(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】吸入器
(51)【国際特許分類】
A61M 15/00 20060101AFI20221130BHJP
A61M 13/00 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
A61M13/00
(21)【出願番号】P 2018543335
(86)(22)【出願日】2017-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2017053728
(87)【国際公開番号】W WO2017144386
(87)【国際公開日】2017-08-31
【審査請求日】2020-01-14
(32)【優先日】2016-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ホラコフスキー ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ベッセラー イェンス
(72)【発明者】
【氏名】フレンツェル-バイメ ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン フランク
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-041668(JP,A)
【文献】特表2009-533111(JP,A)
【文献】特表2005-520603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 11/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能であり、かつ、カプセル(3)に製剤(2)の事前投与された投与量を含有するマガジン(5)からの粉体形態の製剤(2)の吸入のためのものであり、各ケースの前記カプセル(3)は製剤の1回投与量を含有し、平坦又はディスク形状であるハウジング(17)及びハウジング部分(24)を有する吸入器(1)であって、
前記ハウジングは平坦又はディスク状であり、かつ、主平面(E)を有し、
前記マガジンは、円形、かつ、前記ハウジングに対して回転可能であり、前記マガジン(5)が、カプセルチャンバ(4)内に複数のカプセル(3)を有し、カプセルチャンバ(4)は環状方式で配置されており、前記カプセル(3)および/または前記カプセルチャンバ(4)は、それぞれの該カプセル(3)からの前記製剤(2)の投薬が固定要素(14)の取り外しなしで可能であるように、共通の固定要素(14)によって前記マガジン(5)上又は内に固定されており、前記固定要素(14)は、ワイヤの形態にあり、及び/又は締め付けリングとして構成されており、
前記マガジンは前記ハウジングに収容され、中心軸周りに回転可能であり、
前記ハウジングは、当該ハウジングの外周に開口を有し、前記ハウジング部分は前記開口に取り付けられ、
前記ハウジング部分(24)は、交換可能であり、かつ、前記回転可能なマガジン(5)に該マガジン(5)の交換を容易にするために切り離し不能に結合され、前記マガジン(5)は前記ハウジング部分(24)に回転可能に装着されており、
前記ハウジング部分は、前記マガジンを前記ハウジング内に挿入するように、前記ハウジングの前記開口に取り付けられており、
前記ハウジング部分及び前記マガジン(5)は、前記マガジン(5)及び前記ハウジング(17)の主平面(E)に平行な方向に、前記吸入器(1)の前記ハウジング(17)に挿入される、
ことを特徴とする吸入器(1)。
【請求項2】
前記ハウジング部
分(24)は、前記マガジン(5)及び/又はハウジング(17)に沿って円周部分を形成することを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記マガジン(5)は、軸方向に延びる突起(29)を有し、前記突起(29)は、前記ハウジング部分(24)に対応するように形成された環状溝部分(31)に係合する、または、当該環状溝部分(31)に案内されることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸入器。
【請求項4】
前記ハウジング部
分(24)は、第1の符号化要素(27)を有し、前記ハウジング(17)は、第2の符号化要素(28)を有し、符号化が適合する時に前記2つの符号化要素(27、28)が互いに係合し、これにより、前記符号化が適合する時に該ハウジング部
分(24)に関連付けられた前記マガジン(5)を吸入器(1)の中に挿入することができ、前記2つの符号化要素(27、28)は凸部と、前記凸部を受け入れられる凹部である、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項5】
吸入器(1)のマウスピース(15)のカバー(18)が、該マウスピース(15)の開放又は閉鎖のための該カバー(18)のピボット回転が前記マガジン(5)を段階的に回転させるように該マガジン(5)に結合されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項6】
マウスピース(15)の開放又は閉鎖のための前記マウスピース(15)のカバー(18)のピボット回転が、前記マガジン(5)の回転のためにバネ要素(52)を付勢する、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の
吸入器。
【請求項7】
前記カプセルチャンバ(4)は、前記マガジン(5)の回転軸(D)を中心とした円形に配置され、
前記カプセル(3)は細長く、かつ、それらの長手軸線が前記マガジンの平面に対して又は前記マガジン(5)の回転軸(D)に対して斜めになるように、向けられる、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項8】
前記吸入器(1)は開封デバイス(6)を有し、当該開封デバイス(6)はカプセルチャンバ(4)内のカプセル(3)を穿刺するための少なくとも1つのニードル(7)を有し、前記マガジンは、少なくとも1つのニードル開口部(8)を各カプセルチャンバの壁面に有し、穿刺又はニードル開口部(8)が、前記カプセルチャンバ(4)内に事前形成されるか又は薄壁開口部位として構成される、
請求項7に記載の吸入器。
【請求項9】
前記吸入器(1)は開封デバイス(6)を有し、当該開封デバイス(6)はカプセルチャンバ(4)内のカプセル(3)を、前記カプセルチャンバ(4)内の少なくとも1つのニードル開口部(8)を通して穿刺するための少なくとも1つのニードル(7)を有し、前記マガジンは、少なくとも1つのニードル開口部(8)を各カプセルチャンバの壁面に有し、前記カプセルチャンバ(4)の前記ニードル開口部(8)が、自己閉鎖式である、
請求項7に記載の吸入器。
【請求項10】
カプセル(3)からの粉体形態にある製剤(2)の吸入のための吸入器(1)であって、該カプセル(3)がマガジン(5)に受け入れられ、該吸入器(1)が、カプセルチャンバ(4)内のカプセル(3)を該カプセルチャンバ(4)内の少なくとも1つのニードル開口部(8)を通して穿刺するための少なくとも1つのニードル(7)を有する開封デバイス(6)、並びに該吸入中に該ニードル開口部(8)を閉鎖するための閉鎖デバイスを有し、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のものである前記吸入器(1)であって、
前記閉鎖デバイスは、前記ニードル開口部(8)を閉鎖するために前記カプセルチャンバ(4)に外部的に適用することができる密封要素(50)を含むか又はそれによって形成される、
ことを特徴とする吸入器(1)。
【請求項11】
前記密封要素(50)は、平坦又はプレート形状であり、かつ/又は
前記密封要素(50)は、前記ニードル開口部(8)と合致することができる同様の開口を有する、
請求項10に記載の吸入器。
【請求項12】
前記密封要素(50)は、吸入中にカプセルチャンバ(4)の外側からカプセルチャンバ(4)の前記ニードル開口部(8)を覆うように自動的に変位し、かつ/又は、
前記外側から前記カプセルチャンバ(4)又は前記ニードル開口部に対して付勢される、
請求項10
又は11に記載の吸入器。
【請求項13】
前記密封要素(50)は、前記ニードル開口部(8)に対して横断方向に移動可能又は変位可能である、
ことを特徴とする請求項10~12の何れか1項に記載の吸入器。
【請求項14】
前記吸入器のマウスピース(15)が移動可能であり、前記密封要素が前記マウスピース(15)と共に前記カプセルチャンバ(4)に対して移動可能または変位可能である、
請求項12又は13に記載の吸入器。
【請求項15】
前記カプセルチャンバ(4)が、前記マガジン(5)の中にプレハブ部品として挿入され、
前記カプセル(3)は、細長く、かつそれらの長手軸線を前記リングの平面(E)又はマガジン(5)の回転軸(D)に対して斜めになるように向けられる、
ことを特徴とする、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項16】
マガジン(5)が、前記カプセルチャンバ(4)を受け入れるための一体的又は多部品支持体(33)を有することを特徴とする請求項15に記載の吸入器。
【請求項17】
前記支持体(33)は、可撓性又はゴム弾性であることを特徴とする請求項16に記載の
吸入器。
【請求項18】
前記支持体(33)は、剛性であることを特徴とする請求項16に記載の
吸入器。
【請求項19】
前記固定要素(14)は、マガジン(5)の外周上に配置されることを特徴とする請求項15から請求項18のいずれか1項に記載の
吸入器。
【請求項20】
前記カプセル(3)及び/又はカプセルチャンバ(4)は、半径方向に向けられることを特徴とする請求項15から請求項19のいずれか1項に記載の
吸入器。
【請求項21】
