(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】障子の製造方法
(51)【国際特許分類】
E06B 3/96 20060101AFI20221130BHJP
E06B 3/22 20060101ALI20221130BHJP
E06B 3/46 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
E06B3/96 A
E06B3/22
E06B3/46
(21)【出願番号】P 2018166778
(22)【出願日】2018-09-06
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 啓司
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-174248(JP,A)
【文献】特開2009-057703(JP,A)
【文献】特開2009-052364(JP,A)
【文献】特開2015-010408(JP,A)
【文献】特開2015-105499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/20-3/22
E06B 3/46
E06B 3/96-3/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き違いサッシに設けられ、上框、下框、召合せ框および戸先框を框組した樹脂製の框と、前記框の内側に配置される面材と、を有し、
互いに断面形状が異なる2断面以上の前記召合せ框から要求される性能に応じた1つの前記召合せ框を選択して前記框を構成する
障子の製造方法において、
前記上框、前記下框、前記召合せ框および前記戸先框
のそれぞれの長さ方向の端面
を前記長さ方向に対して斜めに切断
し、
前記上框および前記下框と、前記召合せ框および前記戸先框と
を互いの端面を突き合わせて溶着
し、
前記上框と前記下框とは、同一の断面形状に形成され、
前記召合せ框は、前記上框および前記下框と異なる断面形状に形成され、
互いに断面形状が異なる2断面以上の前記召合せ框は、
長さ方向に直交しかつ前記面材に沿う方向の寸法が互いに異なり、それぞれ前記上框および前記下框の所定の位置に溶着可能であり、
互いに断面形状が異なる2断面以上の前記召合せ框がそれぞれ前記上框および前記下框に対して溶着される前記所定の位置は、互いに異なる位置であることを特徴とする
障子の製造方法。
【請求項2】
断面形状が異なる2断面以上の前記召合せ框のうちの1つの第1召合せ框は、その断面の外形が前記上框および前記下框の断面の外形よりも小さい形状に形成され、
前記第1召合せ框、前記上框および前記下框には、それぞれ長さ方向に貫通する中空部が形成され、
前記第1召合せ框と、前記上框および前記下框と
を、それぞれの中空部が連続し、それぞれの前記中空部の周囲に設けられ前記中空部を形成する壁部
を突き合わ
せて溶着
する請求項1に記載の
障子の製造方法。
【請求項3】
前記第1召合せ框は、前記面材の縁部を収容する溝部の底面を形成する召合せ框内壁部と、
前記召合せ框内壁部と対向する位置に配置された召合せ框外壁部と、を有し、
前記召合せ框外壁部
を、前記上框の上端部を構成する上框外壁部よりも前記溝部側に位置し、前記上框の上下方向の中間部に設けられた上框中間壁部と溶着
するとともに、前記下框の下端部を構成する下框外壁部よりも前記溝部側に位置し、前記下框の上下方向の中間部に設けられた下框中間壁部と溶着
する請求項2に記載の
障子の製造方法。
【請求項4】
断面形状が異なる2断面以上の前記召合せ框のうちの1つの第2召合せ框は、その断面の外形が前記上框および前記下框の断面の外形と同じ形状に形成され、
前記第2召合せ框と、前記上框および前記下框と
を、それぞれの端面
を突き合わ
せ、それぞれの端面の外周部同士
を溶着
する請求項1に記載の
障子の製造方法。
【請求項5】
前記第2召合せ框と、前記上框および前記下框とは、それぞれの端面の外周部以外において、互いに溶着されていない部分を有する請求項4に記載の
障子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引き違いサッシに設けられる障子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建具に設けられる障子の框は、耐風圧性を担保可能な強度に製作され、腰窓などに設けられるサイズ(例えば、高さ、幅、見付面などのサイズ)が小さな障子の框と、掃き出し窓などのサイズが大きな障子の框とでは、求められる強度が異なっている。引き違いサッシの障子の框では、一般的に召合せ框は、上框、下框および戸先框と比べて大きな負荷がかかることが知られている。
樹脂サッシの場合、樹脂製の框に形成された中空部に金属製の芯材が挿入配置されている(例えば、特許文献1および2参照)。芯材は、障子に作用する負荷を負担していて、必要な強度に対応した断面形状となっている。
また、樹脂製の横枠(上框および下框)と、縦枠(召合せ框および戸先框)とは、互いの端面が溶着されることで接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6173891号公報
【文献】特許第5740628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂サッシにおいて、サイズの大きな障子は、サイズの小さな障子と比べて框の強度を大きくする必要があるため、断面形状の大きな芯材が設けられている。このため、サイズの大きな障子では、サイズの小さな障子と比べて芯材の断面形状が大きくなり、框の中空部の形状も大きくなり、結果として、框の断面形状も大きくなる。
