(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】サーバ装置の制御方法、サーバ装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20221130BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20221130BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20221130BHJP
A63F 13/798 20140101ALI20221130BHJP
A63F 13/847 20140101ALI20221130BHJP
【FI】
A63F13/69 500
A63F13/35
A63F13/79 500
A63F13/798
A63F13/847
A63F13/69
(21)【出願番号】P 2021104469
(22)【出願日】2021-06-23
(62)【分割の表示】P 2019219190の分割
【原出願日】2014-07-25
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【氏名又は名称】高梨 玲子
(72)【発明者】
【氏名】水野 真志
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-153815(JP,A)
【文献】国際公開第2013/146804(WO,A1)
【文献】特開2014-104269(JP,A)
【文献】特開2014-018421(JP,A)
【文献】特開2013-059569(JP,A)
【文献】特開2013-222330(JP,A)
【文献】特開2014-054562(JP,A)
【文献】[メルスト攻略]ギルドバトルの基礎知識を身につけよう,<インターネット>スマホゲーム情報ならファミ通App,2014年05月30日,https://app.famitsu.com/20140530_373232
【文献】メルクストーリア -癒術士と鈴のしらべ -攻略Wiki[メルスト攻略],<インターネット>攻略wiki[メルスト攻略],2014年07月17日,https://web.archive.org/web/20140717210445://xn--cckza4aydug8bd3l,gamerch.com/ギルドバトル
【文献】第3回センター争奪バトルイベント!!,AKB48ステージファイター攻略wiki <インターネット>,2013年08月15日,http://akbstage.wiki.fc2.com/第3回センター争奪バトルイベント!!
【文献】ファンタシースターオンライン2 エキスパートガイド,ファンタシースターインライン2 エキスパートガイド,株式会社アスキー・メディアワークス,2013年09月13日,74-76
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを提供するサーバ装置の制御方法であって、
ユーザをグループに対応付けるステップと、
ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて
、報酬を付与するグループを判定するステップと、
前記報酬の価値に関する条件が満たされているか否かを判定するステップと、
前記条件が満たされている場合、前記報酬の価値を変更して、前記
ユーザが対応付けられたグループに対して前記価値を変更した後の報酬を付与し、
前記条件が満たされていない場合、前記報酬の価値を変更せず、前記グループに対して前記価値が変更されていない報酬を付与するステップと
を実現させ、
前記報酬の価値に関する条件は、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザに関与したこと、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザの救援を行ったこと、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザと協力したこと、
所定期間内に前記ユーザが他のユーザに対して前記ユーザが対応付けられたグループへの勧誘情報を送信したこと、
の少なくとも一つに関する条件であり、
前記グループに対して報酬を付与することは、前記グループに対応付けられた各ユーザ単位で報酬を付与すること、または、前記グループ単位で報酬を付与することを含
み、
前記報酬を付与するグループを判定するステップは、
前記ゲーム又はゲーム内のイベントに対する参加状況に基づいて、前記報酬を付与するグループを判定するものであり、
前記参加状況は、前記ゲームまたは前記イベントへの参加率または参加人数に基づいて決定される、制御方法。
【請求項2】
ゲームを提供するサーバ装置の制御方法であって、
ユーザをグループに対応付けるステップと、
ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて、報酬を付与するグループを判定するステップと、
前記報酬の価値に関する条件が満たされているか否かを判定するステップと、
前記条件が満たされている場合、前記報酬の価値を変更して、前記ユーザが対応付けられたグループに対して前記価値を変更した後の報酬を付与し、
前記条件が満たされていない場合、前記報酬の価値を変更せず、前記グループに対して前記価値が変更されていない報酬を付与するステップと
を実現させ、
前記報酬の価値に関する条件は、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザに関与したこと、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザの救援を行ったこと、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザと協力したこと、
所定期間内に前記ユーザが他のユーザに対して前記ユーザが対応付けられたグループへの勧誘情報を送信したこと、
の少なくとも一つに関する条件であり、
前記グループに対して報酬を付与することは、前記グループに対応付けられた各ユーザ単位で報酬を付与すること、または、前記グループ単位で報酬を付与することを含み、
前記報酬を付与するグループを判定するステップは、
前記ゲーム又はゲーム内のイベントに対する交流状況および/または参加期間に基づいて、前記報酬を付与するグループを判定するものであり、
前記交流状況は、メッセージの送受信の比率や送受信数に基づいて決定され、
前記参加期間は前記ゲームの総プレイ時間に基づいて決定される、制御方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の制御方法において、
前記報酬の価値は、前記所定期間内に前記ユーザが他のユーザに対して前記ユーザが対応づけられたグループへの勧誘情報を送信した回数に応じて変更される、制御方法。
