(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】粉体計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 13/00 20060101AFI20221130BHJP
G01G 13/06 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
G01G13/00 M
G01G13/06 A
(21)【出願番号】P 2019035192
(22)【出願日】2019-02-28
【審査請求日】2022-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】591147786
【氏名又は名称】赤武エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(74)【代理人】
【識別番号】100202692
【氏名又は名称】金子 吉文
(72)【発明者】
【氏名】縄田 久夫
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 賢司
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特許第5941792(JP,B2)
【文献】特公昭61-61329(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G
B65B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体が収容され下端に供給口が形成された供給容器と、前記供給容器の前記供給口を開閉する開閉弁と、前記供給容器の前記供給口から下方に延びる筒状のシュートと、前記シュートの外側に配置され少なくとも一部が上下方向に伸縮自在な筒状の集塵フードと、前記集塵フードを上下方向に伸縮させる集塵フード伸縮手段と、前記集塵フードに付設された集塵ノズルから粉塵を吸引するシュート用集塵手段と、上端に受入口が形成され前記供給容器内の粉体が前記シュートを介して前記受入口から供給される計量容器と、前記計量容器に供給された粉体の重量を計測する重量計と、前記供給容器から前記計量容器への粉体の供給を制御するコントローラとを備え、
前記シュート用集塵手段は、吸引源を有する集塵機と、前記集塵機と前記集塵ノズルとを接続し第1のバルブが設けられた直接集塵路と、前記集塵機と前記集塵ノズルとを接続し大気吸引口が設けられた間接集塵路とを含み、前記間接集塵路には前記大気吸引口の上流側において第2のバルブが設けられていると共に前記大気吸引口の下流側において第3のバルブが設けられており、
前記コントローラは、
前記集塵フードの下端が前記計量容器の前記受入口から離間しているときに前記第1のバルブを開けると共に前記第2のバルブおよび前記第3のバルブを閉じた状態において前記吸引源を作動させて前記直接集塵路を介して集塵しながら、粉体供給前の前記計量容器の重量を前記重量計によって計測して計量基準値として設定し、
次に、前記第1のバルブを閉じると共に前記第2のバルブおよび前記第3のバルブを開けて前記間接集塵路による集塵に切り換え、
次に、前記集塵フード伸縮手段によって前記集塵フードの下端を前記計量容器の前記受入口に接続し、
次に、前記重量計によって計測した重量が第1の目標重量に到達するまで前記開閉弁を開けて前記供給容器から前記計量容器に粉体を供給する第1の粉体供給を実施し、
次に、前記集塵フード伸縮手段によって前記集塵フードの下端を前記計量容器の前記受入口から離間し、
次に、前記第1のバルブを開けると共に前記第2のバルブおよび前記第3のバルブを閉じて前記直接集塵路による集塵に切り換え、
次に、前記重量計によって計測した重量が第2の目標重量に到達するまで前記開閉弁を開けて、前記第1の粉体供給における単位時間当たり粉体供給量よりも少ない単位時間当たり粉体供給量で前記供給容器から前記計量容器に粉体を供給する第2の粉体供給を実施するように制御する、
ことを特徴とする粉体計量装置。
【請求項2】
前記シュートの下方において前記シュートから落下する粉体を受け取る受け取り位置と前記シュートの下方から離間した離間位置との間で移動自在に設けられたシュート用ダストパンと、前記受け取り位置と前記離間位置との間で前記シュート用ダストパンを移動させるシュート用ダストパン移動手段とを備える、請求項1に記載の粉体計量装置。
【請求項3】
前記受け取り位置から前記離間位置に向かって前記シュート用ダストパンが移動する際に前記シュート用ダストパン上に落下した粉体を吸引する落粉用集塵手段を備える、請求項2に記載の粉体計量装置。
【請求項4】
前記計量容器の前記受入口に着脱自在に装着された蓋と、前記蓋を把持する把持手段と、前記把持手段によって把持された前記蓋を移動させる蓋移動手段とを備える、請求項1から3までのいずれかに記載の粉体計量装置。
【請求項5】
前記蓋の下面から落下する粉体を受け取る蓋用ダストパンを備える、請求項4に記載の粉体計量装置。
【請求項6】
前記シュート用集塵手段は、前記直接集塵路および前記間接集塵路に代えて、前記集塵機と前記集塵ノズルとを接続する共通集塵路を含み、
