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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】草刈機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/81 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
A01D34/81
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019236928
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021103970
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(73)【特許権者】
【識別番号】599118768
【氏名又は名称】株式会社斎藤農機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】特許業務法人安田岡本特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 崇志
(72)【発明者】
【氏名】福岡 和樹
(72)【発明者】
【氏名】坂本 健太
(72)【発明者】
【氏名】金子 真之
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 哲
(72)【発明者】
【氏名】石井 賢
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-167132(JP,A)
【文献】特開2019-170163(JP,A)
【文献】登録実用新案第3160127(JP,U)
【文献】登録実用新案第3195734(JP,U)
【文献】特開平11-192010(JP,A)
【文献】米国特許第04172351(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/00 - 34/01
34/412- 34/90
42/00 - 42/08
43/0 6 -43/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転して草を刈る刈り刃を有する草刈部と、
前記草刈部の周囲に位置する壁部と、
前記壁部の内面に取り付けられて前記刈り刃から放擲される泥の付着を低減する泥付着低減部材と、
を備え、
前記泥付着低減部材は、前記壁部に取り付けられる基体と、
前記基体から突出する可撓性を有する複数の微小突起が密集した付着抑制部と、
を備えている草刈機。
【請求項2】
前記基体は、前記壁部に取り付けられる第1基材と、前記第1基材に対向する第2基材と、前記第2基材を前記第1基材に着脱可能に接着する接着構造部とを有し、
前記付着抑制部は、前記第2基材における前記接着構造部とは反対側に設けられている請求項1に記載の草刈機。
【請求項3】
前記接着構造部は、面ファスナー構造である請求項2に記載の草刈機。
【請求項4】
前記微小突起は、線材によって形成されている請求項1~3のいずれか1項に記載の草刈機。
【請求項5】
前記微小突起は、前記線材をループ状にして形成されている請求項4に記載の草刈機。
【請求項6】
前記刈り刃は、縦軸回りに回転可能に支持され、
前記泥付着低減部材は、前記刈り刃の回転軌跡の機体幅方向中央部から前記刈り刃の回転方向に向かう側にある前記壁部に設けられる請求項1~5のいずれか1項に記載の草刈機。
【請求項7】
前記刈り刃を縦軸回りに回転可能に支持する機体と、
前記機体を走行可能に支持する車輪と、
を備え、
前記泥付着低減部材は、前記車輪の機体幅方向内方に位置する前記壁部に設けられる請求項1~6のいずれか1項に記載の草刈機。
【請求項8】
前記刈り刃を縦軸回りに回転可能に支持する機体と、
前記機体の側部に設けられた伝動ケースと、
を備え、
前記泥付着低減部材は、前記伝動ケースの機体幅方向内方に位置する前記壁部に設けられる請求項1~7のいずれか1項に記載の草刈機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された草刈機が知られている。
特許文献1に開示された草刈機は、回転して草を刈る刈り刃を有する草刈部を備えている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-179844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
草刈機にあっては、草刈り作業中に、刈り刃で泥(土)を飛ばしてしまう。飛ばされた泥は、機体における草刈部の周囲の壁部に付着する。泥が付着すると機体が重くなって操作性が悪くなるという問題が生じる。
本発明は、前記問題点に鑑み、刈り刃から放擲される泥の付着を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る草刈機は、回転して草を刈る刈り刃を有する草刈部と、前記草刈部の周囲に位置する壁部と、前記壁部の内面に取り付けられて前記刈り刃から放擲される泥の付着を低減する泥付着低減部材と、を備え、前記泥付着低減部材は、前記壁部に取り付けられる基体と、前記基体から突出する可撓性を有する複数の微小突起が密集した付着抑制部と、を備えている。
【0006】