【請求項4】
請求項1、2または3に記載の制御方法において、
前記報酬は、複数の報酬候補の中から、前記判定するステップにおいて前記所定の報酬を付与すると判定されたグループに対応付けられたユーザによって最も多く選択された報酬である、制御方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の制御方法において、
前記対応付けるステップでは、ユーザ操作によって同一の対象に関連付けられた複数のユーザを同一のグループに対応付ける、制御方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の制御方法において、
前記判定するステップでは、前記ユーザ及び当該ユーザが対応付けられたグループの、過去の活動に関する情報及び現在の活動に関する情報に基づいて、前記グループの活動に関する情報を判定し、当該グループの活動に関する情報に基づいて、前記報酬を付与するグループを判定する、制御方法。
【請求項7】
少なくとも1つの端末装置と通信を行うことにより当該端末装置に対してゲームを提供するサーバ装置であって、
ユーザをグループに対応付ける対応付け部と、
ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて
、報酬を付与するグループを判定する第一判定部と、
前記報酬の価値に関する条件が満たされているか否かを判定する第二判定部と、
前記条件が満たされている場合、前記報酬の価値を変更して、前記
ユーザが対応付けられたグループに対して前記価値を変更した後の報酬を付与し、
前記条件が満たされていない場合、前記報酬の価値を変更せず、前記グループに対して前記価値が変更されていない報酬を付与する報酬付与部と
を備え、
前記報酬の価値に関する条件は、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザに関与したこと、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザの救援を行ったこと、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザと協力したこと、
所定期間内に前記ユーザが他のユーザに対して前記ユーザが対応付けられたグループへの勧誘情報を送信したこと、
の少なくとも一つに関する条件であり、
前記グループに対して報酬を付与することは、前記グループに対応付けられた各ユーザ単位で報酬を付与すること、または、前記グループ単位で報酬を付与することを含
み、
前記第一判定部は、
前記ゲーム又はゲーム内のイベントに対する参加状況に基づいて、前記報酬を付与するグループを判定するものであり、
前記参加状況は、前記ゲームまたは前記イベントへの参加率または参加人数に基づいて決定される、サーバ装置。
【請求項8】
少なくとも1つの端末装置と通信を行うことにより当該端末装置に対してゲームを提供するサーバ装置であって、
ユーザをグループに対応付ける対応付け部と、
ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて、報酬を付与するグループを判定する第一判定部と、
前記報酬の価値に関する条件が満たされているか否かを判定する第二判定部と、
前記条件が満たされている場合、前記報酬の価値を変更して、前記ユーザが対応付けられたグループに対して前記価値を変更した後の報酬を付与し、
前記条件が満たされていない場合、前記報酬の価値を変更せず、前記グループに対して前記価値が変更されていない報酬を付与する報酬付与部と
を備え、
前記報酬の価値に関する条件は、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザに関与したこと、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザの救援を行ったこと、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザと協力したこと、
所定期間内に前記ユーザが他のユーザに対して前記ユーザが対応付けられたグループへの勧誘情報を送信したこと、
の少なくとも一つに関する条件であり、
前記グループに対して報酬を付与することは、前記グループに対応付けられた各ユーザ単位で報酬を付与すること、または、前記グループ単位で報酬を付与することを含み、
前記第一判定部は、
前記ゲーム又はゲーム内のイベントに対する交流状況および/または参加期間に基づいて、前記報酬を付与するグループを判定するものであり、
前記交流状況は、メッセージの送受信の比率や送受信数に基づいて決定され、
前記参加期間は前記ゲームの総プレイ時間に基づいて決定される、サーバ装置。
【請求項9】
ゲームを提供するコンピュータに、
ユーザをグループに対応付けるステップと、
ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて
、報酬を付与するグループを判定するステップと、
前記報酬の価値に関する条件が満たされているか否かを判定するステップと、
前記条件が満たされている場合、前記報酬の価値を変更して、前記
ユーザが対応付けられたグループに対して前記価値を変更した後の報酬を付与し、
前記条件が満たされていない場合、前記報酬の価値を変更せず、前記グループに対して前記価値が変更されていない報酬を付与するステップと
を実行させ、
前記報酬の価値に関する条件は、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザに関与したこと、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザの救援を行ったこと、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザと協力したこと、
所定期間内に前記ユーザが他のユーザに対して前記ユーザが対応付けられたグループへの勧誘情報を送信したこと、
の少なくとも一つに関する条件であり、
前記グループに対して報酬を付与することは、前記グループに対応付けられた各ユーザ単位で報酬を付与すること、または、前記グループ単位で報酬を付与することを含
み、
前記報酬を付与するグループを判定するステップは、
前記ゲーム又はゲーム内のイベントに対する参加状況に基づいて、前記報酬を付与するグループを判定するものであり、
前記参加状況は、前記ゲームまたは前記イベントへの参加率または参加人数に基づいて決定される、プログラム。
【請求項10】
ゲームを提供するコンピュータに、
ユーザをグループに対応付けるステップと、
ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて、報酬を付与するグループを判定するステップと、
