IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社バンダイの特許一覧

<>
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図1
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図2
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図3
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図4
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図5
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図6
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】ゲーム装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20221129BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20221129BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20221129BHJP
   A63F 13/25 20140101ALI20221129BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20221129BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/53
A63F13/792
A63F13/25
A63F13/80 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021174817
(22)【出願日】2021-10-26
【審査請求日】2022-04-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小谷 英斗
(72)【発明者】
【氏名】中井 宏輔
(72)【発明者】
【氏名】礒邉 恭平
(72)【発明者】
【氏名】西村 悠紀
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-115398(JP,A)
【文献】特開2020-202885(JP,A)
【文献】特開2020-048813(JP,A)
【文献】特開2018-051267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の運用期間を経てプレイ体験を提供するゲームを実行するゲーム装置であって、
第1ゲーム要素、第2ゲーム要素及び第3ゲーム要素を提供する提供手段と、
前記提供手段の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記第1ゲーム要素及び前記第3ゲーム要素は無体物であり、
前記第2ゲーム要素は、前記複数の運用期間のそれぞれで前記提供手段により提供されるラインナップが変更される有体物であり、
前記第2ゲーム要素及び前記第3ゲーム要素の提供は、前記第1ゲーム要素の消費を条件として行われるものであり、
前記制御手段は、前記第1ゲーム要素が消費される場合に、
当該第1ゲーム要素が、消費時の運用期間である第1運用期間中に提供された前記第1ゲーム要素である場合に、前記第1運用期間のラインナップの前記第2ゲーム要素を提供させ、
当該第1ゲーム要素が、第1運用期間よりも前の第2運用期間中に提供された前記第1ゲーム要素である場合に、前記第3ゲーム要素を提供させる
よう制御するゲーム装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1運用期間に提供された前記第1ゲーム要素について、当該第1運用期間の経過後の消費に応じて、前記第2ゲーム要素に代えて前記第3ゲーム要素が提供される旨の通知を提示手段に提示させるよう制御する請求項に記載のゲーム装置。
【請求項3】
代価の支払いを検出する検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、さらに前記検出手段による代価の支払いの検出を条件として、前記第1運用期間のラインナップの前記第2ゲーム要素を前記提供手段に提供させるよう制御する請求項またはに記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記検出手段による代価の支払いの検出を条件とせずに、前記第3ゲーム要素を前記提供手段に提供させるよう制御する請求項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記ゲーム装置におけるゲームのプレイ体験の提供、及び前記検出手段による代価の支払いの検出の少なくともいずれかに応じて、前記第1ゲーム要素を前記提供手段に提供させるよう制御する請求項またはに記載のゲーム装置。
【請求項6】
ゲーム要素の提供に係る操作入力を受け付ける入力手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記第2ゲーム要素の提供に係る操作入力を要件として、前記第1運用期間のラインナップの前記第2ゲーム要素を前記提供手段に提供させ、
前記第3ゲーム要素の提供に係る操作入力を要件とせずに、前記第3ゲーム要素を前記提供手段に提供させる
よう制御する請求項乃至のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム装置の利用者が保有する前記第1運用期間中に提供された前記第1ゲーム要素の数を取得する取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、
所定数の前記第1運用期間中に提供された前記第1ゲーム要素の消費を条件として、前記第1運用期間のラインナップの前記第2ゲーム要素を前記提供手段に提供させ、
前記利用者が保有する前記第1運用期間中に提供された前記第1ゲーム要素の数が前記所定数に満たない状態で前記第2ゲーム要素の提供に係る操作入力が受け付けられた場合に、当該利用者が保有する前記第1運用期間中に提供された前記第1ゲーム要素の数を提示手段に提示させる
よう制御する請求項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記提供手段は、さらに無体物の第4ゲーム要素を提供可能であり、
前記制御手段は、前記利用者が保有する前記第4ゲーム要素の消費を条件として、当該消費時の運用期間に依らず、当該消費時の運用期間のラインナップの前記第2ゲーム要素を前記提供手段に提供させるよう制御する請求項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記取得手段は、前記利用者が保有する前記第4ゲーム要素の数をさらに取得し、
前記制御手段は、
前記利用者が保有する前記第1運用期間中に提供された前記第1ゲーム要素及び前記第4ゲーム要素を所定数消費することを条件として、前記第1運用期間のラインナップの前記第2ゲーム要素を前記提供手段に提供させ、
前記第1運用期間中に前記第2ゲーム要素の提供に係る操作入力が受け付けられた場合に、前記利用者が保有する前記第4ゲーム要素に優先して、前記利用者が保有する前記第1運用期間中に提供された前記第1ゲーム要素を消費して、前記第1運用期間のラインナップの前記第2ゲーム要素を前記提供手段に提供させる
