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特許7185150基地局装置、端末装置、及び通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】基地局装置、端末装置、及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20221130BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20221130BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221130BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W72/12 150
H04W72/04 136
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020562057
(86)(22)【出願日】2018-12-27
(86)【国際出願番号】 JP2018048184
(87)【国際公開番号】W WO2020136817
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】下村 剛史
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】Intel Corporation,Design of scheduling request for feNB-IoT,3GPP TSG RAN WG1 #89 R1-1707320,フランス,3GPP,2017年05月07日
【文献】Ericsson,Physical layer scheduling request for NB-IoT,3GPP TSG RAN WG1 #90b R1-1717012,フランス,3GPP,2017年09月30日
【文献】Huawei, HiSilicon,Feature lead summary of physical layer SR in feNB-IoT,3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1807512,フランス,3GPP,2018年05月24日
【文献】ZTE, Sanechips,Summary of off-line discussion of AI 6.1.4.1, Remaining details on PRACH formats,3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1709 R1-1716762,フランス,3GPP,2017年09月19日
【文献】LG Electronics,PUSCH related techniques for LTE URLLC,3GPP TSG RAN WG1 #92 R1-1802183,フランス,3GPP,2018年02月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランダムアクセス手順を実行する基地局装置であって、
端末装置に対して、前記ランダムアクセス手順に使用する無線リソースの一部又は全部である共用無線リソースでのスケジューリングリクエストの送信許可を通知する通知部と、
前記端末装置から前記共用無線リソースで送信されたスケジューリングリクエストを受信する受信部と、を有し、
前記共用無線リソースのフォーマットは、前記共用無線リソースを使用せずに前記スケジューリングリクエストが送信される場合のフォーマットと、適用するルート系列の長さ、サブキャリア間隔、及び占有帯域幅が共通化されている
基地局装置。
【請求項2】
前記スケジューリングリクエストは、前記端末装置から前記基地局装置方向の通信に関する上り制御情報が送信される上り制御情報フォーマットを用いて送信される
請求項1記載の基地局装置。
【請求項3】
前記上り制御情報フォーマットは、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)を含む
請求項2記載の基地局装置。
【請求項4】
前記スケジューリングリクエストは、前記ランダムアクセス手順において、前記端末装置から前記基地局装置に送信されるランダムアクセス手順フォーマットを用いて送信される
請求項1記載の基地局装置。
【請求項5】
前記ランダムアクセス手順フォーマットは、前記ランダムアクセス手順に使用されるRACH(Random Access Channel)フォーマットを含む
請求項4記載の基地局装置。
【請求項6】
さらに、前記スケジューリングリクエストを受信した後、前記基地局装置から前記端末装置方向の通信に関する下り制御情報を用いて、前記スケジューリングリクエストに対す
る応答を送信する応答部を有する
請求項1記載の基地局装置。
【請求項7】
前記下り制御情報は、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)を含む
請求項6記載の基地局装置。
【請求項8】
前記共用無線リソースにて送信されるスケジューリングリクエストに適用するサイクリックシフト量は、前記ランダムアクセス手順に使用する無線リソースに適用するサイクリックシフト量より小さい
請求項1記載の基地局装置。
【請求項9】
前記端末装置は、前記スケジューリングリクエストの送信または前記ランダムアクセス手順における信号を送信する前に、所定通信帯域の使用状況を確認する
請求項1記載の基地局装置。
【請求項10】
前記受信部は、前記スケジューリングリクエストを受信した後、前記スケジューリングリクエストに関する付帯情報を受信する
請求項1記載の基地局装置。
【請求項11】
付帯情報は、前記スケジューリングリクエストの対象データの種別及びデータ量の少なくともいずれか一方を含む
請求項10記載の基地局装置。
【請求項12】
前記付帯情報は、前記共用無線リソースの直後の無線リソースを使用して送信される
請求項10記載の基地局装置。
【請求項13】
ランダムアクセス手順を実行するランダムアクセス手順を実行する端末装置であって、
基地局装置から、前記ランダムアクセス手順に使用する無線リソースの一部又は全部である共用無線リソースを使用し、スケジューリングリクエストを送信することが許可されることの通知を受信する端末受信部と、
前記基地局装置にデータを送信するとき、前記共用無線リソースで前記スケジューリングリクエストを送信する端末送信部と、を有し、
