(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】視覚的インジケータを有する薬剤デリバリデバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 5/24 20060101AFI20221129BHJP
A61M 5/31 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
A61M5/24
A61M5/31 520
(21)【出願番号】P 2021081752
(22)【出願日】2021-05-13
(62)【分割の表示】P 2018538173の分割
【原出願日】2016-10-10
【審査請求日】2021-05-13
(32)【優先日】2016-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518123372
【氏名又は名称】ウェスト ファーマ サービシーズ イスラエル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カビリ オズ
(72)【発明者】
【氏名】ヒズキヤ ラン
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-510450(JP,A)
【文献】特表2013-505433(JP,A)
【文献】特表2013-531520(JP,A)
【文献】米国特許第05062828(US,A)
【文献】特許第4947871(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/24
A61M 5/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)流体を収容するとともに、(i)入射部位を有する光パイプとして作用する光パイプ部と、(ii)前記光パイプに光学的に結合された光拡散部とを含むカートリッジと、
(b)前記光パイプの前記入射部位において前記カートリッジに光学的に結合された光源 と
を備え、前記光源から前記入射部位に入射した少なくともなにがしかの光が前記光拡散部において拡散され
、
前記カートリッジの遠位端部は、前記光拡散部として機能するフランジを有する
医薬デリバリデバイス。
【請求項2】
前記光拡散部は、成型プロセスにおいて前記カートリッジとともに成型されている
請求項1に記載の
医薬デリバリデバイス。
【請求項3】
前記光拡散部は、粗い表面を有することによって前記カートリッジにより与えられる前記光パイプを通って進行する光を拡散するように構成された光拡散表面領域
を有する
請求項1に記載の
医薬デリバリデバイス。
【請求項4】
前記光拡散部は、少なくとも1つの突出エレメントを有する
請求項1に記載の
医薬デリバリデバイス。
【請求項5】
前記
少なくとも1つの突出エレメントは、前記カートリッジの外周を少なとも部分的に囲む
請求項
4に記載の
医薬デリバリデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの突出エレメントは、前記カートリッジの長手方向軸に沿って等距離に配置された複数の突出エレメントを含む
請求項
4に記載の
医薬デリバリデバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの突出エレメントは、前記カートリッジの長手方向軸に沿って非等距離に配置された複数の突出エレメントを含む
請求項
4に記載の
医薬デリバリデバイス。
【請求項8】
前記光拡散部は、少なくとも1つの膨らみ部を有する
請求項1に記載の
医薬デリバリデバイス。
【請求項9】
前記光拡散部は、少なくとも1つの光拡散スロットを有する
請求項1に記載の
医薬デリバリデバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの光拡散スロットは、前記カートリッジの外周に沿って設けられている
請求項
9に記載の
医薬デリバリデバイス。
【請求項11】
前記光拡散部は、ステッカー
を有する
請求項1に記載の
医薬デリバリデバイス。
【請求項12】
前記カートリッジは、その内側の表面上において前記ステッカーで裏打ちされている
請求項
11に記載の
医薬デリバリデバイス。
【請求項13】
前記カートリッジは、その外側の表面上において前記ステッカーで裏打ちされている
請求項
11に記載の
医薬デリバリデバイス。
【請求項14】
前記ステッカーは、文字及び/又はしるし及び/又は記号を含む少なくとも1つのマーキングを有する
請求項
11に記載の
医薬デリバリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野及び背景)
本発明は、そのいくつかの実施の形態では、可視的なユーザインジケータに関し、さらに詳しくは、排他的ではないが、ユーザインジケータ光として用いられる薬剤デリバリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第8784378号は、薬剤デリバリデバイスとともに使用されるカートリッジまたはカートリッジホルダのための可視的な識別符号化についての記載を開示する。可視的な識別符号化は、薬剤を収容するカートリッジと、正しいカートリッジが薬剤デリバリデバイスに挿入されたことを可視的に表示するための、カートリッジ上に配置された光源を含む。光源は、発光ダイオード(LED )、表面実装ダイオード(SMD )、あるいは有機発光ダイオード(OLED)であってよい。また、カートリッジを支持するためのカートリッジホルダが含まれてもよい。他の実施の形態において、光源は、カートリッジホルダあるいは服用量設定部材上に配置されていてもよい。
【0003】
Eggertの米国特許出願公開第2014/0228768号は、ハウジングと、ハウジングの表面に実装され、操作者が作動できる少なくとも1つのボタンと、ボタンの下部においてハウジング内に実装され、光をボタンへ向かわせるように配置された光源とを有する手持ち式医療用デバイスを開示する。ボタン縁部に隣接する透明な狭い細長部を除いて、ボタン全体とボタン付近のハウジングの表面は実質的に不透明である。
【0004】
さらなる背景技術として、本発明者の国際特許出願公開WO2013/173092号がある。
【発明の概要】
【0005】
例1:(a)流体を収容するとともに、(i)入射部位を有する光パイプとして作用する光パイプ部と、(ii)光パイプに光学的に結合された光拡散部とを含むカートリッジと、(b)光パイプの入射部位においてカートリッジに光学的に結合された光源とを備え、光源から入射部位に入射した少なくともなにがしかの光が光拡散部において拡散され、カートリッジの遠位端部は、光拡散部として機能するフランジを有する、医薬デリバリデバイス。
【0006】
例2:光拡散部は、成型プロセスにおいてカートリッジとともに成型されている、例1に記載のデバイス。
【0008】
例4:光拡散部は、粗い表面を有することによってカートリッジにより与えられる光パイプを通って進行する光を拡散するように構成された光拡散表面領域である、例1に記載のデバイス。
【0009】
例5:光拡散部は、少なくとも1つの突出エレメントを有する、例1に記載のデバイス。
【0010】
例6:突出エレメントは、カートリッジの外周を少なとも部分的に囲む、例5に記載のデバイス。
【0011】
例7:少なくとも1つの突出エレメントは、カートリッジの長手方向軸に沿って等距離に配置された複数の突出エレメントを含む、例5に記載のデバイス。
【0012】
例8:少なくとも1つの突出エレメントは、カートリッジの長手方向軸に沿って非等距離に配置された複数の突出エレメントを含む、例5に記載のデバイス。
【0013】
例9:光拡散部は、少なくとも1つの膨らみ部を有する、例1に記載のデバイス。
【0014】
例10:光拡散部は、少なくとも1つの光拡散スロットを有する、例1に記載のデバイス。
【0015】
例11:少なくとも1つの光拡散スロットは、カートリッジの外周に沿って設けられている、例10に記載のデバイス。
【0016】
例12:光拡散部は、ステッカーである、例1に記載のデバイス。
【0017】
例13:カートリッジは、その内側の表面上においてステッカーで裏打ちされている、例12に記載のデバイス。
【0018】
例14:カートリッジは、その外側の表面上においてステッカーで裏打ちされている、例12に記載のデバイス。
【0019】
例15:ステッカーは、文字及び/又はしるし及び/又は記号を含む少なくとも1つのマーキングを有する、例12に記載のデバイス。
【0020】
なお、特に定義のない限り、本明細書において用いられているすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が属する技術における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。また、本明細書に記載されているものと同様または均等の方法や材料を用いて本発明の実施の形態を実施し、試験することができるが、以下にそれらの例示的な方法および/または材料を示す。何らかの対立が生じた場合、定義を含め、特許明細書が支配する。また、材料、方法、および例は参考用にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0021】