よう制御する請求項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記提供手段は、前記第2ゲーム要素を収容する収容部を含み、
前記第1ゲーム要素の消費に係る操作入力が、前記収容部に前記第2ゲーム要素が収容されていることを条件として受け付けられる請求項6乃至9のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記第3ゲーム要素は、前記ゲーム装置でプレイ体験が提供されるゲームにおいて、当該ゲームの進行状況前進させるゲーム要素である請求項1乃至1のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
複数の運用期間を経てプレイ体験を提供するゲームを実行するコンピュータに、
第1ゲーム要素、第2ゲーム要素及び第3ゲーム要素を提供する提供処理と、
前記提供処理の実行を制御する制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記第1ゲーム要素及び前記第3ゲーム要素は無体物であり、
前記第2ゲーム要素は、前記複数の運用期間のそれぞれで前記提供処理において提供されるラインナップが変更される有体物であり、
前記第2ゲーム要素及び前記第3ゲーム要素の提供は、前記第1ゲーム要素の消費を条件として行われるものであり、
前記制御処理は、前記第1ゲーム要素が消費される場合に、
当該第1ゲーム要素が、消費時の運用期間である第1運用期間中に提供された前記第1ゲーム要素である場合に、前記第1運用期間のラインナップの前記第2ゲーム要素を提供させ、
当該第1ゲーム要素が、第1運用期間よりも前の第2運用期間中に提供された前記第1ゲーム要素である場合に、前記第3ゲーム要素を提供させる
よう制御するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及びプログラムに関し、特にゲーム要素の提供を伴う電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤに付与した所定数のゲームポイントとの交換により、ゲームアイテムを提供するネットワークゲームがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-011632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のようなネットワークゲームは、プレイヤ個人の所有する情報通信端末を用いて行われるものであるため、物品の提供を行うような業務用のゲーム装置(所謂アーケード筐体)には単純に適用することができない。即ち、ゲームプレイに際して付与したポイントを物品に交換可能とすると、好適なサービス提供が実現できない可能性があった。一般に、業務用のゲーム装置では、プレイヤの関心を持続させるべく、提供する物品のラインナップを定期的に入れ替える運用がなされるため、例えば、特定のラインナップの時期に交換が集中すると、設置店舗における物品在庫の管理が煩雑になり得る。また例えば、特定の期間にのみ交換可能とすると、長期間来店できない状況にあるプレイヤが、物品を交換できずにポイントを失ってしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、好適なゲーム要素の提供を実現するゲーム装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム装置は、第1ゲーム要素、第2ゲーム要素及び第3ゲーム要素を提供する提供手段と、提供手段の動作を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、提供された第1ゲーム要素の消費を条件として、第2ゲーム要素または第3ゲーム要素を提供手段に提供させ、第1ゲーム要素の消費時期に応じて、第2ゲーム要素と第3ゲーム要素のいずれを提供手段に提供させるかを異ならせるよう制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、好適なゲーム要素の提供を実現するが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムの構成を例示した図
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の機能構成を例示したブロック図
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るサーバ200の機能構成を例示したブロック図
図4】本発明の実施形態1及び変形例に係るゲーム装置100で実行される提供処理を例示したフローチャート
図5】本発明の実施形態及び変形例に係る経験値提供処理を例示したフローチャート
図6】本発明の実施形態及び変形例に係る特殊カード提供処理を例示したフローチャート
図7】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムにおいて利用される各種情報のデータ構造を例示した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、複数種別のゲーム要素を提供可能に構成されたゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、ゲームのプレイ体験の提供を含むサービスを提供し、複数種別のゲーム要素をプレイヤに提供することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
〈ゲームシステムの構成〉
図1は、本実施形態に係るゲームシステムのシステム構成を示した図である。図示されるように、ゲームシステムは、ネットワーク300を介することで、サーバ200と1以上のゲーム装置100の各々とが通信可能に構成される。
【0012】
本実施形態では、このようなシステム構成により、サーバ200及びネットワーク300を介して、複数のゲーム装置100を利用するプレイヤ間での対戦ゲームが実現可能に構成されるものとする。また、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームは、プレイヤ間の対戦ゲームに限られるものではなく、1人用に構成されたゲームを含むものであってよい。
【0013】
本実施形態に係るゲーム装置100は、図示されるような外観を有する。ゲーム装置100は、利用可能にある状態において代価の支払いを検出可能に構成されており、代価の支払いが検出された場合に、利用者(プレイヤ)に、少なくとも1つのゲーム要素の提供を含む、ゲームのプレイ体験のサービスを提供する。代価の支払いは、例えば投入口141への所定額の硬貨が投入されたことに応じて検出される。
【0014】
ゲーム装置100が提供可能なゲーム要素には有体物であるカードが含まれており、サービス提供中に条件が満たされたことによりカードが提供される。詳細は後述するが、本実施形態では1回のゲームのプレイ体験について、少なくとも1枚のカードが提供されるものとして説明する。ゲーム装置100の外観には取り出し口142が設けられており、当該取り出し口142を介してプレイヤは内部に設けられた保持部143にアクセスすることが可能である。保持部143は、カードが提供される場合に、当該カードをプレイヤが任意のタイミングで取り出し可能なように保持する。