前記共通集塵路には、大気吸引口と、前記大気吸引口を閉塞して前記大気吸引口からの大気の吸引を遮断する遮断位置と前記大気吸引口を開放して前記大気吸引口からの大気の吸引を許容する許容位置とに選択的に位置付けられる開閉手段と、前記許容位置と前記遮断位置とに前記開閉手段を選択的に位置付ける位置付け手段とが設けられている、請求項1から5までのいずれかに記載の粉体計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給容器から計量容器に所定量の粉体を供給する粉体計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、供給容器から計量容器に所定量の粉体を供給する粉体計量装置を提案している(下記特許文献1参照。)。この粉体計量装置は、底部の供給口に開閉弁を有した粉体の供給容器と、この供給口の下方に受入口を位置付けて供給される粉体を収容する計量容器と、この計量容器の重量を収容した粉体とともに計量する重量計と、供給口と受入口の間を筒状に囲う、一端が供給容器に取付けられ伸縮可能に形成された他端が計量容器に接離手段によって接離可能に取付けられ、筒状の内側が外部の集塵装置に断続可能に接続された集塵フードと、供給容器から計量容器への粉体の供給を制御するコントローラとを備える。
【0003】
また、上記粉体計量装置のコントローラにおいては、先ず、重量計によって計量容器の空状態重量を計測し、次に、接離手段によって集塵フードの他端を計量容器に接続し重量計によって計量容器の集塵フード接続状態重量を計測し、その後集塵装置を作動させ、次に、開閉弁を開けて粉体を供給し、計量容器の計測重量が、計量容器の空状態重量および集塵フード接続状態重量に基づいて集塵フード分離状態において目標供給重量となるように設定した計量演算値になるように制御し、この計量演算値が得られたら、開閉弁を閉じ、集塵装置の作動を止め、集塵フードを計量容器から分離するようになっている。
【0004】
そして、上記粉体計量装置によれば、周囲への発塵を防止しながら、供給容器から計量容器に所定量の粉体を精度よく供給することができる。
【0005】
また、上記粉体計量装置の好適実施形態として、コントローラは、供給容器から計量容器への粉体の供給手順を、集塵装置を用いた「大計量供給」と、その後の集塵装置を分離した「小計量供給」の2段に分けて遂行する形態が下記特許文献1に記載されている。この形態によれば、「大計量供給」によって大量の粉体を短時間で供給して計量時間を短くするとともに周囲への発塵を防止し、「小計量供給」によって粉体の正確な精密計量ができ、計量精度を確保、向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている粉体計量装置の好適実施形態においては、集塵装置を停止すると共に集塵フードを計量容器から分離した状態において小計量供給を行うため、供給容器から計量容器に供給される粉体の量が比較的少ない小計量供給といえども、わずかながら周囲に粉塵が飛散するおそれがある。
【0008】
上記事実に鑑みてなされた本発明の課題は、周囲への粉塵の飛散を防止しながら供給容器から計量容器に所定量の粉体を高精度に供給することができる粉体計量装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明が提供するのは以下の粉体計量装置である。すなわち、粉体が収容され下端に供給口が形成された供給容器と、前記供給容器の前記供給口を開閉する開閉弁と、前記供給容器の前記供給口から下方に延びる筒状のシュートと、前記シュートの外側に配置され少なくとも一部が上下方向に伸縮自在な筒状の集塵フードと、前記集塵フードを上下方向に伸縮させる集塵フード伸縮手段と、前記集塵フードに付設された集塵ノズルから粉塵を吸引するシュート用集塵手段と、上端に受入口が形成され前記供給容器内の粉体が前記シュートを介して前記受入口から供給される計量容器と、前記計量容器に供給された粉体の重量を計測する重量計と、前記供給容器から前記計量容器への粉体の供給を制御するコントローラとを備え、前記シュート用集塵手段は、吸引源を有する集塵機と、前記集塵機と前記集塵ノズルとを接続し第1のバルブが設けられた直接集塵路と、前記集塵機と前記集塵ノズルとを接続し大気吸引口が設けられた間接集塵路とを含み、前記間接集塵路には前記大気吸引口の上流側において第2のバルブが設けられていると共に前記大気吸引口の下流側において第3のバルブが設けられており、前記コントローラは、前記集塵フードの下端が前記計量容器の前記受入口から離間しているときに前記第1のバルブを開けると共に前記第2のバルブおよび前記第3のバルブを閉じた状態において前記吸引源を作動させて前記直接集塵路を介して集塵しながら、粉体供給前の前記計量容器の重量を前記重量計によって計測して計量基準値として設定し、次に、前記第1のバルブを閉じると共に前記第2のバルブおよび前記第3のバルブを開けて前記間接集塵路による集塵に切り換え、次に、前記集塵フード伸縮手段によって前記集塵フードの下端を前記計量容器の前記受入口に接続し、次に、前記重量計によって計測した重量が第1の目標重量に到達するまで前記開閉弁を開けて前記供給容器から前記計量容器に粉体を供給する第1の粉体供給を実施し、次に、前記集塵フード伸縮手段によって前記集塵フードの下端を前記計量容器の前記受入口から離間し、次に、前記第1のバルブを開けると共に前記第2のバルブおよび前記第3のバルブを閉じて前記直接集塵路による集塵に切り換え、次に、前記重量計によって計測した重量が第2の目標重量に到達するまで前記開閉弁を開けて、前記第1の粉体供給における単位時間当たり粉体供給量よりも少ない単位時間当たり粉体供給量で前記供給容器から前記計量容器に粉体を供給する第2の粉体供給を実施するように制御する、ことを特徴とする粉体計量装置である。
