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特許7185114ゼブラフィッシュ胚に基づく固形廃棄物浸出液の生態毒性の試験装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】ゼブラフィッシュ胚に基づく固形廃棄物浸出液の生態毒性の試験装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/00 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
G01N33/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022111020
(22)【出願日】2022-07-11
【審査請求日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】202210756524.8
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521088468
【氏名又は名称】生態環境部南京環境科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】呉晟旻
(72)【発明者】
【氏名】趙震乾
(72)【発明者】
【氏名】鞏楊
(72)【発明者】
【氏名】田豊
(72)【発明者】
【氏名】田晶
【審査官】海野 佳子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111189999(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112986512(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0299282(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104388519(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/00-33/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が中空である取っ手(11)が上部に設けられる筐体(1)を含み、
複数組のウェルプレートを載せるための積層型ウェルプレートキャリアが前記筐体(1)
内に2組設けられ、筐体(1)の対向する内側壁のそれぞれには、前記積層型ウェルプレ
ートキャリアに1組1で対応する1組の案内板(12)が設けられ、積層型ウェルプレー
トキャリアは案内板(12)に摺動可能に接続され、
前記積層型ウェルプレートキャリアは、駆動接続板(2)と、前記ウェルプレートを載せ
るための複数組の載置板(3)とを含み、複数組の前記載置板(3)は互いに平行である
とともに、全て前記駆動接続板(2)に垂直であり、
前記駆動接続板(2)の前面には第1摺動溝(21)がその長手方向に設けられ、駆動接
続板(2)の背面には前記第1摺動溝(21)に連通している第1長尺状孔(22)が設
けられ、駆動接続板(2)の左側面及び右側面のそれぞれには第2摺動溝(23)がその
長手方向に設けられ、前記第2摺動溝(23)の内側壁に第1摺動溝(21)に連通して
いる第2長尺状孔(24)が設けられ、前記第2長尺状孔(24)の数が前記載置板(3
)と同じであり、
駆動接続板(2)の左側面及び右側面のそれぞれの外にはメインエアバッグ(4)が設け
られ、駆動接続板(2)の一端には前記メインエアバッグ(4)の一端に接続される固定
板(25)が設けられ、メインエアバッグ(4)の他端には筐体(1)又は駆動接続板(
2)とのロックを切り替えるロック切り替えブロック(5)が設けられ、前記ロック切り
替えブロック(5)は駆動接続板(2)に摺動可能に接続され、
載置板(3)はそれぞれ第1摺動溝(21)内の案内スライダ(31)を介して駆動接続
板(2)に摺動可能に接続され、かつ載置板(3)と前記案内スライダ(31)は軸棒を
介して回動可能に接続され、
前記案内スライダ(31)の側面に第2長尺状孔(24)に摺動可能に係合される補助ス
ライダ(32)が設けられ、前記補助スライダ(32)にサブエアバッグ(41)が接続
され、補助スライダ(32)及びサブエアバッグ(41)は両方ともに第2摺動溝(23
)内に位置し、前記サブエアバッグ(41)の一端は接続管を介して駆動接続板(2)を
貫通し、サブエアバッグ(41)に対応するメインエアバッグ(4)に連通しており、
前記駆動接続板(2)の他端に駆動接続板(2)を回動駆動するための駆動ロッド(6)
が設けられ、前記駆動ロッド(6)の一端は駆動接続板(2)を貫通して前記案内板(1
2)に摺動可能に接続され、かつ駆動ロッド(6)は駆動接続板(2)の穴に係合され、
駆動ロッド(6)の他端は前記取っ手(11)を貫通するとともに、第1かさ歯車(61
)が設けられ、
前記取っ手(11)には、2組の積層型ウェルプレートキャリアの第1かさ歯車(61)
の両方と噛み合って伝動を行う第2かさ歯車(13)が設けられ、2組の積層型ウェルプ
レートキャリアの複数組の載置板(3)は相互に千鳥状に設けられる、ことを特徴とする
ゼブラフィッシュ胚に基づく固形廃棄物浸出液の生態毒性の試験装置。
【請求項2】
前記第1摺動溝(21)内に位置する駆動ロッド(6)にロープ(7)を巻き取るための
リール(62)が設けられ、前記載置板(3)は軸棒を介して前記案内スライダ(31)
を貫通し、第1摺動溝(21)内に位置する駆動歯車(33)に接続され、
