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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】カムを有する調整可能なストローク装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 23/03 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
B24B23/03
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018204412
(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公開番号】P2019081250
(43)【公開日】2019-05-30
【審査請求日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】62/578,797
(32)【優先日】2017-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/171,974
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518385763
【氏名又は名称】レイク カントリー マニュファクチャリング インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Lake Country Manufacturing,Inc.
【住所又は居所原語表記】950 Blue Ribbon Circle North,Oconomowoc,Wisconsin 53066,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】スコット エス.マクレイン
(72)【発明者】
【氏名】マーク スナイカー
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0120413(US,A1)
【文献】特開2000-141217(JP,A)
【文献】特開2001-179591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 23/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランダムオービタルマシンのための調整可能なストローク機構であって、
空洞を取り囲む壁と中心軸線とを有するハウジングと、
前記空洞の内部に移動可能に配設された少なくとも1つの釣合い重りと、
前記空洞の内部に配設された装着アセンブリであって、ワーク取り付け機構を含む装着アセンブリと、
前記少なくとも1つの釣合い重りを前記装着アセンブリに結合するストローク調整装置であって、
前記ストローク調整装置は、前記ハウジングの前記壁を取り囲む調整リングであって、前記中心軸線に沿って軸線方向に移動可能であり、且つ前記中心軸線を中心に回転可能である調整リングを含み、
前記ストローク調整装置は、前記釣合い重りと前記装着アセンブリとの間の距離が可変に調整されるように、ひいては前記ハウジングの前記中心軸線に対して前記ワーク取り付け機構のストローク半径が可変に調整されるように、前記釣合い重りおよび装着アセンブリを互いに対して移動させることができる、ストローク調整装置と、
を備えた調整可能なストローク機構。
【請求項2】
前記ストローク調整装置はカム機構を更に備える、請求項1に記載の調整可能なストローク機構。
【請求項3】
カムの移動に応じて前記釣合い重りを移動させるために、前記釣合い重りは前記カム機構に係合する、請求項2に記載の調整可能なストローク機構。
【請求項4】
前記装着アセンブリは軸受けキャリッジを含み、カムの移動に応じて前記装着アセンブリを移動させるために前記軸受けキャリッジは前記カム機構に係合する、請求項2に記載の調整可能なストローク機構。
【請求項5】
前記ワーク取り付け機構をロックするために前記カム機構に対応付けられたロッキングプレート機構を更に備える、請求項2に記載の調整可能なストローク機構。
【請求項6】
前記カム機構は少なくとも1つのタブを更に備え、前記タブは、前記ストローク調整装置をロックするためのハブのスロットに係合する、請求項に記載の調整可能なストローク機構。
