(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20221130BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221130BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20221130BHJP
G06F 1/26 20060101ALI20221130BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
B41J29/00 A
B41J29/38 104
B41J3/36 Z
G06F1/26
H02J7/00 301A
H02J7/00 A
(21)【出願番号】P 2019014065
(22)【出願日】2019-01-30
【審査請求日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】P 2018016710
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小口 達也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 寿美男
(72)【発明者】
【氏名】森 幸博
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-229450(JP,A)
【文献】特開2006-285605(JP,A)
【文献】国際公開第2014/155882(WO,A1)
【文献】特開2009-172872(JP,A)
【文献】特開2011-062886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00
B41J 29/38
B41J 3/36
G06F 1/26
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い形状の筐体と、
記録紙に印刷をする印刷機能部と、
充電池を有する電源部と、
前記充電池に充電す
る充電部と、
利用者の操作に応じて情報を入力す
る情報入力部と、
を有し、
前記筐体の長手方向の一方の端から他方の端に向かって、前記印刷機能部、前記情報入力部、前記電源部、前記充電部の順に設けられていることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記充電池が充電されている場合には、前記印刷機能部の制御部により、前記印刷機能部には前記充電池の電力が供給されないことを特徴とする
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記電源部に充電内部配線を有し、
前記充電部は充電内部配線およびダイオードを介して前記充電池に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記充電部の充電状態を検出する検出回路を有し、
前記検出回路は前記充電内部配線に接続され、
前記検出回路から出力された信号により前記印刷機能部を制御することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記充電池に充電す
る充電回路と、
前記充電回路に接続されている第1のスイッチ回路と、
前記充電池に接続されている第2のスイッチ回路と、
を有し、
前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を閉じることにより、前記充電池の電力が前記印刷機能部に供給され、
前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を開くことにより、前記充電池が充電され、前記印刷機能部には前記充電池の電力が供給されないことを特徴とする
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第2のスイッチ回路と並列に接続されたダイオードを有し、
前記ダイオード及び前記第2のスイッチ回路は、前記充電池に接続されており、
前記充電池の電力が
前記印刷機能部に供給されている場合には、前記ダイオードには逆方向の電圧が印加されるとともに、前記第2のスイッチ回路は閉じた状態となり、
前記充電池が充電されている場合には、前記ダイオードに順方向に電流が流れ、前記ダイオードを流れた電流により前記充電池が充電されるとともに、前記第2のスイッチ回路が開いた状態となり前記印刷機能部には前記充電池の電力が供給されないことを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯型プリンタは箱形に形成されており、バッグ等に入れられて持ち運ばれていた。携帯の利便性から小型なプリンタが求められており、様々な構造のプリンタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2003-500245号公報
【文献】特開平7-222223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プリンタには内蔵されている充電池に充電するための接続端子や充電回路が設けられている。充電回路は比較的大きく、充電回路をプリンタとして機能する部分と充電池との間に設けた場合、中央部に充電器を接続するためのコネクタを必要とする為、大きな開口部が出来ることから、強度確保の為、肉盛りする必要があり、また、コネクタのサイズが他の部品に比して大きいことからコネクタ用のスペースを要したりしてプリンタが大型化したり、中央部分で膨らみが生じてしまう。
【0005】
よって、携帯型の印刷装置において、携帯しやすく充電可能なものが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態の一観点によれば、細長い形状の筐体と、記録紙に印刷をする印刷機能部と、充電池を有する電源部と、前記充電池に充電する充電部と、利用者の操作に応じて情報を入力する情報入力部と、を有し、前記筐体の長手方向の一方の端から他方の端に向かって、前記印刷機能部、前記情報入力部、前記電源部、前記充電部の順に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