穿刺又はニードル開口部(8)が、前記カプセルチャンバ(4)内に事前形成されるか又は薄壁開口部位として構成されることを特徴とする請求項15から請求項20のいずれか1項に記載の
吸入器。
【請求項22】
前記カプセルチャンバ(4)は、自己閉鎖式であるニードル開口部(8)を有することを特徴とする請求項15から請求項21のいずれか1項に記載の
吸入器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1又は請求項6の前文に記載の吸入器及び請求項9の前文に記載のマガジンに関する。
【0002】
本発明は、特に、好ましくは粉体形態にある製剤の放出又は吸入のための吸入器、すなわち、粉体吸入器に関する。
【背景技術】
【0003】
製剤は、特に治療薬剤又は医薬調剤である。従って、特に、製剤は、少なくとも1つの活物質を含有するか又はそれから構成される。すなわち、製剤は、特に医療処置又は他の治療目的に寄与する。
【0004】
US 2002/170560 A1は、医薬粉体の複数の投与量がブリスター単位でその上に位置付けられるブリスターディスクを含有する粉体吸入器を開示している。ブリスターディスクは、底板と上側カバー間に交換可能にブリスターディスクと共に挿入される引出インサート上に配置される。ダストキャップによって閉じることができるマウスピースが、底板上に装着される。吸入器は、ピボット回転式に移動可能なアクチュエータを有し、その起動中に、吸入器の内部にあるブリスターは、第1の方向の方向に開かれる。アクチュエータの反対のピボット回転式移動の事例では、ブリスターディスクは、次のブリスターの位置決めのために引出内で前方に移動される。
【0005】
WO 02/36189 A1は、本体とそれに対して移動可能なホルダとを有し、かつ医薬品担体を有するカセットをその内部に受け入れることができる医薬品投薬器を開示している。医薬品担体は、粉体形態の医薬品の複数の個別の投与量を有するブリスターストリップであり、デバイスは、この投与量を吸入に利用可能にする機構を有する。本体に対するホルダの移動は、第1及び第2の位置間のカセットの移動をもたらし、第2の位置では、カセットは、ホルダから可逆に取り外し可能である。第1の位置は、カセットの医薬品投薬位置である。
【0006】
本発明では、製剤は、カプセルに保持され、各カプセルは、製剤の1回投与量を含有する。すなわち、製剤は、カプセル内に事前投与される。本発明では、用語「カプセル」は、主として、特に互いに別々に操作及び/又は開封することができる固体の又は少なくとも実質的に剛性の特に密であり、一体的であり、閉じた及び/又は連続的なシェルを有する1次容器を意味するように理解しなければならない。好ましくは、本発明による更に別の意味において、用語「カプセル」は、特に互いに別々に操作及び/又は開封することができる各場合に製剤の投与量を有する他の容器又はパッケージなどを意味することも理解しなければならない。
【0007】
EP 0 147 755 A2は、細長いカプセルからの粉体形態の医薬品調剤の吸入のための吸入器を開示している。吸入器は、各場合にカプセルを手動でその中に導入することができるカプセルチャンバを有する。カプセルは、長手方向に穿刺され、それによってカプセルチャンバ内の開封デバイスの手動起動によって開封される。吸入中に、カプセルチャンバを通って流れる空気ストリームは、カプセルがカプセルチャンバ内で前後に移動されることをもたらし、粉体形態の医薬調剤は、空気ストリームに放出されて分散される。本発明は、特にこの原理を使用するが、それは、製剤を放出するための他の技術に使用することもできる。
【0008】
WO 2005/049121 A1は、複数のカプセルを有する粉体吸入器を開示している。円筒形カプセルは、レールによって互いの背後に直立に案内されるか又はチェーン方式で互いに接続される。
【0009】
WO 2007/118648 A1は、特にカプセルがそこに保持された複数のカプセルチャンバを有して各カプセルチャンバが特に1回だけ使用される粉体吸入器を開示している。カプセル及びカプセルチャンバは、半径方向に向けることができ、カプセルチャンバの出口開口部は、共通カバーで覆うことができる。この場合に、カプセル及びカプセルチャンバはまた、2つの軸線方向にオフセットされた平面に配置することができる。別の実施形態により、吸入器はまた、吸入中に順次空にされる個々のカプセルを保持するための1つのカプセルチャンバだけを有することができる。更に、ピボット回転中に、マウスピースカバーは、カプセルを前方にかつ個々にカプセルチャンバの中に移動することができる。
【0010】
WO 2011/039307 A2は、カプセルからの粉体形態の医薬調剤の吸入のための吸入器を開示しており、吸入器は、隣接する投薬チャネルを有するカプセルチャンバを形成する交換可能チューブを有し、カプセルは、カプセルチャンバ内に事前に挿入されている。交換可能チューブは、それぞれのカプセルを穿刺するためのニードルに対する開口部を有し、開口部は、膜によって自動的に閉鎖することができる。
【0011】
本発明の意味でのカプセルチャンバは、好ましくは、それぞれのカプセルが、空にするために特に前後に移動可能であるか、又は別の方式で移動することができるか、又は振動又は揺動させることができる特に細長又は円筒形チャンバを有する少なくとも実質的に剛性又は強固な及び/又は細長の容器又はカプセルハウジングである。カプセルチャンバは、好ましくは、特に両端又はその端面に空気のための入口及び出口を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】US 2002/170560 A1
【文献】WO 02/36189 A1
【文献】EP 0 147 755 A2
【文献】WO 2005/049121 A1
【文献】WO 2007/118648 A1
【文献】WO 2011/039307 A2
【文献】WO 00/07572 A2
【文献】EP 0 147 455 A2
【文献】WO 2009/115200 A1
【文献】EP 2 614 848 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、簡単な取り扱い及び/又は単純又は小型の設計を可能にする吸入器及びマガジンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的は、請求項1又は請求項6に記載の吸入器により、又は請求項9に記載のマガジンによって達成される。有利な展開は、従属請求項の主題である。
【0015】
本発明の一態様により、吸入器又はそのハウジングは、好ましくは、吸入される製剤を有するカプセルをそれ自体が含有する回転可能マガジンに切り離し不能に結合された挿入可能又は交換可能なハウジング部品を有する。それによってマガジンの非常に簡単、確実、及び/又は直感的な挿入又は交換が可能になる。
【0016】
吸入器又はそのハウジングは、好ましくは、平坦及び/又は実質的にディスク状又は円板状の形状を有し、好ましくは環状のマガジンが、吸入器又はハウジングの中に横方向又は半径方向に挿入される。交換可能ハウジング部品のない吸入器又はそのハウジングは、好ましくは、マガジンのための横方向に配置された挿入開口部を有する(「横方向」は、ここではデバイスの主平面に対して横断方向に位置付けられたデバイスの1又は複数の縁部領域に関連する)。特に、マガジンに結合されたハウジング部品は、挿入開口部を閉鎖する(マガジンが吸入器に挿入された時)。挿入開口部の横方向配置に起因して又はマガジンの横方向挿入に起因して、挿入開口部の断面は、外部からの汚染への吸入器の内部の露出が可能な限り少ないように可能な限り小さく保つことができる。マガジンは、好ましくは、吸入器の中に直線移動で挿入される。
【0017】
本発明の別の態様により、マガジンは、好ましくは、吸入器のマウスピースに関連付けられたカバーの開放及び/又は閉鎖によって段階的に移動又は回転させることができ、移動段階は、カバーの開放又は閉鎖によってマガジンがマウスピースに対して1つのカプセルから次のカプセルまで更に移動又は更に回転されるように特に設計される。必要に応じて、この駆動はまた、カバーが、一方で所要の移動を適切な時点に達成するストレージ要素又はバネ要素を駆動又は引張するという点で間接的に行うことができる。
【0018】
これに代えて又はこれに加えて、ノブなどのような起動要素の起動により、マガジンは、次のカプセルまで更に移動又は更に回転させることができることも可能である。例えば、起動要素の起動はまた、対応する可能化の後のバネ機構又は他のエネルギ蓄積器の力又はエネルギにより、マガジンを特に次のカプセル又はカプセルチャンバまでのみ更に移動又は更に回転させることができるような更なる移動だけを可能にすることができる。本発明の更に別の態様は、吸入器が、好ましくは、吸入中のニードル開口部の閉鎖に向けてカプセルチャンバに外部から適用することができる密封要素を有することである。これによって単純な構造及び確実な作動が可能になる。
【0019】
本発明の別の態様により、カプセルチャンバは、好ましくは、プレハブ部品としてマガジンの中に挿入される。これによって単純な又は最適化された構造が可能になり、異なる材料を例えば一方でカプセルに対して、他方でカプセルを保持するためのマガジンの支持体に対して使用することができる。
【0020】
本発明の別の態様により、カプセル又はカプセルチャンバは、好ましくは、共通の特に環状の固定要素によってマガジン上又は内に、それらがカプセルチャンバに又はマガジンに留まり、かつ同時に開口部、特に出口開口部がカプセルの開封後にそれぞれのカプセルからの製剤の投薬が依然として可能であるように設けられるように固定される。特に、固定要素は、ワイヤ及び/又は締め付けングの形態にある。固定要素は、好ましくは、マガジンの外周上に配置される。これは、特にカプセルによるカプセルチャンバの充填及びカプセルチャンバ内のその保持に関して単純な構造を可能にする。
【0021】
