(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】筐体支持構造
(51)【国際特許分類】
F16B 1/00 20060101AFI20221130BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20221130BHJP
H02G 7/00 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
F16B1/00 A
H05K5/02 E
H02G7/00
(21)【出願番号】P 2018202695
(22)【出願日】2018-10-29
【審査請求日】2021-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000156938
【氏名又は名称】関西電力株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000227722
【氏名又は名称】株式会社日本ネットワークサポート
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 弘一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼倉 英亮
(72)【発明者】
【氏名】中西 基博
(72)【発明者】
【氏名】横山 徹
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-126663(JP,A)
【文献】実開平4-54425(JP,U)
【文献】米国特許第3904258(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0079964(US,A1)
【文献】米国特許第6185303(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0056744(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0000135(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 1/00- 1/04
H05K 5/02
H02G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上壁と、底壁と、前記上壁及び前記底壁に連なる側壁とを有する筐体と、
前記上壁に取り付けられる第1支持部材と、
地面から上方に向かって延在する支柱に取り付けられる第1取り付け部材と、
前記第1支持部材と前記第1取り付け部材とを接続する第1接続部と、
前記第1取り付け部材の上方において前記支柱に取り付けられる第2取り付け部材と、
前記第2取り付け部材に取り付けられる第1端と、前記第1支持部材に取り付けられる第2端とを有し、前記第1端と前記第2端との距離が調整可能に構成された第1伸縮部材と、
前記第2取り付け部材に取り付けられる第3端と、前記第1支持部材に取り付けられる第4端とを有し、前記第3端と前記第4端との距離が調整可能に構成された第2伸縮部材とを備え、
前記側壁には、前記筐体の内部に連通する開口部が形成されているとともに、前記開口部を覆う扉が取り付けられており、
前記第1接続部は、前記第1支持部材と前記第1取り付け部材との距離を調整可能に構成されており、
前記第4端は、上面視において、前記第1支持部材の中央と前記支柱の中央とを結んだ直線に関して前記第2端とは反対側に位置している、筐体支持構造。
【請求項2】
前記第1伸縮部材及び前記第2伸縮部材は、ターンバックルである、請求項1に記載の筐体支持構造。
【請求項3】
前記第1接続部は、第1ボルトと、前記第1ボルトに螺合される第1ナット、第2ナット及び第3ナットとにより構成されており、
前記第1ボルトの頭部及び前記第1ナットは、前記第1取り付け部材及び前記第1支持部材の一方を挟み込んでおり、
前記第2ナット及び前記第3ナットは、前記第1取り付け部材及び前記第1支持部材の他方を挟み込んでいる、請求項1又は請求項2に記載の筐体支持構造。
【請求項4】
第2支持部材と、
前記第1取り付け部材の下方において前記支柱に取り付けられる第3取り付け部材と、
前記第2支持部材と前記第3取り付け部材とを接続する第2接続部とをさらに備え、
前記第2支持部材は、前記底壁に取り付けられており、
前記第2接続部は、前記第2支持部材と前記第3取り付け部材との距離を調整可能に構成されている、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の筐体支持構造。
【請求項5】
前記第2接続部は、第2ボルトと、前記第2ボルトに螺合される第4ナット、第5ナット及び第6ナットとにより構成されており、
前記第2ボルトの頭部及び前記第4ナットは、前記第3取り付け部材及び前記第2支持部材の一方を挟み込んでおり、
前記第5ナット及び前記第6ナットは、前記第3取り付け部材及び前記第2支持部材の他方を挟み込んでいる、請求項4に記載の筐体支持構造。
【請求項6】
前記第2支持部材は、前記底壁に取り付けられる第1部分と、前記第1部分の前記支柱側の端から下方に向かって延在する第2部分とを有しており、
前記第2部分は、前記第2ボルトが挿通される貫通穴が形成されており、
前記貫通穴は、上下方向に沿って形成されている、請求項5に記載の筐体支持構造。
【請求項7】
前記第1支持部材は、底板と、前記底板の縁から上方に向かって延在する側板とを有しており、
前記側板には、前記側板を厚さ方向に貫通する排水口が形成されている、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の筐体支持構造。
【請求項8】
第3ボルトと、
第7ナットとをさらに備え、
前記第7ナットは、前記上壁の前記底壁側の面に固定されており、
前記第7ナットは、前記第3ボルトに螺合されることにより、前記第3ボルトの頭部との間で前記上壁及び前記第1支持部材を締結する、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の筐体支持構造。
【請求項9】
第3ボルトと、
