(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】自走装置、自走装置の制御方法、および自走装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B25J 5/00 20060101AFI20221129BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20221129BHJP
F16F 15/023 20060101ALI20221129BHJP
F16F 15/04 20060101ALI20221129BHJP
F16F 9/46 20060101ALI20221129BHJP
F16F 9/53 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
B25J5/00 A
G05D1/02 H
F16F15/023 A
F16F15/04 A
F16F9/46
F16F9/53
(21)【出願番号】P 2022002179
(22)【出願日】2022-01-11
【審査請求日】2022-01-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【氏名又は名称】北原 悠樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170748
【氏名又は名称】稲垣 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【氏名又は名称】藤原 賢司
(72)【発明者】
【氏名】長末 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】中川 昌昭
(72)【発明者】
【氏名】前田 亮太
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特許第6944611(JP,B1)
【文献】特開平4-69713(JP,A)
【文献】特開平11-91332(JP,A)
【文献】特開2019-120275(JP,A)
【文献】特開2002-331816(JP,A)
【文献】特開2006-160185(JP,A)
【文献】特開2020-82233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 5/00
G05D 1/02
F16F 15/023
F16F 15/04
F16F 9/46
F16F 9/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走装置であって、
車輪駆動の走行本体と、
前記走行本体上に設けられている基台と、
前記基台上に設けられている作業用ロボットと、
前記走行本体と前記基台との間に設けられており、前記基台の鉛直方向の第1加速度を前記走行本体の鉛直方向の第2加速度よりも小さくするためのダンパーと、
前記ダンパー
の機能の抑制の程度を変化させることが可能な調整機構とを備え、前記調整機構は、前記自走装置の停止中でかつ前記作業用ロボットの作業中における前記程度を、前記自走装置の走行中における前記程度よりも小さくする、自走装置。
【請求項2】
前記ダンパーの内部には、磁性流体が含まれており、
前記調整機構は、前記磁性流体に磁場を与えて前記磁性流体の硬度を変化させるための電磁コイルを含み、
前記自走装置の停止中でかつ前記作業用ロボットの作業中における前記程度を、前記自走装置の走行中における前記程度よりも小さくすることは、前記自走装置の停止中でかつ前記作業用ロボットの作業中における前記硬度を、前記自走装置の走行中における前記硬度よりも高くすることを含む、請求項1に記載の自走装置。
【請求項3】
前記調整機構は、前記基台を不動体に固定するための固定機構を含み、
前記自走装置の停止中でかつ前記作業用ロボットの作業中における前記程度を、前記自走装置の走行中における前記程度よりも小さくすることは、前記自走装置の停止中でかつ前記作業用ロボットの作業中において前記基台を前記不動体に固定させ、前記自走装置の走行中において前記基台を前記不動体に固定させないことを含む、請求項1または2に記載の自走装置。
【請求項4】
前記不動体は、工作機械または地面である、請求項3に記載の自走装置。
【請求項5】
前記基台の内部には、前記自走装置の制御部が搭載されている、請求項1に記載の自走装置。
【請求項6】
前記作業用ロボットは、
当該作業用ロボットを駆動するためのモータと、
前記モータの回転速度を検出するための検出部とを含み、
前記制御部は、前記回転速度が所定閾値を超えている場合に、前記作業用ロボットが作業中であると判断する、請求項5に記載の自走装置。
【請求項7】
自走装置の制御方法であって、
前記自走装置は、
車輪駆動の走行本体と、
前記走行本体上に設けられている基台と、
前記基台上に設けられている作業用ロボットと、
前記走行本体と前記基台との間に設けられており、前記基台の鉛直方向の第1加速度を前記走行本体の鉛直方向の第2加速度よりも小さくするためのダンパーと、
前記ダンパー
の機能の抑制の程度を変化させることが可能な調整機構とを備え、
前記制御方法は、
