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特許7185461基板処理装置および、基板処理装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】基板処理装置および、基板処理装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20221130BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/30 566
H01L21/30 564C
H01L21/30 569C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018178016
(22)【出願日】2018-09-21
(65)【公開番号】P2020053430
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 丈二
(72)【発明者】
【氏名】村井 征爾
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-219314(JP,A)
【文献】特開2013-157650(JP,A)
【文献】特開2010-171314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を収納可能なキャリアから搬送された基板に対して所定の処理を行う処理ブロックと、
前記キャリアを各々載置する2つ以上の第1キャリア載置部と、
前記キャリアを各々載置する2つ以上の第2キャリア載置部と、
前記処理ブロックに基板を送り出すため、および前記処理ブロックから基板を戻すために用いられ、複数の基板を載置することが可能な基板バッファ部と、
基板を搬送する基板搬送機構と、
全ての基板が取り出されて空になった前記キャリアを載置する空キャリア棚と、
前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、を備え、
前記基板搬送機構は、前記2つ以上の第1キャリア載置部の各々に載置された前記キャリアから前記基板バッファ部に基板を搬送するように設定されると共に、前記基板バッファ部から前記2つ以上の第2キャリア載置部の各々に載置された前記キャリアに基板を搬送するように設定され、
前記2つ以上の第1キャリア載置部の全てに前記キャリアが載置されていない場合、前記2つ以上の第2キャリア載置部の少なくともいずれかに前記キャリアが載置されていない場合、および前記空キャリア棚に前記キャリアが載置されていない場合に、前記キャリア搬送機構は、前記2つ以上の第2キャリア載置部のいずれかに、特定キャリアを搬送し、
前記基板搬送機構は、前記特定キャリアから前記基板バッファ部に基板を搬送し、その後、前記基板バッファ部から前記特定キャリアに、前記処理ブロックで処理された処理済の基板を搬送し、
前記キャリア搬送機構は、前記基板搬送機構により前記特定キャリアから全ての基板を取り出してから前記特定キャリアに全ての処理済の基板を収納するまでの間、前記特定キャリアの載置位置に前記特定キャリアを留めさせることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記2つ以上の第1キャリア載置部の全てに前記キャリアが載置されていない場合、前記2つ以上の第2キャリア載置部のいずれかに前記キャリアが載置されていない場合、および前記空キャリア棚に前記キャリアが載置されていない場合に、前記キャリア搬送機構は、前記2つ以上の第2キャリア載置部のいずれかに、前記特定キャリアを搬送することを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記第1キャリア載置部の上流に設けられた上流側保管棚を更に備え、
前記基板搬送機構は、前記2以上の第1キャリア載置部のいずれかに載置された前記キャリアから全ての基板を取り出して第1の空キャリアを生成し、
前記キャリア搬送機構は、前記キャリアを把持する2つの把持部を備え、
前記キャリア搬送機構は、前記2つの把持部を用いることにより、前記2つ以上の第1キャリア載置部のいずれかに載置された前記第1の空キャリアを、前記上流側保管棚に載置されたキャリアに置き換える置き換え動作を行い、
前記キャリア搬送機構は、前記第1の空キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも予め設定された時間前に、前記置き換え動作のために前記上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送動作を開始し、
前記予め設定された時間は、前記上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送動作の開始から前記キャリア搬送機構が前記第1の空キャリアを搬送することができる状態となる時点までの時間であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記基板搬送機構は、前記2以上の第2キャリア載置部のいずれかに載置された第2の空キャリアに全ての基板を収納して処理済基板キャリアを生成し、
前記キャリア搬送機構は、前記キャリアを把持する2つの把持部を備え、
前記キャリア搬送機構は、前記2つの把持部を用いることにより、
前記2つ以上の第2キャリア載置部のいずれかに載置された前記処理済基板キャリアを、前記空キャリア棚に載置された第3の空キャリアに置き換える置き換え動作を行い、
前記キャリア搬送機構は、前記処理済基板キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも予め設定された時間前に、前記置き換え動作のために前記空キャリア棚に載置された前記第3の空キャリアの搬送動作を開始し、
前記予め設定された時間は、前記空キャリア棚に載置された前記第3の空キャリアを搬送動作の開始から前記キャリア搬送機構が前記処理済基板キャリアを搬送することができる状態となる時点までの時間であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記第1キャリア載置部の上流に設けられた上流側保管棚を更に備え、
前記基板搬送機構は、前記2以上の第1キャリア載置部のいずれかに載置された前記キャリアから全ての基板を取り出して第1の空キャリアを生成し、また、前記2以上の第2キャリア載置部のいずれかに載置された第2の空キャリアに全ての基板を収納して処理済基板キャリアを生成し、
前記キャリア搬送機構は、前記キャリアを把持する2つの把持部を備え、
前記キャリア搬送機構は、前記2つの把持部を用いることにより、前記2つ以上の第1キャリア載置部のいずれかに載置された前記第1の空キャリアを、前記上流側保管棚に載置された前記キャリアに置き換える第1置き換え動作を行い、
前記キャリア搬送機構は、前記第1置き換え動作の後、前記2つの把持部を用いることにより、前記空キャリア棚に載置された第3の空キャリアを、前記2つの把持部のいずれかにより把持された前記第1の空キャリアに置き換える第2置き換え動作を行い、
前記キャリア搬送機構は、前記第2置き換え動作の後、前記2つの把持部を用いることにより、前記2つ以上の第2キャリア載置部のいずれかに載置された前記処理済基板キャリアを、前記2つの把持部のいずれかにより把持された前記第3の空キャリアに置き換える第3置き換え動作を行い、
前記キャリア搬送機構は、前記第1の空キャリアが生成される時点であると予測される時点が、前記処理済基板キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも遅い場合に、前記第1の空キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも予め設定された第1の時間前に、前記第1置き換え動作のために前記上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送動作を開始し、
前記キャリア搬送機構は、前記処理済基板キャリアが生成される時点であると予測される時点が、前記第1の空キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも遅い場合に、前記処理済基板キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも予め設定された第2の時間前に、前記第1置き換え動作のために前記上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送動作を開始し、
前記予め設定された第1の時間は、前記上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送動作の開始から前記キャリア搬送機構が前記第1の空キャリアを搬送することができる状態となる時点までの時間であり、
前記予め設定された第2の時間は、前記上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送動作の開始から前記キャリア搬送機構が前記処理済基板キャリアを搬送することができる状態となる時点までの時間であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
複数の基板を収納可能なキャリアから搬送された基板に対して所定の処理を行う処理ブロックと、
前記キャリアを各々載置する2つ以上の第1キャリア載置部と、
前記キャリアを各々載置する2つ以上の第2キャリア載置部と、
前記処理ブロックに基板を送り出すため、および前記処理ブロックから基板を戻すために用いられ、複数の基板を載置することが可能な基板バッファ部と、
基板を搬送する基板搬送機構と、
全ての基板が取り出されて空になった前記キャリアを載置する空キャリア棚と、
前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、を備えた基板処理装置の制御方法において、
前記2つ以上の第1キャリア載置部の各々に載置された前記キャリアから前記基板バッファ部に基板を搬送するように前記基板搬送機構を設定する工程と、
前記基板バッファ部から前記2つ以上の第2キャリア載置部の各々に載置された前記キャリアに基板を搬送するように前記基板搬送機構を設定する工程と、
前記2つ以上の第1キャリア載置部の全てに前記キャリアが載置されていない場合、前記2つ以上の第2キャリア載置部の少なくともいずれかに前記キャリアが載置されていない場合、および空キャリア棚に前記キャリアが載置されていない場合に、前記キャリア搬送機構により、前記2つ以上の第2キャリア載置部のいずれかに、特定キャリアを搬送する工程と、
前記基板搬送機構により、前記特定キャリアから前記基板バッファに基板を搬送し、その後、前記基板バッファ部から前記特定キャリアに前記処理ブロックで処理された処理済の基板を搬送する工程と、
前記キャリア搬送機構により、前記基板搬送機構により前記特定キャリアから基板を全て取り出してから前記特定キャリアに全ての処理済の基板を収納するまでの間、前記特定キャリアの載置位置に前記特定キャリアを留めさせる工程と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理装置および、基板処理装置の制御方法に関する。なお、基板は、例えば、半導体基板、液晶表示装置や有機EL(electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用の基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来の基板処理装置は、インデクサブロック(インデクサ装置)と、処理ブロックと、フープバッファ装置(ストッカ装置)とを備えている。インデクサブロックの後面には、処理ブロックが接続されている。インデクサブロックの前面には、フープバッファ装置が接続されている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0003】
インデクサブロックの前面の外壁には、水平方向に並んで2つのオープナが設けられている。また、インデクサブロックと処理ブロックの間には、上下方向(垂直方向)に複数の基板を載置することが可能な基板バッファ部が設けられている(特許文献1参照)。
【0004】
更に、インデクサブロックの内部には、2台の基板搬送機構が設けられている。第1基板搬送機構は、第1オープナに載置されたフープ(FOUP:front opening unified pod)と基板バッファ部との間で基板を搬送するように構成されている。また、第2基板搬送機構は、第2オープナに載置されたフープと基板バッファ部との間で基板を搬送するように構成されている。すなわち、第1基板搬送機構は、第1オープナのために基板を搬送し、第2基板搬送機構は、第2オープナのために基板を搬送する。これにより、フープから基板を効率よく取り出すことができると共に、フープへ基板を効率よく収納することができる。
【0005】
フープバッファ装置は、フープを保管するためにフープを載置する棚と、この棚と2つのオープナとの間でフープを搬送するフープ搬送機構とを備えている。特許文献2には、2つの把持部を有するフープ搬送機構と、2つの把持部によるフープの交換動作(置き換え動作)とが開示されている。
【0006】
特許文献3には、基板を取り出すために用いられる取り出し用のオープナと、基板を収納するために用いられる収納用のオープナと、基板が取り出されて空になったフープを保管する保管棚とを備えたフープバッファ装置が開示されている。また、特許文献1,4には、上下方向に配置された複数のオープナが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-209288号公報
【文献】特開2013-157650号公報
【文献】特開2010-171314号公報