第7ナットとをさらに備え、
前記第7ナットは、前記第1支持部材の前記上壁とは反対側の面に固定されており、
前記第7ナットは、前記第3ボルトに螺合されることにより、前記第3ボルトの頭部との間で前記上壁及び前記第1支持部材を締結する、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の筐体支持構造。
【請求項10】
上壁と、底壁と、前記上壁及び前記底壁に連なる側壁とを有する筐体と、
前記上壁に取り付けられる第1支持部材と、
地面から上方に向かって延在する支柱に取り付けられる第1取り付け部材と、
前記第1支持部材と前記第1取り付け部材とを接続する第1接続部と、
前記第1取り付け部材の上方において前記支柱に取り付けられる第2取り付け部材と、
前記第2取り付け部材に取り付けられる第1端と、前記第1支持部材に取り付けられる第2端とを有する第1部材と、
前記第2取り付け部材に取り付けられる第3端と、前記第1支持部材に取り付けられる第4端とを有する第2部材とを備え、
前記側壁には、前記筐体の内部に連通する開口部が形成されているとともに、前記開口部を覆う扉が取り付けられており、
前記第1接続部は、前記第1支持部材と前記第1取り付け部材との距離を調整可能に構成されており、
前記第4端は、上面視において、前記第1支持部材の中央と前記支柱の中央とを結んだ直線に関して前記第2端とは反対側に位置しており、
前記第1端と前記第2端との間の距離及び前記第3端と前記第4端との間の距離の少なくとも一方は、調整可能に構成されている、筐体支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第6229033号公報(特許文献1)には、支持構造が記載されている。特許文献1に記載の支持構造は、腕金を有している。腕金は、バンド部材を用いて、電柱に取り付けられている。特許文献1に記載の支持構造においては、変圧器を腕金にぶら下げることにより、変圧器が支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
変圧器のように筐体に扉が設けられていない装置に関しては、支持された状態における筐体の水平レベルが厳しく要求されることはない。他方で、筐体に扉が設けられている装置に関しては、支持された状態における筐体の水平レベルが厳しく要求される。これは、筐体に扉が設けられている装置に関しては、筐体が水平に保たれていないと、扉の開閉に支障をきたすからである。しかしながら、特許文献1に記載の支持構造においては、筐体の水平レベルを確保することは困難である。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、水平レベルを確保した状態で筐体を支持することが可能な筐体支持構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る筐体支持構造は、筐体と、第1支持部材と、第1取り付け部材と、第1接続部と、第2取り付け部材と、第1伸縮部材及び第2伸縮部材とを備えている。筐体は、上壁と、底壁と、上壁及び底壁に連なる側壁とを有している。第1支持部材は、上壁に取り付けられる。第1取り付け部材は、地面から上方に向かって延在する支柱に取り付けられる。第1接続部は、第1支持部材と第1取り付け部材とを接続する。第2取り付け部材は、第1取り付け部材の上方において支柱に取り付けられる。
【0007】
第1伸縮部材は、第2取り付け部材に取り付けられる第1端と、第1支持部材に取り付けられる第2端とを有し、第1端と第2端との距離が調整可能に構成されている。第2伸縮部材は、第2取り付け部材に取り付けられる第3端と、第1支持部材に取り付けられる第4端とを有し、第3端と第4端との距離が調整可能に構成されている。側壁には、筐体の内部に連通する開口部が形成されているとともに、開口部を覆う扉が取り付けられている。第1接続部は、第1支持部材と第1取り付け部材との距離を調整可能に構成されている。第4端は、上面視において、第1支持部材の中央と支柱の中央とを結んだ直線に関して第2端とは反対側に位置している。
【0008】
上記の筐体支持構造において、第1伸縮部材及び第2伸縮部材は、ターンバックルであってもよい。
【0009】
上記の筐体支持構造において、第1接続部は、第1ボルトと、第1ボルトに螺合される第1ナット、第2ナット及び第3ナットとにより構成されていてもよい。第1ボルトの頭部及び第1ナットは、第1取り付け部材及び第1支持部材の一方を、挟み込んでいてもよい。第2ナット及び第3ナットは、第1取り付け部材及び第1支持部材の他方を、挟み込んでいてもよい。
【0010】
上記の筐体支持構造は、第2支持部材と、第1取り付け部材の下方において支柱に取り付けられる第3取り付け部材と、第2支持部材と第3取り付け部材とを接続する第2接続部とをさらに備えていてもよい。第2支持部材は、底壁に取り付けられていてもよい。第2接続部は、第2支持部材と第3取り付け部材との距離を調整可能に構成されていてもよい。
【0011】
上記の筐体支持構造において、第2接続部は、第2ボルトと、第2ボルトに螺合される第4ナット、第5ナット及び第6ナットとにより構成されていてもよい。第2ボルトの頭部及び第4ナットは、第3取り付け部材及び第2支持部材の一方を、挟み込んでいてもよい。第5ナット及び第6ナットは、第3取り付け部材及び第2支持部材の他方を、挟み込んでいてもよい。
【0012】
上記の筐体支持構造において、第2支持部材は、底壁に取り付けられる第1部分と、第1部分の支柱側の端から下方に向かって延在する第2部分とを有していてもよい。第2部分は、第2ボルトが挿通される貫通穴が形成されていてもよい。貫通穴は、上下方向に沿って形成されていてもよい。
【0013】
上記の筐体支持構造において、第1支持部材は、底板と、底板の縁から上方に向かって延在する側板とを有していてもよい。側板には、側板を厚さ方向に貫通する排水口が形成されていてもよい。
【0014】
上記の筐体支持構造は、第3ボルトと、第7ナットとをさらに備えていてもよい。第7ナットは、上壁の底壁側の面に取り付けられていてもよい。第7ナットは、第3ボルトに螺合されることにより、第3ボルトの頭部との間で上壁及び第1支持部材を締結していてもよい。
