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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】ベッド装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/05 20060101AFI20221130BHJP
   A47C 21/08 20060101ALI20221130BHJP
   A61G 7/00 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
A61G7/05
A47C21/08 A
A61G7/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019035002
(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公開番号】P2020137724
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】大平 和幸
(72)【発明者】
【氏名】菊池 裕貴
【審査官】内山 隆史
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-029799(JP,A)
【文献】中国実用新案第208435969(CN,U)
【文献】特開平05-086750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/00、05
A47C 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
サイドレールと、
前記フレームに固定され、前記サイドレールを保持する保持部と、
を備え、
前記保持部は、前記サイドレールが第1位置にある第1位置状態と、前記サイドレールが前記第1位置よりも低い第2位置にある第2位置状態と、に切り替え可能であって、前記サイドレールを第1位置状態にロックするロック部と、前記ロックを解除するレバー部と、前記レバー部の操作を制限するストッパ部と、を含み、
前記レバー部および前記ストッパ部は、前記レバー部の操作方向に並び、
前記サイドレールが前記第1位置状態にあり、前記ストッパ部が前記レバー部から離間したロック解除位置にある時、
前記レバー部から前記ストッパ部に向かう方向とは逆方向に前記レバー部を操作することにより前記ロック部のロックを解除し、前記サイドレールを前記第2位置状態に移動させる、ベッド装置。
【請求項2】
前記ストッパ部は、前記レバー部の操作を制限する操作防止位置から前記ロック解除位置、および、前記ロック解除位置から前記操作防止位置へ回動可能に設けられ、
前記操作防止位置において、前記ストッパ部は、前記レバー部を操作できない間隔を有して、前記レバー部から離間し、
前記ロック解除位置において、前記ストッパ部と前記レバー部との間に、前記レバー部の操作が可能となるスペースが提供される、請求項1記載のベッド装置。
【請求項3】
前記ロック部は、ピンと、前記ピンに係合されるフックと、を含み、
前記サイドレールは、前記ピンと前記フックとが係合した状態において前記第1位置状態にロックされ、
前記サイドレールが前記フレーム側に押された時、前記ピンと前記フックとの係合が解除可能となり、さらに、前記レバー部を操作することにより、前記ピンと前記フックとの係合が外れ、前記サイドレールのロックが解除される、請求項1または2に記載のベッド装置。
【請求項4】
前記保持部は、前記フレームとは反対側の操作面に凹部を有し、
前記ストッパ部の少なくとも一部は、前記凹部の中にある、請求項1乃至3のいずれか1つに記載のベッド装置。
【請求項5】
前記ストッパ部の前記少なくとも一部は、前記凹部の中において前記レバー部の下にある、請求項記載のベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ベッドにおいて、上下方向に移動できるサイドレールが設けられる。サイドレールが上にあるときに、ベッドからの使用者の落下が抑制できる。一方、サイドレールが下にあるときに、ベッドからの使用者の離床を促すことができる。サイドレールの上下動作をロックすることで、より安全になる。ロックを誤って解除することを抑制することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-29799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、ロックを誤って解除することを抑制できるベッド装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、ベッド装置は、フレーム、サイドレール及び保持部を含む。前記保持部は、前記フレームに固定される。前記保持部は、前記サイドレールが第1位置にある第1位置状態と、前記サイドレールが前記第1位置よりも低い第2位置にある第2位置状態と、に切り替え可能に、前記サイドレールを保持する。前記保持部は、前記サイドレールを前記第1位置状態にロックするロック部と、前記ロック部の少なくとも一部をカバーするカバー部と、前記ロック部のロックを解除するために操作されるレバー部と、前記レバー部がロックを解除する操作を困難にするストッパ部と、含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、ロックを誤って解除することを抑制できるベッド装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1(a)~図1(c)は、第1実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図2図2(a)~図2(d)は、第1実施形態に係るベッド装置を例示する模式的断面図である。
図3図3は、第1実施形態に係るベッド装置を例示する模式的断面図である。
図4図4(a)及び図4(b)、は、他の実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図5図5(a)及び図5(b)は、他の実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図6図6(a)及び図6(b)は、他の実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図7図7(a)及び図7(b)は、他の実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図8図8(a)及び図8(b)は、他の実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図9図9は、実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図10図10(a)~図10(c)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図11図11(a)及び図11(b)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図12図12(a)~図12(c)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図13図13(a)及び図13(b)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図14図14は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図15図15は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図16図16(a)及び図16(b)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図17図17(a)~図17(c)は、実施形態に係るベッド装置の動作を例示する模式的斜視図である。
図18図18(a)及び図18(b)は、実施形態に係るベッド装置の使用状態を例示する模式的斜視図である。
図19図19は、実施形態に係るベッド装置を例示する模式図である。
図20図20(a)及び図20(b)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図21図21(a)及び図21(b)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図22図22は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図23図23は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図24図24は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図25図25(a)及び図25(b)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1(a)~図1(c)は、第1実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図1(a)及び図1(b)は、ベッド装置110における異なる状態を例示している。図1(c)は、ベッド装置110の一部を拡大して例示している。
【0010】
図1(a)に示すように、実施形態に係るベッド装置110は、フレーム75、サイドレール72、及び、保持部50を含む。保持部50は、サイドレール72を保持する。
【0011】
