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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】着用式身体矯正装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20221130BHJP
   A61F 5/02 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
A61F5/01 E
A61F5/02 D
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021175792
(22)【出願日】2021-10-27
【審査請求日】2021-10-27
(31)【優先権主張番号】17/325,228
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518332594
【氏名又は名称】バリューアンドトラスト カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロェ、キョン ソク
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0077094(KR,A)
【文献】国際公開第2020/234244(WO,A2)
【文献】特表2019-501311(JP,A)
【文献】中国実用新案第209677431(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/01- 5/34
A41D 13/05
A41D 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の上半身に着用されるアウトウェアと、
前記アウトウェアに配置され、矯正対象である身体のカーブ部を圧迫するカーブ圧迫器と、
前記アウトウェアに配置され、前記カーブ圧迫器とワイヤで連結され、前記ワイヤの巻き取りおよび巻き戻し量を調節して前記カーブ圧迫器の圧迫強度を調節する強度調節器と、
前記アウトウェアに配置され、前記カーブ圧迫器および前記強度調節器の少なくとも1つの上下スライディング移動を案内するガイドレールと、を含む着用式身体矯正装置。
【請求項2】
前記カーブ圧迫器および前記強度調節器の少なくとも1つは、
外観形状を形成するボディと、
前記ボディおよび前記ガイドレールの間に配置され、前記ボディに結合された支持プレートと、
前記支持プレートに結合され、前記ガイドレールにスライディング可能に結合されるレールムービングブロックと、を含む、請求項1に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項3】
前記強度調節器は、
前記ボディに回転可能に結合され、前記ワイヤの巻き取りおよび巻き戻し量を調節するダイヤル調節器をさらに含む、請求項2に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項4】
前記支持プレートには、第1結合ホールと、前記第1結合ホールから前記レールムービングブロックのスライディング方向に延び、前記第1結合ホールより前記レールムービングブロックのスライディング方向と直交する方向の幅が小さい第2結合ホールとが形成され、
前記レールムービングブロックは、前記第1結合ホールに嵌合された後、前記第2結合ホールにスライディング移動して前記支持プレートに結合される、請求項2に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項5】
前記レールムービングブロックは、
前記レールムービングブロックのスライディング方向と直交する方向の幅が、前記第1結合ホールの幅以下であり、前記第2結合ホールの幅より大きく形成されて、前記支持プレートの外側面に一面が接触する係止部と、
前記レールムービングブロックのスライディング方向と直交する方向の幅が、前記第1結合ホールの幅および前記第2結合ホールの幅より大きく形成されて、前記係止部の前記一面に対向する一面が前記支持プレートの内側面に接触する支持部と、
前記支持部の他面から突出形成され、前記ガイドレールにスライディング可能に結合されるガイド溝が形成された結合部と、を含む、請求項4に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項6】
前記ガイドレールは、
前記アウトウェアに結合される付着板と、
前記付着板のうち前記レールムービングブロックのスライディング方向と直交する方向の一側に形成され、前記ガイド溝に挿入されて回転可能に配置されるガイド突起とを含む、請求項5に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項7】
前記ガイド溝および前記ガイド突起は、円形断面に形成される、請求項6に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項8】
前記結合部には、前記ガイド溝の一側が開口した開口部が形成され、
前記開口部の開口幅は、前記ガイド溝の直径より小さく形成される、請求項7に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項9】
前記強度調節器は、
前記ボディおよび前記支持プレートを結合し、外周面に係止突起が形成されたホルダ固定ピンをさらに含み、
前記ボディには貫通ホールが形成され、
前記支持プレートには、前記貫通ホールに挿入され、前記ホルダ固定ピンが挿入されるボス部が形成され、
前記ボス部の内側には、前記係止突起が係止される係止溝が形成される、請求項2に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項10】
前記アウトウェアに配置され、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する時、前記患者の骨盤を支える骨盤バンドをさらに含む、請求項1に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項11】
前記アウトウェアの背板部の内側面に配置される背板強化板と、
前記背板強化板のうち前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する位置に関連する任意の位置に付着して身体を圧迫するハンプパッドと、をさらに含む、請求項1に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項12】
前記アウトウェアに配置され、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する時、前記患者の脇腹を支える脇腹バンドをさらに含む、請求項11に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項13】
前記脇腹バンドのうち前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する位置に関連する任意の位置に付着して身体を圧迫する脇腹パッドをさらに含む、請求項12に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項14】
