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特許7185025切替スイッチ、及び、接続端子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】切替スイッチ、及び、接続端子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/02 20060101AFI20221129BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
H01H9/02 B
H01R13/11 302Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021514835
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(86)【国際出願番号】 JP2020011532
(87)【国際公開番号】W WO2020213328
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2019078005
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴仁
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-187155(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008045810(DE,A1)
【文献】実開昭51-033785(JP,U)
【文献】特開平11-053975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/02
H01R 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持部と、
相手側端子に接続される接続端子と
を含む切替スイッチであって、
前記接続端子は、
前記保持部によって保持される基部と、
前記基部から離間する方向に延在する延在部であって、相手側端子が到来する到来方向に沿って貫通し前記相手側端子が挿入される挿入孔と、前記挿入孔の周囲のうち前記延在部の延在方向に対する側方に設けられ、前記延在方向に延在し、前記到来方向に向けて傾斜する傾斜部と、前記傾斜部に設けられ前記挿入孔の内側に突出する突出部とを有する環状の延在部と
を有する、切替スイッチ。
【請求項2】
前記突出部は、当該突出部の厚さ方向において、前記到来方向に向けて押し下げられることによって形成された段差部を有する、請求項1記載の切替スイッチ。
【請求項3】
前記延在部は、前記突出部の角で前記相手側端子と接触する、請求項1又は2記載の切替スイッチ。
【請求項4】
前記傾斜部は、前記延在部の延在方向に対する側方において前記挿入孔の両側に設けられた2つの傾斜部であり、
前記2つの傾斜部は、前記延在方向から見てV字型に傾斜される、請求項1乃至3のいずれか一項記載の切替スイッチ。
【請求項5】
前記接続端子を収納するケースをさらに含み、
前記ケースは、前記到来方向に設けられ、前記相手側端子が挿入されるとき又は抜き取られるとき当接する当接部を有する、請求項1乃至4のいずれか一項記載の切替スイッチ。
【請求項6】
前記接続端子を収納するケースをさらに含み、
前記接続端子は、前記ケース内に2つ並べて配置されており、
前記ケースは、前記2つの接続端子の間に設けられる隔壁を有する、請求項1乃至4のいずれか一項記載の切替スイッチ。
【請求項7】
前記ケースは、
前記相手側端子が前記接続端子に向けて挿入される開口部と、
前記開口部に設けられ、前記相手側端子の少なくとも一部を収納する相手側ケースとの間を封止するシール部と
をさらに有する、請求項5又は6記載の切替スイッチ。
【請求項8】
前記ケースは、前記相手側端子を前記延在部の挿入孔に向けて案内する案内フランジをさらに有する、請求項5乃至7のいずれか一項記載の切替スイッチ。
【請求項9】
基部と、
前記基部から離間する方向に延在する延在部を有する、接続端子の製造方法であって、
板金から、前記基部と、前記基部に連続する前記延在部であって、相手側端子が到来する到来方向に沿って貫通し前記相手側端子が挿入される挿入孔と、前記挿入孔の内側に突出する突出部とを有する環状の延在部とを打ち抜く工程と、
前記打ち抜いた延在部にプレス加工を行うことにより、前記挿入孔の周囲のうち前記延在部の延在方向に対する側方に設けられ、前記延在方向に延在し、前記到来方向に向けて傾斜する傾斜部を形成する工程と
を含む、接続端子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切替スイッチ、及び、接続端子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スイッチを取付箇所に固定すると共に、該スイッチの接点を取付箇所側にある基板に接続するスイッチの取付構造において、スイッチの接点に接続される接続端子をケーシングの側面から突出させたスイッチの取付構造がある。
【0003】
