(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】薄型導電性フィルム
(51)【国際特許分類】
H05K 1/11 20060101AFI20221129BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20221129BHJP
H01B 5/14 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
H05K1/11 N
H05K9/00 A
H01B5/14 A
(21)【出願番号】P 2021558826
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(86)【国際出願番号】 US2020026063
(87)【国際公開番号】W WO2020205904
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-09-30
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317001367
【氏名又は名称】カンブリオス フィルム ソリューションズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】スペイド マイケル アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルク ジェフ アラン
(72)【発明者】
【氏名】ダイ ハイクシア
【審査官】柴垣 宙央
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-146361(JP,A)
【文献】特表2012-526359(JP,A)
【文献】特表2015-524072(JP,A)
【文献】特開2015-32437(JP,A)
【文献】特開2011-204649(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0202738(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/11
H05K 9/00
H01B 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明導電性フィルムであって、
基板と、
前記基板の領域にわたって導電性を確立するナノ構造体のパーコレーションネットワークであって、前記ナノ構造体は平均直径の値を有するパーコレーションネットワークと、
前記基板上に被覆されたオーバーコートマトリックスと、を含み、
前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークが前記オーバーコートマトリックス内に位置し、
前記オーバーコートマトリックス、及びその中の前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークの全体の厚みは、前記ナノ構造体の前記平均直径の値の4倍未満であ
り、
前記オーバーコートマトリックス、及び前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークの全体の厚みは、50Ω/sq以上のフィルムシート抵抗に対して少なくとも1350Vの故障電圧を確立するのに十分である、
透明導電性フィルム。
【請求項2】
前記オーバーコートマトリックス、及び前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークの全体の厚みが、前記平均直径の値の2倍未満である、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
【請求項3】
前記平均直径の値が約20nmであり、
前記オーバーコートマトリックス、及び前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークの全体の厚みが80nm未満である、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
【請求項4】
前記オーバーコートマトリックスは、前記ナノ構造体を担持するバインダ材料、及びオーバーコート材料から得られ、
前記オーバーコート材料は、溶媒を含み、
前記ナノ構造体を担持するバインダ材料は、前記溶媒によって少なくとも部分的に溶解する、請求項3に記載の透明導電性フィルム。
【請求項5】
前記オーバーコートマトリックス、及び前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークの全体の厚みが、40から80ナノメートルの範囲である、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
【請求項6】
前記オーバーコートマトリックス、及び前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークの全体の厚みは、パーコレーションナノワイヤネットワークと、約100分の1平方ミリメートル(0.01mm
