(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/00 20060101AFI20221130BHJP
A47L 9/04 20060101ALI20221130BHJP
A47L 9/32 20060101ALI20221130BHJP
A47L 9/16 20060101ALI20221130BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
A47L9/00 101
A47L9/04 A
A47L9/00 Z
A47L9/32 Z
A47L9/16
A47L5/24 A
(21)【出願番号】P 2019073637
(22)【出願日】2019-04-08
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】市野 雄之
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-112344(JP,U)
【文献】特開昭61-071025(JP,A)
【文献】特開2015-012938(JP,A)
【文献】実開昭50-155144(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 5/24、9/00-9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機、この電動送風機の動作を制御する制御手段、および、前記電動送風機に給電する電源部を備えた掃除機本体と、
この掃除機本体を把持する把持部と、
前記掃除機本体に設けられ前記電動送風機の吸込側と連通するとともに
、集塵部を有さない清掃用アタッチメン
トが接続
可能な接続部と
、
前記掃除機本体に設けられ前記電動送風機の排気側と連通するとともに、集塵部を有さない清掃用アタッチメントが接続可能な排気側接続部と、を具備し
、
前記把持部は、両端方向に略対称なアーチ状に形成されて前記電動送風機の上方に配置され、
前記接続部は、前記電動送風機の一端側かつ前記把持部の一端側に配置され、
前記排気側接続部は、前記電動送風機の他端側かつ前記把持部の他端側に配置され、
前記電源部は、前記電動送風機の下方に配置される
ことを特徴とした電気掃除機。
【請求項2】
接続部および排気側接続部には、集塵部と集塵部を有さない清掃用アタッチメントとがそれぞれ選択的に接続可能である
ことを特徴とした請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
集塵部は、吸い込んだ空気に含まれる塵埃を遠心分離するサイクロン分離装置である
ことを特徴とした請求項
2記載の電気掃除機。
【請求項4】
接続部に設けられ電源部と電気的に接続された接点部を備え、
清掃用アタッチメントは、前記接続部への接続により前記接点部を介して前記電源部から給電を受けて駆動されるとともに電動送風機の駆動により生じる気流を受ける位置に配置される駆動部を備えた
ことを特徴とした請求項1
ないし3いずれか一記載の電気掃除機。
【請求項5】
清掃用アタッチメントは、
接続部への接続により電動送風機の駆動によって生じる気流が通過する風路と、
この風路内に配置されこの風路内を通過する気流によって回転駆動されるファンとを備えた
ことを特徴とした請求項1ないし
4いずれか一記載の電気掃除機。
【請求項6】
風路は、清掃用アタッチメントの接続部への接続により電動送風機の吸込側と連通される
ことを特徴とした請求項
5記載の電気掃除機。
【請求項7】
風路は
、清掃用アタッチメント
の排気側接続部への接続によ
り電動送風機の排気側と連通される
ことを特徴とした請求項
5または6記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電動送風機を備えた掃除機本体を把持する把持部を備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動送風機を備えた掃除機本体に把持部と吸込側接続部および排気側接続部とを備え、吸込側接続部にホースを介して集塵部を着脱可能とすることで吸引掃除機として使用する形態と、排気側接続部にノズルを接続してブロワとして使用する形態とを使い分けできる電気掃除機がある。
【0003】
集塵部の上流側には、例えば床面や隙間あるいは棚などの、異なる被掃除部にそれぞれ対応したノズルが着脱可能となっている。しかしながら、電動送風機の負圧を利用して集塵部に空気とともに塵埃を吸い込むことを前提とした構成であるため、集塵部を装着する必要があり、軽量化が容易でなく、また、アタッチメントも集塵部の上流側に接続されるものであることから機能が基本的に吸い込み専用に限定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、軽量化しつつ、より多様な掃除形態に対応できる電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電気掃除機は、掃除機本体と、把持部と、接続部と、排気側接続部と、を有する。掃除機本体は、電動送風機、この電動送風機の動作を制御する制御手段、および、電動送風機に給電する電源部を備える。把持部は、掃除機本体を把持する。接続部は、掃除機本体に設けられ電動送風機の吸込側と連通する。また、この接続部は、集塵部を有さない清掃用アタッチメントが接続可能である。排気側接続部は、掃除機本体に設けられ電動送風機の排気側と連通する。また、この排気側接続部は、集塵部を有さない清掃用アタッチメントが接続可能である。把持部は、両端方向に略対称なアーチ状に形成されて電動送風機の上方に配置される。接続部は、電動送風機の一端側かつ把持部の一端側に配置される。排気側接続部は、電動送風機の他端側かつ把持部の他端側に配置される。電源部は、電動送風機の下方に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態の電気掃除機を示す断面図である。