【文献】国際公開第WO2013/069716号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。フープの搬送効率が悪いと、インデクサブロックの基板搬送機構がフープ待ちの状態になる可能性がある。そのため、基板処理のスループットを向上させるために、フープの搬送効率を向上させることが望まれる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フープの搬送効率を向上させることができる基板処理装置および、基板処理装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る基板処理装置は、複数の基板を収納可能なキャリアから搬送された基板に対して所定の処理を行う処理ブロックと、前記キャリアを各々載置する2つ以上の第1キャリア載置部と、前記キャリアを各々載置する2つ以上の第2キャリア載置部と、前記処理ブロックに基板を送り出すため、および前記処理ブロックから基板を戻すために用いられ、複数の基板を載置することが可能な基板バッファ部と、基板を搬送する基板搬送機構と、全ての基板が取り出されて空になった前記キャリアを載置する空キャリア棚と、前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、を備え、前記基板搬送機構は、前記2つ以上の第1キャリア載置部の各々に載置された前記キャリアから前記基板バッファ部に基板を搬送するように設定されると共に、前記基板バッファ部から前記2つ以上の第2キャリア載置部の各々に載置された前記キャリアに基板を搬送するように設定され、前記2つ以上の第1キャリア載置部の全てに前記キャリアが載置されていない場合、前記2つ以上の第2キャリア載置部の少なくともいずれかに前記キャリアが載置されていない場合、および前記空キャリア棚に前記キャリアが載置されていない場合に、前記キャリア搬送機構は、前記2つ以上の第2キャリア載置部のいずれかに、特定キャリアを搬送し、前記基板搬送機構は、前記特定キャリアから前記基板バッファ部に基板を搬送し、その後、前記基板バッファ部から前記特定キャリアに、前記処理ブロックで処理された処理済の基板を搬送し、前記キャリア搬送機構は、前記基板搬送機構により前記特定キャリアから全ての基板を取り出してから前記特定キャリアに全ての処理済の基板を収納するまでの間、前記特定キャリアの載置位置に前記特定キャリアを留めさせることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る基板処理装置によれば、通常、基板搬送機構は、基板バッファ部から第2キャリア載置部に載置されたキャリアに基板を搬送するように設定されている。しかしながら、所定の条件を満たす場合に、基板搬送機構は、キャリアから基板バッファ部に基板を搬送する。すなわち、基板搬送機構は、通常の基板搬送動作と異なる動作を行う。これにより、キャリア搬送機構は、特定キャリアから全ての基板を取り出してから特定キャリアに全ての処理済の基板を収納するまでの間、特定キャリアの載置位置に特定キャリアを留めさせることができる。これにより、キャリア搬送機構は、特定キャリア以外のキャリアを搬送できるので、キャリアの搬送効率を向上させることできる。その結果、キャリアの搬送待ちが低減されるので、基板処理のスループットを向上させることができる。
【0012】
また、上述の基板処理装置の一例は、前記2つ以上の第1キャリア載置部の全てに前記キャリアが載置されていない場合、前記2つ以上の第2キャリア載置部のいずれかに前記キャリアが載置されていない場合、および前記空キャリア棚に前記キャリアが載置されていない場合に、前記キャリア搬送機構は、前記2つ以上の第2キャリア載置部のいずれかに、前記特定キャリアを搬送することである。例えば、所定の第2キャリア載置部にキャリアが載置されていないが、他の第2キャリア載置部にキャリアが載置されている場合がある。このような場合であっても、キャリア搬送機構は、特定キャリアから全ての基板を取り出してから特定キャリアに全ての処理済の基板を収納するまでの間、特定キャリアの載置位置に特定キャリアを留めさせることができる。
【0013】
また、上述の基板処理装置において、前記第1キャリア載置部の上流に設けられた上流側保管棚を更に備え、前記基板搬送機構は、前記2以上の第1キャリア載置部のいずれかに載置された前記キャリアから全ての基板を取り出して第1の空キャリアを生成し、前記キャリア搬送機構は、前記キャリアを把持する2つの把持部を備え、前記キャリア搬送機構は、前記2つの把持部を用いることにより、前記2つ以上の第1キャリア載置部のいずれかに載置された前記第1の空キャリアを、前記上流側保管棚に載置されたキャリアに置き換える置き換え動作を行い、前記キャリア搬送機構は、前記第1の空キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも予め設定された時間前に、前記置き換え動作のために前記上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送動作を開始し、前記予め設定された時間は、前記上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送動作の開始から前記キャリア搬送機構が前記第1の空キャリアを搬送することができる状態となる時点までの時間であることが好ましい。
【0014】
キャリアの搬送効率の向上のために、キャリア搬送機構は置き換え動作を行う。この際、キャリア搬送機構は、第1の空キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも予め設定された時間前に、置き換え動作のため、上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送を開始する。これにより、第1の空キャリアを生成する時点において、キャリア搬送機構が第1の空キャリアを搬送できる状態とすることができる。そのため、空キャリアが生成される時に合わせて、その空キャリアを搬送できるので、キャリアの搬送効率を更に向上させることができる。
【0015】
また、上述の基板処理装置において、前記基板搬送機構は、前記2以上の第2キャリア載置部のいずれかに載置された第2の空キャリアに全ての基板を収納して処理済基板キャリアを生成し、前記キャリア搬送機構は、前記キャリアを把持する2つの把持部を備え、前記キャリア搬送機構は、前記2つの把持部を用いることにより、前記2つ以上の第2キャリア載置部のいずれかに載置された前記処理済基板キャリアを、前記空キャリア棚に載置された第3の空キャリアに置き換える置き換え動作を行い、前記キャリア搬送機構は、前記処理済基板キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも予め設定された時間前に、前記置き換え動作のために前記空キャリア棚に載置された前記第3の空キャリアの搬送動作を開始し、前記予め設定された時間は、前記空キャリア棚に載置された前記第3の空キャリアを搬送動作の開始から前記キャリア搬送機構が前記処理済基板キャリアを搬送することができる状態となる時点までの時間であることが好ましい。
【0016】
キャリアの搬送効率の向上のために、キャリア搬送機構は置き換え動作を行う。この際、キャリア搬送機構は、処理済基板キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも予め設定された時間前に、置き換え動作のため、空キャリア棚に載置された第3の空キャリアの搬送を開始する。処理済基板キャリアを生成する時点において、キャリア搬送機構が処理済基板キャリアを搬送できる状態とすることができる。そのため、処理済基板キャリアが生成される時に合わせて、その処理済基板キャリアを搬送できるので、キャリアの搬送効率を更に向上させることができる。
【0017】
また、上述の基板処理装置において、前記第1キャリア載置部の上流に設けられた上流側保管棚を更に備え、前記基板搬送機構は、前記2以上の第1キャリア載置部のいずれかに載置された前記キャリアから全ての基板を取り出して第1の空キャリアを生成し、また、前記2以上の第2キャリア載置部のいずれかに載置された第2の空キャリアに全ての基板を収納して処理済基板キャリアを生成し、前記キャリア搬送機構は、前記キャリアを把持する2つの把持部を備え、前記キャリア搬送機構は、前記2つの把持部を用いることにより、前記2つ以上の第1キャリア載置部のいずれかに載置された前記第1の空キャリアを、前記上流側保管棚に載置された前記キャリアに置き換える第1置き換え動作を行い、前記キャリア搬送機構は、前記第1置き換え動作の後、前記2つの把持部を用いることにより、前記空キャリア棚に載置された第3の空キャリアを、前記2つの把持部のいずれかにより把持された前記第1の空キャリアに置き換える第2置き換え動作を行い、前記キャリア搬送機構は、前記第2置き換え動作の後、前記2つの把持部を用いることにより、前記2つ以上の第2キャリア載置部のいずれかに載置された前記処理済基板キャリアを、前記2つの把持部のいずれかにより把持された前記第3の空キャリアに置き換える第3置き換え動作を行い、前記キャリア搬送機構は、前記第1の空キャリアが生成される時点であると予測される時点が、前記処理済基板キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも遅い場合に、前記第1の空キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも予め設定された第1の時間前に、前記第1置き換え動作のために前記上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送動作を開始し、前記キャリア搬送機構は、前記処理済基板キャリアが生成される時点であると予測される時点が、前記第1の空キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも遅い場合に、前記処理済基板キャリアが生成される時点であると予測される時点よりも予め設定された第2の時間前に、前記第1置き換え動作のために前記上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送動作を開始し、前記予め設定された第1の時間は、前記上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送動作の開始から前記キャリア搬送機構が前記第1の空キャリアを搬送することができる状態となる時点までの時間であり、前記予め設定された第2の時間は、前記上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送動作の開始から前記キャリア搬送機構が前記処理済基板キャリアを搬送することができる状態となる時点までの時間であることが好ましい。
【0018】
キャリアの搬送効率の向上のために、キャリア搬送機構は第1~第3の置き換え動作を行う。この際、キャリア搬送機構は、第1の空キャリアが生成される時点であると予測される時点および、処理済キャリアが生成される時点であると予測される時点のいずれか遅い方よりも予め設定された時間前に、置き換え動作のため、上流側保管棚に載置されたキャリアの搬送を開始する。例えば、第1の空キャリアが生成される時点であると予測される時点を基準にキャリアの搬送を開始しても、キャリア搬送機構が処理済基板キャリアを搬送できる状態になったときに、基板搬送機構が第2の空キャリアに基板を収納している最中である場合がある。この場合、キャリア搬送機構に待ち時間が生じる。本発明によれば、第1の空キャリアが生成される時点あるいは、処理済基板キャリアが生成される時点に合わせて、第1の空キャリアまたは処理済基板キャリアを搬送できる状態とすることができる。そのため、連続してキャリアを置き換えする場合におけるキャリア搬送の待ち時間を減少しつつ、キャリアの搬送効率を更に向上させることができる。
【0019】
また、本発明にかかる基板処理装置の制御方法であって、複数の基板を収納可能なキャリアから搬送された基板に対して所定の処理を行う処理ブロックと、前記キャリアを各々載置する2つ以上の第1キャリア載置部と、前記キャリアを各々載置する2つ以上の第2キャリア載置部と、前記処理ブロックに基板を送り出すため、および前記処理ブロックから基板を戻すために用いられ、複数の基板を載置することが可能な基板バッファ部と、基板を搬送する基板搬送機構と、全ての基板が取り出されて空になった前記キャリアを載置する空キャリア棚と、前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、を備えた基板処理装置の制御方法において、前記2つ以上の第1キャリア載置部の各々に載置された前記キャリアから前記基板バッファ部に基板を搬送するように前記基板搬送機構を設定する工程と、前記基板バッファ部から前記2つ以上の第2キャリア載置部の各々に載置された前記キャリアに基板を搬送するように前記基板搬送機構を設定する工程と、前記2つ以上の第1キャリア載置部の全てに前記キャリアが載置されていない場合、前記2つ以上の第2キャリア載置部の少なくともいずれかに前記キャリアが載置されていない場合、および空キャリア棚に前記キャリアが載置されていない場合に、前記キャリア搬送機構により、前記2つ以上の第2キャリア載置部のいずれかに、特定キャリアを搬送する工程と、前記基板搬送機構により、前記特定キャリアから前記基板バッファに基板を搬送し、その後、前記基板バッファ部から前記特定キャリアに前記処理ブロックで処理された処理済の基板を搬送する工程と、前記キャリア搬送機構により、前記基板搬送機構により前記特定キャリアから基板を全て取り出してから前記特定キャリアに全ての処理済の基板を収納するまでの間、前記特定キャリアの載置位置に前記特定キャリアを留めさせる工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係る基板処理装置の制御方法によれば、通常、基板搬送機構は、基板バッファ部から第2キャリア載置部に載置されたキャリアに基板を搬送するように設定されている。しかしながら、所定の条件を満たす場合に、基板搬送機構は、キャリアから基板バッファ部に基板を搬送する。すなわち、基板搬送機構は、通常の基板搬送動作と異なる動作を行う。これにより、キャリア搬送機構は、特定キャリアから全ての基板を取り出してから特定キャリアに全ての処理済の基板を収納するまでの間、特定キャリアの載置位置に特定キャリアを留めさせることができる。これにより、キャリア搬送機構は、特定キャリア以外のキャリアを搬送できるので、キャリアの搬送効率を向上させることできる。その結果、キャリアの搬送待ちが低減されるので、基板処理のスループットを向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る基板処理装置および、基板処理装置の制御方法によれば、フープを効率良く搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施例1に係る基板処理装置の縦断面図である。
図2】実施例1に係る基板処理装置の横断面図である。
図3】(a)は、インデクサブロックの4つのオープナを示す正面図であり、(b)は、2つの基板搬送機構から見た4つのオープナの背面図である。
図4】インデクサブロックの基板搬送機構を示す図である。
図5】塗布処理部の配置を示す処理ブロックの右側面である。
図6】熱処理部の配置を示す処理ブロックの左側面である。
図7】(a)は、フープ搬送機構から見た、フープバッファ装置の棚を示す図であり、(b)は、棚から見た、4つのオープナとフープ搬送機構を示す正面図である。
図8】(a)~(d)は、第1基板搬送機構による、フープから送りバッファ部に基板を搬送する動作を説明するための図である。
図9】(a)~(d)は、第2基板搬送機構による、戻りバッファ部からフープに基板を搬送する動作を説明するための図である。
