IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-固体撮像素子 図1
  • 特許-固体撮像素子 図2
  • 特許-固体撮像素子 図3
  • 特許-固体撮像素子 図4
  • 特許-固体撮像素子 図5
  • 特許-固体撮像素子 図6
  • 特許-固体撮像素子 図7
  • 特許-固体撮像素子 図8
  • 特許-固体撮像素子 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】固体撮像素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20221130BHJP
   H01L 27/144 20060101ALI20221130BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20221130BHJP
   H04N 5/33 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/144 K
H04N5/369
H04N5/33
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021207199
(22)【出願日】2021-12-21
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】17/379,150
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 浩偉
(72)【発明者】
【氏名】謝 佳▲倩▼
(72)【発明者】
【氏名】鄭 聖傳
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 慶強
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-005752(JP,A)
【文献】特開2015-008343(JP,A)
【文献】特開2015-216186(JP,A)
【文献】国際公開第2017/047215(WO,A1)
【文献】特開2021-086931(JP,A)
【文献】特開2016-134617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H01L 27/144
H04N 5/369
H04N 5/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体撮像素子であって、
光電変換素子と、
前記光電変換素子上に設置され、赤外線通過セグメント、前記赤外線通過セグメントの周辺に設置されるカラーフィルターセグメント、および、透過セグメントを有するモザイクパターン層と、
前記モザイクパターン層上に設置され、前記赤外線通過セグメント、前記カラーフィルターセグメント、および、前記透過セグメントが共有する第一集光構造と、を有し、
前記第一集光構造の中心は、前記赤外線通過セグメントの中心に対応する固体撮像素子。
【請求項2】
前記透過セグメントは、前記赤外線通過セグメントの四隅に設置されることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記透過セグメントは、10nmより大きい波長の光線に対し、且つ、1mmより小さい波長の光線に対し、90%より大きい透過率を有することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記赤外線通過セグメント、前記カラーフィルターセグメント、および、前記透過セグメントは、m×n 画素空間を有するm×n アレイを形成し、前記赤外線通過セグメントは、前記 m×n アレイのうちp×q 画素空間を占有し、m と n は、3以上の正の整数であり、p と q は、m と nより小さい正の整数であることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
前記固体撮像素子の上面図中、前記モザイクパターン層は、少なくとも一つの対称軸を有し、前記少なくとも一つの対称軸は、前記赤外線通過セグメントの一対角線と部分的に重複することを特徴とする請求項4に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記 m×n 画素空間はそれぞれ、0.4~1μmの範囲の幅を有することを特徴とする請求項4に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
前記モザイクパターン層は、前記光電変換素子と前記カラーフィルターセグメント間、あるいは、前記光電変換素子と前記透過セグメント間に設置される赤外線カットセグメントを有することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
前記モザイクパターン層は、前記カラーフィルターセグメントと前記第一集光構造間、あるいは、前記透過セグメントと前記第一集光構造間に設置される赤外線カットセグメントを有することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項9】
前記モザイクパターン層は、赤外線カットセグメントを有し、前記赤外線カットセグメントは、800nmより大きい波長の光線に対し、5%より小さい透過率を有することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項10】
