(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】ロールスクリーン
(51)【国際特許分類】
E06B 9/58 20060101AFI20221130BHJP
E06B 9/11 20060101ALI20221130BHJP
E06B 9/17 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
E06B9/58 A
E06B9/11 A
E06B9/17 T
E06B9/17 Z
(21)【出願番号】P 2019076101
(22)【出願日】2019-04-12
【審査請求日】2022-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085372
【氏名又は名称】須田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100129229
【氏名又は名称】村澤 彰
(72)【発明者】
【氏名】椎名 宣博
【審査官】素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-077796(JP,A)
【文献】特開2012-219471(JP,A)
【文献】特開2007-146482(JP,A)
【文献】特開2003-013680(JP,A)
【文献】特開2005-264440(JP,A)
【文献】特開平10-212878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00 - 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠の上縁に沿って設けられたヘッドボックス内に回転可能に取付けられた巻取ドラムと、この巻取ドラムに繰出し可能に巻取られ下端にボトムバーが取付けられたスクリーン本体と、前記窓枠の両側縁に沿って設けられた第1及び第2ガイドフレームと、前記第1及び第2ガイドフレーム内に長手方向に延びてそれぞれ遊挿され前記スクリーン本体の両側縁を摺動可能に保持する第1及び第2インナレールとを備えたロールスクリーンにおいて、
前記第1及び第2インナレールがプラスチックにより弾性変形可能にそれぞれ形成され、
前記第1インナレールと前記第1ガイドフレームとの間に介装されかつ前記第1インナレールにその長手方向に間隔をあけて取付けられた複数の第1側面弾性部材により前記スクリーン本体の幅方向の過度の張力が緩和されるように構成され、
前記第2インナレールと前記第2ガイドフレームとの間に介装されかつ前記第2インナレールにその長手方向に間隔をあけて取付けられた複数の第2側面弾性部材により前記スクリーン本体の幅方向の過度の張力が緩和されるように構成され、
前記複数の第1側面弾性部材と前記複数の第2側面弾性部材とが前記第1及び第2インナレールの長手方向に非対称に位置するように千鳥状に配置された
ことを特徴とするロールスクリーン。
【請求項2】
前記第1及び第2側面弾性部材が、弾性変形可能なゴム製のブロック、弾性変形可能なプラスチック製のブロック、捩りコイルばね、板ばね、圧縮コイルばね又は引張コイルばねである請求項1記載のロールスクリーン。
【請求項3】
前記第1インナレールの背面と前記第1ガイドフレームの内底面との間に位置する第1背面弾性部材が前記第1インナレールの背面に取付けられ、前記第2インナレールの背面と前記第2ガイドフレームの内底面との間に位置する第2背面弾性部材が前記第2インナレールの背面に取付けられた請求項1記載のロールスクリーン。
【請求項4】
