(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】反射器を有するフィラメントランプ
(51)【国際特許分類】
F21K 9/232 20160101AFI20221129BHJP
F21K 9/68 20160101ALI20221129BHJP
F21K 9/69 20160101ALI20221129BHJP
F21V 3/12 20180101ALI20221129BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221129BHJP
【FI】
F21K9/232
F21K9/68
F21K9/69
F21V3/12
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021548680
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2020054142
(87)【国際公開番号】W WO2020173743
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-08-19
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ホエレン クリストフ ヘラルド アウグスト
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
(72)【発明者】
【氏名】アンセムス ヨハンネス ペトルス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ペット ロベルト ヤコブ
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0286664(US,A1)
【文献】国際公開第2011/145252(WO,A1)
【文献】特表2014-500606(JP,A)
【文献】特開2009-170759(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0172218(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0216787(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0281403(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/232
F21K 9/68
F21K 9/69
F21V 3/12
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)複数の細長フィラメントと(ii)光学要素とを備える照明デバイスであって、
各細長フィラメントが支持体及び複数の固体光源を含み、前記細長フィラメントが、第1の長さ(L1)を有する第1の延長軸を有し、前記細長フィラメントが、前記第1の長さ(L1)の少なくとも部分にわたってフィラメント光を発生するように構成されており、
前記光学要素が複数の小平面を含み、前記光学要素が、第2の長さ(L2)を有する第2の延長軸を有し、前記光学要素が、前記第2の延長軸と垂直な非円形断面を有し、前記光学要素が、前記複数の細長フィラメントのうちの少なくとも2つの間に構成されており、前記光学要素が、前記フィラメント光の少なくとも部分の方向を変更するように構成されており、
前記光学要素が1つ以上の光学要素ユニットを含み、各光学要素ユニットが前記複数の小平面のうちの1つ以上を含み、前記光学要素ユニットの前記1つ以上の小平面が前記第2の延長軸に対して対称に構成されており、前記光学要素ユニットの前記1つ以上の小平面が前記延長軸と平行な方向に先細状になっており、
前記照明デバイスが1つ以上のセットを備え、各セットが、2つの隣接して構成された光学要素ユニットを含み、前記セット内の前記光学要素ユニットが反対方向に先細状になっている、照明デバイス。
【請求項2】
前記光学要素が、小平面における反射及び小平面群における屈折のうちの1つ以上によって前記フィラメント光の少なくとも部分の方向を変更するように構成されている、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記光学要素が、拡散反射によって前記フィラメント光の少なくとも部分の方向を変更するように構成されている、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項4】
前記光学要素が1つ以上の光学要素ユニットを含み、各光学要素ユニットが前記複数の小平面のうちの1つ以上を含み、前記光学要素ユニットの前記小平面のうちの1つ以上について、前記小平面と垂直に構成された小平面法線が、(i)前記小平面法線が、隣接した細長フィラメントと交わらないこと、並びに(ii)前記小平面法線、及び隣接した細長フィラメントの前記延長軸が、90°と等しくない相互角度(β1)を有すること、から選択される条件のうちの1つに従うことが当てはまる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項5】
前記細長フィラメントが、前記固体光源光の少なくとも部分をルミネッセント材料光に変換するように構成されたルミネッセント材料を含み、前記フィラメント光が、前記ルミネッセント材料光、及び任意選択的に、前記固体光源光を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記フィラメント光が前記
第1の延長軸の周りに本質的に360°発生される、請求項5に記載の照明デバイス。
【請求項7】
複数の前記セットを備える、請求項5に記載の照明デバイス。
【請求項8】
前記それぞれの細長フィラメントの前記第1の延長軸が前記第2の延長軸と平行に構成されている、請求項4乃至7のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項9】
前記光学要素が1つ以上の光学要素ユニットを含み、各光学要素ユニットが前記複数の小平面のうちの2つ以上を含み、前記2つ以上の小平面のうちの2つ以上が前記第2の延長軸を周方向に包囲しており、隣接した小平面が小平面の辺を規定する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項10】
前記1つ以上の光学要素ユニットのうちの1つ以上が3~12個の小平面を各々含む、請求項9に記載の照明デバイス。
【請求項11】
前記小平面の辺のうちの1つ以上、前記第1の延長軸のうちの1つ以上、及び前記第2の延長軸が平面内に構成されている、請求項9又は10に記載の照明デバイス。
【請求項12】
前記複数の第1の延長軸のうちの1つ以上が前記第2の延長軸に対して傾いている、請求項1乃至
7、9又は10のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項13】
前記小平面のうちの1つ以上が凹状である、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項14】
前記複数の細長フィラメントのうちの1つ以上が、前記光学要素に
向かう方向において反対方向よりも多くのフィラメント光を提供するように構成されている、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項15】
前記複数の細長フィラメント及び前記光学要素を密封するエンクロージャを共に規定する、(i)ベース、及び(ii)外球を備え、前記固体光源がLEDを含み、前記細長フィラメントが直線状の細長要素である、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
フィラメントタイプの照明デバイスが当該技術分野において知られている。米国特許第8,400,051(B2)号は、例えば、左端及び右端を有する細長い棒形状のパッケージであって、複数のリード線が、第1の樹脂と一体的に形成されて、リード線の一部が露出されるように形成されている、パッケージと、リード線のうちの少なくとも1つに固定されており、リード線のうちの少なくとも1つに電気的に接続されている発光要素と、発光要素を封止している第2の樹脂とを備え、リード線が金属で形成されており、発光要素の底面全体が、リード線のうちの少なくとも1つで覆われており、パッケージの底面全体が、第1の樹脂で覆われており、第1の樹脂が、パッケージの底面を覆う部分と一体的に形成され、かつリード線の上面よりも高い、側壁を有し、第1の樹脂及び第2の樹脂が、光学的に透明な樹脂で形成されており、第2の樹脂が、第1の樹脂の側壁の上部に充填され、第2の樹脂よりも大きい比重を有する蛍光材料を含み、リード線が、外部接続のために使用され、かつパッケージの長手方向に左端及び右端から突出している、外側リード部分を有し、蛍光材料が、発光要素の付近に集中するように配置されており、発光要素によって放射された光の部分によって励起され、これにより、発光要素によって放射される光の色とは異なる色を放射し、側壁が、発光要素によって放射され、側壁に入る光の部分、及び蛍光材料から放射された光の部分を、パッケージの底面を覆う部分へ透過する、照明デバイスを記載している。
【0003】
米国特許出願公開第2013/286664(A1)号は、均等な光度分布をもたらす能力を有するLED電球を開示している。LED電球は、ベース、光透過性カバー、及び直立したライトバーを含む。光透過性カバーは実質的に周辺上に装着されている。ライトバーは反射器の周りに位置付けられており、光を反射器に向けて放射する。反射器は、ライトバーからの光を反射する湾曲状の側壁を有する。
【0004】
欧州特許第2827046A1号は、高熱伝導率管と、高熱伝導率管の外側表面に取り付けられた少なくとも1列のLEDチップを備えるLED発光カラムを有するLEDランプを開示している。LEDライトは、放熱及び保護用のガスが充填された光透過性バルブシェル、LEDドライバ、及び電気コネクタを備える。LED発光カラムはバルブシェル内で固定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
白熱ランプは、LEDベースの照明ソリューションによって急速に置き換えられつつある。しかしながら、白熱電球の外観を有するレトロフィットランプを持つことがユーザによって評価され、望まれる場合がある。この目的のために、ガラスに基づく白熱ランプを製造するためのインフラストラクチャを利用して、フィラメントを、白色光を放出するLEDに置き換えてもよい。構想のうちの1つは、そのような電球内に配置されるLEDフィラメントに基づく。これらのランプの外観は、装飾性に優れて見えるため、高く評価されている。
【0006】
しかし、既知の解決策は十分に均一な全方向性光分布を有しない場合がある。
【0007】
目的の用途によっては、フィラメントの輝度が過度に高くなり得、並びに/又は電球の外観が過度に静的になり得るか、若しくは魅力を欠いてしまうように見える。拡散外球を適用することは輝度を低減し得るが、効率をも低減し得る。
【0008】
ランプの外観の魅力の増大のためには、複数のフィラメントセグメントが使用されてもよいように思われる。しかし、これらは実施がより困難になり得、製造及び組み立てに費用がかかり得る。ビームプロファイルの調整のために、統合された反射器が適用されてもよいが、これは、スパークル効果などの、より高い魅力因子に寄与しない場合があり、ビームをより小さいビーム角に制限する場合がある。
【0009】