ケーシングの側面から突出する板状の接続端子は、下方に直角に向きを変え、下端において先端部分を側方に直角に折り曲げ、側方に折り曲げた先端部分に取付孔が設けられている。スイッチを取付箇所に配置させる際に、スイッチの接続端子の取付孔に相手側装置の基板上の端子を嵌入させることで、スイッチを取付箇所に固定している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-053975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のスイッチの取付構造では、接続端子の先端部分を側方に直角に折り曲げているため、先端部分は十分な強度を有していない。このため、先端部分の取付孔に相手側装置の基板上の端子が嵌入される際に、先端部分が上方に折れ曲がり、相手側装置の端子を嵌入できないおそれがある。
【0006】
そこで、接続端子が十分な強度を有する切替スイッチ、及び、十分な強度を有する接続端子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態の切替スイッチは、保持部と、相手側端子に接続される接続端子とを含む切替スイッチであって、前記接続端子は、前記保持部によって保持される基部と、前記基部から離間する方向に延在する延在部であって、相手側端子が到来する到来方向に沿って貫通し前記相手側端子が挿入される挿入孔と、前記挿入口の周囲のうち前記延在部の延在方向に対する側方に設けられ、前記延在方向に延在し、前記到来方向に向けて傾斜する傾斜部と、前記傾斜部に設けられ前記挿入孔の内側に突出する突出部とを有する環状の延在部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
接続端子が十分な強度を有する切替スイッチ、及び、十分な強度を有する接続端子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】切替スイッチ100を相手側装置のホルダ200に取り付けた状態を示す図である。
図2】切替スイッチ100を相手側装置のホルダ200に取り付けた状態を示す図である。
図3】実施の形態の切替スイッチ100からカバー140を取り外した状態を示す図である。
図4図3のA-A矢視断面を示す図である。
図5図1のC-C矢視断面を示す図である。
図6】カバー140の下面側を示す図である。
図7】接続端子130の製造工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の切替スイッチ、及び、接続端子の製造方法を適用した実施の形態について説明する。
【0011】
<実施の形態>
図1及び図2は、切替スイッチ100を相手側装置のホルダ200に取り付けた状態を示す図である。以下では、XYZ直交座標系を用いて説明し、平面視とはXY面視のことである。また、以下では、説明の便宜上、+Z側を上、-Z側を下として説明するが、普遍的な上下関係を表すものではない。
【0012】
切替スイッチ100は、スイッチ部110、保持部120、2つの接続端子130、及びカバー140を含む。以下では、図1及び図2に加えて図3を用いて説明する。図3は、実施の形態の切替スイッチ100からカバー140を取り外した状態を示す図である。
【0013】
スイッチ部110は、スイッチ本体111及び押しボタン112を有する。スイッチ本体111は、スイッチ部111Aを内蔵する。押しボタン112は、X方向に押圧操作が可能である。スイッチ部111Aは、2つの接続端子130に接続される2つの端子を内蔵しており、押しボタン112が押されると、内部の2つの端子が非導通状態(オフの状態)から導通状態(オンの状態)に切り替わり、押しボタン112が押されない状態になると、内部の2つの端子が導通状態(オンの状態)から非導通状態(オフの状態)に切り替わる構成である。
【0014】
保持部120は、2つの接続端子130を保持する樹脂製の板状部材であり、スイッチ本体111の+X方向側のカバーになっている。保持部120の+X方向側の面からは2つの接続端子130が+X方向に突出している。
【0015】
接続端子130は、2本設けられており、保持部120の+X方向側の面から+X方向に延在している。接続端子130は、相手側装置の2つの端子210にそれぞれ接続される。接続端子130の詳細な構成については後述する。
【0016】
カバー140は、カバー本体141とフランジ142を有する。カバー本体141は、カバー140のうち接続端子130を覆う部分であり、フランジ142はカバー本体141の-X方向側に取り付けられ、±Y方向及び+Z方向に突出している。
【0017】
相手側装置は、切替スイッチ100が取り付けられる装置であり、ホルダ200及び2つの端子210を含む。図1では、接続端子130はホルダ200に被せられるカバー140によって覆われており、図2では、カバー140は取り外されている。
【0018】
ホルダ200は、ホルダ本体201、係合部202、203、開口部204、及びパッキン205を有する。ホルダ本体201は、直方体状の筐体であり、上面に係合部202、203、及び開口部204が設けられている。
【0019】