【0015】
またゲーム装置100の外観には、ゲーム装置100が提供するカードを含む、所定のカードを載置可能な載置部144が設けられている。詳細は後述するが、プレイヤは、ゲーム装置100の利用中、カードを載置部144に載置することで当該カードに付された情報を反映させた状態でゲームプレイを行うことができる。
【0016】
また詳細は後述するが、サーバ200は、ゲーム装置100の利用に際してプレイヤが識別された場合、即ち、いずれのプレイヤであるかが識別された状態でゲームのプレイ体験が提供された場合に、各プレイヤについて管理する情報を更新する。
【0017】
〈ゲーム装置の機能構成〉
図2は、本実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示したブロック図である。
【0018】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各機能ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各機能ブロックに係る動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各機能ブロックの動作を実現する。
【0019】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各機能ブロックに係る動作プログラムに加え、各機能ブロックの動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータ等を記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0020】
支払検出部104は、ゲーム装置100において代価の支払いがなされたことを検出する。代価の支払いは、例えばゲーム装置100が有する投入口141に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決済処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、サービス提供開始に係る代価の支払いに基づいて、ゲームのプレイ体験の提供を含むサービスの提供を開始するものとして説明する。
【0021】
取得部105は、本実施形態のゲーム装置100が備える、カードからの情報取得に係るインタフェースである。具体的には取得部105は、載置部144に載置されたカードに付された情報を取得可能に構成されたリーダを具備している。ゲーム装置100で利用可能(取得部105が情報取得可能)なカードは以下の2種類に大別され、載置部144はそのいずれも載置可能なよう構成されているものとする。より詳しくは、2種類のカードは、載置部144に設けられたカード支持部材(枠)に収まるよう、同形同大に構成されるものであってよい。
【0022】
利用可能なカードの1種類は、ゲーム装置100において提供可能に構成される有体物のカードである。当該カードの各々には、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームに係る遊戯要素(キャラクタ、搭乗物、アイテム、効果等)が対応付けられており、以下では遊戯要素カードとして言及する。より詳しくは、各遊戯要素カードには、遊戯要素を特定するための情報(遊戯要素ID)が付されることで、当該遊戯要素と遊戯要素カードの対応付けがなされる。プレイヤは、載置部144に遊戯要素カードを載置して取得部105に当該情報を取得させることで、対応する遊戯要素を登録し、ゲームにおいて使用する(あるいは、登場させる、発動させる等)ことができる。
【0023】
また利用可能なカードのもう一方の種類は、ゲーム装置100の利用に係りプレイヤを識別させる情報ためのプレイヤカードである。本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤのゲームの進行状況を保存し、次回利用時に、保存した進行状況からの再開を実現できるよう構成されている。このため、プレイヤカードは、少なくともプレイヤを一意に特定可能な識別情報(プレイヤID:プレイヤの識別情報)が付されている。プレイヤは、載置部144にプレイヤカードを載置して取得部105に当該情報を取得させることで、過去の利用に係る進行状況を反映した状態でサービス提供を受けることができる。ここで、進行状況とは、ゲーム装置100の利用回数が増えるにつれて進行する概念であり、例えば経験値、レベル、ランク、機能解放状況等が該当する。なお、本実施形態ではプレイヤカードからの情報取得によってプレイヤを識別するものとして説明するが、プレイヤの識別方法は、これに限られるものではなく、プレイヤカード以外の物品から情報を取得するものであってもよいし、例えば他の装置を介したプレイヤの認識処理に代えられるものであってもよい。
【0024】
このように、本実施形態では取得部105により情報取得可能な有体物の物品がカードであるものとして説明するが、カード以外の物品であってもよいことは言うまでもない。
【0025】
カードへの各種情報の付加は、例えば情報を変換して得られた1次元あるいは多次元のコードがカードに印刷等で付されることにより実現されるものであってもよいし、カードに内包される近距離通信(NFC:Near Field Communication)用のタグやICチップに記録される等、他の方式で実現されるものであってもよい。取得部105の導入に係るコスト低減の観点では、遊戯要素カードとプレイヤカードには同一の方式で情報の付加がなされることが好ましいが、情報付加の方式がこれに限定されないことは容易に理解されよう。
【0026】
遊戯要素DB106は、ゲームに登場する遊戯要素の各々についての情報(遊戯要素情報)を管理するデータベースである。1つの遊戯要素について管理される遊戯要素情報は、例えば図7(a)に示されるように、当該遊戯要素を一意に特定する遊戯要素ID(識別情報)701に関連付けて、当該遊戯要素の名称、属性、パラメータ、当該遊戯要素を使用することで発動する効果等を記述したパラメータ情報702を含む。パラメータ情報702は、遊戯要素を使用するゲームにおいて参照される情報であり、該ゲームの進行制御に関与する。
【0027】
提供制御部107は、ゲーム装置100の利用に際してプレイヤへの複数種別のゲーム要素の提供を制御する。本実施形態のゲーム装置100では、上述した遊戯要素カード等の有体物のゲーム要素に加え、本発明に係る第1ゲーム要素としての、ゲーム中において使用可能な無体物のゲーム要素がプレイヤに提供される。本実施形態では、提供制御部107が有体物の提供及び無体別の提供の双方を制御するものとして説明するが、それぞれの提供の制御主体は異ならせてもよい。
【0028】
本実施形態のゲーム装置100では、有体物である遊戯要素カードについて複数種別の提供を可能ならしめるべく、第1提供部121及び第2提供部122が具備される。詳細は後述するが、これら2種類の提供部は各々異なる種類の遊戯要素カードを収容し、提供制御部107により収容されたカードの提供が制御される。提供制御部107により遊戯要素カードを提供するよう制御された提供部は、当該提供部が収容する遊戯要素カードを送出する。送出された遊戯要素カードは、プレイヤにより取り出し可能な態様で保持部143に保持される。
【0029】