また、前記基体は、前記壁部に取り付けられる第1基材と、前記第1基材に対向する第2基材と、前記第2基材を前記第1基材に着脱可能に接着する接着構造部とを有し、前記付着抑制部は、前記第2基材における前記接着構造部とは反対側に設けられている。
また、前記接着構造部は、面ファスナー構造である。
また、前記微小突起は、線材によって形成されている。
【0007】
また、前記微小突起は、前記線材をループ状にして形成されている。
また、前記刈り刃は、縦軸回りに回転可能に支持され、前記泥付着低減部材は、前記刈り刃の回転軌跡の機体幅方向中央部から前記刈り刃の回転方向に向かう側にある前記壁部に設けられる。
また、前記刈り刃を縦軸回りに回転可能に支持する機体と、前記機体を走行可能に支持する車輪と、を備え、前記泥付着低減部材は、前記車輪の機体幅方向内方に位置する前記壁部に設けられる。
【0008】
また、前記刈り刃を縦軸回りに回転可能に支持する機体と、前記機体の側部に設けられた伝動ケースと、を備え、前記泥付着低減部材は、前記伝動ケースの機体幅方向内方に位置する前記壁部に設けられる。
【発明の効果】
【0009】
上記の草刈機によれば、付着抑制部は、基体から突出する複数の微小突起が密集した構造であるので、付着抑制部に付着する泥と基体との間に微少な空気の層ができると共に泥が付着する面積が少なくなるので、付着抑制部に泥が付着しにくくなる。また、複数の微小突起は可撓性を有するので、草刈機の振動や、付着抑制部に草刈部から放擲される泥が当たることによって、微少突起が変形と復元とを繰り返すことにより、付着抑制部に付着した泥が落ちやすい。これらによって、刈り刃から放擲される泥の付着を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】草刈機の全体構成を示す概略側面図である。
図2】草刈機の本体部分の概略平面図である。
図3】草刈機の側面断面図である。
図4A】機体フレームの平面断面図である。
図4B図4AのZ1-Z1線矢視断面図である。
図5】刈刃ホルダの平面図である。
図6図5のZ2-Z2線矢視断面図である。
図7】補強プレートの平面図である。
図8図5のZ4-Z4線矢視断面図である。
図9図5のZ5-Z5線矢視断面図である。
図10】刈刃取付部の拡大平面図である。
図11】刈刃取付部の断面図である。
図12図5のZ6-Z6線矢視断面図である。
図13】泥付着低減部材の一部を示す断面図である。
図14】泥付着低減部材の他の例を示す断面図である。
図15】従来と本願の泥付着の様子を示す断面図である。
図16】付着抑制部の他の例を示す断面図である。
図17】付着抑制部のさらに他の例を示す断面図である。
図18】他の実施形態に係る刈刃ホルダの平面図である。
図19図18のZ7-Z7線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る草刈機1の全体構成を示す概略側面図である。図2は、草刈機1の本体部分を示す概略平面図である。本実施形態では、草刈機1として歩行型の草刈機が例示されている。なお、草刈機1は、乗用型の草刈機であってもよいし、トラクタ等の走行車両に装着されるタイプの草刈機であってもよい。地上の草を刈る草刈機であればよい。
【0012】
本発明の実施形態においては、図1図2の矢印A1で示す方向を前方、前方の反対側の方向(図1図2の矢印A2方向)を後方、図2の矢印B1方向を左方、左方の反対側の方向(図1図2の矢印B2方向)を右方として説明する。また、前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向K2として説明する。また、草刈機1における機体幅方向K2の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体幅方向外方として説明する。言い換えれば、機体幅方向外方とは、機体幅方向K2であって草刈機1の中心から離れる方向のことである。機体幅方向外方とは反対の方向を機体幅方向内方として説明する。言い換えれば、機体幅方向内方とは、機体幅方向K2であって草刈機1の幅方向の中心に近づく方向である。
【0013】
図1図2に示すように、草刈機1は、機体2を有する。機体2は、走行装置3によって走行可能に支持されている。走行装置3は、複数の車輪4,5を有している。複数の車輪は、機体2の前後方向K1の一方側における機体幅方向K2の両側方に配置された複数の第1車輪4(第1車輪4L、第1車輪4R)と、機体2の前後方向K1の他方側における機体幅方向K2の両側方に配置された複数の第2車輪5(第2車輪5L、第2車輪5R)とを含む。本実施形態では、第1車輪4Lは、機体2の前部の左側方に配置され、第1車輪4Rは、機体2の前部の右側方に配置され、第2車輪5Lは、機体2の後部の左側方に配置され、第2車輪5Rは、機体2の後部の右側方に配置されている。なお、第1車輪4L、4Rを機体2の後部に設け、第2車輪5L、5Rを機体2の前部に設けてもよい。
【0014】
機体2には、ミッションケースM1が搭載されている。ミッションケースM1の上部には、エンジン(原動機)E1が搭載されている。エンジンE1の側方(右側方)には、エンジンE1用の燃料を貯留する燃料タンクT1が配置されている。
図1に示すように、機体2の下方には、回転して草を刈る刈り刃6を有する草刈部7が設けられている。
【0015】
