(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】収納棚
(51)【国際特許分類】
A47F 5/11 20060101AFI20221130BHJP
A47B 43/02 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
A47F5/11
A47B43/02
(21)【出願番号】P 2019124334
(22)【出願日】2019-07-03
【審査請求日】2022-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】100119091
【氏名又は名称】豊山 おぎ
(72)【発明者】
【氏名】木野本 弘樹
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-97123(JP,A)
【文献】特開2018-7816(JP,A)
【文献】特開2019-245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/10-5/11
A47B 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面板,背面板,両側面板を有して四方を囲む外枠部と、
前記正面板の上端縁又は下端縁で折れ曲がって前記背面板側に延びた載置板と、
前記正面板及び前記背面板に対向するよう前記正面板と前記背面板との間に配された可動板とを備え、
前記可動板は、この可動板の表面から前記正面板側に向かって立ち上がり又は前記可動板に平行に配される、上下方向に回動可能なフラップ部を有し、
前記フラップ部は、その上面に前記載置板の一端部を載せて貼着している収納棚。
【請求項2】
前記可動板に切込みが形成され、前記切込みに囲まれた部分に前記フラップ部が形成されている請求項1に記載の収納棚。
【請求項3】
前記可動板は、折り曲げられて前面部と後面部とを有し、
前記正面板側に対向する前面部に前記フラップ部が形成されている請求項1又は2に記載の収納棚。
【請求項4】
前記載置板及びこれに連結させたフラップ部の前記正面板の上端縁又は下端縁に直交する方向の長さ寸法は、前記外枠部の組立時における前記正面板の上端縁から水平方向に延び前記背面板に到達するまでの距離以上に設定されている請求項1から3のいずれか一項に記載の収納棚。
【請求項5】
前記可動板の少なくとも一部の高さ寸法が、前記背面板の鉛直方向の高さ寸法と同寸法に形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の収納棚。
【請求項6】
前記正面板、前記載置板及び一方の側面板は、一枚のボードで形成された第1ボードに形成され、
前記背面板、他方の側面板は、前記第1ボードと異なる他の一枚のボードで形成された第2ボードに形成され、
前記可動板は、前記第1ボード及び第2ボードと異なる他の一枚のボードで形成された第3ボードに形成された請求項1から5のいずれか一項に記載の収納棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納棚に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食品等の各種商品の陳列には、P・O・Pディスプレイ等と呼ばれる折り畳み式の収納棚が広く用いられている。このような収納棚は、折り畳まれた状態からワンタッチ又は2,3のステップで立体的に組み立て可能になっている。また、不使用の時には、再び折り畳んで収納できるようになっている。このような折り畳み式の収納棚は、段ボール等の軽量かつ安価で再生可能な素材が広く使用されるようになっている。
【0003】
従来例としては、特許文献1に開示された収納棚が開示されている。
特許文献1の収納棚は、正面板、右側面部、背面板及び左側面部で四方を囲んだ中空状の本体に、一又は二以上の折り畳み可能な棚板部が設けられた収納棚である。
【0004】
本体の正面板には、本体の内側に折り返して棚板部となる棚板片が設けられている。
棚板部は、正面板を構成する正面板材の一部である棚板片で構成されている。棚板片は、後方に折り曲げて形成された載せ部と、当該載せ部の先方側を下側に折り曲げて形成された後貼付部を備えている(明細書段落0027及び
図9等)。
【0005】
