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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】減速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/32 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
F16H1/32 B
F16H1/32 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018222910
(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公開番号】P2020085175
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】森 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】片岡 佑介
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-225035(JP,A)
【文献】特開2017-214947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源から入力された回転を減速して出力する波動歯車装置と、
前記波動歯車装置から出力された回転を減速して出力する減速機構と、
を備え、
前記波動歯車装置は、剛性歯車と、前記剛性歯車と噛み合う可撓性歯車と、を有し、
前記減速機構は、内歯を有するケースと、前記内歯と噛み合う外歯を有する外歯歯車と、前記外歯歯車に連結されたクランク軸と、を有し、
前記クランク軸は、前記剛性歯車に固定されている、
減速機。
【請求項2】
前記クランク軸と前記剛性歯車とがワンピース構造を有する、
請求項に記載の減速機。
【請求項3】
駆動源から入力された回転を減速して出力する波動歯車装置と、
前記波動歯車装置から出力された回転を減速して出力する減速機構と、
を備え、
前記波動歯車装置は、剛性歯車と、前記剛性歯車と噛み合う可撓性歯車と、を有し、
前記減速機構は、内歯を有するケースと、前記内歯と噛み合う外歯を有する外歯歯車と、前記外歯歯車に連結されたクランク軸と、を有し、
前記クランク軸は、前記可撓性歯車に固定されている、
減速機。
【請求項4】
前記剛性歯車は、前記ケースに固定されている、
請求項に記載の減速機。
【請求項5】
前記ケースと相対回転可能に設けられたキャリアをさらに備え、
前記剛性歯車は、前記キャリアに固定されている、
請求項に記載の減速機。
【請求項6】
前記キャリアは、前記剛性歯車の外周面に固定されている、
請求項に記載の減速機。
【請求項7】
前記波動歯車装置は、前記駆動源の出力軸に固定された波動発生器をさらに有する、
請求項から請求項のいずれか1項に記載の減速機。
【請求項8】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の減速機を備えるロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減速機に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用ロボット、工作機械、及びこれら以外のトルク入力により動作する様々な機械に
おいて減速機が用いられている。減速機は、電動モータ等の駆動源から入力された回転を
減速して駆動対象の相手装置に出力する。減速機の一種として偏心揺動型の減速機が知ら
れている。従来の偏心揺動型の減速機は、特開2016-89916号公報に記載されて
いる。
【0003】
偏心揺動型の減速機は、偏心部を有するクランク軸と、当該偏心部を介してクランク軸
に取り付けられた外歯歯車と、当該外歯歯車と噛み合う内歯を有するケースと、当該ケー
スに対して相対回転可能に設けられたキャリアと、を有する。クランク軸にはインプット
ギヤと噛み合うスパーギヤが設けられる。このような偏心揺動型の減速機において、駆動
源からの回転は、インプットギヤからスパーギヤを介してクランク軸に伝達される。クラ
ンク軸が回転すると偏心部に押されて外歯歯車も回転する。この外歯歯車の回転により、
キャリアがケースに対して相対回転する。これにより、キャリア又はケースから減速され
た回転が駆動対象の部材に対して出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-089916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の減速機においては、ギヤ同士が噛み合う際に衝突音が発生するという問題がある
。インプットギヤは高速回転するため、インプットギヤとスパーギヤとが噛み合う際に特
に大きな衝突音が発生する。このように、減速前の回転速度で回転するギヤが他のギヤと
噛み合うことが大きな衝突音の発生原因と考えられる。減速機が取り付けられた機械の近