前記報酬の価値に関する条件が満たされているか否かを判定するステップと、
前記条件が満たされている場合、前記報酬の価値を変更して、前記ユーザが対応付けられたグループに対して前記価値を変更した後の報酬を付与し、
前記条件が満たされていない場合、前記報酬の価値を変更せず、前記グループに対して前記価値が変更されていない報酬を付与するステップと
を実行させ、
前記報酬の価値に関する条件は、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザに関与したこと、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザの救援を行ったこと、
前記ユーザが前記グループ内の他のユーザと協力したこと、
所定期間内に前記ユーザが他のユーザに対して前記ユーザが対応付けられたグループへの勧誘情報を送信したこと、
の少なくとも一つに関する条件であり、
前記グループに対して報酬を付与することは、前記グループに対応付けられた各ユーザ単位で報酬を付与すること、または、前記グループ単位で報酬を付与することを含み、
前記報酬を付与するグループを判定するステップは、
前記ゲーム又はゲーム内のイベントに対する交流状況および/または参加期間に基づいて、前記報酬を付与するグループを判定するものであり、
前記交流状況は、メッセージの送受信の比率や送受信数に基づいて決定され、
前記参加期間は前記ゲームの総プレイ時間に基づいて決定される、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置の制御方法、サーバ装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ個人に対して、個人の参加状況(プレイ状況)に基づいて個人に対して報酬が与えられるゲームシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゲームへ参加するか否かは各ユーザの意思に依存する。このため、個人の参加状況に基づいて個人に対して報酬を与えるだけでは、ゲームでの活動意欲を向上させるには不十分であった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、ユーザによるゲームでの活動意欲を向上させることが可能なサーバ装置の制御方法、サーバ装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る制御方法は、ゲームを提供するサーバ装置の制御方法であって、ユーザをグループに対応付けるステップと、ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて、当該ユーザが対応付けられたグループの活動に関する情報を判定するステップと、前記グループの活動に関する情報に基づいてグループに報酬を対応付けるステップであって、前記ゲーム内で一のユーザによって行われた、同一のグループ内の他のユーザに対する救援の回数若しくは内容、又は、協力の回数若しくは内容に応じて、前記報酬の価値を変更する、ステップとを実現させる。
【0007】
また、上記課題を解決するために本発明に係る制御方法において、前記対応付けるステップではさらに、前記救援又は協力を行ったユーザと、前記救援又は協力を受けたユーザとの前記ゲーム内でのステータス情報の差に応じて前記報酬の価値を変更することが好ましい。
【0008】
また、上記課題を解決するために本発明に係る制御方法において、前記対応付けるステップではさらに、同一のグループ内のユーザの端末装置間で、所定のゲーム又はゲーム内のイベントへの招待情報が所定期間内に送信された場合、前記報酬の価値を高めることが好ましい。
【0009】
また、上記課題を解決するために本発明に係る制御方法において、前記対応付けるステップではさらに、所定期間活動していないユーザに活動を促す通知が、同一のグループ内のユーザの端末装置間で送信された場合、活動していない期間に応じて前記報酬の価値を変更することが好ましい。
【0010】
また、上記課題を解決するために本発明に係る制御方法において、前記対応付けるステップではさらに、ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対する活動状況を活性化させる、同一のグループに対応付けられたユーザ間の関与に応じて前記報酬の価値を変更し、前記関与によって前記活動状況が活性化しなかった場合であっても前記報酬の価値を変更することが好ましい。
【0011】
更に、上記課題を解決するために本発明に係るサーバ装置は、少なくとも1つの端末装置と通信を行うことにより当該端末装置に対してゲームを提供するサーバ装置であって、ユーザをグループに対応付ける対応付け部と、ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて、当該ユーザが対応付けられたグループの活動に関する情報を判定する判定部と、前記グループの活動に関する情報に基づいてグループに報酬を対応付ける報酬付与部であって、前記ゲーム内で一のユーザによって行われた、同一のグループ内の他のユーザに対する救援の回数若しくは内容、又は、協力の回数若しくは内容に応じて、前記報酬の価値を変更する、報酬付与部とを備える。
【0012】
更に、上記課題を解決するために本発明に係るプログラムは、ゲームを提供するコンピュータに、ユーザをグループに対応付けるステップと、ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて、当該ユーザが対応付けられたグループの活動に関する情報を判定するステップと、前記グループの活動に関する情報に基づいてグループに報酬を対応付けるステップであって、前記ゲーム内で一のユーザによって行われた、同一のグループ内の他のユーザに対する救援の回数若しくは内容、又は、協力の回数若しくは内容に応じて、前記報酬の価値を変更する、ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明におけるゲームサーバの制御方法、サーバ装置及びプログラムによれば、グループ単位の活動に関する情報に基づいてグループに対して報酬を付与することにより、ユーザによるゲームでの活動意欲を向上させることが可能なサーバ装置の制御方法、サーバ装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るサーバ装置及び端末装置の機能ブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るゲームシステムにおけるユーザDB16aを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るゲームシステムにおけるカードDB16bを示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るゲームシステムにおける投票DB16dを示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るゲームシステムにおける購入予約DB16cを示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るゲームシステムにおけるログインDB16eを示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るゲームシステムのサーバ装置の動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
