイホンは下流側捕捉ライン237と流体的に連結されていてもよい。サイホンは、上流側流出物濾液235が、望ましいレベルに達するまで捕捉タンク216内に留まるように構成されてもよく、その後、所定量の上流側流出物濾液を捕捉タンク216から移動または放出させ、流出物223を下流側捕捉ライン237を通して下流側フィルタ227まで移動させる。サイホン、あるいは流出物223の連続的通過またはしたたりを回避するように構成された他のメカニズム、例えば、種々の時間間隔で作動するように構成された弁、または中央コントロールユニット32、164からの作動信号を受信することにより作動するように構成された弁、あるいは捕捉タンク216内の流出物のレベルを監視するように構成されたセンサーを取り入れることにより、捕捉ユニット215は、下流側フィルタ227との関連で、チャネリング問題の発生を減少または排除し得る。しかし、少なくとも1つの実施形態において、捕捉ユニット215は、サイホンまたは流出物223の連続通過を回避するように構成された他のメカニズムを取り入れない。斯かる実施形態の1つにおいて、捕捉ユニット215は捕捉タンク216を含まず、むしろ下流側捕捉ライン237は、捕捉ユニット215へ送られた流出物223を連続処理するため、上流側流出物濾液235をスクリーンフィルタ225aから集め、該上流側流出物濾液235を直接下流側フィルタ227へ送るように配置されている。従って、捕捉ユニット215は、流出物223の連続捕捉および廃棄を行うように構成してもよい。
【0060】
下流側フィルタ227は、上述の如くそして
図4~
図6に一般的に示されるように、抗菌分離ユニット241を含んでもよい。抗菌分離ユニット241は、
図1に関連して上述したように、流出物223から抗菌成分228を選択的に除去するため、使い捨て炭素フィルタ108等の1若しくはそれ以上のフィルタユニット227a、227bを含んでもよく、その場合、抗菌剤は四級アンモニア化合物、塩化アルキルピリジニウムまたは塩化セチルピリジニウムであるのが好ましい。
中間フィルタライン239がフィルタユニット227a、227b間に連結され、中間下流側流出物濾液249をフィルタユニット227aからフィルタユニット227bへ移送する。上述の如く、フィルタユニット227a、227bは、適切なフィルタ戦略および設計を用いて抗菌成分245を流出物から適切に分離するため、流出物223またはその成分の1若しくはそれ以上の特性を利用するように構成してもよい。図示された実施形態においては、下流側フィルタ227の分離ユニット241のフィルタユニット227a、227bは、直列に整列した少なくとも2つのフィルタユニットを含む。各フィルタユニット227a、227bは、活性化炭素等のフィルタ材を収納するための容器242を含んでおり、上流側流出物濾液235は、該活性炭素を通過することにより、例えばフィルタ材243との反応またはそれへの吸着を通して、抗菌成分245を分離する。2つのフィルタユニット227a、227bが示されているが、追加のフィルタを使用してもよい。例えば、1つの実施形態では、下流側フィルタ227は、直列に整列させた2つから4つのフィルタユニット227a、227bを有する分離ユニット241を含んでおり、各フィルタユニット227a、227bは、活性炭素等のフィルタ材243を保持するための容器を含んでいる。
【0061】
下流側フィルタ227は、下流側流出物濾液249が分離ユニット241を出るのを可能にするため、廃棄ライン247に連結するように構成された出口を含んでいてもよい。種々の実施形態において、分離ユニット241は適量の抗菌成分245を上流側流出物濾液235から分離するように構成されているので、結果的に得られる下流側流出物濾液249は、適切に低レベルの汚染物または抗菌成分245しか有しておらず、従って、下流側流出物濾液249は、現在の流出物指針に従い、工場廃水排出物として破棄するのに適している。
【0062】
図7を更に参照すると、種々の実施形態において、抗菌分離ユニット106、160、241は、ヘッダー部250(header)を含んでもよい。ヘッダー部250は、上流側または中間下流側流出物濾液235、249等の流出物223をフィルタ材243との関係で均一に供給するように構成されているのが好ましいが、少なくとも1つの実施形態では、ヘッダー部250は、流出物223を容器242内のフィルタ材243の1若しくはそれ以上の領域に選択的に供給するように構成してもよい。ヘッダー部250は、上流側入口256と複数の下流側流体口258との間に延びる内部流体経路254を画成する本体部252を含む。本体部252は、流出物223を供給するために流体口258が形成されている1若しくはそれ以上のアーム260を含んでもよい。アーム260には、流体口258を種々のパターンで配列してもよい。図示されている実施形態では、ヘッダー部250は4つのアーム
