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特許7185440照明光学系、露光装置および物品製造方法
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  • 特許-照明光学系、露光装置および物品製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】照明光学系、露光装置および物品製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018149680
(22)【出願日】2018-08-08
(65)【公開番号】P2020024335
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須田 広美
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0001845(US,A1)
【文献】特開2007-052231(JP,A)
【文献】特開2004-325533(JP,A)
【文献】特開2003-240920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
G03B 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明された原のパターンを基板に投影する露光装置に用いられる照明光学系であって、
リレーレンズと、
中実構造を有する第1反射型オプティカルインテグレータと、
中空構造を有する第2反射型オプティカルインテグレータと、を備え、
前記リレーレンズは、光源からの光を前記第1反射型オプティカルインテグレータの入射面に集光するように配置され、
前記第1反射型オプティカルインテグレータの一部分が前記第2反射型オプティカルインテグレータの中に配置され
前記光源からの光は、前記リレーレンズ、前記第1反射型オプティカルインテグレータおよび前記第2反射型オプティカルインテグレータを順に通って、被照明領域に配置された前記原を照明する、
ことを特徴とする照明光学系。
【請求項2】
前記第1反射型オプティカルインテグレータの軸方向における前記一部分の長さが可変である、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
【請求項3】
前記光源と前記第2反射型オプティカルインテグレータとの間に前記第1反射型オプティカルインテグレータが配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明光学系。
【請求項4】
第3反射型オプティカルインテグレータを更に備え、
前記第3反射型オプティカルインテグレータは、中空構造を有し、
前記第1反射型オプティカルインテグレータの他の一部分が前記第3反射型オプティカルインテグレータの中に配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項5】
前記第1反射型オプティカルインテグレータおよび前記第2反射型オプティカルインテグレータは、第1照明光学系を構成し、前記照明光学系は第2照明光学系を更に備え、
前記第1反射型オプティカルインテグレータおよび前記第2反射型オプティカルインテグレータで構成されるオプティカルインテグレータの射出面が前記第1照明光学系の射出面であり、
前記第2照明光学系は、前記第1照明光学系の前記射出面と前記被照明領域とを共役にするように構成され、
前記第1照明光学系は、床構造によって支持された第1支持機構によって支持され、
前記第2照明光学系は、前記床構造によって支持された第2支持機構によって支持され、
前記第1支持機構および前記第2支持機構は、互いに独立した支持機構である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明光学系。
【請求項6】
原版を照明するように配置された請求項に記載の照明光学系と、
前記原版のパターンを基板に投影する投影光学系と、
前記原版を駆動する原版駆動機構と、を備え
前記第2支持機構は、前記床構造によって支持された定盤によって支持され、
前記投影光学系および前記原版駆動機構は、前記第2照明光学系とともに前記第2支持機構によって支持される、
ことを特徴とする露光装置。
【請求項7】
原版を照明するように配置された請求項1乃至のいずれか1項に記載の照明光学系と、
前記原版のパターンを基板に投影する投影光学系と、
を備えることを特徴とする露光装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