【請求項7】
ランダムオービタルマシンのストロークの調整方法であって、
調整可能なストローク機構をランダムオービタルマシンに結合するステップであって、前記調整可能なストローク機構は、
空洞を取り囲む壁と中心軸線とを有するハウジングと、
前記ハウジングの内部に移動可能に配設された少なくとも1つの釣合い重りと、
前記ハウジングの内部に配設されたバッキングプレート装着アセンブリであって、ワークへの取り付けのための機構を含むバッキングプレート装着アセンブリと、
前記少なくとも1つの釣合い重りを前記装着アセンブリに結合するストローク調整装置であって、
前記ストローク調整装置は、前記ハウジングの前記壁を取り囲む調整リングであって、前記中心軸線に沿って軸線方向に移動可能であり、且つ前記中心軸線を中心に回転可能である調整リングを含む、ストローク調整装置と、
を備える、ステップと、
前記ストローク調整装置を調整するステップと、
前記釣合い重りおよび前記装着アセンブリを互いに対して移動させるステップと、
前記釣合い重りと前記装着アセンブリとの間の距離を可変に調整するステップと、
前記ハウジングの前記中心軸線に対して前記ワークを取り付けるための前記機構のストローク半径を可変に調整するステップと、
を含む方法。
【請求項8】
回転工具であって、
ハウジングおよび動力伝達経路を含むモータと、
前記動力伝達経路に結合された調整可能なストローク機構であって、前記調整可能なストローク機構は、
空洞を画定する壁を有するストローク調整装置と、
前記空洞内に少なくとも部分的に配設された移動可能な少なくとも1つの釣合い重りと、
前記空洞の内部に少なくとも部分的に配設された装着アセンブリであって、ワーク取り付け機構を含む装着アセンブリと、
を備え、
前記ストローク調整装置は前記少なくとも1つの釣合い重りを前記装着アセンブリに結合し、前記ストローク調整装置はカム機構を含み、前記カム機構は軸線方向に移動可能であり、且つ中心軸線を中心に回転可能であり、前記ストローク調整装置は、前記少なくとも1つの釣合い重りと前記装着アセンブリとの間の距離が可変に調整されるように、ひいては前記動力伝達経路に対して前記ワーク取り付け機構のストローク半径が可変に調整されるように、前記少なくとも1つの釣合い重りおよび装着アセンブリを互いに対して移動させることができる、調整可能なストローク機構と、
を備えた回転工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
【0002】
本出願は、2017年10月30日に提出された米国特許仮出願第62/578,797号の利益を主張する。上記出願の開示内容全体は参照により本願明細書に組み込まれるものとする。
【0003】
本発明は、ポリッシャー、バフ研磨機、サンダー、およびマッサージ機を含む、ただしこれだけには限定されない、調整可能なオービタル装置に関する。
【背景技術】
【0004】
本発明は、ポリッシャー、サンダー、およびマッサージ機などの、ただしこれだけには限定されない、ランダムオービタルマシンのストロークを調整するための方法および装置に関する。この調整能力により、ユーザはランダムオービタルマシンのストロークを規定でき、最終的な最大ストローク設定と最小のゼロ軌道または回転設定との間で調整を行える。
【0005】
オートディテーリング業界および住宅建築業界においては、塗装または乾式壁の欠陥を修正するために、および艶出し剤およびワックスを塗布するために、ポリッシャーおよびサンダーが日常的に使用されている。使用されている主要な機械は、回転バフ研磨機、ランダムオービタルマシン、およびデュアルアクションマシンの3種類である。パッドの旋回方法がマシン毎に特有であり、それぞれ異なる目的のために使用されるので、各工具はその役割を有する。
【0006】
回転バフ研磨機は、塗装欠陥の除去を制御された方法で行うための最も高速且つ最も効果的な機械であり、良好な結果をもたらす。回転バフ研磨機に使用される駆動ユニットはパッドに直接接続され、軸線方向に互いに位置合わせされている。塗装の掻き傷を修正するために、回転バフ研磨機は、一般に、掻き傷の周囲の塗装を十分に除去することによって表面を平らにするために使用されている。ただし、掻き傷を除去するには、一般的な愛好家が持っているレベルより高い技能およびマシン制御を必要とする。この理由により、回転バフ研磨機は、塗装を過度に除去し易く、および、スワールマークを生じさせることによって、または塗装を焦がすことによって仕上げを損傷し易いため、平均的ユーザによって一般に避けられている。
