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特許7185549エアロゾル発生物品のためのマルチセグメント構成要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品のためのマルチセグメント構成要素
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20200101AFI20221130BHJP
【FI】
A24F47/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019021416
(22)【出願日】2019-02-08
(62)【分割の表示】P 2018512914の分割
【原出願日】2016-09-08
(65)【公開番号】P2019088315
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2019-09-06
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-18
(31)【優先権主張番号】15184965.0
(32)【優先日】2015-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】マルガ アレクサンドル
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】松下 聡
【審判官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4967774(US,A)
【文献】特表2014-515932(JP,A)
【文献】特許第6481081(JP,B2)
【文献】特表2015-506709(JP,A)
【文献】特開2001-171030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品のためのマルチセグメント構成要素であって、
可燃性熱源と、
前記可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体と、
前記可燃性熱源をその長さの少なくとも一部分に沿って囲むラッパーとを備え、
前記マルチセグメント構成要素が、前記可燃性熱源と前記ラッパーとの間にある膨張性の層であって、膨張性の無機質の接着剤から形成された、前記膨張性の層をさらに含み、
前記ラッパーは、前記可燃性熱源の前方部分ではなく、前記可燃性熱源の後方部分を囲み、
前記ラッパーが半径方向に内側にある熱伝導材料の層および半径方向に外側にある熱絶縁材料の層を含
前記可燃性熱源が、その外側表面上に少なくとも1つの形成された凹所を有し、前記膨張性の層の前記膨張性の無機質の接着剤が、前記形成された凹所を少なくとも部分的に充填する、マルチセグメント構成要素。
【請求項2】
前記膨張性の層は、前記可燃性熱源の全周囲に延びる、請求項1に記載のマルチセグメント構成要素。
【請求項3】
前記膨張性の無機質の接着剤が、周囲圧力で摂氏20度~摂氏700度に加熱された時に、少なくとも約1.5:1、好ましくは約2:1~約5:1、最も好ましくは約3:1の膨張比を有する、請求項1又は2に記載のマルチセグメント構成要素。
【請求項4】
前記膨張性の層が、少なくとも約0.01mm~約0.1mm、好ましくは約0.01mm~約0.04mm、より好ましくは約0.02mmの厚さを有する、請求項1から3のいずれか1つに記載のマルチセグメント構成要素。
【請求項5】
前記膨張性の無機質の接着剤が、発泡膨張性の無機質の接着剤である、請求項1から4のいずれか1つに記載のマルチセグメント構成要素。
【請求項6】
前記膨張性の無機質の接着剤が、少なくとも1%の水量、好ましくは約1%~約7%の水量、より好ましくは約1%~約5%の水量を含む、請求項1から5のいずれか1つに記載のマルチセグメント構成要素。
【請求項7】
前記膨張性の層が、ケイ酸ナトリウム接着剤で形成される、請求項1から6のいずれか1つに記載のマルチセグメント構成要素。
【請求項8】
前記ケイ酸ナトリウム接着剤が、約2~約3.5のSiO2対1のNa2Oの分子比を持つ、請求項7に記載のマルチセグメント構成要素。
【請求項9】
前記可燃性熱源の前記後方部分が、実質的に一定の断面を有し、少なくとも1つの凹所は、前記後方部分の上流端で終端する、請求項1から8のいずれか1つに記載のマルチセグメント構成要素。
【請求項10】
前記少なくとも1つの形成された凹所の半径方向の外側端が、少なくとも約0.05mmの曲率半径で湾曲する、請求項1から10のいずれか1つに記載のマルチセグメント構成要素。
【請求項11】
前記可燃性熱源の外径が、実質的に前記可燃性熱源の全長に沿って実質的に一定である、請求項から10のいずれか1つに記載のマルチセグメント構成要素。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載のマルチセグメント構成要素を備えたエアロゾル発生物品。
【請求項13】
エアロゾル発生物品のためのマルチセグメント構成要素を製造する方法であって、
可燃性熱源を提供する工程と、
前記可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体を提供する工程と、
膨張性の無機質の接着剤をラッパー材料のウェブに塗布する工程と、
前記可燃性熱源をその長さの少なくとも一部分に沿って囲むラッパーを形成するために前記ラッパー材料のウェブを前記可燃性熱源の周りに包む工程とを備え、
前記膨張性の無機質の接着剤は、前記可燃性熱源と前記ラッパーとの間に膨張性の層を形成し、
前記ラッパーは、前記可燃性熱源の前方部分ではなく、前記可燃性熱源の後方部分を囲み、
前記ラッパーが半径方向に内側にある熱伝導材料の層および半径方向に外側にある熱絶縁材料の層を含
前記可燃性熱源が、その外側表面上に少なくとも1つの形成された凹所を有し、前記膨張性の層の前記膨張性の無機質の接着剤が、前記形成された凹所を少なくとも部分的に充填する、マルチセグメント構成要素を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生物品のためのマルチセグメント構成要素に関連する。特に、本発明は、可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体を加熱するための可燃性熱源と、可燃性熱源の少なくとも後方部分を囲むラッパーとを有するマルチセグメント構成要素に関連する。本発明はまた、そのようなマルチセグメント構成要素のための可燃性熱源、およびそのようなマルチセグメント構成要素を含むエアロゾル生成に関連する。
【背景技術】
【0002】
たばこが燃焼するよりはむしろ加熱される多くの喫煙物品が、当技術分野において提唱されてきた。このような「加熱式」喫煙物品の1つの目的は、従来的な紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解によって生成されるタイプの公知の有害な煙成分を低減することである。加熱式喫煙物品の1つの公知のタイプにおいて、エアロゾルは可燃性熱源から物理的に分離されたエアロゾル形成基体(たばこ含有基体など)への熱伝達によって生成される。エアロゾル形成基体は可燃性熱源の中、周り、または下流に位置してもよい。喫煙中、揮発性化合物は可燃性熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、喫煙物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは、凝縮してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。
【0003】
例えば、WO-A2-2009/022232号は、可燃性熱源と、可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体と、可燃性熱源の後方部分および隣接するエアロゾル形成基体の前方部分の周りにあり、およびそれらと接触した熱伝導性要素と、を備えた喫煙物品を開示する。可燃性熱源およびエアロゾル形成基体は、同軸配列で隣接し、熱伝導性要素と一緒に、喫煙物品の様々な構成要素を合わせて保持する低通気性の紙巻たばこ用紙の外側ラッパーで包装される。使用時、エアロゾル形成基体の前方部分は、隣接した可燃性熱源の後方部分を通して、および熱伝導性要素を介して主に伝導によって加熱される。
【0004】
複数の構成要素から成るエアロゾル発生物品を製造するための装置およびプロセスが、当技術分野で周知である。例えば、EP 2 210 509 A1号は、先端部のない喫煙物品の製造のために、熱源、エアロゾル発生基体、拡張チャンバーなどの喫煙物品の構成要素を組み合わせるための線形プロセスを開示する。方法は、移動送達経路に沿った構成要素の流れを供給することと、構成要素の流れを2つ以上の異なる構成要素のグループに密集させることと、構成要素を材料のウェブで包むことと、すべての喫煙物品の構成要素(マウスピースを除く)を含むマルチセグメント構成要素を形成するために構成要素のグループ間の各空間に材料のウェブを切り取ることとを含む。マルチセグメント構成要素または先端部のない喫煙物品は次に、完全な喫煙物品を製造するために、先端部のない喫煙物品を包むことによって単一のマウスピースに取り付けられ、またチッピング装置におけるチッピングペーパーを用いてマウスピースに取り付けられる。
【0005】
