(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】捕虫具
(51)【国際特許分類】
A01M 3/02 20060101AFI20221130BHJP
A01M 3/04 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
A01M3/02
A01M3/04
(21)【出願番号】P 2019503382
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(86)【国際出願番号】 JP2019001458
(87)【国際公開番号】W WO2019142908
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】P 2018007833
(32)【優先日】2018-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】394012245
【氏名又は名称】株式会社カーボーイ
(74)【代理人】
【識別番号】100166132
【氏名又は名称】木船 英雄
(72)【発明者】
【氏名】廻本 一夫
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3006115(JP,U)
【文献】特開2000-316451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート本体の片面に粘着層を有する軟質の捕虫シートと、当該捕虫シートを保持するホルダーとを備えた捕虫具であって、
前記ホルダーは、前記捕虫シートの他面側に位置する押さえプレートと、前記捕虫シートを前記押さえプレートで挟持するクランプと、前記押さえプレートから延びるグリップとを有し、
前記クランプは、前記捕虫シートを前記押さえプレート側に押しつけて挟持するクランプ本体と、当該クランプ本体を開閉動作させるバー状のハンドルとを有し、当該ハンドルに引掛け用のツメを備えたことを特徴とする捕虫具。
【請求項2】
請求項1に記載の捕虫具において、
前記グリップが伸縮性の多段チューブからなることを特徴とする捕虫具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴキブリやムカデのような家屋内に侵入してきた害虫を捕獲するための捕虫具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来一般家屋に棲み着いている害虫としては、チャバネゴキブリやクロゴキブリなどが代表的であるが、これに加え最近では地球温暖化などに伴いムカデやヤスデ、蛾、カメムシ、ヤモリなどの多様な昆虫が侵入するケースが増えてきている。さらに将来的にはスズメバチやセアカゴケグモ、ヒアリのような猛毒を持つ害虫の侵入による被害も懸念される。
【0003】
これら害虫を発見した場合には、通常スプレー式の殺虫剤を噴霧したり、ハエ叩きで潰すなどして駆除している。しかし、スプレー式の殺虫剤で駆除する方法では即効性が乏しく、すぐにタンスの陰や隙間などに逃げ込まれたりしてしまい、達成感や効果が得られにくい。一方、ハエ叩きで潰す方法では、叩く力が弱いと逃げられてしまい、反対に強く叩きすぎると虫の体が潰れて体液などが周囲に飛び散ってしまい、極めて不快な上にその箇所の清掃や死骸の後始末が面倒である。
【0004】
そのため、本発明者は例えば以下の特許文献1に示すような新しい捕虫具を提案している。この捕虫具は、例えば長さが30cm程度の柄の先端にプレートと押え板を取りつけると共に、そのプレートと押え板の間に粘着面を備えた軟質の捕虫板を取りつけたものである。そして、この捕虫具を用いてゴキブリなどの害虫を捕るときには、片手で柄を握り、その捕虫板の粘着面の剥離紙を剥がし、ハエ叩きの要領でその捕虫板の粘着面をゴキブリの上にから被せることによってそのゴキブリを捕虫板に粘着して捕捉する。
【0005】
そして、ゴキブリを捕らえた後は、この捕虫板の先端側の粘着剤が塗布されていない面をそのまま床面に押しつけるなどしてを柏餅を作る要領で二つ折りに重ね合わせてその中にゴキブリを包み込むようにし、その後、そのまま捕虫板と共にゴミ箱に捨てることで捕らえたゴキブリをスマートに始末できるしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前述したような従来の捕虫具では、害虫を捕獲した後はそれを捕虫板ごとゴミ箱などに捨てて処分しているが、この捕虫板をホルダーから取り外す際には、捕虫板を保持する下部ホルダーのバーを握ってその押え板を上部ホルダーのプレートから離すような動作が必要となる。すなわち、この動作を行うためには片手で上部ホルダーの柄を握った状態で一方の手で下部ホルダーのバーを握るといった両手による作業となるため、煩わしい上に、その瞬間は捕獲した害虫に近づくため不快感を招く。
【0008】