開示の印刷装置によれば、携帯しやすく充電可能な携帯型の印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】第1の実施の形態のプリンタのノックダイヤル部の斜視図
【
図6】第1の実施の形態のプリンタのノックダイヤル部の構造の説明図(1)
【
図7】第1の実施の形態のプリンタのノックダイヤル部の構造の説明図(2)
【
図8】第1の実施の形態のプリンタのノックダイヤル部の構造の説明図(3)
【
図9】第1の実施の形態のプリンタのエンコーダホイールの説明図
【
図10】第1の実施の形態のプリンタの電源部及び充電部の内部構造図
【
図11】第1の実施の形態のプリンタの充電部の説明図(1)
【
図12】第1の実施の形態のプリンタの充電部の説明図(2)
【
図13】第1の実施の形態のプリンタの電源部の説明図(1)
【
図14】第1の実施の形態のプリンタの電源部の説明図(2)
【
図15】第1の実施の形態のプリンタの電気回路のブロック図
【
図16】第1の実施の形態のプリンタの電源をオンする操作を説明するフローチャート
【
図17】第1の実施の形態のプリンタの電気回路の説明図(1)
【
図18】第1の実施の形態のプリンタの電気回路の説明図(2)
【
図19】第2の実施の形態のプリンタの電気回路のブロック図
【
図20】第2の実施の形態のプリンタの電気回路の説明図(1)
【
図21】第2の実施の形態のプリンタの電気回路の説明図(2)
【
図22】第2の実施の形態のプリンタの電気回路の説明図(3)
【
図23】第3の実施の形態のプリンタの電気回路のブロック図
【
図25】第3の実施の形態のプリンタの電気回路の説明図(1)
【
図26】第3の実施の形態のプリンタの電気回路の説明図(2)
【
図27】第3の実施の形態のプリンタの電気回路の説明図(3)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。以下、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。また、X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。
【0010】
携帯型のプリンタは、プリンタとして機能する印刷機能部10、充電池を有する電源部80、充電池に充電するための充電回路を有する充電部90、充電池の電圧をロジック電圧に変換するDC-DCコンバータ74を有しており、これらの配置について考える。
【0011】
プリンタをペン型に形成する場合、
図1(a)に示すように、プリンタの一方の端部に電源部80を設け、他方の端部に向かって、電源部80、充電部90、DC-DCコンバータ74、印刷機能部10の順に配置する方法が考えられる。印刷機能部10を構成する要素のうち、バッテリ電圧で動作する要素には電源部80からバッテリ電圧が供給され、ロジック電圧で動作する制御機能部を駆動、制御する要素にはDC-DCコンバータ74からロジック電圧が供給される。尚、従来は充電部90の充電を開始すると、充電電流を他の回路機能部が消費し、充電電流を低下させるので、充電が不完全となるような障害を避ける目的で印刷機能部10におけるロジック電圧の供給が停止する方式が一般的であった。
【0012】
図1(a)の場合プリンタの中央部分に充電部90が配置されるが、充電部90は比較的大きく、後述するようにプリンタの機能選択などの操作をするためのダイヤルなどをこの部分に配置しようとした場合、充電部90等とダイヤルなどとが干渉し、プリンタの中央部分が大きくなり、プリンタが全体的に大きくなったり、またはプリンタの中央部分が太く膨らむ形状となり、持ち運びの利便性が低くなる。更に、電池電圧を変更するには、印刷機能部との連結部の新規設計が必要となる。
【0013】
充電部90には充電用のUSBコネクタ296等を有するが、USBコネクタ296は他の部品に比べて大型であり、更に、プラグは厚く、プラグの装着を目的として周囲にスペースが必要になること、また、USBコネクタ296の開口部が装置の中心部に設けられることによる強度低下をカバーするため、厚くしたり大径にして強度確保をする必要がある。また、この部分に実装するダイヤルのノックスイッチ243もまた大きなスペースを必要とし、充電コネクタ部とこれらの機能部品とを完全に分離する必要性から、大きなスペースを必要とする。
【0014】
一方、本実施の形態のプリンタは、
図1(b)に示すようにプリンタの一方の端部に充電部90を設け、他方の端部に向かって、充電部90、電源部80、DC-DCコンバータ74、印刷機能部10の順に配置する構造のものである。この場合には、中央部分の電源部80と印刷機能部10との間にノックダイヤルを省スペースで配置することが可能となるため、プリンタの中央部分が膨らむことはなく、また、プリンタが大型化することもない。尚、ノックダイヤル部202は、ロジック用DC/DCコンバータの入力制御リニア信号とリニア信号検出回路のため、電池電圧が変動しても、変更は不要である。また、充電部90を他端に設けることにより、充電部90を電池電圧に合わせて変更することが容易となり、電池容量、サイズに合わせて電源部80と充電部90を対応させるのみでよい。即ち、充電部90を端部に設けることにより、設計変更などが容易となり、電池電圧を変更する場合の新規設計の負担が軽くなる。本実施の形態は、このような検討の結果に基づきなされたものである。
【0015】
(印刷装置)
本実施の形態による印刷装置について説明する。本実施の形態による印刷装置は、情報通信装置から受信した情報を記録紙に印刷するものである。
【0016】
本実施の形態による印刷装置であるプリンタ200について、
図2から
図4に基づき説明する。
図2はプリンタ200の斜視図であり、
図3はプリンタの正面図であり、
図4はプリンタの部分断面図である。プリンタ200は外観が円柱状に形成されており、プリンタ機能と無線による通信機能とを有しているIoT(Internet of Things)デバイスである。
【0017】
プリンタ200は、印刷機能部210、ノックダイヤル部202、電源部280、充電部290を有しており、X1側からX2側に向かって、充電部290、電源部280、ノックダイヤル部202、印刷機能部210の順に設けられている。電源部280は、印刷機能部210と充電部290との間に設けられている。
【0018】