[システム構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るゲームシステムの機能ブロック図である。ゲームシステムにおいて、ネットワークを介してサーバ装置1と端末装置2が通信する。サーバ装置1及び端末装置2の数は限定されない。端末装置2は、携帯型の端末であっても、設置型の端末であってもよい。
【0017】
サーバ装置1は、制御部11、対応付け部12、判定部13、報酬付与部14、通信部15及び記憶部16を備える。サーバ装置1は、端末装置2に対してゲームを提供する。サーバ装置1の各種動作は制御部11により制御される。本発明に係るサーバ装置1の各機能を説明するが、サーバ装置1が備える他の機能を排除することを意図したものではないことに留意されたい。
【0018】
対応付け部12は、ユーザをグループに対応付ける。1つのグループには1以上のユーザが対応付けられる。どのような基準に基づいて対応付け部12が対応付け(以下、グループ分けともいう)を行うかは後述する。
【0019】
判定部13は、ゲーム又はゲーム内のイベントに対するグループの活動に関する情報を判定する。活動に関する情報とは、ユーザやグループのゲーム又はゲーム内のイベントに対する活動状況を表す情報である。例えば、活動状況とは、ゲーム又はゲーム内のイベントに対する参加状況(具体的には、参加率や参加人数等)、交流状況(具体的には、メッセージの送受信の比率や送受信数等)及び/又は、参加期間(具体的には、総プレイ時間等)等であってもよい。本明細書では、活動状況とは一例として参加状況であるとして、以下説明する。グループの参加状況は、そのグループに属するユーザによる、ゲーム又はゲーム内のイベントに対する参加状況に基づいて判定される。ゲームとは、ゲームシステムが提供する対戦、クエスト、ミッション等を指す。ゲームへの参加とは例えば、対戦、クエスト、ミッション等を行うこと又はそれらを行うためにゲームシステムにログインすることをいう。一方ゲーム内のイベントとは、ゲームシステムによって実施され、ユーザによって投票、順位予想等の活動が行われるイベントを指す。イベントへの参加とは例えば投票、順位予想等の活動を行うこと又はそれらを行うためにゲームシステムにログインすることをいう。判定部13が、どのように参加状況を判定するかは後述する。
【0020】
報酬付与部14は、判定部13による判定結果に基づいて、グループに対する報酬を決定し、グループに対して報酬を付与する。ここで、「グループに対して報酬を付与する」とは、グループに対応付けられた(グループに属する)各ユーザ単位で報酬を付与すること又はグループ単位で報酬を付与することを意味する。報酬付与部14がどのように報酬を付与するかは後述する。
【0021】
通信部15は、端末装置2との間で情報を送受信する。通信は、有線又は無線の少なくとも一方により行われる。
【0022】
記憶部16は、ユーザDB16a、カードDB16b、購入予約DB16c、投票DB16d及びログインDB16eを備える。記憶部16が備える各DBは、サーバ装置1の外部に格納されて、必要なときにサーバ装置1からアクセスされてもよい。
【0023】
端末装置2は、制御部21、表示部22及び通信部23を備える。端末装置2の各種動作は、制御部21により制御される。本発明に係る端末装置2の各機能を説明するが、端末装置2が備える他の機能を排除することを意図したものではないことに留意されたい。
【0024】
表示部22は、例えばタッチパネルで構成される。表示部22は、種々のゲーム画面を表示するとともに、ユーザの操作によるユーザ入力を受付けるインタフェースとして機能する。
【0025】
通信部23は、サーバ装置1との間で情報を送受信する。通信は、有線又は無線の少なくとも一方により行われる。
【0026】
本実施形態に係るゲームシステムの概要を説明する。本実施形態に係るゲームシステムにおいて、ログインしたユーザがゲーム媒体を用いてゲームやゲーム内のイベントへの参加を行う。ゲーム媒体は、ゲームに使用される電子データであり、例えば、カード、アイテム、キャラクタ及びアバタ等を含む。また、ゲーム媒体は、ゲームの進行に応じ、ユーザによって、ゲーム内で、取得、保有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、及び/又は贈与等され得る電子データであるが、ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものには限られない。ゲーム媒体が固有に有するステータス情報は、ゲーム媒体の攻撃力及び防御力等の戦闘力、ゲーム媒体の攻撃手段及び防御手段等の戦闘手段、ゲーム媒体の後述するスキル情報、ゲーム媒体のアバタに関する情報、ゲーム媒体の後述する属性、ゲーム媒体の希少度を示す指標等である。ゲーム媒体の希少度を示す指標は、ノーマル、レア、スーパーレア、ウルトラレア等の階層により表されてもよい。本明細書では、ゲーム媒体がカードであるとして、以下説明する。カードには、少なくとも1つのキャラクタが描かれている。更に、カードには、キャラクタに応じて様々な衣装が描かれていてもよい。各キャラクタには少なくとも1つのチームが対応付けられており、チームは1以上のキャラクタにより構成されている。
【0027】
ユーザは、対戦(他のユーザとの対戦や、ゲームシステムが操作するキャラクタとの対戦)やクエストを通じてカードのステータス情報を変更することができる。例えば、ユーザは、所定の対戦やクエストにおいて取得したカードを既に保有しているカードと合成することによって、カードが有する攻撃力やスキル等のパラメータを強化することができる。また、ユーザは、所定の対戦やクエストにおいて獲得することのできる報酬(例えば、経験値等)によっても、カードが有する攻撃力やスキル等のパラメータを強化することができる。
【0028】
また、ユーザは、ゲーム内で用いる道具の電子データとしてアイテムを取得する。ユーザは、アイテムを用いてカードのステータス情報を変更してもよい。例えば、ユーザは、アイテムを用いて、カードの有する攻撃力やスキル等のパラメータを強化する。
【0029】