別の実施例では、WO-A1-2013/164124号は、受容手段上の可燃性熱源、エアロゾル形成基体および気流方向のセグメントをそれぞれ含むEP 2 210 509 A1号で記載されたものと同様のプロセスを用いて形成される第一のマルチセグメント構成要素の流れを供給することと、受容手段上のマウスピースおよび少なくとも1つのさらなるセグメントをそれぞれ含む第二のマルチセグメント構成要素の流れを供給することとを開示する。第一のマルチセグメント構成要素および第二のマルチセグメント構成要素は、第一の端に可燃性熱源を有し、かつ第二の端にマウスピースを有する個別の喫煙物品を形成するために、ウェブ材料で第一のマルチセグメント構成要素および第二のマルチセグメント構成要素を包むことによって組み合わされる。
【0006】
例えば、たばこなどのエアロゾル形成基体が燃焼するよりはむしろ加熱されるエアロゾル発生物品では、エアロゾル形成基体において達成される温度は、知覚的に許容されるエアロゾルを生成する能力に顕著な影響を及ぼす。ユーザーへのエアロゾル送達を最適化するために、一定の範囲内でエアロゾル形成基体の温度を維持することが典型的には望ましい。場合によっては、可燃性熱源が外れることがあり、その結果、エアロゾル形成基体に対する該熱源の位置がずれるようになる。これにより、エアロゾル形成基体の温度が所望の範囲外に低下し、それによって、喫煙物品の性能に影響を与えるおそれがある。例えば、エアロゾル形成基体の温度が低下し過ぎる場合、それはユーザーに送達されるエアロゾルの一貫性および量に不利に影響を与えうる。
【0007】
可燃性熱源を含むエアロゾル発生物品のためのマルチセグメント構成要素に向上した保持を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
本発明によると、エアロゾル発生物品のためのマルチセグメント構成要素であって、可燃性熱源と;可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体と;その長さの少なくとも一部分に沿って可燃性熱源を囲むラッパーとを備え、マルチセグメント構成要素はさらに、可燃性熱源とラッパーとの間にあり、可燃性熱源を囲む膨張性の層であって、膨張性の無機質の接着剤から形成された膨張性の層を含む、マルチセグメント構成要素が提供される。膨張性の無機質の接着剤は、可燃性熱源の燃焼の間に加熱した時に膨張しうる。
【0009】
有利には、本発明の態様の実施例では、ラッパー内の可燃性熱源の向上した保持が達成されうる。保持は、膨張性の無機質の接着剤が存在しない場合と比較して、例えば、可燃性熱源の燃焼の間または燃焼の後に向上しうる。このことは、望ましいエアロゾル属性のための可燃性熱源の正確な配置を支持し、または確実にしうる。膨張性の無機質の接着剤の存在は、ラッパー内に可燃性熱源を保持するように、または膨張性の無機質の接着剤が存在しない場合の実施例と比較してラッパー内の可燃性熱源の保持を向上するように作用することが好ましい。膨張性の層が膨張性の無機質の接着剤から形成されるので、熱源の燃焼の間の材料または容積の著しい損失は、ほんのわずかでありうる。一部の場合に、膨張性の無機質の接着剤と可燃性熱源との間の接着は、著しく減少しなくなりうる。
【0010】
膨張性の無機質の接着剤は、それが接触する表面のうち1つ以上との接合を形成してもよく、または形成しなくてもよい。
【0011】
膨張性の層の存在は、使用時に熱源がラッパーに隙間なく保持されることを向上し、または確実にすることができる。膨張性の層はさらに、例えば、使用時のラッパーの熱的拡張の結果として、可燃性熱源とラッパーとの間のいくつかの隙間を埋めるために膨張することができる。このことは、可燃性熱源の周りの燃焼ガスの側路を減少することができる。
【0012】
膨張性の層は、1つ以上の中間構成要素を介して間接的に可燃性熱源と接触しうる。好ましい実施形態では、膨張性の層は可燃性熱源と直接接触する。この構成により、膨張性の層は、可燃性熱源の表面粗さまたは幾何学的配置の欠損を補正することができ、可燃性熱源の周りの燃焼ガスの側路を減少することができる。
【0013】
膨張性の層は可燃性熱源を囲む。
【0014】
本明細書で使用される場合、「囲む」および「囲んでいる」という用語は、「全周囲に延びる」ことを意味する所与のそれらの通例の意味である。したがって、可燃性熱源を「囲む」ことによって、膨張性の層は、可燃性熱源の全周囲に延びる。
【0015】
このことは、膨張性の層が、可燃性熱源の周りに連続的なリングを形成し、したがって、熱源の周りの可燃性ガスの側路が減少されうるという利点を有することができる。結果として、エアロゾル発生物品の引き出し抵抗または「RTD」が維持されうる。可燃性熱源が、ブラインド可燃性熱源であり、エアロゾル発生物品が、そこを通って空気がエアロゾル形成基体内に引き出されうる1つ以上の空気吸込み口を含む場合、この構成は、望ましいエアロゾル属性のために、使用の間の気流の実質的にすべてが空気吸込み口を通ってエアロゾル形成基体に入ることを確実にする。
【0016】
膨張性の無機質の接着剤は、適切な任意の膨張比を持ちうる。例えば、膨張性の無機質の接着剤は、周囲圧力で摂氏20度~摂氏700度に加熱された時に、少なくとも約1.5:1、好ましくは約2:1~約5:1、最も好ましくは約3:1の膨張比を有しうる。
【0017】
膨張性の層は、任意の適切な厚さを有しうる。一定の好ましい実施形態では、膨張性の層は、少なくとも約0.01mm~約0.1mm、好ましくは約0.01mm~約0.04mmの厚さを有し、より好ましくは約0.02mmの最小の厚さを有する。そのような厚さは、一部の例では、特定の効果があることが分かっている。例えば、約0.02mmの最小の厚さは、多くの実施例において、最大0.05mmの可燃性熱源の幾何学的配置の欠損を補正するのに十分である。可燃性熱源が1つ以上の凹所を含む場合、厚さは、凹所を含まない熱源の領域において測定されうる。一部の場合に、膨張性の層の厚さは、マルチセグメント構成要素またはエアロゾル発生物品のために製造時の層の塗布の間に変化しうる。例えば、製造時に塗布される層の厚さは、マルチセグメント構成要素またはエアロゾル発生物品における膨張性の層の厚さが少なくとも約0.01mm(例えば、0.1mm未満)であるように、選択されてもよい。
【0018】
膨張性の無機質の接着剤は、発泡膨張性の無機質の接着剤であってもよい。
【0019】
膨張性の無機質の接着剤は、適切な任意の組成を持ちうる。一定の好ましい実施形態では、マルチセグメント構成要素またはエアロゾル発生物品の膨張性の無機質の接着剤は、少なくとも1%の水量、好ましくは約1%~約7%の水量、より好ましくは約1%~約5%の水量を含む。可燃性熱源の燃焼の間の加熱に基づく膨張性の無機質の接着剤の水の気化は、泡の形成を引き起こし、したがって、膨張性の無機質の接着剤を膨張させ、または発泡させうる。そのような膨張性の無機質の接着剤は、マルチセグメント構成要素を製造するために供給される時、またマルチセグメント構成要素またはエアロゾル発生物品の製造の間に適用される時、高い水含量を有しうる。膨張性の無機質の接着剤の水含量は、製造時に膨張性の無機質の接着剤が塗布に続いて乾燥する時に減少してもよい。例えば、膨張性の無機質の接着剤は、初期段階で供給された時に60%の水量を含んでもよく、その後に、膨張性の無機質の接着剤が付着して乾燥した後または部分的に乾燥した後に30%未満の水量を含んでもよい。
【0020】
膨張性の層は、ケイ酸ナトリウム接着剤で形成されることが好ましい。
【0021】
一定の実施形態では、膨張性の層は、約2~約3.5のSiO2対1のNa2Oの分子比を持つケイ酸ナトリウム接着剤で形成される。
【0022】
膨張性の無機質の接着剤は、可燃性熱源の外側表面上に直接的に塗布されてもよい。そのような実施例では、可燃性熱源の外側表面は、実質的に連続的であってもよい。一定の好ましい実施形態では、可燃性熱源は、その外側表面上に少なくとも1つの形成された凹所を有し、膨張性の層の膨張性の無機質の接着剤は、形成された凹所を少なくとも部分的に充填する。
【0023】
この構成により、ラッパー内の可燃性熱源の保持がさらに向上されうる。このことは、可燃性熱源の正確な配置、ひいては望ましいエアロゾル属性を確実にするのに役立ちうる。
【0024】
一定の実施形態では、少なくとも1つの形成された凹所は、少なくとも1つの長軸方向の溝を含む。この構成は、溝がそこに沿って可燃性熱源の望ましくない移動が発生しうる方向に対して平行に整列されるので、特に効果的であり、したがって、長軸方向に可燃性熱源に対して膨張性の無機質の接着剤により加えられる保持力を増加しうる。
【0025】
一定の実施形態では、少なくとも1つの長軸方向の溝は、複数の周囲に間隔をおいて配置された長軸方向の溝を含む。
【0026】
一定の実施形態では、少なくとも1つの形成された凹所の深さは、可燃性熱源の外径の約10パーセント未満である。このことは、熱源の質量、および結果としてのその加熱性能が、凹所の存在によって実質的に影響を受けないという利点を有する。追加的に、その塗布後に膨張性の無機質の接着剤を乾燥させるのに要求される時間が、減少され、製造性を改善しうる。
【0027】
一部の例では、少なくとも1つの形成された凹所の深さは、約0.05mm~約0.8mm、例えば、約0.2mm~0.4mmである。
【0028】
一定の実施形態では、少なくとも1つの形成された凹所の深さは、その下流端に向かって減少する。このことは、膨張性の無機質の接着剤がラッパーに対する熱源の上流移動に抵抗するくさびとして作用しうるので、熱源の保持をさらに向上することができるという利点を有する。それはまた、膨張性の無機質の接着剤が製造時に凹所の長さに沿ってより容易に流れるので、膨張性の無機質の接着剤による少なくとも1つの凹所の改善された充填をもたらすことが分かっている。
【0029】
そのような実施例では、少なくとも1つの形成された凹所の深さは、移行部分に沿って徐々に、または段階的な手法で減少してもよい。
【0030】