このように、障子のサイズの違いによって框の断面形状を変えなければならず、サイズの異なる障子を製造する場合、コストがかかるとともに管理に手間がかかるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、障子のサイズの異なる場合でも、断面形状が共通する框の部材を用いて製造することができる障子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る障子の製造方法は、引き違いサッシに設けられ、上框、下框、召合せ框および戸先框を框組した樹脂製の框と、前記框の内側に配置される面材と、を有し、互いに断面形状が異なる2断面以上の前記召合せ框から要求される性能に応じた1つの前記召合せ框を選択して前記框を構成する障子の製造方法において、前記上框、前記下框、前記召合せ框および前記戸先框のそれぞれの長さ方向の端面を前記長さ方向に対して斜めに切断し、前記上框および前記下框と、前記召合せ框および前記戸先框とを互いの端面を突き合わせて溶着し、前記上框と前記下框とは、同一の断面形状に形成され、前記召合せ框は、前記上框および前記下框と異なる断面形状に形成され、互いに断面形状が異なる2断面以上の前記召合せ框は、長さ方向に直交しかつ前記面材に沿う方向の寸法が互いに異なり、それぞれ前記上框および前記下框の所定の位置に溶着可能であり、互いに断面形状が異なる2断面以上の前記召合せ框がそれぞれ前記上框および前記下框に対して溶着される前記所定の位置は、互いに異なる位置であることを特徴とする。
【0007】
本発明では、上框および下框には、断面形状が異なる2断面以上の召合せ框がそれぞれ接合可能で、断面形状が異なる2断面以上の召合せ框から要求される性能に応じた1つが接合されるように構成されている。これにより、断面形状が異なる召合せ框であっても、共通する上框および下框に接合することができる。また、断面形状が異なる2断面以上の召合せ框は、それぞれ上框および下框に対して所定の位置で溶着可能であり、2断面以上の召合せ框がそれぞれ上框および下框に対して溶着される所定の位置は、互いに異なる位置である。これにより、2断面以上の召合せ框のうちのいずれの召合せ框であっても上框および下框に対して確実に溶着することができる。
一般的に召合せ框は、上框、下框および戸先框と比べて大きな負荷がかかる。異なるサイズの障子では、召合せ框に挿入される芯材の断面形状が異なり、召合せ框の断面形状も異なることになる。
本発明では上述したように異なる断面形状の召合せ框であっても、共通する上框および下框に接合することができるため、障子のサイズの異なる場合でも、断面形状が共通する上框および下框を用いて障子を製造することができる。
【0008】
また、本発明に係る障子の製造方法では、断面形状が異なる2断面以上の前記召合せ框のうちの1つの第1召合せ框は、その断面の外形が前記上框および前記下框の断面の外形よりも小さい形状に形成され、前記第1召合せ框、前記上框および前記下框には、それぞれ長さ方向に貫通する中空部が形成され、前記第1召合せ框と、前記上框および前記下框とを、それぞれの中空部が連続し、それぞれの前記中空部の周囲に設けられ前記中空部を形成する壁部を突き合わせて溶着してもよい。
このような構成とすることにより、第1召合せ框の断面の外形と上框および下框の断面の外形とが異なる場合でも、中空部を連続させて中空部の周囲に設けられた壁部同士を突き合わせて溶着することができる。
【0009】
また、本発明に係る障子の製造方法では、前記第1召合せ框は、前記面材の縁部を収容する溝部の底面を形成する召合せ框内壁部と、
前記召合せ框内壁部と対向する位置に配置された召合せ框外壁部と、を有し、
前記召合せ框外壁部を、前記上框の上端部を構成する上框外壁部よりも前記溝部側に位置し、前記上框の上下方向の中間部に設けられた上框中間壁部と溶着するとともに、前記下框の下端部を構成する下框外壁部よりも前記溝部側に位置し、前記下框の上下方向の中間部に設けられた下框中間壁部と溶着してもよい。
このような構成とすることにより、第1召合せ框の断面の外形が上框および下框の断面の外形より小さく、召合せ框外壁部が上框の上框外壁部よりも溝部側に位置し、下框外壁部よりも溝部側に位置する場合でも、召合せ框外壁部が上框中間壁部および下框中間壁部と溶着されるため、第1召合せ框を上框および下框に溶着することができる。
【0010】
また、本発明に係る障子の製造方法では、断面形状が異なる2断面以上の前記召合せ框のうちの1つの第2召合せ框は、その断面の外形が前記上框および前記下框の断面の外形と同じ形状に形成され、
前記第2召合せ框と、前記上框および前記下框とを、それぞれの端面を突き合わさせ、それぞれの端面の外周部同士を溶着してもよい。
このような構成とすることにより、第2召合せ框と、上框および下框とを確実に溶着することができる。
【0011】
また、本発明に係る障子の製造方法では、断面形状が異なる2断面以上の前記召合せ框のうちの1つの第2召合せ框は、その断面の外形が前記上框および前記下框の断面の外形と同じ形状に形成され、
前記第2召合せ框と、前記上框および前記下框とを、それぞれの端面を突き合わせ、それぞれの端面の外周部同士を溶着してもよい。
このような構成とすることにより、第2召合せ框と、上框および下框とを確実に溶着することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、障子のサイズの異なる場合でも、断面形状が共通する上框および下框(框の部材)を用いて障子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態による建具(第1建具)の一例を示す正面図である。
【
図2】本発明の実施形態による建具(第2建具)の一例を示す正面図である。
【
図4】第1建具の上框と召合せ框の接合部の斜視図である。
【
図5】第1建具の下框と召合せ框の接合部の斜視図である。
【
図10】召合せ框の下端面を上方から見た図である。
【
図11】召合せ框の下端面を左側から見た図である。
【
図13】第2建具の上框と召合せ框の接合部の斜視図である。
【
図15】第2建具の下框と召合せ框の接合部の斜視図である。
【
図17】召合せ框の上端面を上方から見た図である。
【
図18】召合せ框の上端面を左側から見た図である。
【
図19】召合せ框の下端面を上方から見た図である。
【
図20】召合せ框の下端面を左側から見た図である。
【
図21】上框の左側の端面と召合せ框の上端面とを重ねた図である。
【