【0010】
好ましくは、前記シュートの下方において前記シュートから落下する粉体を受け取る受け取り位置と前記シュートの下方から離間した離間位置との間で移動自在に設けられたシュート用ダストパンと、前記受け取り位置と前記離間位置との間で前記シュート用ダストパンを移動させるシュート用ダストパン移動手段とを備える。
前記受け取り位置から前記離間位置に向かって前記シュート用ダストパンが移動する際に前記シュート用ダストパン上に落下した粉体を吸引する落粉用集塵手段を備えるのが好適である。
前記計量容器の前記受入口に着脱自在に装着された蓋と、前記蓋を把持する把持手段と、前記把持手段によって把持された前記蓋を移動させる蓋移動手段とを備えるのが好都合である。
前記蓋の下面から落下する粉体を受け取る蓋用ダストパンを備えるのが好ましい。
前記シュート用集塵手段は、前記直接集塵路および前記間接集塵路に代えて、前記集塵機と前記集塵ノズルとを接続する共通集塵路を含み、前記共通集塵路には、大気吸引口と、前記大気吸引口を閉塞して前記大気吸引口からの大気の吸引を遮断する遮断位置と前記大気吸引口を開放して前記大気吸引口からの大気の吸引を許容する許容位置とに選択的に位置付けられる開閉手段と、前記許容位置と前記遮断位置とに前記開閉手段を選択的に位置付ける位置付け手段とが設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明が提供する粉体計量装置では、集塵フードの下端が計量容器の受入口に接続された状態で供給容器から計量容器に粉体を供給する第1の粉体供給の際には間接集塵路による集塵を行い、集塵フードの下端が計量容器の受入口から離間した状態で供給容器から計量容器に粉体を供給する第2の粉体供給の際には直接集塵路による集塵を行うため、周囲への粉塵の飛散を防止しながら供給容器から計量容器に粉体を供給することができる。
【0012】
また、本発明の粉体計量装置では、粉体供給前の計量容器の重量を計測する際および第2の粉体供給を実施する際に、集塵フードの下端が計量容器から離間していると共に直接集塵路による集塵を行っており、すなわち計量開始時および計量完了時(第2の粉体供給終了時)において同一の条件で計量を行っているので、供給容器から計量容器に所定量の粉体を高精度に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に従って構成された粉体計量装置の正面図。
【
図2】蓋取り外し工程において計量容器が蓋着脱位置まで上昇した状態を示す粉体計量装置の正面図。
【
図3】蓋取り外し工程において把持手段によって蓋が把持された状態を示す粉体計量装置の正面図。
【
図4】蓋取り外し工程において計量容器が下降し、かつ、落粉用集塵手段のバルブが開けられると共に吸引源が作動された状態を示す粉体計量装置の正面図。
【
図5】蓋取り外し工程において計量容器の蓋およびシュート用ダストパンが離間した状態を示す粉体計量装置の正面図。
【
図6】直接集塵開始工程を実施した後、計量基準値設定工程を実施している状態を示す粉体計量装置の正面図。
【
図7】間接集塵切り換え工程および集塵フード接続工程を実施した状態を示す粉体計量装置の正面図。
【
図8】集塵フード離間工程および直接集塵切り換え工程を実施した状態を示す粉体計量装置の正面図。
【
図9】蓋装着工程において計量容器が下降した状態を示す粉体計量装置の正面図。
【
図10】蓋装着工程において、計量容器の受入口の上方に蓋が位置付けられると共に、シュート用ダストパンがシュートの下方に位置付けられた状態を示す粉体計量装置の正面図。
【
図11】蓋装着工程において、計量容器が上昇し、計量容器の受入口に蓋が装着されると共に、把持手段による蓋の把持が解除された状態を示す粉体計量装置の正面図。
【
図12】計量容器が下降し、支持台に計量容器が搭載された状態を示す粉体計量装置の正面図。
【
図13】(a)開閉手段が遮断位置に位置付けられた状態を示す一部断面模式図、(b)開閉手段が許容位置に位置付けられた状態を示す一部断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に従って構成された粉体計量装置の好適実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1を参照して説明すると、全体を符号2で示す粉体計量装置は、粉体が収容された供給容器4を備える。供給容器4は、上下方向に延びる筒状(円筒状や角筒状でもよく、角筒状の場合に断面は四角形状に限定されず多角形状であってもよい。)の胴壁5と、胴壁5の下端から下方に向かって次第に縮径する錐壁6とを有する。錐壁6の下端には供給口8が形成され、この供給口8を開閉する開閉弁10が供給口8に装着されている。開閉弁10としては、コーンバルブやバタフライバルブ等の適宜の粉体用開閉弁を用いることができる。また、開閉弁10は、エア駆動アクチュエータや電動アクチュエータ等の適宜のアクチュエータ(図示していない。)によって開閉駆動されるようになっている。なお、供給容器4は使用場所に固定される固定式容器でもよく、あるいはフォークリフトやコンベア等の適宜の移動手段(図示していない。)によって移動される移動式容器であってもよい。
【0016】