前記共用無線リソースのフォーマットは、前記共用無線リソースを使用せずに前記スケジューリングリクエストを送信する場合のフォーマットと、適用するルート系列の長さ、サブキャリア間隔、及び占有帯域幅が共通化されている
端末装置。
【請求項14】
端末装置と基地局装置を有し、前記端末装置と前記基地局装置間でランダムアクセス手順を実行する通信システムであって、
前記基地局装置は、前記端末装置に対して、前記ランダムアクセス手順に使用する無線リソースの一部又は全部である共用無線リソースでのスケジューリングリクエストの送信許可を通知し、
前記端末装置は、前記通知を受信し、前記基地局装置にデータを送信するとき、前記共用無線リソースで前記スケジューリングリクエストを送信し、
前記基地局装置は、前記共用無線リソースで送信された前記スケジューリングリクエストを受信し、
前記共用無線リソースのフォーマットは、前記共用無線リソースを使用せずに前記スケジューリングリクエストを送信する場合のフォーマットと、適用するルート系列の長さ、サブキャリア間隔、及び占有帯域幅が共通化されている
通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置、端末装置、及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の通信ネットワークは、モバイル端末(スマートフォンやフューチャーホン)のトラフィックが通信ネットワークのリソースの大半を占めている。また、モバイル端末が使用するトラフィックは、今後も拡大していく傾向にある。
【0003】
一方で、通信ネットワークは、IoT(Internet of things)サービス(例えば、交通システム、スマートメータ、装置等の監視システム)の展開にあわせて、多様な要求条件を持つサービスに対応することが求められている。そのため、第5世代移動体通信(5Gまたは、NR(New Radio))の通信規格では、第4世代移動体通信(4G)の標準技術(例えば、非特許文献1~12)に加えて、さらなる高データ信号レート化、大容量化、低遅延化を実現する技術が求められている。なお、第5世代通信規格については、3GPPの作業部会(例えば、TSG-RAN WG1、TSG-RAN WG2等)で技術検討が進められており、2017年12月に、初版がリリースされている(非特許文献13~39)。
【0004】
上述した多種多様なサービスに対応するため、5Gにおいては、eMBB(Enhanced Mobile BroadBand)、Massive MTC(Machine Type Communications)、およびURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communication)に分類される多くのユースケースのサポートを想定している。
【0005】
5Gに関する技術については、以下の先行技術文献に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】3GPP TS 36.133 V15.3.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.211 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.212 V15.2.1(2018-07)
【文献】3GPP TS 36.213 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.300 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.321 V15.2.0(2018-07)
【文献】3GPP TS 36.322 V15.1.0(2018-07)
【文献】3GPP TS 36.323 V15.0.0(2018-07)
【文献】3GPP TS 36.331 V15.2.2(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.413 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.423 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.425 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 37.340 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.201 V15.0.0(2017-12)
【文献】3GPP TS 38.202 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.211 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.212 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.213 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.214 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.215 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.300 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.321 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.322 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.323 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.331 V15.2.1(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.401 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.410 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.413 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.420 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.423 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.470 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.473 V15.2.1(2018-07)