図10】(a)~(d)は、フープ搬送機構による2つのフープの置き換え動作について説明するための図である。
図11】入力ポートから出力ポートへのフープの搬送動作と、基板搬送動作を説明するためのフローチャートである。
図12】フープバッファ装置の動作優先順位を示す図である。
図13】(a)~(d)は、フープの搬送動作を説明するための図である。
図14】(a)~(d)は、図13(d)の続きのフープの搬送動作を説明するための図である。
図15】(a)~(d)は、図14(d)の続きのフープの搬送動作を説明するための図である。
図16図15(d)の続きのフープの搬送動作を説明するための図である。
図17】(a)~(c)は、その他のフープの搬送動作を説明するための図である。
図18】実施例2に係る基板処理装置におけるフープの置き換え動作を説明するための図である。
図19】実施例3に係る基板処理装置におけるフープの置き換え動作を説明するための図である。
図20】(a)は、実施例4に係る基板処理装置におけるフープの置き換え動作を説明するための図であり、(b)は、2つの把持部により置き換え動作を行わないときのフープ搬送動作を説明するための図である。
図21】変形例に係る基板処理装置の横断面図である。
図22】変形例に係る基板処理装置の縦断面図である。
【実施例1】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係る基板処理装置の縦断面図である。図2は実施例1に係る基板処理装置の横断面図である。図3(a)は、インデクサブロックの4つのオープナを示す正面図である。図3(b)は、2つの基板搬送機構から見た4つのオープナの背面図である。
【0024】
図1または図2を参照する。基板処理装置1は、基板Wにレジスト膜などを形成し、また、露光された基板Wを現像する装置である。基板処理装置1は、インデクサブロック2、処理ブロック3、フープバッファ装置4(ストッカ装置)およびインターフェースブロックIFを備えている。インターフェースブロックIFは、処理ブロック3の後面に連結されている。処理ブロック3は、インデクサブロック2の後面に連結されており、フープバッファ装置4は、インデクサブロック2の前面に連結されている。
【0025】
〔インデクサブロック2〕
インデクサブロック2は、キャリアに基板を受け渡し搬送する。インデクサブロック2は、4つのオープナ5A~5D、2つの基板搬送機構6A,6Bおよび基板バッファ部7を備えている。4つのオープナ5A~5Dは、インデクサブロック2の前面の壁部8に設けられている。
【0026】
図3(a)に示すように、4つのオープナ5A~5Dは、第1オープナ列9と第2オープナ列10の2つのグループに分けられる。第1オープナ列9は、上下方向に配置された2つのオープナ5A,5Bを有する。第2オープナ列10は、上下方向に配置された2つのオープナ5C,5Dを有する。また、第2オープナ列10は、第1オープナ列9に水平方向(Y方向)に並んで配置されている。なお、図3(a)において、第1オープナ5Aは、第2オープナ5Bの上方に設けられている。第3オープナ5Cは、第4オープナ5Dの上方に設けられている。
【0027】
4つのオープナ5A~5Dは各々、キャリアを載置する。キャリアは、例えばフープF(FOUP)が用いられる。なお、開閉可能な蓋部を有するキャリアであれば、キャリアは、フープFに限定されない。以下、キャリアをフープFにより説明する。フープFは、水平姿勢の複数(例えば25枚)の基板Wを収納することが可能である。フープFは、基板Wを出し入れするための開口部を有し、基板Wが収納されるフープ本体と、開口部を塞ぐための蓋部とを有する。
【0028】
4つのオープナ5A~5Dは各々、載置されたフープFの蓋部を開閉する。4つのオープナ5A~5Dは各々、載置台12、開口部14、シャッタ16およびシャッタ駆動部(図示しない)を備えている。フープFは、載置台12に載置される。開口部14は、フープF内部とインデクサブロック2内部との間で基板Wの受け渡しを行うための開口である。シャッタ16は、開口部14を塞ぐためのものである。また、シャッタ16は、蓋部をフープ本体にロックし、そのロックを解除する。また、シャッタ16は、蓋部を保持するように構成されている。シャッタ16は、例えば、蓋部を真空吸着して保持する。シャッタ16は、電動モータを有するシャッタ駆動部により上下方向および前後方向に移動される。
【0029】
図2のように、第1基板搬送機構6Aは、第1オープナ列9(オープナ5Aを含む)に対向した位置に配置されている。第2基板搬送機構6Bは、第2オープナ列10(オープナ5Cを含む)に対向した位置に配置されている。第1基板搬送機構6Aは、第1オープナ列9の2つのオープナ5A,5Bの各々に載置されたフープFと基板バッファ部7との間で基板Wを搬送する。第2基板搬送機構6Bは、第2オープナ列10の2つのオープナ5C,5Dの各々に載置されたフープFと基板バッファ部7との間で基板Wを搬送する。
【0030】
図3(b)、図4のように、2つの基板搬送機構6A,6Bは各々、2つのハンド21(21A,21B)、進退駆動部23および昇降回転駆動部25を備えている。2つのハンド21A,21Bは各々、基板Wを保持する。2つのハンド21A,21Bは個々に水平方向に進退可能であり、例えば、フープFから1枚の基板Wを取り出したり、2枚の基板Wを取り出したりすることができる。2つのハンド21A,21Bは各々、Y字状またはU字状など先端が2つに分かれた形状で構成されている。なお、2つの基板搬送機構6A,6Bは各々、2つのハンド21A,21Bを備えているが、3つ以上のハンドを備えていてもよい。
【0031】
進退駆動部23は、2つのハンド21A,21Bを移動可能に支持すると共に、2つのハンド21A,21Bを進退移動させる。進退駆動部23は、第1ハンド21Aを駆動するために、例えば、電動モータと、直線状のねじ軸と、ねじ軸と噛み合う孔部を有する可動部材と、可動部材をガイドするガイド部とを備えている。第1ハンド21Aは可動部材に支持されている。同様に、進退駆動部23は、第2ハンド21Bを駆動するために、例えば、電動モータ、ねじ軸、可動部材およびガイド部を備えている。
【0032】
昇降回転駆動部25は、進退駆動部23を昇降および回転させることで、2つのハンド21A,21Bを昇降および回転させる。昇降回転駆動部25は、支柱部25Aと回転部25Bを備えている。支柱部25Aは、上下方向に延びるように設けられている。支柱部25Aは、インデクサブロック2の床部に固定されている。そのため、支柱部25A、すなわち昇降回転駆動部25の水平方向(特にY方向)の位置は、移動されずに固定されている。
【0033】
回転部25Bは、支柱部25Aに沿って昇降される。支柱部25Aは、例えば、電動モータ(図示しない)、2つのプーリ27およびベルト28を備えている。ベルト28は、2つのプーリ27に掛け渡されている。回転部25Bは、ベルト28に取り付けられている。電動モータの回転は、2つのプーリ27のいずれかに伝達され、ベルト28を移動させる。回転部25Bは、ベルト28の移動と共に移動される。
【0034】
また、回転部25Bは、進退駆動部23を支柱部25Aに沿った垂直軸AX1aまたは垂直軸AX1b周りに回転させる。これにより、2つのハンド21A,21Bの向きが変わる。回転部25Bは、例えば電動モータ、2つのプーリおよびベルトを備えている。
【0035】
上述のように、支柱部25A、すなわち昇降回転駆動部25の水平方向の位置は、移動せずに固定されている。そのため、進退駆動部23の回転中心である垂直軸AX1a,AX1bの水平方向の位置も固定される。このように、昇降回転駆動部25の水平方向の位置が固定される。これにより、第1基板搬送機構6Aは、2つのオープナ5A,5Bの各フープFと基板バッファ部7との間で基板Wを搬送できるが、2つのオープナ5C,5Dの各フープFと基板バッファ部7との間で基板を搬送できない。同様に、第2基板搬送機構6Bは、2つのオープナ5C,5Dの各フープFと基板バッファ部7との間で基板Wを搬送できるが、2つのオープナ5A,5Bの各フープFと基板バッファ部7との間で基板Wの搬送を行うことができない。
【0036】
図1図2に戻る。基板バッファ部7は、複数(例えば52枚)の基板Wが載置することが可能である。基板バッファ部7において、各基板Wは水平姿勢で支持され、複数の基板Wは上下方向に配置される。基板バッファ部7は、図2に示すように、支柱29A、複数の載置板29Bおよび3つの支持ピン29Cを備えている。支柱29Aは、垂直方向(Z方向)に延びている。複数の載置板29Bは各々、インデクサブロック2から処理ブロック3に向かう+Y方向に水平に延びるように支柱29Aに支持されている。3つの支持ピン29Cは各々、載置板29Bの上面に設けられている。基板Wは支持ピン29C上に支持される。基板バッファ部7は、図2に示すように、インデクサブロック2と処理ブロック3との間付近に設けられる。
【0037】
なお、2つのオープナ5A,5Bは各々、第1キャリア載置部に相当する。2つのオープナ5C,5Dは各々第2キャリア載置部に相当する。第1基板搬送機構6Aおよび第2基板搬送機構6Bは、本発明の基板搬送機構に相当する。
【0038】
〔処理ブロック3〕
処理ブロック3は、図1に示すように、塗布ブロック31と現像ブロック32を備えている。塗布ブロック31と現像ブロック32は、互いに水平方向(X方向)に配置されている。
【0039】
塗布ブロック31は、上下方向に配置された2つの塗布処理層31A,31Bを備えている。現像ブロック32は、上下方向に配置された2つの現像処理層32A,32Bを備えている。2つの塗布処理層31A,31Bおよび2つの現像処理層32A,32Bは各々、第3基板搬送機構33、搬送スペース34、液処理部SC、および熱処理部37を備えている。
【0040】
なお、上述の基板バッファ部7は、2つの送りバッファ部SBF1,SBF2と、2つの戻りバッファ部RBF1,RBF2を備えている。送りバッファ部SBF1,SBF2および戻りバッファ部RBF1,RBF2は各々、13個の載置板29Bを有し、13枚の基板Wを載置することが可能である。例えば、送りバッファ部SBF1と戻りバッファ部RBF1は、第1塗布処理層31A用であり、送りバッファ部SBF2と戻りバッファ部RBF2は、第2塗布処理層31B用である。なお、2つの基板搬送機構6A,6Bは各々、送りバッファ部SBF1,SBF2および戻りバッファ部RBF1,RBF2の全てに対して基板Wを搬送することができる。
【0041】
第3基板搬送機構33は、4つの処理層31A,31B,32A,32Bの各々において、基板Wを搬送するためのものである。第3基板搬送機構33は、2つのハンド41、進退駆動部42、回転駆動部43、第1移動機構44および第2移動機構45を備えている。
【0042】
2つのハンド41は各々、Y字状またはU字状など先端が2つに分かれた形状で構成されている。2つのハンド41は各々、基板Wを保持する。進退駆動部42は、2つのハンド41を個々に進退させる。回転駆動部43は、進退駆動部42を垂直軸AX2周りに回転させる。これにより、2つのハンド41の向きを変えることができる。第1移動機構44は、回転駆動部43を図1の左右方向(X方向)に移動させる。これにより、進退駆動部42をX方向に移動させることができる。第2移動機構45は、第1移動機構44を上下方向(Z方向)に移動させる。これにより、進退駆動部42をZ方向に移動させることができる。
【0043】
なお、進退駆動部42、回転駆動部43、第1移動機構44および第2移動機構45は各々、電動モータを備えている。
【0044】
第3基板搬送機構33は、図2に示すように、搬送スペース34に設けられる。搬送スペース34は、水平方向(X方向)に直線状に延びるように構成されている。図2に示すように、搬送スペース34は、基板処理装置1の上方から見た場合に、長方形の空間である。液処理部SCと熱処理部37は、搬送スペース34を挟むように配置されている。
【0045】
図5は、液処理部SCの配置を示す処理ブロック3の右側面である。4つの処理層31A,31B,32A,32Bは各々、4つの液処理部SCを備えている。4つの液処理部SCは、水平方向に2列かつ、上下方向に2段の2列×2段で配置されている。塗布処理層31A(31B)における4つの液処理部SCは、2つの塗布ユニットBARCと、2つの塗布ユニットRESISTである。また、現像処理層32A(32B)における4つの液処理部SCは、4つの現像ユニットDEVである。
【0046】
塗布ユニットBARCは、基板Wに反射防止膜を形成するものである。塗布ユニットRESISTは、基板Wにフォトレジストなどのレジスト膜を形成するものである。現像ユニットDEVは、露光された基板Wを現像するものである。
【0047】
図2に示すように、液処理部SCは、保持回転部47、ノズル48およびノズル移動機構49を備えている。保持回転部47は、例えば真空吸着で基板Wを保持して、保持した基板Wを垂直軸(Z方向)周りに回転させるものである。ノズル48は、基板Wに塗布液(例えば反射防止膜形成用の液またはフォトレジスト液)または現像液を供給するものである。ノズル移動機構49は、ノズル48を移動させるものである。
【0048】
図6は、熱処理部37の配置を示す処理ブロック3の左側面である。4つの処理層31A,31B,32A,32Bは、熱処理部37を備えている。熱処理部37は、熱処理を行い、基板Wが載置されるプレート51(図2参照)を備えている。熱処理部37は、3列×5段で配置できるように構成されている。塗布処理層31A(31B)は、14個の熱処理部37を備えている。すなわち、塗布処理層31A(31B)は、3つの密着強化処理部PAHPと、2つの冷却部CPと、9つの加熱冷却部PHPとを備えている。また、現像処理層32A(32B)は、2つの冷却部CPと、7つの加熱冷却部PHPとを備えている。なお、液処理部SCおよび熱処理部37その他のユニット(例えばエッジ露光部EEW)の個数は、適宜変更される。
【0049】
密着強化処理部PAHPは、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の密着強化剤を基板Wに塗布して加熱することで、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるものである。密着強化処理部PAHPは、加熱後に基板Wを冷却する機能も有している。冷却部CPは、基板Wを冷却する。加熱冷却部PHPは、加熱処理と冷却処理をこの順番で続けて行う。
【0050】
なお、図1に示すように、例えば、塗布処理層31Aから現像処理層32Aへの基板Wの搬送は、基板載置部PS1を介して行われる。現像処理層32AからインターフェースブロックIFへの基板Wの搬送は、基板載置部PS2を介して行われる。インターフェースブロックIFから現像処理層32Aへの基板Wの搬送は、基板載置部PS4を介して行われる。現像処理層32Aから塗布処理層31Aへの基板Wの搬送は、基板載置部PS5を介して行われる。なお、後述する基板載置部PS3を含む5つの基板載置部PS1~PS5は、1枚又は複数枚の基板Wを載置することができる。