図1(a)の例では、複数のサイドレール(サイドレール72及び別のサイドレール72A)と、複数の保持部(保持部50及び別の保持部50A)が設けられている。別のサイドレール72Aは、サイズ及び設けられる位置を除いて、サイドレール72と同様として良い。別の保持部50Aは、別のサイドレール72Aを保持する。図1(a)に示すように、サイドレール72及び保持部50などは、ベッドの左右のそれぞれに設けられても良い。以下では、1つのサイドレール72、及び、1つの保持部50について説明する。
【0012】
フレーム75は、例えば、ベースフレーム75Bに固定される。フレーム75の上に、ボトム(図示しない)が設けられ、その上に、マットレス78Mが設けられる。マットレス78Mの上に、ベッド装置110の使用者が横たわることが可能である。
【0013】
例えば、ベッド装置110は、ヘッドボード78A及びフットボード78Bを含む。ヘッドボード78Aからフットボード78Bへの方向は、「長手方向」に対応する。「長手方向」と交差する方向は、「幅方向」に対応する。「幅方向」は、例えば、使用者がマットレス78Mの上に寝ているときの「左右方向」に対応する。
【0014】
フレーム75は、例えば、「長手方向」に延びる。
【0015】
例えば、保持部50は、フレーム75に固定される。保持部50の1つの部分は、フレーム75に固定される。保持部50の別の部分が、サイドレール72と連結される。これにより、保持部50は、サイドレール72を保持する。
【0016】
実施形態においては、保持部50は、サイドレール72を複数の状態で保持する。図1(a)は、第1位置状態SP1を例示している。図1(b)は、第2位置状態SP2を例示している。第1位置状態SP1においては、サイドレール72が第1位置にある。第2位置状態SP2においては、サイドレール72は、第2位置にある。第2位置は、第1位置よりも低い。このように、保持部50は、第1位置状態SP1と第2位置状態SP2とに切り替え可能に、サイドレール72を保持する。第1位置状態SP1(上げ状態)におけるサイドレール72の上端の位置は、マットレス78Mの上面の位置よりも高い。第2位置状態SP2(下げ状態)におけるサイドレール72の上端の位置は、マットレス78Mの上面の位置よりも低い。
【0017】
図1(c)に示すように、保持部50は、カバー部52、レバー部53及びストッパ部54を含む。保持部50は、後述するロック部51(図2(a)など)参照)をさらに含む。この例では、カバー部52に凹部52aが設けられている。レバー部53の少なくとも一部は、カバー部52の凹部52aに設けられる。
【0018】
この例では、ストッパ部54の少なくとも一部は、凹部52aの中にある。そして、ストッパ部54の少なくとも一部は、凹部52aの中において、レバー部53の下にある。
【0019】
ロック部51は、サイドレール72を第1位置状態SP1にロックする。カバー部52は、ロック部51の少なくとも一部をカバー。レバー部53は、ロック部51のロックを解除するために操作される。ストッパ部54は、レバー部53がロックを解除する操作を困難にする。
【0020】
以下、保持部50のこれらの部分の例について説明する。
【0021】
図2(a)~図2(d)及び図3は、第1実施形態に係るベッド装置を例示する模式的断面図である。
これらの図は、図1(c)のA1-A2線断面に対応する断面図である。
【0022】
図2(a)に示すように、保持部50は、ロック部51、カバー部52、レバー部53及びストッパ部54を含む。図2(a)において、サイドレール72は、第1位置状態SP1(上げ状態)である。
【0023】
ロック部51は、ロック状態SLK(図2(a)参照)と、アンロック状態SUL(図2(d)参照)と、を有する。ロック部51がロック状態SLKのときに、ロック部51は、サイドレール72を第1位置状態SP1にロックする。この例では、ロック部51は、フック部51Aとピン部51Pを含む。ピン部51Pは、ロック部品58に固定されている。フック部51Aの1つの状態(ロック状態SLK)において、フック部51Aは、ピン部51Pにフックされている。これにより、ロック部51は、サイドレール72を第1位置状態SP1にロックする。
【0024】
図2(a)に示すように、カバー部52は、ロック部51の少なくとも一部(前面部分)をカバーする。カバー部52によりロック部51の前面がカバーされることで、清拭性が増し、内部機構を隠すことができる。
【0025】
既に説明したように、レバー部53の少なくとも一部は、カバー部52の凹部52aに設けられている。ベッド装置110の使用者または介護者などは、レバー部53を触ることが可能である。
【0026】
レバー部53は、複数の状態を有することができる。複数の状態は、例えば、非解除状態SUR(図2(a)参照)、及び、解除状態SRS(図2(d)参照)を含む。例えば、レバー部53が非解除状態SUR(図2(a)参照)のときに、ロック部51は、ロック状態SLKである。レバー部53が非解除状態SURのときには、ロック部51がアンロック状態SULに移行しない。後述するように、レバー部53が解除状態SRS(図2(d)参照)のときに、サイドレール72は、アンロック状態SULに移行可能である。
【0027】
例えば、ストッパ部54も、複数の状態を有することができる。複数の状態は、第1状態ST1(図2(a)参照)、及び、第2状態ST2(図2(b)参照)を含む。ストッパ部54が第1状態ST1(図2(a)参照)のときに、ストッパ部54は、レバー部53が解除状態SRSに移行することを困難にする。ストッパ部54が第2状態ST2(図2(b)参照)のときに、ストッパ部54は、レバー部53が解除状態SRS(図2(d)参照)に移行可能にする。第1状態ST1は、ロック解除困難状態(またはロック解除禁止状態)である。第2状態ST2は、ロック解除移行可能状態である。
【0028】
ストッパ部54が第1状態ST1であるときにレバー部53が解除状態SRSに移行することは、ストッパ部54が第2状態ST2であるときにレバー部53が解除状態SRSに移行することよりも困難である。ストッパ部54が第1状態ST1であるときよりも、ストッパ部54が第2状態ST2であるときに、レバー部53が解除状態SRSに移行し易い。
【0029】
例えば、図2(a)に示す状態において、レバー部53は、非解除状態SURである。そして、ストッパ部54は、第1状態ST1である。この例では、ストッパ部54がレバー部53の下部に実質的に接触するように、ストッパ部54は、上げ状態である。ストッパ部54がレバー部53の下部に実質的に接触しているため、使用者などの指は、ストッパ部54とレバー部53との間に誤って入ることが抑制される。ストッパ部54が第1状態ST1であることにより、使用者が、レバー部53を操作することが抑制できる。
【0030】
図2(b)に示すように、例えば、介護者などの操作により、ストッパ部54は下方向に動くことができる。例えば、1つの軸を中心としてストッパ部54の端が回って、ストッパ部54が下げ状態となる。この状態が、ストッパ部54の第2状態ST2に対応する。
【0031】
第2状態ST2において、レバー部53とストッパ部54との間に、隙間が生じる。この隙間の幅(上下方向の距離)は、介護者の指が入る程度である。この隙間に手を入れることで、介護者などは、レバー部53の下部を触ることができる。ストッパ部54の第2状態ST2(図2(b)参照)において、レバー部53は、ロック部51のロック状態SLKを解除する解除状態SRS(図2(d)参照)に移行可能になる。
【0032】
この例では、図2(b)の状態から図2(d)の状態の間に、別の状態(図2(c)の状態)が設けられている。図2(c)に示すように、ストッパ部54が第2状態ST2になった後で、保持部50(またはサイドレール72)がマットレス78M側に押されると、ロック部51のフック部51Aがピン部51Pから外れ易くなる。
【0033】
この後、図2(d)に示すように、介護者などの操作により、レバー部53の端が上方向に持ち上げられる。例えば、レバー部53の前端が、レバー部53の後側の軸を中心にして回る。これにより、ロック部51のフック部51Aがピン部51Pから外れる。ロック部51は、アンロック状態SULになる。このように、レバー部53が操作されることで、レバー部53は、解除状態SRSになり、ロック部51のロック状態SLKが解除される。
【0034】
図3に示すように、ロック部51のロック状態SLKが解除されることで、サイドレール72は、下方向に移動することができる。この状態が、第2位置状態SP2に対応する。
【0035】
このように、実施形態においては、ストッパ部54がロック解除困難(または禁止)状態の第1状態ST1と、ロック解除移行可能状態の第2状態ST2と、を有する。これにより、例えば、ベッド装置110の使用者などが誤ってロックを解除することが抑制される。実施形態によれば、ロックを誤って解除することを抑制できるベッド装置を提供できる。
【0036】
上記の例においては、ストッパ部54を下方向に動かした状態(図2(b)参照)の後に、保持部50(またはサイドレール72)がマットレス78M側に押される状態(図2(c)参照)がある。実施形態において、保持部50(またはサイドレール72)がマットレス78M側に押された後に、ストッパ部54が下方向に動かされても良い。
【0037】
実施形態において、ストッパ部54が第1状態ST1であるときのストッパ部54の少なくとも一部と、レバー部53の少なくとも一部と、の間の距離は、ストッパ部54が第2状態ST2であるときのストッパ部54の上記の少なくとも一部と、レバー部53の上記の少なくとも一部と、の間の距離よりも短い。
【0038】
例えば、ストッパ部54が第1状態ST1である時において、ストッパ部54とレバー部53との間の距離は、例えば、8mm以下である。これにより、第1状態ST1において、ストッパ部54とレバー部53と間の空間に、指などが誤って入ることが抑制できる。これにより、ロック状態を維持させる第1状態ST1が安定する。
【0039】
ストッパ部54が第2状態ST2である時において、ストッパ部54とレバー部53との間の距離は、例えば、8mmを超える。これにより、第2状態ST2において、ストッパ部54とレバー部53と間の空間に、指などが入りやすくなり、レバー部53を操作し易くなる。