前記作業用ロボットが作業中であるか否かを判断するステップと、
前記自走装置の停止中でかつ前記作業用ロボットの作業中における前記程度を、前記自走装置の走行中における前記程度よりも小さくするように前記調整機構を制御するステップとを備える、制御方法。
【請求項8】
自走装置の制御プログラムであって、
前記自走装置は、
車輪駆動の走行本体と、
前記走行本体上に設けられている基台と、
前記基台上に設けられている作業用ロボットと、
前記走行本体と前記基台との間に設けられており、前記基台の鉛直方向の第1加速度を前記走行本体の鉛直方向の第2加速度よりも小さくするためのダンパーと、
前記ダンパー
の機能の抑制の程度を変化させることが可能な調整機構とを備え、
前記制御プログラムは、前記自走装置に、
前記作業用ロボットが作業中であるか否かを判断するステップと、
前記自走装置の停止中でかつ前記作業用ロボットの作業中における前記程度を、前記自走装置の走行中における前記程度よりも小さくするように前記調整機構を制御するステップとを実行させる、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自走装置、自走装置の制御方法、および自走装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場内の生産システムにおいて、無人化が望まれている。無人化を実現するために、作業用ロボットを備えた自走装置の開発が進められている。自走装置は、加工前のワークや工具などを工作機械に搬送したり、工作機械で加工が完了したワークや使用済の工具などを回収したりする。
【0003】
自走装置は、コンピュータなどの精密機器を搭載している。過度な衝撃が当該精密機器に与えられないように、自走装置にはダンパーが設けられている。
【0004】
ダンパーに関する技術として、特開2019-120275号公報(特許文献1)は、「車体と車軸との間に設けられる緩衝器」を開示している。当該緩衝器は、路面の状態に応じて振動の減衰特性を変化させ、車両の乗り心地を向上させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ダンパーは、自走装置の走行中に発生する振動を減衰する。一方で、ダンパーの防振機能が作業用ロボットの作業中に働くと、作業用ロボットは揺れてしまう。その結果、作業用ロボットは、安定して作業を行なうことができなくなる。したがって、自走装置に搭載されている作業用ロボットに対してより安定的に作業させることが可能な技術が望まれている。なお、特許文献1に開示される技術は、車に向けられるものであり、作業用ロボットに向けられるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一例では、自走装置は、車輪駆動の走行本体と、上記走行本体上に設けられている基台と、上記基台上に設けられている作業用ロボットと、上記走行本体と上記基台との間に設けられており、上記基台の鉛直方向の第1加速度を上記走行本体の鉛直方向の第2加速度よりも小さくするためのダンパーと、上記第2加速度から上記第1加速度への抑制の程度を変化させることが可能な防振調整機構とを備える。上記防振調整機構は、上記作業用ロボットの作業中における上記程度を、上記自走装置の走行中における上記程度よりも小さくする。
【0008】
本開示の一例では、上記ダンパーの内部には、磁性流体が含まれている。上記防振調整機構は、上記磁性流体に磁場を与えて上記磁性流体の硬度を変化させるための電磁コイルを含む。上記作業用ロボットの作業中における上記程度を、上記自走装置の走行中における上記程度よりも小さくすることは、上記作業用ロボットの作業中における上記硬度を、上記自走装置の走行中における上記硬度よりも高くすることを含む。
【0009】
本開示の一例では、上記防振調整機構は、上記基台を不動体に固定するための固定機構を含む。上記作業用ロボットの作業中における上記程度を、上記自走装置の走行中における上記程度よりも小さくすることは、上記作業用ロボットの作業中において上記基台を上記不動体に固定させ、上記自走装置の走行中において上記基台を上記不動体に固定させないことを含む。
【0010】
本開示の一例では、上記不動体は、工作機械または地面である。
【0011】
本開示の一例では、上記基台の内部には、上記自走装置の制御部が搭載されている。
【0012】
本開示の一例では、上記作業用ロボットは、当該作業用ロボットを駆動するためのモータと、上記モータの回転速度を検出するための検出部とを含む。上記制御部は、上記回転速度が所定閾値を超えている場合に、上記作業用ロボットが作業中であると判断する。
【0013】
本開示の他の例では、自走装置の制御方法が提供される。上記自走装置は、車輪駆動の走行本体と、上記走行本体上に設けられている基台と、上記基台上に設けられている作業用ロボットと、上記走行本体と上記基台との間に設けられており、上記基台の鉛直方向の第1加速度を上記走行本体の鉛直方向の第2加速度よりも小さくするためのダンパーと、上記第2加速度から上記第1加速度への抑制の程度を変化させることが可能な防振調整機構とを備える。上記制御方法は、上記作業用ロボットが作業中であるか否かを判断するステップと、上記判断するステップで上記作業用ロボットが作業中であると判断された場合には、上記自走装置の走行中よりも上記程度を小さくするように上記防振調整機構を制御するステップとを備える。