【0051】
〔インターフェースブロックIF〕
インターフェースブロックIFは、基板処理装置1と別体である外部の露光機EXPと隣接する。インターフェースブロックIFは、露光機EXPにレジスト膜が形成された基板Wを送り出し、露光機EXPから、露光された基板Wを受け取る。
【0052】
インターフェースブロックIFは、3つの基板搬送機構TC4,TC5,TD、載置兼冷却部P-CP、基板載置部PS3、送りバッファ部SBF3、戻りバッファ部RBF3、エッジ露光部EEW、および加熱冷却ユニットPHP、露光前洗浄ユニット53、および露光後洗浄ユニット55を備えている。3つの基板搬送機構TC4,TC5,TDは、図4に示す第1基板搬送機構6Aと同様に構成されているので、これらの詳細な説明を省略する。
【0053】
載置兼冷却部P-CPは、露光機EXPから基板Wを受け取り、露光機EXPに基板Wを送り出すために用いられる冷却機能付きの基板載置台である。送りバッファ部SBF3および戻りバッファ部RBF3は、複数の基板Wを載置できる。エッジ露光部EEWは、基板Wの周縁部を露光する。加熱冷却ユニットPHPは、このブロックIFにおいて、露光後ベーク(PEB)処理を行う。露光前洗浄ユニット53は、露光処理前の基板Wを洗浄し、乾燥させる。露光後洗浄ユニット55は、露光処理後の基板Wを洗浄する。
【0054】
〔処理ブロック3とインターフェースブロックIFの動作例〕
ここで、処理ブロック3とインターフェースブロックIFの動作例を説明する。塗布処理層31Aにおいて、第3基板搬送機構33は、送りバッファ部SBF1から基板Wを受け取る。第3基板搬送機構33は、受け取った基板Wを、図5図6に示す密着強化処理部PAHP、冷却部CP、塗布ユニットBARCの順番に搬送する。その後、第3基板搬送機構33は、塗布ユニットBARCで反射防止膜が形成された基板Wを、加熱冷却部PHP、冷却部CP、塗布ユニットRESIST、加熱冷却部PHPの順に搬送する。第3基板搬送機構33は、塗布ユニットRESISTでレジスト膜が形成された基板Wを基板載置部PS1に搬送する。
【0055】
現像処理層32Aにおいて、第3基板搬送機構33は、基板載置部PS1から基板載置部PS2に基板Wを搬送する。
【0056】
インターフェースブロックIFにおいて、第4基板搬送機構TC4は、基板載置部PS2から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを、エッジ露光部EEW、露光前洗浄ユニット53、載置兼冷却部P-CPの順番に搬送する。第6基板搬送機構TDは、載置兼冷却部P-CPから露光機EXPに基板Wを搬送し、露光機EXPから基板載置部PS3に、露光機EXPで露光された基板Wを搬送する。第5基板搬送機構TC5は、基板載置部PS3から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを、露光後洗浄ユニット55、加熱冷却ユニットPHP、基板載置部PS4に基板Wを搬送する。
【0057】
現像処理層32Aにおいて、第3基板搬送機構33は、基板載置部PS4から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを、冷却部CP、現像ユニットDEV、加熱冷却ユニットPHP、基板載置部PS5の順番に搬送する。
【0058】
塗布処理層31Aにおいて、第3基板搬送機構33は、基板載置部PS5から戻りバッファ部RBF2に、現像後の基板Wを搬送する。
【0059】
〔フープバッファ装置4〕
図1図2に示すように、フープバッファ装置4は、複数(例えば、12個)の棚61と、フープFを搬送するフープ搬送機構62とを備えている。
【0060】
複数の棚61は、2つのオープナ列9,10(例えば、図1に示す2つのオープナ5C,5D)と対向して配置されている。フープ搬送機構62は、2つのオープナ列9,10と複数の棚61との間に配置されている。また、フープ搬送機構62は、2つのオープナ列9,10を挟んで、2つの基板搬送機構6A,6Bの反対側に設けられている。
【0061】
なお、図7(a)は、フープ搬送機構62から見た、フープバッファ装置4の棚61を示す図である。図7(b)は、棚61から見た、4つのオープナ5A~5Dとフープ搬送機構62を示す正面図である。
【0062】
棚61は、フープFを載置するものである。棚61は、図1に示すフープバッファ装置4の左側(正面側)の壁部64に設けられている。棚61は、図7(a)に示すように、例えば、2つの入力ポートIP1,IP2(入力ロードポートともいう)と、2つの出力ポートOP1,OP2(出力ロードポートともいう)と、2つの未処理基板フープ棚IB1,IB2と、2つの処理済基板フープ棚OB1,OB2と、4つの空フープ棚EB1~EB4とを備えている。なお、棚61の個数および役割は、必要に応じて設定される。
【0063】
2つの入力ポートIP1,IP2は、工場内でフープFを搬送する外部搬送機構OHT(Overhead Hoist Transport)からフープFを受け取るために用いられる。2つの出力ポートOP1,OP2は、外部搬送機構OHTに処理済の基板Wが収納されたフープFを引き渡すために用いられる。2つの入力ポートIP1,IP2および2つの出力ポートOP1,OP2は、棚61の最上段に設けられている。外部搬送機構OHTとフープFの受け渡しを行うために、フープバッファ装置4の天井部分は、開放されている。
【0064】
例えば2つのオープナ5A,5Bが基板Wの取り出し(送り)用として設定される場合、2つの未処理基板フープ棚IB1,IB2は、2つのオープナ5A,5Bに搬送できないフープFを保管するために用いられる。また、例えば2つのオープナ5C,5Dが基板Wの収納(戻し)用として設定される場合、処理済基板フープ棚OB1,OB2は、2つのオープナ5C,5Dから出力ポートOP1,OP2に搬送できないフープFを保管するために用いられる。4つの空フープ棚EB1~EB4は、基板Wが取り出されて空になったフープFを保管するために用いられる。
【0065】
フープ搬送機構62は、図7(b)に示すように、2つの把持部65A,65B、2つの多関節アーム66A,66B、昇降駆動部67および水平駆動部68を備えている。2つの把持部65A,65Bは各々、フープFを把持するように構成されている。具体的には、2つの把持部65A,65Bは各々、フープFの上部に設けられた突起69を把持するように構成されている。第1把持部65Aは、第1多関節アーム66Aの第1端部に垂直軸AX3a周りに回転可能に取り付けられている。また、第2把持部65Bは、第2多関節アーム66Bの第1端部に垂直軸AX4a周りに回転可能に取り付けられている。
【0066】
2つの多関節アーム66A,66Bは各々、例えばスカラ型で構成される。第1多関節アーム66Aは、2つの垂直軸AX3b,AX3cの各々の周りに連結された支持部材が回転することにより、把持部65Aを水平方向の所定の位置に移動させる。また、第1多関節アーム66Aは、第1把持部65Aを垂直軸AX3a周りで回転させてフープFの向きを調整する。同様に、第2多関節アーム66Bは、2つの垂直軸AX4b,AX4cの各々の周りに連結された支持部材が回転することにより、把持部65Bを水平方向の所定の位置に移動させる。また、第2多関節アーム66Bは、第2把持部65Bを垂直軸AX4a周りで回転させてフープFの向きを調整する。2つの多関節アーム66A,66Bは各々、昇降駆動部67に取り付けられている。
【0067】
昇降駆動部67は、図1に示すように、2つの駆動部67A,67Bを備えている。第1駆動部67Aは、第1多関節アーム66Aを上下方向に昇降させ、第2駆動部67Bは、第2多関節アーム66Bを上下方向に昇降させる。すなわち、2つの把持部65A,65Bは、互いに独立して昇降される。2つの駆動部67A,67Bは、互いに水平方向(例えばX方向)に並んで配置されている。
【0068】
第1把持部65Aおよび第1多関節アーム66Aは、第2把持部65Bおよび第2多関節アーム66Bよりも上方に設けられている。すなわち、第1把持部65Aおよび第1多関節アーム66Aは、衝突を防止するため、第2把持部65Bおよび第2多関節アーム66Bよりも下方に移動できないように構成されている。なお、この点、昇降駆動部67は、把持部65Bよりも上方および下方に把持部65Aを移動できるように構成されていてもよい。
【0069】
水平駆動部68は、昇降駆動部67を水平方向(Y方向)に移動させる。これにより、2つの把持部65A,65Bは、2つの多関節アーム66A,66Bの水平方向の可動範囲で届かないフープFに近づくことができる。また、図7(b)において、2つの把持部65A,65Bは各々、棚61および4つのオープナ5A~5Dの全てにフープFを搬送することができる。
【0070】
なお、2つの把持部65A,65B、2つの多関節アーム66A,66B、昇降駆動部67(2つの駆動部67A,67B)および水平駆動部68は各々、電動モータを備えている。また、2つの駆動部67A,67Bは各々、例えば2つのプーリとベルトを備えていてもよい。また、把持部および多関節アームなどは、必要に応じて2組以外であってもよい。
【0071】
基板処理装置1は、図1に示すように、1つまたは複数の制御部71と、操作部73を備えている。制御部71は、例えば中央演算処理装置(CPU)を備えている。制御部71は、基板処理装置1の各構成を制御する。操作部73は、表示部(例えば液晶モニタ)、記憶部および入力部を備えている。記憶部は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、およびハードディスクの少なくとも1つを備えている。入力部は、キーボード、マウス、タッチパネルおよび各種ボタンの少なくとも1つを備えている。記憶部には、基板処理の各種条件および基板処理装置1の制御に必要な動作プログラム等が記憶されている。
【0072】
<基板処理装置1の動作>
次に基板処理装置1の動作について説明する。まず、基板処理装置1の2つの基板搬送機構6A,6Bの動作について説明する。
【0073】
図2において、フープ搬送機構62はオープナ5AにフープFを搬送する。オープナ5Aのシャッタ16は、オープナ5Aの載置台12に載置されたフープFの蓋のロックを外しつつ、蓋を保持する。その後、フープFから蓋を外しながら下方向にスライドすることで、開口部14(図3(b)参照)を開放する。2つのオープナ5A,5B(図3(b)参照)と第1基板搬送機構6Aは、通常動作として基板Wの取り出し(送り出し)用に予め設定されている。そのため、第1基板搬送機構6Aは、例えばオープナ5Aに載置されたフープFから基板Wの取り出しを開始する。フープFから取り出した基板Wは、基板バッファ部7に搬送される。
【0074】
〔第1基板搬送機構6Aによる基板Wの取り出し動作〕
図8(a)において、第1基板搬送機構6Aの進退駆動部23は、2つのハンド21(21A,21B)を前進させることで、2つのハンド21をフープF内に進入させる。進入後、昇降回転駆動部25(図4参照)は、2つのハンド21を少し上昇させる。これにより、2つのハンド21によって2枚の基板Wをすくい上げて保持する。2枚の基板Wをすくい上げた後、進退駆動部23は、2枚の基板Wを保持した状態で2つのハンド21を後退させる。
【0075】
フープFから2枚の基板Wを取り出した後、取り出した2枚の基板Wを基板バッファ部7の送りバッファ部SBF1に搬送する。具体的な動作を順番に説明する。昇降回転駆動部25は、垂直軸AX1aに沿って2つのハンド21および進退駆動部23を昇降(図8(b)では上昇)させると共に、垂直軸AX1a周りに2つのハンド21および進退駆動部23を回転させる。これにより、送りバッファ部SBF1における保持する2枚の基板Wを置く所定の高さ位置に2つのハンド21を移動させつつ、その送りバッファ部SBF1に2つのハンド21を向ける。
【0076】
図8(c)において、進退駆動部23は、2枚の基板Wを保持した状態の2つのハンド21を前進させることで、2つのハンド21を送りバッファ部SBF1の領域に進入させる。進入後、昇降回転駆動部25は、2つのハンド21を少し下降させる。これにより、2つのハンド21によって2枚の基板Wを支持ピン29C上に置く。2枚の基板Wを置いた後、進退駆動部23は、基板Wを保持しない状態の2つのハンド21を後退させる。
【0077】
送りバッファ部SBF1に2枚の基板Wを搬送した後、再度、フープFから2枚の基板Wを取り出す。具体的には、図8(d)において、昇降回転駆動部25は、垂直軸AX1aに沿って2つのハンド21および進退駆動部23を昇降(図8(d)では下降)させると共に、垂直軸AX1a周りに2つのハンド21および進退駆動部23を回転させる。これにより、次に取り出す1枚または2枚の基板Wに対向する位置に2つのハンド21を移動させつつ、その1枚または2枚の基板Wに2つのハンド21を向ける。
【0078】
また、フープFから全ての基板Wを取り出すまで、図8(a)~図8(d)の動作を繰り返す。この際に、図1に示す処理ブロック3の2つの塗布処理層31A,31Bに並行処理を行わせる。そのため、フープFから取り出した2枚の基板Wを送りバッファ部SBF1に搬送した場合、次に取り出した2枚の基板Wは、送りバッファ部SBF2に搬送される。この次に取り出した2枚の基板Wは、再び、送りバッファ部SBF1に搬送される。
【0079】
「送りバッファ部SBF1」および「送りバッファ部SBF2」に交互に基板Wが分配される。なお、図8(a)~図8(c)に示すように、第1基板搬送機構6Aは、フープFの下の段86から順番に基板Wを取り出し、送りバッファ部SBF1の載置板29Bに下から順番に置く。
【0080】
なお、図8(d)において、第1塗布処理層31Aの第3基板搬送機構33は、送りバッファ部SBF1の載置板29Bに載置された1枚の基板Wを受け取っている。受け取った基板Wは、第1塗布処理層31Aにおいて所定の処理が行われる。
【0081】
〔第2基板搬送機構6Bによる基板Wの収納(戻し)動作〕
図9(a)において、戻りバッファ部RBF1の下から1~3段目の載置板29Bには、3枚の基板Wが載置されている。この3枚の基板Wは、第3基板搬送機構33で搬送された基板Wであり、第1塗布処理層31Aで所定の処理が行われた基板Wである。第2基板搬送機構6Bの進退駆動部23は、2つのハンド21を前進させることで、2つのハンド21を戻りバッファ部RBF1の領域に進入させる。進入後、2つのハンド21によって2枚の基板Wをすくい上げて保持する。2枚の基板Wをすくい上げた後、進退駆動部23は、2枚の基板Wを保持した状態で2つのハンド21を後退させる。
【0082】