【
図3】同上電気掃除機の集塵部を備えたアタッチメントを示す斜視図である。
【
図4】同上電気掃除機の集塵部を接続部に接続した状態を示す断面図である。
【
図5】同上電気掃除機の集塵部を排気側接続部に接続した状態を示す断面図である。
【
図6】同上電気掃除機の一の清掃用アタッチメントを示す断面図である。
【
図7】同上一の清掃用アタッチメントの斜視図である。
【
図8】同上一の清掃用アタッチメントを接続部に接続した状態を示す断面図である。
【
図9】同上一の清掃用アタッチメントを排気側接続部に接続した状態を示す断面図である。
【
図10】同上電気掃除機の他の清掃用アタッチメントを示す断面図である。
【
図11】同上他の清掃用アタッチメントの斜視図である。
【
図12】同上他の清掃用アタッチメントを接続部に接続した状態を示す断面図である。
【
図13】同上他の清掃用アタッチメントを排気側接続部に接続した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態の構成を、図面を参照して説明する。
【0009】
図2において、11は電気掃除機であり、この電気掃除機11は、使用者が持ち運びながら使用する、コードレスタイプのハンディ型電気掃除機である。この電気掃除機11は、掃除機本体13を備える。この掃除機本体13には、掃除操作用の把持部14が配置されている。掃除機本体13の一端側に接続部である吸込側接続部15が突設されている。また、掃除機本体13の吸込側接続部15と反対側である他端側に排気側接続部16が突設されている。本実施形態の電気掃除機11は、掃除機本体13、把持部14、吸込側接続部15、および、排気側接続部16を一体的に備えている。
【0010】
そして、この電気掃除機11は、吸込側接続部15又は排気側接続部16に後述するアタッチメントを選択的に接続することで使用される。なお、説明を明確にするために、以下、吸込側接続部15である一端側を前側、排気側接続部16である他端側を後側として説明するが、使用形態によって使用者から見た前後方向は変わるので、一端側を前側、他端側を後側に限定することを意図するものではない。また、上下方向については、使用者が把持部14を把持して自分の下方の被掃除部を掃除する状態を基準として説明する。
【0011】
図1に示す掃除機本体13は、外郭を構成する中空状の本体ケース21を備え、この本体ケース21の内部に、電動送風機22と、この電動送風機22の動作を制御する制御手段(制御部)23と、これら電動送風機22および制御手段23などに給電する電源部としての電池24とが収容されている。また、この掃除機本体13は、電動送風機22および制御手段23を収容する第1本体部27と、電池24を収容する第2本体部28とに上下に区画されている。
【0012】
本体ケース21は、例えば合成樹脂などにより形成されている。
【0013】
電動送風機22は、掃除機本体13に備えられた重量物である。電動送風機22は、吸込側が吸込側接続部15と連通し、排気側が排気側接続部16と連通するように掃除機本体13又は本体ケース21の内部に配置されている。この電動送風機22は、前後方向に沿って軸方向を有するように、吸込側を前側、排気側を後側としている。
【0014】
制御手段23は、例えばマイコンなどのコントローラである。この制御手段23は、電動送風機22の他端側である後方で、かつ、排気側接続部16の前方に位置しており、電動送風機22に対して両端方向である前後方向に並んで配置されている。また、この制御手段23は、電動送風機22の排気により冷却されるように位置している。そして、この制御手段23は、電池24からの電動送風機22への通電時間又は通電量をPWM制御などにより制御することにより、電動送風機22の動作を制御している。この制御手段23には、図示しない設定手段(設定部)である設定ボタンにより電動送風機22の動作が使用者によって設定される。設定ボタンは、電動送風機22のオンオフや異なる動作状態を設定するもので、把持部14や掃除機本体13などに配置される。この設定ボタンは、電動送風機22を単にオンオフさせるものでもよいし、例えば強や弱などの電動送風機22の吸込力又は排出力が異なる複数の所定状態を選択するものでもよいし、電動送風機22の吸込力又は排出力を連続的に変化させるものなどでもよい。
【0015】
電池24は、掃除機本体13に備えられた重量物である。この電池24は、本実施形態では充電可能な二次電池パックであり、図示しないが、充電装置と接続可能な充電端子と電気的に接続されている。また、この電池24は、電動送風機22および制御手段23の下方又は直下に位置している。
【0016】
把持部14は、電気掃除機11又は掃除機本体13を使用者が把持するためのものである。この把持部14は、電動送風機22、制御手段23および電池24の上方に位置している。本実施形態において、把持部14は、例えば吸込側接続部15と排気側接続部16とに亘って前後方向に沿って設けられている。図示される例では、この把持部14は、前後方向に沿って直線状の主体部31と、この主体部31の一端部である前端部から吸込側接続部15の上部に連続する一端側連続部である前側連続部32と、主体部31の他端部である後端部から排気側接続部16の上部に連続する他端側連続部である後側連続部33とを一体的に備えるアーチ状となっている。この把持部14は、両端方向又は一端他端方向である前後方向に略対称な形状となっている。このため、この把持部14は、吸込側接続部15および排気側接続部16をそれぞれ使用者の前側として把持することが可能となっている。