更に、ゲームシステムは、ゲーム内でユーザが参加することのできる所定のイベントを実施する。例えば、ゲームシステムは、ユーザのゲームシステムへのログイン等の所定条件が満たされた場合に、任意のカードをユーザに提示するイベントを実施する。ユーザは、仮想のゲーム内通貨を用いて所定のカードに対して購入予約を行うことができる。購入予約の際、ユーザは購入予定金額(例えば、コイン数)を指定する。ゲームシステムは、各ユーザの購入予約の対象であるカード及び購入予定金額を例えば毎日23時59分に集計し、集計結果に基づいて購入予約が成立したか否かを判定する。購入予約が成立した場合、ゲームシステムは、ユーザに対して報酬(例えば、購入予約の対象としたカード)を付与する。
【0030】
ゲームシステムは、例えば毎日所定時間になると投票イベントを実施する。投票イベントにおいて、ユーザは、カードやカードに描かれたキャラクタ等に投票する。ゲームシステムは、ユーザによる投票を所定の時間に集計し、集計結果に基づいて(例えば、最も多くの票を集めたカードに投票したユーザに)報酬を付与する。例えば、ユーザは報酬としてカード等を得ることができる。報酬は、複数の報酬候補の中からユーザに最も多く選ばれたものであってもよい。
【0031】
また、ゲームシステムは、現実世界で行われているイベントに合わせて順位予想イベントを実施する。例えば、カードのキャラクタは現実に存在する人物であり、それらの人物は現実の選挙によって順位を付与される。ユーザは、その現実の選挙によって決まる順位をゲームシステムにおいて予想する。ゲームシステムは、ユーザによる予想を所定の時間に集計し、集計結果に基づいて(例えば予想が当たったユーザに対して)報酬を付与する。
【0032】
その他、ゲームシステムは例えば毎日所定時間になると、レイドバトルのイベントを実施してもよい。この場合、複数のユーザは、ユーザの選択又は、ゲームシステムの選択により決定されるグループに属して、レイドボスを倒すことを目的として対戦に参加する。また、ゲームシステムは例えば毎日所定時間になると、ギルドバトルのイベントを実施してもよい。この場合、複数のユーザは、ユーザの選択又は、ゲームシステムの選択により決定されるグループに属して、グループ間で互いに対戦を行う。
【0033】
また、あるユーザが、ゲームシステムの通知機能を用いて同じグループ内の他のユーザにイベントに関する情報を通知(拡散)した場合、ゲームシステムは、当該ユーザ又はグループに所定の報酬を付与してもよい。具体的には、イベントが投票イベントである場合、ゲームシステムは、あるユーザが同一のグループ内の他のユーザにイベントに関する情報を通知した際に、当該あるユーザが通常の投票に加えて、更にもう1票投票できるようにしてもよい。
【0034】
[対応付け処理]
本実施形態に係るゲームシステムが行う処理を具体的に説明する。まず、ゲームシステムがどのようにユーザをグループへ対応付けるかを説明する。対応付け処理において対応付け部12は、ユーザ操作によって同一の対象に関連付けられた少なくとも一のユーザを同一のグループに対応付ける。具体的には、後述するような方法がある。
【0035】
第1の方法は、ユーザが登録したキャラクタに基づいてユーザをグループに対応付ける方法である。例えば、お気に入りとするキャラクタが同じユーザを同じグループに対応付ける方法であってもよい。ユーザはゲームにおいて、自身の関心対象の1以上のキャラクタを、「お気に入り」として、
図2に示すユーザDB16aに登録する。なお、ゲームシステムは、カードの使用率(例えば、対戦で用いるデッキに入れた期間の長さや対戦での使用頻度に基づく)等から、ユーザがお気に入りとするキャラクタを自動的に判定してもよい。判定後ゲームシステムは、お気に入りとするキャラクタを
図2に示すユーザDB16aに登録する。
【0036】
次いで対応付け部12はユーザDB16aを参照し、同じキャラクタをお気に入りとするユーザを同じグループに対応付ける。例えば、
図2に示す例では、対応付け部12は、キャラクタCH01をお気に入りとするユーザU0001とU0002とをグループG01に対応付ける。
【0037】
図3のカードDB16bに示す通り、各カードには、カードIDに対応付けて、複数のステータス情報が登録されている。具体的には、ステータス情報として、キャラクタ、衣装、チームが登録されている。そこで、「お気に入り」は、キャラクタのみならず、カード(同じキャラクタは、時期に応じて複数カードに描かれてもよい)、キャラクタの衣装又はチームを対象としてもよい。この場合、対応付け部12は、お気に入りとするカード、キャラクタの衣装又はチームが同じユーザを同じグループに対応付ける。
【0038】
また、第1の方法は、投票イベントの際に同じキャラクタに投票したユーザを同じグループに対応付ける方法であってもよい。例えば、
図4の投票DB16dに示す通り、対応付け部12は、同じキャラクタCH03を対象として投票したユーザU0004からU0006を同じグループG05に対応付ける。
【0039】
キャラクタではなくカードや衣装を対象として投票できるようにシステムを構成することによって、対応付け部12は、同じキャラクタ、同じ衣装又は同じチームを対象として投票したユーザを同じグループに対応付けてもよい。
【0040】
また、ユーザは、お気に入りのキャラクタを登録するのと同様に、倒したいキャラクタ若しくはカード又はグループ(ギルド)や、獲得したいカード又はキャラクタ等をユーザDB16aに登録することができる。この場合、対応付け部12は、ユーザDB16aを参照し、同じキャラクタ若しくはカード又はグループ(ギルド)を倒したい又は獲得したいユーザを同じグループに対応付ける。
【0041】
第2の方法は、対象に対する関連の度合いが同じユーザを同じグループに対応付ける方法である。第2の方法は例えば、所定の同一のカードに対して購入予約を行う際に同じ購入予定金額を指定することによって当該同一のカードに関連付けられたユーザを、同じグループに対応付ける方法である。具体的には、
図5に示す購入予約DB16cの例では、対応付け部12は、購入予約対象カードCA05に対して同じ購入予定金額100コインでの購入予約を行ったユーザU0005及びU0006を同じグループG08に対応付ける。
【0042】
その他の方法として、ユーザ操作が行われた期間、回数及び/又は順番に応じてユーザをグループに対応付ける方法がある。例えば、ゲームシステムにログインした順番に応じてユーザをグループに対応付ける方法である。この方法において対応付け部12は、例えば、
図6のログインDB16eに示す通り、ログインした順番が1番から999番のユーザをG10、ログインした順番が1000番から1999番のユーザをG11、ログインした順番が2000番から2999番のユーザをG12と対応付ける。
【0043】
上記した方法とは別に、サーバが任意にグループ分けを行ってもよい。対応付け部12はグループを、所定時間が経過したときに同じ方法又は違う方法により組み替えてもよい。また、対応付け部12は、報酬付与部14が報酬を付与する毎にグループを組み替えてもよい。