2)以上の接触面積を有する金属接点との間の接触抵抗が150Ω未満であることを確立するのに十分である、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
【請求項7】
前記オーバーコートマトリックスが、前記ナノ構造体を担持するバインダ材料、及びオーバーコート材料から得られる、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
【請求項8】
前記オーバーコート材料は溶媒を含み、前記ナノ構造体を担持するバインダ材料は前記溶媒によって少なくとも部分的に溶解する、請求項
7に記載の透明導電性フィルム。
【請求項9】
前記オーバーコートマトリックスは、前記バインダ材料、及び前記オーバーコート材料から生じた結果としての材料を含む、請求項
8に記載の透明導電性フィルム。
【請求項10】
透明導電性フィルムの製造方法であって、
基板を供給し、
前記基板の領域にわたって導電性を確立するナノ構造体のパーコレーションネットワークを供給し、前記ナノ構造体は平均直径の値を有し、
前記基板上に被覆されたオーバーコートマトリックスを供給し、前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークが前記オーバーコートマトリックス内に位置し、前記オーバーコートマトリックス、及びその中の前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークの全体の厚みは、前記ナノ構造体の前記平均直径の値の4倍未満であ
り、
前記オーバーコートマトリックスを供給するステップにおいて、
前記オーバーコートマトリックス、及び前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークは、50Ω/sq以上のフィルムシート抵抗に対して少なくとも1350Vの故障電圧を確立するのに十分である、
透明導電性フィルムの製造方法。
【請求項11】
前記オーバーコートマトリックスを供給するステップにおいて、
前記オーバーコートマトリックス、及び前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークの全体の厚みが、前記平均直径の値の2倍未満である、請求項
10に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
【請求項12】
前記オーバーコートマトリックスを供給するステップにおいて、
前記平均直径の値が約20nmであり、
前記オーバーコートマトリックス、及び前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークの全体の厚みが80nm未満である、請求項
10に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
【請求項13】
前記オーバーコートマトリックスを供給するステップにおいて、
前記オーバーコートマトリックスは、前記ナノ構造体を担持するバインダ材料、及びオーバーコート材料から得られ、
前記オーバーコート材料は、溶媒を含み、
前記ナノ構造体を担持するバインダ材料は、前記溶媒によって少なくとも部分的に溶解する、請求項
12に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
【請求項14】
前記オーバーコートマトリックスを供給するステップにおいて、
前記オーバーコートマトリックス、及び前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークの全体の厚みが40から80ナノメートルの範囲である、請求項
10に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
【請求項15】
前記オーバーコートマトリックスを供給するステップにおいて、
前記オーバーコートマトリックス、及び前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークの全体の厚みは、パーコレーションナノワイヤネットワークと、約100分の1平方ミリメートル(0.01mm
2)以上の接触面積を有する金属接点との間の接触抵抗が150Ω未満であることを確立するのに十分である、請求項
10に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
【請求項16】
前記オーバーコートマトリックスを供給するステップにおいて、
前記オーバーコートマトリックスが、前記ナノ構造体を担持するバインダ材料、及びオーバーコート材料から得られる、請求項
10に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
【請求項17】
前記オーバーコートマトリックスを供給するステップにおいて、
前記オーバーコート材料は溶媒を含み、前記ナノ構造体を担持するバインダ材料は前記溶媒によって少なくとも部分的に溶解する、請求項
16に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
【請求項18】
前記オーバーコートマトリックスを供給するステップにおいて、