図22】下框の左側の端面と召合せ框の上端面とを重ねた図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態による障子について、
図1乃至
図22に基づいて説明する。
図1および
図2に示すように、本実施形態による障子は、樹脂製の引き違い建具11に設けられている内障子1および外障子2で、建具11の枠体12に支持されている。枠体12は、建物の外壁に形成された開口部に沿って取り付けられている。
図1には、例えば床面の高さに設けられる掃き出し窓などに用いられる高さ寸法が大きい建具11(以下、第1建具11Aとする。)を示し、
図2には、例えば、床面よりも上方に設けられる腰窓などに用いられる高さ寸法が小さい建具11(以下、第2建具11Bとする。)を示している。
以下の説明において、室外側と室内側とを結ぶ方向(外壁に直交する方向、
図1および
図2では紙面に直交する方向)を室内外方向とし、室内外方向に直交する外壁に沿った水平方向を左右方向とする。左右方向のうち、室内側から室外側を見た際の左側、右側をそのまま左側、右側とする。
【0015】
図1および
図2に示すように、枠体12は、左右方向に延びる上枠121および下枠122と、上下方向に延びて上枠121および下枠122と連結された一対の縦枠123と、を有している。以下の説明では、上枠121、下枠122および一対の縦枠123などの長尺の部材に対してそれぞれが延びる方向を長さ方向とすることがある。
上枠121、下枠122および一対の縦枠123は、それぞれ合成樹脂製で、内部に形成されそれぞれの長さ方向に延びる中空部に金属製の枠芯材が挿入配置されている。
【0016】
内障子1および外障子2は、それぞれ枠状に形成された框3と、框3の内側に配置されるガラス4(面材)と、有している。
框3は、左右方向に延びる上框5および下框6と、上下方向に延びる召合せ框7および戸先框8と、を有している。
召合せ框7は、内障子1および外障子2が開口部を閉鎖している状態で一対の縦枠123の間の略中央部に配置され、戸先框8は、内障子1および外障子2が開口部を閉鎖している状態で一対の縦枠123に近接して配置されている。
内障子1と外障子2とでは、框3、ガラス4に使用される部材は基本的に共通していて、施錠部材および煙返しなどの框3に取り付けられる部材が異なっている。以下では、内障子1の框3について説明し、外障子2の框3については、説明を省略する。
また、第1建具11Aと第2建具11Bとでは、上框5、下框6、および戸先框8が同一の断面形状に形成され、召合せ框7が異なる断面形状に形成されている。まず、第1建具11Aの框3について説明し、その後に第2建具11Bの召合せ框7について説明する。
本実施形態の第1建具11Aの召合せ框7は、本発明の「第2召合せ框」に相当し、第2建具11Bの召合せ框7は、本発明の「第1召合せ框」に相当している。以下では、第1建具11Aの召合せ框7を「第2召合せ框7A」とし、第2建具11Bの召合せ框7を「第1召合せ框7B」とする。
【0017】
第1建具11Aの内障子1の框3について説明する。
図3に示すように、上框5、下框6、第2召合せ框7Aおよび戸先框8は、合成樹脂製で、内部に長さ全体にわたって中空部5c,6c,7c,8cが形成されている。中空部5c,6c,7c,8cには、金属製の框芯材31が挿入配置される。上框5、下框6、第2召合せ框7Aおよび戸先框8は、それぞれの幅寸法(長さ方向に直交する見付方向の寸法)がほぼ同じ長さに形成されている。上框5、下框6、および戸先框8は、同一の断面形状に形成されている。第2召合せ框7Aは、上框5、下框6、および戸先框8とは異なる断面形状に形成されている。
【0018】
上框5、下框6、第2召合せ框7Aおよび戸先框8は、それぞれの長さ方向の両端面がそれぞれ斜め45°に切断されている。
図3-
図5に示すように、第2召合せ框7Aは、上框5および下框6と互いの端面を突き合わせて90°を成すように溶着されている。
図3に示すように、戸先框8は、上框5および下框6と互いの端面を突き合わせて90°を成すように溶着されている。
框芯材31は、上框5、下框6、第2召合せ框7Aおよび戸先框8よりも若干短く形成されている。框芯材31は、上框5、下框6、第2召合せ框7Aおよび戸先框8の長さ方向の両端部それぞれから長さ方向の外側に突出しないように配置されている。
【0019】
戸先框8は、上框5および下框6と同一断面で、上框5および下框6の断面形状におけるそれぞれ対応する部分を溶着して接合されている。戸先框8、戸先框8と上框5との接合、および戸先框8と下框6との接合については説明を省略する。
【0020】
図6に示すように、上框5は、室外側に設けられる上框第1室外側板部51と、上框第1室外側板部51の上側部分の室内側に間隔をあけて設けられる上框第2室外側板部52と、上框第1室外側板部51の上端部と上框第2室外側板部52の上端部を連結する上框室外外板部(上框外壁部)53と、上框第1室外側板部51の下側部分の室内側に間隔をあけて設けられる上框第3室外側板部54と、上框第1室外側板部51の下端部と上框第3室外側板部54の下端部とを連結する上框室外内板部55と、室内側に設けられる上框第1室内側板部56と、上框第1室内側板部56の上側部分の室外側に設けられる上框第2室内側板部57と、上框第1室内側板部56の上端部と上框第2室内側板部57の上端部とを連結する上框室内外板部(上框外壁部)58と、上框第1室外側板部51、上框第2室外側板部52、上框第2室内側板部57および上框第1室内側板部56を連結する上框外板部59と、上框第3室外側板部54と上框第1室内側板部56とを連結する上框内板部60と、を有している。
【0021】
上框第1室外側板部51は、平板状に形成され、板面が室内外方向を向く鉛直面となる姿勢で配置されている。
上框第2室外側板部52は、平板状に形成され、板面が室内外方向を向く鉛直面となる姿勢で配置されている。上框第2室外側板部52は、上框第1室外側板部51よりも上下方向の寸法が小さく形成されていて、上端部が上框第1室外側板部51の上端部と同じ高さに配置され、下端部が上框第1室外側板部51の下端部よりも上方に配置されている。
