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▶ ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】パッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20221130BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
B65D85/10
B65D5/66 301C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020560608
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 GB2019050135
(87)【国際公開番号】W WO2019145682
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-08-12
(31)【優先権主張番号】1801342.5
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ホルフォード、スティーヴン
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/166692(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/002033(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/083608(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/120915(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00-5/76
B65D 67/00-79/02
B65D 81/18-81/30
B65D 81/38
B65D 85/00-85/28
B65D 85/575
B65D 85/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
束を形成するためにバリアー層に包まれた一群のタバコ産業製品を含む基部と、
開いた位置と閉じた位置の間で回転するために基部に取り付けられた蓋と、
蓋が開いた位置にある際にタバコ産業製品を取り出すための取り出し開口部を画定するバリアー層のセクションと、
ラベルの対向する一方の側に第1の面および他方の側に第2の面を有するラベルであって、前記第1の面は前記バリアー層のセクションに貼り付けられる第1の領域を含み、前記第2の面は蓋の前壁の内側の面に貼り付けられる第2の領域を含み、中間領域が前記第1および第2の領域の間に延びており、蓋を最初に開ける際にS字形状を取るラベルと、を含み、
前記ラベルはその中間領域が第1の領域より脆くなるように構成されているパッケージ。
【請求項2】
ラベルは、ラベルの上方及び下方縁部を二分する長手方向軸に対して直角に測定される当該ラベルの対向側部間の距離の幅であって、ラベル材が存在する部分の幅の合計である累積幅を含み、中間領域の累積幅は、第1の領域に対して小さい累積幅を含むことを特徴とする請求項1記載のパッケージ。
【請求項3】
中間領域は第1の領域から第2の領域へと徐々に狭くなっていることを特徴とする請求項2記載のパッケージ。
【請求項4】
ラベルを切り抜いて中間領域に窓が形成されていることを特徴とする請求項2記載のパッケージ。
【請求項5】
中間領域はその累積幅が第1および第2の領域の累積幅より狭くなるようにラベルの縁部から延びた凹部を含むことを特徴とする請求項2記載のパッケージ。
【請求項6】
ラベルの中間領域の累積幅は、ラベルの第1の領域の累積幅の80%~50%または80%~60%であることを特徴とする請求項2乃至5いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項7】
ラベルの中間領域の累積幅は、ラベルの第1の領域の累積幅の70%であることを特徴とする請求項2乃至5いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項8】
ラベルの中間領域は、ラベルの残りの部分から独立して自由に動く中間領域の部分を画定するように形成された切れ目を含み、これにより蓋を開いた位置の方へと回転させると、中間領域の前記部分が蓋の前壁の内側の面に接着することができることを特徴とする請求項1記載のパッケージ。
【請求項9】