【0007】
平均的ユーザの要求を満たすために、操作の制御および経験が少なくて済むランダムオービタルマシンが導入された。ランダムオービタルマシンは、バッキングプレートに取り付けられたパッドを移動させる固有の機構を2つ採用した歯車箱を使用する。回転バフ研磨機と異なり、ランダムオービタルマシンでは、バッキングプレートおよびパッドの中心回転軸がマシンの駆動軸からオフセットされて配置されている。このオフセットは、一般に「ストローク」と称されている。その結果、バッキングプレートおよびパッドは駆動軸を周回する円運動を行う。パッドはアイドル軸受けに装着されているので、パッドは同時にランダムに旋回する。このランダムな旋回は、パッドに加わる圧力に応じて可変であり、動力が直接供給されない。その結果、動力が供給された旋回動作からの熱を生じさせないので、塗装を焦がさない、または塗装を切削しない、艶出し動作となる。したがって、ランダムオービタルマシンは、はるかに安全であり、スワールマークを極めて生じさせにくい、または塗装を極めて焦がしにくい。
【0008】
ランダムオービタルマシンと同様に、デュアルアクションマシンも、バッキングプレートおよびパッドの中心回転軸が駆動軸からオフセットされて配置されている。このストロークの結果として、バッキングプレートおよびパッドは駆動軸を周回する円運動を行う。ただし、デュアルアクションマシンの場合は、パッドの旋回のための動力が直接供給される。
【0009】
ランダムオービタルマシンの神髄はマシンのストロークである。ストロークは、駆動軸の軸線とバッキングプレートの軸線との間のオフセットによって決まる。オフセットまたはストロークが長いほど、バッキングプレートの回転軸が駆動軸の軸線から離れる。オフセットを2倍にすると、ストロークの直径になる。したがって、「ストローク」とは、バッキングプレートが駆動軸を周回するときにバッキングプレートが移動する経路の直径を特定する用語である。
【0010】
大多数のランダムオービタルマシンは小ストロークマシンである。すなわち、使用するストローク長が約6mm~12mmの間である。小ストロークマシンは、パッドの移動をより小さくより狭い軌道に制限する。これは、より滑らかな動作をもたらす。小ストロークマシンは、バッキングプレートが駆動軸の回転軸線をより狭い経路で周回するので、制御もより容易である。振動がより少なく、移動がより小さいので、より滑らかな動作の故に、マシンの保持がより容易である。
【0011】
大ストロークマシンでは、駆動軸周りのパッドおよびバッキングプレートの軌道が大きくなるので、同じ回転毎分(RPM)を使用してバッキングプレートの動きの軌道毎分(OPM)が増加する。大きなストロークは、パッドの移動も増大させるので、艶出し剤を広げ易く、より大きな表面積を処理する。大きなストロークは塗装内への切削動作がより大きいので、掻き傷および塗装欠陥を修正できる。小ストロークマシンは一般に塗装の艶出しのみを行う。小ストロークマシンは塗装に切り込まないので、表面欠陥を除去できない。
【0012】
小ストロークの諸欠点に対処する1つの方法は、マシンのRPMを増やすことであった。これはモータの回転数を増やすが、マシンのストロークは同じままである。モータのRPMの増加およびパッドのOPMの増加に伴う寿命の問題もある。RPMを増やすとモータにかかる負担が増え、OPMを増やすとパッドがより急速に焼損する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
要するに、長ストロークマシンおよび短ストロークマシンはどちらも当該業界においてそれぞれの役割を有する。したがって、必要とされているのは、特殊工具なしにユーザが調整および分解できるマシンである。最後に、必要とされているのは、ユーザの要求に基づきマシンのストロークを調整するための簡潔且つ簡単で効果的な方法である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示によると、ランダムオービタルマシンのための調整可能なストローク機構は、空洞を取り囲む壁と中心軸線とを有するハウジングを備える。少なくとも1つの釣合い重りが空洞内に移動可能に配設される。装着アセンブリが空洞内に配設される。装着アセンブリはワーク取り付け機構を含む。