第1提供部121は、遊戯要素カードのうちの通常カードを提供可能であり、第2提供部122は、遊戯要素カードのうちの本発明に係る第2ゲーム要素としての特殊カードを提供可能であるものとして説明する。即ち、ゲーム装置100の設置店舗等には、種別ごとの束に分離可能な遊戯要素カードセットが納品され、このうち、通常カードの束を第1提供部121に、特殊カードの束を第2提供部122に補充するよう運用がなされる。
【0030】
ここで、第1提供部121が提供可能な通常カードと第2提供部122が提供可能な特殊カードは、ゲームにおいて使用した場合の価値(以下、使用価値として言及)が異なるとの点で、種別が分離されている。使用価値とは、例えば、当該カードを使用した場合にゲームの進行を有利にせしめる度合い(有利なほど使用価値が高い)に基づいて定められるものであってよい。この場合、通常カードは、対応付けられたゲーム要素のゲームの進行を有利にせしめる度合いが低いために使用価値が低い種別のカードに分類され、特殊カードは、対応付けられたゲーム要素のゲームの進行を有利にせしめる度合いが高いために使用価値が高い種別のカードに分類される。
【0031】
なお、本実施形態ではゲーム装置100は2種類の遊戯要素カードを提供可能に構成されるものとして説明するが、本発明の実施がこれに限られるものではなく、3以上の種類の遊戯要素カードを提供可能な態様においても適用可能であることは理解されよう。
【0032】
提示制御部108は、ゲーム装置100における提示部130を介したプレイヤへの各種情報提示の制御を司る。情報提示を実現する提示部130は、本実施形態では、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う、例えば液晶ディスプレイ等の視覚的情報提示が可能な表示装置であるものとして説明する。しかしながら、情報提示の手段はこれに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。提示部130は、例えば聴覚的情報提示を行うスピーカ等を含むものであってもよい。
【0033】
提示部130が表示装置である態様において、提示制御部108は、例えばGPU等の描画装置を含み、提示部130に表示させる画面を生成する所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部108は、ゲーム装置100の起動中(サービス提供中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクト(グラフィックスデータ)に対して必要な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、提示部130に出力され、所定の表示領域中に表示されることでプレイヤに提示される。
【0034】
操作入力部109は、例えば決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部109は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。本実施形態では操作入力部109は、例えば提示部130の表示画面上になされたタッチ入力、即ち、人体の一部の接触を検出するタッチ入力検出センサ等を含む。
【0035】
通信部110は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部110は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部110は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してサーバ200等の外部装置に送信する。また通信部110は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。
【0036】
本実施形態ではゲーム装置100は、少なくとも、プレイヤの利用登録時、及びプレイヤの進行状況を反映したサービスの提供時に、通信部110を介して情報の送受信がなされる。
【0037】
〈サーバの構成〉
次に、本実施形態に係るサーバ200の機能構成について、図3のブロック図を用いて説明する。なお、サーバ200の機能構成の説明において、ゲーム装置100が有する構成と同様の機能を実現する構成については、ゲーム装置100の構成と峻別するために、「サーバ」との接頭語を付して示すものとする。
【0038】
サーバ制御部201は、例えばCPUであり、サーバ200が有する各機能ブロックの動作を制御する。具体的にはサーバ制御部201は、例えばサーバ記録媒体202に記録されている各機能ブロックに係る動作プログラムを読み出し、サーバメモリ203に展開して実行することにより各機能ブロックの動作を制御する。
【0039】
サーバ記録媒体202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。サーバ記録媒体202は、サーバ200が有する各機能ブロックに係る動作プログラムに加え、各機能ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記録する。サーバメモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ203は、各機能ブロックに係る動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各機能ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0040】
プレイヤDB204は、本実施形態のゲームシステムのゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームについて、各利用者(プレイヤ)についての種々の情報(プレイヤ情報)を管理するデータベースである。プレイヤ情報は、ゲーム装置100においてプレイヤカードからの情報取得が行われてゲームのプレイ体験の提供がなされる場合に参照され、提供された当該プレイ体験に応じて順次変更され得る。
【0041】
プレイヤ情報は、例えば図7(b)に示されるように、プレイヤを一意に特定するプレイヤID711に関連付けて、該プレイヤについての表示名、生年月日、アバター構成等のプレイヤ個別設定を含む設定情報712、該プレイヤのゲームの進行状況を示す進行状況情報713、該プレイヤのゲームのプレイ履歴やゲーム装置100の利用履歴等を示す履歴情報714、及び該プレイヤが保有する無体物のゲーム要素を示す保有情報715を含むものであってよい。1人のプレイヤに係るプレイヤ情報は、当該プレイヤによるプレイヤカードを使用した初回のゲーム装置100の利用時に登録されるものであってよい。なお、設定情報712に含まれる情報は、当該利用時にゲーム装置100において入力されればよい。
【0042】
サーバ通信部205は、サーバ200が有する外部装置との通信インタフェースである。サーバ通信部205は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。サーバ通信部205は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してゲーム装置100等の外部装置に送信する。またサーバ通信部207は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、サーバメモリ203に格納する。
【0043】
〈プレイヤの利用登録〉