戻りバッファ部RBF1から2枚の基板Wを受け取った後、例えばオープナ5Cに載置されたフープFに、受け取った2枚の基板WをフープF内に収納する。具体的な動作を順番に説明する。昇降回転駆動部25は、垂直軸AX1bに沿って2つのハンド21および進退駆動部23を昇降(図9(b)では上昇)させると共に、垂直軸AX1b周りに2つのハンド21および進退駆動部23を回転させる。これにより、搬送先のフープFの下から3,4段目の収納スペースに対向する位置に2つのハンド21を移動させつつ、その収納スペースに2つのハンド21を向ける。
【0083】
図9(c)において、進退駆動部23は、2枚の基板を保持した状態の2つのハンド21を前進させることで、2つのハンド21をフープF内に進入させる。進入後、2つのハンド21によって2枚の基板WをフープF内の下から3,4段目に置く。2枚の基板Wを置いた後、進退駆動部23は、基板Wを保持しない状態の2つのハンド21を後退させる。
【0084】
フープFに処理済の2枚の基板Wを収納した後、再度、戻りバッファ部RBF1以外の例えば戻りバッファ部RBF2から2枚の基板Wを受け取る。これにより、次に取り出す1枚または2枚の基板Wに対向する位置に2つのハンド21を移動させつつ、その1枚または2枚の基板Wに2つのハンド21を向ける。
【0085】
この図9(a)~図9(d)のような動作を繰り返すことで、フープFに基板Wを収納する。この際に、図1に示す処理ブロック3の2つの塗布処理層31A,31Bでは、並行処理が行われている。そのため、戻りバッファ部RBF1からフープFに2枚の基板Wを搬送した後、戻りバッファ部RBF2からフープFに2枚の基板Wを搬送する。その後、再び、戻りバッファ部RBF1からフープFに2枚の基板Wを搬送する。
【0086】
このように、「戻りバッファ部RBF1」および「戻りバッファ部RBF2」から交互に基板WがフープFに戻される。なお、図9(a)~図9(c)に示すように、第2基板搬送機構6Bは、戻りバッファ部SFB1から下から順番に基板Wを受け取り、フープFの下の段86から順番に収納する。
【0087】
フープF内に全ての基板Wが収納されると、オープナ5Cのシャッタ16は、フープ本体に蓋を取り付けながら開口部14を閉じる。その後、オープナ5Cのシャッタ16は、オープナ5Cの載置台12に載置されたフープFの蓋をロックし、蓋の保持を開放する。その後、フープ搬送機構62は、オープナ5CからフープFを搬送する。なお、「フープF内に全ての基板Wが収納される」とは、フープFに24枚の基板Wが収納されていた場合に、24枚の基板Wが収納されたことを示す。
【0088】
図9(d)において、第1塗布処理層31Aの第3基板搬送機構33は、戻りバッファ部RBF1の載置板29Bに処理済の1枚の基板Wを載置している。
【0089】
〔2つのオープナ5A,5Bに対する基板搬送動作〕
次に、2つのオープナ5A,5Bに載置された2つのフープFA,FBに対する第1基板搬送機構6Aの動作を説明する。
【0090】
2つのオープナ5A,5Bおよび第1基板搬送機構6Aは、通常動作として、フープFから基板Wを取り出す(送り出す)動作を行うように予め設定されている。図3(b)を参照する。第1基板搬送機構6Aは、オープナ5Aに載置されたフープFAから基板Wを取り出す。取り出した基板Wは、基板バッファ部7に搬送される。そして、第1基板搬送機構6Aは、フープFAから全ての基板Wを取り出す。ここで、図3(b)に示すオープナ5Bが設けられていないと仮定する。この場合、フープ搬送機構62によりオープナ5Aの空になったフープFAが他のフープFに置き換えられるまで、第1基板搬送機構6Aは、待機状態になってしまう。そのため、処理ブロック3に基板Wを供給することができなくなる。
【0091】
しかしながら、フープバッファ装置4は、オープナ5Aに加えてオープナ5Bを備えている。そのため、第1基板搬送機構6Aは、オープナ5AのフープFAから基板Wを全て取り出した後、オープナ5BのフープFBから基板Wの取り出しを開始できる。これにより、第1基板搬送機構6Aの待機時間を減少することができる。また、2つのオープナ5A,5Bが、第1基板搬送機構6Aの2つのハンド21および進退駆動部23の昇降経路に沿って上下方向に設けられている。そのため、2つのハンド21および進退駆動部23等をY方向に移動させなくてもよいので、基板Wの搬送効率の低下を防止しながら、第1基板搬送機構6Aの2つのハンド21を移動することができる。
【0092】
なお、オープナ5BのフープFBから基板Wを全て取り出した後、第1基板搬送機構6Aは、フープFAの代わりにオープナ5Aに載置された第3のフープFから基板Wの取り出しを開始する。すなわち、第1基板搬送機構6Aは、オープナ5Aに載置されたフープFとオープナ5Bに載置されたフープFに対してフープ単位で交互に基板Wを取り出すように構成されている。
【0093】
〔2つのオープナ5C,5Dに対する基板搬送動作〕
次に、2つのオープナ5C,5Dに載置された2つのフープFC,FDに対する第2基板搬送機構6Bの動作を説明する。
【0094】
2つのオープナ5C,5Dおよび第2基板搬送機構6Bは、通常動作として、フープFに基板Wを収納する(戻す)動作を行うように予め設定されている。図3(b)を参照する。第2基板搬送機構6Bは、オープナ5Cに載置されたフープFCに基板バッファ部7から受け取った基板Wを全て収納する。ここで、図3(b)に示すオープナ5Dが設けられていないと仮定する。この場合、フープ搬送機構62によりオープナ5Cに載置された全ての処理済の基板Wが収納されたフープFCが他のフープFに置き換えられるまで、第2基板搬送機構6Bは、待機状態になってしまう。そのため、処理ブロック3により処理された基板WをフープFに収納することができなくなる。
【0095】
しかしながら、フープバッファ装置4は、オープナ5Cに加えてオープナ5Dを備えている。そのため、第2基板搬送機構6Bは、オープナ5CのフープFCに処理済の基板Wを全て収納した後、オープナ5DのフープFDから基板Wの収納を開始できる。これにより、第2基板搬送機構6Bの待機時間を減少することができる。また、2つのオープナ5C,5Dが、第2基板搬送機構6Bの2つのハンド21および進退駆動部23の昇降経路に沿って上下方向に設けられている。そのため、2つのハンド21および進退駆動部23等をY方向に移動させなくてもよいので、基板Wの搬送効率の低下を防止しながら、第2基板搬送機構6Bの2つのハンド21を移動することができる。
【0096】
なお、オープナ5DのフープFDから基板Wを全て収納した後、第2基板搬送機構6Bは、オープナ5Dに載置された第3のフープFに基板Wの収納を開始する。すなわち、第2基板搬送機構6Bは、オープナ5Cに載置されたフープFとオープナ5Dに載置されたフープFに対してフープ単位で交互に基板Wを収納するように構成されている。
【0097】
〔フープ搬送機構62による2つのフープFの置き換え動作〕
次に、フープ搬送機構62の2つの把持部65A,65Bによる2つのフープFの置き換え動作について説明する。4つのオープナ5A~5Dの各々に載置されたフープFは、他のフープFに置き換えられる。この場合、フープ搬送の効率化のため、フープ搬送機構62の2つの把持部65A,65Bを用いて置き換え動作が行われる。なお、4つのオープナ5A~5D以外の搬送、例えば入力ポートIP1から未処理基板フープ棚IB1へのフープ搬送は、2つの把持部65A,65Bの一方を用いて行われる。
【0098】
図10(a)において、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aにより、未処理基板フープ棚IB2に載置された未処理のフープF6(斜線で示される)を把持する。そして、フープ搬送機構62は、多関節アーム66Aおよび駆動部67Aにより、把持した未処理のフープF6を、未処理基板フープ棚IB2(棚61)と4つのオープナ5A~5Dとの間の搬送スペースに移動させる。
【0099】
図10(b)において、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより、オープナ5Bに載置された空になったフープF4を把持する。そして、フープ搬送機構62は、多関節アーム66Bおよび駆動部67Bにより、把持した空のフープF4をオープナ5Bから搬送スペースに移動させる。なお、上側の把持部65Aは、未処理のフープF6が下側の把持部65Bなどに衝突しない位置に移動している。
【0100】
図10(c)において、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aにより把持された未処理のフープF6を、空のフープF4に代わりオープナ5Bに載置する。そして、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aによる把持を解除する。上側の把持部65Aは、搬送スペースに移動される。なお、下側の把持部65Bは、上側の把持部65Aによって把持されたフープF6に衝突しない位置に移動している。
【0101】
図10(d)において、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより把持された空のフープF4を例えば空フープ棚EB2に載置する。そして、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bによる把持を解除する。このように、置き換え動作を行うことで、フープFの搬送を効率よく行うことができる。なお、この説明では、未処理のフープF6を上側の把持部65Aで把持し、空のフープF4を下側の把持部65Bで把持していたが、逆に把持してもよい。すなわち、未処理のフープF6を下側の把持部65Bで把持し、空のフープF4を上側の把持部65Aで把持する。
【0102】
〔フープバッファ装置4の動作例1〕
次に、図11に示すフローチャートに従って、フープバッファ装置4の動作について説明する。図11は、入力ポートから出力ポートへのフープF1の搬送動作と、基板搬送動作を説明するためのフローチャートである。「フープF1」とは、所定のフープFである。すなわち、「フープF1」に注目し、「フープF1」を一例としてフープ搬送等を説明する。所定のフープF1にフープを限定しない場合は、「フープF」と示す。図12は、フープバッファ装置4の動作優先順位を示す図である。
【0103】
なお、この説明において、基板Wの取り出しのためのオープナを「送りオープナ」と呼び、基板Wの収納のためのオープナを「戻りオープナ」と呼ぶ。
【0104】
外部搬送機構OHTによって、フープF1が例えば入力ポートIP1に搬送される(ステップS01)。基板処理装置1は、工場のホストコンピュータからフープF1に収納されている基板Wに対して処理を実行することの指示を受ける(ステップS02)。
【0105】
基板処理装置1の制御部71は、入力ポートIP1のフープF1を、2つの送りオープナ5A,5Bの一方に搬送できるか否かを判定する(ステップS03)。この判定において、各々のオープナ5A,5BにフープFが載置されているか否かは、スケジュール管理ソフト(スケジューラ)で管理されたフープFの現在位置により、または、送りオープナ5A,5Bの各々の載置台12に設けられた例えば光学式センサの情報による。このような判定方法は、2つの戻りオープナ5C,5Dおよび棚61の場合も同様である。スケジュール管理ソフトは、基板処理装置1の制御部71で実行される。
【0106】
判定の結果、2つの送りオープナ5A,5Bのどちらか一方に搬送できる場合はステップS04に進み、搬送できない場合は、ステップS05に進む。
【0107】
ステップS04において、制御部71は、更に、送りオープナ5A,5Bの両方にフープFが配置されていない場合、戻りオープナ5C,5Dの少なくとも一方にフープFが載置されていない場合、および4つの空フープ棚EB1~EB4の全てにフープF(空フープを含む)が載置されていない場合を全て満たすか否かを判定する。判定の結果、前述の条件を全て満たす場合(例えば、後述する図13(a)、図13(b)および図17(c)参照)は、フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から、送りオープナ5A,5Bではなく、フープFが載置されていない搬送可能な戻りオープナ(例えば、5C)にフープF1を搬送する(ステップS06)。なお、基板処理装置1のスケジューラ、およびフープバッファ装置4の動作優先順位(図12参照)により、フープF1は送りオープナ5A(5B)に搬送され、全ての基板Wが取り出された後、戻りオープナ5C(5D)に搬送されるように予め設定されている。
【0108】
また、ステップS04の判定の結果、条件の少なくとも1つを満たさない場合は、フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から送りオープナ5A,5Bのうちの搬送できる方にフープF1を搬送する(ステップS07)。
【0109】
一方、ステップS03において、送りオープナ5A,5Bの両方に他のフープFが載置されており、フープF1を搬送できない場合は、制御部71は、2つの未処理基板フープ棚IB1,IB2の一方にフープF1を搬送できるか否か、かつフープF1を搬送するか否かを判定する(ステップS05)。2つの未処理基板フープ棚IB1,IB2の両方に他のフープFが載置されている場合は搬送できないので、入力ポートIP1でフープF1を待機させる。また、制御部71が搬送しないと判定した場合も入力ポートIP1でフープF1を待機させる。搬送可能であり、かつ制御部71が搬送すると判定した場合、フープ搬送機構62は、2つの未処理基板フープ棚IB1,IB2の一方にフープF1を搬送する(ステップS08)。
【0110】
フープF1が戻りオープナ5C,5Dの一方に載置された場合、ステップS09Aにおいて、フープF1から基板Wが取り出され、取り出された基板Wは、基板バッファ部7に搬送される。通常、2つの戻りオープナ5C,5DはフープFに基板Wを収納するために用いられる。しかしながら、基板Wを滞りなく搬送できる場合(前述のステップS04の条件を満たす場合)は、戻りオープナ5C,5Dの一方に載置された未処理基板フープFから処理前の基板Wを取り出す。これにより、処理済の基板Wを全て収納するまでの間、例えば、オープナ5Cに載置されたフープF1を移動させずにそのまま置いておくことができる(ステップS10)。そのため、フープ搬送機構62は、他のフープFを搬送することができるので、フープFの搬送効率を向上させることができる。
【0111】
一方、フープF1が送りオープナ5A,5Bの一方に載置された場合、ステップS09Bにおいて、フープF1から基板Wが取り出されて、取り出された基板Wは、基板バッファ部7に搬送される。第1基板搬送機構6AがフープF1から基板Wを全て取り出した後、空になったフープF1は、送りオープナ5Aから4つの空フープ棚EB1~EB4のいずれかに搬送される(ステップS11)。例えば、処理ブロック3で処理された最初の基板Wが基板バッファ部7に戻ってきたタイミングで、4つの空フープ棚EB1~EB4のいずれかから2つの戻りオープナ5C,5Dの搬送可能な一方にフープF1が搬送される(ステップS12)。なお、ステップS09Bで空になったフープF1は、4つの空フープ棚EB1~EB4を介さずに、直接戻りオープナ5C,5Dの一方に搬送してもよい。
