(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】自動処理システムのための多目的トレイのベースモジュールおよびトレイインサート、自動処理システムのための多目的トレイ、ならびに、自動処理システムの中への/からの多目的トレイの簡単化されたローディング/アンローディングの方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
G01N35/04 H
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021177053
(22)【出願日】2021-10-29
(62)【分割の表示】P 2020519283の分割
【原出願日】2018-10-18
【審査請求日】2021-11-18
(32)【優先日】2017-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】チウ,ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】イオルダノアイア,イオン
(72)【発明者】
【氏名】ヒット,ライナー
(72)【発明者】
【氏名】ナマシバヤム,ビジャイ
(72)【発明者】
【氏名】ナウロッキ,エデュアルド
(72)【発明者】
【氏名】ノイゲバウアー,ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】モールトン,ティム
(72)【発明者】
【氏名】パーマー,サム
(72)【発明者】
【氏名】シュミエタ,ゲルト
【審査官】奥野 尭也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-346966(JP,A)
【文献】特表2014-532880(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0136467(US,A1)
【文献】特表2015-511313(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0122693(US,A1)
【文献】米国特許第6098819(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0344179(US,A1)
【文献】特開2001-048178(JP,A)
【文献】特表2015-514998(JP,A)
【文献】国際公開第2011/148897(WO,A1)
【文献】実開平06-080174(JP,U)
【文献】特開2003-095270(JP,A)
【文献】特開2005-082240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動処理システムのための多目的トレイのベースモジュールであって、
前記ベースモジュールは、上部開口と、実質的に閉じた底部と、それぞれオープンスロットを備える側壁部と、を備える長方形の構造体を有し、前記長方形の構造体のそれぞれのコーナーは、角度付きのコーナーポストを有し、前記ベースモジュールは、同じタイプの多目的トレイの別のベースモジュールの上にスタック可能であり、
前記ベースモジュールは、少なくとも1つのトレイインサートとの
スナップ接続係合のための
複数の突出部を含み、
前記ベースモジュールは、前記多目的トレイの内容物のローディング状況のインディケーションのための少なくとも1つのカラーインジケーターを含み、前記少なくとも1つのカラーインジケーターは、オペレーターによって手動で動作可能であり、
前記少なくとも1つのカラーインジケーターは、前記ベースモジュールの前記コーナーポストのポケットの中に設けられた回転式インジケーターポールの形態で実装され、
前記ポケットは、前記ベースモジュールの外側へのビューイングウィンドウを含む、ベースモジュール。
【請求項2】
前記ベースモジュールの前記底部は、低減された外周部を備えたステップ部分を含み、前記ステップ部分は、前記別のベースモジュールの前記上部開口の上側縁部の中へマッチしている、請求項1に記載のベースモジュール。
【請求項3】
前記ベースモジュールは、オペレーターによる前記ベースモジュールの改善された輸送可能性のために、その外周部の上に少なくとも1つのハンドルを含む、請求項1または2に記載のベースモジュール。
【請求項4】
前記ベースモジュールは、オペレーターによる前記ベースモジュールの改善された輸送可能性のために、互いに反対側のその外周部の上に2つのハンドルを含む、請求項1または2に記載のベースモジュール。
【請求項5】
前記ベースモジュールは、前記自動処理システムのトレイキャリアによる前記ベースモジュールの改善された輸送可能性のために、その外周部の上に少なくとも1つの係合窪みを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のベースモジュール。
【請求項6】
前記少なくとも1つの係合窪みは、前記ベースモジュールの外周部の上に位置決めされているハンドルの中に設けられている、請求項5に記載のベースモジュール。
【請求項7】
前記ベースモジュールは、前記自動処理システムのトレイキャリアによる前記ベースモジュールの改善された輸送可能性のために、互いに反対側のその外周部の上に2つの係合窪みを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のベースモジュール。
【請求項8】
それぞれの係合窪みは、前記ベースモジュールの外周部の上に割り当てられているハンドルの中に設けられている、請求項7に記載のベースモジュール。
【請求項9】
前記ベースモジュールは、その外周部の上に少なくとも1つの書き込み可能な表面を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のベースモジュール。
【請求項10】
前記表面は、ホワイトボード材料によって実装される、請求項9に記載のベースモジュール。
【請求項11】
前記ベースモジュールは、その外周部の上にバーコードなどのような少なくとも1つの識別コードを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のベースモジュール。
【請求項12】
前記ベースモジュールは、ホールセンサー用途のための磁石を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のベースモジュール。
【請求項13】
前記ホールセンサー用途のための磁石は、前記ベースモジュールの底部の中に埋め込まれている、請求項12に記載のベースモジュール。
【請求項14】
前記ベースモジュールは、射出成形されたコンポーネントである、請求項1から13のいずれか一項に記載のベースモジュール。
【請求項15】
前記ベースモジュールは、PC/SAN、PC/ABS、またはPPから作製されている、請求項14に記載のベースモジュール。
【請求項16】
自動処理システムのための多目的トレイであって、請求項1から15のいずれか一項に記載のベースモジュールと、同様の直径または異なる直径を有する複数の試薬またはサンプルチューブを保持するための少なくとも1つのトレイインサートとを含む、多目的トレイ。
【請求項17】
前記少なくとも1つのトレイインサートは、前記少なくとも1つのトレイインサートが前記ベースモジュールの外側に突出していない状態で、フレームに入れられた様式で前記ベースモジュールによって少なくとも部分的に囲まれている、請求項16に記載の多目的トレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001]本発明は、分析的な、事前分析的な、または事後分析的な処理システムなどのよ
うな、自動処理システムの多目的トレイのベースモジュールおよびトレイインサートに関
し、また、そのようなベースモジュールおよびそのようなトレイインサートを含む多目的
トレイに関する。本発明は、さらに、自動処理システムの中への/からのそのような多目
的トレイの簡単化されたローディング/アンローディングの方法に関する。さらに詳細に
は、本発明は、そのような多目的トレイのベースモジュールに関し、そのベースモジュー
ルは、トレイインサートを受け入れ、トレイインサートとともに多目的トレイを形成し、
トレイインサートは、とりわけ、自動処理システムの中で処理されることとなる複数の試
薬またはサンプルチューブを保持するために使用され得る。それに基づいて、オペレータ
ーによる自動処理システムの中への/からのそのような多目的トレイの簡単化されたロー
ディング/アンローディングの方法が、また、本発明の副次的態様として実現され得る。
【背景技術】
【0002】
[002]実験室環境では、生物学的なサンプルの処理は、通常、複雑な実験室機器を必要
とし、したがって、実験室従業員または実験室アシスタントなどのような実験室人員によ
って実施される操作ステップの複雑なワークフローを必要とする。たとえば、そのような
生物学的なサンプルは、人間の組織、血液、唾液、または尿を同伴する可能性があり、そ
のサンプルは、たとえば、採取されたサンプルの中の異なる成分の濃度レベルを決定する
ために、実験室分析のために、病院においてまたは個人開業診療において、医療従事者に
よって患者から日常的に採取される。複雑なワークフローは、通常、それぞれの処理ステ
ップの実行に先立って考えられるべき増加した数の手続き的な態様を同伴し、処理ステッ
プ自身に加えて、非常に時間のかかる労力につながる。ここで、そのような時間的負担に
対抗するために、および、分析結果を迅速で信頼性高く生み出すという通常の時間的制約
を順守するために、大半が手動で実施されるプロセスステップの任意の程度の自動化は、
人員コストを著しく低減させ、サンプルスループット体積を増加させることが可能であり
、そして、サンプルを分析して結果を受容者に報告するために要する時間を低減させるこ
とが可能である。
【0003】
[003]たとえば、生物学的なサンプルの医学的診断分析を実施するための、すでに利用
可能な自動処理システムは、典型的に、分析されることとなる生物学的なサンプルを受け
入れるためのすでに公知の市販のサンプルコンテナを使用する。また、生物学的なサンプ
ルへの添加剤として、試薬が、分析のために必要とされ得、その試薬は、通常、試薬コン
テナの中に提供される。そのようなサンプルまたは試薬コンテナは、サンプルまたは試薬
チューブ(プライマリーチューブとも称される)の形態でもたらされ得、または、任意の
他の適切な種類のサンプルまたは試薬コンテナの形態でもたらされ得、それは、その上部
において開口していることが可能であり、または、蓋などによって閉じられ得、それは、
形状およびサイズに関してわずかに異なっていることが可能である。そのうえ、分析プロ
セスを促進させるために、特定の種類のサンプルのために1つの特定の種類のサンプルチ
ューブを使用することが一般的な実務であり、それは、それぞれのタイプのサンプルに関
して均一なサンプルコンテナを結果として生じさせ、すなわち、分析プロセスを合理化し
てサンプルスループット体積を増加させるために、異なる種類のサンプルのために異なる
種類のサンプルチューブを使用することが一般的な実務である。また、異なる種類のサン
プルのために異なるコンテナを使用する必要は、サンプル体積または処理条件などのよう
な、さまざまな要因によって決定付けられ得るが、いずれにしても、異なる種類のサンプ
ルを互いに見分けることがより容易になるという利点をもたらし、それは、別の種類のサ
ンプルを意図したプロセスの中で間違った種類のサンプルを事故的に使用しにくくする。
これは、とりわけ、自動処理システムがサンプルを処理するために使用される場合に当て
はまる。その理由は、自動システムが、通常、特定の種類のサンプルとともに、すなわち
、特定の種類のサンプルチューブとともに使用するように設計された特定の実験室機器を
含むからである。
【0004】
[004]ここで、分析的な、事前分析的な、または事後分析的な処理システムなどのよう
な、自動処理システム内側のハンドリング効率を向上させるために、サンプルまたは試薬
チューブは、通常、複数のチューブを概して直立配向で支持するように適合されたチュー
ブトレイの中へ設置される。しかし、実験室は、通常、生物学的なサンプルおよび試薬を
たくさんの異なるチューブタイプの中に受け入れ、すべてのチューブタイプは、通常、そ
れぞれのチューブ形状およびサイズに適合されたそれ自身のトレイを有している。これは
、異なるサンプルチューブタイプの中で異なるサンプルを処理する実験室処理システムを
オペレーターがロードすることを複雑にする。また、分析的な、事前分析的な、または事
後分析的な処理システムなどのような、生物学的なサンプルを処理するための自動処理シ
ステムの中で、サンプルチューブは、通常、たとえば、針またはピペットなどによって流
体または他の試料をチューブから除去するかまたはチューブの中へ挿入することによって
操作される。したがって、サンプルチューブをハンドリングすることは、一般的に、比較
的に正確な様式で、非常に正確な位置決めを必要とする。そうでなければ、すなわち、サ
ンプルチューブが十分な精度で位置決めされていないケースでは、そのような自動処理シ
ステムのマニピュレーターは、サンプルチューブを信頼性高く操作するための位置にない
可能性がある。トレイの別の問題は、それらのバーコードが通常は人間が読み取り可能な
ものではないということである。したがって、サンプルがすでに処理されたかどうか、そ
れらが新鮮であるかどうか、または、たとえば、感染性の生物学的なサンプルによって、
オペレーターが特別の注意を払わなければならないかどうかを、オペレーターは決して分
からない。異なってサイズ決めされたサンプルチューブを保持することができ、また、所
望の正確な位置決めを実現することができるサンプルチューブトレイが、たとえば、米国
特許第8,142,740B2号から推測され得、その文献では、自動処理システムのた
めのサンプルチューブトレイが開示されており、そのトレイは、異なってサイズ決めされ
た2つのサンプルチューブのうちの1つを同心円状の様式で保持することができるように
適合されたいくつかのウェルを有している。さらに公知の先行技術として、EP2098
296A1は、所定の直径範囲の中に存在する外径を有する複数のサンプルチューブを保
持および位置決めするためのサンプルチューブトレイを説明している。EP209829
6A1の1つの特定の実施形態によれば、2つの異なる直径を有するサンプルチューブを
保持することができる改善されたサンプルチューブトレイが開示されており、そのトレイ
は、基本的に、均一に間隔を置いて配置されたピラーを構成している。したがって、公知
のサンプルチューブトレイが、異なるサンプルチューブ設計に関して使用可能であるとし
ても、固定された位置だけがサンプルチューブに関して使用され得、すなわち、より大き
いサンプルチューブよりも、より小さいサンプルチューブをより近くに融合することが可
能でない。
【0005】
[005]ここで、上記に説明されているすでに公知のチューブトレイを使用する自動処理
システムが、ヒューマンエラーを最小化しながらより迅速に結果を提供することによって
、サンプル処理効率をすでに改善するとしても、分析的な結果の精度に関する、および、
サンプルスループット体積にも関する、臨床実験室の要求の増加に起因して、自動分析器
システムの全体的な性能の改善の必要性が絶えず存在している。とりわけ、患者サンプル
ハンドリングの効率は、実施されることとなるアッセイにかかわらず、継続的に向上され
ることを必要とする。ここで、上記に説明されているようなサンプルまたは試薬チューブ
によって、複数のサンプルまたは試薬を自動処理システムの中へ迅速かつ確実に導入する
能力は、生物学的なサンプルのスループットの高効率を実現する重要な要因である。加え
て、異なるタイプのサンプルチューブまたは試薬チューブを1つのトレイの中に貯蔵する
こと、いくつかのチューブトレイを小さいスペースの中に貯蔵すること、または、実験室
人員がいくつかのチューブトレイを一度に運搬する能力は、自動処理システムによる患者
サンプルハンドリングの効率を極めて向上させることが可能である。したがって、自動処
理システムとの相関関係において、同一のまたは混合された種類の複数のサンプルまたは
試薬のハンドリングを改善する必要性が絶えず存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[006]本発明は、上記に説明されている問題に対処し、多目的トレイのベースモジュー
ルを提供し、そのベースモジュールは、少なくとも1つのトレイインサートを受け入れ、
少なくとも1つのトレイインサートとともに多目的トレイを形成し、トレイインサートは
、とりわけ、分析的な、事前分析的な、または事後分析的な処理システムなどのような、
自動処理システムの中で処理されることとなる複数の試薬またはサンプルチューブを保持
するために使用され得る。とりわけ、本発明の1つの態様によれば、そのような自動処理
システムのための多目的トレイのベースモジュールが提供され、そのベースモジュールは
、1つの側部において開口しており、少なくとも1つのトレイインサートとの係合のため
の突出部を含み、少なくとも1つのトレイインサートは、ベースモジュールの突出部との
係合によって、ベースモジュールの開口側部の中に解放可能に係合可能である。したがっ
て、ベースモジュールの一体的なパーツとして設けられた突出部によって、少なくとも1
つのトレイインサートは、ベースモジュールに接続され、ベースモジュールとトレイイン
サートとの間の係合、または、ベースモジュールの開口側部とトレイインサートとの間の
より良好な係合を形成することが可能であり、その係合は、望まれる場合には、再び解放
され得、トレイインサートを同じ種類または異なる種類の別のトレイインサートと交換す
るようになっており、それによって、トレイを多目的トレイとなるようにする。したがっ
て、多目的トレイの多目的特性は、トレイインサートの交換可能性によってすでに実現さ
れ得、または、たとえばミックスアンドマッチ様式で1つの同じベースモジュールによっ
て受け入れられるいくつかのトレイインサートの交換可能性によってもすでに実現され得
、それによって、多目的トレイによって受け入れられることとなるチューブの選択に関し
て高いフレキシビリティーを実現する。そのうえ、より詳細に下記にさらに説明されてい
るように、多目的トレイの多目的特性は、また、1つの同じトレイインサート(ユニバー
サルトレイインサートとも称される)の中にいくつかの異なる種類のコンテナを受け入れ
るための、本発明によるトレイインサートの能力によって実現される。
【0007】
[007]現在説明されている態様の本発明ベースモジュールの特定の実施形態によれば、
ベースモジュールの突出部、すなわち、ベースモジュールと一体的に設けられるそれぞれ
の突出部は、ベースモジュールの内側側部に向けて内向きに横方向に突出している。それ
によって、ベースモジュールの突出部は、トレイインサートのそれぞれの係合特徴などの