【0015】
上記の筐体支持構造は、第3ボルトと、第7ナットとをさらに備えていてもよい。第7ナットは、第1支持部材の上壁とは反対側の面に取り付けられていてもよい。第7ナットは、第3ボルトに螺合されることにより、第3ボルトの頭部との間で上壁及び第1支持部材を締結していてもよい。
【0016】
他の実施形態に係る筐体支持構造は、上壁と、底壁と、上壁及び底壁に連なる側壁とを有する筐体と、上壁に取り付けられる第1支持部材と、地面から上方に向かって延在する支柱に取り付けられる第1取り付け部材と、第1支持部材と第1取り付け部材とを接続する第1接続部と、第1取り付け部材の上方において支柱に取り付けられる第2取り付け部材と、第2取り付け部材に取り付けられる第1端と、第1支持部材に取り付けられる第2端とを有する第1部材と、第2取り付け部材に取り付けられる第3端と、第1支持部材に取り付けられる第4端とを有する第2部材とを備える。
【0017】
側壁には、筐体の内部に連通する開口部が形成されているとともに、開口部を覆う扉が取り付けられている。第1接続部は、第1支持部材と第1取り付け部材との距離を調整可能に構成されている。第4端は、上面視において、第1支持部材の中央と支柱の中央とを結んだ直線に関して第2端とは反対側に位置している。第1端と第2端との間の距離及び第3端と第4端との間の距離の少なくとも一方は、調整可能に構成されている。
【発明の効果】
【0018】
一実施形態に係る筐体支持構造によると、水平レベルを確保した状態で筐体を支持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る筐体支持構造の正面図である。
【
図2】実施形態に係る筐体支持構造の側面図である。
【
図3】実施形態に係る筐体支持構造での筐体10の上面図である。
【
図6】実施形態に係る筐体支持構造での支持部材20の斜視図である。
【
図7】実施形態に係る筐体支持構造での取り付け部材30の斜視図である。
【
図8】実施形態に係る筐体支持構造での接続部40の断面図である。
【
図9】実施形態に係る筐体支持構造での取り付け部材50の分解斜視図である。
【
図10】実施形態に係る筐体支持構造での伸縮部材60の分解平面図である。
【
図11】実施形態に係る筐体支持構造での取り付け部材80の斜視図である。
【
図12】実施形態に係る筐体支持構造での支持部材90の分解斜視図である。
【
図13】実施形態に係る筐体支持構造における接続部100の断面図である。
【
図14】実施形態の第1変形例に係る筐体支持構造での支持部材20の分解斜視図である。
【
図15】実施形態の第2変形例に係る筐体支持構造での伸縮部材60の分解正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面においては、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0021】
(実施形態に係る筐体支持構造の構成)
以下に、実施形態に係る筐体支持構造の構成を説明する。
【0022】
図1は、実施形態に係る筐体支持構造の正面図である。
図2は、実施形態に係る筐体支持構造の側面図である。
図1及び2に示されるように、実施形態に係る筐体支持構造は、筐体10と、支持部材20及び支持部材90と、取り付け部材30、取り付け部材50及び取り付け部材80と、接続部40及び接続部100と、伸縮部材60及び伸縮部材70とを有している。
【0023】
筐体10は、例えば宅配ボックスである。
図3は、実施形態に係る筐体支持構造での筐体10の上面図である。
図4は、
図3のIV-IVにおける断面図である。
図3及び4に示されるように、筐体10は、上壁11と、底壁12と、側壁13と、側壁14と、側壁15と、側壁16とを有している。底壁12は、上壁11の下方にある。底壁12は、上壁11と対向している。なお、筐体10は、底壁12が地面から離間するように、支持されている(
図1参照)。
【0024】
側壁13は、支柱Pと対向している。側壁13は、上壁11及び底壁12に連なっている。側壁14は、側壁13と間隔を置いて対向している。側壁14は、上壁11及び底壁12に連なっている。以下において、側壁13から側壁14に向かう方向を、第1方向DR1ということがある。
【0025】
なお、支柱Pは、例えば電柱として用いられているコンクリート柱である。支柱Pは、地面から上方に向かって延在している。支柱Pの断面形状は、例えば円形である。支柱Pは、地面から離れるにつれて断面積が小さくなるようなテーパ形状を有していてもよい。支柱Pは、地面の法線(鉛直方向)に対して傾斜していてもよい。
【0026】
側壁15は、上壁11及び底壁12に連なっている。側壁15は、側壁13及び側壁14に連なっている。側壁16は、上壁11及び底壁12に連なっている。側壁16は、側壁13及び側壁14に連なっている。側壁15及び側壁16は、互いに対向している。以下において、側壁15から側壁16に向かう方向を、第2方向DR2ということがある。第2方向DR2は、例えば、第1方向DR1に直交している。
【0027】
側壁14には、開口部14aが形成されている。開口部14aは、側壁14を厚さ方向に貫通している。このことを別の観点からいえば、開口部14aは、筐体10の内部と連通している。側壁14には、扉14bが取り付けられている。扉14bは、開口部14aを覆うように、側壁14に開閉可能に取り付けられている。なお、開口部14aの数及び扉14bの数は、複数であってもよい。
【0028】
なお、開口部14aは、側壁15又は側壁16に形成されていてもよい。開口部14aが側壁15(側壁16)に形成されている場合、扉14bも側壁15(側壁16)に取り付けられる。
【0029】
筐体10が宅配ボックスである場合、扉14bの施錠は、電子的に制御されていてもよい。この場合、扉14bの施錠及び解錠を行う装置には、支柱Pに取り付けられた配電設備から給電されてもよい。
【0030】
図5は、
図3のV-Vにおける断面図である。
図3及び5に示されるように、上壁11には、貫通穴11aが形成されていてもよい。貫通穴11aは、上壁11を厚さ方向に貫通している。上壁11には、ナット11bが固定されている。ナット11bは、上壁11の底壁12側の面に固定されている。ナット11bは、ナット11bの穴の位置と貫通穴11aの位置とが互いに一致するように配置されている。