前記第1及び第2背面弾性部材が、弾性変形可能なゴム製の板若しくはブロック、弾性変形可能なプラスチック製の板若しくはブロック、捩りコイルばね、板ばね、圧縮コイルばね又は引張コイルばねである請求項3記載のロールスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドボックス内に回転可能に取付けられた巻取ドラムにスクリーン本体が繰出し可能に巻取られ、窓枠の両側縁に沿って設けられた第1及び第2ガイドフレーム内に長手方向に延びてそれぞれ遊挿された第1及び第2インナレールがスクリーン本体の両側縁を摺動可能に保持するロールスクリーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、巻取軸に巻付けられこの巻取軸の回転操作により開閉可能なスクリーンと、このスクリーンの先端に取付けられたアルミニウム製のボトムバーと、スクリーンの開閉時にスクリーン及びボトムバーの側端部を摺動可能に案内するガイドレールとを備えたロールスクリーン装置が開示されている(例えば、特許文献1(請求項1、段落[0011]、[0017]、
図3)参照。)。このロールスクリーン装置では、ガイドレールが、ボトムバーの端部が嵌合する案内溝が長さ方向に形成されたメインレールと、このメインレール内にスクリーンの端部が抜止状態に係合するスリット付きのインナレールとを有する。また、メインレールのアルミニウムからなる断面溝形のレール主体における両側壁の先端部に合成樹脂製の一対の案内部材がそれぞれ装着され、これらの案内部材間に上記案内溝が設けられる。更に、インナレールは合成樹脂により形成され、インナレールとメインレールとの間にインナレールをスクリーンの幅方向の張力が高まる方向に付勢するバネやゴム、スポンジ状部材等からなる弾性部材が介装される。
【0003】
このように構成されたロールスクリーン装置では、メインレールの案内溝を、アルミニウム製のレール主体に装着した合成樹脂製の案内部材間に形成し、スクリーンの開閉時にアルミニウム製のボトムバーが合成樹脂製の案内部材と摺動するように構成したので、開閉に伴う摺動音をなくすとともに摺動抵抗を小さくし、開閉操作を円滑かつ静かに行うことができるようになっている。
【0004】
一方、スクリーンを巻着した巻取軸を回転駆動することによりスクリーンが昇降可能に構成され、スクリーンの両側縁が一対のガイドレールにより案内され、ガイドレール内にスクリーンを幅方向に緊張しながらガイドレールの開口幅を調整可能な調整装置が設けられたロールブラインドのスクリーン案内装置が開示されている(例えば、特許文献2(請求項1~3、[0019]、[0024]、[0028]、
図1~
図5)参照。)。このロールブラインドのスクリーン案内装置では、調整装置が、スクリーンの側縁を支持するインナレールと、ガイドレール内においてインナレールをスクリーンを緊張する方向に付勢するスプリングとからなる。上記スプリングは、コイルスプリングで構成され、コイルスプリングは、中間部をインナレールに係合させ、両端部をガイドレールに係止した捩じりコイルスプリングにより構成される。具体的には、インナレールに、捩じりコイルスプリングで構成されるクッションバネが取着され、このクッションバネは左右のガイドレール内において線対称に配設される。
【0005】
このように構成されたローラブラインドのスクリーン案内装置では、ガイドレール間の開口寸法の調整範囲を十分に確保しながら、スクリーンを十分に緊張させることができ、かつ容易に組立てることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開平05-84798号公報
【文献】特開2003-13680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来の特許文献1に示されたロールスクリーン装置や、上記従来の特許文献2に示されたロールブラインドのスクリーン案内装置では、ゴムや捩りコイルばねを左右一対のインナレールに線対称に配置した状態で、スクリーンにその幅方向に張力を作用させることにより、スクリーンのインナレールからの外れを防止しかつスクリーンの弛みを防止しているため、スクリーンに過度の張力が作用する場合があり、この場合スクリーンを下降し難くなる不具合があった。この点を解消するために、スクリーン下端のボトムバーの重量を増加させる方法が考えられる。しかし、この方法では、重量の増加したボトムバーがスクリーンとともに意図せずに下降するおそれがある。このため、ボトムバーの重量を増加をさせずに、スクリーンの幅方向に作用する張力を低下させると、ガイドフレーム内でのインナレールの遊びが増すため、ロールスクリーン装置等を例えば車両に取付けると、車両の振動により異音が発生する問題点もあった。