前記ハンプパッドおよび前記脇腹パッドは、
前記背板強化板または前記脇腹バンドに付着する板状のベースと、
前記ベースの一面に突出形成され、身体を圧迫するクッション力を有するクッション突起と、を含み、
前記ベースの枠内には金属材質のワイヤが配置される、請求項13に記載の着用式身体矯正装置。
【請求項15】
前記アウトウェアの任意の位置に付着し、上下に互いに離隔した複数の金属ポイントが配置されたポイントバンドをさらに含む、請求項1に記載の着用式身体矯正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用式身体矯正装置に関し、より詳しくは、患者の上半身に着用して、矯正対象である身体のカーブ(Curve)部とハンプ(Hump)部を圧迫して矯正する着用式身体矯正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、脊椎(spine)は、人間において首と背中、腰、尻、尾骨部分に至るまでの主要骨格を維持させる骨をいう。具体的には、脊椎は、7個の頚骨(頚椎)、12個の胸骨(胸椎)、5個の腰骨(腰椎)、5個の仙骨(仙椎)、4個の尾骨(尾椎)に区分される。
【0003】
一方、脊椎の中には脳から出た神経束として脊髄(spinal cord)が存在し、これは中枢神経系である脳と末梢神経系である末梢器官とをつなぐ役割をする。このように、脊椎は身体の非常に重要な部位であって、脊椎疾患を患う場合、生活に多くの困難をきたしている。
【0004】
代表的な脊椎疾患としては、頚椎椎間板ヘルニア、脊柱側弯症、腰痛症侯群および椎間板ヘルニアなどがある。
【0005】
特に、脊柱側弯症(scoliosis)は代表的な脊椎変形の一つで、人間の脊椎には「横にたわんでいる状態」または「横に曲がっている状態」を意味する「カーブ」(Curve)をもたらす。
【0006】
このような脊柱側弯症は、全体脊柱側弯症患者の半分程度が10代の青少年であるほど、成長期に多く発生している。
【0007】
側弯の程度によって異なる処置を取らなければならないが、病症を認知しなかったり、単純観察処置だけを取る場合が多くて悪化するケースが頻繁に発生する。
【0008】
したがって、脊柱側弯症の治療の目的は、軽度のカーブがそれ以上進行しないようにし、重度以上のカーブを矯正し、その矯正を維持させて、身体のバランスを取り、美容を好転させることである。
【0009】
脊柱側弯症を早期に発見した場合、適切な補助器の着用などの保存的な方法でも、ひどいカーブへの進行を防ぐことができる。
【0010】
しかし、従来の補助器具は、脊柱側弯症患者の変形程度によって効果的に対応できない問題点があり、特に、青少年の場合、成長が続いていて、その過程で効果的に脊椎矯正が行われない問題点がある。
【0011】
さらに、不便な補助器具を用いる患者に補助器具の使用による十分な動機を与えられず、補助器具の使用を簡単に放棄させる問題点がある。
【0012】
大韓民国登録特許公報第10-1070973号(2011.10.06.)(以下、「従来技術」という)には「脊椎補助器」が開示されている。前記従来技術は、脊椎カーブなどのような脊椎疾患に対して脊椎矯正および回復のために患者が着用する脊椎補助器に関する。
【0013】
前記従来技術は、長さおよび角度の調節が可能であり、内/外皮が機能性繊維からなる背板部と、背板部に脱/付着し、簡単な操作で締められるように引き紐固定具が構成された腰バンド部とを含む。
【0014】
しかし、従来技術は、患者が自ら前記引き紐固定具を用いた調整が非常に難しい構造を有することから、脊椎補助器の使用に際して必ず他人に助けを求めなければならない問題点があった。
【0015】
また、患者によって、前記脊柱側弯症は、前記「カーブ」(Curve)とともに、身体の後ろに突出した部分である「ハンプ(Hump)」ももたらすが、前記カーブおよび前記ハンプは患者によって位置が異なる。しかし、前記従来技術は、前記カーブおよび前記ハンプを圧迫するための位置を調節できない問題点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】大韓民国登録特許公報第10-1070973号(2011.10.06.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明が解決しようとする課題は、矯正対象である身体のカーブ(Curve)部の位置に合わせて圧迫位置を調節できる着用式身体矯正装置を提供することである。
【0018】
本発明が解決しようとする他の課題は、前記カーブ部を圧迫する強度を患者が自ら容易に調節できる着用式身体矯正装置を提供することである。
【0019】
本発明の課題は以上に言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の課題を達成するために、本発明による着用式身体矯正装置は、アウトウェアと、カーブ圧迫器と、強度調節器と、ガイドレールとから構成される。前記アウトウェアは、患者の上半身に着用される。前記カーブ圧迫器は、前記アウトウェアに配置される。前記カーブ圧迫器は、矯正対象である身体のカーブ(Curve)部を圧迫することができる。前記強度調節器は、前記アウトウェアに配置される。前記強度調節器は、前記カーブ圧迫器とワイヤで連結可能である。前記強度調節器は、前記ワイヤの巻き取りおよび巻き戻し量を調節して前記カーブ圧迫器の圧迫強度を調節することができる。前記ガイドレールは、前記アウトウェアに配置される。前記ガイドレールは、前記カーブ圧迫器および前記強度調節器の少なくとも1つの上下スライディング移動を案内することができる。
【0021】
前記カーブ圧迫器および前記強度調節器の少なくとも1つは、ボディと、支持プレートと、レールムービングブロックとから構成される。前記ボディは、前記カーブ圧迫器および前記強度調節器の少なくとも1つの外観形状を形成することができる。前記支持プレートは、前記ボディおよび前記ガイドレールの間に配置される。前記支持プレートは、前記ボディに結合される。前記レールムービングブロックは、前記支持プレートに結合される。前記レールムービングブロックは、前記ガイドレールにスライディング可能に結合される。
【0022】
前記強度調節器にはダイヤル調節器がさらに構成される。前記ダイヤル調節器は、前記ボディに回転可能に結合され、前記ワイヤの巻き取りおよび巻き戻し量を調節することができる。
【0023】
前記支持プレートには、第1結合ホールと、第2結合ホールとが形成される。前記第2結合ホールは、前記第1結合ホールから前記レールムービングブロックのスライディング方向に延びることができる。前記第2結合ホールは、前記第1結合ホールより前記レールムービングブロックのスライディング方向と直交する方向の幅が小さく形成される。前記レールムービングブロックは、前記第1結合ホールに嵌合された後、前記第2結合ホールにスライディング移動して前記支持プレートに結合される。
【0024】