くで作業者が作業を行う場合には、減速機において大きな衝突音が発生しないことが望ま
しい。近年、作業者と共同作業を行うための産業用ロボットが開発されている。作業者と
産業用ロボットとが共同作業を行う場合には、作業者は産業用ロボットに備えられている
減速機の近くで作業を行うため、減速機の静音化が求められる。
【0006】
このように、ギヤ同士の噛み合いによる大きな衝突音が発生しない減速機が求められて
いる。本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解消または緩和することである。本発
明の具体的な目的の一つは、優れた静音性を有する減速機を提供することである。本発明
の具体的な目的の一つは、駆動源からの回転が入力される際に発生する衝撃音を低減でき
る減速機を提供することである。本発明の上記以外の目的は、本明細書全体を参照するこ
とにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による減速機は、駆動源から入力された回転を減速して出力する波
動歯車装置と、前記波動歯車装置から出力された回転を減速して出力する減速機構と、を
備える。
【0008】
本発明の一実施形態による減速機において、前記波動歯車装置は、剛性歯車と、前記剛
性歯車と噛み合う可撓性歯車と、を有する。前記減速機構は、内歯を有するケースと、前
記内歯と噛み合う外歯を有する外歯歯車と、前記外歯歯車に連結されたクランク軸と、を
有する。前記クランク軸は、前記剛性歯車に固定されていてもよい。
【0009】
本発明の一実施形態による減速機において、前記クランク軸と前記剛性歯車とがワンピ
ース構造を有する。
【0010】
本発明の一実施形態による減速機において、前記クランク軸は、前記可撓性歯車に固定
されている。
【0011】
本発明の一実施形態による減速機において、前記剛性歯車は、前記ケースに固定されて
いる。
【0012】
本発明の一実施形態による減速機は、前記ケースと相対回転可能に設けられたキャリア
をさらに備える。当該実施形態において、前記剛性歯車は、前記キャリアに固定されてい
る。前記キャリアは、前記剛性歯車の外周面に固定されていてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態による減速機において、前記波動歯車装置は、前記駆動源の出力軸
に固定された波動発生器をさらに有する。
【0014】
本発明の一実施形態による減速機は、内歯を有するケースと、前記内歯と噛み合う外歯
を有する外歯歯車と、前記外歯歯車に連結されたクランク軸と、駆動源から入力された回
転を減速して前記クランク軸へ伝達する波動歯車装置と、を備える。
【0015】
本発明の一実施形態は、ロボットに関する。当該ロボットは、上記の減速機のいずれか
を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態によれば、駆動源からの回転が入力される際に発生する衝撃音を低
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による減速機をその回転軸に沿って切断した断面を示す断面図である。
図2図1の減速機のI-I線に沿った断面を示す断面図である。
図3】本発明の別の実施形態による減速機をその回転軸に沿って切断した断面を示す断面図である。
図4】本発明の別の実施形態による減速機をその回転軸に沿って切断した断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、各図面において共通
する構成要素に対しては同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ず
しも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0019】
図1及び図2参照して、本発明の一実施形態による減速機1について説明する。図1
、減速機1の中心軸Aに沿った断面を示す断面図であり、図2は、減速機1のI-I線に
沿った断面図である。
【0020】
図示のように、減速機1は、波動歯車装置10と、減速機構20と、を備える。波動歯
車装置10は、不図示の駆動源から入力された回転を減速して減速機構20に伝達する。
駆動源は、例えば電動モータである。減速機構20は、波動歯車装置10から入力された
回転を減速して駆動対象の部材に伝達する。減速機1は、産業用ロボットに備えられても
よい。この場合、駆動対象の部材は、例えば産業用ロボットのアームである。
【0021】
波動歯車装置10は、波動発生器11と、波動発生器11の径方向外側に設けられたベ
アリング12と、ベアリング12の径方向外側に設けられた可撓性歯車13と、可撓性歯
車13の径方向外側に設けられた剛性歯車14と、を有する。
【0022】
波動発生器11は、カム11aを有する。カム11aは、中心軸Aに垂直な断面におい
て当該中心軸Aに対して偏心した形状を有する。図示の実施形態では、カム11aは、中
心軸Aに垂直な断面において楕円形の形状を有する。言い換えると、カム11aは、中心