ストローク調整装置が少なくとも1つの釣合い重りを装着アセンブリに結合する。釣合い重りと装着アセンブリとの間の距離が可変に調整されるように、ストローク調整装置は釣合い重りおよび装着アセンブリを互いに対して移動させることができる。これは、ストローク調整装置の静的および動的な釣合いももたらす。したがって、ハウジングの中心軸線に対するワーク取り付け機構のストローク半径を可変に調整できる。ストローク調整装置は、調整リングとカム機構とを含む。調整リングは、ハウジングの壁を取り囲む。調整リングは、中心軸線に沿って軸線方向に移動可能である。更に、調整リングは、中心軸線を中心に回転可能である。調整リングの移動に応じて釣合い重りを移動させるために、釣合い重りはカム機構に係合する。調整リングの移動に応じて装着アセンブリを移動させるために、軸受けキャリッジを含む装着アセンブリはカム機構に係合する。ワーク取り付け機構は支持アクスルを更に備える。支持アクスルは、ハウジングを貫通し、軸受けキャリッジを貫通し、釣合い重りの中まで延在する。少なくとも1つの軸受けが支持アクスルを取り囲む。この少なくとも1つの軸受けは、軸受けキャリッジのオリフィス内に配設される。ロッキングプレート機構がカム機構に対応付けられる。ロッキングプレート機構は、ワーク取り付け機構を所定位置にロックする。カム機構は、少なくとも1つのタブを更に備える。この少なくとも1つのタブは、ストローク調整装置を所定位置にロックするためのハブのスロットに係合する。
【0015】
第2の実施形態によると、ランダムオービタルマシンのストロークの調整方法は、調整可能なストローク機構を結合するステップを含む。これは、本開示によると、空洞を取り囲む壁と中心軸線とを有するハウジングを備えたランダムオービタルマシンのための調整可能なストローク機構を含む。少なくとも1つの釣合い重りが空洞内に移動可能に配設される。装着アセンブリが空洞内に配設される。装着アセンブリはワーク取り付け機構を含む。ストローク調整装置が少なくとも1つの釣合い重りを装着アセンブリに結合する。釣合い重りと装着アセンブリとの間の距離が可変に調整されるように、ストローク調整装置は釣合い重りおよび装着アセンブリを互いに対して移動させることができる。これは、ストローク調整装置の静的および動的な釣合いももたらす。したがって、これは、ハウジングの中心軸線に対するワーク取り付け機構のストローク半径を可変に調整する。ストローク調整装置は、ハウジングの中心軸線に対して軸線方向に移動される。ストローク調整装置は、ハウジングの中心軸線を中心に回転する。釣合い重りおよび装着アセンブリは、互いに対して移動する。釣合い重りと装着アセンブリとの間の距離が可変に調整される。中心軸線に対するワーク取り付け機構のストローク半径が可変に調整される。
【0016】
本開示に提供されている説明から更なる適用分野が明らかになるであろう。この概要における説明および具体的な例は、例示のみを目的としたものであり、本開示の範囲を制限しようとするものではない。
【0017】
本開示に記載の図面は、全ての可能な具現例ではなく、選択された実施形態のみの説明を目的としたものであり、本開示の範囲を制限しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】工具の斜視図である。
図2図1の2-2線に沿った断面図である。
図3図1のストローク調整装置の分解図である。
図4】ストローク調整装置の部分斜視図である。
図5】工具に装着されたストローク調整装置の非係合状態の部分断面図である。
図6図5に似た、ストローク調整装置の係合状態の図である。
図7】ストローク調整装置の部分分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付の図面を参照して、例示的実施形態をより詳細に説明する。
【0020】
各図を参照すると、調整可能なストローク装置を有する工具が図示されており、参照符号10で示されている。工具10は、モータ12と、電源14と、この電源の起動および停止用のスイッチ16とを含む。電源はコードとして示されているが、充電式電池とすることもできる。モータは、工具のヘッドハウジング20の内部に位置付けられたピニオン18を含む。ヘッドハウジング20は、動力伝達経路22を収容するための空洞を含む。動力伝達経路22は、ピニオン18に噛み合う歯車24と回転可能なスピンドル26とを含む。ヘッドハウジングは、スピンドルハウジング31とカバー21とを有する。カバー21は、押しボタン23を含む。ピン25が押しボタン23に取り付けられる。ピン25は、動力伝達経路22の回転をロックするために、歯車24の複数の穴29に係合する。ストローク調整装置30は、スピンドル26に回転可能に結合され、ヘッドハウジング20の底部が装着される。