前記中間領域の部分が蓋の前壁の内側の面に永久的に接着されることを特徴とする請求項8記載のパッケージ。
【請求項10】
中間領域のラベル材は第1および第2の領域に対して脆弱化されていることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項11】
中間領域はラベルの長手方向縁部の間で中間領域を横断して延びる脆弱化された線を含むことを特徴とする請求項10記載のパッケージ。
【請求項12】
脆弱化された線は、刻み目線および/またはエンボス加工された折り曲げ線および/またはミシン目線を含むことを特徴とする請求項11記載のパッケージ。
【請求項13】
束を形成するためにバリアー層に包まれた一群のタバコ産業製品を含む基部と、
開いた位置と閉じた位置の間で回転するために基部に取り付けられた蓋と、
蓋が開いた位置にある際にタバコ産業製品を取り出すための取り出し開口部を画定するバリアー層のセクションと、
ラベルの対向する一方の側に第1の面および他方の側に第2の面を有するラベルであって、前記第1の面は前記バリアー層のセクションに貼り付けられる第1の領域を含み、前記第2の面は蓋の前壁の内側の面に貼り付けられる第2の領域を含み、中間領域が前記第1および第2の領域の間に延びており、蓋を最初に開ける際にS字形状を取るラベルと、を含むパッケージの製造方法であって、
前記ラベルはその中間領域を脆弱化することにより当該中間領域が第1の領域より脆くされたパッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は喫煙品などのタバコ産業製品用パッケージに関する。特に本発明は喫煙品の束を含む基部と、開いたおよび閉じた位置の間で回転するように基部に取り付けられ、喫煙品の束に触れて取り出せるようにする蓋とを有するヒンジ式蓋付きパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコなどの喫煙品はパッケージに入れられて販売される。従来のパッケージは、多くは基部とヒンジ式蓋を有するボール紙から作製された外方紙パックを含む。基部は一束の喫煙材を含む。喫煙品は、蓋を開けた際に消費者がパッケージから喫煙品を取り出しやすくするための取り出し開口部を画定するセクションを有する可撓性バリアー層に包まれている。その開口部は、取り外し可能なセクションに亘って延び、このセクションと蓋に貼り付けられる可撓性のラベルによって閉じられ、蓋を開けると同時にラベルが消費者によって剥がされ、取り出し開口部を露出させるようになっている。ラベルの周辺領域は、ラベルが開口部の縁部に周囲でバリアー層に重なる所で非永久繰り返しシール可能な接着剤でコートしてラベルが何回でも剥がせて、そして元に戻してパッケージを繰り返しシールしてパッケージの残っている喫煙品の鮮度を保つようにしてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本発明のいくつかの実施態様では、パッケージが提供され、これは
束を形成するためにバリアー層に包まれた一群のタバコ産業製品を含む基部と、
開いた位置と閉じた位置の間で回転するために基部に取り付けられた蓋と、
蓋が開いた位置にある際にタバコ産業製品を取り出すための取り出し開口部を画定するバリアー層のセクションと、
両側にそれぞれ第1および第2の面を有するラベルであって、第1の面はラベルの第1の領域に形成され、バリアー層の前記セクションに貼り付けられ、第2の面はラベルの第2の領域によって形成され、蓋に貼り付けられ、中間領域がこれら第1および第2の領域の間を延びているラベルとを含み、
ラベルはラベルの中間領域が第1の領域より脆くなるように構成されている。
【0004】
中間領域はラベルの長手方向軸に対して直角に測定される第1の領域に対して小さい累積幅を含んでもよい。
【0005】
中間領域は、第1の領域から第2の領域へと徐々に狭くなってもよい。
【0006】
ラベルを切り抜いて中間領域に窓を形成してもよい。
【0007】
中間領域は中間領域の累積幅が第1および第2の領域の累積幅より狭くなるようにラベルの縁部から延びた凹部を含んでもよい。
【0008】
ラベルの中間領域の累積幅は、ラベルの第1の領域の幅の80%~50%または80%~60%であってもよい。
【0009】
ラベルの中間領域の累積幅は、ラベルの第1の領域の幅の約70%であってもよい。
【0010】
ラベルの中間領域は、ラベルの残りの部分から独立して自由に動く中間領域の部分を画定するように形成された切れ目を含んでもよく、これにより蓋を開いた位置の方へと回転させると、中間領域の前記部分がラベルの第2の領域によって画定される面に留まる。