供給容器4の供給口8には下方に延びる円筒状のシュート12が接続され、このシュート12の径方向外側には円筒状の集塵フード14が配置されている。集塵フード14は、シュート12の上端側外周面に接続された上端側固定部分14aと、上端側固定部分14aの下端側から下方に延びる円筒状の下端側伸縮部分14bとを有する。上端側固定部分14aの上端は閉塞され、下端側伸縮部分14bの下端は開放されている。下端側伸縮部分14bは、蛇腹状等に形成され、上下方向に伸縮自在に構成されている。また、集塵フード14には、集塵フード14を上下方向に伸縮させる集塵フード伸縮手段16が連結されている。図示の実施形態の集塵フード伸縮手段16は、集塵フード14の径方向外側において上下方向に延びる複数のエアシリンダを含み、各エアシリンダのロッド先端(下端)が集塵フード14の下端側外周面に連結されている。
【0017】
また、粉体計量装置2は、集塵フード14の上端側固定部分14aに付設された集塵ノズル18から粉塵を吸引するシュート用集塵手段20を備える。集塵ノズル18の先端部分は集塵フード14の内周面とシュート12の外周面との間に位置している。シュート用集塵手段20は、吸引源22を有する集塵機24と、集塵機24と集塵ノズル18とを接続し第1のバルブ26が設けられた直接集塵路28と、集塵機24と集塵ノズル18とを接続し大気吸引口30が設けられた間接集塵路32とを含む。なお、直接集塵路28には、大気吸引口30は設けられていない。また、集塵機24としては、電気集塵機や濾過式集塵機、湿式集塵機等の公知の集塵機を用いることができる。
【0018】
間接集塵路32には、大気吸引口30の上流側において第2のバルブ34が設けられていると共に、大気吸引口30の下流側において第3のバルブ36が設けられている。また、直接集塵路28および間接集塵路32のそれぞれには、風量調整用バルブ38が設けられている。第1のバルブ26、第2のバルブ34、第3のバルブ36および風量調整用バルブ38は、エア駆動アクチュエータや電動アクチュエータ等の適宜のアクチュエータで弁体が開閉されるバタフライバルブから構成され得る。なお、風量調整用バルブ38については手動で弁体が開閉されるようになっていてもよい。また、風量調整用バルブ38は常時開けられており、風量調整用バルブ38の開度は任意に調整される。
【0019】
図1に示すとおり、シュート12の下方には、供給容器4内の粉体がシュート12を介して供給される計量容器40が位置付けられている。計量容器40は、フォークリフトやコンベア等の適宜の移動手段によって移動される移動式容器である。計量容器40は、天面壁41と、天面壁41の周縁から下方に延びる筒状(円筒状や角筒状でもよく、角筒状の場合に断面は四角形状に限定されず多角形状であってもよい。)の胴壁42と、胴壁42の下端から下方に向かって次第に縮径する錐壁44と、錐壁44の上端側外面から下方に延びる複数の脚部材46とを有する。
【0020】
天面壁41の中央部分には、円形の受入口と、この受入口の周縁から上方に突出する円筒状の突出壁48が形成されている。なお、便宜上、以下の説明では「受入口」に符号48を付して説明する。図示の実施形態では
図1に示すとおり、受入口48を閉塞する円形の蓋50が着脱自在に受入口48に装着されており、蓋50の周縁は受入口48の周縁よりも径方向外側に突出している。また、錐壁44の下端には排出口52が形成され、この排出口52を開閉する開閉弁54が排出口52に装着されている。開閉弁54としては、コーンバルブやバタフライバルブ等の適宜の粉体用開閉弁を用いることができる。また、開閉弁54は、エア駆動アクチュエータや電動アクチュエータ等の適宜のアクチュエータによって開閉駆動されるようになっている。
【0021】
図1に示すとおり、計量容器40は支持台56に搭載されており、支持台56は、上下方向に延びる複数の脚部58と、複数の脚部58の上端に接続された搭載部60とを有する。搭載部60の上面には、計量容器40の複数の脚部材46の外縁位置を規制することによって、計量容器40の受入口48をシュート12の下方に位置付けるための複数の規制片62が付設されている。
【0022】
搭載部60の下方には、搭載部60に搭載された計量容器40を昇降させる昇降手段64と、計量容器40に供給された粉体の重量を計測する重量計66とが配置されている。昇降手段64は、電動シリンダ、エアシリンダまたは油圧シリンダ等の適宜のアクチュエータ(図示していない。)を含む。昇降手段64のアクチュエータとしては、作動流体の漏れに起因する自然降下が発生しない電動シリンダ等の電動アクチュエータを用いるのが好ましい。また、重量計66は、昇降手段64の上部に装着されており、昇降手段64によって計量容器40を上昇させて支持台56から離間させた際に、計量容器40に供給された粉体の重量と共に計量容器40の重量を計測するようになっている。
【0023】
図1を参照して説明を続けると、粉体計量装置2は、供給容器4から計量容器40への粉体の供給を制御するコントローラ68を備える。コントローラ68は、開閉弁10のアクチュエータ、集塵フード伸縮手段16、シュート用集塵手段20、昇降手段64および重量計66に電気的に接続されており、開閉弁10のアクチュエータ、集塵フード伸縮手段16、シュート用集塵手段20、昇降手段64および重量計66の作動を制御するようになっている。
【0024】
図1および
図5を参照して説明すると、図示の実施形態の粉体計量装置2は、シュート12の下方においてシュート12から落下する粉体を受け取る受け取り位置(
図1に示す位置)とシュート12の下方から離間した離間位置(
図5に示す位置)との間で移動自在に設けられたシュート用ダストパン70と、受け取り位置と離間位置との間でシュート用ダストパン70を移動させるシュート用ダストパン移動手段72とを備える。