【0017】
主体部31は、例えば直管状に形成されている。この主体部31は、例えば電動送風機22、制御手段23および電池24を含む掃除機本体13の重心に対して直上の位置、すなわちこの重心を通る鉛直方向の仮想線と交差する位置に配置されている。
【0018】
前側連続部32は、主体部31から前方下側へと徐々に湾曲する管状に形成され、吸込側接続部15の先端側、本実施形態では前端側の上部に、すなわち掃除機本体13の第1本体部27から離れた位置に亘って連続している。
【0019】
後側連続部33は、主体部31から後方下側へと徐々に湾曲する管状に形成され、排気側接続部16の先端側、本実施形態では後端側の上部に、すなわち掃除機本体13の第1本体部27から離れた位置に亘って連続している。
【0020】
吸込側接続部15は、掃除機本体13、本実施形態では第1本体部27から前方に向けて突出するとともに、先端側が基端側に対して下方に向けて屈曲された屈曲管状に形成されている。この吸込側接続部15は、電動送風機22の一端側である前方に位置している。また、この吸込側接続部15には、アタッチメントを着脱可能に係止するための既知の図示しないクランプである吸込側クランプが設けられていてもよい。さらに、この吸込側接続部15には、電池24と電気的に接続された図示しない接点部である吸込側接点部が設けられている。そして、この吸込側接続部15の先端部すなわち上流端は、アタッチメントを接続する接続口である吸込側接続口37となっている。この吸込側接続口37は、空気を吸い込む吸込口として作用する。
【0021】
排気側接続部16は、掃除機本体13又は第1本体部27から後方に向けて略水平状、すなわち電動送風機22の軸方向と略平行な方向に沿って突出する直管状に形成されている。排気側接続部16は、吸込側接続部15にアタッチメントを接続した状態で電気掃除機11を使用する際に床面などの塵埃を吹き飛ばしたり巻き上げたりしないように、すなわち排気を下方に向けないように構成されている。この排気側接続部16は、電動送風機22の他端側である後方に位置している。この排気側接続部16は、電動送風機22を挟んで吸込側接続部15と互いに反対側に位置している。また、この排気側接続部16は、吸込側接続部15の基端側に対して略同軸状に位置していてよい。さらに、この排気側接続部16には、アタッチメントを着脱可能に係止するための既知の図示しない排気側クランプが設けられていてもよい。また、この排気側接続部16には、電池24と電気的に接続された図示しない排気側接点部が設けられている。そして、この排気側接続部16の先端部すなわち下流端は、アタッチメントを接続する排気側接続口43となっている。この排気側接続口43は、吸込側接続口37と内径寸法が略等しく設定されている。また、この排気側接続口43は、電動送風機22を通過した空気を排気する排気口として作用する。
【0022】
そして、吸込側接続部15に接続可能なアタッチメントとしては、例えば
図3に示す集塵部45を備えたアタッチメントである集塵アタッチメント46や、
図7に示す集塵部を有さない一の清掃用アタッチメントである非集塵アタッチメントとしての磨き用アタッチメント47、あるいは
図11に示す集塵部を有さない他の清掃用アタッチメントである非集塵アタッチメントとしての磨き用アタッチメント48などが用いられる。また、これら磨き用アタッチメント47,48は、排気側接続部16にも接続可能となっている。
【0023】
図4に示す集塵アタッチメント46は、集塵部45と、この集塵部45の吸込側に連通する吸込部51と、集塵部45の排気側に連通する排気部52とを一体的に備えている。
【0024】
集塵部45は、例えば吸込部51から吸い込んだ空気に含まれる塵埃を遠心分離するサイクロン分離装置である。この集塵部45は、塵埃を溜めるカップ部55と、塵埃を遠心分離するための旋回流を形成する分離本体部56とを着脱可能に備えている。
【0025】
カップ部55は、例えば透明な合成樹脂などにより有底円筒状に形成されている。このカップ部55には、吸込部51と連通する吸気口58が側部に設けられている。
【0026】
分離本体部56は、本実施形態では、比較的大きい塵埃である粗塵を遠心分離するための第1遠心分離部をカップ部55内に構成するとともに、この第1遠心分離部で遠心分離できなかった比較的小さい塵埃である細塵を遠心分離するための第2遠心分離部を内部に構成する、多段遠心分離装置本体である。この分離本体部56は、カップ部55の最大径寸法と略等しい径寸法を有する略円筒状に形成されており、カップ部55の開口側に着脱可能に設けられる。さらに、この分離本体部56には、吸気口58からカップ部55内に吸い込まれた空気を排気する排気口59がカップ部55の吸気口58と同側に設けられている。
【0027】
吸込部51は、吸気口58からカップ部55の軸方向に沿って略平行に屈曲するように突設されている。すなわち、この吸込部51は、カップ部55と一体的に設けられている。また、この吸込部51は、先端部が吸込連通口61となっており、この吸込連通口61の開口位置がカップ部55の底部と略同一面上に位置している。なお、この吸込部51の吸込連通口61には、例えばノズルや延長管、ホース体、あるいは床ブラシなどの吸込口体など、さらに他のアタッチメントや風路体を着脱可能に接続できる構成としてもよい。
【0028】
