IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サ−コス コーポレイションの特許一覧

特許7185034目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段
<>
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図1
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図2
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図3
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図4A
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図4B
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図4C
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図4D
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図5A
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図5B
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図6A
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図6B
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図6C
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図7
  • 特許-目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段
(51)【国際特許分類】
   B64C 27/08 20060101AFI20221129BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20221129BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20221129BHJP
   F41H 13/00 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
B64C27/08
B64C39/02
B64D47/08
F41H13/00
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2021518640
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019054537
(87)【国際公開番号】W WO2020112245
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】16/151,279
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518429137
【氏名又は名称】サ-コス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】スミス,フレイザー エム.
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ,マーク エックス.
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/016017(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0257780(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/08
B64C 39/02
B64D 47/08
F41H 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標航空機に航空上の無力化を行う反撃無人航空機(UAV)であって、
飛翔体と、
検知された目標航空機を迎撃するために、反撃無人航空機の飛行を制御するフライト制御システムと、
前記飛翔体に担われ、検知された前記目標航空機を捕捉する航空機捕捉対策手段とを備え
前記航空機捕捉対策手段は、少なくとも1つの支持部材と、少なくとも1つの前記支持部材に支持された少なくとも1つの可撓性の絡み合い要素とを含み、少なくとも1つの前記支持部材は細長ロッドを含み、
少なくとも1つの前記支持部材と少なくとも1つの可撓性の前記絡み合い要素とは、収容位置から展開位置へ受動的に移動するように動作可能であり、
少なくとも1つの前記支持部材は、上部展開機構に接続された少なくとも1つの上部支持部材と、下部展開機構に接続された少なくとも1つの下部支持部材とを含み、前記上部展開機構及び前記下部展開機構は、少なくとも1つの前記上部支持部材と少なくとも1つの前記下部支持部材との受動的な移動を容易にするように動作可能であり、
少なくとも1つの可撓性の前記絡み合い要素は、ネットを含み、前記ネットは、少なくとも1つの前記上部支持部材を少なくとも1つの前記下部支持部材と結合する、反撃無人航空機。
【請求項2】
反撃無人航空機は、前記目標航空機の位置を検知するように構成されている少なくとも1つの検知センサーを備え、
前記フライト制御システムは、前記目標航空機の検知された前記位置に基いて反撃無人航空機の自律的な飛行を制御するように動作可能であるフライトコントローラを備える、請求項1記載の反撃無人航空機。
【請求項3】
前記飛翔体に支持され、外部航空機検知システムに通信可能に結合されている無線通信装置をさらに備え、
前記無線通信装置は、前記外部航空機検知システムからコマンドデータを受けるように構成され、前記コマンドデータは、前記外部航空機検知システムによって検知されたものとして前記目標航空機に関連付けられている、請求項1記載の反撃無人航空機。
【請求項4】
前記飛翔体に可動に結合されている少なくとも1つのカメラをさらに備え、
少なくとも1つの前記カメラは、前記外部航空機検知システムから受けた前記コマンドデータに基いて、ポインティング位置を確立及び変更するように可動であり、前記目標航空機を検知及び追跡する、請求項3記載の反撃無人航空機。
【請求項5】
前記フライト制御システムは、互いに通信を行う中央処理ユニット(CPU)とフライトコントローラとを含み、
少なくとも1つのセンサーはカメラを含み、前記カメラは前記目標航空機の位置を検知するように動作可能であり、前記カメラは、前記中央処理ユニットに動作可能に結合され、前記目標航空機の動的飛行位置を追跡するために検知された前記位置に関連付けられたデータを処理し、
前記フライトコントローラは、前記目標航空機の前記動的飛行位置を迎撃するために反撃無人航空機の自律的な飛行を制御するように構成されている、請求項1記載の反撃無人航空機。
【請求項6】
なくとも1つの可撓性の前記絡み合い要素は、反撃無人航空機が前記目標航空機に近接することに応答して、前記目標航空機の少なくとも1つの回転プロペラ装置の動作を中断させるように構成されている、請求項1記載の反撃無人航空機。
【請求項7】
少なくとも1つの可撓性の前記絡み合い要素は、ネット、フィラメント、モノフィラメント、編み込まれたフィラメント、巻きひげ部、ファイバ、ストリング、コード、ストランド、糸、ロープ又はワイヤのうち少なくとも1つを含む、請求項記載の反撃無人航空機。
【請求項8】
前記航空機捕捉対策手段は、反撃無人航空機によって折り畳み位置と展開位置との間で動作可能である、請求項1記載の反撃無人航空機。
【請求項9】
少なくとも1つの前記支持部材は、複数の支持部材を含み、少なくとも1つの可撓性の前記絡み合い要素は、前記複数の支持部材に結合されている少なくとも1つのネットとを含み、
前記複数の支持部材と少なくとも1つの前記ネットとは、前記折り畳み位置にあるときに折り畳み可能である、請求項記載の反撃無人航空機。
【請求項10】
前記複数の支持部材と少なくとも1つの前記ネットとは、複数のネット捕捉ゾーンを規定し、前記複数のネット捕捉ゾーンは、前記展開位置にあるときに、それぞれ互いに異なる方向に延び、前記航空機捕捉対策手段により規定される三次元捕捉ゾーンを規定する、請求項記載の反撃無人航空機。
【請求項11】
前記航空機捕捉対策手段に結合され、前記航空機捕捉対策手段を前記折り畳み位置に保つように構成されている拘束装置をさらに備え、
反撃無人航空機は、前記拘束装置を作動させて前記航空機捕捉対策手段前記展開位置への移動を容易にするように動作可能である、請求項記載の反撃無人航空機。
【請求項12】
複数の支持部材が、第1半径方向支持部材及び第2半径方向支持部材を含み、
少なくとも1つのネットが、前記第1及び第2半径方向支持部材を結合して、前記航空機捕捉対策手段によって規定される三次元捕捉ゾーンを形成する、請求項9記載の反撃無人航空機。
【請求項13】
前記飛翔体を前記航空機捕捉対策手段に結合する解放機構をさらに備え
反撃無人航空機は、前記目標航空機を捕捉した後に、前記航空機捕捉対策手段を反撃無人航空機から解放するために前記解放機構を作動させるように動作可能であり、捕捉された前記目標航空機を特定位置に送る、請求項1記載の反撃無人航空機。
【請求項14】
目標航空機を検知して無力化するシステムであって、
飛翔体と、反撃無人航空機の飛行を制御するフライト制御システムと、前記飛翔体に担われる航空機捕捉対策手段とを備えている反撃無人航空機(UAV)を備え、
前記航空機捕捉対策手段は、第1支持部材と、第2支持部材と、前記第1支持部材及び前記第2支持部材に支持されている少なくとも1つの可撓性の絡み合い要素とを含み、前記第1支持部材と前記第2支持部材とは、それぞれ細長ロッドを含み、
前記第1支持部材と前記第2支持部材と少なくとも1つの可撓性の前記絡み合い要素とは、収容位置から展開位置へ受動的に移動するように動作可能であり、前記展開位置では、前記第1支持部材と前記第2支持部材とは互いに交差し、複数のネット捕捉ゾーンを規定し、
目標航空機を検知するように動作可能な少なくとも1つの検知センサーを有する航空機検知システムであり、前記反撃無人航空機による前記目標航空機の迎撃を容易にするために、前記反撃無人航空機にコマンドデータを提供するように動作可能である航空機検知システを備え、
前記目標航空機の迎撃に応答して、前記反撃無人航空機は、検知された前記目標航空機を前記航空機捕捉対策手段により捕捉するように動作可能である、システム。
【請求項15】
前記コマンドデータは、迎撃データ、前記航空機捕捉対策手段を展開するコマンドデータ、目標航空機検知データ、反撃UAV制御データ、係合及び捕捉を許可するデータ、又はその組み合わせのうち少なくとも1つを含む、請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記航空機検知システムは搭載式の航空機検知システムを備え、搭載式の前記航空機検知システムは、前記目標航空機の位置を検知するように構成された少なくとも1つの検知センサーを含み、
前記フライト制御システムはフライトコントローラを含み、前記フライトコントローラは、前記目標航空機の検知された前記位置に基づいて前記反撃無人航空機の自律的な飛行を制御するように動作可能である、請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記航空機検知システムは、外部航空機検知システムを備え、
前記外部航空機検知システムは少なくとも1つの検知センサーを含み、少なくとも1つの前記検知センサーは、前記目標航空機を検知するように動作可能であり、前記外部航空機検知システムは、前記目標航空機の迎撃を容易にするために前記反撃無人航空機にコマンドデータを提供するように動作可能である、請求項14記載のシステム。
【請求項18】
前記外部航空機検知システムは、空域を監視するために地上構造に関連付けられ、
少なくとも1つの前記検知センサーは複数の検知センサーを備え、前記複数の検知センサーは、少なくとも1つの目標航空機を検知するように構成されている、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記フライト制御システムは、互いに結合された中央処理ユニット(CPU)とフライトコントローラとを含み、
少なくとも1つの前記検知センサーはカメラを含み、前記カメラは前記目標航空機の位置を検知するように動作可能であり、前記カメラは、前記中央処理ユニットに動作可能に結合され、前記目標航空機の動的飛行位置を追跡するために検知された前記位置に関連付けられたデータを処理し、
前記フライトコントローラは、前記目標航空機の前記動的飛行位置を迎撃するために前記反撃無人航空機の自律的な飛行を制御するように構成されている、請求項14記載のシステム。
【請求項20】