軸Aの方向から視た場合に楕円形を呈する。カム11aの形状は楕円形に限られず、中心
軸Aに対して偏心した任意の形状をとり得る。
【0023】
カム11aには入力軸11cが設けられている。入力軸11cは、カム11aから中心
軸Aに沿ってX2方向に延びている。カム11a及び入力軸11cは、中心軸A方向に延
びる凹部11bを有する。凹部11bは、カム11aを貫通し入力軸11cまで延びてい
る。凹部11bは、駆動源の出力軸(不図示)を受け入れることができる。駆動源の出力
軸は、中心軸Aに沿って凹部11bに挿入される。入力軸11cには、締結具11dが設
けられる。締結具11dは、例えば、中心軸Aに垂直な方向に延びるボルトである。駆動
源の出力軸は、締結具11dにより緩みなく入力軸11cに固定される。このように、駆
動源の出力軸は、入力軸11cを介して波動発生器11に固定される。
【0024】
ベアリング12は、カム11aの外周面に設けられた内輪12aと、可撓性歯車13の
径方向内側に設けられた外輪12bと、内輪12aと外輪12bとの間に保持される転動
体12cと、を備える。内輪12a及び外輪12bは可撓性を有する。ベアリング12は
図2に明瞭に示されているように、カム11aによって外側に押し広げられることによ
り、中心軸Aの方向からの視点でカム11aの形状に倣った形状を有する。図示の実施形
態では、ベアリング12は、カム11aによって押し広げられることにより楕円形を呈し
ている。
【0025】
可撓性歯車13は、ベアリング12を介して波動発生器11の径方向外側に設けられる
。可撓性歯車13は、ベアリング12を介してカム11aに取り付けられる。一実施形態
において、可撓性歯車13は、円筒形状を有する筒部13aと、筒部13aのX2方向の
端から径方向内方に延びるダイヤフラム13bと、筒部13aの外周面に設けられた外歯
13cと、を有する。可撓性歯車13は、少なくともその一部が可撓性を有する。例えば
、可撓性歯車13のうち筒部13aは可撓性を有する。
【0026】
剛性歯車14は、可撓性歯車13の径方向外側に設けられる。剛性歯車14は、リング
形状を有する。剛性歯車14は、その内周面に設けられた内歯14aを有する。剛性歯車
14の外周面には、後述するように、クランク軸21が固定されている。
【0027】
剛性歯車14の内歯14aは、可撓性歯車13の外歯13cの一部と噛み合う。具体的
には、剛性歯車14の内歯14aは、中心軸A周りの周方向におけるカム11aの長軸に
対応する位置において、可撓性歯車13の外歯13cと噛み合う。剛性歯車14の内歯1
4aと可撓性歯車13の外歯13cとが噛み合う位置は、波動発生器11の回転に応じて
周方向において移動する。可撓性歯車13の外歯13cの歯数と剛性歯車14の内歯14
aの歯数とは異なっている。
【0028】
波動歯車装置10の動作について説明する。入力軸11cに駆動源の出力軸から回転が
入力されるとカム11aが中心軸Aの周りで回転する。このカム11aの回転により、可
撓性歯車13の外歯13cと剛性歯車14の内歯14aとが噛み合う噛み合い位置が中心
軸A周りの周方向に移動する。これにより、可撓性歯車13と剛性歯車14との間に相対
回転が発生する。後述するように、図1及び図2に示されている実施形態では、キャリア
24の自転が規制されており、このキャリア24に可撓性歯車13が固定されているため
、カム11aが回転すると剛性歯車14が回転する。そして、この剛性歯車14の回転に
より、剛性歯車14とともにクランク軸21が回転する。このようにして、駆動源から波
動歯車装置10に入力された回転は、波動歯車装置10において第1減速比で減速され、
減速された回転がクランク軸21に出力される。第1減速比は、可撓性歯車13の外歯1
3cの歯数と剛性歯車14の内歯14aの歯数とに基づいて定められる。
【0029】
続いて、減速機構20について説明する。図示の実施形態において、減速機構20は、
クランク軸21と、ニードル軸受22a,22bと、外歯歯車23a,23bと、キャリ
ア24と、キャリアピン25と、円筒ローラ26と、ピン27と、ケース28と、主軸受29a,29bと、ローラ30と、を有する。
【0030】
クランク軸21は、偏心部21aと、中心軸A方向において偏心部21aよりもX2側
に設けられた偏心部21bと、を有する。クランク軸21は、中心軸A方向に延びる貫通
孔21cを有している。既述のとおり、クランク軸21は、剛性歯車14に固定されてい
る。言い換えると、クランク軸21は、剛性歯車14に対して相対回転しないように設け
られている。一実施形態において、クランク軸21の内周面には雌スプラインが設けられ
ており、この雌スプラインが剛性歯車14の外周面に設けられた雄スプラインとスプライ
ン結合する。他の実施形態において、クランク軸21は、剛性歯車14と一体に形成され
る。言い換えると、クランク軸21と剛性歯車14とは一体のワンピース構造を有する。
【0031】
一実施形態において、偏心部21a及び偏心部21bは、円筒形状を有する。この場合
、偏心部21a及び偏心部21bは、中心軸A方向からの視点で、中心軸Aから径方向の