前記オーバーコートマトリックスは、前記バインダ材料、及び前記オーバーコート材料から生じた結果としての材料を含む、請求項
17に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改善された静電気放電保護を有する薄い透明導電性フィルム、及び薄い透明導電性フィルムを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
透明導電体は、タッチセンシティブなコンピュータディスプレイで一般的に使用されるような、光学的に透明で導電性フィルムを含む。一般に、導電性ナノ構造体は、互いに接続して、長距離相互接続性を有するパーコレーションネットワーク(浸透回路網)を形成する。パーコレーションネットワークは、コンピュータ、タブレット、スマートフォン、またはタッチセンシティブディスプレイを有する他のコンピュータ機器の電子回路に、金属接点と協働することによって接続される。金属接点は不透明であるので、それらは、典型的には、ディスプレイのタッチ感知領域を囲むベゼルの背後に隠される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、コンピュータ機器、特に、ポータブルコンピュータ機器の形状要素(フォームファクタ)を最小化するための探求には、小型ベゼルの使用を必要とする。金属接点を見えないままにして、美的に好ましい外観で表示を可能にするために、金属接点も同様にできるだけ小さく形成されなければならない。金属接点の表面積が減少すると、ナノ構造体のパーコレーションネットワークと金属接点との間の相互接続のサイズも減少する。その結果、小さな金属接点によって示される接触抵抗が増大し、それがナノ構造体のパーコレーションネットワークと電子回路との間の信号の伝導を妨げる可能性がある。
【0004】
このようなフィルムは静電放電(ESD)事象による損傷も受けやすい。ナノ構造体のネットワークへの高電圧の放電は、ナノ構造体の破壊をもたらし得る。破壊は放電による大電流に伴う加熱によるものである。ESD事象による導電性フィルムへの損傷の大部分は、電気抵抗が高い位置で生じる。接触抵抗が高い場合、導電性フィルムの損傷の大部分は、電気的接触の近傍で発生する可能性が高い。導電性フィルムを有する電子デバイスのサイズが小さくなるにつれて、そのようなフィルムと電子回路との間の界面として機能する金属接点は、しばしば、抵抗が最も高い位置である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、本開示は、基板、基板の領域にわたって導電性を確立するナノ構造体のパーコレーションネットワーク、及び基板上のナノ構造体のパーコレーションネットワーク上に被覆されたオーバーコートマトリックスを含む透明導電性フィルムを提供する。ナノ構造体は平均直径の値を有する。ナノ構造体のパーコレーションネットワークは、オーバーコートマトリックス内に位置する。オーバーコートマトリックス、及びその中のナノ構造体のパーコレーションネットワークは、ナノ構造体の平均直径の値の4倍未満の全厚さを有する。
【0006】
一態様によれば、本開示は、透明導電性フィルムを製造する方法を提供するものであって、基板を供給し、前記基板の領域にわたって導電性を確立するナノ構造体のパーコレーションネットワークを供給し、前記ナノ構造体は平均直径の値を有し、前記基板上の前記ナノ構造体のパーコレーションネットワーク上に被覆されたオーバーコートマトリックスを供給し、前記ナノ構造体のパーコレーションネットワークは、前記オーバーコートマトリックス内に位置し、前記オーバーコートマトリックス、及びその中のナノ構造体のパーコレーションネットワークは、ナノ構造体の平均直径の値の4倍未満の全厚さを有する。
【0007】
上記の要約は、本明細書で議論されるシステム、及び方法の少なくとも1つの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された要約を提示する。本要約は、本明細書で議論されるシステム、及び方法の少なくとも1つの広範な概要ではない。主要又は重要な要素を特定したり、そのようなシステム、及び方法の少なくとも1つの範囲を明確にしたりすることを意図していない。その唯一の目的は、後に述べるより詳細な説明の前段階として、いくつかの概念を簡略化して示すことである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に提示される技術は、代替の形態で実施されてもよいが、図面に示される特定の実施形態は、本明細書に提供される説明の補足である少数の例にすぎない。これらの実施形態は、添付の特許請求の範囲を限定するような限定的な方法で解釈されるべきではない。
【0009】
開示された主題は、特定の部分、及び部分の配置において物理的な形態をとることができ、その実施形態は、本明細書において詳細に説明され、本明細書の一部を形成する添付図面に図示され、以下の条件を満たす。
【0010】
【
図1】
図1は、オーバーコートマトリックスの一例におけるナノ構造体のいくつかの例を示す透明導電性フィルムの一例の概略断面であり、また、透明導電性フィルムを作製する方法の一例を概略的に示す。
【0011】