ような、トレイインサートのそれぞれのカウンターパーツとの解放可能なプッシュイン接
続またはスナップ接続の形態のフォームフィット接続を確立することが可能である。たと
えば、ベースモジュールの突出部は、一種の実矧ぎ型接続の舌部を提供することが可能で
あり、トレイインサートのそれぞれの係合特徴は、たとえば、それぞれの適切な係合凹部
によって、溝部カウンターパーツを提供している。ここで、たとえば、突出部は、円筒状
の形状のものであることが可能であり、トレイインサートの中のそれぞれの円形係合凹部
の中へマッチするようになっている。代替的にまたは追加的に、それぞれの円筒状の突出
部は、中心孔を含むことが可能であり、中心孔は、ベースモジュールの開口側部に開口し
ており、それは、トレイインサートの底部側部から突出するプラグコネクターなどのよう
な、トレイインサートに提供されるそれぞれのカウンターパーツを受け入れることが可能
であり、ベースモジュールのそれぞれの突出部の中心孔の中へ押し込まれることができる
ようになっており、それによって、上記に述べられているようなプッシュイン接続を確立
し、それは、再び取り外され得る。一般に、本発明のベースモジュールの製造に関して、
ベースモジュールは、射出成形されたコンポーネントであることが可能であり、ベースモ
ジュールは、ポリプロピレン(PP)またはポリカーボネートブレンド、たとえば、スチ
レンアクリロニトリルを伴うポリカーボネート(PC/SAN)およびアクリロニトリル
-ブタジエン-スチレンを伴うポリカーボネート(PC/ABS)などから作製され得、
それらは、すべて、射出成型可能な材料を構成する。
【0008】
[008]本発明ベースモジュールのさらなる特定の実施形態によれば、ベースモジュール
は、同じタイプの多目的トレイの別のベースモジュールの上にスタック可能である。それ
によって、いくつかのベースモジュールは、スタックされたベースモジュールのそれぞれ
の中に提供されるトレイインサートから独立して、スペースを節約する様式で互いに重な
り合ってスタックされ得、それは、ユーザーの便宜にも貢献する。その理由は、いくつか
のベースモジュールが、それぞれのトレイインサートによって提供される試薬またはサン
プルチューブをロードされているときに、一緒にスタックされ得、スタックされた配置で
運搬または輸送され得、それによって、輸送可能性を改善し、また、ベースモジュールの
貯蔵可能性を改善するからである。互いに重なり合った少なくとも2つのベースモジュー
ルの間のそのようなスタッキング接続を実現するために、それぞれのベースモジュールの
底部側部は、低減された外周部を備えたステップ部分、たとえば、幅の狭くなるステップ
部分を含むことが可能であり、そのステップ部分は、別のベースモジュールの開口側部の
上側縁部の中へマッチしている。したがって、上側ベースモジュールの底部側部のステッ
プ部分は、たとえば、入れ子にすることが可能な様式で、別のベースモジュールの開口側
部の上側縁部の中へスタックされ得る。
【0009】
[009]本発明ベースモジュールの一般的な構造に関して、ベースモジュールは、実質的
に閉じた底部側部と、(通常は、数が4つの、および、ベースモジュールの全体的な長方
形の構造体と比較して薄壁の)少なくとも部分的に閉じた側壁部とを備えた長方形の構造
体を含むことが可能であり、長方形の構造体の上側側部は、上記に述べられているベース
モジュールの開口側部を構成している。そのような構造体によって、ベースモジュールは
、ボックス形状を構成しており、ボックス形状は、実質的に閉じた底部(製造関連の孔部
またはスリットなどを除く)と、側壁部(それは、連続的に閉じられ得るか、または、部
分的にのみ閉じられ得る)と、開いた上側側部(任意の種類の壁部表面などを実質的に備
えない)とを備えている。側壁部の構造に関して、ベースモジュールの少なくとも部分的
に閉じた側壁部のうちの少なくとも1つは、開いた上側側部において開始する開口側部ス
ロットを含むことが可能であり、すなわち、開いた上側側部は、開口側部スロットの中に
続いており、閉じた底部側部に向けて続くことが可能であり、サイドスロットは、閉じた
底部側部まで続かなければならないのではなく、閉じた底部の上方で終了することが可能
であり、それによって、上部へ開口する側壁部のウィンドウを構成している。代替的な特
定の実施形態によれば、ベースモジュールのそれぞれの側壁部が、上部へ開口するそれぞ
れの側壁部のウィンドウを構成するそのような開口側部スロットを含むことが可能である
。それによって、長方形の構造体のそれぞれのコーナーは、角度付きのコーナーポストを
含み、角度付きのコーナーポストは、閉じた底部から開始し、開いた上側側部へ続いてお
り、その角度付きのコーナーポストは、コーナーストラットまたはコーナーピラーとも称
され得、その上にスタックされた別のベースモジュールと相互作用することなく、少なく
とも1つのトレイインサートおよびその中に提供されるチューブを受け入れるために、閉
じた底部側部およびベースモジュールの開口側部との間に十分な距離を実現する。
【0010】
[010]本発明ベースモジュールのさらなる特定の実施形態によれば、ベースモジュール
は、オペレーター(たとえば、実験室人員など)によるベースモジュールの改善された輸
送可能性のために、インターフェースとして、その外周部の上に少なくとも1つのハンド
ルを含み、ハンドルは、片手または両手でベースモジュールを把持することができるオペ
レーターによってベースモジュールを把持することを簡単化する。代替的に、ベースモジ
ュールは、インターフェースとして、互いに反対側のその外周部の上に2つのハンドルを
含み、それは、オペレーターによるベースモジュールの輸送可能性をさらに改善する。そ
の理由は、2つの反対側のハンドルが、両手でベースモジュールを把持することができる
オペレーターによってベースモジュールを把持することを簡単化するからである。
【0011】
[011]本発明ベースモジュールのさらなる特定の実施形態によれば、ベースモジュール
は、インターフェースとして、その外周部の上に少なくとも1つの係合窪みを含むことが
可能であり、係合窪みは、上記に説明されているようなハンドルによって区別が付かなく
されるべきではなく、自動輸送プロセスの過程においてトレイキャリアによるベースモジ
ュールの改善された輸送可能性のために、とりわけ、自動処理システムのトレイキャリア
(または、トレイシャトルなどのようなトレイキャリア器具)のために設けられており、
そのキャリアは、窪みと係合することが可能であり、したがって、ベースモジュールをピ
ックアップすることが可能である。便宜上、少なくとも1つの係合窪みが、上記に説明さ
れているように、ベースモジュールの外周部の上に位置決めされたハンドルの中に設けら
れている。それによって、ベースモジュールにおける同一の場所において、人間のオペレ
ーターによってだけでなく、自動トレイキャリア器具によっても、ベースモジュールがピ
ックアップおよび輸送されることが可能になる。代替的な実施形態において上記に説明さ
れているように2つのハンドルを設けることと同様に、ベースモジュールは、必要な場合
には、自動処理システムのトレイキャリアによるベースモジュールの改善された輸送可能
性のために、インターフェースとして、互いに反対側のその外周部の上に、2つの係合窪
み、または、さらには3つ以上の窪みを含むことが可能であり、それぞれの係合窪みは、
ベースモジュールの外周部の上に割り当てられたハンドルの中に設けられ得る。それによ
って、ベースモジュールの同一の場所において、両手を有する人間のオペレーターによっ
てピックアップされるのと同じ様式で、人間のオペレーターによってだけでなく、自動ト
レイキャリア器具によっても、ベースモジュールがピックアップおよび輸送されることが
可能になる。上記に説明されているインターフェースは、人間の相互作用のいずれかを形
成するインターフェースとして、または、自動処理システムの器具へのインターフェース
として提供されており、インターフェースは、自動処理システムのローディングスロット
へのおよびそれからの輸送のために、自動処理システムの作業デッキへの輸送のために、
自動処理システムのバーコードラベラーへの輸送のために、または、自動処理システムの
中に提供されたトレイシャトルのために、そのような器具との相互作用のために提供され
得る。
【0012】
[012]本発明ベースモジュールのさらなる特定の実施形態によれば、ベースモジュール
は、多目的トレイの内容物、すなわち、多目的トレイのベースモジュールの中に受け入れ
られるようなトレイインサートの内容物のローディング状況のインディケーションのため
の少なくとも1つのカラーインジケーターを含むことが可能である。1つの例として、カ
ラーインジケーターは、4つの異なるカラーを提供することが可能であり、それは、多目
的トレイが、新しい(すなわち、未処理の)内容物、既に処理された内容物、アーカイブ
に関して指定された内容物、または、誤った内容物を有するということを示すことが可能
であり、ここにおいて、未処理の内容物は、緑色によってカラーコードされ得、既に処理
された内容物、または、代替的に誤った内容物は、赤色によってカラーコードされ得る。
ここで、特定の実施形態として、カラーインジケーターは、オペレーターによって手動で
動作可能であり得、および/または、ベースモジュールの中の(たとえば、ベースモジュ
ールのいくつかのコーナーポストのうちの1つの中の)それぞれのポケットの中に設けら
れる回転式インジケータープラグまたはポールの形態で実装され得、ポケットは、外側へ
のビューイングウィンドウを含み、それぞれのカラーが、ビューイングウィンドウの中に
示され得、インジケーターポールの回転によって変化させられ得る。また、多目的トレイ
が、ローディング状況インディケーションの必要のない内容物を担持しているケースでは
、たとえば、トレイインサートが、消耗し得るチップなど、すなわち、任意の状況を伴わ
ない内容物を担持しているケースでは、いわゆるブラインドプラグが、ベースモジュール
ポケットの中へフィットさせられ得、すなわち、任意の異なるカラーがその上に提供され
ていないプラグ、たとえば、灰色のプラグなどがフィットさせられ得る。したがって、カ
ラーインジケーターは、望まれる場合には、改善されたユーザーの便宜のために交換され
得る。そのうえ、カラーインジケーターは、異なる種類のサンプルチューブを保持するこ
とができるいわゆるユニバーサルトレイインサートを使用するときに、または、尿サンプ
ルコンテナトレイを使用するときに、とりわけ合理的であるということが留意されるべき
である。他方では、ブラインドプラグは、前述のように、消耗し得るチップを担持するト
レイインサートを使用するときに、合理的である可能性がある。ベースモジュールのポケ
ットの中へ嵌め込まれたインジケーターポールの形態のインジケーターを設けることの追
加的な態様として、自動処理システムの任意の光学センサーが、自動処理システムのロー
ディングスロットの中への多目的トレイの正しいローディングを識別するために使用され
得る。その理由は、ポケットが、最初にローディングスロットの中へロードされるトレイ
の端部の上に設けられているかまたは設けられていないかのいずれかであるからである。
ローディングスロットの中へロードされたときのトレイの所望の配向に応じて、正しい配
向または誤った配向が検出され得、たとえば、オペレーターへ信号化され得る。
【0013】
[013]本発明ベースモジュールのさらなる特定の実施形態によれば、ベースモジュール
は、その外周部の上に少なくとも1つの書き込み可能な表面を含むことが可能であり、オ
ペレーターがベースモジュールに人間が読み取り可能なマーキングを提供するようになっ
ており、望まれる場合には、人間のオペレーターによる表面の上のそのようなマーキング
の迅速なマーキングおよび消去を可能にし、書き込み可能な表面は、ホワイトボード材料
によって、すなわち、拭き取り可能な材料によって実装され得、それを2回以上使用する
ことができるようになっている。それによって、任意のオペレーターは、望まれる場合に
は、ベースモジュール、および、したがって、人間が読み取り可能なマーキングを備えた
多目的トレイを提供することが可能であり、それは、たとえば、別のトレイインサートと
ともに別の時間にベースモジュールを使用するときに、再び容易に消去され得、トレイイ
ンサートの内容物をベースモジュールの上に書くようになっている。書き込み可能な表面
の1つの実装形態によれば、それは、ベースモジュールの側壁部の上に、たとえば、ベー
スモジュールの右側部の上に、ラベルを設置することによって設けられ得、ラベルの形態
の書き込み可能な表面がアルコールまたは同種のもののみによってクリーニングされ得る
場合には有用であり、オペレーターのマーキングの耐久性を改善するようになっている。
したがって、書き込み可能な表面は、余白を提供し、同僚または協力者などのための注記
をトレイにラベル付けし、たとえば、遅延したサンプルを失うリスクを防止するようにな
っている。
【0014】
[014]前に説明されたような人間が読み取り可能なマーキングに加えて、本発明のベー
スモジュールは、また、その外周部の上に少なくとも1つの識別コードを含むことが可能
であり、それは、接着剤ラベルなどであることが可能であり、人間が読み取り可能な機械
書き込みを担持し、それは、人間のオペレーターのために、ベースモジュールまたはその
内容物についての実質的な情報を提供することが可能である。代替的にまたは追加的に、
機械可読識別コードは、ベースモジュールの外周部の上に設けられ得、たとえば、バーコ
ードなどによって実装され得、または、RFIDタグなどの形態でも実装され得、それは
、自動処理システムの中のベースモジュールまたはその内容物の自動的な識別を可能にし
、また、それは、それぞれのベースモジュールに関して一意の識別コードを提供すること
が可能である。たとえば、そのようなバーコードまたはRFIDタグは、トレイタイプの
識別のための、すなわち、ベースモジュールの中に提供されるトレイインサートのタイプ
の識別のための3文字と、記録可能性の理由のために、連続シリアル番号を与える5文字
とから構成され得る。
【0015】
[015]本発明の別の態様によれば、および、上記に説明されているようなベースモジュ
ールに相補的に加えて、自動処理システムのための多目的トレイのトレイインサートが、
同様の直径または異なる直径を有する複数の試薬またはサンプルチューブを保持するため
に、それとともに提供され、トレイインサートは、ユニバーサルトレイインサートまたは
ユニバーサルに適用可能なトレイインサートとも称され得、異なるサイズを有するチュー
ブ受け入れ凹部のアレイを含み、それによって、ユニバーサルトレイインサートのユニバ
ーサル特性を実現し、そのサイズは、たとえば、チューブ受け入れ凹部直径であることが
可能であり、チューブ受け入れ凹部は、実質的な円筒状の形状で形成され得る。一般に、
本発明のそのようなトレイインサートの製造に関して、トレイインサートは、射出成形さ
れたコンポーネントであることが可能であり、トレイインサートは、ポリプロピレン(P
P)またはポリカーボネートブレンド、たとえば、スチレンアクリロニトリルを伴うポリ
カーボネート(PC/SAN)およびアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンを伴うポ
リカーボネート(PC/ABS)などから作製され得、それらは、すべて、射出成型可能
な材料を構成する。本発明のユニバーサルトレイインサートの構造に関して、上記に述べ
られているチューブ受け入れ凹部のアレイは、少なくとも、第1のグループのチューブ受
け入れ凹部を含み、また、第2のグループのチューブ受け入れ凹部を含み、第1のグルー
プのチューブ受け入れ凹部の凹部のサイズ、および、第2のグループのチューブ受け入れ
凹部の凹部のサイズは、互いに異なっており、すなわち、それらのグループの間の凹部サ
イズは、互いに異なっている。たとえば、第1のグループのチューブ受け入れ凹部は、大
きい直径を有する第1のグループのチューブを受け入れるために使用され得、第2のグル
ープのチューブ受け入れ凹部は、第1のグループのチューブよりも小さい直径を有するチ
ューブを受け入れるために使用され得る。そのうえ、第1のグループのチューブ受け入れ
凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭は、第2のグループのチューブ受
け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭と交差して
いる。ここで、チューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭として、チューブ受け入れ凹部の内
周部の外形が理解されるべきであり、チューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭または外形は
、また、上方から見たときに、チューブ受け入れ凹部の実質的な断面として識別され得る
。しかし、第1のグループおよび第2のグループの両方のチューブ受け入れ凹部の内周部
は、連続的になっている必要はなく、両方のグループのチューブ受け入れ凹部は、上方か
ら見たときに互いに交差していることが可能であり、したがって、第1のグループのチュ
ーブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭と、第2のグループ
のチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪
郭との交差を示す。異なるサイズを有するチューブ受け入れ凹部のそのような特定の構造
によって、異なるコンテナ形状およびサイズを受け入れることができるユニバーサルトレ
イインサート設計が実現され得、とりわけ、より大きいコンテナよりも、より小さいコン
テナをより近くに融合することが可能になる。したがって、異なる直径を有する異なるチ
ューブタイプが、ユニバーサルトレイインサートの中にフィットすることが可能であり、
したがって、ユニバーサルトレイインサートの中へ挿入され得る受け入れ可能なチューブ
数の増加を実現するために、常に最適化された方式で、それぞれの多目的トレイの中にフ
ィットすることが可能である。したがって、チューブ受け入れ凹部のそのような特定の構
造は、ユニバーサルトレイインサートのユニバーサル特性を結果として生じさせる。その
理由は、トレイインサートが、複数の異なる種類のサンプルチューブに関してユニバーサ
ルに使用され得るからである。ここで、例として、1つのタイプのチューブだけがユニバ
ーサルトレイインサートの中へロードされるケースでは、PreservCytチューブ
などのような大きい直径を有する約20ピース(たとえば、21ピースなど)のチューブ
、SurePathチューブなどのようなより小さい直径を有する約30ピース(たとえ
ば、32ピースなど)のチューブをロードすることが可能になる。以前に説明された種類