【0014】
本開示の他の例では、自走装置の制御プログラムが提供される。上記自走装置は、車輪駆動の走行本体と、上記走行本体上に設けられている基台と、上記基台上に設けられている作業用ロボットと、上記走行本体と上記基台との間に設けられており、上記基台の鉛直方向の第1加速度を上記走行本体の鉛直方向の第2加速度よりも小さくするためのダンパーと、上記第2加速度から上記第1加速度への抑制の程度を変化させることが可能な防振調整機構とを備える。上記制御プログラムは、上記自走装置に、上記作業用ロボットが作業中であるか否かを判断するステップと、上記判断するステップで上記作業用ロボットが作業中であると判断された場合には、上記自走装置の走行中よりも上記程度を小さくするように上記防振調整機構を制御するステップとを実行させる。
【0015】
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図4】
図2に示される後進方向Bから走行本体を示す図である。
【
図5】自走装置の下部分を側面から表した図である。
【
図6】ダンパーによる防振の程度が調整されている例を概略的に示す図である。
【
図10】PLC(Programmable Logic Controller)のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図11】防振レベルの調整処理の一例を示すフローチャート
である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0018】
<A.自走装置100>
まず、
図1を参照して、自走装置100について説明する。
図1は、自走装置100の外観を示す図である。
【0019】
自走装置100は、ワークや工具などの搬送対象物を任意の場所に搬送する。自走装置100は、車輪駆動の走行本体10と、基台12と、作業用ロボット13とを含む。
【0020】
基台12は、走行本体10上に設けられている。基台12の内部には、各種の精密機器が搭載されている。一例として、基台12の内部には、自走装置100の制御部が搭載されている。当該制御部は、前進方向R、後進方向B、右折、左折などの走行本体10の走行を制御する。
【0021】
作業用ロボット13は、基台12上に設けられている。また、基台12上には、ワークWの置き場が設けられている。作業用ロボット13は、ワークWを把持し、指定された場所に当該ワークWを移動する。
【0022】
なお、
図1には、作業用ロボット13の一例としてアームロボットが示されているが、作業用ロボット13は、アームロボットに限定されない。作業用ロボット13は、ワークまたは工具などの搬送対象物を搬送する機能を備えた種々の搬送装置で代用され得る。当該搬送装置は、たとえば、2~3軸駆動のロボット(たとえば、オートローダ)であってもよい。
【0023】
<B.走行本体10の構成>
次に、
図2~
図4を参照して、
図1に示される走行本体10について説明する。
図2は、走行本体10の内部構造の概略を示す図である。
図3は、走行本体10の側面を示す図である。
図4は、
図2に示される後進方向Bから走行本体10を示す図である。
【0024】
図2~
図4に示されるように、走行本体10は、フレーム11と、前輪として機能する第1車輪部15と、後輪として機能する第2車輪部35とを備える。
【0025】
フレーム11は、必要な構造物を配設可能なように、平面から見て適宜切り欠いた空間を有する。フレーム11の内側は、中空である。これにより、フレーム11を軽量化することができる。
【0026】
第1車輪部15および第2車輪部35は、走行方向(矢印R方向)に沿って所定間隔を空けてフレーム11に接続されている。当該走行方向は、自走装置100の前進方向または後進方向を示す。
【0027】
第1車輪部15は、自走装置100の背面から見て左側に設けられた第1左側車輪部16と、自走装置100の背面から見て右側に設けられた第1右側車輪部25を備える。
【0028】
第1左側車輪部16は、フレーム11の左側の側面に設けられた第1左側支持アーム17と、左側前輪19と、左側駆動輪21とを備える。左側前輪19および左側駆動輪21は、自走装置100の走行方向と直交する水平な回転軸20,22を中心として回転自在なように第1左側支持アーム17の両端部に支持されている。
【0029】
第1右側車輪部25は、フレーム11の右側の側面に設けられた第1右側支持アーム26と、右側前輪28と、右側駆動輪30とを備えている。右側前輪28および右側駆動輪30は、自走装置100の走行方向と直交する水平な回転軸29,31を中心として回転自在なように第1右側支持アーム26の両端に支持されている。
【0030】
第1右側支持アーム26は、フレーム11の右側面に設けられた支持軸27によって支持され、自走装置100の走行方向に沿った垂直平面内で、
図3に示した矢印D-E方向に揺動可能になっている。同様に、第1左側支持アーム17は、フレーム11の左側面に設けられた支持軸18によって支持され、自走装置100の走行方向に沿った垂直平面内で矢印D-E方向と同じ方向に揺動可能になっている。