【0011】
形成された切れ目によって画定された中間領域の部分は、蓋を開いた位置と閉じた位置の間で回転させた際に中間領域の前記部分が蓋の前壁によって画定された面に留まるように蓋に永久的に接着されてもよい。
【0012】
中間領域のラベル材は第1および第2の領域に対して脆弱化されてもよい。
【0013】
中間領域はラベルの長手方向縁部の間で中間領域を横断して延びる脆弱化された線を含
んでもよい。
【0014】
脆弱化された線は、刻み目線および/またはエンボス加工された折り曲げ線および/またはミシン目線を含んでもよい。
【0015】
また本発明のいくつかの実施態様では、第1および第2の領域とこれら第1および第2領域の間を延びる中間領域とを含むラベルが提供され、ラベルの中間領域は第1および第2の領域のそれぞれより脆い。
【0016】
中間領域はラベルの長手方向軸に対して直角に測定される第1の領域に対して小さい累積幅を含んでもよい。
【0017】
中間領域は、第1の領域から第2の領域へと徐々に狭くなってもよい。
【0018】
ラベルを切り抜いて中間領域に窓を形成してもよい。
【0019】
中間領域は中間領域の累積幅が第1および第2の領域の累積幅より狭くなるようにラベルの縁部から延びた凹部を含んでもよい。
【0020】
ラベルの中間領域の累積幅は、ラベルの第1の領域の幅の80%~50%または80%~60%であってもよい。
【0021】
ラベルの中間領域の累積幅は、ラベルの第1の領域の幅の約70%であってもよい。
【0022】
ラベルの中間領域は、中間領域にフラップを画定するように形成された切れ目を含んでもよい。
【0023】
中間領域のラベル材は第1および第2の領域に対して脆弱化されてもよい。
【0024】
中間領域はラベルの長手方向縁部の間で中間領域を横断して延びる脆弱化された線を含
んでもよい。
【0025】
脆弱化された線は、刻み目線および/またはエンボス加工された折り曲げ線および/またはミシン目線を含んでもよい。
【0026】
接着剤が第1および第2の領域に塗布されてもよい。
【0027】
接着剤は第1の領域を形成するラベルの第1の面と第2の領域を形成するラベルの第2の面に塗布してもよく、第1および第2の面はラベルの表と裏側である。
【0028】
また本発明のいくつかの実施態様では、ラベルの第1および第2の領域の間を延びる中間領域を脆弱化する方法が提供され、これは中間領域をレーザーカッティングおよび/またはスコアリング処理することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
添付図面を参照して本発明の実施態様をあくまで例示を目的として説明する。
図1】タバコ産業製品用パッケージを示す。
図2】パッケージの正面図である。
図3】パッケージの内部フレームを示す。
図4】タバコ産業製品の束を含む内部フレームの平面図である。
図5】パッケージの側面図である。
図6A】パッケージに使用するラベルの例を示す。
図6B】パッケージに使用するラベルの例を示す。
図6C】パッケージに使用するラベルの例を示す。
図6D】パッケージに使用するラベルの例を示す。
図6E】パッケージに使用するラベルの例を示す。
図6F】パッケージに使用するラベルの例を示す。
図6G】パッケージに使用するラベルの例を示す。
図7】パッケージの試験時に取った試験データの表である。
図8】試験データをグラフに示したチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は本発明の実施態様によるパッケージを例示している。パッケージは、ヒンジ式蓋2と束6を形成するためにバリアー層5に包まれた一群の紙巻きタバコ4を含む基部3を有する硬質の板紙からなるパッケージ1を含み、この束は蓋2がその開いた位置にあるとき、パッケージ1の基部3の開口端から突出する。取り出し開口部8の境界または縁部7は紙巻きタバコ4に触れられるようにするためのバリアー層5に取り外し可能なフラップ5aまたはセクション5aを形成し、バリアー層5の後ろ側から束の上部を横断して前壁下方取り出し開口縁部7aまで前面を下方に延びている。紙巻きタバコ4を包むバリアー層5は金属化プラスチックまたはプラスチックまたは金属箔ラミネートで作製したものであってもよい。ラベル9が以下に説明するようにフラップ5aを持ち上げるために設けられている。
【0031】