前記レールムービングブロックは、係止部と、支持部と、結合部とから構成される。前記係止部は、前記レールムービングブロックのスライディング方向と直交する方向の幅が、前記第1結合ホールの幅以下に形成される。前記係止部は、前記レールムービングブロックのスライディング方向と直交する方向の幅が、前記第2結合ホールの幅より大きく形成される。前記係止部の一面は、前記支持プレートの外側面に接触できる。前記支持部は、前記レールムービングブロックのスライディング方向と直交する方向の幅が、前記第1結合ホールの幅および前記第2結合ホールの幅より大きく形成される。前記支持部の一面は、前記係止部の前記一面に対向できる。前記支持部の前記一面は、前記支持プレートの内側面に接触できる。前記結合部は、前記支持部の他面に突出形成される。前記結合部には、前記ガイドレールにスライディング可能に結合されるガイド溝が形成される。
【0025】
前記ガイドレールは、付着板と、ガイド突起とから構成される。前記付着板は、前記アウトウェアに結合される。前記ガイド突起は、前記付着板のうち前記レールムービングブロックのスライディング方向と直交する方向の一側に形成される。前記ガイド突起は、前記ガイド溝に挿入されて回転可能に配置される。
【0026】
前記ガイド溝および前記ガイド突起は、円形断面に形成される。
【0027】
前記結合部には、前記ガイド溝の一側が開口した開口部が形成される。前記開口部の開口幅は、前記ガイド溝の直径より小さく形成される。
【0028】
前記強度調節器には、ホルダ固定ピンがさらに構成される。前記ホルダ固定ピンは、前記ボディおよび前記支持プレートを結合することができる。前記ホルダ固定ピンの外周面には係止突起が形成される。前記ボディには貫通ホールが形成される。前記支持プレートにはボス部が形成される。前記ボス部は、前記貫通ホールに挿入可能である。前記ボス部には前記ホルダ固定ピンが挿入可能である。前記ボス部の内側には、前記係止突起が係止される係止溝が形成される。
【0029】
本発明による着用式身体矯正装置には、骨盤バンド(Pelvis Band)がさらに構成される。前記骨盤バンドは、前記アウトウェアに配置される。前記骨盤バンドは、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する時、前記患者の骨盤を支えることができる。
【0030】
本発明による着用式身体矯正装置には、背板強化板(Back Reinforcement Plate)およびハンプパッド(Hump Pad)がさらに構成される。前記背板強化板は、前記アウトウェアの背板部の内側面に配置される。前記ハンプパッドは、前記背板強化板のうち前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する位置に関連する任意の位置に付着して身体を圧迫することができる。
【0031】
本発明による着用式身体矯正装置には、脇腹バンド(Flank Band)がさらに構成される。前記脇腹バンドは、前記アウトウェアに配置される。前記脇腹バンドは、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する時、前記患者の脇腹を支えることができる。
【0032】
本発明による着用式身体矯正装置には、脇腹パッド(Flank Pad)がさらに構成される。前記脇腹パッドは、前記脇腹バンドのうち前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する位置に関連する任意の位置に付着して身体を圧迫することができる。
【0033】
前記ハンプパッドおよび前記脇腹パッドは、ベースと、クッション突起とから構成される。前記ベースは、板状に形成される。前記ベースは、前記背板強化板または前記脇腹バンドに付着可能である。前記クッション突起は、前記ベースの一面に突出形成される。前記クッション突起は、身体を圧迫するクッション力を有することができる。前記ベースの枠内には金属材質のワイヤが配置される。
【0034】
本発明による着用式身体矯正装置には、ポイントバンドがさらに構成される。前記ポイントバンドは、前記アウトウェアの任意の位置に付着可能である。前記ポイントバンドには、上下に互いに離隔した複数の金属ポイントが配置される。
【0035】
その他の実施例の具体的な事項は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0036】
本発明による着用式身体矯正装置は、矯正対象である身体のカーブ部を圧迫するカーブ圧迫器の上下位置調節が可能なため、患者の前記カーブ部の位置に合わせて前記カーブ圧迫器の上下位置を調節して、前記カーブ部を矯正できる効果がある。
【0037】
また、本発明による着用式身体矯正装置は、前記カーブ圧迫器の圧迫強度を調節する強度調節器の上下位置調節が可能なため、患者が自ら前記強度調節器を操作して前記カーブ圧迫器の圧迫強度を容易に調節できる効果もある。
【0038】
また、本発明による着用式身体矯正装置は、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する時、骨盤バンドが前記患者の骨盤を支えるため、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する効率が上昇する効果もある。
【0039】
また、本発明による着用式身体矯正装置は、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する位置に関連する任意の位置にハンプパッドを付着させて、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する時、前記任意の位置に突出した身体のハンプ部を前記ハンプパッドが圧迫するため、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する効率が上昇する効果もある。
【0040】
また、本発明による着用式身体矯正装置は、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する時、脇腹バンドが前記患者の脇腹を支えるため、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する効率が上昇する効果もある。
【0041】
また、本発明による着用式身体矯正装置は、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する位置に関連する任意の位置に脇腹パッドを付着させて、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する時、前記任意の位置を前記脇腹パッドが圧迫するため、前記カーブ圧迫器が前記カーブ部を圧迫する効率が上昇する効果もある。
【0042】
また、本発明による着用式身体矯正装置は、前記ハンプパッドおよび前記脇腹パッドに金属材質のワイヤが配置され、ポイントバンドには複数の金属ポイントが配置されるため、前記身体矯正装置を着用したまま撮影したX線写真に前記金属材質のワイヤおよび前記金属ポイントが表示されるので、医師は前記X線写真から前記ワイヤおよび前記金属ポイントを観察して患者のカーブ部およびハンプ部の位置および状態を容易に診療できる効果もある。
【0043】
本発明の効果は以上に言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の実施例による着用式身体矯正装置を示す前方斜視図、
図2】本発明の実施例による着用式身体矯正装置を示す後方斜視図、
図3図1および図2に示された強度調節器の設置構造を示す分解斜視図、
図4図3においてボディを除いて示す分解斜視図、
図5図3のA-A線に沿った断面図、