【0031】
底壁12には、貫通穴12aが形成されていてもよい。貫通穴12aは、底壁12を厚さ方向に貫通している。底壁12の上壁11側の面にはナット12bが固定されている。ナット12bは、ナット12bの穴の位置と貫通穴12aの位置とが互いに一致するように配置されている。
【0032】
支持部材20は、上壁11に取り付けられている(
図1参照)。
図6は、実施形態に係る筐体支持構造での支持部材20の斜視図である。
図6に示されるように、支持部材20は、底板21と、側板22a、側板22b、側板22c及び側板22dと、リブ23a及びリブ23bと、スペーサ板24とを有している。
【0033】
底板21は、第1面21aと、第2面21bとを有している。第1面21aは、上方を向いている面である。第2面21bは、第1面21aの反対面である(下方を向いている面である)。
【0034】
側板22a~側板22dは、底板21の第1面21a側に設けられている。側板22a~側板22dは、底板21の平面視における縁から上方に向かって(第2面21bから第1面21aに向かう方向に沿って)延在している。側板22a及び側板22bは、第1方向DR1において互いに対向しており、側板22c及び側板22dは、第2方向DR2において互いに対向している。
【0035】
側板22a~側板22dには、それぞれ、排水口22eが形成されている。排水口22eは、側板22a~側板22dを厚さ方向に貫通している。排水口22eは、側板22a~側板22dの底板21側の端部に形成されている。
【0036】
側板22aには、貫通穴22fが形成されている。貫通穴22fは、側板22aを厚さ方向に貫通している。
【0037】
リブ23a及びリブ23bは、底板21の第1面21a側に取り付けられている。リブ23aは、側板22a及び側板22bを接続する第1部分23aaと、第1部分23aaと側板22cとを接続する第2部分23abを有している。リブ23bは、側板22aと側板22bとを接続する第1部分23baと、第1部分23baと側板22dとを接続する第2部分23bbとを有している。リブ23a及び23bにより、支持部材20の強度及び剛性が改善されている。
【0038】
スペーサ板24は、底板21の第2面21b側に取り付けられている。スペーサ板24は、平面視において、底板21の四隅に配置されている。
【0039】
支持部材20には、貫通穴25が形成されている。貫通穴25は、底板21を厚さ方向に貫通している。貫通穴25は、さらに、スペーサ板24を厚さ方向に貫通している。支持部材20は、貫通穴25の位置と貫通穴11aの位置とが互いに重なるように配置されている。支持部材20は、貫通穴25及び貫通穴11aにボルト26(
図5参照)が挿通されるとともに、ナット11bがボルト26に螺合されることにより、筐体10(上壁11)に取り付けられる。この際、ボルト26の頭部は、第1面21a上に位置している。
【0040】
支持部材20には、例えば、L字アングル27a及びL字アングル27bが取り付けられている。L字アングル27aは、第1部分27cと、第2部分27dとを有している。図示されていないが、L字アングル27a及びL字アングル27bは、例えばボルト及びナットを用いて支持部材20に取り付けられている。L字アングル27aは、第1部分27cにおいて、支持部材20に取り付けられている。第2部分27dは、第1部分27cから上方に向かって屈曲している。第2部分27dには、貫通穴27daが形成されている。貫通穴27daは、第2部分27dを厚さ方向に貫通している。
【0041】
L字アングル27bは、L字アングル27aと同様の構成を有している。L字アングル27bは、平面視における支持部材20の中央と上面視における支柱Pの中央とを結んだ直線L(
図6中において点線で示されている)に関して、L字アングル27aとは反対側に位置している。好ましくは、L字アングル27a及びL字アングル27bは、直線Lに関して線対称な位置に配置されている。なお、L字アングル27aは、直線Lよりも側板22c側に位置しており、L字アングル27bは、直線Lよりも側板22d側に位置している。
【0042】
図7は、実施形態に係る筐体支持構造での取り付け部材30の斜視図である。
図7に示されるように、取り付け部材30は、第1部分31と、第2部分32と、第3部分33とを有している。取り付け部材30は、支柱Pに取り付けられる(
図1参照)。
【0043】
第1部分31は、平板形状を有している。第1部分31は、第1面31aと、第2面31bとを有している。第1面31aは、支持部材20(具体的には、側板22a)に対向する面である。第2面31bは、第1面31aの反対面である。第1部分31には、貫通穴31cが形成されている。貫通穴31cは、第1部分31を厚さ方向に(第1面31aから第2面31bに向かう方向に沿って)貫通している。
【0044】
第2部分32は、第1面32aと、第2面32bとを有している。第1面32aは、第1部分31に対向する面である。第2面32bは、第1面32aの反対面である。すなわち、第2面32bは、支柱Pと対向する面である。第2部分32は、第2面32bが支柱Pの外周面の形状に沿うように湾曲した板状の形状を有している。
【0045】
第3部分33は、第1部分31と第2部分32とを接続している部分である。第3部分33には、貫通穴33aが形成されている。貫通穴33aは、第3部分33を厚さ方向に貫通している。貫通穴33aは、第3部分33の第2部分32側の端に形成されている。貫通穴33aにケーブルバンド34(
図1参照)が挿通されるとともに、ケーブルバンド34が支柱Pに巻き付けられることにより、取り付け部材30が支柱Pに取り付けられている。
【0046】
接続部40は、支持部材20と取り付け部材30とを接続している。接続部40は、支持部材20と取り付け部材30との間の距離を調整可能に構成されている。
図8は、実施形態に係る筐体支持構造での接続部40の断面図である。
図8に示されるように、接続部40は、ボルト41と、ナット42と、ナット43と、ナット44とにより構成されている。
【0047】