一定の実施形態では、可燃性熱源は、実質的に一定の断面を有する後方部分と、後方部分の上流端で終端する少なくとも1つの凹所とを含む。この構成により、少なくとも1つの凹所は、後方部分内まで延びておらず、結果として、後方部分は、下流方向における熱源の周りの燃焼ガスの側路を減少させるためのバリアを形成する。後方部分は、可燃性熱源の最大外径を画定しうる。そのような構成は、熱源の周りにラッパーを包装することを容易にするので製造の容易さを改善しうる。それはまた、熱源からラッパーへの伝導性熱伝達を改善しうる。このことは特に、ラッパーが可燃性熱源からエアロゾル形成基体へ熱エネルギーを輸送するための熱伝導性層を含むマルチセグメント構成要素の実施例において、有利でありうる。
【0031】
可燃性熱源の後方部分は、適切な任意の寸法を有しうる。一定の好ましい実施形態では、後方部分は、約3mm未満の長さ、好ましくは約2mm~約3mmの長さを有する。
【0032】
特定の好ましい実施形態では、少なくとも1つの形成された凹所の半径方向の外側端は、少なくとも約0.05mmの曲率半径で湾曲する。このことは有利には、接着剤による凹所の改善された充填をもたらしうる。それはまた、ラッパーを通じた少なくとも1つの凹所の可視性の低減、およびラッピングの間に少なくとも1つの凹所の半径方向の外側端によって引き起こされるラッパーへの損傷のリスクを減少するという結果をもたらしうる。さらに、この構成により、可燃性熱源の半径方向の外側端は、製造時に損傷するまたは折れて取れるようなことがなく、製造時に発生する炭素ダストなどのダストの量を減少する。曲率半径は、約0.05mm~約0.5mmの範囲が好ましく、約0.2mm~約0.4mmの範囲がより好ましい。
【0033】
一部の例では、形成された凹所の数は、8個~17個であり、好ましくは12個~16個であってもよい。本発明の一部の例では、形成された凹所は、可燃性熱源の周囲に実質的に均等な間隙を介する。
【0034】
可燃性熱源の外径は、その長さに沿って変わりうる。一定の実施形態では、可燃性熱源の外径は、実質的に可燃性熱源の全長に沿って実質的に一定である。このことは、製造性の改善という結果をもたらしうる。
【0035】
マルチセグメント構成要素は、可燃性熱源をその長さの少なくとも一部分に沿って囲むラッパーを含む。ラッパーは1つ以上の要素で形成されうる。例えば、ラッパーは、単一な材料シートで形成されうる。
【0036】
一部の実施形態では、ラッパーは、1つ以上の熱伝導材料の層を含む。熱伝導材料の1つ以上の層は、可燃性熱源の少なくとも後方部分、およびエアロゾル形成基体の少なくとも前面部分の周りに位置されることが好ましい。このような実施形態において、熱伝導材料は、可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間に熱リンクを提供し、有利なことに、許容可能なエアロゾルを提供するために可燃性熱源からエアロゾル形成基体への適切な熱伝達を容易にするのに役立つ。熱伝導材料は、可燃性熱源およびエアロゾル形成基体のうち一方または両方と直接接触してもよい。別の方法としてまたは追加的に、熱伝導材料の層は、熱伝導材料と、可燃性熱源およびエアロゾル形成基体の一方または両方との間に直接接触がないように、可燃性熱源およびエアロゾル形成基体の一方または両方から間隙を介しうる。
【0037】
熱伝導材料の1つ以上の層は、不燃性であることが好ましい。一定の実施形態では、熱伝導材料の1つ以上の層は酸素制限性であってもよい。言い換えれば、熱伝導材料の1つ以上の層は、ラッパーを通る酸素の通過を抑制または抵抗しうる。
【0038】
本発明によるマルチセグメント構成要素における使用のための適切な熱伝導材料は、金属箔ラッパー、例えばアルミ箔ラッパー、鋼鉄ラッパー、鉄箔ラッパーおよび銅箔ラッパーなど、および金属合金箔ラッパーを含むが、これらに限定されない。
【0039】
一部の実施形態では、ラッパーは、熱絶縁材料の1つ以上の層を含む。この構成により、熱絶縁材料は、可燃性熱源からラッパーの外側表面への熱伝達を減少させ、エアロゾル発生物品の表面の温度を低減させる。熱絶縁材料は不燃性であることが好ましい。不燃性を含めることで、断熱層は、エアロゾル発生物品の表面の温度を低減することにより、本発明によるマルチセグメント構成要素を備えたエアロゾル発生物品の点火傾向を低減するのに有利に役立つ。
【0040】
ラッパーは、複数の層で形成された層状ラッパーであってもよい。
【0041】
ラッパーは、熱伝導材料の半径方向の外側層と、熱絶縁材料の半径方向の内側層とを含んでもよい。一部の実施形態では、ラッパーは、熱伝導材料の半径方向の内側層と、熱絶縁材料の半径方向の外側層とを含む。その他の構成も可能である。好ましい構成により、ラッパーは有利には、可燃性熱源からエアロゾル形成基体へ熱を伝導する一方で、可燃性熱源および可燃性熱源からの放射熱損失を制御する。
【0042】
本明細書で使用される場合、「膨張性の層」という用語は、特に熱的拡張の結果としての係数の他、温度の上昇を受けることによって膨張する層を示す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「無機質の接着剤」という用語は、実質的に炭素を含まない接着剤または接着剤の組み合わせを意味する。
【0044】
本明細書で使用される場合、「膨張比」という用語は、膨張前の膨張性の層の厚さの膨張後の膨張性の層の厚さに対する比を意味する。
【0045】
本明細書で使用される場合、「膨張性の層は~の厚さを有する」という節は、半径方向における層の寸法を意味する。
【0046】
本明細書に使用される場合、「長軸方向」という用語は、喫煙物品の近位端と対向した遠位端との間の方向を記述するために使用される。
【0047】
本明細書に使用される「半径方向」および「横断方向」という用語は、喫煙物品の近位端と対向した遠位端との間の方向に対して直角をなす方向を記述するために使用される。
【0048】
本明細書に使用される場合、「長さ」という用語は、喫煙物品の長軸方向の最大寸法を記述するために使用される。すなわち、喫煙物品の近位端とそれと向かい合った遠位端との間の方向における、喫煙物品の近位端とそれと向かい合った遠位端との間の方向における最大寸法である。
【0049】
本明細書で使用される場合、「厚さ」という用語は、膨張性の層の半径方向における最大寸法を意味する。
【0050】
本明細書で使用される場合、「溝」という用語は、熱源の表面における細長い凹みを意味する。
【0051】
本明細書で使用される場合、「形成された凹所」という用語は、可燃性熱源の外側表面に故意に形成された所定の寸法を有する凹所を意味する。
【0052】
本明細書で使用される場合、「直径」という用語は、本発明による細長い可燃性熱源の最大横断寸法を意味する。
【0053】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つの凹所の深さはその下流端に向かって減少する」という節は、その長さに沿った第一の位置での各凹所の深さが、第一の位置の下流にある第二の位置での各凹所の深さより大きいことを意味する。これは、各凹所の深さがその上流端で、またはその上流端の近位で最も大きい実施形態のほか、各凹所の深さがその上流端と下流端との間の一点で最も大きい実施形態を含む。
【0054】
本明細書で使用される場合、「可燃性熱源の外径は実質的に一定である」という節は、熱源の外側エンベロープ、すなわち、その中に熱源が収容されうる最小の空間が、熱源の長さに沿って実質的に同一で変わらないことを意味する。
【0055】
本明細書で使用される場合、「熱断絶材料」という用語は、23°Cで約50ミリワット/メートル・ケルビン(mW/(m K))未満のバルク熱伝導率、および改良された非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定した相対湿度50%を持つ材料を描写するために使用される。
【0056】
本明細書で使用される場合、「熱伝導材料」という用語は、23°Cで少なくとも約10 W/メートル・ケルビン(W/(m K))のバルク熱伝導率、および改良された非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定した相対湿度50%を持つことを描写するために使用される。
【0057】
本明細書に使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に応じて放出することができる基体を記述するために使用される。
【0058】
本発明によるマルチセグメント構成要素のエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、見えてもまたは見えなくてもよく、蒸気(例えば、気状である物質の微粒は室温にて通常、液体または固体である)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液体の液滴を含んでもよい。
【0059】
本明細書で使用される場合、「不燃性」という用語は、燃焼中または点火時に可燃性熱源が到達する温度で実質的に不燃性である材料を描写するために使用される。
【0060】
本明細書で使用される場合、「発火傾向」という用語は、エアロゾル発生物品の上にある基体を燃焼させる喫煙物品などのエアロゾル発生物品の傾向を意味する。発火傾向は、エアロゾル発生物品の上に置かれた基体をエアロゾル発生物品が燃焼させる可能性を除去、低減、またはほぼ除去するのに十分に低いべきである。発火傾向はISO 12863:2010(E)に従い測定されうる。
【0061】