係合部202は、ホルダ本体201から上方に伸びる一対の係合部であり、上端から内側に突出する爪状の部分でスイッチ本体111を固定する。係合部203は、ホルダ本体201から上方に伸びるレール状の係合部であり、保持部120とカバー140のフランジ142とを位置合わせした状態で上方から差し込むことによって保持する。開口部204は、2つの端子210を突出させるために設けられており、2つの端子210は、開口部204の内部で防水用のパッキン205に囲まれている。
【0020】
端子210は、相手側端子の一例である。端子210は、2つ設けられており、相手側装置の制御部等に接続されている。2つの端子210は、2つの接続端子130にそれぞれ接続されているため、相手側装置の制御部等は、切替スイッチ100のオン又はオフの状態を検知することができる。
【0021】
ホルダ200に切替スイッチ100を取り付けるには、ホルダ200の上側から切替スイッチ100を位置合わせして、係合部202にスイッチ本体111を嵌め込むとともに、係合部203に保持部120及びフランジ142を嵌め込めばよい。
【0022】
次に、接続端子130の構成について説明する。ここでは、図1乃至図3に加えて図4を用いて説明する。図4は、図3のA-A矢視断面を示す図である。2つの接続端子130は、同様の構成を有する。
【0023】
接続端子130は、基部131及び延在部132を有する。接続端子130は、金属製であり、板金を打ち抜いた後にプレス加工することよって作製される。接続端子130は、インサート成形によって作製される保持部120と一体化されている。
【0024】
基部131は、保持部120から+X方向に突出する部分である。基部131の+X方向側には延在部132が連続的に設けられている。基部131は延在部132を保持している。
【0025】
延在部132は、挿入孔132A、接続部132B、傾斜部132C、先端部132D、突出部132E、及び段差部132Fを有する。
【0026】
延在部132は、基部131よりもY方向の幅が広く、中央に挿入孔132Aが設けられることによって平面視で環状の形状を有する。挿入孔132Aは、延在部132を端子210の到来方向(-Z方向)に貫通している。
【0027】
接続部132Bは、基部131に接続される延在部132の根元の部分である。接続部132Bは、先端部132Dとともに延在部132のうちでXY平面に平行な部分である。接続部132Bには、2本の傾斜部132Cが接続されている。
【0028】
傾斜部132Cは、挿入孔132Aの周囲のうち延在部132の延在方向(X方向)に対する側方(Y方向)の両側に設けられ、端子210の到来方向(-Z方向)に向けて傾斜している部分である。すなわち、傾斜部132Cは、+Y方向側と-Y方向側に2本あり、X方向に延在している。2本の傾斜部132Cは、接続部132Bと先端部132Dとの間で挿入孔132Aの両側部に設けられている。
【0029】
傾斜部132Cは、図4に示すように、延在部132の延在方向(X)方向から見ると、V字型(+Z方向を上とする上下方向においては逆V字型)に傾斜している。傾斜部132Cは、プレス加工によって挿入孔132A、接続部132B、先端部132D、突出部132E、及び段差部132Fが形成された平板状の状態の延在部132のY方向の両端をプレス加工でV字型に折り曲げることによって作製される。
【0030】
このようにV字型に折り曲げた傾斜部132Cを設けるのは、端子210が挿入される部分の強度を向上させるためである。より具体的には、端子210は-Z方向から到来するため、接続端子130のZ方向への曲げ剛性を向上させて、挿入孔132Aに端子210が確実に挿入される用にするためである。
【0031】
先端部132Dは、延在部132のうちで最も+X方向側に位置する部分であり、基部131とともに延在部132のうちでXY平面に平行な部分である。
【0032】
突出部132Eは、傾斜部132CのX方向の中央に設けられ、平面視で挿入孔132Aの内側に突出する部分である。突出部132Eは、傾斜部132Cが挿入孔132Aの内側に湾曲するようにして突出した部分である。
【0033】
突出部132Eは、傾斜部132Cに設けられているため、X方向から見ると挿入孔132Aに向かって斜め上方向に突出している。突出部132Eは、傾斜部132Cと同様に、図4に示すように、延在部132の延在方向(X)方向から見ると、V字型(+Z方向を上とする上下方向においては逆V字型)に傾斜している。
【0034】
段差部132Fは、突出部132Eのうちの最も突出した区間に設けられており、図4に矢印Bで示す突出部132Eの厚さ方向において-B方向に凹むことによって段差が形成された部分である。B方向は、プレス加工によって傾斜部132Cが形成される前の状態では、Z方向と等しい。B方向は、矢印の起点から先端を向く方向が-方向であり、逆方向が-B方向である。
【0035】
段差部132Fは、逆V字状の突出部132Eよりも-B方向に下がっているため、下面側の角132F1は、段差部132Fを設けない場合よりも挿入孔132Aの内側に突出する。
【0036】
