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  • 特許-補強リブ付きダクト 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】補強リブ付きダクト
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
F24F13/02 E
F24F13/02 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019008379
(22)【出願日】2019-01-22
(65)【公開番号】P2020118329
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】591225394
【氏名又は名称】株式会社新富士空調
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】梶野 勇
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-147269(JP,A)
【文献】特開昭58-033042(JP,A)
【文献】実開昭50-067642(JP,U)
【文献】実開平05-032941(JP,U)
【文献】実公昭47-033593(JP,Y1)
【文献】特開平07-293959(JP,A)
【文献】実開昭50-042560(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの壁板が接合されて略四角い筒状に形成され、軸方向に空気が流れ、
前記各壁板の中央部を2つ折りして外側に突出させ、軸方向と略直交する方向に延びる補強リブが形成され、
隣接する前記補強リブの端部同士を連結する連結金具を備え、
前記連結金具は、略L字状の平板で、一端部が一方の前記補強リブの端部にボルト締結され、他端部が他方の前記補強リブの端部にボルト締結され、
前記連結金具の角部の外縁が円弧状に形成され、前記連結金具の両端部が前記ボルト締結された際に、前記連結金具の角部の外縁が前記補強リブの外縁よりも突出するように形成されている、
ことを特徴とする補強リブ付きダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度調整された空気などを流すダクトに関し、特に、空気の流れ方向と略直交する方向に延びる補強リブを有する補強リブ付きダクトに関する。
【背景技術】
【0002】
ダクトは、建物の天井内などの構造物内に複数設置されて空気の流路を形成し、温度調整された空気などを流す。このようなダクトで断面が四角い角ダクトにおいては、大きさが所定以上の場合や所定の使用形態の場合には、空気の流れ方向と略直交する方向に延びる補強材を設ける必要がある。従来、補強材を設ける場合、山形鋼で構成された補強材をダクトの側壁表面にスポット溶接やリベットで取り付けていた。
【0003】
しかしながら、山形鋼で成る補強材をスポット溶接やリベットで取り付ける場合、材料費や労力、時間を要し、費用が嵩むばかりでなく、補強材が山形鋼であるためダクト全体の重量が重くなる、という問題があった。このため、補強材の取り付けを不要にすることができるダクトが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。このダクトは、各側壁の中央部を2つ折りして外側に突出させ、流れ方向と略直交する方向に延びる補強リブが形成されている。そして、隣接する補強リブの端部同士が連結金具で覆われて連結されているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-147269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のダクトでは、隣接する補強リブの端部同士を覆うように連結金具が複雑な形状に形成されているため、製作費が嵩むばかりでなく、取り扱いが煩雑であった。しかも、この連結金具をスポット溶接で壁板(側壁)に固定しなければならず、労力と時間、費用を要していた。
【0006】