それゆえ、本発明の一態様は、好ましくは、上述の欠点の1つ以上を更に少なくとも部分的に取り除く、代替的な照明デバイスを提供することである。本発明は、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服若しくは改善すること、又は有用な代替物を提供することを、目的として有してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
とりわけ、動作時に、LEDフィラメント光を放射するように構成された、1つ以上の、特に、少なくとも3つなどの、複数のLEDフィラメントを備えたLEDランプが本明細書において提案される。実施形態では、LEDフィラメントは、特に、材料を含むルミネッセント材料によって封入された、細長い基材(又は支持体)上のLEDのリニアアレイを含む。LEDフィラメントは少なくとも部分的に透明な外囲器内に配置されていてもよい。LEDフィラメントの発光面は、特に、外囲器内において中心に配置された、離れて配置された反射(又は屈折)要素に向けて配向されている。実施形態では、LEDフィラメントは反射要素の周りに均等に配置されている。反射要素は、実施形態では、特に、全方向性分布を得るために、光を他の方向に反射するための反射面を有してもよい。実施形態では、反射要素は円錐形状であってもよい。特定の実施形態では、反射要素は二重円錐形状(2つの円錐の構成)を有してもよい。例えば、特定の実施形態では、反射要素は二重角錐形状(2つの角錐の構成)を有してもよい。上部角錐の表面積は、実施形態では、下部角錐の表面積より大きくてもよい。更なる特定の実施形態では、LEDフィラメントは、グレアを防止するなどするために、反射器に面する1つの表面のみから光を放射するように選定されてもよい。他の表面は、例えば、フィラメントに白熱ランプの外観を与えるために、(蛍光体以外の)層、例えば、黒色/金属コーティングによって覆われていてもよい。それゆえ、とりわけ(また)、ランプの中心におけるセグメント化された反射器であって、フィラメントがこの反射器の周りに装着された反射器が、本明細書において提案される。実施形態では、この反射器はフィラメントのための支持体の役割も果たしてよく、フィラメントの上端部からドライバ又はソケットへ戻る電流導体のフィードスルーを可能にしてもよい。中心反射器のセグメント化によって、小平面の数、それらの向き、並びにフィラメントの数及び位置に応じてフィラメントの複数の部分像が可視になってもよい。セグメント化によって、観察位置の変更と共に変化する仮想光源輝度分布を有するランプを見るため、動的スパークル効果が生み出されてもよい。これらの効果は、反射器セグメントの形状及びサイズ(平坦、凹状、凸状、フィラメントに対する反射器セグメントの法線の向き)に関連して、程度の差こそあれ顕著になってもよい。
【0011】
それゆえ、一態様では、本発明は、(i)1つ以上の(細長)フィラメント、特に、複数の(細長)フィラメントと、(ii)光学要素(本明細書において「反射器」とも示される)とを備える照明デバイスであって、
- (細長)フィラメント(又はフィラメント光源)のうちの1つ以上、特に、各々が支持体及び複数の固体光源を含み、(細長)フィラメントが、実施形態では、第1の長さ(L1)を有する第1の延長軸を有してもよく、(細長)フィラメントが、特に、第1の長さ(L1)の少なくとも部分にわたって、フィラメント光を発生するように構成されており、
- 光学要素が複数の小平面を含み、光学要素が、第2の長さ(L2)を有する第2の延長軸を有してもよく、特定の実施形態では、光学要素が、第2の延長軸と垂直な非円形断面を有し、更なる特定の実施形態では、光学要素が、複数の(細長)フィラメントのうちの少なくとも2つの間に構成されており、光学要素が、フィラメント光の少なくとも部分の方向を変更するように構成されている、照明デバイスを提供する。
【0012】
固体光源は、固体光源光を発生するように構成されている。このような照明デバイスを用いることで、光のより全方向性の高い分布を作り出すことが可能になってもよい。代替的に、又は追加的に、このような照明デバイスを用いることで、また、スパークル効果などの照明効果が生み出されてもよい。
【0013】
スパークル効果はまた、「快いグレア」と示されてもよい。明るい、グレアを放つ、及びスパークルを放つ発光要素の間の境界は、ルミナンス及び立体角(観察者の眼に対する明るい要素の角度範囲、又はA/R2、ここで、Aは、観察者によって見られるとおりの要素の投影面積であり、Rは観察者の距離である)に依存してもよい。
【0014】
以上において示されたように、本発明は、(とりわけ)(i)1つ以上のフィラメント、特に、複数の細長フィラメントと、(ii)光学要素とを備える照明デバイスを提供する。
【0015】
本明細書において、用語「フィラメント」は、支持体、及び支持体によって支持されており、リニアアレイ状に配置されてもよい複数の固体光源を指してもよい。フィラメントは、特に、固体光源の1Dアレイを含んでもよい。光(light)固体光源の2Dアレイも可能であり得るが、ただし、特に、列の数(n1)はそれぞれの列内の固体光源の数(n2)よりもはるかに小さく、n1/n2≦0.2など、例として、n1/n2≦0.1、特に、n1/n2≦0.05である。特定の実施形態では、支持体は、支持体の一方の側で固体光源の(1D)アレイを、及び任意選択的に、支持体の他方の側で固体光源の別の(1D)アレイを支持する。好ましくは、フィラメントは、長さL及び幅Wを有し、L>5Wである。フィラメントは、直線構成で、又は、例えば湾曲状構成、2D/3D渦巻、若しくは螺旋などの、非直線構成で配置されてもよい。好ましくは、固体光源は、剛性(例えば、ポリマー、ガラス、石英、金属、又はサファイアから作製されているもの)、又は可撓性(例えば、ポリマー、又は金属、例えばフィルム若しくは箔で作製されているもの)であってもよい、例えば基板などの、細長い形の支持体上に配置される。支持体が、第1主表面及び反対側の第2主表面を含む場合、固体光源は、これらの表面のうちの少なくとも一方上に配置される。支持体は、反射性であってもよく、あるいは、半透明及び好ましくは透明などの、光透過性であってもよい。フィラメントは、複数の固体光源の少なくとも一部を少なくとも部分的に覆う、封入材を備えてもよい。封入材はまた、第1主表面又は第2主表面のうちの少なくとも一方を、少なくとも部分的に覆ってもよい。封入材は、例えばシリコーンなどの、可撓性であり得るポリマー材料であってもよい。更に、固体光源は、例えば、異なる色又はスペクトルの、固体光源光を放射するように構成されていてもよい。封入材は、固体光源光を少なくとも部分的に変換光に変換するように構成されている、ルミネッセント材料を含んでもよい。ルミネッセント材料は、無機蛍光体及び/又は量子ドット若しくは量子ロッドなどの、蛍光体であってもよい。フィラメントは複数のサブフィラメントを含んでもよい。
【0016】
支持体は、実施形態では、0.05~4mm、例えば0.05~1mm、例えば0.1~0.5mmの厚さを有してもよい。支持体は、0.1~5mm、例えば0.2~3mm、例えば0.3~2mmの幅を有してもよい。本明細書において第1の長さ(L1)とも示される、支持体の長さ(及びそれゆえ、実施形態では、本質的にフィラメントの長さ)は、実施形態では、例えば、10~500mmの範囲、例えば15~200mm、例えば20~100mmの範囲、例えば25~80mmの範囲、例えば40又は50mmから選択されてもよい。それゆえ、支持体(及びそれゆえ、本質的にまた、フィラメント)は、例えば、少なくとも10、更に特に少なくとも15など、例えば少なくとも20、例えば更に特に少なくとも50の比較的高いアスペクト比(長さ/幅又は長さ/厚さ)を有してもよい。大きいアスペクト比はフィラメントをより良好に模倣し得る。
【0017】
支持体は、例えば、ガラス又はサファイアを含んでもよい。他の実施形態では、支持体はポリマー材料を含んでもよい。以下においても示されるように、支持体は硬質(自己支持形)であってもよいが、(ポリマーの実施形態では)また、可撓性を有してもよい。第1の長さは、特に、延長軸に沿った長さである。
【0018】
実施形態では、支持体は半透明であってもよい。他の実施形態では、支持体は透明であってもよい。それゆえ、支持体の材料は、光、特に、可視光に対して半透明又は透明であってもよい。透明な材料については、以下も参照されたい。
【0019】
細長フィラメントが直線状であるときには、細長フィラメントは直線状の延長軸を有してもよい。しかし、細長フィラメントはまた、各種実施形態において、2つ以上が互いに対して角度(≠180°、≠0°)をもって構成されていてもよい、複数のセグメントを含んでもよい。代替的に、又は追加的に、細長フィラメントは、1つ以上の湾曲、例えば、湾曲状セグメント、又は角度をもって構成されており、湾曲状セグメントを介して接続された2つのセグメントを含んでもよい。それゆえ、実施形態では、延長軸はまた、1つ以上の湾曲、並びに/又は1つの、若しくは互いに対して角度(≠180°)をもって構成された複数のフィラメントセグメント(one or filament segments)を含んでもよい。それゆえ、フィラメントは単一のセグメントを含んでもよく、又は複数のセグメント(各セグメントが1つ以上の固体光源を含む)を含んでもよい。特に、本明細書において、細長フィラメントは本質的に直線状のフィラメントである。1つ以上のフィラメントは、実施形態では、自己支持形(直線状)フィラメント(以上も参照されたい)であってもよい。
【0020】
用語「光源」とは、発光ダイオード(light emitting diode;LED)、共振空洞発光ダイオード(resonant cavity light emitting diode;RCLED)、垂直共振器レーザダイオード(vertical cavity laser diode;VCSEL)、端面発光レーザなどの、半導体発光デバイスを指す場合がある。用語「光源」はまた、パッシブマトリックス(passive-matrix organic light-emitting diode;PMOLED)、又はアクティブマトリックス(active-matrix organic light-emitting diode;AMOLED)などの、有機発光ダイオードを指す場合もある。特定の実施形態では、光源は、固体光源(LED又はレーザダイオードなど)を含む。実施形態では、光源は、LED(発光ダイオード)を含む。「LED」という用語はまた、複数のLEDを指す場合もある。更には、用語「光源」は、実施形態ではまた、いわゆるチップオンボード(chips-on-board;COB)光源を指す場合もある。用語「COB」は、特に、封入も接続もされることなく、PCBなどの基板上に直接実装されている、半導体チップの形態のLEDチップを指す。それゆえ、複数の半導体光源が、同じ基板上に構成されてもよい。実施形態では、COBは、単一の照明モジュールとして一体に構成されている、マルチLEDチップである。用語「光源」はまた、2~2000個の固体光源などの、複数の(本質的に同一の(又は異なる))光源に関する場合もある。実施形態では、光源は、LEDなどの、単一の固体光源の下流の1つ以上のマイクロ光学要素(マイクロレンズのアレイ)を含んでもよく、又は複数の固体光源の下流の(即ち、例えば、複数のLEDによって共有された)1つ以上のマイクロ光学要素(マイクロレンズのアレイ)を含んでもよい。実施形態では、光源は、オンチップ光学素子を有するLEDを含んでもよい。実施形態では、光源は、(実施形態では、オンチップビームステアリングを提供する)画素化された単一のLED(光学素子を有する、又は有しない)を含む。