前記ロープ(7)の一端はリール(62)に固定して接続され、ロープ(7)の他端は第
1摺動溝(21)の側壁に摺動可能に接続される駆動スライダ(71)が設けられ、前記
駆動スライダ(71)は少なくとも1組のガイドロッド(72)を介して、前記駆動接続
板(2)の一端の内底面に設けられた第1伸縮ロッドに接続され、
前記ガイドロッド(72)は各駆動歯車(33)の位置に対応する箇所に駆動歯車(33
)を回動駆動するための歯付き摺動板(73)が設けられ、前記案内スライダ(31)に
前記歯付き摺動板(73)を同期化して上昇させる支持ロッド(34)が設けられ、
前記ガイドロッド(72)の内部が中空であり、かつ拡張状態のサブエアバッグ(41)
に対応する案内スライダ(31)の位置が対応するガイドロッド(72)の側壁に少なく
とも1組の貫通孔(721)が設けられ、ガイドロッド(72)内にトリガーバー(74
)が設けられ、前記貫通孔(721)の位置に対応する前記トリガーバー(74)の一方
の側面にはロックブロック(741)が設けられ、トリガーバー(74)の他方の側面に
は第1ボス(742)が設けられ、前記第1ボス(742)の位置に対応するガイドロッ
ド(72)の内側壁には、第1ボス(742)を押してロックブロック(741)を貫通
孔(721)から張り出させる第2ボス(75)が設けられ、
前記トリガーバー(74)の一端は第1ばね(76)を介して駆動スライダ(71)に接
続され、前記トリガーバー(74)の他方の側面は第2ばね(77)を介してガイドロッ
ド(72)の内側壁に摺動可能に接続され、
駆動スライダ(71)に最も近い歯付き摺動板(73)に対応するロックブロック(74
1)の上方に位置する前記トリガーバー(74)には、トリガーバー(74)をガイドロ
ッド(72)への方向に沿って摺動させる係合板(743)が設けられ、前記貫通孔(7
21)の上方にあるガイドロッド(72)に、前記係合板(743)が摺動する空間を提
供する第3長尺状孔(722)が設けられ、前記貫通孔(721)の位置に対応する前記
歯付き摺動板(73)の穴の内側壁に貫通孔(721)と嵌合するロック穴が設けられる
、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロック切り替えブロック(5)の内部が中空であり、ロック切り替えブロック(5)
内には、筐体(1)の第1係合孔(14)に係合される1組の第1モーター押し棒(51
)と、駆動接続板(2)の第2係合孔(26)に係合される1組の第2モーター押し棒(
52)とが設けられ、かつ前記第1係合孔(14)は拡張状態の前記メインエアバッグ(
4)に対応する筐体(1)の内側壁に設けられ、前記第2係合孔(26)は圧縮状態のメ
インエアバッグ(4)に対応するロック切り替えブロック(5)の外側壁に設けられ、ロ
ック切り替えブロック(5)は第1モーター押し棒(51)、第2モーター押し棒(52
)への給電及び制御を行うリチウム電池、シングルチップコンピュータが内蔵されており
、筐体(1)の位置に対応するロック切り替えブロック(5)には第1トリガーボタン(
53)が設けられ、固定板(25)の位置に対応するロック切り替えブロック(5)には
第2トリガーボタン(54)が設けられ、前記第1トリガーボタン(53)、第2トリガ
ーボタン(54)は全てシングルチップコンピュータ、第1モーター押し棒(51)、第
2モーター押し棒(52)に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の装
置。
【請求項4】
前記筐体(1)にカバー(8)が設けられ、前記カバー(8)に対応側の積層型ウェルプ
レートキャリアを支持するための支持板(81)が2組設けられ、前記支持板(81)は
第2伸縮ロッドを介してカバー(8)に回動可能に接続され、かつ前記第2伸縮ロッドは
回転ディスクを介して支持板(81)に回動可能に接続される、ことを特徴とする請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記案内板(12)は、筐体(1)に固定して接続された板状本体(121)と、前記板
状本体(121)のトップに回動可能に接続される延出板状部(122)とを含み、前記
延出板状部(122)の一端は減衰回転軸を介して板状本体(121)に回動可能に接続
され、延出板状部(122)の他端は駆動ロッド(6)又は取っ手(11)に係合される
位置決めピン(123)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第2摺動溝(23)の位置に対応する前記案内スライダ(31)の側面に、前記第1摺動
溝(21)の内側壁に摺動可能に接触するフランジ(35)がさらに設けられ、第1摺動
溝(21)の内側壁に接触する前記フランジ(35)の一側面に第1磁気シートが設けら
れ、かつ第1摺動溝(21)の内側壁に2組の第2磁気シートが設けられ、2組の前記第
2磁気シートはそれぞれ拡張状態のサブエアバッグ(41)に対応する案内スライダ(3
1)、圧縮状態のサブエアバッグ(41)に対応する案内スライダ(31)に対応して磁
気吸引される、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生物検出の技術分野に関し、具体的には、ゼブラフィッシュ胚に基づく固形廃棄
物浸出液の生態毒性の試験装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固形廃棄物について浸出による毒性を検出することにより、有害な毒性成分が効果的に分