の異なるチューブがロードされるケースでは、約20個から30個の間のピースが、混合
された様式でロードされ得る。
【0016】
[016]本発明トレイインサートのさらなる特定の実施形態によれば、第1のグループの
チューブ受け入れ凹部の輪郭と第2のグループのチューブ受け入れ凹部の輪郭との交差は
、輪郭の非接線方向のクロスオーバー(crossover)に対応している。これは、
異なる輪郭同士の間の交差ポイントまたは接合ポイントにおいて理解されるべきであり、
すなわち、第1のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の
内周部の輪郭は、第2のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチ
ューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭に、非接線方向の様式で交差している。これは、とり
わけ、それぞれのチューブ受け入れ凹部の円筒状の輪郭を考えるときに関連がある。その
理由は、そのような配置が、具体的には、異なる直径を有するチューブを本発明トレイイ
ンサートの中へフィットさせる最適化された方式を実現することを支援し、トレイインサ
ートの中へ挿入され得る受け入れ可能なチューブ数の増加を実現するようになっている。
代替的にまたは追加的に、第1のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ
受け入れ凹部の中心軸線は、第2のグループのチューブ受け入れ凹部の隣接するチューブ
受け入れ凹部の中心軸線に関して偏心した様式で配置され得、それは、両方のグループの
チューブ受け入れ凹部の中心軸線が互いに一致していないということを意味しており、そ
れは、異なる直径を有するチューブを本発明トレイインサートの中へフィットさせるすで
に説明されている最適化された方式を実現することを追加的に支援する。ここで、それぞ
れの軸線の間の距離は、ユニバーサルトレイインサートの中へのチューブの「間違った」
ローディングが可能でないように、または、少なくとも、ローディングの間にオペレータ
ーによって容易に検出され得るように選ばれる。
【0017】
[017]本発明トレイインサートのさらなる特定の実施形態によれば、第1のグループの
チューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の深さは、第2のグループのチ
ューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の深さとは異なっている。それに
よって、異なる長さを有するチューブが、また、現在説明されているトレイインサートに
よって受け入れられ得、ここにおいて、異なるグループのチューブ受け入れ凹部の深さは
、より長い長さを有する1つのグループのチューブの上部が、より短い長さを有する他の
グループのチューブと比較して突出していないかまたはわずかにだけ突出するように選ば
れるということが有利である可能性がある。
【0018】
[018]本発明トレイインサートのさらなる特定の実施形態によれば、チューブ受け入れ
凹部のアレイは、すでに説明されている第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹
部に追加的に、第3のグループのチューブ受け入れ凹部を含み、ここにおいて、第3のグ
ループのチューブ受け入れ凹部のチューブ受け入れ凹部のうちの少なくとも1つの内周部
の輪郭は、第1および/または第2のグループのチューブ受け入れ凹部のうちの少なくと
も1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭と交差している。したがって、チ
ューブ受け入れ凹部のアレイは、第3のグループのチューブ受け入れ凹部を追加的に含み
、第3のグループのチューブ受け入れ凹部の凹部のサイズ、ならびに、第1および/また
は第2のグループのチューブ受け入れ凹部の凹部のサイズは、互いに異なっており、すな
わち、それらのグループ同士の間の凹部サイズは、互いに異なっている。たとえば、第1
のグループのチューブ受け入れ凹部は、大きい直径を有する第1のグループのチューブを
受け入れるために使用され得、第2のグループのチューブ受け入れ凹部は、第1のグルー
プのチューブよりも小さい直径を有するチューブを受け入れるために使用され得、第3の
グループのチューブ受け入れ凹部は、第2のグループのチューブよりもさらに小さい直径
を有する第3のグループのチューブを受け入れるために使用され得る。そのうえ、第3の
グループのチューブ受け入れ凹部のチューブ受け入れ凹部のうちの少なくとも1つの内周
部の輪郭は、第1の/第2のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接す
るチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭と交差している。ここで、繰り返しになるが、チ
ューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭として、チューブ受け入れ凹部の内周部の外形が理解
されるべきであり、チューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭または外形は、また、上方から
見たときに、チューブ受け入れ凹部の実質的な断面として識別され得る。しかし、すべて
の3つのグループのチューブ受け入れ凹部の内周部は、連続的になっている必要はなく、
すべてのグループのチューブ受け入れ凹部は、上方から見たときに互いに交差しているこ
とが可能であり、したがって、第1のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチュ
ーブ受け入れ凹部の内周部の輪郭と、第2のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくと
も1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭、および/または、第3のグルー
プのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の
輪郭との交差を示す。異なるサイズを有するチューブ受け入れ凹部のそのような特定の構
造によって、上記に述べられているユニバーサルトレイインサート設計は、それが3つの
異なるコンテナ形状またはサイズを受け入れることができるという点において、さらに改
善され得、繰り返しになるが、より大きいコンテナよりも、より小さいコンテナをより近
くに融合することが可能になる。したがって、3つの異なる直径を有する異なるチューブ
タイプが、ユニバーサルトレイインサートの中にフィットすることが可能であり、したが
って、ユニバーサルトレイインサートの中へ挿入され得る受け入れ可能なチューブ数の増
加を実現するために、常に最適化された方式で、それぞれの多目的トレイの中にフィット
することが可能である。たとえば、1つのタイプのチューブだけがユニバーサルトレイイ
ンサートの中へロードされるケースでは、PreservCytチューブなどのような大
きい直径を有する約20ピース(たとえば、21ピースなど)のチューブ、SurePa
thチューブなどのようなより小さい直径を有する約30ピース(たとえば、32ピース
など)のチューブ、または、PCRチューブなどのようなさらにより小さい直径を有する
約80ピース(たとえば、78ピースなど)のチューブをロードすることが可能になる。
したがって、チューブ受け入れ凹部のアレイは、サンプルチューブのそれぞれの直径に応
じて、および、したがって、チューブ受け入れ凹部の直径に応じて、同じタイプのまたは
異なるタイプの約20個から80個の間のサンプルチューブを混合された様式で受け入れ
ることが可能である。チューブ受け入れ凹部の代替的な配置では、PreservCyt
チューブなどのような大きい直径を有する20ピースのチューブ、SurePathチュ
ーブなどのようなより小さい直径を有する20ピースのチューブ、または、PCRチュー
ブなどのようなさらにより小さい直径を有する62ピースのチューブがロードされ得る。
チューブ受け入れ凹部のそのような特定の構造は、ユニバーサルトレイインサートのユニ
バーサル特性のさらなる改善を結果として生じさせる。その理由は、トレイインサートが
、さらにより大きい複数の異なる種類のサンプルチューブのためにユニバーサルに使用さ
れ得るからである。追加的な随意的な特徴として、任意の種類のサンプルチューブのさら
なる安定化された保持を実現するために(それは、より小さいチューブをより大きいチュ
ーブ受け入れ凹部の中へ導入することも可能にする)、それぞれのチューブ受け入れ凹部
の内側にチューブをセンタリングするために、すなわち、より大きいチューブ受け入れ凹
部の内側により小さいチューブをセンタリングおよび保持するために、センタリングスプ
リングは、チューブ受け入れ凹部のうちの少なくとも1つの内側に設けられ得る。したが
って、そのようなセンタリングスプリングは、ユニバーサルトレイインサートのユニバー
サル特性をさらに改善することが可能である。その理由は、トレイインサートが、ますま
す大きくなる複数の異なる種類のサンプルチューブに関して、ユニバーサルに使用され得
るからである。たとえば、本発明によるセンタリングスプリングは、チューブ受け入れ凹
部の内側への取り付けのための実質的に円形の中間パーツと、長手方向の様式で中間パー
ツから離れるように突出するいくつかのクランプアームとを含むことが可能であり、それ
ぞれのクランプアームは、保持されることとなるチューブに接触するために、その端部に
おいて内向きに突出するニブを含み、それによって、センタリングスプリングと同軸の様
式で、すなわち、それぞれのチューブ受け入れ凹部と同軸の様式で、クランプされた様式
でそれを保持およびセンタリングする。そのようなセンタリングスプリングは、トレイイ
ンサートの別個のコンポーネントとして、スプリングスチールから作製され得、センタリ
ングスプリング自身の形状によって実現されるようなクランプ可能性に加えて、そのクラ
ンプ可能性を改善するようになっている。
【0019】
[019]本発明トレイインサートのさらなる特定の実施形態によれば、第3のグループの
チューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の中心軸線は、第1および/ま
たは第2のグループのチューブ受け入れ凹部の隣接するチューブ受け入れ凹部の中心軸線
に関して偏心した様式で配置されており、それは、すべてのグループのチューブ受け入れ
凹部の中心軸線が互いに一致していないということを意味しており、それは、異なる直径
を有するチューブを本発明トレイインサートの中へフィットさせるすでに説明されている
最適化された方式を実現することを追加的に支援する。ここで、それぞれの軸線の間の距
離は、ユニバーサルトレイインサートの中へのチューブの「間違った」ローディングが可
能でないように、または、少なくとも、ローディングの間にオペレーターによって容易に
検出され得るように選ばれる。代替的にまたは追加的に、第3のグループのチューブ受け
入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の深さは、第1および/または第2のグルー
プのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の深さとは異なっている。
それによって、異なる長さを有するチューブが、また、現在説明されているトレイインサ
ートによって受け入れられ得、ここにおいて、異なるグループのチューブ受け入れ凹部の
深さは、長い長さを有する1つまたは2つのグループのチューブの上部が、より短い長さ
を有する残りのグループのチューブと比較して突出していないかまたはわずかにだけ突出
するように選ばれるということが有利である可能性がある。そのうえ、1つのグループの
チューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の輪郭は、同じグループのチュ
ーブ受け入れ凹部の隣接するチューブ受け入れ凹部の輪郭から間隔を離して配置され得る
。したがって、同じグループのチューブのうちのチューブ同士の間の直接的な接触が回避
され得、それによって、この種類のチューブのためにトレイインサート全体によって提供
されるスペースの最大活用を実現する。
【0020】
[020]本発明トレイインサートのさらなる特定の実施形態によれば、基準マーカーは、
トレイインサートの上側表面の縁部に設けられている。基準マーカーは、トレイインサー
トの中のチューブ受け入れ凹部のそれぞれの明確な割り当てのために使用されており、基
準マーカーは、それぞれのチューブ受け入れ凹部を識別するために、英文字および/また
は数字から構成されているグリッドの形態で設けられ得る。ここで、例として、個々の位
置は、チェス盤から知られるものなどのような、グリッドの形態でトレイインサートの縁
部の上にプリントされ得、チェス盤では、文字が、行を割り当てることが可能であり、数
字が、列を割り当てることが可能であり、たとえば、A1からM11になっている。
【0021】
[021]すでに上記に述べられたように、トレイインサートは、多目的トレイのベースモ
ジュールの開口側部の中の突出部と解放可能に係合可能となるための係合特徴を含む。ベ
ースモジュールに関してすでに上記に説明されているように、ベースモジュールの突出部
は、一種の実矧ぎ型接続の舌部を提供することが可能であり、トレイインサートのそれぞ
れの係合特徴は、たとえば、トレイインサートの外周縁部の中に設けられ得るそれぞれの
適切な係合凹部によって、溝部カウンターパーツを提供している。代替的に、係合特徴は
、トレイインサートの底部側部の上に設けられたプラグインコネクターの形態で設けられ
得、そのコネクターは、ベースモジュールのそれぞれの突出部の中心孔の中へ押し込まれ
得る。両方のケースにおいて、ベースモジュールとトレイインサートとの間のプッシュイ
ン接続が実現され得、それは、再び取り外され得る。
【0022】
[022]本発明の別の態様によれば、自動処理システムのための多目的トレイが、また、
本発明によって提供され、その多目的トレイは、上記に詳細に説明されているようなベー
スモジュールと、上記に詳細に説明されているような少なくとも1つのトレイインサート
とを含む。ここで、トレイインサートは、少なくとも1つのトレイインサートがベースモ
ジュールの外側に突出していない状態で、フレームに入れられた様式でベースモジュール
によって少なくとも部分的に囲まれ得る。また、上記に説明されているように、トレイイ
ンサートの内容物は、ベースモジュールの外側に突出していない。それによって、多目的
トレイのスタック可能性は、選ばれたトレイインサートおよびその内容物から独立して実
現され得る。さらに、ベースモジュールの突出部、および、トレイインサートの係合特徴
は、すでに上記に詳細に説明されているように、解放可能なプッシュイン接続またはスナ
ップ接続の形態のフォームフィット接続を確立している。
【0023】
[023]そのうえ、本発明のさらなる態様によれば、オペレーターによって自動処理シス
テムの中へ/から多目的トレイの簡単化されたローディング/アンローディングを行う方
法も提供される。そのような多目的トレイは、上記に説明されているような多目的トレイ
であるか、または、代替的に、任意の種類のトレイインサートがその中に挿入された多目
的トレイであることが可能である。ここで、本発明方法は、そのような多目的トレイを自
動処理システムのローディングスロット(入力スロットとも称される)の中へロードする
ステップであって、自動処理システムは、2つ以上のローディングスロットを含むことが
可能である、ステップと、自動処理システムの実験室器具(たとえば、分析的な器具など
)によって多目的トレイの内容物を処理するステップと、自動処理システムのアンローデ
ィングスロット(出力スロットとも称される)から多目的トレイをアンロードするステッ
プであって、自動処理システムは、2つ以上のアンローディングスロットを含むことが可
能である、ステップとを含む。ここで、自動処理システムは、オペレーターと自動処理シ
ステムのソフトウェアとの間の相互作用なしにローディングスロットの中へロードされた
多目的トレイの内容物を認識するセンサーを含み、すなわち、自動処理システムは、セン
サー(たとえば、光学センサーまたはRFIDセンサーなど)によって、ロードされた多
目的トレイおよびその内容物を自動的に認識することができ、したがって、たとえば、ユ
ーザーインターフェースによって、オペレーターが多目的トレイの内容物に関してデータ
入力する必要なしに、自動処理システムの内側の実験室器具によって自動的に実施される
こととなる必要なまたは所望の処理ステップを識別することができる。そのうえ、自動処
理システムのアンローディングスロットからアンロードされることとなる多目的トレイは
、多目的トレイのフォーマットまたは内容物に関して、オペレーターと自動処理システム
のソフトウェアとの間の相互作用なしに、アンローディングスロットからオペレーターに
よってアンロードされ得、すなわち、自動処理システムは、たとえば、ユーザーインター
フェースによって、アンロードされることとなる多目的トレイについてのデータを、自動
処理システムがオペレーターに提供する必要なしに、多目的トレイのアンローディングを
可能にする。しかし、一般に、自動処理システムのアンローディングスロットからアンロ
ードされることとなる任意の多目的トレイは、オペレーターと自動処理システムのソフト
ウェアとの間の相互作用によって、アンローディングスロットからオペレーターによって
アンロードされることだけが可能であり、すなわち、自動処理システムは、たとえば、ユ
ーザーインターフェースによるオペレーターからシステムへのそれぞれの入力のみによっ
て、多目的トレイのアンローディングを可能にする。一般に、自動処理システムは、オペ
レーターとの相互作用のために、および、自動処理システムの内側のワークフローを制御
するために、アプリケーションソフトウェアを実施する制御ユニットを含むことが可能で
ある。
【0024】
[024]現在説明されている方法は、自動処理システムのローディングスロットが、とり
わけ、サンプルチューブを担持するトレイをロードするためのそれぞれのスロット、また
は、ピペットチップのような使い捨て品/消耗品を担持するトレイをロードするためのロ
ーディングスロットを識別することによってのみ使用され得るということがこれまで当技
術分野だけにおいて知られているという事実に基づいている。したがって、異なるランダ
ム化されたスロットの中へのサンプルおよび試薬のローディングだけがよく知られている
が、液体を含有するローディングサンプルチューブと簡単な方式でピペットチップのよう
な消耗品/使い捨て品を単に含有するラックまたはキャリアとの組み合わせは、よく知ら