図6図3に示されたボディおよび支持プレートの結合フロー図、
図7図3に示されたボディおよび支持プレートの結合フロー図、
図8図1に示されたアウトウェアの内側面を示す図、
図9図8に示されたハンプパッドを示す斜視図、
図10図8に示された脇腹パッドを示す斜視図、
図11図1にポイントバンドが付着した状態を示す図、である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施例による着用式身体矯正装置を、図面を参照して説明する。
【0046】
図1は、本発明の実施例による着用式身体矯正装置を示す前方斜視図、図2は、本発明の実施例による着用式身体矯正装置を示す後方斜視図である。
【0047】
図1および図2を参照すれば、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、アウトウェア10と、カーブ圧迫器100aと、強度調節器100と、ガイドレール150とを含むことができる。
【0048】
アウトウェア10は、患者の上半身に着用される上衣から構成される。アウトウェア10は、患者の上半身に着用されるチョッキ形態に形成される。アウトウェア10は、織物材質で形成される。アウトウェア10は、合成繊維材質で形成される。
【0049】
カーブ圧迫器100aは、アウトウェア10に配置される。カーブ圧迫器100aは、矯正対象である身体のカーブ(Curve)部を圧迫することができる。ここで、前記身体のカーブ部は、脊椎のカーブ部であってもよい。カーブ圧迫器100aは、ワイヤ105を介して強度調節器100と連結可能である。
【0050】
カーブ圧迫器100aは、大きく、2つのパートから構成される。すなわち、カーブ圧迫器100aは、アウトウェア10に固定される第1パートと、前記第1パートに回転可能に結合され、ワイヤ105によって引かれて回転する動作で前記カーブ部を圧迫する第2パートとから構成される。
【0051】
強度調節器100は、アウトウェア10に配置される。強度調節器100は、カーブ圧迫器100aとワイヤ105で連結可能である。強度調節器100は、ワイヤ105の巻き取りおよび巻き戻し量を調節してカーブ圧迫器100aの圧迫強度を調節することができる。
【0052】
ガイドレール150は、アウトウェア10に配置される。ガイドレール150は、カーブ圧迫器100aおよび強度調節器100の上下スライディング移動を案内することができる。もちろん、ガイドレール150は、カーブ圧迫器100aおよび強度調節器100の少なくとも1つの上下スライディング移動を案内することもできる。
【0053】
ガイドレール150がカーブ圧迫器100aの上下スライディング移動を案内する場合、カーブ圧迫器100aの上下位置調節が可能なため、患者の前記カーブ部の位置に合わせてカーブ圧迫器100aの上下位置を調節して、前記カーブ部を矯正することができる。
【0054】
また、ガイドレール150が強度調節器100の上下スライディング移動を案内する場合、強度調節器100の上下位置調節が可能なため、患者が自ら強度調節器100を操作してカーブ圧迫器100aの圧迫強度を容易に調節することができる。
【0055】
ガイドレール150は、カーブ圧迫器100aおよび強度調節器100の少なくとも1つを身体の任意の位置から特定の位置に移動させることができる。
【0056】
ガイドレール150は、カーブ圧迫器100aの上下スライディング移動を案内する1対のガイドレール150から構成され、強度調節器100の上下スライディング移動を案内する1対のガイドレール150から構成される。ただし、ガイドレール150は、カーブ圧迫器100aの上下スライディング移動を案内するために、必ずしも1対のガイドレール150から構成される必要はなく、少なくとも1つのガイドレール150から構成されてもよい。また、ガイドレール150は、強度調節器100の上下スライディング移動を案内するために、必ずしも1対のガイドレール150から構成される必要はなく、少なくとも1つのガイドレール150から構成されてもよい。
【0057】
カーブ圧迫器100a、強度調節器100およびガイドレール150は、アウトウェア10に結合可能である。
【0058】
カーブ圧迫器100aおよび強度調節器100は、アウトウェア10のうち脊柱側弯症による前記カーブ部を矯正するための部位である、矯正患者の左脇腹に対応する部位と、矯正患者の右脇腹に対応する部位にそれぞれ配置される。
【0059】
アウトウェア10の右側には、矯正患者の右脇腹側に位置したカーブ圧迫器100aおよび強度調節器100の上下スライディング移動を案内する2対のガイドレール150が配設される。
【0060】
また、アウトウェア10の左側には、矯正患者の左脇腹側に位置したカーブ圧迫器100aおよび強度調節器100の上下スライディング移動を案内する2対のガイドレール150が配設される。
【0061】
したがって、アウトウェア10には、左側カーブ圧迫器100aおよび左側強度調節器100と、右側カーブ圧迫器100aおよび右側強度調節器100の上下スライディング移動を案内する計8個のガイドレール150が設けられる。
【0062】
アウトウェア10の外側にはY字状圧迫バンドYが設けられる。Y字状圧迫バンドYは、第1端部Y1と、第2端部Y2と、第3端部Y3とを含むことができる。第1端部Y1は、矯正患者の背中部位から左肩側に延びることができる。第2端部Y2は、第1端部Y1から矯正患者の背中部位から右腰部分を囲むように延びることができる。第3端部Y3は、第1端部Y1および第2端部Y2の中間部分から分枝されて矯正患者の背中部位から左腰部分を囲むように延びることができる。
【0063】
また、アウトウェア10の外側にはL字状圧迫バンドLが設けられる。L字状圧迫バンドLは、第1端部L1と、第2端部L2と、第3端部L3とを含むことができる。第1端部L1は、矯正患者の背中部位から右肩側に延びることができる。第2端部L2は、第1端部L1から矯正患者の左腰部分を囲むように延びることができる。第3端部L3は、第2端部L2から矯正患者の背中部位および右腰を囲むように延びることができる。
【0064】
一方、詳しく図示しないが、カーブ圧迫器100aは、矯正患者の矯正が必要な部位である前記カーブ部に相当する身体外部に密着するように配置され、前記カーブ部に所定の矯正圧力をかけることにより、矯正患者の前記カーブ部を矯正することができる。
【0065】
より詳しくは、カーブ圧迫器100aは、強度調節器100のワイヤ105の巻き取りおよび巻き戻し量が調節される時、矯正患者の身体外部に圧迫される強度が調節可能である。すなわち、強度調節器100を用いてワイヤ105を巻き取ると、カーブ圧迫器100aは、矯正患者の身体外部を高い圧力で圧迫することができる。逆に、強度調節器100を用いてワイヤ105を巻き戻すと、カーブ圧迫器100aは、矯正患者の身体外部にかけた圧迫を解除することができる。
【0066】
強度調節器100は、アウトウェア10の周方向にカーブ圧迫器100aと所定距離離隔した位置に備えられ、ワイヤ105連結されたカーブ圧迫器100aの身体外部に対する圧迫強度を調節する役割を果たすことができる。
【0067】
本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、骨盤バンド(Pelvis Band)160をさらに含むことができる。骨盤バンド160は、アウトウェア10の下端部に配置される。骨盤バンド160は、アウトウェア10のうち患者の骨盤に対応する部分を囲んで患者の骨盤を囲むことができる。