【0040】
(他の実施形態)
図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)、図6(a)、図6(b)、図7(a)、図7(b)、図8(a)及び図8(b)は、他の実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
これらの図は、保持部50を例示している。保持部50を除く部分は、図1(a)及び図1(b)に関して説明した通りである。これらの図において、ロック部51は、カバー部52にカバーされており、見えない。
【0041】
図4(a)及び図4(b)に示すベッド装置111においては、ストッパ部54は、板状部を含む。板状部(ストッパ部54)には、孔54Hが設けられている。孔54Hの第1部分54Haは、第1方向(例えば重力の方向)に延びている。孔54Hの第2部分54Hbは、第1方向と交差する方向(例えば、フレーム75に沿う方向)に延びている。第2部分54Hbの位置は、第1部分54Haの上端の位置よりも下である。孔54Hにピン54Pが挿入されている。
【0042】
図4(a)においては、ストッパ部54は、第1状態ST1(ロック解除困難(禁止)状態)である。このとき、ピン54Pは、孔54Hの第2部分54Hbにある。これにより、ストッパ部54の上端は、レバー部53の下端に近い状態で固定される。ストッパ部54により、レバー部53を操作することができなくなる。
【0043】
図4(b)においては、ストッパ部54は、第2状態ST2(ロック解除移行可能状態)である。このとき、ピン54Pは、孔54Hの第1部分54Haの上端にある。これにより、ストッパ部54の上端は、レバー部53の下端から離れる。これにより、レバー部53を操作することができる。
【0044】
図5(a)及び図5(b)に示すベッド装置112においては、ストッパ部54は、詰め部材を含む。詰め部材(ストッパ部54)は、カバー部52の凹部52a内における、レバー部53の下の空間に詰めることができる。
【0045】
図5(a)においては、ストッパ部54は、第1状態ST1(ロック解除困難(禁止)状態)である。このとき、詰め部材(ストッパ部54)は、カバー部52の凹部52a内における、レバー部53の下の空間に挿入されている。詰め部材(ストッパ部54)により、レバー部53を操作することができなくなる。
【0046】
図5(b)においては、ストッパ部54は、第2状態ST2(ロック解除移行可能状態)である。このとき、詰め部材(ストッパ部54)は、カバー部52の凹部52aから取り外される。これにより、レバー部53を操作することができる。
【0047】
図6(a)及び図6(b)に示すベッド装置113においては、ストッパ部54は、ヒンジ状である。ヒンジの一方の辺は、レバー部53に取り付けられる。ヒンジの他方の辺が、ストッパ部54に対応する。ヒンジの一方の辺と、ヒンジの他方の辺と、が、軸部54xにより回動可能な状態で接続される。
【0048】
図6(a)においては、ストッパ部54は、第1状態ST1(ロック解除困難(禁止)状態)である。このとき、ストッパ部54により、カバー部52の凹部52a内における、レバー部53の下の空間が塞がれる。ストッパ部54により、レバー部53を操作することができなくなる。
【0049】
図6(b)においては、ストッパ部54は、第2状態ST2(ロック解除移行可能状態)である。このとき、ストッパ部54を上方向に回動させることで、レバー部53の下部を触ることができる。これにより、レバー部53を操作することができる。
【0050】
図7(a)及び図7(b)に示すベッド装置114においては、ストッパ部54は、バー状部材54pを含む。バー状部材54pは、例えば、フレームの延びる方向に沿って延びる。バー状部材54pの一端は、第1部材54qに接続される。バー状部材54pの他端は、第2部材54rに接続される。第1部材54q及び第2部材54rのそれぞれの8は、カバー部52に設けられた孔52hに挿入され、回動可能なように支持されている。
【0051】
図7(a)においては、ストッパ部54は、第1状態ST1(ロック解除困難(禁止)状態)である。このとき、バー状部材54pは、レバー部53の下の空間の前にある。バー状部材54pにより、レバー部53を操作することができなくなる。
【0052】
図7(b)においては、ストッパ部54は、第2状態ST2(ロック解除移行可能状態)である。このとき、バー状部材54pを下方向に回動させることで、レバー部53の下部を触ることができる。これにより、レバー部53を操作することができる。
【0053】
図8(a)及び図8(b)に示すベッド装置115においては、ストッパ部54は、カバー部52から取り外しが可能である。例えば、ストッパ部54は、機械的、電気的及び磁気的などの任意の方法で、カバー部52からの取り外しが可能にできる。例えば、ストッパ部54のカバー部52への取り付けは、例えば、ピンなどにより行われる。取り付けは、例えば、面状ファスナなどにより行われても良い。取り付けは、例えば、静電力などにより行われても良い。取り付けは、例えば、磁石などを用いて行われても良い。
【0054】
図8(a)においては、ストッパ部54は、第1状態ST1(ロック解除困難(禁止)状態)である。このとき、ストッパ部54は、は、レバー部53の下の空間の前にある。ストッパ部54は、により、レバー部53を操作することができなくなる。
【0055】
図8(b)においては、ストッパ部54は、第2状態ST2(ロック解除移行可能状態)である。このとき、ストッパ部54は、取り外される。これにより、レバー部53を操作することができる。
【0056】
実施形態において、保持部50の構成(ロック部51、カバー部52、レバー部53及びストッパ部54の構成)は、種々の変形が可能である。
【0057】
上記のベッド装置110~115において、レバー部53の一部は、非解除状態SUR、解除状態SRS、及び、非解除状態SURと解除状態SRSとの間の少なくともいずれかにおいて、凹部52aの外にあっても良い(例えば、図2(d)参照)。この場合、ベッド装置110または112のように、ストッパ部54の少なくとも一部が、凹部52aの中にあることで、レバー部53の動作状態を制限することがより抑制できる。
【0058】
以下、実施形態に係るベッド装置の例について説明する。
図9は、実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図9に示すように、ベッド装置310において、頭右側サイドレール320、足右側サイドレール330、頭左側サイドレール340、足左側サイドレール350、ヘッドボード360及びフットボード370を含む。
【0059】
これらのサイドレールは、例えば、ベッド310Bのフレーム390Fに設けられる。ベッド310Bのフレーム390Fの上にボトム(図9では図示しない)が設けられ、その上に、マットレス390Mが設けられる。マットレス390Mの上にベッド310Bの使用者が横たわることができる。ベッド装置310は、例えば、病院、介護施設または家庭などで使用される。
【0060】
ベッド装置310は、例えば、電動ベッドである。ベッド装置310は、ベッド310Bの使用者、または、介護者などにより操作されることが可能である。
【0061】
頭右側サイドレール320及び頭左側サイドレール340の角度(例えば、水平面を基準にしたときの角度)は、変更可能である。例えば、背上げ、または、背下げなどが可能である。例えば、背ボトム70a(図17(b)参照)の角度が変わることにより、背ボトム70aに取り付けられている頭右側サイドレール320及び頭左側サイドレール340の角度が、背ボトム70aに追従して変化する。
【0062】
足右側サイドレール330及び足左側サイドレール350の高さは、変更可能である。足右側サイドレール330及び足左側サイドレール350が高い位置にあるときおいて、例えば、使用者がベッド310Bから落ちることを予防できる。足右側サイドレール330及び足左側サイドレール350が低い位置にあるときおいて、例えば、足右側サイドレール330及び足左側サイドレール350の上から、使用者がベッド310Bから離床し易い。
【0063】
頭右側サイドレール320は、外側面320F及び内側面320Gを含む。足右側サイドレール330は、外側面330F及び内側面330Gを含む。頭左側サイドレール340は、外側面340F及び内側面340Gを含む。頭左側サイドレール340は、外側面350F及び内側面350Gを含む。
【0064】
頭右側サイドレール320の外側面320F及び内側面320G、並びに、頭左側サイドレール340の外側面340F及び内側面340Gには、各種のスイッチなどが設けられている。外側面のスイッチは、例えば、介護者または医療従事者(例えば、医師、看護師または理学療法士など)に操作されることが便利であるように設計される。これらの内側面にも、各種のスイッチなどが設けられている。内側面のスイッチは、例えば、ベッド310Bの使用者に操作されることが便利であるように設計される。これらのスイッチの例については後述する。
【0065】
頭右側サイドレール320、足右側サイドレール330、頭左側サイドレール340及び足左側サイドレール350のそれぞれの上部分に、ハンドレール325g、335g、345g及び355gが設けられている。これらのハンドレールの上下方向の幅は、外側よりも内側において、狭い。これにより、例えば、使用者はこれらのハンドレールを掴み易い。
【0066】
足右側サイドレール330の及び足左側サイドレール350のそれぞれにおいて、ハンドレール335g及び355gの上面の幅は広く設計されている。使用者は、これらの上面に座ること(端座位)ができる。これにより、例えば、使用者が端座位の時に、太ももの裏が痛くならない。
【0067】
