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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20221129BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20221129BHJP
   H01L 33/38 20100101ALI20221129BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/64
H01L33/38
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022560984
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 JP2022027771
【審査請求日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2021118315
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】秋山 貴
(72)【発明者】
【氏名】今津 健二
(72)【発明者】
【氏名】栗城 新吾
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特許第6867536(JP,B1)
【文献】特開2016-181674(JP,A)
【文献】特開2012-243960(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0155426(US,A1)
【文献】特開2019-106406(JP,A)
【文献】特開2019-062099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
H01S 5/00 - 5/50
H01L 21/52
H01L 21/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁部材により形成された基板と、
金属により形成され、前記基板上に配置された第1配線層と、
前記第1配線層上に配置された導電性の第1めっき層と、
金属により形成され、前記基板上に配置された第2配線層と、
前記第2配線層上に配置された導電性の第2めっき層と、
所定の延伸方向に延伸する複数の第1歯を含む櫛歯状の平面形状を有する第1端子、及び、前記延伸方向と反対方向に延伸し且つ前記第1歯と交互に配置された複数の第2歯を含む櫛歯状の平面形状を有する第2端子を有する発光素子と、を有し、
前記第1めっき層は、前記複数の第1歯と同じ方向に延伸する複数の第1棒状めっき層を含み、
前記複数の第1棒状めっき層は、前記第1端子の前記複数の第1歯の部分にそれぞれ接続され、
前記第2めっき層は、前記第2端子の前記複数の第2歯以外の部分に接続され、
前記第1配線層は、前記複数の第1歯の一部及び前記複数の第2歯の一部の下方に連続して形成される、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記複数の第1歯は、前記複数の第2歯よりも前記基板方向に突出して配置される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1めっき層は、ニッケル層と、前記ニッケル層に積層された金層、及び前記金層に積層され、前記複数の第1歯のそれぞれに接続される金錫層を含む、請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記金層及び前記金錫層は、前記ニッケル層から前記第1端子の前記複数の第1歯に向かってフィレット状に形成される、請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記金層、及び前記金錫層は、前記ニッケル層の側面、及び前記第1端子の前記複数の第1歯の側面のそれぞれに形成される、請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1配線層は、銅層と、前記銅層の表面に形成された酸化膜層を含む、請求項1~4の何れか一項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線(ultraviolet、UV)光を出射する発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)を発光素子として使用する発光装置が知られている(例えば、特開2020-13820号公報を参照)。特開2020-13820号公報に記載される発光装置では、UV光を出射する発光素子は、それぞれが櫛歯状の平面形状を有する一対の電極層を有し、櫛歯状の平面形状を有する一対の電極層の一方の歯であるチップ電極に短冊形状の電極パターンを介して電力が供給される。特開2020-13820号公報に記載される発光装置では、一方のチップ電極は平行に配列される複数の短冊形状の電極であり、他方のチップ電極は一方のチップ電極の配列方向に長手方向が延伸する短冊形状の電極である。特開2020-13820号公報に記載される発光装置では、発光素子は、櫛歯状の平面形状を有する一対の電極層を介して電力が供給されるため、発光層に均一に電力が供給され、均一の輝度分布を有するUV光を出射することができる。