可燃性熱源は、固体の熱源であることが好ましく、また炭素や、アルミニウム、マグネシウム、1つ以上の炭化物、1つ以上の窒化物およびその組み合わせを含む、炭素ベースの材料を含むがこれに限定されない、適切な任意の可燃性燃料を備えうる。加熱式喫煙物品のための固体の可燃性熱源、およびこうした熱源を製造するための方法は、当技術で公知であり、例えば、US-A-5,040,552号およびUS-A-5,595,577号に記載がある。典型的には、加熱式喫煙物品のための公知の固体の可燃性熱源は、炭素ベースであり、すなわち、主要な可燃材料として炭素を備える。
【0062】
可燃性熱源は、ブラインド可燃性熱源であることが好ましい。本明細書に使用される場合、「ブラインド」という用語は、可燃性熱源の前端面から後端面まで延びる任意の気流チャネルを含まない熱源を記述する。本明細書に使用される場合、「ブラインド」という用語は、可燃性熱源の前端面から可燃性熱源の後端面まで延びる1つ以上の気流チャネルを含む可燃性熱源を記述するためにも使用され、その場合、可燃性熱源の後端面とエアロゾル形成基体バリアとの間の可燃性の実質的に不通気性のバリアが、空気が可燃性熱源の長さに沿って1つ以上の気流チャネルを通して引き出されるのを阻止する。
【0063】
ブラインド可燃性熱源を含む本発明によるマルチセグメント構成要素は、空気を1つ以上の気流経路の中へと引き出すための可燃性熱源の後端面の下流にある1つ以上の空気吸込み口を備える。非ブラインド可燃性熱源を備える本発明によるマルチセグメント構成要素は、1つ以上の気流経路の中へと空気を引き出すための可燃性熱源の後端面の下流の1つ以上の空気吸込み口も備えてもよい。
【0064】
一定の好ましい実施形態では、本発明によるマルチセグメント構成要素は、エアロゾル形成基体の下流端の近くに位置する1つ以上の空気吸込み口を備えるブラインド可燃性熱源を備える。
【0065】
使用において、ユーザーによる吸入のために、ブラインド可燃性熱源を含む本発明によるマルチセグメント構成要素を含むエアロゾル発生物品の1つ以上の気流経路に沿って引き出された空気は、ブラインド可燃性熱源に沿ったいかなる気流チャネルも通過しない。ブラインド可燃性熱源を通しての任意の気流チャネルの欠如は、ユーザーがたばこを吸う間のブラインド可燃性熱源の燃焼の活性化を有利に実質的に阻止または抑制する。これは、ユーザーがたばこを吸う間、エアロゾル形成基体の温度におけるスパイクを実質的に阻止または抑制する。
【0066】
ブラインド可燃性熱源の燃焼の活性化を阻止または抑制すること、およびそのようにしてエアロゾル形成基体における過剰な温度上昇を阻止または抑制することによって、激しくたばこを吸う状況下でエアロゾル形成基体の燃焼または熱分解が有利に回避されうる。加えて、主流エアロゾルの組成物へのユーザーのたばこを吸う状況の影響は、有利に最小にされ、または減少されうる。
【0067】
また、ブラインド可燃性熱源の封入は、ブラインド可燃性熱源の点火および燃焼の間に形成される燃焼および分解生成物並びにその他の材料が、その使用中、本発明によるマルチセグメント構成要素を介して吸い込まれる空気に入るのを有利に実質的に阻止または抑制しうる。これは、ブラインド可燃性熱源がブラインド可燃性熱源の点火または燃焼を補助するために1つ以上の添加剤を含む場合、特に有益である。
【0068】
ブラインド可燃性熱源を含む本発明によるマルチセグメント構成要素において、ブラインド可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達は、伝導によって主に生じ、強制対流によるエアロゾル形成基体の加熱は最小にされる、または減少される。これは、本発明による喫煙物品の主流エアロゾルの組成物へのユーザーのたばこを吸う状況の影響を最小にする、または減少させるのに有利に役立ちうる。
【0069】
ブラインド可燃性熱源を含む本発明によるマルチセグメント構成要素において、可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間の伝導性熱伝達を最適化することは、特に重要である。以下にさらに記述されるように、強制対流によるエアロゾル形成基体の何らかの加熱があってもわずかである場合、本発明によるブラインド熱源を含むマルチセグメント構成要素では、可燃性炭素質熱源の少なくとも後方部分およびエアロゾル形成基体の少なくとも前方部分の周りに1つ以上の熱伝導性要素を含むことが特に好ましい。
【0070】
本発明によるマルチセグメント構成要素は、ユーザーによる吸入のために空気を引き出させない1つ以上の閉じた、または遮断された通路を含むブラインド可燃性熱源を含んでもよいことが認識されるであろう。
【0071】
例えば、本発明によるマルチセグメント構成要素は、ブラインド可燃性炭素質熱源の長さに沿って途中までのみブラインド可燃性炭素質熱源の上流端にて前端面から延びる1つ以上の閉じた通路を含む、ブラインド可燃性熱源を備えてもよい。
【0072】
1つ以上の閉じた空気通路の封入は、空気からの酸素に曝露されるブラインド可燃性熱源の表面積を増加させ、ブラインド可燃性熱源の点火および燃焼の持続を有利に容易にしうる。
【0073】
本発明のある一定の実施形態では、可燃性熱源は、熱源を通して1つ以上の気流経路を提供する少なくとも1つの長軸方向の気流チャネルを備える。「気流チャネル」という用語は本明細書において、ユーザーによる吸入のために喫煙物品を通して空気が引き出されうる熱源の長さに沿って延びるチャネルを記述するために使用される。1つ以上の長軸方向の気流チャネルを含むこのような熱源は、本明細書では「非ブラインド」熱源と呼ばれる。
【0074】
少なくとも1つの長軸方向の気流チャネルの直径は、約1.5 mm~約3 mmであってもよく、約2 mm~約2.5 mmであることがより好ましい。WO-A-2009/022232号により詳細に記述されるように、少なくとも1つの長軸方向の気流チャネルの内側表面は、部分的に被覆されてもよく、または完全に被覆されてもよい。
【0075】
エアロゾル形成基体は固体のエアロゾル形成基体であってもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、固体および液体の両方の構成要素を備えうる。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含みうる。別の方法として、エアロゾル形成基体は、非たばこ材料を含みうる。エアロゾル形成基体は、さらに1つ以上のエアロゾル形成体を含みうる。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールを含むが、これに限定されない。
【0076】
一部の実施形態では、エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料を含むロッドである。
【0077】
エアロゾル形成基体が固体のエアロゾル形成基体である場合、固体のエアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押し出し成形たばこおよび膨化たばこのうち1つ以上を含む、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ状より糸、細片またはシートのうち1つ以上を含みうる。固体エアロゾル形成基体は、容器に入っていない形態にしてもよく、または適切な容器またはカートリッジを提供してもよい。例えば、固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成材料は、紙またはその他のラッパー内に含まれ、かつプラグの形態を持ちうる。エアロゾル形成基体がプラグの形態である場合、任意のラッパーを含めてプラグ全体がエアロゾル形成基体であると考えられうる。
【0078】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、その固体エアロゾル形成基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含みうる。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば、追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルを含みうるが、こうしたカプセルは、固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶ける。
【0079】
随意に、固体のエアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもまたはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ状より糸、細片またはシートの形態をとってもよい。固体のエアロゾル形成基体は、例えば、シート、泡、ゲルまたはスラリーの形態で担体の表面上に沈着してもよい。固体のエアロゾル形成基体は、担体の全表面上に沈着してもよく、または別の方法として、使用中に均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。
【0080】
エアロゾル形成基体は、紙またはその他のラッパーによって取り囲まれる加熱に反応して揮発性化合物を発することができる材料を含むプラグまたはセグメントの形態としうる。前述のように、エアロゾル形成基体がこのようなプラグまたはセグメントの形態である場合、任意のラッパーを含むプラグまたはセグメントの全体はエアロゾル形成基体であると見なされる。
【0081】
エアロゾル形成基体の長さは約5mm~約20mmであることが好ましい。一定の実施形態では、エアロゾル形成基体の長さは、約6mm~約15mm、または約7mm~約12mmであってもよい。
【0082】
好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体はプラグラップに包まれるたばこ由来材料のプラグを備える。特に好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体はプラグラップに包まれる均質化したたばこ由来材料のプラグを備える。