前記基板を現像する工程と、を含み、
前記基板から物品を製造することを特徴とする物品製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明光学系、露光装置および物品製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス等の物品を製造するためのリソグラフィー工程において露光装置が使用されうる。露光装置は、原版を照明する照明光学系と、照明された原版のパターンを基板に投影する投影光学系とを備えている。基板は、表面にフォトレジストを有し、原版のパターンが基板に投影されることによって、そのパターンがフォトレジストに転写される。照明光学系による原版の照明が不均一であると、フォトレジストへのパターンの転写が良好になされない可能性がある。そこで、照明光学系には、原版を均一な照度で照明するための反射型オプティカルインテグレータが配置されうる。
【0003】
照度の均一性を向上させるためには、長い全長を有する反射型オプティカルインテグレータが有利であるが、長い全長を有する反射型オプティカルインテグレータを低コストで製造することは難しい。特許文献1には、反射型オプティカルインテグレータとしてオプティカルロッド(ガラス棒)を採用し、照明光の通過方向に複数のオプティカルロッドを直列に配置した構成が記載されている。この構成により、複数のオプティカルインテグレータを合計した長さを有する1個のオプティカルインテグレータを用いた場合と同等の効果が得られる。
【0004】
ところで、近年、半導体デバイスの製造コストを低減するために、基板サイズが大型化している。例えば、パネルレベルのパッケージング技術(FOPLP)では、大型基板に多数のシリコンダイを載せてパッケージの製造を一括して実施することで、パッケージ1個当たりの製造コストの低減が図られている。一方で、通常のウエハサイズの基板も依然として使用されている。したがって、扱う基板のサイズに応じた種々のサイズの露光装置が存在する。そのため、扱う基板のサイズに応じて照明光学系の全長、例えば、光源と原版との距離も様々である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-32909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの側面は、照明された原のパターンを基板に投影する露光装置に用いられる照明光学系に係り、前記照明光学系は、リレーレンズと、中実構造を有する第1反射型オプティカルインテグレータと、中空構造を有する第2反射型オプティカルインテグレータと、を備え、前記リレーレンズは、光源からの光を前記第1反射型オプティカルインテグレータの入射面に集光するように配置され、前記第1反射型オプティカルインテグレータの一部分が前記第2反射型オプティカルインテグレータの中に配置され、前記光源からの光は、前記リレーレンズ、前記第1反射型オプティカルインテグレータおよび前記第2反射型オプティカルインテグレータを順に通って、被照明領域に配置された前記原を照明する。
【0007】
本発明は、被照明領域を高照度、高均一性で照明するために有利で、かつ様々なサイズに対応可能な照明光学系を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの側面は、光源からの光を用いて被照明領域を照明する照明光学系に係り、前記照明光学系は、第1反射型オプティカルインテグレータと、第2反射型オプティカルインテグレータと、を備え、前記第2反射型オプティカルインテグレータは、中空構造を有し、前記第1反射型オプティカルインテグレータの一部分が前記第2反射型オプティカルインテグレータの中に配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被照明領域を高照度、高均一性で照明するために有利で、かつ様々なサイズに対応可能な照明光学系が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態の露光装置あるいは照明光学系を示す図。
図2】本発明の第1実施形態の露光装置あるいは照明光学系を示す図。
図3】本発明の第2実施形態の露光装置あるいは照明光学系を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。
【0012】