【0008】
本発明の第1の目的は、第1及び第2側面弾性部材を第1及び第2インナレールに千鳥状に配置することにより、スクリーン本体の幅方向に作用する張力を抑制してスクリーン本体を容易に昇降操作できる、ロールスクリーンを提供することにある。本発明の第2の目的は、第1及び第2インナレールの第1及び第2ガイドフレーム内での振動による異音の発生を防止できる、ロールスクリーンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点は、
図1~
図3及び
図6に示すように、窓枠11の上縁に沿って設けられたヘッドボックス12内に回転可能に取付けられ下端にボトムバー18が取付けられた巻取ドラム13と、この巻取ドラム13に繰出し可能に巻取られるスクリーン本体14と、窓枠11の両側縁に沿って設けられた第1及び第2ガイドフレーム21,22と、第1及び第2ガイドフレーム21,22内に長手方向に延びてそれぞれ遊挿されスクリーン本体14の両側縁を摺動可能に保持する第1及び第2インナレール31,32とを備えたロールスクリーン10において、第1及び第2インナレール31,32がプラスチックにより弾性変形可能にそれぞれ形成され、第1インナレール31と第1ガイドフレーム21との間に介装されかつ第1インナレール31にその長手方向に間隔をあけて取付けられた複数の第1側面弾性部材61によりスクリーン本体14の幅方向の過度の張力が緩和されるように構成され、第2インナレール32と第2ガイドフレーム22との間に介装されかつ第2インナレール32にその長手方向に間隔をあけて取付けられた複数の第2側面弾性部材62によりスクリーン本体14の幅方向の過度の張力が緩和されるように構成され、複数の第1側面弾性部材61と複数の第2側面弾性部材62とが第1及び第2インナレール31,32の長手方向に非対称に位置するように千鳥状に配置されたことを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に
図1~
図3に示すように、第1及び第2側面弾性部材61,62が、弾性変形可能なゴム製のブロック、弾性変形可能なプラスチック製のブロック、捩りコイルばね、板ばね、圧縮コイルばね又は引張コイルばねであることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に
図1~
図5に示すように、第1インナレール31の背面と第1ガイドフレーム21の内底面との間に位置する第1背面弾性部材71が第1インナレール31の背面に取付けられ、第2インナレール32の背面と第2ガイドフレーム22の内底面との間に位置する第2背面弾性部材72が第2インナレール32の背面に取付けられたことを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の観点は、第3の観点に基づく発明であって、更に
図1~
図5に示すように、第1及び第2背面弾性部材71,72が、弾性変形可能なゴム製の板若しくはブロック、弾性変形可能なプラスチック製の板若しくはブロック、捩りコイルばね、板ばね、圧縮コイルばね又は引張コイルばねであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の観点のロールスクリーンでは、第1及び第2インナレールをプラスチックにより弾性変形可能にそれぞれ形成し、一対の第1側面弾性部材と一対の第2側面弾性部材とを第1及び第2インナレールの長手方向に非対称に位置するように千鳥状に配置したので、第1及び第2ガイドフレーム内の第1及び第2インナレールがスクリーン本体の幅方向に左右非対称的に弾性変形し、第1及び第2側面弾性部材が弾性変形(圧縮変形)する。これにより第1及び第2インナレールによるスクリーン本体の両側縁の幅方向への張力と弛みを左右交互に発生させることかできる。この結果、スクリーン本体の幅方向の線対称位置での両側縁への過度の張力が発生するのを抑えることができるため、ボトムバーの重量を増大しなくても、スクリーン本体をスムーズに下降操作できる。従って、スクリーン本体の幅方向に作用する張力を抑制でき、スクリーン本体を容易に昇降操作できる。