【発明の概要】
【0003】
特開2020-13820号公報に記載される発光装置では、発光素子は、櫛歯状の平面形状を有する一対の電極層の一方の歯であるチップ電極に短冊形状の電極パターンを介して電力が供給されるため、発光素子が発光することにより発生した熱は、短冊形状の電極パターンを介して放熱される。特開2020-13820号公報に記載される発光装置では、発光素子で発生した熱が短冊形状の電極パターンを介して放熱されるため、放熱効率が低く、発光素子の温度が発光中に上昇して発光素子の発光効率が低下するおそれがある。
【0004】
本開示は、櫛歯状の平面形状を有する電極を有する発光素子から効率的に放熱可能な発光装置を提供する。
【0005】
本発明に係る発光装置は、絶縁部材により形成された基板と、金属により形成され、基板上に配置された第1配線層と、第1配線層上に配置された導電性の第1めっき層と、金属により形成され、基板上に配置された第2配線層と、第2配線層上に配置された導電性の第2めっき層と、所定の延伸方向に延伸する複数の第1歯を含む櫛歯状の平面形状を有する第1端子、及び、延伸方向と反対方向に延伸し且つ第1歯と交互に配置された複数の第2歯を含む櫛歯状の平面形状を有する第2端子を有する発光素子と、を有し、第1めっき層は、複数の第1歯と同じ方向に延伸する複数の第1棒状めっき層を含み、複数の第1棒状めっき層は、第1端子の複数の第1歯の部分にそれぞれ接続され、第2めっき層は、第2端子の複数の第2歯以外の部分に接続され、第1配線層は、複数の第1歯の一部及び複数の第2歯の一部の下方に連続して形成される。
【0006】
さらに、本発明に係る発光装置では、複数の第1歯は、複数の第2歯よりも基板の方向に突出して配置されることが好ましい。
【0007】
さらに、本発明に係る発光装置では、第1めっき層は、配列方向に連続して配置されることが好ましい。
【0008】
さらに、本発明に係る発光装置では、第1めっき層は、第1配線層上に延伸方向に延伸し、複数の第1歯のそれぞれに接続される複数の棒状めっき層を含むことが好ましい。
【0009】
さらに、本発明に係る発光装置では、第1めっき層は、ニッケル層と、ニッケル層に積層された金層、及び金層に積層され、複数の第1歯のそれぞれに接続される金錫層を含むことが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係る発光装置では、金層、及び金錫層は、ニッケル層から第1端子の複数の第1歯に向かってフィレット状に形成されることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係る発光装置では、金層、及び金錫層は、ニッケル層の側面、及び第1端子の複数の第1歯の側面のそれぞれに形成されることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係る発光装置では、第1配線層は、銅層と、銅層の表面に形成された酸化膜層を含むことが好ましい。
【0013】
実施形態に係る発光装置は、櫛歯状の平面形状を有する電極を有する発光素子から効率的に放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る発光装置の斜視図である。
図2図1に示す収容部の平面図である。
図3図2に示すA-A線に沿う断面図である。
図4図1に示す配線基板、発光素子及び過電圧保護素子を除去した状態の収容部の平面図である。
図5】(a)は図1に示す配線基板の平面図であり、(b)は図1に示す配線基板の底面図である。
図6図5(a)に示すB-B線に沿う断面図である。
図7】(a)は図1に示す発光素子の底面図であり、(b)は(a)に示すC-C線に沿う断面図である。
図8図1に示す配線基板に実装された発光素子の平面図である。
図9図8において矢印Dで示される部分の拡大断面図である。
図10図1に示す発光装置の製造方法を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態に係る発光装置の斜視図である。
図12図11に示す発光素子及び過電圧保護素子を除去した状態の収容部の平面図である。
図13】第1変形例に係る実装基板の平面図である。
図14】第2変形例に係る実装基板の平面図である。
図15】(a)は図14に示すD-D線に沿う断面図であり、(b)は図14に示すE-E線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る発光装置について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0016】
(第1実施形態に係る発光装置の構成および機能)
図1は第1実施形態に係る発光装置の斜視図であり、図2図1に示す収容部の平面図であり、図3図2に示すA-A線に沿う断面図である。
【0017】
発光装置1は、筐体10と、第1配線パターン11と、第2配線パターン12と、配線基板13と、発光素子14と、過電圧保護素子15と、密封部材16と、第1電極17と、第2電極18とを有する。発光装置1は、第1電極17と第2電極18との間に電圧が印加されることに応じて、発光素子14から出射されたUV光が、UV光が透過可能な密封部材16を介して外部に放出する。