固定要素の取り外しの後に、マガジンは、使用後に空にすることができると考えられ、すなわち、使用済みカプセルは、取り外して新しいカプセルで再充填することができると考えられる。しかし、直前の使用からの製剤残留物がカプセルチャンバに付着しないことを確実にするために、マガジンは、新しいカプセルの挿入及び新しい固定要素の取り付けの前に完全に洗浄しなければならない。固定要素が実際に正しく取り付けられることは重要であるので、マガジンは、好ましくは、吸入器の中に一度だけ挿入され、又は各カプセルチャンバは一度だけ使用され、すなわち、マガジン及びそれに関連付けられたハウジング部品は、好ましくは、使い捨て部分を形成する。
【0022】
本発明の更に別の態様により、カプセルは、好ましくは、細長く、かつそれらの長手軸線をリングの平面又はマガジンの回転軸に対して斜めにして向けられる。これは、それが、ユーザにとって快適である平坦面上の吸入器の湾曲及び/又は穿刺デバイスのような作動要素の傾いた配置を可能にするので、単純及び/又は小型の構造、及び/又は単純又は直感的な取り扱いを可能にする。
【0023】
上述の態様、並びに以下の説明によって開示する本発明の態様は、互いに独立に、同じくいずれかの組合せで効果を発揮することができる。
【0024】
本発明の個々の態様、特徴、特性、及び利点は、特許請求の範囲及び図面を参照する好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】機能原理の例示のための提案する吸入器の概略断面図である。
【
図2】第1の提案実施形態による吸入器の平面図である。
【
図3】別々のマガジンとハウジング部品を有する
図2に記載の吸入器の分解組立図である。
【
図4】吸入器の中へのマガジン及びハウジング部品の挿入の概略図である。
【
図6】マガジン及びハウジング部品の半径方向の断面詳細図である。
【
図8】マガジンのカプセルチャンバの斜視図である。
【
図9】マガジンを駆動するためのデバイスを有する起動要素の領域内で吸入器を通る概略断面図である。
【
図10】第2の実施形態による提案するマガジンの斜視図である。
【
図11】第2の実施形態による提案する吸入器の側面図である。
【
図13】第3の実施形態による提案するマガジンの斜視図である。
【
図14】第3の実施形態による提案する吸入器の斜視図である。
【
図15】マウスピース及び開封デバイスの領域内の
図14に記載の吸入器の別の概略図である。
【
図17】第4の実施形態による提案する吸入器の斜視図である。
【
図18】開始位置にある
図17に記載の吸入器を通る概略垂直断面図である。
【
図19】起動穿刺位置にある
図17に記載の吸入器を通る概略垂直断面図である。
【
図20】穿刺デバイスの起動後の
図17に記載の吸入器を通る概略垂直断面図である。
【
図21】マウスピースが持ち上げられた又は引き離された
図17に記載の吸入器を通る概略垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面では、反復説明を省略している場合であっても同じか又は類似の部分に対して同じ参照記号を使用する。特に、同じか又は対応する利点及び特性も同じく明らかである。個々の図面は、表現又は簡略化の理由から正確な縮尺ではない場合もある。
【0027】
図1は、提案する吸入器1の基本構造又は基本的な機能原理を概略断面図内に示している。これに関する説明は、後に説明する全ての実施形態に特に相応にかつ追加的に適用される。
【0028】
好ましくは、吸入器1は、可搬であるように設計され、かつ特に単に機械的に作動する。
【0029】
吸入器1は、特に、好ましくは、粉体形態にある製剤2のカプセル3からの吸入のための放出又は霧化に寄与する。この場合に、製剤2は、カプセル3内に受け入れられる投与量で事前投与される。カプセル3は、必要に応じて様々な製剤2を含有することができる。
【0030】
製剤2は、特に冒頭に示した意味での製剤である。
【0031】
カプセル3は、特に冒頭に示した意味でのカプセルである。
【0032】
この概略断面図には、カプセル3を吸入器1のカプセルチャンバ4の内側に示している。カプセル3はまだ閉鎖されており、すなわち、まだ開封されていない。
【0033】
カプセルチャンバ4は、特に冒頭に示した意味でのカプセルチャンバである。
【0034】
カプセル3は、好ましくは、細長のものである。しかし、原理的には、カプセル3は、あらゆる他の適切な形状を有することができ、例えば、球形とすることができる。
【0035】
原理的に、カプセル3は、あらゆる適切な材料から製造又は構成することができる。好ましくは、ゼラチンがカプセル材料として使用される。この場合に、ゼラチンは、ポリエチレングリコール(PEG)、好ましくは、PEG 3350、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、PEO-PPOブロックコポリマー、並びに他のポリアルコール及びポリエーテルから構成される群から選択される他の添加物との混合物に使用することができる。特に好ましくは、ゼラチンは、PEG、好ましくは、PEG 3350との混合物に使用される。ゼラチンカプセル3は、特に好ましくは、1%から10%(重量%)、好ましくは、3%から8%の比率でPEGを含む。特に好ましくは、ゼラチンカプセル3は4%から6%の比率でPEGを含み、約5%のPEG比率が最も好ましい。ゼラチン含有カプセル材料の場合に、好ましくは、カプセル3は、12%未満、特に好ましくは、≦10%のTews又はハロゲン乾燥剤含水量を有する。
【0036】
カプセル材料としてセルロース誘導体が使用される場合に、ヒドロプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロースの使用が好ましい。この場合に、カプセル材料としてヒドロプロピルメチルセルロース(HPMC)が特に好ましく、特にHPMC2910が好適である。カプセル材料としてセルロース誘導体が使用される場合に、Tews又はハロゲン乾燥材含水量の度合いは、好ましくは、8%未満、特に好ましくは5%未満である。最も好ましくは、チオトロピウム含有吸入粉体を充填する前に、セルロース誘導体で作られた吸入カプセル3は、4%未満、特に好ましくは2%未満のTews又はハロゲン乾燥剤含水量まで乾燥させる。
【0037】
カプセル3の各々は、特にWO 00/07572 A2に開示するように、カプセル本体とカプセルキャップで構成することができる。従って、WO 00/07572 A2の全内容を本明細書に明示的に引用する。この二部構造では、カプセル材料として特にプラスチック材料が使用される。特に、カプセル本体とカプセルキャップは、同じ材料から構成される。これらは、定められた容積を有する安定した閉鎖空洞が形成されるように互いに接続される。この場合に、プラスチック材料、特にポリエチレンが特に好ましく使用される。カプセル3は、カプセルキャップをカプセル本体に強固に接続するラッチ要素を有することができる。
【0038】
カプセル3及び任意的にカプセルチャンバ4(複数のカプセルチャンバ4が存在する場合)は、好ましくは、吸入器1のマガジン5内に保持される。
図1に記載の概略断面図には、マガジン5を概略的にしか示していない。
【0039】
マガジン5は、特に平坦、ディスク状、又は環状である。特に、マガジン5は中心平面又は主平面Eを有する。
【0040】
マガジン5は、好ましくは、吸入器1内に挿入される及び/又は吸入器1内で交換することができる。
【0041】
カプセル3及び任意的にカプセルチャンバ4は、マガジン5内又は上で好ましくは少なくとも実質的に環状方式で、好ましくは少なくとも実質的に半径方向の向きに配置される又は受け入れられる。
【0042】
マガジン5は、この場合に、特に好ましくは、
図1に記載の例に示すようにカプセル3を個々に放出位置Aに運び入れるために、特に、マガジン5を1つのカプセル3から次のカプセル3に移動する、搬送する、又は(更に)回転させることができるように、吸入器1内で平面Eに対して好ましくは垂直な回転軸Dの周りに移動可能又は回転可能である。
【0043】
上述のように、各カプセル3は、好ましくは、製剤2の1回の投与量を含む。マガジン5は複数のカプセル3及び対応する回数の投与量を含むので、吸入器1は、ユーザ又は患者に1週間、数週間、又は1ヶ月にわたってさえも製剤2、すなわち、医薬品などが供給されることを確実にすることができる。
【0044】
カプセル3は、好ましくは、吸入器1内で個々に開封することができる。開封するために、吸入器1は、カプセルチャンバ4、カプセル3、又は放出位置Aに関連付けられた開封デバイス6を有する。必要に応じて、各場合にカプセルチャンバ4又はカプセル3に関連付けられた複数の開封デバイス6を設けることができる。しかし、好ましくは、1つだけの共通開封デバイス6が設けられる。
【0045】
カプセル3の開封は、各場合に好ましくは穿刺によって行われる。この目的のために、好ましくは、開封デバイス6は、ニードル7のような少なくとも1つの穿刺要素を有し、この例には2つのニードル7を示している。
【0046】
任意的に、吸入器1又はそのハウジング17は、
図1に示すようにニードルガイド53を有することができる。これに代えて又はこれに加えて、カプセルチャンバ4が、ニードルガイド54を有することができる。ガイド53、54は、穿刺要素又はニードル7を長手方向の移動において案内するために、特に管状又は切り株形とすることができる。しかし、他の構造ソリューションも可能である。
【0047】
好ましくは、カプセルチャンバ4は、穿刺要素又はニードル7に対して対応する穿刺開口部、この場合はニードル開口部8を有する。好ましくは、穿刺要素は、前方に移動されて穿刺開口部内に入り、それを閉鎖する。好ましくは、開封デバイス6は、カプセル3の開封後の吸入中に少なくとも広い範囲で穿刺開口部を密封するためにこの位置を取る。しかし、特に内部及び/又は外部からの又は自発的又は自動的な穿刺開口部閉鎖又は閉鎖デバイスによる他のタイプの閉鎖又は密封も可能である。密封又は閉鎖に向けて、例えば、自己密封膜又は追加の密封要素などを使用することができる。