頭右側サイドレール320の外側面320F及び頭左側サイドレール340の外側面340Fに凹部が設けられている。この凹部に、ベッド操作装置380を取り付けることが可能である。さらに、フットボード370の外側面370Fにベッド操作装置380を取り付けることが可能である。ベッド操作装置380については、後述する。
【0068】
以下、サイドレールの例について説明する。
【0069】
図10(a)~図10(c)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図10(a)に示すように、頭右側サイドレール320の上部分には、貫通孔325hが設けられている。貫通孔325hにより、ハンドレール325gが形成される。
【0070】
頭右側サイドレール320の上部分には、凸部325a、凹部325b、頭側凸部325c及び頭側凹部325dが、さらに、設けられている。凸部325aは、例えば、使用者の体を支える支持部として使用できる。頭右側サイドレール320が立ち上がったとき(背上げ状態)に、凹部325bは、例えば、使用者の体を支える支持部として使用できる。
【0071】
使用者は、頭側凸部325cを掴み易い。例えば、背上げまたは背下げのときに、使用者の体を、頭側凸部325cにより支持し易い。頭側凸部325cには、貫通孔が設けられている。これにより、頭側凸部325cは、ハンドレールとして使用できる。
【0072】
頭側凹部325dに医療用の各種のラインを入れることができる。各種のラインが安定し易い。医療用の各種のラインは、例えば、人工呼吸器、及び、各種のME機器などの、ケーブルまたは管を含む。頭側凹部325dに各種のラインを通すことで、たとえば、これらのラインが絡まることが抑制できる。
【0073】
頭右側サイドレール320の外側面320Fに、スイッチ部323、角度計324、貫通孔325e(例えばフック部)及び下部貫通孔325f(例えばハルンバッグフック)が設けられている。貫通孔325eに、ベッド操作装置380を吊すことができる。下部貫通孔325fにハルンバッグを吊すことができる。下部貫通孔325fに、ゴミ箱などを吊すことができる。例えば、貫通孔325eの下方に、孔328hが設けられる。ベッド操作装置380のケーブルが、孔328hを通ることができる。ケーブルは、孔328hを介して、ベッド装置310に設けられたコネクタに電気的に接続される。ケーブルが床に付いてしまうことが抑制できる。ケーブルを短くすることができる。
【0074】
図10(b)は、スイッチ部323を例示している。
スイッチ部323は、例えば、メンブレンスイッチ(例えば、医療従事者用メンブレンスイッチ)である。スイッチ部323は、スイッチ323a~323qを含む。
【0075】
スイッチ323aが押されると、「カーディアック上げ」が行われる。スイッチ323bが押されると、「カーディアック下げ」が行われる。「カーディアック上げ」により、ベッド310Bは、カーディアックポジション(図17(b)参照))となる。「カーディアック上げ」カーディアックポジションに向けて、背ボトム70aと膝ボトム70bとの角度が極端に小さくならない状態で、膝ボトム70bが水平角度よりも上がった状態を保ちながら、ベッド310Bは動作する。背ボトム70aと膝ボトム70bとの角度が極端に小さくならない状態において、角度は、90度未満である。背ボトム70aと膝ボトム70bとの角度が極端に小さくならない状態において、使用者に腹圧がかかりすぎるのを防ぎつつ、安楽な姿勢を保たれる。例えば、膝を上げずに傾斜させてしまうと、使用者が滑り落ちる場合がある。膝ボトム70bが水平角度よりも上がった状態にすることで、使用者が滑り落ちることが抑制される。「カーディアック下げ」により、背角度が0度で、膝角度が0度で、傾斜角度が0度である状態に向けて、背ボトム70aと膝ボトム70bとの間の角度が極端に小さくならない状態で、膝ボトム70bが水平角度よりも上がった状態を保ちながら、ベッド310Bは動作する。
【0076】
スイッチ323cが押されると、「逆展伸」が行われる。スイッチ323hが押されると、「展伸」が行われる。「展伸」において、頭が下がる。「逆展伸」において、足が下がる。
【0077】
スイッチ323dが押されると、「カインド上げ」が行われる。「カインド上げ」においては、背ボトム70a及び膝ボトム70bの角度が連動して変化する。スイッチ323iが押されると、「カインド下げ」が行われる。「カインド下げ」においては、これらのボトムの角度が連動して変化する。例えば、背ボトム70a及び膝ボトム70bの角度が連動して大きくなるときにおいて、最初に膝ボトム70bの角度が大きくなり、その後で、他のボトムの角度が大きくなる。これにより、患者(使用者)がずれることが抑制される。「カインド上げ」において、背ボトム70aの角度が70度である状態が、動作完了角度に対応する。膝ボトム70bの角度は、背ボトム70aの角度に追従した角度になる。
【0078】
「カインド上げ」において、最初は、背角度が0度であり、膝角度が0度である。次に、背角度が5度になり、膝角度が0度になる。次に、背角度が15度になり、膝角度が10度になる。さらに、背角度が30度になり、膝角度が25度になり、背角度が50度になり、膝角度が25度になる。その後、背角度が70度になり、膝角度が0度になる。「カインド上げ」において、途中までは背角度及び膝角度は連動して大きくなる。ある背角度以上になると、膝角度は0度に向けて小さくなる。
【0079】
「カインド下げ」において、最初は、背角度は70度であり、膝角度は0度である。つぎは、背角度は50度になり、膝角度は25度になる。さらに、背角度は、30度になり、膝角度は、25度になる。さらに、背角度は15度になり、膝角度は20度になる。さらに、背角度は0度になり、膝角度は5度になる。その後、背角度は0度になり、膝角度は0度になる。
【0080】
スイッチ323eが押されると、「背上げ」が行われる。スイッチ323jが押されると、「背下げ」が行われる。
【0081】
スイッチ323fが押されると、「膝上げ」が行われる。スイッチ323kが押されると、「膝下げ」が行われる。
【0082】
スイッチ323gが押されると、「高さ上げ」が行われる。スイッチ323lが押されると、「高さ下げ」が行われる。ベッド310Bが傾斜状態で高さを上げると、傾斜角度を維持したまま高さが上がる。「下げ」も同様である。さらに傾斜状態のまま、最高床高になるとベッド310Bは一度止まる。ベッド310Bが止まった後に、再度、高さ上げボタン(スイッチ323g)がおされると、ベッド310Bの高さが上がることを優先し、傾斜角度を0度にしながら、高さが上がる。「下げ」も同様である。
【0083】
「上げ」のためのスイッチ323c~323gは、「下げ」のためのスイッチ323h~323lよりも上にある。例えば、ベッド310Bの使用者が、スイッチ部323のスイッチを意図せずに触ること可能性がある。このとき、ベッド310Bの使用者は、下側部分よりも上側部分を触りやすい。「上げ」のためのスイッチ323c~323gが上側にあることで、使用者が上側部分を誤って触った場合においても、スイッチ323h~323lを触った場合に比べてリスクがより抑制できる。
【0084】
スイッチ323mが押されると、「CPR下げ」が行われる。「CPR下げ」においては、CPR(Cardio Pulmonary Resuscitation)に適したベッド状態になる。「CPR下げ」の状態において、膝ボトム70b及び足ボトム70cがフラットになる。「CPR下げ」において、ベッド310Bの床高が低くされる。傾斜状態の場合は、傾斜角度も0度になる。例えば、動作順序は、以下である。背角度を0度にする(背ボトム70aを動かしている間、膝ボトムも0度に近づける)。つぎに、傾斜角度を0度にする。つぎに、高さを下げる。つぎに、膝角度を0度にする。例えば、ベッド310Bが最低床高の状態になっても良い。例えば、ベッド310Bにおいて、「高さ下げ」の動作により、一旦停止する位置(一旦停止高さ)が設けられても良い。「CPR下げ」の前の状態において、高さがこの一旦停止高さよりも高い場合、「CPR下げ」により、ベッド310Bの高さは、一旦停止高さにされる。一旦停止高さにおいて、床からボトム上面までの距離は、約42cmである。
【0085】
例えば、1つの例において、スイッチ323mが「長押し」されると「CPR下げ」が行われる。「長押し」の時間は例えば2秒以上である。別の例において、スイッチ323mが「2度押し」されると、「CPR下げ」が行われる。スイッチ323mが「2度押し」される場合において、「1度目の押し」と「2度目の押し」との間の時間は、5秒以内である。
【0086】
CPR動作以外の動作は、ボタンを押したときに動作が始まる。CPR動作は、緊急時には素早く動作させるため、CPR動作のボタン(スイッチ323m)を操作する人は、CPR動作のボタンを押すことをためらう場合がある。上記のように、例えば、スイッチ323mが「長押し」される、または、「2度押し」されることで、CPR動作が行われる。これにより、よりためらわずにCPR動作をさせることができる。
【0087】
「CPR下げ」は、電動CPR動作である。この他、手動によるCPR動作が行われても良い。
【0088】
スイッチ323nは、「ナースコール」である。スイッチ323nが押されると、ナースコール発信が行われる。ナースコールシステムに情報が伝達される。
【0089】
スイッチ323oが押されると、頭右側サイドレール320の内側面320Gに設けられるスイッチ(後述)の操作が「禁止状態」になる。スイッチ323pが押されると、ベッド310Bの動き(アクチュエータ)に関するすべての操作が「禁止状態」になる。この場合において、「ナースコール」及び脚下灯などは、動作可能である。
【0090】
スイッチ323qが押されると、ベッド310Bなどに設けられる脚下灯が点灯する。
【0091】
この例では、スイッチ部323は、表示323r~323tを含む。表示323rは、バッテリの残量を表示する。表示323sは、床高が最低ではないときに点灯(例えばオレンジ色)する。表示323sは、床高が最低のときに消灯する。