本発明のいくつかの実施の形態の方法および/またはシステムの例は、選択されたタスクを、手動、自動、またはその組み合わせにより実行または完了することを含む。また、本発明の方法および/またはシステムの実施の形態の実際の器具類および装備によれば、いくつかの選択されたタスクを、オペレーションシステムを用いて、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその組み合わせによって実行することができる。
【0022】
例えば、本発明のいくつかの実施の形態にかかる選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実施され得る。ソフトウェアとしては、本発明のいくつかの実施の形態にかかる選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを用いたコンピュータによって実行される、複数のソフトウェア命令として実施され得る。本発明の一実施の形態例において、本明細書に記載の方法および/またはシステムのいくつかの実施の形態例にかかる一以上のタスクは、データプロセッサによって実行される。データプロセッサは、例えば、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームである。データプロセッサは、随意的ではあるが、命令および/またはデータを保持する揮発性メモリ、および/または、命令および/またはデータを保持する非揮発性記憶装置を有する。非揮発性記憶装置は、例えば、磁気ハードディスクおよび/またはリムーバブル媒体である。また、随意的ではあるが、ネットワーク接続が設けられている。さらに、任意に、ディスプレイおよび/またはキーボードやマウス等のユーザ入力機器が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
(いくつかの図面の簡単な説明)
本発明のいくつかの実施の形態を、単なる一例として、添付図面を参照しつつ説明する。ここで、図面を具体的にかつ詳細に参照するが、図示された事項は一例であり、本発明の実施の形態を例示的に説明するためのものであることを強く主張する。この点に関し、当業者であれば、図面を考慮することによって、本発明の実施の形態をどのように実施し得るかを説明から明らかにすることができる。
【
図1】本発明のいくつかの実施の形態における、ユーザインジケータ光を有する例示的なデバイスを説明するブロック図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施の形態における、ユーザインジケータ光を有する例示的な医薬品デリバリデバイスの上面図を模式的に図示するものである。
【
図3A】本発明のいくつかの実施の形態における例示的な医薬品デリバリデバイスを模式的に図示するものであって、ハウジングの斜視断面を示す。
【
図3B】本発明のいくつかの実施の形態における例示的な医薬品デリバリデバイスを模式的に図示するものであって、ハウジング断面と付属のカートリッジとを斜視した状態を示す。
【
図4】本発明のいくつかの実施の形態における、随時設けられた拡長光拡散部を有する例示的なカートリッジの模式的斜視図である。
【
図5A】本発明のいくつかの実施の形態における、随時設けられた光拡散表面及び/またはステッカーを有する例示的なカートリッジの模式的斜視図であって、光拡散表面を図示する。
【
図5B】本発明のいくつかの実施の形態における、随時設けられた光拡散表面及び/またはステッカーを有する例示的なカートリッジの模式的斜視図であって、光拡散ステッカーを図示する。
【
図6A】本発明のいくつかの実施の形態における、随時設けられた光拡散突出部を有する例示的なカートリッジの模式的斜視図であって、等距離に配置された突出部を図示する。
【
図6B】本発明のいくつかの実施の形態における、随時設けられた光拡散突出部を有する例示的なカートリッジの模式的斜視図であって、非等距離に配置された突出部を図示する。
【
図7】本発明のいくつかの実施の形態における、随時設けられた光拡散膨隆部(bulge )を有する例示的なカートリッジの模式的斜視図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施の形態における、随時設けられた光拡散スロットを有する例示的なカートリッジの模式的斜視図である。
【
図9】本発明のいくつかの実施の形態における、光拡散面によって識別可能なプランジャを有する例示的なカートリッジの模式的斜視図である。
【
図10】本発明のいくつかの実施の形態における例示的な製造プロセスを説明するフローチャートである。
【
図11】本発明のいくつかの実施の形態における例示的な光表示アルゴリズムを説明するフローチャートである。
【
図12】本発明のいくつかの実施の形態における、薬剤カートリッジをユーザインジケータ光として使用するための例示的な方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(発明の特定的実施の形態の記載)
本発明は、そのいくつかの実施の形態では、可視的なユーザインジケータに関し、さらに詳しくは、排他的ではないが、ユーザインジケータ光として用いられる薬剤デリバリデバイスに関する。
【0025】
(概要)
本発明のいくつかの実施の形態の一側面は、医薬デリバリデバイスの状態を示すための光パイプとして用いられるカートリッジを用いることに関する。いくつかの実施の形態では、光パイプは、カートリッジの壁の少なくとも一部の体積内において光が進行すること、及び/又は、拡散すること、及び/又は、伝播されること、及び/又は、ガイドされることを意味する。カートリッジは、随意的ではあるが、薬剤、例えば生理活性材料を収容する。例えば、生理活性材料は、患者の体に対する治療効果を有するあらゆる組成物である。あるいは、薬剤は、例えばプラシーボ等の非生理活性材料である。いくつかの実施の形態において、カートリッジは、光拡散部を有する。この光拡散部は、例えば、光パイプに光学的に結合されるとともに光を拡散してカートリッジの壁から出射させる働きをするエレメントである。あるいは(または、さらに)、光拡散部は、光源からの光を集めてカートリッジのパイプ光にする光入射部として働く。そのようなカートリッジは、随意的ではあるが、例えば注射デバイス等の医薬品デリバリデバイスにおけるユーザインジケータモジュールとして用いられる。
【0026】
ここで用いられるように、カートリッジは流体を収容し、針を有する区画である。いくつかの実施の形態では、針はカートリッジの長手方向軸に関して並行である。あるいは、針はカートリッジの長手方向軸に関して曲がっており、随意的ではあるが、実質的に垂直である。流体は、ここで用いられるように、医療用の目的のために用いられる液体及び/又は気体を指す。いくつかの実施の形態では、流体は薬剤を含み、随意的ではあるが、医薬品等の生理活性材料、あるいは、プラシーボ等の非生理活性材料を含む。いくつかの実施の形態では、流体は、懸濁液、及び/又は、溶液、及び/又は、混和しうるあるいは混和しない液体の混合物を含む。
【0027】
いくつかの実施の形態では、光源は随時カートリッジに結合されている。光源により生成された少なくともなにがしかの光は、カートリッジの壁の少なくとも一部の体積を横切って、伝播され、及び/又は、ガイドされ、及び/又は、拡散し、及び/又は、進行する。いくつかの実施の形態では、光源は、注射デバイスにはめ込まれるようにして、カートリッジ上に配置された光拡散部によりカートリッジに光学的に結合されている。随意的ではあるが、光拡散部は、カートリッジを含むハウジングの外部から視認できず、光の入射部位としてだけ機能する。あるいは(または、さらに)、カートリッジ内を進行する光に光学的に結合された光拡散部は、カートリッジを含むハウジングの外部から視認できる位置において、カートリッジ上に配置されている。
【0028】
例えば、光源により生成された光は、注射デバイスにはめ込まれて光入射部として働く光拡散部へ進行し、光入射部は、光がカートリッジの少なくとも一部の体積を通って進行するようにガイドする。随意的ではあるが、光入射部とは実質的に反対側に随時配置された第2の光拡散部は、カートリッジの体積を通って進行する光を、カートリッジの反対側から視認できるように、ガイドする。あるいは(または、さらに)、光はカートリッジに収容された流体を通して拡散する。
【0029】
いくつかの実施の形態では、注射器ハウジングに、随意的ではあるが、ユーザがカートリッジの1以上の個所を視認することを可能にするために、少なくとも2つの窓が設けられている。随意的ではあるが、少なくとも1つの窓は、薬剤及び/又はプランジャの視認を可能にする。あるいは(または、さらに)、少なくとも1つの窓は光拡散部の視認を可能にする。いくつかの実施の形態では、同一の窓が、薬剤(及び/又はプランジャ)と光拡散部の両者の視認を可能する。薬剤を視認するための窓であり、それを通って光が伝播されもする窓を有することの潜在的利点は、注射器内で発生した光が、注射器中の薬剤の状態の検査を改善することの助けとなることである。
【0030】