【0048】
好ましくは、それぞれのカプセル3の横方向開封又は横方向穿刺が行われる。この目的のために、好ましくは、細長カプセル3は、主流れ方向又はカプセルチャンバ4の長手軸線に対して長手方向、又は横方向、及び/又は横断方向に穿刺され、それによって開封することができる。
【0049】
特に好ましくは、カプセル3は、開封中にその2つの端部の領域内で、及び/又は横方向に穿刺される。
【0050】
好ましくは、カプセル3の穿刺又は開封は、EP 0 147 455 A2に記載されているように行われ、この点に関して、この文献の全内容を本明細書に引用する。
【0051】
好ましくは、開封デバイス6は、特に手動で起動することができる起動要素9を有する。好ましくは、起動要素9の起動、押下、又は押入みによってそれぞれのカプセル3を穿刺することができる。
【0052】
図示の例では、穿刺要素又はニードル7は、好ましくは、起動要素9に強固に接続される。しかし、他の設計ソリューションも可能である。
【0053】
好ましくは、開封デバイス6又は起動要素9は、少なくとも1つのバネ10のような復帰要素の力に対抗して起動することができる。復帰要素又はバネ10を使用することにより、起動要素9の起動又は解除後に、穿刺要素又はニードル7は、好ましくは、
図1に示す後退開始位置に戻る。しかし、他の構造ソリューションも可能である。
【0054】
この図に示す吸入器1は、各々の中にカプセル3を受け入れることができ、各場合に特に一度だけしか使用することができない複数のカプセルチャンバ4を有する。しかし、説明する多くの機能は、放出又は空にするためにカプセル3が順次内部に受け入れられる1つのカプセルチャンバ4だけを有する吸入器に当て嵌めることができる。この場合に、カプセルチャンバ4は、引き続き複数回使用される。
【0055】
カプセルチャンバ4は、必要に応じて1又は2以上の部品で形成される。この目的のために、カプセルチャンバ4は、様々な材料から及び/又は二成分射出モールド成形によって構成又は製造することができる。
【0056】
好ましくは、カプセルチャンバ4は、カプセル3のためのカプセルチャンバ4の特に細長、円筒形、又は中心の移動領域又は受け入れ領域に特に軸線方向に又は端面上で隣接する入口11及び出口12を有する。
【0057】
特に好ましくは、カプセル3に対する止め具又は移動制限器を形成する環状肩部13などが好ましくは形成されるように、入口11は、カプセル3に対する受け入れ領域に対して減径される。
【0058】
好ましくは、出口12は、それに関連付けられた固定要素14を有し、これは、例えば、格子方式で形成され、及び/又は受け入れ領域又はカプセルチャンバ4から抜け出すカプセル3の移動を防止する。
【0059】
要件及び設計に基づいて、固定要素14は、マガジン5又はカプセルチャンバ4に関連付けられる及び/又はこれらの上に配置することができるが、必要に応じて吸入器1、マウスピース15、又は接続部分16によって形成又は保持することができる。
【0060】
好ましくは、幾何学的条件は、EP 0 147 755 A2に記載の詳細に少なくとも実質的に対応し、この点に関して、この文献を追加の開示として本明細書に導入する。
【0061】
吸入又は放出中に、空気又は他のガスが入口11を通ってカプセルチャンバ4内に流れ込み、そこを又はその受け入れ領域を通って好ましくは反対の出口12から流れ出す。この空気ストリーム又はガスストリームは、吸入中の息の吸い込みにより、及び/又は吸入器1に関連付けられた圧力発生器、例えば、空気ポンプ又は圧縮ガスタンクなどによって生成することができる。
【0062】
カプセルチャンバ4を通るこの空気ストリームは、特にベルヌーイ効果に起因して、カプセルチャンバ4内のカプセル3が
図1に記載の矢印Bに示すように特に軸線方向に前後に振動又は揺動するという効果を有する。この移動又は振動Bは、開封又は穿刺されたカプセル3から空気ストリーム中への製剤2の特に超微粒子形態での放出及び空気ストリーム中への製剤2の分散をもたらし又は促進し、それによって製剤2は、吸入器1の出口12及び特に好ましくは隣接マウスピース15を経てユーザ又は患者(図示せず)に放出される。
【0063】
図1には、空気ストリーム又は吸入器1によって分散された製剤2の主放出方向Hを対応する矢印に示している。当然ながら、この放出は、カバー18が開き、それぞれのカプセル3の開封された状態においてだけ可能である。
【0064】
製剤2の放出又は分散は、特にEP 0 147 755 A2に記載されているように発生し、この点に関して、この文献を追加の開示として本明細書に導入する。しかし、原理的には、製剤2は、あらゆる他の適切な方式で、例えば、カプセル3の長手軸線に対して横断方向のカプセル3の回転などによってカプセル3から放出することができる。
【0065】
このように吸入器1は、好ましくは、空気ストリーム又はガスストリーム中に分散される製剤2を放出されるためにマウスピース15又はいずれかの他のデバイスを有する。
【0066】
図示の例では、マウスピース15、特にその接続部分16は、カプセルチャンバ4又は出口12に隣接する。
【0067】
吸入器1は、好ましくは、ハウジング17を有する。ハウジング17は外部ハウジングである。
【0068】
好ましくは、マウスピース15は、ハウジング17上に特に静止方式又は切り離し不能方式で形成又は配置される。しかし、他の設計ソリューションも可能である。
【0069】
吸入器1又はハウジング17は、好ましくは、少なくとも実質的にディスク形方式及び/又は平坦方式で形成される。
【0070】
マウスピース15は、好ましくは、吸入器1又はハウジング17上で周りに配置される。
【0071】
マウスピース15又は吸入器1の主放出方向Hは、好ましくは、マガジン5の回転軸Dに対して少なくとも実質的に半径方向又は斜方に延びる。
【0072】
好ましくは、吸入器1は、マウスピース15の選択的な開封及び閉鎖に向けてマウスピース15に関連付けられたカバー18を有する。カバー18が開封された状態では、マウスピース15は吸入に向けて開放状態にある。
図1に示すようにカバー18が閉鎖された状態では、マウスピース15は、好ましくは覆われている。従って、吸入は可能ではない。閉鎖位置では、この状態にあるカプセル3のユーザによる(望ましくない)開封を阻止又は防止するために、任意的にカバー18は、
図1に示すように開封デバイス6又は起動要素9も覆う又はいずれかの手法でロックすることができる。
【0073】
カバー18は、好ましくは、吸入器1又はハウジング17上にピボット回転可能又は回転可能(例えば、回転軸Dと同軸のピボット軸又は回転軸Dと平行である例えばハウジング17上でその外部に位置するピボット軸の周りに)に保持又は装着される。これに代えて又はこれに加えて、カバー18は、好ましくは、直線的又は半径方向にも移動可能である。
【0074】
カプセル3を空にした後又はカプセル3からの製剤2の吸入後に、次のカプセル3が開始位置Aに運び入れられるか又は移動される。この段階は、特にマガジン5の更に別の移動又は回転によって行われる。
【0075】
複数又は全てのカプセル3に対して1つのカプセルチャンバ4しか設けられない場合に、空にされたカプセル3は、最初に、例えば、入口側でのカプセルチャンバ4の開封によってカプセルチャンバ4から移動して出される。次いで、次のカプセル3をカプセルチャンバ4内に移動するか又は導入することができ、カプセルチャンバ4を再度閉鎖することができる。その後にこの新しいカプセル3は、特に次の吸入の直前に初めて開封又は穿刺される。
【0076】
それに対して、各カプセル3が個別のカプセルチャンバ4内に受け入れられる場合に、カプセルチャンバ4の開封及び閉鎖の必要はなく、すなわち、カプセルチャンバ4をカプセル3と共に各場合に個々に放出位置Aに運び入れるか又は移動することしか必要ではない。
【0077】
使用に向けて、ユーザ又は患者(図示せず)は、吸入器1又はカバー18を開封する。こうしてマウスピース15が開放される。次いで、開封デバイス6が起動され、すなわち、放出位置Aに位置するカプセル3が穿刺される。
【0078】
放出位置Aは、特にマウスピース15に近いカプセル3の位置又はカプセル3の接続部分16を定める。
【0079】
放出位置Aでは、カプセル3又はそのカプセルチャンバ4は、特に接続部分16又はマウスピース15の延長線上に位置し、及び/又はカプセル3又はそのカプセルチャンバ4の長手軸線が、主放出方向H及び/又は特にマガジン5の回転軸Dに関する半径方向に位置合わせする及び/又はその延長線上にある。
【0080】
吸入は、カプセル3の開封又は穿刺の後に行うことができる。その後に、吸入器1は再度閉鎖される。次いで、その後のカプセル3は、特にこのカプセル3へのマガジン5の更に別の移動又は更に別の回転によって放出位置Aに更に移動される。
【0081】
下記では、提案する吸入器1及びマガジン5の様々な実施形態をより詳細に記載し、上述の陳述及び説明は、反復説明を省略している場合であっても、特に相応に又は追加的に適用される。
【0082】
図2は、カバー18が閉鎖状態にある提案する吸入器1の第1の実施形態を平面図に示している。カバー18の開封位置を破線に示している。
【0083】
この場合に、カバー18は、特にマガジン5の中心軸又は回転軸Dの周りにピボット回転可能である。従って、カバー18のピボット軸は、特にマガジン5の回転軸Dと同軸であるか又はそれと同じである。
【0084】
図示の例では、好ましくは、カバー18は、それが閉鎖された状態でのマウスピース15の位置の直感的な発見を簡単にするために破線に示したマウスピース15の領域内に突起19を有する。
【0085】
カバー18は、好ましくは、吸入器1又はハウジング17の一方又は両方の側面上に環状部分20を有する。カバー18が所要方式でピボット回転可能であり、吸入器1又はそのハウジング17上に切り離し不能に装着されるように、環状部分20は、好ましくは、ハウジング17内の対応する外部凹部内に係合する。カバー18は、好ましくは、吸入器1又はハウジング17に装着又はラッチによって接続することができる。