本体の内側には、上下方向にスライド可能なスライド体が配置されている。前記スライド体は所定位置で前記本体に固定可能であり、棚板部の後貼付部が下方に折り曲げられてスライド体に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示の収納棚は、正面板材の一部を折り曲げた棚板片のみを棚板部としているため、棚板片の長さすなわち棚板部の奥行き寸法が、上下方向に複数設ける正面板同士の寸法に制限される。したがって、正面板間の寸法を小さくして多段にする場合に、十分な奥行きが取れず、収納棚の設計上の制限を受けるという課題があった。
そこで、本発明は、物を置く載置板の奥行き設定の自由度が高い収納棚を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の収納棚は、正面板,背面板,両側面板を有して四方を囲む外枠部と、前記正面板の上端縁又は下端縁で折れ曲がって前記背面板側に延びた載置板と、前記正面板及び前記背面板に対向するよう前記正面板と前記背面板との間に配された可動板とを備え、前記可動板は、この可動板の表面から前記正面板側に向かって立ち上がり又は前記可動板に平行に配される、上下方向に回動可能なフラップ部を有し、前記フラップ部は、その上面に前記載置板の一端部を載せて貼着している。
この構成によれば、可動板からフラップ部を立ち上げて載置板と連結させるため、フラップ部によって載置板の奥行きを延長することが出来る。
【0009】
本発明の収納棚の前記可動板に切込みが形成され、前記切込みに囲まれた部分に前記フラップ部が形成されていてもよい。
この構成によれば、フラップ部を容易に形成することが出来る。
【0010】
本発明の収納棚の前記可動板は、折り曲げられて前面部と後面部とを有し、前記正面板側に対向する前面部に切込みが形成され、前記切込みに囲まれた部分に前記フラップ部が形成されていてもよい。
この構成によれば、可動板の剛性を維持しやすい。
【0011】
本発明の収納棚の前記載置板及びこれに連結させたフラップ部の前記正面板の上端縁又は下端縁に直交する方向の長さ寸法は、外枠部の組立時における前記正面板の上端縁から水平方向に延び前記背面板に到達するまでの距離以上に設定されていてもよい。
この構成によれば、載置板を正面板から背面板に向けて下り傾斜に設定することが出来る。
【0012】
本発明の収納棚の前記可動板の少なくとも一部の高さ寸法が、前記背面板の鉛直方向の高さ寸法と同寸法に形成されていてもよい。
この構成によれば、背面板と高さ寸法を合わせている可動板の一部の上端と、背面板の上端とを揃えることで、収納棚の設置を完了とすることができる。
【0013】
本発明の収納棚の前記正面板、前記載置板及び一方の側面板は、一枚のボードで形成された第1ボードに形成され、前記背面板、他方の側面板は、前記第1ボードと異なる他の一枚のボードで形成された第2ボードに形成され、前記可動板は、前記第1ボード及び第2ボードと異なる他の一枚のボードで形成された第3ボードに形成されていてもよい。
この構成によれば、収納棚をシンプルかつ組立容易な構成とすることが出来る。
【発明の効果】
【0014】
本発明の収納棚は、物を置く載置板の奥行き寸法の自由度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る収納棚を右上方から視た斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る収納棚を左上方から視た斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る収納棚を組み立てた状態で幅方向中央で切断した場合の縦断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る収納棚を折り畳んだ状態で幅方向中央で切断した場合の縦断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る収納棚を構成するブランクシートの一部を示す平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る収納棚を構成するブランクシートの一部を示す平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る収納棚を構成するブランクシートの一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の収納棚の一実施形態について説明する。なお、以下の説明で用いる図の各部分の寸法は実際のものと同一とは限らず、適宜変更することができる。
【0017】
図1に示すように、本発明の一実施形態の収納棚1は、正面板2,両側面板3,4,
図2に示す背面板5を有して四方を囲む外枠部6と、載置板7と、正面板2と背面板5との間に配され、載置板7の折り畳み及び引き起こしをする可動板8とを主として備えている。また、可動板8から正面板2側に向かって立ち上り自在に設けられ、