以下、本実施形態のゲームシステムにおけるプレイヤの利用登録について、その概要を説明する。上述したように、本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤによるプレイヤカードを使用した初回のゲーム装置100の利用時に、当該プレイヤカードから取得されたプレイヤIDに基づいて、新規のプレイヤ情報がプレイヤDB204に登録されることで利用登録が実現される。
【0044】
ところで、ゲーム装置100のようなアーケードゲーム筐体は、店舗等に設置され、複数のプレイヤが交代しながら使用されるものである。このため、1回のサービス提供に当たりプレイヤにゲーム装置100の占有が認められる時間、即ち、代価の支払いが検出されてからサービス提供を開始し、ゲームのプレイ体験の提供を完了してサービス提供を終了するまでの時間は、プレイヤ間でほぼ同等であることが、公平性の観点で求められる。一方で、プレイヤの利用登録は、表示名の入力やアバター選択等、設定情報712の構成のためのプレイヤによる所定の操作入力を必要とするものであるため、ある程度の時間を要する。このような利用登録に要する時間を、1回のサービス提供に当たりプレイヤに認められる時間のうちに収めることは、プレイヤにとって酷である。特に、利用登録を行うプレイヤは、ゲーム装置100の利用経験が浅い者である可能性が高く、操作に不慣れで利用登録に時間を要してしまう可能性がある。即ち、例えば、1回のゲーム装置100の利用に対して定められている時間のうちの多くを利用登録に使用してしまった場合、プレイヤに対してゲームのプレイ体験を提供できる時間が制限されてしまい、結果的にプレイヤの関心を削ぎ得、当該プレイヤを再度の利用に好適に促せない可能性がある。
【0045】
従って、本実施形態のゲーム装置100は、プレイヤの利用登録に係る操作については代価の支払いの検出を要件とせずに受け付け可能とし、提供されるゲームのプレイ体験の公平性を担保するよう構成される。つまり、プレイヤは、利用登録に要した時間がゲーム装置100の利用時間にカウントされないため、落ち着いて利用登録を行った上でゲーム装置100の利用に臨み、公平なサービス提供を受けることができる。
【0046】
利用登録に係る処理は、例えば提示部130に対するタッチ操作の検出を契機に開始されるものであってよい。この場合、ゲーム装置100がスタンバイ状態にある状態において、提示部130に利用登録の開始条件の操作入力を通知する表示がなされるものとする。例えば、プレイヤは、載置部144にプレイヤカードを載置した状態で提示部130にタッチ操作を行うことで、利用登録に係る処理を開始させることができるものであってよい。
【0047】
このとき、制御部101は、取得部105により取得された情報(プレイヤID)が適正であること、即ち、載置部144に載置されたカードがゲーム装置100で使用可能なプレイヤカードであることを判定すると、当該プレイヤIDを通信部110に伝送し、登録確認要求とともにサーバ200に送信させる。ここで、登録確認要求は、プレイヤIDに関連付けられたプレイヤ情報がプレイヤDB204に格納されているか、即ち、情報取得したプレイヤカードについて既に利用登録がなされているかを問い合わせるために送信されるものである。
【0048】
制御部101は、送信した登録確認要求に対するレスポンスを受信し、載置部144に載置されているプレイヤカードについてまだ利用登録がなされていない場合には、設定情報712に係る各種情報の入力を受け付ける。情報の入力が完了すると、プレイヤの利用登録が可能な状態となる。本実施形態ではプレイヤの利用登録は、後述の一部のゲーム要素の提供のために、当該状態で実際にゲーム装置100が利用された場合に限定して行われるものとする。従って、制御部101は、情報の入力が完了した状態で、さらにゲーム装置100の利用に係る代価の支払いが検出された場合に、プレイヤIDと入力された情報とを通信部110に伝送し、登録要求とともにサーバ200に送信することで、利用登録を完了させる。サーバ制御部201は、登録要求を受信すると、プレイヤDB204に新たなプレイヤ情報を登録し、ゲーム装置100に当該プレイヤ情報を返送する。プレイヤ情報により、ゲーム装置100は初期状態のプレイヤ情報を反映させた状態でサービス提供を開始することができる。またこのようにすることで、利用登録に係る情報入力が行われていた時間を排除した上で、初回利用登録のプレイヤに対して、公平なゲーム装置100の占有時間を担保することができる。
【0049】
なお、本実施形態のゲーム装置100では、代価の支払いが検出された後の処理を共通化させるべく、プレイヤカードを使用してゲーム装置100を利用するか否かは、上記利用登録と同様の手順で行われるものとする。即ち、プレイヤカードを使用してゲーム装置100を利用する場合には、プレイヤは、利用登録時と同様に載置部144に所有するプレイヤカードを載置して提示部130へのタッチ操作を行った後に代価を支払うことで、先回利用時の進行状況を反映した状態でゲーム装置100の利用を開始することができる。
【0050】
このとき、制御部101はまず、操作入力部109がタッチ操作を検出したことに応じて取得部105を情報取得可能な状態に制御し、プレイヤカードからの情報取得を行う。プレイヤカードからの情報取得がなされると、制御部101は利用登録時と同様に、サーバ200への登録確認要求を通信部110に送信させる。サーバ制御部201は、プレイヤDB204に既にプレイヤ情報が登録されているプレイヤIDについての登録確認要求を受信すると、該当のプレイヤ情報をプレイヤDB204から取得して返送する。当該プレイヤ情報の受信により、ゲーム装置100は先の回の利用時の進行状況を含むプレイヤ情報を反映させた状態で、サービス提供可能な状態となる。支払検出部104は、取得部105をプレイヤカードからの情報取得を可能な状態とした後に、代価の支払いが検出可能な状態に制御される。そして制御部101は、代価の支払いの検出がなされた際に確定しているプレイヤカードの使用有無に基づいて、対応するサービス提供に係る処理を実行するものであってよい。
【0051】
また、本実施形態では発明の理解を容易にすべく、プレイヤカードからの情報取得は代価の支払いが検出されるよりも前に行われるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、サービス提供開始後の他のタイミングで取得可能としてもよい。
【0052】
〈ゲーム要素の提供の概要〉
次に、本実施形態のゲーム装置100のサービス提供時に行われる複数種別のゲーム要素の提供について、概要を説明する。
【0053】
提供されるゲーム要素の1つ目は、通常カードである。通常カードは、プレイヤカードの使用有無に依らず、ゲーム装置100の利用に係る代価の支払いに対して提供される有体物のゲーム要素である。即ち、代価を支払ってゲーム装置100の利用を開始したプレイヤは、必ず通常カードを入手する機会が与えられる。
【0054】
提供されるゲーム要素の2つ目は、本発明に係る第1ゲーム要素としての交換チケットである。交換チケットは、プレイヤカードを使用してゲーム装置100が利用される場合、即ち、利用しているプレイヤが識別された状態である場合に限定して提供される無体物のゲーム要素である。プレイヤに提供された交換チケットは、1回のゲーム装置100の利用に限らず保有可能に構成されており、繰り返しの提供により蓄積して保有することができる。交換チケットの保有は、例えばサービス提供中は、ゲーム装置100に保持されているプレイヤ情報の保有情報715を更新することにより、サービス提供の終了後は、当該プレイヤ情報がサーバ200に送信されてプレイヤDB204の該当プレイヤ情報に反映されることにより、実現される。