【文献】3GPP TR 38.801 V14.0.0(2017-03)
【文献】3GPP TR 38.802 V14.2.0(2017-09)
【文献】3GPP TR 38.803 V14.2.0(2017-09)
【文献】3GPP TR 38.804 V14.0.0(2017-03)
【文献】3GPP TR 38.900 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TR 38.912 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TR 38.913 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 37.213 V15.0.0(2018-06)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
5Gで想定されるサービスに対応するために、無線通信システムにおいては、様々な用途の無線リソースやチャネルが設けられている。しかし、それらの無線リソースやチャネルは、特定の用途専用である場合があり、効率的に使用できない場合がある。
【0008】
そこで、一つの側面では、無線リソースを効率的に使用することができる基地局装置、端末装置、及び通信システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ランダムアクセス手順を実行する基地局装置であって、端末装置に対して、前記ランダムアクセス手順に使用する無線リソースの一部又は全部である共用無線リソースでのスケジューリングリクエストの送信許可を通知する通知部と、前記端末装置から前記共用無線リソースで送信されたスケジューリングリクエストを受信する受信部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
一つの側面では、無線リソースを効率的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、通信システム10の構成例を示す図である。
図2図2は、ランダムアクセス手順のシーケンスの例を示す図である。
図3図3は、基地局装置200の構成例を示す図である。
図4図4は、端末装置100の構成例を示す図である。
図5図5は、端末装置100が基地局装置200にデータを送信するシーケンス(パターン1)の例を示す図である。
図6図6は、端末装置100が基地局装置200にデータを送信するシーケンス(パターン2)の例を示す図である。
図7図7は、端末装置100が基地局装置200にデータを送信するシーケンス(パターン3)の例を示す図である。
図8図8は、共用フォーマットの占有帯域幅に関する例を示す図である。
図9図9は、共用フォーマットに基づいた信号の生成の例を示す図である。
図10図10は、基地局装置200における受信処理の例を示す図である。
図11図11は、共用無線リソースの使用用途の例を示す図である。
図12図12は、共用無線リソースの使用用途の例を示す図である。
図13図13は、端末装置100が基地局装置200にデータを送信するシーケンスの例を示す図である。
図14図14は、端末装置100が基地局装置200にデータを送信するシーケンスの例を示す図である。
図15図15は、SRの付帯情報を送信する無線リソースの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書における課題及び実施例は一例であり、本願の権利範囲を限定するものではない。特に、記載の表現が異なっていたとしても技術的に同等であれば、異なる表現であっても本願の技術を適用可能であり、権利範囲を限定するものではない。
【0013】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態について説明する。
【0014】
<無線通信システムの構成例>
図1は、通信システム10の構成例を示す図である。通信システム10は、端末装置100及び基地局装置200を有する。通信システム10は、例えば、5Gに準拠した無線通信を行う無線通信システムである。この場合、基地局装置200は、例えば、gNodeBである。また、端末装置100は、基地局装置200と、あるいは基地局装置200を介して他の通信装置と通信を行う装置であって、例えば、スマートフォンやタブレット端末などの移動体通信端末である。
【0015】
通信システム10においては、基地局装置200と端末装置100が通信を開始するに当たって、端末装置100が最初に送信するためのチャネルが用意されている。このチャネルを、例えば、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)と呼び、RACHによる通信開始手順をランダムアクセス手順(Random Access Procedure)と呼ぶ場合がある。RACHは、端末装置100が送信した無線信号を基地局装置200が識別する情報として、ランダムアクセスプリアンブル(又はプリアンブル)と呼ばれる情報が含まれている。このプリアンブルにより、基地局装置200は、端末装置100を識別することができる。RACHを送信する無線リソースをPRACH(Physical Random Access Channel)と呼ぶ場合がある。
【0016】
図2は、ランダムアクセス手順のシーケンスの例を示す図である。ランダムアクセス手順は、例えば、端末装置100が基地局装置200との接続を確立するための初期アクセス(Initial Access)、データ信号発生、及びハンドオーバ時の同期を確立する場合に、実施される。
【0017】
基地局装置200は、PBCH(Physical Broadcast Channel)やPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を使用し、RRC設定に関する情報としてRACH-configを送信する(S100)。RACH-configは、RACH又はPRACHに関する情報であり、例えば、対応する端末装置100が使用する(あるいは使用が許可された)プリアンブルの識別番号(プリアンブル番号)などが含まれる。端末装置100は、RACH-configを受信することで、自装置が使用可能なRACH又はPRACHに関する情報を取得する。