【0031】
なお、本例では、自走装置100の走行方向に向かって左側前輪19および右側前輪28が従動輪となっており、左側駆動輪21および右側駆動輪30が駆動輪となっている。そして、左側駆動輪21には、第1左側支持アーム17に設けられた減速機24を介してモータ23が接続され、左側駆動輪21は、モータ23により駆動されて回転する。同様に、右側駆動輪30には、第1右側支持アーム26に設けられた減速機33を介してモータ32が接続され、右側駆動輪30は、モータ32により駆動されて回転する。
【0032】
第2車輪部35は、自走装置100の走行方向に向かってフレーム11の後側に設けられた第2支持アーム36を備えている。第2支持アーム36は、フレーム11の後側の側面に設けられた支持軸37によって支持され、自走装置100の走行方向と直交する垂直平面内で、
図4に示した矢印F-G方向に揺動可能になっている。また、第2支持アーム36は、その両端部に、自走装置100の走行方向と直交する水平な回転軸39,41を中心として回転自在に支持された左側後輪38および右側後輪40をそれぞれ備えている。このように、第2車輪部35は、自走装置100の走行方向と直交する平面内で揺動可能に構成される一対の車輪(左側後輪38および右側後輪40)を有する。なお、左側後輪38および右側後輪40は、従動輪となっている。
【0033】
左側前輪19、右側前輪28、左側後輪38、および右側後輪40は、同じ構成を備えるもので、たとえば、オムニホイールから構成される。これにより、左側前輪19は、回転軸20を中心として回転することによりその回転方向に進むことができるとともに、回転軸20と回転方向と交差する水平方向にスライドすることができる。
【0034】
<C.自走装置100の防振機能>
次に、
図5を参照して、自走装置100の防振機能について説明する。
図5は、自走装置100の下部分を側面から表した図である。
【0035】
図5に示されるように、自走装置100は、走行本体10と、基台12とを含む。基台12の内部には、自走装置100の制御部50が設けられている。
【0036】
制御部50は、自走装置100を制御するための装置である。制御部50の装置構成は、任意である。制御部50は、単体の制御ユニットで構成されてもよいし、複数の制御ユニットで構成されてもよい。
【0037】
走行本体10および基台12の間には、1つ以上の防振ゴム45と1つ以上のダンパー52とが設けられている。防振ゴム45およびダンパー52は、サスペンションとして機能する。防振ゴム45には、鉛直方向に延びる孔が設けられている。ダンパー52は、その軸が鉛直方向になるように防振ゴム45の孔の内部に設けられている。
【0038】
自走装置100の走行中に走行本体10が受けた衝撃は、防振ゴム45の伸縮により吸収される。これにより、防振ゴム45は、走行本体10から基台12に衝撃が伝わることを防止する。その結果、基台12の内部にある精密機器(たとえば、制御部50)が衝撃から守られる。
【0039】
なお、防振ゴム45の代わりに、その他の防振部材が用いられてもよい。一例として、防振ゴム45の代わりにバネなどが設けられてもよい。
【0040】
ダンパー52は、防振ゴム45の振動を減衰し、基台12を早期に安定させる。より具体的には、ダンパー52は、筒状のシリンダを有する。当該シリンダの内部には、ピストンとオイルとが設けられている。当該ピストンは、防振ゴム45の伸縮に伴って連動する。そのとき、当該ピストンは、シリンダ内のオイルから抵抗力を受け、防振ゴム45が伸縮した際に元の状態に戻ろうとする反動を抑える。これにより、ダンパー52は、基台12の鉛直方向の加速度(第1加速度)を走行本体10の鉛直方向の加速度(第2加速度)よりも小さくすることができる。
【0041】
一方で、ダンパー52は、自走装置100の停止中に作業用ロボット13が作業を行なうときには不利に機能することがある。より具体的には、作業用ロボット13は、作業中における自身の動きによって基台12を振動させる。このとき、防振ゴム45やダンパー52による防振機能により、走行本体10に対する作業用ロボット13の変位が大きくなる。その結果、自走装置100がプログラム上で認識している作業用ロボット13の位置がずれ、作業用ロボット13による作業の精度が低下する。
【0042】
そこで、自走装置100は、ダンパー52による防振の程度を状況に応じて調整する。ダンパー52による防振の程度は、
図6に示される防振調整機構51によって調整される。
図6は、ダンパー52による防振の程度が調整されている例を概略的に示す図である。
【0043】
上述のように、ダンパー52は、基台12の鉛直方向の加速度(第1加速度)を走行本体10の鉛直方向の加速度(第2加速度)よりも小さくすることができる。一方で、防振調整機構51は、当該第2加速度から当該第1加速度への抑制の程度を変化させる。以下では、当該抑制の程度を「防振レベル」とも称する。
【0044】
防振調整機構51は、作業用ロボット13の作業中における当該防振レベルを、自走装置100の走行中における当該防振レベルよりも低くする。これにより、防振調整機構51は、自走装置100の走行中においてはダンパー52に防振させつつ、作業用ロボット13の作業中においては走行本体10に対する作業用ロボット13の変位を小さくすることができる。その結果、自走装置100は、作業用ロボット13により安定的に作業させることができる。
