(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
B65H 43/02 20060101AFI20221130BHJP
B65H 29/58 20060101ALI20221130BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
B65H43/02
B65H29/58 Z
H04N1/00 567L
(21)【出願番号】P 2019024394
(22)【出願日】2019-02-14
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】時國 祐宜
(72)【発明者】
【氏名】高森 正也
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-052929(JP,A)
【文献】特開2004-345787(JP,A)
【文献】特開2018-023059(JP,A)
【文献】特開2018-184253(JP,A)
【文献】特開2018-090365(JP,A)
【文献】特開2001-031261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 43/02
B65H 29/58
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窪みが形成されたシュータと、
前記シュータから繰り出された媒体の画像を撮像する撮像部と、
前記媒体を第1搬送路または第2搬送路に案内する切替部と、
前記撮像部が前記媒体を押し付ける力の大きさを変更する機構と、
前記窪みに第1媒体が載置されているか否かを検出するセンサと、
前記窪みに前記第1媒体が載置されていることが検出された場合に、前記第1媒体が前記第1搬送路に案内されるように、前記切替部を制御
し、前記力の大きさが低下するように、前記機構を制御する制御部
とを備える画像読取装置。
【請求項2】
窪みが形成されたシュータと、
前記シュータから繰り出された媒体の画像を撮像する撮像部と、
前記媒体を第1搬送路または第2搬送路に案内する切替部と、
前記窪みに第1媒体が載置されているか否かを検出するセンサと、
前記窪みに前記第1媒体が載置されていることが検出された場合に、前記第1媒体が前記第1搬送路に案内されるように、前記切替部を制御する制御部とを備え、
前記シュータは、
前記窪みに隣接する領域が形成され、移動可能であるシュータ本体と、
前記シュータ本体に対して移動可能に支持され、前記シュータ本体に対して移動することにより前記シュータに前記窪みが形成される窪み部分とを有する
画像読取装置。
【請求項3】
前記撮像部が前記媒体を押し付ける力の大きさを変更する機構をさらに備え、
前記制御部は、前記窪みに前記第1媒体が載置されていることが検出されたときに、前記力の大きさが低下するように、前記機構を制御する
請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記シュータのうちの前記窪みに隣接する領域に第2媒体が載置されているか否かを検出する他のセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記領域に前記第2媒体が載置されていることが検出されたときに、前記第2媒体が前記第2搬送路に案内されるように、前記切替部を制御する
請求項1
から請求項3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記第2搬送路を搬送される媒体が変形する程度は、前記第1搬送路を搬送される媒体が変形する程度より大きい
請求項1
から請求項4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
読取指示を検出する読取指示検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記読取指示が検出された後に、前記媒体が前記第1搬送路または前記第2搬送路に案内されるように前記切替部を制御する
請求項1
から請求項5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体の厚さの検出結果に応じて搬送路を切り替える切替部が設けられている画像読取装置が知られている(特許文献1)。サイズがそれぞれ異なるシートをそれぞれ所定の載置位置に位置決めする複数のシートガイド部が設けられたシートトレイが知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-52929号公報
【文献】特開2004-345787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の画像読取装置は、媒体が搬送された後に媒体の厚さが検出されるために、切替部が搬送路を切り替える前に媒体が切替部を通過し、不具合が発生するおそれがある。
【0005】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、切り替えられた搬送路に媒体を適切に搬送する画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様における画像読取装置は、窪みが形成されたシュータと、前記シュータから繰り出された媒体の画像を撮像する撮像部と、前記媒体を第1搬送路または第2搬送路に案内する切替部と、前記撮像部が前記媒体を押し付ける力の大きさを変更する機構と、前記窪みに第1媒体が載置されているか否かを検出するセンサと、前記窪みに前記第1媒体が載置されていることが検出された場合に、前記第1媒体が前記第1搬送路に案内されるように、前記切替部を制御し、前記力の大きさが低下するように、前記機構を制御する制御部とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
開示の画像読取装置は、切り替えられた搬送路に媒体を適切に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施例1の画像読取装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、切替部が排出口開放位置に配置されているときの画像読取装置を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、スタッカがスタッカ格納位置に配置されているときの画像読取装置を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、シュータがシュータ格納位置に配置されているときの画像読取装置を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、撮像部と押圧力切替機構とを示す正面図である。