【0021】
語句「異なる光源」又は「複数の異なる光源」及び同様の語句は、実施形態では、少なくとも2つの異なるビンから選択された複数の固体光源を指す場合もある。同様に、語句「同一の光源」又は「複数の同じ光源」及び同様の語句は、実施形態では、同じビンから選択された複数の固体光源を指す場合もある。
【0022】
また、(固体光源が支持体の両側で利用可能である実施形態では)支持体の一方の側における固体光源の光源光が、支持体の他方の側における固体光源の光源光とは別のスペクトル分布及び/又は強度を有することが可能であり得る。
【0023】
代替的に、又は追加的に、フィラメント光のスペクトル分布がフィラメントの長さに沿って(一方の側で、又は両側で)変化してもよい。
【0024】
好適な細長い光源の一例が、本明細書において参照により組み込まれている、米国特許第8,400,051(B2)号に記載されている。
【0025】
それゆえ、実施形態では、細長い光源は、第1の発光デバイスであって、複数のリード線が第1の樹脂と一体的に形成されてリード線の一部が露出されるように形成されている、横に延びる細長い棒形状のパッケージと、リード線のうちの少なくとも1つに固定されており、リード線のうちの少なくとも1つに電気的に接続されている発光要素と、発光要素を封止している第2の樹脂と、を備え、第1の樹脂及び第2の樹脂が、光学的に透明な樹脂で形成されており、リード線が、外部接続のために使用され、かつパッケージの左端及び右端の両方から横に突出している外側リード部分を有することを特徴とする、第1の発光デバイスを含んでもよい。
【0026】
更なる実施形態では、細長い光源は、第1の発光デバイスであって、複数のリード線が第1の樹脂と一体的に形成されるように形成されている細長いパッケージと、リード線のうちの少なくとも1つに固定されており、リード線のうちの少なくとも1つに電気的に接続されている複数の発光要素と、発光要素を封止している光学的に透明な第2の樹脂と、を備え、第1の樹脂が、リード線の上面よりも高い側壁を含み、パッケージの下面全体が第1の樹脂で覆われており、リード線が金属材料で形成されており、リード線の部分が、外部接続のために使用され、かつパッケージの両端から長手方向に突出している、外側リード部分を有しており、第1の樹脂が、光学的に透明な樹脂で形成されていることを特徴とする、第1の発光デバイスを含んでもよい。
【0027】
一実施形態では、細長フィラメントは、固体光源光の少なくとも部分をルミネッセント材料光に変換するように構成されたルミネッセント材料を含み、フィラメント光は、ルミネッセント材料光、及び任意選択的に、固体光源光を含む。
【0028】
更に他の実施形態では、細長い光源は、第1の発光デバイスであって、複数のリード線が第1の樹脂と一体的に形成されて、リード線の一部が露出されるように形成されている、左端及び右端を有する細長い棒形状のパッケージと、リード線のうちの少なくとも1つに固定されており、リード線のうちの少なくとも1つに電気的に接続されている発光要素と、発光要素を封止している第2の樹脂とを備え、リード線が金属で形成されており、発光要素の底面全体が、リード線のうちの少なくとも1つで覆われており、パッケージの底面全体が、第1の樹脂で覆われており、第1の樹脂が、パッケージの底面を覆う部分と一体的に形成され、かつリード線の上面よりも高い、側壁を有し、第1の樹脂及び第2の樹脂が、光学的に透明な樹脂で形成されており、第2の樹脂が、第1の樹脂の側壁の上部に充填され、第2の樹脂よりも大きい比重を有するルミネッセント材料を含み、リード線が、外部接続のために使用され、かつパッケージの長手方向に左端及び右端から突出している、外側リード部分を有し、ルミネッセント材料が、発光要素の付近に集中するよう構成され、発光要素によって放射された光の部分によって励起され、これにより、発光要素によって放射される光の色とは異なる色を放射し、側壁が、発光要素によって放射され、側壁に入る光の部分、及びルミネッセント材料から放射された光の部分を、パッケージの底面を覆う部分へ透過する、第1の発光デバイスを含んでもよい。
【0029】
更に、実施形態では、第2の樹脂はルミネッセント材料を含む。特に、実施形態では、第1の発光デバイスは、上述されたとおりの複数の第1の発光デバイスと、これらの発光デバイスを含むフィラメントと、フィラメントに電気的に接続された給電リード線とを備えてもよく、フィラメントは、発光デバイスのうちの隣接した発光デバイスがV字状になるよう、外側リード部分のうちの隣接した外側リード部分がしっかりと取り付けられ直列に接続される、及び直列に接続された外側リード部分の両端が給電リード線にしっかりと取り付けられるように構成されている。
【0030】
複数のLEDの少なくとも部分の周りに構成されたルミネッセント材料を含む樹脂を有する複数の固体光源が支持体上に構成された、このような種類の細長い光源は、LEDフィラメント(の実施形態)として当技術分野において知られている。これらは、例えば、青色放射固体光源と、青色光の部分を黄色光に変換し、これにより、白色光をもたらすように構成された、ガーネットを含むセリウムなどの、ルミネッセント材料との組み合わせにより白色光を発生させてもよい。無論、また、青色固体光源光と黄色及び赤色のルミネセンスを示すルミネッセント材料との組み合わせ、青色固体光源光と緑色及び赤色のルミネセンスを示すルミネッセント材料との組み合わせ、UV固体光源光と青色、緑色、及び赤色のルミネセンスを示すルミネッセント材料との組み合わせなどの、光源とルミネッセント材料との他の組み合わせが選ばれてもよい。シアン及び/又はアンバールミネッセント材料などの更なるルミネッセント材料もまた、提案された組み合わせのうちの任意のものにおいて適用されてもよい。
【0031】
実施形態では、フィラメントは、延長軸に沿った延長を有する細長い本体を有する(支持体の一実施形態である)基材、基材に機械的に結合された、LEDなどの、複数の固体光源、及び複数のLEDに給電するための配線を含んでもよい。
【0032】
更に、また、異なる種類の固体光源が(任意選択的に、実施形態では、支持体の異なる側において(以上も参照))適用されてもよい。例えば、青色放射固体光源は、シアン光放射固体光源及びアンバー光放射固体光源のうちの1つ以上と組み合わせて適用されてもよい。シアン発光固体光源及びアンバー発光固体光源は、それぞれ、青色固体光源光を発生するために使用される同じ種類の固体光源を使用することによって、特定のルミネッセント材料と組み合わせて得られてもよい。
【0033】
したがって、実施形態では、細長い光源はLEDフィラメントを含み、細長い光源は、固体光源光の少なくとも部分をルミネッセント材料光に変換するように構成されたルミネッセント材料を含み、光源光は、ルミネッセント材料光、及び任意選択的に、固体光源光を含む。
【0034】
それゆえ、用語「ルミネッセント材料」はまた、複数の異なるルミネッセント材料を指す場合もある。
【0035】
それゆえ、概して、フィラメント光は、青色LEDの青色光、又はガーネットベースのルミネッセント材料若しくは多くのEu2+ベースのルミネッセント材料を含む3価セリウムの黄色光などの場合のように、複数の波長を有するスペクトル分布を有することになる。
【0036】
実施形態では、細長い光源は、白色光を発生するように構成されている。本明細書における白色光は、当業者には知られている。白色光は特に、約2000~20000K、特に2700~20000K、一般的な照明の場合、特に約2700K~6500Kの範囲の相関色温度(CCT:correlated color temperature)を有し、特にBBL(黒体軌跡:black body locus)から約15SDCM(カラーマッチングの標準偏差:standard deviation of color matching)内、特にBBLから約10SDCM内、更に特にBBLから約5SDCM内である光に関する。
【0037】
実施形態では、光源はまた、約5000~20000Kの相関色温度(CCT)を有する光源光を供給してもよく、例えば、直接蛍光体変換型LED(例えば10000Kを得るための、蛍光体の薄層を有する青色発光ダイオード)であってもよい。それゆえ、特定の実施形態では、光源は、5000~20000Kの範囲、更に特に6000~20000Kの範囲、例えば8000~20000Kの相関色温度を有する光源光を供給するように構成されている。比較的高い色温度の利点は、光源光中に比較的高い青色成分が存在し得る点であってもよい。
【0038】
したがって、実施形態では、各細長フィラメントは支持体及び(支持体の一方又は両方の側における)複数の固体光源を含む。固体光源は、特に、固体光源光を発生するように構成されている。実施形態では、この光源光はルミネッセント材料によってルミネッセント材料光に少なくとも部分的に変換されてもよい。それゆえ、フィラメントによって発生されるフィラメント光は、固体光源光及びルミネッセント材料光のうちの1つ以上、特に、実施形態では、両方を含んでもよい。実施形態では、フィラメント光のスペクトル分布はフィラメントの長さにわたって変化してもよく、及び/又はフィラメントの側面に依り異なっていてもよいことに留意されたい。
【0039】
それゆえ、細長フィラメントは、第1の長さ(L1)を有する第1の延長軸を有し、細長フィラメントは、第1の長さ(L1)の少なくとも部分にわたってフィラメント光を発生するように構成されている。例えば、該長さの少なくとも70%、特に、該長さの少なくとも80%、更に特に少なくとも90%、例えばなお更に特に少なくとも95%、例えば該長さの少なくとも98%にわたって、フィラメント光が発生されてもよい。概して、フィラメントの本質的に全長にわたって、光が発生されてもよく、これにより、フィラメントは(古典的な)フィラメントとして知覚される。
【0040】
固体光源は、0.3~3mmの範囲から選択されるピッチを有してもよい。
【0041】
特定の実施形態では、固体光源は支持体の一方の側でのみ利用可能である。このような実施形態では、フィラメントは本質的に、放射状発光体(第1の延長軸に対して放射状)にならなくてもよい。他の実施形態では、固体光源は支持体の両側においてのみ利用可能である。このような実施形態では、フィラメントは本質的に、放射状発光体(第1の延長軸に対して放射状)になってもよい。
【0042】
フィラメント光の少なくとも部分を再分配するために、光学要素が設けられる。
【0043】
特定の実施形態では、光学要素は複数の小平面を含んでもよい。
【0044】
光学要素は、第2の長さ(L2)を有する第2の延長軸を有する。フィラメントが傾いておらず、湾曲状でないときには、第1の延長軸及び第2の延長軸の長さは、実施形態では、0.9≦L1/L2≦1.1など、ほぼ同じであってもよい。
【0045】
実施形態では、各小平面は、0.5~20cm2の範囲、例えば特に1~20cm2、例えば更に特に1~10cm2、実施形態では例えば1.5~10cm2、更なる実施形態では例えば2~8cm2から選択される小平面面積を有してもよい。しかし、他の寸法も可能であり得る。
【0046】
語句「複数の小平面」は光学要素の第2の延長軸の長さに沿った複数の小平面を指す場合もある。語句「複数の小平面」はまた、光学要素の第2の延長軸の長さと垂直な寸法に沿った複数の小平面を指す場合もある。例えば、円柱形光学要素は単一の小平面を有してもよく、円錐は単一の小平面を有してもよく、二重円錐は2つの小平面を有してもよく、三角錐(正四面体)は3つの小平面を有してもよく(第2の延長軸と垂直な底部小平面を仮定)、二重三角錐は6つの小平面を有してもよい(第2の延長軸と垂直な底部小平面を仮定)、などなどである。