前記航空機捕捉対策手段は少なくとも1つの可撓性の絡み合い要素を含み、少なくとも1つの可撓性の前記絡み合い要素は、前記反撃無人航空機が前記目標航空機に近接することに応答して、前記目標航空機の少なくとも1つの回転プロペラ装置の動作を中断させるように構成されている、請求項14記載のシステム。
【請求項21】
前記航空機捕捉対策手段は、前記反撃無人航空機によって折り畳み位置と展開位置との間で動作可能である、請求項14記載のシステム。
【請求項22】
前記航空機捕捉対策手段は、第1及び第2支持部材を含む複数の支持部材を含み、少なくとも1つの可撓性の前記絡み合い要素は、前記複数の支持部材に結合されている少なくとも1つのネットとを含み、
前記複数の支持部材と少なくとも1つの前記ネットとは、前記折り畳み位置にあるときに折り畳み可能である、請求項21記載のシステム。
【請求項23】
記複数のネット捕捉ゾーンは、前記展開位置にあるときに、それぞれ互いに異なる方向に延び、前記航空機捕捉対策手段により規定される三次元捕捉ゾーンを規定する、請求項22記載のシステム。
【請求項24】
前記細長ロッドは、剛体の又は半剛体の直線的ロッド又は半径方向ロッを含む、請求項23記載のシステム。
【請求項25】
前記飛翔体を前記航空機捕捉対策手段に結合する解放機構をさらに備え
前記反撃無人航空機は、前記目標航空機を捕捉した後に、前記航空機捕捉対策手段を前記反撃無人航空機から解放するために前記解放機構を作動させるように動作可能であり、捕捉された前記目標航空機を特定位置に送る、請求項14記載のシステム。
【請求項26】
前記反撃無人航空機を含む複数の反撃無人航空機をさらに備え、
各反撃無人航空機は、地上構造又は他の少なくとも1つの反撃無人航空機に関連付けられた前記航空機検知システムの少なくとも1つと通信し、各反撃無人航空機は、展開可能な航空機捕捉対策手段を含む、請求項17記載のシステム。
【請求項27】
目標航空機に航空上の無力化を行う方法であって、
目標航空機を検知するステップと、
前記目標航空機を迎撃するために反撃無人航空機(UAV)を作動させるステップと、
航空機捕捉対策手段が収容位置から展開位置へ受動的に移動することを容易にするステップであり、前記航空機捕捉対策手段は、上部展開機構に接続された少なくとも1つの上部支持部材と、下部展開機構に接続された少なくとも1つの下部支持部材とを含み、前記上部展開機構及び前記下部展開機構は、少なくとも1つの前記上部支持部材と少なくとも1つの前記下部支持部材との前記収容位置から前記展開位置への受動的な移動を容易にするように動作可能であり、前記航空機捕捉対策手段は、ネットを含む少なくとも1つの可撓性の絡み合い要素を含み、前記ネットは、少なくとも1つの前記上部支持部材を少なくとも1つの前記下部支持部材と結合し、少なくとも1つの前記上部支持部材と少なくとも1つの前記下部支持部材とは、それぞれ細長ロッドを含む、容易にするステップと、
前記反撃無人航空機に担われる前記航空機捕捉対策手段により、前記目標航空機を捕捉するステップとを備えている、方法。
【請求項28】
前記目標航空機を検知する前記ステップはさらに、航空機検知システムの少なくとも1つのセンサーによって動的飛行位置を追跡することを含み、
前記航空機検知システムは、前記反撃無人航空機に搭載された検知センサーと、前記反撃無人航空機からリモートで位置する検知センサーとのうち少なくとも1つを含む、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記反撃無人航空機を含む複数の反撃無人航空機の間で位置データを通信するステップをさらに備え、
各反撃無人航空機は展開可能な航空機捕捉対策手段を含む、請求項27記載の方法。
【請求項30】
前記目標航空機を追跡するために前記反撃無人航空機のカメラのポインティング位置を確立するステップをさらに備え、前記ポインティング位置は航空機検知システムから受けたコマンドデータに基いている、請求項27記載の方法。
【請求項31】
前記目標航空機を捕捉するために三次元捕捉ゾーンを規定するように、前記航空機捕捉対策手段を折り畳み位置から展開位置へ移行させるステップをさらに備えている、請求項27記載の方法。
【請求項32】
前記目標航空機を捕捉した後に、前記航空機捕捉対策手段を前記反撃無人航空機から解放するために、前記反撃無人航空機を前記航空機捕捉対策手段に結合する解放機構を作動させるステップをさらに備え、捕捉された前記目標航空機を特定位置に送る、請求項27記載の方法。
【請求項33】
前記目標航空機を検知する前記ステップはさらに、前記反撃無人航空機にそれぞれ支持された光学センサーとレーダーセンサーとを作動させ、前記目標航空機の位置を検知することを含む、請求項27記載の方法。
【請求項34】
前記目標航空機を検知する前記ステップはさらに、前記目標航空機に関連付けられた位置データを生成するように、地上構造に関連付けられた複数の検知センサーを作動させることを含み、
方法はさらに、前記位置データを前記反撃無人航空機に対して継続的に通信するステップを備えている、請求項27記載の方法。
【請求項35】
前記目標航空機を検知する前記ステップはさらに、前記目標航空機に関連付けられた位置データを生成するように、複数の検知センサーを作動させることを含み、
方法はさらに、前記複数の検知センサーに関連付けられた信頼性階層に基づいて、1つ以上の検知センサーに関連付けられた前記位置データを除去するステップを備えている、請求項27記載の方法。
【請求項36】
目標航空機に航空上の無力化を行う反撃無人航空機(UAV)であって、
飛翔体と、
検知された目標航空機を迎撃するために、反撃無人航空機の飛行を制御するフライト制御システムと、
前記飛翔体に担われ、検知された前記目標航空機を捕捉する航空機捕捉対策手段とを備え、
前記航空機捕捉対策手段は、少なくとも1つの支持部材と、少なくとも1つの前記支持部材に支持された少なくとも1つの可撓性の絡み合い要素とを含み、少なくとも1つの前記支持部材は細長ロッドを含み、
少なくとも1つの前記支持部材と少なくとも1つの可撓性の前記絡み合い要素とは、収容位置から展開位置へ受動的に移動するように動作可能であり、
少なくとも1つの可撓性の前記絡み合い要素は巻きひげ部を含み、前記巻きひげ部は前記目標航空機のロータに絡むように動作可能であり、
前記細長ロッドは、第1端部で反撃無人航空機に係留され、前記巻きひげ部は、前記第1端部と逆側の第2端部で前記細長ロッドから延び、前記巻きひげ部が反撃無人航空機と絡むことを防止する、反撃無人航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、目標航空機の無力化及び捕捉のための展開可能な航空上の対策手段(countermeasure,対策材)に関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機(UAV)、例えばマルチロータ・ドローン、固定翼ドローン、及び傾斜ロータ・ドローンなどは、過去10年間でますます大衆的なものとなってきている。この人気は、常に性能を向上させていることとあいまって、偶発的であっても意図的であっても、他の航空機や構造物との衝突という点で脅威となっている。また、価値の高い標的へのテロ攻撃などの、一層深刻な脅威がますます現実化し、その可能性も高まっている。即ち価値の高い標的は、政府の複合施設、国際空港、原子力又はその他の発電所、石油化学施設、貯水池、スポーツイベント、及び、人の集中する又は重要な、他のインフラストラクチャー又は場所などである。このような脅威に寄与する要因は、ドローンの速度の高さ、小さなシグネチャー、多数のドローンによる同時の編成した攻撃の可能性、ますます大きくなる積載量を運ぶ能力などである。これらの状況は、ドローンが比較的安価で、入手が容易で、携帯性が高く、機動性が高いという事実によって悪化している。さらに、消費者ドローンは、耐久性、レンジ、及び積載量の搬送能力の点で劇的に改善されており(例えば、消費者ドローンの中には、50ポンドまで運べるものがあり、より高価格で進歩した他のドローンは、400ポンドまで運べるものがある)、これは、大量の爆発物、発射体、生物兵器、及び/又は化学兵器を運ぶのに十分である。多くの場合、意図的な攻撃のために操作されたドローンが発射され、わずか数秒で保護される周辺に飛んではいることができる。攻撃するドローンを検知し、無力化するための時間は最小限しか残されない。
【発明の概要】
【0003】
これらの全ての検討事項を念頭に置けば、1つ以上の安価な敵対ドローンは、プログラマ/オペレータによる非常に小さなコストと労力で、自律的に又は手動で、保護される領域に飛んではいる可能性があり、同時に、大きな損害及び/又は損傷を引き起こす可能性がある。特に、数百エーカー又は数百平方kmの資産に関連する比較的大きな空域を保護しようとする場合には、既存の技術を用いてこのような脅威に対処することは、非常に費用がかかり、複雑になる可能性がある。
【0004】
一例では、本開示は、目標航空機に航空上の無力化を行う反撃無人航空機(「反撃UAV」)を述べる。反撃無人航空機は、飛翔体と、検知された目標航空機を迎撃するために、反撃無人航空機の飛行を制御するフライト制御システムとを備えてよい。反撃無人航空機は、飛翔体に担われ、検知された目標航空機を捕捉し、目標航空機を無力化する航空機捕捉対策手段を備えてよい。
【0005】
一例では、反撃無人航空機は、目標航空機の位置を検知するように構成されている少なくとも1つの検知センサーを備え、フライト制御システムは、フライトコントローラを含み、フライトコントローラは、目標航空機の検知された位置に基いて反撃無人航空機の自律的な飛行を制御するように動作可能であってよい。
【0006】
一例では、飛翔体に支持され、外部航空機検知システムに通信可能に結合されている無線通信装置をさらに備え、無線通信装置は、外部航空機検知システムからコマンドデータを受けるように構成されてよく、コマンドデータは、外部航空機検知システムによって検知されたものとして目標航空機に関連付けられていてよい。
【0007】
一例では、本開示は、目標航空機を検知して無力化するシステムを述べる。本システムは、飛翔体と、反撃無人航空機の飛行を制御するフライト制御システムと、飛翔体に担われる航空機捕捉対策手段とを備えている反撃無人航空機(UAV)を備えてよい。本システムは、目標航空機を検知するように動作可能な少なくとも1つの検知センサーを有する航空機検知システムであり、反撃無人航空機による目標航空機の迎撃を容易にするために、反撃無人航空機にコマンドデータを提供するように動作可能であり得る航空機検知システムを備えてよい。目標航空機の迎撃に応答して、反撃無人航空機は、検知された目標航空機を航空機捕捉対策手段により捕捉するように動作可能であり、目標航空機を無力化する。
【0008】
一例では、航空機検知システムは搭載式の航空機検知システムを備え、搭載式の航空機検知システムは、目標航空機の位置を検知するように構成された少なくとも1つのセンサーを含む。フライト制御システムはフライトコントローラを含んでよく、フライトコントローラは、目標航空機の検知された位置に基づいて反撃無人航空機の自律的な飛行を制御するように動作可能である。
【0009】
一例では、航空機検知システムは、外部航空機検知システムを備えてよく、外部航空機検知システムは少なくとも1つの検知センサーを含み、少なくとも1つの検知センサーは、目標航空機を検知するように動作可能であり、外部航空機検知システムは、目標航空機の迎撃を容易にするために反撃無人航空機にコマンドデータを提供するように動作可能である。
【0010】
一例では、外部航空機検知システムは、空域を監視するために地上構造に関連付けられ、少なくとも1つの検知センサーは複数の検知センサーを備え、複数の検知センサーは、少なくとも1つの目標航空機を検知するように構成されている。
【0011】
一例では、本システムは、複数の反撃無人航空機と、複数の反撃無人航空機を結合する航空機捕捉対策手段とを備えてよい。複数の反撃無人航空機は、統一的に動作可能であってよく、目標航空機を航空機捕捉対策手段によって捕捉し、それによって目標航空機を無力化してよい。
【0012】
一例では、本開示は、目標航空機に航空上の無力化を行う方法を述べる。本方法は、目標航空機を検知するステップと、目標航空機を迎撃するために反撃無人航空機(UAV)を作動させるステップと、反撃無人航空機に担われる航空機捕捉対策手段により、目標航空機を捕捉するステップとを備えてよい。
【0013】
一例では、目標航空機を検知するステップはさらに、航空機検知システムの少なくとも1つのセンサーによって動的飛行位置を追跡することを含む。
【0014】
一例では、本方法は、複数の反撃無人航空機間で位置データを通信し、目標航空機の統一的な無力化を容易にすることと、複数の反撃無人航空機の飛行を統一的にすることによって、航空機捕捉対策手段を展開位置に展開することとを備えてよい。
【0015】
本発明の特徴及び利点は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかであり、添付の図面は、一例として、本発明の特徴を一緒に示している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の例に係り、反撃UAVを用いて目標航空機を検知し、無力化するシステムを、グラフ的及び概略的に示す図である。
