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  • 特許-照明システム、照明器具およびリモコン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】照明システム、照明器具およびリモコン
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/165 20200101AFI20221130BHJP
   H05B 47/195 20200101ALI20221130BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B47/195
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021095550
(22)【出願日】2021-06-08
(62)【分割の表示】P 2017114303の分割
【原出願日】2017-06-09
(65)【公開番号】P2021128943
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2021-06-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(72)【発明者】
【氏名】泰平 正博
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-234717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/165
H05B 47/195
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の発光素子を備える照明ユニットと、
リモコンの送信部から送信される前記照明ユニットのオート制御の起動情報と、実際の時間単位の時刻情報を所定の時間単位に改変したものであって、前記所定の時間単位が、n分であり、nは、2以上の正の整数である、改変時刻情報を受信する受信部と、
時刻を示す時計機能を有する照明時計部と、
時刻に応じた点灯条件を記憶し前記点灯条件と前記照明時計部の時刻とに基づいて前記照明ユニットの点灯をオート制御する制御部と、
前記受信部が受信した信号に含まれる前記改変時刻情報に基づいて前記照明時計部の時刻を補正する補正部と、を有することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記リモコンは、信号を送信する送信部とリモコン時計部と、信号送信補助部を有し、
前記信号送信補助部は、
前記送信部により送信した信号に含まれる前記所定の時間単位に改変した前記改変時刻情報と、前記実際の時間単位の時刻情報との時間のズレ、および、前記所定の時間単位と前記ズレた時間の差の時間、を算出し、
前記送信部が前記改変時刻情報を含む信号を送信した時点から前記差の時間が経過後、経過時における実際の時間単位の時刻情報を前記所定の時間単位に改変した前記改変時刻情報を、前記送信部を介して前記照明器具の前記受信部に送信することを特徴とする請求項1記載の照明器具に用いられるリモコン。
【請求項3】
前記実際の時間単位が、1分であり、前記所定の時間単位が、n分であり、nは、2以上の正の整数であって、送信される信号は、前記照明器具のオート制御の起動情報を含む信号と、前記照明器具のオート制御の起動情報を含まない信号とで、同じデータ長であることを特徴とする請求項2に記載のリモコン。
【請求項4】
前記リモコンは、前記照明器具のオート制御を選択し、且つ、オート制御の起動情報と前記リモコン時計部の時刻情報とを含む信号を送信するボタンと、オート制御ではなく、全ての前記照明ユニットを点灯する信号を送信するボタンと、オート制御ではなく、全ての前記照明ユニットを消灯する信号を送信するボタンを有することを特徴とする請求項2または3に記載のリモコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システム、照明器具およびリモコンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、照明器具を、リモコンからの指示に応じて動作させる照明システムが広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-225175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明システムでは、操作者が、自らリモコンを操作することで、リモコンからの指示により、照明器具の明るさの変更等が制御される。しかし、生活において、家事等の様々な作業を行っている際に、明るさ等を調整するのは手間である。これに対して、本発明者らは、照明システムにおいて、時刻に応じて、例えば、朝方は青白く明るい光、夕方はくつろげる色合い、夜は暗く等、照明器具の点灯条件を自動的に変更可能となれば、利便であるとの知見を得た。
【0005】
そこで、本発明は、時刻に応じて、照明器具の点灯条件を自動的に変更可能な照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の照明器具は、
