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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】金具位置決め機構及び射出成形金型
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/12 20060101AFI20221129BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20221129BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
B29C33/12
B29C45/26
B29C45/14
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021119363
(22)【出願日】2021-07-20
(65)【公開番号】P2022120769
(43)【公開日】2022-08-18
【審査請求日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】2021101633887
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521006990
【氏名又は名称】深▲セン▼市凱中精密技術股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】何 小華
(72)【発明者】
【氏名】陳 峰
(72)【発明者】
【氏名】程 正中
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-065263(JP,A)
【文献】特開2008-093957(JP,A)
【文献】特開2019-084741(JP,A)
【文献】国際公開第2011/118226(WO,A1)
【文献】特開2017-213819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00 - 33/76
B29C 45/00 - 45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を置いて設置された金具本体を少なくとも層含む金具を位置決めするための金具位置決め機構であって、
第1組の位置決め部品(1)、第2組の位置決め部品(2)、第3組の位置決め部品(3)、及び第4組の位置決め部品(4)を含み、
前記第1組の位置決め部品(1)は第1のセクション(11)及び第2のセクション(12)を含み、前記第1のセクション(11)は、第1層の金具本体(5)及び第2層の金具本体(6)を通過して、第3層の金具本体(7)の頂壁に当接し、前記第2のセクション(12)は第3層の金具本体(7)の底壁に当接し、
前記第2組の位置決め部品(2)は第3のセクション(21)及び第4のセクション(22)を含み、前記第3のセクション(21)は前記第1層の金具本体(5)の頂壁に当接し、前記第4のセクション(22)は、前記第3層の金具本体(7)及び前記第2層の金具本体(6)を通過して、前記第1層の金具本体(5)の底壁に当接し、
前記第3組の位置決め部品(3)は、第5のセクション(31)及び第6のセクション(32)を含み、前記第5のセクション(31)は前記第1層の金具本体(5)を通過して、前記第2層の金具本体(6)の頂壁に当接し、前記第6のセクション(22)は、前記第3層の金具本体(7)を通過して、前記第2層の金具本体(6)の底壁に当接し、
前記第4組の位置決め部品(4)は、前記第1層の金具本体(5)、前記第2層の金具本体(6)及び前記第3層の金具本体(7)を貫通しており、
前記4組の位置決め部品は柱体であり、
前記柱体は、
プレート部品(9)に設けられる本体(8)と、
前記本体(8)の前記プレート部品から離れる一端に設けられており、直径が前記本体(8)の直径より小さい挿入部(81)とを含み、
前記挿入部(81)の端部には面取りが設けられていることを特徴とする金具位置決め機構。
【請求項2】
前記第1のセクション(11)及び前記第2のセクション(12)は同じ軸上に位置し、前記第3のセクション(21)及び前記第4のセクション(22)は同じ軸上に位置し、前記第5のセクション(31)及び前記第6のセクション(32)は同じ軸上に位置することを特徴とする請求項1に記載の金具位置決め機構。
【請求項3】
前記金具本体の周方向に沿って、前記複数組の位置決め部品が間隔を置いて設置されていることを特徴とする請求項2に記載の金具位置決め機構。