【0018】
筐体10は、紫外線光で劣化し難く、熱伝導率が高い絶縁部材である窒化アルミ(AlN)等のセラミックスにより形成される高温焼成積層セラミックス(High Temperature Co-fired Ceramics、HTCC)部材、又はセラミックスにガラス等が含有された低温焼成積層セラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramics、LTCC)部材である。筐体10は、基板の一例である平板状の基部10aと、基部10aの表面の外縁に沿って配置される枠状の壁部10bと、第1貫通電極10cと、第2貫通電極10dとを有する。筐体10は、平面状の基部10a及び基部10aの表面の外縁に沿って配置される枠状の壁部10bによって凹状の収容部19が形成されるキャビティ構造を有する。筐体10は、基部10a及び壁部10bの焼成前のグリーンシートを一体化して焼成することで、一体成形され、高い気密性が得られる。基部10aと壁部10bは、気密性を必要としないとき、別々に焼成してから、接着剤などにより、接合してもよい。また、壁部10bはなくてもよい。
【0019】
第1貫通電極10c及び第2貫通電極10dは、基部10aの表面と裏面との間を貫通する貫通孔に配置され、銅等の導電性部材で形成される。第1貫通電極10cは第1配線パターン11と第1電極17とを接続し、第2貫通電極10dは第2配線パターン12と第2電極18とを接続する。
【0020】
第1配線パターン11及び第2配線パターン12は、基部10aの表面に配置される。第1配線パターン11及び第2配線パターン12は、銅(Cu)等の導電性薄膜である基層、及び基層上に積層されるメッキ層により形成される。メッキ層は、ニッケル(Ni)層、ニッケル層上に積層されるパラジム(Pd)層、及びパラジム層上に積層される金(Au)層により形成される。
【0021】
図2に示す過電圧保護素子15は、アノード及びカソードを有するツェナーダイオードであり、ボンディングワイヤ15aを介して第1配線パターン11及び第2配線パターン12に接続される。過電圧保護素子15は、降伏電圧が印加されることに応じて電流を流し、発光素子14に過電圧が印加されることを防止する。なお、過電圧保護素子15は、発光素子14への過電圧の印加を防止可能なツェナーダイオード以外のバリスタ等の電子部品であってもよい。
【0022】
図1に示す密封部材16は、石英ガラス等の深紫外線を吸収せずに、UV光を透過するUV光透過部材である。密封部材16は、金属接合等の合成樹脂によって形成された接着部材を使用しない接続方法によって壁部10bの上面に接合される。密封部材16が配置されることによって、密封される収容部19は、例えば真空状態であってもよく、窒素ガス及びアルゴンガス等の不活性ガスが充填されてもよい。
【0023】
図3に示す第1電極17及び第2電極18は、銅等の導電性部材で形成され、基部10aの裏面に配置される裏面電極である。第1電極17は、第1貫通電極10c、第1配線パターン11、第3配線層33、第1内部電極35及び第1配線層31を介して発光素子14のアノード41に接続される。また、第1電極17は、第1貫通電極10c及び第1配線パターン11を介して過電圧保護素子15のアノードに接続される。第2電極18は、第2貫通電極10d、第2配線パターン12、第4配線層34、第2内部電極36及び第2配線層32を介して発光素子14のカソード42に接続される。また、第2電極18は、第2貫通電極10d及び第2配線パターン12を介して過電圧保護素子15のカソードに接続される。
【0024】
図4は、配線基板13、発光素子14及び過電圧保護素子15を除去した状態の収容部19の平面図である。
【0025】
第1配線パターン11は、第1基部21と、第1突起部22を有する。第1基部21は、矩形の平面形状を有し、一対の短辺、及び一対の長辺の一方は、筐体10の壁部10bの内壁に対向するように配置される。第1突起部22は、矩形の平面形状を有し、第1基部21の一対の長辺の他方の中央部に、第2配線パターン12に向かって突出するように配置される。第2配線パターン12は、第2基部23と、第2突起部24とを有し、第1配線パターン11と線対称となる平面形状を有する。
【0026】
図5(a)は配線基板13の平面図であり、図5(b)は配線基板13の底面図であり、図6図5(a)に示すB-B線に沿う断面図である。なお、図6は、発光素子14が接続される前の状態を示す。
【0027】
配線基板13は、基台30と、第1配線層31と、第2配線層32と、第3配線層33と、第4配線層34と、第1内部電極35と、第2内部電極36と、第1めっき層37と、第2めっき層38とを有する。基台30は、紫外線光で劣化し難く、熱伝導率が高い絶縁部材である窒化アルミ(AlN)等のセラミックスにより形成されるHTCC基板、又はセラミックスにガラス等が含有されたLTCC基板であり、矩形の平面形状を有する。基台30の厚さは、筐体10の基部10aの厚さよりも薄い。基台30は、第1配線層31及び第2配線層32は基台30の表面に配置され、第3配線層33及び第4配線層34は基台30の裏面に配置される。
【0028】