前記赤外線通過セグメントと前記カラーフィルターセグメント間に設置される格子型構造、を有し、
前記格子型構造は、前記カラーフィルターセグメント間に、あるいは、前記カラーフィルターセグメントと前記透過セグメント間に設置されることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項11】
前記赤外線通過セグメントと前記カラーフィルターセグメント間に設置される格子型構造、を有し、
前記格子型構造は、前記赤外線通過セグメント内部に設置されることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項12】
前記赤外線通過セグメントと前記カラーフィルターセグメント間に設置される格子型構造、を有し、
前記固体撮像素子の断面において、前記格子型構造は、格子セグメントに分割されており、前記格子セグメントはそれぞれ、0.5~1.2μmの範囲の高さ、および、0.05~0.3μmの範囲の幅を有することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項13】
前記赤外線通過セグメントと前記カラーフィルターセグメント間に設置される格子型構造、を有し、
前記格子型構造の屈折率は、1.1~1.5の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項14】
前記第一集光構造は、前記赤外線通過セグメントに対応するように設置され、
前記固体撮像素子は、前記第一集光構造に隣接して設置される第二集光構造を有し、
前記第二集光構造は、前記カラーフィルターセグメント、あるいは、前記透過セグメントに対応するように設置され、
前記第一集光構造の厚さは、前記の各第二集光構造の厚さと異なることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項15】
前記赤外線通過セグメントは、800nmより大きい波長の光線に対して、80%より大きい透過率、および、750nmより小さい波長の光線に対して、5%より小さい透過率を有することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサーに関するものであって、特に、モザイクパターン層を有する固体撮像素子(solid state image sensor)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子(電荷結合素子 (CCD)イメージセンサー、相補型MOS (CMOS)イメージセンサー等)は、たとえば、デジタル静止画カメラ、デジタルビデオカメラ等の各種イメージ捕捉装置に幅広く用いられている。固体撮像素子の感光部分は、各画素で形成され、且つ、感光部分で受光される光線量にしたがって、信号電荷が生成される。このほか、感光部分で生成される信号電荷が送信、および、増幅されて、イメージ信号が得られる。
【0003】
近年、従来の固体撮像素子中で、赤色画素、緑色画素、および、青画素は、通常、重複したベイヤーパターン(Bayer patterns)として配列される。従来のいくつかの固体撮像素子において、一つ以上のカラー画素(たとえば、緑色画素)は、一個のユニットベイヤーパターン中の一個の赤外線画素により代替される。しかし、画素尺寸が縮小すると同時に、イメージセンサーの設計と製造における困難性が依然としてある。
【0004】
たとえば、画素尺寸が約1μmより小さいとき、低赤外線吸収により、赤外線画素は、低赤外線感受性、および、低赤外線信号対雑音比 (S/N)を有する。一個の大きいマイクロレンズを用いることで、赤外線感受性を増加させることはできるが、高チャネル分離(channel separation)も引き起こす。チャネル分離はイメージ検出を困難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、固体撮像素子を提供する。本発明のいくつかの実施形態において、固体撮像素子は、モザイクパターン層を有する。モザイクパターン層は、特定の配列を有する赤外線通過セグメント、および、カラーフィルターセグメントを有し、且つ、集光構造 (たとえば、マイクロレンズ)がモザイクパターン層上に設置されて被覆し、赤外線感受性を効果的に増加させるとともに、チャネル分離を改善し、これにより、固体撮像素子の光電変換素子からのイメージ信号の品質を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による固体撮像素子は、光電変換素子を有する。固体撮像素子はさらに、光電変換素子上に設置されるモザイクパターン層を有する。モザイクパターン層は、赤外線通過セグメント、および、赤外線通過セグメントの周辺に設置されるカラーフィルターセグメントを有する。固体撮像素子はさらに、モザイクパターン層上に設置される第一集光構造を有する。赤外線通過セグメント、および、カラーフィルターセグメントは、第一集光構造を共有する。
【0007】
いくつかの実施形態において、モザイクパターン層はさらに、赤外線通過セグメントの四隅に設置される透過セグメントを有する。
【0008】
いくつかの実施形態において、透過セグメントは、10nmより大きい波長の光線に対し、且つ、1mmより小さい波長の光線に対し、90%より高い透過率を有する。
【0009】
いくつかの実施形態において、赤外線通過セグメント、カラーフィルターセグメント、および、透過セグメントは、m×n 画素空間を有するm×n アレイを形成し、赤外線通過セグメントは、m×n アレイのうちp×q 画素空間を占有し、m と n は、3以上の正の整数であり、p と q は、m と nより小さい正の整数である。