上框室外外板部53は、上框第1室外側板部51の上端部から室内側に延びて、上框第2室外側板部52の上端部に達するとともに上框第2室外側板部52よりも室内側に突出し、突出した先端部が下側に屈曲している。上框室外外板部53における上框第2室外側板部52よりも室内側に突出した部分を上框第1突出片531とする。
上框第2室外側板部52の上端部よりもやや下側には、上框第2室外側板部52から室内側に突出し、突出した先端部が上側に屈曲した上框第2突出片521が突設されている。上框第1突出片531と上框第2突出片521とは、上框第2室外側板部52からの突出寸法が同一となるように形成されている。上框第1突出片531と上框第2突出片521との間にはモヘア材(不図示)が設けられるように構成されている。
【0022】
上框第3室外側板部54は、平板状に形成され、板面が室内外方向を向く鉛直面となる姿勢で配置されている。上框第3室外側板部54は、上框第1室外側板部51よりも上下方向の寸法が小さく形成されていて、下端部が上框第1室外側板部51の下端部と同じ高さに配置され、上端部が上框第1室外側板部51の上端部よりも下方に配置されている。上框第3室外側板部54の上端部は、上框第2室外側板部52の下端部よりも間隔をあけた下方に配置されている。
上框室外内板部55は、上框第1室外側板部51の下端部から室内側に延びて、上框第3室外側板部54の下端部に達している。
【0023】
上框第1室内側板部56は、平板状に形成され、板面が室内外方向を向く鉛直面となる姿勢で配置されている。上框第1室内側板部56は、上框第1室外側板部51よりも上下方向の寸法が小さく形成されていて、上端部が上框第1室外側板部51の上端部と同じ高さで、下端部が上框第1室外側板部51の下端部よりも上方で、上框第3室外側板部54の上端部と同じ高さに配置されている。
【0024】
上框第2室内側板部57は、平板状に形成され、板面が室内外方向を向く鉛直面となる姿勢で配置されている。上框第2室内側板部57は、上框第1室内側板部56よりも上下方向の寸法が小さく形成されていて、上端部が上框第1室内側板部56の上端部と同じ高さに配置され、下端部が上框第1室内側板部56の下端部よりも上方で、上框第2室外側板部52の下端部と同じ高さに配置されている。
【0025】
上框室内外板部58は、上框第1室内側板部56の上端部から室外側に延びて、上框第2室内側板部57の上端部に達するとともに上框第2室内側板部57よりも室外側に突出し、突出した先端部が下側に屈曲している。上框室内外板部58における上框第2室内側板部57よりも室外側に突出した部分を上框第3突出片581とする。
【0026】
上框第2室内側板部57の上端部よりもやや下側には、上框第2室内側板部57から室外側に突出し、突出した先端部が上側に屈曲した上框第4突出片571が突設されている。上框第3突出片581と上框第4突出片571とは、上框第2室内側板部57からの突出寸法が同一となるように形成されている。上框第3突出片581と上框第4突出片571との間にはモヘア材(不図示)が設けられるように構成されている。
【0027】
上框第2室内側板部57は、上框第2室外側板部52の室内側に上框第2室外側板部52と離間して配置されている。上框第3突出片581および上框第4突出片571は、上框第1突出片531および上框第2突出片521の室内側に上框第1突出片531および上框第2突出片521と離間して配置されている配置されている。上框第3突出片581は上框第1突出片531と対向し、上框第4突出片571は上框第2突出片521と対向している。
【0028】
上框外板部59は、平板状に形成され板面が水平面となる姿勢で配置されている。上框外板部59は、上框第2室外側板部52の下端部および上框第2室内側板部57の下端部の高さにおいて上框第1室外側板部51と上框第2室内側板部57とを連結し、上框第2室外側板部52の下端部および上框第2室内側板部57の下端部が連結されている。
【0029】
上框5には、上框第2室外側板部52、上框外板部59および上框第2室内側板部57に囲まれて上方に開口する上框第1凹部5aが形成されている。上框第1凹部5aには、上枠121のレール(不図示)が配置される。上枠121のレールは、上框第1凹部5aに配置されると、上框第1突出片531および上框第2突出片521の間に設けられたモヘア材と、上框第3突出片581および上框第4突出片571との間に設けられたモヘア材とに挟まれている。
【0030】
上框内板部60は、上框第3室外側板部54の上端部と上框第1室外側板部51の下端部よりもやや上側とを連結している。上框内板部60は、上框第3室外側板部54の上端部から室内側に延びる上框第1板部601と、上框第1板部601の室内側の端部から上方に延びる上框第2板部602と、上框第2板部602の上端部から室外側に延びて上框第1室外側板部51と連結される上框第3板部603と、を有している。上框第1板部601の室内側の端部は、上框第1室内側板部56の室内側に配置され、上框第1室内側板部56と離間している。上框第1板部601の室内側の端部と、上框第1室内側板部56の下端部は同じ高さに配置されている。上框第1板部601の下側には、内障子1のガラス4(
図3参照)が配置される。
【0031】
上框5には、上框第2板部602、上框第3板部603および上框第1室外側板部51の下端部分に囲まれて下方に開口する上框第2凹部5bが形成されている。この上框第2凹部5bにはガラス4を抑える押し縁(不図示)が下側から差し込まれて嵌合するように構成されている。押し縁は、上框第1板部601よりも下側に突出している。上框第3室外側板部54、上框第1板部601および押し縁に囲まれた溝部(ガラス溝)には、ガラス4の上縁部が差し込まれて嵌合する。
上框5には、上框第1室外側板部51の上框外板部59よりも下側部分、上框外板部59、上框第1室内側板部56の上框外板部59よりも下側部分、上框内板部60、上框第3室外側板部54、上框室外内板部55に囲まれた上框中空部5cが形成されている。上框中空部5cには、框芯材31が挿入される。上框中空部5cを形成する上框第1室外側板部51の上框外板部59よりも下側部分、上框外板部59、上框第1室内側板部56の上框外板部59よりも下側部分、上框内板部60、上框第3室外側板部54、上框室外内板部55と上框中空部形成壁部(壁部)5dとする。