第1配線層31、第2配線層32、第3配線層33及び第4配線層34は、銅等の導電性部材で形成された薄膜である。銅は、金や銀等に比べ、高熱伝導率、且つ安価な材料である。第1配線層31及び第2配線層32は、矩形状の平面形状を有し、一対の長辺の一方が対向するように配置される。第1配線層31は第1めっき層37を介して発光素子14に接続され、第2配線層32は第2めっき層38を介して発光素子14に接続される。第3配線層33及び第4配線層34は、矩形の平面形状を有し、基台30の裏面に配置される。第3配線層33は、金(Au)及び錫(Sn)を含有する導電性の接続部材39を介して第1配線パターン11の第1突起部22に接続される。第4配線層34は、接続部材39を介して第2配線パターン12の第2突起部24に接続される。
【0029】
第1内部電極35及び第2内部電極36は、銅等の導電性部材で形成され、基台30の表面から裏面に貫通する貫通孔に配置される。第1内部電極35は第1配線層31と第3配線層33との間を接続し、第2内部電極36は第2配線層32と第4配線層34との間を接続する。
【0030】
第1めっき層37は、所定の延伸方向(図5(a)の矢印Xの方向)に延伸し、第1配線層31と発光素子14とを接続する5つの棒状めっき層371~375を含む。棒状めっき層371~375のそれぞれは、図6に示すように、ニッケル(Ni)層37aと、金(Au)層37bと、金錫(AuSn)層37cと、フラッシュ金めっき層37dにより構成されている。ニッケル層37aは第1配線層31上に積層され、金層37bはニッケル層37a上に積層され、金錫層37cは金層37b上に積層され、フラッシュ金めっき層37dは金錫層37c上に積層される。なお、ニッケル層37aは、金層37bが第1配線層31を構成する銅層への拡散を防止するバリア層としても機能する。金層37bは、ニッケル層37aなどの酸化を防止する保護層としても機能する。金錫層37cは、接合層としても機能する。なお、棒状めっき層371~375の数は、必ずしも5つでなくても良い。
【0031】
第2めっき層38は、5つの棒状めっき層371~375と直交する方向に1本だけ形成される。第2めっき層38は、棒状めっき層371~375と同様の構成を有するので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、第2めっき層38の数は、必ずしも1つでなくても良い。
【0032】
なお、第1配線層31が銅で構成されるとき、第1めっき層37及び第2めっき層38は、銅層のみによって形成されてもよく、銅層の上にニッケル層37aなどを積層して構成してもよい。また、第1めっき層37及び第2めっき層38の厚さは、任意に決定することが可能である。第1めっき層37及び第2めっき層38の厚さを調節する場合、ニッケル層は厚さがばらつきやすく、金層は製造コストが上昇するので、銅層の厚さで調整することが好ましい。第1めっき層37及び第2めっき層38を、第1配線層31と異なる材料で構成すると、第1配線層31の表面加工は不要となるから、凹凸の発生を抑制でき、平坦な表面になり、例えば、発光素子14の傾きなどを抑制できる。つまり、第1めっき層37及び第2めっき層38は高さを必要としないとき、第1配線層と異なる材料で構成することが好ましい。
【0033】
図7(a)は発光素子14の底面図であり、図7(b)は図7(a)に示すC-C線に沿う断面図である。
【0034】
発光素子14は、半導体多層膜40と、アノード41と、カソード42とを有し、アノード41とカソード42との間に順方向電圧が印加されることに応じてUV光を出射するUVLEDダイであり、矩形の平面形状を有する。発光素子14から出射されるUV光の主波長は、200nmと405nmとの間の範囲内であり、一例では280nmである。発光素子14は、透明な基板であるサファイヤ基板上に窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層により形成されるPN接合層を積層して形成される。
【0035】
アノード41は、アノード基部43と、第1アノード接続面44と、第2アノード接続面45と、第3アノード接続面46と、第4アノード接続面47と、第5アノード接続面48とを有する。アノード41は、カソード42に向かう所定の延伸方向(図7(a)の矢印X1の方向)に延伸する5個の第1歯41aを有する櫛状の平面形状を有する。アノード基部43は、矩形状の平面形状を有し、内側の長辺から5本の第1歯41aが互いに平行に延伸する。第1アノード接続面44~第5アノード接続面48のそれぞれは、第1めっき層37の幅と略同一の幅を有し、アノード基部43の長辺から延伸するアノード41の5つの第1歯41aに配置される。第1アノード接続面44~第5アノード接続面48と棒状めっき層371~375とを略同一形状とすることで、金錫層37cに含まれる錫が溶融したとき、セルフアライメント効果により、配線基板13に発光素子14を精度よく配置できる。
【0036】
第1アノード接続面44~第5アノード接続面48のそれぞれは、第1めっき層37を介して第1配線層31に接続される。第1アノード接続面44~第5アノード接続面48は、リフローなどの加熱により第1めっき層37の金錫層37cが溶解した後に固化することで、第1配線層31に接続される。
【0037】