【0068】
骨盤バンド160は、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する時、前記患者の骨盤を支えることができる。したがって、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する効率を上昇できる。
【0069】
一方、カーブ圧迫器100aおよび強度調節器100がガイドレール150に上下スライディング移動可能に設けられる構成について具体的に説明する。上述のように、カーブ圧迫器100aおよび強度調節器100は、互いに異なる機能をするが、ガイドレール150に上下スライディング移動可能に設けられるために、後述するボディ110、支持プレート140およびレールムービングブロック145を共通の構成として有することができる。ただし、強度調節器100とは異なり、カーブ圧迫器100aのボディ110には、後述するダイヤル調節器120およびダイヤルカバー130が備えられなくてもよい。以下の説明では、強度調節器100の具体的な構成のみを説明し、カーブ圧迫器100aの具体的な構成に関する説明は省略する。
【0070】
図3は、図1および図2に示された強度調節器の設置構造を示す分解斜視図、図4は、図3においてボディを除いて示す分解斜視図、図5は、図3のA-A線に沿った断面図、図6および図7は、図3に示されたボディおよび支持プレートの結合フロー図である。
【0071】
図3図7を参照すれば、強度調節器100は、ボディ110と、支持プレート140と、レールムービングブロック145とを含むことができる。
【0072】
ボディ110は、強度調節器100の外観形状を形成することができる。支持プレート140は、ボディ110およびガイドレール150の間に配置される。支持プレート140は、ボディ110に結合される。レールムービングブロック145は、支持プレート140に結合される。レールムービングブロック145は、ガイドレール150にスライディング可能に結合される。
【0073】
レールムービングブロック145は、ガイドレール150の1つあたり1対のレールムービングブロック145が設けられる。ガイドレール150の1つに設けられるレールムービングブロック145の個数は多様に変更可能であり、少なくとも1つのレールムービングブロック145がガイドレール150の1つに設けられる。
【0074】
ボディ110は、1対のガイドレール150間の隔離距離よりも大幅を有する板状に形成される。これとともに、ボディ110は、矯正患者の身体屈曲に対応するように全体的に外側に膨らんで曲がった形状に形成される。
【0075】
強度調節器100は、ダイヤル調節器120をさらに含むことができる。ダイヤル調節器120は、ボディ110に回転可能に結合され、ワイヤ105の巻き取りおよび巻き戻し量を調節することができる。
【0076】
図示しないが、ダイヤル調節器120は、ボディ110の外側部に回転可能に備えられ、ダイヤル調節器120の外周面にワイヤ105が巻き取られるか巻き戻される。
【0077】
強度調節器100は、ダイヤル調節器120を覆うダイヤルカバー130をさらに含むことができる。ダイヤルカバー130は、ダイヤル調節器120を外部からカバーリングするように備えられ、かつ、一側または他側に回転する動作でダイヤル調節器120を回転させることができる。
【0078】
強度調節器100から延びるワイヤ105は、カーブ圧迫器100aの一側に連結可能である。カーブ圧迫器100aは、強度調節器100のダイヤル調節器120の外周面にワイヤ105が巻き取られる時、矯正部位である身体の外観部位を圧迫することができ、強度調節器100のダイヤル調節器120の外周面からワイヤ105が巻き戻される時、圧迫が解除される。
【0079】
ボディ110は、支持プレート140を介在して1対のガイドレール150にスライディング移動可能に固定される。
【0080】
支持プレート140は、ボディ110と1対のガイドレール150との間に配置される。支持プレート140の外側面は、ボディ110の内側面に接触し、支持プレート140の内側面には、少なくとも2つ以上のレールムービングブロック145が突出配置される。支持プレート140は、少なくとも2つ以上のレールムービングブロック145を介して1対のガイドレール150にスライディング移動可能に結合される。
【0081】
強度調節器100は、ホルダ固定ピン117をさらに含むことができる。ホルダ固定ピン117は、ボディ110および支持プレート140を結合することができる。ボディ110および支持プレート140それぞれの角部は、複数のホルダ固定ピン117によって相互結合される。
【0082】
ボディ110には貫通ホール113が形成される。貫通ホール113は、ボディ110の角部に1つずつ形成されて、ボディ110には複数の貫通ホール113が形成される。支持プレート140には、貫通ホール113に挿入されるボス部143が形成される。ボス部143は、支持プレート140の外側面に形成される。ボス部143は、支持プレート140のうちボディ110を対向する外側面からボディ110に向かって突出形成される。支持プレート140は、ボディ110に対応する形状である四角形状に形成され、ボス部143は、支持プレート140の角部に1つずつ形成されて、支持プレート140には複数のボス部143が形成される。
【0083】
ボス部143にはホルダ固定ピン117が挿入される。すなわち、ボス部143がボディ110の貫通ホール113に挿入された状態で、ホルダ固定ピン117は、ホルダ固定ピン117の頭部を除いた部分がボディ110の外側からボス部143に形成された溝に挿入される。この状態では、ホルダ固定ピン117の頭部は、ボディ110の貫通ホール113の内壁の突起に係止できる。
【0084】
ホルダ固定ピン117の外周面には係止突起117aが形成される。係止突起117aは、ホルダ固定ピン117のうちボス部143に形成された溝に挿入される部分の外周面に形成される。
【0085】
そして、ボス部143には、ホルダ固定ピン117と締結される係止溝143aが形成される。ボス部143の前記溝の内側には、ホルダ固定ピン117の外周面に形成された係止突起117aが係止される係止溝143aが形成される。
【0086】
作業者は、ホルダ固定ピン117をボス部143の内側に挿入した後、ホルダ固定ピン117を一側に回転させてホルダ固定ピン117の係止突起117aがボス部143の係止溝143aに係止されるようにすることで、ボディ110および支持プレート140を相互結合させることができる。
【0087】
1対のガイドレール150のうち、いずれか1つのガイドレール150に2個のレールムービングブロック145が配置されて支持プレート140の幅方向一側に連結され、他の1つのガイドレール150に2個のレールムービングブロック145が配置されて支持プレート140の幅方向他側に連結される。
【0088】