ラベル9は、可撓性の薄いシート材からなり、最初にパッケージ1を開ける前に取り出し開口部8とセクション5aに重なる第1の領域10を含む。これは図2により明確に示されており、第1の領域10の下方の境界が破線Xで示されており、これはその下方に延びるラベル9のさらなる領域11、12と第1の領域10の境界を画定している。ラベル9の第1の領域10は、第1の領域10の周辺部が束6への取り外し自在の接着のために取り出し開口部8を越えて位置するように取り出し開口部8に重なり、それを越えて延びている。
【0032】
バリアー層5とセクション5aに向いたラベル9の第1の領域10によって形成された第1の面の一部には繰り返し接着可能な接着剤がコートされている。誤解を避けるためにラベル9の第1の面は、ラベルの下側、即ちバリアー材に面した方のラベル9の面である。
【0033】
これとは別に繰り返し接着可能な接着剤で周辺部をコーティングしつつ、セクション5aに重なるがこれを越えて延びないラベル9の第1の領域10の下側の部分に、永久接着剤を塗布してもよい。使用時、ラベル9は、以下に説明するように下方縁部27から徐々に束6から離れるように剥がされ、取り出し開口部8を露出させる。繰り返し接着可能な接着剤がラベルを取り外し可能なセクション5aに貼り付けるために使用される場合、その接着剤の強度は、ラベルが常に取り外し可能なセクション5aに接着されたままになるように選択される。
【0034】
蓋2は後壁14の下方縁部に沿って基部3にヒンジ式に取り付けられ、さらに後壁14に対向して配され、側部パネル16、17によって後壁から隔てられている前壁15をさらに含む。前壁15、後壁14および側部パネル16、17の下方縁部は開口部を画定し、これを介して束6の突出した部分が蓋2が閉じた位置にあるときに受けられる。
【0035】
ラベル9の第2の領域12によって形成された第2の面の一部は、ラベル9が蓋2を開けたと同時にバリアー層5から剥がされるように蓋2の前壁15の内側の面に永久的に接着される。当然のことながらラベル9の第2の面は、第1の面のラベル9の反対側であり、第2の面はバリアー層5から見て外側に向く面である。
【0036】
蓋2をその開いた位置にそのヒンジを中心に枢動させると、ラベル9の第2の領域12と蓋2の接続によりラベル9も引っ張られる。その結果、図1に最も明確に示されているようにラベル9が取り出し開口部8から離れるようにめくられるまたは巻かれて、バリアー層5のセクション5aはラベル9と共に取り出し開口部8から離れるように持ち上げられる。
【0037】
最初に開封すると、セクション5aをバリアー層5の残りの部分から隔てる取り出し開口部8の縁部7は、バリアー材5の脆弱化された線または実際の切れ目によって画定され、ラベル9の第1の領域10の下側に接着したままのバリアー層5のセクション5aがラベル9が剥がされた際に脆弱化された線または切れ目に沿ってバリアー層5の残りの部分から離れて取り出し開口部8を開口するようにしてもよい。これにより消費者は取り出し開口部8を介して束8から紙巻きタバコ4を自由に取り出すことができる。取り出し開口部8を再封止または閉じるために消費者は蓋をその閉じた位置に動かし、ラベル9が取り出し開口部8上に巻き戻され、ラベル9の周辺部が取り出し開口部8の周辺を囲む領域のバリアー層5に再度接着するようにする。ラベル9が剥がされた際の分離によって形成されたバリアー層5のセクション5aは取り出し開口部8内の元の位置に戻される。バリアー層5に分離線があるが、それはラベル9の接着された周辺部によって覆われる。
【0038】
確実に良好に接着するために図3および4に示すように内部フレーム18がバリアー層5の下の紙巻きタバコ4の周囲を部分的延びるように束6内に設けられる。内部フレーム18は取り出し開口部8の周囲でラベル9によって掛かる再封止の際の圧力に対してバリアー層5の下で反応面を供し、束6がパッケージの基部3内でその形状を紙巻きタバコ4が取り出された後に維持するのに役立つ。図2に示すようにボール紙で作製されてもよい内部フレーム18は、前パネル19、2つの側部パネル20および底部パネル21を有する。切れ目または折り曲げ線22、23は、側部フラップ20がパネル19に対して直角に折り曲げられると図4に示すような角を形成する。底部フラップ21も直角に折り曲げられる。肩フラップ25が側部フラップ20の上縁部から延び、紙巻きタバコの上端を部分的に多い、バリアー材5の下をさらに支持するために直角に折り曲げられる。内部フレーム13が折り曲げられると、開口部24が形成され、これは取り出し開口部8に対応し、そこから紙巻きタバコ4に触れることができる。開口部24は前パネル19の基部縁部25へと延びている。
【0039】
本実施態様ではラベル9の第2の領域12の第2の面が蓋2に貼り付けられるので、ラベル9の第1および第2の領域10、12の間で延びる中間領域11は、図5に示すように蓋2が途中まで開いた状態にあるときS字状の曲げを形成する。