【0112】
ステップS13において、第2基板搬送機構6Bは、例えば戻りオープナ5Cに載置された空フープF1に処理済の基板Wを収納する。すなわち、基板バッファ部7に戻された処理済の基板Wを空フープF1に搬送する。空フープF1に全ての基板Wが収納された場合において、予めホストコンピュータから出力の指示があった場合(FIFO(first-in first-out)の動作優先順位に変更があった場合)、処理済の基板Wを収納したフープF1を2つの出力ポートOP1,OP2の一方に搬送する(ステップS14,S15)。
【0113】
ホストコンピュータから出力の指示がなかった場合、制御部71は、2つの処理済基板フープ棚OB1,OB2の一方にフープF1が搬送できるか否か、かつフープF1を搬送するか否かを判定する(ステップS16)。搬送できない場合または、制御部71が搬送しないと判定した場合は、フープF1を戻りオープナ5Cに待機させ、搬送可能であり、かつ制御部71が搬送すると判定した場合、フープ搬送機構62は戻りオープナ5Cから2つの処理済基板フープ棚OB1,OB2の一方にフープF1を搬送する(ステップS17)。
【0114】
処理済基板フープ棚OB1(OB2)に搬送されたフープF1は、FIFOの動作優先順位により、2つの出力ポートOP1,OP2の一方に搬送される(ステップS15)。出力ポートOP1(OP2)に搬送されたフープF1は、外部搬送機構OHTによって、出力ポートOP1(OP2)から次の装置に向けて搬送される。
【0115】
図12は、フープバッファ装置4の動作優先順位を示す図である。この図12のように、下流側の戻り動作が上流側の送り動作よりも優先して行われる。図11に示す符号P1~P6は、図12に示す優先1~優先6にそれぞれ対応する。フープFの処理開始の順番(優先順位)、および装置1からの出力の順番はホストコンピュータの指示によって行われ、基本的には、FIFO(first-in first-out)で行われる。なお、図12に示す動作優先順位は、フープ搬送機構62が単一の把持部のみを有する場合、あるいは、フープ搬送機構62が複数の把持部を有していても上述の2つの把持部65A,65Bによる置き換え動作をせずに1つの把持部でフープFを搬送する場合に適用される。そのため、本実施例のように、4つのオープナ5A~5Dにおける置き換え動作の場合は、例えば優先順位が逆になり、図12に示す動作優先順位は、適用されない。
【0116】
〔フープバッファ装置4の動作例2〕
次に、複数のフープFを搬送する場合の動作例を説明する。なお、この搬送は、図11に示すフローチャートの動作が適用され、図12に示す動作優先順位が一部適用される。
【0117】
外部搬送機構OHTは、複数のフープFを順番に供給する。外部搬送機構OHTは、2つの入力ポートIP1,IP2のいずれにも搬送できない場合を除き、2つの入力ポートIP1,IP2の一方にフープFを搬送する。なお、外部搬送機構OHTから入力ポートIP1,IP2の一方にフープFが搬送された順番に番号が付けられる。例えば2番目のフープFは「F2」として示され、5番目のフープFは「F5」として示される。図13(a)~13(d)などにおいて、図示の都合により、例えばフープF1は、「1」として示される。
【0118】
図13(a)において、入力ポートIP1にはフープF1が搬送され、入力ポートIP2にはフープF2が搬送される。フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から戻りオープナ5CへフープF1を搬送する(優先5)。
【0119】
図13(b)において、フープ搬送機構62は、入力ポートIP2から戻りオープナ5DへフープF2を搬送する(優先5)。入力ポートIP1は、外部搬送機構OHTからフープF3を受け取る。第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Cに載置されたフープF1から基板Wの取り出しを開始する。基板Wの搬送は、フープFの搬送と並行して行われる。
【0120】
図13(c)において、フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から送りオープナ5AへフープF3を搬送する(優先5)。入力ポートIP2は、外部搬送機構OHTからフープF4を受け取る。第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Cに載置されたフープF1から引き続き基板Wを取り出す。なお、第2基板搬送機構6BがフープF1から基板Wを取り出している途中であるので、フープF2は、取り出し待ちの状態である。
【0121】
図13(d)において、フープ搬送機構62は、入力ポートIP2から送りオープナ5BへフープF4を搬送する(優先5)。入力ポートIP1は、外部搬送機構OHTからフープF5を受け取る。第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Cに載置されたフープF1から全ての基板Wの取り出しを終了する。その後、第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Dに載置されたフープF2から基板Wの取り出しを開始する。戻りオープナ5Cに載置されたフープF1に収納されていた基板Wは、処理ブロック3による処理の後に基板バッファ部7に一番先に戻ってくることが制御部71により実行されるスケジュール管理ソフトでわかっている(計算されている)。そのため、基板Wが全て取り出されて空になったフープF1は、戻りオープナ5Cにそのまま置かれる。
【0122】
なお、「フープF1」、「フープF2」、「フープF3」、「フープF4」の順番で処理ブロック3による処理が行われる予定であり、また、第2基板搬送機構6BがフープF2から基板Wを取り出している途中である。そのため、フープF3は、取り出し待ちの状態である。
【0123】
図14(a)において、4つのオープナ5A~5Dが4つのフープF1~F4で埋まっているので、フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から未処理基板フープ棚IB1にフープF5を搬送する(優先6)。同じ理由により、入力ポートIP2が外部搬送機構OHTからフープF6を受け取った後、フープ搬送機構62は、入力ポートIP2から未処理基板フープ棚IB2にフープF6を搬送する(優先6)。
【0124】
図14(b)において、2つの入力ポートIP1,IP2は、外部搬送機構OHTからフープF7,F8を受け取る。4つのオープナ5A~5Dおよび2つの未処理基板フープ棚IB1,IB2が6つのフープF1~F6で埋まっている。そのため、フープバッファ装置4にこれ以上のフープFを受け入れることができない。これにより、外部搬送機構OHTは、2つの入力ポートIP1,IP2の一方が搬送可能になるまで、フープFの供給を停止する。
【0125】
第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Dに載置されたフープF2から全ての基板Wの取り出しを終了する。その後、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Aに載置されたフープF3から基板Wの取り出しを開始する。戻りオープナ5Dに載置されたフープF2に収納されていた基板Wは、処理ブロック3による処理の後に基板バッファ部7にフープ単位で2番目に戻ってくることが制御部71により実行されるスケジュール管理ソフトでわかっている。そのため、基板Wが全て取り出されて空になったフープF2は、戻りオープナ5Dにそのまま置かれる。
【0126】
図14(c)において、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Aに載置されたフープF3から全ての基板Wの取り出しを終了する。その後、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Bに載置されたフープF4から基板Wの取り出しを開始する。基板処理装置1は継続的に処理を行うため、空になったフープF3を送りオープナ5Aから空フープ棚EB1に搬送し、未処理基板フープ棚IB1に載置されたフープF5を送りオープナ5Aに搬送する。
【0127】
フープ搬送機構62は、まず、上側の把持部65Aにより未処理基板フープ棚IB1のフープF5を把持し、未処理基板フープ棚IB1からフープF5を移動させる。下側の把持部65Bは、フープFを把持していない状態である。その後、フープ搬送機構62は、送りオープナ5Aにおいて、空になったフープF3をフープF5に置き換える。具体的には、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより送りオープナ5Aの空になったフープF3を把持し、送りオープナ5AからフープF3を移動させる。その後、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aにより送りオープナ5AにフープF5を置く。フープF5を置いた後、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより空になったフープF3を空フープ棚EB1に置く。
【0128】
図14(d)において、2つの送りオープナ5A,5Bが2つのフープF5,F4で埋まっているので、フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から未処理基板フープ棚IB1にフープF7を搬送する(優先6)。
【0129】
図15(a)において、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Bに載置されたフープF4から全ての基板Wの取り出しを終了する。その後、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Aに載置されたフープF5から基板Wの取り出しを開始する。基板処理装置1は継続的に処理を行うため、空になったフープF4を送りオープナ5Bから空フープ棚EB2に搬送し、未処理基板フープ棚IB2に載置されたフープF6をオープナ5Dに搬送する。
【0130】
フープ搬送機構62は、まず、上側の把持部65Aにより未処理基板フープ棚IB2のフープF6を把持し、未処理基板フープ棚IB2からフープF6を移動させる。下側の把持部65Bは、いずれのフープFを把持していない状態である。その後、フープ搬送機構62は、送りオープナ5Bにおいて、空になったフープF4をフープF6に置き換える。具体的には、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより送りオープナ5Bの空になったフープF4を把持し、送りオープナ5BからフープF4を移動させる。その後、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aにより送りオープナ5BにフープF6を置く。フープF6を置いた後、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより空になったフープF4を空フープ棚EB2に置く。
【0131】
図15(b)において、2つの送りオープナ5A,5Bが2つのフープF5,F6で埋まっているので、フープ搬送機構62は、入力ポートIP2から未処理基板フープ棚IB2にフープF8を搬送する(優先6)。
【0132】
図15(c)において、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Aに載置されたフープF5から全ての基板Wの取り出しを終了する。その後、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Bに載置されたフープF6から基板Wの取り出しを開始する。また、フープ搬送機構62は、空のフープF5を空フープ棚EB3に搬送する。
【0133】
フープ搬送機構62は、まず、上側の把持部65Aにより未処理基板フープ棚IB1のフープF7を把持し、未処理基板フープ棚IB1からフープF7を移動させる。下側の把持部65Bは、いずれのフープFを把持していない状態である。その後、フープ搬送機構62は、送りオープナ5Aにおいて、空になったフープF5をフープF7に置き換える。具体的には、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより送りオープナ5Aの空になったフープF5を把持し、送りオープナ5AからフープF5を移動させる。その後、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aにより送りオープナ5AにフープF7を置く。フープF7を置いた後、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより空になったフープF5を空フープ棚EB3に置く。入力ポートIP2は、外部搬送機構OHTからフープF10を受け取る。
【0134】
なお、図13(d)において、フープF1から全ての基板Wの取り出しが終了する。取り出された基板Wは、基板バッファ部7を介して、処理ブロック3に送られる。処理ブロック3は、基板Wに対して所定の処理を行う。処理ブロック3により所定の処理が行われた処理済の基板Wは、第3基板搬送機構33により、基板バッファ部7に戻される。第2基板搬送機構6Bは、基板バッファ部7に戻された基板WをフープF1に収納する。
【0135】
図15(d)において、第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Cに載置されたフープF1に処理済の基板Wを全て収納する。その後、第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Dに載置されたフープF2に基板Wの収納を開始する。その後、仮に、戻りオープナ5Dに載置されたフープF2に処理済の基板Wが全て収納された場合、戻りオープナ5Cに載置されるフープF3に処理済の基板Wの収納を開始する。
【0136】
フープ搬送機構62は、処理済のフープF1を出力ポートOP1に搬送する。フープ搬送機構62は、まず、上側の把持部65Aにより空フープ棚EB1に載置された空フープF3を把持し、空フープ棚EB1から空フープF3を移動させる。下側の把持部65Bは、いずれのフープFを把持していない状態である。その後、フープ搬送機構62は、戻りオープナ5Cにおいて、処理済の基板Wが収納されたフープF1を空フープF3に置き換える。具体的には、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより戻りオープナ5CのフープF1を把持し、戻りオープナ5CからフープF1を移動させる。その後、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aにより戻りオープナ5Cに空フープF3を置く。空フープF3を置いた後、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより処理済のフープF1を出力ポートOP1に置く。