変位した位置に中心を有する円形を呈する。つまり、偏心部21a及び偏心部21bは、
中心軸Aに対して偏心している。偏心部21aと偏心部21bとは互いと異なる位相を有
する。例えば、偏心部21aの位相と偏心部21bの位相とは互いに180°ずれている
【0032】
クランク軸21の径方向外側には、複数のニードル軸受が設けられている。図示の実施
形態においては、偏心部21aの径方向外側にニードル軸受22aが設けられており、偏
心部21bの径方向外側にニードル軸受22bが設けられている。
【0033】
外歯歯車23a及び外歯歯車23bはいずれも概ねリング状の形状を有する。外歯歯車
23aは、その中央に中心軸A方向に延びるクランク孔23a1を有し、外歯歯車23b
は、その中央に中心軸A方向に延びるクランク孔23b1を有する。外歯歯車23aはニ
ードル軸受22aを介してクランク軸21の偏心部21aに設けられ、外歯歯車23bは
ニードル軸受22bを介してクランク軸21の偏心部21bに設けられる。外歯歯車23
a及び外歯歯車23bは、クランク軸21に対して回転可能に設けられる。
【0034】
外歯歯車23aは外歯23a2を有し、外歯歯車23bは外歯23b2を有している。
中心軸Aの方向から視た外歯歯車23a及び外歯23b2の形状は、例えばペリサイクロ
イド曲線となる。外歯歯車23aは、クランク孔23a1の径方向外側に設けられた6つ
のピン孔23a3を有し、外歯歯車23bは、クランク孔23b1の径方向外側に設けら
れた6つのピン孔23b3を有する。ピン孔23a3及びピン孔23b3はそれぞれ、中
心軸A周りの周方向において等間隔で配置されてもよい。ピン孔23a3及びピン孔23
b3は互いに対向する位置に設けられる。
【0035】
外歯歯車23a及び外歯歯車23bの径方向外側には、ケース28が設けられている。
ケース28は、中空の円筒形状を有するケース本体28aと、ケース本体28aの径方向
外側に設けられたフランジ28bと、を有する。フランジ28bは、中心軸A方向に延び
るボルト孔を有する。フランジ28bには、例えば、駆動対象の相手装置(不図示)が連
結される。駆動対象の相手装置は、例えば、産業用ロボットのアームである。駆動対象の
相手装置は、ボルトによりフランジ28bに連結され得る。
【0036】
ケース本体28aの内周面には中心軸Aに沿って延びる溝28a1が複数形成されてい
る。言い換えると、ケース本体28aは、中心軸Aに沿って延びる複数の溝28a1を有
する。複数の溝28a1の各々にはピン27が設けられる。ピン27の数は、外歯歯車2
3a,23bの歯数と異なっている。図示の実施形態では、ピン27の数は、外歯歯車2
3a,23bの歯数よりも1つだけ多い。
【0037】
ケース28の径方向内方には、キャリア24が設けられている。キャリア24は、ケー
ス28に対して相対回転可能に設けられる。キャリア24は、第1キャリア体24aと、
第2キャリア体24bと、を有する。
【0038】
中心軸Aに沿って第1キャリア体24aと第2キャリア体24bとの間には、外歯歯車
23a及び外歯歯車23bが設けられている。第1キャリア体24aは、その中央に中心
軸A方向に延びる貫通孔24a1を有する。駆動源の出力軸は、この貫通孔24a1を通
って波動歯車装置10の入力軸11cへ挿入される。第1キャリア体24aは、貫通孔2
4a1の径方向外側に設けられた6つの貫通孔24a2を有する。貫通孔24a2の各々
は、中心軸Aと平行に延びる。貫通孔24a2は、ピン孔23a3及びピン孔23b3と
対向する位置に設けられる。
【0039】
第2キャリア体24bは、円盤形状を有する基部24b1と、基部24b1の中心付近
からX1方向に突出するセンターボス部24b2と、センターボス部24b2よりも径方
向外方においてX1方向に突出する周辺ボス部24b3と、を有する。図示の実施形態で
は、第2キャリア体24bは、6つの周辺ボス部24b3を有する。
【0040】
センターボス部24b2は、中心軸A方向に延びる穴24b4を有する。穴24b4は
、可撓性歯車13のダイヤフラム13bを受け入れる。可撓性歯車13はダイヤフラム1
3bを介して第2キャリア体24bのセンターボス部24b2に取り付けられる。一実施
形態において、ダイヤフラム13bは、センターボス部24b2に固定される。可撓性歯
車13は、第2キャリア体24bに対して回転不能に取り付けられる。
【0041】
周辺ボス部24b3の各々は、中心軸Aと平行に延びる穴24b5を有する。穴24b5は、ピン孔23a3及びピン孔23b3と対向する位置に設けられる。
【0042】
キャリアピン25は、貫通孔24a2、ピン孔23a3、ピン孔23b3及び穴24b
5内に設けられる。キャリアピン25は、貫通孔24a2、ピン孔23a3、及びピン孔
23b3を貫通し、穴24b5まで延びている。第1キャリア体24aと第2キャリア体
24bとはキャリアピン25により連結されている。
【0043】
第1キャリア体24aは、主軸受29aを介してケース28に設けられている。第2キ
ャリア体24bは、主軸受29bを介してケース28に設けられている。このように、第