【0055】
交換チケットの付与は、例えばゲームのプレイ体験が提供されたこと、ゲーム装置100の利用に係る代価の支払いが検出されたこと、及び、ゲーム装置100の利用期間中に設けられた追加の代価の支払いタイミングにおいて代価の支払いが検出されたこと、の少なくともいずれかに応じて行われるものであってよい。即ち、交換チケットの付与条件は、いずれも代価の支払いの検出に関連して行われるものであり、交換チケットは、サービス利用に対して、より多くの代価を支払っているプレイヤに対して多く提供される付加価値の側面を有する。
【0056】
提供されるゲーム要素の3つ目は、本発明に係る第2ゲーム要素としての特殊カードである。特殊カードは、交換チケットの消費により提供可能となる有体物のゲーム要素である。従って、特殊カードは、交換チケットと同様に、プレイヤカードを使用してゲーム装置100が利用される場合に限定して提供されるゲーム要素である。
【0057】
ここで、特殊カードを提供するためには、例えば10枚等、2以上の所定枚数の交換チケットの消費が要件付けられるものとする。より詳しくは、プレイヤによる所定枚数の消費指示に係る操作入力が検出されたことを条件として、提供制御部107による第2提供部122の制御が行われる。このように特殊カードの提供に複数の交換チケットの消費を要件づけることで、特殊カードには1回のゲーム装置100の利用では入手できない希少性の点での価値を付与することができ、遊戯要素カード収集に係る興趣性を増大させることができる。またこのような構成とすることで、特殊カードを所望するプレイヤを、より多くのゲーム装置100の利用、またはより多くの追加の代価の支払いに誘導することができ、結果、ゲーム装置100の収益性を増大させることができる。
【0058】
なお、特殊カードの提供は、通常カードとは異なるタイミングに行われるものであり、また、プレイヤの保有する交換チケットの消費を伴うものであるため、とり忘れや誤操作を回避すべく、ゲームのプレイ体験の提供中には受け付けられないものとする。即ち、制御部101は、ゲームのプレイ体験の提供中である場合には、交換チケットの消費指示に係る操作入力を不可能に制御する。特殊カードの提供は、例えばゲームのプレイ体験の提供前後、あるいは、プレイ体験が一時停止された際に可能となるよう制御される。
【0059】
ところで、業務用のゲーム装置では、プレイヤの関心を持続させるべく、提供可能な遊戯要素カードのラインナップを定期的に(シーズンごとに)入れ替える運用が慣習的になされている。このため、特殊カードのラインナップもシーズンごとに変更されることになるが、過去シーズンにおいて蓄積された交換チケットを消費することで特殊カードを提供可能とする態様は、プレイヤ間の公平性が担保されない。一方で、過去シーズンにおいて蓄積された交換チケットを無効とするのも、プレイヤの関心を低減させる要因となり得る。
【0060】
このため、本実施形態のゲーム装置100では、交換チケットの消費時期に応じて異なるゲーム要素が提供されるよう構成される。より詳しくは、交換チケットは、当該交換チケットが提供されたシーズンにおいて消費された場合にのみ、特殊カードの提供を実現可能に構成され、当該チケットが提供されたシーズン以降のシーズンにおいて消費された場合には、特殊カードではない異なるゲーム要素の提供を実現可能に構成される。即ち、チケットが提供されたシーズンに続く次のシーズンに移行した場合には、交換チケットは異なるゲーム要素の提供に用いられる。
【0061】
ここで、異なるゲーム要素は、プレイヤ間の公平性を著しく損ねないものであればよく、本実施形態ではプレイヤのゲームの進行状況を前進させる経験値であるものとする。従って、提供されるゲーム要素の4つ目は、本発明に係る第3ゲーム要素としての経験値である。経験値は、通常のゲーム装置100の利用でも加算される無体物のゲーム要素である。経験値の提供は、プレイヤ情報の進行状況情報713が更新されることにより実現される。より詳しくは経験値の提供は、ゲーム装置100の提供制御部107が、サービス提供中に保持されているプレイヤ情報の進行状況情報713を更新し、サービス提供の終了後に、当該プレイヤ情報がサーバ200に送信されてプレイヤDB204の該当プレイヤ情報に反映されることにより、実現される。
【0062】
経験値の提供にあたっては、交換チケットは所定枚数単位に限定されず消費されるものとする。即ち、交換チケットが提供されたシーズン以降のシーズンで消費された場合には、当該消費されたチケットの枚数に応じた経験値が提供されることになる。ここで、交換チケットは、提供されたシーズンの終了後には経験値の提供のみに用途が限定されるため、本実施形態では、交換チケット消費/経験値提供に係る操作入力を要件とせず消費され、経験値の提供が行われるものとする。
【0063】
なお、交換チケットの消費により提供されるゲーム要素が変化するため、例えば交換チケットの提供時や、消費指示に係る操作入力を受け付け可能とするタイミングにおいて、現在のシーズンを経過すると保有されている交換チケットが消費され、特殊カードではなく経験値が提供される旨の通知が、提示部130を介して提示されるものとする。
【0064】
〈提供処理〉
以下、このようなゲーム要素の提供を含む、本実施形態のゲーム装置100においてサービス提供に係り実行される提供処理について、図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本提供処理は、例えばゲーム装置100の利用開始に係る代価の支払いが検出された際に開始されるものとして説明する。また、以下では、プレイヤカードからの情報取得がなされた状態、即ち、サービス利用するプレイヤについてプレイヤDB204で管理されるプレイヤ情報(以下、対象プレイヤ情報として言及)をゲーム装置100が保持した状態で、実行された提供処理について説明する。
【0065】
また本実施形態では発明の理解を容易にすべく、ゲーム装置100によるサービス提供は、通常カードの提供を行った後に、特殊カードの提供を受け付けるパート、ゲームのプレイ体験を提供するパートの順で進行するものとする。
【0066】
S401で、制御部101は、サービス利用するプレイヤ(以下、対象プレイヤとして言及)が保有する交換チケットのうちの過去シーズンの交換チケットを消費し、提供制御部107に経験値を提供させる経験値提供処理を実行する。
【0067】
〈経験値提供処理〉
ここで、本ステップで実行される経験値提供処理について、図5のフローチャートを参照して詳細を説明する。
【0068】
S501で、制御部101は、対象プレイヤが保有する交換チケットに過去シーズンの交換チケットが含まれるか否かを判断する。本ステップの判断は、メモリ103に保持されている対象プレイヤ情報の保有情報715に、提供日時が過去シーズンである交換チケットの情報が含まれるか否かにより行われる。制御部101は、対象プレイヤが保有する交換チケットに過去シーズンの交換チケットが含まれると判断した場合は処理をS502に移し、含まれないと判断した場合は本経験値提供処理を完了する。
【0069】
S502で、制御部101は、過去シーズンの交換チケットの消費処理を実行する。より詳しくは、制御部101は、対象プレイヤ情報の保有情報715から、過去シーズンの交換チケットの情報を削除することにより、交換チケットの消費を行う。
【0070】
S503で、提供制御部107は制御部101の制御の下、S502において消費された交換チケットの枚数分の経験値を提供する処理を行う。経験値の提供は、対象プレイヤ情報の進行状況情報713を当該経験値を反映した値に変更することにより実現される。