そこで、本発明はこれらの課題を解決するために案出されたものであり、その主な目的は、捕獲した害虫の処分を片手で簡単に行うことができる新規な捕虫具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために第1の発明は、シート本体の片面に粘着層を有する軟質の捕虫シートと、当該捕虫シートを保持するホルダーとを備えた捕虫具であって、前記ホルダーは、前記捕虫シートの他面側に位置する押さえプレートと、前記捕虫シートを前記押さえプレートで挟持するクランプと、前記押さえプレートから延びるグリップとを有し、前記クランプは、前記捕虫シートを前記押さえプレート側に押しつけて挟持するクランプ本体と、当該クランプ本体を開閉動作させるバー状のハンドルとを有し、当該ハンドルに引掛け用のツメを備えたことを特徴とする捕虫具である。
【0010】
このような構成によれば、例えば片手でグリップを持った状態で、害虫を捕獲した捕虫シートをゴミ箱内に臨ませてから、そのクランプのハンドルのツメをそのゴミ箱の縁に引っ掛けて押しつけるようにすると、クランプ本体が開くように動作して挟持されている捕虫シートが離れ、そのままゴミ箱内に落下する。従って、従来のように両手を使う必要がなく、片手だけで捕獲した害虫の処分を簡単に行うことができる。また、その都度捕獲した害虫に近づく必要がないため、不快感を軽減できる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記グリップが伸縮性の多段チューブからなることを特徴とする捕虫具である。このような構成によれば、グリップを適宜伸ばせば、天井や物陰のように手が届きにくい位置にも簡単にその捕虫シートを臨ませることができるため、そのような場所に居る害虫でも容易に捕獲することができる。また、このようにグリップが伸ばして手元と、害虫を捕獲した捕虫シートとの距離が開いた場合でもいちいち持ち替えたりすることなく前記のようにそのまま片手で捕獲した害虫を捕虫シート共に処分することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、片手でグリップを持った状態で、害虫を捕獲した捕虫シートをゴミ箱内に臨ませてから、そのクランプのハンドルのツメをそのゴミ箱の縁に引っ掛けて押しつけるようにすると、クランプ本体が開くように動作して挟持されている捕虫シートが離れ、そのままゴミ箱内に落下する。従って、従来のように両手を使う必要がなく、片手だけで捕獲した害虫の処分を簡単に行うことができると共に、その都度捕獲した害虫に近づく必要がないため、不快感を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る捕虫具100の実施の一形態を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係る捕虫具100の実施の一形態を示す側面図である。
【
図3】本発明に係る捕虫具100の実施の一形態を示す底面図である。
【
図4】捕虫シート10およびこれを取り付ける押さえプレート21を示す底面図である。
【
図5】捕虫シート10の側面図およびその部分拡大図である。
【
図8】(A)はクランプ22を示す平面図、(B)はその側面図である。
【
図9】(A)はクランプ22を開いた状態を示す側面図、(B)はクランプ22を閉じた状態を示す側面図である。
【
図10】ホルダー20のグリップ23構造およびこれを伸ばした状態を示す側面図である。
【
図11】本発明に係る捕虫具100の使用例を示す説明図である。
【
図12】本発明に係る捕虫具100の作用を示す説明図である。
【
図13】本発明に係る捕虫具100の使用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1乃至
図3は本発明に係る捕虫具100の実施の一形態を示したものであり、
図1はその斜視図、
図2は側面図、
図3は底面図である。図示するようにこの捕虫具100は、捕虫シート10と、この捕虫シート10を保持するホルダー20とからなっている。
【0015】
捕虫シート10は、図示するようにホルダー20の先端に着脱自在に取り付けられて用いられるものであり、
図4および
図5に示すような構成となっている。すなわち、この捕虫シート10は、例えば長さ10~20cm×幅5~15cm×厚さ2~5mm程度の略矩形状をしたシート本体11の片面に、粘着層(粘着面)12を備えた構成となっている。このシート本体11は、例えばウレタンや発泡ポリエチレンなどの軟質の樹脂あるいは紙などの柔軟な材料から構成されており、後述する所定の部位から二つ折りに折り畳み可能となっている。
【0016】
粘着層(粘着面)12は、ゴム系やアクリル系などの粘着剤からなるものであり、
図4に示すように、シート本体11端部の取付部11aを除く全面に形成されている。この取付部11aには、その幅方向に一対の取付穴13,13が形成されており、この取付穴13,13を用いて後述するホルダー20の押さえプレート21に取り付けられるようになっている。また、
図4および
図5に示すようにこのシート本体11の粘着層12が形成された面には、エンボス加工が施されており、例えば高さ0.5~1.0mm程度の微小な突起11bが5~10mm間隔で複数格子点状に形成されている。
【0017】
さらに、このシート本体11の粘着層12の反対面には、切れ込み(スリット)Sがその幅方向に形成されており、