【
図11】
図11は、フレーム53が弱押圧力位置に配置されたときの撮像部を示す正面図である。
【
図13】
図13は、画像読取装置の動作を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、画像読取装置の他の動作を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、画像読取装置のさらに他の動作を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、変形例の画像読取装置のシュータを示す斜視図である。
【
図17】
図17は、実施例2の画像読取装置のシュータを示す側面図である。
【
図18】
図18は、シュータ本体がシュータ展開位置に配置されるときの実施例2の画像読取装置のシュータを示す側面図である。
【
図19】
図19は、窪み部分が窪み部分展開位置に配置されるときの実施例2の画像読取装置のシュータを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願が開示する実施形態にかかる画像読取装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本発明が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0010】
図1は、実施例1の画像読取装置1を示す斜視図である。画像読取装置1は、
図1に示されているように、画像読取装置本体2とシュータ3とスタッカ5と切替部6とを備えている。画像読取装置本体2は、箱型に形成され、画像読取装置1が設置される設置面に載置される。画像読取装置本体2は、排出口7が形成され、図示されていない搬送路が形成されている。搬送路は、画像読取装置本体2の内部に形成されている。
【0011】
シュータ3は、板状に形成され、シュータ載置面11が形成されている。シュータ3は、シュータ展開位置またはシュータ格納位置に配置されるように、回転軸12を中心に回転可能に画像読取装置本体2に支持されている。シュータ3は、シュータ展開位置に配置されるときに、シュータ載置面11が斜め上方を向くように配置され、画像読取装置本体2に固定される。搬送路のうちのシュータ3に近い側の一端は、シュータ3がシュータ展開位置に配置されるときに、シュータ載置面11に接続されている。
【0012】
スタッカ5は、板状に形成され、スタッカ載置面14が形成されている。スタッカ5は、スタッカ展開位置またはスタッカ格納位置に配置されるように、回転軸15を中心に回転可能に画像読取装置本体2に支持されている。スタッカ5は、スタッカ展開位置に配置されるときに、スタッカ載置面14が斜め上方を向くように配置され、画像読取装置本体2に固定される。
【0013】
切替部6は、排出口7の近傍に配置され、排出口閉鎖位置または排出口開放位置に配置されるように、移動可能に画像読取装置本体2に支持されている。切替部6は、排出口閉鎖位置にされているときに、搬送路をUターンパスに切り替える。Uターンパスは、一端がシュータ載置面11に接続され、他端がスタッカ載置面14に接続され、他端と排出口7との間が遮断されている。すなわち、切替部6は、排出口閉鎖位置にされているときに、排出口7を閉鎖し、シュータ3から繰り出された媒体をUターンパスに案内する。
【0014】
図2は、切替部6が排出口開放位置に配置されているときの画像読取装置1を示す斜視図である。切替部6は、排出口開放位置にされているときに、搬送路をストレートパスに切り替える。ストレートパスは、一端がシュータ載置面11に接続され、他端が排出口7に接続され、他端とスタッカ載置面14との間が遮断されている。すなわち、切替部6は、排出口開放位置にされているときに、排出口7を開放し、シュータ3から繰り出された媒体をストレートパスに案内する。
【0015】
図3は、スタッカ5がスタッカ格納位置に配置されているときの画像読取装置1を示す斜視図である。スタッカ5は、スタッカ格納位置に配置されるときに、画像読取装置本体2の上面に沿う。スタッカ5は、スタッカ格納位置に配置されるときに、シュータ3がシュータ展開位置からシュータ格納位置に移動するときに通過する領域から退避する。スタッカ5は、その領域から退避することにより、シュータ3がシュータ展開位置からシュータ格納位置に移動するときにシュータ3に干渉することが防止される。
【0016】
図4は、シュータ3がシュータ格納位置に配置されているときの画像読取装置1を示す斜視図である。シュータ3は、スタッカ5がスタッカ格納位置に配置されるときに、シュータ格納位置に配置されることができる。シュータ3のシュータ載置面11は、シュータ3がシュータ格納位置に配置されることにより、斜め下側を向き、スタッカ載置面14に対向する。画像読取装置1は、シュータ3がシュータ格納位置に配置されているときに、シュータ3がシュータ展開位置に配置されているときの画像読取装置1よりコンパクトになり、より小さいスペースに格納されることができる。
【0017】
図5は、シュータ3を示す斜視図である。シュータ3は、シュータ載置面11に窪み21が形成されている。シュータ3は、窪み21が形成されることにより、小型媒体用載置面22が形成されている。小型媒体用載置面22は、概ね平坦であり、窪み21の底を形成している。
図6は、シュータ3を示す平面図である。
図7は、シュータ3を示す側面図である。小型媒体用載置面22は、共通部分23と右側部分24と左側部分25と上流部分26とを含んでいる。共通部分23は、シュータ3のうちの搬送路の一端に近い側の端27の中央に繋がるように形成されている。右側部分24と左側部分25とは、右側部分24と左側部分25との間に共通部分23が配置されるように配置され、端27に繋がるように形成されている。上流部分26は、上流部分26と端27との間に共通部分23が配置されるように、共通部分23より端27から遠い側に配置されている。
【0018】