【0032】
図7に示すように、下框6は、上框5と上下を反転させた形状に形成されている。下框6における、上框5の「上框第1室外側板部51」、「上框第2室外側板部52」、「上框室外外板部53」、「上框第3室外側板部54」、「上框室外内板部55」、「上框第1室内側板部56」、「上框第2室内側板部57」、「上框室内外板部58」、「上框外板部59」、「上框内板部60」に対応する部分を、「下框第1室外側板部61」、「下框第2室外側板部62」、「下框室外外板部(下框外壁部)63」、「下框第3室外側板部64」、「下框室外内板部65」、「下框第1室内側板部66」、「下框第2室内側板部67」、「下框室内外板部(下框外壁部)68」、「下框外板部69」、「下框内板部70」とする。
【0033】
また、下框6には、上框5と同様に、下框第1室外側板部61、下框外板部69、下框第1室内側板部66、下框内板部70、下框第3室外側板部64、下框室外内板部65に囲まれた下框中空部6cが形成されている。下框中空部6cには、框芯材31が挿入される。下框中空部6cを形成する下框第1室外側板部61、下框外板部69、下框第1室内側板部66、下框内板部70、下框第3室外側板部64、下框室外内板部65を下框中空部形成壁部(壁部)6dとする。
【0034】
図8および
図9に示すように、第2召合せ框7Aは、室外側に設けられる召合せ框第1室外側板部71と、召合せ框第1室外側板部71の右側部分の室内側に間隔をあけて設けられる召合せ框第2室外側板部72と、召合せ框第1室外側板部71の右側の端部と召合せ框第2室外側板部72の右側の端部を連結する召合せ框室外内板部73と、室内側に設けられる召合せ框室内側板部74と、召合せ框第1室外側板部71と召合せ框室内側板部74とを連結する召合せ框外板部(召合せ框外壁部)75と、召合せ框第2室外側板部72と召合せ框室内側板部74とを連結する召合せ框内板部76と、を有している。
【0035】
召合せ框第1室外側板部71は、平板状に形成され、板面が室内外方向を向く鉛直面となる姿勢で配置されている。召合せ框第1室外側板部71の室外側には、煙返し711が取り付けられている。召合せ框第1室外側板部71は、上框第1室外側板部51および下框第1室外側板部61と同じ断面形状に形成されている。
【0036】
召合せ框第2室外側板部72は、平板状に形成され、板面が室内外方向を向く鉛直面となる姿勢で配置されている。召合せ框第2室外側板部72は、召合せ框第1室外側板部71よりも左右方向の寸法が小さく形成されていて、右側の端部が召合せ框第1室外側板部71の右側の端部と室内外方向に重なり、左側の端部が召合せ框第1室外側板部71の左方側の端部よりも右側に配置されている。召合せ框第2室外側板部72は、上框第3室外側板部54および下框第3室外側板部64と同じ断面形状に形成されている。
【0037】
召合せ框室外内板部73は、召合せ框第1室外側板部71の右側の端部から室内側に延びて、召合せ框第2室外側板部72の右側の端部に達している。召合せ框室外内板部73は、上框室外内板部55および下框室外内板部65と同じ断面形状に形成されている。
【0038】
召合せ框室内側板部74は、平板状に形成され、板面が室内外方向を向く鉛直面となる姿勢で配置されている。召合せ框室内側板部74は、召合せ框第1室外側板部71よりも左右方向の寸法が小さく形成されていて、左側の端部が第1室外側板部の左側の端部と室内外方向に重なりで、右側の端部が召合せ框第1室外側板部71の右側の端部よりも左側で、召合せ框第2室外側板部72の左側の端部と室内外方向に重なる位置に配置されている。召合せ框室内側板部74は、上框第1室内側板部56および下框第1室内側板部66と同じ断面形状に形成されている。
【0039】
召合せ框外板部75は、平板状に形成され板面が水平面となる姿勢で配置されている。召合せ框外板部75は、召合せ框第1室外側板部71の左側の端部と召合せ框室内側板部74の左側の端部とを連結している。
図4、
図8および
図9に示すように、召合せ框外板部75の上端部分には、室内外方向の中間部に位置し、上側に開口する第1切欠き部751が形成されている。
図5、
図10および
図11に示すように、召合せ框外板部75の下端部分には、室内外方向の中間部に位置し、下側に開口する第2切欠き部752が形成されている。
【0040】
図8および
図9に示すように、召合せ框内板部76は、召合せ框第2室外側板部72の左側の端部と召合せ框室内側板部74における右側の端部よりもやや左側の位置と、を連結している。召合せ框内板部76は、召合せ框第2室外側板部72の右側の端部から室内側に延びる召合せ框第1板部(召合せ框内壁部)761と、召合せ框第1板部761の室内側の端部から左側に延びる召合せ框第2板部762と、召合せ框第2板部762の左側の端部から室内側に延びて召合せ框第1室外側板部71と連結される召合せ框第3板部763と、を有している。召合せ框第1板部761の室内側の端部は、召合せ框室内側板部74よりも間隔をあけた室外側に配置されている。召合せ框第1板部761の右側には、内障子1のガラス4(
図3参照)が配置される。召合せ框内板部76は、上框内板部60および下框内板部70と同じ断面形状に形成されている。
【0041】
第2召合せ框7Aには、召合せ框第2板部762、召合せ框第3板部763および召合せ框第1室外側板部71の右側の端部分に囲まれて右側に開口する召合せ框凹部7aが形成されている。この召合せ框凹部7aにはガラス4を抑える押し縁(不図示)が右側から差し込まれ嵌合するように構成されている。押し縁は、召合せ框第1板部761よりも右側に突出している。召合せ框第2室外側板部72、召合せ框第1板部761および押し縁に囲まれた溝部(ガラス溝)には、ガラス4の左側の縁部が差し込まれて嵌合する。召合せ框第1板部761の右側の面は、溝部の底面となっている。
第2召合せ框7Aには、召合せ框第2板部762の左側の端部(召合せ框第2板部762と召合せ框第3板部763との角部)から召合せ框第1室外側板部71まで室外側に延びる第1中板部771と、第1中板部771から召合せ框第1板部761まで右側に延びる2つの第2中板部772と、を有している。