図2】本開示の例に係り、図1のシステムの可能な検知及び通信の特徴を示すブロック図である。
図3】本開示の例に係り、図1の反撃UAVのいずれか1つの可能な検知及び動作特徴を示すブロック図である。
図4A】本開示の一例に係り、収容位置又は折り畳み位置で航空機捕捉対策手段を運び又は支持する、図1の反撃UAVの1つを示す。
図4B図4Aの反撃UAVを示し、折り畳み位置から展開位置へ移行する航空機捕捉対策手段を示す。
図4C図4Aの反撃UAVを示し、展開位置にあり、目標航空機を捕捉しようしている航空機捕捉対策手段を示す。
図4D図4Aの反撃UAVを示し、空中攻撃航空機捕捉対策手段と、反撃UAVによって解放されている捕捉された目標航空機とを示す。
図5A】本開示の例に係り、着地状態にある間、台座によって支持された、図4Aの反撃UAVを示す。
図5B】目標航空機を迎撃及び無力化するために台座から展開された図4Aの反撃UAVを示す。
図6A】本開示の別の例に係り、収容位置又は折り畳み位置で航空機捕捉対策手段を運び又は支持する、図1の反撃UAVの別の1つを示す。
図6B図6Aの反撃UAVを示し、折り畳み位置から展開位置へ移行する航空機捕捉対策手段を示す。
図6C図6Aの反撃UAVを示し、展開位置にあり、目標航空機を捕捉しようしている航空機捕捉対策手段を示す。
図7】本開示の別の例に係り、航空機捕捉対策手段を支持し牽引する反撃UAVを示す図である。
図8】本開示の別の例に係り、航空機捕捉対策手段を支持し牽引する反撃UAVを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図示された例示的な実施形態を次に参照する。本明細書では、これを記述するために特定の言い回しを使用する。それでも、本発明の範囲の制限は意図されないことが理解されるであろう。
【0018】
本明細書では、「実質的に」という用語は、作用、特徴、特性、状態、構造、項目、又は結果の、完全又はほぼ完全な範囲又は程度を指す。例えば、「実質的に」囲まれる物体は、その物体が完全に囲まれるか、ほぼ完全に囲まれることを意味することになる。絶対的完全性からの正確な許容可能な逸脱の程度は、場合によっては、特定の文脈に依存することがある。しかし、一般的に、完了の近さは、絶対的及び完全な完了が得られたかのように、同一の全体的な結果をもたらすとなる。否定の意味で使用される場合も同様に、「実質的に」という用語は、作用、特徴、特性、状態、構造、項目、又は結果の、完全又はほぼ完全な欠如を指すために、適用される。
【0019】
本明細書で使用される場合、「隣接」とは、2つの構造又は要素の近接を意味する。特に、「隣接」であると特定される要素は、当接するか、接続されるかであってよい。このような要素は、必ずしも互いに接触することなく互いに近いか、近接するかであってよい。ある場合は、正確な近接度は、特定の状況に依存することがある。
【0020】
さらに本技術を説明するために、図面を参照して例を提供する。
【0021】
図1は、外部航空機検知システム100、及び例示的な反撃UAV102a~102cのような、1つ以上の反撃UAVを用いて、空域Aを保護するシステム及び方法を、概略的かつグラフ的に示す。空域Aを侵食又は接近している可能性があり、空域Aに対する脅威であると判断される1つ以上の目標航空機(例えば目標航空機104a及び104b参照)を無力化する目的で、外部航空機検知システム100は反撃UAV102a~cと通信するように構成されてよい。図2は、外部航空機検知システム100のコンポーネント、及び目標航空機104a及び/又は104bの検知とリアルタイム追跡とを実行する外部航空機検知システム100の能力を示すブロック図であり、反撃UAV102a~102cとコマンドデータを通信するように構成されてよい。コマンドデータは、目標UAVの捕捉を容易にするのに関連する任意のデータを含んでよい。これに限定されないが、目標UAVの位置に関するデータを含む。また、図3は、目標航空機104a及び/又は104bを無力化する個々の反撃UAV(例えば102a~102cの任意の1つ)の制御システムを示し、外部航空機検知システム100及び他の反撃UAV102によって制御システムがどのように動作可能かを示すブロック図である。
【0022】
概観として、また一例では、図1のシステムは外部航空機検知システム100を備えてよく、これは、空域A内のインフラストラクチャー及び/又は資産(例えば建物、民間の飛行機、公共設備、人員)に対する脅威となり得る飛来する目標航空機104a及び104bを検知するように構成されている。検知された目標航空機104a及び104bに関する情報、例えば、定期的に又はリアルタイムで得られるそれらの追跡位置、それらの高度、軌道、速度、ならびに目標航空機104a及び104bに関連する任意の他の感知又は取得情報を取得して通信するように、外部航空機検知システム100は構成されてよい。一旦取得されると、この情報は、反撃UAV102a~102cに対して通信してよい。その結果、反撃UAV102a~102cは、以下にさらに詳述するように、それぞれの目標航空機104a及び104bを迎撃し、無力化してよい。目標航空機104a、104bは、任意のタイプのUAV、例えば、限定はされないが、無人の単一ロータ又はマルチロータUAV、又は固定翼UAV(又は傾斜ロータUAV)、及び、自律的に又は手動で動作可能な他のタイプであってよい。これに代えて、目標航空機104a及び104bは、有人ヘリコプター、有人プロペラ飛行機、又は他の有人航空機のような有人航空機であってよい。前述したように、目標航空機104a及び104b(例えばマルチロータUAV)は、重大な脅威となることがある。なぜならば、空域の中で垂直に上下して数kmに達することができ、多くの分数だけ(many minutes)滞空でき、非常に機敏で、高速で、障害物の周囲で操縦可能であり、小さな視覚/IR/レーダーシグネチャーを有し、相当量の積載量で輸送できるからである。従って比較的短い時間枠(例えば数秒)内に、それらの位置及び速度を迅速に検知し追跡することは、空域Aの侵害を効果的に防止するために重要であり、さらに重要なこととして、監視空域Aに関連する資産を保護するために重要である。
【0023】
「迎撃」とは、反撃UAV102a(及び/又は102b、102c)などの反撃UAVが、反撃UAV102aが目標航空機104aに関して無力化機能を実行することを可能にする目標航空機(例えば目標航空機104a)に対する位置に飛んではいることを意味してよい。これは、限定されないが、目標航空機104aの投影飛行経路の中へ、又は目標航空機104aに近接するがここからオフセットされた飛行経路に沿って、又は目標航空機104aに近接する位置に向けて、又は目標航空機104aの後方の飛行経路に沿って、又は任意の他の飛行経路に沿って、又は反撃UAV102aが目標航空機104aに密接に近接する任意の位置に向けて、反撃UAV102aを飛行させることを含んでよい。
【0024】
外部航空機検知システム100と関連して本明細書で説明した多くのコンポーネントを支持し得る、地上構造、ビークル(vehicle,例えば陸上、海上又は空中)、可動プラットフォーム、又は他のプラットフォームに、外部航空機検知システム100は支持されてよく、又はこれを伴ってよい。外部航空機検知システム100は、領域又は異なる構造の周囲に互いに間隔をおいて配置された多数のセンサー又はプラットフォームを含んでよい。ジンバルを制御し、位置を指示し、目標航空機に関連するデータを処理し、1つ以上の反撃UAVにコマンドデータを通信するために、各センサー又はプラットフォームは、互いに及び/又は中央コンピュータシステムに、通信可能に結合してよい。複数の航空機検知システム(例えば100)は、一層大きな空域を保護するために領域の周囲に組み込まれてよく、各システムは、与えられた空域を協調的に監視及び保護するために、他の航空機検知システムのコンピュータシステムに通信可能に結合されたコンピュータシステムを有してよいことに留意されたい。
【0025】
より詳細に図2に示すように、外部航空機検知システム100は、少なくとも1つの検知センサー106a(図示しないが、当業者には理解されるように、n個(任意)までの検知センサーを想定する)を備えてよく、これは、目標航空機104a及び104bに関連するデータ(例えば速度、地理位置、高度、軌道又は飛行経路など)を収集及び生成するように動作可能である。例えば、検知センサー106aは、音響センサー110aなどの1つ以上の音響センサーと、1つ以上のカメラ、例えば目標航空機104a及び104bに関連するデータを収集し生成するように動作可能なカメラ114aなどとを備えてよい。検知センサー106aは、レーダー装置107a、LIDAR装置109a、及び/又は双眼鏡(双眼望遠鏡)111aのような、他の目標を取得する資産(構成)を含んでよい。その各々がCPU(中央処理ユニット)112に結合され、目標航空機の方位角・仰角/傾斜角を測定する能力を有する。さらに検知センサー106aは、他のセンサー、例えば、離陸前の目標航空機を検知するために使用される電磁的シグネチャーのセンサー、及び/又はLWIRからSWIRまで、可視光までの電磁スペクトルの異なる部分にわたって動作するカメラなどを含んでよい。他の可能なセンサーとしては、発光器の検知帯域に密接に一致した検知帯域を有する検知器(例えばカメラ)を備えた狭帯域発光器、及び/又は、検知を容易にする電磁スペクトルの異なる部分で目標を蛍光発光させ得る狭帯域発光器(例えばUV源)などの他のセンサーが挙げられる。検知センサー106aは、複数の目標航空機を同時に検知してよい。CPU112(又は複数のCPU)は、どのセンサーが目標航空機に関して最も信頼性があるか、又は確かであるかを決定するように構成してよく、その後に、特定の目標航空機を追跡することから他のセンサーの割り当てを解除して、そのようなセンサーの1つ以上を、目標航空機を追跡及び監視し続けるように割り当てるように構成してよいことに留意するものとする。この概念は、「信頼性階層」に関して以下でさらに説明する。
【0026】
いくつかの例では、音響センサー110aは、目標航空機104a及び104bを長い距離(例えば500mまで、又はそれ以上)で検知及び追跡することができる1つ以上のマイクロホンを含んでよい。UAVのシグネチャーのデータベースは、検知された目標航空機104a及び104bの存在及びタイプを決定するために、航空機検知システム100のCPU112によって取得又は構築され、アクセスされてよい。このようにして、(「友好的」UAV及び「敵対的」UAVが異なるタイプのUAVであると仮定し、又はCPU112が、反撃UAVの既知の位置に基づいて、2つの間を区別するようにプログラミングされていると仮定して)、CPU112はプロセッサを使用して、目標航空機104a及び104bのシグネチャーを検知しながら、飛行中である可能性のある任意の(友好的な)反撃UAV102a~102cのシグネチャーを除去又は無視することができる。
【0027】
いくつかの例では、1つ以上のセンサー又はカメラ114a(n個のセンサーを意図しているが、例えば、センサー114aを参照)(例えばIR、光学、CCD、CMOSを参照)は、外部航空機検知システム100の1つ以上の検知センサー(n個の検知センサーを意図しているが、例えば、検知センサー106aを参照)として組み込んでよい。例えば、赤外線(IR)カメラをシステム内に実装し、飛来する可能性のある目標航空機を見るために特定の空域に向けてよい。赤外線カメラは、他のセンサー(例えば光学カメラ)が経験する環境問題を克服するのを助けることができるので、このシステムで有用である。なぜなら、赤外線カメラは、暗所、霧のかかった状態、ほこりの多い状態、又は曇った状態で動作できるからである。このシステムで使用されるIRカメラは、目標航空機(例えばUAV)からのIR信号が飛行中の鳥からの信号とは大きく異なるという付加的な利点を有する。短波赤外(SWIR)スペクトルに基づくIRカメラは、物体が反射、跳ね返り物体であるため、可視波長と同様に物体と相互作用してよい。その結果、SWIR光は、その画像に影とコントラストを有する。SWIRカメラからの画像は、解像度及び精細さで可視画像と同等である。夜空の照明光、又は夜光と呼ばれる大気現象は、星の光よりも5~7倍多くの光を発するのであり、そのほとんどはSWIR波長に含まれている。このため、SWIRカメラでは、月のない夜に鮮明な物体を見ることができる。このようなSWIRカメラは、本発明の外部航空機検知システム100(及び/又は反撃UAV)に組み込んでよい。長波長赤外(LWIR)カメラは、SWIRカメラよりも太陽からの放射線の影響を受けにくいため、屋外での使用に一層適している。このように、LWIRカメラは、目標航空機を検知し追跡する屋外使用の利点から利益を得るために、外部航空機検知システム100に組み込んでよい。光学カメラ(例えばHD、4K)のような他のカメラも、目標航空機104a及び104bの位置の検知及び追跡を補助するために、外部航空機検知システム100の検知センサー106aとして組み込んでよい。
