(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】送信パラメータ模擬装置及び送信パラメータ模擬プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/38 20060101AFI20221130BHJP
G01S 7/40 20060101ALI20221130BHJP
G01S 13/95 20060101ALN20221130BHJP
【FI】
G01S7/38
G01S7/40 108
G01S13/95
(21)【出願番号】P 2018126371
(22)【出願日】2018-07-02
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 秀雄
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-164520(JP,A)
【文献】特開2005-265602(JP,A)
【文献】特開2001-255366(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0130478(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/42
G01S 13/00-13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自レーダ装置が他レーダ装置から受信した受信信号に基づいて、前記他レーダ装置の送信パラメータを解析する送信パラメータ解析部と、
前記自レーダ装置が照射する送信信号において、前記自レーダ装置の送信パラメータとして前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬する送信パラメータ模擬部と、
前記他レーダ装置の送信パラメータを保存する送信パラメータ保存部と、を備え、
前記送信パラメータ模擬部は、前記自レーダ装置が前記他レーダ装置から受信しているときに、前記自レーダ装置の存在を前記他レーダ装置に認識されないように、前記送信パラメータ解析部が解析した前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬
し、
前記送信パラメータ模擬部は、前記自レーダ装置が前記他レーダ装置と別のレーダ装置から受信しているときに、前記他レーダ装置の存在を前記別のレーダ装置に誤認識させるとともに、前記自レーダ装置の存在を前記別のレーダ装置に認識されないように、前記送信パラメータ保存部が保存している前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬する
ことを特徴とする送信パラメータ模擬装置。
【請求項2】
自レーダ装置が他レーダ装置から受信した受信信号に基づいて、前記他レーダ装置の送信パラメータを解析する送信パラメータ解析部と、
前記自レーダ装置が照射する送信信号において、前記自レーダ装置の送信パラメータとして前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬する送信パラメータ模擬部と、
前記他レーダ装置の送信パラメータを保存する送信パラメータ保存部と、を備え、
前記送信パラメータ模擬部は、前記自レーダ装置が前記他レーダ装置から受信を終了した後に、前記他レーダ装置から前記自レーダ装置へと新旧を交代するときに、前記他レーダ装置の送信パラメータを前記自レーダ装置で模擬・再現するように、前記送信パラメータ保存部が保存している前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬する
ことを特徴とする送信パラメータ模擬装置。
【請求項3】
自レーダ装置が他レーダ装置から受信した受信信号に基づいて、前記他レーダ装置の送信パラメータを解析する送信パラメータ解析ステップと、
前記自レーダ装置が照射する送信信号において、前記自レーダ装置の送信パラメータとして前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬する送信パラメータ模擬ステップと、
前記他レーダ装置の送信パラメータを保存する送信パラメータ保存ステップと、
を順にコンピュータに実行させ、
前記送信パラメータ模擬ステップは、前記自レーダ装置が前記他レーダ装置から受信しているときに、前記自レーダ装置の存在を前記他レーダ装置に認識されないように、前記送信パラメータ解析ステップが解析した前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬
し、
前記送信パラメータ模擬ステップは、前記自レーダ装置が前記他レーダ装置と別のレーダ装置から受信しているときに、前記他レーダ装置の存在を前記別のレーダ装置に誤認識させるとともに、前記自レーダ装置の存在を前記別のレーダ装置に認識されないように、前記送信パラメータ保存ステップが保存している前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬する
ことを特徴とする送信パラメータ模擬プログラム。
【請求項4】
自レーダ装置が他レーダ装置から受信した受信信号に基づいて、前記他レーダ装置の送信パラメータを解析する送信パラメータ解析ステップと、
前記自レーダ装置が照射する送信信号において、前記自レーダ装置の送信パラメータとして前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬する送信パラメータ模擬ステップと、
前記他レーダ装置の送信パラメータを保存する送信パラメータ保存ステップと、
を順にコンピュータに実行させ、
前記送信パラメータ模擬ステップは、前記自レーダ装置が前記他レーダ装置から受信を終了した後に、前記他レーダ装置から前記自レーダ装置へと新旧を交代するときに、前記他レーダ装置の送信パラメータを前記自レーダ装置で模擬・再現するように、前記送信パラメータ保存ステップが保存している前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬する
ことを特徴とする送信パラメータ模擬プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーダ装置の送信パラメータを模擬する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダ装置の送信パラメータを可変にする技術が、特許文献1等に開示されている。特許文献1では、自他レーダ装置間の干渉を除去するために、自他レーダ装置の送信パルス幅を異ならせるように、自レーダ装置の送信パルス幅を可変にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自レーダ装置の存在を他レーダ装置に認識されたくないという要望が存在する。そして、他レーダ装置から自レーダ装置へと新旧を交代するときに、他レーダ装置の送信パラメータを自レーダ装置で模擬・再現したいという要望も存在する。
【0005】
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、(1)自レーダ装置の存在を他レーダ装置に認識されないこと、又は、(2)他レーダ装置から自レーダ装置へと新旧を交代するときに、他レーダ装置の送信パラメータを自レーダ装置で模擬・再現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、レーダ装置の送信パラメータを可変にする技術を用いて、自レーダ装置の送信パラメータとして他レーダ装置の送信パラメータを模擬する。
【0007】
具体的には、本開示は、自レーダ装置が他レーダ装置から受信した受信信号に基づいて、前記他レーダ装置の送信パラメータを解析する送信パラメータ解析部と、前記自レーダ装置が照射する送信信号において、前記自レーダ装置の送信パラメータとして前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬する送信パラメータ模擬部と、を備えることを特徴とする送信パラメータ模擬装置である。
【0008】
また、本開示は、自レーダ装置が他レーダ装置から受信した受信信号に基づいて、前記他レーダ装置の送信パラメータを解析する送信パラメータ解析ステップと、前記自レーダ装置が照射する送信信号において、前記自レーダ装置の送信パラメータとして前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬する送信パラメータ模擬ステップと、を順にコンピュータに実行させるための送信パラメータ模擬プログラムである。
【0009】
これらの構成によれば、(1)自レーダ装置の存在を他レーダ装置に認識されないこと、又は、(2)他レーダ装置から自レーダ装置へと新旧を交代するときに、他レーダ装置の送信パラメータを自レーダ装置で模擬・再現することができる。
【0010】
また、本開示は、前記送信パラメータ模擬部は、前記自レーダ装置が前記他レーダ装置から受信しているときに、前記送信パラメータ解析部が解析した前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬することを特徴とする送信パラメータ模擬装置である。