【0047】
隣接した小平面は、特に、0°と等しくない(及び180°と等しくない)、相互小平面角(α1)を有してもよい。例えば、正四面体の場合には、小平面は小平面角α1=60°を有してもよい。
【0048】
光学要素は、特に、フィラメント光の少なくとも部分の方向を変更するように構成されている。それゆえ、光学要素は、反射、屈折、及び散乱からなる群から選択される1つ以上の特性を有してもよい。このように、光学要素は反射特性を有してもよい。
【0049】
例えば、実施形態では、光学要素は透光性材料を含んでもよく、小平面の存在によって、光は小平面において屈折してもよい。このように、光学要素は、フィラメント光の少なくとも部分の方向を(小平面における屈折によって)変更するように構成されていてもよい。例えば、実施形態では、第2の延長軸と垂直な方向に伝搬する可視光は、可視光が屈折させられるように構成された、1つ以上の小平面に出会ってもよい。
【0050】
それゆえ、特定の実施形態では、光学要素は、(特に透明である)光透過性材料から本質的になる光透過体であってもよい。
【0051】
光透過性材料は、PE(polyethylene;ポリエチレン)、PP(polypropylene;ポリプロピレン)、PEN(polyethylene napthalate;ポリエチレンナフタレート)、PC(polycarbonate;ポリカーボネート)、ポリメチルアクリレート(polymethylacrylate;PMA)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate;PMMA)(Plexiglas(登録商標)又はPerspex(登録商標))、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate;CAB)、シリコーン、ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride;PVC)、一実施形態では(PETG)(glycol modified polyethylene terephthalate;グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)を含むポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、PDMS(polydimethylsiloxane;ポリジメチルシロキサン)、及びCOC(cyclo olefin copolymer;シクロオレフィンコポリマー)からなる群から選択されるような、透過性の有機材料からなる群から選択される1種以上の材料を含んでもよい。特に、光透過性材料は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリ(メチル)メタクリレート(P(M)MA)、ポリグリコリド又はポリグリコール酸(polyglycolic acid;PGA)、ポリ乳酸(polylactic acid;PLA)、ポリカプロラクトン(polycaprolactone;PCL)、ポリエチレンアジペート(polyethylene adipate;PEA)、ポリヒドロキシアルカノエート(polyhydroxy alkanoate;PHA)、ポリヒドロキシ酪酸(polyhydroxy butyrate;PHB)、ポリ(3-ヒドロキシブチラート-co-3-ヒドロキシバレラート)(poly(3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate);PHBV)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate;PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(polytrimethylene terephthalate;PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などの、芳香族ポリエステル、又はそのコポリマーを含んでもよく、特に、光透過性材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含んでもよい。それゆえ、光透過性材料は、特にポリマー光透過性材料である。しかしながら、別の実施形態では、光透過性材料は、無機材料を含んでもよい。特に、無機光透過性材料は、ガラス、(溶融)石英、透過性セラミック材料、及びシリコーンからなる群から選択されてもよい。また、無機部分及び有機部分の両方を含むハイブリッド材料も、適用されてもよい。特に、光透過性材料は、PMMA、透明PC、又はガラスのうちの1つ以上を含む。
【0052】
更に別の実施形態では、光学要素は、フィラメント光を鏡面反射するように構成されていてもよい。この目的を達成するために、小平面は、Alミラーなどの、鏡面ミラーを設けられていてもよい。このように、光学要素は、フィラメント光の少なくとも部分の方向を(小平面における鏡面反射によって)変更するように構成されていてもよい。例えば、実施形態では、第2の延長軸と垂直な方向に伝搬する可視光は、可視光が反射されるように構成された、1つ以上の小平面に出会ってもよい。
【0053】
それゆえ、実施形態では、光学要素は、小平面における反射及び小平面における屈折のうちの1つ以上によってフィラメント光の少なくとも部分の方向を変更するように構成されている。それゆえ、光学要素は屈折特性及び反射特性の両方を有してもよい。
【0054】
更に他の実施形態では、光学要素は、フィラメント光を拡散反射するように構成されていてもよい。この目的を達成するために、小平面は、フィラメント光を散乱するために選択された粗さを有する白色コーティングなどの、散乱構造を含んでもよい。代替的に又は付加的に、光学要素は、小平面において及び/又は本体内に埋め込まれて散乱特徴を有する透光性材料を含んでもよい。
【0055】
小平面における散乱特徴は表面の粗さであってもよく、本体内の散乱特徴は、光の波長のオーダ以上の粒子サイズを有するものなどの(散乱)粒子であってもよい。好適な透明な材料は以上において示されており、好適な散乱粒子は、光透過性材料の本体内の粒子又はビーズ又は他の形状であってもよく、散乱粒子は、光透過性材料とは異なる屈折率を有する。それゆえ、このような粒子は光反射性材料を含んでもよいが、また、光透過性材料の本体とは異なる屈折率を有する光透過性材料も含んでよい。可視域における反射に関して好適な反射性材料は、TiO2、BaSO4、MgO、Al2O3、及びテフロンからなる群から選択されてもよい。本明細書において、用語「拡散反射性」は、例えば、光、特に、白色光又は青色光などの可視光を有する拡散反射性の(又は拡散反射面を有する)材料の垂直放射の下で、20%未満、例えば10%未満、例えば10~0.1%の範囲、更に特に5~0.1%の範囲、ましてや、1%未満が鏡面反射されてもよいことを意味する場合もある。(表面において、又は任意選択的に、バルク内において)反射される全ての他の光は、(本質的に)拡散反射される。それゆえ、実施形態では、光学要素は、拡散反射によってフィラメント光の少なくとも部分の方向を変更するように構成されている。
【0056】
上述の実施形態の組み合わせも可能であり得、これにより、実施形態では、光学要素は部分を含み、各部分について、フィラメント光の方向変更が、屈折、(鏡面)反射、及び散乱のうちの少なくとも1つに基づくことが当てはまってもよく、実施形態では、異なる部分は(これらの3つの原理のうちの)異なる原理に基づいて方向を変更されるフィラメント光もよい(may redirected filament light)。
【0057】
特定の実施形態では、光学要素は、フィラメント光の少なくとも10%の方向を変更するように構成されていてもよい。なお更なる特定の実施形態では、フィラメント及び光学要素は、フィラメント光の90%以下が方向を変更されるように構成されている。しかし、他の実施形態では、全てのフィラメント光が、例えば、低減されたグレアへ方向を変更されてもよい。しかし、更に他の実施形態では、光学要素(及びフィラメント)は、フィラメント光の10~90%の範囲、例えば15~80%の方向を変更するように構成されている。更に他の実施形態では、光学要素(及びフィラメント)は、フィラメント光の15~45%、例えば、20~40%などの方向を変更するように構成されている。
【0058】
特定の実施形態では、照明デバイスは複数の細長フィラメントを備えてもよい。特に、このような実施形態では、光学要素及び細長フィラメントは対称に配置されていてもよい。
【0059】
特に、実施形態では、第2の延長軸は、3つのフィラメントの場合には3回回転軸、4つのフィラメントの場合には4回回転軸などのようにn個の細長フィラメントのためのn回回転軸と(本質的に)一致してもよい。実施形態では、第2の延長軸は(フィラメントの)1つ以上のミラー平面内に構成されていてもよい。それゆえ、実施形態では、光学要素は複数の細長フィラメントのうちの少なくとも2つの間に構成されている。
【0060】
更に他の実施形態では、細長フィラメントは1つ以上の湾曲を含み、光学要素を囲んでもよい(may circumfere)。
【0061】
特定の実施形態では、光学要素は第2の延長軸と垂直な非円形断面を有する。特に、これは、フィラメント光の方向を変更するために有用であり得る。光学要素の円形断面を有する実施形態は、非円形断面を有する光学要素の実施形態よりも多くのグレアを生じさせるように思われる。更に、スパークリング効果は、円形断面の場合には、より弱いこと又は存在しないこともあるが、非円形断面を有する光学要素の場合には、(より強く)存在し得る。
【0062】
実施形態では、光学要素は、第2の延長軸に沿って包囲される最大約24個の小平面、例えば最大約12個の小平面などの楕円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形などの群から選択される形状を有する(第2の延長軸と垂直な)断面を有してもよい。
【0063】
実施形態では、光学要素は、2~100個の小平面、例えば2~50個の小平面、例えば2~20個を含んでもよい。実施形態では、光学要素は、3~12個の小平面、例えば3~8個の小平面、例えば4~7個の小平面、例えば5又は6個の小平面を含んでもよい(may comprises)。しかし、はるかにより多くの、ましてや100個を超える小平面も可能であり得る。それゆえ、特定の実施形態では、光学要素は、第1の長さに沿った高さにおいて、3~12個の小平面を有してもよく、すなわち、光学要素は、3~12個の小平面を有する(第2の延長軸と垂直な)断面を有してもよい。
【0064】
実施形態では、光学要素(ユニット)の2つ以上の小平面は第2の延長軸を周方向に包囲していてもよい。小平面は第2の延長軸の周りに対称に構成されていてもよい。例えば、第2の小平面は、1つ以上の対称面が与えられるように構成されていてもよく、特に、第2の延長軸は1つ以上の対称面内にある。
【0065】
それゆえ、小平面は中空体又は塊状体の部分であってもよい。同じ高さにおける小平面はユニットを形成してもよい。ユニットは、1つ以上の以上において示された光透過性材料の塊状体、又は1つ以上の反射(及び/又は透過)小平面を含む中空体などの塊状又は中空であってもよい。
【0066】
光学要素は、例えば、六角形状柱又は正四面体などの、単一のユニットを含んでもよい。しかし、実施形態では、光学要素は、本明細書において「光学要素ユニット」とも示される、2つ以上のこのようなユニットのスタックを含んでもよい。