1以上の発光素子を備える照明ユニットと、
リモコンの送信部から送信される前記照明ユニットのオート制御の起動情報と、実際の時間単位の時刻情報を所定の時間単位に改変した改変時刻情報を受信する受信部と、
時刻を示す時計機能を有する照明時計部と、
時刻に応じた点灯条件を記憶し前記点灯条件と前記照明時計部の時刻とに基づいて前記照明ユニットの点灯をオート制御する制御部と、
前記受信部が受信した信号に含まれる前記改変時刻情報に基づいて前記照明時計部の時刻を補正する補正部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、時刻に応じて、照明器具の点灯条件を自動的に変更可能な照明システム、照明器具およびリモコンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の照明システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本発明のリモコンの外観の一例を示す平面図である。
図3図3は、本発明の照明システムの構成の別の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の照明システム、照明器具およびリモコンについて、図を用いて説明する。本発明は、下記の実施形態によって何ら限定および制限されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、図においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。
【0010】
[実施形態1]
図1は、本発明の照明システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の照明システムは、本発明のリモコン10と、本発明の照明器具20とを含む。
【0011】
(リモコン)
まず、リモコン10について説明する。リモコン10は、信号の送信部11と、リモコン時計部12とを有する。送信部11は、照明器具20に信号を送信する。前記信号は、照明器具20のオート制御の起動情報とリモコン時計部12の時刻情報とを含む。リモコン10は、例えば、電池装着部を有し、前記電池装着部に電池をセットすることで、前記電池により駆動することができる。前記電池は、例えば、非充電式でも、充電式でもよい。
【0012】
リモコン10は、例えば、送信部11が、前記オート制御の起動情報および前記時刻情報を含む信号を送信可能である以外は、時計機能を有する従来公知の照明器具用リモコンと同様であってもよい。
【0013】
リモコン10の送信部11による信号の送信形式は、特に制限されない。信号のキャリアは、例えば、赤外線等があげられる。
【0014】
リモコン時計部12は、いわゆる時刻を示す時計機能を有していればよい。リモコン時計部12の時刻は、例えば、操作者によって、時刻合わせ可能である。リモコン10は、例えば、前述のように、前記電池により駆動でき、リモコン時計部12も、セットされた前記電池によって、時計機能が駆動する。なお、本発明において、リモコン時計部12の「時計機能」とは、時刻を示す機能を含み、例えば、経過時間を示すストップウオッチ機能のみを意味するものではない。本発明におけるリモコン時計部12の「時計機能」は、時刻を示す機能のみでもよいし、時刻を示す機能と経過時間を示す機能の両方を含んでもよい。
【0015】
図2に、リモコン10の外観の一例を示す。このリモコン10は、内部に、送信部11およびリモコン時計部12を有している。リモコン10は、例えば、図2に示すように、さらに、表示部101と、照明器具20に送信する信号を選択し、送信するボタン102~104とを有してもよい。図2のリモコン10において、ボタン104「快適」は、照明器具20のオート制御を選択し、且つ、オート制御の起動情報とリモコン時計部12の時刻情報とを含む信号を送信するボタンである。ボタン102「全灯」は、例えば、オート制御ではなく、照明器具20の全ての照明ユニット22を点灯する信号を送信するボタンであり、ボタン103「消灯」は、例えば、オート制御ではなく、照明器具20の全ての照明ユニット22を消灯する信号を送信するボタンである。なお、図2において、「快適、全灯、消灯」との表現は、一例であり、これには制限されない。
【0016】
表示部101は、例えば、液晶ディスプレイ等であり、符号101aで示すように、現在時刻等の情報を表示可能である。
【0017】
図2のリモコン10には、主要な3つのボタン102~104のみを例示しているが、例えば、さらに、照明器具20の点灯色、明るさ等を手動で調整する調整用のボタン、消灯時間のタイマー設定用のボタン等を有してもよい。また、リモコン10は、さらに、カバー105を有してもよく、カバー105は、例えば、上下方向に移動するスライド式でもよいし、カバー105の上部が、図の手前方向に立ち上がる開閉式でもよい。各種ボタンは、未使用時、例えば、カバー105によって覆われてもよい。
【0018】
(照明器具)
つぎに、照明器具20について説明する。照明器具20は、信号の受信部21と、照明ユニット22と、照明の制御部23と、照明時計部24と、時刻の補正部25とを有する。
