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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】スリッパおよびスリッパの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/10 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
A43B3/10 E
A43B3/10 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017254070
(22)【出願日】2017-12-28
(65)【公開番号】P2019118492
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2020-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】518001759
【氏名又は名称】海門市舒利珀鞋業有限公司
【氏名又は名称原語表記】SLIPPER REPUBLIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.581 EAST DONGHAI ROAD HAIMEN TOWN HAIMEN JIANGSU CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(74)【代理人】
【識別番号】100159178
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】権錦日
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-097903(JP,U)
【文献】特開2007-296176(JP,A)
【文献】実開昭49-064161(JP,U)
【文献】特開平10-117802(JP,A)
【文献】特開2008-043528(JP,A)
【文献】登録実用新案第3042853(JP,U)
【文献】登録実用新案第3209856(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インソールと、アウトソールと、ミッドソールとから構成されるソールを備えたスリッパであって、
前記アウトソールは、略平坦な底板部と、前記底板部の周縁から反り立った周縁部とを有する凹部を有し、
前記ミッドソールが、前記アウトソールの凹部内に収納されており、
前記周縁部の高さよりも前記ミッドソールの厚みの方が大きく、前記ミッドソールの厚みの半分以上の部分が前記凹部内に収納されており、
前記周縁部が、前記底板部の周縁から反り立った側面部と、前記側面部と連続しており、前記側面部から外側に屈曲し、前記アウトソールおよび前記インソールが縫合される平坦部とを有する、スリッパ。
【請求項2】
請求項に記載のスリッパであって、
前記ミッドソールは、ウレタン素材で構成されている、スリッパ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のスリッパであって、
前記アウトソールは、エチレン-酢酸ビニル共重合体素材で形成されているスリッパ。
【請求項4】
請求項1ないしのいずれかに記載のスリッパであって、
室内履き用のスリッパである、スリッパ。
【請求項5】
インソールと、アウトソールと、ミッドソールとから構成されるソールを備えたスリッパの製造方法であって、
前記アウトソールを、略平坦な底板部と、前記底板部の周縁が反り立った周縁部とを有する凹部を備えるように形成し、
前記ミッドソールを、前記周縁部の高さよりも、前記ミッドソールの厚みが厚くなるように形成し、
前記ミッドソールの厚みの半分以上の部分が前記凹部内に収納されるように、前記アウトソールの凹部に、前記ミッドソールを配置し、
前記ミッドソールを囲うように前記インソールと前記アウトソールとを縫合するスリッパの製造方法。
【請求項6】
請求項に記載のスリッパの製造方法であって、
スリッパ着用時に足と接するアッパーの裏側および前記インソールの表側が外側となるように、前記アッパーと前記インソールと前記アウトソールとを縫合し、
前記アッパーの裏側および前記インソールの表側が内側となるように、縫合したスリッパを反転させる、スリッパの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリッパおよびスリッパの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スリッパのソールを製造する場合に、薄い平板状のアウトソールと、ミッドソールと、インソールとを積層し、積層したこれら3つの部材を縫合することで、製造したソールを用いたスリッパが知られている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-043528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術のスリッパでは、ソールが薄い平板状となっているため、ミッドソールを軽量化するために軽く柔らかい素材を用いた場合や、ミッドソールを薄くする場合には、スリッパの厚み方向における強度が十分に得られず、スリッパの形態が崩れやすくなる場合や、スリッパの軽量化が困難な場合があった。
また、従来のスリッパの製造方法では、ソールを製造する際に、積層したアウトソール、ミッドソールおよびインソールが互いにずれないように、ミッドソールを接着する工程や、ミッドソールをアウトソールやインソールに縫合する工程が必要となり、より簡潔な工程で製造できるスリッパが求められていた。