【0018】
端末装置100は、例えば、上りリンク(UpLink)データが発生したとき、ランダムアクセス手順を実行する。端末装置100は、基地局装置200により設定された(使用が許可された)プリアンブルから1つを選択し、PRACHを使用し、PRACH preambleを基地局装置200に送信する(S101)。
【0019】
そして、端末装置100は、例えば、RACH-configで設定された、Ra(Random Access)-responseWindowにおいて、ランダムアクセス用の識別子であるRA(Random Access)-RNTI(Radio Network Temporary Identifier)により特定されるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)を受信するのを待ち受ける。
【0020】
一方、基地局装置200は、端末装置100からのPRACH preambleを受信すると(S101)、端末装置100に対応するRA-RNTIを含むPDCCHを、端末装置100に送信する(S102)。そして、端末装置100に対応する無線リソースの割り当てメッセージであるUL grantを、RA-RNTIで指定したPDSCHで送信する(S103)。
【0021】
端末装置100は、RA-RNTIを含むPDCCHを受信し(S102)、受信したRA-RNTIで指定された、UL grantを含むPDSCHを受信する(S103)。
【0022】
そして、端末装置100は、受信したUL grantに従い、PUSCH (Physical Uplink Shared Channel)を使用し、端末装置100に関する情報や、送信するUL(UpLink)データを、基地局装置200に送信する(S104)。これにより、一連のランダムアクセス手順を終了する。
【0023】
また、通信システム10において、基地局装置200または端末装置100の何れかまたは両方が、免許が不要なUnlicensed bandを使用して送信を行う場合がある。基地局装置200または端末装置100は、Unlicensed bandを使用する場合、LBT(Listen-before-talk)を行い、Unlicensed bandで他の端末装置100や通信装置が信号を送信しているか否かを確認する。基地局装置200または端末装置100は、LBTにより、所定通信帯域の使用状況(例えばノイズ比、受信電力など)を測定し、他の装置により使用されていないUnlicensed bandを使用する。
【0024】
さらに、通信システム10において、端末装置100は、送信するデータ(ULデータ)が新たに発生した場合、無線リソースに関するスケジューリングリクエスト(SR: Scheduling Request)を基地局装置200に送信する。端末装置100は、SRに対する応答として、UL grantを基地局装置200から受信し、受信したUL grantで指示された無線リソースを使用し、データを基地局装置200に送信する。なお、非特許文献16において、端末装置100は、スケジューリングリクエストと他の信号を同時に送信しない場合、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)format 0 または、1が使用される。
【0025】
第1の実施の形態において、端末装置100は、例えば、SRを、PRACHを使用して基地局装置200に送信する場合がある。第1の実施の形態において、端末装置100は、例えば、ランダムアクセス手順による初期アクセスが完了し接続が確立された基地局装置200との間で、PRACHの一部又は全部を、SRを送信するための無線リソースとして使用する。一方、第1の実施の形態において、基地局装置200は、PRACHの一部又は全部を、ある端末装置100がSRを送信するための無線リソースとして割り当て、端末装置100に通知し、当該割り当てられたPRACHを、SRが送信される無線リソースとしてとして受信する。これにより、通信システム10は、PRACHの一部又は全部を、SR送信用の無線リソースとして使用することができ、無線リソースの効率的な使用が可能となる。以下、RACHを送信するPRACHであって、SRの送信も共用で行うことが許可されたPRACHを、共用無線リソースと呼ぶ場合がある。
【0026】
<基地局装置の構成例>
図3は、基地局装置200の構成例を示す図である。基地局装置200は、例えば、5GにおけるgNodeBである。基地局装置200は、CPU(Central Processing Unit)210、ストレージ220、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などのメモリ230、NIC(Network Interface Card)240、及びRF(Radio Frequency)回路250を有する。基地局装置200は、例えば、端末装置100と無線接続し、端末装置100とデータを送受信する。また、基地局装置200は、端末装置100から受信したデータを送信先の通信装置またはネットワークに送信したり、他の通信装置やネットワークから受信したデータを端末装置100に送信したりする、端末装置100が実施する通信の中継装置である。
【0027】
ストレージ220は、プログラムやデータを記憶する、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置である。ストレージ220は、通信制御プログラム221、ランダムアクセス手順制御プログラム222、及び共用無線リソース制御プログラム223を記憶する。
【0028】
メモリ230は、ストレージ220に記憶されているプログラムをロードする領域である。また、メモリ230は、プログラムがデータを記憶する領域としても使用される。
【0029】
NIC240は、インターネットやイントラネットなどのネットワーク(図示しない)と接続するネットワークインターフェースである。基地局装置200は、NIC240を介して、ネットワークに接続する通信装置と通信する。
【0030】
RF回路250は、端末装置100と無線接続する装置である。RF回路250は、例えば、アンテナ251を有する。
【0031】
CPU210は、ストレージ220に記憶されているプログラムを、メモリ230にロードし、ロードしたプログラムを実行し、各処理を実現するプロセッサ又はコンピュータである。
【0032】
CPU210は、通信制御プログラム221を実行することで、通信制御処理を行う。通信制御処理は、端末装置100との間の無線通信を制御する処理である。