【0083】
上記の実施形態のいずれかにおいて、可燃性熱源およびエアロゾル形成基体は、隣接する同軸配列であってもよい。有利なことに、膨張性の層は、使用中に、エアロゾル形成基体と直接接触する可燃性熱源を保持して、2つの構成要素の間の良好な熱的接続を確保し、エアロゾル形成基体の温度を望ましい範囲内に維持することができる。
【0084】
本明細書に使用される場合、「隣接する」および「隣接」という用語は、別の構成要素、または構成要素の部分に直に接触する構成要素、または構成要素の部分を記述するために使用される。
【0085】
本発明によるマルチセグメント構成要素は、可燃性熱源の少なくとも後方部分とエアロゾル形成基体の少なくとも前方部分との両方の周りにある、およびそれらと直に接触した熱伝導性要素を備えてもよい。このような実施形態において、熱伝導性要素は、本発明による喫煙物品の可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間に熱リンクを提供し、有利なことに容認可能なエアロゾルを提供するために可燃性熱源からエアロゾル形成基体への適切な熱伝達を容易にするのに役立つ。
【0086】
別の方法としてまたは追加的に、本発明によるマルチセグメント構成要素は、熱伝導性要素と、可燃性熱源およびエアロゾル形成基体の一方または両方との間に直接接触がないように、可燃性熱源およびエアロゾル形成基体の一方または両方から間隙を介した熱伝導性要素を備えうる。
【0087】
マルチセグメント構成要素が可燃性熱源の少なくとも後方部分およびエアロゾル形成基体の少なくとも前方部分の周りに熱伝導性要素を含む場合、熱伝導性要素は、ラッパーで形成されうる。例えば、ラッパーは、1つ以上の熱伝導性要素で形成された熱導電材料の1つ以上の層を含んでもよい。
【0088】
1つ以上の熱伝導性要素は、不燃性であることが好ましい。一定の実施形態では、1つ以上の熱伝導性要素は酸素制限性であってもよい。言い換えれば、1つ以上の熱伝導性要素は、熱伝導性要素を通る酸素の通過を抑制または抵抗しうる。
【0089】
本発明によるマルチセグメント構成要素における使用のための適切な熱伝導性要素は、金属箔ラッパー、例えばアルミ箔ラッパー、鋼鉄ラッパー、鉄箔ラッパーおよび銅箔ラッパーなど、および金属合金箔ラッパーを含むが、これらに限定されない。
【0090】
本発明によるマルチセグメント構成要素は、可燃性熱源の前端面を少なくとも部分的にカバーするように構成されたキャップをさらに備えてもよく、キャップは、喫煙物品の使用の前に可燃性熱源の前端面を露出するように取り外し可能である。
【0091】
本明細書に使用される場合、「キャップ」という用語は、前端面を含む、マルチセグメント構成要素の遠位端を実質的に囲む保護カバーを意味する。可燃性熱源の点火の前に取り外されるキャップを提供することで、使用前に可燃性熱源が有利に保護される。
【0092】
例えば、本発明によるマルチセグメント構成要素は、喫煙物品の遠位端に虚弱線において取り付けられた取り外し可能キャップを含んでもよく、WO-A1-2014/086998号に記述されるように、キャップはラッパーによって囲まれる材料の円柱状プラグを備える。
【0093】
本発明によるマルチセグメント構成要素は、エアロゾル形成基体の下流にある移動要素またはスペーサー要素をさらに含んでいてもよい。こうした要素は、エアロゾル形成基体の下流に位置する中空管の形態をとりうる。
【0094】
移動要素は、エアロゾル形成基体に隣接してもよい。あるいは、移動要素はエアロゾル形成基体から間隙を介していてもよい。移動要素は、可燃性熱源およびエアロゾル形成基体のうち一方または両方と同軸配列であってもよい。
【0095】
移動要素の封入は、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって生成されるエアロゾルの冷却を有利に可能にする。また、移動要素の封入は、本発明によるマルチセグメント構成要素を含むエアロゾル発生物品の全長が、移動要素の長さの適切な選択により所望の値、例えば従来の紙巻たばこの長さに類似した長さに調整されるのを有利に可能にする。
【0096】
移動要素の長さは、約7mm~約50mm、例えば約10mm~約45mm、または約15mm~約30mmであってもよい。移動要素の長さは、エアロゾル発生物品の所望の全長およびマルチセグメント構成要素またはマルチセグメント構成要素を含むエアロゾル発生物品内のその他の成分の存在および長さに依存して、その他の長さであってもよい。
【0097】
移動要素は少なくとも1つの端の開いた管状中空体を備えることが好ましい。このような実施形態では、使用において、エアロゾル発生物品の中へと引き出される空気は、それがエアロゾル発生物品を通って下流に通過する時に、少なくとも1つの端の開いた管状中空体を通って通過する。
【0098】
移動要素は、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱の移動によって生成されるエアロゾルの温度で実質的に熱安定している1つ以上の適切な材料から形成される少なくとも1つの端の開いた管状中空体を含んでいてもよい。適切な材料は当技術分野で公知であり、紙、ボール紙、プラスチック、このような酢酸セルロース、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0099】
別の方法としてまたは追加的に、本発明によるマルチセグメント構成要素は、エアロゾル形成基体の下流にあるエアロゾル冷却要素または熱交換器を含んでもよい。エアロゾル冷却要素は複数の長軸方向に延びる流路を含んでもよい。
【0100】
エアロゾル冷却要素は、金属箔、重合体材料および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。一定の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)およびアルミ箔から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。
【0101】
一定の好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸(PLA)またはMater-Bi(登録商標)の等級(デンプンベースのコポリエステルの市販のファミリー)などの生物分解性高分子材料のシートの集合体を含んでもよい。
【0102】
本発明によるマルチセグメント構成要素は、可燃性熱源をその長さの少なくとも一部分に沿って囲むラッパーを含む。ラッパーは、エアロゾル形成基体の少なくとも前方部分と可燃性熱源の少なくとも後方部分とを囲む。好ましい実施形態において、ラッパーは、エアロゾル形成基体と、可燃性熱源の少なくとも後方部分と、エアロゾル形成基体の下流にある喫煙物品の任意の他の構成要素とを囲む。
【0103】
ラッパーは任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。適切な材料は当技術分野で公知であり、紙巻たばこ用紙を含むが、これに限定されない。
【0104】
本発明の第二の態様によると、上述のいくつかの実施形態によるマルチセグメント構成要素を含むエアロゾル発生物品が提供される。
【0105】
エアロゾル発生物品は喫煙物品としうる。
【0106】
可燃性熱源はエアロゾル発生物品の遠位端に位置するか、またはそれに近接する。エアロゾル発生物品の口側の端は、エアロゾル発生物品の遠位端の下流にある。また、エアロゾル発生物品の近位端は、エアロゾル発生物品の下流端として言及してもよく、エアロゾル発生物品の遠位端はまた、エアロゾル発生物品の上流端として言及してもよい。エアロゾル発生物品およびマルチセグメント構成要素の成分または成分の部分は、エアロゾル発生物品の近位端とエアロゾル発生物品の遠位端との間のこれらの相対的位置に基づき互いの上流または下流にあると記述されうる。口側の端は遠位端の下流である。
【0107】
本明細書に使用される用語「上流」および「前方」、並びに「下流」および「後方」は、使用者がその使用の間にマルチセグメント構成要素を組み込むエアロゾル発生物品を吸う方向に関連して、構成要素またはマルチセグメント構成要素の構成要素の部分の相対位置を記述するために使用される。本発明によるエアロゾル発生物品は、使用時にユーザーに送達するためにエアロゾルがエアロゾル発生物品を抜け出る近位端を備える。エアロゾル発生物品の近位端は口側の端と呼ばれることもある。使用時に、エアロゾル発生物品によって発生したエアロゾルを吸い込むために、ユーザーはエアロゾル発生物品の口側の端を吸い込む。
【0108】
本発明によるエアロゾル発生物品は、その近位端に位置するマウスピースを備えることが好ましい。
【0109】
マウスピースは低濾過効率のマウスピースであることが好ましく、非常に低い濾過効率のマウスピースであることがより好ましい。マウスピースは単一のセグメントであっても、または構成要素マウスピースであってもよい。あるいは、マウスピースはマルチセグメントマウスピースであっても、または複数構成要素マウスピースであってもよい。
【0110】
マウスピースは、適切な公知の濾過材料を含む1つ以上のセグメントを含むフィルターを含んでもよい。適切な濾過材料は当技術分野で公知であり、酢酸セルロースおよび紙を含むが、これらに限定されない。別の方法としてまたは追加的に、マウスピースは吸収剤、吸着剤、風味剤、およびその他のエアロゾル変性剤および添加剤またはその組み合わせを含む1つ以上のセグメントを含みうる。
【0111】
本発明によるエアロゾル発生物品は、上述のいくつかの実施形態によるマルチセグメント構成要素およびマルチセグメント構成要素の下流端におけるマウスピースセグメントを含んでもよい。