図1図2に示すように、機体2の側部(左部)には、ハンドル装着部8が設けられている。ハンドル装着部8には、操縦ハンドル9の一端側が取り付けられている。操縦ハンドル9は、長さ調節可能なハンドル杆10と、ハンドル杆10の一端側に設けられていてハンドル装着部8に取り付けられるハンドル取付部11と、ハンドル杆10の他端側(操縦ハンドル9の他端側)に設けられていて作業者が把持するハンドルグリップ12とを有している。ハンドル取付部11は、ハンドル装着部8に縦軸(上下方向に延伸する軸心)回りに位置変更可能に取り付けられている。また、ハンドル杆10は、ハンドル取付部11に水平軸(水平方向に延伸する軸心)回りに姿勢変更可能に取り付けられている。
【0016】
図3に示すように、機体2は、草刈部7の上方を覆う機体フレーム21を有している。機体フレーム21は、図3図4A図4Bに示すように、上壁部21aと、上壁部21aの機体幅方向K2の一側部(左側部)から下方に延びる一側壁21bと、上壁部21aの機体幅方向K2の他側部(右側部)から下方に延びる他側壁21cと、上壁部21aの前端部から下方に延びる前壁部21dと、上壁部21aの後端部から下方に延びる後壁部21eとを有している。
【0017】
図1図4Aに示すように、機体フレーム21の前部及び後部には、丸棒材を折り曲げて形成されたバンパー22が固定されている。図3に示すように、前壁部21d及び後壁部21eには、ゴム板で構成されたカバー23が下向きに垂れ下がるように取り付けられている。図4Aに示すように、草刈部7の機体幅方向K2の両側方には、板金を折り曲げて構成されたカバー20が配置されている。カバー20は、機体フレーム21に取り付けられている。
【0018】
図4Aに示すように、機体フレーム21の前部の左側方に第1車輪4Lが配置され、機体フレーム21の前部の右側方に第1車輪4Rが配置されている。機体フレーム21の前部下方には、第1車輪4Lと第1車輪4Rとを連結する第1車軸24が機体幅方向24に延伸して配置されている。機体フレーム21の後部の左側方に第2車輪5Lが配置され、機体フレーム21の後部の右側方に第2車輪5Rが配置されている。機体フレーム21の後部下方には、第2車輪5Lと第2車輪5Rとを連結する第2車軸25が機体幅方向24に延伸して配置されている。第1車軸24及び第2車軸25は、機体2に取り付けられた車軸ケース(図示省略)によって回転可能に支持されている。
【0019】
図4Aに示すように、機体フレーム21(草刈部7)の側方(右側方)には、伝動ケース26が設けられている。伝動ケース26は、機体フレーム21の前部から後部にわたって設けられている。言い換えると、伝動ケース26は、第1車輪4Rから第2車輪5Rにわたって設けられている。図3に示すように、伝動ケース26は、前後方向K1の中央部が前部及び後部よりも高くなるように形成されている。伝動ケース26内には、エンジンE1からの動力を第1車軸24及び第2車軸25に伝達する動力伝達機構が収容されている。エンジンE1から伝動ケース26に至る動力伝達経路には、エンジンE1からの動力を、機体2を前進させる前進伝動状態または機体2を後進させる後進伝動状態に変換して伝動ケース26内の動力伝達機構に伝達する前後進切換え機構が設けられている。つまり、機体2は前進及び後進可能である。
【0020】
図3に示すように、ミッションケースM1には、刈刃駆動軸28を縦軸(上下方向に延伸する軸心)29回りに回転可能に支持する軸支部27が設けられている。図4Aに示すように、刈刃駆動軸28は、機体フレーム21の前後方向K1中央部且つ機体幅方向24中央部に配置されている。刈刃駆動軸28には、エンジンE1からの動力が刈刃クラッチを介して断続可能に伝達される。
【0021】
図3に示すように、刈刃駆動軸28の下部には、ホルダ取付体30がスプライン結合等によって一体回転可能に嵌められている。ホルダ取付体30は、抜け止めナット31によって刈刃駆動軸28から抜止めされている。ホルダ取付体30の下部には、複数(本実施形態では、4つ)のホルダ取付部32が設けられている。複数のホルダ取付部32は、刈刃駆動軸28の軸心(回転軸心)29周りの周方向に等間隔をあけて配置されている。
【0022】
図3に示すように、草刈部7は、機体フレーム21の下方に配置されている。図4Aに示すように、刈り刃6の先端の回転軌跡R1は、機体フレーム21の機体幅方向K2の幅よりも大に形成されている。
図3に示すように、草刈部7は、刈り刃6が取り付けられる刈刃ホルダ33を有している。刈刃ホルダ33は、ホルダ本体34を有している。
【0023】
図5に示すように、ホルダ本体34は、板材によって回転軸心(縦軸)29を中心とする円形状に形成されている。したがって、ホルダ本体34の周方向Y1は、回転軸心29周りの周方向に一致し、ホルダ本体34の径方向Y2は、回転軸心(縦軸)29に直交する方向に一致する。
図5図6に示すように、ホルダ本体34は、内周側の内周部35と、外周側の外周部36と、内周部35と外周部36とを接続する中間部37とを有している。内周部35の中心部には、抜け止めナット31との干渉を回避するための穴部38が形成されている。内周部35は、周方向Y1に等間隔をあけて形成された4つのボルト挿通孔39を有している。
【0024】
ホルダ本体34は、内周部35から中間部37にかけて形成された複数の補強部40を有している。複数の補強部40は、ホルダ本体34を凹ませることにより形成されている。詳しくは、複数の補強部40は、絞り加工によって下方に凹むように形成されている。複数の補強部40は、径方向Y2に延びるように(径方向Y2に長く)形成されており、且つ周方向Y1に等間隔をあけて4つ形成されている。各補強部40は、後述する羽根板63の間に形成されている。詳しくは、図5に示すように、4つの補強部40は、4枚の羽根板63の周方向Y1で隣接する羽根板63の間に1つづつ設けられている。各補強部40の径方向Y2の外方側の端部は、内周部35と中間部37との接続部49の近傍に位置している。内周部35の下面には、円板状の補強プレート41が固定されている。