【
図2】
図2は、異なるオーバーコートマトリックス厚さに対して測定された接触抵抗の実験データを示す。
【0012】
【
図3】
図3は、異なるオーバーコートマトリックス厚さについて故障電圧を経験的に測定するために使用される試験の形態の例示的な実施形態を示す。
【0013】
【
図4】
図4は、レーザパターン化されて、かつ、接点を設けられた試験フィルムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一部を構成し、例示として特定の実施形態例を示す添付図面を参照して、主題をより詳細に説明する。この説明は、既知の概念の詳細な説明を意図したものではありません。当業者に一般的に知られている詳細は省略されていてもよいし、要約して扱われてもよい。
【0015】
特定の用語は、本明細書では便宜のためにのみ使用され、開示された主題に関する限定とはみなされない。本明細書で使用される相対的な用語は、図面を参照することで最もよく理解され、図面では、同様の項目を識別するために同様の数字が使用される。さらに、図面において、特定の特徴は、いくぶん概略的な形態で示されてもよい。
【0016】
以下の主題は、方法、装置、構成要素、及びシステムの少なくとも1つなどの様々な異なる形態で具現化することができる。したがって、この主題は、例示として本明細書に記載された任意の例示的な実施形態に限定されるものと解釈されることを意図していない。むしろ、本明細書では、実施形態は単に説明のために提供される。
【0017】
本明細書では、基板、ナノ構造体のパーコレーションネットワーク、及びオーバーコートマトリックスを含む透明導電性フィルムが提供される。ナノ構造体のパーコレーションネットワークは、基板の領域にわたって導電性を確立する。ナノ構造体は平均直径の値を有する。オーバーコートマトリックスをナノ構造体のパーコレーションネットワーク上に被覆する。オーバーコートマトリックスの厚さは、平均直径の値の4倍未満である。
【0018】
また、本明細書では、透明導電性フィルムの製造方法が提供される。本方法は、基板を供給するステップと、ナノ構造体のパーコレーションネットワークが基板の領域にわたって導電性を確立するように、ナノ構造体のパーコレーションネットワークを供給するステップとを含む。ナノ構造体は平均直径の値を有する。この方法は、ナノ構造体のパーコレーションネットワーク上を被覆するためのオーバーコートマトリックスを供給することを含む。オーバーコートマトリックスの厚さは、平均直径の値の4倍未満である。
【0019】
パーコレーションナノ構造ネットワークを保護するために、オーバーコートレイヤは、パーコレーションナノ構造ネットワーク上にコーティングされるか、または他の方法で適用されることを理解されたい。上述のように、オーバーコートレイヤは、ナノ構造体の直径に関連し得る厚さを有し得る。いくつかの例において、オーバーコートレイヤの厚さは、ナノ構造体の直径の2倍未満であり得る。さらに、いくつかの例において、オーバーコートレイヤの厚さは、ナノ構造体の直径の1.3倍の範囲内であり得る。
【0020】
ナノ構造体の規定された直径の数値に対して、オーバーコートレイヤは、数値、又は数値範囲として記載することができることを理解されたい。いくつかの例として、ナノ構造体が20nmの直径を有する場合、オーバーコートレイヤは、20-80nmの範囲の厚さを有することができる。いくつかの追加の例として、ナノ構造体が20nmの直径を有する場合、オーバーコートマトリックスは80nm未満の厚さを有する。
【0021】
このような制限を有する必要がない例があることを理解されたい。オーバーコートの厚さは、どのオーバーコートが使用されるか、銀ペーストに使用される溶媒などによって影響を受ける可能性があり、このような態様は、範囲制限の変動をもたらす可能性がある。
【0022】
本明細書で使用される場合、「導電性ナノ構造体」または「ナノ構造体」は、一般に、少なくとも一つの寸法が、例えば、500nm未満、または、250nm、100nm、50nm、25nm、15nm、若しくは10nm未満である、導電性ナノサイズ構造体を指す。典型的には、ナノ構造体は、元素金属(例えば遷移金属)または金属化合物(例えば、金属酸化物)などの金属材料で作られる。金属材料は、2種類以上の金属からなるバイメタル材料または金属合金であってもよい。好適な金属としては、銀、金、銅、ニッケル、金めっき銀、白金、及びパラジウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
ナノ構造体は、任意の形状または幾何学形状であり得る。所与のナノ構造体の形態は、そのアスペクト比(ナノ構造体の直径に対する長さの比)によって、簡単な方法で定義することができる。例えば、ある種のナノ構造体は等方的な形状をしている(すなわち、アスペクト比=1)。典型的な等方性ナノ構造体はナノ粒子を含む。好ましい実施態様において、ナノ構造体は、異方性の形状をしている(すなわち、アスペクト比≠1)。異方性ナノ構造体は、典型的には、その長さに沿って縦軸を有する。異方性ナノ構造体の例は、本明細書で定義されるナノワイヤ、ナノロッド、及びナノチューブを含む。
【0024】