排気部52は、
図4又は
図5に示すように、吸込側接続部15、あるいは排気側接続部16に先端側が挿入されることで集塵アタッチメント46を吸込側接続部15又は排気側接続部16に対して接続する部分である。この排気部52は、排気口59から分離本体部56の軸方向に略平行に、吸込部51と反対方向に向かって延びるように屈曲して突設されている。この排気部52は、分離本体部56と一体的に設けられている。また、この排気部52は、先端部が排気連通口63となっている。この排気部52の両端間の外周部に、吸込側接続部15、あるいは排気側接続部16に排気部52の先端側を挿入接続した状態で吸込側接続部15の先端部、あるいは排気側接続部16の先端部と当接して位置決めする位置決め段部64が段差状に設けられていてもよい。そして、この排気部52は、吸込側接続部15、あるいは排気側接続部16に接続した状態で、吸込側クランプ、あるいは排気側クランプなどにより着脱可能に係止されるようになっている。
【0029】
図6に示す磨き用アタッチメント47は、電池24(
図1)から吸込側接点部、あるいは排気側接点部を介して供給された電力により駆動し、かつ、電動送風機22(
図1)の吸気風又は排気風により冷却される電動式のものである。この磨き用アタッチメント47は、吸込側接続部15又は排気側接続部16に対して接続される一のアタッチメント本体部66と、このアタッチメント本体部66の一端部に回転可能に配置された一の清掃部67とを備えている。また、この磨き用アタッチメント47は、清掃部67を回転させる駆動部としての電動部であるモータ68を備えている。さらに、この磨き用アタッチメント47は、吸込側接点部あるいは排気側接点部と電気的に接続される図示しない一のアタッチメント接点部を備えている。
【0030】
アタッチメント本体部66は、
図8又は
図9に示すように、吸込側接続部15、あるいは排気側接続部16に他端側が挿入されることで磨き用アタッチメント47を吸込側接続部15又は排気側接続部16に対して接続する部分である。このアタッチメント本体部66は、直管状に形成されており、他端部が一の連通口71となっている。このアタッチメント本体部66の両端間の外周部に、吸込側接続部15、あるいは排気側接続部16にアタッチメント本体部66の他端側を挿入接続した状態で吸込側接続部15の先端部、あるいは排気側接続部16の先端部と当接して位置決めする一の位置決め部である一の段部72が段差状に設けられていてもよい。また、このアタッチメント本体部66の先端側の外周部には、一の通気口74が、例えば周方向に離間されて複数開口されている。さらに、このアタッチメント本体部66の内部には、通気口74と連通し気流が通過する一の風路75が区画されている。すなわち、この風路75には、磨き用アタッチメント47を吸込側接続部15に接続した状態で電動送風機22の吸気風が通過し、磨き用アタッチメント47を排気側接続部16に接続した状態で電動送風機22の排気風が通過するように構成されている。そして、この風路75の通気口74と対向する位置は、モータ68が収容されるモータ収容部77となっている。
【0031】
清掃部67は、アタッチメント本体部66の先端部に同軸状に配置されている。この清掃部67は、一の清掃部本体81と、この清掃部本体81から突出する複数の一の清掃体部82とを一体的に備えている。そして、この清掃部67は、例えば軟質の合成樹脂などにより形成されている。
【0032】
清掃部本体81は、アタッチメント本体部66の先端部に嵌着されている。この清掃部本体81は、例えば内部が中空状に形成されている。清掃部本体81は、任意の形状としてよいが、例えば半球状又はドーム状に形成されている。
【0033】
清掃体部82は、被掃除部と接触してこの被掃除部を磨いたり塵埃を払ったりするものである。清掃体部82は、線状、例えば細長い円柱状に形成されている。また、清掃体部82は、清掃部本体81の外部の互いに離れた位置に多数配置されている。
【0034】
モータ68は、吸込側接続部15、あるいは排気側接続部16に磨き用アタッチメント47のアタッチメント本体部66を接続することにより吸込側接点部、あるいは排気側接点部を介して電池24から給電を受けて駆動されるものである。このモータ68は、アタッチメント本体部66のモータ収容部77に収容されている。このモータ68は、アタッチメント本体部66と同軸状に配置されている。このモータ68は、
図6に示すように、回転軸84がアタッチメント本体部66の先端部から軸方向に沿って突出し、この回転軸84の先端部に、取付体85が同軸状に取り付けられている。そして、これら回転軸84および取付体85が清掃部67の清掃部本体81内に位置するとともに、取付体85が清掃部67の清掃部本体81に取付固定されることで、モータ68の回転力が清掃部67に伝達されるように構成されている。また、このモータ68には、通気口74に対向する外周部に、第1モータ通気口87が開口されている。さらに、このモータ68には、回転軸84と反対側の端部に、第1モータ通気口87と連通するとともに風路75と連通する図示しない第2モータ通気口が開口されている。このモータ68は、通気口74から風路75へと吸い込まれる電動送風機22の吸気風(
図8)が第1モータ通気口87から内部に取り込まれて第2モータ通気口から排気され、風路75から通気口74へと排気される電動送風機22の排気風(
図9)が第2モータ通気口から内部に取り込まれて第1モータ通気口87から排気される。したがって、このモータ68は、電動送風機22の駆動により生じる気流を受けてこの気流により冷却されるように配置されている。
【0035】
