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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】仮設住宅用床パネル
(51)【国際特許分類】
   E04B 5/02 20060101AFI20221130BHJP
   E04F 15/10 20060101ALI20221130BHJP
   E04F 15/02 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
E04B5/02 D
E04F15/10 104B
E04F15/02 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018215713
(22)【出願日】2018-11-16
(65)【公開番号】P2020084433
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】598175676
【氏名又は名称】東海ハウス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000250580
【氏名又は名称】立花容器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】弁理士法人森特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100114535
【弁理士】
【氏名又は名称】森 寿夫
(74)【代理人】
【識別番号】100075960
【弁理士】
【氏名又は名称】森 廣三郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155103
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 厚
(74)【代理人】
【識別番号】100194755
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀明
(72)【発明者】
【氏名】眞榮田 武
(72)【発明者】
【氏名】小林 勝祐
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0100781(US,A1)
【文献】特開平07-224518(JP,A)
【文献】特開2000-120214(JP,A)
【文献】特開平08-100483(JP,A)
【文献】特開2013-019182(JP,A)
【文献】特開平10-331317(JP,A)
【文献】特開平09-182926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 5/02
E04F 15/02,15/10
E04B 1/343,1/348
E04C 2/00 - 2/54
E04H 1/02,1/06,1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強部と、切断部とを備えた床パネルであり、
床パネルは、平面視において、長方形であり、
補強部は、長方形の四辺に対して斜めに傾斜した第1補強リブと、第1補強リブに交差する方向に延びており長方形の四辺に対して斜めに傾斜した第2補強リブとからなる複数の格子部を有しており、
切断部は、前記第1補強リブ及び前記第2補強リブが設けられておらず、
仮設住宅用床パネルの縁部分には、切り欠きから構成される持ち手が配されており、仮設住宅用床パネルの縁部分の内側には、前記第1補強リブ及び前記第2補強リブが設けられていない仮設住宅用床パネル。
【請求項2】
切断部は、短手方向に沿って配される請求項1に記載の仮設住宅用床パネル。
【請求項3】
仮設住宅用床パネルは、畳一畳分の寸法であり、
切断部は、畳一畳分を半畳畳に切断することが可能な位置に設けられる請求項1又は2に記載の仮設住宅用床パネル。
【請求項4】
仮設住宅用床パネルは、熱可塑性樹脂と、木チップとを含有する素材で構成される請求項1ないしのいずれかに記載の仮設住宅用床パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に仮設住宅の床に敷設して使用される床パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
災害時や工事現場の休憩所などとして仮設住宅が利用されている。仮設住宅を建設する際には、土中に複数の杭などの支持材を設置し、その支持材の上に複数の梁を設置し、その梁の上に複数の床パネルを設置して、床面を構成する。
【0003】