【0045】
<D.防振調整機構51の具体例1>
次に、
図7を参照して、
図6に示される防振調整機構51の具体例1について説明する。
図7は、
図5に示されるダンパー52の断面を示す図である。
【0046】
図7に示されるように、ダンパー52は、シリンダ61を有する。シリンダ61の内部には、磁性流体62と、ピストン63とが設けられている。
【0047】
磁性流体62は、シリンダ61に内包されている液体である。磁性流体62は、オイルと磁性粒子とを含む。当該磁性粒子は、たとえば、鉄粉またはフェライト粉末である。
【0048】
ピストン63は、シリンダ61内を軸AXに沿って移動可能に構成される。典型的には、軸AXは、鉛直方向であるが、水平方向であってもよい。
【0049】
ピストン63には、1つ以上の連通孔63Hが形成されている。連通孔63Hは、ピストン63の移動方向(軸AX方向)に対して平行に形成される。ピストン63がシリンダ61内を移動すると、磁性流体62は、連通孔63Hを通過する。このとき、ピストン63は、シリンダ61内を移動する際に磁性流体62から抵抗を受ける。これにより、ピストン63は、上述の防振ゴム45が伸縮した際に元の状態に戻ろうとする反動を抑え、防振ゴム45の振動を減衰する。
【0050】
ピストン63の内部には、上述の防振調整機構51の一例である電磁コイル65が設けられている。電磁コイル65の一端には第1のリード線(図示しない)が電気的に接続されており、電磁コイル65の他端には第2のリード線(図示しない)が電気的に接続されている。第1のリード線および第2のリード線は、ピストン63の内部を通り、電源に接続されている。当該電源は、リード線を介して電磁コイル65に電流を供給する。電流が電磁コイル65に供給されると、電磁コイル65の周囲に磁場が発生する(
図7に示される破線の矢印)。
【0051】
電磁コイル65は、連通孔63Hを流れる磁性流体62に対して磁場の変化が及ぶ範囲に設けられる。連通孔63Hを流れる磁性流体62に磁場が与えられると、磁性流体62内の磁性粒子は、磁力線に沿って整列する。これにより、連通孔63Hを流れる磁性流体62の硬度が変化する。その結果、ピストン63が磁性流体62から受ける抵抗力が変化する。
【0052】
自走装置100の制御部50は、電磁コイル65に接続されている電源を制御することで、磁性流体62の硬度を変化させることができる。典型的には、電磁コイル65に供給される電流が大きいほど磁性流体62の硬度は高くなる。磁性流体62の硬度が高くなると、ピストン63が磁性流体62から受ける抵抗力が強くなり、ピストン63の防振機能が無効化される。
【0053】
制御部50は、自走装置100の状態に応じて磁性流体62の硬度を変化させる。一例として、制御部50は、作業用ロボット13の作業中における磁性流体62の硬度を、自走装置100の走行中における磁性流体62の硬度よりも高くする。
【0054】
より具体的には、制御部50は、作業用ロボット13の作業中においては電磁コイル65に電流が供給されるように電源を制御する。これにより、ピストン63の防振機能が無効化され、作業用ロボット13は、安定的に作業を行なうことができる。
【0055】
一方で、制御部50は、自走装置100の走行中においては電磁コイル65への電流の供給を停止するように電源を制御する。これにより、ピストン63の防振機能が有効化され、ダンパー52は、走行中に発生した衝撃を吸収することができる。
【0056】
<E.防振調整機構51の具体例2>
次に、
図8を参照して、
図6に示される防振調整機構51の具体例2について説明する。
図8は、変形例に従う自走装置100Aを示す図である。
【0057】
自走装置100Aは、防振調整機構51として固定機構70を備える点で
図1に示される自走装置100とは異なる。その他の点については上述の自走装置100と同じであるので、それらの説明については繰り返さない。
【0058】
固定機構70は、たとえば、基台12に設けられている。固定機構70は、基台12を不動体に固定するための機構である。不動体は、地面に対して不動である物体と、地面自体とを含む。地面に対して不動である物体の例として、たとえば、工作機械が挙げられる。
【0059】
本明細書でいう「工作機械」とは、ワークを加工する機能を備えた種々の装置を包含する概念である。工作機械は、横形のマシニングセンタであってもよいし、縦形のマシニングセンタであってもよい。あるいは、工作機械は、旋盤であってもよいし、付加加工機であってもよいし、その他の切削機械や研削機械であってもよい。
【0060】
固定機構70は、たとえば、不動体に連結するための機構である。
図8には、固定機構70の一例として、アーム型の連結機構が示されている。固定機構70には、モータなどの駆動源(図示しない)が設けられている。当該駆動源は、たとえば、自走装置100Aの制御部50によって制御される。
【0061】