【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載の金具位置決め機構を含むことを特徴とする射出成形金型。
【請求項5】
前記プレート部品(9)は、第1のプレート(91)と第2のプレート(92)とを含み、
前記第1のセクション(11)、前記第3のセクション(21)、前記第5のセクション(31)は前記第1のプレート(91)に設けられ、前記第1のプレート(91)に固定接続され、
前記第2のセクション(12)、前記第4のセクション(22)、前記第6のセクション(32)は前記第2のプレート(92)に設けられ、前記第2のプレート(92)に固定接続されていることを特徴とする請求項に記載の射出成形金型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車技術分野に関し、具体的には金具位置決め機構及び射出成形金型に関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタは、モーターに広く使用されており、主に金具とプラスチックで構成される。コネクタは、回路内のブロックされた箇所又は分離された回路間には、接続ブリッジを構築し、電流/信号を流し、回路に所定の機能を実現させる。ネクタの製造中では、金具をインサートとしてプラスチック金型に入れ、さらにプラスチック原料を金型に射出してコネクタを射出成形する。ここでは、金具の一部はプラスチック内にあるように設計され、他の部分はワイヤーを接続するために露出している。プラスチックは、金具を固定して覆うために使用されるため、必要な位置と間隔に従って金具を配置し、金具と金具の間の絶縁を確保することができる。
【0003】
金具を射出成形する時、まず、複数の円形針で金具本体を位置決めし、且つサイズの異なる少なくとも2つの突起が円形針の軸方向に沿って間隔を置いて設置され、次に第1層の金具本体を当該円形針に外嵌し、サイズが最も大きい突起に係止する。さらに、第2層の金具本体をサイズが相対的に小さい突起に外嵌する。このように、少なくとも2層の金具本体が重ね合わされる。金具の厚みに対して要求があるため、金具本体を最大5層重ね合わせる。
【0004】
しかしながら、従来技術では、金具本体における位置決め孔が比較的小さく、肉眼で観察することが困難であるため、金具本体を当該円形針に取り付ける時、円形針における突起又は段差面は金具本体における位置決め孔の孔壁を引っ掻き、それによって金粉を引掻き落とし、引掻き落とされた金粉は、金具本体に付着したり、金型内に落ちたりし、金具を射出成形する時、ゴムに溶け込み、ゴムと混合する。製造終了後、絶縁試験を行う場合、金粉が混合される金具が導電し、製品の歩留まりが低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明が解決しようとする技術課題は、従来技術における金具の位置決めの時に、金具の金粉を引掻き落とすという欠陥を克服するために、効果的に位置決めすることができ、金具の金粉を引掻き落としにくく、絶縁試験に効果的に合格することができるため、製品の歩留まりが向上する金具位置決め機構及び射出成形金型を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術課題を解決するために、本発明は、金具位置決め機構を提供する。間隔を置いて設置された金具本体を少なくとも2層含む金具を位置決めするための金具位置決め機構であって、第1組の位置決め部品、第2組の位置決め部品、及び第3組の位置決め部品を含む、少なくとも3組の位置決め部品を更に含み、前記第1組の位置決め部品は、第1のセクション及び第2のセクションを含み、前記第1のセクションは、第1層の金具本体を通過して、第2層の金具本体の頂壁に当接し、前記第2のセクションは第2層の金具本体の底壁に当接し、第2組の位置決め部品は第3のセクション及び第4のセクションを含み、前記第3のセクションは第1層の金具本体の頂壁に当接し、前記第4のセクションは、第2層の金具本体を通過して、第1層の金具本体の底壁に当接し、前記第3組の位置決め部品は、前記第1層の金具本体及び第2層の金具本体を貫通している。
【0007】
第1のセクション及び第2のセクションは同じ軸上に位置し、前記第3のセクション及び第4のセクションは同じ軸上に位置してもよい。
【0008】
前記金具本体の周方向に沿って、複数組の位置決め部品が間隔を置いて設置されてもよい。
【0009】
前記3組の位置決め部品は柱体であってもよい。
【0010】
前記柱体は、プレート部品に設けられる本体と、前記本体の前記プレート部品から離れる一端に設けられており、直径が前記本体の直径より小さい挿入部とを含んでもよい。
【0011】
前記挿入部の端部には面取りが設けられてもよい。
【0012】