析されるが、従来の検出操作には時間や手前がかかり、試験用ウェルプレートの配置が散
らかっており、しかも一部の試験は動物の生命を尊重するという問題を抱えるため、上記
の問題を解決するために、固形廃棄物浸出液の生態毒性の新しい検出装置及び方法が求め
られる。
【発明の概要】
【0003】
ゼブラフィッシュ胚に基づく固形廃棄物浸出液の生態毒性の試験装置であって、
内部を中空のものとした取っ手が上部に設けられる筐体を含み、
複数組のウェルプレートを載せるための積層型ウェルプレートキャリアが筐体内に2組設
けられ、筐体の対向する内側壁のそれぞれには、積層型ウェルプレートキャリアに1組1
で対応する1組の案内板が設けられ、積層型ウェルプレートキャリアは案内板に摺動可能
に接続され、
積層型ウェルプレートキャリアは、駆動接続板と、ウェルプレートを載せるための複数組
の載置板とを含み、複数組の載置板は互いに平行であるとともに、全て駆動接続板に垂直
であり、
駆動接続板の前面には第1摺動溝がその長手方向に設けられ、駆動接続板の背面には第1
摺動溝に連通している第1長尺状孔が設けられ、駆動接続板の左側面及び右側面のそれぞ
れには第2摺動溝がその長手方向に設けられ、第2摺動溝の内側壁に第1摺動溝に連通し
ている第2長尺状孔が設けられ、第2長尺状孔の数が載置板と同じであり、
駆動接続板の左側面及び右側面のそれぞれの外にはメインエアバッグが設けられ、駆動接
続板の一端にはメインエアバッグの一端に接続される固定板が設けられ、メインエアバッ
グの他端には筐体又は駆動接続板とのロックを切り替えるロック切り替えブロックが設け
られ、ロック切り替えブロックは駆動接続板に摺動可能に接続され、
載置板はそれぞれ第1摺動溝内の案内スライダを介して駆動接続板に摺動可能に接続され
、かつ載置板と案内スライダは軸棒を介して回動可能に接続され、
案内スライダの側面に第2長尺状孔に摺動可能に係合される補助スライダが設けられ、補
助スライダにサブエアバッグが接続され、補助スライダ及びサブエアバッグは両方ともに
第2摺動溝内に位置し、サブエアバッグの一端は接続管を介して駆動接続板を貫通し、サ
ブエアバッグに対応するメインエアバッグに連通しており、
駆動接続板の他端に駆動接続板を回動駆動するための駆動ロッドが設けられ、駆動ロッド
の一端は駆動接続板を貫通して案内板に摺動可能に接続され、かつ駆動ロッドは駆動接続
板の穴に係合され、駆動ロッドの他端は取っ手を貫通するとともに、第1かさ歯車が設け
られ、
取っ手には、2組の積層型ウェルプレートキャリアの第1かさ歯車の両方と噛み合って伝
動を行う第2かさ歯車が設けられ、2組の積層型ウェルプレートキャリアの複数組の載置
板は相互に千鳥状に設けられる。
本発明の一態様によれば、第1摺動溝内に位置する駆動ロッドにロープを巻き取るための
リールが設けられ、載置板は軸棒を介して案内スライダを貫通し、第1摺動溝内に位置す
る駆動歯車に接続され、
ロープの一端はリールに固定して接続され、ロープの他端は第1摺動溝の側壁に摺動可能
に接続される駆動スライダが設けられ、駆動スライダは少なくとも1組のガイドロッドを
介して、駆動接続板の一端の内底面に設けられた第1伸縮ロッドに接続され、
ガイドロッドは各駆動歯車の位置に対応する箇所に駆動歯車を回動駆動するための歯付き
摺動板が設けられ、案内スライダに歯付き摺動板を同期化して上昇させる支持ロッドが設
けられ、
ガイドロッドの内部が中空であり、かつ拡張状態のサブエアバッグに対応する案内スライ
ダの位置が対応するガイドロッドの側壁に少なくとも1組の貫通孔が設けられ、ガイドロ
ッド内にトリガーバーが設けられ、貫通孔の位置に対応するトリガーバーの一方の側面に
はロックブロックが設けられ、トリガーバーの他方の側面には第1ボスが設けられ、第1
ボスの位置に対応するガイドロッドの内側壁には、第1ボスを押してロックブロックを貫
通孔から張り出させる第2ボスが設けられ、
トリガーバーの一端は第1ばねを介して駆動スライダに接続され、トリガーバーの他方の
側面は第2ばねを介してガイドロッドの内側壁に摺動可能に接続され、
駆動スライダに最も近い歯付き摺動板に対応するロックブロックの上方に位置するトリガ
ーバーには、トリガーバーをガイドロッドへの方向に沿って摺動させる係合板が設けられ
、貫通孔の上方にあるガイドロッドに、係合板が摺動する空間を提供する第3長尺状孔が
設けられ、貫通孔の位置に対応する歯付き摺動板の穴の内側壁に貫通孔と嵌合するロック
穴が設けられる。
上記の構成によって、ロープなどの部材が駆動ロッドに同期化して駆動され、駆動ロッド
が駆動接続板を90°回転駆動するとともに、各歯付き摺動板がそれぞれに対応する駆動
歯車と噛み合って伝動を行うことで、各載置板が90°反転駆動され、駆動接続板が回転
するときに、載置板が常に水平ではないことにより載置板におけるウェルプレートに容れ
た液体がこぼれるということが回避される、
また、メインエアバッグとサブエアバッグとの連携により載置板は拡張状態のサブエアバ
ッグに対応する案内スライダの位置と圧縮状態のサブエアバッグに対応する案内スライダ
の位置との間で切り替わり、上記の切り替わりを図るために、トリガーバーなどの部材が
設けられることによって、載置板は拡張状態のサブエアバッグに対応する案内スライダの
位置にある場合、歯付き摺動板とガイドロッドとを係合させ、ロープ、駆動スライダ及び
ガイドロッドの動きを利用して歯付き摺動板に駆動歯車を駆動させて、上記の機能を達成
させる。
本発明の一態様によれば、ロック切り替えブロックの内部が中空であり、ロック切り替え
ブロック内には、筐体の第1係合孔に係合される1組の第1モーター押し棒と、駆動接続