いくつかの実施の形態では、デリバリカートリッジデバイスの状態に応じて、光源により光が生成される。いくつかの実施の形態では、状態はデバイスの操作状態であり、例えば、デリバリの進行中の状態、及び/又は、デリバリの停止状態、及び/又は、デリバリの終了状態、及び/又は、モータのオン/オフ状態、及び/又は、電源(electricity source)の有効性(availability)、及び/又は、デバイスの不具合である。あるいは(または、さらに)、状態は、デリバリされた、及び/又はカートリッジに残された流体の量の在庫状況である。
【0031】
ユーザインジケータ光を伝播するための薬剤カートリッジを用いることの潜在的利点は、インジケータ光の独立したモジュールをデリバリデバイスに加えることの必要性を低減することである。デバイスにおけるモジュールの数の低減は、デバイスに起こりうる不具合を低減しそうである。加えて、もう一つの潜在的利点は、インジケータ光を呈する拡大された表面領域であり、それは幅の広い視野角から視認できそうである。通常、ユーザから視認可能なデリバリカートリッジの表面は、独立したモジュールに設けられる典型的なインジケータ光よりも大きい。従って、ユーザはより簡単に、多くの異なる角度から見ることで、インジケータ光を発見できる。いくつかの実施の形態では、デバイス内で生成された光のほとんど、例えば少なくとも90%、あるいは少なくとも80%、あるいは少なくとも70%、あるいは少なくとも60%は、カートリッジから出射される。
【0032】
いくつかの実施の形態では、薬剤が収容されたカートリッジに近接して配置された光源は、2つの役割を有する。第1の役割は、カートリッジの壁の少なくとも一部を通って進行し、ユーザの視認経路に入るようにされた、状態のインジケータ光であることを有する。第2の役割は、カートリッジ中の薬剤の状態の視認、及び/又は、カートリッジの壁上に設けられたしるしの視認、及び/又は、プランジャの位置の視認を可能にする、カートリッジの内容物を照明することを有する。いくつかの実施の形態では、同一の窓を用いて、薬剤の状態、例えば薬剤の流体のレベル、及び/又はプランジャの位置、及び/又は、しるし(indicia markings)等を同時に観測しながら、ユーザがデバイス操作の状態の表示光を見ることができる。上記の表示のための同一の観測窓を有することの潜在的利点は、ユーザに2つのインジケータの余剰な視認を与えることであり、それは誤解の可能性を低減し、及び/又は、インジケータの1つに不具合があるときの表示をユーザにもたらす。いくつかの実施の形態では、少なくとも2つの窓が設けられ、少なくとも1つは少なくとも薬剤を視認するためであり、少なくとも1つは少なくともカートリッジのライトガイドを視認するためのものである。随意的ではあるが、2つの窓は同時の視認を可能にするように配置される。
【0033】
いくつかの実施の形態では、同一の光源がカートリッジを照明し(潜在的に目盛及び/又は薬のレベルの読み取りを容易にする)、コード化した状態インジケータを含む(例えば色及び/又は明滅)。いくつかの実施の形態では、光特性は薬剤の光の進行特性に適しており、例えば、薬剤が不透明、あるいは透明、あるいは半透明であるときに異なる光特性が用いられる。いくつかの実施の形態では、光源の色は薬剤の色に応じて決定される。いくつかの実施の形態において、薬剤は、あらゆる色を有する材料であってよい。あるいは(または、さらに)、薬剤は、乳白色及び/又は不透明な外観を有してよい。
【0034】
いくつかの実施の形態では、薬剤を容易にする(facilitating the medicament )ように設けられたプランジャが、カートリッジの壁を通って進行する光の総反射の変化をもたらし、随意的ではあるが、カートリッジの壁からユーザの方向に光を拡散させ、プランジャの縁がカートリッジの壁に接するところで、プランジャの位置における光の表示をもたらす。あるいは(または、さらに)、光学エレメント(例えば拡散体及び/又は反射体)がプランジャに、例えばプランジャのベース(例えば中央に近い端部)において、追加されてよい。あるいは(または、さらに)、カートリッジに接するプランジャの壁はライトガイドとして機能できる。
【0035】
いくつかの実施の形態では、ハウジングは、デリバリカートリッジがハウジングに埋め込まれた光パイプとして機能することをユーザが視認することを可能にする観測窓を有して設けられる。随意的ではあるが、観測窓はデリバリカートリッジを含むハウジングにおけるどのような開口であってもよく、ユーザのカートリッジの視認を可能にする。いくつかの実施の形態では、観測窓は、ハウジングの内部に深く留められたインジケータ光のユーザによる視覚的な発見を可能にするように設けられ、カートリッジへの光路を有する。随意的ではあるが、観測窓は、ハウジングの内部で生成され、カートリッジの体積を横切って進行する光の視覚的なインジケータとして機能する。潜在的に、観測窓は、インジケータ光の発見のためと、カートリッジの内容物のユーザによる視覚的な検査のための2つのために用いられる。あるいは(または、さらに)、カートリッジは、光を伝播する特性及び/又は拡散する特性を有する付加物とともに設けられる。随意的ではあるが、観測窓は、ガラスを含んでもよく、及び/又は空いた空間(open space)を含んでもよい。
【0036】
いくつかの実施の形態では、操作状態は、複数の光波特性、例えば、周波数及び/又は振幅及び/又は継続時間を用いて表示される。いくつかの実施の形態では、光は連続的に伝播される。あるいは(または、さらに)、光は間欠的に、例えば明滅によって伝播される。いくつかの実施の形態では、光特性は、時間とともに増加あるいは減少しうる、明滅の周波数を含む。例えば、いくつかの実施の形態では、明滅の周波数は、デリバリ速度に相関があり、及び/又は、デリバリされた薬剤の量に相関がある。
【0037】
いくつかの実施の形態では、カートリッジは、少なくとも透明部を有することによって、パイプ光(pipe light)として機能する。ここで用いられるように、透明部は、少なくとも、それを通しての光のある進行を可能にする材料に関連する。いくつかの実施の形態では、付加された視覚的特徴の形態における光拡散部を有する。いくつかの実施の形態では、視覚的特徴は、それを通しての光路をガイドする(例えば伝播する)ように設けられている。あるいは(または、さらに)、視覚的特徴はそれを通して光を拡散するように設けられている。いくつかの実施の形態では、視覚的特徴は、カートリッジの表面から突出し、随意的ではあるが、カートリッジと同一の材料で形成され、随時、カートリッジの外側の表面に成型されている。あるいは、視覚的特徴は、カートリッジとは異なる組成であり、少なくともカートリッジの部分的な外周の周りに、光をガイドし、及び/又は拡散するように設計されている。
【0038】
いくつかの実施の形態では、視覚的特徴は複数の突出部を有する。突出部は、随意的ではあるが、カートリッジの長手方向軸に直行する、例えば外周に突出するリブ、及び/又は外周に突出するリブの部分を有する。あるいは(または、さらに)、視覚的特徴は、間隙を介した複数の膨らみ部を有する。面上に突出部を有する表面の潜在的利点は、突出エレメントが、平滑な表面に比べて、より多くの量の光を伝播し、及び/又は拡散しそうであることである。いくつかの実施の形態では、突出部は等距離にあり、高い確実性で実質的に均一な光の伝播を可能にする。あるいは、突出部は非対称的に分布され、高い確実性でより多くの光が所定の表面領域に伝播するのを可能にする。
【0039】
あるいは(または、さらに)、視覚的特徴は、複数のスロット及び/又は溝を有する。あるいは(または、さらに)、視覚的特徴は、少なくとも1つの突出部と少なくとも1つのスロットを有する。潜在的に、突出部及び/又はスロットのいずれも、カートリッジの壁の体積を通って進行する光がカートリッジの壁の外部に拡散するように設けられている。あるいは(または、さらに)、カートリッジの壁の少なくとも一部は、より粗い粗さを有し、光をカートリッジの外部に拡散させる。いくつかの実施の形態では、膨らみ部及び/又はスロット及び/又は粗さ等の表面構造は、カートリッジの壁の外側の表面に設けられている。あるいは(または、さらに)、カートリッジの壁の内側の表面に設けられている。
【0040】
いくつかの実施の形態では、突出部は群として(in a group)配置され、個々に操作される光源からの光路をガイドする。随意的ではあるが、そのような群(group )が複数設けられ、それぞれが明瞭に(distinctly)操作される光源に結合される。複数の個々に操作される群の潜在的な利点は、個々の突出部の群に割り当てられた異なる解釈を有することによる、ユーザに同時に提供される視覚的情報の増加である。例えば、第一の突出部の群は第一の光源の表示、例えばデバイスのデリバリの操作状態に関連付けられる。第二の突出部の群は第二の光源の表示、例えば薬剤の量の状態に関連付けられる。
【0041】
いくつかの実施の形態では、視覚的特徴は光をガイドし、及び/又は、拡散する特性を有する突き出たエレメントを有する。いくつかの実施の形態では、エレメントはカートリッジ及び/又はハウジングによって画定される面を超えて突出する。光を伝播する突き出たエレメントの潜在的な利点は、それを通っての光の伝播をよりよくガイドする可能性である。その上、突出エレメントは様々な観測角度から都合よく視認され、及び/又は気付かれそうである。
【0042】