図1図2には、本発明の第1実施形態の露光装置100あるいは照明光学系101の構成が模式的に示されている。図1図2、および、後に参照される図3では、XYZ座標系において方向が示されている。露光装置100は、半導体デバイス等の物品を製造するためのリソグラフィー工程において用いられうる。露光装置100は、原版Rを照明する照明光学系101と、原版Rのパターンを基板Wに投影する投影光学系103と、原版Rを保持し駆動する原版駆動機構102と、基板Wを保持し駆動する基板駆動機構104とを備えうる。露光装置100は、ステップ・アンド・リピート方式として構成されてもよいし、ステップ・アンド・スキャン方式として構成されてもよい。露光装置100あるいは照明光学系101において、光軸AXは、ミラーによって折り曲げられうる。光軸AXの折り曲げは、露光装置100あるいは照明光学系101の小型化に有利である。一例において、光軸AXは、Z軸に平行な部分(光源1とミラーM1との間、ミラーM2と基板Wとの間)、および、Y軸に平行な部分(ミラーM1とミラーM2との間)を含みうる。
【0013】
照明光学系101の大重量化によって制振性能が低下することを抑制するために、照明光学系101は、第1照明光学系10と第2照明光学系20とに分離され、第1照明光学系10と第2照明光学系20とは、互いに独立した支持機構によって支持されうる。第1照明光学系10は、床構造によって支持された不図示の第1支持機構を介して支持されうる。第2照明光学系20は、床構造によって支持された不図示の定盤によって、不図示の第2支持機構を介して、原版駆動機構102および投影光学系103とともに支持されうる。
【0014】
照明光学系101は、光源1からの光(光束)を調整して、被照明領域(投影光学系103の物体面)に配置された原版Rを照明する。光源1は、例えば、i線(波長365nm)等の光を発生する超高圧水銀ランプでありうる。あるいは、光源1は、248nmの波長の光を発生するKrFエキシマレーザー、193nmの波長の光を発生するArFエキシマレーザー、または、157nmの波長の光を発生するFレーザーでありうるが、ここで挙げられた例に限定されるものではない。
【0015】
原版Rは、基板Wに転写されるべきパターン(例えば回路パターン)を有する。原版Rは、例えば、石英ガラスを母材として構成されうる。原版駆動機構102は、例えば、原版Rを保持する可動の原版ステージと、該原版ステージをX軸およびZ軸に関して駆動する原版駆動機構とを含みうる。投影光学系103は、原版Rを通過した光を所定の倍率(例えば1/2倍)で基板Wに投影する。基板Wは、投影光学系103の像面に配置される。基板Wは、表面にフォトレジスト(感光性材料)を有する。基板駆動機構104は、基板Wを保持する可動の基板ステージと、該基板ステージをX軸、Y軸、Z軸(並びに、それらのそれぞれの回転方向であるωx、ωy、ωzを含む場合もある)に関して駆動する基板駆動機構とを含みうる。
【0016】
以下、照明光学系101について説明する。照明光学系101は、例えば、光源1、楕円鏡2、リレーレンズ3、折り曲げミラーM1、オプティカルインテグレータ4、折り曲げミラーM2、および、コンデンサレンズ5を含みうる。第1照明光学系10は、例えば、光源1、楕円鏡2、リレーレンズ3、折り曲げミラーM1、オプティカルインテグレータ4を含みうる。第2照明光学系20は、例えば、折り曲げミラーM2、および、コンデンサレンズ5を含みうる。
【0017】
第1照明光学系10では、光源1の側から順に、楕円鏡2、リレーレンズ3、折り曲げミラーM1、および、オプティカルインテグレータ4が配置されて構成されうる。オプティカルインテグレータ4で均一化された光束は、第2照明光学系20に入射しうる。第2照明光学系20は、コンデンサレンズ5、および、折り曲げミラーM2を含みうる。楕円鏡(集光鏡)2は、第1焦点および第2焦点を有し、第1焦点に配置された光源1から放射された光を第2焦点に集光する。リレーレンズ3は、結像光学系であり、その前側焦点は、楕円鏡2の第2焦点に配置され、その後側焦点は、オプティカルインテグレータ4の入射面に配置される。換言すると、リレーレンズ3は、楕円鏡2の第2焦点とオプティカルインテグレータ4の入射面とを共役な関係にする。リレーレンズ3の瞳面近傍には、特定の波長域の光を遮断する波長フィルタが配置され、この波長フィルタによって露光波長(基板Wを露光する光の波長)が規定されうる。
【0018】
オプティカルインテグレータ4は、入射面、反射面および射出面ESを有する反射型オプティカルインテグレータであり、該入射面に入射した光束を該反射面によって複数回にわたって反射させ、該射出面ESに均一な光強度分布(照度分布)を形成する。オプティカルインテグレータ4は、その軸方向LD(Y軸に平行な方向(オプティカルインテグレータ4の長手方向))に直交する面(XZ面)に平行な断面において矩形形状を有しうるが、他の形状(例えば、多角形)を有してもよい。