【0025】
図示の実施形態のシュート用ダストパン移動手段72は、シュート用ダストパン70の径方向に延びるエアシリンダを含み、このエアシリンダのロッド先端(
図1における右側端部)に、集塵フード14の外径よりも大きい直径を有する円板状のシュート用ダストパン70が連結されている。シュート用ダストパン移動手段72は、適宜のブラケット(図示していない。)によって固定されていると共にコントローラ68に電気的に接続されており、シュート用ダストパン移動手段72の作動はコントローラ68によって制御される。なお、シュート用ダストパン70は矩形状であってもよい。
【0026】
そして、シュート用ダストパン移動手段72によってシュート用ダストパン70が受け取り位置に位置付けられると、供給容器4の開閉弁10が閉じている際に、シュート12または集塵フード14から落下する粉体(シュート12の内外面または集塵フード14の内面に付着していた粉体)がシュート用ダストパン70で受け取られるので、周囲への粉塵の飛散が防止される。また、シュート用ダストパン移動手段72によってシュート用ダストパン70が離間位置に位置付けられると、シュート12を介して供給容器4から計量容器40に粉体が供給され得る状態となる。
【0027】
また、図示の実施形態では
図1に示すとおり、粉体計量装置2は、受け取り位置から離間位置に向かってシュート用ダストパン70が移動する際にシュート用ダストパン70上に落下した粉体を吸引する落粉用集塵手段74を備える。
【0028】
落粉用集塵手段74は、吸引源76を有する集塵機78と、シュート用ダストパン70の端部(
図1における左側端部)の上方であって、かつシュート用ダストパン移動手段72のエアシリンダのロッド先端の上方に配置された集塵ノズル80と、集塵機78と集塵ノズル80とを接続しバルブ82が設けられた集塵路84とを含む。
【0029】
落粉用集塵手段74の集塵機78としては、シュート用集塵手段20の集塵機24と同様に、電気集塵機や濾過式集塵機、湿式集塵機等の公知の集塵機を用いることができる。バルブ82は、エア駆動アクチュエータや電動アクチュエータ等の適宜のアクチュエータで弁体が開閉されるバタフライバルブから構成され得る。また、落粉用集塵手段74もコントローラ68に電気的に接続されており、落粉用集塵手段74の作動はコントローラ68によって制御される。
【0030】
そして、落粉用集塵手段74においては、シュート用ダストパン70が受け取り位置から離間位置に向かって移動する際に、バルブ82を開けると共に集塵機78の吸引源76を作動させることによって、シュート用ダストパン70上に落下した粉体を吸引するようになっている。これによって、シュート用ダストパン70上に落下した粉体の飛散が防止される。
【0031】
さらに、図示の実施形態の粉体計量装置2は、計量容器40の蓋50を把持する把持手段86と、把持手段86によって把持された蓋50を移動させる蓋移動手段とを備える。
【0032】
図示の実施形態の把持手段86は、シュート用ダストパン移動手段72のエアシリンダに連結されたブラケット88と、シュート用ダストパン70の周方向に間隔をおいて且つシュート用ダストパン70の径方向に沿って配置された複数のエアシリンダ90と、各エアシリンダ90のロッド先端(径方向内側端部)に付設された把持片92とを含む。図示の実施形態では、シュート用ダストパン移動手段72が蓋移動手段を兼ねている。ただし、シュート用ダストパン移動手段72とは別のアクチュエータによって蓋移動手段が構成され、蓋移動手段のアクチュエータがコントローラ68によって制御されるようになっていてもよい。
【0033】
そして、把持手段86においては、昇降手段64によって計量容器40が上昇された際に、各エアシリンダ90で各把持片92を径方向内側に移動させることにより、各把持片92で計量容器40の蓋50を挟み込んで把持するようになっている。また、蓋移動手段においては、各把持片92で蓋50を把持した状態において昇降手段64によって計量容器40が下降された際に、把持手段86によって把持された蓋50を計量容器40の受入口48の上方から移動させるようになっている。
【0034】
他方、把持手段86で把持した蓋50を蓋移動手段によって計量容器40の上方に位置付けた後、昇降手段64によって計量容器40を上昇させると共に、把持手段86による蓋50の把持を解除することにより、計量容器40の受入口48に蓋50を装着することができる。このように図示の実施形態の粉体計量装置2は、把持手段86および蓋移動手段(シュート用ダストパン移動手段72)を備えているので、計量容器40の蓋50の着脱を自動化することができ、粉体供給時のみ計量容器40の受入口48を開放することができる。これによって、計量容器40内への異物の混入リスクを低減することができると共に、計量容器40に粉体が供給された後の発塵を低減することができる。
【0035】
図1に示すとおり、粉体計量装置2は、計量容器40の蓋50の下面から落下する粉体を受け取る蓋用ダストパン94を備えているのが好ましい。蓋用ダストパン94は、適宜のブラケット(図示していない。)によって固定されており、把持手段86によって把持された蓋50が蓋移動手段によって計量容器40の受入口48の上方から移動した際に、蓋50の下方に位置するように配置されている。これによって、蓋50の下面に粉体が付着していた場合に、蓋50の下面から落下する粉体を蓋用ダストパン94によって受け取ることができ、周囲への粉塵の飛散を防止することができる。