【0021】
ストローク調整装置30は、ドライブハブ32と、ワーク装着アセンブリ34と、釣合い重り機構36と、ストローク調整機構38とを含む。ドライブハブ32は、ニップル42と突出脚部44とを有するドライブハブ本体40を含む。ニップル42はドライブハブ本体40の片側から延在し、脚部44は反対側から延在する。ニップル42は、スピンドル26を収容するために、ネジが切られている。ネジ切りされた締結具によってハブプレート46が脚部44に取り付けられる。ドライブハブ本体40は、後で説明するように、釣合い重り機構36およびワーク装着アセンブリ34と結合する複数のスロット48を含む。更に、ハブプレート46は、釣合い重り機構36と結合する複数のスロット50を含む。また、ハブプレート46は、ワーク装着アセンブリ34の一部を収容する楕円形の開口52を含む。したがって、スピンドル26の回転がドライブハブ32に加えられてストローク調整装置30を駆動する。
【0022】
ワーク装着アセンブリ34は、キャリッジ54を含む。キャリッジは、第1のキャリッジブロック56と第2のキャリッジブロック58とを含む。キャリッジブロック56、58は、軸受け60を収容するための穴を含む。スピンドル62が軸受け60に通され、キャリッジ54によって保持される。スピンドル62は、軸受け60内で回転可能である。また、スピンドル62は、スピンドル62へのワーク、例えばパッドまたはこれに類するものなど、の取り付けを可能にするネジ切りされた先端64を含む。スピンドル62は、ハブプレート46の開口52を通る。第1のキャリッジブロック56は、ドライブハブ本体40のスロット48を通るポスト66を含む。ポスト66は、後で説明するように、ストローク調整機構38に結合される。
【0023】
釣合い重り機構36は、フレーム68と釣合い重りリング70とを含む。釣合い重りリング70は、締結具72によってフレーム68に固定される。フレーム68および釣合い重りリング70は、どちらも全体としてU字状の形状を有する。フレーム68は、ハブプレート46のチャネル50を通るポスト74を複数含む。したがって、釣合い重りリング70は、ハブプレート46の下面に取り付けられる。また、釣合い重りリング70は、スピンドル64を通すスロットまたはチャネル76を含む。釣合い重りフレーム68はポスト78を更に含む。ポスト78は、ドライブハブ本体40のスロット48を通る。
【0024】
ストローク調整機構38はカム92とハウジング80とを含み、ハウジング80はドライブハブ32と、ワーク装着アセンブリ34と、釣合い重り機構36とを取り囲む。ハウジング80は、スリーブ82と、リング84と、グリップ86とを含む。グリップ86はリング84に接続され、リング84はスリーブ82に結合される。これらは何れも円筒形であるので、ストローク調整機構38はスピンドル軸線27に沿って軸線方向に移動可能であり、更にはスピンドル26の軸線を中心に回転可能である。
【0025】
スリーブ82は、タブ90を収容するスロット88を複数含む。タブ90はカム92に接触する。タブ90は、段付き形状の本体94を有する。トレッド96はカム92の下に位置付けられる。これにより、タブ90はカム92を押してハブプレート46から離し、スピンドルハウジング31に係合させることができる。トレッド96の下にチャネル98がある。チャネル98は、スリーブ82に対してばね100およびタブ90を位置付けるために、ばね100のコイルを収容する。スリーブ82は、ばね100を受け止める細径円周部分102を含む。タブ90のトレッド96は、リング84内に収容される棚状部104を含む。また、タブ90は、ヘッドハウジング20のスロット内を摺動する突出部106を含む。調整可能なストローク機構をヘッドハウジング20内に保持するために、タブ突出部106を覆うCリング108がヘッドハウジング20に取り付けられる。
【0026】