カソード42は、アノード41の第1歯41aが延伸する延伸方向と反対方向(図7(a)の矢印X2の方向)に延伸し、アノード41の第1歯41aと互い違いに配置される第2歯42aを有する櫛型の平面形状を有し、カソード接続面49を有する。カソード42の第2歯42aの幅は、アノード41の第1歯41aの幅よりも狭い。なお、カソード42の第2歯42aの幅は、アノード41の第1歯41aの幅よりも広くてもよい。
【0038】
アノード41とカソード42は、互い違いに配置される第1歯41a及び第2歯42aを有し、発光素子14の裏面において、電流経路が略均等になる形状であり、電流密度を略一定にすることができるから、発光素子14内部からの光の取り出し効率が向上し、発光強度が向上している。発光素子14は、可視光に比べて光の取り出し効率が低い紫外線光を出射するから、アノード41とカソード42が互い違いに配置される第1歯41a及び第2歯42aの形状により、発光素子14の発光強度はより強くなりやすい。なお、発光素子14は、小型化するため、アノード41とカソード42がかなり近接する形状になっている。
【0039】
第1配線層31は、アノード41の第1アノード接続面44~第5アノード接続面48のそれぞれと略同一の幅を有する第1めっき層37を介してアノード41に接続される。第1配線層31の電位は、アノード41の電位と同電位であり、不図示外部電源から電源電圧VDDが供給される。一方、第2配線層32は、第2めっき層38を介してカソード42に接続されるので、第2配線層32の電位は、カソード42の電位と同電位であり、グランドレベルである。
【0040】
図7(b)に示すように、カソードの高さHcは、アノードの高さHaよりも低く、アノード41の第1歯41aは、カソード42の第2歯42aよりも配線基板13の方向に突出して配置される。カソード接続面49はアノード基部43に対向する辺の両端の間に亘って配置され、リフローなどの加熱により第2めっき層38の金錫層が溶解した後に固化することで、第2配線層32に接続される。カソード接続面49は、カソード42の第2歯42aが形成されていない箇所に配置されることとなる。
【0041】
図7(b)に示すようにアノード41及びカソード42が形成されていることから、第2めっき層38は、第1めっき層37より、アノードの高さHaとカソードの高さHcの差だけ高くすることが好ましい。第2めっき層38を第1めっき層37よりアノードの高さHaとカソードの高さHcの差だけ高くすることにより、第1めっき層37とアノード41、及び第2めっき層38とカソード42の距離を等しくすることができ、配線基板13と発光素子14を接続するときの不具合の発生を抑制できる。なお、第2めっき層38は、第1めっき層37のアノードの高さHaとカソードの高さHcの差を加えた高さより、高くてもよい。第2めっき層38は、アノード41の第1歯41aとカソード42の第2歯42aが互い違いに配置される範囲を避け、カソード42のカソード接続面49のみに対向しているからである。例えば、金錫で構成される接合剤が溶融したときに第2配線層32の表面に広がっても、アノード41に接続するおそれは低い。
【0042】
第1配線層31は、電源電圧VDDが供給されるアノード41及びグランドレベルで接地されるカソード42の複数の第2歯42aに対向するように配置される。第1配線層31上に配置される第1めっき層37は、カソード42よりも下方に突出する第1アノード接続面44~第5アノード接続面48を介してアノード41に接続される。第1めっき層37がカソード42よりも下方に突出する第1アノード接続面44~第5アノード接続面48を介してアノード41に接続されるので、電位レベルが異なる第1配線31とカソード42とにより形成される寄生容量の大きさを抑制できる。一方、第2配線層32は、グランドレベルで接地されるカソード42のカソード接続面49に対向するように配置される。
【0043】
図7(b)に示すように、発光素子14の半導体多層膜40の表面でアノード41とカソード42以外の領域には絶縁層50が配置されている。なお、アノード41の側面、及び、カソード42の側面も絶縁層50で被覆するようにしても良い。さらに、アノード41の表面においても、第1アノード接続面44~第5アノード接続面48以外の領域を絶縁膜50で被覆しても良い。同様に、カソード42の表面においても、カソード接続面49以外の領域を絶縁膜50で被覆しても良い。
【0044】
図8は、配線基板13に実装された発光素子14の平面図である。
【0045】
配線基板13が発光素子14に実装されたとき、配線基板13の第1配線層31は、5つの第1歯41aの一部、5つの第2歯42aの一部及びアノード基部43の下方に連続して形成される。
【0046】
矩形の平面形状を有する第1配線層31の短辺は、アノード41の第1歯41a及びカソード42の第2歯42aが延伸する延伸方向(図8の矢印Xの方向)に平行に連続して延伸する。第1配線層31の長辺は、アノード41の複数の第1歯41a及びカソード42の第2歯42aが配列される配列方向(図8の矢印Yの方向)に平行に連続して延伸する。第1配線層31は、短辺が第1歯41a及び第2歯42aが延伸する延伸方向に連続して延伸すると共に、長辺が第1歯41a及び第2歯42aが配列される配列方向に連続して延伸することで、第1歯41a及び第2歯42aの一部の下方に連続して形成される。なお、第1配線層31は、第1歯41aの全部の下方に連続して形成されてもよい。
【0047】