いくつかの実施の形態では、突き出たエレメントは、カートリッジのハウジングによって規定される面、及び/又は、窓の内側の縁(edge)で規定される面、及び/又は、窓の外側の縁で画定される面を超えて拡がるように設けられた光拡散部を含む。ハウジング及び/又は窓の縁を超えて拡がることの潜在的な利点は、光拡散部のユーザが利用できる観測角度の増加である。いくつかの実施の形態では、1つより多くの光拡散部が設けられ、随意的ではあるが、それぞれが異なる光源に結合されている。
【0043】
いくつかの実施の形態では、カートリッジは、埋め込んでいる注射デバイスに対するカートリッジの向きを規定する少なくとも1つの位置合わせガイドを有する。いくつかの実施の形態では、位置合わせガイドは、カートリッジの外側の表面を超えて突き出る。あるいは、位置合わせガイドは、カートリッジの外側の表面における凹みを有する。随意的ではあるが、位置合わせガイドは、注射デバイスの内部で、相補的幾何学的特徴と連結し、随意的ではあるが、デバイスに対するカートリッジの回転を防止する。潜在的に、位置合わせガイドは、例えばデバイスハウジングの観測窓及び/又は光源に対して、所定の向きでカートリッジを配置することを可能にし、随意的ではあるが、付加された視覚的特徴がユーザに視認されることを可能にする。
【0044】
本発明のいくつかの実施の形態の一側面は、例えば注射デバイス内で用いられ、ユーザのインジケータのモジュールとして機能し、光を伝播及び/又は拡散する薬剤デリバリのためのカートリッジを製造するプロセスに関する。
【0045】
いくつかの実施の形態では、医薬品デリバリデバイスは、少なくとも部分的にカートリッジ位置と位置合わせされた窓を有するハウジング中にカートリッジを埋め込むことにより設けられる。随意的ではあるが、窓は、カートリッジの長手方向軸、あるいは薬剤が横切って放出されるあらゆる軸に続く(follows )。
【0046】
いくつかの実施の形態では、少なくとも1つの光源が、カートリッジに光学的に結合されるように、上記ハウジングの内部に配置される。いくつかの実施の形態では、1個から10個の範囲の数の光源として設けられている。あるいは、2個から7個の範囲の数の光源として設けられている。あるいは、3個から6個の範囲の数の光源として設けられている。あるいは、4個の範囲の数の光源として設けられている。
【0047】
いくつかの実施の形態では、カートリッジは、可視の周波数範囲の電磁波の進行を許容する材料から形成されている。随意的ではあるが、材料は少なくとも部分的に透明であり、随意的ではあるが、デリバリされる組成物の視認をもたらす。あるいは、例えば感光性の薬剤の場合であるが、カートリッジの壁が、その体積を横切って可視光が拡散するのを可能にするように、カートリッジは内側が不透明な材料で被覆されている。いくつかの実施の形態では、カートリッジの少なくとも一部は、クリスタルゼニス(Crystal Zenith(登録商標))を用いて、随時成型により、形成されている。あるいは(または、さらに)、カートリッジの少なくとも一部は、カートリッジのために用いられるのに技術的に知られた標準的な材料を用いて形成されている。
【0048】
いくつかの実施の形態では、カートリッジは、非対称的に成型される。カートリッジは、随意的ではあるが、観測窓がカートリッジに適合するように設計される、伝播する/拡散するエレメントを有する。あるいは(または、さらに)、カートリッジは、注射器ハウジングの内側に埋め込まれ、随意的ではあるが外側から視認できない、伝播する/拡散するエレメントを有して、成型される。あるいは(または、さらに)、カートリッジは観測窓とハウジングの面に対して画定された角度を有して成型されている。
【0049】
いくつかの実施の形態では、カートリッジは少なくとも2つの材料を有する層から形成されている。随意的ではあるが、少なくとも1つの積層材料は不透明である。あるいは(または、さらに)、少なくとも1つの積層材料は、随時部分的に透明である。いくつかの実施の形態では、積層の少なくとも1つにおいて、その体積を通って可視光が進行し、及び/又は、拡散する。
【0050】
本発明のいくつかの実施の形態の一側面は、薬剤のカートリッジの少なくとも一部に裏打ちする大きさと形状である、光をガイドする裏打ち及び/又はステッカーに関する。いくつかの実施の形態では、ステッカーは光を拡散する特性を有する材料を含む。即ち、光が少なくともステッカーの体積の一部を通って、進行し、及び/又は、拡散し、及び/又は、伝播される。随意的ではあるが、ステッカーの表面の少なくとも一部は、カートリッジの内側及び/又は外側の表面上に接着するために、接着性の材料を含む。いくつかの実施の形態では、ステッカーはその表面上に文字及び/又はマーキングを含み、随意的ではあるが、特定の波長領域にある光に曝されたときだけ視認が可能である。
【0051】
随意的ではあるが、400-450、及び/又は、450-480、及び/又は、480-490、及び/又は、490-500、及び/又は、500-560、及び/又は、560-580、及び/又は、580-600、及び/又は、600-650、及び/又は、650-750、及び/又は、より大きい、より小さい、あるいは中間範囲のあらゆる範囲の波長を有する光と視覚的経路を共有するときのみ、ステッカーは視認できる。
【0052】
いくつかの実施の形態では、文字及び/又はマーキングは光拡散材料を有し、光が光入射部位からそれらへ進行すると、点灯される。随意的ではあるが、ステッカーは注射器ハウジングの内側に配置された光入射部を有し、ハウジングの内部に埋め込まれた少なくとも1つの光源と視覚的経路を共有する。あるいは(または、さらに)、文字及び/又はマーキングは、光をガイドする材料である輪郭のみを有することによって視認が可能である。あるいは(または、さらに)、文字及び/又はマーキングは、ステッカーに文字及び/又はマーキングのパンチ穴をあけて(punching)、文字及び/又はマーキングの形状の材料のない空間を設けることによってそれ自身は光をガイドしないが、光をガイドするステッカーで取り囲まれることによって視認が可能である。
【0053】
いくつかの実施の形態では、カートリッジ及び/又はシリンジは、流体リザーバの充填とは異なるプロセスにおいて作成される。従って、随意的ではあるが、あるライトガイドのタイプが第1のプロセスにおいて設けられ、他のライトガイドのタイプが第2のプロセスにおいて設けられる。例えば、成型されたライトガイドの特徴は、カートリッジの成型プロセスを通してもたらされうる。一方、裏打ちは、充填及び/又はプランジャでの密封の前、又は後のどちらかで、異なる作成者によってカートリッジ上に組み立てられうる。いくつかの実施の形態では、第1のプロセスで設けられるライトガイドの特徴は、多種の光源及び/又は流体と互換性がある。あるいは(または、さらに)、第2のプロセスによって設けられるライトガイドの特徴は、充填のために用いられる、特定の流体タイプ及び/又は流体の光特性に特異的に適合されている。随意的ではあるが、第1のプロセスの特徴は、第2のプロセスの特徴から独立してもたらされる。
【0054】
本発明の少なくとも1つの実施の形態を詳細に説明する前に、本発明はその適用において、以下に図面、および/または例示によって、記述、および/または図解される、構成の詳細および構成要素の配置、および/または方法に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施の形態が可能であり、もしくは様々な方法で実施または実行されることが可能である。
【0055】
(医薬品デリバリデバイスで用いられる例示的なユーザインジケータ光路)
図面を参照する。
図1は、本発明のいくつかの実施の形態における、ユーザインジケータ光を有する例示的デバイスを説明するブロック図を表わす。いくつかの実施の形態では、医薬品デリバリデバイスには、窓162及び空間164を有するハウジング106が設けられている。いくつかの実施の形態では、薬剤、例えば生理活性材料を収容するカートリッジ102が空間164の内部に配置される。いくつかの実施の形態では、光源104もまた、ハウジングの内部に、随意的ではあるが、カートリッジに近接して配置される。
【0056】
いくつかの実施の形態では、カートリッジ102は、光源104で生成された光を窓164へと橋渡しする光パイプとして機能するように構成されている。随意的ではあるが、カートリッジ102は、光源104と光路を共有する光入射部位122を有する。いくつかの実施の形態では、カートリッジ102は光伝播特性を有する材料で形成されている。随意的ではあるが、カートリッジ102の壁の少なくとも一部は、少なくともその体積の一部を通って光を伝播させる光パイプ124として機能する。
【0057】
いくつかの実施の形態では、カートリッジ102は光拡散部126を有する。随意的ではあるが、光拡散部126は延伸エレメント(extending element )を有する。随意的ではあるが、この延伸エレメントは、例えば
図4に示されるように、カートリッジ102の長手方向軸に実質的に垂直である。あるいは(または、さらに)、例えば
図6に示されるように、光拡散部126は複数の突出エレメントを有する。あるいは(または、さらに)、例えば
図7に示されるように、光拡散部126は少なくとも1つの膨隆部を有する。あるいは(または、さらに)、例えば