図3に示す載置板7に貼着して載置板7を支持するフラップ部9を主として備えている。
【0018】
図2に示すように、左側面板3は、外枠部6の側方の支柱であり、また載置板7上に収納される物を側方から支持する側壁である。左側面板3は、背面板5と側端縁を共有する直線状の後端縁3aと、突出10とくぼみ11Aを交互に繰り返す前端縁3bと略水平な線と下方に緩やかにカーブしている上端縁3cと、略水平に延びる下端縁3dとに囲まれた壁部である。
【0019】
後端縁3aには、
図5に示すように、左側面板3を背面板5に連結させる貼着部Mが連接している。貼着部Mは、後端縁3aに沿って直線状に形成されている。
図2に示すように、前端縁3bは、背面板5側を後方とし正面板2側を前方とした場合の前後方向への突出10を繰り返している。具体的には、上端縁3cからほぼ一定間隔を置いて、側面視で前方に向かって窄む略台形形状の突出10を繰り返している。前端縁3bが最も前方に突出し略鉛直方向に延びている頂辺2aには、略矩形の正面板2が連接している。
【0020】
言い換えると、前端縁3bは正面板2,2の間で後方に向かって窄むほぼ台形形状のくぼみ11Aを繰り返している。このくぼみ11Aは、
図5に示すように、展開時において直線状の縦折り曲げ線L1の一部を下辺とする台形形状を折り曲げ部11Bとし、折り曲げ部11Bの傾斜辺にスリットを形成し、台形の上辺を折り曲げ線11eとして、
図1に示すように折り曲げ部11Bを内側に折り曲げて形成されている。
【0021】
正面板2は、突出10の頂辺2aを鉛直方向の一辺とする矩形に形成されており、左右の側面板3,4間に延びている。
正面板2の水平方向に延びる上端縁2bからは、載置板7が連接している。
【0022】
図4に示すように、載置板7は、組立前の折り畳み時には上下に隣り合う正面板2の間に延びている。
図3に示すように、載置板7は、組立時に上端縁2bで背面板5側に折れ曲がることにより、外枠部6で囲まれた空間を開口して載置板7及び物の収納空間Sを形成する板部である。
本実施形態において、載置板7は、正面板2の幅寸法よりも僅かに小さい寸法に設定されている。
図5に示すように、載置板7の先端には、フラップ部9に設置する際に目印とする位置決めマーク7yが形成されている。
【0023】
図2に示すように、背面板5は、左側面板3の後端縁3aと長辺を共有し、正面板2の上端縁2b又は下端縁2cの幅寸法とほぼ同じ幅寸法で形成された矩形の後壁である。
背面板5の右側端縁には、右側面板4が連接している。
【0024】
右側面板4は、左側面板3と左右対称の形状で、左側面板3に対向するよう設けられた外枠部6の側方の支柱であり、また載置板7上に収納される物を側方から支持する側壁である。右側面板4においても、左側面板3と同様に、左側面板3と対称の位置に、台形の折り曲げ部12Bが形成されている。折り曲げ部12Bの台形の上辺において折り曲げ部12Bが右側面板4の内側に折り曲げられるようになっている。
図6に示すように、折り曲げ部12B,12B同士の間には、正面板2と連結させる貼着部Mが形成されている。
【0025】
図4に示すように、可動板8は、正面板2と背面板5との間に配される板部材である。可動板8は、一枚のボードの幅方向ほぼ中央で2つに折り曲げられて形成されている。
図7に示すように、正面板2に対向させる可動板8の前面部14には、L字形の切欠き(切込み)15が形成されている。切欠き15の縦方向に延びる切欠き15aは縦折り曲げ線L3に沿って形成されている。L字形の水平方向に延びる切欠き15bは、切欠き15aに連続して形成され、前面部14の側端縁14bで開口している。L字形の切欠き15及び側端縁14bに囲まれた略矩形の部分は、前面部14から立ち上がり可能なフラップ部9を構成している。
フラップ部9には、載置板7の角を重ねる位置を示す切込みの位置決めマーク9yが形成されている。
【0026】
図3及び
図4に示すように、フラップ部9の上面は、正面板2と背面板5との間に配された状態で載置板7の裏面に貼着されている。本実施形態では、フラップ部9の幅寸法は、載置板7の幅寸法とほぼ同寸法に形成されている。フラップ部9の上面のほぼ全体が、載置板7の基端側の一部を残して載置板7にしっかりと貼着している。
後面部16は、
図7に示すように、取っ手孔16hが形成された矩形の板部である。
前面部14には折り畳まれた状態で後面部16の取っ手孔に連通する取っ手孔14hが形成されている。
【0027】
以上の構成を有する収納棚1は、次に示す3つのボードを組み合わせて形成されている。