ナノ構造体は、固体または中空であり得る。固体ナノ構造体は、例えば、ナノ粒子、ナノロッド、及びナノワイヤを含む。ナノワイヤは、典型的には、10を超える、好ましくは50を超える、より好ましくは100を超えるアスペクト比を有する細長いナノ構造体を指す。典型的には、ナノワイヤは、500nmを超える長さ、1μmを超える長さ、または10μmを超える長さである。「ナノロッド」は、典型的には、10以下のアスペクト比を有する短くて広い異方性ナノ構造体である。本開示は、任意のタイプのナノ構造体を包含し、適用可能であるが、簡潔にするために、銀ナノワイヤを、議論のための一例として提示する。
【0025】
いくつかの背景を考慮すると、透明な導電性フィルムは、静電放電(ESD)事象によって損傷を受ける可能性がある。ナノワイヤのネットワークへの高電圧の放電は、ナノ構造体の破壊をもたらし得る。破壊は放電による大電流に伴う加熱によるものである。RCで示される接触抵抗は、電気デバイスの残りの部分と接触するために使用される接触材料、例えば銀ペーストと導電性フィルムとの間の抵抗である。ESD事象で損傷を受ける可能性がある領域の1つは、この接触領域である。任意の抵抗器で消費されるエネルギーはE=I2RAtであり、ここで、Iは抵抗器を通る電流、Rは抵抗、Atはパルスの時間である。したがって、この接触の抵抗が高いほど、その場所で加熱が行われ、その場所でナノ構造体が溶融する可能性が高くなる。これを述べる別の方法は、ESDパルスが、ナノワイヤの加熱として消散される一定のエネルギーを有することである。より高い接触抵抗は、より少ないナノワイヤが銀ペースト電気接点に接触することを意味する。同じエネルギーが少数の接続を流れるため、これらの接続は溶解する可能性が高くなる。
【0026】
銀ナノ構造膜は、インジウムすず酸化物(ITO)から形成されるような従来の透明導電膜とは非常に異なる構造を有する。ITOは極めて平坦であり、導電性レイヤの全表面積をカバーしている。対照的に、ナノ構造フィルムは、導電性の「スティック」(例えば、ナノワイヤ)のパーコレーションネットワークからなり、その領域のほとんどは、実際には導電性要素間の空間である。ナノ構造体間の相互接続は、ナノ構造体が交差する場所で起こり、これらの交差は、他の領域よりも基板上で高い。ナノ構造体は、本明細書ではオーバーコートと呼ばれる薄膜によって覆われ、これは、ナノ構造体を物理的、及び環境的損傷、及び劣化の少なくとも1つから保護する目的に役立つ。ナノ構造体の交点における導電性ネットワークの高い点を含むこの独特な幾何学構造のために、ナノ構造体への電気的接触を行う能力は、オーバーコートレイヤの厚さに大きく依存する。ナノ構造体上のオーバーコートレイヤの厚さは、規定値未満の所望の接触抵抗を達成するように制限してもよい。
【0027】
図1を参照すると、本開示の少なくとも一態様によるナノ構造フィルム(すなわち、デバイス)132、及び方法が概略的に示されている。オーバーコートマトリックス128の一例における、ナノ構造体116のいくつかの例を示す、透明導電性フィルム132(
図1の右側)の一例の概略的な断面が、
図1の右側の完成したデバイスとして供給される。また、
図1の左側には、
図1の右側に遷移する概略的な中央の矢印が示されており、透明導電性フィルム132の製造方法の一例が概略的に示されている。
【0028】
図1において、ナノ構造体、例えば、銀ナノワイヤ、レイヤ104/116は、プラスチック(例:ポリエチレンテレフタレート(PET))基板108にコーティング112される。一例において、ナノ構造体レイヤ104/116は、インクと称され得る。ナノ構造体レイヤ104/116は、ナノ構造体116(例えば、銀ナノワイヤ)と、バインダ材料104(
図1の左側)とを含む。バインダ材料104は、ナノ構造体レイヤ104/116内にナノ構造体116を担持する。
【0029】
透明導電性フィルム132内では、ナノ構造体116が互いに接続して、プラスチック基板108上にパーコレーションナノ構造ネットワークを形成する。パーコレーションナノ構造ネットワークを保護するために、電気絶縁性のオーバーコート材料120(
図1の左側)がナノ構造体レイヤ104/116上にコーティング124される。一実施形態では、オーバーコート材料120はポリマーを含む。
【0030】
オーバーコート材料120及びバインダ材料108は共に、ナノ構造体116を取り囲むオーバーコートマトリックス128(
図1の右側)を形成する。全体的な結果は、プラスチック基板108、及びオーバーコートマトリックス128内のナノ構造体116のパーコレーションナノ構造ネットワークを含む透明導電性フィルム132である。ただし、バインダを用いずにネットワークを形成することも可能である。それにもかかわらず、オーバーコートマトリックス128の少なくとも一部は、パーコレーションナノ構造ネットワーク内にあるナノ構造体116の上部より上にある。「上」という用語は、プラスチック基板108から離れるZ軸に沿った方向を指す。
図1において、方向は
図1に示すように上向きであり、プラスチック基板108は底部に位置している。
【0031】
オーバーコートマトリックス128の厚さD(
図1の右側)は、パーコレーションナノ構造ネットワーク内のナノ構造体116を含み、