アタッチメント接点部は、モータ68と電気的に接続されている。また、このアタッチメント接点部は、例えばアタッチメント本体部66に設けられている。そして、このアタッチメント接点部は、吸込側接続部15、あるいは排気側接続部16に対するアタッチメント本体部66の着脱に応じて、吸込側接点部あるいは排気側接点部と電気的および機械的に着脱されるようになっている。
【0036】
一方、
図10に示す磨き用アタッチメント48は、非電動式で、電動送風機22(
図1)の吸気風又は排気風を利用して、すなわち排気風又は吸気風を動力源として動作する機械式のものである。この磨き用アタッチメント48は、吸込側接続部15又は排気側接続部16に対して接続される他のアタッチメント本体部91と、このアタッチメント本体部91の一端部に回転可能に配置された他の清掃部92とを備えている。また、この磨き用アタッチメント48は、清掃部92を回転させるファン93を備えている。
【0037】
アタッチメント本体部91は、
図12又は
図13に示すように、吸込側接続部15、あるいは排気側接続部16に他端側が挿入されることで磨き用アタッチメント48を吸込側接続部15又は排気側接続部16に対して接続する部分である。このアタッチメント本体部91は、直管状に形成されており、他端部が他の連通口95となっている。このアタッチメント本体部91の両端間の外周部に、吸込側接続部15、あるいは排気側接続部16にアタッチメント本体部91の他端側を挿入接続した状態で吸込側接続部15の先端部、あるいは排気側接続部16の先端部と当接して位置決めする他の位置決め部である他の段部96が段差状に設けられていてもよい。また、このアタッチメント本体部91の先端側の外周部には、他の通気口98が、例えば周方向に離間されて複数開口されている。さらに、このアタッチメント本体部91の内部には、通気口98と連通し気流が通過する他の風路99が区画されている。この風路99には、磨き用アタッチメント48を吸込側接続部15に接続した状態で電動送風機22の吸気風が通過し、磨き用アタッチメント48を排気側接続部16に接続した状態で電動送風機22の排気風が通過するように構成されている。そして、この風路99の通気口98と対向する位置には、
図10に示すように、ファン93が収容されるファン収容部100が形成されている。本実施形態のファン収容部100は、拡径状に形成されている。
【0038】
清掃部92は、アタッチメント本体部91の先端部に同軸状に配置されている。この清掃部92は、他の清掃部本体104と、この清掃部本体104から突出する複数の他の清掃体部105とを一体的に備えている。そして、この清掃部92は、例えば軟質の合成樹脂などにより形成されている。
【0039】
清掃部本体104は、アタッチメント本体部91の先端部に嵌着されている。この清掃部本体104は、例えば内部が中空状に形成されている。清掃部本体104は、任意の形状としてよいが、例えば半球状又はドーム状に形成されている。また、この清掃部本体104の中央部には、回転軸107がアタッチメント本体部91に向けて突設されている。この回転軸107は、アタッチメント本体部91の先端部からファン収容部100の風路99内へと挿入され、ファン93と接続されているとともに、軸受部108を介してアタッチメント本体部91に対して回転自在に軸支されている。このため、ファン93の回転に連動して清掃部92がアタッチメント本体部91に対して周方向に回転するように構成されている。
【0040】
清掃体部105は、被掃除部と接触してこの被掃除部を磨いたり塵埃を払ったりするものである。清掃体部105は、線状、例えば細長い円柱状に形成されている。また、清掃体部105は、清掃部本体104の外部の互いに離れた位置に多数配置されている。
【0041】
ファン93は、風路99内を通過する気流によって回転駆動されるエアタービンである。すなわち、このファン93は、通気口98から風路99へと吸い込まれる電動送風機22の吸気風(
図12)により一方向に回転駆動されるとともに、風路99から通気口98へと排気される電動送風機22の排気風(
図13)により反対方向である他方向に回転駆動される。
【0042】
次に、上記一実施形態の作用を説明する。
【0043】
電気掃除機11を使用する際には、吸込側接続部15、又は、排気側接続部16にアタッチメントを接続する。
【0044】
例えば、電気掃除機11により塵埃を吸い込む掃除をしたい場合、使用者は、
図4に示すように、吸込側接続部15に集塵部45を備える集塵アタッチメント46を接続する。このとき、集塵アタッチメント46は、排気部52を吸込側接続口37に挿入することで掃除機本体13に保持され、集塵部45が電動送風機22の吸込側に連通する。また、使用者は、必要に応じて集塵アタッチメント46の吸込部51に他の風路体などのアタッチメントを接続することもできる。
【0045】
この状態で、使用者が把持部14を把持して設定ボタンの操作により電気掃除機11を起動させると、電池24から給電されている制御手段23が電池24から電動送風機22への通電量を制御することで電動送風機22を動作させる。この電動送風機22の動作により生じた負圧は、吸込側接続部15から排気部52、集塵部45、および、吸込部51に作用する。そこで、使用者は、吸込部51の先端部の吸込連通口61、あるいは吸込部51に接続されたアタッチメントを所望の被掃除部に向け、吸込部51、あるいは吸込部51に接続されたアタッチメントを介して含塵空気を吸い込む。そして、吸い込まれた含塵空気は、集塵部45において、塵埃が遠心分離されてカップ部55内に溜められ、この塵埃が分離された空気が電動送風機22へと吸い込まれる。この電動送風機22へと吸い込まれた空気は、電動送風機22を冷却して排気され、排気側接続部16の排気側接続口43から排気される。掃除が終了すると、使用者が設定ボタンを操作することで制御手段23が電動送風機22の動作を停止させる。