れていない。したがって、現在説明されている本発明方法は、ローディングサンプルおよ
び使い捨て品を自動処理システムの中へロードする、ユーザーに好都合の方式を提供する
。そのような改善の必要性は、実験室の中のオペレーターが、通常、供給品、消耗品、お
よびサンプルを伴うたくさんの異なるトレイを自動処理システムのローディングスロット
の中へロードしなければならないという事実に基づいている。これらのトレイのそれぞれ
は、通常、異なるフォーマットを有しており、したがって、トレイのフォーマットに適合
されている異なるローディングスロットを有している。しかし、説明されているような多
目的トレイでは、それぞれのトレイが、異なるサンプルおよび供給品に関して、同じフォ
ーマットを有することが可能である。したがって、オペレーターは、トレイが自動処理シ
ステムの中へロードされなければならないたびに、マッチしているローディングスロット
を識別する必要なしに、供給品および/またはサンプルを含むトレイを1つまたはいくつ
かのランダムローディングスロットの中へロードすることが可能である。
【0025】
[025]現在説明されている本発明方法の例として、自動処理システムは、たとえば、自
動処理システムの外側と内側との間のトレイインターフェースとして、8つのスロットを
装備していることが可能であり、ユーザーの便宜のために、スロットのうちの4つは、ロ
ーディングスロットとなるように割り当てられ得、残りの4つのスロットは、アンローデ
ィングスロットとなるように割り当てられ得る。たとえば、4つのスロットが他の4つの
スロットの上に配置されている2行のスロットを備えた配置において、上部の4つのスロ
ットは、トレイローディングスロットとなるように割り当てられ得、底部の4つのスロッ
トは、トレイアンローディングスロットとなるように割り当てられ得る。代替的に、すべ
てのスロットは、同時のローディングおよびアンローディングのために使用され得る。こ
こで、現在説明されている方法のローディングステップに関して、多目的トレイは、自動
処理システムのローディングスロットとなるように割り当てられたスロットのいずれかの
中へロードされており、多目的トレイは、1つもしくはいくつかのユニバーサルトレイイ
ンサート、1つもしくはいくつかの尿コンテナトレイインサート、および/または、1つ
もしくはいくつかのチップラックトレイインサートを担持することが可能である。したが
って、本発明方法の特定の実施形態として、オペレーターは、サンプルもしくは試薬チュ
ーブ、または使い捨て品、たとえば、ピペットチップなどを、多目的トレイの中へその内
容物として充填することが可能であり、充填された多目的トレイを自動処理システムのロ
ーディングスロットまたは任意のローディングスロットの中へロードするステップは、多
目的トレイのフォーマットまたは内容物に関するデータを自動処理システムのソフトウェ
アと交換する必要性なしに実施される。自動処理システムによるロードされたトレイの自
動的な認識に起因して、トレイは、たとえば、ユーザーインターフェースなどによる、自
動処理システムのソフトウェアとの任意のユーザー相互作用の必要性なしに、オペレータ
ーによってローディングスロットの中へロード可能である。
【0026】
[026]本発明方法のさらなる特定の実施形態によれば、多目的トレイをロードするステ
ップは、優先的な内容物を伴う多目的トレイを複数のローディングスロットのうちの所定
のローディングスロットの中へロードするステップを含み、自動処理システムは、優先的
な内容物を伴う多目的トレイを優先することを伴って処理ステップを実施する。さらに、
所定のローディングスロットは、優先ローディングスロットであることが可能であり、優
先的な内容物は、優先的なサンプルであることが可能である。たとえば、上記に説明され
ている例の4つのローディングスロットのうちの1つは、優先的なトレイ、すなわち、優
先的な内容物(たとえば、他の非優先的なサンプルの後ろに並ぶことなく即座に処理され
るべき優先的なサンプルなど)を伴うトレイのための優先ローディングスロットとなるよ
うに指定され得る。それによって、サンプルを処理する自動ステップの順序は、望まれる
場合には、この点においてオペレーターによって影響を及ぼされ得る。
【0027】
[027]本発明方法のさらなる特定の実施形態として、自動処理システムは、クリアラン
ス(clearance)の前に、それぞれの多目的トレイが処理状態にある間に、アン
ローディングスロットからの多目的トレイのアンローディングを防止するために、アンロ
ーディングスロットをロックすることが可能である。したがって、それぞれのトレイが処
理状態にある間に、自動処理システムは、それぞれのスロットからのトレイの手動除去を
防止する。そのような防止は、手動ロックなどによって実現され得、それぞれのトレイを
それぞれのスロットの中に適切な場所に保持する。代替的に、または追加的に、自動処理
システムは、それぞれのスロットに関するローディング/アンローディング許可またはロ
ーディング/アンローディング禁止の状況を示す、それぞれのスロットのためのローディ
ング/アンローディング状況インジケーターを含むことが可能である。それによって、ト
レイがアンロードされていないと思われるケースでは、たとえば、その内容物の処理が依
然として進行中であるので、状況インジケーターは、たとえば、それぞれのスロットの近
くに提供される赤色の光の形態で、アンローディング禁止信号をオペレーターに送ること
が可能である。
【0028】
[028]本発明方法のアンローディングステップに関して、異なる内容物を伴う異なる種
類のトレイがアンローディングスロットからアンロードされ得るということが確立され得
る。しかし、現在説明されている方法の特定の実施形態として、アンローディングスロッ
トのうちの1つは、アンローディングサンプルエラートレイのためのアンローディングス
ロットであると指定され得、すなわち、ある種類のエラー(たとえば、読み取り不可能な
ラベルなど)を示す(または、また、誤りのあるサンプルのケースである)ことが自動処
理システムによって識別されたサンプルチューブを備えたトレイのためのアンローディン
グスロットであると指定され得る。したがって、多目的トレイをアンロードするステップ
は、所定のアンローディングスロットからの所定の内容物を伴う多目的トレイのアンロー
ディングを含むことが可能であり、所定の内容物は、誤りのあるサンプルを伴うコンテナ
であることが可能である。
【0029】
[029]本発明は、本明細書で説明されている特定の方法論に限定されない。その理由は
、それらが変化することが可能であるからである。本明細書で説明されているものと同様
のまたは均等の任意のデバイス、方法、および材料が、本発明の実施において使用され得
るが、特定のデバイス、特定の方法、および特定の材料が本明細書で説明されている。さ
らに、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態だけを説明する目的のためのも
のであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0030】
[030]本発明の文脈において、本明細書で使用されているような「自動処理システム」
という用語は、生物学的なサンプルを自動的に処理するために、制御ユニット(たとえば
、分析的な、事前分析的な、または事後分析的な処理システムなど)に動作可能なように
接続されている1つまたは複数の実験室器具を含む、実験室の中の自動実験室システムを
表している。一般に、化学的な、生物学的な、物理的な、光学的な、または他の技術的な
分析が、分析的な処理システムによってサンプルに実施され得る前に、さまざまな異なる
事前分析的な処理ステップが、事前分析的な処理システムの器具によって、患者のサンプ
ルに実行されなければならない可能性があり、事前分析的な処理システムの器具は、たと
えば、サンプルを遠心分離するためのサンプル遠心分離器具、サンプルの再懸濁のための
サンプル再懸濁器具、サンプルコンテナにキャップをするおよび/またはキャップを外す
ためのサンプルコンテナキャッピングまたはデキャッピング器具、サンプルコンテナのキ
ャップを外した後にサンプルコンテナを再キャップするための再キャッピング器具、およ
び/または、サンプルのアリコートへとサンプルを分割するためのアリコーテーション器
具などである。分析の後に、さまざまな異なる事前分析的な処理ステップが、たとえば、
1つまたは複数の生物学的なサンプルに対する1つまたは複数の事後分析的な処理ステッ
プ、たとえば、分析的な結果の検証およびレビュー、ならびに、実験室システムのオペレ
ーターへのこれらの結果の通信およびそれらの解釈などを実行するために、事後分析的な
処理システムの器具によって、サンプルに対して実行されなければならない可能性がある
。
【0031】
[031]本明細書で使用されているような実験室の「実験室器具」または「器具」という
用語は、1つまたは複数の生物学的なサンプルに対して1つまたは複数の処理ステップ/
ワークフローステップを実行するように動作可能な任意の装置または装置コンポーネント
を包含する。「処理ステップ」という表現は、それによって、遠心分離、アリコーテーシ
ョン、およびサンプル分析などのような、物理的に実行される処理ステップを表している
。実験室の「実験室器具」または「器具」という用語は、事前分析的な器具、事後分析的
な器具、および、また、分析的な器具をカバーしている。
【0032】
[032]本明細書で使用されているような「事前分析的な」という用語は、1つまたは複
数の生物学的なサンプルに対する1つまたは複数の事前分析的な処理ステップの実行に関
係しており、それによって、1つまたは複数の後続の分析的なテストのためにサンプルを
準備する。事前分析的な処理ステップは、たとえば、遠心分離ステップ、キャッピングス
テップ、デキャッピングステップ、または再キャッピングステップ、アリコーテーション
ステップ、および、サンプルにバッファーを追加するステップなどであることが可能であ
る。本明細書で使用されているような「分析的な」という用語は、1つまたは複数の生物
学的なサンプルに対して分析的なテストを実行するように動作可能な1つまたは複数の実
験室デバイスまたは操作ユニットによって実施される任意のプロセスステップを包含する
。本明細書で使用されているような「事後分析的な」という用語は、1つまたは複数の生
物学的なサンプルに対する1つまたは複数の事後分析的な処理ステップの実行に関係して
おり、そのステップは、分析的な結果の検証およびレビューとともに始まり、同様に、実
験室システムのオペレーターへのこれらの結果の通信およびそれらの解釈に関係している
。
【0033】
[033]本明細書で使用されているような「制御ユニット」という用語は、ワークフロー
およびワークフローステップが実験室システムによって実行されるように、1つまたは複
数の実験室器具を含む実験室システムを制御するように構成可能な任意の物理的なまたは
仮想の処理デバイスを包含する。制御ユニットは、たとえば、異なる種類のアプリケーシ
ョンソフトウェアを担持しており、事前分析的な、事後分析的な、および分析的なワーク
フロー/ワークフローステップを実行するように、実験室システム(または、その特定の
器具)に指示することが可能である。制御ユニットは、どのステップが特定のサンプルと
ともに実施されることが必要であるかということに関して、データ管理ユニットから情報
を受け取ることが可能である。さらに、制御ユニットは、データ管理ユニットと一体的に
なっていることが可能であり、サーバーコンピューターによって含まれ得、および/また
は、1つの器具の一部であることが可能であり、もしくは、さらには、実験室システムの
複数の器具にわたって分配されることも可能である。制御ユニットは、たとえば、動作を
実施するためのインストラクションを提供されたコンピューター可読のプログラムを走ら
せるプログラマブル論理制御装置として具現化され得る。
【0034】
[034]本明細書で使用されているような「ユーザーインターフェース」という用語は、
オペレーターとマシンとの間の相互作用のために、アプリケーションソフトウェアおよび
/またはハードウェアの任意の適切なピースを包含しており、それに限定されないが、オ
ペレーターからコマンドを入力として受け取るために、また、オペレーターにフィードバ
ックを提供し、情報を伝達するために、グラフィカルユーザーインターフェースを含む。
また、システム/デバイスは、異なる種類のユーザー/オペレーターのために働くように
、いくつかのユーザーインターフェースを露出させることが可能である。
【0035】
[035]生物医学的研究の文脈において、分析的な処理は、生物学的なサンプルまたは検
体のパラメーターを特徴付けるための技術的な手順である。パラメーターのそのような特
徴付けは、人間または実験室動物などから導出される、たとえば、生物学的なサンプルの
中のさまざまなサイズの特定のタンパク質、代謝産物、イオン、または分子の濃度の決定
を含む。集められた情報は、たとえば、有機体または特定の組織に対する薬物の投与の影
響を評価するために使用され得る。さらなる分析は、サンプルまたはサンプルの中に含ま
れる検体の光学的な、電気化学的なまたは他のパラメーターを決定することが可能である
。
【0036】
[036]本発明の文脈において、誤りのあるサンプルおよび/または誤りのあるサンプル
コンテナは、処理されることとなる条件になっていないものとして決定されることとなり
、すなわち、エラーがサンプル処理ワークフローの間に起こった場合には、および、実験
室システムがワークフローランをその完了まで継続することができなかった場合には(そ
れは、望ましくないワークフローラン中断を結果として生じさせる)、成功的に完了され
ることとなる条件になっていないものとして決定されることとなる。
【0037】
[037]本明細書で使用されているような「ワークフロー」という用語は、たとえば、シ
ステムまたはそのシステムコンポーネントのうちの1つのメンテナンスまたは動作などに
関して、複数のステップを含む任意のタスクを包含する。
【0038】
[038]本明細書で使用されているような「ワークフローステップ」という用語は、ワー
クフローに属する任意の活動を包含する。その活動は、基礎的なまたは複雑な性質のもの
であり得、典型的に、1つもしくは複数の器具において、または、1つもしくは複数の器
具によって実施される。
【0039】
[039]「サンプル」および「生物学的なサンプル」という用語は、関心の検体を潜在的
に含有することができる材料を表している。サンプルは、血液、唾液、眼内レンズ流体、
脳脊髄流体、汗、尿、排便、精液、乳、腹水、粘液、滑液、腹膜液、羊水、組織、または
培養細胞などを含む、生理学的な流体などのような、任意の生物学的な供給源から導出さ
れ得る。患者サンプルは、たとえば、血液から血漿を準備する、粘性流体を希釈する、ま
たは溶解など、使用の前に前処理され得る。処理の方法は、濾過、蒸留、濃縮、干渉成分
の不活性化、および、試薬の追加を伴うことが可能である。サンプルは、供給源から取得
されるものとして直接的に使用され得、または、サンプルの特質を修正するために前処理
に続いて使用され得る。いくつかの実施形態では、初期に固体のまたは半固体の生物学的
な材料が、適切な液体媒体によって溶解または懸濁することによって、液体にされ得る。
いくつかの実施形態では、サンプルは、特定の抗原または核酸を含有することが疑われ得
る。
【0040】
[040]「サンプルチューブ」または「サンプルコンテナ」という用語は、サンプルを輸
送する、貯蔵する、および/または処理するための任意の個々のコンテナを表している。
とりわけ、限定することなく、その用語は、その上側端部の上にキャップを随意的に含む
、実験室ガラス製品またはプラスチック製品のピースを表している。サンプルチューブ、
たとえば、血液を収集するために使用されるサンプルチューブは、サンプルの処理に影響
を与える血栓活性化剤または抗凝固剤物質などのような追加的な物質を含むことが多い。
結果として、異なるチューブタイプは、典型的に、特定の分析(たとえば、臨床化学分析
、血液学的分析、または凝固分析)の事前分析的な、分析的な、および/または事後分析
的な要件に適合されている。サンプルチューブタイプの混合は、(血液)サンプルを分析
のために使用不可能にする可能性がある。サンプルの収集およびハンドリングにおけるエ
ラーを防止するために、多くのチューブ製造業者のサンプルキャップは、固定されたおよ
び均一なカラースキームにしたがってコード化され得る。加えてまたは代替的に、いくつ
かのサンプルチューブタイプは、特定のチューブ寸法、キャップ寸法、および/またはチ
ューブカラーによって特徴付けされている。チューブの寸法は、たとえば、その高さ、そ
のサイズ、および/または、さらなる特徴的な形状特性を含む。
【0041】
[041]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているように、単数形「a」、
「an」、および「the」は、文脈が明確にそうでないことを示していない限り、複数
の参照を含む。同様に、「含む」、「含有する」、および「包含する」という語句は、排
他的というよりもむしろ包含的に解釈されるべきであり、すなわち、「それに限定されな
いが、~を含む」という意味で解釈されるべきである。同様に、「または」という語句は
、文脈が明確にそうでないことを示していない限り、「および」を含むことが意図されて
いる。「複数の(plurality)」、「複数の(multiple)」、または「
多数の(multitude)」という用語は、整数個として、2つ以上(すなわち、2
または>2)を表しており、「単一の(single)」または「単独の(sole)」
という用語は、1つ(すなわち、=1)を表している。そのうえ、「少なくとも1つの」
という用語は、同様に、整数個として、1つまたは複数(すなわち、1または>1)とし
て理解されるべきである。したがって、単数または複数を使用する語句は、それぞれ、複
数および単数も含む。追加的に、「本明細書では(herein)」、「上記(abov
e)」、および「下記(below)」という語句、ならびに、同様の趣旨の語句は、本
出願の中で使用されるときには、全体として本出願を表すべきであり、本出願の任意の特
定の部分を表すべきではない。
【0042】
[042]本開示の特定の実施形態の説明は、包括的であることは意図しておらず、または
、開示されている正確な形態に本開示を限定することは意図していない。本開示の特定の
実施形態(および、本開示に関する例)が例示目的のために本明細書で説明されているが
、さまざまな均等な修正例が、当業者が認識することとなるように、本開示の範囲の中で
可能である。任意の先述の実施形態の特定のエレメントは、他の実施形態の中のエレメン
トと組み合わせられ得、または、それと置換され得る。そのうえ、本開示の特定の実施形
態に関連付けられる利点は、これらの実施形態の文脈において説明されてきたが、他の実
施形態もそのような利点を示すことが可能であり、すべての実施形態が、本開示の範囲内