【0044】
また、対応付け部12は、グループ分けを、グループ分けを行う前の各ユーザの活動状況に基づいて行ってもよい。例えば、各グループに含まれるユーザのログイン数によって参加状況を判定する場合、仮に過去の所定の期間においてログイン数が多いユーザ同士でグループを組んでしまうと、そのグループに含まれるユーザの合計ログイン数は多くなる可能性が高くなる。結果的に、そのグループの参加状況が他のグループの参加状況に比べて良いと判定される可能性が高くなり、判定結果に偏りが生じてしまう。そこで、対応付け部12は、過去の所定の期間においてログイン数が多いユーザが同じグループにならないようにグループ分けを行ってもよい。
【0045】
更に、対応付け部12は、グループ分けを、所定のユーザ又は各ユーザに行わせてもよい。この場合、各ユーザはゲームシステムにおいて、どのグループに属するかを選択してもよいし、所定のユーザがグループに属するユーザを選択してもよい。
【0046】
端末装置2の表示部22は、対応付け部12から取得したグループ分けの結果を表示してもよい。例えば、表示部22は、各ユーザが属するグループ及びグループ分けの判定の基準となった情報を表示してもよい。具体的には、表示部22は、ユーザが属するグループ及びグループ分けの判定の基準となったログイン数、投票数、投票対象及び/又はお気に入りのキャラクタを表示してもよい。これにより、ユーザ同士の競い合いや協力が高まり、参加に対する動機が増す。
【0047】
[参加状況判定処理]
次に、ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの参加状況に基づいて、そのユーザが対応付けられたグループの参加状況をどのように判定するかを説明する。
【0048】
第1に、上述した第1の方法により対応付け処理を行った場合、
図4の投票DB16dを参照して、グループの中で投票率(活動の度合いの指標の1つ)が最も高いグループに報酬を付与する方法がある。この場合、判定部13は、
図2のユーザDB16aに基づき、各ユーザが属するグループを判定し、
図4の投票DB16dに基づき、各グループの投票人数を判定する。
図2のユーザDB16a及び
図4の投票DB16dを参照すると、それぞれのグループ(G01からG03)で投票を行ったユーザの人数は、G01のユーザが2名、G02のユーザが0名、G03のユーザが1名である。このとき、判定部13は、G01に対して報酬を付与すると判定する。
【0049】
また、上述した第1の方法により対応付け処理を行った場合、判定部13は、
図6のログインDB16eを参照して、ログイン率(活動の度合いの指標の1つ)が最も高いグループに報酬を付与してもよい。この場合、判定部13は、
図2のユーザDB16aに基づき、各ユーザが属するグループを判定し、
図6のログインDB16eに基づき、各グループのログイン率を判定する。
図6のログインDB16eを参照すると、それぞれのグループ(G01からG03)で現在ログインを行っているユーザの人数は、G01のユーザが0名、G02のユーザが1名、G03のユーザが0名である。このとき、判定部13は、G02に対して報酬を付与すると判定する。
【0050】
更に、判定部13は、投票率やログイン率のみならず、投票数、クエストクリア数等により参加状況を判定してもよい。
【0051】
また、上述した第1の方法により対応付け処理を行った場合、判定部13は、投票DB16dを参照して、グループの中で最も人数が多い又は少ないグループ(活動の度合いの指標の1つ)に報酬を付与してもよい。この場合、判定部13は、
図4の投票DB16dに基づき、各ユーザが属するグループを判定し、また各グループの人数を判定する。それぞれのグループ(G04からG07)のうち、同じキャラクタに投票したグループの人数は、G04が2名、G05が3名、G06が1名、G07が1名である。最も人数が多いグループに報酬を付与する場合、判定部13は、G05に報酬を付与すると判定する。一方、最も人数が少ないグループに報酬を付与する場合、判定部13は、G06及びG07に報酬を付与すると判定する。
【0052】
また、上述した第1の方法により対応付け処理を行った場合、判定部13は、投票DB16dの投票時刻を参照し、所定期間内に投票した人数が最も多いグループ(活動の度合いの指標の1つ)に報酬を付与してもよい。例えば、11時台に投票した人数が最も多いグループに報酬を付与する場合、判定部13は、G05(2名)に報酬を付与すると判定する。
【0053】
第2に、上述した第2の方法により対応付け処理を行った場合、購入予約DB16cを参照して、グループの中で最も人数が少ないグループ(活動の度合いの指標の1つ)に報酬を付与する方法がある。この場合、判定部13は、
図5の購入予約DB16cに基づき、各ユーザが属するグループを判定し、また各グループの人数も判定する。
図5の購入予約DB16cを参照すると、それぞれのグループ(G08、G09)で購入予約を行った人数は、G08が2名で、G09が1名である。このとき、判定部13は、G09に対して報酬を付与すると判定する。
【0054】
また、上述した第2の方法により対応付け処理を行った場合、判定部13は、
図5に示す購入予約DB16cを参照して、最も小さい購入予定金額(最安値)又は大きい購入予定金額(最高値)(活動の度合いの指標の1つ)を指定したグループに報酬を付与すると判定してもよい。この場合、判定部13は、
図5の購入予約DB16cに基づき、各ユーザが属するグループを判定し、また各グループの最安値又は最高値を判定する。
図5の購入予約DB16cを参照すると、それぞれのグループ(G08、G09)が指定した購入予定金額はG08が100コイン、G09が150コインである。最も小さい購入予定金額を指定したグループに報酬を付与する場合、判定部13は、G08に報酬を付与すると判定する。一方、最も大きい購入予定金額を指定したグループに報酬を付与する場合、判定部13は、G09に報酬を付与すると判定する。
【0055】
判定部13は、最安値且つ購入予定金額が他のグループと被らない金額を指定したグループに報酬を付与すると判定してもよい。この場合、判定部13は、G09に報酬を付与すると判定する。
【0056】
他方、上述した、ゲームシステムにログインした順番に応じてユーザをグループに対応付ける方法により対応付け処理を行った場合、ログインDB16eを参照して、グループの中で最もログイン数(ログイン率でもよい)が高いグループ(活動の度合いの指標の1つ)に報酬を付与する方法がある。この場合、判定部13は、
図6のログインDB16eに基づき、各ユーザが属するグループを判定し、また各グループのログイン数(又はログイン率)を判定する。ユーザがログアウトしたとき、ゲームシステムは、
図6のログインDB16eにそのログアウト時刻を記録する。判定部13は、ログインDB16eを参照し、所定の時点での各グループのユーザのログイン数又はログイン率を計算して、報酬を付与する。