そこで本発明は、構成が簡易で容易に製作が可能な補強リブ付きダクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、4つの壁板が接合されて略四角い筒状に形成され、軸方向に空気が流れ、前記各壁板の中央部を2つ折りして外側に突出させ、軸方向と略直交する方向に延びる補強リブが形成され、隣接する前記補強リブの端部同士を連結する連結金具を備え、前記連結金具は、略L字状の平板で、一端部が一方の前記補強リブの端部にボルト締結され、他端部が他方の前記補強リブの端部にボルト締結され、前記連結金具の角部の外縁が円弧状に形成され、前記連結金具の両端部が前記ボルト締結された際に、前記連結金具の角部の外縁が前記補強リブの外縁よりも突出するように形成されていることを特徴とする補強リブ付きダクトである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、各壁板の中央部を2つ折りして補強リブが形成されているため、山形鋼から成る補強材をスポット溶接やリベットで取り付ける必要がない。また、連結金具の両端部を隣接する補強リブの端部にボルト締結するだけで、隣接する補強リブの端部同士を連結することができ、従来のように連結金具をスポット溶接する場合に比べて、労力と時間、費用を軽減することが可能となる。このように、構成が簡易で容易に製作することが可能となる。また、連結金具が略L字状の平板で単純な形状のため、取り扱いや保管、運搬などがしやすい。
【0012】
請求項に記載の発明によれば、連結金具の両端部を補強リブの端部にボルト締結した状態、つまり、隣接する補強リブの端部同士を連結金具で連結した状態で、連結金具の角部の円弧状の外縁が補強リブの外縁よりも突出する。このため、補強リブの端部で手を傷つけたり外部に損傷を与えたりするのを、より確実に防止、抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施の形態1に係る補強リブ付きダクトを示す斜視図である。
図2図1の補強リブ付きダクトの第1の壁板を示す斜視図である。
図3図2のA部拡大図である。
図4図1の補強リブ付きダクトの第2の壁板を示す斜視図である。
図5図4のB部拡大図(a)と、第1の壁板と第2の壁板のハゼ接合状態を示す断面図(b)である。
図6図1の補強リブ付きダクトのコーナーピース周辺を示す拡大斜視図である。
図7図1の補強リブ付きダクトの連結金具を示す正面図である。
図8図7の連結金具の取付状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係る補強リブ付きダクト1を示す斜視図である。この補強リブ付きダクト1は、補強リブ23、33等を備えるダクトであり、4つの壁板2~5が接合されて略四角い筒状に形成され、軸方向に空気が流れるようになっている。ここで、相対向する第1の壁板2と第3の壁板4とが同等な構成で、相対向する第2の壁板3と第4の壁板5とが同等な構成なため、主として、第1の壁板2と第2の壁板3について説明する。
【0018】
第1の壁板2は、図2に示すように、略長方形の板材で構成され、両短辺部が外側に略直角に折り曲げられてフランジ部21が形成されている。また、両長辺部がハゼ折りされて接合部22が形成されている。この接合部22にはシングルはぜ22aが複数連続的に形成され、後述するダブルはぜ32と合わせてボタンパンチスナップはぜを構成している。このシングルはぜ22aは、図3に示すように、接合部22がコ字状に切断され、コ字状の切断部分が内側に折り曲げられて形成されている。
【0019】
また、第1の壁板2の中央部には、2つに折り重ねられて外側に突出し、軸方向と略直交する方向(フランジ部21と平行)に延びる補強リブ23が形成されている。すなわち、図3に示すように、第1の壁板2の中央部が折り重ねられて長板状の補強リブ23が形成されており、補強リブ23は第1の壁板2と一体である。この補強リブ23の位置と高さは、補強リブ付きダクト1が所定の強度、剛性が得られるように設定されている。また、補強リブ23を形成できるように、接合部22には、補強リブ23の厚みの分だけ接合部22が形成されない切欠き部22bが設けられている。このような補強リブ23の両端部つまり両接合部22側には、第1のボルト挿入孔23aが形成されている。
【0020】
第2の壁板3は、図4に示すように、略長方形の板材で構成され、両短辺部が外側に略直角に折り曲げられてフランジ部31が形成されている。また、図5(a)に示すように、両長辺部がハゼ折りされてダブルはぜ32が形成され、このダブルはぜ32は、図5(b)に示すように、第1の壁板2のシングルはぜ22aとかみ合う形状に形成されている。そして、第2の壁板3のダブルはぜ32が第1の壁板2の接合部22とはぜ接合されて、第1の壁板2と第2の壁板3とが組み付けられている。
【0021】