【0086】
図示の例では、カバー18は、特に少なくとも実質的に環状であり、マウスピース15を覆うために拡幅又は拡大された円周領域を有する。
【0087】
図示の例では、カバー18は、起動要素9から分離した側で吸入器1を覆い、必要に応じて面の大部分及び/又は全てを覆う。
【0088】
好ましくは、カバー18は、破線で表す開封位置内へのピボット回転移動によって
図2に示す閉鎖位置からピボット回転可能である。この開封位置では、マウスピース15は吸入に向けて開放される。
【0089】
好ましくは、これら2つの位置(閉鎖及び開封)は、吸入器1、ハウジング17、又はハウジング部品24によって形成された対応する止め具21及び22によって各場合に範囲が定められる。しかし、他の構造ソリューションも可能である。
【0090】
好ましくは、カバー18又は環状部分20は、起動要素9がアクセス可能であるように吸入器1の少なくとも平坦な側面上に中心開口部を有する。
【0091】
図示の例では、起動要素9は、カバー18が閉鎖状態と更に開封状態の両方にある時にアクセス可能である。
【0092】
図示の例では、起動要素9は、好ましくは、ノブ形、及び/又は丸形又は円筒形のものである。
【0093】
好ましくは、吸入器1又はハウジング17は、既に消費又は使用されたもの又は依然として計数するのに利用可能なもの又は未使用ものである投与量又はカプセル3を計数するための計数器を有する。図示の例では、計数器は、ハウジング17内の対応する窓23と、マガジン5又はカプセルチャンバ4上の対応する数字(図示せず)とによって形成される。しかし、他の構造ソリューションも可能である。
【0094】
好ましくは、吸入器1又はそのハウジング17は、特に、吸入器1又はそのハウジング17を閉鎖するために又は完全な外側ハウジングを形成するためにハウジング17内に挿入するか又はそこに取り付けることができる回転可能マガジン5に切り離し不能に結合されたハウジング部品24を有する。
【0095】
マガジン5は、ハウジング部品24と共に吸入器1内に挿入することができる。吸入器1の構成に基づいて、ハウジング部品24をマガジン5と共に交換することができる。特に、マガジン5は、ハウジング部品24と共にしか交換することができない。
【0096】
特に好ましくは、ハウジング部品24とマガジン5は、ユーザ又は患者(図示せず)が容易に把持し、取り扱うことができる構造ユニット又はアセンブリを形成する。
【0097】
図3は、一方で吸入器1に関し、他方で依然として設置状態になく、すなわち、ハウジング17から引き離された状態にあるマガジン5に関連付けられたハウジング部品24に関する斜視図である。
【0098】
この図面でのハウジング17(横方向挿入開口部を有する)及びマガジン5の配置は、どのようにしてマガジン5をハウジング17内に好ましくはその主平面と平行な直線方向(又はこの実施形態では半径方向)に挿入することができるかを示している。
【0099】
特に、ハウジング部品(24)は、吸入器1内又はハウジング17内へのマガジン5の(完全)挿入の後にハウジング17上の挿入開口部が閉じるようにマガジン5に関連付けられる。
【0100】
特に、吸入器1はディスク形又は円板形のものであり、マガジン5は環状である。特に、マガジン5に関連付けられたハウジング部品24は、マガジン5及び/又はハウジング17に沿って円周部分を形成する。
【0101】
好ましくは、ハウジング部品24は、吸入器1又はハウジング17に締め付けにより、ラッチにより、及び/又は切り離し不能に接続することができる。適切な場合に、吸入器1又はハウジング17上へのハウジング部品24の接続、係合、又は固定は、
図3に示すカバー18の環状部分20及び/又は固定部分25の係合によって行うことができる。
【0102】
図示の例では、固定部分25は、特にカバー18の所要のピボット回転性が容易になるか又は維持されるように、例えば、ハウジング部品24の周方向及び/又は対応する湾曲部分26の背後に延びる凹部内に係合する。しかし、他の構造ソリューションも可能である。
【0103】
図4は、ハウジング部品24の完全な取り付け又は挿入の直前の吸入器1を非常に概略的に詳細図としてだけ示している。
【0104】
好ましくは、ハウジング部品24は、関連のマガジン5内に含有される製剤2に関して機能的に符号化される。この符号化は、特に、マガジン5を有するハウジング部品24に交換、補充に向けて様々な製剤2が提供される時に、又は一般的に吸入器1と一緒の時に製剤2の混同を阻止し、それによって作動安全性を高めるために好適である。
【0105】
符号化は、例えば、ハウジング部品24が少なくとも1つの第1の符号化要素27、図示の例では2又は3以上の符号化要素27を有し、吸入器又はそのハウジング17が少なくとも1つの第2の符号化要素28、図示の例では2又は3以上の符号化要素28を更に有することで達成することができる。符号化は、例えば、符号化要素27、28の特に周方向のそれぞれの形状、サイズ、及び/又は位置によって得られる。対応する符号化又は含有される符号化において、第1の符号化要素27と第2の符号化要素28は、特に互いに相補的である。例えば、これらの符号化要素は、突起と凹部又は切欠き部とすることができる。符号化は、例えば、符号化要素27、28の円周位置の変化だけによって決定することができる。一方の第1の符号化要素27と他方の第2の符号化要素28との適切な符号化の場合にのみ、ハウジング部品24に関連付けられたマガジン5を吸入器1と共に使用するか又はその中に完全に挿入することができる。
【0106】
図5は、特に第1の実施形態による吸入器1に使用することができる第1の実施形態による提案するマガジン5を示している。
図5に記載の斜視図では、マガジン5が、周方向に延びるバーなどとして特に好ましくは設計される軸線方向保持手段、特に軸線方向突起29を好ましくは有することを見ることができる。これらの突起は、特に、関連のハウジング部品24へのマガジン5の好ましくは切り離し不能な接続に寄与する。
【0107】
マガジン5は、好ましくは、少なくとも実質的に環状又は環状ディスク形のものである。
【0108】
マガジン5は、好ましくは、カプセル3が内部に受け入れられた又は挿入された複数のカプセルチャンバ4を有し、
図5ではこれらのカプセル3を見ることができない。
【0109】
カプセル3及び/又はカプセルチャンバ4は、その長手軸線の向きが少なくとも実質的に半径方向に定められる。
【0110】
図6は、どのようにしてハウジング部品24を関連のマガジン5に切り離し不能であるが互いに対して回転可能に接続することができるかを略部分断面図に示している。好ましくは、ハウジング部品24は、マガジン5からのハウジング部品24の半径方向分離が不可能であるように、好ましくは、マガジン5の両側面上に形成された突起29の半径方向に背後に係合する保持部分30を有する。
【0111】
特に好ましくは、突起29は、マガジン5の所要の回転式装着を達成するために、ハウジング部品24内で両側面上に相応に形成された環状溝部分31内に係合するか又はそこに案内することができる。しかし、この係合又は案内は、例えば、円周面を有するか又は周方向に配置された固定要素14を有するマガジン5がハウジング部品24の内面上で摺動可能に支持されることで達成することができる。他の構造ソリューションも可能である。
【0112】
特に、マガジン5をハウジング部品24内に半径方向に挿入し、それにラッチによって接続することを可能にするために、保持部分30は、好ましくは、フック又はラッチ突起の形態にあり、又は引き込み面取り部が設けられる。しかし、他の構造ソリューションも可能である。
【0113】
図3は、ハウジング部品24が、好ましくは両側に環状部分20又は固定部分25などによるハウジング17又はカバー18の特に軸線方向係合に向けて対応する凹部又は開口部32を好ましくは有することを示している。しかし、吸入器1又はハウジング17へのハウジング部品24のラッチ接続及び/又は切り離し不能接続又は耐荷重性接続に向けて他の構造ソリューションが可能である。
【0114】
好ましくは、吸入器1及びマガジン5は、マガジン5を特定の回転位置でしか挿入することができず、及び/又は特定の回転位置でしか取り外す又は交換することができないように設計される。例えば、マガジン5は、吸入器1又はそのハウジング17内に、例えば、第1のカプセルチャンバ4がマウスピース15に近い初期位置でしか挿入することができない。好ましくは、マガジン5は、再度取り外す又は交換することができる前に完全に空にされていなければならない。この目的のために、マガジン5は、挿入中と同じ位置に到達されているか又は例えば最終又は終了位置に位置付けることができる。
【0115】
好ましくは、マガジン5は、
図1に示すように、例えば、周縁として設計されて軸線方向に突出し、例えば、望ましい回転位置に少なくとも1つ又は2つの半径方向スロットを有する環状部分又は保持部分55を有する。好ましくは、吸入器1又はそのハウジング17は、マガジン5を好ましくは予め決められた回転位置でのみ吸入器1又はそのハウジング17内に挿入し、及び/又はそこから取り外すことができるように軸線方向に突出し、マガジン5内又は保持部分55によって形成された縁部内に係合する固定部分56を有する。しかし、他の構造ソリューションも可能である。
【0116】
図5は、第1の実施形態によるマガジン5の好ましい構造を示している。好ましくは、この構造は、別々の又は個別の又はプレハブのカプセルチャンバ4を受け入れるための支持体33を有する。
【0117】
図示の例では、支持体33は、
図7に記載の分解組立図に示すように、好ましくは、複数の部品で設計され、特に2つの支持要素34及び35で形成される。カプセルチャンバ4は、2つの支持要素34と35の間に軸線方向に挿入又は保持することができる。特にこの目的のために、支持体33又は支持要素34及び35によって対応する半径方向保持アーム36が形成され、能動係合によって組み立てた状態でカプセルチャンバ4を保持する。