【0040】
S字状の曲げは、蓋2がその閉じた位置から離れるように回転する際の抵抗として作用する力を蓋2に加える。これにより蓋2がその閉じた状態と図5に示すようにある程度開いた状態の間の最初の回転時に開けにくくなる。蓋を最初に開ける際にS字形状を取る中間領域によって蓋に加えられる力が以下にさらに詳しく説明するように中間領域がより脆くなることの結果として小さくなるので、蓋2がラベル9の中間領域11の構造によって開けやすくなるということは本発明の利点の1つである。
【0041】
本発明の目標の1つはS字形状の曲げを形成するために必要とされる力を小さくするために中間領域を脆弱化することである。従って、蓋2の最初の回転時に必要とされる力は小さくなり、簡単に開くようになる。
【0042】
より具体的にはラベルをS 字状に曲げる結果として中間領域によって加えられる力が小さくなるように中間領域の脆弱化はラベルの曲げ剛性を小さくする。曲げ剛性はラベルの断面二次モメントとヤング率の積に比例する。
【0043】
当然のことながら蓋2の前壁15の内側の面にラベル9によってかけられる力が本発明の実施態様によって小さくなるので、ラベル9を蓋2の前壁15の内側の面に接着する永久接着剤は小さい応力下に配置される。このことは上記永久接着剤がその後パッケージを繰り返し開けた後のラベル9が蓋から剥がれにくくするというさらなる利点をもたらす。
【0044】
上述のパッケージと共に使用するように設計された本発明の実施態様のラベル9を図6A~6Gに示す。
【0045】
第1の領域10に対して中間領域11のラベル9の累積幅を小さくすることによって脆弱化を行ってもよい。これは蓋を最初に開ける際にS字形状に曲げなければならない中間領域11のラベル材の量を減らす効果がある。曲げる材料が少なければ、蓋2を開けるために必要とされる力は小さくなり、最初に開ける際の引っかかる感じが部分的に軽減される。
【0046】
本実施態様ではラベル9の累積幅はラベル9の長手方向軸に直角に、即ちラベル9の下方および上方縁部27、28が交わる軸A-Aに直角に測定される。図6A~6Dは、中間領域の累積幅が第1の領域10に対して小さくなっているいくつかのラベル9の例を示している。図に示すように中間領域11の累積幅は、図6A~6Cに示すように中間領域11の累積幅を小さくするまたは図6Dに示すように中間領域11に1つ以上の窓を形成するために切り欠きを設けることのいずれかまたは両方によって小さくすることができる。窓29が中間領域11に設けられる場合、累積幅は窓20の幅の分小さくなる。この点に関し、当然のことながら累積幅は、単純にラベル9の対向側部間の距離である全幅と区別される。一方、累積幅はラベル材が存在する箇所の幅の合計である。
【0047】
ラベル9の中間領域11の累積幅を中間領域11の全幅を小さくすることによって第1の領域10に対して小さくする場合、それは図6Bおよび6Cに示すようにラベル9の中間領域11の対向する平行な側部に段を設けるまたは図6Aに示すようにラベル9を第2の領域に向かってゆるやかにテーパーさせることによって行ってもよい。ラベル9の中間領域11の対向側部が図6Aに示すように平行でない場合、中間領域11の累積幅はその最も狭いポイントで定められる。
【0048】
また確実に充分なラベルの領域が蓋2の内側の面に接着させるためにできるように第2の領域12の全幅を最小にすることも望ましい。これは図6Cに示すように第2の領域12のラベルの対向側部を切り抜いて段を設けることによって実行される。言い換えれば、ラベル9は第2の領域12の全幅が第1の領域に対して変わらずに維持されるように中間領域11の対向する平行な側部に切れ込みを入れることができ、一方、中間領域11の全幅を第1および第2領域10、12に対して小さくする。
【0049】
1つの矩形の窓26だけが図6Dの実施態様で例示されているが、当然のことながら1つ以上の窓26を中間領域においてラベル9の累積幅を減少させる効果を供するあらゆる形状にしてもよい。
【0050】
図6Eに示す別の実施態様ではU字状の切れ目29が中間領域11に設けられ、ラベルに1つ以上のフラップを画定している。これはラベル9に切れ目を入れる際に除去して廃棄する穿孔くず材がないので、完全な窓26を設けるより製造が簡単である。代わりにU字状の切れ目によって画定されたフラップの領域の外面にも、蓋を開けた際に蓋2の前壁15の内側の面にフラップが接着したままになるように永久接着剤が塗布される。従って、U字状の切れ目によって画定されたフラップは、蓋2を最初に開ける際にS字状に曲げられないが、蓋2の前壁15によって画定された面に留まり、従ってラベル12の第2の領域に平行になる。これは、使用時に蓋2が開けられ、中間領域11がS字状に曲げられる際に中間領域11の累積幅は第1の領域10に対して小さくなるのでラベル9の中間領域11を脆弱化する効果を有する。