制御部50は、作業用ロボット13の作業中において基台12を不動体に固定させる。当該不動体には、固定機構70が連結する連結受部が設けられており、固定機構70は、当該連結受部に連結される。これにより、上述のダンパー52の防振機能が無効化され、作業用ロボット13の動きに伴う揺れは、基台12から走行本体10に伝わりにくくなる。その結果、自走装置100Aは、作業用ロボット13に安定的に作業させることができる。
【0062】
より具体的な処理として、自走装置100Aは、作業用ロボット13の作業の開始前に、不動体の連結受部の前に移動する。当該連結受部の位置は、たとえば、後述の3次元マップ224(
図10参照)などにおいて予め設定されている。次に、制御部50は、固定機構70を不動体に連結させ、基台12を不動体に固定させる。その後、制御部50は、作業用ロボット13の作業が終了したことに基づいて、固定機構70と不動体との連結を解除する。
【0063】
なお、上述では、固定機構70がアーム型の連結機構である例について説明を行ったが、固定機構70は、アーム型に限定されない。
【0064】
また、固定機構70は、連結機構に限定されない。他の例として、固定機構70は、駆動可能に構成されるスタンド機構であってもよい。当該スタンド機構には、モータなどの駆動源(図示しない)が設けられている。当該駆動源は、たとえば、自走装置100Aの制御部50によって制御される。当該スタンド機構は、基台12に設けられている。制御部50は、作業用ロボット13の作業中において当該スタンド機構を地面に接地させる。これにより、作業用ロボット13の動きに伴う揺れは、基台12から走行本体10に伝わりにくくなり、上述のダンパー52の防振機能が無効化される。その結果、自走装置100Aは、作業用ロボット13に安定的に作業させることができる。
【0065】
<F.自走装置100の駆動機構>
次に、
図9を参照して、自走装置100の駆動機構について説明する。
図9は、自走装置100の駆動機構の一例を示す図である。
【0066】
図9に示されるように、自走装置100は、走行本体10と、作業用ロボット13と、制御部50と、駆動部110,120とを含む。走行本体10は、上述の左側駆動輪21と、上述の右側駆動輪30とを含む。
【0067】
駆動部110は、左側駆動輪21および右側駆動輪30の各々を駆動するための駆動機構である。駆動部110の装置構成は、任意である。駆動部110は、単体の駆動ユニットで構成されてもよいし、複数の駆動ユニットで構成されてもよい。
図9の例では、駆動部110は、モータ23,32と、モータドライバ111L,111Rと、エンコーダ113L,113Rとで構成されている。
【0068】
モータドライバ111Lは、制御部50から目標回転速度(または目標位置)の入力を逐次的に受け、モータ23が目標回転速度で回転するようにモータ23を制御する。
【0069】
より具体的には、モータドライバ111Lは、エンコーダ113Lのフィードバック信号からモータ23の実回転速度(または実位置)を算出し、当該実回転速度が目標回転速度よりも小さい場合にはモータ23の回転速度を上げ、当該実回転速度が目標回転速度よりも大きい場合にはモータ23の回転速度を下げる。このように、モータドライバ111Lは、モータ23の回転速度のフィードバックを逐次的に受けながらモータ23の回転速度を目標回転速度に近付ける。これにより、制御部50は、モータ23に接続される左側駆動輪21を目標回転速度で回転させる。
【0070】
同様に、モータドライバ111Rは、エンコーダ113Rのフィードバック信号からモータ32の実回転速度(または実位置)を算出し、当該実回転速度が目標回転速度よりも小さい場合にはモータ32の回転速度を上げ、当該実回転速度が目標回転速度よりも大きい場合にはモータ32の回転速度を下げる。このように、モータドライバ111Rは、モータ32の回転速度のフィードバックを逐次的に受けながらモータ32の回転速度を目標回転速度に近付ける。これにより、制御部50は、モータ32に接続される右側駆動輪30を目標回転速度で回転させる。
【0071】
駆動部120は、作業用ロボット13を駆動するための駆動機構である。駆動部120の装置構成は、任意である。駆動部120は、単体の駆動ユニットで構成されてもよいし、複数の駆動ユニットで構成されてもよい。
図9の例では、駆動部120は、ロボットコントローラ121と、モータ122と、エンコーダ123とを含む。モータ122は、作業用ロボット13の関節の数に応じて設けられ、作業用ロボット13の各関節を駆動する。エンコーダ123は、モータ122の数に応じて設けられる。ロボットコントローラ121は、作業用ロボット13の各関節の目標位置の入力を制御部50から逐次的に受け、モータ122の各々を制御する。
【0072】
より具体的には、ロボットコントローラ121は、エンコーダ123のフィードバック信号からモータ122の実回転速度(または実位置)を算出し、当該実回転速度が目標回転速度よりも小さい場合にはモータ122の回転速度を上げ、当該実回転速度が目標回転速度よりも大きい場合にはモータ122の回転速度を下げる。このように、ロボットコントローラ121は、モータ122の回転速度のフィードバックを逐次的に受けながらモータ122の回転速度を目標回転速度に近付ける。これにより、制御部50は、モータ122に接続される作業用ロボット13の関節を目標回転速度で回転させる。
【0073】