【0010】
いくつかの実施形態において、固体撮像素子の上面図中、モザイクパターン層は、少なくとも一つの対称軸を有する。
【0011】
いくつかの実施形態において、対称軸は、赤外線通過セグメントの一対角線と部分的に重複する。
【0012】
いくつかの実施形態において、各画素空間は、0.4~1μmの範囲の幅を有する。
【0013】
いくつかの実施形態において、モザイクパターン層はさらに、カラーフィルターセグメント、および、透過セグメント上に設置される赤外線カットセグメントを有する。
【0014】
いくつかの実施形態において、赤外線カットセグメントは、光電変換素子とカラーフィルターセグメント間に、あるいは、光電変換素子と透過セグメント間に設置される。
【0015】
いくつかの実施形態において、赤外線カットセグメントは、カラーフィルターセグメントと第一集光構造間、あるいは、透過セグメントと第一集光構造間に設置される。
【0016】
いくつかの実施形態において、赤外線カットセグメントは、800nmより大きい波長の光線に対し、5%より低い透過率を有する。
【0017】
いくつかの実施形態において、固体撮像素子はさらに、赤外線通過セグメントとカラーフィルターセグメント間に設置される格子型構造を有する。
【0018】
いくつかの実施形態において、格子型構造はさらに、カラーフィルターセグメント間に設置される、あるいは、カラーフィルターセグメントと透過セグメント間に設置される。
【0019】
いくつかの実施形態において、格子型構造はさらに、赤外線通過セグメント内部に設置される。
【0020】
いくつかの実施形態において、固体撮像素子の断面図中、格子型構造は格子セグメントに分割されており、且つ、格子セグメントは、0.5~1.2μmの範囲の高さを有する。
【0021】
いくつかの実施形態において、各格子セグメントの幅は、0.05~0.3μmの範囲である。
【0022】
いくつかの実施形態において、格子型構造の屈折率は、1.1~1.5の範囲である。
【0023】
いくつかの実施形態において、第一集光構造は赤外線通過セグメントに対応するように設置され、固体撮像素子はさらに、第一集光構造に隣接する第二集光構造を有する。第二集光構造は、カラーフィルターセグメント、あるいは、透過セグメントに対応するように設置される。
【0024】
いくつかの実施形態において、第一集光構造の厚さは、各第二集光構造の厚さと異なる。
【0025】
いくつかの実施形態において、赤外線通過セグメントは、800nmより大きい波長の光線に対し、80%より高い透過率を有し、750nmより小さい波長の光線に対し、5%より低い透過率を有する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の固体撮像素子は、赤外線感受性を効果的に増加させるとともに、チャネル分離を改善し、これにより、固体撮像素子の光電変換素子からのイメージ信号の品質を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態による固体撮像素子の上面図である。
図2図1のA-A’線に沿った固体撮像素子の断面図である。
図3】本発明の一実施形態による固体撮像素子の上面図である。
図4図3のB-B’線に沿った固体撮像素子の断面図である。
図5図3のC-C’線に沿った固体撮像素子の断面図である。
図6】本発明の別の実施形態による図3のC-C’線に沿った固体撮像素子の断面図である。
図7】本発明のさらに別の実施形態による図3のC-C’線に沿った固体撮像素子の断面図である。
図8】本発明の一実施形態による固体撮像素子の別の上面図である。
図9】本発明の別の実施形態による固体撮像素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の開示は、多くの異なる実施形態、あるいは、例を提供して、提供される主題の異なる特徴を実施する。特定の例のコンポーネンツ、および、配置が以下で記載されて、本発明を簡潔にする。これらは、もちろん、単なる例であり、限定することを意図しない。たとえば、記載中の、第一特徴が第二特徴上に形成されるというのは、第一特徴、および、第二特徴が直接接触して形成される実施形態を有し、また、追加特徴が、第一特徴と第二特徴間に形成され、第一特徴、および、第二特徴が直接接触していない実施形態も有している。
【0029】
理解すべきことは、説明される工程の前、その期間、あるいは、その後に、追加工程が実行され、且つ、いくつかの工程は、説明される方法のその他の実施形態において、代替されたり、省略されたりすることである。
【0030】
さらに、記述を容易にするために、空間的相対用語、たとえば、 “下” “下方” “下部” “上” “上方” “上部” 等が用いられて、図面中で説明される一素子、あるいは、特徴ともう一つの素子、あるいは、特徴間の関係を記述する。空間的相対用語は、図面中で示される方位に加えて、使用中、あるいは、操作中の装置の異なる方位を包含することを目的とする。装置は正しい方向に置かれ(90度、あるいは、その他の方位で回転)、且つ、ここで用いられる空間的相対記述子は同様に解釈される。
【0031】
本発明において、用語“約”、および、“実質上”は、通常、状態値の+/-20%、状態値の+/-10% 、状態値の+/-5% 、状態値の+/-3%、状態値の+/-2%、状態値の+/-1% 、および、さらにいっそう、状態値の+/-0.5%を意味する。本発明の状態値は近似値である。つまり、特定の記述がないとき、状態値は、“約”や“実質上”の意味を含む。
【0032】