【0019】
第2照明光学系20は、オプティカルインテグレータ4の射出面ESから射出された光を使って原版Rを照明する。第2照明光学系20は、コンデンサレンズ5を含み、コンデンサレンズ5の前側焦点は、オプティカルインテグレータ4の射出面ESに配置され、コンデンサレンズ5の後側焦点は、原版Rが配置される位置(被照明領域)に配置される。換言すると、コンデンサレンズ5は、オプティカルインテグレータ4の射出面ESと原版Rが配置される面とを共役な関係にする。前述のように、第1照明光学系10と第2照明光学系20とは互いに独立した支持機構によって支持されうる。このような構成によれば、均一な光強度分布(照度分布)が形成されたオプティカルインテグレータ4の射出面ESの光強度分布(照度分布)に従う光強度分布(照度分布)がコンデンサレンズ5によって原版Rの配置面に形成される。したがって、原版駆動機構102による原版Rの駆動および基板駆動機構104による基板Wの駆動等に起因して第1照明光学系10が振動したとしても、原版Rの配置面は、均一な照度で照明され続ける。照明光学系101によって照明される領域(被照明領域)の形状は、オプティカルインテグレータ4の射出面ESの形状に従いうるが、不図示のマスキングブレードによって被照明領域の形状が規定されてもよい。
【0020】
以下、オプティカルインテグレータ4の構成を例示的に説明する。オプティカルインテグレータ4は、第1反射型オプティカルインテグレータ4aと、第2反射型オプティカルインテグレータ4bとを含みうる。図1図2の例では、光源1と第2反射型オプティカルインテグレータ4bとの間に第1反射型オプティカルインテグレータ4aが配置されている。第2反射型オプティカルインテグレータ4bの射出面は、オプティカルインテグレータ4の射出面ESであり、原版Rの配置面と共役となっている。
【0021】
第1反射型オプティカルインテグレータ4aは、中実構造を有するオプティカルロッドでありうる。第2反射型オプティカルインテグレータ4bは、中空構造を有する中空ロッドでありうる。例えば、第1反射型オプティカルインテグレータ4aは、四角柱形状を有するオプティカルロッドであり、第2オプティカルインテグレータ4bは、4つの板状ミラーを内面が反射面となるように筒状に組み合わせた中空ロッドでありうる。第2反射型オプティカルインテグレータ4bの4つの板状ミラーで囲まれた断面サイズ(XZ面に平行な断面サイズ)は、第1反射型オプティカルインテグレータ4aの断面サイズ(XZ面に平行な断面サイズ)よりも僅かに大きい。そして、第1反射型オプティカルインテグレータ4aの一部分が第2反射型オプティカルインテグレータ4bの中に配置されている。他の観点において、第1反射型オプティカルインテグレータ4aの一部分と、第2反射型オプティカルインテグレータ4bの一部分とは、光軸AXに平行な方向(軸方向LD)に関して互いに重なっている。このような構成によれば、2つの反射型オプティカルインテグレータ4a、4bの反射面は、光軸AXに平行は方向において隙間がない。したがって、第1反射型オプティカルインテグレータ4aから射出した光は、伝搬損失なく、第2反射型オプティカルインテグレータ4bに入射する。第2反射型オプティカルインテグレータ4bが中実構造を有する場合、第2反射型オプティカルインテグレータ4bの射出面(オプティカルインテグレータ4の射出面ES)に異物が付着すると、それが被照明領域に投影されうる。一方、第2反射型オプティカルインテグレータ4bが中空構造を有する場合、そのような異物の付着による問題を解決することができる。
【0022】
第1反射型オプティカルインテグレータ4aのうち第2反射型オプティカルインテグレータ4bの中に配置された一部分の長さ(軸方向LDにおける長さ)は、可変とすることができる。換言すると、第1反射型オプティカルインテグレータ4aに対して第2反射型オプティカルインテグレータ4bを軸方向LDに相対的に移動させることができる。これにより、軸方向LDにおけるオプティカルインテグレータ4の長さTLを可変にすることができる。図1図2において、軸方向LDにおけるオプティカルインテグレータ4の長さTLは、互いに異なる。
【0023】
第1実施形態の照明光学系101は、第1反射型オプティカルインテグレータ4aと第2反射型オプティカルインテグレータ4bとの間における光伝搬損失がなく、被照明領域を高照度、高均一で照明するために有利である。また、第1実施形態の照明光学系101は、オプティカルインテグレータ4の全長TLが可変であるので、様々なサイズの露光装置100に対応可能である。よって、照明光学系101を備える露光装置100は、扱う基板Wのサイズに応じた最小のフットプリントを実現するために有利である。これとは異なり、オプティカルインテグレータの全長の変更に対する自由度がない従来の構成においては、それによって照明光学系のサイズ、更には露光装置のフットプリントが決定されてしまうという不利益がある。