【0092】
表示323tは、エラー表示を行う。正常時において、表示323tは、消える。「U系異常」のときに、1秒点灯と、1秒消灯と、を繰り返す。「H系異常」のときに、0.2秒点灯と、0.2秒消灯と、を繰り返す。
【0093】
外側面320Fのスイッチ部323(例えば、医療従事者用メンブレンスイッチ)による操作は、内側面320Gに設けられる後述するスイッチ部(例えば、使用者用メンブレンスイッチ)による操作よりも優先される。例えば、外側と内側のスイッチが同時に押されると、どちらの動作もしない。例えば、外側で背上げをしていて、内側で膝上げボタンを押すと、ベッド310Bは止まる。両方のボタンを離して、押しなおすとベッド310Bが動作する。
【0094】
図10(c)は、頭右側サイドレール320の外側面320Fに設けられる角度計324を例示している。
頭右側サイドレール320に凹部が設けられ、その凹部設けられた球体(例えば金属球)により角度計324となる。背ボトムが上がると、球体が凹部の中を転がる。球体の位置に応じて、角度計324の表示部324aの角度表示が変化する。角度計324により、背角度の概要を知ることができる。
【0095】
図11(a)及び図11(b)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図11(a)に示すように、頭右側サイドレール320の内側面320Gに、凹部328が設けられる。凹部328は、フックとして用いることができる。凹部328の下方に、孔328hが設けられる。さらに、内側面320Gに、スイッチ部327が設けられる。スイッチ部327は、例えば、メンブレンスイッチ(例えば、使用者用メンブレンスイッチ、または、患者用メンブレンスイッチ)である。
【0096】
図11(b)に示すように、スイッチ部327は、スイッチ327a~327dを含む。スイッチ部327は、スイッチ327nを含んでも良い。
【0097】
スイッチ327aが押されると、「足上げ」が行われる。スイッチ327cが押されると、「足下げ」が行われる。
【0098】
スイッチ327bが押されると、「背上げ」が行われる。スイッチ327dが押されると、「背下げ」が行われる。
【0099】
内側面320Gに、スイッチ327nが設けられる。スイッチ327nは、「ナースコール」である。
【0100】
内側面320Gに、USB端子327uが設けられる。USB端子327uにUSBプラグが挿入でき、充電などができる。
【0101】
上記のような頭右側サイドレール320の構成が、頭左側サイドレール340にも適用される。
【0102】
図12(a)~図12(c)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図12(a)及び図12(b)は、頭左側サイドレール340の外側面340Fに設けられるスイッチ部343及び角度計344を例示している。図12(a)に示すように、スイッチ部343は、スイッチ343a~343qを含む。スイッチ343a~343qは、スイッチ323a~323qと同様の機能を有する。この例では、スイッチ部343は、表示343r~343tを含む。表示343r~343tは、表示323r~323tと同様の機能を有する。
【0103】
図12(b)は、角度計344を例示している。角度計344は、角度計324と同様の構造及び機能を有する。角度計344の表示部344aにより、背角度の概要を知ることができる。
【0104】
図12(c)に示すように、頭左側サイドレール340の内側面340G(図9参照)に、スイッチ部347が設けられる。スイッチ部347は、スイッチ部327と同様の構造及び機能を有する。スイッチ部347は、スイッチ347a~347dを含む。スイッチ347a~347dは、スイッチ327a~327dと同様の機能を有する。内側面320Gに、スイッチ347n及びUSB端子347uが設けられる。USB端子347uは省略されても良い。
【0105】
図13(a)及び図13(b)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図13(a)に示すように、足右側サイドレール330に、ハンドレール335gが設けられる。ハンドレール335gは、貫通孔335hにより形成される。足右側サイドレール330の下部に、下部貫通孔335f(例えばハルンバッグフック)が設けられている。下部貫通孔335fにハルンバッグなどを吊すことができる。
【0106】
足右側サイドレール330の外側面330Fに、角度計334が設けられる(図13(b)参照)。角度計334は、角度計324と同様の構造を有する。角度計334の表示部334aにより、角度の概要を知ることができる。
【0107】
図14は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図14に示すように、足右側サイドレール330に形成された貫通孔335hによりハンドレール335gが得られる。
【0108】
図15は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図15は、足左側サイドレール350の外側面350Fに設けられた角度計354を例示している。角度計354は、角度計324と同様の構造を有する。角度計354の表示部354aにより、角度の概要を知ることができる。
【0109】
図16(a)及び図16(b)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図16(a)に示すように、フットボード370の外側面370Fには、貫通孔375e(例えばフック部)が設けられている。貫通孔375eに、ベッド操作装置380を吊すことができる。図16(b)に示すように、貫通孔375eは、フットボード370の内側面370Gに貫通する。
【0110】
ベッド操作装置380において、ベッド310Bに関する各種の設定と、使用者の体重の表示が可能である。ベッド操作装置380における「物理ボタン」として、「ホームボタン」が設けられる。ベッド操作装置380の例については、後述する。
【0111】
図17(a)~図17(c)は、実施形態に係るベッド装置の動作を例示する模式的斜視図である。
これらの図は、マットレス390Mが設けられていないときの状態を例示している。
【0112】
図17(a)に示すように、ベッド310Bにおいて、ベースフレーム390Bに、フレーム390Fが取り付けられる。フレーム390Fの上に背ボトム70a(back section)、膝ボトム70b(upper leg section)及び足ボトム70c(lower leg section)などが設けられる。この例では、腰ボトム70eが設けられている。ベースフレーム390Bにキャスタ390Cが設けられても良い。
【0113】
図17(a)に示すように、ベッド装置310において、フレーム390Fの角度(傾き)が変更可能である。傾きは、前後の傾きの他、左右の傾きを含んでも良い。
【0114】
図17(b)に示すように、ベッド装置310において、背ボトム70a、膝ボトム70b及び足ボトム70cのそれぞれの角度は、変更可能である。頭右側サイドレール320及び頭左側サイドレール340の角度は、背ボトム70aの角度の変更に応じて変化する。頭右側サイドレール320及び頭左側サイドレール340は、追従型のサイドレールである。図17(b)の状態は、カーディアックポジションに対応する。
【0115】
図17(b)の例において、足右側サイドレール330及び足左側サイドレール350は、「上状態」である。
【0116】
図17(c)に示すように、足右側サイドレール330及び足左側サイドレール350は、「下状態」にすることができる。
【0117】
図17(b)及び図17(c)に示すように、ベッド310Bの高さは変更可能である。高さは、例えば、ベッド310Bの上面(例えば、ボトムの上面)と、床面と、の間の距離に対応する。
【0118】
図18(a)及び図18(b)は、実施形態に係るベッド装置の使用状態を例示する模式的斜視図である。
図18(a)は、ベッド310Bが低い状態を例示している。このとき、介護者など398(例えば、介護者または医療従事者など)は、ベッド操作装置380をフック部(例えば、頭右側サイドレール320の貫通孔325e)から外した状態で操作できる。
【0119】
図18(b)は、ベッド310Bが高い状態を例示している。このとき、介護者など399などは、ベッド操作装置380がフック部に取り付けられた状態で操作できる。ベッド操作装置380は、例えば、3カ所のフック部に取り付けられる。3カ所のフック部は、頭右側サイドレール320の貫通孔325e、頭左側サイドレール340の貫通孔345e、及び、フットボード370の貫通孔375eである。
【0120】
以下、ベッド装置310における電装品の例について説明する。
【0121】
図19は、実施形態に係るベッド装置を例示する模式図である。
図19に示すように、ベッド装置310において、コントロールボックス410が設けられる。この他、ベッド装置310において、各種の装置が設けられる。各種の装置は、ジャンクションボックス420、メンブレンスイッチ430、脚下灯440、サイドレールセンサ450(SRセンサ)、キャスタロックセンサ455(CLセンサ)、ナースコール457a、ナースコール457b、ナースコール中継ユニット458、スケールユニット460、ロードセル465、アクチュエータ470及びバッテリ475などを含む。各種の装置の一部は、省略されても良い。
【0122】
コントロールボックス410は、各種の装置と接続可能である。コントロールボックス410と、各種の装置との間の接続は、直接、または、ジャンクションボックス420を介して行われる。コントロールボックス410は、ベッド動作、及び、各種の機能の制御を行う。コントロールボックス410は、ベッド装置310におけるシリアル通信のマスタとなる。
【0123】