特に定義されない限り、ここで用いられる全用語(技術、および、科学用語を含む)は、当業者により理解されるものと同じ意義を有する。さらに、通常用いられる辞典で定義される用語は、特に定義されない限り、従来の技術の文脈中のそれらの意義と一致する意味を有するものとして解釈され、且つ、理想化、あるいは、過度に正式に解釈されるべきではない。
【0033】
本発明は、以下の実施形態で、参照符号、および/または、文字を繰り返す。この反復は、簡潔、且つ、はっきりとさせる目的のためであり、討論される各種実施形態、および/または、配置間の関係を決定付けるものではない。
【0034】
受光ユニットに入射する光線の方向によって、固体撮像素子は、大きく二類に分類される。一つは、表面照射型 (FSI)イメージセンサーで、読み取り回路の配線層が形成される半導体基板の前側に入射する光線を受信する。もう一つは、裏面照射型 (BSI)イメージセンサーであり、配線層が形成されない半導体基板の背面に入射する光線を受信する。カラーイメージを撮像するため、FSIとBSIイメージセンサー中に、カラーフィルター層が提供される。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態による固体撮像素子100の上面図である。図2は、図1のA-A’線に沿った固体撮像素子の断面図である。注意すべきことは、簡潔にするために、固体撮像素子100のいくつかの素子は、図1図2では省略されていることである。
【0036】
固体撮像素子100は、相補型MOS(CMOS)イメージセンサー、あるいは、電荷結合素子 (CCD)イメージセンサーであるが、本発明はそれらに制限されない。図2に示されるように、固体撮像素子100は半導体基板10を有し、たとえば、ウェハやチップであるが、本発明はそれらに制限されない。複数の光電変換素子11、たとえば、フォトダイオードが、半導体基板10中に形成される。
【0037】
図2に示されるように、半導体基板10中の光電変換素子11は、分離構造13、たとえば、シャロ―トレンチアイソレーション(STI)領域、あるいは、ディープトレンチアイソレーション(DTI)領域により互いに分離されるが、本発明はそれらに制限されない。分離構造13は、エッチングプロセスを用いて、半導体基板10中に形成されて、トレンチを形成するとともに、トレンチを絶縁、あるいは、誘電材で充填する。入射光は、半導体基板10の一表面に放射されるとともに、光電変換素子11により受光される。
【0038】
配線層(図示しない)が、半導体基板10のもう一つの表面上に形成されるが、本発明はそれらに制限されない。配線層は、複数の誘電層中に組み込まれた複数の導電線と導電ビアを有する相互接続層であり、さらに、固体撮像素子100に必要な各種電気回路を有する。
【0039】
固体撮像素子100はさらに、半導体基板10の表面(配線層と反対)上に形成されるとともに、光電変換素子11を被覆する高誘電率 (high-κ)膜(図示しない)とバッファ層 (図示しない)を有する。たとえば、高誘電率膜は、酸化ハフニウム (HfO2)、ハフニウムタンタル酸化物(HfTaO)、ハフニウムチタン酸化物 (HfTiO)、ハフニウムジルコニウム酸化物 (HfZrO)、五酸化タンタル (Ta2O5)、その他の適当な高誘電材、あるいは、それらの組み合わせを有するが、本発明はそれらに制限されない。高誘電率膜は、高屈折率、および、光線吸収能力を有する。さらに、バッファ層は、酸化ケイ素(silicon oxides)、窒化ケイ素(silicon nitrides)、酸窒化ケイ素(silicon oxynitrides)、その他の適当な絶縁材、あるいは、それらの組み合わせを有するが、本発明はそれらに制限されない。高誘電率膜は、たとえば、化学気相蒸着(CVD)、プラズマ化学気相成長法 (PECVD)、原子層堆積(atomic layer deposition、ALD)、あるいは、その他の蒸着技術により形成される。バッファ層は、たとえば、スピンオンコーティング(spin-on coating)、化学気相蒸着、流動性化学気相蒸着 (FCVD)、プラズマ化学気相成長法、物理的気相蒸着(PVD)、あるいは、その他の蒸着技術により形成される。
【0040】
図1図2を参照すると、いくつかの実施形態において、固体撮像素子100は、光電変換素子11上に設置されるモザイクパターン層20を有する。いくつかの実施形態において、モザイクパターン層20は、赤外線通過セグメント20SIR、および、赤外線通過セグメント20SIRの周辺上に設置されるカラーフィルターセグメント (たとえば、青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、あるいは、赤カラーフィルターセグメント20SR)を有する。たとえば、図1に示されるように、赤外線通過セグメント20SIRは、モザイクパターン層20の中心に設置され、二個の緑カラーフィルターセグメント20SGは、赤外線通過セグメント20SIRの左右側に設置されるとともに、赤カラーフィルターセグメント20SR、および、青カラーフィルターセグメント20SBはそれぞれ、赤外線通過セグメント20SIRの上下側に設置される。すなわち、カラーフィルターセグメント(赤カラーフィルターセグメント20SR、及び青カラーフィルターセグメント20SB)は、半導体基板10の表面(積層面)上で、赤外線通過セグメント20SIRを囲うように、配置される。なお、本発明において、カラーフィルターセグメント(赤カラーフィルターセグメント20SR、及び青カラーフィルターセグメント20SB)の配置はそれらに制限されない。