シュータ3は、窪み21が形成されることにより、さらに、側壁面が形成されている。側壁面は、縦置き媒体用上側整列面31と横置き媒体用上右側整列面32と横置き媒体用上左側整列面33と横置き媒体用右側整列面34と横置き媒体用左側整列面35と縦置き媒体用右側整列面36と縦置き媒体用左側整列面37とを含んでいる。縦置き媒体用上側整列面31は、シュータ載置面11に沿う平面に概ね垂直である平面に沿うように、概ね平坦に形成されている。縦置き媒体用上側整列面31は、さらに、端27に対向し、縦置き媒体用上側整列面31に沿う平面が、端27に沿う直線に平行であるように、かつ、上流部分26に繋がるように、配置されている。
【0019】
横置き媒体用上右側整列面32は、シュータ載置面11に沿う平面に概ね垂直である平面に沿うように、概ね平坦に形成されている。横置き媒体用上右側整列面32は、さらに、端27に対向し、横置き媒体用上右側整列面32に沿う平面が、端27に沿う直線に平行であるように、かつ、右側部分24に繋がるように、配置されている。横置き媒体用上左側整列面33は、横置き媒体用上右側整列面32に沿う平面に沿うように、概ね平坦に形成されている。横置き媒体用上左側整列面33は、さらに、端27に対向し、左側部分25に繋がるように、配置されている。
【0020】
横置き媒体用右側整列面34は、シュータ載置面11に沿う平面に概ね垂直である平面に沿うように、概ね平坦に形成されている。横置き媒体用右側整列面34は、さらに、横置き媒体用右側整列面34に沿う平面が、端27に沿う直線に概ね垂直であるように、かつ、右側部分24に繋がるように、配置されている。横置き媒体用左側整列面35は、シュータ載置面11に沿う平面に概ね垂直である平面に沿うように、概ね平坦に形成されている。横置き媒体用左側整列面35は、さらに、横置き媒体用左側整列面35に沿う平面が、端27に沿う直線に概ね垂直であるように、かつ、左側部分25に繋がるように、配置されている。横置き媒体用左側整列面35は、さらに、横置き媒体用右側整列面34に対向し、横置き媒体用右側整列面34は、横置き媒体用左側整列面35に対向している。
【0021】
縦置き媒体用右側整列面36は、シュータ載置面11に沿う平面に概ね垂直である平面に沿うように、概ね平坦に形成されている。縦置き媒体用右側整列面36は、さらに、縦置き媒体用右側整列面36に沿う平面が、端27に沿う直線に概ね垂直であるように、かつ、上流部分26に繋がるように、配置されている。縦置き媒体用左側整列面37は、シュータ載置面11に沿う平面に概ね垂直である平面に沿うように、概ね平坦に形成されている。縦置き媒体用左側整列面37は、さらに、縦置き媒体用左側整列面37に沿う平面が、端27に沿う直線に概ね垂直であるように、かつ、上流部分26に繋がるように、配置されている。縦置き媒体用左側整列面37は、さらに、縦置き媒体用右側整列面36に対向し、縦置き媒体用右側整列面36は、縦置き媒体用左側整列面37に対向している。
【0022】
窪み21には、名刺、クレジットカード、キャッシュカードに例示される小型媒体38が縦置きされ、または、横置きされる。小型媒体38は、窪み21に縦置きされたときに、小型媒体38のうちの1つの縁が縦置き媒体用上側整列面31に沿い、縦置き媒体用右側整列面36と縦置き媒体用左側整列面37とに挟まれる。小型媒体38は、小型媒体38の1つの縁が縦置き媒体用上側整列面31に沿い、縦置き媒体用右側整列面36と縦置き媒体用左側整列面37とに挟まれることにより、共通部分23と上流部分26とに適切に載置される。小型媒体38は、窪み21に横置きされたときに、小型媒体38のうちの1つの縁が横置き媒体用上右側整列面32と横置き媒体用上左側整列面33とに沿い、横置き媒体用右側整列面34と横置き媒体用左側整列面35とに挟まれる。小型媒体38は、1つの縁が横置き媒体用上右側整列面32と横置き媒体用上左側整列面33とに沿い、横置き媒体用右側整列面34と横置き媒体用左側整列面35とに挟まれることにより、共通部分23と右側部分24と左側部分25とに適切に載置される。言い換えると、窪み21は、小型媒体38が縦置きされように、または、小型媒体38が横置きされるように形成されている。また、小型媒体38は、縦置きされた場合も、横置きさされた場合も、共通部分23に載置される。
【0023】
画像読取装置1は、
図8に示されているように、第1小型媒体検知センサ41をさらに備えている。
図8は、
図6のB-B線断面図である。第1小型媒体検知センサ41は、反射型センサから形成され、センサ本体42と反射部材43とを備えている。センサ本体42は、縦置き媒体用上側整列面31に配置されている。センサ本体42は、縦置き媒体用上側整列面31から共通部分23に向かって進行する光を発光し、その光が発光されているときに、共通部分23から縦置き媒体用上側整列面31に向かって進行する光の有無を検出する。反射部材43は、共通部分23に配置され、センサ本体42が発光する光を反射し、その反射した光が縦置き媒体用上側整列面31に向かって進行するように、配置されている。第1小型媒体検知センサ41は、センサ本体42が共通部分23から縦置き媒体用上側整列面31に向かって進行する光を検出したときに、窪み21に媒体が配置されていないと判定する。第1小型媒体検知センサ41は、センサ本体42が共通部分23から縦置き媒体用上側整列面31に向かって進行する光を検出しないときに、窪み21に媒体が配置されていると判定する。
【0024】
画像読取装置1は、
図9に示されているように、第2小型媒体検知センサ45をさらに備えている。
図9は、
図6のA-A線断面図である。第2小型媒体検知センサ45は、反射型センサから形成され、センサ本体46と反射部材47とを備えている。センサ本体46は、横置き媒体用右側整列面34に配置されている。センサ本体46は、横置き媒体用右側整列面34から共通部分23に向かって進行する光を発光し、その光が発光されているときに、共通部分23から横置き媒体用右側整列面34に向かって進行する光の有無を検出する。反射部材47は、共通部分23に配置され、センサ本体46が発光する光を反射し、その反射した光が横置き媒体用右側整列面34に向かって進行するように、配置されている。第2小型媒体検知センサ45は、センサ本体46が共通部分23から横置き媒体用右側整列面34に向かって進行する光を検出したときに、窪み21に媒体が配置されていないと判定する。第2小型媒体検知センサ45は、センサ本体46が共通部分23から横置き媒体用右側整列面34に向かって進行する光を検出しないときに、窪み21に媒体が配置されていると判定する。
【0025】
画像読取装置1は、
図10に示されているように、撮像部51と押圧力切替機構52とをさらに備えている。