図8に示されるように、光拡散部126は少なくとも1つのスロットを有する。あるいは(または、さらに)、例えば
図5に示されるように、光拡散部126は、カートリッジ102の他の部分よりも粗い粗さを有する少なくも1つの表面領域を有する。いくつかの実施の形態では、
図4に示されるように、カートリッジの遠位部分は、光拡散部126として機能するフランジを有する。
【0058】
いくつかの実施の形態では、光拡散部126はカートリッジの長手方向軸に沿って配置される。あるいは(または、さらに)、光拡散部126はカートリッジの外周の少なくとも一部に沿って配置される。いくつかの実施の形態では、光パイプ124は、カートリッジ102の外周の少なくとも一部に沿って広がる材料を含み、光パイプの一の部分に近接して配置された光源と光パイプの第2の部分に近接して配置された光拡散部との間の光パイプとして機能する。
【0059】
いくつかの実施の形態では、光源104で生成された光は光路110を通って進行する。随意的ではあるが、光源104で生成された光は、カートリッジ102にある光入射部位122へと進行する。いくつかの実施の形態では、光は光入射部位122からカートリッジ102の光パイプ124へと進行する。随意的ではあるが、光パイプ124はカートリッジ102の透明な部分を含む。いくつかの実施の形態では、光パイプ124はカートリッジ102の壁の全体積を含む。あるいは、カートリッジ102の一部のみが光の進行を可能にする材料で形成される。いくつかの実施の形態では、カートリッジ102はいくつかの材料層を有し、それらの少なくとも1つは、光がそれを通って進行することを可能にする。
【0060】
いくつかの実施の形態では、光路110を通って進行する光は、光拡散部126に至った場合を除いて、内部で反射される。いくつかの実施の形態では、光拡散部126は、光路110を通って進行する光がカートリッジ102の内部体積から外へ拡散することを可能にする形状である。
【0061】
いくつかの実施の形態では、窓162は、窓162を通して光拡散部126を視認できるように、カートリッジ102に位置合わせされている。そのように、いくつかの実施の形態では、光路110を通って進行する光は、光拡散部126の外及びハウジング106の外112へ拡散する。
【0062】
いくつかの実施の形態では、窓162はハウジング106の上側カバーの、随意的ではあるが、操作ボタンの近くに配置される。あるいは(または、さらに)、窓162はハウジング106の基部(base)の、随意的ではあるが、取り外し可能なセイフティライナー(safety liner)の近くに配置される。
【0063】
いくつかの実施の形態では、窓162は円形である。あるいは(または、さらに)、窓162は楕円あるいは長い多角形の形状であり、随意的ではあるが、カートリッジ102の長手方向軸に位置合わせされる。あるいは(または、さらに)、窓162はスロット形状である。
【0064】
いくつかの実施の形態では、ハウジング106は複数の窓162を含み、随意的ではあるが、カートリッジ102の互いに異なるセグメント部分に位置合わせされる。あるいは(または、さらに)、窓162は、ハウジングの複数の区画の間に視認セクション(viewing section )を含む。例えば、ハウジング106が複数部分からなる場合、複数のハウジング部分は、随意的ではあるが、カートリッジ102の少なくとも一部をハウジング部分の間で視認できるように組み立てられる。随意的ではあるが、例えば、カートリッジの近位端に対応する少なくとも1つのハウジングと、カートリッジの遠位端に対応する少なくとも1つの別のハウジングを有することにより、カートリッジ102は複数のハウジング部分間を繋ぐものとして機能する。一方で、カートリッジの中央部の少なくとも一部は、近位端側のハウジング区画と遠位端側のハウジング区画の間において、視認用として利用可能である。
【0065】
(光パイプとして用いられるカートリッジを有する例示的な医薬品デリバリデバイス)
図2を参照する。
図2は、本発明のいくつかの実施の形態における、ユーザインジケータ光を有する例示的な医薬品デリバリデバイスの上面図を模式的に図示する。いくつかの実施の形態では、カートリッジ102は、医薬品デリバリデバイス、例えば注射器201のユーザインジケータとして用いられる。いくつかの実施の形態において、注射器201はカートリッジ102に位置合わせされた窓162を有するハウジング106を有する。カートリッジ102は、いくつかの実施の形態では、光拡散部126が窓162を通して視認できるように配置される。いくつかの実施の形態では、光拡散部126は、元々カートリッジ102から伝播された光を拡散する。このカートリッジ102は、光源104からの光パイプとして機能する。
【0066】
いくつかの実施の形態では、光拡散部126はカートリッジの背面側、即ち、窓162に面する側にある。いくつかの実施の形態では、光拡散部126は、随意的ではあるが、カートリッジ102の壁を通して拡散する光を伝播するのに用いられる。あるいは(または、さらに)、光拡散部はカートリッジの腹面側、即ち、注射器201の内側部分に面する側にある。そのような実施の形態では、光拡散部126は、随意的ではあるが、光源104によって注射器201の内側で生成された光を集めてカートリッジの壁に伝播する光入射部位として機能する。それにより光は窓162を通して視認可能である。いくつかの実施の形態では、窓162は、カートリッジを被覆及び/又は保護するため、例えば、湾曲した材料のドーム、及び/又は、円筒形状のカバーを有する。湾曲したカバーの潜在的な利点は、光拡散部126がハウジング106の表面を超えて延びている場合に光拡散部126を保護することにある。典型的には、カートリッジ及び/又は光拡散部126がガラスで形成されていて衝撃を受けると破損しやすいときに、保護カバーは有用である。いくつかの実施の形態では、ドームは、ハウジングの表面によって規定される面から、少なくとも0.5mm、及び/又は、少なくとも1mm、及び/又は、少なくとも2mm、及び/又は、少なくとも5mm、突き出している。
【0067】
いくつかの実施の形態では、窓162は、プランジャ202の視認を可能にする第2の役割を果たす。プランジャ202は、部位208に配置された流体出口を通してカートリッジ102の外に薬剤を押し出すように構成される。随意的ではあるが、プランジャ202はモータ206によって押される。あるいは(または、さらに)、窓162は、カートリッジ102内にある薬液レベルの視認を可能にする。あるいは、カートリッジ102は、感光性の薬剤を保護するために、不透明な内側層を含む。
【0068】
いくつかの実施の形態では、随意的ではあるが、光源104を操作する命令を有する制御回路204が設けられる。例えば、いくつかの実施の形態の制御回路204は、モータ206からデバイスの操作状態に関する入力を得ることができ、随意的ではあるが、これにより、光源104による光生成の命令を出力することができる。あるいは(または、さらに)、いくつかの実施の形態での制御回路204は、プランジャ202の位置に関する入力を得ることができ、随意的ではあるが、これにより、光源104による光生成の命令を出力することができる。
【0069】
随意的ではあるが、ハウジング106は少なくとも2つの窓162、164を含む。いくつかの実施の形態では、窓164は、カートリッジ102の遠位部分302の視認を可能にする。随意的ではあるが、カートリッジ102の遠位部分は、
図3にさらに詳細に図示したように、フランジ210の形をした光拡散部である。いくつかの実施の形態では、窓164は、フランジの視認を可能にする大きさと形状をもち、随意的ではあるが、スロット形状とされる。
【0070】
(例示的な医薬品デリバリデバイスのハウジングとカートリッジ)
図3を参照する。
図3は、本発明のいくつかの実施の形態における例示的な医薬品デリバリデバイスを模式的に図示する。
図3Aは本発明のいくつかの実施の形態におけるハウジングの斜視断面を示す。
図3Bはハウジング断面及びカートリッジを収容した状態(accommodating a cartridge)の斜視した状態を示す図である。
【0071】
いくつかの実施の形態では、例えば注射器などの医薬品デリバリデバイスは、窓162を有するハウジング106を有する。いくつかの実施の形態では、ハウジング106は、カートリッジ102を収容する大きさ及び形状である空間164を有する。随意的ではあるが、窓162は、カートリッジが少なくとも部分的に窓から視認可能であるように、空間164に設けられている。いくつかの実施の形態では、窓から視認可能であるカートリッジの部分は、ユーザのインジケータ光として機能するように、随意的ではあるが、視認可能な部分に光拡散部126を含むことによって、設けられている。
【0072】
いくつかの実施の形態では、カートリッジ102は、針を収容する部材208を有することで規定される近位端部304と、プランジャを収容するための穴310を有することで規定される遠位端部302とを有する。いくつかの実施の形態では、プランジャはカートリッジ102の長手方向軸に沿って押されるように設けられており、随意的ではあるが、窓164の長手方向軸と位置合わせされている。いくつかの実施の形態では、カートリッジの非対称的な向きの特徴は、遠位端部302、近位端部304及び光拡散部126がハウジング106及び/又は窓162に正確に位置合わせされているというカートリッジの配置につながる。例えば、連結部材がカートリッジ102とハウジング106に設けられうる。いくつかの実施の形態では、そのような非対称の向きの位置合わせの特徴が、カートリッジ102がハウジング106の内部で変位し、及び/又は回転するのを防ぐ。あるいは(または、さらに)、カートリッジの遠位及び/又は近位端部は、例えば、仕切り壁、及び/又は、物理的に接続する特徴、例えばスナップ(snap)、及び/又は、外周のへり、等のコネクタを含む。