【0014】
本発明の第3の観点のロールスクリーンでは、第1インナレールの背面と第1ガイドフレームの内底面との間に位置する第1背面弾性部材を第1インナレールの背面に取付け、第2インナレールの背面と第2ガイドフレームの内底面との間に位置する第2背面弾性部材を第2インナレールの背面に取付けたので、即ち第1及び第2ガイドフレーム内での第1及び第2インナレールの遊びを抑えるように第1及び第2背面弾性部材を配置したので、ロールスクリーンを例えば車両の窓枠に設置したときに、第1及び第2ガイドフレーム内で第1及び第2インナレールにスクリーン本体の幅方向への張力が作用していないか或いは僅かに作用している状態で車両が振動しても、第1及び第2インナレールが第1及び第2ガイドフレーム内でのガタツキを第1及び第2背面弾性部材が抑制する。この結果、第1及び第2インナレールの第1及び第2ガイドフレーム内での振動による異音の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明第1実施形態のロールスクリーンの一対の第1側面弾性部材と一対の第2側面弾性部材とが第1及び第2インナレールに千鳥状に配置された状態を示す正面図である。
【
図6】そのロールスクリーンを窓枠に取付けた状態を示す要部破断正面図である。
【
図7】本発明第2実施形態のロールスクリーンの
図2に対応する断面図である。
【
図8】そのロールスクリーンの
図3に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
<第1の実施の形態>
図6に示すように、ロールスクリーン10は、窓枠11の上縁に沿って設けられたヘッドボックス12内に回転可能に取付けられた巻取ドラム13と、この巻取ドラム13に繰出し可能に巻取られるスクリーン本体14と、窓枠11の両側縁に沿って設けられた第1及び第2ガイドフレーム21,22と、第1及び第2ガイドフレーム21,22内に長手方向に延びてそれぞれ遊挿されスクリーン本体14の両側縁を摺動可能に保持する第1及び第2インナレール31,32とを備える。上記ヘッドボックス12は窓枠11の上枠部11a下面に水平方向に延びてブラケット16により取付けられ、巻取ドラム13はヘッドボックス12に収容された状態でその両端がヘッドボックス12の両側壁12a,12aに回転可能に取付けられる。また、巻取ドラム13内にはスクリーン本体14を巻取ドラム13に巻取る方向に付勢する捩りコイルばね17が設けられ、スクリーン本体14の下端にはボトムバー18が取付けられる。ここで、スクリーン本体14の巻取ドラム13からの繰出し時における巻取ドラム13の回転は、捩りコイルばね17の弾性力(トルク)に抗するけれどもスクリーン本体14及びボトムバー18の自重により支援され、スクリーン本体14の巻取ドラム13への巻取り時における巻取ドラム13の回転が、捩りコイルばね17に蓄えられた弾性エネルギの放出で発生する弾性力(トルク)により支援されるように構成される。これによりスクリーン本体14を巻取ドラム13から繰出すときの操作力と、スクリーン本体14を巻取ドラム13に巻取るときの操作力とが軽減されるように構成される。
【0018】
第1及び第2ガイドフレーム21,22は、アルミ合金、鋼板等により同形同大に形成される(
図2及び
図3)。また、第1ガイドフレーム21は窓枠11の左枠部11bの内面に取付けられ、第2ガイドフレーム22は窓枠11の右枠部11cの内面に取付けられる(
図2)。第1ガイドフレーム21は、左枠部11bの内面に取付けられる単一の第1アウタ底壁21aと、この第1アウタ底壁21aの両側縁に左枠部11bから離れる方向に立設された一対の第1アウタ側壁21b,21bとを有する(
図2)。また、一対の第1アウタ側壁21b,21bの互いに対向する内面には、第1アウタ側壁21b,21bの高さ方向の略中央に略アングル状に屈曲する一対の第1カバー部21c,21cが突設される。上記第1アウタ底壁21a、第1アウタ側壁21b及び第1カバー部21cはプラスチックにより一体的に形成される(