【0033】
CPU210は、ランダムアクセス手順制御プログラム222を実行することで、ランダムアクセス手順処理を行う。ランダムアクセス手順処理は、ランダムアクセス手順を実行する処理であり、例えば、図2におけるランダムアクセス手順のシーケンスを制御する処理である。
【0034】
CPU210は、共用無線リソース制御プログラム223を実行することで、応答部、受信部、及び通知部を構築し、共用無線リソース制御処理を行う。共用無線リソース制御処理は、共用無線リソースに関する制御を行う処理である。基地局装置200は、共用無線リソース制御処理において、どの無線リソースを共用無線リソースとするか決定したり、共用無線リソースに関する情報(制御情報)を端末装置100に通知したりする。また、基地局装置200は、共用無線リソース制御処理において、共用無線リソースでSRを受信する。なお、基地局装置200は、SRを受信した後、SRに対する応答(UL grant)を端末装置100に送信する。
【0035】
また、CPU210は、共用無線リソース制御プログラム223が有する共用無線リソース通知モジュール2231を実行することで、通知部を構築し、共用無線リソース通知処理を行う。共用無線リソース通知処理は、共用無線リソースに関する制御情報を端末装置100に通知する処理である。
【0036】
さらに、CPU210は、共用無線リソース制御プログラム223が有する共用無線リソース受信モジュール2232を実行することで、受信部を構築し、共用無線リソース受信処理を行う。共用無線リソース受信処理は、共用無線リソースで送信されたSRを受信する処理である。
【0037】
<端末装置の構成例>
図4は、端末装置100の構成例を示す図である。端末装置100は、例えば、基地局装置200と無線通信を行う、携帯端末装置である。端末装置100は、CPU110、ストレージ120、DRAMなどのメモリ130、及びRF回路150を有する。端末装置100は、例えば、基地局装置200と無線接続し、基地局装置200とデータを送受信する通信装置である。
【0038】
ストレージ120は、プログラムやデータを記憶する、フラッシュメモリ、HDD、又はSSDなどの補助記憶装置である。ストレージ120は、通信プログラム121、ランダムアクセス手順プログラム122、及び共用無線リソース関連プログラム123を記憶する。
【0039】
メモリ130は、ストレージ120に記憶されているプログラムをロードする領域である。また、メモリ130は、プログラムがデータを記憶する領域としても使用される。
【0040】
RF回路150は、基地局装置200と無線接続する装置である。RF回路150は、例えば、アンテナ151を有する。
【0041】
CPU110は、ストレージ120に記憶されているプログラムを、メモリ130にロードし、ロードしたプログラムを実行し、各処理を実現するプロセッサ又はコンピュータである。
【0042】
CPU110は、通信プログラム121を実行することで、通信処理を行う。通信処理は、基地局装置200との間の無線通信を行う処理である。
【0043】
CPU110は、ランダムアクセス手順プログラム122を実行することで、ランダムアクセス手順処理を行う。ランダムアクセス手順処理は、ランダムアクセス手順を実行する処理であり、例えば、基地局装置200が行うランダムアクセス手順制御処理により制御される処理である。
【0044】
CPU110は、共用無線リソース関連プログラム123を実行することで、端末受信部及び端末送信部を構築し、共用無線リソース関連処理を行う。共用無線リソース関連処理は、共用無線リソースの使用及び許可の通知を受信する処理である。端末装置100は、共用無線リソース関連処理において、使用が許可された共用無線リソースの関する情報を取得したり、共用無線リソースを使用してSRを送信したりする。
【0045】
また、CPU110は、共用無線リソース関連プログラム123が有する共用無線リソース通知受信モジュール1231を実行することで、端末受信部を構築し、共用無線リソース通知受信処理を行う。共用無線リソース通知受信処理は、共用無線リソースに関する制御情報を基地局装置200から受信する処理である。
【0046】
さらに、CPU110は、共用無線リソース関連プログラム123が有する共用無線リソース送信モジュール1232を実行することで、端末送信部を構築し、共用無線リソース送信処理を行う。共用無線リソース送信処理は、共用無線リソースを使用したSRを基地局装置200に送信する処理である。
【0047】
<データ送信シーケンス>
以下に、データ送信時のシーケンスの例を示す。なお、シーケンスの例は、パターン1からパターン3の3通りであり、それぞれについて以下に説明する。
【0048】
<1.パターン1>
図5は、端末装置100が基地局装置200にデータを送信するシーケンス(パターン1)の例を示す図である。なお、図5は、例えば、端末装置100と基地局装置200間において、接続が確立された後のシーケンスである。
【0049】
基地局装置200は、pucch-configを含むPDSCHを端末装置100に送信する(S200)。pucch-configは、PUCCHに関する設定情報であり、例えば、端末装置100がSRを含むPUCCHを送信することを許可された共用無線リソースであるPRACH(RACH)に関する情報を含む。また、pucch-configは、例えば、SRを送信するPUCCHフォーマット(上り制御情報フォーマット)が、RACHプリアンブルと同じ長さの系列であって、同じ大きさの無線リソースを用いることの通知が含まれる。端末装置100は、pucch-configを受信することにより、共用無線リソース(SRを含むPUCCHを送信してもよいPRACH)を認識することができる。
【0050】
端末装置100は、例えばULデータが発生すると、受信したpucch-configに従い、共用無線リソースを使用し、SRを含むPUCCH(以降、PUCCH(SR)と表現する場合がある)を基地局装置200に送信する(S201)。なお、端末装置100は、SRに対する応答(UL grant)を受信しない場合、SRを再送する(S202)。図5において、SRの再送は1回であるが、例えば、設定された最大送信回数までSRを再送してもよい。端末装置100は、最大送信回数だけSRを送信しても応答を受信しない場合、例えば、pucch-configでPUCCH(SR)での使用を許可されたPRACHをリリースする。
【0051】