に入るために、必ずしもそのような利点を示す必要があるわけではない。
【0043】
[043]以下の例は、本発明のさまざまな特定の実施形態を図示することを意図している
。そうであるので、以降で議論されているような特定の修正例は、本発明の範囲に対する
限定として解釈されるべきではない。さまざまな均等物、変形例、および修正例が、本発
明の範囲を逸脱することなく作成され得るということが当業者に明らかになることとなり
、したがって、そのような均等の実施形態が本明細書に含まれるべきであるということが
理解されるべきである。本発明のさらなる態様および利点は、図に図示されている特定の
実施形態の以下の説明から明らかになることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】[044]本発明の実施形態によるいくつかの多目的トレイの概略斜視図であり、多目的トレイは、ベースモジュールと、その中に挿入された異なるトレイインサートから構成されており、それぞれ、直接的な比較のために互いに隣り合わせて配置されている、図である。
【
図2】[045]
図1に示されているような多目的トレイのうちの任意の1つのベースモジュールの概略斜視図である。
【
図3】[046]
図1に示されているようなベースモジュールと、同様に
図1の左側に示されているような、異なる角度から見た、その中に挿入された空のユニバーサルトレイインサートとを備えた多目的トレイの概略斜視図であり、線A-Aに沿った長手方向の断面におけるベースモジュールのハンドルの内側構造の拡大された詳細を含む図である。
【
図4】
図1に示されているようなベースモジュールと、同様に
図1の左側に示されているような、異なる角度から見た、その中に挿入された空のユニバーサルトレイインサートとを備えた多目的トレイの概略斜視図である。
【
図5】[047]2つの多目的トレイの概略斜視図であり、多目的トレイのそれぞれは、
図1に示されているようなベースモジュールと、互いに重なり合ってスタックされた、その中に挿入された空のユニバーサルトレイインサートとを備える、図である。
【
図6】[048]
図3および
図4に示されているような多目的トレイの左側の上面図の拡大された詳細を示す図である。
【
図7】[049]多目的トレイの概略斜視図であり、ユニバーサルトレイインサートがその中に挿入された状態になっており、異なる種類のコンテナが互いに隣り合わせて最適化された様式でその中に混合されて配置された状態になっている、図である。
【
図8】[050]
図7に示されているような多目的トレイの左側の拡大詳細図である。
【
図9】[051]異なる角度から見た、
図7に示されているような多目的トレイの概略斜視図である。
【
図10】[052]
図7から
図9に示されているような多目的トレイの上面図である。
【
図11】[053]多目的トレイの概略斜視図であり、ユニバーサルトレイインサートが、その中に挿入されており、大きい直径を含む1つの同じ種類のコンテナによって完全に充填されており、互いに隣り合わせて最適化された様式でその中に配置された状態になっている、図である。
【
図12】[054]
図11に示されているような多目的トレイの上面図である。
【
図13】[055]多目的トレイの概略斜視図であり、ユニバーサルトレイインサートが、その中に挿入されており、中間サイズの直径を含む1つの同じ種類のコンテナによって完全に充填されており、互いに隣り合わせて最適化された様式でその中に配置された状態になっている、図である。
【
図14】[056]
図13に示されているような多目的トレイの上面図である。
【
図15】[057]多目的トレイの概略斜視図であり、ユニバーサルトレイインサートが、その中に挿入されており、小さい直径を含む1つの同じ種類のコンテナによって完全に充填されており、互いに隣り合わせて最適化された様式でその中に配置された状態になっている、図である。
【
図16】[058]
図15に示されているような多目的トレイの上面図である。
【
図17】[059]
図3および
図4に示されているような多目的トレイの代替的な実施形態の上面図である。
【
図18】[060]多目的トレイの概略斜視図であり、同様に
図1の中間位置に示されているような、尿サンプルコンテナのためのトレイインサートが、その中に挿入された状態になっている、図である。
【
図19】[061]
図18に示されているような2つの多目的トレイの概略斜視図であり、2つの多目的トレイは、互いに重なり合ってスタックされており、その中に提供された1つの単一の尿サンプルコンテナをそれぞれ備えている、図である。
【
図20】[062]多目的トレイの概略斜視図であり、いくつかのトレイインサートがその中に挿入された状態になっており、それぞれのトレイインサートは、同様に
図1の右側に示されているような、消耗し得るピペットチップを受け入れるためのチップラックを構成している、図である。
【
図21】[063]本発明の実施形態によるユニバーサルトレイインサートのためのセンタリングスプリングの拡大された概略斜視図である。
【
図22】[064]本発明の方法の実施形態を図示するフローチャートである。
【
図23】[065]本発明の実施形態による1つまたはいくつかの多目的トレイをロード/アンロードするための、自動処理システムのローディング/アンローディングステーションの概略斜視図である。
【
図24】[066]
図23に示されているようなローディング/アンローディングスロットの配置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
[0130]
図1では、本発明の実施形態による多目的トレイの3つの異なる変形例が、互い
に隣り合わせて配置された概略斜視図として示されている。トレイインサートの選択肢に
よれば、多目的トレイの目的は変化することが可能である。とりわけ、
図1の左側には、
図2に示されているようなベースモジュール100と、その中に挿入された空のユニバー
サルトレイインサート200とを備えた多目的トレイ20が示されており、任意のサンプ
ルチューブが、ユニバーサルトレイインサート200の中に配置されていない状態になっ
ている。さらに、
図1の中間位置には、
図2に示されているようなベースモジュール10
0と、その中に挿入された尿サンプルコンテナのための尿サンプルトレイインサート30
0とを備えた多目的トレイ30が示されており、任意の尿サンプルコンテナが、尿サンプ
ルトレイインサート300の中に配置されていない状態になっている。そのうえ、
図1の
右側には、
図2に示されているようなベースモジュール100と、その中に挿入された4
つのチップラックを備えたチップラックトレイインサート400とを備えた多目的トレイ
40が示されており、任意の消耗し得るピペットチップが、チップラックトレイインサー
ト400の中に配置されていない状態になっている。以下では、多目的トレイ20、30
、40のそれぞれ、および、その特定の構造体が、図面の中のそれぞれの図示に基づいて
、より詳細に説明される。
【0046】
[0131]それぞれの多目的トレイ20、30、40に関する一般的な基礎として、
図2に
示されているようなベースモジュール100が使用され、本発明の特定の実施形態による
ベースモジュール100は、基本的に、1つの一体的に形成されたコンポーネントから構
成されており、それは、ポリプロピレン(PP)またはポリカーボネートブレンド、たと
えば、スチレンアクリロニトリルを伴うポリカーボネート(PC/SAN)またはアクリ
ロニトリル-ブタジエン-スチレンを伴うポリカーボネート(PC/ABS)などから、
射出成形され得る。現在説明されている特定の実施形態のベースモジュール100は、概
観的箱のような構造体であり、閉じた底部101と、4つの薄壁の側壁部の形態の円周方
向に延在するサイドプレート102であって、4つの薄壁の側壁部は、互いに接続され、
底部101と接続されている、サイドプレート102と、開いた上側側部とを備えている
。ベースモジュール100の内側には、突出部110が、サイドプレート102の内側壁
部表面の上に設けられており、その突出部110は、それぞれ、中心孔を備えた円筒状に
形成されたカラムであり、その環状のカラムは、サイドプレート102から横方向に内向
きに突出しており、すなわち、突出部110は、それらのベース端部において、閉じた底
部101と接続されており、それぞれの突出部110は、一体的に形成された接続部によ
ってサイドプレート102と一体的に接続されている。ここで、現在説明されている特定
の実施形態では、8つの突出部110が設けられている。
【0047】
[0132]それぞれの突出部110は、トレイインサート200、300、400のうちの
1つのそれぞれの係合特徴との係合のための係合突出部110を構成しており、それは、
より詳細に後に説明されることとなる。サイドプレート102のそれぞれの側壁部におい
て、開口側部スロット103が設けられており、そのサイドスロット103は、開いた上
側側部から延在しており、すなわち、開いた上側側部は、開口側部スロット103の中に
継続しており、それによって、上部に開口するサイドプレート102の4つのウィンドウ
を構成している。ここで、突出部110は、それぞれの側壁部の範囲にわたってだけ延在
しており、すなわち、突出部110は、上向きに開口側部スロット103の中へは延在し
ていない。設けられたサイドスロット103の結果として、長方形ベースモジュール10
0のそれぞれのコーナーは、角度付きのコーナーポスト104を構成しており、角度付き
のコーナーポスト104は、閉じた底部101から開始し、開いた上側側部に続いており
、この角度付きのコーナーポスト104は、ベースモジュール100に関して、閉じた底
部101と開いた上側側部との間に十分な距離を発生させ、たとえば、
図5および
図19
に図示されているように、その上にスタックされた別のベースモジュール100と相互作
用することなく、トレイインサート200、300、400のうちの少なくとも1つ、お
よび、その中に提供されたそれぞれの内容物を受け入れることができる。したがって、ベ
ースモジュール100は、同じタイプの別のベースモジュール100の上にスタック可能
であり、スタックされたベースモジュール100のそれぞれの中に設けられるトレイイン
サート200、300、400から独立して、スペースを節約する様式でのベースモジュ
ール100のスタック可能性を結果として生じさせる。互いに重なり合った少なくとも2
つのベースモジュール100の間のスタッキング接続を実現するために、それぞれのベー
スモジュール100の底部101の底部側部は、低減された外周部を備えたステップ部分
105を含み、すなわち、ステップ部分105は、幅の狭くなるステップ部分として形成
されており、このステップ部分105は、別のベースモジュール100の開口側部の上側
縁部の内側側部の中へマッチしており、または、より具体的には、そのようなベースモジ
ュール100の薄壁の角度付きのコーナーポスト104の内側側部の中へマッチしている
。したがって、上側ベースモジュール100の底部101の上のステップ部分105は、
たとえば、入れ子にすることが可能な様式で、別のベースモジュール100の開口側部の
上側縁部の中へスタックされ得る(
図5および
図19を参照)。また、
図5および
図19
から推測され得るように、ベースモジュール100の重量低減の他に、それぞれのベース
モジュール100のサイドプレート102の中のサイドスロット103は、外側からのそ
れぞれのトレイインサート200、300、400の内容物の改善された視認性も結果と
して生じさせ、それは、多目的トレイ20、30、40のハンドリング(たとえば、輸送
など)をさらに改善する。
【0048】
[0133]そのうえ、図面のほとんどに示されているように、たとえば、
図1から
図5など
に示されているように、ベースモジュール100は、オペレーターによるベースモジュー
ル100の改善された輸送可能性のために、その外周部の上に、すなわち、サイドプレー
ト102の外側に、2つのハンドル106を含み、ハンドル106は、反対側の側壁部の
中に、したがって、互いに反対側に設けられており、それぞれのハンドル106は、オペ
レーターによるベースモジュール100の把持を簡単化する。ハンドル106は、サイド
プレート102の内側に一体的な様式で設けられており、すなわち、
図2から推測され得
るように、ベースモジュール100の内側の中へ突出するサイドポケットの様式で形成さ
れている。ここで、ハンドル106は、ステップ部分105とは干渉しておらず、したが
って、ベースモジュール100のスタック可能性特徴とは干渉していないということが留
意されるべきである。そのうえ、ハンドル106の開口側部、すなわち、ハンドル106
によって形成されたポケットの開口側部が側部に開いているので、オペレーターは、ベー
スモジュール100が別のベースモジュール100の上にスタックされているときでも、
それぞれのハンドル106の中へ把持することができる(
図5および
図19も参照)。
【0049】
[0134]そのうえ、現在説明されている特定の実施形態のベースモジュール100は、線
A-Aに沿った部分的な断面図において
図3の拡大詳細図から推測され得るように、さら
なるインターフェースとして、その外周部の上に係合窪み1061を含むことが可能であ
る。ここで、係合窪み1061は、上記に説明されているように、ハンドル105自身の
うちの1つによって区別が付かなくされるべきではなく、自動輸送プロセスの過程におい
てトレイキャリアによるベースモジュール100の改善された輸送可能性のために、とり
わけ、自動処理システムのトレイキャリア(または、トレイシャトルなどのようなトレイ
キャリア器具)のためのそれぞれのハンドル105の内側構造体の内側に設けられている
。より詳細には、1つまたは複数の係合窪み1061は、それぞれのハンドル105の中
に設けられており、それぞれの係合窪み1061は、それぞれのハンドル105のハンド
ルポケットの内側に設けられたノッチの形状で形成されている。
【0050】
[0135]
図2に示されているようなベースモジュール100のさらなる特徴として、ベー
スモジュール100は、多目的トレイ20、30、40の内容物、すなわち、多目的トレ
イ20、30、40のベースモジュール100の中に受け入れられるようなトレイインサ
ート200、300、400の内容物のローディング状況のインディケーションのための
回転可能なカラーインジケーター107を含む。ここで、カラーインジケーター107は
、ベースモジュール100のコーナーポスト104のうちの1つの中に設けられたそれぞ
れのスタッドホールの中に配置されている手動で動作可能な回転式インジケーターピンま
たはポールの形態で設けられており、スタッドホールは、ベースモジュール100の外側
へのビューイングウィンドウ1041を含み、ビューイングウィンドウ1041の中に、
それぞれのカラーが示され得、カラーインジケーター107の回転によって変化させられ
得る。それぞれのコーナーポスト104の中の孔部の中に埋め込まれている説明されたピ
ンの形態のカラーインジケーター107は、ローターリーノブ1071の形態の作動部分
を含む(
図3も参照)。インジケーターポスト107のためのスタッドホールを含むそれ
ぞれのコーナーポスト104は、その上端部に上部窪み1042を示し、その中に、ロー
ターリーノブ1071が回転可能な様式で配置されており、ベースモジュール100のス
タック可能性特性を維持するために、ローターリーノブ1071が、コーナーポスト10
4の上側縁部の上方に延在しないようになっている(
図5を参照)。カラーインジケータ
ー107、そのスタッドホール、および、その上端部における上部窪み1042に起因し
て、ベースモジュール100のローディング方向は、明確に決定され得る。その理由は、
その幾何学形状を参照すると、ベースモジュール100を含むトレイが、また、そのZ枢
動軸の周りに180°のターンによって、すなわち、その後端部の上にカラーインジケー
ター107を備えた状態で、自動処理システムのローディングスロットの中へロードされ
得るからである。その理由は、カラーインジケーター107の形態の構造的なマーク、そ
のスタッドホール、および、その上端部における上部窪み1042が、自動処理システム
の光学センサーによって検出可能であり、トレイがローディングスロットのうちの1つの
中へ誤って提供されたとしても、それが検出することを可能にする。ここで、以下の状態
が、検出され得る:「トレイは利用可能でない」、「トレイは利用可能である」、および
「トレイは利用可能である(180°のターンで逆転されたローディング)」。
【0051】
[0136]1つの特定のカラー例として、カラーインジケーター107は、4つの異なるカ
ラーを提供することが可能であり、それは、多目的トレイ20、30が、新しい(すなわ
ち、未処理の)内容物、既に処理された内容物、アーカイブに関して指定された内容物、
または、誤った内容物を有するということを示すことが可能であり、ここにおいて、未処
理の内容物は、緑色によってカラーコードされ得、既に処理された内容物、または、代替
的に誤った内容物は、赤色によってカラーコードされ得る。また、多目的トレイ40が、
ローディング状況インディケーションの必要のない内容物を担持しているケースでは、た
とえば、トレイインサート400が、消耗し得るチップなど、すなわち、任意の状況を伴
わない内容物を担持しているケースでは、いわゆるブラインドプラグが、カラーインジケ
ーター107の代わりに、コーナーポスト104のスタッドホールの中へフィットさせら
れ得、すなわち、任意の異なるカラーがその上に提供されていないプラグ、たとえば、灰
色のプラグなどがフィットさせられ得る。したがって、カラーインジケーターは、望まれ
る場合には、改善されたユーザーの便宜のために交換され得る。上記に説明されているよ
うなカラーインジケーター107は、異なる種類のサンプルチューブを保持することがで
きるユニバーサルトレイインサート200を使用するときに、または、尿サンプルコンテ
ナトレイ300を使用するときに、とりわけ有用である。他方では、ブラインドプラグは
、前述のように、消耗し得るチップを担持するトレイインサート400を使用するときに
、合理的である可能性がある。ここで、そのようなブラインドプラグは、カラーインジケ
ーター107と同じ構造的な設計を有することが可能であるが、しかし、その外周部の上
に任意のカラーマーキングを有していない。
【0052】
[0137]本発明ベースモジュール100の現在議論されている特定の実施形態のさらなる
態様によれば、ベースモジュール100は、サイドプレート102の外周部の上に2つの
書き込み可能な表面108を含むことが可能であり、オペレーターがベースモジュール1
00に人間が読み取り可能なマーキングを提供するようになっており、望まれる場合には
、人間のオペレーターによるベースモジュール100の表面の上のそのようなマーキング
の迅速なマーキングおよび消去を可能にし、それぞれの書き込み可能な表面108は、ホ