図3)。一方、第2ガイドフレーム22は、右枠部11cの内面に取付けられる単一の第2アウタ底壁22aと、この第2アウタ底壁22aの両側縁に右枠部11cから離れる方向に立設された一対の第2アウタ側壁22b,22bとを有する(
図3)。また、一対の第2アウタ側壁22b,22bの互いに対向する内面には、第2アウタ側壁22b,22bの高さ方向の略中央に略アングル状に屈曲する一対の第2カバー部22c,22cが突設される。上記第2アウタ底壁22a、第2アウタ側壁22b及び第2カバー部22cはプラスチックにより一体的に形成される。
【0019】
第1及び第2インナレール31,32は、硬質プラスチック、例えば硬質ポリ塩化ビニール、ポリカーボネート、ABS等により同形同大に形成されるとともに(
図2及び
図3)、第1及び第2ガイドフレーム21,22内でスクリーン本体14の幅方向に弾性変形可能に構成される。また、第1インナレール31は第1ガイドフレーム21内に遊挿され、第2インナレール32は第2ガイドフレーム32内に遊挿される。第1インナレール31は、第1アウタ底壁21aに対向して設けられた単一の第1インナ底壁31aと、第1インナ底壁31aに第1アウタ底壁21aとは反対側にかつ第1インナ底壁31aの幅方向に間隔をあけて突設された略アングル状の一対の第1突片31b,31bとを有する(
図2)。また、単一の第1インナ底壁31aと一対の第1突片31b,31bとにより、後述の第1ファスナ41の第1チェーン部42が摺動可能に収容される第1角孔部31cと、第1ファスナ41の第1テープ部43の第1帯布部43bが摺動可能に挿通される第1溝部31dとが形成される。一方、第2インナレール32は、第2アウタ底壁22aに対向して設けられた単一の第2インナ底壁32aと、第2インナ底壁32aに第2アウタ底壁22aとは反対側にかつ第2インナ底壁32aの幅方向に間隔をあけて突設された略アングル状の一対の第2突片32b,32bとを有する(
図3)。また、単一の第2インナ底壁32aと一対の第2突片32b,32bとにより、後述の第2ファスナ52の第2チェーン部53が摺動可能に収容される第2角孔部32cと、第2ファスナ52の第2テープ部54の第2帯布部54bが摺動可能に挿通される第2溝部32dとが形成される。
【0020】
スクリーン本体14の左側縁には第1ファスナ41が縫製され、スクリーン本体14の右側縁には第2ファスナ52が縫製される(
図2~
図5)。第1及び第2ファスナ41,52は同形同大に形成される。第1ファスナ41は、複数の第1駒42aを長手方向に配列することにより形成された第1チェーン部42と、複数の第1駒42aを保持する第1テープ部43とを有する(
図2及び
図4)。複数の第1駒42aには、これらの第1駒42aに連通する第1円形凹条42bが形成され、第1テープ43には、第1円形凹条42bに挿通される第1円形凸条43aと、この第1円形凸条43aと一体的に設けられた第1帯布部43bとが形成される。一方、第2ファスナ52は、複数の第2駒53aを長手方向に配列することにより形成された第2チェーン部53と、複数の第2駒53aを保持する第2テープ部54とを有する(
図3及び
図5)。複数の第2駒53aには、これらの第2駒53aに連通する第2円形凹条53bが形成され、第2テープ54には、第2円形凹条53bに挿通される第2円形凸条54aと、この第2円形凸条54aと一体的に設けられた第2帯布部54bとが形成される。
【0021】
第1インナレール31と第1ガイドフレーム21との間に介装されかつ第1インナレール31にその長手方向に間隔をあけて取付けられた複数の第1側面弾性部材61によりスクリーン本体14の幅方向の過度の張力が緩和されるように構成される(
図1、
図2及び
図4)。具体的には、第1インナレール31の第1インナ底壁31aのうち一対の第1突片31b,31bに隣接する一対の第1隣接面31e,31eと、第1ガイドフレーム21の一対の第1カバー部21c,21cとの間に、一対の第1側面弾性部材61,61がそれぞれ介装される(