【0028】
いくつかの例では、1つ以上の望遠レンズは、使用されるセンサーのタイプに応じて、1つ以上のSWIR及びLWIRカメラ、及び/又は光学カメラに内蔵され、これとともに動作可能である。また、角度位置及び/又は方位角・仰角を含む、目標航空機104a及び104bの位置の検知及び追跡を支援するために、1つ以上の望遠レンズは、外部航空機検知システム100に関連する高解像度モータージンバル(例えば2軸ジンバル)上に取り付けてよい。これは、いくつかの場合に使用されるセンサーのタイプに依存する。本明細書に記載される2つ以上の検知センサーを使用して、目標航空機のレンジを計算してよい。さらに、特定のカメラ(例えばIRカメラ、光学カメラ)を搭載式の(又はリモートで支持された)レーザー距離計と組み合わせて使用して、三次元空間(例えば、距離、方位角、及び仰角)における目標航空機の位置を決定してよい。このような望遠レンズ及びジンバルは、それぞれ、関連するカメラのポインティング位置を確立し(及びポインティング位置を動的に修正する)、従って、例えば、特定のカメラの視野(FOV)105a(図1)を調整するように動作させてよい。これらの望遠レンズ及びジンバルは、特定の目標航空機の動的飛行位置又は経路を連続的に追跡するために、手動又は自律的に(後述する)操作してよい。一例では、360度のカメラ装置(IRカメラ又は光学カメラを有する)は、360度の空域全体を監視するために、外部航空機検知システム100と一体化されてよい。この空域を監視するために動作のためにジンバルは、必要とする場合もあれば、必要としない場合もある。
【0029】
外部航空機検知システム100のCPU112によって記憶され処理されるコンピュータビジョンアルゴリズムは、目標航空機104a及び104bの自動検知及び追跡のために実施されてよい。このようなコンピュータビジョンアルゴリズムは、動いている物体を静止背景から「引っ張り出し」、それを形状によって分類する(即ち特徴検知)ことができる。目標航空機104a及び104bの他の分類メカニズムは、ニューラルネットワークを使用することを含む。これは、人間の脳の動作を模倣するように設計されたコンピュータアルゴリズムであって、特定の検知された目標航空機104a及び104bに類似し得るプロファイルの既知の/記憶された画像を認識するように訓練されている。この機能性を達成するために、さまざまな既知のアルゴリズムを実施することができることを、当業者は認識することである。これらは、業界で既知のYou Only Look Once(YOLO)検知アーキテクチャーによって提供されるような、高速検知と組み合わせた「畳み込みニューラルネットワーク」(CNN)を含む。目標航空機がコンピュータビジョンシステム(例えばCNN、YOLO)によって検知されると、カメラを支持するジンバル配向を使用して、目標航空機の方位角及び高さを決定してよい。複数のコンピュータビジョンシステムからの情報を組み合わせて、方位角及び仰角に加えて、レンジを計算してよい。さらに、コンピュータビジョンシステムを使用して収集された目標分類及び位置情報は、検知の可能性、及び/又は、目標航空機の分類の精度、及び/又は目標航空機の位置の追跡の可能性を高めるために、他のセンサー(例えば106a)から収集された情報と組み合わせられ/融合されてよい。
【0030】
いくつかの例では、位相ベースのビデオ動き処理技術を、外部航空機検知システム100(例えば、CPU112によって処理されるソフトウェア)に組み込むことができる。位相ベースのビデオ動き処理技術は、それ以外では検知できない非常に小さな動きを増幅する。さらにこの技術は、2015年7月1日に出願された米国特許公開公報20170000356号に記載されている。これは参照により本明細書に組み込まれる。従って、目標航空機(例えばUAV)に固有の小さな振動運動を検知することができ、これは、目標航空機を検知し追跡するためにカメラのみを使用することに伴う問題を克服することができる。例えば、米国特許公開公報20170000356号に同様に記載されているように、プロセッサ(例えばCPU112)によって実行される方法は、入力としてビデオ(例えば、目標航空機のビデオ)を受信し、微妙な変化及びマイクロモーションを誇張する。動きを増幅するために、本方法は、特徴追跡又は光学的フロー計算を実行せず、単に時空間処理を使用して時系列変化を拡大する。固定の空間領域の画素を時間的に処理するこのオイラー法は、情報の信号を明らかにし、実世界のビデオの小さな動きを増幅する。オイラー法は、2つ以上の画像の画素値を調べることから開始する。次いで、この方法は、検査された画素値の時間的変動(variations)を(プロセッサを用いて)決定する。この方法は、小さな時間的変動のみを増幅するように構成されている。この方法は、大きな時間的変動に適用できるものではあるが、この方法の利点は、目標航空機が長いレンジで検知される場合のように、小さな時間的変動に対して提供される。従って、入力ビデオが飛行中の特定の目標航空機の画像の間で小さな時間的変動を有する場合に、この方法は最適化されてよい。その次に、この方法は、信号処理を画素値に適用することができる。例えば信号処理は、たとえ時間的変動が小さい場合でも、決定された時間的変動を増幅してよい。例えば、本開示の外部航空機検知システムの光学センサーによって連続的な画像で捕捉された目標航空機の振動を増幅してよい。
【0031】
一旦、目標航空機104a及び104bがビデオの連続フレーム(例えばIR及び/又は4K光学カメラ、及び/又はレーダーのような他のセンサーを使用して)で識別されたならば、目標航空機104a及び104bの動的飛行位置又は経路を自律的に追跡することと、異なる感知方法(例えばカメラ及びレーダー)で提供される位置情報を融合することとは、カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ、粒子フィルタ、又はベイズフィルタの他の変形例を利用することで実行してよい。これらのフィルタは、例えば、特定の目標航空機104aの速度、位置、及び方向の推定値をとり、次いで、目標航空機104aがビデオの次のフレームのどこにあるかを予測することで動作する。その後に、次のビデオフレーム内の目標航空機104aの位置が予測位置と比較され、速度、位置、及び方向の推定値が更新される。カメラ114aのうちの1つによるこのような追跡の間、フィードバック制御ループは、ジンバル(特定のカメラを支持する)を自律的かつ連続的に調節し、外部航空機検知システム100のカメラのFOV105aを中心に目標航空機104aを維持してよい。これは、特定の目標航空機の動的飛行位置の連続的な追跡を容易にし、又は維持させる。一般的なアルゴリズムは、重心追跡、エッジ検知、特徴ベースのアルゴリズム、及び面積相関追跡を含む。このカメラ及びフィルタのシステムを使用して、外部航空機検知システム100は、特定の目標航空機の飛行位置又は経路をリアルタイムで検知し追跡することができる。
【0032】
検知センサー106aが、外部航空機検知システム100の位置の周りの360度までの空域に関連する周辺を、協働して集合的に監視することができるように、実際に、多数の検知センサー106aを、外部航空機検知システム100の構造又はプラットフォームの周囲に配置してよい。これにより、空域(例えば空域をカバーする半径500m以上)を保護する。これに代えて、検知センサー106aは、保護される領域Aに対して重要な峡谷(谷間、canyon)又は他の特定の出口など、360度未満のカバー範囲の特定の関心領域を指すように取り付けられ、構成されてよい。
【0033】
いくつかの例では、外部航空機検知システム100は、検知された目標航空機104aを照明する(上述のように、目標航空機104aを連続的に追跡しながら)ように動作可能な、レーザー又は高出力LEDなどの少なくとも1つの照明装置(照明装置116aを参照)を備えてよい。特定の照明装置116aをジンバル装置(例えば、3軸)に取り付けてよい。このジンバル装置は、照明装置のポインティング位置又は方向を変更して、照明装置を一定の照明のために目標航空機104aの方へ連続的に誘導するように動作可能である。このようにして、コントローラ(CPU112に動作可能に結合された)は、目標航空機104aの追跡位置又は飛行経路に基づいてポインティング位置を制御するように動作してよい。以下に説明するように、反撃UAV102a~102cは、外部航空機検知システム100の照明装置116aによって目標航空機104aに照射された光の狭周波数帯域のみを検知するバンドパスフィルタ(カメラ上)を有してよい。
【0034】
外部航空機検知システム(100)の検知センサーの別の例では、方位角センサーと仰角センサーとを備えた人間用双眼鏡又は望遠鏡を使用して、潜在的な目標航空機の位置を特定し、反撃UAVに(及び/又は外部航空機検知システムのCPUに)部分位置情報を送信してよい。別の例では、望遠鏡ベース又は双眼ベースの検知システムは、レーザー距離計などの距離センサーを備えてよく、この距離センサーによって提供される情報は、方位角センサー及び仰角センサーによって提供される情報と組み合わせてよく、それによって、目標UAVの位置を3Dで追跡してよい。
【0035】
目標航空機104a(例えば)が監視空域(例えば、外部航空機検知システム100から半径500m以内)にはいると検知されると、外部航空機検知システム100は、航空機捕捉対策手段134aで目標航空機104aを無力化する目的で、コマンドデータを反撃UAV102aに送信してよい。そのようなコマンドデータを受信する前に、反撃UAV102a~102cは、それらが外部航空機検知システム100との通信レンジ内にある限り、領域Aの周囲の実質的に任意の位置で着地位置にあってよい。コマンドデータは、CPU112によって生成され、無線機118a~118cを介して反撃UAV102a~102cに送信される。任意であるが、双方向自由空間通信リンク113を、無線機118a~118cの交換(又は補足)に利用してよい。コマンドデータは、位置データを含んでよく、目標航空機104a及び104bの検知された位置(検知位置)に関連付けられてよく、コマンドデータは、飛行経路、高度、経度、緯度、GPS座標(度、分、秒)、及び/又は特定の目標航空機の地理位置及び/又は飛行経路に関連付けられる他のデータを含んでよい。コマンドデータはまた、検知された目標航空機を迎撃するためにある速度及び方向で飛行するように、1つ以上の反撃UAV102a~102cを指令する情報又は命令のような迎撃データを含んでよい。
【0036】
また、外部航空機検知システム100によって反撃UAVに送信されるコマンドデータは、航空機捕捉対策手段を展開するコマンドデータ、例えば、特定の場所及び時間などに特定の航空機捕捉対策手段を展開するために反撃UAV102a~102cに指示又は命令する、情報又は命令などを含んでよい。さらにコマンドデータは、位置データ又は情報(上述した)のような目標航空機検知データ、また検知センサー106aによって検知された目標航空機のUAVのタイプに関する識別情報のような、位置情報以外の情報も、含んでよい。例えば、(以下の記載で述べられ理解されるように)目標航空機を無力化するために展開される対策手段のタイプに影響を与え得る、特定の目標航空機のサイズ、タイプ(例えば固定又は回転翼)、搭載式の(on-board)機能、及び/又は性能能力を決定するために、そのような情報は外部航空機検知システム100及び/又は反撃UAV102a~102cを助けてよい。
【0037】
コマンドデータはまた、反撃UAV制御データを含んでよく、これは、反撃UAV102a~102cのいくつかの態様又は全ての態様を制御する(外部航空機検知システム100からの)命令を含んでよい。このようにして、反撃UAV102a~102cは、内部飛行制御を無効化又はオーバーライドした「ダミー」ドローンとなってよい。その結果、外部航空機検知システム100は、飛行、展開、センサーポインティングなどを制御してよい。従って、反撃UAV102b及び102cの飛行及び対策手段(例えば、ネット)の展開を制御しながら、外部航空機検知システム100は、例えば、1つの検知センサー及び処理ユニットを用いて、目標航空機104bの位置又は飛行経路を検知し、監視してよい。
【0038】
そのようなコマンドデータの少なくとも一部を使用して、迎撃及び無力化の目的のために、目標航空機104a及び104bの位置(又は予測位置)に向かって、又はこれに密接に近接して、飛行するように、反撃UAV102a~102cは誘導又は指示されてよい。図1及び図2に関して論じたこのシステムは、目標航空機104a及び104bが、空域Aから数km、さらには高度で数km離れていてよい場合に特に有利である。これは、個々の反撃UAVが、相当に広い空域と可能な長いレンジとの中で、どこを「見る」べきか(また、どの方向に飛ぶべきか)を知ることが困難なことがあるためである。これは、FOVが著しく低下(例えば、10度以下)した場合に、反撃UAVの多くの搭載式のカメラが、一層大きなレンジ(例えば、100mを超える)で標的を検知し、識別し、分類しさえすればよいためである。