基地局装置200は、PRACHのリソース(共用無線リソース)でPUCCH(SR)を受信すると、端末装置100がデータを送信するためのPUSCHを割り当てるUL grantを、PDCCH(下り制御情報)に含め、端末装置100に送信する(S203)。なお、PDCCHには、端末装置100がUL grantを識別するための識別子であるC-RNTI(Cell-Radio. Network Temporary Identifier)が含まれる。
【0052】
端末装置100は、自装置宛てのUL grantを受信すると(S203)、受信したUL grantに従い、PUSCHを使用してデータを基地局装置200に送信する(S204)。
【0053】
<2.パターン2>
図6は、端末装置100が基地局装置200にデータを送信するシーケンス(パターン2)の例を示す図である。なお、図6は、例えば、端末装置100と基地局装置200間において、接続が確立された後のシーケンスである。
【0054】
基地局装置200は、pucch-configを含むPDSCHを端末装置100に送信する(S300)。pucch-configは、例えば、パターン1と同様の情報を含む。また、pucch-configは、例えば、事前に設定された(割り当てられた)無線リソースに関する情報を含むConfiguredGrantConfigを、PDSCHで送信することを通知する情報を含んでもよい。
【0055】
そして、基地局装置200は、ConfiguredGrantConfigを含むPDSCHを端末装置100に送信する(S301)。端末装置100は、ConfiguredGrantConfigを取得することで、使用を許可された(あるいは使用を許可される候補である)無線リソースに関する情報を取得する。
【0056】
端末装置100は、例えばULデータが発生すると、受信したpucch-configに従い、共用無線リソースを使用して、PUCCH(SR)を基地局装置200に送信する(S302)。なお、端末装置100は、SRに対する応答(UL grant)を受信しない場合、SRを再送してもよい(S303)。
【0057】
基地局装置200は、PRACHのリソース(共用無線リソース)でPUCCH(SR)を受信すると、端末装置100に使用を許可する無線リソース(PUSCH)に関する情報を含むActivation DCI(Downlink Control Information)を、PDCCHに含め、端末装置100に送信する(S304)。なお、PDCCHには、端末装置100がActivation DCI識別するための識別子であるCS-RNTIが含まれる。
【0058】
端末装置100は、自装置宛てのActivation DCIを受信すると(S304)、受信したActivation DCIに従い、PUSCHを使用してデータを基地局装置200に送信する(S305)。
【0059】
データ送信のパターン1及び2において、通信システム10は、ランダムアクセス手順に使用するための無線リソース(PRACH、RACH)を、SRを送信に使用することで、無線リソースを効率的に使用することができる。
【0060】
<3.パターン3>
図7は、端末装置100が基地局装置200にデータを送信するシーケンス(パターン3)の例を示す図である。なお、図7は、例えば、端末装置100と基地局装置200間において、接続が確立された後のシーケンスである。
【0061】
データ送信のシーケンスのパターン1,2において、端末装置100は、共用無線リソース(PRACH)を使用して、PUCCH(SR)を送信する。一方、パターン3において、端末装置100は、SRを含むPRACH preamble(以降、PRACH preamble(SR)と呼ぶ場合がある)を、基地局装置200に送信する。通信システム10においては、SRを送信する共用無線リソースをcontention free RACH preambleとして定義する。そして、基地局装置200は、RRC設定により、端末装置100に対して個別にSR用のpreambleを設定する。すなわち、通信システム10では、端末装置100がRACHを使用してSRを送信するための、RACH procedureを規定する。
【0062】
基地局装置200は、SR-configを含むPDSCHを端末装置100に送信する(S400)。SR-configは、例えば、端末装置100がSRの送信を許可された共用無線リソースに関する情報を含む。端末装置100は、SR-configを受信することで、SRの送信を行う共用無線リソースを認識する。
【0063】
端末装置100は、例えばULデータが発生すると、受信したSR-configに従い、共用無線リソースを使用して、規定されたRACHのフォーマット(ランダムアクセス手順フォーマット)で、PRACH preamble(SR)を基地局装置200に送信する(S401)。なお、端末装置100は、SRに対する応答(UL grant)を受信しない場合、SRを再送してもよい(図示しない)。
【0064】
基地局装置200は、PRACHのリソース(共用無線リソース)でSRを受信すると、端末装置100がデータを送信するためのUL grant又はActivation DCIを、PDCCHに含め、端末装置100に送信する(S402)。なお、PDCCHには、端末装置100がUL grantを識別するためのC-RNTI、又は端末装置100がActivation DCIを識別するためのCS-RNTIが含まれる。
【0065】
端末装置100は、自装置宛てのUL grant又はActivation DCIを受信すると(S402)、受信したUL grant又はActivation DCIに従い、PUSCHを使用してデータを基地局装置200に送信する(S403)。
【0066】
<共用無線リソース>
次に、共用無線リソースについて説明する。共用無線リソースは、ランダムアクセス手順におけるPRACHの一部又は全部であり、端末装置100がSRを送信することが許可された無線リソースを示す。すなわち、SRを送信するPUCCHの無線リソースとPRACHの無線リソースを一元化し、同じ長さの系列、及び同じ帯域幅(占有帯域幅)の時間周波数リソースを使用する無線リソースとする。
【0067】
通信システム10において、共用無線リソースの構成を示す共用フォーマットを定義する。図8は、共用フォーマットの占有帯域幅に関する例を示す図である。例えば、SRを送信するPUCCH(例えばFormat0)は、1つのリソースブロック(RB)で定義される。また、例えば、PRACHは、6つのリソースブロックや12のリソースブロックで定義される。そこで、例えば、図8において最大リソースブロックを使用する12のリソースブロックで構成されるPRACHに適合する共用フォーマットを定義する。
【0068】