図1のZ軸に沿ってオーバーコートマトリックス128の深さ方向にある。オーバーコートマトリックス128の厚さDは、パーコレーションナノ構造ネットワーク内のナノ構造体116を含めて、上限以下とすることができる。厚さDの上限は、透明導電性フィルム132と、電子回路に電気的に接続された金属接点との間の接触抵抗を低減させ、ESD事象に起因する損傷からのナノ構造体を保護する効果を高める。
【0032】
オーバーコートマトリックス128の厚さDは、パーコレーションナノ構造ネットワーク内のナノ構造体の高さにおける異常な上限を超えてもよい。しかしながら、オーバーコートマトリックス128の厚さの平均は、上限以下である。いくつかの例では、オーバーコートレイヤは、ナノ構造体の直径に関連し得る厚さを有し得る。このようなナノ構造体の直径は、平均的なナノ構造体の直径とすることができる。これにより、個々のナノ構造体の直径をある程度変化させることができる。
【0033】
厚さDのいくつかの例において、オーバーコートレイヤの厚さは、ナノ構造体の直径の4倍未満、ナノ構造体の直径の3倍未満、又はナノ構造体の直径の1~3倍の範囲内であり得る。いくつかの例として、ナノ構造体が20nmの直径を有する場合、オーバーコートレイヤは、20~80ナノメートル(nm)の範囲の厚さを有することができる。オーバーコートマトリックス128の厚さDの実施形態の例は、例えば、80ナノメートル(80nm)以下、60ナノメートル(60nm)以下、55ナノメートル(55nm)以下、50ナノメートル(50nm)以下、45ナノメートル(45nm)ナノメートル以下、40ナノメートル(40nm)以下、35ナノメートル(35nm)以下、または30ナノメートル(30nm)以下の厚さDを有することができる。オーバーコートマトリックス128のいくつかの実施形態は、例えば、少なくとも25(25nm)ナノメートル、少なくとも30(30nm)ナノメートル、又は少なくとも35(35nm)ナノメートルである厚さDを有することができる。
【0034】
オーバーコートマトリックス128の実施形態の具体例は、例えば、少なくとも30(30nm)ナノメートル、最大80ナノメートル(80nm)の厚さDを有することができる。具体的な例として、ナノ構造体は、約20nmの平均直径を有し、オーバーコートマトリックス128は、80nm未満の厚さDを有する。もちろん、透明導電性フィルム132のデバイスのこれらの様々な例の全てを作製する方法は、本開示の範囲内である。さらに、異なる範囲が考えられ、したがって、提示された実施例に限定されないことを理解されたい。
【0035】
例えば、オーバーコート材料は溶媒を含むことができ、ナノ構造体116を担持するバインダ材料104は、溶媒によって少なくとも部分的に溶解する。一例として、ナノ構造体116は、オーバーコートマトリックス128内でZ軸に沿って上方に上昇し、最終的な位置が、バインダ104内に保持されるナノ構造体の位置より上方である、又は高い。このようなナノ構造体の上昇は、上昇フロートと呼ぶことができる。このような例では、ナノ構造体116は、プラスチック基板108からさらに離れて、透明導電性フィルム132の上部に近く、Z軸に沿って配置され、厚さDの寸法を確定する。
【0036】
一例として、ナノ構造体レイヤ104/116(例えばインク)は、ナノ構造体116及びバインダ104に加えて、溶媒、界面活性剤、及び他の添加剤の少なくとも1つを含むことができる。ナノ構造体レイヤ104/116内に存在する特定の材料は、本開示に対する特定の限定である必要はないことを理解されたい。
【0037】
ナノ構造体レイヤ104/116内に存在する材料の例として、水溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)をバインダ104の材料として使用することができる。一例として、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、及びメチルエチルケトン(MEK)などの非極性または極性非プロトン性溶媒を、オーバーコート材料120に対する溶媒として使用することができる(例えば、ポリマーを含む)。一例として、イソプロピルアルコール(IPA)などの極性プロトン性溶媒をオーバーコート材料120の溶媒として用いることができる。そのようなもののいくつかは、バインダ材料104に関して限定された溶解度しか与えないことが考えられる。オーバーコート材料120の材料(例えば、ポリマーを含む)は、その溶解度に関する因子であることを理解されたい。また、存在する溶媒の量、又は濃度は、溶解度に関する因子であることが理解されるべきである。
【0038】
次に、実験解析について説明する。RCと示される接触抵抗は、電気デバイスの残りの部分と接触するために使用される銀ペーストまたは他の電気接触材料と、パーコレーションナノ構造ネットワークを有する透明導電性フィルム(例えば、132)との間の抵抗である。オーバーコート厚さDに対するRCの感度を実証するために、一連のフィルムを、約70Ω/sqのシート抵抗RSを有するナノ構造(平均直径約20nm)ネットワークでコーティングした。これらのフィルムは、40、60、及び80nmのオーバーコート厚さD(OC)を有するように形成され、次いで、幅70、100、150、及び200μmであるナノ構造線を作製するためにレーザーパターン形成された。金属接点は、線幅100、150、及び200umの銀ペーストを使用してフィルムに対して作製され、接触寸法は、約0.007mm2~0.04mm2であった。Kelvinプローブ法を用いて、全ての接点の接触抵抗RCを測定した。