ワイトボード材料によって、すなわち、拭き取り可能な材料によって実装され得る。その
うえ、ベースモジュール100は、その外周部の上に1つまたはいくつかの識別コード1
09を有することが可能であり、それは、接着剤ラベルなどであることが可能であり、バ
ーコードによって実装される人間が読み取り可能な機械書き込みまたは機械可読の識別コ
ード109を担持しており、その両方は、
図2に図示されているように、ベースモジュー
ル100のサイドプレート102の上に設けられている。
【0053】
[0138]
図3では、多目的トレイ20が示されており、それは、
図1の左側の説明図と同
様に、上記に説明されているベースモジュール100を含み、空のユニバーサルトレイイ
ンサート200がその中に挿入された状態になっており、任意のサンプルチューブが、ユ
ニバーサルトレイインサート200の中に配置されていない状態になっている。ここで、
ユニバーサルトレイインサート200は、ベースモジュール100の中へ挿入される1つ
の単一のピースで提供され得るが、ユニバーサルトレイインサート200は、より容易な
挿入のために、2つ以上のピースの形態で提供され得るということが留意されるべきであ
る。そのうえ、多目的トレイ20のこの特定の実施形態では、しかし、1つだけの書き込
み可能な表面108、しかし、人間が読み取り可能な機械書き込みを担持する2つの識別
コード109、および、1つの機械可読識別コード109が、サイドプレート102の外
周部の上に設けられている。ベースモジュール100の残りの特徴は、上記に説明されて
いるベースモジュール100と同一であり、すなわち、ベースモジュール100の基本構
造は維持されており、外部特徴の適用、すなわち、ベースモジュール100の外側の書き
込み可能な表面108または識別コード109の適用は、わずかに変化する。
【0054】
[0139]
図3および
図4から推測され得るように、ユニバーサルトレイインサート200
は、その外側縁部の上に8つの円形係合凹部210を含み、その係合凹部210は、ベー
スモジュール100の突出部110との解放可能なプッシュイン接続の形態のフォームフ
ィット接続を確立しており、すなわち、ベースモジュール100の突出部110は、実矧
ぎ型接続の舌部を提供しており、トレイインサート200の係合凹部210は、溝部カウ
ンターパーツを提供している。また、ユニバーサルトレイインサート200全体の円周方
向の縁部は、ベースモジュール100のサイドプレート102の内周部にマッチしており
、それは、ベースモジュール100とユニバーサルトレイインサート200との間の解放
可能なプッシュイン接続をサポートする。そのうえ、とりわけ
図4から推測され得るよう
に(
図4は、異なるビューイング角度から
図3の多目的トレイ20を示している)、基準
マーカー220が、ユニバーサルトレイインサート200の上側表面の縁部に設けられて
おり、その基準マーカー220は、ユニバーサルトレイインサート200の中のチューブ
受け入れ凹部のそれぞれの明確な割り当てのために使用されており、ユニバーサルトレイ
インサート200の中のそれぞれのチューブ受け入れ凹部を識別するために、英文字およ
び/または数字から構成されているグリッドの形態で設けられ得る。ここで、
図4に示さ
れている実施形態では、チューブ受け入れ凹部の行を指定する基準マーカー220が、大
文字で示されている。しかし、代替例として、基準マーカー220は、また、たとえば、
プリンティングによって、または、追加的な接着剤ラベルによって、ベースモジュール1
00のサイドプレート102の外周部の上に設けられ得る。
【0055】
[0140]現在説明されている特定の実施形態のユニバーサルトレイインサート200の中
のチューブ受け入れ凹部の構造体に関して、
図1および
図3から
図5に示されているよう
に、ユニバーサルトレイインサート200の中のチューブ受け入れ凹部アレイとして設け
られるいくつかの異なる種類のチューブ受け入れ凹部が存在しており、それは、
図6に示
されているような多目的トレイ20の左側の上面図の詳細から明確に導出され得る。ここ
で、チューブ受け入れ凹部のアレイは、PreservCytチューブなどのような大き
い外径を有するサンプルチューブを受け入れるために、大きい直径を有する第1のグルー
プのチューブ受け入れ凹部201と、SurePathチューブなどのような中間サイズ
の外径を有するサンプルチューブを受け入れるために、中間サイズの直径(すなわち、チ
ューブ受け入れ凹部201と比較してより小さい直径)を有する第2のグループのチュー
ブ受け入れ凹部202と、PCRチューブなどのような小さい外径を有するサンプルチュ
ーブを受け入れるために、小さい直径(すなわち、他のチューブ受け入れ凹部201、2
02と比較してさらにより小さい直径)を有する第3のグループのチューブ受け入れ凹部
203とを含む。明確にするために、
図6に示されているようなユニバーサルトレイイン
サート200の拡大された詳細では、第1のグループの6つの完全な(すなわち、刈り取
られていない)チューブ受け入れ凹部201と、第2のグループの10個の完全なチュー
ブ受け入れ凹部202と、第3のグループの24個の完全なチューブ受け入れ凹部203
とが示されている。そのうえ、単に例示目的の理由のためだけに、大きい外径を有する1
つの例示的なサンプルチューブ501が、中間位置の左列にある第1のグループのチュー
ブ受け入れ凹部201のうちの1つの中に示され、円形の破線によって示され、基準マー
カー220の大文字「C」および「D」の隣に配置されており、中間サイズの直径を有す
る1つの例示的なサンプルチューブ502が、最上部位置の左列から2番目にある第2の
グループのチューブ受け入れ凹部202のうちの1つの中に示され、円形の破線によって
示されており、小さい直径を有する1つの例示的なサンプルチューブ503が、左列の中
に、説明図の下側から数えて2番目の位置にある第3のグループのチューブ受け入れ凹部
203のうちの1つの中に示され、円形の破線によって示され、基準マーカー220の大
文字「E」の隣に配置されている。ここで、例示的なサンプルチューブ501、502、
503の直径と交差するチューブ受け入れ凹部201、202、203との間の相関関係
を示すために、その交差する部分も、知覚性の改善のために、破線の円形様式で示されて
いる。ここで、随意的な特徴として、それぞれのチューブ受け入れ凹部201、202、
203の内径は、ある程度のラッシュ(lash)/公差を提供することが可能であり、
1つまたはいくつかのラベルをその外周部に設けられたそれぞれのサンプルチューブ50
1、502、503が、依然としてそれぞれのチューブ受け入れ凹部201、202、2
03の中へフィットすることができるようになっている。
【0056】
[0141]上記に説明されているように、第1のグループのチューブ受け入れ凹部201の
サイズ、第2のグループのチューブ受け入れ凹部202のサイズ、および、第3のグルー
プのチューブ受け入れ凹部203のサイズは、互いに異なっており、すなわち、それらの
グループの間の凹部サイズは、互いに異なっている。そのうえ、第1のグループのそれぞ
れのチューブ受け入れ凹部201の内周部の輪郭は(それは、大直径サンプルチューブ5
01の円形の破線と基本的に一致している)、第2のグループの少なくとも1つの隣接す
るチューブ受け入れ凹部202の内周部の輪郭(それは、中間直径サンプルチューブ50
2の円形の破線と基本的に一致している)と交差している。ここで、チューブ受け入れ凹
部内周部の輪郭として、チューブ受け入れ凹部内周部の外形が理解されるべきであり、チ
ューブ受け入れ凹部内周部の輪郭または外形は、また、
図6と同様に、上方から見たとき
に、それぞれのチューブ受け入れ凹部の実質的な断面として識別され得る。しかし、
図6
からも推測され得るように、第1のグループおよび第2のグループの両方のチューブ受け
入れ凹部201、202の内周部は、連続的になっていない。その理由は、両方のグルー
プのチューブ受け入れ凹部201、202が互いに交差しており、したがって、第1のグ
ループのチューブ受け入れ凹部201のチューブ受け入れ凹部内周部の輪郭と、第2のグ
ループのチューブ受け入れ凹部202の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部
202の内周部の輪郭との交差を示すからである。また、第1のグループのチューブ受け
入れ凹部201の輪郭と第2のグループのチューブ受け入れ凹部202の輪郭との交差は
、輪郭の非接線方向のクロスオーバーを構成しており、それは、第1のグループのそれぞ
れのチューブ受け入れ凹部201の内周部の輪郭が、第2のグループの少なくとも1つの
隣接するチューブ受け入れ凹部202の内周部の輪郭と非接線方向の様式でクロスすると
いうことを意味している。チューブ受け入れ凹部201、202のそのような配置は、具
体的には、ユニバーサルトレイインサート200の中へ挿入され得る受け入れ可能なチュ
ーブ数の増加を実現するために、2つの異なる直径を有するチューブをユニバーサルトレ
イインサート200の中へフィットさせる最適化された方式を実現することを支援する。
【0057】
[0142]そのうえ、第1のグループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部201の中心軸線
2011は、第2のグループの隣接するチューブ受け入れ凹部202の中心軸線2021
に関して偏心した様式で配置されており、それは、チューブ受け入れ凹部201、202
の両方のグループの中心軸線2011、2021が互いに一致していないということを意
味しており、それは、異なる直径を有するチューブをユニバーサルトレイインサート20
0の中へフィットさせるすでに説明されている最適化された方式を追加的に実現すること
を支援するということが留意されるべきである。ここで、それぞれの軸線2011、20
21の間の距離は、ロードされるべきそれぞれのサンプルチューブ501、502にした
がって、ユニバーサルトレイインサート200の中へのサンプルチューブ501、502
の「間違った」ローディングが可能でないように、または、少なくとも、ローディングの
間にオペレーターによって容易に検出され得るように設定されている。そのうえ、第1の
グループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部201の深さは、その中に挿入されることと
なるそれぞれのサンプルチューブ501、502の長さに応じて、第2のグループのそれ
ぞれのチューブ受け入れ凹部202の深さとは異なっていることが可能である。それによ
って、異なる長さを有するサンプルチューブ501、502が、また、ユニバーサルトレ
イインサート200によって受け入れられ得、ここにおいて、異なるグループのチューブ
受け入れ凹部201、202の深さは、より長い長さを有するサンプルチューブの上部が
、より短い長さを有する他のグループのチューブと比較して突出していないかまたはわず
かに突出するように選ばれ得る。
【0058】
[0143]すでに上記に説明されているように、多目的トレイ20のユニバーサルトレイイ
ンサート200のチューブ受け入れ凹部アレイは、すでに説明されている第1および第2
のグループのチューブ受け入れ凹部201、202に追加的に、第3のグループのチュー
ブ受け入れ凹部203を含み、ここにおいて、第3のグループのチューブ受け入れ凹部2
03のうちの少なくとも1つの内周部の輪郭は(それは、小直径サンプルチューブ503
の円形の破線と基本的に一致している)、第1および/または第2のグループの少なくと
も1つの隣接するチューブ受け入れ凹部201、202の内周部の輪郭と交差している。
ここで、繰り返しになるが、チューブ受け入れ凹部203の内周部の輪郭として、チュー
ブ受け入れ凹部203の内周部の外形が理解されるべきであり、チューブ受け入れ凹部2
03の内周部の輪郭または外形は、また、上方から見たときに、チューブ受け入れ凹部2
03の実質的な断面として識別され得る。また、第3のグループのそれぞれのチューブ受
け入れ凹部203の中心軸線2031は、第1のグループの隣接するチューブ受け入れ凹
部201の中心軸線2011に関して、および、第2のグループの隣接するチューブ受け
入れ凹部202の中心軸線2021に関して偏心した様式で配置されており、それは、す
べてのグループのチューブ受け入れ凹部201、202、203の中心軸線2011、2
021、2031が互いに一致していないということを意味している。しかし、チューブ
受け入れ凹部203の輪郭に関して、チューブ受け入れ凹部201、202の輪郭とは異
なり、チューブ受け入れ凹部203のそれぞれの輪郭は、4つの軸線方向のスロット20
32を含み、4つの軸線方向のスロット2032は、常に2つのスロット2032が互い
の反対側に配置されている様式で設けられており、すなわち、軸線方向のスロット203
2の概してX字形状を結果として生じさせるということが留意されなければならない。軸
線方向のスロット2032は、製造理由のために設けられている。
【0059】
[0144]第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201、202に関して上記
のそれぞれの観察に加えて、現在説明されている特定の実施形態のすべての3つのグルー
プのチューブ受け入れ凹部201、202、203の内周部は、連続的になっておらず、
すべてのグループのチューブ受け入れ凹部201、202、203は、上方から見たとき
に、互いに交差していることが可能であり、したがって、第1のグループのそれぞれのチ
ューブ受け入れ凹部201の内周部の輪郭と、第2のグループの少なくとも1つの隣接す
るチューブ受け入れ凹部202の内周部の輪郭との、また、第3のグループの少なくとも
1つの隣接するチューブ受け入れ凹部203の内周部の輪郭との交差を示す。これは、異
なる直径を有するチューブをユニバーサルトレイインサート200の中へフィットさせる
すでに説明されている最適化された方式を実現することを追加的に支援する。さらに、そ
れぞれの軸線2011、2021、2031の間の距離は、ロードされるべきそれぞれの
サンプルチューブ501、502、503にしたがって、ユニバーサルトレイインサート
200の中へのサンプルチューブ501、502、503の「間違った」ローディングが
可能でないように、または、少なくとも、ローディングの間にオペレーターによって容易
に検出され得るように設定されている。異なるサイズを有するチューブ受け入れ凹部20
1、202、203のそのような特定の構造体によって、ユニバーサルトレイインサート
200の設計は、それが3つの異なるコンテナ形状またはサイズのサンプルチューブ20
1、202、203を受け入れることができるという点において、さらに改善され得、繰
り返しになるが、より大きいコンテナよりも、より小さいコンテナをより近くに融合する
ことが可能になる。したがって、3つの異なる直径を有する3つの異なるタイプのサンプ
ルチューブ501、502、503が、ユニバーサルトレイインサートの中にフィットす
ることが可能であり、したがって、ユニバーサルトレイインサート200の中へ挿入され
得る受け入れ可能なチューブ数の増加を実現するために、常に最適化された方式で、それ
ぞれの多目的トレイの中にフィットすることが可能である。たとえば、3つの異なるサン
プルチューブタイプのうちの1つだけが、現在説明されている設計のユニバーサルトレイ
インサート200の中へロードされるケースでは、PreservCytチューブなどの
ような大きい直径を有する21ピースのサンプルチューブ501、SurePathチュ
ーブなどのような中間サイズの直径を有する32ピースのサンプルチューブ502、また
は、PCRチューブなどのような小さい直径を有する78ピースのサンプルチューブ50
3をロードすることが可能になる。したがって、現在説明されている特定の実施形態のユ
ニバーサルトレイインサート200は、ロードされたサンプルチューブ501、502、
503の組成に応じて、同じタイプのまたは異なるタイプの21個から78個の間のサン
プルチューブを混合された様式で受け入れることが可能である。
【0060】
[0145]第3のグループのチューブ受け入れ凹部203の深さに関して、同じものが、第
1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201、202のうちの1つまたはいく
つかの底部の中に部分的に提供され、それは、第3のグループのチューブ受け入れ凹部2
03の深さが、第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201、202の深さ
よりも深いということを意味しているということが留意されなければならない。これは、
図3および
図4からも推測され得る。すべてのグループのチューブ受け入れ凹部201、
202、203の異なる深さ、異なるサイズ、および偏心した配置に基づいて、ユニバー
サルトレイインサート200は、ブラケット204を含み、ブラケット204は、ユニバ
ーサルトレイインサート200の底部から突出しており、チューブ受け入れ凹部201、
202、203を取り囲み、このブラケット204は、完全に形状決めされているときに
、すなわち、ユニバーサルトレイインサート200の縁部に設けられるのではなく、むし
ろ、中間に設けられるときに、大文字「H」の形態の実質的な形状を示す。
【0061】
[0146]ユニバーサルトレイインサート200の上記に説明されている構造体によって、
異なる直径を有する異なるタイプのサンプルチューブ501、502、503が、ユニバ
ーサルトレイインサート200の中にフィットすることが可能であり、したがって、ユニ
バーサルトレイインサート200の中へ挿入され得る受け入れ可能なチューブ数の増加を
実現するために、常に最適化された方式で、それぞれの多目的トレイ20の中にフィット
することが可能である(
図7から
図10も参照)。ここで、
図7から
図10に示されてい
るような例として、PreservCytチューブなどのような6つの大直径サンプルチ
ューブ501、SurePathチューブなどのような12個の中間直径サンプルチュー
ブ502、および、PCRチューブなどのような36個の小直径サンプルチューブ503
が、混合された様式で、多目的トレイ20のユニバーサルトレイインサート200の中へ
ロードされている。
【0062】
[0147]しかし、ユニバーサルトレイインサート200は、また、1つの単一のタイプの
サンプルコンテナのみによって充填され得る。ここで、多目的トレイ20の現在説明され
ている実施形態のユニバーサルトレイインサート200の上記に説明されている構造体に
よって、および、
図11および
図12に示されているように、大きい直径を有するサンプ
ルチューブ502だけが、最適化された方式でユニバーサルトレイインサート200の中
へロードされるケースでは、最大で21個の大直径サンプルチューブ501(たとえば、