板の第2係合孔に係合される1組の第2モーター押し棒とが設けられ、かつ第1係合孔は
拡張状態のメインエアバッグに対応する筐体の内側壁に設けられ、第2係合孔は圧縮状態
のメインエアバッグに対応するロック切り替えブロックの外側壁に設けられ、ロック切り
替えブロックは第1モーター押し棒、第2モーター押し棒への給電及び制御を行うリチウ
ム電池、シングルチップコンピュータが内蔵されており、筐体の位置に対応するロック切
り替えブロックには第1トリガーボタンが設けられ、固定板の位置に対応するロック切り
替えブロックには第2トリガーボタンが設けられ、第1トリガーボタン、第2トリガーボ
タンは全てシングルチップコンピュータ、第1モーター押し棒、第2モーター押し棒に電
気的に接続される。
上記の構成によれば、シングルチップコンピュータを用いて第1モーター押し棒、第2モ
ーター押し棒を制御することによって、第1トリガーボタンがトリガーされると、第1モ
ーター押し棒は外へ伸長するとともに、第2モーター押し棒が内へ引き込まれ、第2トリ
ガーボタンがトリガーされると、第2モーター押し棒は外へ伸長するとともに、第1モー
ター押し棒は内へ引き込まれ、このように、メインエアバッグの拡張・圧縮機能が図られ
る。
本発明の一態様によれば、筐体にカバーが設けられ、カバーに対応側の積層型ウェルプレ
ートキャリアを支持するための支持板が2組設けられ、支持板は第2伸縮ロッドを介して
カバーに回動可能に接続され、かつ第2伸縮ロッドは回転ディスクを介して支持板に回動
可能に接続される。上記の構成によれば、載置板を展開させた時の積層型ウェルプレート
キャリアの安定性が向上し、また、使用していないときに、積層型ウェルプレートキャリ
ア及び載置板におけるウェルプレートへの埃の蓄積を回避する役割がある。
本発明の一態様によれば、案内板は、筐体に固定して接続された板状本体と、板状本体の
トップに回動可能に接続される延出板状部とを含み、延出板状部の一端は減衰回転軸を介
して板状本体に回動可能に接続され、延出板状部の他端は駆動ロッド又は取っ手に係合さ
れる位置決めピンが設けられる。上記の構成によれば、案内板の占める空間を小さくしつ
つ、案内板が積層型ウェルプレートキャリアの摺動を案内する作用効果を確保し、これに
より、収納後の装置の占める空間を小さくし、持ち運びやすくする。
本発明の一態様によれば、第2摺動溝の位置に対応する案内スライダの側面に、第1摺動
溝の内側壁に摺動可能に接触するフランジがさらに設けられ、第1摺動溝の内側壁に接触
するフランジの一側面に第1磁気シートが設けられ、かつ第1摺動溝の内側壁に2組の第
2磁気シートが設けられ、2組の第2磁気シートはそれぞれ拡張状態のサブエアバッグに
対応する案内スライダ、圧縮状態のサブエアバッグに対応する案内スライダに対応して磁
気吸引される。上記の構成によれば、拡張状態のサブエアバッグに対応する案内スライダ
、圧縮状態のサブエアバッグに対応する案内スライダのいずれも一定の磁気吸引による作
用力を有し、かつ取っ手を持つ際に、案内スライダが上記の2つの状態を切り替える場合
に磁気吸引による「カチッ」というフィードバックが生じて、操作や使用がより人々のニ
ーズに応える。
本発明の別の態様によれば、本発明はまた、
取っ手を引いて、少なくとも3組の試験ウェルプレート、及び少なくとも1組の参照物対
照ウェルプレート、1組の空白対照ウェルプレート及び1組の溶媒対照ウェルプレートを
含む無色透明24ウェル試験プレートである2組の積層型ウェルプレートキャリアの各載
置板を筐体内から引き出して展開し、その後、各ウェルプレートを各載置板のスロットに
セットするステップ1と、
平行ウェルあたり2mLの量で固形廃棄物浸出液を試験ウェルプレートの20個の平行ウ
ェルに分注し、
平行ウェルあたり2mLの量で4.0mg/Lの3,4-ジクロロアニリンを参照物対照
ウェルプレートの20個の平行ウェルに分注し、
平行ウェルあたり2mLの量で固形廃棄物浸出液に使用されている溶媒を溶媒対照ウェル
プレートの20個の平行ウェルに分注し、
試験ウェルプレートの残りの4個の平行ウェル、参照物対照ウェルプレートの残りの4個
の平行ウェル、溶媒対照ウェルプレートの残りの4個の平行ウェル、空白対照ウェルプレ
ートの24個の平行ウェルに平行ウェルあたり2mLの量で空白養殖水を加えるステップ
2と、
受精後の2.0hpf以内で顕微鏡検査において胚の発育が良好であるゼブラフィッシュ
胚を平行ウェルあたり1~2個各ウェルプレートに入れて、固形廃棄物浸出液、3,4-
ジクロロアニリン、固形廃棄物浸出液に使用されている溶媒及び空白養殖水の全ての交換
頻度を24hとするステップ3と、
1)卵が凝固していること、2)尾が卵黄嚢から離脱していないこと、3)心拍がないこ
と、4)体節の発育が欠如していること、5)ふ化していないことの5つを判断基準とし
て、ゼブラフィッシュ胚の死亡の終点を顕微鏡で検査するステップ4と、
ゼブラフィッシュ胚の死亡率から固形廃棄物浸出液の毒性効果を判断し、96hのゼブラ
フィッシュ胚の死亡データを測定し、分析してゼブラフィッシュ胚死亡データの用量-反
応曲線をプロットして、LC50データを計算するステップ5とを含む、上記の装置によ
る固形廃棄物浸出液の生態毒性の試験方法を提供する。
【発明の効果】
【0004】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
(1)本発明の装置では、筐体の内部から引き出して展開する又は筐体内に収納すること
ができる積層型ウェルプレートキャリアが2組設けられるので、載せられた載置板のウェ