図2)。これらの第1側面弾性部材61,61は、この実施の形態では、弾性変形可能なゴム製のブロックであり、第1インナレール31の第1インナ底壁31aの一対の第1隣接面31e,31eに両面粘着テープ又は接着剤によりそれぞれ取付けられる。また、一対の第1側面弾性部材61,61を一組として、第1インナレール31にその長手方向に間隔をあけて複数組の第1側面弾性部材61が取付けられる。そして、第1側面弾性部材61が弾性変形(圧縮変形)することにより、スクリーン本体14の幅方向の過度の張力が緩和されるようになっている。
【0022】
第2インナレール32と第2ガイドフレーム22との間に介装されかつ第2インナレール32にその長手方向に間隔をあけて取付けられた複数の第2側面弾性部材62によりスクリーン本体14の幅方向の過度の張力が緩和されるように構成される(
図1、
図3及び
図5)。具体的には、第2インナレール32の第2インナ底壁32aのうち一対の第2突片32b,32bに隣接する一対の第2隣接面32e,32eと、第2ガイドフレーム22の一対の第2カバー部22c,22cとの間に、一対の第2側面弾性部材62,62がそれぞれ介装される(
図3)。これらの第2側面弾性部材62,62は、この実施の形態では、弾性変形可能なゴム製のブロックであり、第2インナレール32の第2インナ底壁32aの一対の第2隣接面32e,32eに両面粘着テープ又は接着剤によりそれぞれ取付けられる。また、一対の第2側面弾性部材62,62を一組として、第2インナレール32にその長手方向に間隔をあけて複数組の第2側面弾性部材62が取付けられる。そして、第2側面弾性部材62が弾性変形(圧縮変形)することにより、スクリーン本体14の幅方向の過度の張力が緩和されるようになっている。
【0023】
複数組の第1側面弾性部材61と複数組の第2側面弾性部材62とは、
図1に示すように、第1及び第2インナレール31,32の長手方向に左右非対称に位置するように千鳥状に配置される。具体的には、第2インナレール32の上端に最上段の一対の第2側面弾性部材62,62が取付けられ、第1インナレール31の上端から所定の距離(例えば、L/2)だけ下方に最上段の一対の第1側面弾性部材61,61が取付けられる。そして、第2インナレール32には、最上段の一対の第2側面弾性部材62,62から所定の間隔(例えば、L)をあけて上から2番目の一対の第2側面弾性部材62,62が取付けられ、以降所定の間隔(例えば、L)をあけて一対の第2側面弾性部材62,62が順次取付けられる。また、第1インナレール31には、最上段の一対の第1側面弾性部材61,61から所定の間隔(例えば、L)をあけて上から2番目の一対の第1側面弾性部材61,61が取付けられ、以降所定の間隔(例えば、L)をあけて一対の第1側面弾性部材61,61が順次取付けられる。但し、最下段の一対の第1側面弾性部材61,61と最下段の一対の第2側面弾性部材62,62とは、左右対称に互いに対向するように配置される。これは、仮に第2インナーレール32の最下端部に第2側面弾性部材62,62を設けずに第1側面弾性部材に対して左右非対称に配置すると、スクリーン本体14を窓枠11の上部まで巻取ったときに、第2側面弾性部材62,62を設けていない第2インナーレール32の最下端部が第2ガイドフレーム22内で遊びを生じて、このロールスクリーン装置を車両に取付けた場合、車両の振動により異音が発生するので、第2インナーレール32の最下端部に第2側面弾性部材62,62を設けて、この異音を防止するためである。これに対して、第1インナーレール31の最上端部に第1側面弾性部材61,61を設けずに第2側面弾性部材に対して左右非対称に配置しても、スクリーン本体14を窓枠11の上部まで巻取ったときに、第1インナーレール31内には、スクリーン本体14に縫製された第1ファスナ41が残った状態になるため、第1ガイドフレーム21内での遊びが防止され異音が発生しない。このため第1インナーレール31の最上端部に第1側面弾性部材61,61を設けて第2側面弾性部材に対して左右対称にする必要がない。
【0024】
第1インナレール31の背面と第1ガイドフレーム21の内底面との間に位置する第1背面弾性部材71が第1インナレール31の背面に取付けられる(