【0036】
次に、上述したとおりの粉体計量装置2において、供給容器4から計量容器40に所定量の粉体を供給する粉体供給方法について説明する。
【0037】
図示の実施形態の粉体供給方法においては、まず、
図1に示すとおり、計量容器40を支持台56に搭載する計量容器搭載工程を実施する。計量容器搭載工程では、受入口48に蓋50が装着された空の計量容器40(粉体を配合する場合等には、適量の粉体が収容された計量容器でもよい。)をフォークリフトやコンベア等の適宜の移動手段によって移動させ、支持台56の搭載部60の上面に搭載する。この際、計量容器40の複数の脚部材46の外縁を複数の規制片62の内側に位置付けることによって、計量容器40の受入口48をシュート12の下方に位置付ける。また、コンベアによって計量容器40を移動させた際は、規制片62が計量容器40を停止させるストッパーとして機能する。なお、計量容器搭載工程を実施する際は、シュート用ダストパン70はシュート12の下方に位置付けられている。
【0038】
計量容器搭載工程を実施した後、計量容器40の蓋50を取り外して計量容器40から離間させる蓋取り外し工程を実施する。蓋取り外し工程では、まず、
図2に示すとおり、蓋50の下面が把持片92の上面よりも若干上方に位置する蓋着脱位置まで計量容器40を昇降手段64によって上昇させる。この際、各把持片92は、把持手段86の把持片92の間を蓋50が通過することができる位置に位置付けられている。次に、
図3に示すとおり、把持手段86の各エアシリンダ90で各把持片92を径方向内側に移動させることにより、各把持片92で蓋50を挟み込んで把持する。
【0039】
各把持片92で蓋50を把持した後、
図4に示すとおり、計量容器40を昇降手段64で下降させ、支持台56の搭載部60の上面に載せる。また、落粉用集塵手段74のバルブ82を開けると共に、集塵機78の吸引源76を作動させる。次に、
図5に示すとおり、シュート用ダストパン移動手段72のエアシリンダを作動させ、各把持片92で把持した蓋50を計量容器40の受入口48の上方から離間させると共に、シュート用ダストパン70をシュート12の下方から離間させる。
【0040】
シュート用ダストパン70をシュート12の下方から離間させる際には、シュート用ダストパン70に落下した粉体が落粉用集塵手段74によって吸引され、シュート用ダストパン70が清掃される。シュート用ダストパン70をシュート12の下方から離間させた後、落粉用集塵手段74のバルブ82を閉じると共に、集塵機78の吸引源76の作動を停止させる。このようにして、計量容器40の蓋50を取り外して計量容器40から離間させる蓋取り外し工程を実施する。なお、蓋取り外し工程においては、コントローラ68によって昇降手段64や把持手段86、落粉用集塵手段74、シュート用ダストパン移動手段72等の作動が制御される。また、後述の各工程においても各機器の作動はコントローラ68によって制御される。
【0041】
蓋取り外し工程を実施した後、集塵フード14の下端が計量容器40の受入口48から離間しているときに、直接集塵路28の第1のバルブ26を開けると共に、間接集塵路32の第2のバルブ34および第3のバルブ36を閉じた状態において、集塵機24の吸引源22を作動させて直接集塵路28を介しての集塵(以下「直接集塵」ということがある。)を開始する直接集塵開始工程を実施する。なお、シュート12の内面に付着していた粉体については、落下しても受入口48から計量容器40に収容されるので粉体計量装置2の設置場所に粉体が落下することがないと共に、仮に空気中に粉塵が浮遊したとしても、粉塵はシュート用集塵手段20によって吸引されるので、周囲への粉塵の飛散が防止される。
【0042】
直接集塵開始工程を実施した後、直接集塵を行いながら、粉体供給前の計量容器40の重量を重量計66によって計測して計量基準値として設定する計量基準値設定工程を実施する。計量基準設定工程では、
図6に示すとおり、まず、昇降手段64によって計量容器40を上昇させて支持台56の搭載部60から離間させる。そして、計量容器40を支持台56から離間させた際に、粉体供給前の計量容器40の重量を重量計66によって計測し、計測値を計量基準値として設定(いわゆる0セット)する。また、計量容器40は、受入口48に集塵フード14が接続可能な位置に昇降手段64によって上昇される。なお、受入口48に集塵フード14が接続可能な位置に計量容器40が位置づけられた際、シュート12の下端と計量容器40の上端との間には間隙が存在する。
【0043】
計量基準値設定工程を実施した後、
図7に示すとおり、直接集塵路28の第1のバルブ26を閉じると共に、間接集塵路32の第2のバルブ34および第3のバルブ36を開けて、大気吸引口30が設けられている間接集塵路32による集塵(以下「間接集塵」ということがある。)に切り換える間接集塵切り換え工程を実施する。
【0044】
また、
図7に示すとおり、間接集塵切り換え工程を実施した後、集塵フード伸縮手段16によって集塵フード14を伸長させ、集塵フード14の下端を計量容器40の受入口48に接続する集塵フード接続工程を実施する。集塵フード14が受入口48に接続されると、集塵フード伸縮手段16のエアシリンダの推力によって集塵フード14の下端と天面壁41の上面とが密着することになると共に、集塵フード伸縮手段16のエアシリンダの推力が計量容器40の重量に加わることになる。このため、集塵フード接続工程では、集塵フード14の下端を計量容器40の受入口48に接続した後、集塵フード伸縮手段16のエアシリンダの推力を重量計66によって計測し、計測値をコントローラ68において記憶する。