【0019】
受信部21は、リモコン10の送信部11から信号を受信する。受信部21は、例えば、前記オート制御の起動情報および前記時刻情報を含む信号を受信する以外は、従来公知のリモコン式照明システムの照明器具における信号の受信部と同様である。
【0020】
照明ユニット22は、例えば、1以上の発光素子を備える。前記発光素子としては、例えば、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)、蛍光灯、有機EL(Electro Luminescence)、無機EL、半導体レーザ等があげられ、特に制限されない。照明ユニット22としては、例えば、従来公知の照明器具におけるのと同様のものを用い得る。
【0021】
照明時計部24は、いわゆる時刻を示す時計機能を有していればよい。本発明において、照明時計部24の「時計機能」とは、時刻を示す機能を含み、例えば、経過時間を示すストップウオッチ機能のみを意味するものではない。本発明における照明時計部24の「時計機能」は、時刻を示す機能のみでもよいし、時刻を示す機能と経過時間を示す機能の両方を含んでもよい。補正部25は、受信部21が受信した信号に含まれる時刻情報に基づいて、照明時計部24の時刻を補正する。以下に、本発明における照明時計部24および補正部25の役割について、説明する。
【0022】
従来のリモコン式照明システムは、通常、リモコンのみが、時刻を示す時計機能を有しており、照明器具は、時刻を示す時計機能を有していない。従来のリモコン式照明システムにおいて、例えば、タイマーによるON-OFFが可能であるが、これは、経過時間を示す機能、すなわちストップウオッチ機能であり、時刻を示す時計機能ではない。これに対して、本発明の照明システムは、リモコン10が時刻を示すリモコン時計部12を有するのに加え、照明器具20も、時刻を示す照明時計部24を有している。しかし、照明器具20の電源は、通常、リモコン10により切ることもできるし、壁スイッチにより切ることもできるが、前者の場合、照明ユニット22が消灯されるのみで照明器具20への電力の供給は維持されるが、後者の場合、照明ユニット22が消灯されるのに加え、照明器具20への電力の供給も止められる。このため、前者であれば、電源をOFFにしても、照明器具20に供給された電力によって、照明時計部24は、時計機能を駆動することができるため、照明器具20をOFF(照明ユニット22を消灯)しても、正しい時刻が把握できる。一方、後者の場合、電源OFFにより照明器具20への電力の供給が止められるため、照明時計部24は、時計機能を駆動することができず、例えば、その時点で時刻が止まってしまう。そこで、本発明の照明システムでは、前述のように、リモコン10は、照明器具20のオート制御の起動情報とリモコン時計部12の時刻情報とを含む信号を送信し、照明器具20は、前記信号を受信して、前記信号に含まれるリモコン時計部12の時刻情報に基づいて、補正部25により、照明時計部24の時刻を補正することとした。これによって、照明器具20の電源が壁スイッチにより切られ、照明時計部24の時刻が止まってしまった場合でも、再度、照明器具20の壁スイッチの電源を入れ、照明器具20のオート制御をONにした際には、照明器具20の照明時計部24の時刻を補正することができる。なお、壁スイッチにより電源を切った場合でも、照明器具20の照明時計部24の駆動を維持させる方法としては、照明器具20に、照明時計部24専用のバッテリー等を持たせることが考えられるが、これは現実的ではない。これに対して、本発明の照明システムでは、前述のとおり、照明時計部24の時刻は、受信部21が受信した信号に含まれるリモコン時計部12の時刻情報に基づいて、補正部25により補正される。このため、本発明の照明システムは、専用のバッテリー等を必要とすることなく、簡便に時刻の補正を行うことができる。
【0023】
制御部23は、時刻に応じた点灯条件を記憶し、且つ、前記点灯条件と照明時計部24の時刻とに基づいて、照明ユニット22の点灯をオート制御する。本発明の照明システムは、このように、制御部23によって、時刻に応じた点灯条件となるように、照明ユニット22の点灯をオート制御できる。また、本発明の照明システムによれば、前述のように、照明器具20が、照明時計部24を有し、且つ、受信した信号に含まれるリモコン時計部12の時刻情報に基づいて時刻を補正する補正部25を有する。このため、本発明の照明システムは、例えば、オート制御を駆動させる度に、制御部23による点灯のオート制御の基準となる時刻を補正でき、時刻にあった点灯を実現できる。
【0024】
制御部23は、例えば、時刻と点灯条件とを紐づけして記憶する。前記点灯条件とは、例えば、点灯の有無、光の色味、光の強さ等があげられる。時刻に応じた点灯条件としては、例えば、朝方は青白く明るい光、夕方はくつろげる色合い、夜は暗い光や消灯等があげられる。時刻と点灯条件とを紐づけする際、時刻の分け方は、特に制限されず、例えば、午前と午後;未明(例えば、0時~午前3時)、明け方(午前3時~午前6時)、朝(午前6時~午前9時)、昼前(午前9時~正午)、昼過ぎ(正午~午後3時)、夕方(午後3時~午後6時)、夜のはじめ(午後6時~午後9時)、夜遅く(午後9時~0時);等でもよいし、時間単位または分単位等の時刻で設定してもよい。