図5に示すように、左側面板3、正面板2及び載置板7は、1枚のボードを打ち抜き、スリット25a,25b及び折り曲げ線L1等を設けた第1ボード21により形成されている。
図6に示すように、背面板5及び右側面板4は、1枚のボードを打ち抜き、スリット及び折り曲げ線L2等を設けた第2ボード22により形成されている。
図7に示すように、可動板8は、一枚のボードを打ち抜き、切欠き15及び折り曲げ線L3等を設けた第3ボード23により形成されている。
【0028】
図5に示すように、第1ボード21には、幅方向の所定の位置でスリット25bを含む縦折り曲げ線L1が形成されている。本実施形態では、縦折り曲げ線L1は、第1ボード21の略中央に形成されている。
第1ボード21の左右の一方には、正面板2と載置板7とが形成されている。第1ボード21の左右の他方側には、左側面板3が形成されている。本実施形態では、第1ボード21の表面から見て右サイドに正面板2及び載置板7が、左サイドに左側面板3が設けられている。
【0029】
正面板2は、第1ボード21の右サイドにおいて、上端から所定の間隔置きに3つ形成されている。所定の間隔は、正面板2の高さ寸法及び載置板7の上部に形成される収納空間Sの高さ寸法等を考慮して決定される。
正面板2の上端縁2bは、載置板7との境となる折り曲げ線となっている。
【0030】
正面板2の下端縁2cと載置板7との間には、僅かな間を形成する横スリット25aが形成されている。
正面板2の下端縁2cと載置板7の上端縁7bとの間の横スリット25aは、第1ボード21の縦折り曲げ線L1に沿って下方に延びている。この縦スリット25bは、正面板2の上端縁2bの端部にまで延びている。
【0031】
載置板7は、横スリット25a、縦スリット25b及び正面板2との境の折り曲げ線とに囲まれて形成されている。縦スリット25bに平行な第1ボード21の右サイドの端縁は、正面板2よりもやや内側に入って形成されており、載置板7の幅寸法が、正面板2よりも僅かに小さくなっている。
載置板7の縦寸法すなわち立体形成時の奥行き寸法は、収納空間Sの開口部の高さ寸法により決められている。載置板7は、1又は2以上の段に設けられている。本実施形態では、載置板7は3段設けられている。
【0032】
第1ボード21の左サイドには、載置板7を形成している縦スリット25bを下辺とする台形形状の折り曲げ部11Bが形成されている。折り曲げ部11Bの傾斜辺と下辺との間の角度は下辺の両端において同じである。同角度の大きさ及び折り曲げ部11Bの折り曲げ位置となる台形の上辺の長さは、収納空間Sを側方からどの程度覆うようにするかによって適宜設定することができる。
【0033】
図6に示すように、第2ボード22は、幅方向の所定の位置で縦折り曲げ線L2が形成されている。本実施形態では、縦折り曲げ線L2は、第2ボード22の略中央に形成されている。
第2ボード22の左右の一方には、背面板5が形成されている。第2ボード22の左右の他方側には、右側面板4が形成されている。本実施形態では、第2ボード22の表面すなわち外側を向く面から見て右サイドに背面板5が、左サイドに右側面板4が設けられている。
【0034】
背面板5は、正面板2と略同幅で、左側面板3の
図2に示す上端縁3cの水平に延びる辺と同じ高さ(縦寸法)を有している。
右側面板4は、
図5に示す第1ボード21を表面から視た左側面板3と左右対称に形成されている。右側面板4の側端縁に設けられた貼着部Mは、折り曲げ部12B,12B間に突出するように設けられている。
【0035】
図7に示すように、第3ボード23には、幅方向の略中央の位置で、切欠き15を含む縦折り曲げ線L3が形成されている。
第3ボード23の左右の一方には、前面部14が設けられている。第2ボード22の左右の他方側には、後面部16が設けられている。本実施形態では、第3ボード23の表面から見て右サイドに前面部14が、左サイドに後面部16が設けられている。
前面部14には、前述のとおりL字型で僅かな隙間を形成する切欠き15が形成されている。
【0036】
次に、第1ボード21から第3ボード23を用いて本実施形態の収納棚1を組み立てる方法について説明する。
まず、
図5に示す第1ボード21の縦折り曲げ線L1、正面板2の上端縁2b及び左側面板3と貼着部Mとの間等に折り癖を付けておく。
【0037】
折り曲げ部11Bの裏面側に接着剤を塗布し、折り曲げ部11Bを台形の上辺11eで折り曲げて第1ボード21の裏面に貼着する。左側面板3に設けられた貼着部Mの表面には接着剤を塗布しておく。
【0038】