【0005】
本発明の目的は、軽くて使用感が良く、かつ、製造が容易なスリッパおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るスリッパは、インソールと、アウトソールと、ミッドソールとから構成されるソールを備えたスリッパであって、前記アウトソールは、略平坦な底板部と、前記底板部の周縁から反り立った周縁部とを有する凹部を備え、前記ミッドソールが前記アウトソールの凹部内に収納されており、前記周縁部の高さよりも前記ミッドソールの厚みの方が大きく、前記ミッドソールの厚みの半分以上の部分が前記凹部内に収納されており、前記周縁部が、前記底板部の周縁から反り立った側面部と、前記側面部と連続しており、前記側面部から外側に屈曲した平坦部とを有し、前記平坦部において、前記アウトソールおよび前記インソールが縫合される
【0008】
上記スリッパにおいて、前記ミッドソールは、ウレタン素材で構成されるように構成することができる。
【0010】
上記スリッパにおいて、前記アウトソールがエチレン-酢酸ビニル共重合体素材で形成されているように構成することができる。
【0011】
上記スリッパにおいて、室内履き用のスリッパであるように構成することができる。
【0012】
本発明に係るスリッパの製造方法は、インソールと、アウトソールと、ミッドソールとから構成されるソールを備えたスリッパの製造方法であって、前記アウトソールを、略平坦な底板部と、前記底板部の周縁が反り立った周縁部とを有する凹部を備えるように形成し、前記ミッドソールを、前記周縁部の高さよりも、前記ミッドソールの厚みが厚くなるように形成し、前記ミッドソールの厚みの半分以上の部分が前記凹部内に収納されるように、前記アウトソールの凹部に前記ミッドソールを配置し、前記ミッドソールを囲うように前記インソールと前記アウトソールとを縫合する。
【0013】
上記スリッパの製造方法において、スリッパ着用時に足と接するアッパーの裏側および前記インソールの表側が外側となるように、前記アッパーと前記インソールと前記アウトソールとを縫合し、前記アッパーの裏側および前記インソールの表側が内側となるように、縫合したスリッパを反転させるように構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アウトソールに、底板部の周縁が反り立った周縁部を設けることで、アウトソールの厚み方向における剛性が向上するため、ミッドソールに軽く柔らかい素材を用いても、またミッドソールを薄くしても、スリッパの厚み方向における強度を十分に得ることができ、スリッパの使用感(スリッパでの歩行性)を向上させることができるとともに、スリッパ全体の軽量化も可能となる。また、アウトソールが凹部を有することで、アウトソール内にミッドソールを収納することができるため、ミッドソールをアウトソールに接着する工程やミッドソールとアウトソールとを縫合する工程を省略することができ、スリッパをより簡易な工程で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係るスリッパの斜視図である。
図2図1のII-II線に沿う断面図である。
図3】第1実施形態に係るアウトソールを示す斜視図および断面図である。
図4】第1実施形態に係るスリッパの製造方法を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係るスリッパの斜視図である。
図6図5のVI-VI線に沿う断面図である。
図7】第2実施形態に係るアウトソールを示す斜視図および断面図である。
図8】第2実施形態に係るスリッパの製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係るスリッパを、図に基づいて説明する。なお、以下においては、室内履き用のスリッパを例示して本発明を説明するが、本発明は、室内履き用のスリッパに限定されるものではない。
【0017】
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態に係るスリッパ1の斜視図である。また、図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。本実施形態に係るスリッパ1は、図1に示すように、アッパー10と、ソール20とから構成される。
【0018】
アッパー10は、公知のスリッパと同様に、足の甲を覆うように形成される。本実施形態では、アッパー10がソール20と縫合されることで、アッパー10がソール20と結合される。なお、本実施形態においては、図2に示すように、アッパー10のうち、スリッパ1の着用時に足に接しない側11を表側と称し、一方、足に接する側12を裏側と称する。アッパー10は、表材と裏材の二層構成とする構成としてもよいし、柔軟な芯材を挿入してもよいし、一枚のみの生地としてもよい。また、アッパー10は、布材で構成することができ、必要に応じて、刺しゅうや飾りを付けることができる。
【0019】
ソール20は、図2に示すように、インソール21、ミッドソール22、およびアウトソール23から構成される。インソール21は、公知のインソールと同様であり、布材で構成することができる。なお、本実施形態では、図2に示すように、インソール21のうち、スリッパ1の着用時に足に接する側を表側211と称し、足と接しない側を裏側212と称す。
【0020】