【0045】
集塵フード接続工程を実施した後、大気吸引口30から大気を吸引すると共に飛散した粉塵を集塵ノズル18から吸引する間接集塵を行いながら、重量計66によって計測した粉体の重量が第1の目標重量に到達するまで、供給容器4の開閉弁10を開けて供給容器4から計量容器40に粉体を供給する第1の粉体供給工程を実施する。第1の粉体供給工程では、集塵フード接続工程において記憶した集塵フード伸縮手段16のエアシリンダの推力を重量計66の計測値からコントローラ68において減算する。
【0046】
第1の粉体供給工程では、工程時間の短縮化の観点から比較的多い量の粉体を供給容器4から計量容器40に供給するのが好ましい。また、第1の粉体供給工程では、第1の目標重量よりも若干少ない所定重量まで比較的大きい第1の開度で開閉弁10を開けて比較的多い量の粉体を比較的短時間で供給し、上記所定重量に到達したら第1の目標重量まで第1の開度よりも小さい開度で開閉弁10を開けて、第1の開度のときよりも少ない量の粉体を供給するように、大きい開度から小さい開度に段階的に開閉弁10の開度を変更するようにしてもよい。このような開閉弁10の開度の段階的な変更は2段階でなくてもよく、3段階以上に設定してもよい。また、第1の目標重量に到達するまで開閉弁10の開度を一定に保持して粉体を供給してもよく、あるいは、開閉弁10の開閉を繰り返しながら粉体を供給してもよい。
【0047】
このように図示の実施形態では、集塵フード14の下端が計量容器40の受入口48に接続された状態(集塵フード14の下端が天面壁41の上面に密着した状態)で供給容器4から計量容器40に粉体を供給する第1の粉体供給工程の際に、集塵ノズル18から粉塵を吸引すると共に大気吸引口30から大気を吸引する間接集塵を行っているため、周囲への粉塵の飛散を防止しながら供給容器4から計量容器40に粉体を供給することができる。
【0048】
第1の粉体供給工程の際に行う間接集塵では、大気吸引口30から大気を吸引しているので集塵フード14の内部の気圧が過度に下がることがない。したがって、第1の粉体供給工程の際に、シュート12の下端と計量容器40の上端との間から径方向外側に向かって浮遊した粉塵のみが集塵機24に吸引されることになり、シュート12を通って供給容器4から計量容器40に供給される粉体が集塵機24によって過剰に吸引されることがなく、粉体ロスが低減される。また、供給容器4および計量容器40の内部の気圧も過度に下がることがないので、供給容器4および計量容器40の変形ないし破損が防止されると共に、開閉弁54がコーンバルブである場合にコーンバルブの傾きないし浮き上がりが抑制され、これによって計量容器40の排出口52からの粉体漏れが防止される。
【0049】
第1の粉体供給工程を実施した後、
図8に示すとおり、集塵フード伸縮手段16によって集塵フード14を縮小させ、集塵フード14の下端を計量容器40の受入口48から離間させる集塵フード離間工程を実施する。
【0050】
また、
図8に示すとおり、集塵フード離間工程を実施した後、直接集塵路28の第1のバルブ26を開けると共に、間接集塵路32の第2のバルブ34および第3のバルブ36を閉じて直接集塵に切り換える直接集塵切り換え工程を実施する。
【0051】
直接集塵切り換え工程を実施した後、直接集塵を行いながら、重量計66によって計測した粉体の重量が第2の目標重量に到達するまで開閉弁10を開けて、第1の粉体供給工程における単位時間当たり粉体供給量よりも少ない単位時間当たり粉体供給量で供給容器4から計量容器40に粉体を供給する第2の粉体供給工程を実施する。
【0052】
第2の粉体供給工程では、計量精度の向上の観点から第1の粉体供給工程における単位時間当たり粉体供給量よりも少ない単位時間当たり粉体供給量で供給容器4から計量容器40に粉体を供給すると共に、工程時間の短縮化の観点から第1の粉体供給工程の際の粉体供給量よりも少ない量の粉体を供給容器4から計量容器40に供給する。なお、第2の粉体供給工程においても、第1の粉体供給工程と同様に、段階的に開閉弁10の開度を変更するようにしてもよく、あるいは、第2の目標重量に到達するまで開閉弁10の開度を一定に保持して粉体を供給してもよく、あるいは、開閉弁10の開閉を繰り返しながら粉体を供給してもよい。
【0053】
このように図示の実施形態では、集塵フード14の下端が計量容器40の受入口48から離間した状態で供給容器4から計量容器40に比較的少ない量の粉体を供給する第2の粉体供給工程の際に直接集塵を行っているため、周囲への粉塵の飛散を防止しながら供給容器4から計量容器40に粉体を供給することができる。
【0054】
また、図示の実施形態では、粉体供給前の計量容器40の重量を計測する際および第2の粉体供給工程を実施する際に、集塵フード14の下端が計量容器40から離間していると共に直接集塵を行っており、すなわち計量開始時および計量完了時(第2の粉体供給工程終了時)において同一の条件で計量を行っているので、供給容器4から計量容器40に所定量の粉体を高精度に供給することができる。
【0055】