【0067】
それゆえ、実施形態では、光学要素は1つ以上の光学要素ユニットを含んでもよく、各光学要素ユニットは複数の小平面のうちの1つ以上を含む。特に、光学要素ユニットのうちの1つ以上は光学要素によって含まれてもよく、光学要素ユニットは、2つの小平面を有する楕円(断面)などの少なくとも2つの小平面、又は三角形柱などの3つの小平面、又は正角錐などの4つの小平面などを含んでもよい。
【0068】
フィラメント及び最も近い小平面が、例えば、小平面のための全ての可能なミラー対称面がフィラメントの対称面と(本質的に)一致しないように構成されていてもよいときには、それは、更に有益になると思われる。
【0069】
例えば、フィラメントは、(最も近い)小平面に対して傾斜して構成されていてもよい。小平面に対するフィラメントの傾斜は、小平面と平行な平面内の傾斜及び小平面と垂直な平面内の傾斜のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0070】
代替的に又は付加的に、小平面の法線はフィラメントと交わらなくてもよい。例えば、これは、例えば、特定の実施形態では、フィラメントが、小平面に対して傾斜するよう、又は小平面の法線に対して平行移動させられるよう構成されたときに得られてもよい。
【0071】
したがって、実施形態では、光学要素ユニットの小平面のうちの1つ以上について、小平面と垂直に構成された小平面法線が、(i)小平面法線が、隣接した細長フィラメントと交わらないこと、並びに(ii)小平面法線、及び隣接した細長フィラメントの延長軸が、90°と等しくない相互角度(β1)を有すること、から選択される条件のうちの1つに従うことが当てはまる。
【0072】
用語「小平面法線」は、特に、小平面の質量中心の位置における小平面の法線を指す。小平面の質量中心は小平面内の全ての点の算術平均位置である。この位置は、ピンの先端上でその形状の切り抜きが完璧な釣り合いを取ることができる点と考えることができる。
【0073】
以上において示されたように、光学要素は光学要素ユニットを1つ以上含んでもよい。同様に以上において示されたように、傾いた細長フィラメント、及び/又は((傾いた)細長フィラメントのフィラメント光の少なくとも部分を反射する)(異なって)傾いた小平面もまた、光の空間分布を改善するために有用であり得る。例えば、実施形態では、このようなユニットの小平面は第2の延長軸に沿った方向に先細状になっていてもよい。それゆえ、特定の実施形態では、光学要素は1つ以上の光学要素ユニットを含んでもよく、特定の実施形態では、1つ以上の、特に、各光学要素ユニットは複数の小平面のうちの1つ以上を含み、光学要素ユニットの1つ以上の小平面は、特に、第2の延長軸に対して対称に構成されており、特定の実施形態では、光学要素ユニットの1つ以上の小平面は延長軸と平行な方向に先細状になっている。
【0074】
実施形態では、光学要素は、積層された光学要素ユニットの集団を含んでもよい。
【0075】
実施形態では、光学要素は1つ以上の光学要素ユニットを含み、各光学要素ユニットは少なくとも2つの小平面を含み、少なくとも2つの小平面は第2の延長軸に対して対称に構成されており、小平面は延長軸と平行な方向に先細状になっている。
【0076】
全方向性のために更に有益なのは、2つ以上の光学要素ユニットが、異なる先細方向、特に、(第2の延長軸に沿った)反対の先細方向を有するときであってもよい。例えば、ベースを共有する2つの角錐が使用されてもよい。しかし、また、例えば、4つ以上の先細状になった光学要素ユニットのスタックが使用されてもよい。したがって、実施形態では、照明デバイスは1つ以上のセットを備えてもよく、各セットは2つの隣接して構成された光学要素ユニットを含み、セット内の光学要素ユニットは(第2の延長軸に沿って)反対方向に先細状になっている。
【0077】
光学要素ユニットが反対方向に先細状になっている実施形態では、光学要素ユニットの形状は同じであることができ、それゆえ、先細りも同じであってもよい。しかし、(セット内の)光学要素ユニットの形状はまた、異なってもよい。特定の実施形態では、先細りは異なってもよく、例えば、両方の光学要素ユニットについても同じ種類の形状であるが、先細りが異なってもよい。それゆえ、実施形態では、第2の延長軸に沿った光学要素ユニットの長さは2つの光学要素ユニットについて異なってもよい。長さがより短いときには、先細りは比較的より強く、その逆もしかりである。先細りが異なるときには、実施形態では、角錐などの上部光学要素ユニットの表面積は、おいて、角錐などの下部光学要素ユニットの表面積より大きくてもよい(may in be larger)(又はその逆であってもよい)。
【0078】
特定の実施形態では、単一のセットが適用され、特定の実施形態では、セットの先細りは光学要素(例えば、ベースを共有する上述の2つの角錐が使用されてもよい)の端の方向のものである。これは、実施形態では、小平面がフィラメント光の方向を、第2の延長軸と平行な成分を有する方向に(より正確には、2つの反対方向に)変更することをもたらしてもよい。特に、このような実施形態では、ベースの方向の先細り(以下も参照されたい)は、照明デバイスの他方の端部の(即ち、ベースから遠ざかる方に向いた)方向の先細りより強くてもよい。
【0079】
2つの(又はそれより多くの)隣接した光学要素ユニットが、実施形態では、単一の本体を形成してもよい。代替的に、2つの隣接した光学要素ユニットが2つの(異なる)本体によって提供されてもよい。他の実施形態も可能であり得る。それゆえ、単一の光学要素が複数の光学要素ユニットを含んでもよい。更に特に、単一の光学要素本体が複数の光学要素ユニットを含んでもよい。
【0080】
更に他の実施形態では、照明デバイス、特に、光学要素は、複数のセットを備えてもよい。セットは積層されていてもよい。それゆえ、実施形態では、光学要素は光学要素ユニットのセットのスタックを含む。以上において示されたように、実施形態では、スタックは単一の本体であってもよい。
【0081】
特定の実施形態では、それぞれの細長フィラメントの第1の延長軸は第2の延長軸と平行に構成されている。このような実施形態では、フィラメントは光学要素(又は少なくとも光学要素の延長軸)と平行に構成されている。以上において示されたように、フィラメントは、特に、第2の延長軸に対して対称に構成されている。
【0082】
実施形態では、光学要素は1つ以上の光学要素ユニットを含み、各光学要素ユニットは複数の小平面のうちの2つ以上を含み、2つ以上の小平面のうちの2つ以上は第2の延長軸を周方向に包囲しており、隣接した小平面は小平面の辺を規定する。更なる特定の実施形態では、1つ以上のフィラメントは、フィラメントの第1の延長軸が小平面の辺のうちの1つ以上と平行になるように構成されていてもよい。なお更なる実施形態では、1つ以上のフィラメントは、それぞれの小平面の辺に最も接近して構成されており、(光学要素ユニット)の各小平面は、それぞれのフィラメントからそれぞれの小平面の辺よりも大きい距離を置いて構成されている。このような実施形態では、小平面の、特に、フィラメントに最も近い小平面の質量中心の法線はフィラメントと交わらなくてもよい。以上において示されたように、特定の実施形態では、1つ以上の光学要素ユニットのうちの1つ以上は3~12個の小平面を各々含む。しかし、小平面の数の他の実施形態も可能である(例えば以上を参照されたい)。
【0083】
したがって、特定の実施形態では、小平面の辺のうちの1つ以上、第1の延長軸のうちの1つ以上、及び第2の延長軸は平面内に構成されている。
【0084】
(他の)実施形態では、同様に以上において示されたように、複数の第1の延長軸のうちの1つ以上は第2の延長軸に対して傾いている。なお更なる特定の実施形態では、傾きは、フィラメントのうちの1つ以上の第1の延長軸が第2の延長軸と同じ平面内にないように選定される。
【0085】
特定の実施形態では、光学要素の小平面のうちの1つ以上は平面状である。更なる特定の実施形態では、光学要素の全ての小平面は平面状である。
【0086】
(他の)実施形態では、(光学要素の)小平面のうちの1つ以上は凹状である。更なる特定の実施形態では、光学要素の全ての小平面は凹状である。用語「凹状」は、小平面が、最も近い配置のフィラメント(the closet arrange filament)から見たときには中空であり、及び/又は第2の延長軸から見たときには凸状であることを示す。凹状の小平面を用いることで、フィラメント光はまた、照明デバイスのフィラメント光の全方向性を改善するために方向を変更されてもよい。
【0087】
(他の実施形態)では、(光学要素の)小平面のうちの1つ以上は凸状である。更なる特定の実施形態では、光学要素の全ての小平面は凸状である。
【0088】
実施形態では、小平面の部分は凹状であってもよく、(それぞれの)小平面の他の部分は凸状であってもよい。更に、光学要素を有する断面が、少なくとも2つの小平面(すなわち、光学要素が円形断面を有するときにあり得るように、単一の小平面ではない)が存在することを示す実施形態では、それらの小平面は凹状又は凸状であってもよい。特定の実施形態では、1つ以上の小平面が存在してもよく、各小平面は、複数の凸状部分、又は複数の凹状部分、又は1つ以上の凸状部分及び1つ以上の凹状部分を含む。
【0089】
実施形態では(以上も参照されたい)、フィラメントの一方の側のみがフィラメント光を提供してもよい。例えば、これは、グレアを低減するために使用されてもよい。それゆえ、実施形態では、複数の細長フィラメントのうちの1つ以上は、光学要素の方向において反対方向よりも多くのフィラメント光を提供するように構成されている。
【0090】
実施形態では、フィラメントの一方の側で発生されるフィラメント光のスペクトル分布は、フィラメントの他方の側で発生されるフィラメント光とは異なってもよい。これは、特殊効果を生成すために使用されてもよい。これはまた、照明デバイス光のスペクトル分布を制御するために使用されてもよい。
【0091】
実施形態では、2つ以上のフィラメントの間に構成された単一の光学要素の構成が提供されてもよい。他の実施形態では、2つ以上のフィラメントの間に構成された複数の光学要素の構成が提供されてもよい。なお更なる実施形態では、複数のセットが提供され、各セットは、2つ以上のフィラメントの間に構成された単一の光学要素を含む。
【0092】
更なる実施形態では、システムの中心光軸の周りに配置されていてもよい(又は光学要素の重心がシステムの中心光軸上に配置されている)複数の光学要素が設けられてもよい。これらの2つ以上の光学要素は平行に装着されてもよく、又は互いに対して角度(≠0°若しくは≠180°)をなしてもよい。
【0093】
以上において示されたように、フィラメントと共に、光透過球を含む、及び更に、所望されるときには、ポンプステムを含む、レトロタイプのランプが提供されてもよい。例えば、光学要素はポンプステムに取り付けられてもよい。
【0094】
それゆえ、用語「照明デバイス」はまた、ランプ、特に、1つ以上のフィラメント及び光学要素が構成された光透過球を有するランプを指す場合もある。
【0095】
照明デバイスは照明デバイス軸又は延長軸を有してもよい。例えば、照明デバイスの外形は、多くの従来の電球のように、回転軸及び/又は1つ以上の対称面を有し、本質的に対称であってもよい。特定の実施形態では、第2の延長軸は照明デバイス軸又は延長軸と本質的に一致してもよい。
【0096】