【0118】
2つの支持要素34と35は、好ましくは、ラッチによって互いに接続することができる。しかし、他の構造ソリューションも可能である。
【0119】
支持体33は、好ましくは、能動係合によってカプセルチャンバ4を定められた向き又は回転位置に固定又は保持するように設計される。
【0120】
固定要素14は、カプセルチャンバ4を支持体33上又はその中に固定する。
【0121】
固定要素14は、好ましくは、環状であるか又は締め付けングの形態にある。
【0122】
固定要素14は、好ましくは、一体的に形成される。
【0123】
固定要素14は、好ましくは、ワイヤの形態にあり、及び/又は好ましくは金属、特にワイヤで作られたものである。
【0124】
カプセルチャンバ4は、好ましくは、別々の部品としてプレハブ又は製造されたものである。
図8は、カプセルチャンバ4の好ましい構成の概略斜視図である。
【0125】
カプセルチャンバ4は、好ましくは、少なくとも実質的に円筒形のものである。これは、特にカプセルチャンバ4内の関連のカプセル3(図示せず)に対して好ましく、少なくとも実質的に円筒形の受け入れ領域に起因して有利である。しかし、原理的には、カプセルチャンバ4は、あらゆる他の外部形状を有することができる。
【0126】
好ましくは、カプセルチャンバ4は、固定要素14が係合することができる係合手段、特にノッチ37、図示の例では2つのノッチ37を有する。係合手段又はノッチ37は、特に固定要素14の軸線方向の保持又は固定に寄与する。これに代えて又はこれに加えて、各カプセルチャンバ4内に好ましくは互いに反対の2つのノッチ37が示されているので、係合手段又はノッチ37は、カプセルチャンバ4をその回転位置に固定するための役割も達成することができる。
【0127】
好ましくは、係合手段又はノッチ37は、カプセルチャンバ4の出口側又は外側軸線方向端部、特に軸線方向端面内に形成される。ノッチ又は凹部の代わりに、係合手段は、突起などによって形成することができる。
【0128】
カプセルチャンバ4の半径方向位置は、特に、内側端部上、特に入口11の領域又は外側環状肩部38での半径方向当接によって固定することができる。
【0129】
これに代えて又はこれに加えて、カプセルチャンバ4は、各場合に当該カプセルチャンバ4を定められた方式で特にマガジン5での当該カプセルチャンバ4の回転位置及び/又は半径方向位置での能動係合によって固定又は保持することができるように少なくとも1つの係合要素39を有することができる。図示の例では、係合要素39は、例えば、突起として構成され、バー方式からなり、及び/又はカプセルチャンバ4上で横方向に配置又は形成される。更に、例えば、2つの係合要素39を両側に配置することができる。係合要素39の他の設計及び配置も可能である。
【0130】
穿刺開口部又はニードル開口部8は、好ましくは、カプセルチャンバ4内に事前形成されたものであり、又は例えば薄壁開口部位として設計される。従って、必要に応じてニードル開口部8は、開封することができるか又は開封可能にすることができる。更に、ニードル開口部8は、例えば、隔膜又は膜などの方式で自己閉鎖式であることも可能である。
【0131】
図示の例では、ニードル開口部8は、特に、この場合のカプセルチャンバ4を少なくとも実質的に製造するか又は作る基本材料とは異なる材料、例えば、より確実に穿刺又は開口するか又はより確実な密封又は自己閉鎖を適用することができる材料によって形成される。それに対して基本材料は、好ましくは、比較的剛性又は剛性の高いものである。
【0132】
図示の例では、ニードル開口部8は、各場合に好ましくは、
図8に示すように異なる材料で作られた材料領域40内に形成される。この場合に、各ニードル開口部8に対して別々の材料領域40を設けることができ、又は図示の例に示すように両方のニードル開口部8に対して互いに共通の材料領域40を設けることができる。
【0133】
1つ又は2つのニードル開口部8を形成する材料領域40は、異なる材料から特に二成分射出モールド成形又は類似の工程によって製造される。
【0134】
カプセルチャンバ4の穿刺は、好ましくは、マガジン5の平坦面から軸線方向に又は少なくとも実質的に軸線方向に、すなわち、マガジン5の回転軸Dに対して少なくとも実質的に平行に行われる。従って、ニードル開口部8は、好ましくは、マガジン5の平坦面上に(必要に応じて反対平坦面上にも)配置されるか、又はカプセルチャンバ4上に横方向に配置される。
【0135】
使用に向けて、ユーザ又は患者(図示せず)は、カバー18をピボット回転方向S(
図2)にピボット回転又は開封することによって吸入器1を開封する。こうしてマウスピース15は開放される。更に、開封デバイス6が、次いで、特に起動要素9の押圧によって起動される。その結果、開始位置Aに位置する、すなわち、マウスピース15に近いカプセル3が、そのカプセルチャンバ4内で開封されるか、又はニードル7を用いて穿刺される。起動要素9の解除後に、ニードル7は再度後退し、開封されたカプセル3は、そのカプセルチャンバ4内に自由に入り込むことができる。
【0136】
次いで、吸入が行われる。ユーザ又は患者は、マウスピース15を口に入れて空気を吸い込む。空気は入口11を経て吸い込まれ、カプセルチャンバ4又はカプセル3に対する受け入れ部分を通り、更に出口12を経てマウスピース15を通って流れる。この空気ストリームは、カプセル3を特に空気ストリームの方向に前後に移動し、振動させ、又は揺動させ、それによって開封されたカプセル3からの製剤2の放出及び空気ストリーム中の製剤2の微細分散を促進する。分散は、振動経路に依存するか又はそれによって、すなわち、特にカプセルチャンバ4の内側のカプセル3の自由移動長によって影響を受けることに注意しなければならない。図示の例では、この距離は、特に出口側で固定要素14により、更に入口側で内側環状肩部13によって境界が定められる。
【0137】
吸入後、すなわち、放出位置Aに位置するカプセル3が空にされた後に、吸入器1、すなわち、カバー18を再度閉鎖することができる。
【0138】
次の吸入に向けて、次のカプセル3(及びカプセルチャンバ4)を放出位置A、すなわち、マウスピース15に最も近い位置まで移動する必要がある。図示の例では、マガジン5を適切に更に移動又は回転させるだけで十分である。この移動又は回転には様々な可能性が存在する。
【0139】
マガジン5の回転にはカバー18の移動又はピボット回転移動を使用することができる。特に、マガジン5を次のカプセル3及びカプセルチャンバ4に更に回転させるために、カバー18の開封移動又は閉鎖移動を使用することができる。この開封移動又は閉鎖移動は、例えば、マガジン5又はその支持体3上に適切な方式で係合するカバー18上の連行爪又は留め具などを用いて行うことができる。この場合に、次のカプセル3又はカプセルチャンバ4までのマガジン5の回転角を開放又は閉鎖中のカバー18のピボット回転移動よりも小さくすることができることに注意しなければならない。従って、移動の部分結合だけが必要又は適切である。しかし、原理的には、各場合にカバー18の開封角又は閉鎖角にわたるマガジン5の完全な連行又は完全な更に別の回転によって全てのカプセル3及びカプセルチャンバ4が順次放出位置Aに移動されるようにカバー18の開放又は閉鎖を適応させること、すなわち、特にマガジン5でのカプセル3及びカプセルチャンバ4の90°とは異なるピボット回転移動及び対応する角度配置を与えることができる。この場合に、マガジン5は、実際にはそれが完全に空にされるまで1回よりも多い回転数で回転される。この場合に、カプセル3は、マガジン5内のこれらのカプセル3の順序で空にされるわけではない。従って、本発明では、基本的に「次のカプセル」という用語は、それがマガジン5内で幾何学的に続くカプセル3でなくてもよく(それが好適である場合であっても)、幾何学的に続いていないカプセル3を空にされる次のカプセルとすることができることを意味すると理解しなければならない。
【0140】
次のカプセル3にマガジン5を更に回転させるための別の可能性は、特に、時計バネ又は脚バネなどのようなバネ要素52(
図2に示す)を用いてバネドライブのようなドライブを提供する。この場合に、マガジン5はこのドライブによって回転される。次のカプセル3へのマガジン5の更に別の回転を可能にすることしか必要ではない。この可能化は、例えば、特定の位置に到達した時、特定の中間位置を通った時、開封デバイス6の起動要素9の起動のような他の起動時、マウスピース15の移動時、又は類似の時に、例えば、カバー18の開放又は閉鎖によって行うことができる。
【0141】
バネドライブ又はバネ要素52は、例えば、マガジン5を完全な空にするために、すなわち、所要の全ての回転位置を通過するために再度引張状態にしなくてもよいように付勢することができる。これに代えて、バネ要素52は、カバー18の移動、特にカバー18の開放及び/又は閉鎖のためのピボット回転によって引張することができる(追加的に)。
【0142】
マガジン5を駆動するか又はそれを回転させるための更に別の好ましい可能性は、更に、起動要素9の起動中の移動をマガジン5に対する対応する駆動移動に変換することにある。
図9は、起動要素9が起動された時に、マガジン5が次のカプセル3に更に回転又は循環される設計の可能性を概略断面図に示している。
【0143】
好ましくは、特にタブ状の駆動要素41が設けられ、特に押下移動が回転移動又は横断方向移動、すなわち、マガジン5の搬送移動Fに変換されるように起動要素9に結合される。この目的のために、駆動要素41は、好ましくは、可撓性又は多関節構造を有するように設計され、開封デバイス6又は起動要素9が再度起動された時に、より具体的には特に放出位置Aに位置するカプセル3のそれぞれの穿刺の前に、最初に、次のカプセル3へのマガジン5の更に別の回転又は循環が発生するように、例えば、駆動要素41の自由端によってマガジン5又はその支持体33上の歯42上に係合する。しかし、他の構造ソリューションも可能である。