【0039】
上述のように、外部航空機検知システム100は、複数の検知センサー(例えば、検知センサー106aのうちの2つ以上)を動作させて、目標航空機に関連する位置データを生成してよい。次いで、CPU112は、複数の検知センサーに関連付けられた信頼性階層に基づいて、1つ以上の検知センサーに関連付けられた位置データを除去するように動作してよい。このような信頼性の階層は、環境条件に基づいてよい。例えば、昼間に動作し、雲を伴わない場合、(1)光学カメラ、(2)双眼鏡、(3)赤外線カメラ、(4)レーダー装置、(5)LIDAR装置、(6)音響センサー、(7)照明装置、及び(8)他のセンサー、これらの優先順位付けされた検知センサーのリストから抽出された位置データを信頼性階層は含んでよい。より詳しくは、CPU112がこのような環境条件を決定するか、これを知ったときに、(1)光学カメラ、及び(2)双眼鏡(例えば、割り当てられた検知センサー)から生成された位置データを使用しながら、センサー3~7に関連する位置データを、CPU112は除去(及び/又は、そのようなセンサーを動作から割り当て解除)してよい。理想的には、光学カメラから生成された位置データは、雲、鳥などがなく昼間の日中に最も信頼できるものである。しかしながら、(2)双眼鏡から生成された信号が、何らかの特定の理由でより信頼性が高い場合(例えば、双眼鏡は、光学カメラよりも間欠的な信号損失が少ない)、CPU112は、光学カメラから生成された位置データを除去し、双眼鏡から生成された位置データを使用して、位置データを1つ以上の反撃UAVに対して通信してよい。特定の位置データを除去するこのような処理は、毎分多くの回数だけ起こり得るので、最良の追跡情報は、反撃UAVに送信するために外部航空機検知システム100によって生成及び処理され、それによって、検知された目標航空機を迎撃及び捕捉する可能性を改善又は増大させる。
【0040】
信頼性階層の別の例では、運転条件が夜間であり、雲のカバーがあると仮定し、外部航空機検知システム100によって監視される領域に非常に少ない光しか放射されないと仮定する。ここで、信頼性階層は、(1)赤外線カメラ、(2)音響センサー、(3)レーダー装置、(4)LIDAR装置、(5)照明装置、(6)その他のセンサー、(7)光学カメラ、(8)双眼鏡であってよい。これは、IRカメラが夜間に、上述のように、最も信頼できる位置データを生成し得るためである。従って、CPU112は、検知センサー4~8から生成された位置データを除去し、次いで、検知センサー1~3から生成された信号を分析して、生成された最も信頼できる位置データを決定してよい。例えば、音響センサーが他の音から干渉を受け、レーダー装置が気象パターンの影響を受けている場合、CPUは、IRカメラからの位置データのみを、反撃UAVに送信する最も信頼性の高い位置データ(かつ唯一のデータ)として使用して、検知された目標航空機を迎撃し捕捉する可能性を増大させてよい。
【0041】
本明細書に記載される方法のステップ及び操作を実行するように、1つ以上のプロセッサを導くように構成された1つ以上のコンピュータソフトウェアモジュールを含む、有形及び非一時的なコンピュータ読取り可能媒体を、CPU112は含むことができることを、当業者は理解するものとする。
【0042】
図3に示すように、特定の反撃UAV102a(例えば)は、1つ以上の光学センサー(例えば光学センサー119を参照)及び/又は他の検知センサー120を含んでよい。光学センサー119及び他のセンサー120は、目標航空機104a、104bの位置に関連付けられた光学センサー119及び他のセンサー120で生成されたデータを処理するためにCPU122に動作可能に結合されてよい。他のセンサー120は次の1つ以上を含んでよい。即ち、(a)温度センサー、(b)気圧計/高度計、(c)慣性測定ユニット(IMU)(ジャイロ加速度計)、(d)コンパス(マグノメータ又は磁気センサー)、(e)超音波及び光学フローセンサー、(f)光学距離計(例えば、Leddartech社によるLIDAR、Velodyne社によるLIDAR、又はQuanergy社によるLIDAR)、(g)RTK-GPS及びUWBタグ、(h)ステレオカメラ(光学ガイドシステム)、(i)高解像度カメラ、(j)低解像度カメラ、(k)LWIRカメラ、(l)ジンバル位置センサー、及び当業者に明らかな任意の他のセンサーのうちの1つ以上を含んでよい。さらにセンサー(a-e)、(g)、(i)、及び(j)は、フライトコントローラ126及びビデオダウンリンク無線機124に結合されてよい。
【0043】
そのようなセンサーのうちの1つ以上を操作することから生成された収集データに基づいて、フライトコントローラは、少なくとも1つの目標航空機の検知された位置又は飛行経路に基づいて、反撃UAVのナビゲーション/飛行のための1つ以上のプロペラ/モータ及びジンバル装置を操作するように構成してよい。
【0044】
さらに反撃UAV102aは、RF無線機124(例えばMobilicomソフトウェアで定義された無線又は他の類似の無線)のような無線通信装置を備えてよい。この無線通信装置は、外部航空機検知システム100からコマンドデータを無線で受信し、次いで、処理のためにコマンドデータをCPU122に伝送してよい。無線機124は、光学センサー119によって捕捉されたビデオフィードを、外部航空機検知システム100(又は他の外部コンピュータシステム、さらにあるいは手動でモニターされたディスプレイ)にもどすために使用してよい。
【0045】
反撃UAV102aは、受信したコマンドデータに基づき、目標航空機104aの位置又は飛行経路を迎撃するために、目標航空機104aの検知された位置に向かう方向に自律的に飛行してよい。さらに具体的には、カウンタ攻撃UAV102aは、CPU122によって処理されたコマンドデータに関連するコマンド信号を受領するためにCPU122に電気的に結合されたフライトコントローラ126を含んでよい。次に、フライトコントローラ126は、ロータ組立体(例えばロータ組立体128参照)、ジンバル又はジンバル組立体、及び他の任意のコンポーネント又はシステムなどの、反撃UAVのさまざまなコンポーネントを制御してよい。ロータ組立体は、各々、電子速度コントローラ130と、反撃UAV102aを飛行中に自律的に動作させるモータ/プロペラ132とを備えてよい。従って、少なくともCPU122、フライトコントローラ126及びロータ組立体128は、フライト制御システム133を規定してよい。フライト制御システム133は、さらに本明細書に記載されるように、反撃UAV102aの飛行を容易にして、目標航空機104aを迎撃するように動作可能である。
【0046】
更新されたコマンドデータは、反撃UAV102aに対して連続的に通信してよく、その結果、フライトコントローラ126は、目標航空機104aの追跡された飛行経路又は位置に対応して、反撃UAV102aの飛行を制御してよい。このようにして反撃UAV102aは、目標航空機104aを迎撃してよく、次に、図4A~8に関して以下にさらに例示するように、反撃UAV102aに結合された航空機捕捉対策手段134a(例えば展開可能なネット)により目標航空機104aを無力化することができる。
【0047】
一例では(例えば、外部航空機検知システムの補助なしに)、目標航空機104aをそれ自体で検知するように動作可能な搭載式の航空機検知システム137を、光学センサー119(及び/又は他のセンサー120)及びCPU122は規定してよい。従って、反撃UAV102aは、目標航空機104a(レンジ内であると仮定して)を検知してよく、次いで、CPU122は、コマンドデータを生成してよく、これは、コマンドデータに関連する信号をフライトコントローラ126に伝送して、反撃UAVの飛行を容易にし、目標航空機104aを迎撃してよい。このような搭載式の航空機検知システム137は、目標航空機104aの動的飛行位置を追跡するために、外部航空機検知システム100と関連して動作してよい。その結果、外部航空機検知システム100がそのようにできない場合には、搭載式の航空機検知システム137は、バックアップ検知システムとしてそれ自体でその状態を維持してよい。
【0048】
同時に(又は、これに代えて)、反撃UAV102aが着地位置から目標航空機104aに向けて出発する前に、外部航空機検知システム100からのコマンドデータを、反撃UAV102aのCPU122によって処理してよい。一例では、目標航空機104aを見つけるために空域の中で、どこで「見る」べきかを反撃UAV102aに「告げる」ように、光学センサー119のポインティング位置を制御する。具体的には、光学センサー119のうちの1つは、1つ以上のジンバル装置138によって、反撃UAV102aの飛翔体又はプラットフォームに回転可能に取り付けられてよい。次いで、CPU122は、ジンバル装置138の動作を制御するジンバルコントローラ(例えば3軸ジンバル)に制御信号を伝送してよく、光学センサーのポインティング位置を確立して制御する(即ち、検知された目標航空機の方にカメラを向ける)。目標航空機104aがカメラの検知レンジ内(例えば、いくつかの例では150mまで、又はそれ以上)である限り、反撃UAV102aは、必要な場合は、外部航空機検知システム100の支援なしに、それ自体で目標航空機104aの位置を検知及び追跡してよい。
【0049】
いくつかの例では、他のセンサー120は、コンパクトフェーズドアレイレーダー及び自動車レーダーのような1つ以上のレーダー装置を備えてよい。Echodyne Mesa-X7、Fortem Technologies TrueView R20などの小型フェーズドアレイレーダーシステムと、Delphi Automotive Radarなどの自動車レーダーシステムとは、反撃UAV102aに組み込むことができ、このUAV102aは、小型の消費者用ドローン(例えばDJI Phantom(登録商標) 4)などの小型目標用に200mを超える射程(レンジ)を有する。レーダーアレイはまた、目標航空機の検知のための外部航空機検知システム100の検知センサーとして使用できる。
【0050】
いくつかの例では、外部航空機検知システム100で目標航空機104aが検知できない場合(例えば天候、又は断続的な信号損失のために)、反撃UAV102aは、そのコンポーネント(図3)を利用して目標航空機104aを検知、追跡、及び迎撃してよい。このような場合、外部航空機検知システム100が存在しない、又は使用可能である場合、複数の反撃UAVが、それぞれのカメラが関心のある方向に向けられるように、空域Aの周囲に配置されてよい。そして、飛来する目標航空機の検知に応答して、反撃UAVは、その後、目標航空機(これは、種々の例でさらに本明細書に記載されるように、搭載式のカメラのFOV及びレンジ内にある)を自律的に検知、分類、追跡、迎撃及び無力化してよい。
【0051】
航空機捕捉対策手段がネット(例えば図1、4A~7)を含むいくつかの例では、反撃UAV102aは、ネット制御及び展開システムを支持又は搬送してよい。ネット制御及び展開システムは、CPU122に動作可能に結合されたネットコントローラ140と、ネット組立体146(例えば図1及び4Aの航空機捕捉対策手段134a)に動作可能に結合された解放装置142及び拘束装置144とを含む。ネット組立体146は、ネット/UAVインターフェース装置148、例えば、クイックリリース装置又は他の結合装置を介して、反撃UAV102aの飛翔体又はプラットフォームに結合してよい。さらに、図4A~6Cに関して以下に例示するように、ネットコントローラ140は、拘束装置144を制御して、ネット組立体146を折り畳み位置又は収容位置から展開位置へ移動させるのを容易にするように動作されてよい。目標航空機104aが捕捉されると、例えば(図1)、力センサー150(ネット組立体146に結合されている)は、重力及び空気抵抗により反撃UAV102aを引っ張る捕捉された目標航空機104aの質量により目標航空機が捕捉されたという事実を感知してよい。力センサー150は、それに応じてCPU122に(又はネットコントローラ140に)信号を伝送してよく、次いで、ネットコントローラ140は、ネット組立体146及び捕捉された目標航空機104aを特定の位置で解放するために解放装置142を作動させるように、動作されてよい。さらに、このネットの制御及び展開システムは、上述の機能性を達成するために使用され得る多数のコンポーネントを含み、図4A~6Cに関して例示され、以下に説明される。
【0052】
図3に示される種々のコンポーネントは、反撃UAV102a(及び本明細書で述べる他の反撃UAV)の飛翔体201(図4A)によって、又はその周辺で支持されてよい。飛翔体201は、図3に関して説明したコンポーネントを構造的に支持する(また、コンポーネントの一部又は全部に電力を供給するバッテリを支持する)飛翔体又はその一部を含んでよい。
【0053】