床パネルは、木材で構成されることが多いが、例えば、特許文献1のように、合成樹脂材料で構成したものが知られている。特許文献1の床パネルは、補強リブ14を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-224518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように複数の補強リブを備える床パネルを合成樹脂で構成する場合においては、床パネルを製造する際に成形不良が発生することがあった。床パネルを合成樹脂を用いて成形する際には、金型を用いて、所望の形状を有する床パネルを成形することになるが、複数の補強リブを有する形状を金型で成形しようとした場合は、合成樹脂が床パネルの隅々まで行き渡りにくく、床パネルの成形に問題が生じることがあった。
【0006】
一方で、仮設住宅を建設する際には、間取りに応じて、床パネルを切断して使用することがある。このため、建設現場で切断しやすい床パネルが望ましい。
【0007】
本発明は、成形しやすく、現場で切断しやすい形状を有する床パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
補強部と、切断部とを備えた床パネルであり、床パネルは、平面視において、長方形であり、補強部は、長方形の四辺に対して斜めに傾斜した第1補強リブと、第1補強リブに交差する方向に延びており長方形の四辺に対して斜めに傾斜した第2補強リブとからなる複数の格子部を有しており、切断部は、前記第1補強リブ及び前記第2補強リブが設けられていない仮設住宅用床パネル(本明細書では、単に床パネルと称することがある。)により、上記の課題を解決する。この床パネルでは、補強部は、長方形の四辺に対して斜めに傾斜した第1補強リブと、第1補強リブに交差する方向に延びており長方形の四辺に対して斜めに傾斜した第2補強リブとからなる複数の格子部を有しているため、床パネルを成形する際に、合成樹脂が床パネルの角部へ流れやすく、成形不良が発生しにくい形状となっている。また、第1補強リブ及び第2補強リブが設けられていない切断部が設けられているため、建設現場において、床パネルを切断しやすい形状となっている。
【0009】
上記の床パネルにおいて、切断部は、床パネルの短手方向に沿って配される形状とすることが好ましい。これによって、床パネルの長手方向の長さを調節して、間取りに合うにように寸法を調節することが可能となる。
【0010】
仮設住宅用床パネルは、畳一畳分の寸法であり、切断部は、畳一畳分を半畳畳に切断することが可能な位置に設けられる形状とすることが好ましい。日本の住宅は、畳の寸法が基本寸法とされている。切断部の位置を上記のようにすることで、床パネルを畳一畳分と、半畳の畳の寸法とで、使い分けられるようにすることができる。
【0011】
仮設住宅用床パネルの縁部分には、切り欠きから構成される持ち手が配されており、床パネルの縁部分の内側には、第1補強リブ及び第2補強リブが設けられていない形状とすることが好ましい。持ち手を設けることによって、例えば、集積場所や貨物車両の荷台に積み上げられた、床パネルを運搬する際に、手を持ち手部分に差し入れて持つことによって、床パネルを円滑に運搬することが可能になる。床パネルの縁部分の内側に第1補強リブ及び第2補強リブを設けない形状とすることによって、第1補強リブ又は第2補強リブが、手を持ち手に差し入れる際に邪魔になることを防止することができる。
【0012】
仮設住宅用床パネルは、熱可塑性樹脂と、木チップとを含有する素材で構成することが好ましい。木チップが軽量な補強材として機能するため、軽量で強度のある床パネルとすることができる。木チップを配合すると、床パネルを成形する際に熱可塑性樹脂の流動性が低下して成形性が損なわれることがある。上記の床パネルは、成形性を向上させるように形状を工夫しているので、木チップと熱可塑性樹脂とを含有する素材との相性がよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、成形しやすく、現場で切断しやすい形状を有する床パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】仮設住宅用床パネルの一実施形態を示す底面図である。
図2図1の仮設住宅用床パネルの平面図である。
図3図1の仮設住宅用床パネルの正面図である。
図4図1の仮設住宅用床パネルの左側面図である。
図5図1の仮設住宅用床パネルの斜視図である。
図6図1の仮設住宅用床パネルを裏返した状態を示す斜視図である。
図7】仮設住宅用床パネルの他の実施形態を示す斜視図である。
図8図7の仮設住宅用床パネルを分離した状態を示す斜視図である。
図9図1の仮設住宅用床パネルの製造過程の一例を示す図である。
図10図9の金型の上に合成樹脂原料を乗せた状態を上方から見た状態を示す図である。
図11】仮設住宅用床パネルの敷設例を示す図である。