ルの収容量が大きく、かつ収納後に占める面積が小さく、持ち運ばれやすくなり、また、
上記の2つの状態の間での切り替わりが可能であり、これにより、複数組のウェルプレー
トにある固形廃棄物浸出液の生態毒性検出試験のための新しい検出装置が提供されている

(2)本発明の方法は、固形廃棄物浸出液の生態毒性検出のための新しい検出手段を提供
し、ゼブラフィッシュ胚の毒性試験について固形廃棄物浸出液の代表的な環境の条件での
pH値、有機物や塩イオン含有量の基準のオプションを提供し、浸出液の生態毒性の強さ
で固形廃棄物中の毒性物質の含有量のレベルを反映するものであり、固形廃棄物浸出液中
の有毒物質の含有量を判定する生物学的な補足方法として有望であり、固形廃棄物自体の
生態系への危害も反映できる。
(3)本発明の方法はゼブラフィッシュ胚の死亡率を検出することに該当し、本発明では
、胚の死亡率を利用して固形廃棄物浸出液の生態毒性を判定することにより、ゼブラフィ
ッシュ毒性試験の判断に係る時間を短縮させ、また、魚類の胚がアニマルウェルフェア外
のものであるので、成体ゼブラフィッシュへの刺激や傷害の低減、動物の命を尊重するこ
とについては、進歩的意義がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】収納状態の本発明の装置の外観概略図である。
図2】展開状態の本発明の装置の外観概略図である。
図3】本発明の装置の筐体の構造概略図である。
図4】本発明の装置の収納状態のカバーの構造概略図である。
図5】本発明の装置の展開状態のカバーの構造概略図である。
図6】本発明の装置の2組の積層型ウェルプレートキャリアの組み立て関係の概略図である。
図7】本発明の装置の収納状態の積層型ウェルプレートキャリアの構造概略図である。
図8】本発明の装置の収納状態の積層型ウェルプレートキャリアの内部構造概略図である。
図9】本発明の装置の展開状態の積層型ウェルプレートキャリアの構造概略図である。
図10】本発明の装置の展開状態の積層型ウェルプレートキャリアの内部の構造概略図である。
図11】本発明の装置の駆動接続板の構造概略図である。
図12】本発明の装置の駆動接続板の内部の構造概略図である。
図13】本発明の装置の取っ手と駆動ロッドの組み立ての概略図である。
図14】本発明の装置の第1かさ歯車と第2かさ歯車の組み立ての概略図である。
図15】本発明の装置の載置板の構造概略図である。
図16】本発明の装置のロック切り替えブロックの内部の構造概略図である。
図17】本発明の装置の収納状態のロープ及び関連部材の構造概略図である。
図18】本発明の装置の収納状態のロープ及び関連部材の内部の構造概略図である。
図19】本発明の装置の展開状態のロープ及び関連部材の構造概略図である。
図20】本発明の装置の展開状態のロープ及び関連部材の内部の構造概略図である。
図21】本発明の方法のゼブラフィッシュ胚の死亡データの用量-反応フィット曲線である。
図22】本発明の方法の信頼限界表である。
図23】本発明の方法においてゼブラフィッシュ胚の死亡の終点に卵が凝固している場合の概略図である。
図24】本発明の方法においてゼブラフィッシュ胚の死亡の終点に尾が卵黄嚢から離脱していない場合の概略図である。
図25】本発明の方法においてゼブラフィッシュ胚の死亡の終点に心拍がない場合の概略図である。
図26】本発明の方法においてゼブラフィッシュ胚の死亡の終点にふ化していない場合の概略図である。
図27】本発明の方法においてゼブラフィッシュ胚の死亡の終点に体節の発育が欠如している場合の概略図であり、aは正常に発育している場合、bは体節の発育が欠如している場合である。
【0006】
[符号の説明]
1-筐体、11-取っ手、12-案内板、121-板状本体、122-延出板状部、12
3-位置決めピン、13-第2かさ歯車、14-第1係合孔、
2-駆動接続板、21-第1摺動溝、22-第1長尺状孔、23-第2摺動溝、24-第
2長尺状孔、25-固定板、26-第2係合孔、
3-載置板、31-案内スライダ、32-補助スライダ、33-駆動歯車、34-支持ロ
ッド、35-フランジ、
4-メインエアバッグ、41-サブエアバッグ、
5-ロック切り替えブロック、51-第1モーター押し棒、52-第2モーター押し棒、
53-第1トリガーボタン、54-第2トリガーボタン、
6-駆動ロッド、61-第1かさ歯車、62-リール、
7-ロープ、71-駆動スライダ、72-ガイドロッド、721-貫通孔、722-第3
長尺状孔、73-歯付き摺動板、74-トリガーバー、741-ロックブロック、742
-第1ボス、743-係合板、75-第2ボス、76-第1ばね、77-第2ばね、
8-カバー、81-支持板。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、特定の実施形態を参照しながら本発明をさらに詳しく説明することで、本発明の優
位性を効果的に説明する。
【0008】
実施例1
図1図2に示すように、ゼブラフィッシュ胚に基づく固形廃棄物浸出液の生態毒性の試
験装置は、内部を中空のものとした取っ手11が上部に設けられる筐体1を含み、
図2図3図7に示すように、12群のウェルプレートを載せるための積層型ウェルプ
レートキャリアが筐体1内に2組設けられ、筐体1の前内側壁、後内側壁のそれぞれには
、積層型ウェルプレートキャリアに1組1で対応する1組の案内板12が設けられ、積層
型ウェルプレートキャリアは案内板12に摺動可能に接続され、案内板12は、筐体1に
固定して接続された板状本体121と、板状本体121のトップに回動可能に接続される