【0042】
第2召合せ框7Aには、召合せ框第1室外側板部71、召合せ框外板部75、召合せ框室内側板部74、召合せ框内板部76の召合せ框第3板部763、第1中板部771に囲まれた召合せ框中空部7cが形成されている。召合せ框中空部7cには、框芯材31が挿入配置される。召合せ框中空部7cを形成する召合せ框第1室外側板部71、召合せ框外板部75、召合せ框室内側板部74、召合せ框内板部76の召合せ框第3板部763、第1中板部771に囲まれた召合せ框中空部7cを召合せ框中空部形成壁部(壁部)7dとする。
【0043】
上框5と第2召合せ框7Aとは、上框5の左側の端面と第2召合せ框7Aの上端面とを突き合わせて溶着されている。上框5と第2召合せ框7Aとは、それぞれの断面形状における外周部に配置される板部同士が溶着されている。
具体的には、上框第1室外側板部51の左側の端面と召合せ框第1室外側板部71の上端面とが溶着され、上框第3室外側板部54の左側の端面と召合せ框第2室外側板部72の上端面とが溶着され、上框室外内板部55の左側の端面と召合せ框室外内板部73の上端面とが溶着され、上框第1室内側板部56の左側の端面と召合せ框室内側板部74の上端面とが溶接され、上框内板部60の左側の端面と召合せ框内板部76の上端面とが溶着されている。
図4に示すように、上框室外外板部53の左側の端面は、召合せ框外板部75における第1切欠き部751よりも室外側の部分の上端面753と溶着され、上框室内外板部58の左側の端面は、召合せ框外板部75における第1切欠き部751よりも室内側の部分の上端面754と溶着されている。
上框5の断面形状における外周部よりも内側に配置されている上框第2室外側板部52、上框第2室内側板部57および上框外板部59は、第2召合せ框7Aと溶着されていない。
【0044】
下框6と第2召合せ框7Aとは、下框6の左側の端面と第2召合せ框7Aの下端面とを突き合わせて溶着されている。下框6と第2召合せ框7Aとは、それぞれの断面形状における外周部に配置される板部同士が溶着されている。
具体的には、下框第1室外側板部61の左側の端面と召合せ框第1室外側板部71の下端面とが溶着され、下框第3室外側板部64の左側の端面と召合せ框第2室外側板部72の下端面とが溶着され、下框室外内板部65の左側の端面と召合せ框室外内板部73の下端面とが溶着され、下框第1室内側板部66左側の端面と召合せ框室内側板部74の下端面とが溶接され、下框内板部70の左側の端面と召合せ框内板部76の下端面とが溶着されている。
図5に示すように、下框室外外板部63の左側の端面は、召合せ框外板部75における第2切欠き部752よりも室外側の部分の下端面755と溶着され、下框室内外板部68の左側の端面は、召合せ框外板部75における第2切欠き部752よりも室内側の部分の下端面756と溶着されている。
下框6の断面形状における外周部よりも内側に配置されている下框第2室外側板部62、下框第2室内側板部67および下框外板部69は、第2召合せ框7Aと溶着されていない。
【0045】
続いて、第2建具11Bの内障子1について説明する。
図12に示すように第2建具11Bの内障子1は、第1建具11Aの内障子1と同様に、上框5、下框6、第1召合せ框7Bおよび戸先框8が、合成樹脂製で、内部に長さ全体にわたって中空部5c,6c,7c,8cが形成されている。中空部5c,6c,7c,8cには、金属製の框芯材31が挿入配置されている。
第2建具11Bの内障子1においても、上框5、下框6、および戸先框8は、それぞれ同一断面形状に形成され、第1建具11Aの上框5、下框6、および戸先框8と同一の断面形状に形成されている。第1召合せ框7Bは、第1建具11Aの内障子1の第2召合せ框7Aと異なる断面形状であるとともに、上框5、下框6、および戸先框8とも異なる断面形状に形成されている。
【0046】
上框5、下框6および戸先框8は、それぞれの幅寸法(長さ方向に直交する見付方向の寸法)がほぼ同じ長さに形成されている。第1召合せ框7Bは、上框5、下框6、および戸先框8よりも幅寸法が短く形成されている。
上框5、下框6、第1召合せ框7Bおよび戸先框8は、長さ方向の両端部がそれぞれ斜め45°に切断されている。
【0047】
上述したように、第1召合せ框7Bが上框5および下框6よりも幅寸法が短く形成されているため、
図12、
図13および
図14に示すように、上框5における第1召合せ框7Bと接合される左側の端面は、上下方向の全体ではなく、下部側5e(ガラス4が配置される側)のみが斜め45°に切断されている。
図13および
図14に示すように、上框外板部59の左側の端部分には、室内外方向の中間部に位置し、左側に開口する第3切欠き部591が形成されている。
図12、
図15および
図16に示すように、下框6における第1召合せ框7Bと接合される側の左側の端面は、上下方向の全体ではなく、上部側6e(ガラス4が配置される側)のみが斜め45°に切断されている。
図15および
図16に示すように、下框外板部69の左側の端部分には、室内外方向の中間部に位置し、左側に開口する第4切欠き部691が形成されている。
【0048】
図12、
図13および
図15に示すように、第1召合せ框7Bは、上框5および下框6と互いの斜めに切断されている端面を突き合わせて90°を成すように溶着されている。
図12に示すように、戸先框8は、上框5および下框6と互いの斜めに切断されている端面を突き合わせて90°を成すように溶着されている。
上框5、下框6、戸先框8、戸先框8と上框5との接合、および戸先框8と下框6との接合については説明を省略し、第1召合せ框7Bと上框5との接合、および第1召合せ框7Bと下框6との接合について説明する。
【0049】
図17-
図20に示すように、第1召合せ框7Bは、室外側に設けられる召合せ框第1室外側板部71と、召合せ框第1室外側板部71の右側部分の室内側に間隔をあけて設けられる召合せ框第2室外側板部72と、召合せ框第1室外側板部71の右側の端面と召合せ框第2室外側板部72の右側を連結する召合せ框室外内板部73と、室内側に設けられる召合せ框室内側板部74と、召合せ框第1室外側板部71と召合せ框室内側板部74を連結する召合せ框外板部75と、召合せ框第2室外側板部72と召合せ框室内側板部74とを連結する召合せ框内板部76と、を有している。