図1に示すように、一例では、いったん、離陸した反撃UAV102aが、目標航空機104aからある距離(例えば10~150m)内を飛行し、目標航空機104aが、光学センサー119のFOV136a内にあるようになったら、反撃UAV102aは、光学センサー119を利用して、迎撃及び無力化の目的のために、目標航空機104aの位置を連続的に追跡してよい。例えば、特定の光学センサーは、ジンバル装置(反撃UAV102aによって支持及び作動される)に取り付けられたビデオカメラを含んでよく、このビデオカメラは、外部航空機検知システム100の検知センサーに関して上述したように、目標航空機104aを識別及び追跡するように作動してよい。例えば、カルマンフィルタ(又はベイズフィルタの別の変形例)は、CPU122のプロセッサによってアルゴリズムとして実行してよい。ビデオカメラによって生成されたデジタル信号を使用して、特定の目標航空機の速度、位置、及び方向を推定及び予測する。その後に、例えばビデオカメラのFOV136aを中心に目標航空機を維持するようにジンバル装置を自律的かつ連続的に調節するフィードバック制御ループを実行する。このようなカメラでは、カメラのFOVを低下させてしまう犠牲を払ってであるが、目標航空機を識別し、150m~300mのレンジで追跡し得る距離を最大化するために、いくつかの例では、長焦点又は中焦点の望遠レンズを備えてよい。しかしながら、外部航空機検知システム100は、目標航空機104aの検知された位置に関連するコマンドデータを反撃UAV102aに送信することができる。従って、搭載式のカメラがより長い検知レンジ及び追跡能力を有することを意味する場合には、より狭いFOVが、いくつかの例では許容可能であってよい。この原理は、光学センサー119のFOV136b内にある目標航空機104bについても同様に当てはまり、反撃UAV102b(又は102c)は、光学センサー119を利用して、目標航空機104bの位置を継続的に追跡し、目標航空機を迎撃してよい。
【0054】
いくつかの例では、反撃UAV102a(及び102b、102c)は、狭帯域バンドパスフィルタを有する光学センサー又はカメラ(例えば119)を備えてよく、光学的な周波数整合の光源(例えば高出力LED)を伴ってよい。LEDは、背景の寄与を低減しつつ、目標航空機104aを照明する向きにしてよく、その結果、カメラ及びフィルタは、目標航空機104aを一層よく検知し追跡することができる。また、このような搭載式のカメラ及び狭帯域バンドパスフィルタは、図1の説明に関して最初に述べたように、外部航空機検知システム100の照明装置116aで目標航空機に照射された光の周波数のみを検知するために使用してよい。
【0055】
いくつかの例では、本明細書で例示される各反撃UAVは、GPSの補助なしに、ランドマークのみに基づく経路を飛行するのを支援するために、視覚的慣性オドメトリー(VIO)技術を利用してよい。VIO技術は、IMU単独の固有のドリフト(偏流)を軽減するための単眼のカメラ(又はステレオ追跡ランドマーク)とIMUとの融合である。近年、Qualcomm Research(その他)では、VIO技術を利用する場合、GPSの支援なしでも、ドローンは650mの飛行経路上を1%未満のドリフトしか持たないことが示された。これにより、動作計画と障害物マッピングが可能になる。従って、本明細書で説明される反撃UAVは、このVIO技術(高解像度ビデオ(例えば4K)、他の低解像度カメラ、デュアルバンドWi-Fi(登録商標)、GNSS、IMU、及び気圧センサーとともに)を実施してよく、それにより、指定された目標航空機を「追跡」してよい。この指定された目標航空機は、反撃UAVの群が、ある一定の距離でその目標航空機に追従でき、その飛行経路を遮断し得る障害物を誘導するようにする。いくつかの例では、各反撃UAVは、GPS信号が断続的である(従って、正確な衛星測位が利用不可能又は不正確である)状況でのナビゲーションの補助となるために、GPS-VIO融合技術を利用してよい。このシナリオでは、各反撃UAVは、正確な位置を決定及び/又は更新するために、センサー融合位置推定器(例えば、搭載式のCPUの一部として)を含んでよい。センサー融合位置推定器は、搭載式のGPS装置(間欠信号)と、搭載式のカメラと、IMUとからデータを受領してよい。このアプローチでは、カルマンフィルタを使用して、GPSが利用可能なときにGPSとVIOからの情報を結合してよく、従って、VIAのみが利用可能な領域ではVIOを使用して計算された軌道誤差を最小化する。この目的のために、カルマンフィルタを用いて、システムの状態(例えば位置及び速度)を推定し、GPS及びVIOのような異なる方法を用いて得られたデータを融合してよい。さらに、他のアプローチ、例えば、相補的フィルタ、又はベイズ/マルコフ法を用いて、異なる感知システム及び方法論から得られたデータを融合してよい。
【0056】
図4A図4Dは、本開示の一例による、目標航空機104aを迎撃及び無力化するシステム及び方法を示す。図4Aに示すように、反撃UAV102aは、収容位置又は折り畳み位置F(図1及び4A)と展開位置D(図4C)との間で動作可能な展開可能なネット組立体の形態で、航空機捕捉対策手段134a(図1も参照)を備えているか、又は支持する。折り畳み位置Fでは、反撃UAV102aが飛行している間、航空機捕捉対策手段134aに対する抗力を最小限に抑えるために、航空機捕捉対策手段134aを低い抗力の配置(詳細は後述)としてよい。目標航空機104aに迎撃する反撃UAV102a(例えば密接に近接している)に応答して、目標航空機104aの予測された又は既知の飛行経路の近傍で又はこれに沿って、航空機捕捉対策手段134aは迅速に展開してよく、目標航空機104aを航空機捕捉対策手段134a内に捕捉する。これにより、目標航空機104aを、航空機捕捉対策手段134aのネットに目標航空機104aのロータ及び/又は本体を絡ませることによって無力化してよい。
【0057】
より詳しくは、航空機捕捉対策手段134aは、ネット204(例えばモノフィラメントのギルネット)のような少なくとも1つの可撓性の絡み合い要素で互いに結合された、複数の上部支持部材200a~200dと複数の下部支持部材202a~202dとを備えることができる。支持部材200a~200d及び202a~202dは、例えば、比較的薄くて(直径1/4インチ)長い(4~12フィート)ガラス繊維又は炭素繊維エポキシロッドのような、剛性を有するが軽量の構造的支持部材とすることができる。
【0058】
図4B及び図4Cに最も良く示されているように、航空機捕捉対策手段134aは、上部支持部材200a~200dの内側、近接、又は第1の端部を旋回可能に支持する上部展開機構206aを含んでよく、下部支持部材202a~202dの内側、近接、又は第1の端部を旋回可能に支持する下部展開機構206bを含んでよい。一例では、主支持部材208を上部展開機構206a及び反撃UAV102aに結合して、反撃UAV102aの飛翔体201から航空機捕捉対策手段134aを支持し、反撃UAV102aから離れるようにネット204を位置決めすることの補助となってよい(反撃UAV102aのロータに対してネットの予期されない絡みが生じることを防止する)。一例では、主支持部材208は、軽量の剛性ロッド又は半剛性ロッドを含んでよい。これに代えて、予期されない絡みを防止するために、航空機捕捉対策手段134aの重量が、反撃UAV102aの一般的に下方及び/又は後方に配置されたままとなるほど大きいと仮定すれば、主支持部材208は可撓性のテザー又はフィラメントと置き換えてよい。
【0059】
上部及び下部展開機構206a及び206bは、プラスチック又はアルミニウムのような耐久性のある軽量の材料で構成されたハウジング又はハブとすることができ、それぞれの支持部材200a~200d及び202a~202dの展開を支持して容易にする種々の構成及び機能性を含んでよい。例えば、折り畳み位置Fから展開位置Dまで約90度下方に各上方支持部材200a~200dが旋回することを可能にするピン(図示せず)によって、各支持部材200a~200dの内端は上部展開機構206aに旋回可能に結合されてよい(下部展開機構206bの場合も同様である)。これに代えて、弾性コードは上部展開機構206aに結合され、次に各支持部材200a~200dの細長い開口部を介して結合されてよく、次に各上部支持部材200a~200dの端部に結合されて、互いから解放されたことに応答して支持部材に下向きの引っ張り力を発生させ、各上部支持部材200a~200dが展開位置Dに移動しながら定位置に向けて引っ張られる、又はスナップされるようにしてよい。
【0060】
一例では、ネット拘束装置210は、反撃UAV102aと航空機捕捉対策手段134aとの間に動作可能に結合されてよい。折り畳み位置Fにあるとき、テザー(又は、他の結合装置、例えば取り外し可能/移動可能なピン又はクリップなど)は、上部支持部材200a~200d及び下部支持部材202a~202d及びネット204を一緒に束ねてよい。ネット拘束装置210は、反撃UAV102aのコントローラによって操作又は作動され、テザーを引っ張って、上下の支持部材200a~200d及び202a~202dを一緒に束ねられた状態から解放してよい。ネット拘束装置210は、例えば動作可能な電動のサーボモータ又は他の装置であってよく、例えば、上部支持部材200a~200d及び下部支持部材202a~202dを一緒に束ねる拘束装置を解除又は動かすように動作可能である。一旦解放されると、重力及び/又は空気抗力により、上部支持部材200a~200d及び下部支持部材202a~202dは、それらが図4Cの展開位置D内に配置又はロックされるまで、それぞれの展開機構206a及び206bに対して下方に枢動してよい(風力はまた、支持部材200a~200d及び202a~202dを引き下げることを補助してよい)。このような展開は、ネット204を展開位置まで展開させ、又は広げる。なぜなら、下部支持部材202a~202dは、重力(及び、場合によって現在の風力)によりネット204を上部支持部材200a~200dから下方に引っ張るからである。
【0061】
航空機捕捉対策手段134aを展開するこのような作動は、展開信号をネット拘束装置210の作動を制御するコントローラ(図示せず)に送信することができるCPU122によって自律的に実行してよい。CPU122は、反撃UAV102aに対する目標航空機104aの検知された近接に基づいて、そのような展開信号を送信するように構成してよい。例えば、目標航空機104aが約5m離れ、一定の高度ゲインで真北へ5m/sで向かうことを、1つ以上のセンサー(例えば119a-n及び/又は120a-n)が検知した場合、CPU122は、フライトコントローラ126に、目標航空機104aの飛行経路のすぐ上に位置するように反撃UAV102a(及びその航空機捕捉対策手段)を飛行させ、目標航空機104aを約5秒の飛行時間で迎撃してよい。従って、CPU122は、目標航空機104aを「迎撃」するわずか数秒前に、展開信号をネット拘束装置210に送信して、展開位置Dに航空機捕捉対策手段134aを展開してよい。次いで、目標航空機104aをネット204の中へ飛ばし、そのロータ及び/又は本体がネット204のフィラメントと絡み、それによって目標航空機104aを捕捉して無力化するのに十分な、比較的広い空域をカバーするように、航空機捕捉対策手段134aは約1~2秒で迅速に展開してよい。これは、全てCPU122(上述したように)を介して自律的に起こり得るので、目標航空機104aを反撃UAV102aで迎撃し、次いで目標航空機104aを捕捉するために航空機捕捉対策手段134aを展開することに、外部制御又は手動制御を必要としない。反撃UAV102aの自律的発射及び目標航空機104aの迎撃、及び航空機捕捉対策手段134aの自律的展開を提供することは、多くの場合、迅速な迎撃及び無力化が必要とされる多くの目標航空機の機動性及び速度により、有利であり得る。しかしながらもちろん、反撃UAV102aの打ち上げ、操作及び展開、及び手動システム又はパイロットシステムによる対応する航空機捕捉対策手段が、本明細書で意図される。人的モニタリングを利用して目標航空機を検知/追跡し、次いで有人相互作用又は指令を利用して航空機を展開し、目標航空機を迎撃して無力化する有人モニタリングシステムでは、このようなことを、迅速な無力化が必要でない場合に使用してよい。しかしながら、時間が本質的に重要な状況では、本開示の例は、航空機検知システムを用いた目標航空機の自律的な検知及び追跡、次いで、1つ以上の反撃UAVへの自律的な通信、次いで、1つ以上の反撃UAVを用いた目標航空機の自律的な迎撃及び無力化を提供する。これらは、図1~4Dに関して本明細書で述べた例とともに例示されるように、全てわずか数分(又は数秒)以内に、かつ人間の介入又は相互作用なしに提供される。
【0062】