【0071】
S504で、提示制御部108は制御部101の制御の下、過去シーズンの交換チケットが消費され、経験値が提供された旨を示す通知を提示部130に提示させ、本経験値提供処理を完了する。
【0072】
このようにすることで、本実施形態のゲーム装置100では、特殊カードの提供に利用できなくなった交換チケットを、プレイヤの操作入力を要することなく消費し、経験値を提供することができる。
【0073】
続いて提供処理のS402で、提供制御部107は制御部101の制御の下、今回のゲーム装置100の利用に係る遊戯要素カードの提供として、第1提供部121に通常カードを提供させる。
【0074】
S403で、制御部101は、サービスを特殊カードの提供を受け付けるパートに移行し、特殊カードの提供に係る操作入力が受け付けられたか否かを判断する。制御部101は、特殊カードの提供に係る操作入力が受け付けられたと判断した場合は処理をS404に移し、受け付けられていないと判断した場合は処理をS405に移す。
【0075】
S404で、制御部101は、特殊カードの提供に係る特殊カード提供処理を実行する。
【0076】
〈特殊カード提供処理〉
ここで、本ステップで実行される特殊カード提供処理について、図6のフローチャートを参照して詳細を説明する。
【0077】
S601で、制御部101は、対象プレイヤが保有中の交換チケットの数を取得する。具体的には、制御部101は、対象プレイヤ情報の保有情報715を参照することで、該当の交換チケットの数を取得する。上述した経験値提供処理の実行により、過去シーズンの交換チケットは全て消費されているため、本ステップにおける計数の対象となる交換チケットは、現在サービス提供中のシーズンに提供された交換チケットである。
【0078】
S602で、制御部101は、対象プレイヤが保有中の交換チケットの数が、特殊カードの提供にあたり消費が必要であるものとして定めた所定数以上であるか否かを判断する。制御部101は、対象プレイヤが保有中の交換チケットの数が所定数以上であると判断した場合は処理をS603に移し、所定数に満たないと判断した場合は処理をS606に移す。
【0079】
S603で、制御部101は、交換チケットの消費処理を実行する。より詳しくは、制御部101は、対象プレイヤ情報の保有情報715から、所定数分の交換チケットの情報を削除することにより、交換チケットの消費を行う。
【0080】
S604で、提供制御部107は制御部101の制御の下、S603において消費された所定数の交換チケットについて、第2提供部122に特殊カードを提供させる。
【0081】
S605で、提示制御部108は制御部101の制御の下、所定数の交換チケットが消費され、特殊カードが提供された旨を示す通知を提示部130に提示させ、本特殊カード提供処理を完了する。
【0082】
一方、S602において対象プレイヤが保有中の交換チケットが所定数に満たないと判断された場合、提示制御部108は制御部101の制御の下、S606で、交換チケットの不足により特殊カードの提供ができない旨の通知を提示部130に提示させ、本特殊カード提供処理を完了する。ここで、当該通知は、対象プレイヤが保有中の交換チケットの枚数、及び特殊カードの提供に必要な交換チケットの枚数を示す表示を含むものであってよい。
【0083】
続いて提供処理のS405で、制御部101は、特殊カードの提供を受け付けるパートの終了条件が満たされたか否かを判断する。本ステップの判断は、当該パートについて予め定められた制限時間の経過、あるいは、提供不要の意思表示に係る操作入力の検出に基づいて判断されるものであってよい。制御部101は、特殊カードの提供を受け付けるパートの終了条件が満たされたと判断した場合は処理をS406に移し、満たされていないと判断した場合は処理をS403に戻す。
【0084】
S406で、制御部101は、ゲームのプレイ体験を提供するパートに移行し、プレイ体験の提供に係る各種処理を実行する。当該処理は、ゲームに使用する遊戯要素カードからの情報取得に基づく使用する遊戯要素の登録処理、ゲーム処理、及び終了演出の処理を含む。制御部101は、プレイ体験の提供が終了すると、処理をS407に移す。
【0085】
S407で、提供制御部107は制御部101の制御の下、今回の利用内容に応じた交換チケットを対象プレイヤに提供する。より詳しくは、提供制御部107は、対象プレイヤによる今回のゲーム装置100の利用内容に応じた枚数の交換チケットを提供し、これに応じて制御部101が、保持している対象プレイヤ情報の保有情報715が示す交換チケットの保有数を、提供された枚数分加算された値に変更することで提供が実現される。なお、本実施形態では、今回のゲーム装置100の利用中に生じた交換チケットの提供機会を一時保留しておき、本ステップでまとめて提供を行うものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、提供機会が生じるごとに交換チケットの提供に係る処理が実行されるものであってよい。
【0086】
S408で、制御部101は、ゲームのプレイ結果に基づいて保持している対象プレイヤ情報を変更し、通信部110を介して更新要求とともにサーバ200に送信し、本提供処理を完了する。これにより、今回のゲーム装置100の利用の結果を反映した状態に、プレイヤDB204で対象プレイヤについて管理されているプレイヤ情報の更新が実現される。対象プレイヤ情報の変更は、例えば進行状況情報713のうちの経験値のプレイ結果に応じた値への変更、履歴情報714への今回の利用の情報の登録を含む。
【0087】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、好適なゲーム要素の提供を実現することができる。
【0088】
なお、本実施形態では、対象プレイヤが交換チケットを所定数以上保有している場合に特殊カードが提供されるものとして説明したが、例えば第2提供部122に特殊カードが収容されているか否かを判別可能な構成では、特殊カードが収容されていることを条件として、交換チケットの消費に係る操作入力を受け付けるよう制御してもよい。
【0089】
また、本実施形態では新規のプレイヤ情報のプレイヤDB204への登録を、各種情報の入力後の代価の支払いの検出を契機に行うものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、当該代価の支払いの検出に基づくゲームのプレイ体験の提供が終了した提供処理のS408等のタイミングで登録が行われるものとし、それまでは仮のプレイヤ情報がゲーム装置100のローカルにのみ構成されているものであってもよい。
【0090】
[変形例1]
上述した実施形態では、所定数の交換チケットの消費がなされた場合に特殊カードを提供する態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。特に、特殊カードが通常カードよりも製造コストが高い態様を想定すると、これを無償で提供することは収益性の観点から好適ではない。従って、所定数の交換チケットの消費に係る操作入力が検出された場合、さらに追加の代価の支払いが検出されることを条件として、特殊カードの提供を行うものとしてもよい。この場合、追加の代価の支払いがなかった場合には、例えば交換チケットを消費せず何も提供しない、特殊カードに代えて通常カードを提供する、あるいは、所定数分の経験値を提供する等の処理を行ってもよい。
【0091】