【0039】
図2は、一連のグラフプロット内の試験の測定結果を示す。
図2において、グラフプロットの上の対は、オーバーコート厚さDが40nmの場合であり、グラフプロットの中の対は、オーバーコート厚さDが60nmの場合であり、グラフプロットの下の対は、オーバーコート厚さDが80nmの場合である。各フィルムの厚み(例えば、40、60、又は80nmのオーバーコート厚さD)について、右側のグラフではy軸が拡大され、R
Cが低い接点が強調表示されている。上下の接点に違いは無い。非対応接点とは、40V(すなわち、これは、非常に高い接触抵抗である)を印加しても1mAの測定電流が流れなかったことを意味する。
【0040】
40nmのオーバーコート厚さDを有するフィルム上の接点について、測定されたすべての接点は、0.03mm2を超えるすべての接点サイズについて非常に低いRCを有し、0.02mm2を超える接点面積については、RC<0.5Ωであり、5Ωを超える結果はなかった。これらの接触抵抗の全ては、許容可能であり、パターン化されたナノ構造線の典型的な全抵抗に対して非常に低いと考えられることに留意されたい。60nmの接点では、より小さい接点に対してより高い接触抵抗が見られるようになり、測定された最大の接点に対しても20Ωに近い接触抵抗が観察される。40nmオーバーコートデータのグラフとのスケールの違いは注目に値する。最後に、80nmのオーバーコートについては、大部分の接点は、非常に高い抵抗であることを意味して、適合しなかった。また、適合した全ての接点は、少なくとも数十Ωの接触抵抗を有する。
【0041】
ナノ構造ネットワークのESD性能が、上述の上限以下の厚さDを有するオーバーコートマトリックス128によって改善され得るかどうかを決定するために、試験が行われた。オーバーコートマトリックス128の厚さDを制限すると、銀ペーストとナノ構造ネットワークとの間の接触抵抗RCが減少する。したがって、接触抵抗は、上限よりも大きい厚さDを有するオーバーコートマトリックス128から得られる値よりも小さい値を有する。この試験の議論は、本開示の実行可能性を示す情報のためにのみ提供されることを理解されたい。このような試験の議論は、本開示を限定するものではない。
【0042】
試験の形態(ジオメトリ)を
図3に示す。試験の形態は、本開示を限定するものではないことを理解されたい。
図3に示す試験の形態に従って、ESDガン136を使用して、2つの内部接点140に電圧を印加した。得られた電流パルスを、オシロスコープに取り付けられたフィッシャーF-65電流モニタプローブを用いて記録した。このパルス記録を用いてESDパルスのエネルギーを計算した。エネルギーは電圧の二乗に比例するので、故障電圧のみを以下に報告する。故障電圧は、内部接点140間のナノワイヤ線の測定された抵抗が100%以上増加した電圧であると考えられる。
【0043】
この技術の一つの利点は、ESDパルスが内部接点140に印加され、内部接点140と外部接点144の両方の間の線抵抗を測定できることである。内部接点140間の抵抗の変化が外部接点144間の抵抗の変化よりも大きい場合、接点は故障しており、ナノ構造線に沿って大きなESD損傷はない。従って、ESD事象が当該ナノ構造線を損傷したか否かを判定することができるだけでなく、接点に故障が発生したか否かを判定することもできる。
【0044】
図4に示されるように、パーコレーションナノ構造ネットワークは、クロスハッチングされた線に従ってレーザパターン化された。ここでも、このネットワークは、試験の議論に関連して提供され、本開示を限定するものではない。ボックス領域で表される接点は、パターン化後に適用された。ナノ構造線と銀ペースト線の幅は1mmであった。
【0045】
オーバーコートマトリックス128厚さDが60~98nmの範囲において異なる50Ω/平方ナノ構造(平均直径約20nm)フィルムを用いて、ESD試験を行った。試験した4つのフィルムについて観察された故障電圧を以下の表1に示す。測定の結果、60nmの厚さのオーバーコートマトリックス128は接点で破壊しなかったが、他の厚さのフィルムは全て接点で破壊した。これらの線の接触抵抗も故障電圧の測定前に測定し、60nm厚さDのオーバーコートマトリックス128材料も最低の接触抵抗を示したが、最も厚いマトリックス厚さD(98nm)は試験したフィルムの中で最高の接触抵抗を示した。
【表1】
【0046】
RCで示される接触抵抗は、電気デバイスの残りの部分と接触するために使用される銀ペーストと、パーコレーションナノ構造ネットワークを有する透明導電性フィルムとの間の抵抗である。
【0047】
上記の実験手順を、オーバーコートマトリックス128の厚さDが40、60、及び80nmのナノ構造フィルム上で繰り返し、非常に類似した結果を得た。散逸されたエネルギーは電圧の二乗の関数であるので、エネルギー散逸の依存性は、厚さに関して非常に敏感な関数であることが分かった。
【0048】