<G.PLC200のハードウェア構成>
次に、
図10を参照して、制御部50の一例であるPLC200のハードウェア構成について説明する。
【0074】
上述のように、制御部50は、自走装置100を制御するための装置である。制御部50は、単体の制御ユニットで構成されてもよいし、複数の制御ユニットで構成されてもよい。一例として、制御部50は、PLC(Programmable Logic Controller)を含む。
【0075】
図10は、PLC200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図10に示されるように、PLC200は、制御回路201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、通信インターフェイス204と、フィールドバスコントローラ205と、補助記憶装置220とを含む。これらのコンポーネントは、バス209に接続される。
【0076】
制御回路201は、制御プログラム222やオペレーティングシステムなどの各種プログラムを実行することで自走装置100の動作を制御する。制御回路201は、制御プログラム222の実行命令を受け付けたことに基づいて、補助記憶装置220またはROM202からRAM203に制御プログラム222を読み出す。RAM203は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム222の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0077】
通信インターフェイス204には、LAN(Local Area Network)やアンテナなどが接続される。自走装置100は、通信インターフェイス204を介して外部機器との無線通信または有線通信を実現する。当該外部機器は、たとえば、サーバー(図示しない)、自走装置100を操作するためのユーザ端末(図示しない)などを含む。当該ユーザ端末は、たとえば、タブレット端末やスマートフォンなどである。ユーザは、当該ユーザ端末を介して自走装置100の走行を制御することができる。
【0078】
フィールドバスコントローラ205は、フィールドバスに接続される各種ユニットとの通信を実現するための通信ユニットである。当該フィールドバスに接続されるユニットの一例として、自走装置100の走行を制御するための各種駆動ユニット(たとえば、上述のモータドライバ111L,111R)や、作業用ロボット13の駆動を制御するための各種駆動ユニット(たとえば、上述のロボットコントローラ121)などが挙げられる。
【0079】
補助記憶装置220は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。補助記憶装置220は、自走装置100の走行を制御するための制御プログラム222、および、自走装置100の走行経路を規定する3次元マップ224などを格納する。制御プログラム222および3次元マップ224の格納場所は、補助記憶装置220に限定されず、制御回路201の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリなど)、ROM202、RAM203、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0080】
また、制御プログラム222は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、制御プログラム222による自走装置100の走行制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う制御プログラム222の趣旨を逸脱するものではない。さらに、制御プログラム222によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが制御プログラム222の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で自走装置100が構成されてもよい。
【0081】
<H.フローチャート>
次に、
図11を参照して、ダンパー52の防振レベルを調整する処理の流れについて説明する。
図11は、防振レベルの調整処理の一例を示すフローチャート
である。
【0082】
図11に示される処理は、制御部50が上述の制御プログラム222を実行することにより実現される。なお、
図11に示される処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0083】
ステップS110において、制御部50は、自走装置100が走行中であるか否かを判断する。自走装置100が走行中であるか否かは、種々の方法で判断される。
【0084】
一例として、制御部50は、上述のモータ23,32の回転速度のいずれかが所定閾値を超えている場合に、自走装置100が走行中であると判断する。当該所定閾値は、たとえば、ゼロである。モータ23,32の回転速度は、上述のエンコーダ113L,113Rによって検出される。
【0085】
制御部50は、自走装置100が走行中であると判断した場合(ステップS110においてYES)、制御をステップS124に切り替える。そうでない場合には(ステップS110においてNO)、制御部50は、制御をステップS120に切り替える。