【0025】
図7に示すように、補強プレート41の中心部にも、抜け止めナット31との干渉を回避するための穴部42が形成されている。補強プレート41は、周方向Y1に等間隔をあけて形成された4つのボルト挿通孔43を有している。刈刃ホルダ33及び補強プレート41は、ボルト挿通孔39及びボルト挿通孔43を挿通すると共にホルダ取付部32を貫通するボルト及び該ボルトにねじ込まれるナットによってホルダ取付体30に取り付けられる。したがって、刈刃ホルダ33及び刈り刃6は、刈刃駆動軸28が回転することにより回転軸心29回りに回転する。本実施形態の草刈機1にあっては、図4Aに示すように、刈刃ホルダ33及び刈り刃6(草刈部7)は、平面視において矢印X1で示す反時計回りに回転する。
【0026】
図6図7に示すように、補強プレート41には、補強部40との干渉を回避するための複数の切欠き部44が形成されている。
図6に示すように、外周部36は、内周部35よりも低い位置に位置している。外周部36の外周端には、縁部を折り曲げることによって形成された補強リブ45が形成されている。補強リブ45は、ホルダ本体34に周方向Y1の全周にわたって連続的に形成されている。
【0027】
中間部37は、ホルダ本体34の径方向Y2の外方に向かうにつれて下方に移行する傾斜状に形成されており、截頭円錐形状を呈している。
図5図6に示すように、刈刃ホルダ33は、ホルダ本体34に絞り加工によって形成された絞り部46を有している。絞り部46は、周方向Y1に延伸するように形成された第1絞り47と、第1絞り47に交差する複数の第2絞り48とを含む。図6図8図9に示すように、第1絞り47及び第2絞り48は、上方に突出する凸条に形成されている。
【0028】
図5に示すように、第1絞り47は、本実施形態では、外周部36に形成されていると共に、ホルダ本体34の周方向Y1の全周にわたって連続的な環状に形成されている。第1絞り47は、外周部36における径方向Y2の中央部よりも内周よりに形成されている。なお、第1絞り47は、断続的な環状に形成されていてもよい。また、第1絞り47は、環状でなくてもよい。
【0029】
図5に示すように、複数の第2絞り48は、ホルダ本体34の径方向Y2に形成されている。第2絞り48は、内周部35と中間部37との接続部49から外周部36の外周端に向けて延びている。第2絞り48の第1絞り47より外周側の部分48aは、第1絞り47より内周側の部分48bよりも長く形成されていて、ホルダ本体34の外周端(補強リブ45)に近接している。
【0030】
第2絞り48は、少なくとも1つあればよいが、本実施形態では、4つの第2絞り48A~48Dが形成されている。第2絞り48Aと第2絞り48Bとの周方向Y1の間隔及び第2絞り48Cと第2絞り48Dとの周方向Y1の間隔は、第2絞り48Aと第2絞り48Cとの周方向Y1の間隔及び第2絞り48Bと第2絞り48Dとの周方向Y1の間隔よりも狭く形成されている。
【0031】
ホルダ本体34に第1絞り47と第2絞り48とを含む絞り部46を形成することで、ホルダ本体34の強度を向上させることができる。これにより、ホルダ本体34の板厚を従来よりも薄くすることができ、刈刃ホルダ33を軽量化することができる。
図5に示すように、刈刃ホルダ33は、刈り刃6が取り付けられる複数の刈刃取付部51を有している。本実施形態では、刈刃ホルダ33は、径方向Y2対称位置に設けられた2つの刈刃取付部51を有している。刈り刃6は、各刈刃取付部51に取り付けられる。各刈刃取付部51は、外周部36に設けられている。詳しくは、各刈刃取付部51は、第1絞り47よりも外周側で且つ補強リブ45よりも内周側に配置されている。一方の刈刃取付部51は、第2絞り48Aと第2絞り48Bとの間に設けられている。他方の刈刃取付部51は、第2絞り48Cと第2絞り48Dとの間に設けられている。言い換えると、刈刃取付部51の周方向Y1の両側に第2絞り48が形成されている。
【0032】
なお、刈刃取付部51は1つでもよい。また、刈刃取付部51は、3つ以上であってもよい。
図5図6に示すように、各刈刃取付部51は、ホルダ本体34の板厚よりも厚い板厚の取付板52を有している。本実施形態では、取付板52は、ホルダ本体34の板厚の略4倍の板厚に形成されている。また、取付板52の板厚は、補強リブ45の高さと略同じである。
【0033】
図10に示すように、取付板52は、ホルダ本体34の上面に重ね合わされて溶接によってホルダ本体34に複数箇所で固定されている。言い換えると、刈刃取付部51は、取付板52をホルダ本体34に溶接によって固定するための複数の溶接部53を有している。複数の溶接部53は、取付板52と第1絞り47とを溶接する溶接部53Aと、取付板52の周方向Y1側の面とホルダ本体34の上面とを溶接する溶接部53Bと、取付板52と補強リブ45とを溶接する溶接部53Cとを含む。厚板材からなる取付板52をホルダ本体34に重ね合わして溶接によって固定することで刈刃取付部51の強度を向上させることができる。具体的には、例えば、石等によって刈刃取付部51が下から突き上げられたときの衝撃に対する強度が向上する。
【0034】