図1、
図2及び
図4)。具体的には、第1インナレール31の第1インナ底壁31aと第1ガイドフレーム21の第1アウタ底壁21aとの間に第1背面弾性部材71が介装される。第1背面弾性部材71は、この実施の形態では、弾性変形可能な2枚のゴム製の板であり、第1インナレール31の第1インナ底壁31aに両面粘着テープ又は接着剤により取付けられる(
図2及び
図4)。なお、上記2枚のゴム製の板は、これらの板の一部が重なった状態で第1インナ底壁31aに取付けられる。また、この実施の形態では、第1背面弾性部材61は、2枚のゴム製の板を一組として、複数組の第1側面弾性部材61にそれぞれ対向して複数組設けられる。
【0025】
第2インナレール32の背面と第2ガイドフレーム22の内底面との間に位置する第2背面弾性部材72が第2インナレール32の背面に取付けられる(
図1、
図3及び
図5)。具体的には、第2インナレール32の第2インナ底壁32aと第2ガイドフレーム22の第2アウタ底壁22aとの間に第2背面弾性部材72が介装される。第2背面弾性部材72は、この実施の形態では、弾性変形可能な2枚のゴム製の板であり、第2インナレール32の第2インナ底壁32aに両面粘着テープ又は接着剤により取付けられる(
図3及び
図5)。なお、上記2枚のゴム製の板は、これらの板の一部が重なった状態で第2インナ底壁32aに取付けられる。また、この実施の形態では、第2背面弾性部材72は、2枚のゴム製の板を一組として、複数組の第2側面弾性部材62にそれぞれ対向して複数組設けられる。
【0026】
このように構成されたロールスクリーン10の動作を説明する。スクリーン本体14下端のボトムバー18を把持して、スクリーン本体14を引下げると、スクリーン本体14が巻取ドラム13から繰出される。そして、スクリーン本体14の左側縁に補正された第1ファスナ41の第1チェーン部42は第1インナレール31の第1角孔部31c内を摺動し、スクリーン本体14の右側縁に補正された第2ファスナ52の第2チェーン部53は第2インナレール32の第2角孔部32c内を摺動する。このとき、第1及び第2インナレール31,32がプラスチックにより弾性変形可能にそれぞれ形成され、一対の第1側面弾性部材61,61と一対の第2側面弾性部材62,62とを第1及び第2インナレール31,32の長手方向に非対称に位置するように千鳥状に配置したので、第1及び第2ガイドフレーム21,22内の第1及び第2インナレール31,32がスクリーン本体14の幅方向に左右非対称的に弾性変形し、第1及び第2側面弾性部材61,62が弾性変形(圧縮変形)する。これにより第1及び第2インナレール31,32によるスクリーン本体14の両側縁の幅方向への張力と弛みを左右交互に発生させることかできる。この結果、スクリーン本体14の幅方向の線対称位置での両側縁への過度の張力が発生するのを抑えることができるため、ボトムバー18の重量を増大しなくても、スクリーン本体14をスムーズに下降操作できる。従って、スクリーン本体14の幅方向に作用する張力を抑制でき、スクリーン本体14を容易に昇降操作できる。
【0027】
また、第1インナレール31の背面と第1ガイドフレーム21の内底面との間に位置する第1背面弾性部材71が第1インナレール31の背面に取付けられ、第2インナレール32の背面と第2ガイドフレーム22の内底面との間に位置する第2背面弾性部材72が第2インナレール32の背面に取付けられているので、即ち第1及び第2ガイドフレーム21,22内での第1及び第2インナレール31,32の遊びを抑えるように第1及び第2背面弾性部材71,72が配置されているので、ロールスクリーン10を例えば車両の窓枠11に設置したときに、第1及び第2ガイドフレーム21,22内で第1及び第2インナレール31,32にスクリーン本体14の幅方向への張力が作用していないか或いは僅かに作用している状態で車両が振動しても、第1及び第2インナレール31,32が第1及び第2ガイドフレーム21,22内でのガタツキを第1及び第2背面弾性部材71,72が抑制する。この結果、第1及び第2インナレール31,32の第1及び第2ガイドフレーム21,22内での振動による異音の発生を防止できる。