92は、一対の円弧状スロット110、112を含む。スロット110はワーク装着アセンブリのポスト66を収容し、円弧状スロット112は釣合い重りフレームのポスト78を収容する。ドライブハブ32がストローク調整機構38によって回転されるに伴い、ポスト78、66は釣合い重り36およびワーク装着アセンブリ34を互いに対して移動させる。この移動は、スピンドル62の軸線65をスピンドル26の中心軸線27に向けて、またはこれから離れる方向に、移動させる。この移動は、ストローク調整装置の静的および動的な釣合いももたらす。
【0027】
カム92の下面は、複数のタブ114を含む。タブ114はドライブハブ本体40のスロット116に入り込む。したがって、中心軸線27に対するスピンドル62の可変位置決めを可能にするために、中心軸線27に対するスピンドル62の位置に応じて、タブ114は異なるハブスロット116に入ることになる。
【0028】
アクスルロックブリッジ120がドライブハブ32に隣接して位置付けられる。アクスルロックブリッジ120は、ドライブハブの脚部44間のスロット内を摺動する脚部122を含む。したがって、アクスルロックブリッジ120は、脚部44の間に位置付けられる。リング124がハブ40を包囲する。リング124は、アクスルロックブリッジをドライブハブ32に位置付けるために、締結具を通す開口を複数含む。アクスルロックブリッジ120は、スピンドル62の頭部61を収容するための開口126を含む。ワーク装着アセンブリのスピンドル62がドライブのスピンドル26と同軸に位置合わせされたときに、スピンドル62を同軸位置にロックするために、アクスルロックブリッジの開口126はスピンドル62の頭部61を収容する。これは、ストローク調整装置30のゼロ軌道または回転位置をもたらす。また、アクスルロックブリッジ120は、釣合い重りフレーム68のチャネル126に入るように付勢される。
【0029】
上記の調整可能なストローク調整装置30は、以下のように機能する。押しボタンのピン25は歯車の穴29に係合する。グリップ86は、ドライブのヘッドハウジング20に向けて押される。これに伴い、ばね100はタブ90によって圧縮される。タブのトレッド96はカム92を持ち上げるので、カムのタブ114はハブスロット116から外れる。カム92の突出部136は、スピンドルハウジング31内のスロット138に係合する。これにより、カム92は所定位置に固定される。
【0030】
グリップ86はリング84に接続され、リング84はドライブハブ32に接触する。リング突出部130は、ハブプレート46のスロット132に係合する。グリップ86が回転されるに伴い、ドライブハブ32は回転される。これに伴い、カムの円弧状スロット112、110内のポスト78、66が互いに対して移動される。ポスト78、66が互いに対して移動するに伴い、釣合い重り機構36ならびにワーク装着アセンブリ34は互いに対して移動されるので、スピンドル62はスピンドル26の中心軸線27に対して移動される。これにより、調整可能なストローク調整装置30のストロークが可変に調整される。ストロークは、真の回転位置と最大軌道位置との間で調整される。
【0031】
ユーザによって所望の位置が決定されると、ユーザはグリップ86を解放する。カムばね134はカム92を付勢してハブ本体40に再び係合させる。ばね100は、タブ90をハブプレート46に向けて付勢する。したがって、カムのタブ114はハブ本体のスロット116に再び係合し、釣合い重り機構36およびワーク装着アセンブリ34を互いに対して所定位置にロックする。したがって、スイッチ16の起動は、スピンドル26を回転させ、ひいてはストローク調整装置30のスピンドル62を回転させる。釣合い重り機構36は、ワーク装着アセンブリ34と共に、スピンドル26の中心軸線27からのスピンドル62のオフセットによる回転不均衡を静的および動的に釣り合わせる。したがって、スピンドル62は、中心軸線26から離れたストロークにおいてワークを周回させる。
【0032】
これら実施形態の上記説明は、例示および説明を目的として提供されている。網羅的であろうとするものでも開示内容を制限しようとするものでもない。特定の一実施形態の個々の要素または特徴は、通常、その特定の実施形態に限定されず、場合によっては互換性があり、選択された一実施形態において、たとえそこに具体的に図示または説明されていなくとも、使用可能である。これは、多くの方法で変形もされ得る。このような変形例は、本開示からの逸脱とは見なされないものとし、このようなあらゆる変更は本開示の範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7