【0073】
いくつかの実施の形態では、光源104は、カートリッジ102の少なくとも一部と光路を共有するようにハウジング106内に配置される。上記の少なくとも一部とは、随意的ではあるが、光がカートリッジ102の体積を通って(随意的ではあるが、その壁を通って)進行するのを可能にするための透明部を有する部分である。いくつかの実施の形態では、1つより多くの光源が設けられ、随意的ではあるが、2つより多い。あるいは、3つより多い光源が設けられる。あるいは、4つより多い光源が設けられる。いくつかの実施の形態では、それぞれの光源は、カートリッジ102に設けられた異なる光パイプに光学的に結合され、及び/又は、異なる光拡散部に光学的に結合される。いくつかの実施の形態では、表示光の視認領域を増やすために複数の光源を設け、随意的ではあるが、全ての光源を同様に動作させる。あるいは、複数の光源は、異なる表示が同時に行われるように設けられる。例えば、緑光は、デバイスのモータの動作状態を表示するものであるが、それはデリバリ状態を示す点滅赤光と同時に点灯される。いくつかの実施の形態では、光源104は発光ダイオードを有する。
【0074】
(拡げられた光拡散部を有する例示的なカートリッジ)
図4を参照する。
図4は本発明のいくつかの実施の形態における、少なくとも1つの拡長光拡散部を有する例示的なカートリッジの模式的斜視図である。
【0075】
いくつかの実施の形態では、光拡散表面462は光パイプ402を進行する光を拡散するために設けられている。光パイプ402は、随意的ではあるが、カートリッジの壁である。いくつかの実施の形態では、光パイプ402は、遠位位置302から近位位置304に拡がるカートリッジ102の壁の全体を含む。あるいは、光パイプ402は、カートリッジ102の一部のみにおいて、随意的ではあるが、長手方向軸の部分のみにおいて、透明部を有している。あるいは、光パイプ402はカートリッジ102の一部のみにおいて、随意的ではあるが、カートリッジ102の外周の部分のみにおいて、透明部を有している。
【0076】
いくつかの実施の形態では、光拡散部462は、カートリッジ102の外周に対する接面を超える角度で拡がっている。あるいは(または、さらに)、光拡散部462は、カートリッジ102の長手方向軸に垂直な方向に拡がる。いくつかの実施の形態では、光拡散部462は、カートリッジ102の長手方向軸に実質的に位置合わせされた長手方向軸を含む。あるいは、光拡散部462は、カートリッジ102の長手方向軸に実質的に垂直な長手方向軸を含む。
【0077】
いくつかの実施の形態では、部462は成型プロセスにおいてカートリッジとともに成型される。あるいは(または、さらに)、随意的ではあるが、部462をカートリッジの少なくとも一部に適合する大きさと形状で設けられることにより、部462はカートリッジに付加される。いくつかの実施の形態では、部462はカートリッジの光を伝播する壁及び/又は層に対して押されている。
【0078】
随意的ではあるが、カートリッジ102の遠位端部302はフランジ210を有する。いくつかの実施の形態では、光拡散部462に加えて、あるいはその代わりに、フランジ210は光拡散部として機能する。いくつかの実施の形態では、フランジ210は、遠位端部302の周囲を少なくとも部分的に取り囲み、随意的ではあるが、カートリッジの中心軸から離れる方向に遠位端部302の周囲を超えて拡がる少なくとも1つの鍔の特徴317を有する縁を有する。潜在的に、鍔の特徴317は、ハウジングに含まれる光源で生成された光をガイドし、随意的ではあるが、フランジ210を通って光を伝えることが可能である。いくつかの実施の形態では、光を伝えるフランジ210の少なくとも一部は、ハウジングの外から視認可能である。あるいは(または、さらに)、フランジ210及び/又は鍔317は、ハウジングに含まれる少なくとも1つの特徴を補足する大きさと形状であり、ハウジングの内部におけるカートリッジの位置の向きを潜在的に固定する。
【0079】
カートリッジ102の遠位端部302に設けられた光拡散部を通して光をガイドすることの潜在的な利点は、遠位端部の領域に潜在的に薬剤がないことであり、薬剤は、プランジャについでカートリッジのより近接した位置にほぼ配置されている。薬剤のない環境は、薬剤の存在によって引き起こされる可能性がある干渉あるいは変換効果(altering effect)を引き起こさずに光が拡散することを潜在的に可能にする。
【0080】
(光拡散表面領域を有する例示的なカートリッジ)
図5Aを参照する。
図5Aは、本発明のいくつかの実施の形態における、少なくとも1つの光拡散表面領域を有する例示的なカートリッジの模式的斜視図である。
【0081】
いくつかの実施の形態では、光拡散表面領域562はカートリッジ102に設けられる。いくつかの実施の形態では、表面領域562は、粗い表面を有することによって、カートリッジ102により与えられる光パイプ502を通って進行する光を拡散するように構成される。いくつかの実施の形態では、粗い表面は、カートリッジの外周に対して接線の方向ではない(not tangential to )、及び/又は、様々な角度に、随意的ではあるが、順序なしで(without order )、拡がる面として画定される。いくつかの実施の形態では、接線の方向ではない(non-tangential)面の角度が大きくなるほど、粗さのレベルはより大きく規定される。光パイプ502を通って進行する光は、平滑な面に至ると内部で反射され、及び/又は、粗い表面562に至ると光パイプの外へ拡散される可能性がある。
【0082】
いくつかの実施の形態では、1つより多い粗い表面領域562が設けられる。いくつかの実施の形態では、表面領域562は光を均等に拡散する、即ち、領域の単位当たりの光の等しい一部を拡散するように設けられている。あるいは、表面領域562は、例えば、粗さレベルの勾配及び/又はより大きい/より小さい粗さレベルの領域を有することにより、領域の単位当たりの光の等しくない一部を拡散するように設けられている。
【0083】
図5Bを参照する。
図5Bは、カートリッジ502に裏打ち(liner )及び/又はステッカー654を設ける、本発明のいくつかの実施の形態の一側面を模式的に図示する。いくつかの実施の形態では、カートリッジ502は、その内側の表面上で、ステッカー564で裏打ち(lined )されている。あるいは(または、さらに)、カートリッジ502の外側の表面上で、ステッカー564が裏打ちされている。いくつかの実施の形態では、ステッカー564は光をガイドする特性を有する材料を有し、随意的ではあるが、注射器ハウジングの内側で生成された光はステッカー564と視覚的経路(visual path )を共有する。
【0084】
いくつかの実施の形態では、ステッカー564は少なくとも1つのマーキング(marking )566を有し、それは随意的ではあるが、文字(text)、及び/又は、しるし(indicia )、及び/又は、記号(symbol)、及び/又は、他のあらゆる視覚的マーク(visual mark )である。随意的ではあるが、マーキング566は、注射器ハウジングの内部で共有された経路の光が生成されたときだけ、視認可能である。いくつかの実施の形態では、マーキング566は、内部で生成された光が特定の範囲の波長を有するときだけ視認可能であり、例えば、400から450、及び/又は、450から480、及び/又は、480から490、及び/又は、490から500、及び/又は、500から560、及び/又は、560から580、及び/又は、580から600、及び/又は、600から650、及び/又は、650から750の範囲、及び/又は、より大きい、より小さい、あるいは中間範囲のあらゆる範囲である。いくつかの実施の形態では、接着層及び/又はステッカーは、約0.05mmから約1mmの範囲の厚さを有する。あるいは、厚さは0.25mmから約0.75mmの範囲である。
【0085】
随意的ではあるが、マーキング566は、内側の光源と視覚的経路を共有して視認可能であり、一方で囲んでいるステッカー564はそれを通っての光のガイドをしていない。あるいは(または、さらに)、マーキング566と囲んでいるステッカー564は異なる波長範囲を有する光をガイドする。あるいは(または、さらに)、例えば、除去されるべき領域を型抜きすること(punching out the area being taken by)、及び/又は、輪郭を囲んでいるマーキング566によるように、囲んでいるステッカー564だけが光をガイドし、一方でマーキング566はガイドしない。いくつかの実施の形態では、マーキング566はステッカー上に、それのカートリッジ上への配置の前に、印刷されている。いくつかの実施の形態では、マーキング566は、随意的ではあるが、ユーザへのデバイスの表示に向けて、例えば「OK」、及び/又はデバイスの不具合の場合には「Error 」、及び/又は「Cold」と表示するように、文字を有する。ユーザに表示する文字は、随意的ではあるが、ユーザに表示するそれぞれの文字のために、異なる色、あるいは異なる波長範囲を用いて、ユーザに提供される。例えば、「Error 」は赤い光で、及び/又は赤いフィルターとともに設けられ、表示されてよい。「OK」は緑に表示されてよく、「Cold」は青色に表示されてよい。