延出板状部122とを含み、延出板状部122の一端は減衰回転軸を介して板状本体12
1に回動可能に接続され、延出板状部122の他端は駆動ロッド6又は取っ手11に係合
される位置決めピン123が設けられ、
図6図7図9に示すように、積層型ウェルプレートキャリアは、駆動接続板2と、ウ
ェルプレートを載せるための3組の載置板3とを含み、3組の載置板3は互いに平行であ
るとともに、全て駆動接続板2に垂直であり、
図8に示すように、駆動接続板2の前面には第1摺動溝21がその長手方向に設けられ、
駆動接続板2の背面には第1摺動溝21に連通している第1長尺状孔22が設けられ、図
8、図11図12に示すように、駆動接続板2の左側面及び右側面のそれぞれには第2
摺動溝23がその長手方向に設けられ、第2摺動溝23の内側壁に第1摺動溝21に連通
している第2長尺状孔24が設けられ、第2長尺状孔24の数が載置板3と同じであり、
図7図8図9に示すように、駆動接続板2の左側面及び右側面のそれぞれの外にはメ
インエアバッグ4が設けられ、駆動接続板2の一端にはメインエアバッグ4の一端に接続
される固定板25が設けられ、メインエアバッグ4の他端には筐体1又は駆動接続板2と
のロックを切り替えるロック切り替えブロック5が設けられ、ロック切り替えブロック5
は駆動接続板2に摺動可能に接続され、
図16に示すように、ロック切り替えブロック5の内部が中空であり、ロック切り替えブ
ロック5内には、筐体1の第1係合孔14に係合される1組の第1モーター押し棒51と
、駆動接続板2の第2係合孔26に係合される1組の第2モーター押し棒52とが設けら
れ、かつ第1係合孔14は拡張状態のメインエアバッグ4に対応する筐体1の内側壁に設
けられ、第2係合孔26は圧縮状態のメインエアバッグ4に対応するロック切り替えブロ
ック5の外側壁に設けられ、ロック切り替えブロック5は、第1モーター押し棒51、第
2モーター押し棒52への給電及び制御を行うリチウム電池、シングルチップコンピュー
タが内蔵されており、筐体1の位置に対応するロック切り替えブロック5には第1トリガ
ーボタン53が設けられ、固定板25の位置に対応するロック切り替えブロック5には第
2トリガーボタン54が設けられ、第1トリガーボタン53、第2トリガーボタン54は
全てシングルチップコンピュータ、第1モーター押し棒51、第2モーター押し棒52に
電気的に接続される。シングルチップコンピュータとしては市販のプログラマブルシング
ルチップコンピュータ、リチウム電池としては市販のリチウム電池、第1モーター押し棒
51、第2モーター押し棒52としては本装置への装着に対応するように市販のリニアア
クチュエータ又は市販のリニアアクチュエータの外形を調整したものが使用される。
図8図10に示すように、載置板3はそれぞれ第1摺動溝21内の案内スライダ31を
介して駆動接続板2に摺動可能に接続され、かつ載置板3と前記案内スライダ31は軸棒
を介して回動可能に接続され、
図12に示すように、案内スライダ31の側面に第2長尺状孔24に摺動可能に係合され
る補助スライダ32が設けられ、補助スライダ32にサブエアバッグ41が接続され、補
助スライダ32及びサブエアバッグ41は両方ともに第2摺動溝23内に位置し、サブエ
アバッグ41の下端は接続管を介して駆動接続板2を貫通し、サブエアバッグ41に対応
するメインエアバッグ4に連通しており、
図7に示すように、駆動接続板2の他端に駆動接続板2を回動駆動するための駆動ロッド
6が設けられ、駆動ロッド6の一端は駆動接続板2を貫通して案内板12に摺動可能に接
続され、かつ駆動ロッド6は駆動接続板2の穴に係合され、駆動ロッド6の他端は取っ手
11を貫通するとともに、第1かさ歯車61が設けられ、
図8図17図20に示すように、第1摺動溝21内に位置する駆動ロッド6にロープ
7を巻き取るリール62が設けられ、載置板3は軸棒を介して案内スライダ31を貫通し
、第1摺動溝21内に位置する駆動歯車33に接続され、ロープ7の一端はリール62に
固定して接続され、ロープ7の他端は第1摺動溝21の側壁に摺動可能に接続される駆動
スライダ71が設けられ、駆動スライダ71は2組のガイドロッド72を介して駆動接続
板2の一端の内底面に設けられた第1伸縮ロッドに接続され、ガイドロッド72は、各駆
動歯車33の位置に対応する箇所に駆動歯車33を回動駆動するための歯付き摺動板73
が設けられ、案内スライダ31に歯付き摺動板73を同期化して上昇させる支持ロッド3
4が設けられ、ガイドロッド72の内部が中空であり、かつ拡張状態のサブエアバッグ4
1に対応する案内スライダ31の位置が対応するガイドロッド72の側壁に3組の貫通孔
721が設けられ、ガイドロッド72内にトリガーバー74が設けられ、貫通孔721の
位置に対応するトリガーバー74の一方の側面にはロックブロック741が設けられ、ト
リガーバー74の他方の側面には第1ボス742が設けられ、第1ボス742の位置に対
応するガイドロッド72の内側壁には、第1ボス742を押してロックブロック741を
貫通孔721から張り出させる第2ボス75が設けられ、トリガーバー74の一端は第1
ばね76を介して駆動スライダ71に接続され、トリガーバー74の他方の側面は第2ば
ね77を介してガイドロッド72の内側壁に摺動可能に接続され、駆動スライダ71に最
も近い歯付き摺動板73に対応するロックブロック741の上方に位置するトリガーバー
74には、トリガーバー74をガイドロッド72への方向に沿って摺動させる係合板74
3が設けられ、貫通孔721の上方にあるガイドロッド72には、係合板743が摺動す
る空間を提供する第3長尺状孔722が設けられ、貫通孔721の位置に対応する歯付き