図12】仮設住宅用床パネルの敷設例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の仮設住宅用床パネルの実施形態について説明する。図1ないし図6に仮設住宅用床パネルの一実施形態を示す。図7及び図8に仮設住宅用床パネルの他の実施形態を示す。図9及び図10に仮設住宅用床パネルの製造方法の一例を示す。そして、図11及び図12に仮設住宅用床パネルの敷設する際の例を示す。
【0016】
図1ないし図6に示したように、本実施形態の仮設住宅用床パネル5(以下、単に「床パネル」と称する。)は、補強部と、切断部とを備えており、平面視において、長方形状である。
【0017】
図1に示したように、補強部は、床パネル5の長方形の四辺に対して斜めに傾斜した角度で配置される第1補強リブ51と、第1補強リブ51に交差する方向に延びており長方形の四辺に対して斜めに傾斜した角度で配置される第2補強リブ52とからなる複数の格子部53を有する。一方、切断部は、床パネル5の長方形の四辺に対して斜めに傾斜した角度で配置される第1補強リブ51と、第1補強リブ51に交差する方向に延びており長方形の四辺に対して斜めに傾斜した角度で配置される第2補強リブ52とが設けられていない形状とされている。
【0018】
本実施形態の床パネル5は、図5及び図6に示したように、平面視において長方形状の平坦部81と、平坦部81の縁部から下方に延びる形状の側壁82を有する形状である。平坦部81の一方の面は床面を構成する。平坦部81の他方の面には、上記の第1補強リブ51及び第2補強リブ52が設けられている。第1補強リブ51及び第2補強リブ52は、平坦部81の下方に延びる形状である。
【0019】
図5及び図6に示したように、第1補強リブ51及び第2補強リブ52は、板状の部材である。板の基端部が平坦部81の他方の面に固定されている。第1補強リブ51及び第2補強リブ52は互いに交差した形状であり、床パネル5を他方の面から見ると複数の格子が表れる形状となっている。このようにして、格子部53が形成されている。なお、第1補強リブ51と第2補強リブ52とから形成される格子は、中空となっており、床パネルの軽量化を図ると共に床パネルとして必要な強度を発揮できるようになっている。第1補強リブ51及び第2補強リブ52は、任意の角度で交差し、例えば、ひし形状、正方形状、長方形状、又は平行四辺形状など、任意のパターンの格子が構成されるようにすることができる。
【0020】
本実施形態の床パネル5では、図1に示したように、格子部53は、床パネル5の他方の面に計6個配置されている。それぞれの格子部53は、斜め方向に延びる第1補強リブ51と第2補強リブ52とが設けられていない切断部によって、分断された形状となっている。換言すると、切断部は、複数の格子部に挟まれた位置関係で配置されている。図1の例では、床パネル5の短手方向に沿って延びる第1切断部57と、床パネルの長手方向に沿って延びる第2切断部62及び第3切断部67を有する形状である。
【0021】
第1切断部57は、床パネル5の短手方向に沿って延びる2本の補強リブ54、55と、床パネル5の長手方向に沿って延びる複数本の補強リブ56を備えている。補強リブ56の両端部は、上記2本の補強リブ54、55に接続された形状である。上記2本の補強リブ54、55によって、第1切断部57と格子部53とが区画された形状とされている。そして、補強リブ56によって、床パネル5に応力が作用した際に切断部57の部分で床パネル5が折れたりすることを防ぐ形状となっている。
【0022】
第2切断部62は、床パネルの長手方向に沿って延びる2条の補強リブ58、59と、短手方向に沿って延びる複数本の補強リブ60、61とを有する形状である。補強リブ60、61の一端部は、長手方向に延びる補強リブ58、59に接続された形状である。補強リブ60、61の他端部は、第1補強リブ51及び第2補強リブ52から構成される格子部53に接続された形状となっている。第2切断部62には、床パネル5の短手方向に沿って配される補強リブ68が配される形状となっている。第2切断部62に設けられる補強リブ68の数は、第1切断部に設けられる補強リブ56よりも少なく構成されている。
【0023】
第3切断部67は、床パネルの長手方向に沿って延びる2条の補強リブ63、64と、短手方向に沿って延びる複数本の補強リブ65、66とを有する形状である。補強リブ65、66の一端部は、長手方向に延びる補強リブ63、64に接続された形状である。補強リブ65、66の他端部は、第1補強リブ51及び第2補強リブ52から構成される格子に接続された形状となっている。第3切断部67には、床パネル5の短手方向に沿って配される補強リブ68が配される形状となっている。第3切断部に設けられる補強リブ68の数は、第1切断部に設けられる補強リブ56よりも少なく構成されている。