図11に示すように、各刈刃取付部51には、2枚の刈り刃6(刈り刃6A、刈り刃6B)が上下に取り付けられる。上の刈り刃6Aの基部6aは取付板52上に重ね合わされ、下の刈り刃6Bの基部6bはホルダ本体34の下面に重ね合わされる。刈り刃6は、取付板52、ホルダ本体34及び刈り刃6を貫通するボルト54及び該ボルト54にねじ込まれるナット55によって刈刃取付部51に取り付けられる。刈り刃6A及び刈り刃6Bは、ボルト54の軸心回りに回転可能に取り付けられる。刈り刃6をボルト54・ナット55によって取り付けることにより、刈り刃6の着脱を容易に行え、メンテナンス性が向上する。
【0035】
ここで、刈刃取付部51への刈り刃6の取付構造を詳しく説明する。図10に示すように、取付板52に形成されるボルト54の挿通孔56は、小判形状(向かい合う2面の平坦面を円弧面でつないだオーバル形状)の穴に形成されている。図11に示すように、上の刈り刃6Aに重ねられるワッシャ57のボルト54の挿通孔58もオーバル形状(小判形状)に形成されている。ワッシャ57上に重ねられる当て板59のボルト54の挿通孔60は円形孔に形成されている。ホルダ本体34のボルト54の挿通孔61及び刈り刃6A,6Bの基部6a,6bに形成されるボルト54の挿通孔62は円形孔に形成されている。ボルト54は、頭部54Aと、軸部54Bと、雄ネジ部54Cとを有している。頭部54Aは、下の刈り刃6Bの下面に当接している。軸部54Bは、頭部54Aから上方に突出し、下の刈り刃6B、ホルダ本体34、取付板52、上の刈り刃6A及びワッシャ57を挿通している。軸部54Bにおける挿通孔61及び挿通孔62を挿通する部分は円柱状に形成されている。軸部54Bにおける挿通孔56、挿通孔62及び挿通孔58を挿通する部分は、挿通孔56及び挿通孔58に合致する断面オーバル形状(小判形状)に形成されている。これにより、ボルト54は、取付板52に対して回り止めされている。当て板59は、雄ネジ部54Cに嵌められると共に軸部54Bの上端に当接している。ナット55は、当て板59の上方で雄ネジ部54Cにねじ込まれている。
【0036】
図5に示すように、刈刃ホルダ33は、ホルダ本体34上に板面が周方向Y1を向くように立設された複数の羽根板63を有している。本実施形態では、4枚の羽根板63を有している。羽根板63は、刈刃ホルダ33が回転することにより、刈り刃6によって刈られた草を径方向Y2外方に押し出す。各羽根板63は、内周部35の径方向Y2の外端部から外周部36の径方向Y2の外端部にわたって設けられている。周方向Y1で隣接する羽根板63の間隔は、第2絞り48及び取付板52を挟む羽根板63の間隔が、第2絞り48及び取付板52を挟まない羽根板63の間隔よりも広く形成されている。
【0037】
図12に示すように、羽根板63は、径方向Y2の内方側の第1部位63Aと、第1部位63Aから径方向Y2の外方側に間隔を隔てて設けられた第2部位63Cと、第1部位63Aと第2部位63Cとを接続する第3部位63Bとを有している。第1部位63Aは、ホルダ本体34より上方側に配置されている。第1部位63Aにおけるホルダ本体34の径方向Y2の内方側は、屈曲されている。第3部位63Bは、第1部位63Aの下部から中間部37に沿って延出されていて中間部37上に固定されている。第2部位63Cは、第3部位63Bからホルダ本体34の径方向Y2外方側に向けて延出されていて外周部36上に固定されている。第2部位63Cは、外周部36の径方向Y2の内端部から径方向Y2の外端部にかけて設けられている。第2部位63Cにおけるホルダ本体34の径方向Y2の外方側は、屈曲されている。
【0038】
図12に示すように、第2部位63Cの上下方向の板幅W1は、内周部35と外周部36との上下方向の離間距離D1よりも狭幅に形成されている。刈刃ホルダ33を回転させて刈り刃6によって草を刈る際に、第2部位63Cに石等に当たる場合があるが、板幅W1を離間距離D1よりも幅狭にすることにより、第2部位63Cに石等が当たるのを抑制することができると共に第2部位63Cが変形するのを抑制することができる。
【0039】
ところで、刈刃ホルダ33及び刈り刃6を回転させて草刈部7によって草刈り作業を行っている最中に、刈り刃6で泥を飛ばしてしまうが、飛ばされた泥が機体2における草刈部7の周囲の壁部に付着すると、機体2が重くなって操作性が悪くなるという問題が生じる。そこで、本実施形態では、図1に示すように、機体2における泥が付着しやすい部分に、草刈部7から放擲される泥の付着を低減する泥付着低減部材71を設けている。なお、泥付着低減部材71を設ける部分は、本実施形態で示す部分に限定されることはない。つまり、草刈部7から放擲される泥が付着する部分であれば、泥付着低減部材71をどこに設けてもよい。また、泥付着低減部材71を設ける草刈機1としては、本実施形態の草刈機1に限定されることはなく、回転する刈り刃6を有する草刈部7を具備した草刈機1に適用することができる。
【0040】
刈り刃6から放擲される泥が付着しやすい部分としては、例えば、刈り刃6の先端部の回転軌跡R1の機体幅方向中央部から回転方向X1に向かう側にある壁部が考えられる。該部分は、草刈部7から放擲される泥の量が多い部分であるからである。また、泥が付着しやすい場所として、車輪4,5の機体幅方向内方に位置する壁部、伝動ケース26の機体幅方向内方に位置する壁部が考えられる。これらの部分は、車輪4,5や伝動ケース26が壁となって草や泥の排出を妨げるので、泥が付着しやすい部分であるからである。
【0041】
本実施形態の草刈機1では、機体フレーム21の一側壁21bの前部側の壁部21b1及び他側壁21cの後部側の壁部21c1の裏面(内面)に泥付着低減部材71が設けられている。なお、泥付着低減部材71は、機体フレーム21の一側壁21bの後部側の壁部21b2、他側壁21cの前部側の壁部21c2、前壁部21d又は後壁部21eに設けてもよい。また、泥付着低減部材71は、カバー20やカバー23に設けてもよい。