一方、支持プレート140には複数の装着ホール147が形成される。複数の装着ホール147は、第1結合ホール147aおよび第2結合ホール147bを含むことができる。すなわち、支持プレート140には、第1結合ホール147aと、第2結合ホール147bとが形成される。第2結合ホール147bは、第1結合ホール147aからレールムービングブロック145のスライディング方向に延びることができる。第2結合ホール147bは、第1結合ホール147aよりレールムービングブロック145のスライディング方向と直交する方向の幅が小さく形成される。レールムービングブロック145は、第1結合ホール147aに嵌合された後、第2結合ホール147bにスライディング移動して支持プレート140に結合される。
【0089】
レールムービングブロック145は、係止部145aと、支持部145bと、結合部145cとを含むことができる。
【0090】
係止部145aは、レールムービングブロック145のスライディング方向と直交する方向の幅が、第1結合ホール147aの幅以下に形成される。また、係止部145aは、レールムービングブロック145のスライディング方向と直交する方向の幅が、第2結合ホール147bの幅より大きく形成される。
【0091】
支持部145bは、レールムービングブロック145のスライディング方向と直交する方向の幅が、第1結合ホール147aの幅および第2結合ホール147bの幅より大きく形成される。
【0092】
係止部145aおよび支持部145bの間には、支持プレート140のうち第2結合ホール147bの両側に配置された部分が挿入される係止溝145dが形成される。すなわち、レールムービングブロック145の係止部145aが作業者によって第1結合ホール147aに嵌合された後、第2結合ホール147bにスライディング移動すると、支持プレート140のうち第2結合ホール147bの両側に配置された部分である係止溝145dに係止されるため、レールムービングブロック145は、支持プレート140に結合される。
【0093】
このようにレールムービングブロック145が支持プレート140に結合された状態の時には、係止部145aの一面は、支持プレート140の外側面に接触可能であり、支持部145bの一面は、支持プレート140の内側面に接触可能である。ここで、係止部145aの前記一面と支持部145bの前記一面とは、互いに対向する面であってもよい。具体的には、係止部145aの前記一面は、係止部145aの内側面であってもよく、支持部145bの前記一面は、支持部145bの外側面であってもよい。
【0094】
支持プレート140には、第1結合ホール147aおよび第2結合ホール147bが複数の箇所に形成される。第1結合ホール147aおよび第2結合ホール147bは相互連結された穴であって、第1結合ホール147aの長さおよび幅は、レールムービングブロック145の係止部145aの長さおよび幅より大きく形成されかつ、第2結合ホール147bの長さおよび幅は、レールムービングブロック145の係止部145aの長さおよび幅より小さく形成される。したがって、レールムービングブロック145の係止部145aは、第1結合ホール147aを貫通することができるが、第2結合ホール147bを貫通することはできない。
【0095】
これとともに、レールムービングブロック145の支持部145bの長さおよび幅は、支持プレート140の第1結合ホール147aおよび第2結合ホール147bの長さおよび幅よりも大きく形成される。したがって、レールムービングブロック145の支持部145bは、相対的に大きな穴である第1結合ホール147aと、相対的に小さな穴である第2結合ホール147bをすべて貫通することができず、支持プレート140の内側面に支持可能である。
【0096】
もちろん、レールムービングブロック145の係止部145aと支持部145bとの間は、相互連結部(図面符号不図示)によって連結され、かつ、前記連結部は、少なくともレールムービングブロック145が第2結合ホール147b側にスライディングムービングできるように、その長さおよび幅の大きさは、第2結合ホール147bの長さおよび幅の大きさより小さく形成されることが好ましい。
【0097】
したがって、レールムービングブロック145の係止部145aを、支持プレート140の第1結合ホール147aを貫通させてレールムービングブロック145の支持部145bが支持プレート140の内側面に支持された状態で、レールムービングブロック145を第2結合ホール147b側に移動させた後、固定ピン144を支持プレート140に形成された固定ホール149を貫通させて固定させると、レールムービングブロック145を支持プレート140に結合する工程が完了する。本発明の実施例では、1つの支持プレート140の4箇所に第1結合ホール147aおよび第2結合ホール147bが形成され、それぞれの第1結合ホール147aおよび第2結合ホール147bに4個のレールムービングブロック145がそれぞれ結合される。
【0098】
結合部145cは、支持部145bの他面に突出形成される。ここで、支持部145bの他面は、支持部145bの内側面であってもよい。結合部145cには、ガイドレール150にスライディング可能に結合されるガイド溝145eが形成される。
【0099】
ガイドレール150は、付着板151と、ガイド突起152とを含むことができる。
【0100】
付着板151は、アウトウェア10に結合される。付着板151は、アウトウェア10に縫製およびボンディングの少なくとも1つの方式で結合される。
【0101】
ガイド突起152は、付着板151のうちレールムービングブロック145のスライディング方向と直交する方向の一側に形成される。ガイド突起152は、レールムービングブロック145の結合部145cに形成されたガイド溝145eに挿入されて回転可能に配置される。
【0102】
付着板151は、アウトウェア10の外側面に強固に固定され、かつ、ガイド突起152が付着板151の付着点を基準として自由回動可能に固定される。
【0103】
レールムービングブロック145の結合部145cに形成されるガイド溝145eと、ガイドレール150に形成されたガイド突起152は、円形断面に形成され、ガイド突起152がガイド溝145eに挿入されてレールムービングブロック145がガイドレール150に上下スライディング移動可能に設けられた状態の時、レールムービングブロック145が円滑に上下スライディング移動可能である。
【0104】
レールムービングブロック145の結合部145cには、ガイド溝145eの一側が開口した開口部145fが形成される。ガイドレール150のガイド突起152がガイド溝145eに挿入された状態の時、開口部145fにはガイドレール150の付着板151が配置される。
【0105】
開口部145fの開口幅は、ガイド溝145eの直径より小さく形成されて、ガイド突起152をガイド溝145e内から離脱させないことができる。また、開口部145fの開口幅は、付着板151の厚さよりは大きく形成されて、レールムービングブロック145が円滑に上下スライディング移動可能である。
【0106】
ガイド突起152の直径は、付着板151の厚さよりも大きく形成される。ガイド突起152の直径は、レールムービングブロック145の結合部145cに形成されたガイド溝145eの直径より小さい大きさに形成される。
【0107】
レールムービングブロック145の結合部145cの断面形状は、略円形に形成される。結合部145cの内径は、ガイドレール150のガイド突起152の外径よりも大きく形成されることにより、カーブ圧迫器100aまたは強度調節器100の上下スライディング移動の際、レールムービングブロック145は、ガイド突起152に係止されず、ガイド突起152に沿って容易に上下スライディング移動可能である。