【0050】
召合せ框第1室外側板部71は、平板状に形成され、板面が室内外方向を向く鉛直面となる姿勢で配置されている。召合せ框第1室外側板部71の室外側には、煙返し711が取り付けられている。召合せ框第1室外側板部71は、上框第2室内側板部57および下框6第2室内側板部の第1室外側板部よりも左右方向の寸法が短く形成されている。
【0051】
召合せ框第2室外側板部72は、平板状に形成され、板面が室内外方向を向く鉛直面となる姿勢で配置されている。召合せ框第2室外側板部72は、召合せ框第1室外側板部71よりも左右方向の寸法が小さく形成されていて、右側の端部が召合せ框第1室外側板部71の右側の端部と室内外方向に重なりで、左側の端部が召合せ框第1室外側板部71の左側の端部よりも右側に配置されている。召合せ框第2室外側板部72は、上框第3室外側板部54および下框第3室外側板部64と同じ断面形状に形成されている。
【0052】
召合せ框室外内板部73は、召合せ框第1室外側板部71の右側の端部から室内側に延びて、召合せ框第2室外側板部72の右側の端部に達している。召合せ框室外内板部73は、上框室外内板部55および下框室外内板部65と同じ断面形状に形成されている。
【0053】
召合せ框室内側板部74は、平板状に形成され、板面が室内外方向を向く鉛直面となる姿勢で配置されている。召合せ框室内側板部74は、召合せ框第1室外側板部71よりも左右方向の寸法が小さく形成されていて、左側の端部が召合せ框第1室外側板部71の左側の端部と室内外方向に重なりで、右側の端部が召合せ框第1室外側板部71の右側の端部よりも左側で、召合せ框第2室外側板部72の左側の端部と室内外方向に重なる位置に配置されている。召合せ框室内側板部74は、上框第2室内側板部57および下框6第2室内側板部よりも左右方向の寸法が短く形成されている。
【0054】
召合せ框外板部75は、平板状に形成され板面が左右方向を向く姿勢で配置されている。召合せ框第1室外側板部71の左側の端部と召合せ框室内側板部74の左側の端部とを連結している。
図17および
図18に示すように、召合せ框外板部75の上端部分には、室内外方向の中間部に位置し、上側に開口する第1切欠き部751が形成されている。
図19および
図20に示すように、召合せ框外板部75の下端部分には、室内外方向の中間部に位置し、下側に開口する第2切欠き部752が形成されている。
【0055】
召合せ框内板部76は、召合せ框第2室外側板部72の左側の端部と、召合せ框第1室外側板部71における右側の端部よりもやや左側の位置と、を連結している。召合せ框内板部76は、召合せ框第2室外側板部72の右側の端部から室内側に延びる召合せ框第1板部761と、召合せ框第1板部761の室内側の端部から左側に延びる召合せ框第2板部762と、召合せ框第2板部762の左側の端部から室外側に延びて召合せ框室内側板部74と連結される召合せ框第3板部763と、を有している。召合せ框第1板部761の室内側の端部は、召合せ框室内側板部74よりも間隔をあけた室外側に配置されている。召合せ框第1板部761の右側には、内障子1のガラス4が配置される。召合せ框内板部76は、上框内板部60および下框内板部70と同じ断面形状に形成されている。
【0056】
第1召合せ框7Bには、召合せ框第2板部762、召合せ框第3板部763および召合せ框第1室外側板部71の右側の端部分に囲まれて右側に開口する召合せ框凹部7aが形成されている。この召合せ框凹部7aにはガラス4を抑える押し縁(不図示)が右側から差し込まれ嵌合するように構成されている。押し縁は、召合せ框第1板部761よりも右側に突出している。召合せ框第2室外側板部72、召合せ框第1板部761および押し縁に囲まれた溝部(ガラス溝)には、ガラス4の左側の縁部が差し込まれて嵌合する。召合せ框第1板部761の右側の面は、溝部の底面となっている。
【0057】
第1召合せ框7Bには、召合せ框第1室外側板部71、召合せ框外板部75、召合せ框室内側板部74、召合せ框内板部76、召合せ框第2室外側板部72、召合せ框室外内板部73に囲まれた召合せ框中空部7cが形成されている。召合せ框中空部7cには、框芯材31が挿入される。召合せ框中空部7cを形成する召合せ框第1室外側板部71、召合せ框外板部75、召合せ框室内側板部74、召合せ框内板部76、召合せ框第2室外側板部72、召合せ框室外内板部73を召合せ框中空部形成壁部(壁部)7dとする。
【0058】
上框5と第1召合せ框7Bとは、上框5の左側の端面と第1召合せ框7Bの上端面とを突き合わせるようにして溶着されている。
図21には、上框5の左側の端面と第1召合せ框7Bの上端面と溶着される際に重なる様子を示している。第1召合せ框7Bの上端面は、ハッチングで示している。
具体的には、上框第1室外側板部51と召合せ框第1室外側板部71とが溶着され、上框第1室内側板部56と召合せ框室内側板部74とが溶着され、上框第3室外側板部54と召合せ框第2室外側板部72とが溶着され、上框室外内板部55と召合せ框室外内板部73とが溶着され、上框内板部60と召合せ框内板部76とが溶着される。
【0059】
上框第1室外側板部51と召合せ框第1室外側板部71とは、上框第1室外側板部51の下端部と召合せ框第1室外側板部71の右側の端部とを揃え、召合せ框第1室外側板部71の左側の端部が上框第1室外側板部51の上端部よりも右側に配置されている。
上框第1室内側板部56と召合せ框室内側板部74とは、上框第1室内側板部56の下端部と召合せ框室内側板部74の右側の端部とを揃え、召合せ框室内側板部74の左側の端部が上框第1室内側板部56の上端部よりも右側に配置されている。
召合せ框外板部75の第1切欠き部751は、上框第1凹部5aと重なって配置されている。上框外板部59の第3切欠き部591は、召合せ框中空部7cと重なって配置されている。
【0060】
上框5と第1召合せ框7Bとは、下框6の左側の端面と第1召合せ框7Bの下端面とを突き合わせるようにして溶着されている。
図22には、下框6の左側の端面と第1召合せ框7Bの下端面と溶着される際に重なる様子を示している。第1召合せ框7Bの下端面は、ハッチングで示している。