【0046】
集塵部45のカップ部55内に溜められた塵埃は、集塵アタッチメント46を取り外す、又は集塵部45のカップ部55を吸込部51とともに分離本体部56から取り外すことで廃棄可能となる。
【0047】
なお、例えば塵埃を廃棄した集塵部45の内部を手入れする場合には、例えばカップ部55および分離本体部56を水洗いすることなどが可能である。このとき、水洗いが終了すると、例えば
図5に示すように、使用者は集塵アタッチメント46を排気側接続部16に接続する。このとき、集塵アタッチメント46は、排気部52を排気側接続口43に挿入することで掃除機本体13に保持され、集塵部45が電動送風機22の排気側に連通する。この状態で、使用者が把持部14を把持して設定ボタンの操作により電気掃除機11を起動させると、制御手段23により動作された電動送風機22によって生じた負圧が吸込側接続部15に作用し、吸込側接続部15の先端部の吸込側接続口37から外気を吸い込む。この吸い込まれた外気は、電動送風機22に吸い込まれてこの電動送風機22の熱によって温められ、排気側接続部16の排気側接続口43から排気部52を介して集塵部45へと通過し、この集塵部45内に残留して付着した水滴を乾燥させつつ吹き飛ばして吸込部51から排出される。この結果、水洗いした集塵部45が効果的に乾燥される。集塵部45から水分を充分に除去すると、使用者が設定ボタンを操作することで制御手段23が電動送風機22の動作を停止させる。
【0048】
次に、電気掃除機11により磨き掃除をしたい場合、使用者は、磨き用アタッチメント47(
図7)、又は、磨き用アタッチメント48(
図11)を用いる。特に、より強力な磨き掃除を行いたい場合には、電動式の磨き用アタッチメント47(
図7)を用いることが好ましく、より軽量に使用し、省エネルギー化して掃除時間を長く確保したい場合には、非電動式の磨き用アタッチメント48(
図11)を用いることが好ましい。
【0049】
まず、磨き用アタッチメント47を用いる場合には、
図8に示すように、吸込側接続部15に磨き用アタッチメント47を接続する、又は、
図9に示すように、排気側接続部16に磨き用アタッチメント47を接続する。
【0050】
図8に示すように吸込側接続部15に磨き用アタッチメント47を接続する場合、この磨き用アタッチメント47は、アタッチメント本体部66を吸込側接続口37に挿入することで掃除機本体13に保持され、吸込側接点部とアタッチメント接点部とが電気的および機械的に接続されて、モータ68に電池24から給電が可能になるとともに、風路75が電動送風機22の吸込側と連通される。
【0051】
この状態で、使用者が把持部14を把持して設定ボタンの操作により電気掃除機11を起動させると、電池24から給電されている制御手段23が電池24から電動送風機22およびモータ68への通電量を制御することで電動送風機22およびモータ68を動作させる。このモータ68の動作により、回転軸84に連結されている清掃部67が回転する。そこで、使用者は、清掃体部82を被掃除部に押し当て、清掃体部82によって被清掃部を磨いたり、塵埃を払ったりする。また、電動送風機22の動作により生じた負圧は、吸込側接続部15から風路75に作用することで、この風路75と第1モータ通気口87および第2モータ通気口を介して連通する通気口74から外気が吸い込まれる。この吸い込まれた外気は、通気口74から第1モータ通気口87を介してモータ68の内部に吸い込まれ第2モータ通気口から排気されることによりモータ68を冷却した後、電動送風機22へと吸い込まれる。この電動送風機22へと吸い込まれた空気は、電動送風機22を冷却して排気され、排気側接続部16の排気側接続口43から排気される。掃除が終了すると、使用者が設定ボタンを操作することで制御手段23が電動送風機22およびモータ68の動作を停止させる。
【0052】
この場合には、電動送風機22に吸い込まれる前の、いわば冷たい空気によりモータ68を冷却できるので、モータ68又は清掃部67を効率よく動作させることができる。
【0053】
一方、
図9に示すように排気側接続部16に磨き用アタッチメント47を接続する場合、この磨き用アタッチメント47は、アタッチメント本体部66を排気側接続口43に挿入することで掃除機本体13に保持され、排気側接点部とアタッチメント接点部とが電気的および機械的に接続されて、モータ68に電池24から給電が可能になるとともに、風路75が電動送風機22の排気側と連通される。
【0054】
この状態で、使用者が把持部14を把持して設定ボタンの操作により電気掃除機11を起動させると、電池24から給電されている制御手段23が電池24から電動送風機22およびモータ68への通電量を制御することで電動送風機22およびモータ68を動作させる。このモータ68の動作により、回転軸84に連結されている清掃部67が回転する。そこで、使用者は、清掃体部82を被掃除部に押し当て、清掃体部82によって被清掃部を磨いたり、塵埃を払ったりする。また、電動送風機22の動作により生じた負圧は、吸込側接続部15に作用することで吸込側接続口37から外気が吸い込まれる。この吸い込まれた外気は、電動送風機22へと吸い込まれ、この電動送風機22を冷却して排気される。この排気された空気は、排気側接続部16の排気側接続口43から排気され、風路75から第2モータ通気口を介してモータ68の内部に吸い込まれ第1モータ通気口87から排気されることによりモータ68を冷却した後、通気口74から排気される。掃除が終了すると、使用者が設定ボタンを操作することで制御手段23が電動送風機22およびモータ68の動作を停止させる。