【0108】
上記のように構成された本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、矯正患者が上半身に着用するアウトウェア10に配置され、脊柱側弯症症状を患っている矯正患者の身体一部を圧迫するように備えられ、かつ、身体外部のいずれか一地点から特定の地点に圧迫部位が変更されるように、ガイドレール150に沿ってカーブ圧迫器100aおよび強度調節器100の少なくとも1つがスライディング移動可能に備えられる。
【0109】
しかし、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、必ずしも矯正患者の上半身に着用されるアウトウェア10に限定されるものではなく、人体の多様な部位に着用される衣類または器具に適用されることにより、その汎用性を拡張することもできる。
【0110】
一方、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する効率を上昇させるための構成が追加されるが、これについて、図8図10を参照して以下に説明する。
【0111】
図8は、図1に示されたアウトウェアの内側面を示す図、図9は、図8に示されたハンプパッドを示す斜視図、図10は、図8に示された脇腹パッドを示す斜視図である。
【0112】
図8図10を参照すれば、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、骨盤バンド(Pelvis Band)160と、背板強化板(Back Reinforcement Plate)170と、ハンプパッド(Hump Pad)180と、脇腹バンド(Flank Band)190と、脇腹パッド(Flank Pad)200とを含むことができる。
【0113】
骨盤バンド160は、アウトウェア10の下端部に配置される。骨盤バンド160の一部は、アウトウェア10の内側に配置され、骨盤バンド160の残部は、アウトウェア10の外側に配置される。骨盤バンド160は、アウトウェア10のうち患者の骨盤に対応する部分を囲んで患者の骨盤を囲むことができる。骨盤バンド160は、患者の骨盤を弾力的に圧迫できる弾性材質で形成される。
【0114】
骨盤バンド160は、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する時、前記患者の骨盤を支えることができる。したがって、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する効率を上昇できる。
【0115】
背板強化板170は、アウトウェア10の背板部の内側面に配置される。背板強化板170は、アウトウェア10の背板部より硬い材質で形成されて、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する時、患者の背中部分を強固に支持することにより、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する効率を上昇できる。
【0116】
背板強化板170には、上下に長い開口ホール174が形成される。開口ホール174は、背板強化板170の左右間の中央に形成される。開口ホール174は、患者の背骨に対応する位置に形成される。患者が身体矯正装置1を着用した状態の時、患者の曲がった背骨は、硬い材質の背板強化板170に接触せずに開口ホール174を通過できるため、患者は身体矯正装置1の着用による不便さを感じなくなる。
【0117】
ハンプパッド180は、背板強化板170のうちカーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する位置に関連する任意の位置に付着して身体のハンプ部を圧迫することができる。ここで、前記任意の位置は、患者または医師によって任意的に選択された位置であってもよい。
【0118】
ハンプパッド180は、ベース181と、クッション突起182とを含むことができる。ベース181は、板状に形成される。ベース181は、背板強化板170に付着できる。クッション突起182は、ベース181の一面に突出形成される。クッション突起182は、身体を圧迫するクッション力を有する材質で形成され、ベース181は、クッション突起182を支持できる硬い材質で形成される。ベース181の他面にはベルクロ(登録商標)が付着可能であり、前記ベルクロを介してハンプパッド180は背板強化板170の任意の位置に付着可能である。
【0119】
一方、ベース181の枠内には金属材質のワイヤ183が配置される。ワイヤ183は、金属材質で形成されるため、背板強化板170にハンプパッド180を付着させた状態で身体矯正装置1を着用した後、X線写真を撮影すれば、撮影されたX線写真にワイヤ183が白色で表示される。これにより、医師はX線写真からワイヤ183を観察して前記ハンプ部の位置および状態を容易に把握することができる。
【0120】
脇腹バンド190は、アウトウェア10に配置される。脇腹バンド190の一部は、アウトウェア10の内側に配置され、脇腹バンド190の残部は、アウトウェア10の外側に配置される。脇腹バンド190は、アウトウェア10のうち患者の脇腹に対応する部分を囲むことができる。脇腹バンド190は、患者の脇腹を弾力的に圧迫できる弾性材質で形成される。
【0121】
脇腹バンド190は、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する時、前記患者の脇腹を支えることができる。したがって、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する効率を上昇できる。
【0122】
脇腹パッド200は、脇腹バンド190のうちカーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する位置に関連する任意の位置に付着して身体を圧迫することができる。ここで、前記任意の位置は、患者または医師によって任意的に選択された位置であってもよい。
【0123】
脇腹パッド200は、ハンプパッド180と同一の構成で形成される。ただし、脇腹パッド200は、ハンプパッド180よりは長さが長く形成される。脇腹パッド200は、ハンプパッド180と形状のみ異なり、同一の構成として形成されて、ベース201と、クッション突起202とを含むことができる。
【0124】
ベース201は、板状に形成される。ベース201は、脇腹バンド190に付着できる。クッション突起202は、ベース201の一面に突出形成される。クッション突起202は、身体を圧迫するクッション力を有する材質で形成され、ベース201は、クッション突起202を支持できる硬い材質で形成される。ベース201の他面にはベルクロ(登録商標)が付着可能であり、前記ベルクロを介して脇腹パッド200は脇腹バンド190の任意の位置に付着可能である。
【0125】
一方、ベース201の枠内には金属材質のワイヤ203が配置される。ワイヤ203は、金属材質で形成されるため、脇腹バンド190に脇腹パッド200を付着させた状態で身体矯正装置1を着用した後、X線写真を撮影すれば、撮影されたX線写真にワイヤ203が白色で表示される。これにより、医師はX線写真からワイヤ203を観察して前記カーブ部および前記ハンプ部の位置および状態を容易に把握することができる。
【0126】