【0137】
また、2つの送りオープナ5A,5Bが2つのフープF7,F6で埋まっているので、フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から未処理基板フープ棚IB1にフープF9を搬送する(優先6)。
【0138】
図16において、出力ポートOP1に載置されたフープF1は、外部搬送機構OHTにより、出力ポートOP1から搬送される。
【0139】
また、図16に示す状態の後の図17(a)において、処理済の基板Wが収納されたフープF4が2つの出力ポートOP1,OP2のいずれにも搬送できない場合は、フープ搬送機構62は、2つの処理済基板フープ棚OB1,OB2の一方(例えば符号OB1)に戻りオープナ5DからフープF4を搬送する。なお、この際、フープ搬送の効率化のために、フープ搬送機構62は、戻りオープナ5Dにおいて、2つの把持部65A,65Bを用いて、フープF4を空フープF6に置き換えている。
【0140】
更に、図17(a)に示す状態の後の図17(b)において、処理済の基板Wが収納されたフープF6が2つの出力ポートOP1,OP2および2つの処理済基板フープ棚OB1,OB2のいずれにも搬送できない場合は、これ以上搬送できない。そのため、2つの処理済基板フープ棚OB1,OB2の一方が空いた場合、あるいは、2つの出力ポートOP1,OP2の一方が空き、フープF4,F5よりも順番が優先される場合になるまで、戻りオープナ5Dにおいて、フープF6は待機される。
【0141】
更に、図17(b)に示す状態から時間が経過し、入力ポートIP2がフープF16を受け取ったとき、送りオープナ5A,5Bではなく、戻りオープナ5DにフープF16を搬送すると、フープ搬送が効率化される。すなわち、図17(c)に示すように、2つの送りオープナ5A,5Bの両方にフープFが載置されていない場合、2つの戻りオープナ5C,5DのいずれかにフープFが載置されていない場合、および4つの空フープ棚EB1~EB4の全てにフープFが載置されていない場合を全て満たすときに、フープ搬送機構62は、フープFが載置されていない2つの戻りオープナ5C,5Dの一方(図17(c)では戻りオープナ5D)にフープF16を搬送する。この場合、例えば、戻りオープナ5Cに載置されたフープF15に処理済の基板Wが全て収納された後、戻りオープナ5Dから基板Wの取り出しを開始する。
【0142】
本実施例によれば、第1基板搬送機構6Aは、2つの送りオープナ5A,5Bの各々に載置されたフープFから基板バッファ部7に基板Wを搬送するように設定されている。第2基板搬送機構6Bは、基板バッファ部7から2つの戻りオープナ5C,5Dの各々に載置されたフープFに基板Wを搬送するように設定されている。2つの送りオープナ5A,5Bの全てにフープFが載置されていない場合、2つの戻りオープナ5C,5Dの少なくともいずれかにフープFが載置されていない場合、および4つの空フープ棚EB1~EB4にフープFが載置されていない場合の全てを満たすときに、フープ搬送機構62は、2つの戻りオープナ5C,5Dのいずれかに、特定フープFを搬送する。ここで、特定フープFは、例えば、図13(a)におけるフープF1、図13(b)におけるフープF2、および図17(c)におけるフープF16が挙げられる。第2基板搬送機構6Bは、基板バッファ部7からフープFに基板Wを搬送するように設定されている。しかしながら、第2基板搬送機構6Bは、特定フープFから基板バッファ部7に基板Wを搬送し、その後、基板バッファ部7から特定フープFに、処理ブロック3で処理された処理済の基板Wを搬送する。フープ搬送機構62は、第2基板搬送機構6Bにより特定フープFから全ての基板Wを取り出してから特定フープFに全ての処理済の基板Wを収納するまでの間、特定フープFの載置位置(例えばフープF1の場合は、送りオープナ5C)に特定フープFを留めさせるようになっている。
【0143】
通常、第2基板搬送機構6Bは、基板バッファ部7からオープナ5C(5D)に載置されたフープFに基板Wを搬送するように設定されている。しかしながら、所定の条件を満たす場合に、第2基板搬送機構6Bは、フープFから基板バッファ部7に基板Wを搬送する。すなわち、第2基板搬送機構6Bは、通常の基板搬送動作と異なる動作を行う。これにより、第2基板搬送機構6Bは、特定フープFから全ての基板Wを取り出してから特定フープFに全ての処理済の基板Wを収納するまでの間、特定フープFの載置位置(オープナ5C(5D))に特定フープFを留めさせることができる。これにより、フープ搬送機構62は、特定フープF以外のフープFを搬送できるので、フープナFの搬送効率を向上させることできる。その結果、フープFの搬送待ちが低減されるので、基板処理のスループットを向上させることができる。
【0144】
また、2つの送りオープナ5A,5Bの全てにフープFが載置されていない場合、2つの戻りオープナ5C,5DのいずれかにフープFが載置されていない場合、および空フープ棚EB1(EB2~EB4)にフープFが載置されていない場合に、フープ搬送機構62は、2つの戻りオープナ5C,5Dのいずれかに、特定フープFを搬送する。ここで、特定フープFは、例えば、図13(b)におけるフープF2、および図17(c)におけるフープF16が挙げられる。例えば、所定の戻りオープナ(例えばオープナ5C)にフープFが載置されていないが、他の戻りオープナ(例えばオープナ5D)にフープFが載置されている場合がある。このような場合であっても、フープ搬送機構62は、特定フープF2(F16)から全ての基板Wを取り出してから特定フープF2(F16)に全ての処理済の基板Wを収納するまでの間、特定フープF2(F16)の載置位置(例えばオープナ5C)に特定フープFを留めさせることができる。
【0145】
また、基板処理装置1において、第1基板搬送機構6Aおよび第2基板搬送機構6Bは各々、横方向に配置された例えば2つのオープナ5A,5Cではなく、上下方向に配置された例えば2つのオープナ5A,5Bに各々載置されたフープFに関する基板Wの搬送を行う。そのため、オープナを増やした場合であっても、進退可能なハンド21を横方向にスライド移動させず、昇降および回転によって基板Wが搬送されるので、基板Wの搬送をシンプルに行うことができる。したがって、基板搬送の待機時間を減少することができると共に、基板搬送効率の低下を防止することができる。その結果、基板処理のスループットを向上させることができる。
【0146】
また、第1基板搬送機構6Aは、第1オープナ列9の例えばオープナ5Aに載置されたフープFから全ての基板を取り出した後、第1オープナ列9のオープナ5Bに載置された他のフープFから基板Wを取り出す。第2基板搬送機構6Bは、第2オープナ列10のオープナ5Cに載置されたフープFに全ての基板を収納した後、第2オープナ列10のオープナ5Dに載置された他のフープFに基板Wを収納する。
【0147】
これにより、第1基板搬送機構6Aは、フープFから全ての基板Wを取り出した後、他のフープFから基板Wを取り出すことができる。また、第2基板搬送機構6Bは、フープFに全ての基板Wを収納した後、他のフープFに基板Wを収納することができる。
【実施例2】
【0148】
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1と重複する説明は省略する。図18は、実施例2に係る基板処理装置1におけるフープの置き換え動作を説明するための図である。
【0149】
実施例1では、例えば、図10(a)~図10(d)および図15(a)に示すように、送りオープナ5Bに載置されたフープF4を、未処理基板フープ棚IB2に載置されたフープF6に置き換える(入れ換える)置き換え動作について説明した。また、例えば、図15(d)に示すように、戻りオープナ5Cに載置されたフープF1を、空フープ棚EB1に載置された空フープF3に置き換える置き換え動作について説明した。
【0150】
しかしながら、フープFの搬送効率が悪いと、第1基板搬送機構6A(第2基板搬送機構6B)がフープ待ちの状態になる可能性がある。そのため、実施例2においても、フープFの搬送効率を向上させている。
【0151】
図18では、送りオープナ5Aに載置されたフープF24を、未処理基板フープ棚IB1に載置された他のフープF25に置き換えている。ここで、フープF24から全ての基板Wを取り出し終えた時点またはその付近よりも前から(全ての基板Wを取り出し終えた時点またはその付近からさかのぼって)、フープ搬送機構62が未処理基板フープ棚IB1に載置されたフープF25の搬送を開始すれば、オープナ5Aに載置されたフープF24を円滑に搬送することができる。
【0152】
具体的に説明する。第1基板搬送機構6Aは、2つの送りオープナ5A,5Bのいずれかに載置されたフープF24から全ての基板Wを取り出す。その結果、第1基板搬送機構6Aは、空フープF24を生成する。
【0153】
そして、フープ搬送機構62は、2つの把持部65A,65Bを用いることにより、2つのオープナ5A,5Bのいずれかに載置された第1の空フープF24を、未処理基板フープ棚IB1に載置されたフープF25に置き換える置き換え動作を行う。この際、フープ搬送機構62は、第1の空フープF24が生成される時点t3であると予測される時点よりも予め設定された時間TL1前に、置き換え動作のために未処理基板フープ棚IB1に載置されたフープF25の搬送動作を開始する。置き換え動作の際、例えば、上側の把持部65AでフープF25を把持し、下側の把持部65BでフープF24を把持する。
【0154】
時点t3であると予測される時点は、スケジュール管理ソフトまたは、基板バッファ部7の載置板29Bに基板Wが載置されていることを検知する光学センサの情報に基づいて、制御部71の計算により予測される。
【0155】
なお、第1の空フープF24が生成される時点t3は、例えば、フープFから全ての基板Wを取り出し終えた時点またはその付近の時点である。時点t3は、例えば、第1基板搬送機構6Aのハンド21がフープFから最後の基板Wを取り出した時点、シャッタ16により空フープFが蓋で閉じられた時点、あるいは、載置台12のスライド機構(電動モータで駆動する)によって、フープFが壁部8からスライドして離れた時点が挙げられる。
【0156】
また、予め設定された時間TL1(時点t1~時点t2)は、例えば実験結果に基づいて設定される。予め設定された時間TL1は、未処理基板フープ棚IB1に載置されたフープFの搬送動作の開始t1(開始時点)からフープ搬送機構62が第1の空フープF24を搬送することができる状態となる時点t2までの時間である。
【0157】
なお、未処理基板フープ棚IB1に載置されたフープFの搬送動作の開始t1(開始時点)とは、例えば、フープ搬送機構62が静止している状態から、フープ搬送機構62の2つの把持部65A,65B、2つの多関節アーム66A,66B、昇降駆動部67および水平駆動部68の少なくとも1つが動き始める時点またはその付近の時点である。
【0158】
また、フープ搬送機構62が第1の空フープF24を搬送することができる状態となる時点t2とは、例えば、フープ搬送機構62の多関節アーム66A(66B)、昇降駆動部67および水平駆動部68の少なくとも1つによって、把持部65A(65B)をフープF24に対向させた状態になる時点またはその付近の時点を示す。この際、フープF24に対向させる把持部65A(65B)は、フープFを把持していない状態である。
【0159】
本実施例によれば、フープFの搬送効率の向上のために、フープ搬送機構62は置き換え動作を行う。この際、フープ搬送機構62は、第1の空フープF24が生成される時点t3であると予測される時点よりも予め設定された時間TL1前に、置き換え動作のため、未処理基板フープ棚IB1に載置されたフープF25の搬送を開始する。これにより、第1の空フープF24を生成する時点t3において、フープ搬送機構62が第1の空フープF24を搬送できる状態(時点t2とその付近)とすることができる。そのため、空フープF24が生成される時(時点t3)に合わせて、その空フープF24を搬送できるので、フープFの搬送効率を更に向上させることができる。
【0160】
なお、この説明において、送りオープナ5A(5B)に載置されたフープF24を未処理基板フープ棚IB1(IB2)に載置されたフープF25に置き換えた。この点、図18の破線のように、送りオープナ5A(5B)に載置されたフープF24は、入力ポートIP1(1P2)に載置されたフープFに置き換えられてもよい。未処理基板フープ棚IB1(IB2)および入力ポートIP1(1P2)は、本発明の上流側保管棚に相当する。
【実施例3】
【0161】
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。なお、実施例1,2と重複する説明は省略する。図19は、実施例3に係る基板処理装置1におけるフープFの置き換え動作を説明するための図である。
【0162】
実施例2では、送りオープナ5A(5B)に載置された空フープF24の置き換え動作について説明した。本実施例では、戻りオープナ5C(5D)に載置された処理済基板フープF22の置き換え動作について説明する。
【0163】
図19では、戻りオープナ5Cに載置されたフープF22を、空フープ棚EB1に載置された他の空フープF23に置き換えている。ここで、処理ブロック3で処理された基板Wを全てフープF22に収納し終えた時点またはその付近よりも前から、フープ搬送機構62が空フープ棚EB1に載置された空フープF23の搬送を開始すれば、戻りオープナ5Cに載置されたフープF22を円滑に搬送することができる。
【0164】
具体的に説明する。第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Cに載置された第2の空フープF22に処理済の基板Wを全て収納する。その結果、第2基板搬送機構6Bは、処理済基板フープF22を生成している。
【0165】
そして、フープ搬送機構62は、2つの把持部65A,65Bを用いることにより、戻りオープナ5Cに載置された処理済基板フープF22を、空フープ棚EB1に載置された第3の空フープF23に置き換える置き換え動作を行う。この際、フープ搬送機構62は、処理済基板フープF22が生成される時点t8であると予測される時点よりも予め設定された時間TL2前に、置き換え動作のために空フープ棚EB1に載置された第3の空フープF23の搬送を開始する。置き換え動作の際、例えば、上側の把持部65AでフープF25を把持し、下側の把持部65BでフープF22を把持する。
【0166】