【0086】
ステップS120において、制御部50は、作業用ロボット13が作業中であるか否かを判断する。作業用ロボット13が作業中であるか否かは、種々の方法で判断される。
【0087】
ある局面において、制御部50は、作業用ロボット13を駆動するための上述のモータ122の回転速度が所定閾値を超えている場合に、作業用ロボット13が作業中であると判断する。当該所定閾値は、たとえば、ゼロである。モータ122の回転速度は、たとえば、上述のエンコーダ123(検出部)によって検出される。
【0088】
他の局面において、制御部50は、作業用ロボット13の姿勢が予め定められた待機姿勢で無い場合に、作業用ロボット13が作業中であると判断する。作業用ロボット13が非作業中である場合には、作業用ロボット13は、所定の姿勢で待機している。そこで、制御部50は、作業用ロボット13の姿勢が当該待機姿勢とは異なる場合に、作業用ロボット13が作業中であると判断する。当該待機姿勢を示す作業用ロボット13の各関節の角度は、たとえば、上述のエンコーダ123によって検出される。
【0089】
制御部50は、作業用ロボット13が作業中であると判断した場合(ステップS120においてYES)、制御をステップS122に切り替える。そうでない場合には(ステップS120においてNO)、制御部50は、制御をステップS124に切り替える。
【0090】
ステップS122において、制御部50は、上述の防振調整機構51を制御し、ダンパー52の防振機能を無効にする。
【0091】
ステップS124において、制御部50は、上述の防振調整機構51を制御し、ダンパー52の防振機能を有効にする。これにより、ステップS124におけるダンパー52の防振レベルは、ステップS122におけるダンパー52の防振レベルよりも高くなる。
【0092】
なお、上述では、自走装置100が停止しているという条件(ステップS110においてNO)と、作業用ロボット13が作業中であるという条件(ステップS120においてYES)とが満たされた場合に、ダンパー52の防振機能が無効化される例について説明を行なったが、さらに多くの条件が考慮されてもよい。一例として、自走装置100が予め設定されている作業範囲内に位置しているという条件が追加されてもよい。当該作業範囲は、作業用ロボット13が作業を行なう際の領域を示し、たとえば、上述の3次元マップ224に規定されている。自走装置100の現在位置は、上述のエンコーダ113R,113Lの検出値を逐次的に監視することで検出されてもよいし、GPS(Global Positioning System)などの位置検出手段を用いて検出されてもよい。
【0093】
<I.まとめ>
以上のようにして、防振調整機構51は、作業用ロボット13の作業中においては、自走装置100の走行中よりも、ダンパー52の防振レベルを下げる。これにより、防振調整機構51は、作業用ロボット13の作業中において走行本体10に対する作業用ロボット13の変位を小さくすることができる。その結果、自走装置100は、作業用ロボット13により安定的に作業させることができる。
【0094】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0095】
10 走行本体、11 フレーム、12 基台、13 作業用ロボット、15 第1車輪部、16 第1左側車輪部、17 第1左側支持アーム、18 支持軸、19 左側前輪、20 回転軸、21 左側駆動輪、22 回転軸、23 モータ、24 減速機、25 第1右側車輪部、26 第1右側支持アーム、27 支持軸、28 右側前輪、29 回転軸、30 右側駆動輪、31 回転軸、32 モータ、33 減速機、35 第2車輪部、36 第2支持アーム、37 支持軸、38 左側後輪、39 回転軸、40 右側後輪、41 回転軸、45 防振ゴム、50 制御部、51 防振調整機構、52 ダンパー、61 シリンダ、62 磁性流体、63 ピストン、63H 連通孔、65 電磁コイル、70 固定機構、100 自走装置、100A 自走装置、110 駆動部、111L モータドライバ、111R モータドライバ、113L エンコーダ、113R エンコーダ、120 駆動部、121 ロボットコントローラ、122 モータ、123 エンコーダ、201 制御回路、202 ROM、203 RAM、204 通信インターフェイス、205 フィールドバスコントローラ、209 バス、220 補助記憶装置、222 制御プログラム、224 3次元マップ。
【要約】
【課題】自走装置に搭載されている作業用ロボットに対してより安定的に作業させることが可能なの技術を提供する。
【解決手段】自走装置は、車輪駆動の走行本体と、走行本体上に設けられている基台と、基台上に設けられている作業用ロボットと、走行本体と基台との間に設けられており、基台の鉛直方向の第1加速度を走行本体の鉛直方向の第2加速度よりも小さくするためのダンパーと、第2加速度から第1加速度への抑制の程度を変化させることが可能な防振調整機構とを備える。防振調整機構は、作業用ロボットの作業中における程度を、自走装置の走行中における程度よりも小さくする。
【選択図】
図6