上記のようにハンプパッド180および脇腹パッド200の内部には金属材質のワイヤ183、203が配置されるため、医師はX線写真からワイヤ183、203を観察して前記カーブ部および前記ハンプ部の位置および状態を容易に把握することができる。前記X線写真から前記カーブ部および前記ハンプ部の位置および状態をより具体的に把握できるようにするために、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、後述するポイントバンド210をさらに含むことができる。以下、ポイントバンド210について図11を参照して説明する。
【0127】
図11は、図1にポイントバンドが付着した状態を示す図である。
【0128】
図11を参照すれば、アウトウェア10にはポイントバンド210が付着できる。ポイントバンド210は、アウトウェア10の任意の位置に付着できる。ここで、前記任意の位置は、医師によって任意的に選択された位置であってもよい。
【0129】
ポイントバンド210には、上下に互いに離隔した複数の金属ポイント215が配置される。金属ポイント215は、金属材質で形成されるため、アウトウェア10にポイントバンド210を付着させた状態で身体矯正装置1を着用した後、X線写真を撮影すれば、撮影されたX線写真に金属ポイント215が白色で表示される。これにより、医師はX線写真から金属ポイント215を観察して前記カーブ部および前記ハンプ部の位置および状態を具体的に把握することができる。
【0130】
上記のように、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、矯正対象である身体のカーブ部を圧迫するカーブ圧迫器100aの上下位置調節が可能なため、患者の前記カーブ部の位置に合わせてカーブ圧迫器100aの上下位置を調節して、前記カーブ部を矯正することができる。
【0131】
また、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、カーブ圧迫器100aの圧迫強度を調節する強度調節器100の上下位置調節が可能なため、患者が自ら強度調節器100を操作してカーブ圧迫器100aの圧迫強度を容易に調節することができる。
【0132】
また、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する時、骨盤バンド160が前記患者の骨盤を支えるため、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する効率を上昇できる。
【0133】
また、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する位置に関連する任意の位置にハンプパッド180を付着させて、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する時、前記任意の位置にある身体のハンプ部をハンプパッド180が圧迫するため、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する効率を上昇できる。
【0134】
また、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する時、脇腹バンド190が前記患者の脇腹を支えるため、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する効率を上昇できる。
【0135】
また、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する位置に関連する任意の位置に脇腹パッド200を付着させて、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する時、前記任意の位置を脇腹パッド200が圧迫するため、カーブ圧迫器100aが前記カーブ部を圧迫する効率を上昇できる。
【0136】
また、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、ハンプパッド180および脇腹パッド200に金属材質のワイヤ183、203が配置され、ポイントバンド210には複数の金属ポイント215が配置されるため、身体矯正装置1を着用したまま撮影したX線写真に前記金属材質のワイヤ183、203および金属ポイント215が表示されるので、医師は前記X線写真からワイヤ183、203および金属ポイント215を観察して患者の前記カーブ部および前記ハンプ部の位置および状態を容易に診療することができる。
【0137】
一方、本発明の実施例による着用式身体矯正装置1は、矯正患者の上半身に着用されるアウトウェア10に適用されることを例として説明しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、患者の頚椎側に着用される頚椎衣服部、患者の腰椎側に着用される腰椎衣服部、患者の腕または手に着用されるアーム衣服部、および患者の脚または足に着用されるレッグ衣服部にも適用可能である。
【0138】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることを理解するであろう。そのため、以上に述べた実施例はあらゆる面で例示的であり、限定的ではないと理解しなければならない。本発明の範囲は上記の詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等概念から導出されるあらゆる変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0139】
10:アウトウェア 100:強度調節器
100a:カーブ圧迫器 105:ワイヤ
110:ボディ 113:貫通ホール
117:ホルダ固定ピン 117a:係止突起
120:ダイヤル調節器 140:支持プレート
143:ボス部 143a:係止溝
145:レールムービングブロック 145a:係止部
145b:支持部 145c:結合部
145e:ガイド溝 145f:開口部
147a:第1結合ホール 147b:第2結合ホール
150:ガイドレール 151:付着板
152:ガイド突起 160:骨盤バンド
170:背板強化板 180:ハンプパッド
181、201:ベース 182、202:クッション突起
183、203:ワイヤ 190:脇腹バンド
200:脇腹パッド 210:ポイントバンド
215:金属ポイント

【要約】      (修正有)
【課題】矯正対象である身体のカーブ部の位置に合わせて圧迫位置を調節できる着用式身体矯正装置を提供する。
【解決手段】このために、本発明による着用式身体矯正装置1は、患者の上半身に着用されるアウトウェア10と、前記アウトウェア10に配置され、矯正対象であるカーブ部を圧迫するカーブ圧迫器100aと、前記アウトウェア10に配置され、前記カーブ圧迫器100aとワイヤ105で連結され、前記ワイヤ105の巻き取りおよび巻き戻し量を調節して前記カーブ圧迫器の100a圧迫強度を調節する強度調節器100と、前記アウトウェア10に配置され、前記カーブ圧迫器お100aよび前記強度調節器100の少なくとも1つの上下スライディング移動を案内するガイドレール150とを含む。
【選択図】図1
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