前記金具は、第3層の金具本体を更に含み、少なくとも3組の位置決め部品は4組であり、前記第3組の位置決め部品は第5のセクション及び第6のセクションを含み、前記第5のセクションは前記第1層の金具本体の頂壁に当接し、前記第6のセクションは、前記第2層の金具本体及び第3層の金具本体を通過して、前記第1層の金具本体の底壁に当接し、第4組の位置決め部品は、前記第1層の金具本体、第2層の金具本体、及び第3層の金具本体を貫通してもよい。
【0013】
本発明は、本発明に係る金具位置決め機構を含む射出成形金型をさらに提供する。
【0014】
第1のプレートと第2のプレートとを含むプレート部品を更に含み、前記第1のセクション、第3のセクション、第5のセクションは前記第1のプレートに設けられ、前記第1のプレートに固定接続され、前記第2のセクション、第4のセクション、第6のセクションは前記第2のプレートに設けられ、前記第2のプレートに固定接続されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の技術案は、以下の利点を有する。
【0016】
1.本発明に係る金具位置決め機構は、間隔を置いて設置された金具本体を少なくとも2層含む金具を位置決めするためのものであって、第1組の位置決め部品、第2組の位置決め部品、及び第3組の位置決め部品を含む少なくとも3組の位置決め部品を更に含み、前記第1組の位置決め部品は、第1のセクション及び第2のセクションを含み、前記第1のセクションは、第1層の金具本体を通過して、第2層の金具本体の頂壁に当接し、前記第2のセクションは第2層の金具本体の底壁に当接し、第2組の位置決め部品は第3のセクション及び第4のセクションを含み、前記第3のセクションは第1層の金具本体の頂壁に当接し、前記第4のセクションは、第2層の金具本体を通過して、第1層の金具本体の底壁に当接し、前記第3組の位置決め部品は、前記第1層の金具本体及び第2層の金具本体を貫通している。
【0017】
2組の位置決め部品がベースに設置され、2組の位置決め部品がいずれもベースに固定接続され、且つ、金具には位置決め孔が設けられ、第1組の位置決め部品は位置決め孔を介して第1層の金具本体を固定し、第2組の位置決め部品は当該位置決め孔を介して第2層の金具本体を固定することにより、第1層の金具本体及び第2層の金具本体の位置が決定される。第1層の金具本体を第1組の位置決め部品に固定し、第2層の金具本体を第2組の位置決め部品に固定するという方式により、サイズの異なる少なくとも2つの突起が1つの位置決め部品の軸方向に沿って間隔を置いて設置され、第1層の金具本体及び第2層の金具本体がそれぞれ当該位置決め部品に取り付られる時、位置決め孔と突起との間に引っ掻きが発生して金具の位置決め孔内の金粉を引掻き落とすことが回避され、これにより、当該金具がプラスチックで被覆される場合、即ち金具が射出成形される場合、金粉がゴムに落下することはなく、つまり、金粉がゴムと混合されず、当該金具は、絶縁試験を行う場合、導電することがないため、製品の不良率が低下し、製品の歩留まりがさらに向上する。
【0018】
位置決めの時に、まず、第1組の位置決め部品の第1のセクションは、第1層の金具本体を上から下に通過し、且つ第1のセクションの端部は第2層の金具本体の頂壁に当接して、位置決め及び固定がされる。次に、第2のセクションは第2層の金具本体の底壁に当接する。さらに第2組の位置決め部品の第3のセクションの端部は第1層の金具本体の頂壁に当接し、さらに、第4のセクションは、第2層の金具本体を下から上に通過し、且つ第4のセクションの端部は第1層の金具本体の底壁に当接して、位置決め及び固定がされる。最後に、第3組の位置決め部品は共同に第1層の金具本体及び第2層の金具本体を貫通する。これにより、第1層の金具本体及び第2層の金具本体はそれぞれX軸、Y軸、Z軸上の移動と回転という6自由度の方向に固定される。この方式で金具を固定することにより、金具の位置決めの安定性が確保され、同時に、従来技術において、サイズの異なる少なくとも2つの突起が1つの位置決め部品の軸方向に沿って間隔を置いて設置され、更に第1層の金具本体及び第2層の金具本体がそれぞれ突起を有する位置決め部品に取り付けられ、金具本体の位置決め孔と突起との間に引っ掻きが発生して、金具本体の位置決め孔内の金粉を引掻き落とすことが回避され、これにより、当該金具がプラスチックで被覆される場合、即ち金具が射出成形される場合、金粉がゴムに落下することはなく、つまり、金粉がゴムと混合されず、当該金具は、絶縁試験を行う場合、導電することがないため、製品の不良率が低下し、製品の歩留まりがさらに向上する。同時に、第1層の金具本体及び第2層の金具本体が射出成形中に崩壊されることが回避される。