PreservCytチューブなど)が、ユニバーサルトレイ200の中にフィットする
ことが可能である。そのうえ、
図13および
図14に示されているように、中間サイズの
直径を有するサンプルチューブ502だけが、最適化された方式でユニバーサルトレイイ
ンサート200の中へロードされるケースでは、最大で32個の中間サイズの直径サンプ
ルチューブ502(たとえば、SurePathチューブなど)が、ユニバーサルトレイ
200の中にフィットすることが可能である。最後に、
図15および
図16に示されてい
るように、小さい直径を有するサンプルチューブ503だけが、最適化された方式でユニ
バーサルトレイインサート200の中へロードされるケースでは、最大で78個の小直径
サンプルチューブ502(たとえば、PCRチューブなど)が、ユニバーサルトレイ20
0の中にフィットすることが可能である。そのうえ、たとえば、
図16からも推測され得
るように、ユニバーサルトレイインサート200は、カラーインジケーター溝部230を
含み、カラーインジケーター溝部230は、カラーインジケーター107を含むベースモ
ジュール100のコーナーポスト104のうちの1つの中のスタッドホールに必要とされ
るスペースを省くために設けられている。ここで、ユニバーサルトレイインサート200
の反対側のコーナーには、別のカラーインジケーター溝部230が設けられており、それ
は、どのようにユニバーサルトレイインサート200がベースモジュール100の内側側
部の中へ実際に挿入されるかということを無関係にする。その理由は、それが180°方
向を変えた様式でも挿入され得るからである。
【0063】
[0148]
図17では、代替的な多目的トレイ20’が、
図6の部分的に示されている多目
的トレイ20の図示と同様に、上面図で完全に示されており、上記に説明されているベー
スモジュール100を含み、代替的な空のユニバーサルトレイインサート200’がその
中に挿入された状態になっており、任意のサンプルチューブが代替的なユニバーサルトレ
イインサート200’の中に配置されていない状態になっている。ここで、ユニバーサル
トレイインサート200’は、ベースモジュール100の中へ挿入される1つの単一のピ
ースで提供され得るが、ユニバーサルトレイインサート200’は、より容易な挿入のた
めに、2つ以上のピースの形態でも提供され得、そのピースは、互いに取り付けられ得る
ということが留意されるべきである。
図17のベースモジュール100の残りの特徴は、
上記に説明されているベースモジュール100と同一であり、すなわち、ベースモジュー
ル100の基本構造は維持されており、外部特徴の適用、すなわち、ベースモジュール1
0の外側の書き込み可能な表面108または識別コード109の適用は、変化することが
可能である。たとえば、ベースモジュール100の中に、磁石が設けられ得、たとえば、
ベースモジュール100の底部101の中に埋め込まれ得、たとえば、トレイキャリア器
具、たとえば、トレイシャトルなどの、トレイ20’をハンドリングする自動処理システ
ムは、ホールセンサーを含むことが可能であり、ホールセンサーは、磁石がセンサーに接
近するとすぐに、すなわち、トレイ20’がロードされるとすぐに、その状態を変化させ
る。それによって、自動処理システムは、ロードされたトレイ20’の存在を認めること
が可能である。
【0064】
[0149]
図17からさらに推測され得るように、代替的なユニバーサルトレイインサート
200’は、また、円形係合凹部を含み、円形係合凹部は、ベースモジュール100の突
出部110との解放可能なプッシュイン接続の形態の接続を確立する。また、以前に説明
された多目的トレイ20と同様に、
図17の代替的な多目的トレイ20’は、基準マーカ
ー220’を含み、基準マーカー220’は、ユニバーサルトレイインサート200’の
上側表面の縁部に設けられており、その基準マーカー220’は、ユニバーサルトレイイ
ンサート200’の中のチューブ受け入れ凹部のそれぞれの明確な割り当てのために使用
されており、ユニバーサルトレイインサート200’の中のそれぞれのチューブ受け入れ
凹部を識別するために、英文字および/または数字から構成されているグリッドの形態で
設けられ得る。ここで、
図17に示されている代替的な実施形態では、チューブ受け入れ
凹部の行を指定する基準マーカー220’が、大文字AからIで示されている。
【0065】
[0150]現在説明されている代替的な実施形態の代替的なユニバーサルトレイインサート
200’の中のチューブ受け入れ凹部の構造体に関して、代替的なユニバーサルトレイイ
ンサート200’の中のチューブ受け入れ凹部アレイとして設けられるいくつかの異なる
種類のチューブ受け入れ凹部が存在しており、代替的なユニバーサルトレイインサート2
00’の中のチューブ受け入れ凹部アレイは、ユニバーサルトレイインサート200の中
のチューブ受け入れ凹部アレイとは異なっている。とりわけ、チューブ受け入れ凹部のア
レイは、PreservCytチューブなどのような大きい外径を有するサンプルチュー
ブを受け入れるために、大きい直径を有する第1のグループのチューブ受け入れ凹部20
1’と、SurePathチューブなどのような中間サイズの外径を有するサンプルチュ
ーブを受け入れるために、中間サイズの直径(すなわち、チューブ受け入れ凹部201’
と比較してより小さい直径)を有する第2のグループのチューブ受け入れ凹部202’と
、PCRチューブなどのような小さい外径を有するサンプルチューブを受け入れるために
、小さい直径(すなわち、他のチューブ受け入れ凹部201’、202’と比較してさら
により小さい直径)を有する第3のグループのチューブ受け入れ凹部203’とを含む。
上記に説明されているように、第1のグループのチューブ受け入れ凹部201’のサイズ
、第2のグループのチューブ受け入れ凹部202’のサイズ、および、第3のグループの
チューブ受け入れ凹部203’のサイズは、互いに異なっており、すなわち、それらのグ
ループの間の凹部サイズは、互いに異なっている。そのうえ、第1のグループのそれぞれ
のチューブ受け入れ凹部201’の内周部の輪郭は、第2のグループの少なくとも1つの
隣接するチューブ受け入れ凹部202’の内周部の輪郭と交差している。ここで、チュー
ブ受け入れ凹部内周部の輪郭として、チューブ受け入れ凹部内周部の外形が理解されるべ
きであり、チューブ受け入れ凹部内周部の輪郭または外形は、また、上方から見たときに
、それぞれのチューブ受け入れ凹部の実質的な断面として識別され得る。しかし、
図17
からも推測され得るように、第1のグループおよび第2のグループの両方のチューブ受け
入れ凹部201’、202’の内周部は、連続的になっていない。その理由は、両方のグ
ループのチューブ受け入れ凹部201’、202’が互いに交差しており、したがって、
第1のグループのチューブ受け入れ凹部201’のチューブ受け入れ凹部内周部の輪郭と
、第2のグループのチューブ受け入れ凹部202’の少なくとも1つの隣接するチューブ
受け入れ凹部202’の内周部の輪郭との交差を示すからである。また、第1のグループ
のチューブ受け入れ凹部201’の輪郭と第2のグループのチューブ受け入れ凹部202
’の輪郭との交差は、輪郭の非接線方向のクロスオーバーを構成しており、それは、第1
のグループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部201’の内周部の輪郭が、第2のグルー
プの少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部202’の内周部の輪郭と非接線方
向の様式でクロスするということを意味している。チューブ受け入れ凹部201’、20
2’のそのような配置は、具体的には、ユニバーサルトレイインサート200’の中へ挿
入され得る受け入れ可能なチューブ数の増加を実現するために、2つの異なる直径を有す
るチューブを代替的なユニバーサルトレイインサート200’の中へフィットさせるさら
なる最適化された方式を実現することを支援する。ここで、ユニバーサルトレイインサー
ト200’の代替的な実施形態を考慮して、さらなる利点を実現するために、凹部201
’、202’、および203’の異なる分配が選ばれたということが指摘され、すなわち
、より多くのスペースが、サンプルチューブグリッパーなどのフィンガーのために設けら
れており、それがチューブをより良好にグリップすることができるようになっており、チ
ューブは、さらに下でグリップされること、すなわち、それぞれのサンプルチューブの外
側の下側位置でグリップされることを必要とするということが指摘される。
【0066】
[0151]すでに上記に説明されているように、代替的な多目的トレイ20’の代替的なユ
ニバーサルトレイインサート200’のチューブ受け入れ凹部アレイは、すでに説明され
ている第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201’、202’に加えて、
第3のグループのチューブ受け入れ凹部203’を追加的に含み、ここにおいて、第3の
グループのチューブ受け入れ凹部203’のうちの少なくとも1つの内周部の輪郭は、第
1および/または第2のグループの少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部20
1’、202’の内周部の輪郭と交差することが可能である。ここで、繰り返しになるが
、チューブ受け入れ凹部203’の内周部の輪郭として、チューブ受け入れ凹部203’
の内周部の外形が理解されるべきであり、チューブ受け入れ凹部203’の内周部の輪郭
または外形は、また、上方から見たときに、チューブ受け入れ凹部203’の実質的な断
面として識別され得る。
図17から推測され得るように、チューブ受け入れ凹部203’
のそれぞれの中に、チューブスプリング205’が設けられ、12mmまたは14mmの
断面を有するチューブなどのような、さらにより小さい断面を有するチューブをしっかり
と保持することができるようになっており、本実施形態では、それぞれのチューブ受け入
れ凹部203’は、例示的な数の3つのチューブスプリング205’を示しており、凹部
203’の中の中心の様式で、さらにより小さい断面を有するチューブをしっかりと保持
することができるようになっている。当然のことながら、チューブスプリング205’の
数は、さらにより小さい断面を有するチューブが中心の様式で保持され得る限りにおいて
、異なっていることも可能である。ここで、チューブスプリング205’は、チューブ受
け入れ凹部203’の内周部の中へ少なくとも部分的に挿入され、単にチューブスプリン
グ205’のチューブ接触部がそこから突出するようになっている。また、第3のグルー
プのそれぞれのチューブ受け入れ凹部203’の中心軸線は、繰り返しになるが、以前に
説明されたユニバーサルトレイインサート200と同様に、第1のグループの隣接するチ
ューブ受け入れ凹部201’の中心軸線に関して、および、第2のグループの隣接するチ
ューブ受け入れ凹部202’の中心軸線に関して、偏心した様式で配置されており、それ
は、すべてのグループのチューブ受け入れ凹部201’、202’、203’の中心軸線
が互いに一致していないということを意味している。したがって、3つの異なる直径を有
する3つの異なるタイプのサンプルチューブ501、502、503が、また、代替的な
ユニバーサルトレイインサート200’の中にフィットすることが可能であり、したがっ
て、代替的なユニバーサルトレイインサート200’の中へ挿入され得る受け入れ可能で
把持可能なチューブ数の増加を実現するために、常に具体的に最適化された方式で、とり
わけ、それぞれのチューブの改善されたグリッピングのために最適化された方式で、それ
ぞれの代替的な多目的トレイ20’の中にフィットすることが可能である。たとえば、3
つの異なるサンプルチューブタイプのうちの1つだけが、
図17に示されているような現
在説明されている設計の代替的なユニバーサルトレイインサート200’の中へロードさ
れるケースでは、PreservCytチューブなどのような大きい直径を有する20ピ
ースのサンプルチューブ501、SurePathチューブなどのような中間サイズの直
径を有する20ピースのサンプルチューブ502、または、PCRチューブなどのような
小さい直径を有する62ピースのサンプルチューブ503をロードすることが可能になる
。したがって、現在説明されている代替的な実施形態の代替的なユニバーサルトレイイン
サート200’は、ロードされたサンプルチューブ501、502、503の組成に応じ
て、同じタイプのまたは異なるタイプの20個から62個の間のサンプルチューブを混合
された様式で受け入れることが可能である。
【0067】
[0152]第3のグループのチューブ受け入れ凹部203’の深さに関して、同じものが、
第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201’、202’のうちの1つまた
はいくつかの底部の中に部分的に提供され、それは、第3のグループのチューブ受け入れ
凹部203’の深さが、前に説明されたようなユニバーサルトレイインサート200の実
施形態と同様に、第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201’、202’
の深さよりも深いということを意味しているということが留意されなければならない。し
かし、前に説明されたようなユニバーサルトレイインサート200の実施形態とは対照的
に、現在説明されている代替的な実施形態の代替的なユニバーサルトレイインサート20
0’は、ユニバーサルトレイインサート200’のすでに述べられた上側表面を含み、そ
れは、基準マーカー220’を示しており、そこでは、異なるチューブ受け入れ凹部20
1’、202’、203’が、ベースモジュール100の底部101に向けて、ユニバー
サルトレイインサート200’の上側表面の中へ設けられている。それによって、チュー
ブ受け入れ凹部201’、202’、203’の異なる深さ、異なるサイズ、および、偏
心した配置が確立され、ユニバーサルトレイインサート200’のチューブ受け入れ凹部
201’、202’、203’の配置は、ユニバーサルトレイインサート200のブラケ
ット204の代わりに、上側表面の外周部、および、分割バーまたは分割ブリッジ204
’の形態の2つの接続エレメントを結果として生じさせる。したがって、突出するブラケ
ット204を備えた特定の表面構造は、ユニバーサルトレイインサート200’の中で省
略され、当然のことながら、凹部201’、202’、203’を除いて、ユニバーサル
トレイインサート200’の滑らかで実質的に連続的な上側表面を結果として生じさせ、
本ケースでは、スペースの改善された利用のために、追加的な独立したチューブ凹部20
3’が、ユニバーサルトレイインサート200’の上側表面の中へ設けられており、説明
図の左側の2つの追加的な独立したチューブ凹部203’の形態で、
図17に例示的に示
されている。
【0068】
[0153]
図18では、代替的な特定の実施形態として、
図1の中間位置に示されているよ
うな多目的トレイ30が示されており、それは、
図2に示されているようなベースモジュ
ール100を含み、ベースモジュール100は、以前に説明されたユニバーサルトレイイ
ンサート200、200’との相関関係で使用されるようなものであり、尿サンプルコン
テナのための尿サンプルトレイインサート300が、ベースモジュール100の中に挿入
され、任意の尿サンプルコンテナが尿サンプルトレイインサート300の中に配置されて
いない状態になっている。ここで、同一の特徴の説明の繰り返しを回避するために、以前
に説明された特定の実施形態に対する差だけが説明されている。とりわけ、ベースモジュ
ール100は、
図1から
図17の図に説明されているようなベースモジュール100と同
一である。上記に説明されているようなユニバーサルトレイインサート200、200’
と同様に、尿サンプルトレイインサート300は、同じ実矧ぎ型接続によって、ベースモ
ジュール100の中へ挿入され、尿サンプルトレイインサート300は、2等分された様
式で示されており、すなわち、尿サンプルトレイインサート300は、2つの半分体から
構成されており、2つの半分体は、両方とも同一であり、ベースモジュール100の中へ
挿入される(縁部におけるカラーインジケーター溝部も参照)。尿サンプルトレイインサ
ート300は、20個の尿サンプルコンテナ601のための尿サンプルコンテナ凹部30
1を提供しており(
図19も参照)、
図19では、2つの多目的トレイ30が互いに重な
り合ってスタックされている。ここで、繰り返しになるが、コーナーポスト104は、ベ
ースモジュール100に関して、閉じた底部101と開いた上側側部との間に十分な距離
を発生させ、その上にスタックされた他のベースモジュール100と相互作用することな
く、尿サンプルトレイインサート300、および、その中に提供されたそれぞれの尿サン
プルコンテナ601を受け入れることができる。
【0069】
[0154]
図20では、さらに代替的な特定の実施形態として、
図1の右側に配置されてい
るような多目的トレイ40が示されており、それは、
図2に示されているようなベースモ
ジュール100を含み、ベースモジュール100は、以前に説明されたユニバーサルトレ
イインサート200、200’、300との相関関係で使用されるようなものであり、ベ
ースモジュール100の中には、4つのチップラック410がその中に挿入された状態の
チップラックトレイインサート400が示されており、1つの消耗し得るピペットチップ
701が、例示的な内容物として、チップラックトレイインサート400のチップラック
のうちの1つの中のチップラックホール401またはチップラック開口部の中に配置され
ている。ここで、同一の特徴の説明の繰り返しを回避するために、以前に説明された特定
の実施形態に対する差だけが説明されている。とりわけ、ベースモジュール100は、図
1から
図19の図に説明されているようなベースモジュール100と同一である。上記に
説明されているようなユニバーサルトレイインサート200、200’および尿サンプル
トレイインサート300とは対照的に、チップラックトレイインサート400は、過度に
長いピペットチップに起因して、実矧ぎ型接続によって、ベースモジュール100の中へ
挿入されない。しかし、チップラックトレイインサート400は、プラグコネクター42
0を含み、プラグコネクター420は、チップラックトレイインサート400の底部の上
に設けられており、このプラグコネクター420は、下向きに突出するピンの形態で実装
され、その下側端部に低減された直径を有する一部分を備えている。ここで、プラグコネ
クター410の低減された直径部分は、突出部104の中心孔の中へ除去可能に挿入され
得、すなわち、除去可能に差し込まれ得、この孔は、ベースモジュール100の開口側部
に開口しており、この孔は、プラグコネクター420を受け入れるために設けられており