なお、処理済基板フープF22が生成される時点t8は、例えば、第2の空フープF22に処理済の基板Wを全て収納し終えた時点またはその付近の時点である。時点t8は、例えば、第2基板搬送機構6Bのハンド21がフープF22に最後の基板Wを収納した時点、シャッタ16により処理済基板フープF22が蓋で閉じられた時点、あるいは、載置台12のスライド機構によって、処理済基板フープF22が壁部8からスライドして離れた時点が挙げられる。
【0167】
また、予め設定された時間TL2(時点t6~時点t7)は、例えば実験結果に基づいて設定される。予め設定された時間TL2は、空フープ棚EB1に載置された第3の空フープ23を搬送する動作の開始t6(開始時点)からフープ搬送機構62が処理済基板フープ22を搬送することができる状態となる時点t7までの時間である。
【0168】
なお、空フープ棚EB1に載置された第3の空フープ23を搬送する動作の開始t6とは、例えば、フープ搬送機構62が静止している状態から、フープ搬送機構62の2つの把持部65A,65B、2つの多関節アーム66A,66B、昇降駆動部67および水平駆動部68の少なくとも1つが動き始める時点またはその付近の時点である。
【0169】
また、フープ搬送機構62が第3の空フープFを搬送することができる状態となる時点t7とは、例えば、フープ搬送機構62の多関節アーム66A(66B)、昇降駆動部67および水平駆動部68の少なくとも1つによって、把持部65A(65B)を処理済基板フープF22に対向させた状態になった時点またはその付近の時点である。この際、未処理フープF22に対向させる把持部65A(65B)は、フープFを把持していない状態である。
【0170】
本実施例によれば、フープFの搬送効率の向上のために、フープ搬送機構62は置き換え動作を行う。この際、フープ搬送機構62は、処理済基板フープFが生成される時点t8であると予測される時点よりも予め設定された時間TL2前に、置き換え動作のため、空フープ棚EB1(EB2~EB4)に載置された第3の空フープF23の搬送を開始する。処理済基板フープF22を生成する時点t8において、フープ搬送機構62が処理済基板フープF22を搬送できる状態(時点t7とその付近)とすることができる。そのため、処理済基板フープF22が生成される時に合わせて、その処理済基板フープF22を搬送できるので、フープFの搬送効率を更に向上させることができる。
【実施例4】
【0171】
次に、図面を参照して本発明の実施例4を説明する。なお、実施例1~3と重複する説明は省略する。図20(a)は、実施例4に係る基板処理装置におけるフープFの置き換え動作を説明するための図である。図20(b)は、2つの把持部65A,65Bにより置き換え動作を行わないときのフープ搬送動作を説明するための図である。
【0172】
実施例2では、送りオープナ5A(5B)に載置された空フープF24の置き換え動作について説明した。また、実施例3では、送りオープナ5C(5D)に載置された処理済基板フープF22の置き換え動作について説明した。これらに対し、本実施例では、複数の置き換え動作が連続して行われる場合について説明する。
【0173】
図20(a)において、入力ポートIP1(IP2)から処理済基板フープ棚OB1(OB2)までの6つのフープF21~26を、連続する5回の置き換え動作(DISP1~DISP5)によって、未処理基板フープ棚IB1(IB2)から出力ポートOP1(OP2)に移動させる。各フープF21~26は、フープ搬送機構62によって図20(a)の左端から順番に把持されて、符号DISP1、符号DISP2、符号DISP3、符号DISP4、符号DISP5の順番に置き換え動作が行われる。
【0174】
なお、置き換え動作の際、例えば、上側の把持部65AでフープF26を把持し、下側の把持部65BでフープF25を把持する。上側の把持部65AでフープF24を把持し、下側の把持部65BでフープF23を把持する。上側の把持部65AでフープF22を把持し、下側の把持部65BでフープF21を把持する。
【0175】
本実施例の置き換え動作を具体的に説明する。第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Aに載置されたフープF24から全ての基板Wを取り出す。その結果、第1基板搬送機構6Aは、第1の空フープF24を生成する。第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Cに載置された第2の空フープF22に処理済の基板Wを全て収納する。その結果、第2基板搬送機構6Bは、処理済基板フープF22を生成する。第1基板搬送機構6Aによる基板Wの取り出しは、第2基板搬送機構6Bによる基板Wの収納と並行して行われる。
【0176】
そして、例えば、フープ搬送機構62は、2つの把持部65A,65Bを用いることにより、送りオープナ5A(5B)に載置された第1の空フープF24を、未処理基板フープ棚IB1(IB2)に載置されたフープF25に置き換える置き換え動作を行う。その後、フープ搬送機構62は、2つの把持部65A,65Bを用いることにより、空フープ棚EB1(EB2~EB4)に載置された第3の空フープF23を、例えば上側の把持部65Aにより把持された第1の空フープF24に置き換える置き換え動作を行う。その後、フープ搬送機構62は、2つの把持部65A,65Bを用いることにより、戻りオープナ5C(5D)に載置された処理済基板フープF22を、下側の把持部65Bにより把持された第3の空フープF23に置き換える置き換え動作を行う。
【0177】
これらの始めの置き換え動作の開始は、いずれか遅い方に基づいて行われる。すなわち、第1の空フープF24が生成される時点t3であると予測される時点が、処理済基板フープFが生成される時点t8であると予測される時点よりも遅い場合は、フープ搬送機構62は、第1の空フープFが生成される時点t3であると予測される時点よりも予め設定された時間TL3前に、置き換え動作のために未処理基板フープ棚IB1に載置されたフープF26の搬送を開始する。
【0178】
また、処理済基板フープF22が生成される時点t8であると予測される時点が、第1の空フープF24が生成される時点t3であると予測される時点よりも遅い場合は、フープ搬送機構62は、処理済基板フープF22が生成される時点t8であると予測される時点よりも予め設定された時間TL4前に、置き換え動作のために空フープ棚EB1に載置された第3の空フープF23の搬送を開始する。
【0179】
なお、第1の空フープF24が生成される時点t3は、例えば、フープF24から全ての基板Wを取り出し終えた時点またはその付近の時点である(実施例2参照)。処理済基板フープF22が生成される時点t8は、例えば、第2の空フープF22に処理済の基板Wを全て収納し終えた時点またはその付近の時点である(実施例3参照)。
【0180】
また、予め設定された時間TL3(時点t11~時点t12)および時間TL4(時点t11~時点t13)は、例えば実験結果に基づいて設定される。時間TL3は、入力ポートIP1に載置されたフープF26を搬送する動作の開始t11(開始時点)からフープ搬送機構62が第1の空フープF24を搬送することができる状態となる時点t12までの時間である。時間TL4(時点t11~時点t13)は、入力ポートIP1に載置されたフープF26を搬送する動作の開始t11(開始時点)からフープ搬送機構62が処理済基板フープF22を搬送することができる状態となる時点t13までの時間である。
【0181】
なお、入力ポートIP1に載置されたフープF26を搬送する動作の開始t11とは、実施例2,3と場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0182】
また、フープ搬送機構62が第1の空フープF24を搬送することができる状態となる時点t12とは、実施例2と場合と同様であるので、その説明を省略する。また、フープ搬送機構62が処理済基板フープF22を搬送することができる状態となる時点t13とは、実施例3と場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0183】
本実施例によれば、フープFの搬送効率の向上のために、フープ搬送機構62は第1~第5の置き換え動作を行う。この際、フープ搬送機構62は、第1の空フープF24が生成される時点t3であると予測される時点および、処理済フープF22が生成される時点t8であると予測される時点のいずれか遅い方よりも予め設定された時間(時間TL3または時間TL4)前に、置き換え動作のため、入力ポートIP1(IP2)に載置されたフープF26の搬送を開始する。例えば、第1の空フープF24が生成される時点t3であると予測される時点を基準にフープFの搬送を開始しても、フープ搬送機構62がフープF22を搬送できる状態になったときに、第2基板搬送機構6Bが第2の空フープF22に基板Wを収納している最中である場合がある。この場合、フープ搬送機構62に待ち時間が生じる。本発明によれば、第1の空フープF24が生成される時点t3あるいは、処理済基板フープF22が生成される時点t8に合わせて、第1の空フープF24または処理済基板フープF22を搬送できる状態にすることができる。そのため、連続してフープFを置き換えする場合におけるフープ搬送の待ち時間を減少しつつ、フープFの搬送効率を更に向上させることができる。
【0184】
図20(b)は、置き換え動作を行わない場合のフープ搬送動作を示す図である。図20(b)において、フープF21は、処理済基板フープOB1(OB2)から出力ポートOP1(OP2)に搬送される(符号TR1参照)。その後、把持部を戻しオープナ5C(5D)に移動させる(符号MV1参照)。その後、フープF22は、戻しオープナ5C(5D)から処理済基板フープOB1(OB2)に搬送される(符号TR2)。その後、把持部は、空フープ棚EB1(EB2~EB4)に移動される(符号MV2参照)。このように、2つの把持部65A,65Bにより置き換え動作を行わない場合は、フープFを1つずつ搬送しなければならない。
【0185】
図20(a)に示すように、置き換え動作が多いほどフープの搬送効率を向上させることができる。更に、フープ搬送機構62は、第1の空フープF24が生成される時点t3であると予測される時点および、処理済フープF22が生成される時点t8であると予測される時点のいずれか遅い方を基準からさかのぼって、フープ26の搬送を開始する。第1の空フープF24が生成される時点t3あるいは、処理済基板フープF22が生成される時点t8に合わせて、第1の空フープF24または処理済基板フープF22を搬送できる状態にすることができる。そのため、フープFの搬送効率を更に向上させることができる。
【0186】
なお、本実施例では、置き換え動作は5回であった。この点、図20(a)に示すように、置き換え動作は、4回(符号DISP2~符号DISP5)であってもよい。また、置き換え動作は、3回(符号DISP2~符号DISP4)であってもよい。また、送りオープナ5A(5B)の第1の空フープF24は、入力ポートIP1(IP2)のフープ26に置き換えられてもよい。
【0187】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、第1オープナ列9は2つのオープナ5A,5Bを備え、第2オープナ列10は2つのオープナ5C,5Dを備えていた。この点、第1オープナ列9および第2オープナ列10は各々、3つ以上のオープナを備えていてもよい。この際、シャッタ16が上下方向に移動させずに、シャッタ16を左右方向(Y方向)に移動させてもよい。これにより、3つ以上のオープナを上下方向に配置してもインデクサブロックの高さを抑えることができる。
【0188】
例えば、第1オープナ列9は、3つのオープナ5A,5B,5Eを備えているとする。この場合、第1基板搬送機構6Aは、「オープナ5A」、「オープナ5B」、「オープナ5E」の順番で循環するようにフープ単位で基板Wを取り出すようにしてもよい。
【0189】
(2)上述した各実施例および変形例(1)では、2つのオープナ5A,5Bが送りオープナとして用いられ、2つのオープナ5C,5Dが戻りオープナとして用いられたが、役割が逆であってもよい。すなわち、2つのオープナ5C,5Dが送りオープナとして用いられ、2つのオープナ5A,5Bが戻りオープナとして用いられてもよい。この場合、図13(a)、図13(b)において、フープF1,F2は、それぞれ戻りオープナ5A,5Bに搬送されて、順番に基板Wが取り出される。
【0190】
(3)上述した実施例および各変形例では、図11において、ステップS03の判定をした後に、ステップS04の判定を行った。この点、ステップS04の判定の後に、ステップS03の判定を行ってもよい。この際、ステップS04の判定で、全て満たされる場合(YES)にステップS06に進み、全てを満たさない場合(NO)にステップS03に進む。そして、ステップS03の判定で、搬送できると判定された場合(YES)にステップS07に進み、搬送できないと判定された場合(NO)にステップS05に進む。なお、この変形例の場合、ステップS08から戻される矢印は、ステップS04,S03の順番の判定を行わせるために、ステップS04の手前の状態に戻されてもよい。
【0191】
(4)上述した実施例および各変形例では、インデクサブロック2は、2つの基板搬送機構6A,6Bを備えていた。この点、2つの基板搬送機構6A,6Bに代えて、インデクサブロック2は、Y方向に移動できる第7基板搬送機構91を備えていてもよい(図21参照)。この場合、第7基板搬送機構91は、2つのハンド21A,21Bおよび進退駆動部23等をY方向に移動させる水平移動機構93を備えている。水平移動機構93は、電動モータを備えている。図21に示すように、4つのオープナ95A~95Dは、水平方向(Y方向)に並んで配置されていてもよい。
【0192】
(5)上述した実施例および各変形例では、処理ブロック3は、水平方向(Y方向)に互いに配置された塗布ブロック31と現像ブロック32を備えていた。この点、処理ブロック3は、図22に示すように、単一のブロックであり、上下方向に配置された4つの塗布処理層97A~97Dを備えていてもよい。この場合、例えば、4つの塗布処理層97A~97Dは各々、第3基板搬送機構、5行×3段の熱処理部、および4行×1段の塗布ユニットSCを備えていてもよい。
【符号の説明】
【0193】
1 … 基板処理装置
2 … インデクサブロック
3 … 処理ブロック
4 … フープバッファ装置
5A~5D … オープナ
6A,6B … 第1基板搬送機構、第2基板搬送機構
7 … 基板バッファ部
SBF1,SBF2 … 送りバッファ部
RBF1,RBF2 … 戻りバッファ部
21(21A,21B) … ハンド
23 … 進退駆動部
25 … 昇降回転駆動部
31A~31D … 塗布処理層
33 … 第3基板搬送機構
34 … 搬送スペース
SC … 塗布処理部
41 … ハンド
61 … 棚
62 … フープ搬送機構
71 … 制御部
F … フープ
EB1~EB4 … 空フープ棚
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