図4等に示されるように、印刷機能部210は、サーマルヘッド等の印刷ヘッド211、プラテンローラ212、給紙ローラ213、記録紙ガイド214、加圧バネ(不図示)、制御基板216、内蓋250、外蓋260を有している。印刷ヘッド211は加圧バネ(不図示)によりプラテンローラ212に押されている。記録紙は、給紙ローラ213が設けられている側から記録紙ガイド214に沿ってプリンタ200に入り、印刷ヘッド211とプラテンローラ212との間で挟まれた状態で搬送されながら印刷されて排紙される。制御基板216には、プリンタ200の制御を行う電子回路や電子部品が搭載されている。
【0019】
内蓋250及び外蓋260は円筒状であり、外蓋260の内側に内蓋250が入るように形成されている。内蓋250には、その母線に沿って開口している給紙口251及び排紙口252が設けられており、外蓋260にはその母線に沿って開口している給紙口261及び排紙口262が設けられている。外蓋260は内蓋250に対し回転可能である。プリンタ200により印刷を行う際には、内蓋250の給紙口251と外蓋260の給紙口261の位置が一致して開いており、内蓋250の排紙口252と外蓋260の排紙口262の位置が一致して開いている。このように開いている給紙口251及び給紙口261より記録紙がプリンタ200に入り、排紙口252及び排紙口262より排紙される。
【0020】
プリンタ200は、給紙口251、261が開放している状態で記録紙が収納される不図示のカセットを給紙口261に接続できる。プリンタ200で印刷を行う際には、印刷データが情報通信装置よりプリンタ200にBLE(Bluetooth Low Energy)等の無線通信により送信される。プリンタ200は印刷データを受信し、記録紙に印刷が行われる。
【0021】
電源部280には、筐体内部に充電池としてリチウムイオン電池が入れられており、充電池より供給される電力によりプリンタ200を駆動することができる。プリンタ200のX2側にはフック201が設けられており、印刷機能部210と電源部280との間にノックダイヤル部202が設けられている。ノックダイヤル部202は、印刷機能部210への電源供給を切り替える機能を有する。
【0022】
プリンタ200は、直径が約18mm、長さは約165~170mmと小型であり、ストレスを伴うことなく持ち運びができる。フック201により、ペンと同様に衣服の胸のポケット等にさした状態で持ち運ぶことが可能である。
【0023】
(操作機能部)
次に、プリンタ200の操作機能について説明する。
図2に示されるように、プリンタ200にはノックダイヤル部202が設けられている。ノックダイヤル部202は情報入力部として機能する。
【0024】
図5はノックダイヤル部202の内側の斜視図であり、
図6はX2側から見たノックダイヤル部202の透過図であり、
図7はノックダイヤル部202をX1側から見た透過図であり、
図8はノックダイヤル部202をZ1側から見た透過図である。
【0025】
ノックダイヤル部202は、
図5から
図8に示されるように、ダイヤルノブ220、エンコーダホイール230、第1のフォトセンサ241、第2のフォトセンサ242、ノックスイッチ243を有している。
【0026】
(ノックダイヤル部)
ダイヤルノブ220は円筒状に形成され、内側には歯車221が設けられており、ノックダイヤルベース255の外側に設置されている。エンコーダホイール230は、ダイヤルノブ220の内側に回転軸231を中心に回転可能な状態で基板204に取り付けられており、周囲には歯車232が設けられている。ノックダイヤルベース255のエンコーダホイール230が設置される領域には開口253aが設けられており、ダイヤルノブ220の歯車221とエンコーダホイール230の歯車232とが開口253aで噛み合っている。
【0027】
本実施の形態で、ダイヤルノブ220を回転させることにより、歯車221と噛み合っている歯車232を有するエンコーダホイール230が回転軸231を中心に回転する。
【0028】
エンコーダホイール230は光を反射するように白色の材料により形成されており、第1のフォトセンサ241及び第2のフォトセンサ242が設けられている側の側面には
図9に示されるように部分的に光を反射しない黒色の非反射部233が設けられている。非反射部233は回転軸231を中心とした半円状に形成されており、非反射部233が形成されていない部分は光を反射する反射部となる。尚、非反射部233と反射部とは互いの反射率が異なればよく、例えば反射部よりも光の反射率が低ければ黒色でなくてもよい。
【0029】
第1のフォトセンサ241及び第2のフォトセンサ242は、ともに反射型の光学式センサであり、発光部と受光部とを有している。第1のフォトセンサ241と第2のフォトセンサ242は、エンコーダホイール230の側面の異なる位置で反射光を検出するように配置されている。回転軸231を基準として、第1のフォトセンサ241と第2のフォトセンサ242のなす角度が、例えば135°となるように、第1のフォトセンサ241及び第2のフォトセンサ242は基板204に取り付けられている。
【0030】
本実施の形態によるプリンタ200では、ダイヤルノブ220を回転させることにより情報入力が可能である。具体的には、ダイヤルノブ220を回転させることによるエンコーダホイール230の回転を第1のフォトセンサ241及び第2のフォトセンサ242を用いて検出することにより、ダイヤルノブ220の回転方向などを判断することができる。
【0031】
プリンタ200では、
図7に示されるX1側から見てダイヤルノブ220を右回転させた場合にはエンコーダホイール230も右回転する。
図7に示されるX1側から見てダイヤルノブ220を左回転させた場合には、エンコーダホイール230も左回転する。本実施の形態では、第1のフォトセンサ241及び第2のフォトセンサ242によりエンコーダホイール230の回転及び回転方向を検出することにより、ダイヤルノブ220の回転及び回転方向を検出することができる。図中のダイヤルノブ220、エンコーダホイール230は歯車で形成しているが、Oリングに替えてもよい。
【0032】
(電源部、充電部)
次に、本実施の形態による電源部280及び充電部290について、
図10から
図14に基づき説明する。
図11及び
図12は電源部280の陰極側及び充電部290の斜視図であり、
図13及び
図14は電源部280の陽極側の斜視図である。
【0033】