【0112】
別の方法として、本発明によると、エアロゾル発生物品は、上述のいくつかの実施形態による第一のマルチセグメント構成要素と、第一のマルチセグメント構成要素の下流にある第二のマルチセグメント構成要素であって、その近位端に位置するマウスピースを含む第二のマルチセグメント構成要素とを含んでもよい。第二のマルチセグメント構成要素は、マウスピースの上流にあるエアロゾル冷却要素を含んでもよい。第二のマルチセグメント構成要素は、マウスピースの上流にある移動要素またはスペーサー要素を含んでもよい。一定の実施形態では、第二のマルチセグメント構成要素は、マウスピースの上流にあるエアロゾル冷却要素および移動要素またはスペーサー要素を含んでもよい。
【0113】
一特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、可燃性熱源、可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体、およびエアロゾル形成基体の下流にある移動要素またはスペーサー要素を有する第一のマルチセグメント構成要素と、第一のマルチセグメント構成要素の下流にある第二のマルチセグメント構成要素であって、エアロゾル冷却要素、エアロゾル冷却要素の下流にある移動要素要素またはスペーサー要素、およびその近位端にあるマウスピースを含む第二のマルチセグメント構成要素とを含む。
【0114】
本発明によるエアロゾル発生物品は、形状において実質的に円筒状でもよい。エアロゾル発生物品は、実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと実質的に直交する長さと円周を持つ。
【0115】
エアロゾル形成基体は、実質的に円筒形の形状としうる。エアロゾル形成基体は、実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、この長さと実質的に直交する円周と、も持つ。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体の長さがエアロゾル発生物品内の気流の方向と実質的に平行であるように、エアロゾル発生物品内に位置しうる。
【0116】
移動するセクションまたは要素は実質的に細長くてもよい。
【0117】
本発明によるエアロゾル発生物品は、望ましい任意の長さを持ちうる。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、およそ65mm~およそ100mmとしうる。
【0118】
本発明によるエアロゾル発生物品は、望ましい任意の外径を持ちうる。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品の外径は、およそ5mm~およそ12mmとしうる。
【0119】
本発明によるエアロゾル発生物品は周知の方法および機械を使用して組み立てられてもよい。
【0120】
本発明の第三の態様では、エアロゾル発生物品のためのマルチセグメント構成要素を製造するための方法が提供され、この方法は、可燃性熱源を提供する工程と、可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体を提供する工程と、膨張性の無機質の接着剤をラッパー材料のウェブに塗付する工程と、可燃性熱源をその長さの少なくとも一部分に沿って囲むラッパーを形成するためにラッパー材料のウェブを可燃性熱源の周りに包む工程とを含み、膨張性の無機質の接着剤は、可燃性熱源とラッパーとの間に膨張性の層を形成する。
【0121】
膨張性の無機質の接着剤を塗付する工程は任意の適切な手法で実行されてもよい。例えば、膨張性の無機質の接着剤は、グルーガンまたは輪転グラビア印刷またはその他の印刷技法を用いて、散布、噴霧のうち1つ以上によって塗布されてもよい。
【0122】
膨張性の層は、任意の適切な厚さを有しうる。一定の好ましい実施形態では、膨張性の無機質の接着剤は、膨張性の層が少なくとも約0.01mm~約0.1mm、好ましくは約0.01mm~約0.04mm、より好ましくは約0.02mmの最小の厚さを有するように、ラッパー材料のウェブおよび可燃性熱源の周りを包んだウェブに塗布される。
【0123】
膨張性の無機質の接着剤は、発泡膨張性の無機質の接着剤であってもよい。膨張性の無機質の接着剤は、適切な任意の組成を持ちうる。一定の好ましい実施形態では、膨張性の無機質の接着剤は、ラッパー材料のウェブに塗布された時に約40%~約75%の水量、好ましくは、ラッパー材料のウェブに塗布された時に約50%~約65%の水量を含んでもよい。膨張性の無機質の接着剤の水含量は、それがラッパー材料のウェブに塗布された後に減少しうる。一定の好ましい実施形態では、マルチセグメント構成要素が製造され、膨張性の無機質の接着剤が乾燥し、または部分的に乾燥すると、膨張性の無機質の接着剤は、少なくとも1%の水量、好ましくは約1%~約7%の水量、より好ましくは約1%~約5%の水量を含む。
【0124】
本発明のなおもさらなる態様によれば、エアロゾル発生物品を製造するための方法が提供され、この方法は、上述のいくつかの方法によって製造されたマルチセグメント構成要素を提供する工程と、マルチセグメント構成要素の下流にあるマウスピースを提供する工程とを含む。マウスピースは濾過効率が低いことが好ましく、濾過効率が非常に低いことがより好ましい。マウスピースは単一のセグメントであっても、または構成要素マウスピースであってもよい。あるいは、マウスピースはマルチセグメントマウスピースであっても、または複数構成要素マウスピースであってもよい。マウスピースは、適切な公知の濾過材料を含む1つ以上のセグメントを含むフィルターを含んでもよい。適切な濾過材料は当技術分野で公知であり、酢酸セルロースおよび紙を含むが、これらに限定されない。別の方法としてまたは追加的に、マウスピースは吸収剤、吸着剤、風味剤、およびその他のエアロゾル変性剤および添加剤またはその組み合わせを含む1つ以上のセグメントを含みうる。
【0125】
マウスピースは、マルチセグメント構成要素の下流端にあってもよい。別の方法として、マウスピースを提供するための工程は、第一のマルチセグメント構成要素の下流にある第二のマルチセグメント構成要素であって、その近位端に位置するマウスピースを含む第二のマルチセグメント構成要素を提供することによって実行されてもよい。第二のマルチセグメント構成要素は、マウスピースの上流にあるエアロゾル冷却要素を含んでもよい。第二のマルチセグメント構成要素は、マウスピースの上流にある移動要素またはスペーサー要素を含んでもよい。一定の実施形態では、第二のマルチセグメント構成要素は、マウスピースの上流にあるエアロゾル冷却要素および移動要素またはスペーサー要素を含んでもよい。一特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、可燃性熱源、可燃性熱源の下流にあるエアロゾル形成基体、およびエアロゾル形成基体の下流にある移動要素またはスペーサー要素を有する第一のマルチセグメント構成要素と、第一のマルチセグメント構成要素の下流にある第二のマルチセグメント構成要素であって、エアロゾル冷却要素、エアロゾル冷却要素の下流にある移動要素要素またはスペーサー要素、およびその近位端にあるマウスピースを含む第二のマルチセグメント構成要素とを含む。
【0126】
すべての学術的および技術的な用語は本明細書で使用される場合、別途指定のない限り、当技術分野で一般に使用される意味を持つ。本明細書で提供した定義は、本明細書で頻繁に使用される一定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0127】
1つ以上の態様に関して説明した特徴は、本発明の他の態様に等しく適用されてもよい。特に、第一の態様のマルチセグメント構成要素に関連して説明した特徴は、第二の態様のエアロゾル発生物品に同様に適用されてもよく、その逆もまた可でありうる。追加的に、第一の態様のマルチセグメント構成要素または第二の態様のエアロゾル発生物品に関連して説明した特徴は、第三の態様の製造の方法にも同様に適用されてもよい。
本発明を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0128】
図1図1は、本発明の第一の実施形態によるマルチセグメント構成要素を有する喫煙物品の長軸方向の概略断面図を示す。
図2図2Aは、図1のマルチセグメント構成要素のための可燃性熱源の概略斜視図を示す。図2Bは、図2Aの可燃性熱源の概略横断断面図を示す。
図3図3Aおよび図3Bは、図1のマルチセグメント構成要素を製造するための製造プロセスの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0129】
図1に示した本発明の第1の実施形態による喫煙物品2は、隣接する同軸配列で、前面6および対向した後面8、エアロゾル形成基体10、伝達要素12、エアロゾル冷却要素14、スペーサー要素16およびマウスピース18を有するブラインド可燃性熱源4を含む。
【0130】
ブラインド可燃性熱源4は、ブラインド炭素質可燃性熱源であり、喫煙物品2の遠位端に位置する。図1に示したように、アルミ箔のディスクの形態で不燃性の実質的に不通気性のバリア22は、ブラインド可燃性熱源4の後面8とエアロゾル形成基体10との間に提供される。バリア22は、ブラインド可燃性熱源4の後面8上へアルミ箔のディスクをプレスすることによってブラインド可燃性熱源4の後面8に適用され、可燃性炭素質熱源4の後面8およびエアロゾル形成基体10に隣接する。
【0131】
本発明のその他の実施形態において(図示せず)、ブラインド可燃性熱源4の後方面8とエアロゾル形成基体10との間の不燃で実質的に空気不透過性のバリア22は、省略されてもよい。