ボルト41は、頭部41aと、軸部41bとを有している。頭部41aは、軸部41bの一方端に設けられている。図示されていないが、軸部41bには、ネジ山が形成されている。軸部41bは、貫通穴22f及び貫通穴31cに挿通されている。
【0048】
ナット42~ナット44は、ボルト41(軸部41b)に螺合されている。頭部41a及びナット42は、取り付け部材30(第1部分31)を挟み込んでいる。すなわち、取り付け部材30は、頭部41a及びナット42で締結されている。ナット43及びナット44は、支持部材20(側板22a)を挟み込んでいる。すなわち、支持部材20は、ナット43及びナット44で締結されている。
【0049】
ナット42及びナット43は、取り付け部材30(第1部分31)と支持部材20(側板22a)との間に位置している。ナット43及びナット44を軸部41bの中心軸周りに回転させることにより、ナット43及びナット44の位置が変更される。ナット43及びナット44が移動することにより、支持部材20と取り付け部材30との間の距離が調整される。より具体的には、
図8中において、ナット43及びナット44を右側に移動させることにより、支持部材20と取り付け部材30との間の距離が大きくなり、ナット43及びナット44を左側に移動させることにより、支持部材20と取り付け部材30との間の距離が小さくなる。
【0050】
なお、図示されていないが、接続部40は、ナット42及びナット43に代えてスペーサ45を用いることにより構成されていてもよい。なお、スペーサ45は、取り付け部材30(第1部分31)と支持部材20(側板22a)とにより挟み込まれる。
【0051】
取り付け部材50は、取り付け部材30よりも上方において、支柱Pに取り付けられている(
図1参照)。
図9は、実施形態に係る筐体支持構造での取り付け部材50の分解斜視図である。
図9に示されるように、取り付け部材50は、第1部材51と、第2部材52とにより構成されている。
【0052】
第1部材51は、第1部分51aと、第2部分51bと、第3部分51cとを有している。第1部分51a、第2部分51b及び第3部分51cは、取り付け部材30の第1部分31、第2部分32及び第3部分33にそれぞれ対応した構造を有している。
【0053】
より具体的には、第1部分51aは、平板形状を有している。第1部分51aは、第1面51aaと、第2面51abとを有している。第2面51abは第1面51aaの反対面である。第1部分51aには、貫通穴51acが形成されている。貫通穴51acは、第1部分51aを厚さ方向に貫通している。
【0054】
第2部分51bは、第1面51baと、第2面51bbとを有している。第1面51baは、第1部分51aに対向する面である。第2面51bbは、第1面51baの反対面である。すなわち、第2面51bbは、支柱Pと対向する面である。第2部分51bは、第2面51bbが支柱Pの外周面の形状に沿うように湾曲した板状の形状を有している。
【0055】
第3部分51cは、第1部分51aと第2部分51bとを接続している部分である。第3部分51cには、貫通穴51caが形成されている。貫通穴51caは、第3部分51cを厚さ方向に貫通している。貫通穴51caは、第3部分51cの第2部分51b側の端に形成されている。貫通穴51caにケーブルバンド54が挿通されるとともに、ケーブルバンド54(
図1参照)が支柱Pに巻き付けられることにより、取り付け部材50が支柱Pに取り付けられている。
【0056】
第2部材52は、第2方向DR2に沿って延在する柱状の形状を有している。第2部材52は、長手方向(第2方向DR2)に垂直な断面視において、L字形状を有している。第2部材52は、第1部分52aと第2部分52bとを有している。第1部分52a及び第2部分52bは、平板形状を有している。第1部分52aは、第1部分51aに当接している。第2部分52bは、第1部分51aの上端から第1方向DR1に沿って延在している。
【0057】
第1部分52aには、貫通穴52aaが形成されている。貫通穴52aaは、第1部分52aを厚さ方向に貫通している。貫通穴51ac及び貫通穴52aaにボルトを挿通するとともに、当該ボルトに螺合するナット及び当該ボルトの頭部で第1部分51a及び第1部分52aを締結することにより、第2部材52が第1部材51に取り付けられる。
【0058】
第2部材52は、補強のために、リブ52cと、リブ52dとをさらに有している。リブ52cは、第1部分52a及び第2部分52bに接続されている。リブ52cには、貫通穴52caが形成されている。貫通穴52caは、リブ52cを厚さ方向に貫通している。リブ52dは、リブ52cと同様の構成を有している。
【0059】
図10は、実施形態に係る筐体支持構造での伸縮部材60の分解平面図である。
図10に示されるように、伸縮部材60は、例えば、ターンバックルである。伸縮部材60は、第1軸部61と、第2軸部62と、バックル部63とを有している。
【0060】
第1軸部61の一方端側にはネジ山が形成されている。第1軸部61の他方端側には、貫通穴61aが形成されている。貫通穴52ca及び貫通穴61aにボルトを挿通するとともに、当該ボルトに螺合されるナット及び当該ボルトの頭部で第1軸部61の他方端側及びリブ52cを締結することにより、伸縮部材60の一方端が、取り付け部材50(より具体的には、リブ52c)に取り付けられている。
【0061】
第2軸部62の一方端側にはネジ山が形成されている。第2軸部62の他方端側には貫通穴62aが形成されている。貫通穴62a及び貫通穴27daにボルトを挿通するとともに、当該ボルトに螺合されるナット及び当該ボルトの頭部で第2軸部62の他方端側及び第2部分27dを締結することにより、伸縮部材60の他方端が、支持部材20(より具体的には、L字アングル27a)に取り付けられている。
【0062】
バックル部63の第1軸部61側には貫通穴63aが形成されており、バックル部63の第2軸部62側には貫通穴63bが形成されている。貫通穴63a及び貫通穴63bの内壁面には、ネジ溝が形成されているが、貫通穴63aの内壁面に形成されたネジ溝と貫通穴63bの内壁面に形成されたネジ溝とは、逆ネジになっている。
【0063】