図4Cに示すように、展開位置Dで、航空機捕捉対策手段134aは、それぞれ互いに異なる方向に延びる複数の捕捉ゾーン212a~212dを画定し、三次元捕捉ゾーンを画定してよい。捕捉ゾーン212a~212dは、全体的に矩形形状であってよく、隣接する捕捉ゾーンに対して90度で延びる平面的な捕捉領域を有してよい(上方又は下方から見たときの十字記号又はプラス記号のような)。従って、一般に360度の捕捉ゾーンは、捕捉ゾーン212a~212dの外側の境界によって規定されてよい。このように、航空機捕捉対策手段134aの特定の回転位置に関係なく、少なくとも1つの捕捉ゾーン212a~212dは、常に目標航空機104aを迎撃する位置にあってよい。これは、必ずしも航空機捕捉対策手段134aの回転位置を制御しないが、目標航空機104aがネット204に捕捉される可能性を上昇させる。またこれは、互いに直交して延びる捕捉ゾーン又は補助ゾーンを有する対称的なネット組立体を提供するプラス形状の構成であるので、低い抗力の構成を提供する。これにより、航空機捕捉対策手段134aに作用する風の抗力を最小限に抑える、
【0063】
目標航空機が捕捉されると、図4Dに示されるように、特定の落下ゾーン又は場所、例えば人口集中領域から離れた場所で、航空機捕捉対策手段134a(及び捕捉された目標航空機104a)を搬送し、解放してよい。これを達成するために、解放機構214は、反撃UAV102aと航空機捕捉対策手段134aとの間に結合され、所望のとき又はプログラミングされたときに、航空機捕捉対策手段134aを反撃UAV102aから解放するように動作させてよい。解放機構214が、CPU122に通信可能に結合してよく、これにより、解放機構214への制御信号の送信を引き起こし、航空機捕捉対策手段134aを反撃UAV102aから分離する解放装置を作動させてよい。パラシュートの3リング解放システム、又はワイヤ作動式クイックリリース装置又はピンインホールの解放装置を使用する同様のアプローチなど、2つの本体又は部品が相互の結合から分離する、任意の適切な機械的及び/又は電気的な解放機構を組み込んでよい。
【0064】
特定の位置に落下した後、航空機捕捉対策手段134a及び捕捉された目標航空機104aは、次に、落下ゾーンのタグ付き位置(CPU122によってプログラミング又は記録され、それに従って送信されてよい)に基づいて、人間によって回収されてよい。目標航空機104aは、除去されてよく、航空機捕捉対策手段134aは、別の動作のために同一又は別の反撃UAVとともに再使用されてよい。
【0065】
いくつかの例では、展開された航空機捕捉対策手段134aは、目標航空機104aが捕捉されなかった場合に、折り畳み位置Fに自律的にもどしてよい。この例では、航空機捕捉対策手段134aの支持部材を折り畳み位置Fにもどして折り畳む、支持部材の端部に結合されたテザー(又は他の装置)を後退させるように、ネット拘束装置210は動作されてよい。
【0066】
いくつかの例では、人間のオペレータは、反撃UAV102aの飛行を動作させ、目標航空機104aを捕捉する航空機捕捉対策手段134aの展開を行うように、反撃UAV102aを制御してよい。人間のオペレータがライブビデオフィードを見てよく、遠隔制御を用いて反撃UAV102aを制御してよい。しかし、目標航空機の自律的な追跡、及び迎撃及び無力化の目的のための反撃UAVの自律的なナビゲーションと比較して、人間の反応時間はシームレス又はタイムリーでなくてよい。
【0067】
別の例では、特定の航空機捕捉対策手段は、上部支持部材(例えば200a~200d)と、上部支持部材間の横方向に結合されたネット(例えば反撃UAV102aに結合されたテザーの方向に直交して延びるネット)とを含んでよい。複数の巻きひげ部又は個々のフィラメントは、ネット及び/又は上部支持部材から延びて、反撃UAVの後方に及ぶ三次元捕捉ゾーン又は領域を生成してよい。このような上部支持部材は、図4Cのように、飛行方向にほぼ直角に引っ張られ(風の抵抗にさらされ)、互いに直角に配向することができる。この例では、長さが相当なメートル数(例えば30m以上)に及ぶ数十のこのような巻きひげ部を支持部材の後方に引きずってよい。これは、非常に低い抗力の、三次元捕捉ゾーンを提供してよい。なぜなら、巻きひげ部の端部は散発的に風の中でフラッター又はドリフトし、捕捉ゾーン(クラゲの巻きひげ部のように)を規定する傾向があるからである。このようにして、反撃UAVは、十分に近接した目標航空機に沿って、又はその近くを通過する速度で、検知された目標航空機の後方に及ぶように動作可能であり、その結果、巻きひげ部は、目標航空機のロータに吸い込まれ、又は飲み込まれる。
【0068】
ネット204(及び本明細書に記載の他のネット又はフィラメント要素)は、多数の異なる高強度フィラメントとして製造してよい。例えば、DSM社製のDyneema(登録商標)やハネウェル社製のSpectra(登録商標)(即ちモノフィラメント)のような高強度の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)繊維を使用してよい。これらは、個々の繊維内の荷重を伝達するために長い分子鎖を使用する。他のタイプは当業者には明らかである。例えば、1.5ポンドテスト及び2.25平方インチのメッシュは、例えば、任意の数の利用可能なUAVを捕捉するのに適しているが、これらに限定されず、用途に応じて、さまざまなポンドテスト及びメッシュサイズを用いてよい。いくつかのネットは、それらが交わる結び目を持っていてよく、別のネットは、結び目を除去する4ストランド編みを利用した結び目の持たないネットであってよい。結び目の除去は、抗力を減少させ、ネット204及び本明細書で述べる他のネットなど、特定のネットの展開及び収容の間のハンドリングを改善する。
【0069】
1つ以上の目標航空機を捕捉するために必要とされるネットの強度は、最終的に必要とされるフィラメントのタイプを決定する。フィラメントのタイプと直径とに基づき、またメッシュサイズと全体のネットカバー範囲とに基づき、所与の角度で空気力学的抗力を均衡させて、ネットが展開されないようにする必要があり、ネットが、牽引されて展開されたときに、反撃UAVから、水平方向に過度に後方に及ばないようにする必要がある。1つ以上のカウンターウェイトを使用して、ネット又は個々のストランド又はフィラメントに結合することにより、そのような効果を防止してよい。
【0070】
目標航空機104aを迎撃するために、航空機捕捉対策手段134aを牽引する反撃UAV102aの運動方程式を解く際には、さまざまな入力パラメータが考慮される。例えば反撃UAV102aに関連する入力パラメータは、重力加速度、抗力係数、前面面積、空気密度、質量、最大推力、また初期位置、及び速度であってよい。また、航空機104aを迎撃する運動方程式を解く際には、航空機捕捉対策手段134aの特定の抗力係数も考慮される。
【0071】
図5A及び図5Bは、着地位置にある間に、反撃UAV102a(又は本明細書で述べた他の反撃UAV)及び航空機捕捉対策手段134aを支持するシステムを示す。このシステムは、支持構造体又は地面によって支持され得る台座216を含んでよく、これは着地位置にある間に反撃UAV102aを支持し得るプラットフォーム又はデッキ218を有してよい。航空機捕捉対策手段134aが反撃UAV102aから適切に吊り下がり得るように、台座216は航空機捕捉対策手段134aの長さと同等の高さであってよいし、それ以上に高くあってよい。プラットフォーム218は、全体的に平坦であってよく、反撃UAV102aの飛翔体を支持しながら、プラットフォーム218内に形成されたスロットを介して吊り下げた航空機捕捉対策手段134aを収容するU字形のプロファイルを備えてよい。目標航空機104a(上述のような)の検知に応答して、折り畳み位置F(図5B)で航空機捕捉対策手段134aを自由に引きずり又は牽引しながら、反撃UAV102aは台座216から離陸してよい。
【0072】
台座216は、反撃UAV102aのカメラ又は他のセンサーを、地面より上方の高さに位置決めしてよく、例えば、可能性のある目標航空機のための空域をカメラが監視することを可能にしてよい。これは有利である。なぜならば、ほとんどのカメラが、例えば、水平面(horizontal)の下方であってUAVのロータの下方に設置され、地上では上方を見ることが常にできるとは限らないからである。電源(図示せず)がプラットフォーム218に設けられ、反撃UAV102aに電気的に結合され、着地したときの反撃UAV102aに連続的に給電してよい。また、台座216に支持された反撃UAV102aに、種々の情報又はデータ接続を供給してよい。実際に、プラットフォーム218に着地して静止した後、反撃UAV102aを電力線及び/又はデータ線に接続してよい。また、反撃UAV102aは、航空機捕捉対策手段134aが展開されていない場合には、台座216(プラットフォーム218)に「帰宅」するように動作可能であってよい。
【0073】
図6A図6Cは、本開示の一例に係り、目標航空機104bを迎撃及び無力化するシステム及び方法を示す。図6Aに示すように、収容位置又は折り畳み位置F(図6A)と展開位置D(図6C)との間で動作可能な展開可能なネット組立体の形態の航空機捕捉対策手段134cを、反撃UAV102cは備えるか、又はこれを支持する。反撃UAV102cが飛行中である間に、航空機捕捉対策手段134cへの、即ち反撃UAV102cへの抗力を最小限に抑えるために、折り畳み位置Fでは、航空機捕捉対策手段134cを低い抗力の構成として配置してよい。目標航空機104bを迎撃する反撃UAV102c(例えば密接に近接している)に応答して、目標航空機104bの予測された又は既知の飛行経路の近傍で又はこれに沿って、航空機捕捉対策手段134c内に目標航空機104bを捕捉するために、航空機捕捉対策手段134cを迅速に展開してよく、これにより、目標航空機104bのロータ及び/又は本体を航空機捕捉対策手段134cのネットに絡ませることで、目標航空機104bを無力化してよい。
【0074】
より詳しくは、航空機捕捉対策手段134cは、ネット305(例えばモノフィラメントのギルネット)のような少なくとも1つの可撓性の絡み合い要素で互いに結合された一対の半径方向支持部材336a及び336bを含んでよい。半径方向支持部材336a及び336bは、図6Aで折り畳み位置にあるときに、それぞれそれ自体の周りに折り畳まれ又は巻かれる(及びネットを巻く)ことができる、ガラス繊維のような可撓性の軽量のロッド又は部材としてよい。半径方向支持部材336a及び336bは、比較的薄くて(直径1/4インチ)長く(例えば、円周方向が20フィート以上)なっていてよい。
【0075】
ネット拘束装置310は、反撃UAV102cと航空機捕捉対策手段134cとの間に動作可能に結合されてよい。従って、折り畳み位置Fにあるとき、テザー(又は、取り外し可能/移動可能なピン又はクリップのような他の結合装置)は、上下の半径方向支持部材336a及び336b(及びネット305)を一緒に束ねてよい。ネット拘束装置310は、反撃UAV102cのコントローラによって操作又は作動されて、テザーを引っ張って、上下の半径方向支持部材336a及び336bを一緒に束ねられることから解放してよい。ネット拘束装置310は、例えば、上下の半径方向支持部材336a及び336bを一緒に束ねる拘束装置を解除又は移動させるように動作可能な、電動のサーボモータ又は他の装置であってよい。
【0076】
半径方向支持部材336a及び336bは、例えば、ラップされた又は束ねられた、可撓性を有するガラス繊維のロッドである結果として、かつそれら自身に折り畳まれた結果として、エネルギーを蓄積している状態で、半径方向支持部材336a及び336bは、折り畳み位置ではそれぞれ折り畳まれてよい。一旦解放されると、半径方向支持部材336a及び336bは、そのような蓄積エネルギーを解放することによって、自動的に展開し又はラップ状態が解かれ、これにより、それぞれの半径方向支持部材336a及び336bが、円形又は楕円形に広がる。これらは、図6Cに示される展開位置Dに配置されるまで、(ネット305のサイズによって制限されて)相互に分離する。このような展開は、ネット305を自動的に、展開位置まで展開させ又は広がらせる。なぜならば、下の半径方向支持部材336bが、重力(及び、場合によって現在の風力)により、上の半径方向支持部材336aからネット305を下方又は外方に引っ張るためである。
【0077】
航空機捕捉対策手段134cを展開するこのような作動は、ネット拘束装置310の作動を制御するコントローラ(図示せず)に展開信号を送信することができるCPU122(例えば、図3を参照)によって自律的に実行してよい。CPU122は、図4A図4Dの例に関して説明したように、反撃UAV102に対する目標航空機104bの検知された近接に基づいて、そのような展開信号を送信するように構成してよい。
【0078】
図6Cに示すように、展開位置Dにある場合、航空機捕捉対策手段134cは、円筒状領域又はネット捕捉領域の形状の三次元捕捉ゾーンを規定してよい。従って、航空機捕捉対策手段134cの特定の回転位置に関係なく、円筒形のネットの断面は、常に目標航空機104bに面していてよい。これは、目標航空機104bがネット305に捕捉される可能性を増大させるが、航空機捕捉対策手段134cの回転位置を制御する必要は必ずしもない。
【0079】
一旦目標航空機が捕捉されると、航空機捕捉対策手段134c(及び捕捉された目標航空機104b)は、解放機構314を介して、特定の落下ゾーン又は位置に搬送及び解放されてよい。解放機構314は、図4Dに図示して述べた例に関して説明したように、同様に、反撃UAV102cと航空機捕捉対策手段134cとの間に結合されてよい。