図9は、図8において矢印Dで示される部分の拡大断面図である。
【0048】
発光素子14は、第1めっき層37を介して配線基板13に実装される。第1めっき層37は、発光素子14を配線基板13に接合するとき、ニッケル層37aと、ニッケル層37aを覆うように配置される接合層37eとにより形成される。接合層37eは、金層37b、金錫層37c及びフラッシュ金めっき層37dが溶解した後に一体化されて固化されることで形成される。
【0049】
接合層37eは、第1歯部41aとニッケル層37aに配置されると共に、ニッケル層37aの側面に沿ってニッケル層37aを囲むように配置される。ニッケル層37aの側面に沿って配置される接合層37eは、ニッケル層37aの下端の近傍から第1歯41aの外縁に向かって直線状に延伸するフィレット状のフィレット部37fが形成される。フィレット部37fは、第1配線層31から第1歯部41aに近づくに従ってニッケル層37aから離隔するように形成される。
【0050】
第1めっき層37が配置されない領域では、第1配線層31の表面には、酸化銅を含有する絶縁体層である酸化膜層31aが形成される。第1めっき層37が配置されない領域の表面に酸化膜層31aが形成されることで、接合層37eが第1配線層31の表面に濡れ広がることを防止することができる。ニッケル層37aは、接合層37eが第1配線層31の表面に濡れ広がらないため、薄くすることができる。つまり、熱伝導率が低めの金属層であるニッケル層37aを薄くすることができ、熱抵抗値が低くなるから、発光素子14で発生した熱を効率よく第1配線層31に放熱できる。
【0051】
図10は、発光装置1の製造方法を示すフローチャートである。
【0052】
まず、筐体準備工程において、第1配線パターン11及び第2配線パターン12が表面に配置されると共に、密封部材16を接続する接続部材が壁部10bの上面に配置される筐体10が準備される(S101)。次いで、第1接続部材配置工程において、接続部材39が第1配線パターン11の第1突起部22及び第2配線パターン12の第2突起部24それぞれの表面に配置される(S102)。次いで、配線基板配置工程において、配線基板13が第1配線パターン11の第1突起部22及び第2配線パターン12の第2突起部24を覆うように配置される(S103)。次いで、第2接続部材配置工程において、第1めっき層37及び第2めっき層38が、例えば、メタルマスクを使用した印刷方式によって、略均一な厚みになるように、配線基板13の第1配線層31及び第2配線層32の表面に配置される(S104)。
【0053】
次いで、素子配置工程において、発光素子14及び過電圧保護素子15が配置される(S105)。発光素子14は配線基板13の第1配線層31及び第2配線層32を覆うように配置され、過電圧保護素子15は第1配線パターン11と第2配線パターン12との間に配置される。リフローなどの加熱工程において、配線基板13、発光素子14及び過電圧保護素子15が配置された筐体10が加熱され(S106)、配線基板13、発光素子14及び過電圧保護素子15が固定される。次いで、ワイヤボンディング工程において、第1配線パターン11及び第2配線パターン12と過電圧保護素子15との間がボンディングワイヤ15aによって接続される(S107)。そして、密封部材配置工程において、密封部材16が筐体10の壁部10bの上面に接続される(S108)ことで、発光装置1は製造される。
【0054】
なお、加熱工程(S106)では、リフローにより発光素子14が第1配線パターン11及び第2配線パターン12と接続されると説明したが、発光素子14と第1配線パターン11及び第2配線パターン12を熱圧着により接続されるようにしても良い。前述したように、Au層37dと金錫層37cがまじりあった接合層が、発光素子14と第1配線パターン11及び第2配線パターン12とを接合するが、熱圧着を利用した方が、リフローを利用した場合と比較して、接合層の厚さが薄くなることが経験上判明している。接合層の厚さが薄くなると、効率よく発光素子14で発生した熱を放熱することが可能となる。
【0055】
(第1実施形態に係る発光装置の作用効果)
発光装置1では、第1配線層31は、アノード41及びカソード42の第1歯41a及び第2歯42aの配列方向に連続して配置されるので、アノード41と電気的な接続が可能な材料により、基台30の表面における熱容量を増やすことができ、発光により発光素子14で発生した発光素子14の中心付近の熱は、発光素子14から第1配線層31を介して効率的に放熱することができる。
【0056】
また、発光装置1では、発光素子14のアノードに接続される金錫層37cは、金層37b上に積層されるので、加熱されたときに濡れ広がる領域が抑制され、発光素子14のカソードに接して発光不良を生じるおそれは低い。
【0057】
また、発光装置1では、接合層37eは、第1歯部41aとニッケル層37aに加えて、ニッケル層37aの側面に沿ってニッケル層37aを囲むように配置されるので、第1歯部41aとニッケル層37aとの間をより強固に接合することができる。また、接合層37eは、第1歯部41aの側面に配置してもよい。第1歯部41aとニッケル層37aとの間を更に強固に接合することができる。
【0058】