電源部280は、ケース281と、ケース281の内部に入れられるリチウムイオン電池等の充電池282を有している。ケース281内部のX1側の端には陰極用のコイルバネ283が、X2側の端には陽極端子284が設けられており、充電池282はコイルバネ283と陽極端子284との間に挟まれている。充電池282の陰極はコイルバネ283と接触しており、充電池282の陽極は陽極端子284と接触している。尚、ダイヤルノブ220、エンコーダホイール230が取り付けられている基板204は、充電池282の陽極側に設けられている。また、ケース281の内部には、X1側からX2側に延びる充電内部配線285が設けられている。
【0034】
充電部290は、プリンタのX1側の端部に設けられている。充電部290は、外側を覆うキャップ291及びUSBコネクタ296を塞ぐキャップ292を有しており、充電部のベース293とキャップ291とは固定用の金具294をはさんで固定されている。尚、コイルバネ283は、ベース293の充電池282側に固定されている。
【0035】
ベース293には、ベース293よりも外側に延びる充電回路の基板295が設けられている。基板295の一方の面にはUSBコネクタ296が設けられており、他方の面にはIC(Integrated Circuit)等により形成された充電回路297が設けられている。キャップ292はUSBコネクタ296の挿入口の手前に設けられており、キャップ292を取り外すことによりUSBコネクタ296の挿入口が露出し、充電のためのUSB接続端子を接続することができるように形成されている。
【0036】
また、コイルバネ283と、基板295に設けられた陰極配線を接続する接続バネ282aが設けられており、基板295に設けられたランドパターンと接続される。また、基板295の信号と内部配線信号を接続する内部配線用の電極バネ285aと、電極バネ285aと充電内部配線285とを接続する接続部285bが設けられている。
【0037】
電源部280の陽極側では、ネジによりノックダイヤルベース255にケース281を固定するためのネジ穴286が設けられている。また、基板204よりもX2側には、陽極端子284の基板側の端部284a、電池ケース基板側の端部281a、内部配線基板側の端部285dが設けられており、印刷機能部210の不図示の配線と接続されている。充電内部配線285は、接続バネ285cにより端部285dと接続されている。一方、充電池282の陰極部から接続バネ282aを介し、金具294と接続するバネ298が設けられ、金具294がケース281にねじ上に止められることで、端部281aを介して基板204に接続される。
【0038】
(機能ブロック)
次に、プリンタ200の機能ブロックを、
図15に基づき説明する。電源部280には充電池282が入れられており、充電部290には、USBコネクタ296、充電回路297、インジケータ277が設けられている。また、印刷機能部210には、プリンタ200の全体を駆動する不図示のドライバ回路、制御部となるCPU(Central Processing Unit)275が設けられている。ノックダイヤル部202には、第1のフォトセンサ241、第2のフォトセンサ242、ノックスイッチ243、第1のゲート回路271、第2のゲート回路272、論理和回路273、DC-DCコンバータ274、検出回路276、ダイオード301が設けられている。
【0039】
プリンタ200は、不図示の情報通信装置との間で無線による情報通信を行うことができる。情報通信装置とプリンタ200との通信手段は、例えばBLEである。
【0040】
図15に基づきブロックの機能と接続信号について説明する。
【0041】
USBコネクタ296には、外部より充電器が接続される。この際、次段の充電回路297に対し、高圧の充電電圧を供給する。充電回路297が充電モードに入るとインジケータ277を点灯し、充電中であることを表示する。充電回路297は、充電池282を充電するため、定電流制御された電圧を出力するが、この際、充電池282に対し高圧となることから、ダイオード301を介し、充電を開始する。例えば、充電池282が過放電状態にある場合、充電回路297の充電電圧が引っ張られて低くなることから、充電回路297を保護として充電を停止する。
【0042】
ダイオード301を介し電力が供給されるか、若しくは、充電池282により、ノックスイッチ243、第1のゲート回路271、第2のゲート回路272に電圧が印加された状態にある。この状態で、ノックスイッチ243を押下すると、第1のゲート回路271に電源オン要求信号が出力される。この信号を受けて、第1のゲート回路271は、論理和回路273に対し、「H」を出力する。論理和回路273は、「H」を次段のDC-DCコンバータ274に出力する。DC-DCコンバータ274は、ロジック電圧VDDを出力する。これにより、CPU275が起動し、第2のゲート回路272に対し、電源ロック信号を出力する。この信号を受けて、第2のゲート回路272は、論理回路273に対し、「H」を出力する。このとき、ノックスイッチ243の押下をやめても論理和回路273は「H」をDC-DCコンバータ274に出力しており、CPU275が電源ロック信号を出力し続けるため、この状態が継続される。CPU275は、充電状態を検出する検出回路276の出力を確認し、充電中である旨が検出されると、現行処理終了後、状態をホルト(halt)にする。これは充電電流が他の処理に使われて充電が不完全になることを防止するためである。CPU275起動後にノックスイッチ243を押下すると、スイッチ押下検出信号が「L」となり、押下された旨の検出がなされる。これにより、モード選択等の入力をCPU275は検出することができる。第1のフォトセンサ241、第2のフォトセンサ242は、ノックダイヤル部202の回転検出信号を生成する。CPU275は信号のシーケンスを判断して、右回転か左回転かを判定する。
【0043】
尚、USBコネクタ296は、外部充電器接続用コネクタであり、充電回路297に電力を供給する。
【0044】
充電回路297は、USBコネクタ296より入力電圧を受け、充電池282に充電電圧の電力を供給する。この電圧は、ダイオード301及び充電状態を検出する検出回路276にも供給される。
【0045】
インジケータ277は、充電中で有ることを表示するものであり、インジケータ277への信号は、充電回路297より供給される。
【0046】
充電池282は、例えば、リチウムイオン二次電池であり、充電時はダイオード301からの出力電圧により充電池282に充電電流が流れ込む。通常駆動時(放電時)では、次段のゲート回路、ヘッド、モータ等の電力を必要とする部品に直結される。
【0047】