【0055】
この場合には、磨き用アタッチメント47の通気口74から風が吹き出しているので、例えば水回りなど、電動送風機22やモータ68に吸い込むことが好ましくない水分などがある被掃除部を掃除する際に好適である。
【0056】
さらに、磨き用アタッチメント48を用いる場合にも、同様に、
図12に示すように、吸込側接続部15に磨き用アタッチメント48を接続する、又は、
図13に示すように、排気側接続部16に磨き用アタッチメント48を接続する。
【0057】
図12に示すように吸込側接続部15に磨き用アタッチメント48を接続する場合、この磨き用アタッチメント48は、アタッチメント本体部91を吸込側接続口37に挿入することで掃除機本体13に保持され、風路99が電動送風機22の吸込側と連通される。
【0058】
この状態で、使用者が把持部14を把持して設定ボタンの操作により電気掃除機11を起動させると、電池24から給電されている制御手段23が電池24から電動送風機22への通電量を制御することで電動送風機22を動作させる。電動送風機22の動作により生じた負圧は、吸込側接続部15から風路99に作用することで、この風路99と連通する通気口98から外気が風路99へと吸い込まれる。そして、この吸い込まれた外気がファン93の外周に吹き付けられることでファン93が回転し、このファン93の回転により、回転軸107を介してファン93と連結されている清掃部92が回転する。そこで、使用者は、清掃体部105を被掃除部に押し当て、清掃体部105によって被清掃部を磨いたり、塵埃を払ったりする。なお、風路99へと吸い込まれた空気は、電動送風機22へと吸い込まれ、電動送風機22を冷却して排気された後、排気側接続部16の排気側接続口43から排気される。掃除が終了すると、使用者が設定ボタンを操作することで制御手段23が電動送風機22の動作を停止させる。
【0059】
この場合には、電動送風機22の吸気風を利用してファン93を回転させるので、このファン93を介して清掃部92をより強力に動作させることができる。
【0060】
一方、
図13に示すように排気側接続部16に磨き用アタッチメント48を接続する場合、この磨き用アタッチメント48は、アタッチメント本体部91を排気側接続口43に挿入することで掃除機本体13に保持され、風路99が電動送風機22の排気側と連通される。
【0061】
この状態で、使用者が把持部14を把持して設定ボタンの操作により電気掃除機11を起動させると、電池24から給電されている制御手段23が電池24から電動送風機22への通電量を制御することで電動送風機22を動作させる。この電動送風機22の動作により生じた負圧は、吸込側接続部15に作用することで吸込側接続口37から外気が吸い込まれる。この吸い込まれた外気は、電動送風機22へと吸い込まれ、この電動送風機22を冷却して排気される。この排気された空気は、排気側接続部16の排気側接続口43から排気され、風路99からファン93へと吹き付けられることでファン93が回転し、このファン93の回転により、回転軸107を介してファン93と連結されている清掃部92が回転する。そこで、使用者は、清掃体部105を被掃除部に押し当て、清掃体部105によって被清掃部を磨いたいり、塵埃を払ったりする。ファン93を回転させた空気は、通気口98から排気される。掃除が終了すると、使用者が設定ボタンを操作することで制御手段23が電動送風機22の動作を停止させる。
【0062】
この場合には、磨き用アタッチメント48の通気口98から風が吹き出しているので例えば水回りなど、電動送風機22に吸い込むことが好ましくない水分などがある被掃除部を掃除する際に好適である。
【0063】
また、図示しないが、電気掃除機11により塵埃を吹き飛ばす掃除をしたい場合、つまり電気掃除機11をブロワとして用いたい場合、使用者は、排気側接続部16に清掃用アタッチメントとして延長管やノズルなどの風路体を接続する。
【0064】
この状態で、使用者が把持部14を把持して設定ボタンの操作により電気掃除機11を起動させると、制御手段23により動作された電動送風機22によって生じた負圧が吸込側接続部15に作用し、吸込側接続部15の先端部の吸込側接続口37から外気を吸い込む。この吸い込まれた外気は、電動送風機22に吸い込まれてこの電動送風機22を冷却して排気され、排気側接続部16の排気側接続口43から風路体を介して排気される。そこで、使用者は、この風路体の先端部を被掃除部に向け、電動送風機22からの排気によって塵埃を吹き飛ばす。掃除が終了すると、使用者が設定ボタンを操作することで制御手段23が電動送風機22の動作を停止させる。
【0065】
以上説明した一実施形態によれば、電動送風機22の吸込側と連通する吸込側接続部15に対して、集塵部45と、集塵部を有さない磨き用アタッチメント47又は磨き用アタッチメント48などとを選択的に接続できることで、塵埃を吸い込む掃除をしたいときには集塵部45を吸込側接続部15に接続し、その他の磨き掃除などをしたい場合には、磨き用アタッチメント47又は磨き用アタッチメント48などの清掃用アタッチメントを吸込側接続部15に接続して掃除できる。この結果、集塵部45を用いない掃除の際には、集塵部45を取り外して使用でき、電気掃除機11を軽量化しつつ、より多様な掃除形態に対応できる。
【0066】