図10は、撮像部51と押圧力切替機構52とを示す正面図である。撮像部51は、CIS(Contact Image Sensor)タイプのイメージセンサから形成されている。撮像部51は、搬送路に沿って搬送される媒体の一方の面に接触するように、画像読取装置本体2の内部のうちの搬送路の近傍に配置され、搬送路に沿う平面に垂直である押圧方向56に並進可能に画像読取装置本体2に支持されている。撮像部51は、搬送路を搬送される媒体の画像を撮像する。
【0026】
押圧力切替機構52は、フレーム53と圧縮コイルばね54と押圧力切替用アクチュエータ55とを備えている。フレーム53は、画像読取装置本体2のうちの一部である読取部支持部分57と撮像部51との間に配置され、強押圧力位置または弱押圧力位置に配置されるように、押圧方向56に並進可能に読取部支持部分57に支持されている。圧縮コイルばね54は、弾性体から形成され、フレーム53と撮像部51との間に配置されている。圧縮コイルばね54の一端は、フレーム53に固定され、圧縮コイルばね54の他端は、撮像部51に固定されている。圧縮コイルばね54は、搬送路に沿って搬送される媒体に撮像部51が押し付けられるように、撮像部51に弾性力を与えている。押圧力切替用アクチュエータ55は、フレーム53と読取部支持部分57との間に配置されている。押圧力切替用アクチュエータ55は、フレーム53を押圧方向56に並進させ、フレーム53を強押圧力位置または弱押圧力位置に配置する。
【0027】
図11は、フレーム53が弱押圧力位置に配置されたときの撮像部51を示す正面図である。フレーム53が弱押圧力位置に配置されたときのフレーム53と搬送路との間の距離は、フレーム53が強押圧力位置に配置されたときのフレーム53と搬送路との間の距離より長い。このため、フレーム53が弱押圧力位置に配置されたときに圧縮コイルばね54が撮像部51に与える弾性力は、フレーム53が強押圧力位置に配置されたときに圧縮コイルばね54が撮像部51に与える弾性力より弱い。
【0028】
図12は、画像読取装置1を示すブロック図である。画像読取装置1は、媒体セット検知センサ61と切替部切替用アクチュエータ62と搬送部63とスキャンボタン64とコントローラ65とをさらに備えている。媒体セット検知センサ61は、シュータ3に設けられ、シュータ3のシュータ載置面11のうちの窪み21に隣接する領域に媒体が載置されているか否かを検出し、検出結果をコントローラ65に出力する。切替部切替用アクチュエータ62は、コントローラ65に制御されることにより、切替部6を移動させ、切替部6を排出口閉鎖位置または排出口開放位置に配置する。
【0029】
搬送部63は、コントローラ65に制御されることにより、シュータ3に1つの媒体が載置されているときに、その1つの媒体を搬送路に繰り出す。搬送部63は、コントローラ65に制御されることにより、シュータ3に複数の媒体が載置されているときに、複数の媒体のうちのシュータ3から遠い側に配置される1つの媒体を搬送路に繰り出す。搬送部63は、コントローラ65に制御されることにより、切替部6が排出口閉鎖位置に配置されているときに、その繰り出された媒体をUターンパスに沿って搬送し、その搬送された媒体をスタッカ5に載置する。搬送部63は、コントローラ65に制御されることにより、切替部6が排出口開放位置に配置されているときに、その繰り出された媒体をストレートパスに沿って搬送し、その搬送された媒体を排出口7から排出する。このとき、Uターンパスを搬送される媒体が変形する程度は、ストレートパスを搬送される媒体が変形する程度より大きい。
【0030】
スキャンボタン64は、画像読取装置本体2に設けられ、ユーザに押下されたか否かを検出し、検出結果をコントローラ65に出力する。
【0031】
コントローラ65は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)66と記憶装置67とを備えている。CPU66は、コントローラ65にインストールされるコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理し、記憶装置67を制御する。CPU66は、さらに、第1小型媒体検知センサ41と第2小型媒体検知センサ45と押圧力切替用アクチュエータ55と媒体セット検知センサ61と切替部切替用アクチュエータ62と搬送部63とスキャンボタン64とを制御する。記憶装置67としては、RAM、ROM等のメモリ、ハードディスクのような固定ディスク装置、SSD(Solid State Drive)が例示される。記憶装置67は、コントローラ65にインストールされるコンピュータプログラムを記録し、CPU66により利用される情報を記録する。
【0032】
たとえば、コントローラ65は、シュータ3の窪み21に媒体が載置されているか否かが検出されるように、第1小型媒体検知センサ41と第2小型媒体検知センサ45とを制御する。コントローラ65は、シュータ3のシュータ載置面11のうちの窪み21に隣接する領域に媒体が載置されているか否かが検出されるように、媒体セット検知センサ61を制御する。コントローラ65は、フレーム53が強押圧力位置または弱押圧力位置に配置されるように、押圧力切替用アクチュエータ55を制御する。コントローラ65は、切替部6が排出口閉鎖位置または排出口開放位置に配置されるように、切替部切替用アクチュエータ62を制御する。コントローラ65は、シュータ3に載置される媒体が搬送路に繰り出されるように、搬送路に繰り出された媒体がUターンパスまたはストレートパスに沿って搬送されるように、搬送部63を制御する。コントローラ65は、さらに、Uターンパスに沿って搬送された媒体がスタッカ5に載置されるように、ストレートパスに沿って搬送された媒体が排出口7から排出されるように、搬送部63を制御する。
【0033】
[画像読取装置1の動作]
図13は、画像読取装置1の動作を示すフローチャートである。ユーザは、画像読取装置1を用いて媒体の画像を読み取りたいときに、シュータ3をシュータ展開位置に配置し、スタッカ5をスタッカ展開位置に配置する。切替部6は、画像読取装置1が動作する前に初期的に、排出口閉鎖位置に配置され、搬送路は、Uターンパスに切り替えられ、フレーム53は、強押圧力位置に配置されている。さらに、記憶装置67は、画像読取装置1が動作する前に初期的に、排出口閉鎖位置に配置され、搬送路がUターンパスに切り替えられていることが記録されている。ユーザは、画像読取装置1を用いて1つの小型媒体の画像を読み取りたいときに、1つの小型媒体をシュータ3の窪み21の小型媒体用載置面22に載置し、スキャンボタン64を押下する(ステップS1)。ユーザは、画像読取装置1を用いて1つの大型媒体の画像を読み取りたいときに、1つの大型媒体をシュータ3のシュータ載置面11のうちの窪み21に隣接する領域に載置し、スキャンボタン64を押下する。大型媒体としては、A4判のコピー用紙が例示される。