【0057】
また、上述した対応付け処理によって組んだ既存のグループに基づいて報酬を付与する方法もある。この場合、判定部13は、ユーザ及びグループの過去の活動履歴と現在の活動履歴(活動の度合いの指標の1つ)に基づいて判定を行う。例えば、判定部13は、あるグループに属するユーザの前回のイベントにおけるログイン率と、現在のイベントにおけるログイン率を比較し、ログイン率の上昇度に応じて、報酬を付与すると判定する。これにより、グループの活動状況に差異がある場合においても、判定部13は活動状況の改善に応じて報酬を付与すると判定するため、活動状況が悪いグループに属するユーザにおいても、活動状況を活性化させる動機が生じる。
【0058】
[報奨付与処理]
次に、参加状況判定処理で報酬を付与すると判定されたグループ(参加状況が良いと判定されたグループ)に対して、どのように報酬を付与するかを説明する。報酬付与部14は、グループの活動の度合いに基づいて報酬を付与する。具体的には、後述のような方法がある。
【0059】
報酬付与部14が報酬をユーザ単位で付与する場合、ゲームでの活動意欲を向上させるため、報酬は、例えばユーザのログインを促すものであることが望ましい。そこで、報酬は例えば、ログインボーナス(ログインしたことに対する報酬)でしか手に入らないカード、ユーザの投票によって上位となったカード、アイテム、ゲーム内通貨等であってもよい。
【0060】
報酬付与部14が報酬をグループ単位で付与する場合、報酬は、例えば、グループの運営に利用されるゲーム内通貨やグループ間の対戦で用いることのできるアイテム等であってもよい。
【0061】
報酬付与部14は、報酬を、グループの参加状況に応じて段階的に差をつけて複数グループに付与してもよい。
【0062】
報酬は、報酬を付与されるユーザが複数の報酬の候補の中から選択可能であってもよい。
【0063】
更に、報酬付与部14は、ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対する活動状況を活性化させる、同じグループに対応付けられたユーザ間の関与に応じて報酬の価値を変更してもよい。例えば、報酬付与部14は、グループに属するユーザが活動状況の活性化を図る行為を行った場合に、報酬の価値を高めてもよい。また、上記の活性化を図る行為の結果、活動状況が活性化した場合、報酬付与部14はさらに、報酬の価値を高めてもよい。具体的には、あるユーザが、同じグループ内の他のユーザに所定期間内に所定のゲーム又はゲーム内のイベントへの招待メールを送信した場合に、報酬付与部14は、そのユーザが対応付けられたグループに対する報酬の価値を高めてもよい。報酬の価値を高めることとは、例えば、報酬の数を増やすこと、より高い価値の報酬に変更すること及び/又は報酬獲得率を高めることである。報酬付与部14は、招待メールを受信したユーザが実際にイベントに参加した場合にのみ報酬の価値を高めてもよい。
【0064】
報酬付与部14は、活動状況の活性化を図る行為の結果、活動状況が活性化しなかった場合であっても、活性化させようとする行為が行われたことを評価して報酬の価値を高めてもよい。具体的には、報酬付与部14は、招待メールを受信したユーザが実際にイベントに参加しなかった場合にも、グループ内でメールを送信するという活動が行われたことを評価して報酬の価値を高めるようにしてもよい。
【0065】
また、報酬付与部14は、あるユーザがグループ内の他のユーザの救援を行った回数やその救援の内容に応じて、報酬の価値を高めてもよい。具体的には、報酬付与部14は、ユーザの救援を行った対戦等のゲーム内における活躍(倒した敵の数や敵に与えたダメージ数等)を救援の内容として、報酬の価値を設定してもよい。報酬付与部14は、あるユーザが同一のグループ内の他のユーザと協力した(例えば、一緒にクエストや対戦を行うこと)回数や内容に応じて報酬の価値を高めてもよい。具体的には、報酬付与部14は、あるユーザの同一のグループ内の他のユーザと協力して行った対戦等のゲーム内における活躍(協力して実施した攻撃の数(例えば、コンボ数等)や協力して倒した敵の数等)を協力の内容として、報酬の価値を設定してもよい。更に、報酬付与部14は、あるユーザが、自身が属するグループに他のユーザを勧誘した回数や、勧誘対象者のゲーム内のステータス情報に応じて報酬の価値を高めてもよい。
【0066】
報酬付与部14は、ユーザが行った活性化を図る行為の内容に応じて、報酬の価値を高めてもよい。例えば、報酬付与部14は、ユーザが行った行為の対象者の状況や、ユーザと対象者のステータス情報の差に応じて報酬の価値を高めてもよい。具体的には、あるユーザが同じグループ内の所定期間ゲームにログインしていない他のユーザへゲームへのカムバックを促す通知(ゲームへの再度の参加を促す通知(例えば、メール))を送信した場合について説明する。この場合、報酬付与部14は、他のユーザのログインしていない期間の長さに応じて報酬の価値を高めてもよい。
【0067】
また、報酬付与部14は、救援や協力の要請に応えたユーザと、救援や協力を要請した他のユーザとのゲームシステム内におけるステータス情報の差に応じて報酬の価値を高めてもよい。具体的には、報酬付与部14は、ユーザ間のレベル、デッキの強さ、プレイ時間及び/又はクエストの進行度等の差が大きいほど報酬の価値を高めてもよい。これにより、ステータス情報が自分に比べて低いユーザ(すなわち、初心者)を救援する動機づけ及びそのようなユーザと協力する動機づけが生じる。
【0068】
更に、報酬付与部14は、所定期間内(例えば、イベント期間中やログイン人数が閾値より少ない/多い時間帯)のログイン率又は投票率等によって報酬又は報酬獲得率等を変更してもよい。
【0069】
図7は、本発明の一実施例に係るサーバ装置1の動作フローを示す図である。サーバ装置1は、お気に入りとするキャラクタ、購入予約の際にユーザが指定した購入予定金額、投票対象のキャラクタ、ログインの順番等に基づいて、ユーザをグループに対応付ける(ステップS1)。次にサーバ装置1は、ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて、そのユーザが対応付けられたグループの活動に関する情報を判定する(ステップS2)。サーバ装置1は、判定に、投票率、ログイン率、投票数、クエストクリア数等を用いる。
【0070】
続いて、サーバ装置1は、報酬の価値に関する所定の条件が満たされているか否かを判定する(ステップS3)。所定の条件とは、例えば、「所定期間内の活動に関する情報」、「同じグループ内の他のユーザに対して所定のゲーム又はゲーム内のイベントに関する通知を行ったか否か」又は「ゲーム又はゲーム内のイベントに対する活動を所定期間の間行っていないユーザであって同じグループ内の他のユーザに対して再度の活動を促したか否か」である。サーバ装置1は、上記の所定の条件が満たされていると判定した場合(ステップS3のYes)、報酬の価値を変更し、グループの活動に関する情報に基づいてグループに対して報酬を付与する(ステップS4)。一方サーバ装置1は、上記の所定の条件が満たされていないと判定した場合(ステップS4のNo)、報酬の価値を変更せずに、グループの活動に関する情報に基づいてグループに対して報酬を付与する(ステップS5)。