摺動板73の穴の内側壁に貫通孔721と嵌合するロック穴が設けられ、
図13図14に示すように、取っ手11には、2組の積層型ウェルプレートキャリアの
第1かさ歯車61の両方と噛み合って伝動を行う第2かさ歯車13が設けられ、2組の積
層型ウェルプレートキャリアの複数組の載置板3は相互に千鳥状に設けられる。
上記の装置の作動原理は以下のとおりである。
位置決めピン123を引いてから、2組の案内板12のそれぞれの延出板状部122を9
0°回し、延出板状部122と板状本体121を展開させ、その後、取っ手11を上へ引
き、取っ手11を引くことにより、延出板状部122の先端部まで2組の積層型ウェルプ
レートキャリアを案内板12に沿って上方へ摺動させ、その後、位置決めピン123を押
圧して駆動ロッド6に対して係合させて回動を制限する。
2組の積層型ウェルプレートキャリアの構造が同じであるので、これらの原理も同じであ
り、以下では、1組の積層型ウェルプレートキャリアを説明するように原理を説明し、積
層型ウェルプレートキャリアは案内板12に沿って上方へ摺動しながら、駆動接続板2の
固定板25を介してロック切り替えブロック5と協力してメインエアバッグ4を押し、こ
の間、メインエアバッグ4がこれに対応する各サブエアバッグ41に連通していることに
より、各サブエアバッグ41は拡張され、また、補助スライダ32による協力により、案
内スライダ31は対応する載置板3を上動させ、固定板25の凸起が第2トリガーボタン
54を押してトリガーした後、シングルチップコンピュータのプログラムによって第2モ
ーター押し棒52は外へ張り出すとともに、第1モーター押し棒51は内へ引き込まれ、
このように、このときのロック切り替えブロック5は、筐体1の第1係合孔14に係合さ
れた状態から、駆動接続板2の第2係合孔26に係合された状態に切り替わる。
これによって、2組の積層型ウェルプレートキャリアの各載置板3が対応する高さだけ(
この高さはサブエアバッグ41の拡張長さにより決まり、実際に装置を配置する際に対応
して調整する)上昇し、各載置板3が後で展開するのに有用な間隔が形成され、また、案
内スライダ31の上昇中に、支持ロッド34の作用によって対応する歯付き摺動板73も
上昇し、最上端にある歯付き摺動板73がトリガーバー74の係合板743を押して上へ
上昇させて第1ばね76を押すときに、第1ボス742は第2ボス75まで移動し、トリ
ガーバー74は第2ボス75により押されて第2ばね77を引っ張って、ロックブロック
741が貫通孔721を貫通して歯付き摺動板73のロック穴に係合されるようにし、そ
れと同時に、係合板743は、上へ上昇して第3長尺状孔722の上端に至ったときに、
歯付き摺動板73の上端に設けられた係合溝に係合され、これにより、ガイドロッド72
と歯付き摺動板73とのロックが行われ、案内スライダ31が落下するときに、歯付き摺
動板73が案内スライダ31からの上昇力を失うと、上記の原理と同様に、上記の部品は
、第1ばね76、第2ばね77の回復力の下で回復する。
その後、第2かさ歯車13を回すことでそれぞれ2組の積層型ウェルプレートキャリアの
駆動ロッド6を駆動して90°時計回り回転、90°反時計回り回転させ、取っ手11を
中心にして2組の積層型ウェルプレートキャリアを左右両側に展開させる。
さらに、駆動ロッド6のリール62がロープ7を巻き取る際には、駆動スライダ71及び
ガイドロッド72を上方へ引くことにより、ガイドロッド72は第1伸縮ロッドを介して
駆動接続板2との間の間隔を補償し、ガイドロッド72は上方へ移動しながら、各歯付き
摺動板73を上方へ移動させ、これにより、歯付き摺動板73が駆動歯車33と噛み合っ
て伝動を行うことによって、各載置板3を回転させ、このように、駆動ロッド6は0°か
ら90°時計回り回転するか又は90°反時計回り回転すると、載置板3はこれに連動し
て0°から90°に回転する。
その後、各載置板3を動かして、隣接する2組の載置板3の接触面上の磁気コーティング
を利用して相互に磁気吸引させることで、各載置板3が水平に展開し、これにより、固形
廃棄物浸出液の生態毒性検出試験を行うことができる。
収納する必要がある場合、上記の原理と同様に、逆の操作を行えばよく、取っ手11をも
って持ち運べるので、さまざまな場面での搬送や操作が容易になる。
【0009】
実施例2
本実施例では、実施例1と比較して、本発明はまた、上記の装置による固形廃棄物浸出液
の生態毒性の試験方法を提供する点が異なり、この方法は、
取っ手11を引いて、少なくとも3組の試験ウェルプレート、及び少なくとも1組の参照
物対照ウェルプレート、1組の空白対照ウェルプレート及び1組の溶媒対照ウェルプレー
トを含む無色透明24ウェル試験プレートである2組の積層型ウェルプレートキャリアの
各載置板3を筐体1内から引き出して展開し、その後、各ウェルプレートを各載置板3の
スロットにセットするステップ1と、
平行ウェルあたり2mLの量で、pH値が4.50~10.50の間、有機物の含有量が
0~80mg/Lの間、塩イオン濃度が0~8mmol/Lの間にある固形廃棄物浸出液
を試験ウェルプレートの20個の平行ウェルに分注し、
平行ウェルあたり2mLの量で4.0mg/Lの3,4-ジクロロアニリンを参照物対照
ウェルプレートの20個の平行ウェルに分注し、
平行ウェルあたり2mLの量で固形廃棄物浸出液に使用されている溶媒を溶媒対照ウェル
プレートの20個の平行ウェルに分注し、
試験ウェルプレートの残りの4個の平行ウェル、参照物対照ウェルプレートの残りの4個
の平行ウェル、溶媒対照ウェルプレートの残りの4個の平行ウェル、空白対照ウェルプレ