【0034】
コントローラ65は、スキャンボタン64が押下されたことが検出された後に、媒体セット検知センサ61を制御することにより、シュータ載置面11のうちの窪み21に隣接する領域に大型媒体が載置されているか否かを検出する(ステップS2)。コントローラ65は、大型媒体が載置されていないときに(ステップS2、No)、第1小型媒体検知センサ41と第2小型媒体検知センサ45とを制御することにより、小型媒体用載置面22に小型媒体が載置されているか否かを検出する(ステップS3)。コントローラ65は、小型媒体用載置面22に小型媒体が載置されていないことが検出されたときに(ステップS3、No)、シュータ3に媒体が載置されていないと判定する(ステップS4)。
【0035】
コントローラ65は、小型媒体用載置面22に小型媒体が載置されていることが検出されたときに(ステップS3、Yes)、切替部切替用アクチュエータ62を制御することにより、切替部6を排出口開放位置に配置する。搬送路は、切替部6が排出口開放位置に配置されることにより、ストレートパスに切り替えられる(ステップS5)。コントローラ65は、さらに、押圧力切替用アクチュエータ55を制御することにより、フレーム53を弱押圧力位置に配置する。コントローラ65は、さらに、搬送路がUターンパスに切り替えられていることを記憶装置67から消去し、搬送路がストレートパスに切り替えられていることを記憶装置67に記録する。
【0036】
コントローラ65は、大型媒体が載置されていることが検出されたときに(ステップS2、Yes)、または、搬送路がストレートパスに切り替えられた後に(ステップS5)、スキャンを開始する(ステップS6)。コントローラ65は、スキャンが開始されると、搬送部63を制御することにより、シュータ3に載置されている媒体を搬送路に繰り出し、搬送路に繰り出された媒体を搬送路に沿って搬送する。コントローラ65は、媒体が搬送路に沿って搬送されているときに、撮像部51を制御することにより、搬送路に沿って搬送される媒体の画像を撮像する。画像が撮像された媒体は、搬送路がUターンパスに切り替えられているときに、ストレートパスに沿って搬送され、スタッカ5に載置される。画像が撮像された媒体は、搬送路がストレートパスに切り替えられているときに、ストレートパスに沿って搬送され、排出口7から排出される(ステップS7)。
【0037】
コントローラ65は、媒体がスタッカ5に載置された後に、または、媒体が排出口7から排出された後に、搬送路がストレートパスに切り替えられていることが記憶装置67に記録されているか否かを判定する(ステップS8)。コントローラ65は、ストレートパスに切り替えられていることが記憶装置67に記録されているときに(ステップS8、No)、切替部切替用アクチュエータ62を制御することにより、切替部6を排出口閉鎖位置に配置する。搬送路は、切替部6が排出口閉鎖位置に配置されることにより、Uターンパスに切り替えられる(ステップS9)。コントローラ65は、さらに、押圧力切替用アクチュエータ55を制御することにより、フレーム53を強押圧力位置に配置する。コントローラ65は、さらに、搬送路がストレートパスに切り替えられていることを記憶装置67から消去し、搬送路がUターンパスに切り替えられていることを記憶装置67に記録する。
【0038】
画像読取装置1は、このような動作によれば、切替部6を自動的に移動させ、大型媒体をUターンパスに沿って搬送することができ、小型媒体をストレートパスに沿って搬送することができる。このため、画像読取装置1は、小型媒体がUターンパスに案内されることを防止することができ、小型媒体に屈曲癖が付いたり、小型媒体がUターンパスにジャムを発生させたりすることを防止することができる。
【0039】
画像読取装置1は、さらに、シュータ3の窪み21に載置された小型媒体が搬送路に繰り出される前に、小型媒体がストレートパスに案内されるように、切替部6を排出口開放位置に配置することができる。このため、画像読取装置1は、小型媒体が切替部6を通過する前に、切替部6を排出口開放位置に配置することができ、小型媒体をストレートパスに沿って適切に搬送することができる。
【0040】
図14は、画像読取装置1の他の動作を示すフローチャートである。ユーザは、画像読取装置1を用いて複数の小型媒体の画像と複数の大型媒体の画像とを読み取りたいときに、まず、複数の小型媒体をシュータ3の窪み21の小型媒体用載置面22に載置する。ユーザは、複数の小型媒体が窪み21の小型媒体用載置面22に載置された後に、複数の大型媒体をシュータ3のシュータ載置面11のうちの窪み21に隣接する領域に載置する(ステップS11)。ユーザは、複数の小型媒体と複数の大型媒体とをシュータ3に載置した後に、スキャンボタン64を押下する(ステップS12)。
【0041】
コントローラ65は、スキャンボタン64が押下されたことが検出された後に、媒体セット検知センサ61を制御することにより、シュータ載置面11に大型媒体が載置されているか否かを検出する(ステップS13)。コントローラ65は、大型媒体が載置されていないときに(ステップS13、No)、第1小型媒体検知センサ41と第2小型媒体検知センサ45とを制御することにより、小型媒体用載置面22に小型媒体が載置されているか否かを検出する(ステップS14)。コントローラ65は、小型媒体用載置面22に小型媒体が載置されていることが検出されたときに(ステップS14、Yes)、切替部切替用アクチュエータ62を制御することにより、切替部6を排出口開放位置に配置する。搬送路は、切替部6が排出口開放位置に配置されることにより、ストレートパスに切り替えられる(ステップS15)。コントローラ65は、さらに、押圧力切替用アクチュエータ55を制御することにより、フレーム53を弱押圧力位置に配置する。
【0042】