【0019】
2.本発明に係る金具位置決め機構では、第1のセクション及び第2のセクションは同じ軸上に位置し、前記第3のセクション及び第4のセクションは同じ軸上に位置するため、位置決めを行う時の第1層の金具本体と第2層の金具本体との同軸度が確保され、これにより位置決めの精度が確保され、位置決め偏差が回避される。
【0020】
3.本発明に係る金具位置決め機構では、前記金具本体の周方向に沿って、複数組の位置決め部品が間隔を置いて設置されている。従って、金具本体の各方向に金具本体を位置決めすることができ、これにより、位置決めの精度及び位置決めの安定性が確保される。
【0021】
4.本発明に係る金具位置決め機構では、前記柱体は、プレート部品に設けられる本体と、前記本体の前記プレート部品から離れる一端に設けられており、直径が前記本体の直径より小さい挿入部とを含む。挿入部の直径を本体の直径により小さくすることにより、当該柱体を金具本体の位置決め孔内にスムーズに挿入できると同時に、柱体を金具本体内に挿入するための隙間ができ、柱体の挿入部と金具本体の位置決め孔との間に引っ掻きが発生して金具本体上の金粉を引掻き落とすことが回避される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の実施形態又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下、特定の実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。勿論、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な労働を要しない前提で、更にこれらの図面に基づいてその他の図面を得ることができる。
図1】本発明に係る金具位置決め機構の構造模式図である。
図2図1の斜視図である。
図3】射出成形金型の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本考案の技術案を明確かつ完全に説明し、説明する実施例はすべての実施例ではなく、本考案の実施例の一部に過ぎないことは明らかである。本考案における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく得たすべての他の実施例は、本考案の保護範囲に属する。
【0024】
本考案の説明において、特に明記していない限り、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本考案を便利または簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は素子が必ず特定の方位を有することや、特定の方位で構成や操作を形成することを指示又は暗示するものではないので、本考案に対する限定として理解されるものではない。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示するものとして理解されるものではない。
【0025】
なお、本考案の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」等の用語は広義で理解されるべきである。例えば、固定接続、取り外し可能な接続、あるいは一体的な接続であってもよいし、機械的接続あるいは電気的接続であってもよいし、直接連結、中間媒体を介する間接連結、あるいは2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本考案での具体的な意味を理解することができる。
【0026】
図1図3に示すように、本発明は、金具を位置決めするための金具位置決め機構を提供し、当該金具位置決め機構は金型内に設置されており、金具の位置決めが完了した後の直接射出成形に便利である。当該金型には、第1のプレート及び第2のプレートが設けられ、ここで、第1のプレートは金型の上型プレートであり、第2のプレートは金型の下型プレートであり、位置決め部品は第1のプレート及び第2のプレートに設置される。ここで、金具は、間隔を置いて設置された金具本体を少なくとも2層含み、金具位置決め機構は、第1組の位置決め部品1、第2組の位置決め部品2、及び第3組の位置決め部品3を含む、少なくとも3組の位置決め部品を更に含み、前記第1組の位置決め部品1は第1のセクション11及び第2のセクション12を含み、前記第1のセクション11は、第1層の金具本体5を通過して、第2層の金具本体6の頂壁に当接し、前記第2のセクション12は第2層の金具本体6の底壁に当接し、第2組の位置決め部品2は第3のセクション21及び第4のセクション22を含み、前記第3のセクション21は第1層の金具本体5の頂壁に当接し、前記第4のセクション22は、第2層の金具本体6を通過して、第1層の金具本体5の底壁に当接し、前記第3組の位置決め部品3は、前記第1層の金具本体5及び第2層の金具本体6を貫通している。