【0025】
補正部25、照明時計部24および制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ(マイコン)および不揮発性メモリ等により構成し得る。
【0026】
つぎに、本例の照明システムによるオート制御について、例をあげて説明する。
【0027】
まず、壁スイッチがONであり照明器具20に電力が供給されている状態において、操作者が、図2に示すリモコン10の快適ボタン104を押すと、リモコン10の送信部11から、照明器具20のオート制御の起動情報とリモコン時計部12の時刻情報とを含む信号が、照明器具20に送信され、照明器具20の受信部21がそれを受信する。なお、図2に示すように、リモコン10の快適ボタン104が押されたときに、リモコン10の表示部101に、「快適」(符号101b)と表示されてもよい。
【0028】
照明器具20において、受信部21が前記信号を受信すると、補正部25が、前記信号に含まれるリモコン時計部12の時刻情報に基づいて、照明時計部24の時刻を補正する。
【0029】
例えば、照明器具20の照明時計部24の時刻が12:00であり、リモコン10のリモコン時計部12の時刻が17:13であり、リモコン10から、オート制御の起動情報と17:13の時刻情報を含む信号が送信された場合、照明器具20において、照明時計部24の時刻が17:13に補正される。
【0030】
そして、照明器具20の時刻情報が補正されると、制御部23は、照明時計部24の補正された時刻と記憶されている点灯条件とに基づき、照明ユニット22の点灯をオート制御する。制御部23が、例えば、補正された時刻(例えば、17:13)においては、「くつろげる色合い」という点灯条件を記憶している場合、照明ユニット22の点灯条件が、「くつろげる色合い」に自動的に変更され、点灯が制御される。そして、照明ユニット22の点灯は、オート制御を起動させている間、時刻の経過とともに、その時刻に応じた点灯となるように制御される。
【0031】
他方、操作者が、再度、リモコン10の快適ボタン104を押すと、表示部101の「快適」の表示101bが消され、照明器具20が、時刻と無関係な通常の点灯状態となる。
【0032】
(変形例)
リモコン10の送信部11から送信される信号において、前記信号に含まれるリモコン時計部12の時刻情報として、リモコン時計部12の実際の時間単位の時刻情報を例示したが、これには制限されず、例えば、実際の時間単位の時刻情報を所定の時間単位に改変した改変時刻情報でもよい。時間単位とは、例えば、時間、分、秒等である。リモコン10の表示部101において、表示される時刻が、例えば、17:11、17:12というように、1分ごとに進む場合、実際の時間単位は、1分となる。他方、所定の時間単位に改変するとは、例えば、実際の時間単位1分で表されている時刻を、所定の時間単位(例えば、時間単位10分)に改変することである。
【0033】
具体例として、例えば、図2に示すリモコン10の場合、リモコン時計部12は、実際の時間単位が1分であり、実際の時間単位の時刻情報が17:13である。他方、前記所定の時間単位を10分に設定した場合、リモコン10の送信部11から送信される前記信号に含まれる時刻情報は、実際の17:13から1分台の数値を切り捨てて、10分単位に改変した改変時刻情報17:10となる。前記実際の時間単位を1分として、実際の時間単位で表された時刻情報を信号として送信する場合、60分×24時間=1440通りのデータコードが必要となる。他方、所定の時間単位を10分単位とした場合、データコードは、1分単位に対して10分の1に圧縮できる。つまり、実際の時間単位(時間の長さm、正の数)と比較して、より大きな所定の時間単位(時間の長さn、正の数、n>m)に設定した改変時刻情報とすることで、実際の時間単位の時刻情報よりも、短いデータ長とすることができる。なお、時刻情報の改変における前記所定の時間単位(n)は、10分に限定されない。例えば、前述の例において、前記所定の時間単位(n)を60分に設定した場合、実際の17:13から13分の数値を切り捨てて、60分単位に改変した改変時刻情報17:00としてもよい。
【0034】
前記所定の時間単位(n)は、特に制限されず、例えば、所望のデータ長に応じて適宜に設定できる。前記所定の時間単位(n)は、例えば、2分~480分、2分~60分、10分~60分の範囲である。
【0035】
リモコン10から送信される信号は、照明器具20のオート制御の起動情報および前記時刻情報を含む信号と、照明器具20のオート制御の起動情報を含まない信号とで、同じデータ長であることが好ましい。後者のオート制御の起動情報を含まない信号とは、例えば、「全灯」・「消灯」等の照明器具20のオート制御の起動情報を含まない一般的な信号である。前者と、後者の一般的な信号とで、データ長が同じであれば、例えば、信号の種類にかかわらず、照明器具20側での受信精度が同じとなる。このため、例えば、照明器具20から遠く離れた箇所でリモコン10を操作した際、信号が受信されない等の不具合を十分に抑制できる。また、照明器具20の受信部21においては、例えば、ノイズ検知防止のための閾値を時定数で上下させるのが一般的であるが、信号の種類にかかわらず前記データ長が同じであれば、前記閾値が下げられたときのノイズの誤検知も十分に抑制できる。本発明において、照明器具20のオート制御の起動情報および前記時刻情報を含む信号のデータ長は、例えば、前述のように、所定の時間単位で時刻情報を改変することにより、その信号のデータ長を、容易に、前記のオート制御の起動情報を含まない一般的な信号のデータ長と同じに設定できる。