【0042】
次に、泥付着低減部材71の構造について説明する。
図13に示すように、泥付着低減部材71は、壁部21b1,21c1に取り付けられる基体72と、基体72から突出する可撓性を有する複数の微小突起73aが密集した付着抑制部73とを備えている。
基体72は、第1基材74と、第2基材75と、接着構造部76とを有している。第1基材74は、シート状に形成され、壁部21b1,21c1に接着剤によって接着されて取り付けられている。第2基材75は、第1基材74と略同じ形状のシート状に形成され、第1基材74に対向している。接着構造部76は、第2基材75を第1基材74に着脱可能に接着する構造体である。本実施形態では、接着構造部76は、面ファスナー構造の構造体である。具体的には、接着構造部76は、第1基材74の接着面とは反対側の面に設けられた多数の微小な第1係合突起77aが密集した第1係合部77と、第2基材75における第1基材74との対向面に設けられた多数の微小な第2係合突起78aが密集した第2係合部78とを有している。
【0043】
本実施形態では、第1係合突起77aは、面ファスナーのループであり、第2係合突起78aは、面ファスナーのカギ状のフックである。なお、第2係合部78は、キノコ状(マッシュルーム状)のフックであってもよい。第1係合突起77aがフックで、第2係合突起78aがループであってもよい。また、接着構造部76は、その他の面ファスナー構造であってもよい。例えば、第1基材74と第2基材75とのそれぞれに、ループとフックとが混在して設けられた構造のものや、フック同士の係合によって着脱自在とした構造のものであってもよい。上記基体72にあっては、第1基材74と第2基材75とは対向面を重ね合わせることで接着可能であり、第2基材75を第1基材74から強制的に離反させることで第2基材75が第1基材74から容易に取り外すことができる。これにより、付着抑制部73を第2基材75とともに交換又は洗浄することができる。
【0044】
付着抑制部73は、第2基材75における接着構造部76とは反対側の面に設けられている。微小突起73aは、弾性変形可能な線材によって形成されている。詳しくは、微小突起73aは、線材をループ状にして形成されている。
泥付着低減部材71は、図14に示す構造であってもよい。即ち、泥付着低減部材71は、壁部21b1,21c1に接着剤によって接着される第1基材74(基体74)と、第1基材74の接着面とは反対側の面に設けられた付着抑制部73とから構成されていてもよい。
【0045】
従来、図15の左の図に示すように、壁部21b1,21c1に直接泥79が付着した場合、泥79は壁部21b1,21c1に面接触で付着するので、一度付着すると剥がれないが、本実施形態では、付着抑制部73は、基体72から突出する複数の微小突起73aが密集した構造であるので、図15の右の図に示すように、付着抑制部73に付着する泥79と基体72との間に微少な空気の層80ができると共に泥79が付着する面積が少なくなるので、付着抑制部73に泥が付着しにくくなる。また、複数の微小突起73aは可撓性を有するので、草刈機1の振動や、付着抑制部73に草刈部7から放擲される泥が当たることによって、微少突起が変形と復元とを繰り返すことにより、付着抑制部73に付着した泥が落ちやすい。これらによって、刈り刃6から放擲される泥の付着を低減することができる。また、付着抑制部73に対して泥は線接触となるので、付着抑制部73に泥が付着しても、泥が落ち易く、付着抑制部73に付着した泥を、手作業によっても容易に落とすことができる。また、付着抑制部73がループ状である場合、付着抑制部73に泥が当たったときに微小突起73aが拡縮し、付着抑制部73から泥が落ちやすくなり、付着抑制部73に対する泥の付着性を低減することができる。
【0046】
図16に示すように、複数の微小突起73aは、直線状の線材によって構成されていてもよい。この場合、付着抑制部73に対して泥は線接触となり、付着抑制部73に泥が付着しても、泥が落ちやすい。
また、図17に示すように、付着抑制部73は、スポンジ等の可撓性を有する材料によって凹凸状に形成した構造のものであってもよい。
【0047】
図18図19は、他の実施形態に係る刈刃ホルダ33を示している。
この実施形態にあっては、羽根板63の形状が上記実施形態と異なる。即ち、図19に示すように、第3部位63Bの上端63Baは、第1部位63Aの下部から径方向Y2の外方(中心から離れる方向)へ直線状に延びている。また、第3部位63Bは、中間部37の径方向Y2中途部から外周部36の径方向Y2中途部にわたって形成されている。また、第3部位63Bの上端63Baの高さ(ホルダ本体34の下面から上端63Baまでの距離)は、内周部35の上端35aの高さと略同じ高さ位置に形成されている。第2部位63Cは、外周部36の径方向Y2の中途部から外端部にかけて設けられている。第2部位63Cの径方向Y2の外端部は、補強リブ45に固定されている。
【0048】
第1部位63Aの上端63Aaの高さ(ホルダ本体34の下面から上端63Aaまでの距離)は、第2部位63Cの上端63Caの高さ(ホルダ本体34の下面から上端63Caまでの距離)よりも高い。詳しくは、第1部位63Aの上端63Aaの高さは、第2部位63Cの上端63Caの高さの略2倍である。また、第3部位63Bの上端63Baの高さは、第2部位63Cの上端63Caの高さよりも低い。詳しくは、第3部位63Bの上端63Baの高さは、第2部位63Cの上端63Caの高さの略1/2である。