実施形態では、照明デバイスは、複数の細長フィラメント及び光学要素を密封するエンクロージャを共に規定する、(i)ベースと、(ii)外球とを備えてもよく、固体光源はLEDを含み、特定の実施形態では、細長フィラメントは直線状の細長要素である。
【0097】
実施形態では、光学要素は、フィラメントのための支持体になるように更に構成されていてもよい。実施形態では、光学要素は、フィラメントの上端部からドライバ又はソケットへ戻る1つ以上の電流導体のフィードスルーを可能にするように更に構成されていてもよい。ドライバはベースによって含まれてもよい。
【0098】
特に、照明デバイスはレトロフィットランプである。
【0099】
実施形態では、照明デバイスは、何らかの適切なコネクタを介してランプ又は照明器具のソケットに接続可能な、LED電球又はレトロフィットランプ内に含まれるか、又は、これらを構成してもよい。例えば、エジソンねじ、バヨネット取り付け具、又は、当該技術分野において知られているランプ若しくは照明器具に好適な別のタイプのコネクタである。コネクタは、細長フィラメント及び光学要素が機能的に結合されてもよいベース部分に接続されてもよい。
【0100】
照明デバイスは、例えばベースによって少なくとも部分的に含まれる制御システムを備えてもよい。制御システムは、フィラメント光の強度、個々の光源又は光源のセットの光源光の強度、カラーポイント、色温度などのうちの1つ以上を制御するように構成されていてもよい。
【0101】
用語「制御すること」及び同様の用語は特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理することを指す。それゆえ、本明細書では、「制御すること」及び同様の用語は、例えば、要素に対して、例えば、測定すること、表示すること、作動すること、開放すること、移行すること、温度を変更することなどの挙動を課すこと(要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理すること)などを指す場合もある。その他にも、用語「制御すること」及び同様の用語は、監視することを付加的に含んでもよい。それゆえ、用語「制御すること」及び同様の用語は、要素に挙動を課すこと、並びにまた、要素に挙動を課して、当該要素を監視することを含む場合もある。要素を制御することは、「コントローラ」として示される場合もある制御システムによりなされ得る。それゆえ、制御システムと要素とは、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。要素は、制御システムを含んでもよい。実施形態では、制御システムと要素とは、物理的に結合されなくてもよい。制御は、有線制御及び/又は無線制御を介して行われることができる。用語「制御システム」はまた、特に機能的に結合されている複数の異なる制御システムを指す場合もあり、複数の異なる制御システムのうちの、例えば1つの制御システムが、マスター制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムが、スレーブ制御システムであってもよい。制御システムは、ユーザインタフェースを含んでもよく、又はユーザインタフェースに機能的に結合されてもよい。
【0102】
制御システムはまた、命令を受信して実行し、遠隔制御を形成するように構成されていてもよい。実施形態では、制御システムは、スマートフォン又はI-phone、タブレットなどのポータブルデバイスなどのデバイス上のアプリを介して制御されてもよい。それゆえ、デバイスは必ずしも照明デバイスに結合されず、照明デバイスに(一時的に)機能的に結合されてもよい。
【0103】
それゆえ、実施形態では、制御システムは(また)、リモートデバイス上のアプリによって制御されるように構成されていてもよい。このような実施形態では、照明デバイスの制御システムは、スレーブ制御システム、又はスレーブモードの制御であってもよい。例えば、照明デバイスは、コード、特に、それぞれの照明デバイスのためのユニークコードを用いて識別可能であってもよい。照明デバイスの制御システムは、((ユニーク)コードの光センサ(例えば、QRコードリーダ)のとのユーザインタフェース(a user interface of with an optical sensor)によって入力された知識に基づく照明デバイスへのアクセスを有する外部制御システムによって制御されるように構成されていてもよい。照明デバイスはまた、Bluetooth、Wifi、ZigBee、BLE、若しくはWiMax、又は別の無線技術などに基づく、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を備えてもよい。
【0104】
それゆえ、実施形態では、制御システムは、ユーザインタフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマーのうちの1つ以上に応じて制御してもよい。用語「タイマー」とは、クロック及び/又は所定の時間スキームを指す場合もある。
【0105】
照明デバイスは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己照明ディスプレイシステム、画素化ディスプレイシステム、セグメント化ディスプレイシステム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータ標識システム、装飾用照明システム、ポータブルシステム、自動車用アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸用照明などの一部であってもよく、又は、これらに適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0106】
ここで、本発明の実施形態が、添付の概略図面を参照して例としてのみ説明され、図面中、対応する参照記号は、対応する部分を示す。
【
図1a】光学要素を有しないレトロフィットランプを概略的に示す。
【
図2a】光学要素を有するこのようなレトロフィットランプの一実施形態を概略的に示す。
【
図3a】光学要素の別の実施形態を有するこのようなレトロフィットランプの一実施形態を概略的に示す。
【
図4a】光学要素の別の実施形態を有するこのようなレトロフィットランプの一実施形態を概略的に示す。
【
図5a】光学要素の別の実施形態を有するこのようなレトロフィットランプの一実施形態を概略的に示す。
【
図6a】光学要素の別の実施形態を有するこのようなレトロフィットランプの一実施形態を概略的に示す。
【
図7a】レトロフィットラム(retrofit lam)及び光学要素の一実施形態を概略的に示す。
【
図7b】複数のフィラメント及び光学要素の構成を概略的に示す。
【
図8a】レトロフィットラム(retrofit lam)及び光学要素の別の実施形態を概略的に示す。
【
図8b】複数のフィラメント及び光学要素の構成を概略的に示す。
【
図11a】フィラメントの実施形態を概略的に示す。
【
図11b】フィラメントの実施形態を概略的に示す。
【0107】
概略図面は、必ずしも正しい縮尺ではない。
【発明を実施するための形態】
【0108】
白熱電球の外観を有するレトロフィットランプを有することがユーザによって評価され、望まれるように思われる。この目的で、単純に、ガラスをベースにした白熱ランプを製造するためのインフラストラクチャを利用し、フィラメントを、白色光を発するLEDと置き換えることができる。
【0109】
構想のうちの1つは、このような電球内に配置されるLEDフィラメントに基づく。これらのランプの外観は、装飾性に優れて見えるため、高く評価されている。
図1a~
図1bは、光学要素を有しないレトロフィットランプ、及び関連強度分布を概略的に示す。しかし、このような解決策は全方向性の光分布をもたらし得ない。
図1bは、上方及び下方へ進む光が(ほとんど)存在しない(there is (almost) no light is going up and downwards)ことを示す(下方への光はまた、ランプベースによって部分的に遮蔽される)。
【0110】
とりわけ、動作時に、LEDフィラメント光を放射するように構成された、1つ以上の、特に、少なくとも3つなどの、複数のLEDフィラメント(すなわち、好ましくはルミネッセント材料によって封入された細長い基材上のLEDのリニアアレイ)を備えたLEDランプが本明細書において提案される。LEDフィラメントは少なくとも部分的に透明な外囲器内に配置されていてもよい。LEDフィラメントの発光面は、特に、外囲器内において中心に配置された、離れて配置された反射(又は屈折)要素の方を向く。実施形態では、LEDフィラメントは反射要素の周りに均等に配置されている。反射要素は、実施形態では、全方向性分布を得るために、光を他の方向に反射するための反射面を有してもよい。
【0111】
実施形態では、反射要素は円錐形状であってもよい。特定の実施形態では、反射要素は二重円錐形状(2つの円錐の構成)を有してもよい。例えば、特定の実施形態では、反射要素は二重角錐形状(2つの角錐の構成)を有してもよい。上部角錐の表面積は、実施形態では、下部角錐の表面積より大きくてもよい。
【0112】
更なる特定の実施形態では、LEDフィラメントは、反射器に面する1つの表面のみから光を放射し、グレアを防止するように選定されてもよい。他の表面は、例えば、フィラメントに白熱ランプの外観を与えるために、(蛍光体以外の)層、例えば、黒色/金属コーティングによって覆われていてもよい。更に、とりわけ(また)、ランプの中心におけるセグメント化された反射器であって、フィラメントがこの反射器の周りに装着された、反射器が本明細書において提案される。この反射器はフィラメントのための支持体の役割も果たしてもよく、フィラメントの上端からドライバ又はソケットへ戻る電流導体のフィードスルーを可能にしてもよい。
【0113】
図1aは、(i)ベース14と、(ii)外球13とを備える照明デバイス10(ただし、光学要素を有しない)の一実施形態を示す。外球はベースと共に、複数の細長フィラメント100及び光学要素(図示されていない)を密封するエンクロージャ113を規定してもよい。ここで、この概略的に示された実施形態では、細長フィラメント100は直線状の細長要素100である。照明デバイス10はデバイス軸又は(デバイス)延長軸15を有する。デバイス10はこの軸15を中心として本質的に回転対称であり、及び/又はデバイス延長軸15を各々含む、1つ以上(ここでは実際には複数)の対称面を備える。参照符号16は任意選択的なポンプステムを示す。外球13を有しない同じデバイス10が
図1aの右側に示されている。
【0114】
図1aは以下において
図2aの短い概説の後に更に説明される。
図1bは強度分布を示す。図示のように、上方及び下方には、強度は比較的低い。強度分布は一種のドーナツ形状を有する。
【0115】
図2a~
図2bは、光学要素を有するこのようなレトロフィットランプの一実施形態、及び関連強度分布を概略的に示す。ここでは、光学要素は角錐形状を有する。
【0116】
図1a及び
図2aは本発明の実施形態のいくつかの態様を概略的に示す。
図1aには、複数の細長フィラメント100を備える照明デバイス10が概略的に示されている。
図1bは、細長フィラメント及び光学要素200の一実施形態を概略的に示す。
【0117】
各細長フィラメント100は、基材又は支持体(
図11a~
図11bを参照されたい)、及び固体光源光を発生するように構成された複数の固体光源を含む。
【0118】
細長フィラメント100は、第1の長さL1を有する第1の延長軸120を有する。細長フィラメント100は、第1の長さL1の少なくとも部分にわたってフィラメント光101を発生するように構成されている。