260を含んでおり、例えばパイプで構築されていてもよく、十字形状またはX字形状に配列されていてもよい。しかし、他の実施形態では、ヘッダー部250は、それよりも少ないアームまたは追加のアーム(それらは更に第二のアームを含んでもよい)を有する他の形状を含んでもよい。
【0063】
流体口258は、各アーム260の2つの側に沿って配列されている。しかし、いくつかの実施形態では、流体口258は、1つの側に配列してもよいし、円周に配列してもよいし、アーム260の3つ以上の側に沿って配列してもよいし、あるいはその他、流出物濾液235、249の流出物223を供給しチャネリング問題を減少させるのに相応しいやり方で配列してもよい。例えば、上述のように、チャネリング問題を防止し、流出物223とフィルタ材243との表面接触を増大させるため、均一な供給が望ましい場合もある。流体口258の数および寸法は、例えば流体、フィルタ材243または流れの状態の特性を考慮して供給を最適化するために様々であってよい。従って、流体口258は、流体経路254を出る流体を制限する、方向付ける、噴霧する、あるいは集中させるような寸法であってよい。図示されているように、各アームは26の流体口258を含む。少なくとも1つの実施形態において、2つ以上のアーム260の各々が20の流体口を含む。図示されているように、ヘッダー部250も、0.125インチ~0.250インチの間の断面を有する流体口258を含む。しかし、上述のように、システム10が作動する環境次第では、追加の寸法および特徴を使用してもよい。例えば、1つの実施形態では、流出物223の分散を増大させるため、ヘッダー部250は移動可能に構成される。例えば、ヘッダー部250は、所定のパターンに従って回転あるいは選択的に移動するように調整してもよい。移動速度または移動度は、例えば、ヘッダー部を通過する流出物223の量に関係していてもよい。
【0064】
図8は、種々の実施形態に従って
図4から
図6に示されるフィルタユニット227aに配置されたヘッダー部250である。ヘッダー部250は、上述のように、少なくとも2つのフィルタユニット227a、227b、108を含む炭素濾過システムに用いてもよい。しかし、フィルタユニット227a、227b、108は、ヘッダー部250または図示のヘッダー部250を必ずしも含まないことは理解されている。事実、少なくとも1つの実施形態において、フィルタユニット227a、227b、108は異なるヘッダー部を含んでいる。同様に、フィルタユニット227a、227b、108は、同じフィルタ材243を保持するように構成されてもよいし、異なるフィルタ材243を保持するように構成されてもよい。1つの実施形態では、
図5に示されるフィルタユニット227a、227bのうち1つまたは両方がヘッダー部250を含んでもよい。上述の如く、フィルタユニット227a、227b、108は、フィルタ材243を保持するように構成された容器242を含んでもよい。該容器は、フィルタ材243に隣接して配置されるように構成された内部表面272またはライナー274を含んでもよい。ヘッダー部250は、
下流側捕捉ライン237から上流側流出物濾液235、あるいは場合によっては
中間フィルタライン239から中間下流側流出物濾液249を受け取りフィルタ材243に流体を供給するように、容器242の上流側部分に適切に配置されてもよい。図示された実施形態では、ヘッダー部250の入口256は、流体経路254内で上流側流出物濾液235を受け取るように、下流側捕捉ライン237に連結されている。ヘッダー部250はフィルタ材243の上に配置されており、容器242内に配置されたフィルタ材243上に上流側流出物濾液249を供給するように構成されている。操作において、ヘッダー部250は、容器242(例えばフィルタドラムを含む)に取り付けてもよいし、あるいはその中に配置してもよい。ヘッダー部250を用いた供給は、容器242を通して生じるチャネリング問題を減少または防止する。例えば、ヘッダー部250は受け取った流出物223または流出物濾液235、249をフィルタ材243の上面に供給または散布し供給量を増大するので、フィルタ材243を通してチャネリング問題はほとんどまたは全く生じない。
【0065】
種々の実施形態において、抗菌分離ユニット106、160、241はフィルタユニット227a、227b、108を含んでいてもよく、該フィルタユニット内で、容器242は、活性炭素を有するフィルタ材243を含むように構成されたプラスチック製ドラムまたはプラスチックライニングのドラムを含む。上述のように、フィルタユニット227a、227b、108は使い捨て可能である。すなわち、活性炭は使用済みになれば適切に廃棄してもよい。従来のフィルタユニット227a、227b、108および容器242は、通常、操作期間中に捕捉ユニット15、115、215内で腐食し易い金属製であるが、それとは対照的に、プラスチック製ドラムは、漏れ発生の可能性を有する斯かる腐食を回避するように構成できる。