【0028】
<第2の実施の形態>
図7及び
図8は本発明の第2の実施の形態を示す。
図7及び
図8において
図2及び
図3と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、第1背面弾性部材91が軟質プラスチック、例えば軟質ポリ塩化ビニール等により弾性変形可能に形成され互いに近付く方向に湾曲する一対の湾曲板であり、第2背面弾性部材92が軟質プラスチック、例えば軟質ポリ塩化ビニール等により弾性変形可能に形成され互いに近付く方向に湾曲する一対の湾曲板である。第1背面弾性部材91の一対の湾曲板は、第1インナレール31の全長にわたって、第1インナ底壁31aに溶着されるか、或いは第1インナレール31と一体成形される(
図7)。また、第2背面弾性部材92の一対の湾曲板は、第2インナレール32の全長にわたって、第2インナ底壁32aに溶着されるか、或いは第2インナレール32と一体成形される(
図8)。また、第1インナレール31の一対の第1突片31b,31bの外側面には、軟質プラスチック、例えば軟質ポリ塩化ビニール等により形成された第1吸音部材101,101が溶着され、第2インナレール32の一対の第2突片32b,32bの外側面には、軟質プラスチック、例えば軟質ポリ塩化ビニール等により形成された第2吸音部材102,102が溶着される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0029】
このように構成されたロールスクリーンでは、第1及び第2背面弾性部材91,92を第1及び第2インナレール31,32と一体成形した場合、第1及び第2背面弾性部材91,92の第1及び第2インナレール31,32への貼付け作業又は接着作業を不要にすることができる。また、ロールスクリーンを例えば車両の窓枠11に取付けた場合、車両の振動により第1及び第2側面弾性部材61,62が第1インナレール31の一対の第1突片31b,31bや第2インナレール32の一対の第2突片32b,32bに接触振動するときがあり、このとき軟質のプラスチックにより形成された一対の第1吸音部材101,101や一対の第2吸音部材102,102が上記接触振動による異音の発生を防止できる。上記以外の動作は、第1の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0030】
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、第1及び第2側面弾性部材として弾性変形可能なゴム製のブロックを挙げたが、弾性変形可能なプラスチック製のブロック、捩りコイルばね、板ばね、圧縮コイルばね又は引張コイルばねであってもよい。また、上記第1の実施の形態では、第1及び第2背面弾性部材として弾性変形可能なゴム製の板を挙げ、上記第2の実施の形態では、第1及び第2背面弾性部材として弾性変形可能なプラスチック製の板(湾曲板)を挙げたが、弾性変形可能なゴム製のブロック、弾性変形可能なプラスチック製のブロック、捩りコイルばね、板ばね、圧縮コイルばね又は引張コイルばねであってもよい。また、上記第1の実施の形態では、第1及び第2背面弾性部材を第1及び第2側面弾性部材に対向するように第1及び第2インナレールにそれぞれ取付けたが、第1及び第2背面弾性部材を第1及び第2インナレールの全長にわたって取付けてもよい。更に、上記第2の実施の形態では、第1及び第2背面弾性部材を第1及び第2インナレールの全長にわたって取付けたが、第1及び第2背面弾性部材を第1及び第2側面弾性部材に対向するように第1及び第2インナレールにそれぞれ取付けてもよい。
【符号の説明】
【0031】
10 ロールスクリーン
11 窓枠
12 ヘッドボックス
13 巻取ドラム
14 スクリーン本体
18 ボトムバー
21 第1ガイドフレーム
22 第2ガイドフレーム
31 第1インナレール
32 第2インナレール
61 第1側面弾性部材
62 第2側面弾性部材
71,91 第1背面弾性部材
72,92 第2背面弾性部材