図6に示す第2ボード22の縦折り曲げ線L2、折り曲げ部12Bの台形の上辺及び貼着部Mと右側面板4との間の折り曲げ線にもそれぞれ折り癖を付けておく。折り曲げ部12Bの裏面側に接着剤を塗布し、折り曲げ部12Bを上辺で折り曲げ、右側面板4の裏面に貼着する。折り曲げ部12B,12B間の貼着部Mについては、表面に接着剤を塗布しておく。
この状態で、貼着部Mに第1ボード21の正面板2の端部を重ねて貼着し、第1ボード21と第2ボード22とを広げておく。
【0039】
図7に示す第3ボード23の縦折り曲げ線L3及びフラップ部9の上端縁9bに折り癖を付けておく。フラップ部9の表面側には接着剤を塗布しておく。
その上で、第3ボード23の縦折り曲げ線L3で後面部16を前面部14の裏面側に折り畳み、フラップ部9に設けた位置決めマーク9yに第1ボード21の載置板7の先端縁に設けた位置決めマーク7yを合わせて、フラップ部9の上面に載置板7の裏面を貼着させる。
【0040】
その後、第1ボード21の左側面板3の貼着部Mを背面板5の側端縁に合わせて貼り合わせる。
これにより、折り畳んだ状態の収納棚1が出来上がる。
【0041】
図4に示す折り畳まれた状態の収納棚1を組み立てる場合には、外枠部6を平面視矩形に立ち上がらせて立体形状にする。その上で、可動板8を正面板2側から背面板5側に移動させる。そうすると、
図4に示すように折り畳まれていた載置板7が背面板5側に引っ張られて
図3に示すように略水平な載置板7を形成する。
【0042】
また、本実施形態では、載置板7とフラップ部9とを連結させた長さが収納棚1の組立時の正面板2と背面板5との距離よりも僅かに大きく形成されているため、収納棚1の組立時に載置板7が背面板5に向かってやや下り傾斜になる。したがって、正面板2に囲いになるものがなくても載置板7に置いた物の落下を防止しやすいという効果を奏する。
【0043】
また、載置板7がフラップ部9と連結しているため、正面板2同士の距離が短いなど、載置板7の奥行き寸法を十分に取れない場合にも、フラップ部9が載置板7の長さの不足分を補えるため、収納空間Sの奥行き寸法の自由度を上げられるという効果を奏する。
【0044】
また、従来の陳列棚は、棚板部の先端側を鉛直下方に折り曲げて形成された後貼付部をスライド体の垂直面に貼着している。すなわち、貼付部がめくれる方向と棚板部に荷重が掛かる方向が同じであるため、棚板部に荷重の大きい物が載せられた場合に、後貼付部の貼着が取れてしまいやすいという懸念があった。しかし、本発明は、載置板7をフラップ部9の上から貼り合わせており、載置板7の使用時に載置板7とフラップ部9との貼着部が水平方向に延びるため、従来の陳列棚のように貼着が剥がれる懸念が生じ難い。
【0045】
また、収納棚1は、第1ボード21から第3ボード23の3枚のボードを組み合わせることによって形成することが出来るため、収納棚1をシンプルな構成でかつ効率的に作ることが出来るという効果を奏する。なお、本発明の収納棚1を構成する板部材は、第1ボード21から第3ボード23の3枚で構成されなければならないわけではなく、本発明の構成要素を満たしていれば何枚の板部材により形成されていてもよい。
【0046】
また、上記実施形態において、フラップ部9は正面板2と同幅に形成された構成を採用したが、フラップ部9は正面板2よりも小さい幅で形成されていてもよい。
また、フラップ部9の形状、幅方向における個数は、適宜設定することが出来る。
また、フラップ部9は、上記実施形態で例示したように可動板8の一部を切り欠いて形成することが好ましいが、これに限定されるものではなく、可動板8とは別の板部材を可動板8に取り付け、上下に回動可能に形成していてもよい。
【0047】
また、上記実施形態において、可動板8は2重に折り畳んだ構成を例示したが、可動板8は1重の構成であってもよい。この場合、フラップ部9は、正面板2よりも小幅に形成すればよい。
【0048】
また、載置板7は、正面板2の下端縁2cに連接する構成であってもよい。
また、左側面板3及び右側面板4において、折り曲げ部11B,12Bをそれぞれの裏面に折り畳んで貼着する構成を例示した。この構成によれば、左側面板3及び右側面板4の剛性がより補強されるが、折り曲げ部は必須ではなく、切り欠かれてしまっていてもよい。
上記実施形態では、第1ボード21から第3ボード23のそれぞれの貼着手段として板面に塗布可能な接着剤を例示したが、両面テープその他の公知の接着材料又は手段を使用することもできる。
【符号の説明】
【0049】
1 収納棚
2 正面板
3 左側面板
4 右側面板
5 背面板
6 外枠部
7 載置板
8 可動板
9 フラップ部
14 前面部
16 後面部
21 第1ボード
22 第2ボード
23 第3ボード