ダイオード301は、充電方向にのみ電流を流し、待機時は放電をカットする。
【0048】
ノックスイッチ243は、充電池282の電源とグランドとの間に挿入され、第1のゲート回路271及びダイオード304を介してCPU275に接続される。第1のゲート回路271に対してはソースであり、CPU275に対してはシンクである。ダイオード304は、CPU275の電源VDDが断たれたとき、ラッチアップや誤動作を防止する。
【0049】
第1のゲート回路271は、例えば、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタであり、電力は充電池282から供給され、ノックスイッチ243の押下により、論理和回路273に対し「H」を出力する。
【0050】
第2のゲート回路272は、例えば、MOSトランジスタであり、電力は充電池282から供給され、CPU275が起動した後、DC-DCコンバータ274を起動状態にロックするCPU275からゲート方向の信号により、電源ロック信号「H」を論理和回路273に対し出力する。
【0051】
論理和回路273は、第1のゲート回路271及び第2のゲート回路272の論理和をDC-DCコンバータ274に対して出力する。
【0052】
DC-DCコンバータ274は、論理和回路273からの信号を受けて、VDDを出力する。
【0053】
検出回路276は、例えば、MOSトランジスタであり、電力はVDDから供給され、充電回路297からの出力があることを検知し、充電状態をCPU275に通知する。
【0054】
第1のフォトセンサ241、第2のフォトセンサ242は、ダイヤルが回転するとき、位相差信号を検出信号1、検出信号2として出力する。CPU275は、この信号より右回転か左回転かを判断する。
【0055】
即ち、
図15に示されているように、ノックスイッチ243を押下すると、ノックスイッチ243の図示下側の端子が接地される。これにより、CPU275からノックスイッチ243に向けて信号が流れ、第1のゲート回路271のゲートが接地され第1のゲート回路271がオンになる。
【0056】
電源ロック信号がオンになると、第2のゲート回路272のゲートに信号が入力し第2のゲート回路272がオンになり、論理和回路273の出力が「H」となり、DC-DCコンバータ274がオンとなり、VDDが印加され、充電電圧が印加されることにより、検出回路276がオンとなり、充電検出信号がオンになる。
【0057】
(電源オン)
プリンタ200を充電池282により駆動するために、プリンタ200の電源をオンにする場合について、
図16等に基づき説明する。プリンタ200の電源をオンにするには、ダイヤルノブ220の外側よりノックスイッチ243が設けられている部分を所定の時間押す。この操作によって、ノックスイッチ243が長押しされる。
【0058】
プリンタ200の電源をオンにする過程について、
図16及び
図17に基づき説明する。
図17は充電池282により駆動されている状態のプリンタの回路を示す。実線は電流や信号が流れることを示し、点線は電流や信号が流れないことを示す。
【0059】
S102においてノックスイッチ243が押下された場合には、S104に移行する。一方、ノックスイッチ243が押下されていない場合にはS102を繰り返す。尚、ノックスイッチ243には、プリンタ200がオフの状態であっても充電池282から電圧が印加されている。
【0060】
ノックスイッチ243が押下された場合は、ノックスイッチ243が押下されている期間中、電源オン要求信号がノックスイッチ243から第1のゲート回路271に出力される。電源オン要求信号が入力すると、S104において第1のゲート回路271から「H」レベルの信号が出力されるので、S106において論理和回路273に第1のゲート回路271からの出力「H」が入力し、論理和回路273の出力が「H」となる。
【0061】
次に、S108において、論理和回路273からの出力「H」がDC-DCコンバータ274に入力することによりDC-DCコンバータ274が起動し、DC-DCコンバータ274より電圧VDDが印刷機能部210に供給される。
【0062】
ノックスイッチ243が押されている間はスイッチ押下検出信号"L"がCPUに出力される(回路的にはシンク信号)ので、スイッチ押下検出信号に基づいて、S102で押下されてからのノックスイッチ243の押下時間が所定の時間以上経過した場合、CPUが安定起動状態に入る。短い場合、CPUは非起動でスイッチを離すとオフする。S110において、ノックスイッチ243の押下時間が所定の時間以上である場合にはS112に移行し、ノックスイッチ243の押下時間が所定の時間に満たない場合にはS114に移行する。
【0063】
S112では、CPU275が起動し、S116に移行する。
【0064】
一方、S114では、DC-DCコンバータ274を停止し、プリンタ200の電源がオフとなり処理を終了する。
【0065】
S112でCPU275を起動した後、S116において、ノックスイッチ243からCPU275に正常にノック入力信号が入力しているか否かを判断する。ノック入力信号はノックスイッチ243を押下すると生じる信号である。正常なノック入力信号の入力を判断するには、所定時間押下した後解除されたか否かを検出する事で行う。電源投入のためにノックスイッチ243が押下された場合、操作者は適当な時期に押下を止めることが期待される。一方、所定時間を超えてノック入力信号が解除されない場合には、スイッチが物で押下されている様な異常であると判断することができる。CPU275に正常なノック入力信号が入力していると判断した場合にはS118に移行し、正常なノック入力信号が入力していないと判断された場合にはS114に移行する。
【0066】
このように、S110でノックスイッチ243が長押しされていることをCPU275で検出することにより、プリンタ200を操作しているオペレータの電源オン操作意志を確認することができ、誤ってプリンタ200の電源がオンになることを防いでいる。
【0067】
次に、電源オン要求を受けつけて、S118において、CPU275から第2のゲート回路272に対しDC-DCコンバータ274の出力を保持するための電源ロック信号「H」を出力する。具体的には、所定時間長押しするのが電源オン要求なので起動され、CPUが所定期間でスイッチが離れた事で判断される。
【0068】