コントローラ65は、大型媒体が載置されていることが検出されたときに(ステップS13、Yes)、または、搬送路がストレートパスに切り替えられた後に(ステップS15)、スキャンを開始する(ステップS16)。コントローラ65は、スキャンが開始されると、搬送部63を制御することにより、シュータ3に載置されている複数の媒体のうちのシュータ3から遠い側の1つの媒体を搬送路に繰り出し、搬送路に繰り出された媒体を搬送路に沿って搬送する。コントローラ65は、媒体が搬送路に沿って搬送されているときに、撮像部51を制御することにより、搬送路に沿って搬送される媒体の画像を撮像する。画像が撮像された媒体は、搬送路がUターンパスに切り替えられているときに、ストレートパスに沿って搬送され、スタッカ5に載置される。画像が撮像された媒体は、搬送路がストレートパスに切り替えられているときに、ストレートパスに沿って搬送され、排出口7から排出される(ステップS17)。コントローラ65は、シュータ3に載置されている複数の媒体がなくなるまで、ステップS13からステップS17までの動作を繰り返して実行する。
【0043】
コントローラ65は、小型媒体用載置面22に小型媒体が載置されていないことが検出されたときに(ステップS14、No)、シュータ3に媒体が載置されていないと判定する(ステップS18)。コントローラ65は、シュータ3に媒体が載置されていないと判定された後に、搬送路がUターンパスとストレートパスとのどちらに切り替えられているかを判定する(ステップS19)。コントローラ65は、搬送路がストレートパスに切り替えられているときに(ステップS19、No)、切替部切替用アクチュエータ62を制御することにより、切替部6を排出口閉鎖位置に配置する。搬送路は、切替部6が排出口閉鎖位置に配置されることにより、Uターンパスに切り替えられる(ステップS20)。コントローラ65は、さらに、押圧力切替用アクチュエータ55を制御することにより、フレーム53を強押圧力位置に配置する。
【0044】
このような動作によれば、画像読取装置1は、
図13の動作と同様に、小型媒体が切替部6を通過する前に、切替部6を排出口開放位置に配置することができ、小型媒体をストレートパスに沿って適切に搬送することができる。画像読取装置1は、さらに、シュータ3に載置される複数の媒体を次々に搬送し画像を読み取ることにより、
図13の動作に比較して、複数の媒体の画像をより高速に読み取ることができる。
【0045】
[実施例1の画像読取装置1の効果]
実施例1の画像読取装置1は、シュータ3と撮像部51と切替部6と第1小型媒体検知センサ41と第2小型媒体検知センサ45とコントローラ65とを備えている。シュータ3は、窪み21が形成されている。撮像部51は、シュータ3から繰り出された媒体の画像を撮像する。切替部6は、媒体をUターンパスまたはストレートパスに案内する。第1小型媒体検知センサ41と第2小型媒体検知センサ45とは、窪み21に媒体が載置されているか否かを検出する。コントローラ65は、窪み21に媒体が載置されていることが検出された場合に、媒体がストレートパスに案内されるように、切替部切替用アクチュエータ62を制御することにより、切替部6を排出口開放位置に配置する。
【0046】
Uターンパスを搬送される媒体が変形する程度は、ストレートパスを搬送される媒体が変形する程度より大きい。このとき、画像読取装置1は、小型媒体がUターンパスに案内されることを防止することができ、小型媒体に屈曲癖が付いたり、小型媒体がUターンパスにジャムを発生させたりすることを防止することができる。画像読取装置1は、シュータ3の窪み21に載置された小型媒体が搬送路に繰り出される前に、小型媒体がストレートパスに案内されるように、切替部6を排出口開放位置に配置することができる。このため、画像読取装置1は、小型媒体が切替部6を通過する前に、切替部6を移動させることができ、切り替えられた搬送路に媒体を適切に搬送することができる。
【0047】
また、実施例1の画像読取装置1は、シュータ3のシュータ載置面11のうちの窪み21に隣接する領域に大型媒体が載置されているか否かを検出する媒体セット検知センサ61をさらに備えている。コントローラ65は、大型媒体が載置されていることが検出されたときに、大型媒体がUターンパスに案内されるように、切替部切替用アクチュエータ62を制御することにより、切替部6を排出口閉鎖位置に配置する。このとき、画像読取装置1は、大型媒体がストレートパスに案内されることを防止することができる。
【0048】
また、実施例1の画像読取装置1は、ユーザの操作を検出するスキャンボタン64をさらに備えている。コントローラ65は、スキャンボタン64の押下が検出された後に、媒体がUターンパスまたはストレートパスに案内されるように、切替部切替用アクチュエータ62を制御することにより、切替部6を排出口開放位置に移動させる。このとき、画像読取装置1は、スキャンボタン64が押下される前に、搬送路がUターンパスまたはストレートパスに不要に切り替えられることを防止することができる。
【0049】
ところで、既述の実施例1の画像読取装置1は、スキャンボタン64が押下された後にスキャンが開始されるが、スキャンボタン64の押下と異なる他の読取指示を検出した後にスキャンが開始されてもよい。その読取指示としては、画像読取装置1に情報伝達可能に接続されるパーソナルコンピュータから画像読取装置1に所定の信号が出力されることが例示される。この場合も画像読取装置1は、切り替えられた搬送路に媒体を適切に搬送することができる。また、画像読取装置1は、このような読取指示と異なる他の事象が検出された後にスキャンが開始されてもよい。
【0050】
図15は、画像読取装置1のさらに他の動作を示すフローチャートである。ユーザは、画像読取装置1を用いて1つの小型媒体の画像を読み取りたいときに、1つの小型媒体をシュータ3の窪み21の小型媒体用載置面22に載置する。または、ユーザは、画像読取装置1を用いて1つの大型媒体の画像を読み取りたいときに、1つの大型媒体をシュータ3のシュータ載置面11のうちの窪み21に隣接する領域に載置する(ステップS31)。
【0051】
コントローラ65は、間欠的に、媒体セット検知センサ61と第1小型媒体検知センサ41と第2小型媒体検知センサ45とを制御することにより、シュータ3のシュータ載置面11または窪み21に媒体が載置されているか否かを検出している(ステップS32)。コントローラ65は、シュータ載置面11または窪み21に媒体が載置されていないことが検出されたときに(ステップS32、No)、シュータ3に大型媒体も小型媒体も載置されていないと判定する(ステップS33)。コントローラ65は、シュータ載置面11または窪み21に媒体が載置されていると判定されるまでステップS32の処理を繰り返し実行し、シュータ3に媒体が載置されるまで待機する。
【0052】