【0011】
この構成によれば、自レーダ装置の存在を他レーダ装置に認識されないことができる。なお、自レーダ装置と他レーダ装置との間の干渉を除去することが望ましい。
【0012】
また、本開示は、前記他レーダ装置の送信パラメータを保存する送信パラメータ保存部、をさらに備え、前記送信パラメータ模擬部は、前記自レーダ装置が前記他レーダ装置と別のレーダ装置から受信しているときに、前記送信パラメータ保存部が保存している前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬することを特徴とする送信パラメータ模擬装置である。
【0013】
この構成によれば、他レーダ装置の存在を別レーダ装置に誤認識させることができ、自レーダ装置の存在を別レーダ装置に認識されないことができる。なお、自レーダ装置の送信パラメータが別レーダ装置に模擬されていても、他レーダ装置の送信パラメータが自レーダ装置に模擬されており、自レーダ装置の存在が別レーダ装置に認識されない。
【0014】
また、本開示は、前記他レーダ装置の送信パラメータを保存する送信パラメータ保存部、をさらに備え、前記送信パラメータ模擬部は、前記自レーダ装置が前記他レーダ装置から受信を終了した後に、前記送信パラメータ保存部が保存している前記他レーダ装置の送信パラメータを模擬することを特徴とする送信パラメータ模擬装置である。
【0015】
この構成によれば、他レーダ装置から自レーダ装置へと新旧を交代するときに、他レーダ装置の送信パラメータを自レーダ装置で模擬・再現することができる。
【発明の効果】
【0016】
このように、本開示は、(1)自レーダ装置の存在を他レーダ装置に認識されないこと、又は、(2)他レーダ装置から自レーダ装置へと新旧を交代するときに、他レーダ装置の送信パラメータを自レーダ装置で模擬・再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示のレーダシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本開示の第1の自レーダシステムの処理を示すタイムチャートである。
【
図3】本開示の第2の自レーダシステムの処理を示すタイムチャートである。
【
図4】本開示の第3の自レーダシステムの処理を示すタイムチャートである。
【
図5】本開示の第1の送信パラメータの定義を示す図である。
【
図6】本開示の第2の送信パラメータの定義を示す図である。
【
図7】本開示の第3の送信パラメータの定義を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
【0019】
本開示のレーダシステムの構成を示すブロック図を
図1に示す。レーダシステムRは、レーダ装置1及び送信パラメータ模擬装置2から構成される。レーダ装置1は、レーダ送信部11、レーダアンテナ12及びレーダ受信部13から構成される。送信パラメータ模擬装置2は、送信パラメータ解析部21、送信パラメータ模擬部22及び送信パラメータ保存部23から構成され、
図2から
図4までに示すような送信パラメータ模擬プログラムをコンピュータにインストールすることにより実現される。
【0020】
送信パラメータ解析部21は、自レーダ装置1のレーダ受信部13が他レーダ装置から受信した受信信号に基づいて、他レーダ装置の送信パラメータを解析する。送信パラメータ模擬部22は、自レーダ装置1のレーダ送信部11が照射する送信信号において、自レーダ装置1の送信パラメータとして他レーダ装置の送信パラメータを模擬する。送信パラメータ保存部23については、
図3及び
図4を用いて後述する。
【0021】
よって、
図2及び
図3に示すように、自レーダ装置1の存在を他レーダ装置に認識されないことができる。そして、
図4に示すように、他レーダ装置から自レーダ装置1へと新旧を交代するときに、他レーダ装置の送信パラメータを自レーダ装置1で模擬・再現することができる。なお、送信パラメータについては、
図5から
図7までを用いて後述する。
【0022】
ここで、自レーダ装置1と他レーダ装置とは、同型式であっても、個体差を有している。よって、送信パラメータ解析部21は、自レーダ装置1と他レーダ装置とが同型式であっても、自レーダ装置1と他レーダ装置との個体差を見分けることが望ましい。そして、送信パラメータ模擬部22は、自レーダ装置1と他レーダ装置とが同型式であっても、自レーダ装置1と他レーダ装置との個体差が無いようにすることが望ましい。
【0023】
本開示の第1の自レーダシステムの処理を示すタイムチャートを