また、第1配線層31の表面に酸化膜層31aが形成されるので、ニッケル層37aの側面に沿って配置される接合層37eが第1配線層31の表面に濡れ広がることを防止でき、発光素子14のカソードに接して発光不良を生じるおそれを更に低くできる。
【0059】
また、発光装置1では、発光素子14のアノードに接続される金錫層37cは、加熱されたときに濡れ広がる領域が抑制されるので、発光素子14のアノードを略均等の高さで支持することができる。発光素子14のアノードと第1めっき層37を接続するとき、接続材料の厚さを厚くして接続材料の量を増やすことで、発光素子14のアノードと第1めっき層37との間の接合強度を増加させることがある。例えば、金錫層37cの厚さを厚くすることで発光素子14のアノードと第1めっき層37との間の接合強度を増加させることができる。金錫層37cの厚さが厚くなると、金錫層37cに含まれる錫が溶融したときに空気が混入し、ボイドとも称される空隙が形成され、接続状態が疎となるおそれがある。また、金錫層37cに含まれる錫が溶融するタイミングのずれに起因して発生する発光素子14の傾斜等の不具合により、放熱性及び発光効率が低下するおそれがある。このような不具合は、発光素子14の上面を下向きに押圧し、発光素子14のアノードと第1めっき層37との間の金錫層37cの厚さを薄くすることにより、解消することが可能である。発光素子14を押圧する押圧力により、棒状めっき層371の側面から金錫層37cが流出し、流出した金錫層37cが第1配線層31の表面を介して隣接する棒状めっき層372に接触することがある。本実施形態では、第1配線層31、棒状めっき層371及び棒状めっき層372は、同一の電圧が印加されるので、第1配線層31、棒状めっき層371及び棒状めっき層372の間が接触しても電気的な不具合は生じない。また、棒状めっき層371の側面から流出した金錫層37cが棒状めっき層371と第1配線層31と棒状めっき層372で囲まれる空間を充填するので、熱容量が増加し、発光装置1の放熱性は、向上する。
【0060】
(第2実施形態に係る発光装置の構成および機能)
図11は第2実施形態に係る発光装置の斜視図であり、図12図11に示す発光素子14及び過電圧保護素子15を除去した状態の収容部19の平面図である。
【0061】
発光装置2は、第1配線パターン51及び第2配線パターン52を第1配線パターン11及び第2配線パターン12の代わりに有することが発光装置1と相違する。発光装置2は、配線基板13を有さないことが発光装置1と更に相違する。第1配線パターン51及び第2配線パターン52以外の発光装置2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0062】
第1配線パターン51は、第1基部61と、第1突起部62と、第1めっき層63を有する。第1基部61は、第1基部21と同様に、矩形の平面形状を有し、一対の短辺、及び一対の長辺の一方は、筐体10の壁部10bの内壁に対向するように配置される。第1突起部62は、矩形の平面形状を有し、第1基部61の一対の長辺の他方の中央部に、第2配線パターン52に向かって突出するように配置される。第1突起部62は、金属により形成され、基板の一例である筐体10上に配置された配線層である。
【0063】
第1めっき層63は、第1突起部62上に配置された導電性の部材であり、第1突起部62と発光素子14とを接続する5つの棒状めっき層631~635を含む。棒状めっき層631~635は、棒状めっき層371~375と同様の構成を有するので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0064】
第2配線パターン52は、第2基部64と、第2突起部65と、第2めっき層66を有する。第2基部64は、第2基部23と同様に、矩形の平面形状を有し、一対の短辺、及び一対の長辺の一方は、筐体10の壁部10bの内壁に対向するように配置される。第2突起部65は、矩形の平面形状を有し、第2基部64の一対の長辺の他方の中央部に、第1配線パターン51に向かって突出するように配置される。第2突起部65は、金属により形成され、基板の一例である筐体10上に配置された配線層である。
【0065】
第2めっき層66は、第2突起部65上に配置された導電性の部材であり、第2突起部65と発光素子14とを接続する。第2めっき層66は、棒状めっき層371~375と同様の構成を有するので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0066】
(変形例に係る発光装置)
発光装置1では、第1めっき層37は、5つの棒状めっき層371~375を含むが、実施形態に係る発光装置では、第1めっき層63は、発光素子14のアノード41の第1歯41aの数に応じた数の棒状めっき層を含んでもよい。また、実施形態に係る発光装置では、第1めっき層63は、発光素子14のアノード41及びカソード42の第1歯41a及び第2歯42aの配列方向に連続して配置されてもよい。発光装置2は、発光装置1と同様の効果を有する。
【0067】
図13は、第1変形例に係る実装基板の平面図である。
【0068】
配線基板73は、第1めっき層77を第1めっき層37の代わりに有することが配線基板13と相違する。第1めっき層77以外の配線基板73の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された配線基板13の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0069】