【0080】
いくつかの例では、人間のオペレータは、反撃UAV102cの飛行を動作させ、目標航空機104を捕捉する航空機捕捉対策手段134cの展開を行うように、反撃UAV102cを制御してよい。人間のオペレータがライブビデオフィードを見てよく、遠隔制御を用いて反撃UAV102cを制御してよい。しかし、目標航空機の自律的な追跡、及び迎撃及び無力化の目的のための反撃UAVの自律的なナビゲーションと比較して、人間の反応時間はシームレス又はタイムリーでなくてよい。
【0081】
別の例では、航空機捕捉対策手段は、ただ1つの(展開可能な)半径方向支持部材(例えば336a)を含んでよく、ネット及び/又は巻きひげ部をそれに結合してよい。この例では、長さが相当なメートル数(例えば30m以上)に及ぶ数十の巻きひげ部を支持部材の後方に引きずってよい。これは、非常に低い抗力、三次元捕捉ゾーンを提供してよい。なぜなら、巻きひげ部の端部は、散発的に風の中でフラッター又はドリフトし、捕捉ゾーン(クラゲの巻きひげ部のように)を規定する傾向があるからである。このようにして反撃UAVは、検知された目標航空機の後方に、十分に近接する(例えば30m未満)目標航空機に沿って又は近接して通過する速度で、延びるように動作可能であってよい。これにより、巻きひげ部が目標航空機のロータに吸い込まれ、又は飲み込まれるように動作する。
【0082】
反撃UAV102c及び航空機捕捉対策手段134cは、着地モードのときにプラットフォーム又は台座によって支持してよく、次いで、図5Aを参照して示され説明されたように同様に、目標航空機の検知に応答してプラットフォームから発射するように動作可能であってよい。
【0083】
図7は、本開示の一例による、反撃UAV102bで目標航空機104bを無力化するシステム及び方法を示す。反撃UAV102b及びこれとともに作動しているシステムは、図1図6Cを参照して上述した反撃UAV及びシステムと同一又は類似の特徴を有して、目標航空機104bを迎撃及び無力化してよい。しかしながら、この例では、反撃UAV102bは、目標航空機104bを無力化するように動作可能な固定翼無人航空機であってよい。具体的には、航空機捕捉対策手段134bは、飛行中に目標航空機104bのロータと絡ませるために、反撃UAV102bに結合してよい。
【0084】
航空機捕捉対策手段134bは、反撃UAV102bに繋がれ、少なくとも1つの可撓性の絡み合い要素、例えばネット222を支持する支持部材220(例えば、アルミニウム又はガラス繊維のロッド)を備えている。ネット222は、ネット222のさまざまな部分から延びる複数の巻きひげ部224を有してよい。これは、ネット222が、反撃UAV102bの直後に牽引された二次元捕捉ゾーンを効果的に生成するので、反撃UAV102bが空域で作動する間に、航空機捕捉対策手段134b上の抗力を最小化する低い抗力の構成を提供する。
【0085】
目標航空機104bに反撃する反撃UAV102bに応答して(例えば、本明細書に記載されるように、互いに密接に近接している)、航空機捕捉対策手段134bを牽引し、目標航空機104bの予測された又は既知の飛行経路に沿って位置決めして、目標航空機104bをネット222(又は、その巻きひげ部224)に捕捉し、それによって、目標航空機104bのロータ及び/又は本体と絡ませて、目標航空機104bを無力化してよい。これにより、目標航空機104bの高精度の端末追跡の必要性を低減することができる。なぜならば、目標航空機104bの落下予定域(footprint)と比較して、航空機捕捉対策手段134bは比較的大きくしてよく、反撃UAV102bは、それを捕捉するために目標航空機104bの近く又は近傍にのみ必要とされるからである。
【0086】
この例では、ネット222は、比較的大きな矩形(例えば15m×50m以上)であってよい。なぜなら、航空機捕捉対策手段134b上の抗力は、その低プロファイルが、空域を通って一般的な水平方向に沿って牽引されるために比較的低くなるからであり、また、ネット222は、本明細書で議論するように、そのサイズに対して比較的軽量であってよいからである。いくつかの例では、抵抗力を減少させ、牽引されるときに所望の方向に沿ってネット222を方向付けるのを補助する翼型の形状のプロファイルのような空気力学的形状を、支持部材220は有してよい。小さな翼型又はウイングレットのような安定化装置を支持部材220の端部に結合して、飛行方向に略垂直な航空機捕捉対策手段を方向付け、飛行中の支持部材及びネットのスピニングを防止してよい。これに代えて、ウイングレット及びウイングレットを有する安定化支持部材を、捕捉対策手段の後縁にさらに設置して、捕捉対策手段の方向の安定性及び制御を高めてよい。
【0087】
いくつかの例では、支持部材220は折り畳み位置に構成されてよく、次いで、展開位置に展開可能であってよい。このようにして、支持部材220は、2つ以上の折り畳み可能な支持部材であってよく、ネット222は、このような支持部材の周囲に巻き付けるか、又は束ねてよい。このような支持部材は、例えば、反撃UAV102bが支持部材の束を展開又は解放する時間まで、搬送中に垂直に配向してよい。次いで、ネット222は、支持部材220及びネット222に加えられる抗力のために、支持部材220から自動的に折り畳み状態から広がり、又は巻き付けを解くことができる。同様に、上述のように、反撃UAV102bは、目標航空機104bを追跡し、次いで、密接に近接して目標航空機104bを通過することができる。巻きひげ部224及び/又はネット222は、目標航空機104bのロータ(例えば、目標航空機104bのロータで生成される吸引力による)に絡められてよい。
【0088】
一旦捕捉されると、航空機捕捉対策手段134b及び目標航空機104bは、人口集中領域(例えば、図4D参照)から離れるなどの特定の落下ゾーンに、搬送されて解放されてよい。このように、解放機構226は、反撃UAV102b及び航空機捕捉対策手段134bに結合してよく、反撃UAV102bによって作動させて、反撃UAV102bから航空機捕捉対策手段134bを解放してよい。
【0089】
本明細書に開示されている種々のネットの1つの主な利点は、ネットの軽量、低い抗力の特徴であり、これは、比較的大きな捕捉面積又は表面積を可能にする。例えば、幅16フィート、長さ550ヤードの(2,500mをカバーする)1.5ポンド(以上)のテスト用モノフィラメントのネットは、平均約3インチの正方形のメッシュサイズで、重さはわずか5ポンドであってよい。また、支持部材一つの長さが16フィートであれば、自重は数ポンド以下であるため、航空機捕捉対策手段の全体は、2,500mの捕捉面積をカバーしながら10ポンド未満に抑えることができる。従って、例えば、30ポンドの積載量の容量を有する特定の反撃UAVは、目標航空機を迎撃するために比較的高い速度で走行するときに、潜在的に高い抗力(例えば、10~20ポンド)を有する場合であっても、このような航空機捕捉対策手段を容易に牽引することができる。
【0090】
図8は、本開示の一例による、反撃UAV402を用いて目標航空機404を迎撃及び無力化するシステム及び方法を示す。反撃UAV402は、図1図6Cを参照して説明した反撃UAVに関して説明したのと同一又は類似の特徴を有してよく、目標航空機404を迎撃及び無力化する。ここで、航空機捕捉対策手段434は、飛行中に目標航空機404のロータと絡ませるために、反撃UAV402に結合された複数の巻きひげ部435(即ちネットではない)であってよい。1つ以上の重りを1つ以上の巻きひげ部435に結合して、反撃UAV402から吊るされている巻きひげ部435を保持することを補助し、反撃UAV402と偶発的に絡むことを防止してよい。これに代えて、図示のように、半剛体又は剛体のロッド又は他の支持部材403は、反撃UAV402に結合してよく、反撃UAV402から下方に延びて、同じ目的のために巻きひげ部435を支持してよい。この構成では、巻きひげ部435は、支持部材403を貫通する細長いキャビティから、十分な風力によって、又は反撃UAV402によって実行される能動的作動によって、(収容位置から展開位置まで)展開されてよい。この反撃UAV402は、適切な形で、巻きひげ部435の束又は集まりを解放するために解放装置を作動させる。
【0091】
この巻きひげ部の構造は、特定の巻きひげ部の個々のストランド又はフィラメント上の抗力が非常に低いので、反撃UAV402が空域で作動する間に抗力を最小化する低い抗力の捕捉機構を提供することができる。なぜなら、自由端が、制約なしに風中をフラッター(自励振動)又は移動することができるからである。
【0092】
従って、目標航空機404を迎撃する反撃UAV402に応答して(例えば本明細書に記載されているように、互いに密接に近接している)、目標航空機404の予測された又は既知の飛行経路に沿って、航空機捕捉対策手段434を牽引し、位置させることができ、目標航空機404を1つ以上の巻きひげ部435に捕捉し、それによって目標航空機404のロータに絡みつき、目標航空機404を無力化することができる。巻きひげ部435は、軽量特性及び低い抗力の特性を有するため、15m~50m、又はそれ以上といった比較的長いものとしてよい。
【0093】
図8に示すように、巻きひげ部435は、反撃UAV402の飛翔体の内部又は周囲の束ねられた位置又は収容位置に構成することができ、次いで、展開位置に配置してよい。一旦捕捉されると、航空機捕捉対策手段434及び目標航空機404は、人口集中領域(例えば、図4D参照)から離れるなどの特定の落下ゾーンに搬送及び解放されてよい。このように解放機構は、反撃UAV402及び航空機捕捉対策手段434に結合されてよく、反撃UAV402によって操作されて、航空機捕捉対策手段434を反撃UAV402から解放してよい。
【0094】
ネット及びそれらの支持体の任意の個数の形状及び構成が、円形又は楕円形、多角形、不規則形などとして、実施できることが理解されるものとする。いくつかの例では、複数の反撃UAVは、例えば、巻きひげ部の追加のような三次元捕捉ゾーンを有するネットを展開することさえでき、また、例えば、半径方向支持部材とともに展開される球面ネットを展開することさえできる。この例では、少なくとも1つの「ネット面」又は表面積(エリア)は、ネットの回転位置に関係なく、常に特定の目標航空機に直面し、目標航空機を捕捉する可能性を増大させる。
【0095】
本明細書に記載される種々の例では、1つ以上の航空戦域オブザーバ(偵察用)UAVは、目標航空機の無力化を支援するために、監視された領域の周囲をホバリング又は飛行するように操作されることができる。例えば、高性能の航空戦域オブザーバUAVは、本明細書に記載の種々のセンサー及び装置(例えば、光学カメラ、ジンバルなど)を有してよく、これらは、目標航空機の端末の追跡及び無力化を「観測(observe,偵察)」してよい。これは、航空戦域オブザーバUAVが、リアルタイムで目標航空機を追跡してよく、次いで、収集したデータを1つ以上の反撃UAV及び/又は外部航空機検知システム100に対して通信してよいことを意味する。このシステムは、1つ以上の反撃UAVによって、及び/又は外部航空機検知システム100(例えば、天候、検知レンジの問題、鳥などのため)に関して、追跡が間欠的又は利用不可能となり得る目標航空機への追跡を提供することの補助となる。また人間のオブザーバは、このような航空戦域オブザーバUAVから、目標航空機を無力化する成功又は失敗を観測するために、ライブビデオフィードなどのデータを受信することができる。これは、目標航空機が反撃UAVによる無力化を回避する場合に、バックアップシステムとして作用できる。
【0096】
図面に例示されている例を参照し、本明細書では、これを記述するために特定の言い回しを使用してきた。それでもなお、本技術の範囲の制限は意図されていないことが理解されるであろう。本明細書に示された特徴の変更及び一層の改変、及び本明細書に示された例の追加の応用は、本明細書の範囲内であると考える。
【0097】
さらに、説明してきた特徴、構造又は特性は、1つ以上の例で、任意の適切な方法で組み合わせてよい。先の説明では、記載された技術の例を完全に理解するためのさまざまな構成の例のような、多数の特定の詳細が提供されている。しかしながら、当該技術は、特定の細部の1つ以上を伴わずに実施してよく、又は他の方法、コンポーネント、装置などとともに実施してよいことが認識されることである。他の例では、周知の構造又は動作は、技術の態様を不明瞭にすることを避けるために、詳細には図示又は説明されない。
【0098】
主題事項は、構造的特徴及び/又は動作に特有の言い回しで説明されているが、添付の請求項で定義された主題事項が、必ずしも上述の特定の特徴及び動作に限定されるものでないことが理解されるものとする。むしろ、上述の特定の特徴及び作用は、請求項を実施する例示的な形態として開示される。説明した技術の精神及び範囲から逸脱することなく、多数の修正及び代替の構成が工夫されてよい。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8