なお、共用フォーマットの占有帯域幅を「2MHz以上」としているのは、Unlicensed bandにおけるLBTを想定した場合の例である。例えば、将来的にLBTにおけるTalk(送信)の占有帯域幅が「2MHz以上」と規定された場合、PRACHやPUCCHも「2MHz以上」にする必要性がある場合がある。そのため、共用フォーマットを「2MHz以上」としているが、LBTにおけるTalkの占有帯域幅によっては、数値は変動する場合があり、また、Licensed bandにおいては、特に占有帯域幅を限定しなくてもよい。
【0069】
図9は、共用フォーマットに基づいた信号の生成の例を示す図である。共用無線リソースに適用するRACH PreambleとSR送信信号は、例えば、ルート系列の長さ、サブキャリア間隔、マッピングする時間周波数リソースの大きさを統一する。以下、系列名X、ルート系列名y、サイクリックシフト量zの系列を、X(y,z)系列と表現する。
【0070】
端末装置100は、P(k,0)系列(SE1)を、cだけサイクリックシフトし(S10)、P(k,c)系列(SE2)を生成する。そして、端末装置100は、生成したP(k,c)系列を、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)し、DFTした結果を周波数方向にマッピングし、さらに、マッピングした結果を逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform:IDFT)し、Q(k,c)系列(SE3)を生成する(S11)。なお、周波数方向へのマッピングは、連続的又は非連続的に行われる。例えば、リソースブロック内は複数の連続したサブキャリアによって構成され、リソースブロック間は離散的であっても良い。
【0071】
なお、一つのルート系列から複数の系列を生成する方法として、サイクリックシフトの代わりに、ルート系列に直交系列を掛けるようにしても良い。また、Q(k,c)系列(SE3)を生成する方法として、時間領域のルート系列を規定してサイクリックシフトしてからDFTするまでの処理の代わりに、周波数領域のルート系列を直接規定した上でサイクリックシフトを周波数領域の等価処理により実現しDFT処理を省くようにしても良い。
【0072】
そして、端末装置100は、1つ又は複数のQ(k,c)系列でシーケンス区間を構成し、例えば、サイクリックプレフィクス(Cyclic Prefix:CP)を付与し、共用無線リソース(共用フォーマット)(F1)を生成する。
【0073】
なお、共用無線リソースを、RACH用として使用するときと、SR用として使用するときに、時間長(シーケンス区間の長さ、シーケンスの繰り返し数)は、同じであっても、異なってもよい。
【0074】
例えば、基地局装置200が複数のビームにより送受信を行う場合、時間長は異なってもよい。端末装置100から基地局装置200への初期アクセスの場合、基地局装置200においてRACH preambleに対して複数のビームで順次受信を試みる場合がある。この場合、試みるビーム数以上のシーケンスの繰り返し数が必要となる。しかし、一方で、SRを行う場合、端末装置100は、既に基地局装置200との間で無線接続が確立しているため、初期アクセスに比べ、少ないビーム数で受信が可能であり、シーケンスの繰り返し数が少なくなる。
【0075】
また、RACHで使用する共用フォーマットと、SRで使用する共用フォーマットの、基本サイクリックシフト量は同じであっても、異なってもよい。例えば、SR用の系列サイクリックシフト量をRACH用と比べて小さくすることで、同一ルート系列kから生成されるP(k,c)系列の数を多くすることができる。すなわち、サイクリックシフト量を小さくすることで、多くのプリアンブルを生成することができる。SR用は、例えば、Timing advanceによって、基地局装置200によるタイミング調整が行われているため、系列間のサイクリックシフト量を小さくしても、基地局装置200で受信することができる。
【0076】
図10は、基地局装置200における受信処理の例を示す図である。縦軸はCorrelation(相関値)であり、横軸はLag(時間)である。基地局装置200は、例えば、受信信号について設定したルート系列による相関処理を行い、相関値を算出する。そして、基地局装置200は、相関値が閾値以上である場合、端末装置100から信号を受信したと認識する。図10において、基地局装置200は、相関値M1を検出することで、P(ka,c0)系列で受信したことを検出する。P(ka,c0)系列は、例えば、Preamble0(RACH)である。また、基地局装置200は、相関値M3を検出することで、P(ka,c6)系列で受信したことを検出する。P(ka,c6)系列は、例えば、SRである。
【0077】
一方、基地局装置200は、相関値M2を検出するが、相関値M2が閾値より小さいため、信号を受信したと認識しない。
【0078】
このように基地局装置200は、相関処理を行った相関値と閾値とを比較することで、信号の受信を認識する。相関処理は、ルート系列ごとに実行されるため、ルート系列が多くなると、基地局装置200の処理量も大きくなる。
【0079】
上述したように、SR用のフォーマットでは、サイクリックシフト量を小さくすることができる。サイクリックシフト量が小さくなると、ある系列長で設定可能なPreambleの数(種類)が多くなる。なぜなら、Preambleの数は、系列長をサイクリックシフト量で除した数値であるためである。よって、例えば、通信システム10において、設定するPreambleの数が規定されている場合、サイクリックシフト量を小さくすることで、1つのルート系列におけるPreambleの数を増加させ、少ないルート系列数で規定のPreambleの数を設定することができる。すなわち、サイクリックシフト量を小さくすることで、基地局装置200の処理量を抑制することができる。
【0080】
共用無線リソースは、例えば、PRACH用(RACHを送信するための無線リソース)として使用されてもよいし、PUCCH用(SRを含むPUCCHを送信する無線リソース)として使用されてもよいし、さらに、PRACH用及びPUCCH用を切り替えて使用されてもよい。
【0081】
図11は、共用無線リソースの使用用途の例を示す図である。基地局装置200は、例えば、自装置に接続する端末装置100が所定数より少ない場合、同じ時間周波数リソースに同じサイクリックシフト量で、PRACH用及びPUCCH用のどちらで使用してもよい共用無線リソース(R1)を配置する。
【0082】