貫通穴63a及び第1軸部61は互いに螺合しており、貫通穴63b及び第2軸部62は互いに螺合している。そのため、バックル部63を回転させることにより、第1軸部61の一方端と第2軸部62の一方端との間の距離が近づく(又は遠くなる)。そのため、伸縮部材60は、一方端と他方端との間の距離を調整することができる。
【0064】
伸縮部材70は、伸縮部材60と同様の構成を有している。伸縮部材70は、一方端において取り付け部材50(より具体的には、リブ52d)に取り付けられており、他方端において支持部材20(より具体的には、L字アングル27b)に取り付けられている。伸縮部材70は、一方端と他方端との間の距離を調整可能に構成されている。伸縮部材70は、例えばターンバックルである。
【0065】
上記のとおり、伸縮部材60の他方端はL字アングル27aに取り付けられており、伸縮部材70の他方端はL字アングル27bに取り付けられている。このことを別の観点からいえば、伸縮部材70の他方端は、上面視において、支持部材20の中央と支柱Pの中央とを結んだ直線Lに関して伸縮部材60の他方端と反対側に位置している。
【0066】
取り付け部材80は、取り付け部材30の下方において、支柱Pに取り付けられる。
図11は、実施形態に係る筐体支持構造での取り付け部材80の斜視図である。
図11に示されるように、取り付け部材80は、第1部分81と、第2部分82と、第3部分83とを有している。第1部分81、第2部分82及び第3部分83は、取り付け部材30の第1部分31、第2部分32及び第3部分33にそれぞれ対応した構造を有している。
【0067】
第1部分81は、平板形状を有している。第1部分81は、第1面81aと、第2面81bとを有している。第1面81aは、支持部材90(具体的には、第2部分92)に対向する面である。第2面81bは、第1面81aの反対面である。第1部分81には、貫通穴81cが形成されている。貫通穴81cは、第1部分81を厚さ方向に(第1面81aから第2面81bに向かう方向に沿って)貫通している。
【0068】
第2部分82は、第1面82aと、第2面82bとを有している。第1面82aは、第1部分81に対向する面である。第2面82bは、第1面82aの反対面である。すなわち、第2面82bは、支柱Pと対向する面である。第2部分82は、第2面82bが支柱Pの外周面の形状に沿うように湾曲した板状の形状を有している。
【0069】
第3部分83は、第1部分81と第2部分82とを接続している部分である。第3部分83には、貫通穴83aが形成されている。貫通穴83aは、第3部分83を厚さ方向に貫通している。貫通穴83aは、第3部分83の第2部分82側の端に形成されている。貫通穴83aにケーブルバンド84(
図1参照)が挿通されるとともに、ケーブルバンド84が支柱Pに巻き付けられることにより、取り付け部材80が支柱Pに取り付けられている。
【0070】
図12は、実施形態に係る筐体支持構造での支持部材90の分解斜視図である。
図12に示されるように、支持部材90は、第1部分91と、第2部分92とにより構成されている。支持部材90は、底壁12に取り付けられている。
【0071】
第1部分91は、底板91aと、側板91ba、側板91bb、側板91bc及び側板91bdと、リブ91ca及びリブ91cbとを有している。
【0072】
底板91aは、第1面91aaと第2面91abとを有している。第1面91aaは、下方に向いている面である。第2面91abは、第1面91aaの反対面である(上方を向いている面である)。なお、
図12においては、紙面上における上方向が下方に対応している。
【0073】
側板91ba~側板91bdは、底板91aの第1面91aa側に設けられている。側板91ba~側板91bdは、底板91aの平面視における縁から下方に向かって(第2面91abから第1面91aaに向かう方向に沿って)延在している。側板91ba及び側板91bbは、第1方向DR1において互いに対向しており、側板91bc及び側板91bdは、第2方向DR2において互いに対向している。側板91baは、支柱Pに対向している。
【0074】
側板91baには、貫通穴91beが形成されている。貫通穴91beは、側板91baを厚さ方向に貫通している。
【0075】
リブ91ca及びリブ91cbは、底板91aの第1面91aa側に取り付けられている。リブ91caは、側板91ba及び側板91bbを接続する第1部分91caaと、第1部分91caaと側板91bcを接続する第2部分91cabとを有している。リブ91cbは、側板91baと側板91bbとを接続する第1部分91cbaと、第1部分91cbaと側板91bdとを接続する第2部分91cbbとを有している。リブ91ca及び91cbにより、支持部材90の強度及び剛性が改善されている。
【0076】
底板91aには、貫通穴91dが形成されている。貫通穴91dは、底板91aを厚さ方向に貫通している。支持部材90は、貫通穴91dの位置と貫通穴12aの位置とが互いに重なるように配置されている。支持部材90は、貫通穴91d及び貫通穴12aにボルト28(
図5参照)が挿通されるとともに、ナット12bがボルト28に螺合されることにより、筐体10(底壁12)に取り付けられる。この際、ボルト28の頭部は、第1面91aa上に位置している。
【0077】
第2部分92は、平板形状を有している。第2部分92の両側縁は、強度及び剛性を高めるため、第1部分91とは反対側に向かって屈曲していてもよい。第2部分92には、貫通穴92aと、貫通穴92bとが形成されている。貫通穴92aは、第2部分92を厚さ方向に貫通している。貫通穴92a及び側板91baに形成されている貫通穴91beにボルトを挿通するとともに、当該ボルトに螺合されるナット及び当該ボルトの頭部とで第2部分92及び側板91baを締結することにより、第1部分91に第2部分92が取り付けられている。これにより、第2部分92は、第1部分91の支柱P側の端から下方に向かって延在する。
【0078】
貫通穴92bは、第2部分92を厚さ方向に貫通している。貫通穴92bは、上下方向に沿って形成されている。例えば、
図12に示されるように、貫通穴92bが円弧形状を有していても、「貫通穴92bが上下方向に沿って形成」に含まれる。
【0079】
接続部100は、取り付け部材80と支持部材90とを接続しており、取り付け部材80と支持部材90との間の距離を調整可能に構成されている。