1キャリア体24a及び第2キャリア体24bは、ケース28に対して相対回転可能に取
り付けられる。第1キャリア体24aと第2キャリア体24bとはキャリアピン25によ
り連結されているので、第1キャリア体24a及び第2キャリア体24bは一体にケース
28に対して相対回転する。第2キャリア体24bとクランク軸21とは、ローラ30を
介して接続されている。したがって、クランク軸21は、第2キャリア体24bに対して
相対回転することができる。
【0044】
キャリアピン25の外周面には、円筒ローラ26が設けられている。円筒ローラ26は
、キャリアピン25に対して回転可能に設けられている。円筒ローラ26は、キャリアピ
ン25の外周面のうち外歯歯車23aと対向する領域から外歯歯車23bと対向する領域
に亘って設けられる。
【0045】
キャリア24は、その自転が規制されるように他の部材に接続される。ケース28が産
業用ロボットのアームと連結される場合には、キャリア24は、例えば当該産業用ロボッ
トの台座に接続されることによりその自転が規制される。産業用ロボットの台座は、当該
産業用ロボットの設置場所のフロア等の固定面に当該産業用ロボットを固定する。このよ
うにして、キャリア24の自転は規制されている。
【0046】
続いて、減速機1の動作について説明する。既述のように、駆動源からの回転は、波動
歯車装置10で減速され、減速された回転がクランク軸21に出力される。この波動歯車
装置10から入力された回転により、クランク軸21の偏心部21a及び偏心部21bが
中心軸Aの周りで偏心回転する。これにより、クランク軸21が1回自転するごとに、外
歯歯車23a,23bがケース28に対してピン27の数と外歯歯車23a,23bの歯
数との差である1歯分だけ相対回転する。図示の実施形態では、外歯歯車23a,23b
の自転が拘束されているため、ケース28がピン27の数と外歯歯車23a,23bの歯
数との差である1歯分だけ回転する。このようにして、クランク軸21の回転が1/(外
歯歯車23a,23bの歯数)の第2減速比で減速されてケース28に伝達される。
【0047】
以上のようにして、駆動源から減速機1に入力された回転は、波動歯車装置10におい
て第1減速比で減速されて減速機構20に出力され、減速機構20において第2減速比で
減速されてケース28から相手装置に出力される。したがって、減速機1は、第1減速比
と第2減速比との積で表される高い減速比で駆動源からの回転を減速することができる。
【0048】
次に、図3を参照して、本発明の別の実施形態による減速機1について説明する。本発
明の別の実施形態による減速機1は、波動歯車装置10の可撓性歯車が自転可能である一
方で剛性歯車の回転が規制されている点で、図1に示されている減速機1と異なっている
図3に示されている減速機1の構成要素のうち図1に示されている減速機1の構成要素
と同一又は類似のものには図1と同じ又は類似の参照符号を付し、これらの同一又は類似
の構成要素については詳細な説明を省略する。
【0049】
図3に示されている減速機1の波動歯車装置10は、波動発生器11と、波動発生器1
1の径方向外側に設けられたベアリング12と、ベアリング12の径方向外側に設けられ
た可撓性歯車113と、可撓性歯車113の径方向外側に設けられた剛性歯車14と、を
有する。
【0050】
図3に示されている減速機1の減速機構20は、ニードル軸受22a,22bと、外歯
歯車23a,23bと、キャリア124と、キャリアピン25と、円筒ローラ26と、ピ
ン27と、ケース28と、主軸受29a,29bと、ローラ130と、カバー140と、を有する。
【0051】
可撓性歯車113は、ベアリング12を介して波動発生器11の径方向外側に設けられ
る。可撓性歯車113は、円筒形状を有する筒部113aと、筒部113aの外周面に設
けられた外歯113cと、を有する。可撓性歯車113は、少なくともその一部が可撓性
を有する。例えば、可撓性歯車113のうち筒部113aは可撓性を有する。クランク軸
113bは、筒部113aのX2方向の端に設けられている。クランク軸113bは、可
撓性歯車113に固定されている。言い換えると、クランク軸113bは、可撓性歯車1
13に対して相対回転しないように設けられている。一実施形態において、クランク軸1
13bは、可撓性歯車113と一体に形成される。言い換えると、クランク軸113bと
可撓性歯車113とは一体のワンピース構造を有する。
【0052】
クランク軸113bは、偏心部113b1と、中心軸A方向において偏心部113b1
よりもX2側に設けられた偏心部113b2と、偏心部113b2の径方向中心からX2
方向に延びるボス部113b3と、を有する。一実施形態において、偏心部113b1及
び偏心部113b2はそれぞれ、円筒形状を有する。この場合、偏心部113b1及び偏
心部113b2は、中心軸A方向からの視点で中心軸Aから径方向に変位した位置に中心
を有する円形を呈する。このように、偏心部113b1及び偏心部113b2は、中心軸
Aに対して偏心している。偏心部113b1と偏心部113b2とは互いと異なる位相を