【0051】
当然のことながら切れ目29によって画定された中間領域11のフラップは、脆弱化の効果を供することが不可欠なことではないので、蓋2の内側の面に接着される必要はない。代わりに中間領域11の前記フラップはラベル9の残りの部分から独立して自由に動いてもよい。それでも前記フラップが蓋2の内側の面に接着されるかに関係無く、前記フラップは蓋2を最初に開ける際にS字形状に曲げられるラベル9の幅に貢献しないので、脆弱化する効果は供される。
【0052】
さらに当然のことながら切れ目29はU字状である必要はない。ラベル9の残りの部分から独立して動くための中間部分11のフラップまたは領域の境界を定めるあらゆる形状が同じ技術的利点を供与する。例えば図6Gに例示する別の実施態様では切れ目29は正弦曲線形状を形成している。これは正弦曲線状の切れ目29の2つの頂点の間のトラフ31によって境界が定められている舌部31を画定する。舌部31は蓋2に接着されていないが、代わりに蓋2が閉じられる際にカチッという音が聞こえるように蓋2の前壁15の内側の面をはじくと有利である。このようなカチッと聞こえることは品質保証を表すと消費者には一般的に思われている。
【0053】
別の実施態様では脆弱化は、ラベル9の長手方向軸に直角に中間領域11を横断して延びる脆弱化された線30によって設けてもよい。例えば、図6Fに示す別の実施態様では刻み目線30が中間領域11を横断して延びて設けられ、その領域の曲げに対する抵抗を減少させている。S字形状を形成するために必要とされる力は、最初にパッケージを開ける際に小さくなる。脆弱化された線30は、刻み目線に限定されず、例えば、エンボス加工された折り曲げ線またはミシン目線などであってもよい。
【0054】
図6A~6Eおよび6Gを参照して説明した実施態様ではラベル9の中間領域11を脆弱化する方法は、好ましくは中間領域11の累積幅を小さくするまたは中間領域11に窓26またはスリット29を切り抜くなどのためにレーザーカッターを使用してラベル9を成形することを含む。図6Fを参照して説明した実施態様ではその方法はレーザースコアラー(laser scorer)を使用して中間領域に切れ目を入れて脆弱化された線30を設けることを含んでもよい。
【0055】
本発明の上述の実施態様ではラベル材自体がそれが曲げに対してもともと抵抗が小さくなるように脆弱化されてもよい。例えば、上述の種類のラベルは、例えば配向ポリプロピレンの層を有するラミネートから構成されてもよい。ラミネートの1つの層を中間領域11から省略してラベルの第1および第2の領域10、12に対する局部強度を小さくしてもよい。
【0056】
上述の実施態様では蓋2はフラップにタック(図示せず)を含んでもよい。このようなフラップは紙巻きタバコの分野では従来から使用されており、前壁の内側の面に対して折り曲げられ、それに接着される蓋2の前壁15の下方縁部から延びる追加のパネルを示す。次にラベル9の第2の領域はフラップのタックに接着される。
【0057】
パッケージは通常ボール紙で形成されるが、一面に金属化仕上げを有するボール紙を使用して光沢があって目を引く外観を設ける場合がある。上述のラベルのようなラベル9は金属化されたボール紙の光沢のある方の面にうまく接着しないことが分かっている。そのような場合、フラップのタックから延びた追加のフラップを設けて、このフラップがフラップのタックと追加のパネルが蓋2の前壁15の内側の面に対して平らになるように折り曲げられるようにするのが望ましい。上述の実施態様のラベル9もそのようなパッケージと使用することが想定され、その追加のパネルを設けることはラベル9の第2の領域12に良好に接着するための非金属化面を供する。追加のパネルとフラップのタックは互いに接着してもよく、あるいは必要に応じて蓋2の前壁15に対して自由にヒンジ式に動くようにしてもよい。
【0058】
図7は第1の領域10の幅のパーセンテージで表された第1の領域10に対する中間領域11のラベルの累積幅を減少させたことによる蓋2を開けるために必要とされる力への効果を示す試験結果の表である。各累積幅の値について3つの力の数値が読まれる。各力の測定値は蓋2を開けるために必要とされるピーク力をグラムで表している。
【0059】