【0119】
光学要素200は複数の小平面210を含む。特に、隣接した小平面210は(0°と等しくない)相互小平面角を有する。光学要素200は、第2の長さL2を有する第2の延長軸220を有する。特に、光学要素200は第2の延長軸220と垂直な非円形断面を有する。ここでは、光学要素200は、単一の光学要素ユニット1200を含む(どちらも長さL2を有する)。
【0120】
光学要素200は複数の細長フィラメント100のうちの少なくとも2つの間に構成される。光学要素200は、フィラメント光101の少なくとも部分の方向を変更するように構成されている。
【0121】
図2aはまた、光学要素200が1つ以上の光学要素ユニット1200(ここでは1つの光学要素ユニット1200)を含む一実施形態を示す。光学要素ユニット1200は複数の小平面210のうちの1つ以上を含む。特に、光学要素ユニット1200の小平面210のうちの1つ以上について、小平面211と垂直に構成された小平面法線211が、(i)小平面法線211が、隣接した細長フィラメント100と交わらないこと(しかし、これは、
図2aの実施形態における場合に該当してもよく、したがって、例えば、
図7bの構成X~XIIも参照されたい)、並びに(ii)例えば、
図2a、
図3a、
図4a、
図5aなどの概略的に示された実施形態などにおける、小平面法線211、及び隣接した細長フィラメント100の延長軸220が、90°と等しくない相互角度β1を有すること、から選択される条件のうちの1つに従うことが当てはまる。
【0122】
この(及び他の)実施形態では、光学要素ユニット1200の1つ以上の小平面210は第2の延長軸220に対して対称に構成されている。更に、例えば、
図2a、
図3a、
図4a、
図5aなどに概略的に示されるように、光学要素ユニット1200の1つ以上の小平面210は延長軸220と平行な方向に先細状になっている。
【0123】
図2aは(例えば、
図3a、
図4a、
図5aなどもまた)、それぞれの細長フィラメント100の第1の延長軸120が第2の延長軸220と平行に構成された一実施形態も示している。
【0124】
更に、
図2aは、光学要素ユニット1200が複数の小平面210のうちの2つ以上を含み、2つ以上の小平面210のうちの2つ以上が第2の延長軸220を周方向に包囲しており、隣接した小平面210が小平面の辺212を規定する一実施形態も示している。更に、概略的に示されるように、1つ以上の光学要素ユニット1200のうちの1つ以上は3~12個の小平面210を各々含む。例えば、
図2a及び
図3aでは、光学要素200/光学要素ユニット1200は4つの小平面を含む(底部の小平面を考慮していない)。
【0125】
特に、反射要素又は屈折要素は、二重角錐形状、すなわち、2つの角錐の構成を有してもよい。
図3a~
図3bは、光学要素の別の実施形態を有するこのようなレトロフィットランプの一実施形態、及び関連強度分布を概略的に示す(ランプについては、
図1aを参照されたい。ここでは、フィラメント及び光学要素の関連要素のみが概略的に示されている)。
【0126】
図3a(及び
図4a)は実施形態の1つ以上のセット1230(an embodiment(s) one or more sets 1230)(ここでは、単一のセット)を示し、セット1230は2つの隣接して構成された光学要素ユニット1200を含み、セット1230内の光学要素ユニット1200は反対方向に先細状になっている。上部角錐の表面積は下部角錐の表面積より大きくてもよい。
【0127】
小平面を有する角錐形の反射器要素は、より多くの光が方向を変更されるため、円錐形の設計(すなわち、
図4a~
図4bに示されるとおりの丸い反射器)よりも性能が優れているように思われる。
図4a~
図4bは、光学要素の別の実施形態を有するこのようなレトロフィットランプの一実施形態、及び関連強度分布を概略的に示す(この場合も先と同様に、ランプについては、
図1aを参照されたい。ここでは、フィラメント及び光学要素の関連要素のみが概略的に示されている)。
【0128】
上述された設計原理は屈折要素についても成り立つ。換言すれば、屈折要素は、好ましくは、小平面を有する。例えば、屈折角錐が用いられてもよい。
図5a~
図5bは、光学要素の別の実施形態を有するこのようなレトロフィットランプの一実施形態、及び関連強度分布を概略的に示す(同様に、ランプについては、
図1aを参照されたい。ここでは、フィラメント及び光学要素の関連要素のみが概略的に示されている)。
【0129】
別の例では、反射/屈折角錐空洞を含む立方体を使用することができる。
図6a~
図6bは、光学要素の別の実施形態を有するこのようなレトロフィットランプの一実施形態、及び関連強度分布を概略的に示す(同様に、ランプについては、
図1aを参照されたい。ここでは、フィラメント及び光学要素の関連要素のみが概略的に示されている)。
【0130】
図7a~
図10cはいくつかの更なる実施形態を概略的に示す。
【0131】
図7aは、レトロフィットラム(retrofit lam)及び光学要素の一実施形態を概略的に示す。
図7aは、中心に装着された光学要素(反射器など)を有する基本的LEDフィラメント電球構成の一実施形態を示す。本実施形態は、細長い正方形反射器を有する構成Iを含む。
図7bは、(例えば、
図7aの実施形態において適用されてもよい)複数のフィラメント及び光学要素の構成を概略的に示す。構成(II)は細長い六角形反射器を示し、構成(II)は円柱形反射器を示す。
【0132】
一例として、ここでは、本質的に全てのバージョンは4つのフィラメントと共に示されている。
【0133】
フィラメント上に真っ直ぐ戻る光の反射を防止するために、及び複数の仮想光源を見ることを目的として、反射器セグメントの法線をフィラメントの位置と(本質的に)一致させないことが有利であり得る。これは、
図7bの構成IV~VIにおけるいくつかの基本構成のために示されているとおりの、中心に装着されたセグメント化された反射器の好ましい配向をもたらす。ここでは、反射器セグメントの法線がフィラメント位置と一致していない、中心に装着された反射器が概略的に示されている。構成IVは細長い正方形反射器を示し、構成Vは細長い六角形反射器を示し、構成VIは細長い八角形反射器を示す。
【0134】
構成IV~VIの実施形態では、小平面の辺212のうちの1つ以上、第1の延長軸のうちの1つ以上、及び第2の延長軸が平面内に構成されている。
【0135】
この構成セットでは、全てのバージョンIV~VI)は、全てのセグメント法線がフィラメント位置と(本質的に)一致しないレイアウトを示す。本例では、これは、1(構成IVの場合)又は2(V及びVIの場合)の整数乗数をフィラメントの数とセグメントの数との間の関係として使用することによって実現されており、これは精密に対称的な構成をもたらすが、これは必ずしもこのようになっていなくてもよい。
【0136】
反射器セグメントは必ずしも平坦である必要はない。凹状セグメント又は凸状セグメントを使用することさえも有利であり得る。なぜなら、これは、輝度のより一様な(局所)分布を可能にするからであり、又はそれが、直視光源からより大きい距離に仮想(反射)光源を示すため、知覚される増大した輝度の発生を防止することを可能にするからである。凹状反射器セグメントを有するいくつかの基本的実施形態が
図7bの構成VII~IXに示されている。ここでは、凹状反射器セグメントを有する、中心に装着された反射器を有する実施形態が概略的に示されている。構成VIIは、セグメント法線がフィラメント位置と一致した細長い4セグメント凹状反射器を示し、構成VIIIは、セグメント法線がフィラメント位置と(本質的に)一致しない細長い4セグメント凹状反射器を示し、構成IXは、細長い六角形凹状反射器(例として、フィラメント及び反射器法線の一致及び不一致構成の組み合わせを有する)を示す。一例として、ここでは、本質的に全てのバージョンは4つのフィラメントと共に示されている。それゆえ、ここでは、小平面210のうちの1つ以上が凹状である実施形態が概略的に示されている。
図7Bの構成VIIの代替的実施形態では、反射器セグメントはフィラメント100を部分的に包囲している。すなわち、フィラメント100の少なくとも部分は、小平面210の表面、及びその小平面210の2つの反対の小平面の辺212によって境界をつけられた平面によって規定された仮想空間内に位置付けられている。代替的に、フィラメント100は、小平面210、及びその小平面210の2つの反対の小平面の辺212によって境界をつけられた平面によって規定された仮想空間内に完全に位置付けられている。光学要素200は透明であってもよい。この構成の利点は、遠視野における照明パターンの均一性が更に改善されることである。透明な光学要素200の場合には、フィラメントは依然として全ての観察角から可視である。
【0137】
以上において示された例は、ほとんどの場合、4つのフィラメントのみを使用したが、無論、より低い又はより高い総数へのフィラメントの数の拡張が可能である。3つのフィラメントを有する構成が構成Vにおいてすでに示された。一例として、構成X~XIIは、それぞれの、正方形、六角形、及び八角形中心反射器と組み合わせた、4つから6つ及び8つのフィラメントへの拡張のためのいくつかの基本的実施形態を示す。それゆえ、増加する数のフィラメントを有する、中心に装着される反射器を有する構成。構成Xは、セグメント法線がフィラメント位置と一致しない細長い4セグメント反射器を示し、構成XIは、セグメント法線が6つのフィラメント位置と(本質的に)一致しない細長い6セグメント反射器を示し、構成XIIは、セグメント法線が8つのフィラメント位置と(本質的に)一致しない細長い八角形反射器を示す。
【0138】
上述の例のうちのほとんどにおいて、フィラメントの数及び反射器セグメントの数は等しく選ばれたが、無論、また、八角形反射器を有する4つのフィラメントなどの他の比も使用することができる。
【0139】
これまでのところ、フィラメントは全て、中心に装着された反射器の延長方向と平行に示された。しかし、高さに応じて、反射器の方への向き、又は反射器に対する位置が変化し、(仮想)光源のより多様な輝度分布をもたらすよう、フィラメントを傾斜させることが有益であり得る。これが、
図8a~
図8bにおけるいくつかの基本構成のために示されている。ここでは、フィラメントが反射器の周りの接平面内で傾斜している、中心に装着された反射器を有する構成が示されている。構成I、II、及びIIIは、六角形(6セグメント)、正方形(4セグメント)、及び八角形(8セグメント)反射器を有するそれぞれの構成を示す。全てのバージョンは、ここでは、一例として、4つのフィラメントを有するように示されている。
図8aは、レトロフィットラム(retrofit lam)及び光学要素の別の実施形態を概略的に示す。ここでは、複数の第1の延長軸120のうちの1つ以上は第2の延長軸220に対して傾いている。
図8bは、(例えば、
図8aの実施形態において使用されてもよい)複数のフィラメント及び光学要素の構成を概略的に示す。
【0140】
フィラメントの有意義な向きの更なる拡張として、これらはランプ又は中心反射器の光軸に対して半径方向内方又は外方へ傾斜していてもよい。同じことが反射器表面の平均向きについても成り立ち、また、これらもシステムの光軸に対して内方又は外方へ傾斜していてもよい。特に、半径方向に放射されるものと比較した、長手方向に放射される相対的光束がこれによって影響を受けるため、ビームプロファイル調整のために、これは有意義であり得る。いくつかの更なる実施形態を概略的に示す