図2に示す。自レーダシステムRの送信パラメータ模擬部22は、自レーダシステムRのレーダ受信部13が他レーダシステムR’から受信しているときに、自レーダシステムRの送信パラメータ解析部21が解析した他レーダシステムR’の送信パラメータを模擬する。
【0024】
具体的には、他レーダシステムR’は、送信信号を照射している。自レーダシステムRのレーダ受信部13は、他レーダシステムR’から受信信号を受信する(ステップS1)。自レーダシステムRの送信パラメータ解析部21は、自レーダシステムRのレーダ受信部13が他レーダシステムR’から受信した受信信号に基づいて、他レーダシステムR’の送信パラメータを解析する(ステップS2)。自レーダシステムRの送信パラメータ模擬部22は、自レーダシステムRのレーダ送信部11が照射する送信信号において、自レーダシステムRの送信パラメータとして、自レーダシステムRの送信パラメータ解析部21が解析した他レーダシステムR’の送信パラメータを模擬する(ステップS3)。自レーダシステムRのレーダ受信部13が、他レーダシステムR’から受信信号を受信している期間にわたって、自レーダシステムRのレーダ送信部11は、他レーダシステムR’の送信パラメータを用いて、送信信号を照射する(ステップS4)。
【0025】
このように、自レーダシステムRの存在を他レーダシステムR’に認識されないことができる。なお、自レーダシステムRと他レーダシステムR’との間の干渉を除去することが望ましい(ステップS5)。例えば、自レーダシステムRは、他レーダシステムR’が存在する方向では、レーダ観測を行わないで、他レーダシステムR’が存在しない方向のみ、レーダ観測を行えばよい。或いは、自レーダシステムRは、自レーダシステムRの送信タイミングを、他レーダシステムR’の送信タイミングと無相関に設定すればよい。
【0026】
また、いずれのレーダシステムに対向するときに、そのレーダシステムの送信パラメータを解析したうえで模擬するかについては、適宜設定することが可能である。
【0027】
本開示の第2の自レーダシステムの処理を示すタイムチャートを
図3に示す。自レーダシステムRの送信パラメータ保存部23は、他レーダシステムR’の送信パラメータを保存する。自レーダシステムRの送信パラメータ模擬部22は、自レーダシステムRのレーダ受信部13が他レーダシステムR’と別のレーダシステムR”から受信しているときに、自レーダシステムRの送信パラメータ保存部23が保存している他レーダシステムR’の送信パラメータを模擬する。
【0028】
具体的には、ある期間において、他レーダシステムR’は、送信信号を照射している。自レーダシステムRのレーダ受信部13は、他レーダシステムR’から受信信号を受信する(ステップS11)。自レーダシステムRの送信パラメータ解析部21は、自レーダシステムRのレーダ受信部13が他レーダシステムR’から受信した受信信号に基づいて、他レーダシステムR’の送信パラメータを解析する(ステップS12)。自レーダシステムRの送信パラメータ保存部23は、自レーダシステムRの送信パラメータ解析部21が解析した他レーダシステムR’の送信パラメータを保存する(ステップS13)。自レーダシステムRのレーダ送信部11が、他レーダシステムR’の送信パラメータを用いて、送信信号を照射することなく、自レーダシステムRのレーダ受信部13は、他レーダシステムR’からの受信信号の受信を終了する(ステップS14)。
【0029】
そして、後の期間において、別レーダシステムR”は、送信信号を照射している。自レーダシステムRのレーダ受信部13は、別レーダシステムR”から受信信号を受信する(ステップS15)。自レーダシステムRの送信パラメータ模擬部22は、自レーダシステムRのレーダ送信部11が照射する送信信号において、自レーダシステムRの送信パラメータとして、自レーダシステムRの送信パラメータ保存部23が保存している他レーダシステムR’の送信パラメータを模擬する(ステップS16)。自レーダシステムRのレーダ受信部13が、別レーダシステムR”から受信信号を受信している期間にわたって、自レーダシステムRのレーダ送信部11は、他レーダシステムR’の送信パラメータを用いて、送信信号を照射する(ステップS17)。
【0030】
このように、他レーダシステムR’の存在を別レーダシステムR”に誤認識させることができ、自レーダシステムRの存在を別レーダシステムR”に認識されないことができる。なお、自レーダシステムRの送信パラメータが別レーダシステムR”に模擬されていても、他レーダシステムR’の送信パラメータが自レーダシステムRに模擬されており、自レーダシステムRの存在が別レーダシステムR”に認識されない。
【0031】