有する。例えば、偏心部113b1の位相と偏心部113b2の位相とは互いに180°
ずれている。
【0053】
ボス部113b3の径方向外方には、カバー140が設けられている。カバー140は
、ボス部113b3に対して相対回転しないように設けられている。カバー140は、ボ
ス部113b3とスプライン結合してもよい。カバー140は、ボス部113b3と一体
に設けられてもよい。
【0054】
可撓性歯車113の径方向外側には剛性歯車14が設けられている。剛性歯車14は、
リング形状を有する。剛性歯車14は、その内周面に設けられた内歯14aを有する。
【0055】
剛性歯車14は、接続板125を介してキャリア124に取り付けられている。接続板
125は、リング形状の底部125aと、底部125aの径方向外端からX1方向に延び
る壁部125bと、壁部125bのX1側の端から径方向外方に延びるフランジ125c
と、を有する。接続板125は、その底面125aと壁面125bにおいて剛性歯車14
に接している。接続板125は、剛性歯車14に対して相対回転しないように設けられて
いる。一実施形態において、接続板125は、剛性歯車14とスプライン結合する。接続
板125は、剛性歯車14と一体に形成されてもよい。言い換えると、接続板125と剛
性歯車14とは一体のワンピース構造を有していてもよい。
【0056】
接続板125は、キャリア124に相対回転しないように設けられている。一実施形態
において、フランジ125cにはボルト126を受け入れるボルト孔が設けられており、
接続板125は、ボルト126によりキャリア124の第1キャリア体124aに締結さ
れる。接続板125は、キャリア124の第1キャリア体124aと一体に形成されても
よい。言い換えると、接続板125と第1キャリア体124aとは一体のワンピース構造
を有していてもよい。
【0057】
キャリア124は、ケース28の径方向内方に設けられている。キャリア124は、第
1キャリア体124aと、第2キャリア体124bと、を有する。第1キャリア体124
aと第2キャリア体124bとはキャリアピン25により連結されている。キャリア12
4は、例えば産業用ロボットを固定する台座に連結されることにより、その自転が規制さ
れている。
【0058】
第1キャリア体124aは、中空のリング形状を有する。第1キャリア体124aの中
心に形成された貫通孔には、波動歯車装置10が配置されている。第1キャリア体124
aは、凹部124a1を有している。凹部124a1は、径方向に延びる底面124a2
と、底面124a2の径方向外端からX1方向に延びる壁部124a3と、を有する。凹
部124a1の底面124a2は、接続板125のフランジ125cと対向している。波
動歯車装置10は、第1キャリア体124aの径方向内方に設けられている。
【0059】
第2キャリア体124bは、中空のリング形状を有する。第2キャリア体124bの中
心に形成された貫通孔には、可撓性歯車113のボス部113b3及びカバー140が配
置されている。第2キャリア体124bは、ローラ130を介して可撓性歯車113のボ
ス部113b3及びカバー140を相対回転可能に支持している。
【0060】
減速機1の動作について説明する。波動歯車装置10の入力軸11cに駆動源の出力軸から回転が入力されるとカム11aが中心軸Aの周りで回転する。このカム11aの回転に応じて可撓性歯車113の外歯113cと剛性歯車14の内歯14aとが噛み合う噛み合い位置が中心軸A周りの周方向に移動する。これにより、可撓性歯車113と剛性歯車14との間に相対回転が発生する。図3に示されている実施形態では、キャリア124の自転が規制されており、このキャリア124に剛性歯車14が固定されているため、剛性歯車14の自転も規制されている。よって、カム11aが回転すると可撓性歯車113が回転する。このように、駆動源から波動歯車装置10に入力された回転は、波動歯車装置10において第1減速比で減速され、減速された回転がクランク軸113bに出力される。第1減速比は、可撓性歯車113の外歯113cの歯数と剛性歯車14の内歯14aの歯数とに基づいて定められる。
【0061】
この可撓性歯車113の回転により、クランク軸113bの偏心部113b1及び偏心
部113b2が中心軸Aの周りで偏心回転する。これにより、クランク軸113bが1回
自転するごとに、外歯歯車23a,23bがケース28に対してピン27の数と外歯歯車
23a,23bの歯数との差である1歯分だけ相対回転する。図示の実施形態では、外歯
歯車23a,23bの自転が拘束されているため、ケース28がピン27の数と外歯歯車
23a,23bの歯数との差である1歯分だけ回転する。このようにして、クランク部1
13bの回転が1/(外歯歯車23a,23bの歯数)の第2減速比で減速されてケース
28に伝達される。
【0062】
以上のようにして、駆動源から減速機1に入力された回転は、波動歯車装置10において第1減速比で減速されて減速機構20に出力され、減速機構20において第2減速比で減速されてケース28から相手装置に出力される。