【0041】
いくつかの実施形態において、赤外線通過セグメント20SIRは、約800nmより大きい波長の光線に対し、約80%より大きい透過率を有し、約750nmより小さい波長の光線の対し、約5%より小さい透過率を有する。一方、赤外線通過セグメント20SIRは、蒸着プロセス、たとえば、化学気相蒸着 (CVD)、原子層堆積 (ALD)、分子線エピタキシー (MBE)、液相エピタキシー(LPE)等、あるいは、それらの組み合わせにより形成されるが、本発明はそれらに制限されない。
【0042】
注意すべきことは、青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、あるいは、赤カラーフィルターセグメント20SRは、別のカラーフィルターセグメントにより代替することができる。たとえば、モザイクパターン層20はさらに、白色カラーフィルターセグメント、シアン(cyan)カラーフィルターセグメント、マジェンタ(magenta)カラーフィルターセグメント、あるいは、黄カラーフィルターセグメントを有するが、本発明はそれらに制限されない。
【0043】
図1図2を参照すると、いくつかの実施形態において、固体撮像素子100は、モザイクパターン層20上に設置される集光構造31を有して、入射光を集光する。いくつかの実施形態において、赤外線通過セグメント20SIR、および、カラーフィルターセグメント(たとえば、青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、あるいは、赤カラーフィルターセグメント20SR)は、集光構造31を共有する。言い換えると、赤外線通過セグメント20SIR、および、カラーフィルターセグメントは、1つの集光構造31の下に設置される。たとえば、集光構造31の中心は、赤外線通過セグメント20SIRの中心に対応する。さらに詳細には、モザイクパターン層20が、固体撮像素子100の中心領域に位置するとき(たとえば、図1)、集光構造31の中心軸は、赤外線通過セグメント20SIRの中心軸と重複する(同軸となる)が、本発明はそれらに制限されない。モザイクパターン層20が、固体撮像素子100の周辺(あるいは、辺縁)位置に位置するとき (図示しない)、集光構造31の中心軸は、赤外線通過セグメント20SIRの中心軸に対し、偏移を有する(平行な位置関係にある)。
【0044】
たとえば、集光構造31は、透過材、たとえば、ガラス、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、その他の任意の可用な材料、あるいは、それらの組み合わせを有するが、本発明はそれらに制限されない。さらに、集光構造31は、フォトレジストリフロー方法(photoresist reflow method)、熱エンボス加工(hot embossing method)、その他の任意の適用方法、あるいは、それらの組み合わせにより形成される。集光構造31の形成工程は、スピンコーテイングプロセス、リソグラフィプロセス、エッチングプロセス、その他の任意の可用なプロセス、あるいは、それらの組み合わせを有するが、本発明はそれらに制限されない。
【0045】
集光構造31は、マイクロレンズ構造、たとえば、半凸レンズ、あるいは、凸レンズであるが、本発明はそれらに制限されない。たとえば、集光構造31は、マイクロピラミッド構造(micro pyramid) (たとえば、円錐、四角錐等)、あるいは、マイクロ台形構造(micro trapezoidal)(たとえば、平坦頂錐、切頂方錐等)である。あるいは、集光構造31は、グラジエントインデックス構造(gradient index)である。
【0046】
図1に示されるように、いくつかの実施形態において、モザイクパターン層20はさらに、赤外線通過セグメント20SIRの四隅に設置される透過セグメント20STを有する。すなわち、基板10の表面からみて、赤外線通過セグメント20SIR及び透過セグメント20STが矩形状に形成されており、赤外線通過セグメント20SIRの4つの角に対して、透過セグメント20STの1つの角がそれぞれ隣接するように、透過セグメント20STが赤外線通過セグメント20SIRの角部に配置されている。たとえば、透過セグメント20STは、透過材、たとえば、ガラス、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、その他の任意の適用材料、あるいは、それらの組み合わせを有するが、本発明はそれらに制限されない。いくつかの実施形態において、透過セグメント20STは、約10nmより大きく、且つ、約1mmより小さい波長の光線に対して、約90%より大きい透過率を有する。
【0047】
いくつかの実施形態において、赤外線通過セグメント20SIR、カラーフィルターセグメント (たとえば、青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、あるいは、赤カラーフィルターセグメント20SR)、および、透過セグメント20STは、m×n 画素空間(1つの画素が区切られた空間の1つになるように、画素と対応させた空間)を有するm×n 画素空間を有するm×n アレイを形成し、且つ、赤外線通過セグメント20SIRは、m×n アレイのうちp×q 画素空間を占有し、m と n は、3以上の正の整数であり、且つ、p と q は、m と nより小さい正の整数である。たとえば、図1に示されるように、赤外線通過セグメント20SIR、青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、赤カラーフィルターセグメント20SR、および、透過セグメント20STは、3×3画素空間を有する3×3アレイを形成し、且つ、赤外線通過セグメント20SIRは、3×3アレイの一(つまり、1×1)画素空間を占有するが、本発明はそれらに制限されない。