【0024】
上記の例では、光源1と第2反射型オプティカルインテグレータ4bとの間に第1反射型オプティカルインテグレータ4aが配置されている。これに代えて、光源1と第1反射型オプティカルインテグレータ4aとの間に第2反射型オプティカルインテグレータ4bが配置されてもよい。また、上記の例では、第1反射型オプティカルインテグレータ4aが中実構造を有するが、第1反射型オプティカルインテグレータ4aは、中空構造を有してもよい。
【0025】
以下、図3を参照しながら本発明の第2実施形態の露光装置100および照明光学系101について説明する。第2実施形態として言及しない事項は、第1実施形態に従いうる。第2実施形態は、より大型の基板Wを扱う露光装置に有利である。第2実施形態では、オプティカルインテグレータ4は、第1反射型オプティカルインテグレータ4a、第2反射型オプティカルインテグレータ4bおよび第3反射型オプティカルインテグレータ4cを含む。オプティカルインテグレータ4を3つの反射型オプティカルインテグレータ4a、4b、4cで構成することは、オプティカルインテグレータ4の全長TLを長くするために有利である。
【0026】
光源1と第2反射型オプティカルインテグレータ4bとの間に、第1反射型オプティカルインテグレータ4aが配置され、光源1と第1反射型オプティカルインテグレータ4aとの間に、第3反射型オプティカルインテグレータ4cが配置されうる。第1反射型オプティカルインテグレータ4aは、中実構造を有するオプティカルロッドでありうる。第2反射型オプティカルインテグレータ4bおよび第3反射型オプティカルインテグレータ4cは、中空構造を有する中空ロッドでありうる。例えば、第1反射型オプティカルインテグレータ4aは、四角柱形状を有するオプティカルロッドである。また、第2オプティカルインテグレータ4bおよび第3オプティカルインテグレータ4cは、4つの板状ミラーを内面が反射面となるように筒状に組み合わせた中空ロッドでありうる。第1反射型オプティカルインテグレータ4aの一部分(一端側)は、第2反射型オプティカルインテグレータ4bの中に配置されうる。第1反射型オプティカルインテグレータ4aの他の一部分(他端側)は、第3反射型オプティカルインテグレータ4cの中に配置されうる。
【0027】
リレーレンズ3は、楕円鏡2の第2焦点とオプティカルインテグレータ4の入射面とを共役な関係にする。コンデンサレンズ5は、オプティカルインテグレータ4の射出面ESと原版Rが配置される面とを共役な関係にする。第2反射型オプティカルインテグレータ4bを中空構造とすることによって、射出面ESに異物が付着しそれが被照明領域に投影されるという問題を回避することができる。
【0028】
第1反射型オプティカルインテグレータ4aのうち第2反射型オプティカルインテグレータ4bの中に配置された一部分の長さ(軸方向LDにおける長さ)は、可変とすることができる。同様に、第3反射型オプティカルインテグレータ4cのうち第2反射型オプティカルインテグレータ4bの中に配置された一部分の長さ(軸方向LDにおける長さ)は、可変とすることができる。これにより、軸方向LDにおけるオプティカルインテグレータ4の長さTLを可変にすることができる。第1反射型オプティカルインテグレータ4aは、中実構造であってもよいし、中空構造を有してもよい。
【0029】
以下、前述の露光装置を利用した物品製造方法を例示的に説明する。物品は、例えば、半導体IC素子、液晶表示素子、MEMS素子等でありうるが、他の素子であってもよい。物品は、前述の露光装置を使用して、感光剤が塗布された基板(ウェハ、ガラス基板等)を露光する工程と、その基板(感光剤)を現像する工程と、現像された基板を他の周知の工程で処理することにより製造される。他の周知の工程には、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等が含まれる。本物品製造方法によれば、従来よりも高品位の物品を製造することができる。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0031】
4、オプティカルインテグレータ、4a、第1反射型オプティカルインテグレータ、4b:第1反射型オプティカルインテグレータ、101:照明光学系、100:露光装置
図1
図2
図3