【0063】
次に、図4を参照して、本発明の別の実施形態による減速機1について説明する。本発
明の別の実施形態による減速機1は、キャリアが回転可能である一方でケースの回転が規
制されている点で図3に示されている減速機1と異なっている。図4に示されている減速
機1の構成要素のうち図1及び図3に示されている減速機1の構成要素と同一又は類似の
ものには図1及び図3と同じ又は類似の参照符号を付し、これらの同一又は類似の構成要
素については詳細な説明を省略する。
【0064】
減速機1は、波動歯車装置10と、減速機構20と、を備える。波動歯車装置10は、
波動発生器11と、波動発生器11の径方向外側に設けられたベアリング12と、ベアリ
ング12の径方向外側に設けられた可撓性歯車213と、可撓性歯車213の径方向外側
に設けられた剛性歯車14と、を有する。
【0065】
減速機構20は、ニードル軸受22a,22bと、外歯歯車23a,23bと、キャリ
ア224と、キャリアピン25と、円筒ローラ26と、ピン27と、ケース28と、主軸受29a,29bと、ローラ30と、カバー140と、コネクタ230と、を有する。
【0066】
可撓性歯車213は、ベアリング12を介して波動発生器11の径方向外側に設けられ
る。可撓性歯車213は、円筒形状を有する筒部213aと、筒部213aのX2方向の
端に設けられたクランク軸113bと、筒部213aの外周面に設けられた外歯213c
と、を有する。可撓性歯車213は、少なくともその一部が可撓性を有する。例えば、可
撓性歯車213のうち筒部213aは可撓性を有する。筒部213aは、キャリア224
の第1キャリア体224aのX1方向の端面224a1よりもX1方向に延びている。言
い換えると、筒部213aは、第1キャリア体224aの周方向内側にある第1部位21
3a1と、第1部位からX1方向に延びている第2部位213a2と、を有する。第2部
位は、第1キャリア体224aの端面224a1からX1方向に突出している。外歯21
3cは、筒部213aのうち第2部位213a2の外周面に設けられている。
【0067】
可撓性歯車213の径方向外側には剛性歯車14が設けられている。剛性歯車14は、
リング形状を有する。剛性歯車14は、その内周面に設けられた内歯14aを有する。剛
性歯車14は、可撓性歯車213の筒部213aの第2部位213a2の径方向外方に設
けられている。
【0068】
剛性歯車14は、カップ部材225を介してキャリア224に取り付けられている。カ
ップ部材225は、リング形状の底部225aと、底部225aの径方向外端からX1方
向に延びる壁部225bと、壁部225bのX1側の端から径方向外方に延びるフランジ
225cと、を有する。カップ部材225は、その底面225aと壁面225bとにより
剛性歯車14を支持している。カップ部材225は、剛性歯車14に対して相対回転しな
いように設けられている。一実施形態において、カップ部材225は、剛性歯車14とス
プライン結合する。カップ部材225は、剛性歯車14と一体に形成されてもよい。言い
換えると、カップ部材225と剛性歯車14とは一体のワンピース構造を有していてもよ
い。
【0069】
カップ部材225は、コネクタ230に相対回転しないように設けられている。一実施
形態において、フランジ225cにはボルト226を受け入れるボルト孔が設けられてお
り、カップ部材225は、ボルト226によりコネクタ230に締結される。カップ部材
225は、コネクタ230と一体に形成されてもよい。言い換えると、カップ部材225
とコネクタ230とは一体のワンピース構造を有していてもよい。
【0070】
このように、図4に示されている減速機1において、剛性歯車14は、ケース28に固
定されている。
【0071】
コネクタ230は、円盤形状のベース231と、フランジ233と、ベース231とフ
ランジ233とを接続する接続部232と、を有する。ベース231は、中心軸Aからの
視点で円盤形状を呈する。ベース231の中央には貫通孔が設けられている。ベース23
1は、その内周面とX1側の表面221aの一部とでカップ部材225を支持している。
フランジ233は、中心軸Aの方向からの視点でケース28のフランジ28bと同じ形状
を有する。フランジ233と、ベースの径方向外端からX2方向に延びる。
【0072】
キャリア224は、ケース28の径方向内方に設けられている。キャリア224は、第
1キャリア体224aと、第2キャリア体224bと、を有する。第1キャリア体224
aと第2キャリア体224bとはキャリアピン25により連結されている。キャリア22
4は、例えば産業用ロボットのアームに連結される。
【0073】
ケース28は、例えば当該産業用ロボットの台座に接続されることによりその自転が規
制される。
【0074】
第1キャリア体224aは、中空のリング形状を有する。第2キャリア体224bは、
第2キャリア体124bと同じ又は同様の形状を有する。
【0075】
減速機1の動作について説明する。波動歯車装置10の入力軸11cに駆動源の出力軸
から回転が入力されるとカム11aが中心軸Aの周りで回転する。このカム11aの回転