具体的には、下框第1室外側板部61と召合せ框第1室外側板部71とが溶着され、下框第1室内側板部66と召合せ框室内側板部74とが溶着され、下框第3室外側板部64と召合せ框第2室外側板部72とが溶着され、下框室外内板部65と召合せ框室外内板部73とが溶着され、下框内板部70と召合せ框内板部76とが溶着される。
【0061】
下框第1室外側板部61と召合せ框第1室外側板部71とは、下框第1室外側板部61の上端部と召合せ框第1室外側板部71の右側の端部とを揃え、召合せ框第1室外側板部71の左側の端部が下框第1室外側板部61の下端部よりも右側に配置されている。
下框第1室内側板部66と召合せ框室内側板部74とは、下框第1室内側板部66の上端部と召合せ框室内側板部74の右側の端部とを揃え、召合せ框室内側板部74の左側の端部が下框第1室内側板部66の下端部よりも右側に配置されている。
召合せ框外板部75の第2切欠き部752は、下框第1凹部6aと重なって配置されている。下框外板部69の第4切欠き部691は、召合せ框中空部7cと重なって配置されている。
【0062】
次に、上述した本実施形態による障子の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態による障子では、上框5および下框6には、断面形状が異なる第2召合せ框7Aおよび第1召合せ框7Bがそれぞれ接合可能で、断面形状が異なる第2召合せ框7Aおよび第1召合せ框7Bのうちの1つが接合されるように構成されている。これにより、断面形状が異なる召合せ框7であっても、共通する上框5および下框6に接合することができる。また、断面形状が異なる第2召合せ框7Aおよび第1召合せ框7Bは、それぞれ上框5および下框6に対して異なる所定の位置で溶着されることにより、いずれの召合せ框7であっても上框5および下框6に対して確実に溶着することができる。
一般的に召合せ框7は、上框5、下框6および戸先框8と比べて大きな負荷がかかる。異なるサイズの障子では、召合せ框7に挿入される芯材の断面形状が異なり、召合せ框7の断面形状も異なることになる。
本実施形態では上述したように異なる断面形状の召合せ框7であっても、共通する上框5および下框6に接合することができるため、障子のサイズの異なる場合でも、断面形状が共通する上框5および下框6を用いて障子を製造することができる。
【0063】
また、第1召合せ框7Bは、その断面の外形が上框5および下框6の断面の外形よりも小さい形状に形成されている。第1召合せ框7B、上框5および下框6には、それぞれ長さ方向に貫通し壁部5d,6d,7dに囲まれた中空部5c,6c,7cが形成され、第1召合せ框7Bと、上框5および下框6とは、それぞれの中空部5c,6c,7cを突き合わせて壁部5d,6d,7dが溶着されている。
このような構成とすることにより、第1召合せ框7Bの断面の外形と上框5および下框6の断面の外形とが異なる場合でも、中空部5c,6c,7cを囲む壁部5d,6d,7d同士を突き合わせて溶着することができる。
【0064】
また、第1召合せ框7Bの召合せ框外板部75は、上框5の上端部に配置された上框外板部59よりも下側に位置し、上框5の上下方向の中間部に設けられた上框内板部60と溶着されるとともに、下框6の下端部に設けられた下框外板部69よりも上側に位置し、下框6の上下方向の中間部に設けられた下框内板部70と溶着されている。
このような構成とすることにより、断面の外形が上框5および下框6の断面の外形より小さい第1召合せ框7Bであっても、上框5および下框6と溶着することができる。
【0065】
また、第2召合せ框7Aは、その断面の外形が上框5および下框6の断面の外形と同じ形状に形成され、第2召合せ框7Aと、上框5および下框6とは、それぞれの端面の外周部を突き合わせて溶着されている。
このような構成とすることにより、第2召合せ框7Aと、上框5および下框6とを確実に溶着することができる。
【0066】
また、第2召合せ框7Aと、上框5および下框6とは、それぞれの端面の外周部以外において、互いに溶着されていない部分を有する構成である。
このように、第2召合せ框7Aと、上框5および下框6とが、それぞれの端面の外周部以外において溶着されていない部分があっても障子1,2の品質に影響がない構成とすることにより、第2召合せ框7Aの断面形状が上框5および下框6との断面形状が異なり、外周部以外において溶着されていない部分がある場合でも障子1,2を所望の品質に維持することができる。その結果、断面形状の外形が上框5および下框6の断面の外形と同じであるが断面形状における内側の部分の形状が異なる複数の第2召合せ框7Aがある場合でも、これらの複数の第2召合せ框7Aそれぞれを共通する上框および下框に接合することができる。
【0067】
以上、本発明による障子の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、第2召合せ框7Aおよび第1召合せ框7Bの2つの召合せ框7が、共通する上框5および下框6に溶着可能で、選択された1つの召合せ框7が共通する上框5および下框6にされるように構成されているが、断面形状の異なる3以上の召合せ框7が共通する上框5および下框6に溶着可能で、選択された1つの召合せ框7が共通する上框5および下框6にされるように構成されていてもよい。
また、第2召合せ框7Aおよび第1召合せ框7Bの形状および上框5および下框6と溶着される部分は、適宜設定されてよい。
【符号の説明】
【0068】
1 内障子(障子)
2 外障子(障子)
3 框
4 ガラス(面材)
5 上框
5c 上框中空部(中空部)
5d 上框中空部形成壁部(壁部)
6 下框
6c 下框中空部(中空部)
6d 下框中空部形成壁部(壁部)
7 召合せ框
7A 第2召合せ框
7B 第1召合せ框
7c 召合せ框中空部(中空部)
7d 召合せ框中空部形成壁部(壁部)
8 戸先框
53 上框室外外板部(上框外壁部)
58 上框室内外板部(上框外壁部)
63 下框室外外板部(下框外壁部)
68 下框室内外板部(下框外壁部)
75 召合せ框外板部(召合せ框外壁部)
761 召合せ框第1板部(召合せ框内壁部)