同様に、電動送風機22の排気側と連通する排気側接続部16に対して、集塵部45と、集塵部を有さない磨き用アタッチメント47又は磨き用アタッチメント48などとを選択的に接続できることで、例えば集塵部45の手入れをしたいときなどには集塵部45を排気側接続部16に接続し、電動送風機22の排気を利用して掃除をしたいときなどには、磨き用アタッチメント47又は磨き用アタッチメント48などの清掃用アタッチメントを排気側接続部16に接続して掃除できる。この結果、電動送風機22の排気を利用した掃除なども可能となり、より多様な掃除形態に対応できる。
【0067】
また、吸込側接続部15を電動送風機22の一端側に配置し、排気側接続部16および制御手段23を電動送風機22の他端側に配置し、把持部14を電動送風機22の上方に配置し、電池24を電動送風機22の下方に配置することで、これら電動送風機22、制御手段23および電池24を省スペースで効率よく配置でき、電気掃除機11を小型化できるとともに、把持部14の下方に重量物となる電動送風機22および電池24を配置しているので、重心バランスが良好で、把持部14を把持している使用者の手への負荷を軽減できる。
【0068】
把持部14を前後方向に対称形状のアーチ状に形成することで、吸込側接続部15に集塵部45又は集塵アタッチメント46や磨き用アタッチメント47,48を接続して使用する場合と、排気側接続部16に吸込側接続部15に集塵部45又は集塵アタッチメント46や磨き用アタッチメント47,48を接続して使用する場合とで、把持部14の持ち易さが変わりにくく、操作性が良好になる。
【0069】
また、磨き用アタッチメント47が、吸込側接続部15への接続により吸込側接点部を介して電池24から給電を受けて駆動されるモータ68を備え、このモータ68を電動送風機22の駆動により生じる気流を受ける位置に配置することで、電動送風機22の駆動による気流を利用してモータ68を効率よく冷却しつつ、モータ68の回転力を利用して清掃用の部材などを駆動させることができ、より多様な掃除形態に効率的に対応できる。
【0070】
一方、磨き用アタッチメント48が、吸込側接続部15への接続により電動送風機22の駆動によって生じる気流が通過する風路99を備え、この風路99内に、通過する気流によって回転駆動されるファン93を配置することで、電力を用いることなく軽量なファン93の回転力を利用して清掃用の部材などを駆動させることができ、電池24の消費を抑制して省エネルギー化し、かつ、軽量化および小型化を可能としつつ、より多様な掃除形態に効率的に対応できる。特に、電源部として電池24を用いる場合には、省エネルギー化することで、電池24の電力を電動送風機22の動作に大きく割り当てることができ、電気掃除機11の動作時間を効果的に確保できる。
【0071】
風路99が、磨き用アタッチメント48の吸込側接続部15への接続により電動送風機22の吸込側と連通されることで、塵埃を吸い込みながらの掃除が可能になるとともに、強力な吸気風を利用して、ファン93を効率よく駆動させることができる。
【0072】
風路99が、磨き用アタッチメント48の排気側接続部16への接続により電動送風機22の排気側と連通されることで、電動送風機22に吸い込ませたくない水分などがある被掃除部に対しても信頼性を確保しつつ電気掃除機11を使用できる。
【0073】
集塵部45は、吸い込んだ空気に含まれる塵埃を遠心分離するサイクロン分離装置であり、水洗い可能であるものの、内部の構造が複雑であるため、水洗い後に単に置いておいても付着した水分を除去しにくい。本実施形態では、集塵部45を排気側接続部16に接続した状態で電動送風機22を駆動させることで、水洗いで付着した水分を集塵部45の内部のカップ部55や各開口などの所定位置に集めることができ、集まった水分を容易に捨てたり拭き取ったりすることが可能になる。したがって、集塵部45をより簡便に手入れできる。
【0074】
なお、上記一実施形態において、集塵部45は、粗塵および細塵を同時に遠心分離する1段のサイクロン分離装置でもよいし、3段以上の多段に設けられたサイクロン分離装置でもよい。
【0075】
また、集塵部45は、サイクロン分離装置だけでなく、例えばフィルタを用い空気に含まれる塵埃を濾過分離する濾過分離装置などでもよい。
【0076】
さらに、アタッチメントとしては、集塵アタッチメント46や磨き用アタッチメント47,48などの構成に限らず、電動送風機22の排気風を利用してブロワとして利用するノズルやホース体などの風路体、電動送風機22の吸気風あるいは排気風を利用して磨き掃除や拭き掃除、あるいは叩き掃除などの掃除動作をするものや、電動送風機22の吸気風や排気風を駆動部の冷却などに用いるものなどが任意に構成できる。
【0077】
また、電源部は、電池24の他に、例えば商用交流電源などの外部電源から電力を受ける電源コードを備えたコードリール装置などの有線式の電源部を用いることもできる。
【0078】
そして、電気掃除機11は、少なくとも吸込側接続部15を備えていれば、排気側接続部16を備えない構成としてもよい。すなわち、電動送風機22の排気は、単に排出口から本体ケース21の外部へと排気されるように構成することもできる。
【0079】
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲をこの実施形態に限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
11 電気掃除機
13 掃除機本体
14 把持部
15 接続部である吸込側接続部
16 排気側接続部
22 電動送風機
23 制御手段
24 電源部としての電池
45 集塵部
47,48 清掃用アタッチメントである磨き用アタッチメント
68 駆動部としてのモータ
93 ファン
99 風路