図9a~
図9bに、いくつかの基本構成が提示されている。中心に装着された反射器を有するLEDフィラメント電球の構成が概略的に示されており、フィラメント及び/又は反射器セグメントはシステムの光軸に対して半径方向に傾斜している。
図9aにおける構成は、接平面内及び半径方向面内の両方において傾斜したフィラメントを有する八角形円柱形反射器を示す。
図9bにおける構成は、接平面内及び半径方向面内の両方において傾斜したフィラメントと組み合わせられた、半径方向に傾斜したセグメントを有する及び八角形反射器(and octagonal reflector)を示す。全てのバージョンは、ここでは、一例として、4つのフィラメントを有するように示されている。無論、
図9bにおける構成の逆さまのバージョンも同様に可能であり、妥当である。
【0141】
反射器は、代替的実施形態では、周方向位置に応じた表面法線の方向の変化だけでなく、高さ位置に応じた変化も示すセグメントで構成されていてもよい。これは更なるスパークル効果を高め、更なるビーム形状最適化のためにも使用されてもよい。いくつかの更なる実施形態を概略的に示す
図10a~
図10cに、いくつかの例が示されている。これらの図は、反射器セグメントが局所的に傾斜した、中心に装着された反射器を有するLEDフィラメント電球構成の実施形態も概略的に示した。
図10及び
図10bの構成は層状の反射器構成を示し、その一方で、
図10cの構成は螺旋状の反射器構成を示す。一例として、全てのバージョンは、ここでは、反射器の正方形の基本輪郭を有し、4つのフィラメントを有するように示されている。
【0142】
部分的に透明/半透明及び一部反射性の中心反射器構造を使用することによって、特殊効果も達成されてもよい。反射特性は実質的に鏡面性であってもよい。しかし、他の実施形態では、反射性層は、反射性顆粒状面構造などの小さい湾曲面要素によって達成され得るように、ビームを実質的に広げてもよい。
【0143】
小平面の数、フィラメントの数、小平面の向き、フィラメントの向き、並びに反射器表面及び反射器の本体の光学的性質に関して、上述の実施オプションの多くの組み合わせが可能であることが明白である。
【0144】
示された実施形態のうちの少なくともいくつかの一般的態様は、1つ以上の電気リード線が反射器の中心を通して案内されることであるが、これは必ずしもこのようでなく、電気リード線が中心反射器の外側でフィラメントの上部からランプのベースへ戻ることも可能である。
【0145】
ここで示された例は、様々なフィラメントがこれらの上部において並列に接続されていることを示すが、無論、これらは、個々に対応可能なように、又は直列に装着されることもできる。
【0146】
フィラメントは実質的に同じスペクトル成分を放射してもよいが、同様に、異なるスペクトル成分を放射するように構成されていてもよい。特に、複数の小平面を有する中心に装着された反射器を用いた動的スパークリングのためには、おいて、フィラメントのうちのいくつかのために異なるカラーポイントを使用することが魅力的であってもよい(in may be attractive)。
【0147】
図11a~
図11bは細長フィラメント100の一実施形態を概略的に示す。細長フィラメント100は、光源光11が発生される第1の長さL1を有する。ここでは、細長フィラメント100は、第1の長さL1に沿って構成されており、固体光源光111を発生するように構成された、複数の固体光源110を含む。
【0148】
実施形態では、光源光11は固体光源光から本質的になってもよい。更に後述されるものなどの他の実施形態では、光源光は、ルミネッセント材料150によるルミネッセント材料光151への固体光源光111の少なくとも部分的な変換に基づくルミネッセント材料光151を含んでもよい。なお更なる実施形態では、光源光はルミネッセント材料光151及び固体光源光111を含んでもよい。
【0149】
固体光源110は基材105上で利用可能であってもよい。更に、固体光源110(及び基材105)は、特に、樹脂などの、光透過性材料(概して、光ガイド要素の光透過性材料とは異なる)内に埋め込まれていてもよい。光源を密封する光透過性材料が、参照符号145を用いて示されている。特に、光透過性材料は、ルミネッセント材料150を埋め込むなどして含んでもよい。特に、この光透過性材料145は、有機樹脂内の無機ルミネッセント材料などのルミネッセント材料150を含む樹脂であってもよい。樹脂は、例えば、アクリレート又はシリコーン樹脂又はエポキシ樹脂などであってもよい。
【0150】
光透過性材料145が固体光源110及び基材105を密封しているという事実のために、光透過性材料145内で発生される光は、(延長軸110と垂直な)本質的にあらゆる方向に放射してもよい。これは
図11bにおける断面図にも示されている。それゆえ、細長フィラメント100は、実施形態において、細長フィラメント100は、光源光11を延長軸120と垂直な複数の方向に提供するように構成されている。
【0151】
それゆえ、
図11a~
図11bは、細長フィラメント100が含む、細長フィラメント100が、固体光源光111の少なくとも部分をルミネッセント材料光151に変換するように構成されたルミネッセント材料150を含み、光源光11が、ルミネッセント材料光151、及び任意選択的に、固体光源光111を含む、細長フィラメント100の一実施形態を概略的に示す。参照符号105は支持体又は基材を示す。
【0152】
図11a及び
図11bにおいて破線を用いて概略的に示されるように、光源光111は延長軸110の周りに本質的に360°にわたって発生される(
図11bを参照されたい)。
図11aを参照すると、延長軸110に対して、セグメント、又は一種の細長い半円、又は一種の細長い円を規定することができ、その内部で、また、光源光が本質的に180°又は360°にわたってそれぞれ発生する。
図11aを参照されたい。
【0153】
用語「複数」は、2つ以上を指す。
【0154】
本明細書の用語「実質的に(substantially)」又は「本質的に(essentially)」、及び同様の用語は、当業者には理解されるであろう。用語「実質的に」又は「本質的に」はまた、「全体的に(entirely)」、「完全に(completely)」、「全て(all)」などを伴う実施形態を含む場合もある。それゆえ、実施形態では、実質的に又は本質的にという形容詞はまた、削除される場合もある。適用可能な場合、用語「実質的に」又は用語「本質的に」はまた、100%を含めて、90%以上、例えば95%以上、特に99%以上、更に特に99.5%以上に関する場合もある。
【0155】
用語「備える(comprise)」はまた、用語「備える(comprises)」が「からなる(consists of)」を意味する実施形態を含む。
【0156】
用語「及び/又は」は、特に、「及び/又は」の前後で言及された項目のうちの1つ以上に関する。例えば、語句「項目1及び/又は項目2」、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関する場合もある。用語「備える(comprising)」は、一実施形態では、「からなる(consisting of)」を指す場合もあるが、別の実施形態ではまた、「少なくとも定義された種、及び任意選択的に1つ以上の他の種を包含する」を指す場合もある。
【0157】
更には、本明細書及び特許請求の範囲における用語第1、第2、第3などは、類似の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、順次的な又は時系列的な順序を説明するために使用されるものではない。このように使用される用語は、適切な状況下で交換可能である点、及び本明細書で説明された本発明の実施形態は、本明細書で説明又は図示されたもの以外の他の順序での動作が可能である点が理解されよう。
【0158】
本明細書では、デバイス、装置、又はシステムは、とりわけ、動作中について説明されている場合もある。当業者には明らかとなるように、本発明は、動作の方法、又は動作中のデバイス、装置、若しくはシステムに限定されるものではない。
【0159】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、むしろ例示するものである点、及び当業者には添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替的実施形態を設計することが可能となる点に留意されたい。
【0160】
特許請求の範囲では、括弧内のいかなる参照符号も、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0161】
動詞「備える(to comprise)」及び該活用形の使用は、請求項に記載されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。文脈が明らかにそうではないことを必要としない限り、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、単語「備える(comprise)」、「備える(comprising)」などは、排他的又は網羅的な意味ではなく包括的な意味で、すなわち、「含むが、限定されない」という意味で解釈されたい。
【0162】
要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のこのような要素が存在することを排除するものではない。
【0163】
本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、好適にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。いくつかの手段を列挙する、デバイスの請求項、又は装置の請求項、又はシステムの請求項において、これらの手段のうちのいくつかは、1つの同一のハードウェア物品によって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項において列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0164】
本発明はまた、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得るか、又は、本明細書で説明される方法若しくはプロセスを実行し得る、制御システムも提供する。また更には、本発明はまた、デバイス、装置、若しくはシステムに機能的に結合されているか、又は、デバイス、装置、若しくはシステムによって含まれている、コンピュータ上で実行されると、このようなデバイス、装置、若しくはシステムの1つ以上の制御可能要素を制御するコンピュータプログラムも提供する。
【0165】
本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、デバイス、装置、若しくはシステムに適用される。本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、方法又はプロセスに関する。
【0166】
本特許で論じられている様々な態様は、更なる利点をもたらすために組み合わせることができる。更には、当業者には、実施形態を組み合わせることができる点、及び3つ以上の実施形態も組み合わせることができる点が理解されよう。更には、特徴のうちのいくつかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成し得るものである。