次に、S120において、DC-DCコンバータ274の動作がロックされる。具体的には、CPU275より出力された電源ロック信号「H」が第2のゲート回路272に入力すると、第2のゲート回路272の出力が「H」となり論理和回路273に入力する。電源ロック信号はノックスイッチ243がオフとなってもCPU275から継続して出力されるため、ノックスイッチ243を押している指を離しても論理和回路273からの出力が「H」レベルに維持される。これにより、論理和回路273からの出力「H」が入力しているDC-DCコンバータ274の動作がロックされ、印刷機能部210や、第1のフォトセンサ241、第2のフォトセンサ242への電力供給が継続される。
【0069】
次に、S122においてインジケータ277が複数回点滅する。インジケータ277が点滅することにより、オペレータにプリンタ200の電源がオンになったことを知らせることができる。
【0070】
以上により、プリンタ200の電源をオンにすることができ、充電池282によりプリンタ200を駆動することができる。尚、インジケータの点滅パターンは個別仕様による。
【0071】
尚、本実施の形態においては、充電池282と充電回路297との間にダイオード301が設けられている。ダイオード301は、アノードが充電回路297に、カソードが充電池282に接続されている。従って、充電回路297から充電池282には電流は流れるが、充電池282から充電回路297には電流は流れない。よって、
図17に示されるように、充電池282によりプリンタ200を駆動している状態で、充電池282から充電回路297に電流が流れることはない。
【0072】
次に、
図18に基づき、充電池282の充電について説明する。充電池282を充電する場合には、充電部290のUSBコネクタ296に、外部より不図示のバッテリチャージャーの出力となるUSB端子を接続する。バッテリチャージャーは、商用電源より入力する交流を所定電圧の直流に変換する。
【0073】
USBコネクタ296にバッテリチャージャーのUSB端子が接続されると、バッテリチャージャーより供給された電力により充電回路297が起動し、充電回路297よりダイオード301を介して充電池282に電力が供給され、充電池282の充電が開始する。充電回路297の出力は充電状態を検出する検出回路276にも入力する。検出回路276の出力はCPU275に入力する。CPU275は、検出回路276の出力に応じて充電が行われていることを認識できる。
【0074】
充電検出信号は、プリンタが起動、動作中にあっては、進行中の処理を終了した後、電源オフを実行したり、動作中になければ速やかに電源オフを実行するために使用される。充電中に、その他の機能が動作する場合、充電電流を消費する。充電回路は、電池の充電及びその他の消費電流の総和のみ検出可能であるので、実際の充電電流は、動作モードに依存して大きく変動することになる。このことは不完全な充電となる場合があり、操作者が充電したと認識している状況で、実際には殆ど充電はなされていないといったことを回避するためである。
【0075】
また、動作中に、CPU275は、充電器が接続されたことを充電検出信号により検出することができ、現行の必要処理を終了した後、DC-DCコンバータ274をオフにし、充電電流をすべて充電池282の充電にまわすことで、上記のような障害を避けることが可能となる。
【0076】
CPU275は、充電時にプリンタ200の電源がオンとなっている場合には、現行処理終了後電源をオフにするために、第2のゲート回路272にロック解除の信号、即ち電源ロック信号「L」を出力する。第2のゲート回路272に電源ロック信号「L」が入力すると、第2のゲート回路272の出力が「L」となる。ノックスイッチ243が押下されていない場合には第1のゲート回路271の出力も「L」となるため、第1のゲート回路271の出力「L」と第2のゲート回路272の出力「L」が入力している論理和回路273の出力が「L」となる。これにより、論理和回路273の出力「L」が入力しているDC-DCコンバータ274が停止し、プリンタ200の電源はオフとなる。
【0077】
本実施の形態は、以下の特徴を有している。
【0078】
回路の構成がシンプルで部品が少ない。半導体スイッチ等がないため不要なインピーダンス成分が入らない。プリンタ200の動作中に誤ってバッテリチャージャーが接続された場合であっても、充電状態の検出信号をCPU275が検出し、実行中の処理を終了した後、アラームを返すようなインタラクティブ処理が可能である。充電を目的としない使い方をしたい場合、アプリを起動し確認を行った上で、電源ロックしてアプリを実行し、終了後アプリからの電源遮断要求を受けて、遮断実行に入ることが可能である。尚、「充電を目的としない使い方」としては、具体的には、バッテリチャージャーを通常動作時のプリンタへの給電に使用することが想定される。
【0079】
実行中の処理によっては、登録情報のダウンロードや、登録情報のホストへの送信等メンテナンスに係わる時間を要求する処理が重なる場合がある。この場合には、充電よりも登録等の処理を優先するか、処理を中断する等の判断が含まれる。途中で中断する場合には、この情報をホストに通知する必要がある。このように、処理に応じたアラームを返すような処理が必要となる。尚、基本的には、印字処理の場合には印字の完了をもって電源遮断され、非印字処理の場合には、処理内容によって中断する場合がある。
【0080】
また、長時間に渡るBLE通信等では、電池駆動では寿命が問題となることから、ACアダプター駆動が必要となる。アプリによってACアダプター駆動が必要となるセンサ機能時等は、アプリによって電源をロックしたり、高電圧のACアダプターを用いて高速印字を行う場合には、ACアダプターモードに固定する。電源は、ダイオード301を介してヘッド、モータに供給され、給電圧は印刷機能部210内に設けられた電圧検出機能によって検出することができる。
【0081】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態によるプリンタについて説明する。
【0082】
本実施の形態によるプリンタの機能ブロックを
図19に基づき説明する。電源部280の内部には充電池282が入れられている。充電部290には、USBコネクタ296、充電回路297、インジケータ277、設定回路310、スイッチ320、第1のスイッチ回路331が設けられている。また、印刷機能部210には、プリンタ200を駆動する不図示のドライバ回路、制御部となるCPU275が設けられている。
【0083】