図6に示すようにシート本体11をこの切れ込みSから粘着層12側を内側にして二つ折りに折り畳めるようになっている。なお、
図4に示すようにこのシート本体11の粘着層12上は図示しない剥離紙14で覆われており、その剥離紙14を剥がすことで粘着層12が露出するようになっている。
【0018】
次に、ホルダー20は、
図1~
図3に示すように捕虫シート10の上面(非接着面)側に位置する押さえプレート21と、この押さえプレート21に捕虫シート10を保持するクランプ22と、このクランプ22から延びるグリップ23とから構成されている。先ず、押さえプレート21は、
図1乃至
図4に示すように杓文字の如く先端が楕円形に広がったへら状になった薄板体からなっており、その内側(下面側)に捕虫シート10を取り付けるようになっている。
【0019】
すなわち、
図4に示すようにこの押さえプレート21の下面端部の狭窄部(グリップ23側)には、シート本体11の取付部11aに形成された一対の取付穴13,13と対応する一対の突起21a、21aと、その取付部11aの外縁部に沿って延びるガイド21b、21bが形成されており、この突起21a、21aをそれぞれシート本体11の取付穴13,13に嵌め込むことで
図3に示すように押さえプレート21の下面に捕虫シート10を取り付けることができるようになっている。
【0020】
この押さえプレート21は、その全体あるいは少なくともその先端の平板部分、例えば
図4のラインLより先の部分は、ゴム(エラストマー)、またはソフトラバーなどと称されるポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリエチレン、ポリプロピレンなどの柔軟な樹脂材料から形成されており、適度な力が加わることで変形・復元可能な可撓性を有している。
【0021】
クランプ22は、
図4および
図7、
図8に示すように、扇形状をしたクランプ本体22aと、このクランプ本体22aから延びるバー状のハンドル22bと、その接続部に位置する軸孔22c、22cと、コイルスプリング22dと、連結用の分割ピン22e、22eとから構成されている。
【0022】
そして、
図7に示すように、このコイルスプリング22dの一端をハンドル22bのばね溝22g内に嵌め込むように位置させた状態でその軸孔22c、22cを、押さえプレート21側の図示しない軸孔と同軸になるように位置させた後、
図8に示すようにその軸孔22c、22cに対し、その両側から分割ピン22e、22eを差し込んで一体化させることで、この分割ピン22e、22eを軸としてクランプ22が上下に揺動自在に取り付けられるようになっている。
【0023】
このようにして押さえプレート21側に取り付けられたクランプ22は、その軸部に設けられたコイルスプリング22dによってその扇形状をしたクランプ本体22a側が押さえプレート21の下面側に密着するように付勢されている。従って、指によって
図9に示すようにハンドル22bをグリップ23側に動かせば、その全体が揺動してクランプ本体22aが押さえプレート21から離間し、その状態からグリップ23を離せばコイルスプリング22dの付勢力によって自動的に元も戻るようになっている(開閉動作)。
【0024】
また、
図7および
図8に示すように、このクランプ22のハンドル22bの先端側には、その下方に突出するように断面略三角形のツメ30が形成されている。さらに、
図7および
図8に示すように、このクランプ22のクランプ本体22aには、捕虫シート10の取付穴13,13と相似形の嵌合穴22f、22fが形成されており、クランプ本体22a側が押さえプレート21の下面側に密着したときに、これが押さえプレート21側の突起21a、21aと嵌合し、干渉することなく両者が密着するようになっている。
【0025】
グリップ23は、
図10に示すように伸縮自在な多段のチューブ(管体)から構成されている。すなわち、このグリップ23は図示するように手で直接把持する内部中空のグリップ本体23aと、このグリップ本体23a内に挿脱される第1インナーチューブ23bと、この第1インナーチューブ23b内に挿脱される第2インナーチューブ23cと、この第2インナーチューブ23c内に挿脱される第3インナーチューブ23dとから構成されている。
【0026】
そして、この第3インナーチューブ23dの先端側が、押さえプレート21の上端面から延びるグリップヘッド23eを介して押さえプレート21に一体的に連結されている。なお、これらグリップ本体23a、第1インナーチューブ23b、第2インナーチューブ23c、第3インナーチューブ23dの長さとしては、例えばそれぞれ約20cm程度であり、それらを最大に伸張した状態での長さは60~80cm、最小に伸縮した状態での長さはそのグリップ本体23aの長さ、すなわち約20cm程度となっている。従って、このグリップ本体23a内に収めされた第1インナーチューブ23b、第2インナーチューブ23c、第3インナーチューブ23dの繰出量を調整することでこのグリップ23全体の長さを約20~80cmの範囲で自由に調整できるようになっている。
【0027】
次に、このような構成をした本発明に係る捕虫具100の作用を説明する。居住者がその室内の床面や壁面などに害虫を発見した場合は、先ず