【0132】
エアロゾル形成基体10は、ブラインド可燃性熱源4の後方面8につけられるバリア22の下流のすぐ近くに位置する。エアロゾル形成基体10は、プラグラップ26に包まれた、例えば、グリセリンなどのエアロゾル形成体を含む均質化したたばこベース材料24の円柱状プラグを備える。
【0133】
移動要素12はエアロゾル形成基体10の下流のすぐ近くに位置し、円柱状の端の開いた中空のセルロースアセテートチューブ28を含む。
【0134】
エアロゾル冷却要素14は移動要素12の下流のすぐ近くに位置し、例えば、ポリ乳酸などの生物分解性高分子材料のシートの集合体を備える。
【0135】
スペーサー要素16はエアロゾル冷却要素14のすぐ下流に位置し、円柱状の端の開いた中空の紙またはボール紙管30を含む。
【0136】
マウスピース18はスペーサー要素16の下流のすぐ近くに位置する。図1に示したように、マウスピース18は喫煙物品2の近位端に位置し、フィルタプラグラップ34に包まれた、例えば非常に低い濾過効率の酢酸セルローストウなどの適切な濾過材料32の円柱状プラグを含む。
【0137】
図1に示したように、喫煙物品2は、ブラインド可燃性熱源4の後方部分、エアロゾル形成基体10の全長および伝達エレメント12の全長を覆う、たとえば、アルミ箔などの適切な材料の単一の熱伝導エレメント36をさらに含む。
【0138】
本発明のその他の実施形態において(図示せず)、伝達エレメント12は、下流方向に単一の熱伝導エレメント36を越えて伸びてもよい。すなわち、単一の熱伝導エレメント36は、伝達エレメント12の前方部分のみを覆ってもよい。本発明のその他の実施形態において(図示せず)、単一の熱伝導エレメント36は、伝達エレメント12のいずれも覆わなくてもよい。
【0139】
本発明のさらなる実施形態において(図示せず)、エアロゾル形成基体10は、下流方向に単一の熱伝導エレメント36を越えて伸びてもよい。すなわち、単一の熱伝導エレメント36は、エアロゾル形成基体10の前方部分のみを覆ってもよい。
【0140】
単一の熱伝導性要素36は、喫煙物品2のマルチセグメント構成要素50を形成するために、エアロゾル形成基体10、移動要素12およびブラインド可燃性熱源4の後方部分に巻き付く、たとえば、シガレットペーパーなどの低空気透過性の熱絶縁のシート材料のラッパー38によって囲まれる。
【0141】
エアロゾル冷却要素14、スペーサー要素16、およびマウスピース18は、さらなるラッパー(図示せず)によって囲まれ、それはマルチセグメント構成要素50の下流にある第二のマルチセグメント構成要素(これもまた図示せず)を形成しうる。そのような実施例では、マルチセグメント構成要素50および第2のマルチセグメント構成要素は、外側ラッパー20によって、または追加的なラッパーもしくはチッピングペーパーのバンドによって互いに保持されてもよい。別の方法として、エアロゾル冷却要素14、スペーサー要素16、およびマウスピース18は、外側ラッパー20によって互いに保持され、またマルチセグメント構成要素50に接続された個別のセグメントであってもよい。
【0142】
その他の実施形態(図示せず)では、ラッパー38は、エアロゾル冷却要素およびその後にマルチセグメント構成要素内に組み込まれるスペーサー要素16などの喫煙物品2の他の構成要素を囲むために移動要素12の下流に延びていてもよい。マウスピース18は次に、外側ラッパー20によって、または追加的なラッパーもしくはチッピングペーパーのバンド(図示せず)によって、マルチセグメント構成要素の下流端に接続されてもよい。
【0143】
図1に示した本発明の第一の実施形態に従った喫煙物品2において、単一の熱伝導性要素36およびラッパー38は、上流方向および下流方向にだいたい同じブラインド可燃性熱源4上の位置へと伸び、その結果、単一の熱伝導性要素36およびラッパー38の上流端は、ブラインド可燃性熱源4上で実質的に整列され、またその結果、単一の熱伝導性要素36およびラッパー38の下流端は、移動要素12の下流端で実質的に整列される。
【0144】
しかし、本発明のその他の実施形態において(図示せず)、ラッパー38が、上流方向に単一の熱伝導エレメント36を越えて伸びうることが認識されるだろう。
【0145】
本発明の第1の実施形態に従った喫煙物品2は、エアロゾル形成基体10の周囲のまわりに1つまたは複数の第1の空気吸い込み口38を含む。
【0146】
図1に示すように、第一の空気吸込み口40の周囲配置は、冷気(図1に破線矢印によって示す)をエアロゾル形成基体10に入れるために、エアロゾル形成基体10のプラグラップ26、ラッパー38、および単一の熱伝導性要素36に提供される。
【0147】
また図1に示す膨張性の層42は、可燃性熱源4とラッパー38との間に位置する。この例では、膨張性の層42は、可燃性熱源4と直接接触するように熱伝導性要素36の内部表面上に配置される。その他の実施例(図示せず)では、膨張性の層42は、例えば、熱伝導性要素36を介して間接的に可燃性熱源4と接触してもよい。膨張性の層42は、可燃性熱源4を囲み、可燃性熱源4からの熱に応じて膨張するように配置される。膨張性の層42は、膨張性の無機質の接着剤から形成される。適切な膨張性の無機質の接着剤は、PQ Corporation of Malvern, Pennsylvania, USから入手できるものなどのケイ酸ナトリウム接着剤を含む。
【0148】
以下に記載されるように、図2Aおよび図2Bに関連して、可燃性熱源は、ラッパー38内の可燃性熱源4の保持を向上させるために、膨張性の層42の膨張性の無機質の接着剤によって充填され、または部分的に充填されるその外側表面上の1つ以上の形成された凹所を含んでもよい。
【0149】
喫煙物品は、外側ラッパー20の下流端部分を取り囲むチッピングペーパー(図示せず)のバンドをさらに含んでいてもよい。
【0150】
マルチセグメント構成要素50は、その遠位端にある、および熱源4に直接隣接した取り外し可能キャップ(図示せず)をさらに備えてもよい。例えば、取り外し可能キャップは、熱源に比して水分を吸収するために、グリセリンなどの乾燥剤を備えた中央部分を含んでもよく、外側ラッパー20とラッパー38のうち一方または両方の一部に包まれ、喫煙物品2を囲むラッパーにおいて複数の穿孔を含む虚弱線に沿ってそのラッパーの残りの部分に接続している。そのような実施例では、喫煙物品を使用するために、ユーザーは、取り外し可能キャップを親指と他の指の間に挟んで横断方向に圧迫することで、キャップを取り外す。キャップを圧迫することで、それによりキャップを接続するラッパーを局所的に破断するのに十分な力が虚弱線に供給される。次に、ユーザーは、キャップをねじって虚弱線の残りの部分を破断させることで、キャップを取り外す。キャップが取り外されたときに熱源は部分的に露出され、これによりユーザーは喫煙物品に点火することができる。
【0151】
使用において、ユーザーは本発明の第1の実施形態による喫煙物品2のブラインド可燃性熱源4に点火し、次いでマウスピース18で吸い込む。使用者がマウスピース18において吸い込むとき、空気(図1に点線矢印によって示した)は、空気吸い込み口40を通って喫煙物品2のエアロゾル形成基体10に吸い込まれる。
【0152】
エアロゾル形成基体10の前方部分は、ブラインド可燃性熱源4の後方面8およびバリア22を通って伝導によって加熱される。
【0153】
伝導によるエアロゾル形成基体10の加熱は、均質化したたばこベース材料24のプラグからグリセリンおよびその他の揮発性および半揮発性化合物を放出する。エアロゾル形成基体10から放出される化合物は、それがエアロゾル形成基体10を通って流れるにつれて、第1の空気吸い込み口40を通って喫煙物品2のエアロゾル形成基体10に吸い込まれる空気に混入されるエアロゾルを形成する。吸い込まれた空気および混入されたエアロゾル(図1および2に破線矢印によって示した)は、これらが冷却し、および凝縮する伝達エレメント12、エアロゾル冷却エレメント14およびスペーサーエレメント16を通って下流に通過する。冷却された引き出された空気および混入されたエアロゾルは、マウスピース18を通って下流に通過し、本発明の第一の実施形態による喫煙物品2の近位端を通ってユーザーに送達される。ブラインド可燃性熱源4の後面8上の不燃性の実質的に不通気性のバリア22は、使用において、喫煙物品2を通って引き出される空気がブラインド可燃性熱源4と直接接触しないように、喫煙物品2を通って引き出された空気からブラインド可燃性熱源4を隔離する。
【0154】
使用において、単一の熱伝導エレメント36は、喫煙物品2内で熱を保持して、エアロゾル形成基体10の温度を維持し、およびそのようにして続けられた、および増強されたエアロゾル送達を容易にするのに役立つ。加えて、単一の熱伝導エレメント36は、熱がより大きな容積のエアロゾル形成基体10を通って分散するように、エアロゾル形成基体10に沿って熱を伝達する。これは、より一貫したたばこを吸うごとのエアロゾル送達を提供するのに役立つ。
【0155】
可燃性熱源4による膨張性の層42の加熱の間、膨張性の無機質の接着剤の水は、気泡を生成するために気化され、したがって、接着剤が膨張し、または発泡する。膨張性の層42が膨張性の無機質の接着剤から形成されるので、可燃性熱源4の燃焼の間の膨張性の層42からの材料または容積の損失は、実質的にほんのわずかである。膨張した膨張性の層42は、熱伝導性要素36およびラッパー38のうち一方または両方がそれら自体の熱的膨張特性によって膨張した場合であっても、可燃性熱源4が使用時にラッパー38内に隙間なく保持されたままであることを確実にする。可燃性熱源4がラッパー38内に隙間なく保持されたままであることを確実にするのに加えて、膨張した膨張性の層42はまた、可燃性熱源4の外側周りの燃焼ガスの側路を減少させまたはそれを防ぐために、可燃性熱源4の周りにバリアを形成する。この実施例では、膨張性の層42は、可燃性熱源4の外側表面と直接接触する。結果として、膨張した膨張性の層42は、可燃性熱源4の表面粗さまたは可燃性熱源の幾何学的配置の欠損を補正し、可燃性熱源4の周りの燃焼ガスの側路を減少することができる。結果として、喫煙物品2のRTDが維持されうる。追加的に、可燃性熱源4がブラインド可燃性熱源であるので、膨張した膨張性の層42は、望ましいエアロゾル属性のために、使用の間の気流の実質的にすべてが空気吸込み口40を通ってエアロゾル形成基体10に入ることを確実にする。