【0048】
図1に示されるように、各赤外線通過セグメント20SIR、青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、赤カラーフィルターセグメント20SR、および、透過セグメント20STは、一画素空間を占有するが、本発明はそれらに制限されない。さらに、いくつかの実施形態において、集光構造31は、赤外線通過セグメント20SIR、青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、赤カラーフィルターセグメント20SR、および、透過セグメント20STに対応する。つまり、赤外線通過セグメント20SIR、青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、赤カラーフィルターセグメント20SR、および、透過セグメント20STは同じ集光構造31を共有するが、本発明はそれらに制限されない。
【0049】
いくつかの実施形態において、図2に示されるように、固体撮像素子100は、赤外線通過セグメント20SIRとカラーフィルターセグメント (たとえば、青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、あるいは、赤カラーフィルターセグメント20SR)間に設置される格子型構造40を有する。いくつかの実施形態において、格子型構造40はさらに、カラーフィルターセグメントと透過セグメント20ST (たとえば、青カラーフィルターセグメント20SBと透過セグメント20ST間、緑カラーフィルターセグメント20SGと透過セグメント20ST間、あるいは、赤カラーフィルターセグメント20SRと透過セグメント20ST間)間に設置される。
【0050】
格子型構造40は、透明の誘電材を有する。いくつかの実施形態において、格子型構造40の屈折率は、約1.1~1.5の範囲である。さらに、格子型構造40の屈折率は、青カラーフィルターセグメント20SBの屈折率、緑カラーフィルターセグメント20SGの屈折率、および、赤カラーフィルターセグメント20SRの屈折率より低いが、本発明はそれらに制限されない。
【0051】
図2に示されるように、固体撮像素子100の断面図(基板10の表面(積層面)に対して垂直方向に沿う断面)中、格子型構造40は、格子セグメント40Sに分割される。いくつかの実施形態において、図2に示されるように、各格子セグメント40Sは、約0.5~1.2μmの範囲の高さH40を有する。いくつかの実施形態において、図2に示されるように、各格子セグメント40Sは、約0.05~0.3μmの範囲の幅W40を有する。
【0052】
いくつかの実施形態において、図2に示されるように、モザイクパターン層20はさらに、カラーフィルターセグメント (たとえば、緑カラーフィルターセグメント20SG)上に設置される赤外線カットセグメント20SCを有する。いくつかの実施形態において、赤外線カットセグメント20SCはさらに、透過セグメント20ST上に設置される(図2で示されない)。赤外線カットセグメント20SCは、選択的赤外線フィルターであり、特定波長(たとえば、約800nmより大きい波長)の赤外線光をカットする、あるいは、赤外線バンド全体の赤外線光をカットする。いくつかの実施形態において、赤外線カットセグメント20SCは、約800nmより大きい波長の光線に対し、約5%より小さい透過率を有する。
【0053】
いくつかの実施形態において、図2に示されるように、赤外線カットセグメント20SCは、光電変換素子11と緑カラーフィルターセグメント20SG間に設置される。つまり、赤外線カットセグメント20SCは、(緑)カラーフィルターセグメント下方に設置されるが、本発明はそれらに制限されない。いくつかの実施形態において、赤外線カットセグメント20SCはさらに、光電変換素子11と透過セグメント20ST間に設置される(図2で示されない)。つまり、赤外線カットセグメント20SCは、透過セグメント20ST下方に位置する。さらに、いくつかの実施形態において、格子型構造40は、赤外線カットセグメント20SC間に設置される。
【0054】
図3は、本発明の一実施形態による固体撮像素子102の上面図である。図4は、図3のB-B’線に沿った固体撮像素子102の断面図である。図5は、図3のC-C’線に沿った固体撮像素子102の断面図である。注意すべきことは、簡潔にするため、固体撮像素子102のいくつかの素子は、図3図4、および、図5では省略されていることである。
【0055】
固体撮像素子102は、光電変換素子11を有する。固体撮像素子102はさらに、光電変換素子11上に設置されるモザイクパターン層20を有する。モザイクパターン層20は、赤外線通過セグメント20SIR、および、赤外線通過セグメント20SIRの周辺上に設置される青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、および、赤カラーフィルターセグメント20SRを有する。固体撮像素子102はさらに、モザイクパターン層20上に設置される集光構造31を有する。赤外線通過セグメント20SIR、および、カラーフィルターセグメント (たとえば、青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、あるいは、赤カラーフィルターセグメント20SR)は、集光構造31を共有する。