【0027】
ここで、各層の金具本体はいずれもC字型であり、第1層の金具本体5及び第2層の金具本体6を位置決めする場合、2層の金具本体をリング状構造として組み合わせてから位置決めすることができる。本実施例では、2層の金具本体は、鉛直方向に沿って間隔を置いて設置され、且つ第1層の金具本体5及び第2層の金具本体6の外部にはプラスチック部材13が射出成形される。金具本体には位置決め孔が設けられ、位置決めを行う場合、まず、第1組の位置決め部品1の第1のセクション11は、第1層の金具本体5を上から下に通過し、且つ第1のセクション11の端部は、第2層の金具本体6の頂壁に当接して、位置決め及び固定がされる。次に、第2のセクション12は第2層の金具本体6の底壁に当接する。さらに第2組の位置決め部品2の第3のセクション21の端部は第1層の金具本体5の頂壁に当接し、さらに、第4のセクション22は、第2層の金具本体6を下から上に通過し、且つ第4のセクション22の端部は第1層の金具本体5の底壁に当接して、位置決め及び固定がされる。最後に、第3組の位置決め部品3は共同に第1層の金具本体5及び第2層の金具本体6を貫通する。これにより、第1層の金具本体5及び第2層の金具本体6はそれぞれX軸、Y軸、Z軸上の移動と回転という6自由度の方向に固定される。この方式で金具を固定することにより、金具の位置決めの安定性が確保され、同時に、従来技術において、サイズの異なる少なくとも2つの突起が1つの位置決め部品の軸方向に沿って間隔を置いて設置され、更に第1層の金具本体5及び第2層の金具本体6がそれぞれ突起を有する位置決め部品に取り付けられ、金具本体の位置決め孔と突起との間に引っ掻きが発生して、金具本体の位置決め孔内の金粉を引掻き落とすことが回避され、これにより、当該金具がプラスチックで被覆される場合、即ち金具が射出成形される場合、金粉がゴムに落下することはなく、つまり、金粉がゴムと混合されず、当該金具は、絶縁試験を行う場合、導電することがないため、製品の不良率が低下し、製品の歩留まりがさらに向上する。同時に、第1層の金具本体5及び第2層の金具本体6が射出成形中に崩壊されることが回避される。
【0028】
さらに、第1のセクション11及び第2のセクション12は同じ軸上に位置し、前記第3のセクション21及び第4のセクション22は同じ軸上に位置するため、位置決めを行う時の第1層の金具本体5と第2層の金具本体6との同軸度が確保され、これにより位置決めの精度が確保され、位置決め偏差が回避される。
【0029】
本実施例では、前記金具本体の周方向に沿って、複数組の位置決め部品が間隔を置いて設置されてもよい。従って、金具本体の各方向に金具本体を位置決めすることができ、これにより、位置決めの精度及び位置決めの安定性が確保される。
【0030】
さらに、前記3組の位置決め部品は柱体である。具体的には、前記柱体は、プレート部品に設けられる本体8と、前記本体8の前記プレート部品から離れる一端に設けられており、直径が前記本体8の直径より小さい挿入部81とを含む。挿入部81の直径を本体8の直径により小さくすることにより、当該柱体を金具本体の位置決め孔内にスムーズに挿入できると同時に、柱体を金具本体内に挿入するための隙間ができ、柱体の挿入部81と金具本体の位置決め孔との間に引っ掻きが発生して金具本体上の金粉を引掻き落とすことが回避される。
【0031】
図2に示すように、前記挿入部81の端部には面取りが設けられている。まず、挿入部の端部のバリを取り除くことにより、柱体を美しくすると同時に、金具本体の位置決め孔内に挿入部を素早く挿入しやすくする。
【0032】
前記金具は、第3層の金具本体7を更に含む場合、少なくとも3組の位置決め部品は4組であり、前記第3組の位置決め部品3は第5のセクション31及び第6のセクション32を含み、前記第5のセクション31は前記第1層の金具本体5の頂壁に当接し、前記第6のセクション32は、前記第2層の金具本体6及び第3層の金具本体7を通過して、前記第1層の金具本体5の底壁に当接している。第4組の位置決め部品4は、前記第1層の金具本体5、第2層の金具本体6、及び第3層の金具本体7を貫通している。
【0033】