図13は、実施形態に係る筐体支持構造における接続部100の断面図である。
図13に示されるように、接続部100は、ボルト101と、ナット102と、ナット103と、ナット104とにより構成されている。
【0080】
ボルト101は、頭部101aと、軸部101bとを有している。頭部101aは、軸部101bの一方端に設けられている。軸部101bには、ネジ山が形成されている。軸部101bは、貫通穴92b及び貫通穴81cに挿通されている。
【0081】
ナット102~ナット104は、ボルト101(軸部101b)に螺合されている。頭部101a及びナット102は、取り付け部材80(第1部分81)を挟み込んでいる。すなわち、取り付け部材80は、頭部101a及びナット102で締結されている。ナット103及びナット104は、支持部材90(第2部分92)を挟み込んでいる。すなわち、支持部材90は、ナット103及びナット104で締結されている。
【0082】
ナット102及びナット103は、取り付け部材80(第1部分81)と支持部材90(第2部分92)との間に位置している。ナット103及びナット104を軸部101bの中心軸周りに回転させることにより、ナット103及びナット104の位置が変更される。ナット103及びナット104が移動することにより、支持部材90と取り付け部材80との間の距離が調整される。より具体的には、
図13中において、ナット103及びナット104を右側に移動させることにより、支持部材90と取り付け部材80との間の距離が大きくなり、ナット103及びナット104を左側に移動させることにより、支持部材90と取り付け部材80との間の距離が小さくなる。
【0083】
なお、図示されていないが、接続部100は、ナット102及びナット103に代えてスペーサ105を用いることにより構成されていてもよい。スペーサ105は、取り付け部材80(第1部分81)と支持部材90(第2部分92)とにより挟み込まれる。
【0084】
<実施形態の変形例に係る筐体支持構造の構成>
以下に、実施形態の第1変形例に係る筐体支持構造の構成を説明する。
図14は、実施形態の第1変形例に係る筐体支持構造での支持部材20の分解斜視図である。
図14に示されるように、ナット11bは、第1面21aに固定されている。ナット11bは、ナット11bの穴の位置と貫通穴25の位置とが互いに一致するように配置されている。支持部材20は、貫通穴25及び貫通穴11aにボルト26が挿通されるとともに、ナット11bがボルト26に螺合されることにより、上壁11に取り付けられる。この際、ボルト26の頭部は、筐体10の内部に位置している。
【0085】
図15は、実施形態の第2変形例に係る筐体支持構造での伸縮部材60の分解正面図である。
図15に示されるように、伸縮部材60は、長ねじボルト64と、第1部材65a及び第2部材65bと、ナット66a、ナット66b、ナット66c及びナット66dとを有していてもよい。伸縮部材60は、さらに、第3部材67a及び第4部材67bを有していてもよい。
【0086】
第1部材65aは、第1部分65aaと、第2部分65abとを有している。第1部分65aaは、長ねじボルト64に螺合されたナット66a及びナット66bにより締結されている。第2部分65abは、第1部分65aaから第2部材65b側に向かって屈曲している。第2部分65abには、貫通穴65abaが形成されている。
【0087】
第2部材65bは、第1部分65baと、第2部分65bbとを有している。第1部分65baは、長ねじボルト64に螺合されたナット66c及びナット66dにより締結されている。第2部分65bbは、第1部分65baから第1部材65a側に向かって屈曲している。第2部分65bbには、貫通穴65bbaが形成されている。
【0088】
第3部材67aの一方端には、貫通穴67aaが形成されている。貫通穴65aba及び貫通穴67aaにボルトを挿通するとともに、当該ボルトの頭部と当該ボルトに螺合されたナットとで第2部分65ab及び第3部材67aを締結することにより、第1部材65aに取り付けられている。第3部材67aの他方端は、取り付け部材50に取り付けられている。第3部材67aの他方端は、伸縮部材60の一方端を構成している。
【0089】
第4部材67bの一方端には、貫通穴67baが形成されている。貫通穴65bba及び貫通穴67baにボルトを挿通するとともに、当該ボルトの頭部と当該ボルトに螺合されたナットとで第2部分65bb及び第4部材67bを締結することにより、第2部材65bに取り付けられている。第4部材67bの他方端は、支持部材20に取り付けられている。第4部材67bの他方端は、伸縮部材60の他方端を構成している。
【0090】
ナット66bとナット66cとの間隔を狭めることにより(広げることにより)、第1部材65aと第2部材65bとの間隔が狭まる(広がる)。その結果、伸縮部材60の一方端と他方端との間の距離を調整することが可能となる。
【0091】
上記の例においては、支持部材20と取り付け部材50とを接続する部材として、伸縮部材60及び伸縮部材70を用いたが、伸縮部材60及び伸縮部材70のいずれか一方を一方端と他方端との間の距離が調整可能に構成されていない部材に置換してもよい。
【0092】
(実施形態に係る筐体支持構造の施工方法)
以下に、実施形態に係る筐体支持構造の施工方法を説明する。
【0093】
実施形態に係る筐体支持構造の施工においては、第1に、取り付け部材30、取り付け部材50及び取り付け部材80が、支柱Pに取り付けられる。実施形態に係る筐体支持構造の施工においては、第2に、筐体10に支持部材20及び支持部材90が取り付けられる。
【0094】
実施形態に係る筐体支持構造の施工においては、第3に、支持部材20と取り付け部材30との接続が、接続部40を用いて行われる。実施形態に係る筐体支持構造の施工においては、第4に、支持部材20と取り付け部材50との接続が、伸縮部材60及び伸縮部材70を用いて行われる。実施形態に係る筐体支持構造の施工においては、第5に、支持部材90と取り付け部材80との接続が、接続部100を用いて行われる。なお、この際には、ボルト101とナット102とによる取り付け部材80の締結及びナット103及びナット104による支持部材90の締結は、完全には行われていない。