【0086】
いくつかの実施の形態では、ステッカー564は可撓性である。随意的ではあるが、ステッカー564は、商業的に入手可能なあらゆるカートリッジ上に裏打ち可能である。いくつかの実施の形態では、ステッカー564は、成型により形成されたカートリッジの少なくとも一部上に、成型プロセスが行われた後、随意的ではあるが、カートリッジ502が薬剤で充填される前に裏打ちされる。あるいは、ステッカー564はカートリッジが充填された後でカートリッジ502上に裏打ちされる。いくつかの実施の形態では、ステッカー564の少なくとも一部は透明である。あるいは(または、さらに)、ステッカー564の少なくとも一部は半透明である。あるいは(または、さらに)、ステッカー564の少なくとも一部は不透明である。
【0087】
いくつかの実施の形態では、ステッカー564は、特定の範囲の波長の光を伝播するように設けられている。ステッカー564によって伝播された波長は、カートリッジに収容される薬剤の少なくとも1つの視覚的な知覚特性に応じて、随時選択される。いくつかの実施の形態では、視覚的な知覚特性は薬剤の色を有する。あるいは(または、さらに)、視覚的な知覚特性は、薬剤の反射率(reflectivity)を含む。あるいは(または、さらに)、視覚的な知覚特性は、薬剤の吸光度(absorbance)を含む。
【0088】
(光拡散突出エレメントを有する例示的なカートリッジ)
図6を参照する。
図6は、本発明のいくつかの実施の形態における、複数の光拡散突出部(protrusion)を有する例示的なカートリッジの模式的斜視図である。
図6Aは等距離に配置された突出部を図示し、
図6Bは非等距離に配置された突出部を図示する。
【0089】
いくつかの実施の形態では、少なくとも1つの突出エレメント662が、カートリッジ102の外周の少なくとも一部に沿って拡がって設けられる。いくつかの実施の形態では複数の突出エレメント662が設けられる。随意的ではあるが、突出エレメント662は、随時カートリッジ102の長手方向軸に沿って、等距離に配置されている。等距離のエレメント662の潜在的な利点は、様々な視認角度からの均一な視認である。あるいは、突出エレメント662は随時カートリッジ102の長手方向軸に対して非等距離に配置されている。非等距離のエレメント662の潜在的な利点は、例えば、互いからより離れたエレメント662を有する部分で、デリバリされる薬剤を視認することを可能にすることである。
【0090】
(光拡散膨らみ部を有する例示的なカートリッジ)
図7を参照する。
図7は、本発明のいくつかの実施の形態における、少なくとも1つの光拡散膨らみ部(bulge )を有する例示的なカートリッジの模式的斜視図である。
【0091】
いくつかの実施の形態では、カートリッジ102の光拡散部は少なくとも1つの膨らみ部762を有する。いくつかの実施の形態では、膨らみ部762は、相対的に小さい表面領域に限定された突出する表面を有する。いくつかの実施の形態では、膨らみ部762は、カートリッジ102の全体に表面領域の約1%~約5%の範囲である領域の部から突出している。あるいは(または、さらに)、膨らみ部762は、カートリッジ102の全体に表面領域の約10%~約20%の範囲である領域の部から突出している。あるいは(または、さらに)、膨らみ部762は、カートリッジ102の全体に表面領域の約20%~約30%の範囲である領域の部から突出している。
【0092】
いくつかの実施の形態では、膨らみ部762は、0.2mm以下の高さまで拡がる。あるいは(または、さらに)、膨らみ部762は、0.5mm以下の高さまで拡がる。あるいは(または、さらに)、膨らみ部762は、1mm以下の高さまで拡がる。
【0093】
(光拡散スロットを有する例示的カートリッジ)
図8を参照する。
図8は、本発明のいくつかの実施の形態における、少なくとも1つの光拡散スロットを有する例示的なカートリッジの模式的斜視図である。
【0094】
いくつかの実施の形態では、光拡散部はカートリッジ102における少なくとも1つのスロット862を含む。いくつかの実施の形態では、スロット862はカートリッジ102にエッチングされたエレメントとして設けられている。あるいは(または、さらに)、スロット862はカートリッジ102の外周の一部に沿って設けられている。あるいは(または、さらに)、スロット862はカートリッジ102の長手方向軸に平行に設けられている。随意的ではあるが、縦方向に位置合わせされたスロット862は、光路での薬剤の流体在庫状況の視認を向上させる(enhance )。随意的ではあるが、スロットの内側の表面は、平滑である、及び/又は、粗い、及び/又は、様々な粗さを有していてよい。
【0095】
(光拡散プランジャ接触(contact )を有する例示的カートリッジ)
図9を参照する。
図9は、本発明のいくつかの実施の形態における、光の拡散及び/又は反射によって識別可能なプランジャを有する例示的なカートリッジの模式的斜視図である。
【0096】
いくつかの実施の形態では、プランジャ202は、カートリッジ102の内側の壁との接触壁962を画定する。いくつかの実施の形態では、接触壁962は、プランジャ202とのコンタクト壁において光を拡散させることによって、光拡散部として機能する。いくつかの実施の形態では、接触壁962により発せられた光は、プランジャの位置を識別するための助けとなり、潜在的に薬剤デリバリに注目を集めることに役立つ。いくつかの実施の形態では、光拡散壁はプランジャの近位部分にある(そこでプランジャが薬剤と接触する)。光拡散部をプランジャの近位端部に配置することは、薬剤のプランジャとの接触点を示すことの潜在的な利点を有する。あるいは(または、さらに)、光拡散壁はプランジャの遠位端部にある。あるいは(または、さらに)、光拡散壁はプランジャの近位及び遠位端部の間に配置される。いくつかの実施の形態では、プランジャの光拡散壁の位置に基づいて、残された薬剤の体積を測定するために、しるし(indicia )が設けられている。
【0097】
(例示的な製造プロセス)
本発明のいくつかの実施の形態における例示的な製造プロセスを説明するフローチャートを示す
図10が参照される。
【0098】
いくつかの実施の形態では、プロセスは、光パイプとして機能するとともに光拡散部を有するように設けられるカートリッジの成型(1002)より始まる。カートリッジ全体は、随意的ではあるが、透明材料を用いて成型される。透明材料は、随意的ではあるが、ポリマー、クリスタルゼニス(Crystal Zenith)及び/又はガラスである。あるいは(または、さらに)、カートリッジの一部のみが透明材料を用いて成型される。そのような一部は、随意的ではあるが、光入射部位を規定する。成型されたカートリッジの内側は第2の材料層で被覆されるが、この第2の材料層は、随意的ではあるが、成型材料とは異なる光の伝播特性を有する。
【0099】
いくつかの実施の形態では、カートリッジの成型の後、カートリッジの表面への裏打ちを施す(1003)。裏打ちは、例えば、カートリッジの表面の少なくとも一部をステッカーで裏打ちすることによって行う。随意的ではあるが、ステッカーは光拡散部として機能する。随意的ではあるが、カートリッジの内側表面を裏打ちする。あるいは(または、さらに)、ステッカーでカートリッジの外側表面を裏打ちする。いくつかの実施の形態では、ステッカーは、光の少なくとも一部が薬剤に到達するのを防ぐ。これは、使用されている薬剤が光感応性を有する場合に有用となる可能性がある。いくつかの実施の形態では、ステッカーは反射する材料を含む。あるいは(または、さらに)、ステッカーには、記載された文字が付与される。あるいは(または、さらに)、カートリッジには、光ガイドエレメント層が設けられる。随意的ではあるが、この光ガイドエレメント層は、化学的手法でのリンキング(linking )によって設けられる。
【0100】
いくつかの実施の形態では、カートリッジの少なくとも一部の上に裏打ちされたステッカーは、感光性のイラスト及び/又は文字を含む。あるいは(または、さらに)、ステッカーは、特定の領域の波長に曝されたときだけ検出可能となる蛍光性の特徴を含む。例えば、ステッカーは、埋め込まれた光源がオンのとき、及び/又は、特定の波長が発せられているときだけ視認可能となる文字及び/又はしるしを含む。随意的ではあるが、ステッカーは、透明、あるいは半透明、あるいは不透明である。
【0101】
いくつかの実施の形態では、カートリッジは、成型されたのち、薬剤が充填される(1004)。随意的ではあるが、光入射部位、及び/又は、透明な光パイプ、及び/又は、光拡散部は、充填される薬剤の特性に応じて作成される。例えば、薬剤が透明である場合、非制御状態にある装置(uncontrolled set ups)内で光が進行することを避けるために、カートリッジは非透明な部分を有する。あるいは、薬剤が感光性である場合、随意的ではあるが、カートリッジは不透明材料で被覆される。