ミッドソール22は、踵部分において、図2に示すように、上層221および下層222の2層構造となっている。本実施形態において、上層221および下層221はともにウレタン素材で構成されている。ウレタン素材は、EVA素材(エチレン-酢酸ビニル共重合体素材)に比べて軽いため、ミッドソール22全体をウレタン素材で構成することで、ミッドソール22の重量を軽くすることができとともに、良好なクッション性を与えることができる。
【0021】
本実施形態に係るアウトソール23は、EVA素材により形成される。ここで、図3(A)は、第1実施形態に係るアウトソール23の斜視図であり、図3(B)は、図3(A)のB-B線に沿う断面図である。第1実施形態に係るアウトソール23は、図3に示すように、略平坦な底板部231と、底板部231の周縁が反り立った周縁部232とからなる凹部233を有する。このように、アウトソール23は、周縁が反り立った周縁部232を有することで、ソール20の厚さ方向に一定の剛性を与えることができる。なお、本実施形態に係るアウトソール23は、EVA素材を熱プレス成形することで得ることができる。
【0022】
また、図3(B)に示すように、本実施形態に係るアウトソール23は、踵部分における周縁部232の高さH1が、10mm以上、より好ましくは15mm以上に形成される。また、アウトソール23は、つま先部分における周縁部232の高さが、2mm以上、より好ましくは5mm以上に形成される。加えて、本実施形態では、図2に示すように、アウトソール23の周縁部232の高さよりも、ミッドソール22の厚さの方が大きくなるように、ミッドソール22とアウトソール23とが構成されている。このようなスリッパ1の一例として、アウトソール23の周縁部232の高さを、踵部分において15mmとし、つま先部において5mmとするとともに、ミッドソール22の厚さを、踵部分(T3)において25mmとし、つま先部分において10mmとすることができる。なお、この場合、踵部分におけるミッドソール22の上層221の厚さT1を15mmとし、下層222の厚さを10mmとすることができる。
【0023】
次に、図4に基づいて、本実施形態に係るスリッパ1の製造方法について説明する。図4は、本実施形態に係るスリッパ1の製造方法を示すフローチャートである。
【0024】
ステップS101では、まず、アウトソール23の成形処理が行われる。本実施形態では、EVA素材を、図3に示すアウトソール23の形状に応じた型で熱プレス成型することで、図3に示す形状のアウトソール23を成形することができる。
【0025】
ステップS102では、アウトソール23の凹部233に、ミッドソール22が配置される。なお、ステップS102では、ミッドソール22を単に凹部233内に置くだけでよく、ミッドソール22とアウトソール23との接着や、ミッドソール22とアウトソール23との縫合は行われない。
【0026】
そして、ステップS103では、アッパー10、アウトソール23、およびインソール21を縫合する処理が行われる。具体的には、図2に示すように、インソール21とアウトソール23の凹部233とでミッドソール22を囲うように、インソール21とアウトソール23とを配置し、アウトソール23の周縁部232をインソール21の周縁部とアッパー10の周縁部とで挟み込んだ状態とし、これら周縁部を縫合することで、アッパー10、アウトソール23およびインソール21の縫合が行われる。
【0027】
ステップS104では、スリッパ1の裏表が反対となるように、スリッパ1を反転させる処理が行われる。すなわち、ステップS103で縫合が行われた状態では、スリッパ1着用時に足が接するアッパー10の裏側12とインソール21の表側211とが外側に位置し、アッパー10、インソール21、アウトソール23の縫い目も外側から視認できる状態にある。そこで、スリッパ1を反転させることで、スリッパ1着用時に足が接するアッパー10の裏側12とインソール21の表側211とがスリッパ1の内側に位置し、スリッパ1着用時に足に接しないアッパー10の表側11とアウトソール23の裏側234が外側に位置し、縫い目も外側から視認できなくすることができる。
【0028】
このように、本実施形態に係るスリッパ1は、インソール21と、ミッドソール22と、アウトソール23とから構成されるソール2を有し、アウトソール23は、略平坦な底板部231と、底板部231の周縁から反り立った周縁部232とを有する凹部233を有し、ミッドソール22が、アウトソール23の凹部233内に収納されている。このように、アウトソール23に反り立った周縁部232を設けることで、アウトソールの厚み方向における剛性を向上させることができ、その結果、スリッパ1の形態が崩れにくくなり、スリッパ1の使用感(スリッパ1での歩行性)を良好なものとすることもできる。さらに、アウトソール23は凹部233を有するため、アウトソール23内にミッドソール22を収納することができ、ミッドソール22をアウトソール23に接着する工程や、ミッドソール22とアウトソール23とを縫合する工程を省略することができるため、スリッパ1をより簡易な工程で製造することができる。
【0029】