図4の右側の拡大図には、段差部132Fを設けない場合の突出部132Eの下面の位置を破線で示す。段差部132Fを設けない場合には、向かい合う2つの突出部132E同士のY方向の幅はW1であるが、向かい合う2つの段差部132F同士のY方向の幅はW2(<W1)である。ここで、幅W1は、端子210のY方向の幅よりも狭い。
【0037】
このため、段差部132Fを設けることにより、挿入孔132AのY方向の幅をより狭くすることができ、接続端子130と端子210とをより信頼性の高い状態で接触させることができる。段差部132FによってY方向の幅がより狭められたところに端子210が挿入されるからである。
【0038】
図5は、図1のC-C矢視断面を示す図である。図5では、ホルダ200を省略する。カバー140は、接続端子130を収納する内部の収納部140Aに、接続端子130の先端部132Dの上下に設けられる突出部145A、145Bと、収納部140Aの底面において2つの接続端子130の間に設けられる隔壁146と、下面側に位置する案内フランジ147とを有する。案内フランジ147の外周面にはパッキン149が嵌着されており、パッキン149はパッキン205と嵌め合わされる。なお、突出部145A、145Bは、当接部の一例である。また、パッキン149は、シール部の一例である。
【0039】
突出部145Aの下面と、突出部145Bの上面との間の間隔は、接続端子130の厚さ(先端部132Dの厚さ)よりも大きく取られており、図5に示すように接続端子130に端子210が挿入されている状態では、接続端子130にZ方向の応力が殆ど発生していないため、先端部132Dの上下には、突出部145Aの下面と、突出部145Bの上面との間に隙間が生じている。
【0040】
接続端子130に端子210を挿入するときには、端子210が挿入孔132Aの両側に面した突出部132E及び段差部132FをY方向に押し広げるため、接続端子130に+Z方向の応力が掛かる。このときに、先端部132Dの上面が突出部145Aの下面に当接するため、接続端子130の変位を突出部145Aの下面までに抑えることができる。
【0041】
また、接続端子130から端子210を引き抜くときには、端子210が挿入孔132Aの両側に面した突出部132E及び段差部132Fに当接した状態で-Z方向に引き抜かれることにより、接続端子130に-Z方向の応力が掛かる。このときに、先端部132Dの下面が突出部145Bの上面に当接するため、接続端子130の変位を突出部145Bの上面までに抑えることができる。
【0042】
また、収納部140Aの底面に隔壁146が設けられている。隔壁146の高さは、傾斜部132CのY方向における端部よりも高い程度である。このため、2つの接続端子130に2つの端子210が挿入される際に、例えば、ホルダ200に対して切替スイッチ100がZ方向に対する角度を有する状態で斜めに挿入されることで、どちらか一方の接続端子130が他方の接続端子130の側に振れたような場合に、2つの接続端子130の接触を抑制することができる。
【0043】
図6は、カバー140の下面側を示す図である。カバー140は、下面側に位置する案内フランジ147の内部に設けられる2つの孔部148と、案内フランジ147の外周部に設けられるパッキン149とを有する。
【0044】
案内フランジ147は、切替スイッチ100を相手側装置のホルダ200に取り付ける際に、切替スイッチ100をホルダ200に対する所定の位置に案内し、ホルダ200の上面にある開口部204(図2参照)の内部に挿入される突出部である。案内フランジ147の外周部にはパッキン149が嵌着されている。保持部120及びフランジ142を係合部203に上側から嵌め込み、切替スイッチ100を下方に押し込み、案内フランジ147を開口部204に挿入すると、スイッチ本体111が係合部202の爪に係合された状態で切替スイッチ100がホルダ200に固定される。
【0045】
孔部148は、カバー140の下面と収納部(図5参照)とを連通させており、相手側装置の端子210を挿通させ、収納部140Aに案内するために設けられている。孔部148は、平面視で接続端子130の挿入孔132Aの真下に位置する。このような孔部148を設けることにより、端子210をより確実に収納部140A内の接続端子130の挿入孔132Aへと案内することができる。
【0046】
パッキン149は、パッキン205(図2参照)の内周側に嵌め込まれる。切替スイッチ100にはパッキン149が設けられ、相手側装置のホルダ200にはパッキン205が設けられているので、ホルダ200の上側から切替スイッチ100を取り付ける際に、係合部202に(図2参照)にスイッチ本体111を嵌め込むとともに、係合部203(図2参照)に保持部120及びフランジ142を嵌め込むと、開口部204に案内フランジ147が嵌め込まれ、このときにパッキン149とパッキン205が嵌め合わされ、切替スイッチ100とホルダ200の間は封止される。
【0047】
図7は、接続端子130の製造工程を示す図である。まず、図7(A)に示すように、板金に対して打ち抜き加工を行うことにより、基部131及び延在部132M1を作製する。延在部132M1は、挿入孔132A、接続部132B、周辺部132C1、先端部132D、及び突出部132Eを有する。延在部132M1は、最終的に作製される延在部132と比べると、傾斜部132Cの代わりに周辺部132C1を有し、段差部132Fが設けられていないものである。周辺部132C1は、傾斜部132Cを作製するためのプレス加工を行う前の状態の部位である。
