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▶ 芦森工業株式会社の特許一覧

<図1>
  • 特許-ロープのアイスプライスの構造 図1
  • 特許-ロープのアイスプライスの構造 図2
  • 特許-ロープのアイスプライスの構造 図3
  • 特許-ロープのアイスプライスの構造 図4
  • 特許-ロープのアイスプライスの構造 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】ロープのアイスプライスの構造
(51)【国際特許分類】
   D07B 9/00 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
D07B9/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018214064
(22)【出願日】2018-11-14
(65)【公開番号】P2020079469
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082027
【弁理士】
【氏名又は名称】竹安 英雄
(72)【発明者】
【氏名】小阪 俊之
【審査官】松浦 裕介
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-002498(JP,U)
【文献】実開昭52-115743(JP,U)
【文献】実開平04-069493(JP,U)
【文献】実開昭50-145855(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0011044(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105256622(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC D07B 1/00 - 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロープ本体(2)と同一の構造を有するアイスプライス用ロープ(5)の一端にアイスプライス(6)を形成し、当該アイスプライス用ロープ(5)の他端を個々のストランド(4)に分解し、当該分解したストランド(4)を前記ロープ本体(2)のストランド(4)の間に組み込んでなることを特徴とする、ロープのアイスプライスの構造
【請求項2】
ロープ本体(2)と同一の構造を有するアイスプライス用ロープ(7)の両端を個々のストランド(4)に分解し、当該分解したストランド(4)を前記ロープ本体(2)のストランド(4)の間に組み込み、前記アイスプライス用ロープ(7)の中間部分においてアイスプライス(3)を形成してなることを特徴とする、ロープのアイスプライスの構造
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図1に示されるように主として組紐構造のロープ本体2を有するロープ1であって、そのロープ本体2の長さ方向に所定の間隔をおいて、複数のアイスプライス3を形成してなるものであって、漁業用の延縄や、避難用ロープに使用することができるロープの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前述のような組紐構造のロープとしては、特開2000-234285公報に示されるようなものが知られている。また当該公報の図5に示されるように、かかる組紐構造のロープの端末部にアイスプライスを形成することも、広く行われている。
【0003】
しかしながら図1に示すように、ロープ1の長さ方向に所定の間隔をおいて、複数のアイスプライス2を形成したものは知られていない。これに近いものとしては、特開昭56-91051号公報に示されるように、組紐を構成する素線をループを形成せしめ、そのループをロープ外に突出させたものが知られている。
【0004】
しかしながらこの組紐においては、ループは組紐の素線で形成されているのであって、あまりに細いものであり、このループに大きな荷重を作用させてその荷重をロープに負担させることは不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-234285公報
【文献】特開昭56-91051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、図1に示すように、ロープ本体2の長さ方向に所定の間隔をおいて、ロープ本体2と同一の構造を有し、同程度の太さを有する複数のアイスプライス3を形成し、突出せしめてなるロープ1を形成することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
而して本願第一の発明は、ロープ本体と同一の構造を有するアイスプライス用ロープの一端にアイスプライスを形成し、当該アイスプライス用ロープの他端を個々のストランドに分解し、当該分解したストランドを前記ロープ本体に組み込んでなることを特徴とするものである。
【0008】
また本願第二の発明は、ロープ本体と同一の構造を有するアイスプライス用ロープの両端を個々のストランドに分解し、当該分解したストランドを前記ロープ本体に組み込み、当該アイスプライス用ロープの中間部分においてアイスプライスを形成してなることを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明によるアイスプライスを形成したロープの正面図である。
図2】本願第一の発明においてアイスプライスを形成する前の状態を示す正面図
図3】本願第一の発明のロープにアイスプライスを形成した状態を示す正面図
図4】本願第二の発明においてアイスプライスを形成する前の状態を示す正面図
図5】本願第二の発明のロープにアイスプライスを形成した状態を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を図面に基づいて説明する。図2は第一の発明における、前記ロープ1にアイスプライス3を形成する前の状態を示すものであって、当該ロープ1のロープ本体2は図2に示すように、八本のストランド4を角八つ打ちの組紐構造に組んだクロスロープである。
【0011】
なお本発明におけるロープ本体2は、必ずしも角八つ打ちのクロスロープである必要はなく、偶数のストランド4を筒状の組紐構造に組んだ構造を有しておれば足り、八つ打ち、十二打ちなどの構造であってもよい。さらに三つ打ち、四つ打ちなどの撚りロープであっても差し支えない。
【0012】
次に5はアイスプライス用ロープであって、前記ロープ1のロープ本体2と同一の構造を有する短尺のロープである。そしてこのアイスプライス用ロープ5の一端に通常の方法によりアイスプライス6を形成し、当該アイスプライス用ロープ5の他端を個々のストランド4に分解している。
【0013】
そしてこのロープ本体2とアイスプライス用ロープ5とを図3に示すように、アイスプライス用ロープ5の分解したストランド4を、ロープ1の途中から、ロープ本体2のストランド4の間に挿入して組み込んでいる。
【0014】
このようにしてロープ本体2の長さ方向に沿って所定の間隔をおいて、複数のアイスプライス用ロープを組み込むことにより、ロープ1の所定間隔ごとにアイスプライス3を形成するのである。
【0015】
なお図3においては、作図の都合上ロープ本体2が屈曲しており、アイスプライス用ロープ5が一方のロープ本体2と直線状に延びているように描かれているが、アイスプライス用ロープ5をすべてロープ本体2に組み込んだ後、ロープ本体2の両端を引っ張れば、ロープ本体2が直線状に延び、そこにアイスプライス用ロープ5が枝分かれして、図1に示す状態となる。
【0016】
また図4は、第二の発明のロープ1にアイスプライス3を形成する前の状態を示すものであって、ロープ1のロープ本体2は図2と同様に角八つ打ちのクロスロープであるが、それ以外の組織であってもよいのは第一の発明のおけると同様である。
【0017】
7はアイスプライス用ロープであって、前記ロープ1のロープ本体2と同一の構造を有する短尺のロープである。そしてこのアイスプライス用ロープ7の両端は個々のストランド4に分解されている。
【0018】
そしてこのロープ1とアイスプライス用ロープ7とを図5に示すように、アイスプライス用ロープ7の両端の分解したストランド4を、ロープ1の途中から、ロープ本体2のストランド4の間に挿入して組み込み、当該アイスプライス用ロープ7の中間部分により、アイスプライス3を形成している。
【0019】
本発明によれば、アイスプライス用ロープ5、7の端部の分解したストランド4を、ロープ1の途中からストランド4の間に挿入して組み込むことにより、ロープ1の中間部分にアイスプライス3を形成することができるのであり、当該ロープ1の所定間隔ごとにアイスプライス用ロープ5、7を組み込むことにより、所定間隔ごとにアイスプライス3を形成することができる。
【0020】
そしてそのアイスプライス3はロープ本体2と同程度の太さのロープにより形成されており、十分な強度を有し、例えば延縄用ロープの枝縄の取り付け部として、また避難用ロープの足掛けなどとして、各種の用途に使用できる。
【符号の説明】
【0021】
1 ロープ
2 ロープ本体
3 アイスプライス
4 ストランド
5、7 アイスプライス用ロープ
6 アイスプライス
図1
図2
図3
図4
図5