【0144】
好ましくは、吸入器1及びマガジン5は、特に、接続部分16が放出位置Aに位置するカプセルチャンバ4の出口12に可能な限り剛的に接続されるように、及び/又はある一定の穿刺、特にニードル孔8内へのニードル7の正確な導入が可能になるように、各場合にカプセルチャンバ4又はカプセル3を放出位置Aに正しく配置する定められた回転位置をマガジン5が各場合に取るように設計される。この目的のために、特に、例えば、突起29を用いてマガジン5又はその支持体33上に対応する係合手段が形成され、この場合、この係合手段は、ハウジング17、ハウジング部品24、又は吸入器1の別の構成要素の上にある対応するラッチ要素、バネ要素、又は保持要素と協働する。
【0145】
これに代えて又はこれに加えて、一方をそれぞれのカプセルチャンバ4又はその出口12とし、他方を隣接マウスピース15又はその接続部分16としてこれらの間の密封(図示せず)が密封要素などを用いて任意的に更に可能である。
【0146】
下記では、更に別の図面を参照して更に好ましい実施形態を詳細に記載し、特に有意な相違点又は新しい態様だけをより詳細に説明する。従って、従来の陳述及び説明を特に追加的又は相応に当て嵌めることができる。
【0147】
図10は、提案するマガジン5の第2の実施形態の概略斜視図である。この図のカプセルチャンバ4は、全て互いに直接に接続され、従って、特に一体的又は組み立てられたユニットを形成する。特に、この場合は支持体33を省略することができ、又は安定化に向けて設けることができる。
【0148】
この実施形態では、カプセル3は外部からカプセルチャンバ4内に導入又は挿入され、次いで、この場合は固定要素14によって固定される。
【0149】
これに代えて、マガジン5又はカプセルチャンバ4は、互いに接続される2つのシェル又は半体などによって形成することができる。
【0150】
この場合、好ましくは、カプセルチャンバ4は、特に、接触点又は接続部が特に追加手段なく密封されるか、又は少なくとも高い不浸透性を有するようにゴム状材料又はTPEなどから製造される。
【0151】
第1の実施形態の場合と同様に、図示の例での第2の実施形態によるマガジン5は、好ましくは、15個のカプセルチャンバ4を含み、従って、15個のカプセル3を含む。マガジン5を次のカプセル3に更に移動又は循環させるために、それに従ってマガジン5を第1の実施形態の場合と同一手法で24°だけ回転させなければならない。
【0152】
図11は、提案する吸入器1の第2の実施形態の側面図である。
図12は、吸入器1を通る概略断面図であるが、カプセル3がない図である。
【0153】
この場合に、長手軸線を有するカプセルチャンバ4及びカプセル3は、マガジン5のディスク平面E又は平坦又はディスク状の吸入器1に対して、又はマガジン5の回転軸Dに対してここでもまた基本的に少なくとも実質的に半径方向であるが、幾分傾けて、特に約5°から25°まで、特に約10°の角度Wだけ斜めにして向けられる。この傾きは、特にカプセル3によるカプセルチャンバ4の充填を簡易化する。
【0154】
開封デバイス6又はニードル7は、
図12に記載の断面図に示すように好ましくはこの傾きに従って傾けられる。
【0155】
開封デバイス6又はその起動要素9は、特にマガジン5の回転軸D又は吸入器1の中心軸に自体が対応するカプセルチャンバ4及びカプセル3の角度Wの好ましい傾きとは独立して傾けることができる。
【0156】
上述の設計は、作動させるのが快適であり、特に、吸入器1又はそのハウジング17が後部で対応する湾曲を有するように設計されるか又は横方向に傾けられる場合にユーザ又は患者(図示せず)が手で保持するのを容易にするか又は助ける。
【0157】
この設計の更に別の利点は、吸入器1をポケットなどの中で携帯するのに特に非常に軽量で簡単なものにすることができるように特に小型の構造又は小さい直径を達成することができる点である。
【0158】
図12から、吸入器1又はそのハウジング17が吸入器1内のマガジン5の回転可能装着に向けて好ましくは担持セグメント43、44を有することを見ることができる。特に担持セグメント43は、半径方向装着に寄与し、好ましくは、内側端部又は入口側の端部の領域内でマガジン5の中心に係合し、及び/又はカプセルチャンバ4上に係合する。
【0159】
これに代えて又はこれに加えて、担持セグメント43は、好ましくは、一方又は両方の軸線方向側でマガジン5又はカプセルチャンバ4上に係合する。
【0160】
担持セグメント44は、特に軸線方向装着に寄与し、好ましくは、カプセルチャンバ4上に軸線方向に又はマガジン5上に横方向に係合する。
【0161】
特に、穿刺中にこの場合は少なくとも1つの担持セグメント44によるそれぞれのカプセルチャンバ4の当接を確実にするために、放出位置Aの領域内又は開封デバイス6から分離した開封デバイス6に近いマガジン5の平坦な側面上でマガジン5又はそれぞれのカプセルチャンバ4の当接が発生する。
【0162】
担持セグメント43及び/又は44は、好ましくは、バー状、リブ状、及び/又は環状であり、及び/又はハウジング17上に一体的に形成される。しかし、他の構造ソリューションも可能である。
【0163】
図13は、提案するマガジン5の第3の実施形態の斜視図である。この実施形態は、特に
図11及び
図12に示す第2の実施形態による吸入器1に使用することができる。このマガジン5は、カプセルチャンバ4が内部に形成されるか又はカプセルチャンバ4を内部に受け入れる又は挿入することができる特に比較的軟質又は可撓性のリングとして設計される。特に好ましくは、この場合のマガジン5又はカプセルチャンバ4は、弾性又は比較的軟質の材料及び/又はゴム状材料から製造される。
図13に記載の図では、カプセル3及び固定要素14を簡素化の目的で省略している。
【0164】
これに代えて(図示せず)、追加の固定要素14を有する一体構成の代わりに、マガジン5は、互いに密着する(特にカプセルチャンバ4をほぼ中心で長手方向に通る分離平面で)2つの半シェル又は半体で構成することができ、特に、カプセル4は第1の半シェル内に挿入され、第2の半シェルによって覆われる。
【0165】
半シェルは、この場合に好ましくは、ラッチによって互いに接続される。
【0166】
好ましくは、固定要素14は、カプセルチャンバ4の出口側にある開口部上のウェブの形態で半シェル上にモールド成形される。
【0167】
半シェルに対する部分的に弾性又は可撓性の材料の好ましい使用に起因して、半シェルは、それによって形成されるカプセルチャンバの長辺上で互いに近接して当接し、従って、半シェルの接続領域内でカプセルチャンバの縦壁を通る余分な空気ストリームが発生しない。しかし、追加のシールを半シェルの接続領域内に挿入することを考えることができる。
【0168】
図14は、提案する吸入器1の第3の実施形態の斜視図である。
【0169】
第3の実施形態では、カバー18は、好ましくは、吸入器1上の周方向に多関節構造を有するか又はハウジング17上に外部からピボット回転可能に装着される。
【0170】
第3の実施形態では、好ましくは、カバー18は、それが閉鎖されている時に起動要素9の起動が不可能であるように、カバー18の閉鎖時に開封デバイス6又はその起動要素9を覆うカバー部分45を有する。
【0171】
この実施形態に関する図面では、この場合のマガジン5は、好ましくは、第1のマガジン実施形態に従って設計される。しかし、他のマガジン実施形態の態様をこの実施形態に転用することができる。
【0172】
図15は、マウスピース15及び開封デバイス6の領域内の吸入器1の詳細を非常に概略的な図に示しており、マガジン5の一部しか示しておらず、例示目的でハウジング17及びカバー18を省略している。好ましくは、開封デバイス6又はその起動要素9は、第1の実施形態において設けられた起動要素9に対するハウジング17の中空円筒形ガイドスリーブの代わりに、今度は、ハウジング17内で案内され、又はそこを通って延び、起動要素9が起動された時又は放出位置Aに位置するカプセルチャンバ4の両側面上で押し込まれた時にマガジン5内に入り込み、その結果、カプセルチャンバ4を所要放出位置A内で保持又は微調節する2つの好ましくはバー状の案内要素46をこれに加えて又はこれに代えて有する。
【0173】
より一般的に説明すると、吸入器1の第3の実施形態では、それぞれのカプセルチャンバ4を放出位置Aに可能な限り正確に移動するために、及び/又は開封又は穿刺が行われる時にカプセルチャンバ4を放出位置Aに保持するために、開封デバイス6に好ましくは調節デバイスが設けられる。この目的のために、特にマガジン5内で好ましくは軸線方向に対応する係合が発生し、及び/又はそれぞれのカプセルチャンバ4上で図示の例では好ましくは案内要素46を用いて対応する係合が発生する。
【0174】
図16は、カバー18が開封状態にあるマウスピース15の領域内の吸入器1の概略図であり、例示目的のためにハウジング17を省略している。
【0175】
第3の実施形態では、カバー18の移動は、好ましくは、マガジン5の搬送、回転、又は循環に使用される。特にカバー18の開封中に、マガジン5は、各場合に次のカプセル3又はカプセルチャンバ4まで更に回転される。
【0176】
図示の例では、好ましくは、吸入器1又はカバー18は、マガジン5又は支持体33上の対応する係合部分48上に係合することができる特にスパイク又は指の形態にある駆動要素47を有する。
【0177】
駆動要素47は、好ましくは、少なくとも実質的に円周面からハウジング17内の対応する切欠き部を通って吸入器1内に係合する。
【0178】
駆動要素47は、特に軸線方向に、すなわち、カバー18のピボット回転軸と平行に又はマガジン5の回転軸Dと平行に屈曲することができるように好ましくは弾性を有する。
【0179】