図12は、共用無線リソースの使用用途の例を示す図である。基地局装置200は、例えば、自装置に接続する端末装置100が所定数以上である場合、PUCCH用の専用の共用無線リソース(R2)を配置する。なお、図12においては、PUCCH用の専用であるが、PRACH用の専用であってもよい。
【0083】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、端末装置100は、SR送信時に、SRに付帯する情報を基地局装置200に送信する。
【0084】
<データ送信シーケンス>
以下に、データ送信時のシーケンスの例を示す。
【0085】
図13は、端末装置100が基地局装置200にデータを送信するシーケンスの例を示す図である。なお、特に説明がない場合、図13における処理S200、処理S201、及び処理S204は、図5における処理S200、処理S201、及び処理S204と同様である。
【0086】
端末装置100は、PUCCH(SR)を基地局装置200に送信したのち(S201)、UL grantを受信する前に、SRの付帯情報を含むPUSCHを、基地局装置200に送信する(S500)。SRの付帯情報は、例えば、バッファに蓄積されたSRの対象データ(SRの応答の受信に従い送信するデータ)の種別やデータ量を示すBSR(Buffer Status Report)を含む。また、基地局装置200がSRの付帯情報を送信するためのPUSCH向けに複数の端末装置100に同じ時間周波数リソースを割り当てる場合、SRの付帯情報は、例えば、C-RNTIなどの識別子を含んでもよい。基地局装置200が各端末装置100に一意にPUCCH(SR)とPUSCH(付帯情報)のリソース割り当てを行う場合、SRの付帯情報として、識別子は含まれなくてもよい。
【0087】
基地局装置200は、SRの付帯情報を取得すると(S500)、受信したSRの付帯情報に基づき、無線リソースの割り当てを行う。基地局装置200は、例えば、許容される遅延時間が短いデータである場合、できるだけ早いタイミングで基地局装置200に送信することが可能な無線リソースを、端末装置100に割り当てる。また、ConfiguredGrantConfigにより周期的な送信に利用可能なリソースを事前に設定しており、SRの付帯情報が周期的に発生されるデータを示している場合、事前設定したリソースを端末装置100に割り当てる。
【0088】
そして、基地局装置200は、割り当てた無線リソースに関する情報を含むUL grant又はActivation DCIを、PDCCHで端末装置100に送信する(S501)。
【0089】
図14は、端末装置100が基地局装置200にデータを送信するシーケンスの例を示す図である。なお、特に説明がない場合、図14における処理S400、処理S401、及び処理S403は、図7における処理S400、処理S401、及び処理S403と同様である。
【0090】
端末装置100は、PRACH preamble(SR)を基地局装置200に送信したのち(S401)、UL grant又はActivation DCIを受信する前に、続けてSRの付帯情報を含むPUSCHを、基地局装置200に送信する(S503)。また、基地局装置200がSRの付帯情報を送信するためのPUSCH向けに複数の端末装置100に同じ時間周波数リソースを割り当てる場合、SRの付帯情報は、例えば、C-RNTIなどの識別子を含んでもよい。基地局装置200が各端末装置100に一意にPRACH preamble(SR)とPUSCH(付帯情報)のリソース割り当てを行う場合、SRの付帯情報として、識別子は含まれなくてもよい。
【0091】
基地局装置200は、SRの付帯情報を取得すると(S503)、受信したSRの付帯情報に基づき、無線リソースの割り当てを行う。
【0092】
そして、基地局装置200は、割り当てた無線リソースに関する情報を含むUL grant又はActivation DCIを、PDCCHで端末装置100に送信する(S504)。
【0093】
第2の実施の形態において、基地局装置200は、SRの付帯情報を端末装置100から受信することで、より適切な無線リソースの割り当てを行うことができる。
【0094】
図15は、SRの付帯情報を送信する無線リソースの例を示す図である。端末装置100は、SRの付帯情報を送信するPUSCH用の無線リソースとして、共用無線リソースの一部(R3)を使用してもよい。共用無線リソースの一部(R3)は、例えば、PRACHと共用しない共用無線リソースである。
【0095】
なお、図15において、端末装置100は、共用無線リソースR3を使用してSRの付帯情報(例えば、BSR)を含むPUSCHを送信しているが、共用無線リソースを使用しなくてもよい。また、SR用の無線リソースとSRの付帯情報用の無線リソースの対応関係は1対1であっても多対1であっても良い。各端末装置100のSR送信の頻度が少なければ、多対1の設定をすることで、無線リソースを効率的に利用することができる。SRと付帯情報の送信は、例えば、時間的に連続に(SR送信後の直後の無線リソースを使用して)実行される。これにより、端末装置100は、Unlicensed bandを使用して送信を行う場合、1回のLBTで両方を送信することができ、遅延を減らすことができる。
【0096】
[その他の実施の形態]
第1の実施の形態及び第2の実施の形態は、組み合わせてもよい。例えば、第1の実施の形態の図6のシーケンスにおいて、端末装置100は、第2の実施の形態のSRの付帯情報の送信を行ってもよい。
【0097】
また、データの種別に応じたSRを複数規定し、それぞれのSRについてPUCCH(SR)又はPRACH preamble(SR)を適用することにより、端末装置100は付帯情報も含んだSRを送信するようにしても良い。
【符号の説明】
【0098】
10 :通信システム
100 :端末装置
110 :CPU
120 :ストレージ
121 :通信プログラム
122 :ランダムアクセス手順プログラム
123 :共用無線リソース関連プログラム
1231 :共用無線リソース通知受信モジュール
1232 :共用無線リソース送信モジュール
130 :メモリ
150 :RF回路
151 :アンテナ
200 :基地局装置
210 :CPU
220 :ストレージ
221 :通信制御プログラム
222 :ランダムアクセス手順制御プログラム
223 :共用無線リソース制御プログラム
2231 :共用無線リソース通知モジュール
2232 :共用無線リソース受信モジュール
230 :メモリ
250 :RF回路
251 :アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15