【0071】
以上説明した通り、例えば、サーバ装置1がグループのログイン率等に応じてグループに対して報酬を付与することにより、ユーザによるログインへの動機を獲得することができる。このように、サーバ装置1がグループ単位の活動に関する情報に基づいてグループに対して報酬を付与することにより、ユーザによるゲームでの活動意欲を向上させることができる。
【0072】
本実施形態のように、サーバ装置1が、端末装置2とネットワークを介して接続される場合には、ゲーム又はゲーム内のイベントの進行画面を、サーバ装置1が生成したデータに基づき端末装置2が表示するウェブ表示画面とすることができる。この場合、その他のメニュー画面等を端末装置2にインストールされているネイティブアプリによって表示するネイティブ表示とする等によって、本発明に係るゲームを、サーバ装置1と端末装置2のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。
【0073】
これらの本発明に係るサーバ装置1又は端末装置2の少なくとも一方をコンピュータで構成した場合、各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、当該コンピュータの内部又は外部の記憶部に格納しておき、当該コンピュータの中央演算処理装置(CPU)によってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。また、このようなプログラムは、例えばDVD又はCD-ROMなどの可搬型記録媒体の販売、譲渡、貸与等により流通させることができるほか、そのようなプログラムを、例えばネットワーク上にあるサーバの記憶部に記憶しておき、ネットワークを介してサーバから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、流通させることができる。また、そのようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に記憶することができる。また、このプログラムの別の実施態様として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、更に、このコンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。
【0074】
本発明を諸図面や実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部やステップ等を1つ組み合わせること、或いは分割することが可能である。以下に、本願の最古の出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
ゲームを提供するサーバ装置の制御方法であって、
ユーザをグループに対応付けるステップと、
ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて、当該ユーザが対応付けられたグループの活動に関する情報を判定するステップと、
前記グループの活動に関する情報に基づいてグループに報酬を対応付けるステップであって、前記ゲーム内で一のユーザによって行われた、同一のグループ内の他のユーザに対する救援の回数若しくは内容、又は、協力の回数若しくは内容に応じて、前記報酬の価値を変更する、ステップとを実現させる制御方法。
[2]
[1]に記載の制御方法において、
前記対応付けるステップではさらに、前記救援又は協力を行ったユーザと、前記救援又は協力を受けたユーザとの前記ゲーム内でのステータス情報の差に応じて前記報酬の価値を変更する、制御方法。
[3]
[1]又は[2]に記載の制御方法において、
前記対応付けるステップではさらに、同一のグループ内のユーザの端末装置間で、所定のゲーム又はゲーム内のイベントへの招待情報が所定期間内に送信された場合、前記報酬の価値を高める、制御方法。
[4]
[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の制御方法において、
前記対応付けるステップではさらに、所定期間活動していないユーザに活動を促す通知が、同一のグループ内のユーザの端末装置間で送信された場合、活動していない期間に応じて前記報酬の価値を変更する、制御方法。
[5]
[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の制御方法において、
前記対応付けるステップではさらに、ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対する活動状況を活性化させる、同一のグループに対応付けられたユーザ間の関与に応じて前記報酬の価値を変更し、前記関与によって前記活動状況が活性化しなかった場合であっても前記報酬の価値を変更する、制御方法。
[6]
少なくとも1つの端末装置と通信を行うことにより当該端末装置に対してゲームを提供するサーバ装置であって、
ユーザをグループに対応付ける対応付け部と、
ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて、当該ユーザが対応付けられたグループの活動に関する情報を判定する判定部と、
前記グループの活動に関する情報に基づいてグループに報酬を対応付ける報酬付与部であって、前記ゲーム内で一のユーザによって行われた、同一のグループ内の他のユーザに対する救援の回数若しくは内容、又は、協力の回数若しくは内容に応じて、前記報酬の価値を変更する、報酬付与部とを備えるサーバ装置。
[7]
ゲームを提供するコンピュータに、
ユーザをグループに対応付けるステップと、
ゲーム又はゲーム内のイベントの少なくとも一方に対するユーザの活動に関する情報に基づいて、当該ユーザが対応付けられたグループの活動に関する情報を判定するステップと、
前記グループの活動に関する情報に基づいてグループに報酬を対応付けるステップであって、前記ゲーム内で一のユーザによって行われた、同一のグループ内の他のユーザに対する救援の回数若しくは内容、又は、協力の回数若しくは内容に応じて、前記報酬の価値を変更する、ステップとを実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0075】
1 サーバ装置
2 端末装置
11 制御部
12 対応付け部
13 判定部
14 報酬付与部
15 通信部
16 記憶部
16a ユーザDB
16b カードDB
16c 購入予約DB
16d 投票DB
16e ログインDB
21 制御部
22 表示部
23 通信部