【0066】
図9~
図11は、システム10または抗菌炭素濾過システムの更なる完全性のため、上記フィルタユニット227a、227b、108への使用に適した容器242の実施形態を示す。上述の如く、フィルタユニット227a、227bに使用される一般的にドラムと呼ばれる従来の金属製容器は、操作期間中、尚早に完全性が失われ易いことが分かっている。斯かる完全性の喪失は、抗菌分離ユニット241の腐食性環境で生じる腐食の結果であると考えられる。
図9~
図11に示される実施形態において、容器242は、非腐食性材料で構成される内面272またはライナー274を含む。
【0067】
図9は外面270および内面272を有する容器242を示す。外面270は従来の金属性材料を含んでもよい。しかし、他の実施形態では、外面272は、硬質プラスチック、セラミック、硬質材料または他の適切な材料を含んでもよい。内面272は、容器シェルまたは外面270の材料に沿って形成されるコーティングを含んでもよい。コーティングには、プラスチック、ポリマー、樹脂、エナメル、セラミック、エポキシ樹脂、錆止め剤またはそれらの組み合わせまたは混合を含んでもよい。
【0068】
図10は容器242の代替実施形態を示し、内面272はライナー274として形成されている。ライナー274は、外面270内に選択的に挿入されるように、あるいは外面内から選択的に除去されるように構成してもよい。1つの実施形態では、ライナー274および内面272は、外面270内に圧縮可能に保持し得る弾力性のエラストマー材料で更に形成されてもよい。内面272を外面270内に保持する他の方法には、例えば、管継手接着剤、フランジ、ブラケット、あるいはラッチ、スレッド、クランプ、ボルト、フックおよび溝を用いた管継手、あるいはネジが含まれる。
【0069】
図11は容器242の別の実施形態を示し、内面および外面270、272の両方が、
図9および
図10に関して上述した材料で形成されてもよい。例えば、容器242は、活性炭素等のフィルタ材243を保持するように構成されたプラスチック製ドラムを含んでもよい。
【0070】
図9~
図11に示される実施形態における内面には、操作期間中に操作環境内で完全性を損ねる腐食に対して抵抗力のある材料を選択するのが好ましい。例えば、内面の材料は、流出物
223によって、あるいは流出物
223が活性炭を含むフィルタ材と混合された際に、またはそれと反応した際に生じる環境内で、腐食に抵抗力を有しているべきである。
【0071】
前述の記載においては、他の改変、変更および代替が意図されており、ある場合にはいくつかの特徴が対応する他の特徴の使用なしに利用される。例えば、代替実施形態の異なる特徴を様々な組み合わせで融合または組み合わせてもよい。更に、抗菌適用ユニット12は、あらゆる形態、形状およびサイズを有していてもよく、米国特許第6,742,720号に開示されているスプレーキャビネットの実施形態の1つである必要はない。同様に、様々な異なる組成物を様々な異なる濃度で使用してもよいし、組成物は1若しくはそれ以上の抗菌剤を含んでもよいし、含まなくてもよい。更に、システム10には、追加のポンプ、フィルタおよび類似の構成部品を取り入れてもよい。更に、リサイクルタンク24内の組成物の組成を監視するのに様々な異なる方法が使用されてもよい。同様に、組成は、絶えず監視してもよいし、望ましい間隔で監視してもよい。更に、受皿22は使用しなくてもよいし、様々な異なる長さであってもよい。勿論、定量的な情報は例示目的のためのみに含まれているのであり、本発明の範囲を制限する意図はない。従って、本発明は、開示されている本発明の範囲と矛盾しないやり方で広義に解釈されるべきである。
【0072】
本明細書は、種々の非制限的で非網羅的な実施形態を参照して記載されている。しかし、開示されている実施形態(またはその一部)の種々の代替、改変またはあらゆる組み合わせが本明細書の範囲内で可能であることは、当業者には認識されている。従って、本明細書に明示的に記載されていない追加の実施形態を本明細書が支持していることは、意図されており、理解されてもいる。斯かる実施形態は、例えば、本明細書記載の開示された種々の非制限的で非網羅的な実施形態の工程、構成部品、要素、特徴、態様、特性、制限等を組み合わせることにより、改変することにより、あるいは再編成することにより、達成可能である。従って、本出願者は、手続き遂行中、本明細書に記載されている様々な特徴を追加するように特許請求の範囲を補正する権利を留保するものであり、斯かる補正は、35U.S.C.§§112(a)および132(a)の要求事項を遵守するものである。