使用される試験の形態は非常に有益であると考えることができるが、これは典型的なものではないかもしれないことを理解されたい。より典型的な試験の形態では、試料は、現在の試験の形態と比較して、はるかに高い電圧放電に耐えることができた。したがって、例えば、故障電圧の例である1350Vは低いように思われる。このようなことは、試験の形態に関連する非常に厳しい試験条件のアーチファクト(人工物)であると考えてよいことを理解されたい。
図3及び
図4には、関心のある接点が示されていることを理解されたい。これは単に試験のためであり、本開示を限定するものではない。本開示の内容は、様々なフィルム構造内において利用することができ、そのため、そのようなフィルム構造を使用する様々なデバイス内において利用することができる。
【0049】
本開示の透明導電性フィルム132の構造特性に戻ると、付加的な特性は、オーバーコートマトリックスの厚さが、50Ω/sq以上のフィルムシート抵抗に対して少なくとも1350Vの故障電圧を確立するのに十分であり得ることである。このことは、上述の試験によって示される。したがって、本開示は、そのような透明導電性フィルム132を提供する。また、透明導電性フィルム132の製造方法を実施する場合、オーバーコートマトリックスの厚さがフィルムシート抵抗50Ω/sq以上に対して少なくとも1350Vの故障電圧を確立するのに十分なフィルムを製造する。
【0050】
特に明記されない限り、「第1」、「第2」、及び類似の用語の少なくとも1つは、時間的側面、空間的側面、順序などを意味することを意図しておらず、むしろ、そのような用語は、特徴、要素、アイテムなどの識別子、名前などとして単に使用される。例えば、第1のオブジェクト、及び第2のオブジェクトは、一般に、オブジェクトA及びオブジェクトB、または2つの異なるまたは2つの同一のオブジェクトまたは同じオブジェクトに対応する。
【0051】
さらに、本明細書では、「例」、「例示的実施形態」は、必ずしも有利ではないが、例、説明などとして機能することを意味するために使用される。本明細書で使用される場合、「または」とは、排他的な「または」ではなく包含的な「または」を意味することを意図する。加えて、本出願において使用される「a」及び「an」は、別段の指定がない限り、又は文脈から単数形を指すことが明確でない限り、一般に「1つ以上」を意味すると解釈される。また、A及びBの少なくとも一方、及びそれに類するものの少なくとも1つは、一般にA、若しくはB、又はA及びBの両方を意味する。さらに、「含む」、「持っている(有する)」、「がある」、「~と」、及びそれらの変形の少なくとも1つが、詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかにおいて使用される限り、そのような用語は、「含む」という用語と同様の方法で包括的であることが意図される。
【0052】
主題は、構造的特徴、及び方法論的行為の少なくとも1つに特有の言語で記載されているが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも上記の特定の特徴または行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記の特定の特徴、及び作用は、請求項の少なくとも一部を実施する例示的形態として開示される。
【0053】
実施形態、及び実施例の少なくとも1つの様々な動作が本明細書で提供される。本明細書において操作のいくつかまたはすべてが記述される順序は、これらの操作が必然的に順序依存であることを意味すると解釈されるべきではない。代替的な順序付けは、この説明の利点を有する当業者によって理解されるであろう。さらに、すべての動作が、本明細書に提供される各実施形態、及び実施例の少なくとも1つに必ずしも存在するわけではないことが理解されよう。また、一部の実施形態、及び実施例の少なくとも1つでは、全ての動作が必要ではないことが理解されよう。
【0054】
また、開示は、1つ以上の実施形態に関して示され、説明されているが、本明細書、及び添付の図面を読んで理解することに基づいて、当業者には同等の変更、及び修正が生じるであろう。本開示は、そのようなすべての改変、及び修正を含み、以下の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定される。特に、上述の構成要素(例えば、エレメント、リソースなど)によって実行される様々な機能に関して、そのような構成要素を説明するために使用される用語は、他に示されない限り、開示された構造と構造的に同等ではないが、上述の構成要素(例えば、それは機能的に等価である)の特定の機能を実行する任意の構成要素に対応することを意図している。加えて、開示の特定の特徴は、いくつかの実施形態のうちの1つに関してのみ開示されていてもよいが、そのような特徴は、任意の所与のまたは特定の用途にとって所望されかつ有利な他の実施形態の1つ以上の他の特徴と組み合わせることができる。
【0055】
(関連出願)
本出願は、「電気伝導性フィルム」という名称で2019年4月3日に出願された米国仮出願第62/828,711号の優先権を主張するものであり、その出願内容は参照により本明細書に組み込まれる。