【0049】
この実施形態では、刈り刃6によって刈られた草を第2部位63Cで径方向Y2の外方に押し出しつつ、第3部位63Bの上端63Baの高さを低くして、羽根板63に石等が当たるのを低減している。また、風による抵抗(空気抵抗)も低減している。
また、図18図19に示すように、刈刃取付部51は、上下方向に延伸する軸心を有する円柱部材によって形成された取付部材52Aを有している。取付部材52Aに刈り刃6が取り付けられる。取付部材52Aは、下部がホルダ本体34に固定されている。詳しくは、図18に示すように、ホルダ本体34には、径方向Y2の外端から径方向Y2内方(中心に向かう方向)に延びるU字形の溝91が形成され、この溝91の溝奥部に取付部材52Aの下部が固定されている。取付部材52Aには、オーバル形状(小判形状)の挿通孔56を上下方向に貫通して形成されている。取付部材52Aに対する刈り刃6の取り付け構造は、図11に示す構造と同様である。
【0050】
図18図19に示すように、刈刃ホルダ63は、取付部材52から径方向Y2内方に(縦軸29に向けて)延びるリブプレート92を有している。詳しくは、リブプレート92は、ホルダ本体34に立設固定され、取付部材52から中間部37の径方向Y2中途部にまで延びている。リブプレート92の径方向Y2内方側の端部は、補強部40の径方向Y2外方側の端部にまで延びている。
【0051】
刈刃ホルダ63は、周方向Y1で隣接する羽根板63の間に、ホルダ本体34に重ね合わせて固定された補強板93を有している。詳しくは、補強板93は、略矩形状に形成され、中間部37の上面に重ね合わされて溶接によって固定されている。また、補強板93は、リブプレート92が固定される部位に設けられ、リブプレート92の先端側に接続されている。詳しくは、補強板93は、リブプレート92との干渉を避けるための溝93aを有し、該溝93aに、リブプレート92が挿入され、且つリブプレート92と溶接によって接続されている。
【0052】
補強部40の径方向Y2の外端側は、補強板93に一部オーバーラップしている。
刈刃ホルダ63は、一端がリブプレート92に固定されたプレート部材94を有している。プレート部材94は外周部36の上面に重ね合わされて溶接により固定されている。
上記の刈刃ホルダ33は、草を刈る刈り刃6が取り付けられる刈刃ホルダ33であって、板材によって形成されていて、縦軸(回転軸心29)回りに回転するホルダ本体34と、ホルダ本体34上に板面が縦軸29回りの周方向Y1を向くように立設された複数の羽根板63と、周方向Y1で隣接する羽根板63の間に、ホルダ本体34を凹ませることにより形成された補強部40と、を備えている。
【0053】
この構成によれば、ホルダ本体34の強度を向上させることができる。これにより、ホルダ本体34の板厚を薄くすることができ、刈刃ホルダ33を軽量化することができる。
また、ホルダ本体34に絞り加工によって形成された絞り部46を備え、絞り部46は、周方向Y1に延伸するように形成された第1絞り47と、第1絞り47に交差する少なくとも1つの第2絞り48とを含む。
【0054】
この構成によれば、ホルダ本体34に、縦軸29回りの周方向Y1に延伸するように形成された第1絞り47と、第1絞り47に交差する第2絞り48とを含む絞り部46を形成することで、ホルダ本体34の強度を向上させることができる。これにより、ホルダ本体34の板厚を薄くすることができ、刈刃ホルダ33を軽量化することができる。
また、第1絞り47は、周方向Y1の全周にわたって形成され、第2絞り48は、縦軸29に直交する径方向Y2に形成されている。
【0055】
この構成によれば、ホルダ本体34の強度を良好に向上させることができる。
また、ホルダ本体34は、縦軸29を中心とする円形状に形成され、内周側の内周部35と、内周部35よりも低い位置に位置する外周側の外周部36と、内周部35と外周部36とを接続する中間部37とを有し、第1絞り47は、外周部36に形成され、第2絞り48は、内周部35と中間部37との接続部49から外周部36の外周端に向けて延びている。
【0056】
この構成によれば、外周部36の強度向上を図ることによりホルダ本体34の強度をより良好に向上させることができる。
また、刈り刃6が取り付けられる刈刃取付部51を備え、刈刃取付部51は、外周部36における第1絞り47よりも外周側に配置され、第2絞り48は、刈刃取付部51の周方向Y1の両側に形成されている。
【0057】
この構成によれば、刈刃取付部51の強度を向上させることができる。
また、刈刃取付部51は、ホルダ本体34の板面に溶接された取付板52であってホルダ本体34の板厚よりも厚い板厚の取付板52を有し、刈り刃6は、取付板52、ホルダ本体34及び刈り刃6を貫通するボルト54及びボルト54にねじ込まれるナット55によって取り付けられる。
【0058】
この構成によれば、刈刃取付部51の強度をより良好に向上させることができる。また、メンテナンス性も向上する。
また、刈刃取付部51は、取付板52と第1絞り47とを溶接する溶接部53Aを有している。
この構成によれば、刈刃取付部51の強度をさらに向上させることがきできる。
【0059】
また、羽根板63は、縦軸29に直交する径方向Y2の内方側の第1部位63Aと、第1部位63Aから径方向Y2の外方側に間隔を隔てて設けられた第2部位63Cと、第1部位63Aと第2部位63Cとを連結する第3部位63Bとを有し、第2部位63Cは、外周部36に立設され、且つ上下方向の板幅W1が内周部35と外周部36との上下方向の離間距離D1よりも狭幅に形成されている。