【0095】
実施形態に係る筐体支持構造の施工においては、第6に、第2方向DR2における傾き調整が行われる。第2方向DR2における傾き調整は、伸縮部材60の一方端と他方端との間の距離及び伸縮部材70の一方端と他方端との間の距離をそれぞれ調整することにより行われる。
【0096】
実施形態に係る筐体支持構造の施工においては、第7に、第1方向DR1における傾き調整が行われる。第1方向DR1における傾き調整は、接続部40で支持部材20と取り付け部材30との間の距離を調整することにより行われる。第1方向DR1における傾き調整は、さらに、接続部100で支持部材90と取り付け部材80との間の距離を調整することにより行われてもよい。
【0097】
なお、実施形態の筐体支持構造の施工方法は、上記の例に限られない。例えば、取り付け部材30及び取り付け部材80は、支柱Pに取り付けられる前に、接続部40及び接続部100を用いて、筐体10に取り付けられた支持部材20及び支持部材90にそれぞれ接続されてもよい。
【0098】
(実施形態に係る筐体支持構造の効果)
以下に、実施形態に係る筐体支持構造の効果を説明する。
【0099】
上記のとおり、支柱Pは、地面から離れるにつれて断面積が小さくなるようなテーパ形状を有している場合がある。また、支柱Pは、地面の法線に対して傾斜している場合がある。そのため、水平レベルが確保されていない状態で、筐体10が支柱Pに支持されてしまうことがある。その結果、筐体10に設けられた扉14bの開閉が困難となるおそれがある。
【0100】
しかしながら、実施形態に係る筐体支持構造においては、伸縮部材60及び伸縮部材70により、第2方向DR2における筐体10の傾斜が調整可能になっているとともに、接続部40により、第1方向DR1における筐体10の傾斜が調整可能になっている。そのため、実施形態に係る筐体支持構造によると、水平レベルを確保した状態で筐体10を支柱Pに支持させることが可能となる。
【0101】
実施形態に係る筐体支持構造において、伸縮部材60及び伸縮部材70がターンバックルである場合、伸縮部材60及び伸縮部材70の一方端と他方端との間の距離の調整を容易に実施することが可能となる。
【0102】
実施形態に係る筐体支持構造が接続部100をさらに有している場合、第1方向DR1における筐体10の傾斜をより正確に調整することが可能となる。
【0103】
実施形態に係る筐体支持構造において、側板22a~側板22dに排水口22eが形成されている場合、支持部材20に雨水等がたまることを抑制することが可能となる。
【0104】
実施形態に係る筐体支持構造において、ナット11bが上壁11の底壁12側の面に固定されている場合、筐体10の外部からナット11b及びボルト26による支持部材20と上壁11との締結を行うことができる。そのため、この場合には、支持部材20の筐体10への取り付けが容易となる。
【0105】
実施形態に係る筐体支持構造において、ナット11bが底板21の第1面21aに固定されている場合、ナット11b及びボルト26による支持部材20と上壁11との締結が筐体10の内部から行われる。そのため、この場合には、一旦筐体支持構造の施工が行われた後には支持部材20を筐体10から取り外すことは困難になり、盗難対策となる。
【0106】
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0107】
上記の実施形態は、例えば、宅配ボックスの支持構造に特に有利に適用される。
【符号の説明】
【0108】
10 筐体、11 上壁、11a 貫通穴、11b ナット、12 底壁、12a 貫通穴、12b ナット、13 側壁、14 側壁、14a 開口部、14b 扉、15,16 側壁、20 支持部材、21 底板、21a 第1面、21b 第2面、22a,22b,22c,22d 側壁、22e 排水口、22f 貫通穴、23a リブ、23aa 第1部分、23ab 第2部分、23b リブ、23ba 第1部分、23bb 第2部分、24 スペーサ板、25 貫通穴、26 ボルト、27a L字アングル、27b L字アングル、27c 第1部分、27d 第2部分、27da 貫通穴、28 ボルト、30 取り付け部材、31 第1部分、31a 第1面、31b 第2面、31c 貫通穴、32 第2部分、32a 第1面、32b 第2面、33 第3部分、33a 貫通穴、34 ケーブルバンド、40 接続部、41 ボルト、41a 頭部、41b 軸部、42 ナット、43 ナット、44 ナット、45 スペーサ、50 取り付け部材、51 第1部材、51a 第1部分、51aa 第1面、51ab 第2面、51ac 貫通穴、51b 第2部分、51ba 第1面、51bb 第2面、51c 第3部分、51ca 貫通穴、52 第2部材、52a 第1部分、52aa 貫通穴、52b 第2部分、52c,52d リブ、52ca 貫通穴、53 第3部材、53a 第1部分、53aa 貫通穴、53b 第2部分、53ba 貫通穴、54 ケーブルバンド、60 伸縮部材、61 第1軸部、61a 貫通穴、62 第2軸部、62a 貫通穴、63 バックル部、63a,63b 貫通穴、64 長ねじボルト、65a 第1部材、65aa 第1部分、65ab 第2部分、65aba 貫通穴、65b 第2部材、65ba 第1部分、65bb 第2部分、65bba 貫通穴、66a,66b,66c,66d ナット、67a 第3部材、67b 第4部材、70 伸縮部材、80 取り付け部材、81 第1部分、81a 第1面、81b 第2面、81c 貫通穴、82 第2部分、82a 第1面、82b 第2面、83 第3部分、83a 貫通穴、90 支持部材、91 第1部分、91a 底板、91aa 第1面、91ab 第2面、91ba,91bb,91bc,91bd 側壁、91be 貫通穴、91ca,91cb リブ、91caa,91cba 第1部分、91cab,91cbb 第2部分、91d 貫通穴、92 第2部分、92a 貫通穴、92b 貫通穴、100 接続部、101 ボルト、101a 頭部、101b 軸部、102,103,104 ナット、105 スペーサ、DR1 第1方向、DR2 第2方向、L 直線、P 支柱。