図9に示すようにクランプ22のハンドル22bを持ち上げて押さえプレート21の下面に、その粘着面12が下側に向くように捕虫シート10を取り付けた後、クランプ22のハンドル22bを離してその捕虫シート10をクランプ22と押さえプレート21で挟持する。また、これと共に
図10に示すようにそのグリップ23の第1インナーチューブ23bなどを引き出して適用な長さに調整する。
【0028】
そして、
図11(A)、(B)に示すようにそのグリップ23のグリップ本体23a部分を手で把持してハエ叩きの如くその害虫Pの上から捕虫シート10を被せるようにその押さえプレート21をその床面または壁面W上に一気に叩きつける。これによって、その床面または壁面W上の害虫Pが捕虫シート10の粘着面12に粘着してその動きが規制されて捕捉される。なお、図では便宜上グリップ23を最小に縮めた状態で示している。
【0029】
この捕捉の瞬間においては、
図12に示すように可撓性の押さえプレート21が捕虫シート10と共に撓んで害虫Pの外表面に密着するように変形するため、捕虫シート10の粘着面12と害虫Pとの接触面積が広くなり、確実に害虫Pをその粘着面12に粘着して捕捉することができる。
【0030】
また、このグリップ23は伸縮性の多段チューブからなるため、前述したようにこのグリップ23を適宜伸ばせば、天井や物陰のように手が届きにくい位置にも簡単にその捕虫シート10を臨ませることができるため、そのような場所に居る害虫Pであっても容易に捕捉することができる。
【0031】
そして、このようにして害虫Pを捕虫シート10で捕捉したならば、
図11(C)に示すようにその捕虫シート10を床面や壁面Wから離すと、その害虫Pがその捕虫シート10の粘着面12に粘着して捕獲されることになる。このとき、その害虫P周囲の捕虫シート10が床面や壁面Wに触れて粘着してしまうことになるが、前述したようにこの捕虫シート10の粘着面12と床面や壁面Wと接触が突起11b部分のみの点接触となるため、その捕虫シート10がそのまま床面などに強く貼り付いてしまうようなことはなく、簡単に剥がし取ることができる。この点は、仮にその捕虫シート10で害虫Pを捕捉し損なった場合でも同様であり、捕虫シート10の粘着面12が床面や壁面Wなどに強く粘着して剥がれなくなってしまうようなことはない。
【0032】
一方、害虫Pに対しては、その殆どがその体表面が曲面あるいは複雑な凹凸状態となっていることから、捕虫シート10を叩きつけるように被せるだけでその突起11bの部分だけでなく、その間の平面部分も含めて害虫Pの表面に広く接触してこれを強く粘着することになるため、一旦粘着した後は逃げられたりすることなく、確実に捕獲することができる。なお、この捕虫シート10の粘着面12は、例えば格子状、網目状あるいは波状などのように平面に対して部分的に突出しているような形状であれば、捕虫シート10の粘着面12と床面や壁面Wなどと触れる部分が点または線接触となるため、エンボス状に限られるものではない。
【0033】
次に、このようにして害虫Pを捕虫シート10の接着面に捕捉したならば、そのままグリップ23を操作して
図6に示すように捕虫シート10の先端をその近傍の床面や壁面Wなどに押しつける。すると、その捕虫シート10のシート本体11の先端側がその切れ込みS部分で粘着面12側に折り曲がるため、そのまま押し込んで二つ折りに折り畳む。これによって、同図(C)、(D)に示すようにその粘着面12に捕捉された害虫Pの全体がその折り曲げられたシート本体11の先端部分で包み込むように覆われて外から見えないようにその内部に完全に捕捉される。
【0034】
その後、
図13(A)に示すようにその捕虫シート10をそのままゴミ箱Dの上などに移動してから、そのクランプ22のハンドル22b部分をゴミ箱Dの開口縁dに押し当てる。すると、
図13(B)に示すようにそのハンドル22bの先端に設けられたツメ30がゴミ箱Dの開口縁dに引っ掛かり、そのクランプ22が分割ピン22e部分を軸として回動し、その捕虫シート10が害虫Pと共に押さえプレート21から離脱(落下)してそのままゴミ箱D内に収容されることになる。
【0035】
これによって、捕獲した害虫Pに触れたり直接目にしたりすることなく、その害虫シート10を衛生的かつスマートに始末することができる。また、その動作に際しては従来のように両手を使う必要がなく、片手だけで捕獲した害虫の処分を簡単に行うことができると共に、その都度捕獲した害虫に近づく必要がないため、不快感を回避または軽減できる。
【0036】
また、グリップ23を適宜伸ばせば、天井や物陰のように手が届きにくい位置にも簡単にその捕虫シート10を臨ませることができるため、そのような場所に居る害虫でも容易に捕獲することができる。そして、このようにグリップ23を伸ばして手元と、害虫Pを捕獲した捕虫シート10との距離が開いた場合でもいちいち持ち手を持ち替えたりすることなくそのまま片手で害虫を処分することができる。
【符号の説明】
【0037】
100…捕虫具
10…捕虫シート
11…シート本体
12…粘着層(粘着面)
20…ホルダー
21…押さえプレート
22…クランプ
23…グリップ
30…ツメ
D…ゴミ箱
P…害虫
W…床面または壁面