試験を行うためにサンプルパッケージ1をそれが基部3の底面で立ち、所定の場所に安定するような向きにした。フックを蓋2の前壁の下方縁部の下に置き、蓋2が開いた位置に回転するように上に向けて垂直に格納した。フックによって加えられた力を変位と共に記録した。ピーク力とピーク力が起こった変位を記録した。図7を参照すると、ピーク力は、「最大負荷(gf)」という見出しのカラムの値に対応し、ピーク力が起こる変位は、「最大負荷時の引っ張り伸張(tensile extension at max load)(mm)」という見出しのカラムの値に対応する。この表はピーク力が最初に開ける際の蓋2の移動に等しい蓋2の約5mmの変位で確実に記録されること示している。
【0060】
図8図7のデータの散布図である。各パーセンテージで表された幅データのセットについて読み取られた3つの値の平均を取り、エラーバーとして示される各データセットの力の最大および最小値でプロットした。最良の当てはめ二次多項式直線を加えて傾向をグラフとして示した。
【0061】
その試験結果は第1領域10に対して中間領域11の累積幅を小さくすることは、パッケージを最初に開ける際に必要とされるピーク力の減少につながることを示している。好ましい実施態様では第1の領域10の幅のパーセンテージとして表されるラベル9の中間領域11の幅は80%~50%、より好ましくは80%~60%、さらに好ましくは約70%である。しかしながら、ラベルが50%~60%または50%~70%である実施態様も除外されない。第1の領域10に対する中間領域11の幅の選択は、必要とされる特定の開ける際の特性に依存する。
【0062】
上述の実施態様のラベルの第1の領域の幅は、50mm~30mm、より好ましくは45mm~35mm、さらに好ましくは45mm~40mmであってもよい。特に好ましい実施態様では、ラベルの第1の領域の幅は42mmである。前記幅はラベル9の第1の領域10の対向長手方向側部間の最も幅の広い箇所で測定された全幅である。
【0063】
当然のことながら 第1の領域10の幅は、ユーザーが紙巻きタバコ4を取り出せるように充分広くなければならない取り出し開口部を覆うという要求によって主に必要とされる。
【0064】
本明細書中で使用する「タバコ産業製品」なる用語は、紙巻きタバコ、シガリロ、シガー、パイプ用または手巻き紙巻きタバコ用タバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品または他の喫煙材をベースにしているかに関係なく)などの燃焼性喫煙品、電子タバコなどの電子喫煙品、タバコ加熱製品などの燃焼させずに基材から化合物を放出する加熱装置および例えば液体または固体基材を含むハイブリッドシステムのような基材を組あわせたものからエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムを含む喫煙品を包含すると理解されるべきである。
【0065】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は紙巻きタバコ、シガリロおよびシガーからなる群から選択される燃焼喫煙品である。
【0066】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は非燃焼性喫煙品である。
【0067】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は基材を燃やさずに加熱することによって化合物を放出する加熱装置である。基材は、タバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様では加熱装置はタバコ加熱装置である。
【0068】
別の実施態様では タバコ産業製品は基材を組あわせたものを燃やさずに加熱することによってエアロゾル発生させるハイブリッドシステムである。基材は、例えば固体、液体またはゲルであってもよく、これらはニコチンを含むまたは含まなくてもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材と固体基材とを含んでもよい。固体基材は、例えばタバコまたはタバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材とタバコとを含んでもよい。
【0069】
本発明の実施態様はタバコ産業製品、例えば紙巻きタバコを参照して説明した。しかしながら、当然のことながら本発明のパッケージはこれとは別に非タバコ産業関連製品に使用してもよい。
【0070】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れたタバコ産業製品用パッケージを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7
図8