【0056】
さらに、固体撮像素子102のモザイクパターン層20はさらに、赤外線通過セグメント20SIRの四隅に設置される透過セグメント20STを有する。たとえば、図3に示されるように、赤外線通過セグメント20SIR、青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、赤カラーフィルターセグメント20SR、および、透過セグメント20STは、4×4画素空間を有する4×4アレイを形成し、且つ、赤外線通過セグメント20SIRは、4×4アレイの2×2画素空間を占有するが、本発明はそれらに制限されない。
【0057】
いくつかの実施形態において、図3に示される固体撮像素子102の上面図中、4×4アレイの各画素空間は、約0.4~1μmの範囲の幅Pを有する。ここで、幅Pは、X軸、あるいは、Y軸に沿った各画素空間の幅として定義される。さらに、X軸、および、Y軸に沿った各画素空間の幅は異なる。
【0058】
さらに詳細には、図3に示される固体撮像素子102の上面図中、緑カラーフィルターセグメント20SG、および、赤カラーフィルターセグメント20SRは、赤外線通過セグメント20SIRの上側に設置され、青カラーフィルターセグメント20SB、および、緑カラーフィルターセグメント20SGは、赤外線通過セグメント20SIRの下側に設置され、緑カラーフィルターセグメント20SG、および、青カラーフィルターセグメント20SBは、赤外線通過セグメント20SIRの左側に設置され、赤カラーフィルターセグメント20SR、および、緑カラーフィルターセグメント20SGは、赤外線通過セグメント20SIRの右側に設置されるが、本発明はそれらに制限されない。
【0059】
いくつかの実施形態において、固体撮像素子102の上面図中、モザイクパターン20は、少なくとも一つの対称軸 (たとえば、図3に示される対称軸S)を有する。たとえば、図3に示されるように、二個の赤カラーフィルターセグメント20SRは、対称軸Sに対して互いに対称であり、四個の緑カラーフィルターセグメント20SGは、対称軸Sに対して互いに対称であり、二個の青カラーフィルターセグメント20SBは、対称軸Sに対して互いに対称であるが、本発明はそれらに制限されない。
【0060】
いくつかの実施形態において、図3に示されるように、対称軸Sは、赤外線通過セグメント20SIRの一対角線と部分的に重複する。すなわち、対称軸Sが、赤外線通過セグメント20SIRの対角線の1つと同一線上になるように、カラーフィルターセグメント及び赤外線通過セグメント20SIRが配置されている。その他のいくつかの実施形態において、モザイクパターン20は、二個以上の対称軸を有し、これらの対称軸は、赤外線通過セグメント20SIRのどの対角線とも重複せず、カラーフィルターセグメントの配列に基づく。
【0061】
いくつかの実施形態において、固体撮像素子102は、格子型構造40を有し、格子型構造40は、図4に示されるように、赤外線通過セグメント20SIRと緑カラーフィルターセグメント20SGの間、赤外線通過セグメント20SIRと赤カラーフィルターセグメント20SRの間、および、図5に示されるように、緑カラーフィルターセグメント20SGと赤カラーフィルターセグメント20SRの間、緑カラーフィルターセグメント20SGと透過セグメント20STの間、且つ、赤カラーフィルターセグメント20SRと透過セグメント20STの間に設置される。さらに、格子型構造40は、赤外線カットセグメント20SC間に設置される。
【0062】
図6は、本発明の別の実施形態による図3のC-C’線に沿った固体撮像素子102の断面図である。図7は、本発明のさらに別の実施形態による図3のC-C’線に沿った固体撮像素子102の断面図である。つまり、図6図7に示される固体撮像素子102の断面図は、図5の固体撮像素子102の断面図を代替することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、図6に示されるように、赤外線カットセグメント20SCは、緑カラーフィルターセグメント20SGと集光構造31間、赤カラーフィルターセグメント20SRと集光構造31間、および、透過セグメント20STと集光構造31間に設置される。つまり、赤外線カットセグメント20SCは、カラーフィルターセグメント、および、透過セグメント20ST上に設置される。言い換えると、カラーフィルターセグメント、および、透過セグメント20STは、光電変換素子11と赤外線カットセグメント20SC間に設置されるが、本発明はそれらに制限されない。
【0064】
いくつかの実施形態において、図7に示されるように、赤外線カットセグメント20SCは、光電変換素子11と緑カラーフィルターセグメント20SG間、および、光電変換素子11と赤カラーフィルターセグメント20SR間に設置される。つまり、赤外線カットセグメント20SCは、緑カラーフィルターセグメント20SG、および、赤カラーフィルターセグメント20SR下方に設置されるが、本発明はそれらに制限されない。さらに、赤外線カットセグメント20SCは、透過セグメント20STと集光構造31間に設置される。つまり、透過セグメント20STは、光電変換素子11と赤外線カットセグメント20SC間に設置されるが、本発明はそれらに制限されない。
【0065】