3層の金具本体を位置決めする場合、まず、第1組の位置決め部品1の第1のセクション11は、第1層の金具本体5及び第2層の金具本体6を上から下に通過し、且つ第1のセクション11の端部は第3層の金具本体7の頂壁に当接する。さらに第2のセクション12は第3層の金具本体7の底壁に当接する。次に、第2組の位置決め部品2の第3のセクション21の端部は、第1層の金具本体5を通過して、第2層の金具本体6の頂壁に当接し、さらに、第4のセクション22は、第3層の金具本体7を下から上に通過し、且つ、第4のセクション22の端部は第2層の金具本体6の底壁に当接する。さらに第3組の位置決め部品3の第5のセクション31の端部は第1層の金具本体5の頂壁に当接し、次に第6のセクション32は、第3層の金具本体7及び第2層の金具本体6を下から上に通過し、且つ、第6のセクション32の端部は第1層の金具本体5の底壁に当接して、位置決め及び固定がされる。最後に、第4組の位置決め部品は、共同に第1層の金具本体5、第2層の金具本体6、及び第3層の金具本体7を貫通する。これにより、第1層の金具本体5、第2層の金具本体6、及び第3層の金具本体7は6自由度の方向に固定される。
【0034】
同時に、第1層の金具本体5、第2層の金具本体6、及び第3層の金具本体7には、いずれも複数の挟持部(未図示)が設けられ、当該挟持部は、接続線を位置決めするように接続線を挟持するためのものである。
【0035】
本発明は、上記した金具位置決め機構を含む射出成形金型を提供する。使用時には、まず当該金具位置決め機構により位置決めし、位置決めされた後、当該金具位置決め機構を射出成形金型内に取り付けて、射出成形プロセスを実行するが、当該金具の挟持部を射出成形する必要がない。
【0036】
ここで、射出成形金型は、第1のプレート91と第2のプレート92とを含むプレート部品9を更に含み、ここで、第1のプレート91は金型の上型プレートであり、第2のプレート92は金型の下型プレートであり、位置決め部品は第1のプレート91及び第2のプレート92に設けられる。前記第1のセクション11、第3のセクション21、第5のセクション31を前記第1のプレート91に固定して、前記第1のプレート91に固定接続することにより、第1のセクション11、第3のセクション21、第5のセクション31を固定しやすくするとともに、使用しやすくする。前記第2のセクション12、第4のセクション22、第6のセクション32を前記第2のプレート92に固定して、前記第2のプレート92に固定接続することにより、第2のセクション12、第4のセクション22、第6のセクション32を固定しやすくするとともに、使用しやすくする。同時に、当該射出成形金型にはエジェクタロッド10が設けられ、当該金具の位置決めが完了した後、金具を突き出す。これにより、第1層の金具本体5、第2層の金具本体6、第3層の金具本体7の射出成形が完了し、金具が構成される。
【0037】
3層の金具本体を位置決めする時、金具が3層の金具本体を有することを例とすると、まず、第1組の位置決め部品1の第1のセクション11は、第1層の金具本体5及び第2層の金具本体6を上から下に通過し、且つ第1のセクション11の端部は第3層の金具本体7の頂壁に当接する。さらに第2のセクション12は第3層の金具本体7の底壁に当接する。次に、第2組の位置決め部品2の第3のセクション21の端部は、第1層の金具本体5を通過して、第2層の金具本体6の頂壁に当接し、さらに、第4のセクション22は、第3層の金具本体7を下から上に通過し、且つ、第4のセクション22の端部は第2層の金具本体6の底壁に当接する。さらに第3組の位置決め部品3の第5のセクション31の端部は第1層の金具本体5の頂壁に当接し、次に第6のセクション32は、第3層の金具本体7及び第2層の金具本体6を下から上に通過し、且つ、第6のセクション32の端部は第1層の金具本体5の底壁に当接して、位置決め及び固定がされる。最後に、第4組の位置決め部品は、共同に第1層の金具本体5、第2層の金具本体6、及び第3層の金具本体7を貫通する。これにより、第1層の金具本体5、第2層の金具本体6、及び第3層の金具本体7は6自由度の方向に固定される。
【0038】
明らかのように、前述の実施例は、明確に説明するための単なる例であり、実施形態を制限するためのものではない。当業者にとっては、上記の説明に基づいて、他の様々な形式の変更または変動を行うことができる。ここですべての実施形態を挙げる必要はなく、不可能である。これに由来する明らかな変化または変動は、依然として本発明の保護範囲内にある。
【符号の説明】
【0039】
1-第1組の位置決め部品
11-第1のセクション
12-第2のセクション
13-プラスチック部材
2-第2組の位置決め部品
21-第3のセクション
22-第4のセクション
3-第3組の位置決め部品
31-第5のセクション
32-第6のセクション
4-第4組の位置決め部品
5-第1層の金具本体
6-第2層の金具本体
7-第3層の金具本体
8-本体
81-挿入部
9-プレート部品
91-第1のプレート
92-第2のプレート
10-エジェクタロッド
図1
図2
図3