【0048】
次に、図7(A)に示す延在部132M1の突出部132Eに対してプレス加工を行うことにより、図7(B)に示すように段差部132Fを作製する。段差部132Fは、突出部132Eのうち最も挿入孔132A側に突出した部分を-Z方向に所定の厚さ分だけずらした部位である。これにより、図7(A)に示す延在部132M1は延在部132M2になる。
【0049】
そして最後に、図7(B)に示す延在部132M2の周辺部132C1を接続部132B及び先端部132Dに対して-Z方向に折り曲げるようにプレス加工を行うと、図7(B)に示す延在部132M2は延在部132になり、図7(C)に示す接続端子130が完成する。
【0050】
以上のように、接続端子130は、保持部120に保持される基部131の先端側(+X方向側)の延在部132に挿入孔132Aを設け、挿入孔132AのY方向の両側に傾斜部132Cを設けた。1つの接続端子130に2本含まれる傾斜部132Cは、X方向の両端が接続部132Bと先端部132Dとに接続されて閉じられているため、延在部132は環状部材であり、Y方向の両側が-Z方向に折り曲げられた傾斜部132Cになっている。
【0051】
このように、YZ断面形状がV字型で、環状の延在部132を有するので、接続端子130は、傾斜部132Cを設けない場合に比べて、X方向、Y方向、及びZ方向における曲げ剛性が飛躍的に向上する。
【0052】
したがって、接続端子130が十分な強度を有する切替スイッチ100、及び、十分な強度を有する接続端子130の製造方法を提供することができる。
【0053】
また、接続端子130は、保持部120からX方向に延在しているため、従来のスイッチの取付構造のように-Z方向に向きを変える構成とは異なり、切替スイッチ100全体のZ方向のサイズを小型化することができる。
【0054】
また、延在部132の突出部132Eに段差部132Fを設けたため、段差部132Fの段差の分だけ挿入孔132Aの間隔を狭くすることができるので、接続端子130と端子210との接触圧をより大きくでき、電気的信頼性をより向上させることができる。
【0055】
また、段差部132Fは、傾斜部132Cに含まれる突出部132Eに設けられているため、端子210が挿入孔132Aに挿入されると、段差部132Fの下面側の角132F1(図4の拡大図参照)が端子210のXZ平面に平行な側面に接触する。このため、端子210への接触面を小さくでき、端子210の表面に付着物等があっても、角132F1で端子210の側面から除去することができ、接続端子130と端子210の電気的な接続をより信頼性の高いものにすることができる。
【0056】
また、切替スイッチ100は、ホルダ200に対して上側から位置を合わせて嵌め込むだけで装着することができる。そしてこのときに、カバー140の下面の案内フランジ147を開口部204に挿入するだけで、パッキン149とパッキン205が嵌め合わされ、切替スイッチ100とホルダ200との間の封止を行うことができる。このため、ホルダ200に対して容易に装着でき、装着するだけで封止も行える切替スイッチ100を提供することができる。
【0057】
なお、以上では、接続端子130の延在部132に段差部132Fを設ける形態について説明したが、段差部132Fを設けなくても接続端子130と端子210との十分な接触圧を確保できる場合には、段差部132Fを設けなくてもよい。
【0058】
また、以上では、切替スイッチ100が2つの接続端子130を含む形態について説明したが、接続端子130の数は1つでもよい。
【0059】
また、以上では、ケース140が当接部145A、145B、及び隔壁146を有する形態について説明したが、ケース140は当接部145A、145B、及び隔壁146のうちの少なくともいずれか1つを有さなくてもよい。
【0060】
また、以上では、ケース140が案内フランジ147を有する形態について説明したが、ケース140は案内フランジ147を有さなくてもよい。
【0061】
以上、本発明の例示的な実施の形態の切替スイッチ、及び、接続端子の製造方法について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【0062】
なお、本国際出願は、2019年4月16日に出願した日本国特許出願2019-078005に基づく優先権を主張するものであり、その全内容は本国際出願にここでの参照により援用されるものとする。
【符号の説明】
【0063】
100 切替スイッチ
110 スイッチ部
120 保持部
130 接続端子
131 基部
132 延在部
132A 挿入孔
132C 傾斜部
132E 突出部
132F 段差部
140 カバー
145A、145B 突出部
146 隔壁
147 案内フランジ
200 ホルダ
210 端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7