図8は、本発明の一実施形態による固体撮像素子102の別の上面図である。いくつかの実施形態において、固体撮像素子102は、一緒に配列される複数のモザイクパターン層20を有する。たとえば、図8は、X軸とY軸に沿って、互いに隣接して設置される四個のモザイクパターン層20を示すが、本発明はそれらに制限されない。固体撮像素子102中に、一緒に設置される四個以上のモザイクパターン層20がある。図8に示されるように、(異なるモザイクパターン層20中の)青カラーフィルターセグメント20SB、緑カラーフィルターセグメント20SG、および、赤カラーフィルターセグメント20SRは、複数の ベイヤーパターンBを形成するが、本発明はそれらに制限されない。
【0066】
図9は、本発明の別の実施形態による固体撮像素子104の断面図である。いくつかの実施形態において、図9に示されるように、格子型構造40はさらに、赤外線通過セグメント20SIR内部に設置される(すなわち、図9に示される格子セグメント40S1)。
【0067】
いくつかの実施形態において、図9に示されるように、集光構造31は、赤外線通過セグメント20SIRに対応し、固体撮像素子104はさらに、集光構造31に隣接して設置される集光構造32を有する。いくつかの実施形態において、図9に示されるように、集光構造32は、カラーフィルターセグメント(たとえば、緑カラーフィルターセグメント20SG、および、赤カラーフィルターセグメント20SR)に対応するように設置されている。さらに、集光構造32は、透過セグメント20STに対応する (図9に示されない)。つまり、集光構造31(本発明の「第一集光構造」に相当する)は赤外線通過セグメントSIR上に設置され、集光構造32(本発明の「第二集光構造」に相当する)はカラーフィルターセグメント及び/又は透過セグメント20ST上に設置される。
【0068】
いくつかの実施形態において、集光構造31の厚さT31は、各集光構造32の厚さT32と異なる。たとえば、図9に示されるように、集光構造31の厚さT31は、各集光構造32の厚さT32より大きく、さらによい赤外線感受性と信号対雑音比を達成するが、本発明はそれらに制限されない。その他の例において(示されない)、集光構造31の厚さT31は、各集光構造32の厚さT32より小さく、需要に基づいて調整される。
【0069】
総合すると、本発明のいくつかの実施形態による固体撮像素子は、モザイクパターン層を有する。モザイクパターン層は、特定の配列を有する赤外線通過セグメント、および、カラーフィルターセグメントを有し、集光構造は、モザイクパターン層上に設置されて、被覆し、赤外線感受性を効果的に増加させるとともに、チャネル分離を改善し、これにより、固体撮像素子の光電変換素子からのイメージ信号の品質を改善する。
【0070】
前述は、いくつかの施形態の特徴を説明するので、当業者は、本発明の態様をよりよく理解することができる。当業者なら理解できるように、たやすく、本発明を基礎として用いて、その他のプロセス、および、構造を設計、あるいは、修正されて、同じ目的を実現する、および/または、紹介される実施形態の同じ長所を達成することができる。当業者ならさらに理解できることは、このような等価構造は、本発明の精神と範囲を逸脱せず、且つ、それらは、精神と範囲を逸脱しない条件下で、各種変化、置換、修正を行うことができる。よって、保護範囲は、請求項によって決定されるべきである。また、本発明のいくつかの実施形態が上で開示されているが、それらは、本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0071】
この明細書を通じた特徴、長所、あるいは、類似言語は、本発明で実現されるすべての特徴、および、長所が、本発明の任意の単一の実施形態である、あるいは、単一の実施形態中に存在すべきであることを暗示するものではない。むしろ、特徴、および、長所に言及した言語は、一実施形態と関連して記載される特定の特徴、長所、あるいは、特性が、本発明の少なくとも一つの実施形態中に含まれることを意味すると理解される。よって、この明細書を通じた特徴、および、長所、および、類似言語の討論は、必ずしも、同じ実施形態を参照しない。
【0072】
さらに、一つ以上の実施形態において、本発明の記載される特徴、長所、および、特性は、任意の適当な方式で組み合わされる。当業者なら理解できるように、この記載の観点において、本開示は、特定の実施形態の一つ以上の特定の特徴、あるいは、長所がなくても実施することができる。ほかの例では、追加特徴、および、長所は、本開示の全実施形態中に含まれないある実施形態中で広く認められる。
【符号の説明】
【0073】
100、102、104…固体撮像素子
11…光電変換素子
13…分離構造
20…モザイクパターン層
20SB…青カラーフィルターセグメント
20SC…赤外線カットセグメント
20SG…緑カラーフィルターセグメント
20SIR…赤外線通過セグメント
20SR…赤カラーフィルターセグメント
20ST…透過セグメント
31、32…集光構造
40…格子型構造
40S…格子セグメント
AーA’、BーB’、CーC’…線
B…ベイヤーパターン
H40…高さ
S…対称軸
T31、T32…厚さ
W40…幅
X、Y、Z…座標軸
【要約】

【課題】 固体撮像素子を提供する。
【解決手段】 固体撮像素子が提供される。固体撮像素子は、光電変換素子を有する。固体撮像素子はさらに、光電変換素子上に設置されるモザイクパターン層を有する。モザイクパターン層は、赤外線通過セグメント、および、赤外線通過セグメントの周囲に設置されるカラーフィルターセグメントを有する。固体撮像素子はさらに、モザイクパターン層上に設置される第一集光構造を有する。赤外線通過セグメント、および、カラーフィルターセグメントは、第一集光構造を共有する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9