、それによって、上記に述べられているようなプッシュイン接続を確立し、それは、再び
取り外され得る。さらに、4つのチップラック410は、スナップフィット接続などによ
って、上方からチップラックトレイインサート400の中へ挿入される。それぞれのチッ
プラック410は、96個のチップラックホール401を提供し、384個の消耗し得る
ピペットチップのチップラックトレイインサート400の全体的なローディング容量を結
果として生じさせる。さらに、
図20に示されているように、それぞれのチップラック4
10は、チップラックトレイインサート400の1つの側部にバーコード411を含み、
同様に、チップラックトレイインサート400の上にマークを含み、それにしたがって、
オペレーターは、チップラック410をロードしなければならない。
【0070】
[0155]前述のように、それぞれのチューブ受け入れ凹部201、201’、202、2
02’、203、203’が、保持されることとなるサンプルチューブの外径よりも大き
い内径を有しているケースでは、チューブ受け入れ凹部201、201’、202、20
2’、203、203’のうちの1つの内側に、より小さいサンプルチューブをセンタリ
ングおよび保持するために、センタリングスプリング800が、たとえば、チューブ受け
入れ凹部201、201’、202、202’、203、203’のうちの少なくとも1
つの内側に設けられ得る。したがって、センタリングスプリング800は上記に述べられ
ているチューブスプリング205’と同様の機能を有している。したがって、そのような
センタリングスプリング800は、ユニバーサルトレイインサート200、200’のユ
ニバーサル特性をさらに改善することが可能である。その理由は、ユニバーサルトレイイ
ンサート200、200’が、より多くの複数の異なる種類のサンプルチューブ(すなわ
ち、異なってサイズ決めされた3つのサンプルチューブ501、502、503を超える
)に関してユニバーサルに使用され得るからである。ここで、特定の例として、センタリ
ングスプリング800は、スプリングスチールから作製されており、また、それぞれのチ
ューブ受け入れ凹部201、201’、202、202’、203、203’の内側への
取り付けのための実質的に円形のまたは六角形の中間パーツ810と、中間パーツ810
のそれぞれの側に長手方向の様式で中間パーツ810から離れるように突出する3つのク
ランプアーム820とを含み、それぞれのクランプアーム820は、保持されることとな
るサンプルチューブに接触するために、その端部において内向きに突出するニブ830を
含み、それによって、センタリングスプリング800自身と同軸の様式で、すなわち、そ
れぞれのチューブ受け入れ凹部201、201’、202、202’、203、203’
と同軸の様式で、クランプされた様式でそれを保持およびセンタリングする。ニブ830
は、保持されることとなるサンプルチューブとの接触ポイントとして、内向きに方向付け
られた尖った端部831を備えたV字形状で形成されており、少なくとも3つのクランプ
アーム820が、中間パーツ810のそれぞれの側に設けられているので、3ポイントス
プリング支持が、センタリングスプリング800によって実現され、センタリングスプリ
ング800の内側でのサンプルチューブのセンタリングおよび保持を可能にする。
【0071】
[0156]上記に加えて、分析器のために使用されることとなる多目的トレイのさらなる特
定の実施形態として、および、ベースモジュール100が1x4SBS(society
of biomolecular screening=マイクロプレートサイズに関
する規格)のサイズを示す可能性があるという事実に起因して、さらなる処理のための空
のマイクロウェルプレートを備えたインサートが、ベースモジュール100の中へ挿入さ
れ得る。そのうえ、試薬を担持するためのインサートが、また、たとえば、チップラック
410の代わりにチップラックトレイインサート400の中に提供される4MGP(磁気
ガラス粒子)カセットの形態で考えられ得る。
【0072】
[0157]本発明の特定の実施形態によれば、オペレーターによる自動処理システムの中へ
の/からの多目的トレイの簡単化されたローディング/アンローディングの方法が、
図2
2に示されている。さらに、自動処理システムの例示的なローディング/アンローディン
グステーション10が、
図23に示されており、
図23のローディングスロット12およ
びアンローディングスロット13の配置が、より特定の実施形態において、
図24に示さ
れている。自動処理システムのローディング/アンローディングステーション10は、望
まれる場合には、ローディングスロット12およびアンローディングスロット13をカバ
ーするためのフラップドア11を含むことが可能であり、
図23のアンローディングスロ
ット13のうちの1つに図示されているように、ロードされた多目的トレイの任意の外乱
、または、アンロードされることとなる多目的トレイの任意の外乱も回避するようになっ
ている。ここで、そのような多目的トレイは、詳細に上記に説明されているような多目的
トレイ20、20’30、40のうちの1つであることが可能であり、または、代替的に
、そのベースモジュール100の中に挿入される任意の種類のトレイインサートを有する
別の種類の多目的トレイであることが可能であり、多目的トレイの構造に関してその文脈
において述べられている技術的特徴は、また、本発明の方法に適用し、したがって、この
時点において繰り返されない。さらなる詳細では、方法は、以下のステップを含み、それ
らは、
図22のフローチャートに沿って以下の順序で配置され得る。
【0073】
[0158]決定ステップ910:ローディングスロット12の中へロードされることとなる
多目的トレイ20、20’、30、40が優先的な内容物を含有するかどうかを決定する
。
【0074】
[0159]実行ステップ920:決定ステップ910における決定が、ローディングスロッ
ト12の中へロードされることとなる多目的トレイ20、20’、30、40が優先的な
内容物を含有するということを結果として生じさせるケースでは、オペレーターによって
、自動処理システムの優先ローディングスロット121の中へ多目的トレイ20、20’
、30、40をロードする。
【0075】
[0160]実行ステップ930:決定ステップ910における決定が、ローディングスロッ
ト12の中へロードされることとなる多目的トレイ20、20’、30、40が優先的な
内容物を含有していないということを結果として生じさせるケースでは、オペレーターに
よって、自動処理システムの優先ローディングスロット121以外の任意のローディング
スロット12の中へ多目的トレイ20、20’、30、40をロードする。
【0076】
[0161]実行ステップ940:自動処理システムの実験室器具によって、ロードされた多
目的トレイ20、20’、30、40の内容物を処理する。
[0162]実行ステップ950:オペレーターによって、自動処理システムのアンローディ
ングスロット13から、または、エラーアウト(error-out)アンローディング
スロット131から、多目的トレイ20、20’、30、40をアンロードする。
【0077】
[0163]実行ステップ940に関して、すなわち、自動処理システムの実験室器具によっ
て、ロードされた多目的トレイ20、20’、30、40の内容物を処理するステップに
関して、自動処理システムは、オペレーターと自動処理システムのソフトウェアとの間の
相互作用なしにローディングスロット12のうちの1つの中へロードされた多目的トレイ
20、20’、30、40の内容物を認識するセンサーを含み、すなわち、自動処理シス
テムは、読み取り(たとえば、多目的トレイ20、20’、30、40のベースモジュー
ル100の上に設けられる機械可読識別コード109)に基づいて、センサー(たとえば
、光学センサーまたはRFIDセンサーなど)によって、ロードされた多目的トレイ20
、20’、30、40およびその内容物を自動的に認識することができる。したがって、
自動処理システムは、たとえば、ユーザーインターフェースによって、オペレーターが多
目的トレイ20、20’、30、40の内容物に関してデータ入力する必要なしに、自動
処理システムの内側の実験室器具によって自動的に実施されることとなる必要なまたは所
望の処理ステップを識別することができる。
【0078】
[0164]実行ステップ950に関して、自動処理システムの任意のアンローディングスロ
ット13からアンロードされることとなる多目的トレイ20、20’、30、40は、多
目的トレイ20、20’、30、40のフォーマットまたは内容物に関して、オペレータ
ーと自動処理システムのソフトウェアとの間の相互作用なしに、オペレーターによってそ
れぞれのアンローディングスロット13からアンロードされ得、すなわち、自動処理シス
テムは、たとえば、ユーザーインターフェースによって、アンローディングスロット13
のいずれかからアンロードされることとなる多目的トレイ20、20’、30、40につ
いてのデータを、自動処理システムがオペレーターに提供する必要なしに、多目的トレイ
20、20’、30、40のアンローディングを可能にする。しかし、一般に、自動処理
システムのアンローディングスロット13のいずれかからアンロードされることとなる任
意の多目的トレイ20、20’、30、40は、オペレーターと自動処理システムのソフ
トウェアとの間の相互作用によって、オペレーターによってアンロードされることだけが
可能であり、すなわち、自動処理システムは、たとえば、ユーザーインターフェースによ
るオペレーターからシステムへのそれぞれの入力のみによって、多目的トレイ20、20
’、30、40のアンローディングを可能にする。したがって、オペレーターとソフトウ
ェアとの間の相互作用なしに、多目的トレイ20、20’、30、40を手動でアンロー
ドすることは可能でない。「アンローディング」がタッチスクリーンなどのようなユーザ
ーインターフェースの上で活性化されるときのみ、多目的トレイ20、20’、30、4
0はアンロードされ得、すなわち、タッチスクリーンの上の「アンロック」ボタンが活性
化されたときに、多目的トレイ20、20’、30、40は、たとえば、ローディング/
アンローディングステーション10のフラップドア11を押し開けることによって、外側
に自動的に提供される。
【0079】
[0165]一般に、自動処理システムは、オペレーターとの相互作用のために、および、自
動処理システムの内側のワークフローを制御するために、アプリケーションソフトウェア
を実施する制御ユニットを含むことが可能である。さらに、自動処理システムは、クリア
ランスの前に、たとえば、それぞれの多目的トレイ20、20’、30、40が依然とし
て処理ステップ940のプロセスにある間に、アンローディングスロット13からの多目
的トレイ20、20’、30、40のアンローディングを防止するために任意のアンロー
ディングスロット13をロックすることが可能である。したがって、多目的トレイ20、
20’、30、40が処理状態にある間に、自動処理システムは、たとえば手動ロックに
よるそれぞれのアンローディングスロット13からの多目的トレイ20、20’、30、
40の手動除去を防止する。代替的にまたは追加的に、自動処理システムは、たとえば、
それぞれのスロット12、13に関するローディング/アンローディング許可またはロー
ディング/アンローディング禁止の状況を示す、LCDディスプレイなどの形態で、それ
ぞれのスロットに関するローディング/アンローディング状況インジケーターを含むこと
が可能である。ここで、ローディング/アンローディング状況インディケーションは、例
として、以下のサインによって与えられ得る。
【0080】
[0166]表示されたサイン:↑(緑色);意味:多目的トレイ20、20’、30、40
をロードする;タスク:多目的トレイ20、20’、30、40がオペレーターによって
ロードされ得る。
【0081】
[0167]表示されたサイン:↓(緑色);意味:多目的トレイ20、20’、30、40
をアンロードする;タスク:多目的トレイ20、20’、30、40がオペレーターによ
ってアンロードされ得る。
【0082】
[0168]表示されたサイン:↓(赤色);意味;多目的トレイ20、20’、30、40
をアンロードする(バッファーがこれ以上の容量を有していない);タスク:多目的トレ
イ20、20’、30、40がオペレーターによってロードされなければならない。
【0083】
[0169]表示されたサイン:
【0084】
【0085】
;意味;ローディングスロット12および/またはアンローディングスロット13がロッ
クされている;タスク:オペレーターに関するタスクはない。
[0170]したがって、現在説明されている方法は、自動処理システムの中へサンプルおよ
び使い捨て品をロードするユーザーに好都合の方式を提供し、オペレーターは、多目的ト
レイ20、20’、30、40が自動処理システムの中へロードされなければならないた
びに、ロードされることとなる多目的トレイ20、20’、30、40の内容物のフォー
マットにマッチするローディングスロットを識別することを必要とすることなく、ローデ
ィングスロット12のうちのいずれか1つの中への供給物および/またはサンプルを含む
多目的トレイ20、20’、30、40をロードすることが可能である。
【0086】
[0171]現在説明されている方法では、自動処理システムのローディング/アンローディ
ングステーション10は、とりわけ、自動処理システムの外側と内側との間のトレイイン
ターフェースとして、8つのローディング/アンローディングスロット12、13を装備
しており、スロット12、13は、スロット12、13の2行の中に配置されており、4
つのローディングスロット12が上部にあり、4つのアンローディングスロット13が底
部にある。ここで、
図24に図示されているように、右側にあるローディングスロット1
2は、優先ローディングスロット121となるように指定され得、自動処理システムは、
優先的な内容物が優先ローディングスロット121の中へロードされた状態の多目的トレ
イ20、20’、30、40を優先することによって、処理ステップ940を実施する。
【0087】
[0172]オペレーターによって、自動処理システムのアンローディングスロット13から
、または、エラーアウトアンローディングスロット131から、多目的トレイ20、20
’、30、40をアンロードする実行ステップ950に関して、異なる内容物を備えた異
なる種類の多目的トレイ20、20’、30、40が、アンローディングスロット13か
らアンロードされ得る。しかし、アンローディングスロット13のうちの1つは、アンロ
ーディングサンプルエラートレイのためのアンローディングスロット、すなわち、エラー
アウトアンローディングスロット131であると指定され得、ある種類のエラー(たとえ
ば、読み取り不可能なラベルなど)を示す(または、また、誤りのあるサンプルのケース
である)ことが自動処理システムによって識別されたサンプルチューブを備えた多目的ト
レイ20、20’、30、40が、エラーアウトアンローディングスロット131からア
ンロードされることとなる。したがって、多目的トレイ20、20’、30、40をアン
ロードする実行ステップ950は、エラーアウトアンローディングスロット131の形態
の所定のアンローディングスロットからの所定の内容物を伴う多目的トレイ20、20’
、30、40のアンローディングを含むことが可能であり、所定の内容物は、誤りのある
サンプルを伴うコンテナであることが可能である。
【0088】
[0173]本発明はその特定の実施形態に関して説明されてきたが、この説明は、単に例示
目的のためだけのものに過ぎないということが理解されるべきである。したがって、本発
明は添付されている特許請求の範囲のみによって限定されるべきであるということが意図
されている。さまざまな刊行物が本明細書で引用されており、その開示は、それらの全体
が参照により組み込まれている。
【符号の説明】
【0089】
[067]10 ローディング/アンローディングステーション
[068]11 フラップドア
[069]12 ローディングスロット
[070]121 優先的なローディングスロット
[071]13 アンローディングスロット
[072]131 エラーアウトアンローディングスロット
[073]20 異なるサンプルチューブのための多目的トレイ
[074]20’ 異なるサンプルチューブのための代替的な多目的トレイ
[075]30 尿サンプルコンテナのための多目的トレイ
[076]40 使い捨てのピペットチップのための多目的トレイ
[077]100 ベースモジュール
[078]101 閉じた底部
[079]102 サイドプレート
[080]103 サイドスロット/ウィンドウ
[081]104 コーナーポスト
[082]1041 コーナーポストウィンドウ
[083]1042 上部窪み
[084]105 ステップ部分
[085]106 ハンドル
[086]1061 係合窪み
[087]107 カラーインジケーター
[088]1071 ローターリーノブ
[089]108 書き込み可能な表面
[090]109 識別コード
[091]110 係合突出部
[092]200 ユニバーサルトレイインサート
[093]201 大直径チューブ受け入れ凹部
[094]201’ 大直径チューブ受け入れ凹部
[095]2011 大直径チューブ受け入れ凹部中心軸線
[096]202 中間直径チューブ受け入れ凹部
[097]202’ 中間直径チューブ受け入れ凹部
[098]2021 中間直径チューブ受け入れ凹部中心軸線
[099]203 小直径チューブ受け入れ凹部
[0100]203’ 小直径チューブ受け入れ凹部
[0101]2031 小直径チューブ受け入れ凹部中心軸線
[0102]204 ブラケット
[0103]204’ 凹部分割ブリッジ/バー
[0104]205’ チューブスプリング
[0105]210 係合凹部
[0106]220 基準マーカー
[0107]220’ 基準マーカー
[0108]230 カラーインジケーター溝部
[0109]300 尿サンプルトレイインサート
[0110]301 尿サンプルコンテナ凹部
[0111]400 チップラックトレイインサート
[0112]401 ピペットチップホール
[0113]410 ピペットチップラック
[0114]420 プラグコネクター
[0115]501 大直径サンプルチューブ
[0116]502 中間直径サンプルチューブ
[0117]503 小直径サンプルチューブ
[0118]601 尿サンプルコンテナ
[0119]701 ピペットチップ
[0120]800 センタリングスプリング
[0121]810 センタリングスプリング中間パーツ
[0122]820 クランプアーム
[0123]830 ニブ
[0124]831 尖ったニブ端部
[0125]910 決定ステップ
[0126]920 実行ステップ
[0127]930 実行ステップ
[0128]940 実行ステップ
[0129]950 実行ステップ