コントローラ65は、シュータ3に媒体が載置されていることが検出されたときに(ステップS32、Yes)、媒体セット検知センサ61を制御することにより、シュータ載置面11に大型媒体が載置されているか否かを検出する(ステップS34)。コントローラ65は、シュータ載置面11に大型媒体が載置されていることが検出されたときに(ステップS34、Yes)、切替部切替用アクチュエータ62を制御することにより、切替部6を排出口閉鎖位置に配置する。搬送路は、切替部6が排出口閉鎖位置に配置されることにより、Uターンパスに切り替えられる(ステップS35)。コントローラ65は、さらに、押圧力切替用アクチュエータ55を制御することにより、フレーム53を強押圧力位置に配置する。
【0053】
コントローラ65は、シュータ載置面11に大型媒体が載置されていないことが検出されたときに(ステップS34、No)、切替部切替用アクチュエータ62を制御することにより、切替部6を排出口開放位置に配置する。搬送路は、切替部6が排出口開放位置に配置されることにより、ストレートパスに切り替えられる(ステップS36)。コントローラ65は、さらに、押圧力切替用アクチュエータ55を制御することにより、フレーム53を弱押圧力位置に配置する。
【0054】
コントローラ65は、搬送路がUターンパスに切り替えられた後に(ステップS35)、または、搬送路がストレートパスに切り替えられた後に(ステップS36)、スキャンを開始する(ステップS37)。コントローラ65は、スキャンが開始されると、搬送部63を制御することにより、シュータ3に載置されている媒体を搬送路に繰り出し、搬送路に繰り出された媒体を搬送路に沿って搬送する。コントローラ65は、媒体が搬送路に沿って搬送されているときに、撮像部51を制御することにより、搬送路に沿って搬送される媒体の画像を撮像する。画像が撮像された媒体は、搬送路がUターンパスに切り替えられているときに、ストレートパスに沿って搬送され、スタッカ5に載置される。画像が撮像された媒体は、搬送路がストレートパスに切り替えられているときに、ストレートパスに沿って搬送され、排出口7から排出される(ステップS38)。コントローラ65は、スキャンが完了した後に(ステップS38)、所定期間待機し(ステップS39)、再度ステップS32以降の処理を実行する。
【0055】
このような動作によれば、画像読取装置1は、
図13の動作または
図14の動作と同様に、小型媒体が切替部6を通過する前に、切替部6を排出口開放位置に配置することができ、小型媒体をストレートパスに沿って適切に搬送することができる。画像読取装置1は、さらに、大型媒体が切替部6を通過する前に、切替部6を排出口閉鎖位置に配置することができ、大型媒体をUターンパスに沿って適切に搬送することができる。画像読取装置1は、シュータ3に媒体が載置されたことを検出した後にスキャンを自動的に開始することにより、ユーザがスキャンボタン64を押下する必要がなくなり、
図13の動作および
図14の動作に比較して、ユーザの操作を簡素化することができる。
【0056】
また、実施例1の画像読取装置1は、撮像部51が媒体に押し付けられる押圧力の大きさを変更する押圧力切替機構52をさらに備えている。コントローラ65は、窪み21に媒体が載置されていることが検出されたときに、押圧力の大きさが低下するように、押圧力切替機構52を制御する。このとき、画像読取装置1は、小型媒体が搬送路のうちの撮像部51の近傍を搬送されるときに小型媒体に加わる負荷を低減することができ、小型媒体が厚手である場合でも、小型媒体を適切に搬送することができる。
【0057】
ところで、既述の実施例1の画像読取装置1は、押圧力切替機構52が設けられているが、押圧力切替機構52が省略されてもよい。画像読取装置1は、押圧力切替機構52が省略された場合でも、シュータ3に載置された媒体が搬送路に繰り出される前に、切替部6を移動させることができ、切り替えられた搬送路に媒体を適切に搬送することができる。
【0058】
[変形例の画像読取装置]
変形例の画像読取装置は、既述の実施例1の画像読取装置1のシュータ3が、
図16に示されているように、他のシュータ71に置換されている。
図16は、変形例の画像読取装置のシュータ71を示す斜視図である。シュータ71は、既述のシュータ3と同様に、シュータ載置面11が形成されている。シュータ71は、シュータ載置面11に窪み73が形成されている。シュータ71は、窪み73が形成されることにより、小型媒体用載置面74が形成されている。小型媒体用載置面74は、概ね平坦であり、窪み73の底を形成している。小型媒体用載置面74は、既述の小型媒体用載置面22と同様に、共通部分23と右側部分24と左側部分25と上流部分26とを含んでいる。
【0059】
シュータ71は、窪み73が形成されることにより、さらに、側壁面が形成されている。側壁面は、既述のシュータ3と同様に、縦置き媒体用上側整列面31と横置き媒体用右側整列面34と横置き媒体用左側整列面35とを含んでいる。側壁面は、右側傾斜面76と左側傾斜面77とをさらに含んでいる。右側傾斜面76は、概ね平坦に形成され、小型媒体用載置面74と縦置き媒体用上側整列面31と横置き媒体用右側整列面34とに繋がるように、配置されている。左側傾斜面77は、概ね平坦に形成され、小型媒体用載置面74と縦置き媒体用上側整列面31と横置き媒体用左側整列面35とに繋がるように、配置されている。
【0060】
シュータ71の窪み73には、シュータ3の窪み21と同様に、小型媒体38が縦置きされ、または、横置きされる。すなわち、小型媒体38は、窪み73に縦置きされたときに、小型媒体38のうちの1つの縁が縦置き媒体用上側整列面31に沿い、共通部分23と上流部分26とに適切に載置される。小型媒体38は、窪み73に横置きされたときに、横置き媒体用右側整列面34と横置き媒体用左側整列面35とに挟まれ、共通部分23と右側部分24と左側部分25とに適切に載置される。既述の実施例1の画像読取装置1は、シュータ3がシュータ71に置換された場合でも、同様に、シュータ71に載置された媒体が搬送路に繰り出される前に、切替部6を移動させることができ、切り替えられた搬送路に媒体を適切に搬送することができる。シュータ71は、右側傾斜面76と左側傾斜面77とが形成されていることにより、窪み73に小型媒体38を入れやすく、さらに、シュータ3に比較して、意匠性に優れている。
【実施例2】
【0061】
実施例2の画像読取装置は、既述の実施例1の画像読取装置1のシュータ3が、
図17に示されているように、他のシュータ81に置換されている。