さらに、第2の粉体供給工程の際に行う直接集塵では、集塵フード14の下端と受入口48との間から大気を吸引しているので集塵フード14の内部の気圧が過度に下がることがない。したがって、第2の粉体供給工程の際に、シュート12の下端と計量容器40の上端との間から径方向外側に向かって浮遊した粉塵のみが集塵機24に吸引されることになり、シュート12を通って供給容器4から計量容器40に供給される粉体が集塵機24によって過剰に吸引されることがなく粉体ロスが低減される。また、供給容器4および計量容器40の内部の気圧も過度に下がることがないので、供給容器4および計量容器40の変形ないし破損が防止されると共に、開閉弁54がコーンバルブである場合にコーンバルブの傾きないし浮き上がりが抑制され、これによって計量容器40の排出口52からの粉体漏れが防止される。
【0056】
第2の粉体供給工程を実施した後、計量容器40の受入口48に蓋50を装着する蓋装着工程を実施する。蓋装着工程では、まず、
図9に示すとおり、昇降手段64によって計量容器40を下降させ、支持台56の搭載部60の上面に載せる。次に、
図10に示すとおり、シュート用ダストパン移動手段72のエアシリンダを作動させ、各把持片92で把持した蓋50を計量容器40の受入口48の上方に位置付けると共に、シュート用ダストパン70をシュート12の下方に位置付ける。
【0057】
次に、
図11に示すとおり、蓋着脱位置まで計量容器40を昇降手段64によって上昇させ、計量容器40の受入口48に蓋50を装着する。次に、把持手段86の各エアシリンダ90を作動させ、各把持片92による蓋50の把持を解除した後、
図12に示すとおり、昇降手段64によって計量容器40を下降させ、支持台56の搭載部60の上面に蓋50が装着された計量容器40を搭載する。そして、集塵機24の吸引源22の作動を停止させると共に、直接集塵路28の第1のバルブ26を閉じる。
【0058】
なお、上述したとおりの図示の実施形態では、シュート用集塵手段20が直接集塵路28および間接集塵路32を含む例を説明したが、シュート用集塵手段は、直接集塵路28および間接集塵路32に代えて、集塵機24と集塵ノズル18とを接続する共通集塵路を含んでいてもよい。
【0059】
図13を参照して説明すると、符号96で示すシュート用集塵手段は、集塵機24と集塵ノズル18とを接続する共通集塵路98を含む。共通集塵路98には、大気吸引口100と、大気吸引口100を閉塞して大気吸引口100からの大気の吸引を遮断する遮断位置(
図13(a)に示す位置)と大気吸引口100を開放して大気吸引口100からの大気の吸引を許容する許容位置(
図13(b)に示す位置)とに選択的に位置付けられる開閉手段102と、許容位置と遮断位置とに開閉手段102を選択的に位置付ける位置付け手段104とが設けられている。
【0060】
共通集塵路98は、鋼管等の適宜の金属製円筒部材から形成されており、上流側集塵路98aと、上流側集塵路98aの下流端と軸方向に間隔をおいて上流端が配置された下流側集塵路98bとを備える。
図13に示す例における下流側集塵路98bの上流端は拡径していて大気吸引口100を構成している。また、
図13に示す例における開閉手段102は、全体として円筒状に形成されており、上流側集塵路98aの外周面に摺動自在に装着された円筒状の小径部102aと、小径部102aの下流端から径方向外側に延びる環状部102bと、環状部102bの外周縁から軸方向下流側に延びる環状の大径部102cとを有する。
【0061】
図13(a)を参照することによって理解されるとおり、小径部102aの内径は上流側集塵路98aの下流端の外径に対応し、大径部102cの内径は下流側集塵路98bの上流端の外径に対応している。また、
図13(a)に示すとおり、開閉手段102が遮断位置に位置付けられた際には、環状部102bの内面と下流側集塵路98bの上流端とが接触するようになっている。位置付け手段104は、開閉手段102の周方向に間隔をおいて軸方向に沿って配置された複数のエアシリンダを含み、各エアシリンダのロッド先端が環状部102bの外面に連結されている。また、共通集塵路98には、共通集塵路98を開閉するバルブ106と、風量調整用バルブ108とが設けられている。
【0062】
そして、シュート用集塵手段96においては、直接集塵を行う際、
図13(a)に示すとおり、位置付け手段104によって開閉手段102を遮断位置に位置付けると共にバルブ106を開けた状態において集塵機24の吸引源22を作動させるようになっている。これによって、集塵ノズル18から粉塵を吸引すると共に集塵フード14の下端と受入口48との間から大気を吸引する直接集塵を行うことができる。
【0063】
また、シュート用集塵手段96においては、間接集塵を行う際、
図13(b)に示すとおり、位置付け手段104によって開閉手段102を許容位置に位置付けると共にバルブ106を開けた状態において集塵機24の吸引源22を作動させるようになっている。これによって、集塵ノズル18から粉塵を吸引すると共に大気吸引口100から大気を吸引する間接集塵を行うことができる。
【符号の説明】
【0064】
2:粉体計量装置
4:供給容器
8:供給口
10:開閉弁
12:シュート
14:集塵フード
16:集塵フード伸縮手段
18:集塵ノズル
20:シュート用集塵手段
22:シュート用集塵手段の吸引源
24:シュート用集塵手段の集塵機
26:第1のバルブ
28:直接集塵路
30:大気吸引口
32:間接集塵路
34:第2のバルブ
36:第3のバルブ
40:計量容器
48:受入口
50:計量容器の蓋
66:重量計
68:コントローラ
70:シュート用ダストパン
72:シュート用ダストパン移動手段
74:落粉用集塵手段
86:把持手段
94:蓋用ダストパン
98:共通集塵路
100:大気吸引口
102:開閉手段
104:位置付け手段