コントロールボックス410には、プラグ410P(例えば、3ピンプラグ)が設けられる。プラグ410Pから電力がコントロールボックス410に供給される。コントロールボックス410から、各種の機器に電力が供給される。
【0124】
ジャンクションボックス420は、コントロールボックス410と、他の各種の機器と、の間の接続を中継する。
【0125】
メンブレンスイッチ430は、医療従事者用メンブレンスイッチ430a及び430bを含む。これらのメンブレンスイッチは、スイッチ部323及び343に対応する。メンブレンスイッチ430は、患者用メンブレンスイッチ430c及び430dを含む。これらのメンブレンスイッチは、スイッチ部327及び347に対応する。医療従事者用メンブレンスイッチ430a及び患者用メンブレンスイッチ430cは、中継ユニット431aを介して、ジャンクションボックス420に接続される。医療従事者用メンブレンスイッチ430b及び患者用メンブレンスイッチ430dは、中継ユニット431bを介して、ジャンクションボックス420に接続される。
【0126】
医療従事者用メンブレンスイッチ430a及び430bには、ベッド操作ボタン(スイッチ)が設けられる。既に説明したように、ベッド操作ボタンは、カーディアック操作ボタン(例えば、連動操作ボタン)、展伸/逆展伸ボタン、カインドモーション操作ボタン(例えば、別の連動操作ボタン)、CPRボタン、ナースコールボタン、患者用メンブレンスイッチ禁止ボタン、及び、全スイッチ禁止ボタンなどを含む。これらのベッド操作ボタンより、スイッチ部323及び343に関して説明した動作が行われる。
【0127】
患者用メンブレンスイッチ430c及び430dには、ベッド操作ボタンが設けられる。既に説明したように、ベッド操作ボタンは、背ボトム操作ボタン、膝ボトム操作ボタン及びナースコールボタンを含む。患者用メンブレンスイッチ430c及び430dは、充電用端子などを含んでも良い。
【0128】
医療従事者用メンブレンスイッチ430a及び430b、及び、患者用メンブレンスイッチ430c及び430dにおいて、ベッド操作ボタンは、上下方向の中間の位置に設けられている。ベッド操作ボタンが下部にあると、操作し難い。ベッド操作ボタンが上部にあると、誤って操作されることがある。ベッド操作ボタンが上下方向の中間の位置にあることで、操作が容易になり、誤操作を抑制できる。
【0129】
脚下灯ボタンは、スイッチ323q及び343qに対応する。脚下灯ボタンが押されると、脚下灯440が光る。脚下灯440により、ベッド310Bの端部から床面への照明が行われる。脚下灯440は、例えば、ベッド310Bの左右に1つずつ設けられる。脚下灯440は、例えば、腰ボトム70eの裏側(下側)の左右の端部に設けられる。脚下灯440は、背ボトム70a、膝ボトム70b及び足ボトム70c(図17(b)など参照)などの他の部分に設けられても良い。例えば、脚下灯ボタン(スイッチ323q及び343q)を押すごとに、脚下灯440において、消灯→暗く点灯→明るく点灯→消灯が繰り返して行われる。例えば、医療従事者により、脚下灯440が点灯される。例えば、使用者が便所に行く頻度が高い場合などに、使用者の就寝前に、医療従事者が脚下灯440を点灯する。例えば、離床が検出された場合、または、ナースコールが発生した場合などに、医療従事者が脚下灯440を点灯する。
【0130】
例えば、ベッド310Bの使用者が夜間にトイレ等でベッドを離れる時に、脚下灯440が点灯される。このとき、室内は暗い場合が多い。脚下灯440がいきなり明るく点灯すると、周囲で就寝している人に迷惑がかかる。最初に暗く点灯することで、迷惑が抑制される。
【0131】
サイドレールセンサ450は、各サイドレールが上がっているか否かを検出する。4つのサイドレールセンサ450が設けられる。4つのサイドレールセンサ450は、頭右側用サイドレールセンサ、頭左側用サイドレールセンサ、足右側用サイドレールセンサ及び足左側用サイドレールセンサを含む。検出結果は、例えば、ナースステーションの端末に表示される。検出結果は、ベッド操作装置380に表示されても良い。検出結果に基づいて、警告音が発生しても良い。サイドレールセンサ450として、例えば、磁気センサまたは気圧センサなどが用いられる。サイドレールセンサ450として、他のセンサが用いられても良い。
【0132】
キャスタロックセンサ455は、キャスタ390Cがロックがされているか否かを検出する。キャスタロックセンサ455として、例えば、磁気センサが用いられる。例えば、キャスタ390Cにおいて、キャスタ390Cのロックまたはロック解除と連動するバーなどが設けられる。バーの状態を検知することで、キャスタ390Cのロック状態を検出できる。キャスタロックセンサ455による検出結果は、例えば、ナースステーションの端末に表示される。検出結果は、ベッド操作装置380に表示されても良い。キャスタロックセンサ455による検出結果に基づいて、警告音が生じても良い。
【0133】
ナースコール457aは、ジャンクションボックス420に接続される。ナースコール457bは、ナースコール中継ユニット458に接続される。ナースコール中継ユニット458により、病院及び施設に設けられるナースコール(例えば、ナースコール457b)と連携することができる。ナースコール457a及び457bは、国内製または外国製のナースコールである。例えば、ナースコール457aは、外国製である。例えば、ナースコール457bは、国内製である。
【0134】
ロードセル465は、ベッド310Bの4つのコーナ部に設けられる。4つのロードセル465が用いられる。ロードセル465及びスケールユニット460により、使用者の体重を測定することができる。
【0135】
アクチュエータ470は、高さ変更用のアクチュエータ470a(「HLACT」)、膝ボトム70b用のアクチュエータ470b(「膝ACT」)、背ボトム70a用のアクチュエータ470c(CPR付の「背ACT」)、及び、高さ変更用のアクチュエータ470d(「HLACT」)などを含む。アクチュエータ470a及び470dは、荷重センサを含む。
【0136】
1つの例において、背ボトム70a用のアクチュエータ470cは、手動で下げ動作を行うための機械的な機構(以下、手動CPR機構と呼ぶ)を含む。手動CPR機構により、緊急時に、手動で背ボトム70aを下げることができる。例えば、専用のレバーなどが設けられ、このレバーを操作することで、手動により背ボトム70aを下げ、CPRのための姿勢を得ることができる。例えば、手動により、背ボトム70a用のアクチュエータ470cのブレーキプレートをずらすことができる。これにより、アクチュエータ470cのブレーキが解除され、背ボトム70aが自重で下がる。
【0137】
アクチュエータ470は、ベッド310Bに含まれる可動部を調整する駆動源となる。アクチュエータ470は、伸縮ロッドの動作によって、リンク機構などを介して、可動部を動作させる。アクチュエータのそれぞれに、位置センサが設けられる。コントロールボックス410により、位置情報が読み取られる。アクチュエータ470の荷重センサにより、ベッド310Bの上の使用者(患者など)の移動(例えば離床を含む)の判断が行われても良い。
【0138】
バッテリ475は、停電時、または、ベッド310Bが搬送中などにおいて、電力を供給する。電力供給がない状況においても所望の動作が得られる。バッテリ475への充電をする/しないの切替スイッチが設けられても良い。切替スイッチの状態によらず、ベッド310Bに電力(AC電源)が供給されている状態ならば、充電が可能でも良い。
【0139】
例えば、ベッド装置310がAC電源により駆動されているときに、コントロールボックス410から、バッテリ475、エアマットレス制御ユニット482及びUSB充電器488(図19参照)に電力が供給される。AC電源から電力が供給されないときに、バッテリ475から、コントロールボックス410、エアマットレス制御ユニット482及びUSB充電器488に電力が供給される。AC電源から電力が供給されず、バッテリ475からからも電力が供給されない場合、ベッド310Bは動作しない。
【0140】
図19に示すように、ベッド装置310において、睡眠センサ481、エアマットレス制御ユニット482及びベッド操作装置380が設けられる。ベッド装置310において、手元スイッチ483が設けられても良い。
【0141】
睡眠センサ481は、ベッド310Bの使用者(患者など)の睡眠状況を測定する。ベッド操作装置380が設けられる場合、睡眠状況の測定結果、及び、睡眠履歴が、ベッド操作装置380に出力(例えば表示)されても良い。
【0142】
例えば、コントロールボックス410にエアマットレス制御ユニット482用のコネクタが設けられる。エアマットレスにおいて、ベッド310Bの姿勢にあわせた連動動作が行われても良い。連動動作は、エアマットレスの種類によって異なっても良い。エアマットレスの動作の設定及び変更がベッド操作装置380により行われても良い。
【0143】
ベッド装置310において、補助コンセント485がさらに設けられている。この例では、2つの補助コンセント485が設けられる。補助コンセント485は、プラグ受け装置である。補助コンセント485は、プラグ485Pを含む。プラグ485Pは、医療用の規格を満たすプラグである。プラグ485Pは、3ピンプラグである。プラグ485Pは、コントロールボックス410のプラグ410Pとは別に設けられる。
【0144】
ベッド装置310は、USB充電器488(図19参照)を含んでも良い。USB充電器488は、USB端子327u(または347u)に対応する。USB充電器488は、USB充電に対応した機器への給電を行う。USB充電器488のポート数は1でも良い。USB充電器488の出力定格は、DC5V/1Aである。ポートは、右側サイドレールの患者用メンブレンスイッチ430cに設けられる。
【0145】
ベッド装置310は、エラー表示用LEDを含んでも良い。エラー表示用LEDは、表示323t及び343tに対応する。
【0146】