また、本実施形態においては、アウトソール23が周縁部232を備えることで、スリッパ1の厚さ方向における剛性が十分得られるため、ミッドソール22を軟らかく軽いウレタン素材で構成することができる。その結果、スリッパ全体の軽量化が可能となるとともに、スリッパ1のクッション性を高めることができる。特に、本実施形態では、アウトソール23が周縁部232を備えることで、アウトソール23が凹部223を有することとなり、その分、ミッドソール22の厚みを大きくすることができる。すなわち、仮に、アウトソール23が平坦であり、ミッドソール22の厚みが大きい場合には、スリッパ1を使用している間にミッドソール22が一方に偏りスリッパ1の形状が崩れてしまう場合や、ミッドソール22が山のように盛り上がるためにミッドソール22と足とがフィットせずにスリッパ1の使用感が低下してしまう場合がある。これに対して、本実施形態では、ミッドソール22が、アウトソール23の凹部223で囲われるため、ミッドソール22の厚みを大きくしても、ミッドソール22が一方に偏ることがなくスリッパ1の形状が崩れることを有効に防止することができるとともに、凹部223によりミッドソール22の厚みを相殺できるため、スリッパ1と使用者の足とをフィットさせることができ、スリッパ1の使用感を向上させることができる。
【0030】
さらに、本実施形態に係るスリッパ1では、アウトソール32をEVA素材で形成することで、アウトソールにTPR(熱可塑性ゴム)を用いる場合と比べて、アウトソール32を軽量化することができ、スリッパ1全体を軽量化することもできる。
【0031】
加えて、従来では、ミッドソール22がアウトソール23に囲われていないため、スリッパ1を反転させる工程において、ミッドソール22が一方に寄ってしまう場合や、スリッパ1に皺や歪みが生じてしまう場合があり、スリッパ1の反転工程において、スリッパ1の形状が崩れてしまう場合があった。しかしながら、本実施形態では、アウトソール23が周縁部232を有することで、アウトソール23の厚み方向の剛性が十分に得られるため、反転作業を行った場合でも、従来と比べて、スリッパ1に皺や歪みが生じにくく、スリッパ1の形状を綺麗に保つことができる。
【0032】
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態に係るスリッパ1aを示す斜視図であり、図6は、図5のVI-VI線に沿う断面図である。また、図7(A)は、第2実施形態に係るアウトソール23aを示す平面図であり、図7(B)は、図7(A)のB-B線に沿う断面図である。
【0033】
第2実施形態に係るアウトソール23aは、図6および図7に示すように、略平坦状の底板部231と、底板部231の周縁が反り立った周縁部232aを有する凹部233を有する。特に、第2実施形態では、周縁部232aが、底板部231に対して反り立った側面部2321と、側面部2321と連続しており、側面部2321から外側に屈曲した平坦部2322とを有する。アッパー10、アウトソール23a、およびインソール21とは、図6に示すように、平坦部2322において縫合され、平坦部2322を覆うようにテープ30が縫合されている。なお、アウトソール23aは、第1実施形態と同様に、EVA素材を熱プレス形成することで形成される。
【0034】
次に、第2実施形態に係るスリッパ1aの製造方法について説明する。図8は、第2実施形態に係るスリッパ1aの製造方法を示すフローチャートである。
【0035】
ステップS201では、第1実施形態と同様に、アウトソール23aの成形処理が行われる。第2実施形態では、アウトソール23aは、平坦部2322を備えた周縁部232aを有するため、EVA素材を、図7に示すアウトソール23aの形状に応じた型で熱プレス成型することで、図7に示す形状のアウトソール23aを成形することができる。そして、ステップS202では、第1実施形態と同様に、アウトソール23aの凹部233内に、ミッドソール22が配置される。
【0036】
ステップS203では、第1実施形態と同様に、アッパー10、アウトソール23a、およびインソール21を縫合する処理が行われる。特に、第2実施形態では、図6に示すように、インソール21とアウトソール23aの凹部233とでミッドソール22を囲うようにインソール21とアウトソール23aとを配置し、さらに、インソール21の周縁部をアウトソール23aの平坦部2322とアッパー10の周縁部とで挟み込んだ状態とし、平坦部2322において、これらを縫合することで、アッパー10、アウトソール23aおよびインソール21の縫合が行われる。
【0037】
なお、第2実施形態では、ステップS203で縫合が行われた状態で、スリッパ1a着用時に足が接するアッパー10の裏側12とインソール21の表側211とがスリッパ1aの内側に位置し、スリッパ1a着用時に足に接しないアッパー10の表側11とアウトソール23の裏側234がスリッパ1aの外側に位置するため、第1実施形態のように、スリッパ1aを反転させる処理は省略することができる。ただし、縫い目が視認できる状態のため、ステップS204において、平坦部2332を含む縫い目部分を覆うように、テープ30の縫合が行われる。
【0038】
以上のように、第2実施形態に係るスリッパ1aは、アウトソール23aが凹部233aを有するため、第1実施形態と同様に、軽くて使用感が良く、かつ、製造が容易なスリッパ1aを提供することができる。また、第2実施形態では、アウトソール23aが平坦部2332を備えるため、平坦部2332においてアウトソール23aとインソール21との縫合を行うことができ、第1実施形態のステップS104のように、スリッパ1aを反転させる工程を省略することができる。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
1,1a:スリッパ
10,10a:アッパー
20,20a:ソール
21:インソール
211:表側
212:裏側
22:ミッドソール
221:上層
222:下層
23,23a:アウトソール
231:底板部
232,232a:周縁部
2321:側面部
2322:平坦部
233:凹部
234:裏側
30:テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8