設定回路310は、充電回路297が充電電圧を出すときに、第1のスイッチ回路をオープンに設定する。スイッチ320は、長期保存の状態にあって、第1のスイッチ回路331をハードウェア的にオープンに設定する。設定回路310は、充電池282のフィードバック電圧と充電回路297の出力信号を入力とし、フィードバック電圧は制限抵抗を介して、第1のスイッチ回路331のLEDのアノード端子に接続される。設定回路310の出力はMOSトランジスタ等のスイッチ素子のゲートに入力され、スイッチ素子の出力が、制限抵抗と第1のスイッチ回路331への入力の接合部に接続され、設定回路310の出力電圧により、第1のスイッチ回路331の入力電圧を「H」、「L」に設定する。
【0084】
ノックダイヤル部202には、第1のフォトセンサ241、第2のフォトセンサ242、ノックスイッチ243、第1のゲート回路271、第2のゲート回路272、論理和回路273、DC-DCコンバータ274、ダイオード302、第2のスイッチ回路332が設けられている。
【0085】
第1のスイッチ回路331及び第2のスイッチ回路332は、LED(Light Emitting Diode)、光電素子、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)を備え、LEDが発した光を光電素子が受光することによりオンオフが制御されるフォトMOSスイッチにより形成されている。LEDに順方向の電流が流れるとLEDが発光する。第1のスイッチ回路331及び第2のスイッチ回路332は、ノーマルオープンのものである。抵抗333は第2のスイッチ回路332のLEDに対するバイアス抵抗である。
【0086】
第1のスイッチ回路331は、設定回路310からの信号のオン/オフでオン/オフする。第1のスイッチ回路331において、設定回路310側端子を1、スイッチ320側端子を2、第1のスイッチ回路331の図示上側の端子を3、下側の端子を4とした場合、1と2との間にLED配置される。設定回路310から電圧印加で、第1のスイッチ回路331内部のLEDが発光し、第1のスイッチ回路331内部のフォトMOSスイッチがオンとなり、3と4が導通する。
【0087】
スイッチ320がオフでは、第1のスイッチ回路331内部のLEDに電流が流れないため、LEDがオフとなり、第1のスイッチ回路331内部のフォトMOSスイッチがオフとなり、3と4が非導通となる。
【0088】
第2のスイッチ回路332において、図示左上側の端子を1、左下側の端子を2、右上側の端子を3、右下側の端子を4とし、LEDの配置は第1のスイッチ回路331と同様であるものとする。
【0089】
1から電圧印加すると、第2のスイッチ回路332内部のLEDが発光し、第2のスイッチ回路332内部のフォトMOSスイッチがオンとなり、3と4が導通する。
【0090】
1からの電圧印加停止すると、第2のスイッチ回路332内部のLEDがオフとなり、第2のスイッチ回路332内部のフォトMOSスイッチがオフとなり、3と4とが非導通になる。
【0091】
充電池282より駆動されているプリンタを
図20に基づき説明する。プリンタが充電池282より駆動されている場合には、充電池282の電力はノックダイヤル部202及び印刷機能部210に供給されるとともに、充電部290にも供給されている。
図20では、設定回路310に充電池282から電力が供給されており、スイッチ320は閉じられている。充電池282から電力が供給されている設定回路310は第1のスイッチ回路331をオンにするための信号を第1のスイッチ回路331に出力する。この信号は、スイッチ320が閉じて回路を形成することから設定回路310→第1のスイッチ回路331内のLED→スイッチ320の経路を電流が流れ、LEDが発光し、第1のスイッチ回路331がオンとなる。
【0092】
ノックダイヤル部202に設けられている第2のスイッチ回路332は、ダイオード302と並列に接続されている。
図20の状態では充電池282から第2のスイッチ回路332に順方向の電圧が印加する。第1のスイッチ回路331がオンとなっているため、第2のスイッチ回路332内のLEDに電流が流れて第2のスイッチ回路332がオンとなり、印刷機能部210へ電力が供給される。一方、ダイオード302には逆方向に電圧が印加するため、充電池からの電流はダイオード302には流れない。
【0093】
第2のスイッチ回路332の機能は、以下で説明するが、充電時に電圧がダイオード302の順方向にかかり、ダイオード302を通して充電池282を充電することになるが、このとき、ノックスイッチ243以降の回路に逆バイアスが印加されることになるため、回路をカットする目的で設けられている。
【0094】
次に、
図21に基づき、充電池282への充電について説明する。充電池282を充電する場合には、USBコネクタ296に、不図示のバッテリチャージャーのUSB端子を接続する。
【0095】
USBコネクタ296にUSB端子が接続されると、バッテリチャージャーより供給された電力により充電回路297が起動する。この場合、ダイオード302に順方向の電圧が印加するので、充電回路297よりダイオード302を介し充電池282に電力が供給され、充電池282の充電が開始する。
【0096】
充電池282からの電力は設定回路310に供給されるが、充電回路297の出力も設定回路310にも入力する。充電回路297の出力が設定回路310に入力する状態では、設定回路310は第1のスイッチ回路331をオフにするよう制御し、第1のスイッチ回路331は開いており充電回路297の出力信号の短絡を防止している。
【0097】
また、充電池282を充電する際には、第2のスイッチ回路332には逆方向に電圧が印加し、また第1のスイッチ回路331がオフとなっているため、第2のスイッチ回路332内のLEDは発光せず、第2のスイッチ回路332が開いたままとなり、ノックダイヤル部202及び印刷機能部210には電力は供給されない。
【0098】
尚、長期間プリンタを使用しない場合には、
図22に示すように、スイッチ320をオフにする。これにより、第1のスイッチ回路331内のLEDに電流が流れなくなるため、第1のスイッチ回路331が開いたままの状態となる。この場合、第2のスイッチ回路332内のLEDにも電流が流れずに第2のスイッチ回路332がオフとなり、印刷機能部210への電力供給がされなくなるため、充電池282に充電されている電力を長期間保つことが可能となる。
【0099】
本実施の形態は、以下の特徴を有している。