【0156】
膨張性の層42は、膨張していない時に約0.01mm~約0.1mmの厚さを有し、約1.5:1~約5:1の膨張比を有する。結果として、膨張性の層42は、喫煙物品2の外観に実質的に影響を与えずに膨張することができる。
【0157】
図2Aおよび図2Bは、本発明の実施形態によるマルチセグメント構成要素のための可燃性熱源200を示す。可燃性熱源200は、図2Aおよび図2Bにおいて寸法D1によって示すように、実質的に円筒形であり、外径を有し、それは可燃性熱源200の全長に沿って実質的に一定である。可燃性熱源200は、前面206、それと向かい合った後面208、および複数の周囲に間隔をおいて配置された長軸方向の溝210で形成されたその外側表面202上の複数の形成された凹所を有する。長軸方向の溝210は、前面206から後面208に向かって延びるが、実質的に一定の円形断面および実質的に連続的な外側表面を有する後方部分204を画定するために後面208の上流で終端する。長軸方向の溝210は、後方部分204の上流端で終端する。後方部分204は、長軸方向の溝210の下流端から可燃性熱源200の後面208まで延び、寸法H1で示すような長さを有する。この実施例では、後方部分の長さは約3mm未満である。
【0158】
溝210が可燃性熱源200の後面208まで延びていないので、使用時に、後方部分204は、下流方向における熱源の周りの燃焼ガスの側路を減少させるためのバリアを形成することができる。後方部分は、可燃性熱源の最大外径を画定しうる。そのような構成は、熱源の周りにラッパーを包装することを容易にするので製造の容易さを改善しうる。それはまた、熱源からラッパーへの伝導性熱伝達を改善しうる。このことは特に、ラッパーが可燃性熱源からエアロゾル形成基体へ熱エネルギーを輸送するための熱伝導性層を含むマルチセグメント構成要素の実施例において、有利でありうる。
【0159】
可燃性熱源200を組み込むマルチセグメント構成要素の製造の間、長軸方向の溝210は、マルチセグメント構成要素のラッパー内の可燃性熱源200の保持を改善するために接着剤を用いて充填されてもよく、または部分的に充填されてもよい。溝210が可燃性熱源200の長軸方向軸に整列されるので、熱源200が図1に関連して上述した喫煙物品2などのエアロゾル発生物品に組み込まれた時、長軸方向の溝210は、エアロゾル発生物品の上流方向に対して平行、ひいては可燃性熱源200の望ましくない移動が発生しうる方向に対して平行である。この構成により、接着剤によって加えられた可燃性熱源200への保持力は、長軸方向の溝210の配向によって増大する。このことは、使用時のエアロゾル発生物品内の可燃性熱源の正確な配置、ひいては望ましいエアロゾル属性を確実にするのに役立ちうる。
【0160】
この実施例では、長軸方向の溝210は、可燃性熱源200の周囲に均等に間隙を介し、実質的に同一の長さである。その他の実施例(図示せず)では、長軸方向の溝210は、不均等に間隙を介してもよく、1つ以上の長軸方向の溝210は、他の長軸方向の溝210よりも短くても、または長くてもよい。
【0161】
長軸方向の溝210はそれぞれ、溝210の半径方向の外側端214によって可燃性熱源200の外側表面202に接続される下部またはトラフ212を有する。外側端214は、そのそれぞれの溝の深さD2の少なくとも約15%の曲率半径で湾曲する。曲率半径は少なくとも約0.05mmであることが好ましい。このことは有利には、マルチセグメント構成要素の製造の間の改善された溝210の充填をもたらしうる。それはまた、マルチセグメント構成要素のラッパーを通じた少なくとも1つの凹所の可視性の低減、およびラッピングの間に少なくとも1つの凹所の半径方向の外側端によって引き起こされるラッパーへの損傷のリスクを減少するという結果をもたらしうる。さらに、この構成により、可燃性熱源の半径方向の外側端は、製造時に損傷するまたは折れて取れるようなことがなく、製造時に発生する炭素ダストなどのダストの量を減少する。
【0162】
長軸方向の溝210は、図2Aおよび図2Bの寸法D2で示すような深さを有し、それは図2Bの寸法R1で示すような可燃性熱源の外側表面202の半径と図2Bの寸法R2で示すような各溝210の下部212の半径との間の差によって画定される。この実施例では、溝210の深さは、可燃性熱源200の外径D1の約10パーセント未満である。このことは、熱源200の質量、および結果としてのその加熱性能が、長軸方向の溝210の存在によって実質的に影響を受けないという利点を有する。追加的に、その塗布後に長軸方向の溝210を充填するいくつかの接着剤を乾燥させるのに要求される時間が、減少され、製造性を改善しうる。ある特定の実施例では、長軸方向の溝210の深さは、0.05mm~約0.4mmである。
【0163】
この実施例では、長軸方向の溝210のそれぞれの深さは、その長さに沿って実質的に一定である。その他の実施例(図示せず)では、1つ以上の溝の深さは、その下流端に向かって減少する。このことは、接着剤がラッパーに対する熱源の上流移動に抵抗するくさびとして作用しうるので、熱源の保持をさらに向上することができるという利点を有する。それはまた、接着剤が各溝210の下部面212に渡ってより容易に流れるので、接着剤による改善された溝210の充填をもたらすことが分かっている。
【0164】
図3Aおよび図3Bは、図1のマルチセグメント構成要素を製造するための製造プロセスの概略図である。図3Aおよび図3Bでは、エアロゾル形成基体10および移動要素12は、明瞭さのために省略される。
【0165】
製造プロセスにおいて、アルミニウムなどの耐燃焼性の熱伝導材料から形成された熱伝導性のシート336は、紙巻たばこ用紙などのラッパー材料のウェブ338上に配置される。膨張性の無機質の接着剤342が次に、ローラーを用いて熱伝導性のシート336上に付着され、また可燃性熱源304がその上に置かれる。適切な膨張性の無機質の接着剤は、PQ Corporation of Malvern, Pennsylvania, USから入手できる「透明」なケイ酸ナトリウム液状接着剤などのケイ酸ナトリウム接着剤を含む。
【0166】
図3Bに示すように、ペーパーウェブ338が次に、連続的な管を形成するために可燃性熱源304に対して圧迫され、可燃性熱源304の周りに円筒形形状に包まれる。このラッピング工程の間、膨張性の無機質の接着剤342は、膨張性の層を形成するために可燃性熱源304の外側表面を通じて広がる。膨張性の無機質の接着剤342はまた、膨張性の層を可燃性熱源304に構造上結合するために可燃性熱源304の外側表面上の長軸方向の溝310内に押し付けられる。ウェブ338によって形成された連続的な管は次に、個別のロッド状のマルチセグメント構成要素を形成するために各可燃性熱源304の前部端に隣接して切り取られる。
【0167】
他の方法が考えられる。例えば、その他の技法が、グルーガンまたは輪転グラビア印刷またはその他の印刷技法を使用する、例えば、散布または噴霧などによって接着剤をラッパーに塗布するために用いられてもよい。接着剤は、可燃性熱源に塗布されてもよい。接着剤は、ラッパーおよび可燃性熱源に塗布されてもよい。
【実施例
【0168】
実施例1
膨張性の層を形成するために、図3Aおよび図3Bに関連する上述の方法を用いて、含有量28.5%~30.0%の二酸化ケイ素、含有量8.5%~9.0%の酸化ナトリウム、および3.3~3.5の分子比を有する無機質のケイ酸ナトリウム接着剤が、可燃性熱源とラッパーとの間に塗布される。
【0169】
実施例2
膨張性の層を形成するために、図3Aおよび図3Bに関連する上述の方法を用いて、含有量約29.9%の二酸化ケイ素、含有量約9.4%の酸化ナトリウム、および約3.3の分子比を有する無機質のケイ酸ナトリウム接着剤が、可燃性熱源とラッパーとの間に塗布される。
【0170】
実施例3
膨張性の層を形成するために、図3Aおよび図3Bに関連する上述の方法を用いて、含有量33.1%~34.1%の二酸化ケイ素、含有量12.0%~13.0%の酸化ナトリウム、2.6~2.9の分子比、および含有量45.1%~47.1%の乾燥固体を有する無機質のケイ酸ナトリウム接着剤が、可燃性熱源とラッパーとの間に塗布される。
【0171】
実施例4
膨張性の層を形成するために、図3Aおよび図3Bに関連する上述の方法を用いて、含有量29.0%~30.5%の二酸化ケイ素、含有量8.5%~9.0%の酸化ナトリウム、および2.0~2.1の分子比を有する無機質のケイ酸ナトリウム接着剤が、可燃性熱源とラッパーとの間に塗布される。
【0172】
実施例5
膨張性の層を形成するために、図3Aおよび図3Bに関連する上述の方法を用いて、含有量30%~31%の二酸化ケイ素、含有量11.4%~12.4%の酸化ナトリウム、および2.6~2.7の分子比を有する無機質のケイ酸ナトリウム接着剤が、可燃性熱源とラッパーとの間に塗布される。
【0173】
上記の特定の実施形態および実施例を図示するが、これは本発明を限定するものではない。当然のことながら、他の本発明の実施形態を作成してもよく、また本書に記載した具体的な実施形態および実施例は網羅的なものでない。
図1
図2
図3