に応じて可撓性歯車213の外歯213cと剛性歯車14の内歯14aとが噛み合う噛み
合い位置が中心軸A周りの周方向に移動する。これにより、可撓性歯車213と剛性歯車
14との間に相対回転が発生する。図4に示されている実施形態では、ケース28の自転
が規制されており、このケース28に剛性歯車14が固定されているため、剛性歯車14
の自転も規制されている。よって、カム11aが回転すると可撓性歯車213が回転する
。このように、駆動源から波動歯車装置10に入力された回転は、波動歯車装置10にお
いて第1減速比で減速され、減速された回転がクランク軸113bに出力される。第1減
速比は、可撓性歯車213の外歯213cの歯数と剛性歯車14の内歯14aの歯数とに
基づいて定められる。
【0076】
この可撓性歯車213の回転により、クランク軸113bの偏心部113b1及び偏心
部113b2が中心軸Aの周りで偏心回転する。これにより、クランク軸113bが1回
自転するごとに、外歯歯車23a,23bがケース28に対してピン27の数と外歯歯車
23a,23bの歯数との差である1歯分だけ相対回転する。図示の実施形態では、ケー
ス28の自転が拘束されているため、外歯歯車23a,23bがピン27の数と外歯歯車
23a,23bの歯数との差である1歯分だけ回転する。このようにして、クランク軸1
13bの回転が1/(外歯歯車23a,23bの歯数)の第2減速比で減速されてケース
28に伝達される。
【0077】
以上のようにして、駆動源から減速機1に入力された回転は、波動歯車装置10におい
て第1減速比で減速されて減速機構20に出力され、減速機構20において第2減速比で
減速されてキャリア224から相手装置に出力される。
【0078】
続いて、上記実施形態が奏する作用効果について説明する。上記の実施形態において、
減速機1は、駆動源から入力された回転を減速して出力する波動歯車装置10と、前記波
動歯車装置から出力された回転を減速して出力する減速機構20と、を備える。当該実施
形態によれば、駆動源からの回転が波動歯車減速機に入力される。よって、減速機1にお
いては、ギヤ同士が、減速される前の駆動源の回転速度で衝突することがない。これによ
り、入力される回転の回転速度で回転するギヤが他のギヤ(例えば、スパーギヤ)と衝突
することによる大きな衝撃音の発生を防止できる。
【0079】
上記の実施形態において、クランク軸21は、剛性歯車14の外周面に固定されている
。これにより、減速機1の軸方向の寸法が小型化される。
【0080】
上記の実施形態において、クランク軸21と剛性歯車とがワンピース構造を有する。こ
れにより、部品点数を削減することができる。
【0081】
上記の実施形態において、クランク軸113bは、可撓性歯車113又は可撓性歯車2
13に固定されている。これにより、部品点数を削減することができる。
【0082】
上記の実施形態において、剛性歯車14は、ケース28に固定されされている。これに
より、キャリア224から減速された回転を出力することができる。
【0083】
上記の実施形態において、波動歯車装置10は、第1キャリア体124aの径方向内方
に設けられている。これにより、減速機1の軸方向の寸法が小型化される。
【0084】
上記の実施形態において、剛性歯車14は、キャリア124に固定されている。これに
より、ケース28から減速された回転を出力することができる。
【0085】
上記の実施形態において、波動歯車装置10は、駆動源の出力軸に固定された波動発生
器11を有する。これにより、駆動源の出力軸の回転は、この出力軸に固定された波動発
生器11にに入力されるので、駆動源の回転速度で回転するギヤが他のギヤと衝突すると
き発生する大きな衝撃音の発生を防止できる。
【0086】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説
明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、
材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に
説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態に
おいて説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【0087】
上記の各実施形態は、適宜組み合わされてもよい。複数の実施形態を組み合わせることで
実現される態様も、本発明の一実施形態となり得る。
【符号の説明】
【0088】
1 減速機
10 波動歯車装置
20 減速機構
11 波動発生器
12 ベアリング
13,113,213 可撓性歯車
14 剛性歯車
21,113b クランク軸
22a,22b ニードル軸受
23a,23b 外歯歯車
24,124,224 キャリア
25 キャリアピン
26 円筒ローラ
27 ピン
28 ケース
29a,29b 主軸受
30,130 ローラ
140 カバー
230 コネクタ
図1
図2
図3
図4