また、第2の壁板3の中央部には、第1の壁板2と同様に、2つに折り重ねられて外側に突出し、軸方向と略直交する方向(フランジ部31と平行)に延びる補強リブ33が形成されている。この補強リブ33の位置と高さは、補強リブ23と同じに設定され、補強リブ付きダクト1の周方向に連続的に延びるように補強リブ23、33(壁板4、5の補強リブを含む)が形成されている。このような補強リブ33の両端部つまり両ダブルはぜ32側には、第2のボルト挿入孔33aが形成されている。
【0022】
このような壁板2~5が組み付けられて四角い筒体が形成され、例えば、図6に示すように、第1の壁板2のフランジ部21と第2の壁板3のフランジ部31とにL字状のコーナーピース6が取り付けられる。同様に、他のフランジ間にもコーナーピース6が取り付けられる。そして、コーナーピース6の角部に形成された孔6aにボルトを挿入することで、他のダクトなどと連結されるようになっている。
【0023】
また、隣接する補強リブ23、33の端部同士を連結する連結金具7を備える。この連結金具7は、図7に示すように、略L字状の平板で、略長方形状の2つの直板部71が略直角にアングル状に配置され、それぞれの自由端部側には連結用孔71aが形成されている。また、2つの直板部71の自由端部の外側の角部が斜めにカットされて、傾斜部71bが形成されている。さらに、連結金具7の角部(2つの直板部71の交差部)の外縁7aが円弧状に形成され、2つの直板部71の外縁71cよりも角部の外縁7aが外側に突出するように形成されている。
【0024】
そして、図8に示すように、連結金具7の一方の直板部71の連結用孔71aと補強リブ23の第1のボルト挿入孔23aとにボルト81を挿入し、ボルト81にナット82を締め付けることで、連結金具7の一端部が一方の補強リブ23の端部にボルト締結される。同様に、連結金具7の他方の直板部71の連結用孔71aと補強リブ33の第2のボルト挿入孔33aとにボルト81を挿入し、ボルト81にナット82を締め付けることで、連結金具7の他端部が他方の補強リブ33の端部にボルト締結される。
【0025】
このようにして、隣接する補強リブ23、33の端部同士が連結金具7で連結されている。そして、すべての隣接する補強リブ23、33(壁板4、5の補強リブを含む)の端部同士が、同様にして連結金具7で連結されている。
【0026】
また、このような連結状態において、図8に示すように、連結金具7の角部の円弧状の外縁7aが、補強リブ23、33の外縁(折り目部)よりも外側に突出するように、連結金具7が形成されている。なお、図1図8においては、図を見やすくするために、傾斜部71bを図示省略している。
【0027】
以上のような構成の補強リブ付きダクト1によれば、各壁板2~5の中央部を2つ折りして補強リブ23、33等が形成されているため、山形鋼から成る補強材をスポット溶接やリベットで取り付ける必要がない。また、連結金具7の両端部(直板部71)を隣接する補強リブ23、33等の端部にボルト締結するだけで、隣接する補強リブ23、33等の端部同士を連結することができ、従来のように連結金具をスポット溶接する場合に比べて、労力と時間、費用を軽減することが可能となる。このように、構成が簡易で容易に製作することが可能となる。また、連結金具7が略L字状の平板で単純な形状のため、取り扱いや保管、運搬などがしやすい。
【0028】
しかも、連結金具7の両端部を補強リブ23、33等の端部にボルト締結した状態、つまり、隣接する補強リブ23、33等の端部同士を連結金具7で連結した状態で、連結金具7の角部の円弧状の外縁7aが補強リブ23、33等の外縁よりも突出する。このため、補強リブ23、33等の端部・角部で手を傷つけたり外部に損傷を与えたりするのを、より確実に防止、抑制することが可能となる。
【0039】
以上、この発明の実施の形態1を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態では、ボタンパンチスナップはぜで壁板2~5を組み付けているが、その他のはぜや結合方法(溶接等)で組み付けてもよく、壁板2~5が折り重なったり展開したりする結合方法(スピンはぜ)であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 補強リブ付きダクト
2~5 壁板
21 フランジ部
22 接合部
22a シングルはぜ
23 補強リブ
23a 第1のボルト挿入孔
31 フランジ部
32 ダブルはぜ
33 補強リブ
33a 第2のボルト挿入孔
7 連結金具
7a 角部の外縁
71 直板部
71a 連結用孔
71b 傾斜部
71c 外縁
81 ボルト
82 ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8