第1めっき層77は、平面形状が第1めっき層37と相違する。平面形状以外の第1めっき層77の構成及び機能は、第1めっき層37と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。第1めっき層77は、アノード41の第1歯41aが延伸する延伸方向に直交するアノード41及びカソード42の複数の第1歯41a及び第2歯42aの配列方向に、発光素子14の底面に対向する面の全面に亘って連続する平面形状を有する。発光素子14のカソードの高さHcは、発光素子14のアノードの高さHaよりも低いので、第1めっき層77は、発光素子14のアノードに接続され、発光素子14のカソードに接続されない。
【0070】
配線基板73は、発光素子14の底面に対向する面の全面に亘って連続する平面形状を有する第1めっき層77を有するので、発光素子14から発生する熱を配線基板13よりも効率的に放熱できる。
【0071】
また、発光装置1では、第1めっき層37及び第2めっき層38は、ニッケル層37a、金層37b、金錫層37c及びフラッシュ金めっき層37dを有するが、実施形態に係る発光装置では、第1めっき層及び第2めっき層は、他の層構造を有してもよい。
【0072】
図14は、第2変形例に係る実装基板の平面図である。
【0073】
配線基板83は、第1めっき層87及び第2めっき層88を第1めっき層37及び第2めっき層38の代わりに有することが配線基板13と相違する。第1めっき層87及び第2めっき層88以外の配線基板83の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された配線基板13の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。第1めっき層87は、5つの棒状めっき層871~875を有する。棒状めっき層871~875は、層構造が棒状めっき層371~375と相違する。
【0074】
図15(a)は図14に示すD-D線に沿う断面図であり、図15(b)は図14に示すE-E線に沿う断面図である。
【0075】
第1めっき層87は、所定の延伸方向に延伸し、第1配線層31と発光素子14とを接続する5つの棒状めっき層871~875を含む。棒状めっき層871~875のそれぞれは、ニッケル層87aと、第1金層87bと、第2金層87cとを有する。ニッケル層87aは第1配線層31上に積層され、第1金層87bはニッケル層87a上に積層され、第2金層87cは第1金層87b上に積層される。第1金層87bの長手方向の長さはニッケル層87aの長手方向の長さと同一であり、第2金層87cの長手方向の長さはニッケル層87aの長手方向の長さよりも短い。第2金層87cの長さは、発光素子14の第1アノード接続面44~第5アノード接続面48の長さと略同一であり、第2金層87cは、第1アノード接続面44~第5アノード接続面48に接続される。第2めっき層88は、棒状めっき層871~875と同様の構成を有するので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0076】
配線基板83では、第2金層87cは、第1金層87bの一端を全面に亘って覆うように配置されるので、第1金層87bの上に金製のスタッドバンプを配置する場合と比較して、発光素子14のアノードとの間の接続面積が大きくなり、放熱特性を向上させることができる。また、配線基板83では、第2金層87cは、第1金層87bの一端を全面に亘って覆うように配置されるので、第1金層87bの上に金製のスタッドバンプを配置する場合と比較して、第1めっき層87に発光素子14が接続されるときの発光素子14の平坦性を向上させることができる。つまり、第2金層87cは、スタッドバンプと比較して、表面の平坦性が高く、また、第1金層87bの表面の角部まで均一に広がるから、発光素子14の実装性に優れ、高い放熱性を有する。
【0077】
また、第1めっき層87では、第2金層87cの長手方向の長さは、第1金層87bの長手方向の長さよりも短いので、第2金層を第1金層87bの全面に亘って配置する場合と比較して、使用する金の量を削減できるので、製造コストを低減することができる。
【要約】
発光装置は、絶縁部材により形成された基板と、金属により形成され、基板上に配置された第1配線層と、第1配線層上に配置された導電性の第1めっき層と、金属により形成され、基板上に配置された第2配線層と、第2配線層上に配置された導電性の第2めっき層と、所定の延伸方向に延伸する複数の第1歯を含む櫛歯状の平面形状を有する第1端子、及び、延伸方向と反対方向に延伸し且つ第1歯と交互に配置された複数の第2歯を含む櫛歯状の平面形状を有する第2端子を有する発光素子と、を有し、第1めっき層は、複数の第1歯と同じ方向に延伸する複数の第1棒状めっき層を含み、複数の第1棒状めっき層は、第1端子の複数の第1歯の部分にそれぞれ接続され、第2めっき層は、第2端子の複数の第2歯以外の部分に接続され、第1配線層は、複数の第1歯の一部及び複数の第2歯の一部の下方に連続して形成される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15