【0100】
充電池282による駆動と充電とをスイッチ回路のオンオフによってハードウェア的に切り替える構成であるため、CPU275や検出回路を用いることなく充電池282による駆動と充電とを切り替えることができる。スイッチ320による設定により、長期間使用しない場合に充電池282の電力消費を抑制することができる。この場合は、第1のスイッチ回路331、第2のスイッチ回路332ともにオンとならないため、ノックスイッチ243を押下しても電源起動しない。ノックスイッチ243を押しても電源が起動しないのは、ノックスイッチ回路以降での電力供給回路がカットされ、ハードウェア的に切り離されるからである。
【0101】
即ち、充電時では、設定回路310からの信号オフになると、3と4とが非導通となり、
図21の経路で電流が流れる。
【0102】
また、電池駆動時では、第2のスイッチ回路332がオンとなると、充電池282の出力がフィードバックされ、第1のスイッチ回路331がオンとなり、回路が形成され、第2のスイッチ回路332の出力が導通する。
【0103】
また、設定回路310からの信号がオンになると、第1のスイッチ回路331がオンとなり、第1のスイッチ回路331の3と4とが導通し、
図19の経路で電流が供給される。
【0104】
また、長期間非使用時では、スイッチ320がオフとなり、第1のスイッチ回路331がオフとなり、第2のスイッチ回路332に電流が流れず第2のスイッチ回路332がオフとなり、
図22の経路で電流が流れる。
【0105】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0106】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態におけるプリンタについて説明する。
【0107】
本実施の形態によるプリンタの機能ブロックを
図23に基づき説明する。電源部280には充電池282が入れられており、充電部290には、USBコネクタ296、充電回路297、インジケータ277、設定回路310、スイッチ320、第1のスイッチ回路331、充電池350、ダイオード306が設けられている。
【0108】
印刷機能部210には、プリンタ200の全体を駆動する不図示のドライバ回路、制御部となるCPU275が設けられている。
【0109】
ノックダイヤル部202には、第1のフォトセンサ241、第2のフォトセンサ242、ノックスイッチ243、第1のゲート回路271、第2のゲート回路272、論理和回路273、DC-DCコンバータ274、ダイオード302、第2のスイッチ回路332が設けられている。
【0110】
本実施の形態では、充電池350より設定回路310に電力が供給されている。充電池350は、
図24に示されるように充電部290の端部に設けてもよい。充電池350としては、ピン型の超小型リチウムイオン電池等を用いることができる。
【0111】
充電池282より駆動されているプリンタについて、
図25に基づき説明する。プリンタが充電池282より駆動されている
図25では、スイッチ320は閉じられており、設定回路310による第1のスイッチ回路331をオンにする制御により、第1のスイッチ回路331は閉じられている。また、第2のスイッチ回路332には充電池から電力が供給されているため、第2のスイッチ回路332内のLEDが発光し、第2のスイッチ回路332は閉じられる。このため、充電池282の電力は、ノックダイヤル部202及び印刷機能部210に供給される。
【0112】
即ち、充電池350により、設定回路310に電圧印加され、第1のスイッチ回路331のLEDのアノード側に「H」が印加されるが、スイッチ320がクローズしていることで、順方向に電流が流れ、第1のスイッチ回路331の出力側のフォトMOSスイッチをオンし短絡することで、第1のスイッチ回路331は閉じられている。
【0113】
次に、
図26に基づき、充電池282への充電について説明する。充電池282に充電する場合には、USBコネクタ296に、不図示のバッテリチャージャーのUSB端子を接続する。
【0114】
USBコネクタ296にUSB端子が接続されると、バッテリチャージャーより供給された電力により充電回路297が起動し、充電回路297よりダイオード302を介し充電池282に電力が供給され、充電池282の充電が開始する。充電回路297の出力が入力している設定回路310は第1のスイッチ回路331をオフにするよう制御し、第1のスイッチ回路331は開いている。
【0115】
本実施の形態においては、
図26に示されるように充電池282を充電する際には、
図25に示される充電池282による駆動の場合とは逆方向に電流が流れるために第2のスイッチ回路332はLEDが逆バイアスされ出力がオフ(オープン)となり、ノックダイヤル部202及び印刷機能部210には電力は供給されない。尚、充電池350についても、充電池282と同様に充電することができる。
【0116】
尚、長期間プリンタを使用しない場合には、
図27に示すようにスイッチ320を開きオフにする。これにより、第1のスイッチ回路331がオンとはならずに電流が流れなくなり、また第2のスイッチ回路332もオンにはならない。このため、印刷機能部への給電が行われなくなり、充電池282の電力が消耗することがなくなる。
【0117】
本実施の形態は、以下の特徴を有している。
【0118】
設定回路310の電力供給を充電池350で行うことにより充電内部配線285が不要となる。充電池282による駆動と充電とをスイッチ回路のオンオフによってハード的に切り替える構成であるため、CPU275や検出回路を用いることなく、充電池282による駆動と充電とを切り替えることができる。スイッチ320による設定により、長期間使用しない場合に充電池282の電力消費を抑制でき、また、この場合にノックスイッチ243を押下しても電源起動しない。
【0119】
尚、上記以外の内容については、第2の実施の形態と同様である。
【0120】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0121】
200 プリンタ
202 ノックダイヤル部
210 印刷機能部
220 ダイヤルノブ
243 ノックスイッチ
255 ノックダイヤルベース
280 電源部
282 充電池
285 充電内部配線
290 充電部
296 USBコネクタ
297 充電回路
301、302 ダイオード
331 第1のスイッチ回路
332 第2のスイッチ回路