【0024】
床パネルは、任意の素材で構成することができる。例えば、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂、又は合成樹脂と木チップとの混合物などから構成することができる。木チップは、例えば、木の枝、間伐材、又は木質建材などの廃材などを破砕したものを使用することができる。
【0025】
上記のように床パネルを合成樹脂材料を含有する素材で成形する場合には、図9に示したように、例えば、熱プレスによって、床パネルを製造することができる。図9に示した熱プレスでは、金型104を固定した上型101と金型104を固定した下型102との間に、合成樹脂原料の塊103を、複数個配置して、上型101と下型102との間に合成樹脂原料の塊103を挟みこむ。挟み込む際に合成樹脂原料は、金型の形に添って、展延されて、所望の形状に成形される。その他、射出成型などによっても床パネルを製造することができる。
【0026】
本実施形態の床パネル5は、上述のように、長方形の四辺に対して傾斜した第1補強リブ51と、第1補強リブに交差する方向に延びており長方形の四辺に対して斜めに傾斜した第2補強リブ52とを有する。図10において矢印で示したように、金型104における第1補強リブ51又は第2補強リブ52に対応する形状に沿って合成樹脂が移動するため、床パネル52の角の方向へも合成樹脂原料が展延しやすくなっている。これによって、床パネルの角部分などにおける合成樹脂の展延の不足や充填の不足による成形不良を抑えることができる。特に、合成樹脂原料に木チップを配合した場合は、合成樹脂の流動性が変化して、合成樹脂の展延する度合いが低下することがある。床パネルの形状の工夫することによって、展延の不具合をおさえて、歩留まりよく、軽量かつ強度の高い床パネルを製造することが可能になる。
【0027】
第1補強リブ51又は第2補強リブ52は、床パネル5の四辺に対して傾斜した状態となればよく、その限りにおいて、任意の角度で配置することができる。例えば、床パネル5の長手方向に沿う線を0°としたときに、第1補強リブ51又は第2補強リブ52と、長手方向に沿う線とが為す角度が、20~60°となるようにすることが好ましい。また、第1補強リブ51と第2補強リブ52とが為す角度が90~120°となるようにすることが好ましい。第1補強リブ51及び第2補強リブ52を、このように配置することによって、合成樹脂原料が床パネルの角部にまでより届きやすくなる。これによって、成型時の歩留まりをより一層向上させることができる。
【0028】
図11及び図12に、仮設住宅における床パネルの敷設例を示したように、仮設住宅を建設する場合には、土地の面積や、施主の希望により、様々な間取りで仮設住宅を建設することが求められる。図11の例では、玄関部分を囲むように計15枚の畳一畳分の寸法を有する床パネルを敷設し、右下の半端なスペースに畳半畳分の寸法を有する床パネルを敷設することが求められる。なお、図11においては、個々の床パネルに付した番号は、図の下に記載した番号と対応している。例えば、「1」を付した床パネルは、床パネルの寸法が1818mm×908mmであることを示す(以下の図12においても同様とする。)。
【0029】
図12の例では、物置と階段室を囲むように、畳一畳分の寸法を有する床パネルを計20枚敷設し、畳半畳分の寸法を有する床パネルを計8枚敷設し、1818mm×606mmの半端な寸法の床パネルを計3枚敷設し、908mm×302mmの半端な寸法の床パネルを計4枚敷設し、1818mm×302mmの半端な寸法の床パネルを計2枚敷設することを要する。
【0030】
日本の建築物は、畳の寸法を基に間取りが設計されている。畳一畳分の床パネル5だけで床面を構築できるのであればよいが、図11又は図12の例のように、半端が生じる場合に問題となる。すなわち、そのような、半端分も見越して、寸法の異なる床パネルを準備しておく必要があり、在庫管理や運搬の際の手数が問題となる。その点、本実施形態の床パネル5であれば、切断部を設けてあるので、仮設住宅の建築現場で必要に応じて、床パネルを切断して、半端なスペースを埋めることが可能である。
【0031】
例えば、図11及び図12の「2」の床パネルであれば、図1のBB部分において床パネルを切断することにより、半畳の寸法を有する畳を得ることができる。また、例えば、図12の「3」又は「5」の床パネルであれば、図1のCC部分及びDD部分のいずれか一方の位置において床パネルを切断すればよい。この場合、切断した床パネルのうちの一方が「3」の床パネルとなり、他方の床パネルが「5」の床パネルとなる。また、例えば、図12の「4」の床パネルであれば、図1のBB部分と、CC部分及びDD部分のうちいずれか一方の部分とにおいて床パネルを切断すればよい。
【0032】