ートの24個の平行ウェルに平行ウェルあたり2mLの量で、pH6~8、温度26℃~
28℃の24h以上曝気処理した水道水である空白養殖水を加えるステップ2と、
受精後の2.0hpf以内で顕微鏡検査において胚の発育が良好であるゼブラフィッシュ
胚を平行ウェルあたり1~2個ウェルプレートに入れて、固形廃棄物浸出液、3,4-ジ
クロロアニリン、固形廃棄物浸出液に使用されている溶媒及び空白養殖水の全ての交換頻
度を24hとするステップ3と、
図23~27に示すように、1)卵が凝固していること、2)尾が卵黄嚢から離脱してい
ないこと、3)心拍がないこと、4)体節の発育が欠如していること、5)ふ化していな
いことの5つを判断基準として、ゼブラフィッシュ胚の死亡の終点を顕微鏡で検査するス
テップ4と、
ゼブラフィッシュ胚の死亡率から固形廃棄物浸出液の毒性効果を判断し、96hのゼブラ
フィッシュ胚の死亡データを測定し、分析してゼブラフィッシュ胚死亡データの用量-反
応曲線をプロットして、LC50データを計算するステップであって、その判断基準とし
ては、具体的には、
1)極毒性:ゼブラフィッシュ胚LC50が1mg/L未満である伯母愛、固形廃棄物浸
出液の生態毒性について極毒性であると判定し、
2)高毒性:ゼブラフィッシュ胚LC50が1mg/L以上10mg/L未満である場合
、固形廃棄物浸出液の生態毒性について高毒性であると判定し、
3)中毒性:ゼブラフィッシュ胚LC50が10mg/L以上100mg/L未満である
場合、固形廃棄物浸出液の生態毒性について中毒性であると判定し、
4)低毒性:ゼブラフィッシュ胚LC50が100mg/L以上1000mg/L未満で
ある場合、固形廃棄物浸出液の生態毒性について低毒性であると判定し、
5)微毒性又は無毒性:ゼブラフィッシュ胚LC50が1000mg/Lよりも高い場合
、固形廃棄物浸出液の生態毒性について微毒性又は無毒性であると判定し、
プロビット法SPSSを用いてLC50の値を算出し、プロビット法SPSSを用いて、
校正死亡率%=(処理群の死亡率-対照群の死亡率)/(1-対照群の死亡率)×100
%によりゼブラフィッシュ胚の死亡データの用量-反応フィット曲線を算出するステップ
5とを含む。
【0010】
実施例3
本実施例では、実施例1と比較して、図1図2図4図5に示すように、筐体1にカ
バー8が設けられ、カバー8に対応側の積層型ウェルプレートキャリアを支持するための
支持板81が2組設けられ、支持板81は第2伸縮ロッドを介してカバー8に回動可能に
接続され、かつ第2伸縮ロッドは回転ディスクを介して支持板81に回動可能に接続され
る点が異なる。
上記の装置の作動原理は以下のとおりである。実施例1の作動原理との相違点としては、
2組の積層型ウェルプレートキャリアを展開させた後、カバー8を筐体1にかけて、2組
の支持板81をそれぞれ90°回転させた後、第2伸縮ロッドを回して引いて、2組の支
持板81をそれぞれ、対応側の積層型ウェルプレートキャリアの載置板3の下底面に当接
させ、これにより、カバー8で積層型ウェルプレートキャリアを支持する。
実施例4
本実施例では、実施例1と比較して、図15に示すように、第2摺動溝23の位置に対応
する案内スライダ31の側面に、第1摺動溝21の内側壁に摺動可能に接触するフランジ
35がさらに設けられ、第1摺動溝21の内側壁に接触するフランジ35の一側面に第1
磁気シートが設けられ、かつ第1摺動溝21の内側壁に2組の第2磁気シートが設けられ
、2組の第2磁気シートはそれぞれ拡張状態のサブエアバッグ41に対応する案内スライ
ダ31、圧縮状態のサブエアバッグ41に対応する案内スライダ31に対応して磁気吸引
される点が異なる。
上記の装置の作動原理は以下のとおりである。実施例1の作動原理との相違点としては、
圧縮状態のサブエアバッグ41に対応する案内スライダ31から拡張状態のサブエアバッ
グ41に対応する案内スライダ31に切り替わると、磁気吸引による離脱及び磁気吸引に
よる吸い合いから生成されたフィードバックを、取っ手11を引く際に感知することがで
きるので、操作者は触覚フィードバックを通じてこのときの取っ手11が十分に引かれた
か否かを判定できる。
【0011】
実験例
実施例1の装置及び実施例2の方法を用いて、固形廃棄物浸出液の生態毒性について検出
試験を行い、本発明の方法を検証した。
96h培養後、96hのゼブラフィッシュ胚の死亡データを測定し、分析してその用量-
反応曲線をプロットし、LC50データを算出した。
プロビット法SPSSを用いて、校正死亡率%=(処理群の死亡率-対照群の死亡率)/
(1-対照群の死亡率)×100%によりLC50の値を算出した。
プロビット法SPSSを用いて計算することによって、図10に示す用量-反応フィット
曲線を取得し、図11に示す信頼限界表から、LC50=30.392mg/L、95%
信頼限界=27.790~33.366mg/Lであった。
【要約】      (修正有)
【課題】ゼブラフィッシュ胚に基づく固形廃棄物浸出液の生態毒性の試験装置及び方法を提供する。
【解決手段】装置は筐体1を含み、筐体の内部から引き出して展開する又は筐体内に収納することができる積層型ウェルプレートキャリアが筐体内に2組設けられ、操作されやすく、ウェルプレートの収容量が大きいなどの利点があり、方法は、ゼブラフィッシュ胚を用いて固形廃棄物浸出液の生態毒性について急性毒性試験を行うものであり、固形廃棄物浸出液の生態毒性を検出するための新しい検出手段を提供する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27