また、いずれのレーダシステムの送信パラメータを解析したうえで保存するかについては、そして、いずれのレーダシステムに対向するときにいずれのレーダシステムの送信パラメータを模擬するかについても、適宜設定することが可能である。
【0032】
本開示の第3の自レーダシステムの処理を示すタイムチャートを
図4に示す。自レーダシステムRの送信パラメータ保存部23は、他レーダシステムR’の送信パラメータを保存する。自レーダシステムRの送信パラメータ模擬部22は、自レーダシステムRのレーダ受信部13が他レーダシステムR’から受信を終了した後に、自レーダシステムRの送信パラメータ保存部23が保存している他レーダシステムR’の送信パラメータを模擬する。
【0033】
具体的には、他レーダシステムR’は、送信信号を照射している。自レーダシステムRのレーダ受信部13は、他レーダシステムR’から受信信号を受信する(ステップS21)。自レーダシステムRの送信パラメータ解析部21は、自レーダシステムRのレーダ受信部13が他レーダシステムR’から受信した受信信号に基づいて、他レーダシステムR’の送信パラメータを解析する(ステップS22)。自レーダシステムRの送信パラメータ保存部23は、自レーダシステムRの送信パラメータ解析部21が解析した他レーダシステムR’の送信パラメータを保存する(ステップS23)。
【0034】
他レーダシステムR’は、送信信号の照射を終了する。自レーダシステムRのレーダ送信部11が、他レーダシステムR’の送信パラメータを用いて、送信信号を照射することなく、自レーダシステムRのレーダ受信部13は、他レーダシステムR’からの受信信号の受信を終了する(ステップS24)。自レーダシステムRの送信パラメータ模擬部22は、自レーダシステムRのレーダ送信部11が照射する送信信号において、自レーダシステムRの送信パラメータとして、自レーダシステムRの送信パラメータ保存部23が保存している他レーダシステムR’の送信パラメータを模擬する(ステップS25)。自レーダシステムRへの新旧交代後において、自レーダシステムRのレーダ送信部11は、他レーダシステムR’の送信パラメータを用いて、送信信号を照射する(ステップS26)。
【0035】
このように、他レーダシステムR’から自レーダシステムRへと新旧を交代するときに、他レーダシステムR’の送信パラメータを自レーダシステムRで模擬・再現することができる。例えば、気象用又は海洋用等のレーダにおいて、雨雲又は津波等の表示が新旧交代前後で異ならないように、送信パラメータを新旧交代前後で同様にできる。
【0036】
本開示の第1の送信パラメータの定義を
図5に示す。
図5の上段では、パルスレーダの送信パラメータとして、送信周波数の時間変化中における送信周波数f、パルス持続時間Δt及びパルス送信間隔ΔTが定義されている。
図5の下段では、チャープレーダの送信パラメータとして、送信周波数の時間変化中における送信中心周波数f、送信帯域幅Δf、チャープ持続時間Δt及びチャープ送信間隔ΔTが定義されている。
【0037】
本開示の第2の送信パラメータの定義を
図6に示す。
図6の上段では、パルスレーダの送信パラメータとして、周波数スペクトル中における送信周波数f、サイドローブ周波数及びこれらの周波数でのパワーの重みが定義されている。
図6の下段では、チャープレーダの送信パラメータとして、周波数スペクトル中における送信中心周波数f、送信帯域幅Δf、サイドローブ周波数及びこれらの周波数でのパワーの重みが定義されている。
【0038】
本開示の第3の送信パラメータの定義を
図7に示す。
図7の上段では、パルスレーダの送信パラメータとして、時間波形中におけるパルス持続時間Δt、パルス送信間隔ΔT及びパワーの時間変化(例えば、矩形波等)が定義されている。
図7の下段では、チャープレーダの送信パラメータとして、時間波形中におけるチャープ持続時間Δt、チャープ送信間隔ΔT及びパワーの時間変化(例えば、矩形波等)が定義されている。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本開示の送信パラメータ模擬装置及び送信パラメータ模擬プログラムは、(1)自レーダ装置の存在を他レーダ装置に認識されないこと、又は、(2)他レーダ装置から自レーダ装置へと新旧を交代するときに、他レーダ装置の送信パラメータを自レーダ装置で模擬・再現することができる。
【符号の説明】
【0040】
R:レーダシステム、自レーダシステム
R’:他レーダシステム
R”:別レーダシステム
1:レーダ装置
2:送信パラメータ模擬装置
11:レーダ送信部
12:レーダアンテナ
13:レーダ受信部
21:送信パラメータ解析部
22:送信パラメータ模擬部
23:送信パラメータ保存部