一方、交換チケットの消費に応じて経験値を提供することは、収益性への影響はない、または軽微である。従って、交換チケットが、当該交換チケットが提供されたシーズンの終了後に消費される場合には、追加の代価の支払いを要件とせず経験値を提供するものであってよい。
【0092】
[変形例2]
上述した実施形態及び変形例では、交換チケットは、当該交換チケットが提供されたシーズンの終了後には、全て消費されて経験値の提供に用いられるものとして説明したが、プレイヤによっては、ゲーム装置100の設置された店舗等に長期間赴くことができないこともあり、その全てをシーズン終了をもって経験値の提供に用いてしまうことは酷であり得る。本変形例では、提供制御部107は、提供されたシーズンの終了後であっても消費されない、本発明に係る第4ゲーム要素としての交換チケット(特殊交換チケット)を提供可能な態様について説明する。ここで、提供された特殊交換チケットは、プレイヤの保有情報715において、通常の交換チケットと判別可能に管理されるものとする。
【0093】
特殊交換チケットは、例えば交換チケットの提供がなされる場合に、所定の確率で提供されるよう構成されるものであってよく、消費に期限が定められていない点を除いて、通常の交換チケットと同等の価値を有するものであってよい。例えば、1枚の特殊交換チケットは、消費時には1枚の交換チケットとして処理上扱われるものであってよい。従って、プレイヤが保有する交換チケットの枚数を提示する際には、保有情報715から通常の交換チケットと特殊交換チケットの枚数の情報が取得され、その合計値が提示されればよい。このとき、所定数の交換チケットの消費に係る操作入力がなされた際には、消費対象となる交換チケットは、通常の交換チケットから優先して選択されるものとする。即ち、制御部101は、消費に期限が定められている交換チケットを優先して消費対象とした上で、さらに所定数に満たない場合に、特殊交換チケットを消費対象に含めるものとする。
【0094】
このように提供可能なゲーム要素を構成することで、プレイヤが無体物のゲーム要素を保有している状態を継続しやすくし、その消費を所望するプレイヤを、ゲーム装置100の利用に誘導しやすくなる。
【0095】
[実施形態2]
ところで、収益性増大の観点では、初回利用のプレイヤを如何に継続的なゲーム装置100の利用に誘導していくかが重要である。換言すれば、ゲーム装置100の利用者を増大させるためには、利用登録をした上でゲーム装置100を利用することの利点をプレイヤに知らしめ、かつ、プレイヤカードを使用した初回以降の利用にプレイヤを誘導する必要がある。
【0096】
このため、本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤカードを使用した初回のゲーム装置100の利用時には、次回のゲーム装置100の利用時に特殊カードの提供を可能ならしめる枚数の交換チケットを提供するよう構成される。即ち、今回のゲーム装置100の利用に係り取得されたプレイヤカードに係るプレイヤ情報が、代価の支払いの検出の時点で未登録であったことを条件として、当該交換チケットを提供するよう構成される。より詳しくは、提供処理のS407で、提供制御部107は、今回の利用内容に依らず、特殊カードの提供に必要な所定数の交換チケットを提供する。このとき、提示制御部108は制御部101の制御の下、次回のゲーム装置100の利用において特殊カードを提供可能である旨の通知を提示部130に提示すればよい。
【0097】
このように構成することで、プレイヤを次回のゲーム装置100の利用に誘導しやすくなり、さらに、当該次回のゲーム装置100の利用時にゲームの進行を有利にせしめる特殊カードの提供を行うことで、プレイヤのその後の継続的なゲーム装置100の利用が期待できる。当該効果をより顕著にするため、プレイヤカードを使用した初回のゲーム装置100の利用時に提供された所定数の交換チケットは、プレイヤの次回(2回目)のゲーム装置100の利用時に強制的に消費され、特殊カードが提供されるよう構成されるものであってもよい。この場合、例えば、初回の利用時に提供された交換チケットを、プレイヤ保有情報715にて判別可能に構成しておき、提供処理のS403に先立って当該チケットの保有有無を判断し、保有している場合に特殊カード提供処理が実行されるよう構成してもよい。あるいは、例えばプレイヤ情報の履歴情報714を参照し、2回目のゲーム装置100の利用時であると判断した場合に、特殊カード提供処理が実行されるように構成してもよい。
【0098】
なお、次回のゲーム装置100の利用とは、所謂コンティニュー機能のような、ゲーム装置100の利用時間を延長するような連続した利用ではなく、一度プレイヤがゲーム装置100の利用を終了した後の再度の利用(今回のゲーム装置100の利用と連続しない利用)であるものとする。このような提供仕様とすることで、プレイヤを一時のゲーム装置100の利用ではない再度の利用に、より促しやすくなる。
【0099】
また、ゲーム装置100を設置する店舗の収益機会を増加させるとの観点で、初回のゲーム装置100の利用時に提供された所定数の交換チケットの消費を、次回以降であり、かつ、当該交換チケットを提供した日付と異なる日付のゲーム装置100の利用であることを条件として受け付けるものとしてもよい。このように構成することで、プレイヤをゲーム装置100を設置する店舗への再来店に促す(あるいは、ゲーム装置100を設置する他の店舗への来店に促す)ことができ、当該店舗の収益機会を増加させるだけでなく、ゲーム装置100を継続的に利用する行為にプレイヤを慣れさせることができる。
【0100】
また、本実施形態では、プレイヤカードを使用した初回のゲーム装置100の利用に係る提供処理のS406の実行後に、即ち、ゲームのプレイ体験の終了を条件として、特殊カードの提供を可能ならしめる枚数の交換チケットを提供するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、例えば、当該ゲームの勝利を条件として提供するものとしてもよい。プレイヤをより意欲的にゲームプレイに臨ませるべく、これら交換チケットの提供条件は、例えばS406の実行前に通知されるよう構成されてもよい。
【0101】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0102】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:支払検出部、105:取得部、106:遊戯要素DB、107:提供制御部、108:提示制御部、109:操作入力部、110:通信部、121:第1提供部、122:第2提供部、130:提示部、141:投入口、142:取り出し口、143:保持部、144:載置部、200:サーバ、201:サーバ制御部、202:サーバ記録媒体、203:サーバメモリ、204:プレイヤDB、205:サーバ通信部、300:ネットワーク
【要約】
【課題】好適なゲーム要素の提供を実現する。
【解決手段】ゲーム装置は、第1ゲーム要素、第2ゲーム要素及び第3ゲーム要素を提供する提供手段と、提供手段の動作を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、提供された第1ゲーム要素の消費を条件として、第2ゲーム要素または第3ゲーム要素を提供手段に提供させ、第1ゲーム要素の消費時期に応じて、第2ゲーム要素と第3ゲーム要素のいずれを提供手段に提供させるかを異ならせるよう制御する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7