ベッド装置310において、ベッド310Bの使用者の離床が検出されても良い。例えば、ロードセル465により離床が検出される。例えば、アクチュエータに内蔵された荷重センサにより、離床が検出される。離床に関する情報は、ナースコールシステムに伝達され、ナースステーションの端末に出力される。離床に関する情報は、ベッド操作装置380に出力されても良い。離床に関する情報の出力は、例えば、ランプ等の視覚的な刺激、または、警告音のような聴覚的な刺激を含んでもよい。
【0147】
以下、ベッド操作装置380の例について説明する。
ベッド操作装置380は、ベッド310Bに接続される。ベッド操作装置380において、ベッド310Bに関する設定が実施でき、表示が行われる。ベッド操作装置380における表示の言語の切替が、可能である。例えば、日本語、英語、中国語またはポルトガル語による表示が可能である。ベッド操作装置380は、例えば、左右のサイドレール、または、フットボード370に取り付けられる。
【0148】
ベッド装置310に設けられるベッド操作装置380の数の最大は、例えば、3である。1つの例において、ベッド310Bに、1つのベッド操作装置380、または、1つの手元スイッチ483(後述)が接続される。別の例において、ベッド310Bに、1つのベッド操作装置380、及び、1つの手元スイッチ483が接続される。別の例において、ベッド310Bに、2つのベッド操作装置380が接続される。別の例において、ベッド310Bに、2つのベッド操作装置380、及び、1つの手元スイッチ483が接続される。別の例において、ベッド310Bに、3つのベッド操作装置380が接続される。
【0149】
図20(a)及び図20(b)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図20(a)は、主にヘッド側サイドレール(頭右側サイドレール320または頭左側サイドレール340)に設けられるベッド操作装置380を例示している。ベッド操作装置380は、表示入力部380Dを含む。ベッド操作装置380には、ホームボタン380hが設けられる。
【0150】
図20(b)に示すように、表示入力部380Dに各種の表示が可能である。表示入力部380Dにより、ベッド310Bの姿勢、及び、使用者の体重が表示可能である。表示入力部380Dにより、離床センサの設定が可能である。表示入力部380Dにより、睡眠センサ481に関する表示が可能である。表示入力部380Dにより、エアマットレスの操作が可能である。表示入力部380Dにより、エラーの表示が可能である。
【0151】
図21(a)及び図21(b)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図21(a)は、主にフットボード370に設けられるベッド操作装置380を例示している。ベッド操作装置380は、表示入力部380Dを含む。ベッド操作装置380には、ホームボタン380hに加えて、上昇ボタン380a、下降ボタン380b及びCPRボタン380cが設けられる。上昇ボタン380aまたは下降ボタン380bにより、ベッド310Bの可動部の上昇または下降が行われる。CPRボタン380cにより、CPRのための姿勢に以降する。
【0152】
図21(b)に示すように、表示入力部380Dに各種の表示が可能である。表示入力部380Dにより、ベッド310Bの操作が可能である。ベッド操作は、例えば、カーディアック動作、傾斜動作、連動動作(カインド動作)、背上げ下げ、膝上げ下げ、及び、高さ上げ下げなどを含む。表示入力部380Dにより、使用者の体重が表示可能である。表示入力部380Dにより、離床センサの設定が可能である。表示入力部380Dにより、睡眠センサ481に関する表示が可能である。表示入力部380Dにより、エアマットレスの操作が可能である。表示入力部380Dにより、エラーの表示が可能である。
【0153】
以下、手元スイッチ483の例について説明する。
図22は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図22は、手元スイッチ483を例示している。手元スイッチ483は、スイッチペア483a~483dを含む。スイッチペア483aは、「連動」動作に関する上昇または下降のためのスイッチを含む。スイッチペア483bは、「背上げ」動作に関する上昇または下降のためのスイッチを含む。スイッチペア483cは、「足上げ」動作に関する上昇または下降のためのスイッチを含む。スイッチペア483dは、「高さ」変更動作に関する上昇または下降のためのスイッチを含む。
【0154】
手元スイッチ483の表示部483Dに角度または高さが表示されても良い。手元スイッチ483は、ケーブル483eなどにより、例えば、コントロールボックス410と接続される。
【0155】
以下、補助コンセント485の例について説明する。
図23は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図23は、補助コンセント485(例えばプラグ受け装置)を例示している。ベッド310Bの周辺で使用される電子機器類のプラグが、補助コンセント485に接続されることが可能である。既に説明したように、補助コンセント485のプラグ485Pは、コントロールボックス410のプラグ410Pとは別に設けられる。補助コンセント485は、2組のプラグ受け(プラグの差し込み孔)を有する。2組のプラグ受けは、左右に並ぶ。
【0156】
図24は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
図24は、背ボトム70a、膝ボトム70b、足ボトム70c及び腰ボトム70eを例示している。背ボトム70a、膝ボトム70b及び足ボトム70cのそれぞれの角度は変更可能である。ボトム間の角度が定められた値(例えば90度)以下にならないように制御される。例えば、背ボトム70aの下端及び膝ボトム70bの上端を結ぶ線(図24における破線)と、背ボトム70aと、の間の角度が、定められた値(例えば90度)以下になるように制御される。例えば、複数のボトムのいずれかの動きの制御(連動)により、角度が定められた値以下にされる。
【0157】
背ボトム70aの動作角度は、例えば、0度~70度である。膝ボトム70bの動作角度は、0度以上25度以下である。「高さ」の動作範囲は、例えば、43cmである。床高は、ベッドフレームにより異なっても良い。床高の範囲は、例えば、30cm~73cm、32.5cm~75.5cm、または、35cm~78cmである。
【0158】
ボトムの傾斜の動作角度は、-15度~15度である。例えば、ベッドフレーム内の干渉を避けるため、「最低床高+3cm」の高さまで、高さを調節した後に、傾斜動作が行われる。
【0159】
カーディアックポジションおよびボトムフラットへの動作は、傾斜動作を伴う。これらの動作において、使用者の滑り落ちに配慮した動作シーケンスが適用される。
【0160】
電動CPR動作においては、以下の順番で動作が行われる。その際、同時動作が可能であれば、同時動作が行われても良い。電動CPR動作において、まず、背ボトム70a用のアクチュエータ470c(「背ACT」)のストロークを下限まで動作させる。電動CPR動作のためのボタンが押されてから、30秒以内に、アクチュエータ470cの下限まで到達する。その後、斜動作が行われ、傾斜角度が0度になる。その後、高さ調節が行われ、高さが最低床高になる。最低床高は、例えば、「一旦停止高さ」である。その後、膝ボトム70bを0度になる動作させる。
【0161】
ベッド装置310において、ベッド操作装置380の操作により、各種の動作に関するボタン操作を「操作禁止」状態にすることができる。
【0162】
図25(a)及び図25(b)は、実施形態に係るベッド装置の一部を例示する模式図である。
これらの図は、ベッド操作装置380の表示入力部380Dを例示している。図25(a)は、表示入力部380Dがベッド操作画面381である場合を例示している。図25(b)は、表示入力部380Dがアクチュエータ個別操作禁止画面383(ベッド設定画面)である場合を例示している。
【0163】
図25(a)に示すように、例えば、ボタン382a~382fなどが設けられる。これらのボタンは、例えば、タッチ式入力装置における入力受け付け領域である。これらのボタンをタッチすることで、ベッド操作が行われる。ボタン382aにより、カーディアック動作が行われる。ボタン382bにより、傾斜動作が行われる。ボタン382cにより、連動動作(「カインド動作」)が行われる。ボタン382dにより、背動作(背角度の変更)が行われる。ボタン382eにより、膝動作(膝角度の変更)が行われる。ボタン382fにより、高さ動作(高さの変更)が行われる。例えば、ベッド310Bの背を上げる場合、ボタン382dを押して、そのあとに上昇ボタン380aを押すと、ベッド310Bが動く。ベッド310Bは、上昇ボタン380aを押している期間に動く。例えば、ベッドの高さを下げる場合、ボタン382fを押して、その後に下降ボタン380bを押すと、下降ボタン380b押している期間にベッド310Bの高さが下がる。
【0164】
図25(b)に示すように、表示入力部380Dは、アクチュエータ個別操作禁止画面383(ベッド設定画面)に移行できる。表示入力領域383aの操作により、背動作、膝動作、高さ動作及び傾斜動作のそれぞれが、個別に操作禁止にできる。表示入力領域383bの操作により、全ての操作を禁止でき、または、操作禁止を解除できる。表示入力領域383cの操作により、手元スイッチ483の操作を禁止でき、または、操作禁止を解除できる。
【0165】
例えば、背動作が操作禁止の場合、カーディアック動作、連動動作及び背動作が禁止になる。例えば、膝動作が操作禁止の場合、カーディアック動作、連動動作及び膝動作が禁止になる。例えば、高さ動作が操作禁止の場合、カーディアック動作、傾斜動作及び高さ動作が禁止になる。例えば、傾斜動作が操作禁止の場合、カーディアック動作及び傾斜動が禁止になる。
【0166】