【0036】
そして、照明器具20の時刻情報が補正されると、制御部23は、照明時計部24の補正された時刻と記憶されている点灯条件とに基づき、照明ユニット22の点灯をオート制御する。制御部23が、例えば、補正された時刻(例えば、改変時刻情報である17:10)においては、「くつろげる色合い」という点灯条件を記憶している場合、照明ユニット22の点灯条件が、「くつろげる色合い」に自動的に変更され、点灯が制御される。そして、照明ユニット22の点灯は、オート制御を起動させている間、時刻の経過とともに、その時刻に応じた点灯となるように制御される。
【0037】
[実施形態2]
図3は、本発明の照明システムの構成の別の例を示すブロック図である。図3に示すように、本例の照明システムは、リモコン10が、さらに、信号送信補助部13を有する以外は、図1に示す実施形態1の照明システムと同様である。本実施形態の照明システムは、前記実施形態1の変形例に示すように、前記信号が、前記所定の時間単位に改変した改変時刻情報を含む場合に適した形態である。
【0038】
信号送信補助部13は、送信部11により送信した信号に含まれる前記所定の時間単位に改変した改変時刻情報と、前記実際の時間単位の時刻情報との時間のズレ、および、前記所定の時間単位と前記ズレた時間との差の時間、を算出し、送信部11が前記改変時間情報を含む信号を送信した時点から前記差の時間が経過後、経過時における実際の時間単位の時刻情報を前記所定の時間単位に改変した改変時刻情報のシグナルを、送信部11を介して照明器具20の受信部21に送信する。
【0039】
前記実施形態1の変形例に示すように、前記信号が、前記所定の時間単位に改変した改変時刻情報を含む場合、照明器具20の照明時計部24の時刻情報は、前記所定の時間単位に改変した改変時刻情報に補正される。この場合、実際の時間単位の時刻情報(例えば、17:10)を所定の時間単位(例えば、10分)に改変した際、改変時刻情報が、実際の時刻情報と同じになるならば、照明器具20の照明時計部24の時刻情報は、リモコン10のリモコン時計部12の実際の時刻情報(17:10)と同じ時刻(17:10)に補正される。しかし、実際の時間単位の時刻情報(例えば、17:13)を所定の時間単位(例えば、10分)に改変した際、改変時刻情報が、実際の時刻情報(17:13)とは異なる時刻情報(17:10)となる場合、照明器具20の照明時計部24の時刻情報は、前記所定の時間単位の範囲内において、リモコン10のリモコン時計部12の実際の時刻情報(17:13)とはズレた時刻情報(17:10)に補正される。本実施形態の照明システムによれば、以下に示すように、前記信号が、前記改変時刻情報を含み、且つ、前記実際の時刻情報と前記改変時刻情報とがズレる場合でも、そのズレを、さらに補正して、照明器具20の照明時計部24の時刻情報を、実際の時刻情報とすることが可能になる。
【0040】
すなわち、信号送信補助部13によれば、送信部11により送信した信号に含まれる前記所定の時間単位(例えば、10分)に改変した改変時刻情報(例えば、17:10)と、前記実際の時間単位の時刻情報(例えば、17:13)との時間のズレ(3分)、および、前記所定の時間単位(10分)と前記ズレた時間(3分)との差の時間(7分)が算出される。そして、信号送信補助部13は、送信部11が前記改変時間情報を含む信号を送信した時点(17:13)から前記差の時間(7分)が経過後、経過時における実際の時間単位の時刻情報(17:20)を前記所定の時間単位(10分)に改変した改変時刻情報(17:20)のシグナルを、送信部11を介して照明器具20の受信部21に送信する。このシグナルに含まれる改変時刻情報は、前記実際の時間単位の時刻情報(17:20)と一致したズレの無い改変時刻情報(17:20)である。このため、照明器具20は、受信部21が前記シグナルを受信すると、補正部25が、前記シグナルに基づいて、照明時計部24の時刻を、前記実際の時間単位の時刻情報と一致したズレの無い時刻に補正する。
【0041】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によれば、時刻に応じて、照明器具の点灯条件を自動的に変更可能な照明システムを提供することができる。本発明の照明システムは、例えば、家庭用および施設用等、幅広い用途に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 リモコン
11 送信部
12 リモコン時計部
13 信号送信補助部
20 照明器具
21 受信部
22 照明ユニット
23 制御部
24 照明時計部
25 補正部
101 表示部
102、103、104 ボタン
105 カバー

図1
図2
図3