【0102】
いくつかの実施の形態では、窓を有するハウジングが用意される(1006)。いくつかの実施の形態では、光拡散部が窓に位置合わせされるようにして、カートリッジがハウジング内に配置される(1008)。随意的ではあるが、ハウジングはカートリッジに合う大きさ及び形状をもった空間を有する。いくつかの実施の形態では、ハウジングに対してカートリッジが所定の向きとなるように、ハウジングは、成型されたカートリッジの一部と連繋するような大きさ及び形状をもった部材をさらに有する。いくつかの実施の形態では、カートリッジの少なくとも一部が窓から視認されるように、カートリッジの配置が行われる。随意的ではあるが、窓から視認されるカートリッジの部分は、光拡散部を含む。
【0103】
いくつかの実施の形態では、少なくとも1つの光源がハウジング内に配置される(1010)。いくつかの実施の形態では、光源は、カートリッジの少なくとも一部(随意的ではあるが、光入射部位)と光路を共有するように配置される。
【0104】
(例示的な光表示アルゴリズムの作成)
ここで
図11を参照する。この図は、本発明のいくつかの実施の形態における例示的な光表示アルゴリズムを説明するフローチャートを示す。
【0105】
いくつかの実施の形態では、例えば電源が制御回路により検知されたときのように、デバイスがオンとなると(1120)、光源がオンされる(1102)。随意的ではあるが、ユーザは医薬品デリバリを開始できる。いくつかの実施の形態では、薬剤デリバリ中は(1140)、光は明滅周波数Aで明滅する(1104)。いくつかの実施の形態では、デリバリが停止すると(1160)、光源は明滅を停止し(1106)、随意的ではあるが、初期の操作状態に戻る。あるいは、光源は異なる色を有する光を発する。
【0106】
いくつかの実施の形態では、不具合が認識されると(1180)、光は周波数Bで明滅する(1108)。いくつかの実施の形態では、デリバリが終了すると(1100)、光の明滅が停止され、随意的ではあるが、光は色を変える(1110)。いくつかの実施の形態では、デバイスがオフとなり、及び/又は、デバイスがユーザの体から離れると(1111)、光はオフとなる(1112)。
【0107】
いくつかの実施の形態では、デバイスが薬剤デリバリ中である間にユーザがうっかりデバイスを取り外したときのように、不適切な使用をした場合もまた、光によって知らされる。
【0108】
随意的ではあるが、デバイス状態のいずれかを示すために、非視覚的表示も用いられる。例えば、随意的ではあるが、モータにより生成された振動が用いられる。あるいは(または、さらに)、デバイス状態のいずれかを示すために、音の表示が用いられてもよい。
【0109】
(医薬品デリバリデバイスにおいてユーザにインジケータ光を提供するための例示的な方法)
ここで
図12を参照する。この図は、本発明のいくつかの実施の形態における、ユーザのインジケータ光として薬剤カートリッジを使用するための例示的な方法を説明するフローチャートを示す。
【0110】
いくつかの実施の形態では、光源で生成された光に対する光パイプとして働くように構成されたカートリッジを光源に光学的に結合することによって(1202)、薬剤を含むカートリッジがユーザのインジケータ光として用いられる。いくつかの実施の形態では、カートリッジは、カートリッジの光パイプに光学的に結合された少なくとも1つの光拡散部をさらに有する(1204)。これにより、例えば、光源で生成された光がカートリッジである光パイプを通って進行し、光拡散部を通ってカートリッジの壁から外へ拡散する。
【0111】
いくつかの実施の形態では、カートリッジと光源は、窓を有する医薬品デリバリデバイスのハウジング内に配置される(1206)。随意的ではあるが、カートリッジ及び/又は光源は、光源で生成された光が光拡散部を通って窓から外へ出ていくように、窓に対して位置合わせされる(1208)。
【0112】
いくつかの実施の形態では、ここで与えられたデバイス状態に従い、医薬品デリバリデバイスの状態に応じて光が操作される(1210)。
【0113】
本明細書において用いられている用語「約(about )」は、「±25%」であることを意味する。
【0114】
用語「備え(comprises )」、「備える(comprising)」、「含み(includes)」、「含む(including )」、「有する(having)」、およびそれらの活用形は、「~を含むが、~に限定されない」ことを意味する。
【0115】
用語「からなる」は「~を含み、かつ~に限定される」ことを意味する。
【0116】
用語「本質的に~からなる」は、組成物、方法、または構造において、追加の成分、工程、および/または部分が、請求の範囲に記載の組成物、方法、または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない限り、そのような追加の成分、工程、および/または部分を含んでもよいことを意味する。
【0117】
本明細書において用いられている、「a 」、「an」、および「the 」を伴う単数形の記載は、文脈上明確な断りのない限り、言及がなされたものの複数形を含んでいる。
【0118】
本願の全体に渡って、本発明の各種実施の形態を、範囲形式を参照することによって提示している場合がある。しかしながら、範囲形式による記載は、便宜上および簡潔化を目的としているにすぎず、本発明の範囲について柔軟性を排して限定するものであると解釈されるべきではない。したがって、範囲の記載は、その範囲内のすべての取り得る部分範囲、および個々の数値を、明確に開示するものとみなされるべきである。例えば、「1から6まで」のような範囲の記載は、「1から3まで」、「1から4まで」、「1から5まで」、「2から4まで」、「2から6まで」、「3から6まで」等のような部分範囲や、例えば、1、2、3、4、5、および6のように、その範囲内の個々の数字を、明確に開示するものとみなされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0119】
本明細書において示されている数値範囲は、いかなる場合でも、示される範囲内の任意の数字(分数または整数)を含むことを意味する。第1の指示数字と第2の指示数字との「間の範囲(between )」や、第1の指示数字「から(from)」第2の指示数字「まで(to)」という語句は、本明細書においては互換可能に使用されており、第1の指示数字および第2の指示数字、ならびにそれらの間のすべての分数および整数を含むことを意味している。
【0120】
本明細書において用いられている用語「方法(method)」は、与えられたタスクを達成するための、やり方、手段、技術、および手順のことであり、これに限定されるものではないが、化学的技術、薬学的技術、生物学的技術、生化学的技術、および医学的技術の関係者に既知のやり方、手段、技術、および手順や、化学的技術、薬学的技術、生物学的技術、生化学的技術、および医学的技術の関係者によって既知のやり方、手段、技術、および手順から容易に発展可能なやり方、手段、技術、および手順を含む。
【0121】
本命最初において用いられている用語「処置すること(treating)」は、ある疾患の進行を無効化すること(abrogating)、実質的に阻害すること(substantially inhibiting)、遅らせること(slowing )、または逆行させること(reversing )や、ある疾患の臨床的または審美的症状を実質的に改善すること(substantially ameliorating)、ある疾患の臨床的または審美的症状の出現を実質的に妨げること(substantially preventing)を含む。
【0122】
本発明のいくつかの特徴は、明確性の確保のために文脈上、別個の実施の形態として記載されているが、それらは、単一の実施の形態において、組み合わせて設けてもよい。逆に、簡潔性の確保のために文脈上、単一の実施の形態として記載されている本発明の各種特徴は、本発明の、記載された実施の形態以外の任意の他の実施の形態において、別々に設け、任意の適したサブコンビネーションとして設け、または、適切に設けてもよい。各種実施の形態として文脈上、記載されているいくつかの特徴は、その実施の形態がそれらの要素なくして作用不能とならない限り、それらの実施の形態における必須の特徴とみなされるべきではない。
【0123】
本発明を、その具体的な実施の形態と関連して説明したが、当業者であれば、多くの代替、変形、および変更をなし得ることは明らかである。したがって、そのような代替、変形、および変更のすべてを包含することを意図するものであり、そのような代替、変形、および変更は、添付の請求の範囲によって定められる精神および広範な範囲内に含まれる。
【0124】
本明細書に記載のすべての刊行物、特許、および特許出願は、参照によりそれらを全体的に本明細書に援用する。これは、1つ1つの刊行物、特許、または特許出願が、あたかも明確にかつ個別に、参照により本明細書に援用されていることが示されているような場合と同程度の援用である。さらに、本出願における文献の引用または特定は、その文献が本発明の先行技術として存在することを自認するものであると解釈されてはならない。節の見出しが使用される限り、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。