好ましくは、係合部分48は、カバー18の開封中に駆動要素47が各場合に次のカプセルチャンバ4へのマガジン5の更に別の回転に向けて係合することができる軸線方向突出肩部を形成する。カバー18の閉鎖中に、駆動要素47がマガジン5上の次の係合部分48の上を滑り抜けることができ、それによって最初にカバー18の次の開封移動中に反対方向に再度移動し、次いで、この係合部分48上に係合するように、駆動要素47は退行し、傾いた摺動面49を用いて軸線方向に偏向される。
【0180】
カバー18の閉鎖及びそれぞれの摺動面49の上での駆動要素47の摺動中にマガジン5の望ましくない逆行が発生しないように、マガジン5は、好ましくは、逆転防止具又は爪車などを用いて逆行に対して固定される。
【0181】
図17は、提案する吸入器1の第4の実施形態の斜視図である。この場合に好ましくは、カプセル3の開封後にカプセルチャンバ4又はニードル開口部8の完全な密封を達成するために、又はマガジン5を次のカプセルチャンバ4又はカプセル3に更に移動又は循環させるために、開封デバイス6及び/又はマウスピース15は、特に両方が一緒に半径方向に移動可能である。下記では、
図18から
図21に記載の概略垂直断面図を参照して様々な機能状態及び機能をより詳細に説明する。
【0182】
図18は開始位置を示している。カプセル3はまだ穿刺されていない。まだ穿刺されていないカプセル3を有するカプセルチャンバ4は放出位置Aに位置する。マウスピース15は垂直に引き出されておらず、その半径方向挿入位置に配置される。従って、マウスピース15又はその接続部分16は、カプセルチャンバ4又はその出口12に隣接している。
【0183】
好ましくは、吸入器1は、少なくとも吸入中にニードル開口部8を閉鎖するための閉鎖デバイスを有する。図示の例では、閉鎖デバイスは、外部からカプセルチャンバ4に適用することができる密封要素50を有するか又はそれと共に形成される。
【0184】
密封要素50は、特に平坦なもの及び/又はプレート形のもの又は湾曲チャネル状のものであり、及び/又はカプセルチャンバ4の外部輪郭に部分的に適応される。
【0185】
密封要素50は、外部からカプセルチャンバ4に適用する、特に、それぞれのカプセルチャンバ4に適用するか、又はカプセルチャンバ4に順次適用することができる。
【0186】
従って、特に、吸入中に放出位置Aに位置するそれぞれのカプセルチャンバ4のニードル開口部8の閉鎖に向けて共通の密封要素50が設けられる。
【0187】
密封要素50は、好ましくは、プラスチック材料、特にTPE(熱可塑性エラストマー)などで作られる。
【0188】
密封要素50は、好ましくは、それが自己閉鎖及び/又は自己密封するものであるように設計される。特に、自己閉鎖は、密封要素50の開口及びニードル7の後退後に密封要素50内に形成された開口部が自発的に再度閉じるような適切な材料選択によって達成することができる。この目的のために、密封要素50は、膜状又はフィルム状とすることができる。
【0189】
密封要素50は、特に開封デバイス6に関連付けられ、及び/又はカプセルチャンバ4、マガジン5、及び/又はハウジング17に対して及び/又は半径方向に開封デバイス及び/又はマウスピース15と共に移動可能である。
【0190】
図18に示すように、開始位置では、好ましくは、密封要素50は、放出位置Aに位置して特に開封デバイス6内の凹部又は切欠き部51内に受け入れられているカプセルチャンバ4から引き離されている。
【0191】
図19は、起動後の状態を示している。起動要素9は押し込まれた状態にある。ニードル7はカプセルチャンバ4に向けて前方に移動された状態にある。この場合に、ニードル7は、最初に密封要素50を連行し、それをカプセルチャンバ4上への当接に向けて外側に運ぶ。更に、ニードル7は密封要素50を開口又は貫通し(完全に)、
図19に示すようにカプセルチャンバ4に位置するカプセル3が最終的に穿刺されるようにニードル孔8を通してカプセルチャンバ4内に移動される。
【0192】
カプセル3の開封又は穿刺後に、起動要素9は再度解除される。起動要素9及びニードル7は、特に、バネ10(
図18~
図21には簡略化の目的に示していないが、好ましくは、
図1の場合と類似の作動において存在する)に起因して自動的に後退するが、密封要素50は、その密封位置及び/又はカプセルチャンバ4を押圧する位置に留まる。この状態を
図20に示している。この状態では、吸入中にニードル孔8を通る空気の望ましくない流入を回避するか又は少なくとも最小にするために、密封要素50は、ニードル孔8を少なくとも実質的に密封する。
【0193】
ニードル7が後退した時であっても、ニードル開口部8を少なくとも実質的に閉鎖するか又は覆うために密封要素50がカプセルチャンバ4上に接着するか又は留まることを確実にするために比較的高い接着が提供されるように、密封要素50は、好ましくは、自己接着性のものであり、及び/又は一方がニードル開口部8の領域内のカプセルチャンバ4又はその外面に対する、かつ他方が密封要素50に対する材料の対合が選択される。
【0194】
これに代えて、密封要素50はまた、それをガイドに関連付けることができ、それに沿って密封要素50を例えば起動要素9上の小さいレバーによって変位させることができる。この場合に、密封要素50もまた、起動要素9の起動中の、特に起動要素9の押圧中の密封要素50の変位に起因してそれぞれのカプセルチャンバ4のニードル開口部8と正確に合致することになる開口部を有することができ、それによって起動要素9が押圧された状態でニードル7が密封要素50と、更にカプセルチャンバ4の壁との両方を貫通し、この目的のために各場合に設けられたこれらの開口部内に突出する。ニードル7が後退した場合又は起動要素9が退行した場合に、特に、密封要素50の開口部がカプセルチャンバ4内のニードル開口部8と以後正確に合致することのないように、又は密封要素50がカプセルチャンバ4内のニードル開口部8を密封するか又は覆うように、密封要素50は、好ましくは、ガイド及び/又はレバーなどを用いて変位される。
【0195】
この時点で吸入器1は、吸入に向けて準備が整った状態にある。吸入が行われる時には、マウスピース15は起動デバイス9と共に半径方向に外向きに移動されるか又は引っ張られる。この移動又は引っ張りはユーザ又は患者(図示せず)によって手動で行われる。
【0196】
図21は、マウスピース15が半径方向に引き離された時又は外向きに移動された時の対応する状態を示している。
【0197】
半径方向移動又は相対移動中に、密封要素50は連行され、それによってカプセルチャンバ4から解除される。こうして密封要素50は(同じく)カプセルチャンバ4に対して、特に接触面の方向及び/又はカプセルチャンバ4の長手軸線の方向に移動される。引き離された状態では、密封要素50は、好ましくは、
図21に示すように再度切欠き部51内に受け入れられる。
【0198】
最後に、マウスピース15が再度半径方向に押し込まれるか又は退行する。この移動に起因して、マガジン5は、好ましくは、更に移動又は更に回転され、それによって次のカプセルチャンバ4が放出位置Aに移動される。この更に別の移動又は更に別の回転は、回転移動への半径方向移動の対応する(作動)結合に起因して、又はマガジン5の回転移動への変換に向けて行うことができる。これに代えて、例えば、マガジン5を例えばバネ要素52などを用いて次のカプセルチャンバ4に更に回転させることができるように、半径方向移動によって解除を行うことができる。この最後に示した場合では、マガジン5はマウスピース15の半径方向移動又は相対移動に基づいて駆動されず、脚バネ又は別のドライブによって駆動される。
【0199】
マウスピース15が半径方向に再度押し込まれた時に、
図18に記載の開始位置が再度取られる。更に、この場合に、マガジン5は、更に移動又は更に回転された状態になり、すなわち、まだ開封されていないカプセル3を有する新しいカプセルチャンバ4が放出位置Aに置かれる。こうして吸入器1は、カプセル3を開封又は穿刺するための準備が整う。
【0200】
吸入器1の様々な実施形態及びこれらの様々な実施形態の個々の特徴及び態様は、あらゆる手法で互いに組み合わせることができるが、同じく独立して実施することもできる。同じことは、マガジン5に及び様々な吸入器1内のマガジン5の様々な実施形態の使用に適用される。
【0201】
本明細書に説明した吸入器1及びマガジン5又はカプセル3では、特にWO 2009/115200 A1の好ましくは25ページから40ページまで、又はEP 2 614 848 A1の好ましくは26ページ21行目、63ページの2行目に開示されている組成を有する医療製剤又はそれに対応する製剤を有する医療製剤が使用される。これらの行の内容は、特徴を含む完全な形でこの出願に組み込まれている。
【0202】
参照符号のリスト
1 吸入器
2 製剤
3 カプセル
4 カプセルチャンバ
5 マガジン
6 開封デバイス
7 ニードル
8 ニードル開口部
9 起動要素
10 バネ
11 入口
12 出口
13 内側環状肩部
14 固定要素
15 マウスピース
16 接続部分
17 ハウジング
18 カバー
19 突起
20 環状部分
21 止め具
22 止め具
23 窓
24 ハウジング部品
25 固定部分
26 湾曲部分
27 第1の符号化要素(ハウジング)
28 第2の符号化要素(ハウジング部品)
29 突起
30 保持部分
31 環状溝部分
32 凹部/開口部
33 支持体
34 支持要素
35 支持要素
36 保持アーム
37 ノッチ
38 外側環状肩部
39 係合要素
40 材料領域
41 駆動要素
42 歯
43 担持セグメント(半径方向)
44 担持セグメント(半径方向)
45 保持部分
46 案内要素
47 駆動要素
48 係合部分
49 摺動面
50 密封要素
51 切欠き部
52 バネ要素
53 ニードルガイド
54 ニードルガイド
55 保持部分
56 固定部分
A 放出位置
B 移動
D 回転軸
E 平面
H 主放出方向
S ピボット回転移動
N 押下移動
F 搬送移動
W 角度
【符号の説明】
【0203】
1 吸入器
5 マガジン
9 起動要素
17 ハウジング
24 ハウジング部品