床パネルの切断に際しては、例えば、電動又は手動の鋸など、適宜の手段で切断することが可能である。切断部には、上述の通り、第1補強リブ51又は第2補強リブ52が設けられていないので、床パネルを切断しやすい。また、床パネル5を切断する際に、第1補強リブ51又は第2補強リブ52が設けられていない場所を目印として、切断すればよいので、切断個所の位置決めが容易になる。
【0033】
本実施形態の床パネル5は、図5及び図6に示したように、縁部分に切り欠きから構成される持ち手70が配されている。持ち手70は、側壁82の下端部から側壁82の上端部に達しない程度の切り欠きとされている。切り欠きの角は円弧状に処理されている。床パネル5の縁部分の内側、すなわち、側壁の内側の部分には、図1及び図6に示したように、第1補強リブ51及び第2補強リブ52が設けられておらず、中空な形状とされている。このため、作業者が持ち手に手指を差し入れた際に、第1補強リブ51や第2補強リブ52が干渉しないようにされている。
【0034】
床パネル5の縁部分の内側には、床パネルの長手方向に沿って延びる補強リブ84と、床パネルと短手方向に沿って延びる補強リブ85が配される。これによって、床パネル5の縁部分の内側を補強している。
【0035】
床パネルを積み上げて運搬する際、又はパレットなどの資材を置くための台から床パネルを持ち上げる際などにおいて、持ち手があると、作業者は手指を掛けやすくなるので作業効率が向上する。本実施形態の床パネル5では、左右の側面の短手方向の2辺にそれぞれ2個の持ち手が配されており、正面及び背面の長手方向の2辺にそれぞれ2個の持ち手が配されている。
【0036】
本実施形態の床パネル5は、図5に示したように、その側壁82に比して、外側に突出した凸部86を備える。凸部86は、床パネル5の短手方向に連続する突条であり、床パネル5の平坦部81の側に設けられる。図5に示したように、凸部86が延びる方向に交差するように、複数の補強用の突起87が設けられる。突起87は、凸部86と側壁82とに接するように設けられており、凸部86に外力が作用した際に、意図せずに凸部86が折れることを防止する。
【0037】
本実施形態の床パネル5は、上記のような凸部86を備えている。床パネル5を敷設する作業の終盤において、間取りの寸法誤差や、床パネル自体の寸法誤差により、床パネル5が収まらなくなることがある。そうした場合に、凸部86を除去することにより、床パネル5の寸法を調整して、床パネルが収まるように修正を行うことが可能になる。上記の凸部及び突起は、床パネルの長手方向に設けてもよい。
【0038】
本実施形態の床パネルは、平坦部81の縁部分に、複数の凹穴88を有する。複数の床パネル5を隣接させた状態で、凹穴88に図示しない固定用金具を嵌めることによって、隣接する床パネル5を固定できるようになっている。
【0039】
本実施形態の床パネルは、持ち手70を備えており、全体として扁平な形状を有している。床パネルは、農業資材や音響機器など機器などを、置くための台としても使用することができる。また、床パネルは、校庭などに複数枚を敷設して、雨天時の通路としても使用することができる。
【0040】
上記の実施形態では、床パネル5の第1補強リブ51及び第2補強リブ52が露出した状態で使用に供する。図7及び図8に示したように、床パネルの第1補強リブ51及び第2補強リブ52を設けた面が対向するように、床パネルを接合して、中空構造の床パネルとして使用することも可能である。床パネルの接合は、例えば、熱融着により行うことが可能である。床パネル5を接合した場合は、図7に示したように、2つの持ち手70が結合して、側壁82で囲まれた閉じた孔が形成される。
【0041】
切断部は、斜め方向に配置される第1補強リブ及び斜め方向に配置される第2補強部が設けられない形状であればよく、その形態は上記の実施形態のものに限られない。例えば、切断部の、補強リブは、省略してもよい。また、切断部の個数や切断部を設ける位置も上記の実施形態のものに限られない。
【0042】
補強部は、第1補強リブ及び第2補強リブからなる格子部を有するものであればよく、その形態は上記の実施形態のものに限定されない。例えば、格子部の数や、第1補強リブ又は第2補強リブの角度や、格子部を設ける位置などは上記の実施形態のものに限定されない。
【0043】
上記の実施形態に係る床パネルでは、畳の一畳分を1818mm×908mmとした。ハウスメーカーによって畳一畳分の寸法の規格が異なる。畳一畳分の寸法は、上記の実施形態に限定されず、規格に合わせて、変動させることができる。
【符号の説明】
【0044】
床パネル
第1補強リブ
第2補強リブ
格子部
持ち手
第1切断部
第2切断部
第3切断部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12