図17は、実施例2の画像読取装置のシュータ81を示す側面図である。シュータ81は、シュータ本体82と窪み部分83とを備えている。シュータ本体82は、板状に形成され、シュータ載置面84が形成されている。シュータ本体82は、シュータ展開位置またはシュータ格納位置に配置されるように、回転軸12を中心に回転可能に画像読取装置本体2に支持されている。シュータ本体82は、さらに、穴が形成されている。穴の側壁面は、既述の窪み21がシュータ3に形成されることにより形成される側壁面と同様に形成されている。
【0062】
窪み部分83は、シュータ本体82に形成される穴の側壁面に縁が概ね沿う板状に形成され、概ね平坦である小型媒体用載置面85が形成されている。窪み部分83は、シュータ本体82の穴の中に配置され、窪み部分格納位置または窪み部分展開位置に配置されるように、回転軸86を中心に回転可能にシュータ本体82に支持されている。回転軸86は、回転軸12に平行であり、回転軸12の近傍に配置されている。シュータ本体82は、ガイド溝87がさらに形成されている。窪み部分83は、ピン88が形成されている。ピン88は、ガイド溝87に嵌合し、窪み部分83がシュータ本体82に対して回転する範囲を制限している。
【0063】
シュータ載置面84は、シュータ本体82がシュータ格納位置に配置されるときに、
図17に示されているように、下方を向いている。窪み部分83は、シュータ本体82がシュータ格納位置に配置されるときに、窪み部分83の自重により、窪み部分格納位置に配置される。窪み部分83は、窪み部分格納位置に配置されるときに、全体がシュータ本体82の穴の中に配置されるように形成されている。窪み部分83は、さらに、窪み部分格納位置に配置されるときに、シュータ載置面84に沿う平面に小型媒体用載置面85が概ね沿うように形成されている。
【0064】
シュータ本体82は、シュータ展開位置に配置された状態から回転軸12を中心に回転することにより、シュータ展開位置に配置される。
図18は、シュータ本体82がシュータ展開位置に配置されるときの実施例2の画像読取装置のシュータ81を示す側面図である。シュータ載置面84は、シュータ本体82がシュータ展開位置に配置されるときに、斜め上方を向いている。
【0065】
図19は、窪み部分83が窪み部分展開位置に配置されるときの実施例2の画像読取装置のシュータ81を示す側面図である。窪み部分83は、シュータ本体82がシュータ展開位置に配置されるときに、窪み部分83の自重により、回転軸86を中心に回転する。窪み部分83は、窪み部分格納位置に配置された状態から所定の角度θだけ回転軸86を中心に回転することにより、窪み部分展開位置に配置される。シュータ81は、窪み部分83が窪み部分展開位置に配置されるときに、小型媒体用載置面85が底である窪みが形成される。その形成される窪みは、既述の窪み21と同様に形成される。シュータ81は、窪み部分83が窪み部分展開位置に配置されるときに、シュータ本体82のうちのシュータ載置面84の反対側の面から窪み部分83が突出している。このため、窪み部分83が窪み部分格納位置に配置されるときのシュータ81の厚さは、窪み部分83が窪み部分展開位置に配置されるときのシュータ81の厚さより小さい。
【0066】
シュータ81は、さらに、既述のシュータ3と同様に、第1小型媒体検知センサ41と第2小型媒体検知センサ45と媒体セット検知センサ61とが設けられている。実施例2の画像読取装置は、シュータ本体82がシュータ展開位置に配置されるときに、シュータ81がシュータ3と同様に形成されることにより、既述の実施例1の画像読取装置1と同様に利用されることができる。実施例2の画像読取装置は、既述の実施例1の画像読取装置1と同様に利用されることにより、小型媒体が切替部6を通過する前に、切替部6を移動させることができ、切り替えられた搬送路に媒体を適切に搬送することができる。
【0067】
実施例2の画像読取装置は、さらに、窪み部分83が窪み部分格納位置に配置されるときに、シュータ81の厚さが薄くなることにより、シュータ本体82がシュータ格納位置に配置されるときに、よりコンパクトに形成されることができる。実施例2の画像読取装置は、シュータ本体82がシュータ格納位置に配置されるときにコンパクトに形成されることにより、より小さいスペースに格納されることができる。
【0068】
ところで、既述の第1小型媒体検知センサ41は、センサ本体42と反射部材43とが設けられているが、発光部と受光部とにそれぞれ置換されてもよい。このとき、第1小型媒体検知センサ41は、発光部から発行された光が受光部に受光されないときに、窪み21に小型媒体が載置されていると判定し、発光部から発行された光が受光部に受光されるときに、窪み21に小型媒体が載置されていないと判定する。また、第1小型媒体検知センサ41は、非接触で窪み21に小型媒体が載置されているか否かを検出しているが、機械的に窪み21に小型媒体が載置されているか否かを検出するセンサに置換されてもよい。第2小型媒体検知センサ45に関しても、第1小型媒体検知センサ41と同様に、他の方式により窪み21に小型媒体が載置されているか否かを検出する他のセンサに置換されてもよい。画像読取装置は、このようなセンサが設けられた場合でも、窪み21に小型媒体が載置されているか否かを適切に検出することができ、小型媒体が切替部6を通過する前に、切替部6を移動させることができ、搬送路に媒体を適切に搬送することができる。
【0069】
なお、既述の実施例の画像読取装置は、第1小型媒体検知センサ41と第2小型媒体検知センサ45とが設けられているが、第1小型媒体検知センサ41と第2小型媒体検知センサ45とのうちの一方が省略されてもよい。画像読取装置は、一方が省略された場合でも、小型媒体が窪みに載置されていることを検出することができ、小型媒体が切替部6を通過する前に、切替部6を移動させることができ、切り替えられた搬送路に媒体を適切に搬送することができる。
【0070】
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0071】
1 :画像読取装置
2 :画像読取装置本体
3 :シュータ
5 :スタッカ
6 :切替部
7 :排出口
11:シュータ載置面
21:窪み
22:小型媒体用載置面
38:小型媒体
41:第1小型媒体検知センサ
45:第2小型媒体検知センサ
51:撮像部
52:押圧力切替機構
61:媒体セット検知センサ
62:切替部切替用アクチュエータ
63:搬送部
64:スキャンボタン
65:コントローラ
71:シュータ
73:窪み
74:小型媒体用載置面
81:シュータ
82:シュータ本体
83:窪み部分