【0060】
この構成によれば、第2部位63Cに石等が当たるのを抑制することができると共に第2部位63Cが変形するのを抑制することができる。
また、羽根板63は、縦軸29に直交する径方向Y2の内方側の第1部位63Aと、第1部位63Aから径方向Y2の外方側に間隔を隔てて設けられた第2部位63Cと、第1部位63Aと第2部位63Cとを連結する第3部位63Bとを有し、第1部位63Aの上端63Aaの高さは、第2部位63Cの上端63Caの高さよりも高く、第3部位63Bの上端63Baの高さは、第2部位63Cの上端63Caの高さよりも低い。
【0061】
この構成によれば、刈り刃6によって刈られた草を第2部位63Cで径方向Y2の外方に押し出すことができると共に、第3部位63Bの上端63Baの高さを低くすることで、羽根板63に石等が当たるのを低減することができる。
また、ホルダ本体34に固定された取付部材52Aであって、刈り刃6が取り付けられる取付部材52Aと、取付部材52Aから縦軸29に向けて延伸すると共にホルダ本体34に固定されたリブプレート94と、リブプレート94の先端側に接続され且つホルダ本体34に固定された補強板93と、を備えている。
【0062】
この構成によれば、ホルダ本体34の強度を向上させることができると共に取付部材52Aを補強することができる。
また、草刈機1は、回転して草を刈る刈り刃6を有する草刈部7と、草刈部7の周囲に位置する壁部(機体フレーム21の一側壁21bの前部側の壁部21b1及び他側壁21cの後部側の壁部21c1)と、刈り刃6から放擲される泥の付着を低減する泥付着低減部材71と、を備え、泥付着低減部材71は、壁部21b1,21c1に取り付けられる基体72と、基体72から突出する可撓性を有する複数の微小突起73aが密集した付着抑制部73と、を備えている。
【0063】
この構成によれば、付着抑制部73に付着する泥と基体72との間に微少な空気の層ができると共に泥が付着する面積が少なくなるので、付着抑制部73に泥が付着しにくくなる。また、草刈機1の振動や、付着抑制部73に草刈部7から放擲される泥が当たることによって、微少突起が変形と復元とを繰り返すことにより、付着抑制部73に付着した泥が落ちやすい。これらによって、刈り刃6から放擲される泥の付着を低減することができる。
【0064】
また、基体72は、壁部21b1,21c1に取り付けられる第1基材74と、第1基材74に対向する第2基材75と、第2基材75を第1基材74に着脱可能に接着する接着構造部76とを有し、付着抑制部73は、第2基材75における接着構造部76とは反対側に設けられている。
この構成によれば、第1基材74から第2基材75を取り外すことにより、付着抑制部73を第2基材75とともに交換または洗浄することができる。
【0065】
また、接着構造部76は、面ファスナー構造である。
この構成によれば、第1基材74から第2基材75及び付着抑制部73を容易に取り外す又は取り付けることができる。
また、微小突起73aは、線材によって形成されている。
この構成によれば、付着抑制部73に対して泥は線接触または点接触となるので、付着抑制部73に付着した泥が落ち易いという効果を奏する。
【0066】
また、微小突起73aは、線材をループ状にして形成されている。
この構成によれば、付着抑制部73に泥が当たったときにループ状の微少突起が拡縮することで、付着抑制部73から泥が落ちやすくなり、付着抑制部73に対する泥の付着性を低減することができる。
また、刈り刃6は、縦軸29回りに回転可能に支持され、泥付着低減部材71は、刈り刃6の回転軌跡R1の機体幅方向中央部から刈り刃6の回転方向X1に向かう側にある壁部21b1,21c1に設けられる。
【0067】
この構成によれば、刈り刃6から放擲される泥の量が多い部分にある壁部21b1,21c1に泥付着低減部材71を設けることにより、該部分における泥の付着を抑制することができ、刈り刃6から放擲される泥の付着を有効に低減することができる。
また、刈り刃6を縦軸29回りに回転可能に支持する機体2と、機体2を走行可能に支持する車輪4,5と、を備え、泥付着低減部材71は、車輪4,5の機体幅方向内方に位置する壁部21b1,21c1に設けられる。
【0068】
この構成によれば、泥が付着しやすい、車輪4,5の機体幅方向内方に位置する壁部に泥付着低減部材71を設けることにより、該部分における泥の付着を抑制することができ、刈り刃6から放擲される泥の付着を有効に低減することができる。
また、刈り刃6を縦軸29回りに回転可能に支持する機体2と、機体2の側部に設けられた伝動ケース26と、を備え、泥付着低減部材71は、伝動ケース26の機体幅方向内方に位置する壁部21c1に設けられる。
【0069】
この構成によれば、泥が付着しやすい、伝動ケース26の機体幅方向内方に位置する壁部に泥付着低減部材71を設けることにより、該部分における泥の付着を抑制することができ、刈り刃6から放擲される泥の付着を有効に低減することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0070】
2 機体
4 車輪
5 車輪
6 刈り刃
7 草刈部
21b1 壁部
21c1 壁部
26 伝動ケース
29 縦軸
71 泥付着低減部材
72 基体
73 付着抑制部
73a 微小突起
74 第1基材
75 第2基材
76 接着構造部
R1 回転軌跡
X1 回転方向
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19