1つの例において、「全操作禁止」が可能である。別の例において、アクチュエータ470(470a~470d(図19参照)など)が選択的(個別)に「操作禁止」にされても良い。アクチュエータ470「操作禁止」の解除は、ベッド操作装置380により解除される。
【0167】
ベッド操作装置380がベッド310Bから外された場合、または、ベッド操作装置380の接続のケーブルが断線した場合などにおいては、アクチュエータ470の選択的な「操作禁止」が解除できない。この際、「全操作禁止」の解除により、アクチュエータ470の「操作禁止」が解除できる。
【0168】
アクチュエータ470の操作禁止と、手元スイッチ483の操作禁止、または、「全操作禁止」は、独立して管理される。例えば、アクチュエータ470が個別操作禁止である場合に、「全操作禁止」とし、その後、「全操作禁止」を解除しても、アクチュエータ470の個別操作禁止は残る。
【0169】
禁止にされたボタンが押されると、ブザー音が鳴り、メンブレンスイッチの禁止LED(例えば、表示323t及び343tなど)が点滅する。ブザー音が鳴らないと、ボタンが禁止されているのか、壊れているのかわからない。ブザー音がなることで、ボタンが禁止されているがわかる。
【0170】
手元スイッチ483において禁止にされたボタンが押されると、手元スイッチ483が鳴動する。メンブレンスイッチにおいて禁止にされたボタンが押されると、例えば、ジャンクションボックス420が鳴動する。
【0171】
医療従事者用メンブレンスイッチまたはベッド操作装置380の操作により、患者用メンブレンスイッチ及び手元スイッチ483が操作禁止状態にできる。操作禁止は、医療従事者用メンブレンスイッチまたはベッド操作装置380が接続されていれば、解除が可能である。
【0172】
医療従事者用メンブレンスイッチまたはベッド操作装置380の操作により、全ての操作を禁止できる(「全操作禁止」)。この操作禁止について、医療従事者用メンブレンスイッチまたはベッドナビのいずれかが接続されていれば、解除が可能である。
【0173】
例えば、ベッド操作装置380がベッド310Bに接続されていない場合、または、部分的な故障(通信不成立)などの場合において、「全操作禁止」は、解除される。この場合、例えば、手元スイッチ483により操作が可能である。使用者に操作させない場合は、手元スイッチ483を外しても良い。禁止にされたボタンが押されると、ブザー音が鳴り、メンブレンスイッチの禁止LEDが点滅する。
【0174】
手元スイッチ483が操作禁止状態のときに、「全操作禁止」のボタンが押されると、「全操作禁止」になる。その後、「全操作禁止」が押されると、手元スイッチ483の操作禁止、及び、全操作禁止が解除される。「全操作禁止」のときも、CPR動作が行われる。「操作禁止」、「手元スイッチ操作禁止」、及び、「全操作禁止」のどの場合も、CPR動作は行われる。
【0175】
例えば、「現在の設定」において、手元スイッチ483が操作禁止でなく、「全操作禁止」でない場合に、手元スイッチ483の操作禁止のボタンが押されると、手元スイッチ483は操作禁止になり、「全操作」は操作禁止ではない(解除状態)。
【0176】
例えば、「現在の設定」において、手元スイッチ483が操作禁止でなく、「全操作禁止」でない場合に、「全操作禁止」のボタンが押されると、手元スイッチ483及び全操作が禁止になる。
【0177】
例えば、「現在の設定」において、手元スイッチ483が操作禁止であり、「全操作禁止」でない場合に、手元スイッチ483の操作禁止のボタンが押されると、手元スイッチ483は操作禁止ではなく(解除状態)、「全操作」は操作禁止ではない(解除状態)。
【0178】
例えば、「現在の設定」において、手元スイッチ483が操作禁止であり、「全操作禁止」でない場合に、「全操作禁止」のボタンが押されると、手元スイッチ483及び全操作が禁止になる。
【0179】
例えば、「現在の設定」において、手元スイッチ483が操作禁止であり、「全操作禁止」である場合に、手元スイッチ483の操作禁止のボタンが押されると手元スイッチ483及び全操作が禁止になる。
【0180】
例えば、「現在の設定」において、手元スイッチ483が操作禁止であり、「全操作禁止」である場合に、「全操作禁止」のボタンが押されると、手元スイッチ483が操作禁止ではなくなり(解除状態)、全操作禁止ではなくなる(解除状態)。
【0181】
図25(b)に例示する表示入力領域383dの操作により、動作速度を変更できる。例えば、種々の動作の速度は、複数の段階(例えば2段階など)で変更可能である。
【0182】
ベッド装置310の各種の動作に関する履歴が保存されても良い。例えば、コントロールボックス410などのメモリに、履歴が保存される。履歴が保存されるメモリは、ジャンクションボックス420または手元スイッチ483などに設けられても良い。履歴が保存されるメモリは、ベッド操作装置380に設けられても良い。履歴に関する情報は、電源のオン/オフによってリセットされない。履歴に関する情報は、例えば、コントロールボックス410の稼動履歴、アクチュエータ470の稼動履歴、手元スイッチ483の稼動履歴、操作内容履歴、故障履歴、及び、離在床履歴を含む。
【0183】
実施形態によれば、ロックを誤って解除することを抑制できるベッド装置が提供できる。
【0184】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、ベッド装置に含まれる、フレーム、サイドレール、保持部、ロック部、カバー部、レバー部及びストッパ部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0185】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0186】
その他、本発明の実施の形態として上述したベッド装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのベッド装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0187】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0188】
50、50A…保持部、 51…ロック部、 51A…フック部、 51P…ピン部、 52…カバー部、 52a…凹部、 52h…孔、 53…レバー部、 54…ストッパ部、 54H…孔、 54Ha…第1部分、 54Hb…第2部分、 54P…ピン、 54p…バー状部材、 54q…第1部材、 54r…第2部材、 54x…軸部、 58…ロック部品、 70a…背ボトム、 70b…膝ボトム、 70c…足ボトム、 70e…腰ボトム、 72、72A…サイドレール、 75…フレーム、 75B…ベースフレーム、 78A…ヘッドボード、 78B…フットボード、 78M…マットレス、 110~114…ベッド装置、 SLK…ロック状態、 SP1、SP2…第1、第2位置状態、 SRS…解除状態、 ST1、ST2…第1、第2状態、 SUL…アンロック状態、 SUR…非解除状態、 310…ベッド装置、 310B…ベッド、 320…頭右側サイドレール、 320F…外側面、 320G…内側面、 323…スイッチ部、 323a~323q…スイッチ、 323r~323t…表示、 324…角度計、 324a…表示部、 325a…凸部、 325b…凹部、 325c…頭側凸部、 325d…頭側凹部、 325e…貫通孔、 325f…下部貫通孔、 325g…ハンドレール、 325h…貫通孔、 327…スイッチ部、 327a~327d…スイッチ、 327n…スイッチ、 327u…USB端子、 328…凹部、 328h…孔 330…足右側サイドレール、 330F…外側面、 330G…内側面、 334…角度計、 334a…表示部、 335f…下部貫通孔、 335g…ハンドレール、 335h…貫通孔、 340…頭左側サイドレール、 340F…外側面、 340G…内側面、 343…スイッチ部、 343a~343q…スイッチ、 343r~343t…表示、 344…角度計、 344a…表示部、 345e…貫通孔、 347…スイッチ部、 347a~347d…スイッチ、 347n…スイッチ、 347u…端子、 350…足左側サイドレール、 350F…外側面、 350G…内側面、 354…角度計、 354a…表示部、 355g…ハンドレール、 360…ヘッドボード、 370…フットボード、 370F…外側面、 370G…内側面、 375e…貫通孔、 380…ベッド操作装置、 380D…表示入力部、 380a…上昇ボタン、 380b…下降ボタン、 380c…CPRボタン、 380h…ホームボタン、 381…ベッド操作画面、 382a~382f…ボタン、 383…アクチュエータ個別操作禁止画面、 383a~383d…表示入力領域、 390B…ベースフレーム、 390C…キャスタ、 390F…フレーム、 390M…マットレス、 398…介護者など、 410…コントロールボックス、 410P…プラグ、 420…ジャンクションボックス、 430…メンブレンスイッチ、 430a、430b…医療従事者用メンブレンスイッチ、 430c、430d…患者用メンブレンスイッチ、 431a、431b…中継ユニット、 440…脚下灯、 450…サイドレールセンサ、 455…キャスタロックセンサ、 457a、457b…ナースコール連携、 458…ナースコール中継ユニット、 460…スケールユニット、 465…ロードセル、 470…アクチュエータ、 470a~470d…アクチュエータ、 475…バッテリ、 481…睡眠センサ、 482…エアマットレス制御ユニット、 483…手元スイッチ、 483D…表示部、 483a~483d…スイッチペア、 483e…ケーブル、 485…補助コンセント、 485P…プラグ、 488…充電器
図1
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